JP2023091328A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】素子の熱変形に伴う測定誤差を低減できるガスセンサを提供すること。【解決手段】空洞部を有する基板と、空洞部の上方において基板から延在する梁部によって支持された検知部と、を有するガスセンサである。検知部は、ヒータと、感応膜と、感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有している。一対の対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向している。そして、検知部が、対向電極の対向方向における検知部の幅が部分的に狭まっている第1幅狭部を有する。【選択図】図1B

Description

本発明は、エアブリッジ構造を有するガスセンサに関する。
メンブレン状の検知部を基板の空洞部上方に保持させた、エアブリッジ構造を有するガスセンサが知られている。当該ガスセンサでは、ヒータ抵抗により検知部を動作動温度まで加熱して、雰囲気中に存在する対象ガスの濃度を測定する。当該測定に際して、加熱によりメンブレン状の検知部が変形すると、素子変形に伴い、電極間距離(一対の対向電極の間隔)が変動し、測定誤差が生じてしまう。そのため、熱応力による電極間距離の変動を抑制する必要がある。
たとえば、特許文献1は、検知部の内部応力を制御することで、検知部の反りを抑制することを開示している。具体的に、特許文献1では、圧縮応力を有する酸化シリコン膜と、引っ張り応力を有する窒化シリコン膜とを検知部に積層することで、検知部の内部応力を相殺している。ただし、特許文献1の技術では、製造誤差により内部応力のバランスが崩れやすく、十分な変形抑制効果が得られない場合がある。また、膜厚などの寸法、積層膜の材質、電極パターンなどの検知部の設計を変更すると、内部応力のバランスも変化するため、設計変更が困難という問題もある。
また、特許文献2は、検知部の表裏面を貫通する孔やスリットを形成することで、検知部の変形を抑制することを開示している。ただし、特許文献2の技術では、孔やスリットを避けてヒータ抵抗や電極パターンを積層する必要があり、素子設計の自由度が低いという問題がある。
特開平8-264844号公報 特許第3374498号
本発明は、上記の実情を鑑みてなされ、その目的は、素子の熱変形に伴う測定誤差を低減できるガスセンサを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るガスセンサは、
空洞部を有する基板と、前記空洞部の上方において前記基板から延在する梁部によって支持された検知部と、を有し、
前記検知部が、ヒータと、感応膜と、前記感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有しており、
一対の前記対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、前記感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向しており、
前記検知部が、前記対向電極の対向方向における前記検知部の幅が部分的に狭まっている第1幅狭部を有する。
上記の特徴を有する第1の観点に係るガスセンサでは、ヒータの加熱により検知部が変形したとしても、第1幅狭部により応力を緩和することができる。その結果、電極間距離(一対の対向電極の間隔)の変動を抑制することができ、素子変形に伴う測定誤差を低減することができる。
好ましくは、前記検知部の四隅には、それぞれ、前記梁部が一体的に接続してあり、前記第1幅狭部が、前記対向電極の延在方向で隣接する2つの前記梁部の間の中央に位置する。応力が集中し易い梁部間の中央に第1幅狭部を配置することで、電極間距離の変動をより効果的に抑制することができる。
好ましくは、前記対向電極の延在方向における前記検知部の幅が部分的に狭まっている第2幅狭部を有する。対向電極の対向方向に沿う第1幅狭部と共に、対向電極の延在方向に沿う第2幅狭部も形成することで、電極間距離の変動をより効果的に抑制することができる。
検知部が、第1幅狭部と第2幅狭部とを有する場合、
前記対向方向における前記検知部の最大幅をWx0とし、
前記延在方向における前記検知部の最大幅をWy0とし、
前記対向方向における前記第1幅狭部の最小幅をWx1とし、
前記延在方向における前記第2幅狭部の最小幅をWy1とする。
そして、好ましくは、(Wx0-Wx1)/Wx0で表される前記第1幅狭部における幅の減少率RD1が、(Wy0-Wy1)/Wy0で表される前記第2幅狭部における幅の減少率RD2よりも、大きい。
対向電極の対向方向に沿う第1幅狭部の幅減少率RD1を大きくすることで、電極間距離の変動をさらに効果的に抑制することができる。
本発明の第2の観点に係るガスセンサは、
空洞部を有する基板と、前記空洞部の上方において前記基板から延在する梁部によって支持された検知部と、を有し、
前記検知部は、ヒータと、感応膜と、前記感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有し、
一対の前記対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、前記感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向しており、
前記検知部が、前記対向電極の延在方向に沿う第1縁辺の一部において、第1切り欠き部を有する。
上記の特徴を有する第2の観点に係るガスセンサでは、ヒータの加熱により検知部が変形したとしても、第1切り欠き部により応力を緩和することができる。その結果、電極間距離(一対の対向電極の間隔)の変動を抑制することができ、素子変形に伴う測定誤差を低減することができる。
