JP2023088754A - 脱染料組成物、酸化染料組成物、毛髪処理キット、及び毛髪処理方法 - Google Patents

脱染料組成物、酸化染料組成物、毛髪処理キット、及び毛髪処理方法 Download PDF

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【課題】ブリーチ剤で毛髪を明るく処理した後に、毛髪を一時的に暗く染め直して、その後再度明るくしたいというニーズに対応して、毛髪を再度明るくする場合の脱染料の効果が高く、そして毛髪へのダメージを低減することができる、脱染料組成物、酸化染料組成物、毛髪処理キット、及び毛髪処理方法を提供する。【解決手段】酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料するための脱染料組成物であって、酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であり、かつ脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、脱染料組成物、脱染料組成物で脱染料するための酸化染料組成物、脱染料組成物及び酸化染料組成物を含む毛髪処理キット、並びにそれらを用いる毛髪処理方法。【選択図】図1

Description

本発明は、脱染料組成物、酸化染料組成物、毛髪処理キット、及び毛髪処理方法に関する。
ブリーチ剤で毛髪を明るく処理した後に、例えば面接等の諸事情により、毛髪を一時的に暗く染め直して、その後、再度明るくしたいというニーズがある。
このように、明るくした毛髪を元の色に染め直すためには、一般に酸化染毛剤が用いられる。ここで、酸化染毛剤とは、酸化染料とアルカリ剤を含む第1剤と過酸化水素を含む第2剤とを使用時に混合して用いるもので、永久染毛剤とも呼ばれる。
また、その後、元の色に暗く染め直した毛髪を再度明るくする場合には、再びブリーチ剤を用いることが多い。
一般的に、ブリーチ剤として、2剤形式のものが多く、第1剤にアルカリ剤、第2剤に過酸化水素水が配合され、使用時に混合するものが用いられる。また、更に強力なブリーチ剤として、「ブースター」と称する促進剤(過硫酸アンモニウムやその他の過硫酸塩類)を添加するものも知られている。特に、元の色に暗く染め直した毛髪を再度明るくする場合には、強力なブリーチ剤を使用することは多い。
なお、非特許文献1では、グリオキシル酸による酸化染毛の脱色作用について開示されている。より具体的には、p-フェニレンジアミン水溶液に過酸化水素水溶液を混合して得られた「黒褐色液」の中に、グリオキシル酸を添加すると、混合液が「黒褐色液」から「透明液」に変化することが開示されている。
辻野 義雄等、「グリオキシル酸による酸化染毛の脱色作用」、第11回毛髪科学研究発表会 発表要旨集、2020年2月27日
上記のように、毛髪をブリーチ剤で明るくし、酸化染毛剤で一時的に暗く染め直し、そして再びブリーチ剤で脱染するという一連の処理を行う場合、特に、二度のブリーチ剤処理を行うことから、毛髪に対するダメージはかなり大きいという問題がある。
本発明は、上記の事情を改善しようとするものであり、その目的は、上述したブリーチ剤で毛髪を明るく処理した後に、毛髪を一時的に暗く染め直して、その後、再度明るくしたいというニーズに対応して、毛髪を再度明るくする場合の脱染料の効果が高く、そして毛髪へのダメージを低減することができる、脱染料組成物、酸化染料組成物、毛髪処理キット、及び毛髪処理方法を提供することである。
上記の目的を達成する本発明は、以下のとおりである。
〈態様1〉
酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料して脱染料の前後での毛髪の明度L値の差を14.0以上にし、かつ/又は下記式で定義されるb値脱色率(%)が、50.0%以上にするための脱染料組成物であって、かつ
前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
脱染料組成物:
値脱色率(%)=[(b3-b2)/(b1-b2)]×100
ここで、
b1:ブリーチ処理後のブリーチ毛のb
b2:前記ブリーチ毛を酸化染料組成物で染色した後の毛髪のb
b3:前記酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料組成物で脱染料した後の毛髪のb
〈態様2〉
酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料するための脱染料組成物であって、
前記酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であり、かつ
前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
脱染料組成物。
〈態様3〉
脱染料組成物で脱染料するための酸化染料組成物であって、
前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含み、かつ
前記酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満である、
酸化染料組成物。
〈態様4〉
酸化染料組成物及び脱染料組成物を含む、毛髪処理キットであって、
前記酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であり、かつ
前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
キット。
〈態様5〉
前記脱染料組成物が、前記グリオキシル酸以外のα-オキソカルボン酸及びその誘導体、α-ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体、並びにアスコルビン酸及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の有機酸を更に含む、態様1若しくは2に記載の脱染料組成物、態様3に記載の酸化染料組成物、又は態様4に記載のキット。
〈態様6〉
