JP2023086080A - 不燃性断熱パネル - Google Patents

不燃性断熱パネル Download PDF

Info

Publication number
JP2023086080A
JP2023086080A JP2022104183A JP2022104183A JP2023086080A JP 2023086080 A JP2023086080 A JP 2023086080A JP 2022104183 A JP2022104183 A JP 2022104183A JP 2022104183 A JP2022104183 A JP 2022104183A JP 2023086080 A JP2023086080 A JP 2023086080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
expanded graphite
heat insulating
adhesive
nonflammable
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022104183A
Other languages
English (en)
Inventor
正行 若林
Masayuki Wakabayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dupont Styro Co Ltd
Original Assignee
Dupont Styro Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dupont Styro Co Ltd filed Critical Dupont Styro Co Ltd
Publication of JP2023086080A publication Critical patent/JP2023086080A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/10Insulation, e.g. vacuum or aerogel insulation

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】芯材として熱可塑性樹脂発泡体を用いた場合であっても、接着性が良く、且つ、不燃材料としての評価が高い不燃性断熱パネルを提供する。【解決手段】断熱板10の両面に接着層21,22を介して金属表面材30,30を貼付した不燃性断熱パネルにおいて、断熱板10の少なくとも一方の表面に凹凸11を形成し、凹部12内に、膨張黒鉛、もしくは該膨張黒鉛とバインダー材からなる充填剤を充填する。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の外壁材や屋根材として用いられる不燃性断熱パネルに関する。
従来、建物の外壁や屋根などに断熱性と不燃性を付与する材料として、ロックウール等の無機系断熱材をバインダー樹脂で固めたものや、ポリウレタンやポリイソシアヌレート等の発泡樹脂からなる芯材の両面に2枚の金属板を接着剤によって貼付したパネルが知られており、特許文献1には、係る接着剤中に熱膨張性粒子を含有させることで、火災等で金属板の一方の表面が炎に晒された際に、金属板と芯材との間に形成される隙間を該膨張性粒子が熱膨張することで塞ぎ、該隙間に炎が侵入して芯材が熱収縮し、断熱性や耐火性が低下するのを防止したパネルが開示されている。
特開2013-36246号公報
建築基準法に基づく防火材料の評価試験の代表的なものとして発熱性試験が有る。係る発熱性試験は、ISO5660に準拠し、コーンカロリーメーターを用いて実施され、一定時間内において、発生する総発熱量、継続して示される最高発熱速度、裏面まで貫通する亀裂や穴の有無で評価される。
特許文献1に開示されたように、接着剤に熱膨張性粒子を含有させたパネルにおいて、芯材が無機物或いは熱硬化性樹脂の場合には、上記発熱性試験において芯材の体積変動が小さいため、該体積変動を埋めるための熱膨張性粒子の必要量は少なく、接着剤に含有させても接着性への影響は少ない。
