JP2023091320A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】素子の熱変形に伴う測定誤差を低減できるガスセンサを提供すること。【解決手段】空洞部を有する基板と、空洞部の上方において基板から延在する2以上の梁部によって支持された検知部と、を有するガスセンサである。検知部は、ヒータと、感応膜と、感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有している。一対の対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向している。そして、全ての梁部が、対向電極の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在している。【選択図】図1B

Description

本発明は、エアブリッジ構造を有するガスセンサに関する。
メンブレン状の検知部を基板の空洞部上方に保持させた、エアブリッジ構造を有するガスセンサが知られている。当該ガスセンサでは、ヒータ抵抗により検知部を動作動温度まで加熱して、雰囲気中に存在する対象ガスの濃度を測定する。当該測定に際して、加熱によりメンブレン状の検知部が変形すると、素子変形に伴い、電極間距離(一対の対向電極の間隔)が変動し、測定誤差が生じてしまう。そのため、熱応力による電極間距離の変動を抑制する必要がある。
たとえば、特許文献1は、検知部の内部応力を制御することで、検知部の反りを抑制することを開示している。具体的に、特許文献1では、圧縮応力を有する酸化シリコン膜と、引っ張り応力を有する窒化シリコン膜とを検知部に積層することで、検知部の内部応力を相殺している。ただし、特許文献1の技術では、製造誤差により内部応力のバランスが崩れやすく、十分な変形抑制効果が得られない場合がある。また、膜厚などの寸法、積層膜の材質、電極パターンなどの検知部の設計を変更すると、内部応力のバランスも変化するため、設計変更が困難という問題もある。
また、特許文献2は、検知部の表裏面を貫通する孔やスリットを形成することで、検知部の変形を抑制することを開示している。ただし、特許文献2の技術では、孔やスリットを避けてヒータ抵抗や電極パターンを積層する必要があり、素子設計の自由度が低いという問題がある。
特開平8-264844号公報 特許第3374498号
本発明は、上記の実情を鑑みてなされ、その目的は、素子の熱変形に伴う測定誤差を低減できるガスセンサを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明に係るガスセンサは、
空洞部を有する基板と、前記空洞部の上方において前記基板から延在する2以上の梁部によって支持された検知部と、を有し、
前記検知部が、ヒータと、感応膜と、前記感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有しており、
一対の前記対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、前記感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向しており、
全ての前記梁部が、前記対向電極の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在している。
上記の特徴を有するガスセンサでは、ヒータの加熱により検知部が変形したとしても、電極間距離(一対の対向電極の間隔)の変動を抑制することができる。その結果、素子変形に伴う測定誤差を低減することができる。
前記対向電極の前記延在方向における前記検知部の最大幅Wy0と、前記対向電極の対向方向における前記検知部の最大幅Wx0と、が等しくてもよい。
ただし、好ましくは、前記対向電極の前記延在方向における前記検知部の最大幅Wy0が、前記対向電極の対向方向における前記検知部の最大幅Wx0よりも広い。そして、一対の前記対向電極および全ての前記梁部が、いずれも、前記検知部の長手方向に沿って延在していることが好ましい。
好ましくは、前記検知部が、前記対向電極の対向方向における前記検知部の幅が部分的に狭まっている幅狭部、を有する。この場合、前記幅狭部は、前記延在方向における前記検知部の中央に位置することが好ましい。
好ましくは、前記素子本体部が、前記延在方向に沿う縁辺の一部において、切り欠き部を有する。この場合、前記切り欠き部は、前記縁辺の中央に位置することが好ましい。
本発明に係るガスセンサは、熱伝導式、接触燃焼式、半導体式、もしくは、固体電解質式のガスセンサとして利用することができる。ガスセンサの駆動方式として、熱伝導式もしくは接触燃焼式を採用する場合には、前記感応膜は、サーミスタ膜であることが好ましい。
図1Aは、本発明の一実施形態に係るガスセンサ1aを示す分解斜視図である。 図1Bは、図1Aに示すガスセンサ1aの平面図である。 図1Cは、図1BのIC-IC線に沿う断面図である。 図1Dは、図1BのID-ID線に沿う断面図である。 図2Aは、従来のガスセンサ1bを示す平面図である。 図2Bは、従来のガスセンサ1cを示す平面図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係るガスセンサ1dを示す平面図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係るガスセンサ1eを示す平面図である。 図5Aは、本発明のガスセンサの変形例を示す平面図である。 図5Bは、図5AのVB-VB線に沿う断面図である。 図6は、本開示のガスセンサの変形例を示す平面図である。 図7Aは、本発明のガスセンサの変形例を示す平面図である。 図7Bは、本発明のガスセンサの変形例を示す平面図である。 図7Cは、本発明のガスセンサの変形例を示す平面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