前記有機酸が、ピルビン酸、2-オキソグルタル酸、アスコルビン酸、及びそれらの誘導体からなる群より選択される、態様5に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物、又はキット。
〈態様7〉
前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン及びその塩類、トルエン2,5-ジアミン及びその塩類、パラアミノフェノール及びその塩類、並びに2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール及びその塩類からなる群より選択される少なくとも2つを含む、態様1若しくは2に記載の脱染料組成物、態様3に記載の酸化染料組成物、態様4に記載のキット、又は態様5若しくは6に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物若しくはキット。
〈態様8〉
前記カップラーが、5-アミノ-o-クレゾール及びその塩類、m-アミノフェノール及びその塩類、2,4-ジアミノフェノキシエタノール及びその塩類、並びに2,6-ジアミノピリジンからなる群より選択される少なくとも1つを含み、かつ
前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン及びその塩類、トルエン2,5-ジアミン及びその塩類、パラアミノフェノール及びその塩類、並びに2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール及びその塩類からなる群より選択される少なくとも1つを含む、
態様1若しくは2に記載の脱染料組成物、態様3に記載の酸化染料組成物、態様4に記載のキット、又は態様5~7のいずれか一項に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物若しくはキット。
〈態様9〉
前記カップラーが、2,4-ジアミノフェノキシエタノール又はその塩類を含み、かつ
前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン又はその塩類を含む、態様8に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物、又はキット。
〈態様10〉
前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン及びその塩類、並びにトルエン2,5-ジアミン及びその塩類からなる群より選択される少なくとも1つを含む、態様7又は8に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物、又はキット。
〈態様11〉
ブリーチ剤で処理された毛髪を酸化染料組成物で染色して、その後脱染料組成物で脱染料して、脱染料の前後での毛髪の明度L値の差を14.0以上にし、かつ/又は下記式で定義されるb値脱色率(%)が、50.0%以上にするための毛髪処理方法であって、かつ
前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
毛髪処理方法:
値脱色率(%)=[(b3-b2)/(b1-b2)]×100
ここで、
b1:ブリーチ処理後のブリーチ毛のb
b2:前記ブリーチ毛を酸化染料組成物で染色した後の毛髪のb
b3:前記酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料組成物で脱染料した後の毛髪のb値。
〈態様12〉
ブリーチ剤で処理された毛髪を、態様3に記載の酸化染料組成物で染色すること、及び
前記酸化染料組成物で染色された毛髪を、態様1又は2に記載の脱染料組成物で脱染料すること、
を含む、毛髪処理方法。
〈態様13〉
前記脱染料が、加熱して行うためのものである、態様1及び2に記載の脱染料組成物、態様3に記載の酸化染料組成物、態様4に記載のキット、並びに態様11及び12に記載の毛髪処理方法。
本発明によれば、上述したブリーチ剤で毛髪を明るく処理した後に、毛髪を一時的に暗く染め直して、その後再度明るくしたいというニーズに対応して、毛髪を再度明るくする場合の脱染料の効果が高く、そして毛髪へのダメージを低減することができる、脱染料組成物、酸化染料組成物、毛髪処理キット、及び毛髪処理方法を提供することができる。
図1は、実施例22~27及び比較例3のL値の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
《脱染料組成物》
本発明の脱染料組成物は、
酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料して脱染料の前後での毛髪の明度L値の差を14.0以上にし、かつ/又は下記式で定義されるb値脱色率(%)が、50.0%以上にするための脱染料組成物であって、かつ
脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
脱染料組成物であってよく:
値脱色率(%)=[(b3-b2)/(b1-b2)]×100
ここで、
b1:ブリーチ処理後のブリーチ毛のb
b2:ブリーチ毛を酸化染料組成物で染色した後の毛髪のb
b3:酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料組成物で脱染料した後の毛髪のb値、
又は
本発明の脱染料組成物は、
酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料するための脱染料組成物であって、
酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であり、かつ
脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
脱染料組成物であってよい。