好ましくは、前記検知部の四隅には、それぞれ、前記梁部が一体的に接続してあり、前記第1切り欠き部が、前記第1縁辺を介して隣接する2つの前記梁部の間の中央に位置する。応力が集中し易い梁部間の中央に第1切り欠き部を配置することで、電極間距離の変動をより効果的に抑制することができる。
好ましくは、前記検知部が、前記対向電極の対向方向に沿う第2縁辺の一部において、第2切り欠き部を有する。対向電極の延在方向に沿う第1縁辺だけでなく、対向電極の対向方向に沿う第2縁辺にも切り欠き部を形成することで、電極間距離の変動をより効果的に抑制することができる。
検知部が、第1切り欠き部と第2切り欠き部とを有する場合、
前記対向方向を第1軸とし、前記延在方向を第2軸として、
好ましくは、前記第1切り欠き部における前記第1軸の方向の最大幅B1xが、前記第2切り欠き部における前記第2軸の方向の最大幅B2yよりも、大きい。
第1縁辺に形成してある第1切り欠き部の寸法を、第2切り欠き部よりも大きくすることで、電極間距離の変動をさらに効果的に抑制することができる。
本発明の第1および第2の観点に係るガスセンサは、いずれも、熱伝導式、接触燃焼式、半導体式、もしくは、固体電解質式のガスセンサとして利用することができる。ガスセンサの駆動方式として、熱伝導式もしくは接触燃焼式を採用する場合には、前記感応膜は、サーミスタ膜であることが好ましい。
図1Aは、本発明の一実施形態に係るガスセンサ1aを示す分解斜視図である。 図1Bは、図1Aに示すガスセンサ1aの平面図である。 図1Cは、図1BのIC-IC線に沿う断面図である。 図1Dは、図1BのID-ID線に沿う断面図である。 図2は、従来のガスセンサ1bを示す平面図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係るガスセンサ1cを示す平面図である。 図4Aは、本発明のガスセンサの変形例を示す平面図である。 図4Bは、図4AのIVB-IVB線に沿う断面図である。 図5は、本発明のガスセンサの変形例を示す平面図である。 図6は、本発明のガスセンサの変形例を示す平面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
第1実施形態
第1実施形態では、本発明に係るガスセンサの一例として、図1A~図1Dに示す熱伝導式のガスセンサ1aについて説明する。
図1Aに示すように、ガスセンサ1aは、基板50と、基板50の上に形成してある膜積層部10とを有する。ガスセンサ1aの基板50は、基板50の表裏面を貫通する空洞部55を有しており、中空四角柱状の全体形状を有する。なお、基板50は、後述するエアブリッジ構造を形成し得る構造を有していればよく、基板50の形状および寸法は、図1Aに示す様態に限定されない。
一方、膜積層部10は、第1絶縁膜21、ヒータ3、第2絶縁膜23、一対の検知電極4、感応膜6、および、第3絶縁膜25を有している。膜積層部10では、上記の複数の構成膜が、Z軸に沿って記載の順に積層してある。そして、膜積層部10の上面には、4つのパッド電極8が形成してあり、パッド電極8を介して、図示しない外部回路と、ヒータ3または検知電極4とを電気的に接続できるようになっている。なお、本実施形態において、一対の検知電極4については、第1検知電極4aおよび第2検知電極4bに区別して記載する場合がある。単に「検知電極4」と記載する場合は、第1検知電極4aおよび第2検知電極4bに共通する特徴について記述していることを意味する。
図1Bの平面図に示すように、ガスセンサ1aの膜積層部10は、空洞部55の上方の一部を覆う検知部12と、基板50の表面と直に接している周縁部14と、検知部12と周縁部14とを一体的に接続する4本の梁部16と、を有する。すなわち、ガスセンサ1aは、検知部12が、空洞部55の上方で、基板表面の周縁部14から延在する4本の梁部16により支持されたエアブリッジ構造を有している。なお、4本の梁部16については、第1梁部16a~第4梁部16dに区別して記載する場合がある。単に「梁部16」と記載する場合は、第1梁部16a~第4梁部16dに共通する特徴について記述していることを意味する。
本実施形態において、検知部12は、Y軸方向に沿う2つの第1縁辺(12a,12b)と、X軸方向に沿う2つの第2縁辺(12c,12d)と、を有する。そして、検知部12は、部分的に括れた略正方形の平面視形状を有しており、検知部12のX軸方向の最大幅Wx0と、検知部12のY軸方向の最大幅をWy0とが、実質的に等しい。なお、本実施形態では、第1梁部16aと第2梁部16bとの間に位置する第1縁辺を、第1A縁辺12aと称し、第3梁部16cと第4梁部16dとの間に位置する第1縁辺を第1B縁辺12bと称する。また、第2梁部16bと第3梁部16cとの間に位置する第2縁辺を、第2C縁辺12cと称し、第1梁部16aと第4梁部16dとの間に位置する第2縁辺を、第2D縁辺12dと称する。
4本の梁部16は、いずれも、検知部12の角部に接続してあり、検知部12の対角線上に沿って延びている。第1梁部16aと第3梁部16cとは、対になっており、同一の対角線上に配置してある。また、第2梁部16bと第4梁部16dとは、対になっており、同一の対角線上に配置してある。
なお、梁部16の本数および形成位置は、図1Bに示す様態に限定されない。たとえば、梁部16は、少なくとも2本形成してあればよく、梁部16の数が多いほど、検知部12の機械的強度が向上する傾向となる。ただし、梁部16の数が多いと、検知部12の熱が梁部16を介して周縁部14に伝達され易くなる。そのため、梁部16の数は、2~4本であることが好ましく、4本であることがより好ましい。