第1実施形態
第1実施形態では、本発明に係るガスセンサの一例として、図1A~図1Dに示す熱伝導式のガスセンサ1aについて説明する。
図1Aに示すように、ガスセンサ1aは、基板50と、基板50の上に形成してある膜積層部10とを有する。ガスセンサ1aの基板50は、基板50の表裏面を貫通する空洞部55を有しており、中空四角柱状の全体形状を有する。なお、基板50は、後述するエアブリッジ構造を形成し得る構造を有していればよく、基板50の形状および寸法は、図1Aに示す様態に限定されない。
一方、膜積層部10は、第1絶縁膜21、ヒータ3、第2絶縁膜23、一対の検知電極4、感応膜6、および、第3絶縁膜25を有している。膜積層部10では、上記の複数の構成膜が、Z軸に沿って記載の順に積層してある。そして、膜積層部10の上面には、4つのパッド電極8が形成してあり、パッド電極8を介して、図示しない外部回路と、ヒータ3または検知電極4とを電気的に接続できるようになっている。なお、本実施形態において、一対の検知電極4については、第1検知電極4aおよび第2検知電極4bに区別して記載する場合がある。
図1Bの平面図に示すように、ガスセンサ1aの膜積層部10は、空洞部55の上方の一部を覆う検知部12と、基板50の表面と直に接している周縁部14と、検知部12と周縁部14とを一体的に接続する4本の梁部16と、を有する。すなわち、ガスセンサ1aは、検知部12が、空洞部55の上方で、基板表面の周縁部14から延在する4本の梁部16により支持されたエアブリッジ構造を有している。なお、4本の梁部16については、第1梁部16a~第4梁部16dに区別して記載する場合がある。単に「梁部16」と記載する場合は、第1梁部16a~第4梁部16dに共通する特徴について記述していることを意味する。
検知部12は、X軸またはY軸と平行な4つの縁辺を有し、検知部12のX軸方向の最大幅Wx0と、検知部12のY軸方向の最大幅Wy0とが、等しくなっている。すなわち、ガスセンサ1aの検知部12は、正方形の平面視形状を有する。ただし、検知部12の形状は、特に限定されず、検知部12が、長方形、多角形、円形、楕円形などの平面視形状を有していてもよい。また、Wx0およびWy0の寸法は、特に限定されず、ガスセンサ1aの用途や要求仕様に応じて適宜決定すればよい。
なお、ガスセンサ1aにおける空洞部55は、検知部12よりも大きい正方形の平面視形状を有する。ただし、空洞部55の形状は、エアブリッジ構造を形成できる形状であればよく、図1Aおよび図1Bに示す形状に限定されない。空洞部55についても、長方形、多角形、円形、楕円形などの平面視形状を有していてもよい。
図1Bの平面図は、内部透視図となっており、検知部12に積層してあるヒータ3および一対の検知電極4が破線で示してある。具体的に、ヒータ3が細い破線で示してあり、一対の検知電極4が太い破線で示してある。
ヒータ3は、図1Bに示すように、配線が複数回折り返されて所定の間隔で平行に配置されるミアンダパターン31を有することが好ましい。このヒータ3のミアンダパターン31は、検知部12に積層してあり、対象ガスを検知する際に、検知部12の温度を作動温度まで加熱する役割を有する。検知部12に積層してあるヒータ3の配線パターンを、ミアンダパターンとすることで、効率よく均質に検知部12を加熱することができる。なお、ヒータ3における端部配線32は、それぞれ、ミアンダパターン31の末尾から、第2梁部16bまたは第4梁部16dを通って、周縁部14まで引き出されている。
一対の検知電極4は、同一平面上に積層してあり、それぞれ、対向部41(対向電極)と、引出部42と、を有する。第1検知電極4aの対向部41、および、第2検知電極4bの対向部41は、いずれも、Y軸と平行な方向に延在している。そして、第1検知電極4aの対向部41と第2検知電極4bの対向部41とは、X軸方向において、所定の電極間距離D0で互いに対向している。電極間距離D0は、特に限定されず、所望の特性に応じて適宜設定すればよい。たとえば、検知部12の最大幅Wx0に対する電極間距離D0の比(D0/Wx0)は、0.02~0.8とすることができ、0.02~0.3であることが好ましい。なお、第1実施形態の図1A~図1Dでは、上記のとおり、X軸が対向部41の対向方向であり、Y軸が対向部41の延在方向であり、Z軸が膜積層部10における各膜の積層方向である。X軸、Y軸、およびZ軸は、相互に略垂直である。
第1検知電極4aの引出部42は、対向部41の一端から第1梁部16aを通って周縁部14まで引き出されている。第1検知電極4aと同様に、第2検知電極4bの引出部42は、対向部41の一端から第3梁部16cを通って周縁部14まで引き出されている。