このように、本発明の脱染料組成物は、ブリーチ剤で毛髪を明るく処理した後に、毛髪を一時的に暗く染め直し、その後、再度明るくしたいというニーズに対応するものであって、特に酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料して脱染料の前後での毛髪の明度L値の差を14.0以上にし、かつ/又は上記式で定義されるb値脱色率(%)が、50.0%以上にするための脱染料組成物である。また、本発明の脱染料組成物は、特定の質量比のカップラーと染料中間体とを含む酸化染料組成物で、ブリーチ剤で明るく処理した後の毛髪を一時的に暗く染め直す場合、毛髪へのダメージが比較的に少ないグリオキシル酸又はその誘導体を用いて脱染することができて、その結果、毛髪へのダメージを低減することができる。
本発明に対して、上述した非特許文献1に開示されているグリオキシル酸は、「毛髪の加齢変化を改善するバイオコンジュケーション技術の1つとして」用いられるものであって、単にp-フェニレンジアミンの2量体に対して脱色作用があると開示されただけである。したがって、本発明の脱染料組成物は、非特許文献1の場合と比べて、少なくとも目的及び用途が異なり、そして脱染料の対象である酸化染料組成物が異なり、ゆえに発揮する効果も異なる。以下では、本発明の脱染料組成物の詳細について例示的に説明する。
〈構成成分〉
(グリオキシル酸又はその誘導体)
本発明の脱染料組成物は、グリオキシル酸又はその誘導体を含む。
ここで、グリオキシル酸の構造式は、以下に示す。
Figure 2023088754000002
また、グリオキシル酸の誘導体としては、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されず、例えば、グリオキシル酸の水和物、グリオキシル酸のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、グリオキシル酸のメチル若しくはエチル等のエステル等、又はグリオキシル酸の酸アミド(例えば、グリオキシロイルカルボシステイン及びグリオキシロイルケラチンアミノ酸等)が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、本発明において、アルカリ金属とは、元素周期表1族の金属を指し、より具体的には、例えばリチウム、ナトリウム、及びカリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。また、アルカリ土類金属とは、元素周期表2族の金属を指し、より具体的には、例えばベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の脱染料組成物において、グリオキシル酸又はその誘導体の含有量は、本発明の効果を発揮できる限り特に限定されず、例えば、脱染料組成物の全量に対して1.0質量%以上、1.5質量%以上、2.0質量%以上、2.5質量%以上、3.0質量%以上、3.5質量%以上、4.0質量%以上、4.5質量%以上、5.0質量%以上、5.5質量%以上、6.0質量%以上、6.5質量%以上、7.0質量%以上、7.5質量%以上、8.0質量%以上、8.5質量%以上、9.0質量%以上、9.5質量%以上、又は10.0質量%以上であってよく、また、50.0質量%以下、40.0質量%以下、30.0質量%以下、20.0質量%以下、又は10.0質量%以下であってよい。
(その他の成分)
本発明の脱染料組成物は、上述したグリオキシル酸又はその誘導体以外の有機酸を少なくとも一種更に含んでよい。例えば、脱染料組成物は、上述したグリオキシル酸グリオキシル酸以外のα-オキソカルボン酸及びその誘導体、α-ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体、並びにアスコルビン酸及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の有機酸を更に含んでよい。
本発明において、グリオキシル酸以外のα-オキソカルボン酸及びその誘導体としては、例えば、ピルビン酸、2-オキソグルタル酸、及びシュウ酸、並びにこれらの誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。なお、これらの誘導体としては、特に限定されず、例えばこれらのα-オキソカルボン酸のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、又はα-オキソカルボン酸のメチル若しくはエチル等のエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、α-ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体としては、例えば、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、及びクエン酸、並びにこれらの誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。なお、これらの誘導体としては、特に限定されず、例えばこれらのα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、又はα-ヒドロキシカルボン酸のメチル若しくはエチル等のエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、アスコルビン酸の誘導体としては、特に限定されず、例えばアスコルビン酸のアルカリ金属塩、アスコルビン酸の土類金属塩、アスコルビン酸のメチル若しくはエチル等のエステル等、イソアスコルビン酸、イソアスコルビン酸のアルカリ金属塩、イソアスコルビン酸の土類金属塩、及びイソアスコルビン酸のメチル若しくはエチル等のエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、アスコルビン酸は、L体であってもよく、D体であってもよい。
これらの中で、本発明の脱染料組成物に含みうる有機酸は、例えば、ピルビン酸、2-オキソグルタル酸、アスコルビン酸、及びそれらの誘導体からなる群より選択されることが好ましく、特にアスコルビン酸を含むことがより好ましい。