しかしながら、芯材が熱可塑性樹脂発泡体の場合、耐熱性が低く、上記発熱性試験においては、芯材が熱溶融して体積が大幅に減少してしまい、形状変化が大きい。そのため、大幅な体積変動を埋めるためには、より多量の熱膨張性粒子を接着剤中に含有させる必要があり、接着性の観点から接着剤濃度を一定以上に維持しようとすると、接着剤自体も増量する必要があり、接着層が厚くなってしまう。芯材に金属板を貼付する際には、芯材の表面に所望量の接着剤を塗布し、金属板をのせてプレス圧をかけるが、多量の熱膨張性粒子を含有し、且つ、接着剤自体も増量した厚い接着層にプレス圧をかけると、芯材と金属板の積層端部から熱膨張性粒子を含有する接着剤が流れ出てしまう。よって、強いプレス圧をかけることができず、金属板と芯材との接着性が劣ってしまう。また、接着剤は有機物であるため、接着剤量が増えると総発熱量が増加するため、上記発熱性試験における評価が低くなってしまう。
本発明の目的は、芯材として熱可塑性樹脂発泡体を用いた場合であっても、芯材と金属表面材との接着性が良く、且つ、不燃材料としての評価が高い不燃性断熱パネルを提供することにある。
本発明は、合成樹脂発泡体製の断熱板と、前記断熱板の両表面に接着層を介して配置された金属表面材と、を備えた不燃性断熱パネルにおいて、
前記断熱板の少なくとも一方の表面が凹凸を有し、
前記凹凸の凸部の最小幅及び凹部の最小幅がいずれも1mm超であり、
前記凹凸の凹部に少なくとも膨張黒鉛が充填されていることを特徴とする。
本発明においては、以下の構成を好ましい態様として含む。
〔1〕前記断熱板が、熱可塑性樹脂発泡体であり、前記断熱板の体積に対する、前記膨張黒鉛の理論膨張容積が2.0倍以上である。
〔2〕前記〔1〕において、前記熱可塑性樹脂発泡体が、押出法ポリスチレン系発泡体である。
〔3〕前記〔2〕において、前記凹部に前記膨張黒鉛とバインダー材とが充填されている。
〔4〕前記〔3〕において、前記バインダー材が前記接着層を形成する接着剤である。
〔5〕前記〔4〕において、前記接着層が、前記膨張黒鉛を含有する。
〔6〕前記〔2〕において、前記凹部に、樹脂フィルムで包含された膨張黒鉛が充填されている。
〔7〕ISO5660に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験において、以下の(a)乃至(c)を満たす。
(a)加熱開始後、20分間の総発熱量が8MJ/m2以下である。
(b)加熱開始後、20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない。
(c)加熱開始後、20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えない。
本発明においては、断熱板の表面に設けた凹部に膨張黒鉛を充填するため、接着層を厚くすることなく、且つ、接着剤を多量に用いることなく、多量の膨張黒鉛を断熱板と金属表面材との間に存在させることができる。よって、発熱性試験において大幅に体積変動を生じる熱可塑性樹脂発泡体からなる断熱板の場合でも、良好な不燃性評価が得られる。また、接着層を厚くする必要がないため、金属表面材を断熱板に貼付する際に十分なプレス圧をかけることができ、良好な接着性及び表面平滑性が得られる。よって、金属表面材と断熱板との接着性が良く、不燃性に優れた不燃性断熱パネルが提供される。
本発明の不燃性断熱パネルの一実施形態の構成を模式的に示す平面図と厚さ方向の断面図である。 図1の断面図の部分拡大図である。 本発明の不燃性断熱パネルの他の実施形態の構成を模式的に示す厚さ方向の断面図と部分拡大図である。 本発明の不燃性断熱パネルの他の実施形態の凹凸の構成を模式的に示す平面図である。
本発明の不燃性断熱パネルは、芯材として合成樹脂発泡体製の断熱板を有し、該断熱板の両表面に、接着層を介して金属表面材を有している。そして、本発明においては、断熱板の表面に凹部を形成して膨張黒鉛を充填することで、発熱性試験において断熱板と金属表面材との間に生じる空隙を埋め得る十分な量の膨張黒鉛を、断熱板と金属表面材との間に存在せしめたことに特徴を有する。
以下、実施形態を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対して適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれる。
図1は、本発明の不燃性断熱パネルの一実施形態の構成を模式的に示す図であり、図1中、(a)は平面図、(b)は(a)中のA-A’部位の断面図である。また、図2は、図1(b)中の破線で囲んだ領域Bの拡大図である。