図1Cに示す断面では、検知部12は、周縁部14に接続されておらず、周縁部14および基板50から離隔して存在している。このように、検知部12が空洞部55の上方で離隔して存在することで、検知部12の熱容量を、基板50と接している周縁部14の熱容量よりも小さくすることができる。また、検知部12と周縁部14との断熱性を向上することができる。したがって、エアブリッジ構造を有するガスセンサ1aでは、ヒータ3により検知部12を加熱する際に、少ない消費電力で効率よく検知部12を加熱することができる。
また、図1Cに示すように、ヒータ3は、検知部12において、第1絶縁膜21と第2絶縁膜23との間に積層してある。すなわち、ヒータ3は、外部雰囲気に露出しないように、第2絶縁膜23により覆われている。また、ヒータ3と一対の検知電極4との間に第2絶縁膜23が積層してあることで、ヒータ3と検知電極4との短絡が抑制されている。
また、図1Cに示すように、一対の検知電極4は、いずれも、第2絶縁膜23の上に積層してある。一対の検知電極4の上には、感応膜6が積層してあり、対向部41が感応膜6により覆われている。すなわち、第1検知電極4aの対向部41と第2検知電極4bの対向部41とは、いずれも、同一平面上において、感応膜6と直に接している。そして、検知部12の最上層には、第3絶縁膜25が積層してある。つまり、一対の検知電極4および感応膜6が外部雰囲気に露出しないように、感応膜6が、第3絶縁膜25により覆われている。
図1Dの断面に示すように、周縁部14には、第1絶縁膜21、第2絶縁膜23、および第3絶縁膜25が積層してある。また、周縁部14における第3絶縁膜25の表面には、パッド電極8が形成してある。そして、パッド電極8の下方には、第3絶縁膜25を貫通するビアホール電極9が形成してある。各検知電極4a,4bにおける引出部42の端部は、ビアホール電極9を介して、パッド電極8と電気的に接続している。
なお、ヒータ3の端部配線32が通る断面は、図示していないが、端部配線32の端部も、検知電極4の引出部42と同様に、ビアホール電極9を介して、パッド電極8と電気的に接続している。端部配線32と接続しているビアホール電極9は、第2絶縁膜23および第3絶縁膜25を貫通する電極である。
第1梁部16aおよび第3梁部16cでは、図1Dに示すように、第1絶縁膜21~第3絶縁膜25、検知電極4の引出部42、および、感応膜6が積層してある。なお、第2梁部16bおよび第4梁部16dの断面は図示していないが、第2梁部16bおよび第4梁部16dでは、第1絶縁膜21~第3絶縁膜25、ヒータ3の端部配線32、および、感応膜6が積層してある。上記のとおり、感応膜6は、検知部12から各梁部16に跨って存在しているが、感応膜6は、少なくとも検知部12に積層してあればよく、梁部16には、感応膜6が含まれていなくともよい。
本実施形態のガスセンサ1aでは、各梁部16a~16dの延在方向が、検知電極4の延在方向を基準として定められている。具体的に、4本の梁部16a~16dは、いずれも、対向部41の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在している(図1B参照)。ここで、「実質的に平行」とは、梁部16の延在方向と対向部41の延在方向とがなす角αが、±45°未満であることを意味する。上記の角度αは、±10°以下であることが好ましく、±3°以下であることがより好ましく、0°(平行)であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態のガスセンサ1aは、4本の梁部16を有しているが、梁部16の数は、2本以上であればよく、特に限定されない。梁部16の数が多いほど、検知部12の機械的強度が向上する傾向となる。ただし、梁部16の数が多いと、検知部12の熱が梁部16を介して周縁部14に伝達され易くなる。そのため、梁部16の数は、2~4本であることが好ましく、4本であることがより好ましい。
ガスセンサ1aの梁部16a~16bは、図1Bに示すように、それぞれ、検知部12のX軸と平行な縁辺の端部に接続してある。第1梁部16aと第2梁部16bとは、対になっており、Y軸方向の同一線上に配置してある。また、第3梁部16cと第4梁部16dとは、対になっており、Y軸方向の同一線上に配置してある。このように、複数の梁部16は、対向部41の延在方向に沿う中心線に対して線対称の位置に配置してあることが好ましい。複数の梁部16をバランスよく配置することで、検知部12の機械的強度が向上するとともに、検知部12の変形抑制効果が期待できる。
梁部16のX軸方向の幅は、特に限定されない。たとえば、梁部16のX軸方向の幅は、検知部12のX軸方向の最大幅Wx0に対して、0.2倍~0.75倍の範囲内とすることが好ましい。また、梁部16のY軸方向の長さL(図1D参照)も特に限定されない。たとえば、梁部16のY軸方向の長さLは、検知部12のY軸方向の最大幅Wy0に対して、0.2倍~0.4倍の範囲内とすることが好ましい。
次に、基板50や膜積層部10に含まれる各膜の材質等について詳述する。
基板50は、膜積層部10を支持できる程度の機械的強度を有し、かつ、エッチング等の微細加工に適した材料で構成すればよく、基板50の材質は、特に限定されない。たとえば、基板50として、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、ガラス基板等シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、もしくは、ガラス基板等を用いることができる。