本発明の脱染料組成物において、グリオキシル酸又はその誘導体以外の有機酸を含む場合のその合計含有量は、特に限定されず、例えば、脱染料組成物の全量に対して0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、0.5質量%以上、0.6質量%以上、0.7質量%以上、0.8質量%以上、0.9質量%以上、1.0質量%以上、1.5質量%以上、2.0質量%以上、2.5質量%以上、3.0質量%以上、3.5質量%以上、4.0質量%以上、4.5質量%以上、又は5.0質量%以上であってよく、また、50.0質量%以下、40.0質量%以下、30.0質量%以下、20.0質量%以下、10.0質量%以下、又は5.0質量%以下であってよい。
本発明の脱染料組成物はまた、例えば、pH調整剤、湿潤剤、乳化剤、柔軟剤、コンディショニング剤、保存剤、保護剤、増粘剤、又は香料等を更に含んでよいが、これらに限定されない。
〈pH値〉
本発明の脱染料組成物のpH値は、特に限定されないが、毛髪の感触面と共に本発明の効果をより向上させる観点から、例えば3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.5以上、5.0以上、5.5以上、6.0以上、6.5以上、又は7.0以上であってよく、また、9.0以下、8.0以下、又は7.0以下であってよい。なお脱染料組成物のpH値は、例えば水酸化カリウム等のアルカリ化剤を添加して、所望の範囲に調整することができる。
〈形態〉
本発明の脱染料組成物において、その構成成分が水性媒体中に存在している形態であってよい。ここで、水性媒体としては、例えば、水、又は水-アルコール性の混合液等がであってよい。また、本発明の脱染料組成物の製品形態としては、例えば液体状、ゲル状、クリーム状、エマルジョン状、又は泡状等であってよいが、これらに限定されない。
〈効果の評価〉
(L値)
値は、L表色系の色空間における明度(明るさ)を表す指標であり、0から100までで数値が大きいほど、毛髪が明るくなることを意味する。
本発明において、毛髪を再度明るくする場合の脱染料の効果として、酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料して脱染料の前後での毛髪の明度L値の差で評価できる。より具体的には、酸化染料組成物で染色した毛髪を脱染料して脱染料の前の毛髪の明度L値を「L2」とし、脱染料の後の毛髪の明度L値を「L3」とする場合には、この脱染料の前後での毛髪の明度L値の差(L3-L2)で評価できる。このL値の差(L3-L2)は大きいほど、本発明の脱染料組成物による脱染料の効果が大きいことを表す。
本発明の脱染料組成物によれば、このL値の差(L3-L2)は、14.0以上にすることができ、更には、14.5以上、15.0以上、15.5以上、16.0以上、16.5以上、17.0以上、17.5以上、18.0以上、18.5以上、19.0以上、19.5以上、20.0以上、20.5以上、21.0以上、21.5以上、22.0以上、22.5以上、23.0以上、23.5以上、24.0以上、24.5以上、25.0以上、25.5以上、26.0以上、26.5以上、又は27.0以上であってよく、また、このL値の差(L3-L2)の上限としては、特に限定されず、例えば50.0以下、45.0以下、40.0以下、35.0以下、又は30.0以下であってよい。
(b値)
値は、L表色系の色空間における黄方向と青方向を表すものであって、値がプラスの方向で大きくなるほど、毛髪の黄みが強くなり、値がマイナスの方向で大きくなるほど、毛髪の青みが強くなることを意味する。
本発明において、毛髪を再度明るくする場合の脱染料の効果は、b値を用いて評価してよい。より具体的には、ブリーチ処理後のブリーチ毛のb値を「b1」とし、このブリーチ毛を酸化染料組成物で染色した後の毛髪のb値を「b2」とし、そしてこの酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料組成物で脱染料した後の毛髪のb値を「b3」とする場合には、以下の数式に基づき脱染料組成物のb値脱色率を求めることができる。このb値脱色率が大きいほど、本発明の脱染料組成物による脱染料の効果が大きいことを表す。
値脱色率(%)=[(b3-b2)/(b1-b2)]×100
本発明の脱染料組成物によれば、b値脱色率は、例えば50.0%以上、55.0%以上、60.0%以上、65.0%以上、70.0%以上、75.0%以上、80.0%以上、85.0%以上、90.0%以上、95.0%以上、又は99.0%以上であってよく、また、b値脱色率としては、特に限定されず、例えば100.0%以下であってよい。
なお、本発明において、L値及びb値は、例えば実施例で用いる分光測色計によって測定できる。
〈使用〉
上述したように、本発明の脱染料組成物は、主に本発明の酸化染料組成物(詳細は後述する)で暗く染め直した毛髪を再び明るくするために使用されるが、例えば直接染料で半永久染色された毛髪の脱染料に使用することもできる。
また、本発明の脱染料組成物を使用する際に、毛髪に対して本発明の脱染料組成物を適宜の量で塗布して、一定時間を放置した後、水洗いを行えばよい。ここで、放置時間は、特に限定されず、例えば5分以上、10分以上、15分以上、又は20分以上であってよく、また、60分以下、45分以下、又は30分以下であってよい。また、塗布後放置する際に、常温(25℃)程度でもよく、例えば25℃以上、30℃以上、35℃以上、40℃以上、45℃以上、又は50℃以上に適宜加熱してもよい。なお、加熱は、例えば、ローラーボール等の加温機によって行ってよい。
《酸化染料組成物》
本発明の酸化染料組成物は、
脱染料組成物で脱染料するための酸化染料組成物であって、
脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含み、かつ
酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満である、
酸化染料組成物
である。
本発明の酸化染料組成物は、ブリーチ剤で毛髪を明るく処理した後に、毛髪を一時的に暗く染め直すために好適に使用され、特に、上述した本発明の脱染料組成物で脱染料するために好適に使用される。
酸化染毛剤は通常、アルカリ剤を含有する第1剤及び過酸化水素を含有する第2剤からなる2剤式ものものや、又はこれらの第1剤若しくは第2剤を複数の剤に分割して構成した3剤式以上の多剤式のものであってよい。また、この酸化染毛第1剤は通常、染料中間体とカップラーとを含んでおり、染毛処理直前に酸化剤である第2剤を混合することにより、毛髪を所望の色に染色するために使用される。本発明の酸化染料組成物は、この酸化染毛剤の第1剤に好適に用いられる。