また、梁部16は、検知部12における縁辺(12a~12d)の中央に接続してあってもよく、後述する検知電極4の対向部41の延在方向に沿って延在していることがより好ましい。さらに、梁部16は、検知部12の機械的強度を考慮して、バランスよく配置することが好ましい。たとえば、複数の梁部16は、検知部12におけるX-Y平面上の中心点に対して点対称となるように配置することが好ましい。もしくは、複数の梁部16は、X軸またはY軸に沿う検知部12の中心線に対して線対称となる位置に配置することが好ましい。
なお、ガスセンサ1aにおける空洞部55は、検知部12よりも大きい正方形の平面視形状を有する。ただし、空洞部55の形状は、エアブリッジ構造を形成できる形状であればよく、図1Aおよび図1Bに示す形状に限定されない。空洞部55については、長方形、多角形、円形、楕円形などの平面視形状を有していてもよい。
図1Bの平面図は、内部透視図となっており、検知部12に積層してあるヒータ3および一対の検知電極4が破線で示してある。具体的に、ヒータ3が細い破線で示してあり、一対の検知電極4が太い破線で示してある。
ヒータ3は、図1Bに示すように、配線が複数回折り返されて所定の間隔で平行に配置されるミアンダパターンを有することが好ましい。このヒータ3のミアンダパターンは、検知部12に積層してあり、対象ガスを検知する際に、検知部12の温度を作動温度まで加熱する役割を有する。検知部12に積層してあるヒータ3の配線パターンを、ミアンダパターンとすることで、効率よく均質に検知部12を加熱することができる。なお、ヒータ3における端部配線32は、それぞれ、ミアンダパターンの末尾から、第2梁部16bまたは第4梁部16dを通って、周縁部14まで引き出されている。
一対の検知電極4は、同一平面上に積層してあり、それぞれ、対向部41(対向電極)と、引出部42と、を有する。第1検知電極4aの対向部41、および、第2検知電極4bの対向部41は、いずれも、Y軸と平行な方向に延在している。そして、第1検知電極4aの対向部41と第2検知電極4bの対向部41とは、X軸方向において、所定の電極間距離D0で互いに対向している。電極間距離D0は、特に限定されず、所望の特性に応じて適宜設定すればよい。たとえば、検知部12のX軸方向の最大幅Wx0に対する電極間距離D0の比(D0/Wx0)は、0.02~0.8とすることができ、0.02~0.3であることが好ましい。
なお、第1実施形態の図1A~図1Dでは、上記のとおり、X軸が一対の対向部41の対向方向であり、Y軸が対向部41の延在方向であり、Z軸が膜積層部10における各膜の積層方向である。そして、X軸、Y軸、およびZ軸は、相互に略垂直である。検知部12では、第1縁辺(12a,12b)が、対向部41の延在方向に沿う縁辺であって、対向部41の対向方向と交差している。一方、第2縁辺(12c,12d)が、対向部41の対向方向に沿う縁辺であって、対向部41の延在方向と交差している。
第1検知電極4aの引出部42は、対向部41の一端から第1梁部16aを通って周縁部14まで引き出されている。第1検知電極4aと同様に、第2検知電極4bの引出部42は、対向部41の一端から第3梁部16cを通って周縁部14まで引き出されている。
図1Cに示す断面では、検知部12は、周縁部14に接続されておらず、周縁部14および基板50から離隔して存在している。このように、検知部12が空洞部55の上方で離隔して存在することで、検知部12の熱容量を、基板50と接している周縁部14の熱容量よりも小さくすることができる。また、検知部12と周縁部14との断熱性を向上することができる。したがって、エアブリッジ構造を有するガスセンサ1aでは、ヒータ3により検知部12を加熱する際に、少ない消費電力で効率よく検知部12を加熱することができる。
また、図1Cに示すように、ヒータ3は、検知部12において、第1絶縁膜21と第2絶縁膜23との間に積層してある。すなわち、ヒータ3は、外部雰囲気に露出しないように、第2絶縁膜23により覆われている。また、ヒータ3と一対の検知電極4との間に第2絶縁膜23が積層してあることで、ヒータ3と検知電極4との短絡が抑制されている。
また、図1Cに示すように、一対の検知電極4は、いずれも、第2絶縁膜23の上に積層してある。一対の検知電極4の上には、感応膜6が積層してあり、対向部41が感応膜6により覆われている。すなわち、第1検知電極4aの対向部41と第2検知電極4bの対向部41とは、いずれも、同一平面上において、感応膜6と直に接している。そして、検知部12の最上層には、第3絶縁膜25が積層してある。つまり、一対の検知電極4および感応膜6が外部雰囲気に露出しないように、感応膜6が、第3絶縁膜25により覆われている。
図1Dの断面に示すように、周縁部14には、第1絶縁膜21、第2絶縁膜23、および第3絶縁膜25が積層してある。また、周縁部14における第3絶縁膜25の表面には、パッド電極8が形成してある。第1梁部16aと隣接するパッド電極8の下方には、第3絶縁膜25を貫通するビアホール電極9aが形成してある。そして、第1検知電極4aにおける引出部42の端部が、ビアホール電極9aを介して、パッド電極8と電気的に接続している。一方、第2梁部16bと隣接するパッド電極8の下方には、第2絶縁膜23および第3絶縁膜25を貫通するビアホール電極9bが形成してある。そして、ヒータ3における端部配線32の端部が、ビアホール電極9bを介して、パッド電極8と電気的に接続している。
第1梁部16aでは、図1Dに示すように、第1絶縁膜21~第3絶縁膜25、第1検知電極4aの引出部42、および、感応膜6が積層してある。一方、第2梁部16cでは、第1絶縁膜21~第3絶縁膜25、ヒータ3の端部配線32、および、感応膜6が積層してある。上記のとおり、感応膜6は、検知部12から各梁部16に跨って存在しているが、感応膜6は、少なくとも検知部12に積層してあればよく、梁部16には、感応膜6が含まれていなくともよい。なお、第3梁部16cおよび第4梁部16dを通る断面は、図示していないが、図1Dに示す断面と同様であり、説明を省略する。
梁部16の幅や長さLなどの寸法は、特に限定されず、エアブリッジ構造を形成でき、かつ、検知部12の機械的強度を確保できるように、梁部16の寸法を決定すればよい。