第1絶縁膜21、第2絶縁膜23、および第3絶縁膜25は、いずれも、絶縁性を有していればよく、その材質は特に限定されない。たとえば、これら第1絶縁膜21~第3絶縁膜25の材質は、酸化シリコンもしくは窒化シリコンなどとすることができ、酸化シリコンであることが好ましい。なお、第1絶縁膜21~第3絶縁膜25は、それぞれ異なる材料で構成してもよいが、同じ材料で構成することが好ましい。第1絶縁膜21~第3絶縁膜25を同じ材料で構成することで、層間の密着性が向上し、検知部12の機械的強度を確保することができる。
第1絶縁膜21は、基板50とヒータ3との間の絶縁性を十分に確保でき、かつ、空洞部55を形成する際のエッチング停止層として機能する程度の厚みであればよく、第1絶縁膜21の厚みは、特に限定されない。たとえば、第1絶縁膜21の厚みは、0.1~1.0μm程度とすることが好ましい。
第2絶縁膜23は、ヒータ3を確実に覆うことができ、かつ、層間の絶縁性を十分に確保できる程度の厚みであればよく、第2絶縁膜23の厚みは、特に限定されない。たとえば、第2絶縁膜23は、0.06~1.2μm程度の厚みとすることが好ましい。また、第3絶縁膜25は、感応膜6を確実に覆うことができ、かつ、層間の絶縁性を十分に確保できる程度の厚みであればよく、第3絶縁膜25の厚みは、特に限定されない。たとえば、第3絶縁膜25は、0.06~1.2μm程度の厚みとすることが好ましい。
ヒータ3は、導電性を有し、かつ、比較的高融点の材料で構成してあることが好ましい。このような材料として、たとえば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または、上記の元素のうち1種以上を含む合金が例示される。上記の材料のなかでも、白金は、イオンミリング等の高精度なドライエッチングが可能であり、耐腐食性も高いため、ヒータ3は、白金で構成することが好ましい。ヒータ3を白金材料で構成する場合、第1絶縁膜21に対するヒータ3の密着性を向上させるために、第1絶縁膜21と白金材料との間にチタン(Ti)等の密着層を形成することが好ましい。
一対の検知電極4は、いずれも、導電性を有し、かつ、比較的高融点の材料で構成してあることが好ましい。一対の検知電極4についても、ヒータ3と同様に、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または、上記の元素のうち1種以上を含む合金で構成することができ、白金で構成することが好ましい。
感応膜6は、温度によって抵抗値が変化する材質で構成すればよい。たとえば、感応膜6は、サーミスタ膜、または白金膜等とすることができ、サーミスタ膜であることが好ましい。また、サーミスタ膜の構成材料としては、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウム等が挙げられる。感応膜6の材質および厚みは、いずれも、検知部12の初期抵抗値に影響する要素である。そのため、感応膜6の材質および厚みは、検知対象ガスの種類やガスセンサ1aの用途を鑑みて、所望の初期抵抗値となるように、適宜設定すればよい。
次に、ガスセンサ1aの製造方法の一例について説明する。
まず、基板50を準備し、基板50の一方の主面に、第1絶縁膜21を成膜する。第1絶縁膜21の成膜方法としては、熱酸化法、CVD法などを用いればよい。そして、第1絶縁膜21の上に、ヒータ3に含まれる導電性材料の薄膜(導電性薄膜)を形成する。ヒータ3を複数の導電性材料による積層構造(たとえばTi/Ptの積層構造)とする場合、複数の導電性薄膜を積層すればよい。導電性薄膜は、公知の成膜法を用いて形成すればよい。公知の成膜法とは、たとえば、スパッタ法、CVD法、PVD法などが挙げられる。導電性薄膜の形成後、エッチングにより当該導電性薄膜のパターニング加工を行い、ミアンダパターンを有するヒータ3を形成する。
次に、ヒータ3を覆うように、第2絶縁膜23を成膜する。第2絶縁膜23の成膜方法としては、第1絶縁膜21と同様の方法を採用すればよい。そして、第2絶縁膜23の上に、検知電極4を構成する導電性材料の薄膜を形成する。当該導電性薄膜に対して、エッチングによるパターニング加工を施し、図1Bに示すようなパターンを有する一対の検知電極4を形成する。
次に、一対の検知電極4を覆うように、感応膜6を成膜する。感応膜6は、感応膜6の材質に応じて、公知の成膜法で形成すればよい。たとえば、感応膜6を複合酸化物のサーミスタ膜とする場合、当該複合酸化物の組成となるように、スパッタリング法により感応膜6を成膜すればよい。感応膜6については、成膜後に、所定の温度および保持時間で熱処理を行い、所定の形状となるようにエッチングする。その後、感応膜6を覆うように、第3絶縁層25を、第1~第2絶縁膜と同様の方法で成膜する。
なお、第1~第3絶縁膜についても、エッチングによるパターニング加工を施し、図1Aおよび図1Bに示すような梁部を有する形状に加工する。以上の工程により膜積層部10を形成した後、リフトオフ法などの公知の方法により、パッド電極8およびビアホール電極9を形成する。その後、周縁部14のZ軸下方にのみ基板50が残存するように、基板50の一部をエッチングにより除去し、空洞部55を形成する。基板50のエッチングは、Deep-RIE法などのドライエッチングや、異方性ウェットエッチングなどが適用できる。以上の方法により、図1A~図1Dに示すガスセンサ1aが得られる。