本発明の酸化染料組成物は、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であることに特徴を有する。また、この質量比(カップラー/染料中間体)は更に、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、0.2以下、0.1以下、0.05以下、又は0.01以下であってよく、また、0以上、0.005以上、0.01以上、0.05以上、0.1以上、又は0.2以上であってよい。
〈構成成分〉
(染料中間体)
本発明の酸化染料組成物は、染料中間体を含む。染色中間体は、「染料前駆体」とも称し、自己の酸化重合又はカップラーとの酸化重合をすることによって発色する。
本発明において、染色中間体は、例えばパラフェニレンジアミン及びその塩類、トルエン2,5-ジアミン及びその塩類、パラアミノフェノール及びその塩類、並びに2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール及びその塩類からなる群より選択される少なくとも1つ又は2つを含んでよい。なお、これらの染色中間体の塩類としては、例えば硫酸塩又は塩酸塩類等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのうち、本発明の効果をより発揮する観点から、染料中間体は、パラフェニレンジアミン及びその塩類、並びにトルエン2,5-ジアミン及びその塩類からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、特にパラフェニレンジアミン又はその塩類の少なくとも1つを含むことがより好ましい。
本発明の酸化染料組成物は、1種類以上の染色中間体を含むことができ、特にカップラーを含まない場合には、2種類以上の染色中間体を含むことが好ましい。
本発明の酸化染料組成物において、染色中間体の含有量は、本発明の効果を発揮できる限り特に限定されず、例えば、酸化染毛剤の第1剤として用いる場合の酸化染料組成物の全量に対して0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、0.5質量%以上、0.6質量%以上、0.7質量%以上、0.8質量%以上、0.9質量%以上、又は1.0質量%以上であってよく、また、5.0質量%以下、4.0質量%以下、3.0質量%以下、又は2.0質量%以下であってよい。
(カップラー)
本発明の酸化染料組成物は、随意にカップラーを含んでよいが、発色のバリエーションを増やす観点からはカップラーを含むことが好ましい。カップラーは、単独で発色せず、染料中間体と酸化重合することによって発色する。
本発明において、カップラーは、例えば5-アミノ-o-クレゾール及びその塩類、m-アミノフェノール及びその塩類、2,4-ジアミノフェノキシエタノール及びその塩類、並びに2,6-ジアミノピリジンからなる群より選択される少なくとも1つを含んでよい。なお、これらのカップラーの塩類としては、例えば硫酸塩又は塩酸塩類等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらのうち、染料中間体の種類に合わせて、適宜に選択してよく、例えば、染料中間体がパラフェニレンジアミン又はその塩類を含む場合には、カップラーが、2,4-ジアミノフェノキシエタノール又はその塩類を含むことが好ましい。
本発明の酸化染料組成物は、1種類以上のカップラーを含むことができる。本発明の酸化染料組成物がカップラーを含む場合のその含有量は、本発明の効果を発揮できる限り特に限定されず、例えば、酸化染毛剤の第1剤として用いる場合の酸化染料組成物の全量に対して、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、0.5質量%以上、0.6質量%以上、0.7質量%以上、0.8質量%以上、又は0.9質量%以上であってよく、また5.0質量%未満、4.0質量%以下、3.0質量%以下、又は2.0質量%以下であってよい。
(その他の成分)
本発明の酸化染料組成物は、酸化染毛剤の第1剤として使用される場合には、例えばアルカリ剤、又は必要に応じて配合する酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、湿潤剤、乳化剤、柔軟剤、コンディショニング剤、保存剤、保護剤、増粘剤、又は香料等を更に含んでよいが、これらに限定されない。以下では、例示的にアルカリ剤、並びに必要に応じて配合する酸化防止剤及び金属イオン封鎖剤について説明する。
(アルカリ剤)
本発明において、アルカリ剤としては、例えばアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルフォリン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素グアジニン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の酸化染料組成物において、アルカリ剤の含有量は、本発明の効果を発揮できる限り特に限定されず、例えば、酸化染毛剤の第1剤として用いる場合の酸化染料組成物の全量に対して、0.5質量%以上、1.0質量%以上、1.5質量%以上、2.0質量%以上、2.5質量%以上、3.0質量%以上、3.5質量%以上、4.0質量%以上、4.5質量%以上、又は5.0質量%以上であってよく、また、10.0質量%以下、又は8.0質量%以下であってよい。なお、アルカリ剤の含有量は、例えば本発明の酸化染料組成物のpH値を8.0~12.0に調整するように設定してもよい。
(酸化防止剤)
本発明の酸化染料組成物は、必要に応じて酸化防止剤を更に含んでよい。
酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸若しくはその誘導体、又は硫酸塩類化合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