本発明の不燃性断熱パネル(以下、「パネル」と称する)は、芯材として断熱板10を有し、該断熱板10の両表面に、接着層21,22を介して金属表面材30,30が貼付されている。本発明において、断熱板10の少なくとも一方の表面には凹凸11が形成され、該凹凸11の凹部12内には充填剤部41として、少なくとも膨張黒鉛からなる充填剤が充填されている。本実施形態においては、断熱板10の一方の表面にのみ、凹凸11を設けた例を示す。
凹部12に充填される充填剤は、膨張黒鉛のみでも、膨張黒鉛同士を結着させるバインダー材と膨張黒鉛との混合物のいずれでも良い。膨張黒鉛は粉末で扱いづらいが、バインダー材と混合してペースト状にした混合物であれば、図2(a)に示すように直接凹部12に充填することも容易である。また、熱可塑性樹脂に膨張黒鉛を混合して押出成形した柱状の成形品を凹部12に充填しても良い。膨張黒鉛のみを凹部12に充填する場合には、図2(b)に示すように樹脂フィルム42で包含された膨張黒鉛を充填すれば容易に充填することができる。
また、接着層22に膨張黒鉛を含有させる場合、凹部12に膨張黒鉛とバインダー材からなる充填剤を充填し、別途、膨張黒鉛含有接着剤を凹凸11上に塗布して接着層22を形成し、金属表面材30を貼付しても良いが、上記バインダー材として接着層22の形成に用いる接着剤を用いることで、膨張黒鉛含有接着剤を凹部12に充填すると同時に接着層22を形成することができる。
本発明においては、少なくとも凹部12に膨張黒鉛が充填されるため、金属表面材30と断熱板10との間に存在させる膨張黒鉛が多量の場合でも、接着層22を薄くすることができる。即ち、従来であれば接着層22にのみ膨張黒鉛と接着剤が配置されるのに対して、本発明では、接着層22と凹部12とが、膨張黒鉛と接着剤の配置領域となるため、接着層22の厚さを薄くすることができる。よって、金属表面材30を貼付する際に十分なプレス圧をかけても、端部から接着剤或いは膨張黒鉛含有接着剤がはみ出ることがなく、良好な接着性が得られる。
本発明において、金属表面材30と断熱板10との接着性の観点からは、接着層22は膨張黒鉛を含有しないか、含有しても濃度が薄い方が好ましい。一方、接着層22に含有させる膨張黒鉛を少なくする観点からは、凹部12にできるだけ多くの膨張黒鉛を充填することが好ましい。また、接着剤を増量すると総発熱量が増加するため、接着剤は少ない方が好ましい。従って、凹部12には膨張黒鉛のみを充填し、接着層22は接着剤のみとすることが接着性と総発熱量の観点からは好ましいと言えるが、一方で、接着層22と充填剤部41とを共通の膨張黒鉛含有接着剤で形成した場合でも、十分なプレス圧をかけることができる上、凹部12内の壁面が接着領域となるため、膨張黒鉛含有接着剤中の膨張黒鉛の濃度が高くなっても、良好な接着性が得られる。また、膨張黒鉛含有接着剤で凹部12の充填と接着層22の形成を1工程で行えば、パネルの作製作業がより容易になるという効果も得られる。
従って、接着層22に膨張黒鉛を含有させるか否か、充填剤部41に接着剤を含有させるか否か、即ち、接着層22と充填剤部41それぞれの膨張黒鉛、接着剤の含有量については、必要とされる膨張黒鉛の量と、総発熱量の観点から許容される接着剤の量とに基づいて調整すればよい。
本発明に用いられる断熱板10は、合成樹脂発泡体製であり、熱硬化性樹脂発泡体、熱可塑性樹脂発泡体のいずれにおいても用いられるが、特に、軟化点が低く、発熱性試験において短時間で溶融して大幅な体積変動を生じる熱可塑性樹脂発泡体において、高い効果が得られる。具体的には、発熱性試験において、膨張黒鉛を用いなかった場合に、1/5以下に体積が減少する熱可塑性樹脂発泡体に効果的であり、例えば、押出法ポリスチレン系発泡体が好ましく用いられ、好ましくは、密度が20kg/m3~50kg/m3。圧縮強度が10N/cm2~50N/cm2、厚さが20mm~500mmの押出法ポリスチレン系発泡体である。
また、断熱板10は、熱硬化性樹脂発泡体と熱可塑性樹脂発泡体を積層しても良い。特に、コーンヒーター側(上層部)に熱硬化性樹脂発泡体を積層した方が形状保持の点で効果的である。
本発明に用いられる接着剤としては、従来の断熱パネルにおいて金属表面材と断熱板との接着に用いられている、2液型ウレタン樹脂系接着剤が好ましく用いられる。2液型ウレタン樹脂系接着剤は、そのままで用いた場合に30N/cm2以上の接着強さが得られ、接着層22と充填剤部41とに均一に膨張黒鉛を含有せしめる場合においては、膨張黒鉛含有接着剤中に40質量%まで膨張黒鉛を含有させても接着性が得られる。尚、2液型ウレタン樹脂系接着剤の増量は、発熱性試験において総発熱量を増加させるため、膨張黒鉛含有接着剤中に含有される膨張黒鉛は20質量%以上として、接着剤の増量を抑えることが好ましい。即ち、膨張黒鉛含有接着剤で充填剤部41と接着層22とを形成する場合の好ましい膨張黒鉛の含有量は、20質量%以上、40質量%以下である。