本実施形態のガスセンサ1aは、熱伝導式のガスセンサとして利用することができる。熱伝導式のガスセンサ1aでは、空気とは異なる熱伝導率を有するCO2,H2,He,COなどのガスを検知対象とする。所定の雰囲気中に存在する検知対象ガスの濃度を測定する際には、検知部12をヒータ3により作動温度まで加熱する。検知部12に検知対象ガスが触れると、雰囲気中の検知対象ガスの濃度に応じて、検知部12の放熱特性が変化する。放熱特性の変化により検知部12の温度が変わると、サーミスタ膜等で構成される感応膜6の抵抗値が変化する。この抵抗値変化を一対の検知電極4により電気信号として取り出すことで、検知対象ガスの濃度を求めることができる。
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態のガスセンサ1aは、検知部12が、空洞部55の上方で、基板50の表面から延在する4本の梁部16によって支持された、エアブリッジ構造を有する。検知部12には、ヒータ3と、感応膜6と、感応膜と接する一対の対向電極(対向部41)が含まれる。対向部41は、それぞれ、Y軸方向に沿って延在し、X軸方向において電極間距離D0で互いに対向している。このようなエアブリッジ構造を有するガスセンサ1aにおいて、全ての梁部16が、対向部41の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在している。
ガスセンサ1aが上記の特徴を有することで、検知部12の変形によって測定誤差が生じることを抑制することができる。当該効果は、電極間距離D0の変動と関係していると考えられる。
従来、エアブリッジ構造のガスセンサは、図2Aに示すような構造を有することが一般的であった。具体的に、比較例に相当する図2Aのガスセンサ1bでは、4本の梁部16´が、検知部12の対角線に沿って形成してある。この場合、梁部16´は、いずれも、対向部41´の延在方向と交差する方向に延在しており、梁部16´の延在方向と対向部41´の延在方向とがなす角が45°である。
ヒータ3´により検知部12´を加熱すると、検知部12´の熱膨張が梁部16´により遮られる。熱膨張が抑制されると、梁部16´の間で検知部12´が圧縮されるように応力が加わり、検知部12´が変形する。従来のガスセンサ1bでは、特に、梁部16´の延在方向である検知部12の対角線上に沿って、大きな変形が生じるため、この変形に伴って電極間距離D0が変化する(電極間距離D0が広がる)。また、電極間距離D0は、対向部41´の中央側よりも端部側で広がる傾向となり、電極間距離D0のバラツキが大きくなる。検知部12´の変形により電極間距離D0が変動すると、電極間(一対の対向部間)の抵抗値が変化し、ガス濃度の測定結果に誤差が生じてしまう。
一方で、本実施形態のガスセンサ1aでは、検知部12の変形が、梁部16の延在方向に依存し、異方的になる。具体的に、梁部16の延在方向であるY軸方向では、検知部12が変形しやすいが、梁部16が延在していない対向部41の対向方向(X軸方向)では、検知部12が変形し難くなっている。そのため、熱応力により検知部12が変形したとしても、電極間距離D0の変動は抑制でき、電極間距離D0のバラツキも低減できる。つまり、検知部12の変形に伴う抵抗値変化を小さくすることができる。その結果、本実施形態のガスセンサ1aでは、ガス濃度の測定結果に誤差が生じることを抑制できる。
なお、図2Bに示すガスセンサ1cは、本実施形態の比較例に相当する。図2Bのガスセンサ1cでは、第1梁部16a´および第3梁部16c´は、対向部41´の延在方向と平行な方向に延在しているが、第2梁部16b´および第4梁部16d´は、対向部41´の延在方向と直交する方向に延在している。このガスセンサ1cの場合、検知部12´の変形は等方的になり、検知部12´は、対向部41´の対向方向においても、延在方向と同程度の割合で変形する。つまり、対向部41´の延在方向に対して±45°以上の角度で交差する梁部16´が存在すると、検知部12´の変形に伴って電極間距離D0が変動し、ガス濃度の測定結果に誤差が生じてしまう。
したがって、電極間距離D0の変動を抑制し、測定誤差を低減するためには、「全て」の梁部16が、対向部41の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在している必要がある。なお、梁部16の延在方向と対向部41の延在方向とのなす角αが、0°に近いほど、電極間距離D0がより変化し難くなり、測定誤差をより小さくすることができる。
第2実施形態
以下、図3に基づいて、第2実施形態に係るガスセンサ1dについて説明する。なお、第2実施形態における第1実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略し、同様の符号を使用する。
図3に示すように、ガスセンサ1dも、第1実施形態のガスセンサ1aと同様に、エアブリッジ構造を有し、4本の梁部16の延在方向が、対向部41の延在方向と実質的に平行となっている。
ガスセンサ1dでは、検知部12の平面視形状が、第1実施形態のガスセンサ1aとは異なる。具体的に、ガスセンサ1dでは、対向部41の延在方向(図3ではY軸方向)における検知部12の最大幅Wy0が、対向部41の対向方向(図3ではX軸方向)における検知部12の最大幅Wx0よりも広くなっている。すなわち、検知部12が、Y軸方向を長手方向とする長方形の平面視形状を有する。