本実施形態のガスセンサ1aでは、検知部12が、対向部41の延在方向に沿う第1縁辺(12a,12b)の一部において、第1切り欠き部71を有する。この第1切り欠き部71は、検知部12の一部が切り取られるようにして欠落している領域である。図1Bに示す平面図では、第1切り欠き部71が、楔形のような略三角形の平面視形状を有している。第1切り欠き部71の平面視形状は、図1Bに示す様態に限定されず、切り欠けた部分の縁辺が円弧状となるような、半円形や半楕円形の平面視形状を有していてもよい。ただし、第1切り欠き部71は、筋状のスリットではなく、所定の大きさを有していることが好ましい。筋状のスリットの場合、スリット部分に応力が集中する恐れがあるためである。
具体的に、第1切り欠き部71は、以下に示すような寸法を有することが好ましい。まず、第1切り欠き部71のX軸方向の最大幅(最大深さ)B1xは、検知電極4の対向部41に達しない程度の幅であればよく、たとえば、検知部12の最大幅Wx0に対するB1xの比(B1x/Wx0)は、0.05~0.15であることが好ましく、0.05~0.1であることがより好ましい。また、第1切り欠き部71のY軸方向の最大幅をB1yとすると、検知部12の最大幅Wy0に対するB1yの比(B1y/Wy0)は、0.05~0.5であることが好ましく、0.15~0.2であることがより好ましい。
第1切り欠き部71は、第1縁辺(12a,12b)の中央からずれた位置に形成してあってもよいが、図1Bに示すように第1縁辺(12a,12b)の中央に位置することが好ましい。換言すると、第1A縁辺12aの第1切り欠き部71は、第1梁部16aと第2梁部16bとの間の中央に位置することが好ましく、第1B縁辺12bの第1切り欠き部71は、第3梁部16cと第4梁部16dとの間の中央に位置することが好ましい。
なお、第1切り欠き部71は、2つの第1縁辺のうちのいずれか一方にのみ形成してあってもよい。ただし、図1Bに示すように、第1A縁辺12aと第1B縁辺12bとの両方に第1切り欠き部71を形成することが好ましく、第1A縁辺12a側の第1切り欠き部71と第1B縁辺12b側の第1切り欠き部71とが、対になるように、X軸方向で同一直線上に配置してあることが好ましい。また、第1A縁辺12aの第1切り欠き部71と第1B縁辺12bの第1切り欠き部71とは、互いに異なる形状や寸法を有していてもよいが、同様の形状および寸法を有していることが好ましい。
検知部12には、第1切り欠き部71により、第1幅狭部70aが形成されている。第1幅狭部70aは、検知部12においてX軸方向の幅が部分的に狭まっている領域であり、図1Bにおいてグレーの網掛けで示してある。換言すると、第1幅狭部70aは、検知部12がX軸方向の内側に向かって部分的に括れている領域である。この第1幅狭部70aは、対向部41の延在方向(Y軸方向)における検知部12の中央、すなわち、対向部41の延在方向で隣接する2つの梁部16の間の中央に位置することが好ましい。
第1幅狭部70aにおけるX軸方向の最小幅Wx1は、電極間距離D0の設定値に応じて決定すればよい。たとえば、検知部12の最大幅Wx0に対するWx1の比(Wx1/Wx0)は、0.85~0.95であることが好ましく、0.90~0.95であることがより好ましい。一方、第1幅狭部70aのY軸方向の幅は、第1切り欠き部71のY軸方向の最大幅B1yに相当し、当該B1yと同様に、Wy0に対して0.05倍~0.5倍であることが好ましく、0.15倍~0.2倍であることがより好ましい。
次に、基板50や膜積層部10に含まれる各膜の材質等について詳述する。
基板50は、膜積層部10を支持できる程度の機械的強度を有し、かつ、エッチング等の微細加工に適した材料で構成すればよく、基板50の材質は、特に限定されない。たとえば、基板50として、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、ガラス基板等シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、もしくは、ガラス基板等を用いることができる。
第1絶縁膜21、第2絶縁膜23、および第3絶縁膜25は、いずれも、絶縁性を有していればよく、その材質は特に限定されない。たとえば、これら第1絶縁膜21~第3絶縁膜25の材質は、酸化シリコンもしくは窒化シリコンなどとすることができ、酸化シリコンであることが好ましい。なお、第1絶縁膜21~第3絶縁膜25は、それぞれ異なる材料で構成してもよいが、同じ材料で構成することが好ましい。第1絶縁膜21~第3絶縁膜25を同じ材料で構成することで、層間の密着性が向上し、検知部12の機械的強度を確保することができる。
第1絶縁膜21は、基板50とヒータ3との間の絶縁性を十分に確保でき、かつ、空洞部55を形成する際のエッチング停止層として機能する程度の厚みであればよく、第1絶縁膜21の厚みは、特に限定されない。たとえば、第1絶縁膜21の厚みは、0.1~1.0μm程度とすることが好ましい。
第2絶縁膜23は、ヒータ3を確実に覆うことができ、かつ、層間の絶縁性を十分に確保できる程度の厚みであればよく、第2絶縁膜23の厚みは、特に限定されない。たとえば、第2絶縁膜23は、0.06~1.2μm程度の厚みとすることが好ましい。また、第3絶縁膜25は、感応膜6を確実に覆うことができ、かつ、層間の絶縁性を十分に確保できる程度の厚みであればよく、第3絶縁膜25の厚みは、特に限定されない。たとえば、第3絶縁膜25は、0.06~1.2μm程度の厚みとすることが好ましい。