また、膨張黒鉛を接着層22に含有させない場合や、接着層22よりも充填剤部41の膨張黒鉛を高濃度とする場合には、充填剤におけるバインダー材は接着層22の接着剤と異なっていても良く、接着剤以外の粘着剤や各種エマルジョン、ラテックスなど、粉末状の膨張黒鉛に混合してペースト状の充填剤を調整し得るものであれば、バインダー材として用いることができ、本発明の効果を損なわない範囲でバインダー材以外の各種添加剤を添加しても構わない。また、接着層22で十分な接着性が得られるのであれば、充填剤部41の膨張黒鉛の含有量は40質量%超とすることができる。
本発明において、膨張黒鉛は、加熱によって断熱板10が軟化、溶融して体積が減少し、金属表面材30との間に空隙が生じた際に、加熱発泡して体積が増加し、該空隙を埋めることでパネル全体での形状を維持する。よって、膨張黒鉛は、加熱発泡時の膨張容積が、用いる断熱板10の体積変動量以上となるように用いることが望ましい。断熱板10がポリスチレン系発泡体の場合には、断熱板10の体積に対して、膨張黒鉛の理論膨張容積が2.0倍以上となるよう、膨張黒鉛を用いる必要があり、断熱板10の体積に対する膨張黒鉛の理論膨張容積が2.0倍以上であれば、ポリスチレン系発泡体以外の材料からなる断熱板10に対しても、膨張黒鉛を用いた効果がほぼ得られる。よって、熱可塑性樹脂発泡体の場合には、断熱板10の体積に対する膨張黒鉛の理論膨張容積が2.0倍以上となるように膨張黒鉛の含有量を調整すればよい。また、ポリイソシアヌレートフォームのように、熱硬化性樹脂発泡体の場合には、発熱性試験においても熱収縮による体積変動が小さいため、断熱板10の体積に対する膨張黒鉛の理論膨張容積の比率が1.0倍以上であれば良い。ここで、理論膨張容積とは、950℃のマッフル炉に膨張黒鉛を1分間投入し、取り出し後、膨張容積を読み取ることにより算出される単位質量当たりの膨張容積に、使用した膨張黒鉛の全使用量(質量)を乗じた値である。
膨張黒鉛としては、膨張開始温度及び単位質量当たりの膨張容積(膨張倍率)が異なる複数種が有り、単位質量当たりの膨張容積の高い膨張黒鉛を用いた方が、膨張黒鉛の必要量が少なく経済的に好ましいが、一般的には単位質量当たりの膨張容積の高い膨張黒鉛は膨張開始温度が高い。膨張黒鉛の最も低い膨張開始温度が120℃程度であるのに対し、ポリスチレン系発泡体等の熱可塑性樹脂は100℃程度から軟化が始まるため、熱膨張開始温度の低い膨張黒鉛を用いることが好ましいが、コスト的には不利である。よって、本発明においては、膨張開始温度の低い膨張黒鉛と高い膨張黒鉛とを組み合わせて用いても良い。
本発明において、断熱板10の表面に形成される凹凸11の凹部12の断面形状としては、図1に示した矩形の他に、図3に示す半円形であってもよい。尚、図3中、(a)は本発明の他の実施形態の構成を模式的に示す厚さ方向の断面図であり、(b)は(a)中の破線で囲まれた領域Cの部分拡大図である。凹部12は断熱板10の平坦な表面に、スロットカッターによる切削や、面木、金属棒などを押し付けることで形成することができる。
本発明に係る凹凸11の寸法としては、凹部12内に充填剤、或いは樹脂フィルム42で包含された膨張黒鉛を充填する上で、凹部12の最小幅W1は1mm超であり、金属表面材30との良好な接着性が得られる点で凸部13の最小幅W2は1mm超である。尚、凸部13の最小幅、凹部12の最小幅とは、凸部13の金属表面材30側の表面、凹部12の開口部、のそれぞれの最短距離である。また、凹部12の深さD(図3の場合には最深部の深さ)は、十分な量の充填剤部41を充填する上で、1mm以上が好ましい。凹凸11は、図1に示すように同じ幅の凹部12が一定間隔で平行に配列するストライプ状が好ましく、この場合の凹部12の最小幅は凹部12の開口部の幅であり、凸部13の最小幅は、凸部13の表面の幅である。尚、凸部13の表面は平坦である。また、凹凸11は、一方が格子状で他方がドット状である形態であってもよく、この場合、格子状部位の平行な2本に挟まれたドット状部位の幅が凸部13の最小幅である。図4は、凹部12を格子状とした場合の、断熱板10の平面模式図である。また、接着性の観点から、凹部12の内部表面が例えばねじ状の凹凸形状を呈していた方が、エンボス効果が得られるためより好ましい。