上記のようにWx0<Wy0を満たす場合、検知部12の長手方向と、対向部41の延在方向と、梁部16の延在方向とが、実質的に平行となる。換言すると、ガスセンサ1dでは、一対の対向部41、および、全ての梁部16が、いずれも、検知部12の長手方向に沿って延在している。このように、対向部41の延在方向と梁部16の延在方向とを一致させるだけでなく、検知部12の長手方向も対向部41および梁部16の延在方向と一致させることで、検知部12では、Y軸方向の変形が支配的となる。そして、対向部41の対向方向であるX軸方向では、検知部12がより変形し難くなり、第1実施形態のガスセンサ1aよりも電極間距離D0の変動を抑制できる。その結果、第2実施形態のガスセンサ1dでは、検知部12の変形による測定誤差をより低減することができる。
なお、対向部41の延在方向と検知部12の長手方向とがなす角βは、±10°以下であることが好ましく、±5°以下であることが好ましく、0°であることがさらに好ましい。同様に、梁部16の延在方向と検知部12の長手方向とがなす角γは、±10°以下であることが好ましく、±5°以下であることが好ましく、0°であることがさらに好ましい。
また、検知部12における短手幅に対する長手幅の比(Wy0/Wx0)は、1.0超過2.0以下であることが好ましく、1.2以上1.8以下であることがより好ましい。Wy0/Wx0を上記の範囲内とすることで、検知部12の機械的強度を十分に確保しつつ、電極間距離D0の変動を抑制できる。
なお、第2実施形態において、検知部12の形状は必ずしも長方形には限定されない。検知部12は、Wx0<Wy0を満たしていればよく、楕円形、多角形などの平面視形状を有していてもよい。
第3実施形態
以下、図4に基づいて、第3実施形態に係るガスセンサ1eについて説明する。なお、第3実施形態における第1~第2実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略し、同様の符号を使用する。
図4に示すように、ガスセンサ1eは、検知部12が4本の梁部16により支持されているエアブリッジ構造を有している。そして、第2実施形態のガスセンサ1dと同様に、ガスセンサ1eにおいても、検知電極4の対向部41および4本の梁部16が、検知部12の長手方向に沿って延在している。
第3実施形態では、検知部12の4つの縁辺を、以下に示すように区別して記載する。具体的に、第1梁部16aと第2梁部16bとの間に位置する縁辺を第1縁辺12aとし、第3梁部16cと第4梁部16dとの間に位置する縁辺を第2縁辺12bとし、第2梁部16bと第3梁部16cとの間に位置する縁辺を第3縁辺12cとし、第1梁部16aと第4梁部16dとの間に位置する縁辺を第4縁辺12dとする。第1縁辺12aおよび第2縁辺12bは、対向部41の延在方向(Y軸方向)と平行であり、第3縁辺12cと第4縁辺12dは、対向部41の対向方向(X軸方向)と平行である。なお、第1縁辺12aおよび第2縁辺12bは、対向部41の対向方向と交差する縁辺でもある。
ガスセンサ1eの検知部12は、対向部41の延在方向に沿う縁辺(12a,12b)の一部において、切り欠き部71を有する。具体的に、第1縁辺12aの中央に切り欠き部71が形成してあり、第2縁辺12bの中央にも切り欠き部71が形成してある。この切り欠き部71は、検知部12の一部が切り取られるようにして欠落している領域である。
なお、切り欠き部71は、縁辺の中央からずれた位置に形成してあってもよいが、図4に示すように縁辺の中央に位置することが好ましい。また、切り欠き部71は、第1縁辺12aと第2縁辺12bのいずれか一方にのみ形成してあってもよい。ただし、図4に示すように、第1縁辺12aと第2縁辺12bの両方に切り欠き部を形成することが好ましく、第1縁辺側の切り欠き部71と第2縁辺側の切り欠き部71とが、対になるように、X軸方向で同一直線上に配置してあることが好ましい。
ガスセンサ1eの検知部12には、切り欠き部71により、幅狭部70が形成されている。幅狭部70は、検知部12においてX軸方向の幅が部分的に狭まっている領域であり、図4においてグレーの網掛けで示してある。換言すると、幅狭部70は、検知部12がX軸方向の内側に向かって部分的に括れている領域である。幅狭部70は、対向部41の延在方向における検知部12の中央に位置することが好ましい。
検知部12に切り欠き部71や幅狭部70を形成することで、検知部12の熱膨張によって生じる応力を緩和でき、電極間距離D0の変動をより効果的に抑制することができる。なお、検知部12に加わる応力は、梁部と梁部の間の中央部分(すなわち縁辺の中央部分)に集中し易い。そのため、縁辺の中央に切り欠き部71を形成することで、検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。同様に、Y軸方向の中央に幅狭部70を形成することで、検知部12の変形をより効果的に抑制することができる。
また、切り欠き部71は、筋状のスリットではなく、所定の大きさを有していることが好ましい。筋状のスリットでは、反ってスリット部分に応力が集中する恐れがあるためである。切り欠き部71のX軸方向の最大幅Wx2は、検知電極4の対向部41に達しない程度の幅であればよく、たとえば、検知部12の最大幅Wx0に対するWx2の比Wx2/Wx0は、0.05~0.15であることが好ましく、0.05~0.1であることがより好ましい。
また、切り欠き部71のY軸方向の最大幅をWy1とすると、検知部12の最大幅Wy0に対するWy1の比Wy1/Wy0は、0.15~0.5であることが好ましく、0.15~0.2であることがより好ましい。なお、図4に示す切り欠き部71は、楔形のような三角形の平面視形状を有しているが、切り欠き部71の形状は特に限定されない。たとえば、切り欠き部71は、切り欠き部分の縁辺が円弧状となるような、半円形や半楕円形の平面視形状を有していてもよい。