ヒータ3は、導電性を有し、かつ、比較的高融点の材料で構成してあることが好ましい。このような材料として、たとえば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または、上記の元素のうち1種以上を含む合金が例示される。上記の材料のなかでも、白金は、イオンミリング等の高精度なドライエッチングが可能であり、耐腐食性も高いため、ヒータ3は、白金で構成することが好ましい。ヒータ3を白金材料で構成する場合、第1絶縁膜21に対するヒータ3の密着性を向上させるために、第1絶縁膜21と白金材料との間にチタン(Ti)等の密着層を形成することが好ましい。
一対の検知電極4は、いずれも、導電性を有し、かつ、比較的高融点の材料で構成してあることが好ましい。一対の検知電極4についても、ヒータ3と同様に、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または、上記の元素のうち1種以上を含む合金で構成することができ、白金で構成することが好ましい。
感応膜6は、温度によって抵抗値が変化する材質で構成すればよい。たとえば、感応膜6は、サーミスタ膜、または白金膜等とすることができ、サーミスタ膜であることが好ましい。また、サーミスタ膜の構成材料としては、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。感応膜6の材質および厚みは、いずれも、検知部12の初期抵抗値に影響する要素である。そのため、感応膜6の材質および厚みは、検知対象ガスの種類やガスセンサ1aの用途を鑑みて、所望の初期抵抗値となるように、適宜設定すればよい。
次に、ガスセンサ1aの製造方法の一例について説明する。
まず、基板50を準備し、基板50の一方の主面に、第1絶縁膜21を成膜する。第1絶縁膜21の成膜方法としては、熱酸化法、CVD法などを用いればよい。そして、第1絶縁膜21の上に、ヒータ3に含まれる導電性材料の薄膜(導電性薄膜)を形成する。ヒータ3を複数の導電性材料による積層構造(たとえばTi/Ptの積層構造)とする場合、複数の導電性薄膜を積層すればよい。導電性薄膜は、公知の成膜法を用いて形成すればよい。公知の成膜法とは、たとえば、スパッタ法、CVD法、PVD法などが挙げられる。導電性薄膜の形成後、エッチングにより当該導電性薄膜のパターニング加工を行い、ミアンダパターンを有するヒータ3を形成する。
次に、ヒータ3を覆うように、第2絶縁膜23を成膜する。第2絶縁膜23の成膜方法としては、第1絶縁膜21と同様の方法を採用すればよい。そして、第2絶縁膜23の上に、検知電極4を構成する導電性材料の薄膜を形成する。当該導電性薄膜に対して、エッチングによるパターニング加工を施し、図1Bに示すようなパターンを有する一対の検知電極4を形成する。
次に、一対の検知電極4を覆うように、感応膜6を成膜する。感応膜6は、感応膜6の材質に応じて、公知の成膜法で形成すればよい。たとえば、感応膜6を複合酸化物のサーミスタ膜とする場合、当該複合酸化物の組成となるように、スパッタリング法により感応膜6を成膜すればよい。感応膜6については、成膜後に、所定の温度および保持時間で熱処理を行い、所定の形状となるようにエッチングする。その後、感応膜6を覆うように、第3絶縁層25を、第1~第2絶縁膜と同様の方法で成膜する。
なお、第1~第3絶縁膜についても、エッチングによるパターニング加工を施し、図1Aおよび図1Bに示すような梁部16や第1切り欠き部71を有する形状に加工する。以上の工程により膜積層部10を形成した後、リフトオフ法などの公知の方法により、パッド電極8およびビアホール電極9を形成する。その後、周縁部14のZ軸下方にのみ基板50が残存するように、基板50の一部をエッチングにより除去し、空洞部55を形成する。基板50のエッチングは、Deep-RIE法などのドライエッチングや、異方性ウェットエッチングなどが適用できる。以上の方法により、図1A~図1Dに示すガスセンサ1aが得られる。
本実施形態のガスセンサ1aは、熱伝導式のガスセンサとして利用することができる。熱伝導式のガスセンサ1aでは、空気とは異なる熱伝導率を有するCO2,H2,He,COなどのガスを検知対象とする。所定の雰囲気中に存在する検知対象ガスの濃度を測定する際には、検知部12をヒータ3により作動温度まで加熱する。検知部12に検知対象ガスが触れると、雰囲気中の検知対象ガスの濃度に応じて、検知部12の放熱特性が変化する。放熱特性の変化により検知部12の温度が変わると、サーミスタ膜等で構成される感応膜6の抵抗値が変化する。この抵抗値変化を一対の検知電極4により電気信号として取り出すことで、検知対象ガスの濃度を求めることができる。
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態のガスセンサ1aは、検知部12が、空洞部55の上方で、基板50の表面から延在する4本の梁部16によって支持された、エアブリッジ構造を有する。検知部12には、ヒータ3と、感応膜6と、感応膜と接する一対の対向電極(対向部41)が含まれる。対向部41は、それぞれ、Y軸方向に沿って延在し、X軸方向において電極間距離D0で互いに対向している。このようなエアブリッジ構造を有するガスセンサ1aにおいて、検知部12が、対向部41の延在方向に沿う第1縁辺(12a,12b)の一部において、第1切り欠き部71を有する。また、検知部12が、対向部41の対向方向における検知部12の幅が部分的に狭まっている第1幅狭部70aを有する。
図2に示すような従来のガスセンサ1bでは、ヒータ3´により検知部12´を加熱すると、検知部12´の熱膨張が梁部16´により遮られる。熱膨張が抑制されると、梁部16´の間で検知部12´が圧縮されるように応力が加わり、検知部12´が変形する。この検知部12の変形に伴って電極間距離D0が広がる。特に、ガスセンサ1bでは、電極間距離D0が、対向部41´の中央側よりも端部側で広がる傾向となり、電極間距離D0のバラツキが大きくなる。検知部12´の変形により電極間距離D0が変動することで、電極間(一対の対向部間)の抵抗値が変化し、ガス濃度の測定結果に誤差が生じてしまう。