硫酸塩類化合物としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、又は無水亜硫酸ナトリウム等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の酸化染料組成物において、酸化防止剤を含む場合のその含有量は、本発明の効果を発揮できる限り特に限定されず、例えば、酸化染毛剤の第1剤として用いる場合の酸化染料組成物の全量に対して、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、又は0.5質量%以上であってよく、また、5.0質量%以下、4.0質量%以下、又は3.0質量%以下であってよい。
(金属イオン封鎖剤)
本発明の酸化染料組成物は、必要に応じて金属イオン封鎖剤を更に含んでよい。
金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸誘導体、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ヒドロキシエチルグリシン、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、糖酸等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の酸化染料組成物において、金属イオン封鎖剤を含む場合のその含有量は、本発明の効果を発揮できる限り特に限定されず、例えば、酸化染毛剤の第1剤として用いる場合の酸化染料組成物の全量に対して、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、又は0.5質量%以上であってよく、また、5.0質量%以下、4.0質量%以下、又は3.0質量%以下であってよい。
〈形態〉
本発明の酸化染料組成物において、その構成成分が水性媒体中に存在している形態であってよい。ここで、水性媒体としては、例えば、水、又は水-アルコール性の混合液等がであってよい。また、本発明の脱染料組成物の製品形態としては、例えば液体状、ゲル状、クリーム状、エマルジョン状、又は泡状等であってよいが、これらに限定されない。
〈使用〉
本発明の酸化染料組成物は、主に暗く染め直した毛髪を再び明るくするために使用されて、そして上述した本発明の脱染料組成物に特に好適に脱染料されうる。
本発明の酸化染料組成物が酸化染毛剤の第1剤として使用される場合には、毛髪に適用する直前に本発明の酸化染料組成物を、過酸化水素を含有する第2剤と混合して、適宜の量で毛髪に塗布して、一定時間を放置した後、水洗いを行えばよい。ここで、第1剤と第2剤の混合比(第1剤:第2剤)は、例えば2:1~1:2であってよい。また、放置時間は、特に限定されず、例えば5分以上、10分以上、15分以上、又は20分以上であってよく、また、60分以下、45分以下、又は30分以下であってよい。また、塗布後放置する際に、常温(25℃)程度でもよく、例えば25℃以上、又は30℃以上に適宜加熱してもよい。なお、加熱は、例えば、ローラーボール等の加温機によって行ってよい。
《毛髪処理キット》
本発明はまた、毛髪処理キットを提供する。
本発明の毛髪処理キットは、
酸化染料組成物及び脱染料組成物を含む、毛髪処理キットであって、
酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であり、かつ
脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
キット
である。
なお、本発明の毛髪処理キットに含まれる酸化染料組成物及び脱染料組成物は、上述した本発明の酸化染料組成物及び脱染料組成物が好ましく用いられるため、ここでは説明を省略する。
本発明の毛髪処理キットは、使用説明書を更に含んでよい。使用説明書とは、キット内に書類の形態で添付されている一般的な使用説明書以外に、例えば包装容器に対して用途等が印字された状態のものも包含することができる。
本発明の毛髪処理キットは、特に、ブリーチ剤で毛髪を明るく処理した後に、毛髪を一時的に暗く染め直して、その後再度明るくしたいというニーズに対応して使用することができるが、これには限定されない。
《毛髪処理方法》
本発明はまた、毛髪処理方法を提供する。
本発明の毛髪処理方法は、
ブリーチ剤で処理された毛髪を酸化染料組成物で染色して、その後脱染料組成物で脱染料して、脱染料の前後での毛髪の明度L値の差を14.0以上にし、かつ/又は下記式で定義されるb値脱色率(%)が、50.0%以上にするための毛髪処理方法であって、
脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
毛髪処理方法であってよく:
値脱色率(%)=[(b3-b2)/(b1-b2)]×100
ここで、
b1:ブリーチ処理後のブリーチ毛のb
b2:ブリーチ毛を酸化染料組成物で染色した後の毛髪のb
b3:酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料組成物で脱染料した後の毛髪のb値、
又は
本発明の毛髪処理方法は、
ブリーチ剤で処理された毛髪を、上述した本発明の酸化染料組成物で染色すること、及び
酸化染料組成物で染色された毛髪を、上述した本発明の脱染料組成物で脱染料すること、
を含む、毛髪処理方法
であってよい。
なお、本発明の毛髪処理方法における酸化染料組成物の使用及び脱染料組成物の使用は、上述した本発明の酸化染料組成物及び脱染料組成物の「使用」の項目を参照できるため、ここでは説明を省略する。
以下に実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、配合量は質量%で示す。
《実施例1~5並びに比較例1及び2》
以下の表1に示す構成及び配合量に基づき、2剤式酸化染毛剤における第1剤(本発明の酸化染毛組成物)を調製した。
Figure 2023088754000003
2剤式酸化染毛剤における第2剤として、市販の資生堂プロフェッショナル プリミエンスディベロッパー6%(有効成分:過酸化水素水)を用いた。