幅狭部70のX軸方向の最小幅Wx1は、電極間距離D0の設定値に応じて決定すればよい。たとえば、検知部12の最大幅Wx0に対するWx1の比Wx1/Wx0は、0.85~0.95であることが好ましく、0.90~0.95であることがより好ましい。なお、幅狭部70のY軸方向の幅は、切り欠き部71のY軸方向の最大幅Wy1と同様に設定すればよい。
なお、第1縁辺12aにおける切り欠き部71と、第2縁辺12bにおける切り欠き部71とは、互いに異なる形状や寸法を有していてもよいが、同様の形状および寸法を有していることが好ましい。また、切り欠き部は、第3縁辺12cおよび第4縁辺12dにも形成してあってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
(変形例)
たとえば、上記の実施形態では、熱伝導式のガスセンサについて説明したが、本発明に係るガスセンサは、接触燃焼式、半導体式、もしくは、固体電解質式のガスセンサであってもよい。
図5Aおよび図5Bに示すガスセンサ1fが、接触燃焼式のガスセンサの一例である。ガスセンサ1fは、エアブリッジ構造の膜積層部10を有しており、膜積層部10に含まれる各膜(3,4,6,21~23)の構成は、第1実施形態のガスセンサ1aと同様とすることができる。ガスセンサ1fでは、膜積層部10の検知部12の上に、触媒部80が形成してある。
触媒部80は、触媒材料を担持した多孔質状の担体材料により構成することができる。担体材料としては、たとえば、酸化アルミニウム(γアルミナ等)、酸化チタン、酸化シリコン、酸化セリウム等の酸化物材料を用いることができる。触媒材料としては、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)等の貴金属、または、希土類元素酸化物、ビスマス酸化物等の金属酸化物を用いることができる。触媒部80の大きさは、検知部12に対する触媒部80の体積比が、10以上40以下となるように制御することが好ましい。また、触媒部80は、原料ペーストを、スクリーン印刷やディスペンサを用いた吐出等により、検知部12の上に塗布し、所定の温度で熱処理することで、形成することができる。
接触燃焼式のガスセンサ1fでは、COなどの可燃性ガスの濃度を測定することができる。測定時には、ヒータ3により検知部12を所定の温度に加熱する。この際、ガスセンサ1fが配置された空間に、検知対象である可燃性ガスが存在すると、その存在割合に応じて、触媒部80の上で可燃性ガスと酸素等が結合し燃焼する。触媒部80は可燃性ガスと酸素の結合を促進する役割を有する。可燃性ガスの燃焼によって生じた燃焼熱(反応熱)が、サーミスタ膜などで構成される感応膜6に伝達されると、感応膜6の抵抗値が変化する。この抵抗値変化を一対の検知電極4により電気信号として取り出すことで、可燃性ガスの濃度を求めることができる。
このような接触燃焼式のガスセンサ1fにおいても、梁部16の延在方向を、検知電極4の延在方向と実質的に平行な方向とすることで、電極間距離の変動を抑制でき、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明を半導体式のガスセンサに適用する場合には、感応膜6をSnO2,ZnO,In23などの金属酸化物の半導体膜とすればよい。また、本発明を固体電解質式のガスセンサに適用する場合には、感応膜6を、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やリチウムイオン導電性固体電解質などで構成される固体電解質膜とすればよい。固体電解質式のガスセンサの場合、一対の検知電極4の一方を作用電極とし、他方を参照電極とすればよい。作用電極には、白金、金、パラジウム、銀などの電子伝導材料と、アルカリ金属炭酸塩やアルカリ土類金属炭酸塩などの補助電極物質が含まれ、参照電極は、白金、金、パラジウム、銀などの電子伝導材料で構成すればよい。
第1~第3実施形態では、検知部12が略矩形の平面視形状を有していたが、検知部の平面視形状は、図6に示すように円形であってもよい。図6のガスセンサ1gでは、円形の平面視形状を有する検知部13が、4本の梁部16により支持されている。円形の検知部13を有するガスセンサ1gにおいても、梁部16の延在方向を、対向部41の延在方向と実質的に平行とすることで、電極間距離D0の変動を抑制でき、第1実施形態のガスセンサ1aと同様の効果が得られる。
また、ガスセンサ1gの検知部13は、対向部41の延在方向に沿う円弧状の第1縁辺13aおよび第2縁辺13bにおいて、切り欠き部71が形成してある。また、ガスセンサ1gにおける検知部13の一部は、X軸方向の内側に向かって括れており、検知部13の径方向の幅が部分的に狭まるように幅狭部70が存在する。なお、「径方向の幅」とは、円の中心点をとおる幅であり、幅狭部70の径方向における最小幅Wx3が、検知部13の直径や最大幅Wx0よりも小さくなっている。Wx3は、第3実施形態のWx1と同様にして設定すればよく、Wx3/Wx0は、0.85~0.95であることが好ましく、0.90~0.95であることがより好ましい。検知部13が円形の場合においても、切り欠き部71または/および幅狭部70を形成することにより、検知部13の変形を緩和することができ、第3実施形態のガスセンサ1eと同様の効果が得られる。