一方で、本実施形態のガスセンサ1aでは、検知部12に第1切り欠き部71または/および第1幅狭部70aを形成することで、検知部12の熱膨張によって生じる応力を緩和することができる。その結果、電極間距離D0の変動やバラツキによる抵抗値変化を小さくすることができ、ガス濃度の測定結果に誤差が生じることを抑制できる。
なお、検知部12に加わる熱応力は、梁部と梁部の間の中央部分(すなわち縁辺の中央部分)に集中し易い。そのため、第1縁辺(12a,12b)の中央に第1切り欠き部71を形成することで、X軸方向における検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。同様に、Y軸方向の中央に第1幅狭部70aを形成することで、X軸方向における検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。
第2実施形態
以下、図3に基づいて、第2実施形態に係るガスセンサ1cについて説明する。なお、第2実施形態における第1実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略し、同様の符号を使用する。
図3に示すように、ガスセンサ1cの検知部12は、第1実施形態のガスセンサ1aと同様に、第1切り欠き部71および第1幅狭部70aを有する。そのため、ガスセンサ1cにおいても、第1実施形態のガスセンサ1aと同様の作用効果が得られる。
ガスセンサ1cの検知部12は、対向部41の対向方向に沿う第2縁辺(12c,12d)の一部において、第2切り欠き部72を有する。この第2切り欠き部72も、第1切り欠き部71と同様に、検知部12の一部が切り取られるようにして欠落している領域であって、略三角形や半円形、半楕円形などの平面視形状を有することができる。第1縁辺(12a,12b)に切り欠き部(71)を形成するだけでなく、第2縁辺(12c,12d)にも切り欠き部(72)を形成することで、検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。つまり、電極間距離D0の変動やバラツキをより低減することができる。
第2切り欠き部72は、第2縁辺(12c,12d)の中央に位置することが好ましい。すなわち、第2C縁辺12cの第2切り欠き部72は、第2梁部16bと第3梁部16cとの間の中央に位置することが好ましく、第2D縁辺12dの第2切り欠き部72は、第1梁部16aと第4梁部16dとの間の中央に位置することが好ましい。第2切り欠き部72も、第2縁辺の中央に形成することで、検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。
第2切り欠き部72のY軸方向の最大幅(最大深さ)をB2yとすると、検知部12の最大幅Wy0に対するB2yの比(B2y/Wy0)は、0.03~0.12であることが好ましく、0.03~0.06であることがより好ましい。一方、第2切り欠き部72のX軸方向の最大幅をB2xとすると、検知部12の最大幅Wx0に対するB2xの比(B2x/Wx0)は、0.05~0.5であることが好ましく、0.15~0.2であることがより好ましい。
また、第2切り欠き部72は、第1切り欠き部71と同程度の寸法を有していてもよいが、第2切り欠き部72よりも第1切り欠き部71のほうが大きいことが好ましい。具体的に、B2yに対するB1xの比(B1x/B2y)は、1.0超過3.0以下であることが好ましく、2.0以上3.0以下であることがより好ましい。また、B2xに対するB1yの比(B1y/B2x)は、1.0超過1.5以下であることが好ましく、1.0超過1.2以下であることがより好ましい。
このように、第1切り欠き部71の寸法を、第2切り欠き部72よりも大きくすることで、検知部12のX軸方向の変形が特に抑制される傾向となり、電極間距離D0の変動やバラツキをさらに効果的に抑制することができる。
なお、第2切り欠き部72は、2つの第2縁辺のうちのいずれか一方にのみ形成してあってもよい。ただし、図3に示すように、第2C縁辺12cと第2D縁辺12dとの両方に第2切り欠き部72を形成することが好ましく、第2C縁辺12c側の第2切り欠き部72と第2D縁辺12d側の第2切り欠き部72とが、対になるように、Y軸方向で同一直線上に配置してあることが好ましい。また、第2C縁辺12cの第2切り欠き部72と第2D縁辺12dの第2切り欠き部72とは、互いに異なる形状や寸法を有していてもよいが、同様の形状および寸法を有していることが好ましい。
ガスセンサ1cの検知部12には、第2切り欠き部72により、第2幅狭部70bが形成されている。第2幅狭部70bは、検知部12においてY軸方向の幅が部分的に狭まっている領域であり、図3において、Y軸方向に沿って延在するグレーの網掛け部分が第2幅狭部70bである。換言すると、第2幅狭部70bは、検知部12がY軸方向の内側に向かって括れている領域である。第1幅狭部70aと共に第2幅狭部70bを形成することで、検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。つまり、電極間距離D0の変動やバラツキをより低減することができる。
この第2幅狭部70bは、対向部41の対向方向(X軸方向)における検知部12の中央、すなわち、対向部41の対向方向で隣接する2つの梁部16の間の中央に位置することが好ましい。第2幅狭部70bを、X軸方向における検知部12の中央に配置することで、検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。
第2幅狭部70bにおけるY軸方向の最小幅をWy1とすると、検知部12の最大幅Wy0に対するWy1の比(Wy1/Wy0)は、0.88~0.97であることが好ましく、0.94~0.97であることがより好ましい。一方、第2幅狭部70bのX軸方向の幅は、第2切り欠き部72のX軸方向の最大幅B2xに相当し、当該B2xと同様に、Wx0に対して0.05倍~0.5倍であることが好ましく、0.15倍~0.2倍であることがより好ましい。