試験用のブリーチ毛として、株式会社ビューラックス製 BR-3-Aの毛束を用いた。このブリーチ毛に対して、上記の2剤式酸化染毛剤を用いて染色処理を行った。なお、染色処理直前に、上記の第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合させて、毛束に各染毛剤を均一に塗布し、30℃で20分放置し、水洗した。これらを、脱染前の毛束(「染色後の毛束」とも称する)とした。
次に、脱染前の毛束に対して、脱染料組成物を塗布し、45℃で20分放置後、水洗したものを脱色後の毛束とした。なお、各実施例及び比較例に使用された脱染料組成物として、グリオキシル酸5.0質量%の水溶液(水酸化カリウムでpH3.5に調整)を用いた。
〈評価〉
各段階の毛束(試験用のブリーチ毛、脱染前の毛束、脱染後の毛束)をコニカミノルタ株式会社製の分光測色計CM-3600dにて測定し、それぞれのL値、a値、及びb値を求めた。それぞれの結果を表2に示す。
Figure 2023088754000004
表2から明らかなように、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が1以上であった比較例1及び2と比較して、この比が1未満であった実施例1~5のいずれにおいても、毛髪を再度明るくする場合の脱染料の効果、すなわちL値の差(L3-L2)及びb値脱色率(%))の少なくとも一方が高いことが分かった。また、実施例1~5は、再度明るくする場合の脱染料としてブリーチ剤を用いなかったことから、毛髪へのダメージを低減することができる。
《実施例6~21》
以下の表3に示す構成及び配合量に基づき、2剤式酸化染毛剤における第1剤(本発明の酸化染毛組成物)を調製した。なお、これらの実施例では、主として、上記の実施例1~5のうちで特に良好な効果が確認された実施例4と同様に、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)を0.4とした。
Figure 2023088754000005
実施例1~5と同様に、ブリーチ毛に対して上記の2剤式酸化染毛剤を用いて染色処理を行い、その後、グリオキシル酸を用いて脱染処理を行った。
〈評価〉
各段階の毛束(試験用のブリーチ毛、脱染前の毛束、脱染後の毛束)をコニカミノルタ株式会社製の分光測色計CM-3600dにて測定し、それぞれのL値、a値、及びb値を求めた。それぞれの結果を表4に示す。
Figure 2023088754000006
表4から明らかなように、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が1.0未満であった実施例6~21のいずれにおいても、毛髪を再度明るくする場合の脱染料の効果、すなわちL値の差(L3-L2)及びb値脱色率の少なくとも一方が高いことが分かった。また、実施例6~21は、再度明るくする場合の脱染料としてブリーチ剤を用いなかったことから、毛髪へのダメージを低減することができる。
《実施例22~27及び比較例3》
以下の表5示す構成及び配合量に基づき、2剤式酸化染毛剤における第1剤(本発明の酸化染毛組成物)を調製した。
Figure 2023088754000007
2剤式酸化染毛剤における第2剤として、市販の資生堂プロフェッショナル プリミエンスディベロッパー6%(有効成分:過酸化水素水)を用いた。
試験用のブリーチ毛として、株式会社ビューラックス製 BR-3-Aの毛束を用いた。このブリーチ毛に対して、上記の2剤式酸化染毛剤を用いて染色処理を行った。なお、染色処理直前に、上記の第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合させて、毛束に各染毛剤を均一に塗布し、30℃で20分放置し、水洗した。これらを、脱染前の毛束(「染色後の毛束」とも称する)とした。
次に、脱染前の毛束に対して、脱染料組成物を塗布し、45℃で20分放置後、水洗したものを脱色後の毛束とした。なお、各実施例及び比較例に使用された脱染料組成物として、下記の表6に示す構成及び配合量に基づいて調製したものを用いた。
Figure 2023088754000008
〈評価〉
脱染後の毛束のL値をコニカミノルタ株式会社製の分光測色計CM-3600dにて測定し、それぞれの結果を図1に示す。また、参考のために、脱染前の毛束のL値も同様に測定した。
図1の結果から明らかなように、実施例22~27はいずれも、比較例3に比べて脱染料の効果が高いことが分かった。
《実施例28~30》
上述した実施例4において、脱染前の毛束に対する脱染染料塗布後の放置温度(脱染料処理温度)を下記の表7にしたがって変更したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例28~30を行った。また、それぞれのL値、a値、及びb値の結果を表7に示す。
Figure 2023088754000009
《実施例31及び32》
上述した実施例4おいて、脱染前の毛束に対する脱染染料塗布後の放置時間(脱染料処理温度)を下記の表8にしたがって変更したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例31及び32を行った。また、それぞれのL値、a値、及びb値の結果を表8に示す。
Figure 2023088754000010
《実施例33及び34》
上述した実施例4において、脱染料組成物におけるグリオキシル酸の濃度を下記の表9にしたがって変更したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例33及び37を行った。また、それぞれのL値、a値、及びb値の結果を表9に示す。
Figure 2023088754000011

Claims (13)

  1. 酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料して脱染料の前後での毛髪の明度L値の差を14.0以上にし、かつ/又は下記式で定義されるb値脱色率(%)が、50.0%以上にするための脱染料組成物であって、かつ
    前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
    脱染料組成物:
    値脱色率(%)=[(b3-b2)/(b1-b2)]×100
    ここで、
    b1:ブリーチ処理後のブリーチ毛のb
    b2:前記ブリーチ毛を酸化染料組成物で染色した後の毛髪のb
    b3:前記酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料組成物で脱染料した後の毛髪のb
  2. 酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料するための脱染料組成物であって、
    前記酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であり、かつ
    前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
    脱染料組成物。
  3. 脱染料組成物で脱染料するための酸化染料組成物であって、
    前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含み、かつ
    前記酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満である、
    酸化染料組成物。
  4. 酸化染料組成物及び脱染料組成物を含む、毛髪処理キットであって、
    前記酸化染料組成物において、カップラーと染料中間体との質量比(カップラー/染料中間体)が、1.0未満であり、かつ
    前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
    キット。
  5. 前記脱染料組成物が、前記グリオキシル酸以外のα-オキソカルボン酸及びその誘導体、α-ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体、並びにアスコルビン酸及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の有機酸を更に含む、請求項1若しくは2に記載の脱染料組成物、請求項3に記載の酸化染料組成物、又は請求項4に記載のキット。
  6. 前記有機酸が、ピルビン酸、2-オキソグルタル酸、アスコルビン酸、及びそれらの誘導体からなる群より選択される、請求項5に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物、又はキット。
  7. 前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン及びその塩類、トルエン2,5-ジアミン及びその塩類、パラアミノフェノール及びその塩類、並びに2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール及びその塩類からなる群より選択される少なくとも2つを含む、請求項1若しくは2に記載の脱染料組成物、請求項3に記載の酸化染料組成物、請求項4に記載のキット、又は請求項5若しくは6に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物若しくはキット。
  8. 前記カップラーが、5-アミノ-o-クレゾール及びその塩類、m-アミノフェノール及びその塩類、2,4-ジアミノフェノキシエタノール及びその塩類、並びに2,6-ジアミノピリジンからなる群より選択される少なくとも1つを含み、かつ
    前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン及びその塩類、トルエン2,5-ジアミン及びその塩類、パラアミノフェノール及びその塩類、並びに2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール及びその塩類からなる群より選択される少なくとも1つを含む、
    請求項1若しくは2に記載の脱染料組成物、請求項3に記載の酸化染料組成物、請求項4に記載のキット、又は請求項5~7のいずれか一項に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物若しくはキット。
  9. 前記カップラーが、2,4-ジアミノフェノキシエタノール又はその塩類を含み、かつ
    前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン又はその塩類を含む、請求項8に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物、又はキット。
  10. 前記染料中間体が、パラフェニレンジアミン及びその塩類、並びにトルエン2,5-ジアミン及びその塩類からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項7又は8に記載の、脱染料組成物、酸化染料組成物、又はキット。
  11. ブリーチ剤で処理された毛髪を酸化染料組成物で染色して、その後脱染料組成物で脱染料して、脱染料の前後での毛髪の明度L値の差を14.0以上にし、かつ/又は下記式で定義されるb値脱色率(%)が、50.0%以上にするための毛髪処理方法であって、かつ
    前記脱染料組成物が、グリオキシル酸又はその誘導体を含む、
    毛髪処理方法:
    値脱色率(%)=[(b3-b2)/(b1-b2)]×100
    ここで、
    b1:ブリーチ処理後のブリーチ毛のb
    b2:前記ブリーチ毛を酸化染料組成物で染色した後の毛髪のb
    b3:前記酸化染料組成物で染色された毛髪を脱染料組成物で脱染料した後の毛髪のb値。
  12. ブリーチ剤で処理された毛髪を、請求項3に記載の酸化染料組成物で染色すること、及び
    前記酸化染料組成物で染色された毛髪を、請求項1又は2に記載の脱染料組成物で脱染料すること、
    を含む、毛髪処理方法。
  13. 前記脱染料が、加熱して行うためのものである、請求項1及び2に記載の脱染料組成物、請求項3に記載の酸化染料組成物、請求項4に記載のキット、並びに請求項11及び12に記載の毛髪処理方法。
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