第1~第3実施形態では、梁部16の本数が、4本であったが、梁部16は、少なくとも2本形成してあればよい。検知部12を2本の梁部16で支持する場合、ガスセンサは、たとえば、図7Aまたは図7Bに示すような構造とすることができる。
図7Aのガスセンサ1hでは、第1梁部16aが、対向部41の対向方向と平行な第4縁辺12dの中央に接続してあり、第2梁部16bが、対向部41の対向方向と平行な第3縁辺12cの中央に接続してある。このように梁部16の本数が2本の場合であっても、梁部16の延在方向が対向部41の延在方向と平行であれば、電極間距離D0の変動を抑制でき、第1実施形態のガスセンサ1aと同様の効果が期待できる。ただし、ガスセンサ1aと図7Aのガスセンサ1hとを、比較すると、ガスセンサ1hよりもガスセンサ1aのほうが、電極間距離D0の変動をより低減でき、かつ、検知部12の機械的強度を高めることができる。
図7Bのガスセンサ1iでは、検知電極4の対向部41が、検知部12の縁辺と約45°の角度で交差する方向に延在している。そして、第1梁部16aが、検知部12の第1角部12eに接続してあり、第2梁部16bが、検知部12の第3角部12gに接続してある。ガスセンサ1iにおいても、第1梁部16aおよび第2梁部16bは、いずれも、対向部41の延在方向と平行な方向に延在している。
ガスセンサ1iでは、第2角部12fから第4角部12hまでの距離が、対向部41の対向方向における検知部12の最大幅Wx0に相当する。また、第1角部12eから第3角部12gまでの距離(すなわち第1梁部16aから第2梁部16bまでの距離)が、対向部41の延在方向における検知部12の最大幅Wy0に相当し、Wx0≒Wy0を満たす。
図7Bに示すように、対向部41の延在方向が検知部12の縁辺と交差している場合であっても、第1実施形態のガスセンサ1aと同様の効果が期待できる。ただし、ガスセンサ1aと図7Bのガスセンサ1iとを、比較すると、ガスセンサ1iよりもガスセンサ1aのほうが、電極間距離D0の変動をより低減でき、かつ、検知部12の機械的強度を高めることができる。
また、変形例として、ガスセンサが、図7Cに示すような構造を有していてもよい。図7Cのガスセンサ1jでは、対向部41が、検知部12の対角線方向に沿って延在している。そして、4本の梁部16は、それぞれ、対応する縁辺の中央に接続してあり、縁辺の中央から対向部41の延在方向に沿って延びている。このような構造のガスセンサ1jにおいても、対向部41の延在方向と梁部16の延在方向とが平行であるため、電極間距離D0の変動を抑制できる。
1a~1j … ガスセンサ
10 … 膜積層部
12,13 … 検知部
12a~12d,13a~13d … (検知部の)縁辺
12e~12h … (検知部の)角部
14 … 周縁部
16,16a~16d … 梁部
70 … 幅狭部
71 … 切り欠き部
3 … ヒータ
31 … ミアンダパターン
32 … 端部配線
4,4a,4b … 検知電極
41 … 対向部(対向電極)
42 … 引出部
6 … 感応膜
8 … パッド電極
9 … ビアホール電極
21,23,25 … 絶縁膜
80 … 触媒部
50 … 基板
55 … 空洞部

Claims (8)

  1. 空洞部を有する基板と、前記空洞部の上方において前記基板から延在する2以上の梁部によって支持された検知部と、を有し、
    前記検知部が、ヒータと、感応膜と、前記感応膜と接する一対の対向電極と、を含む積層構造を有しており、
    一対の前記対向電極は、それぞれ、積層方向と直交する方向に沿って延在し、前記感応膜の面内方向において所定の間隔で互いに対向しており、
    全ての前記梁部が、前記対向電極の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在しているガスセンサ。
  2. 前記対向電極の前記延在方向における前記検知部の最大幅Wy0と、前記対向電極の対向方向における前記検知部の最大幅Wx0と、が等しい請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記対向電極の前記延在方向における前記検知部の最大幅Wy0が、前記対向電極の対向方向における前記検知部の最大幅Wx0よりも広く、
    一対の前記対向電極および全ての前記梁部が、いずれも、前記検知部の長手方向に沿って延在している請求項1に記載のガスセンサ。
  4. 前記検知部が、前記対向電極の対向方向における前記検知部の幅が部分的に狭まっている幅狭部、を有する請求項1~3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 前記幅狭部が、前記延在方向における前記検知部の中央に位置する請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 前記検知部が、前記延在方向に沿う縁辺の一部において、切り欠き部を有する請求項1~3のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 前記切り欠き部が、前記縁辺の中央に位置する請求項6に記載のガスセンサ。
  8. 前記感応膜が、サーミスタ膜である請求項1~7のいずれかに記載のガスセンサ。
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