ここで、(Wx0-Wx1)/Wx0で表される第1幅狭部70aにおける幅の減少率を、RD1とし、(Wy0-Wy1)/Wy0で表される第2幅狭部70bにおける幅の減少率を、RD2とする。率第1第1幅狭部70aと第2幅狭部70bとで、幅の減少率を比較した場合、第1幅狭部70aのRD1が、第2幅狭部70bのRD2よりも、大きいことが好ましい。具体的に、RD2に対するRD1の比(RD1/RD2)は、1.0超過8.1以下であることが好ましく、3.0以上6.0以下であることがより好ましい。
このように、第1幅狭部70aにおける幅の減少率を、第2幅狭部70bよりも大きくすることで、検知部12のX軸方向の変形が特に抑制される傾向となり、電極間距離D0の変動やバラツキをさらに効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
(変形例)
たとえば、上記の実施形態では、熱伝導式のガスセンサについて説明したが、本発明に係るガスセンサは、接触燃焼式、半導体式、もしくは、固体電解質式のガスセンサであってもよい。
図4Aおよび図4Bに示すガスセンサ1dが、接触燃焼式のガスセンサの一例である。ガスセンサ1dは、エアブリッジ構造の膜積層部10を有しており、膜積層部10に含まれる各膜(3,4,6,21~23)の構成は、第1実施形態のガスセンサ1aと同様とすることができる。ガスセンサ1dでは、膜積層部10の検知部12の上に、触媒部80が形成してある。
触媒部80は、触媒材料を担持した多孔質状の担体材料により構成することができる。担体材料としては、たとえば、酸化アルミニウム(γアルミナ等)、酸化チタン、酸化シリコン、酸化セリウム等の酸化物材料を用いることができる。触媒材料としては、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)等の貴金属、または、希土類元素酸化物、ビスマス酸化物等の金属酸化物を用いることができる。触媒部80の大きさは、検知部12に対する触媒部80の体積比が、10以上40以下となるように制御することが好ましい。また、触媒部80は、原料ペーストを、スクリーン印刷やディスペンサを用いた吐出等により、検知部12の上に塗布し、所定の温度で熱処理することで、形成することができる。
接触燃焼式のガスセンサ1dでは、COなどの可燃性ガスの濃度を測定することができる。測定時には、ヒータ3により検知部12を所定の温度に加熱する。この際、ガスセンサ1dが配置された空間に、検知対象である可燃性ガスが存在すると、その存在割合に応じて、触媒部80の上で可燃性ガスと酸素等が結合し燃焼する。この際、触媒部80は可燃性ガスと酸素の結合を促進する役割を有する。可燃性ガスの燃焼によって生じた燃焼熱(反応熱)が、サーミスタ膜などで構成される感応膜6に伝達されると、感応膜6の抵抗値が変化する。この抵抗値変化を一対の検知電極4により電気信号として取り出すことで、可燃性ガスの濃度を求めることができる。
このような接触燃焼式のガスセンサ1dにおいても、検知部12が第1切り欠き部71または/および第1幅狭部70aを有することで、電極間距離の変動を抑制でき、第1実施形態と同様の効果が得られる。図4Aおよび図4Bには図示していないが、接触燃焼式のガスセンサ1dにおいても、第2切り欠き部72および第2幅狭部70bを形成してもよく、これらを形成することで、より効果的に電極間距離の変動を抑制でき、第2実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明を半導体式のガスセンサに適用する場合には、感応膜6をSnO2,ZnO,In23などの金属酸化物の半導体膜とすればよい。また、本発明を固体電解質式のガスセンサに適用する場合には、感応膜6を、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やリチウムイオン導電性固体電解質などで構成される固体電解質膜とすればよい。固体電解質式のガスセンサの場合、一対の検知電極4の一方を作用電極とし、他方を参照電極とすればよい。作用電極には、白金、金、パラジウム、銀などの電子伝導材料と、アルカリ金属炭酸塩やアルカリ土類金属炭酸塩などの補助電極物質が含まれ、参照電極は、白金、金、パラジウム、銀などの電子伝導材料で構成すればよい。
また、上記の実施形態では、検知部12が略正方形の平面視形状を有しているが、検知部の平面視形状は、特に限定されず、たとえば、図5に示すように略長方形であってもよい。図5に示すガスセンサ1eでは、第1切り欠き部71が、検知部12の長手方向に沿う縁辺(第1縁辺12a,12b)に形成してある。また、ガスセンサ1eにおける検知部12の一部は、短手方向の内側に向かって括れており、検知部12の短手方向の幅が部分的に狭まるように第1幅狭部70aが存在する。検知部12が長方形の平面視形状を有する場合においても、第1切り欠き部71または/および第1幅狭部70aを形成することにより、検知部12の変形を抑制することができ、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、図5では図示していないが、ガスセンサ1eにおいても、検知部12の短手方向に沿う縁辺(第2縁辺12c,12d)に第2切り欠き部72を形成してもよく、検知部12の長手方向の幅が部分的に狭まるように第2幅狭部70bを形成してもよい。第2切り欠き部72または/および第2幅狭部70bを形成することで、検知部12の変形をより効果的に抑制することができ、第2実施形態と同様の効果が得られる。
また、検知部12の平面視形状を略長方形とする場合には、図5のガスセンサ1eに示すように、対向部41の延在方向と検知部12の長手方向とを略平行とすることが好ましい。ガスセンサ1eでは、検知部12の変形が、Y軸方向で支配的となり、X軸方向では検知部12が変形し難くなる。その結果、電極間距離D0の変動やバラツキをより効果的に抑制でき、測定誤差をより低減することができる。
また、検知部の平面視形状は、図6に示すように円形であってもよい。図6のガスセンサ1fでは、検知部13が、対向部41の延在方向に沿う円弧状の第1A縁辺13aおよび第1B縁辺13bにおいて、第1切り欠き部71を有している。また、ガスセンサ1fにおける検知部13の一部は、X軸方向の内側に向かって括れており、検知部13の径方向の幅が部分的に狭まるように第1幅狭部70aが存在する。なお、「径方向の幅」とは、円の中心点をとおる幅であり、第1幅狭部70aの径方向における最小幅Wx1が、検知部13の直径や最大幅Wx0よりも小さくなっている。検知部が円形の場合においても、第1切り欠き部71または/および第1幅狭部70aを形成することにより、検知部13の変形を抑制することができ、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、図6では図示していないが、ガスセンサ1fの検知部13は、対向部41の対向方向に沿う円弧状の第2C縁辺13cおよび第2D縁辺13dにおいて、第2切り欠き部72を有していてもよい。また、検知部13には、対向部41の延在方向に沿って、検知部13の径方向の幅が部分的に狭まるように、第2幅狭部70bが形成してあってもよい。円形の検知部13を有するガスセンサ1fにおいても、第2切り欠き部72または/および第2幅狭部70bを形成することで、検知部13の変形をより効果的に抑制することができ、第2実施形態と同様の効果が得られる。
なお、検知部の平面視形状は、上述した正方形、長方形、円形の他に、楕円形やその他多角形であってもよい。
1a~1f … ガスセンサ
10 … 膜積層部
12,13 … 検知部
12a,12b,13a,13b … 第1縁辺
12c,12d,13c,13d … 第2縁辺
14 … 周縁部
16,16a~16d … 梁部
70a … 第1幅狭部
70b … 第2幅狭部
71 … 第1切り欠き部
72 … 第2切り欠き部
3 … ヒータ
32 … 端部配線
4,4a,4b … 検知電極
41 … 対向部(対向電極)
42 … 引出部
6 … 感応膜
8 … パッド電極
9a,9b … ビアホール電極
21,23,25 … 絶縁膜
80 … 触媒部
50 … 基板
55 … 空洞部

Claims (9)

  1. 空洞部を有する基板と、前記空洞部の上方において前記基板から延在する梁部によって支持された検知部と、を有し、
    前記検知部は、ヒータと、感応膜と、前記感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有し、
    一対の前記対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、前記感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向しており、
    前記検知部が、前記対向電極の対向方向における前記検知部の幅が部分的に狭まっている第1幅狭部を有するガスセンサ。
  2. 前記検知部の四隅には、それぞれ、前記梁部が一体的に接続してあり、
    前記第1幅狭部が、前記対向電極の延在方向で隣接する2つの前記梁部の間の中央に位置する請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記検知部が、前記対向電極の延在方向における前記検知部の幅が部分的に狭まっている第2幅狭部を有する請求項1または2に記載のガスセンサ。
  4. 前記対向方向における前記検知部の最大幅をWx0とし、
    前記延在方向における前記検知部の最大幅をWy0とし、
    前記対向方向における前記第1幅狭部の最小幅をWx1とし、
    前記延在方向における前記第2幅狭部の最小幅をWy1として、
    (Wx0-Wx1)/Wx0で表される前記第1幅狭部における幅の減少率RD1が、(Wy0-Wy1)/Wy0で表される前記第2幅狭部における幅の減少率RD2よりも、大きい請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 空洞部を有する基板と、前記空洞部の上方において前記基板から延在する梁部によって支持された検知部と、を有し、
    前記検知部は、ヒータと、感応膜と、前記感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有し、
    一対の前記対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、前記感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向しており、
    前記検知部が、前記対向電極の延在方向に沿う第1縁辺の一部において、第1切り欠き部を有するガスセンサ。
  6. 前記検知部の四隅には、それぞれ、前記梁部が一体的に接続してあり、
    前記第1切り欠き部が、前記第1縁辺を介して隣接する2つの前記梁部の間の中央に位置する請求項5に記載のガスセンサ。
  7. 前記検知部が、前記対向電極の対向方向に沿う第2縁辺の一部において、第2切り欠き部を有する請求項5または6に記載のガスセンサ。
  8. 前記対向方向を第1軸とし、前記延在方向を第2軸として、
    前記第1切り欠き部における前記第1軸の方向の最大幅B1xが、前記第2切り欠き部における前記第2軸の方向の最大幅B2yよりも大きい請求項7に記載のガスセンサ。
  9. 前記感応膜が、サーミスタ膜である請求項1~8のいずれかに記載のガスセンサ。
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