本発明に用いられる金属表面材30としては、従来の断熱パネルに表面材として用いられている金属板が好ましく用いられ、表面に樹脂塗装されたものも好ましく用いられる。例えば、ポリエステル樹脂系塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)などが好ましく用いられ、厚さは0.1mm~3.0mmである。
本発明において、図2(b)に示す、膨張黒鉛を包含する樹脂フィルム42としては、芯材である断熱板10と同様又はそれ以下の軟化温度を有する樹脂が好ましく、ポリスチレン又はポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなるフィルムが好ましく用いられる。
本発明のパネルは、ISO5660に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験において、以下の(a)乃至(c)を満たす不燃性が得られる。
(a)加熱開始後、20分間の総発熱量が8MJ/m2以下である。
(b)加熱開始後、20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない。
(c)加熱開始後、20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えない。
本発明のパネルは、断熱板の少なくとも一方の表面に凹凸を有し、該凹凸の凹部に少なくとも膨張黒鉛が充填されており、上記発熱性試験においては、係る凹凸を設けた側をコーンヒーターに向けて配置する。尚、本発明においては、断熱板の両表面が凹凸を有し、該凹凸に膨張黒鉛を充填した構成としても良いが、上記発熱性試験において影響を及ぼすのはコーンヒーター側に向けた側の膨張黒鉛である。よって、上記実施形態で述べた必須の構成及び好ましい構成は、断熱板の両表面に凹凸及び膨張黒鉛が存在する場合であっても、それぞれの表面について同様に適用される。
本実施例、比較例で使用した部材は以下の通りである。
〔断熱板〕
断熱板A:厚さが45mm、75mm、100mmの3種類の、JIS A 9521に規定される押出法ポリスチレンフォーム断熱材(密度:35kg/m3、圧縮強度:25N/cm2
断熱板B:厚さが45mmのポリイソシアヌレートフォーム
〔金属表面材〕
厚さが0.5mmのポリエステル樹脂系塗装ガルバリウム鋼板(登録商標)(JIS G 3322)
〔接着剤〕
接着剤A:2液型ウレタン樹脂系接着剤(コニシ株式会社製「KU554/KU硬化剤No.2」)
接着剤B:変性シリコーン/エポキシ系接着剤(積水フーラー株式会社製「エスダイン♯681」)
〔膨張黒鉛(EG)〕
膨張黒鉛A:伊藤黒鉛工業株式会社製「953240L」、単位質量当たりの膨張容積360cc/g、膨張開始温度160℃
膨張黒鉛B:富士黒鉛工業株式会社製「EXP50S120N」、単位質量当たりの膨張容積240cc/g、膨張開始温度120℃
膨張黒鉛C:単位質量当たりの膨張容積250cc/g、膨張開始温度160℃
膨張黒鉛D:単位質量当たりの膨張容積300cc/g、膨張開始温度165℃
下記表1~5のEG理論膨張容積V1は、各例で使用した膨張黒鉛の単位質量当たりの膨張容積に、使用した膨張黒鉛の全使用量(質量)を乗じることにより、算出される。
〔樹脂フィルム〕
ポリエチレン製フィルムからなる筒状袋
(実施例1~12)
厚さ45mmの断熱板Aの一方の表面にスロットカッターを用いて断面形状が方形の凹凸を形成し、膨張黒鉛に接着剤を混合した膨張黒鉛含有接着剤を、上記凹凸を設けた側の断熱板の表面全体に塗布し、金属表面材をのせてプレス圧をかけて貼付した。断熱板の凹凸を設けていない側の表面にも同じ接着剤を200g/m2塗布し、金属表面材をのせてプレス圧をかけて貼付し、パネルを作製した。各実施例の構成を表1~表2に示す。尚、実施例9は図4に示したように、凹部を格子状とし、他の実施例は全て図1に示したように、凹部をストライプ状とした。
尚、下記の表1~表5中、EG濃度は質量%である。接着剤、EG、接着剤+EGの欄の、凹部と接着層とが区別されていない欄の数値は、凹部と接着層とを合わせた数値であり、EG濃度の凹部と接着層とを合わせた欄の、凹部と接着層とが区別されていない欄の数値は、凹部と接着層とで共通の数値である。
また、断熱板の体積に対して凹部の容積は非常に小さく、実質的に無視できるため、断熱板の体積は凹凸の有無に関わらず、厚さで決定されるものとした。
(実施例13,14)
膨張黒鉛含有接着剤を充填剤として凹部に充填した後に、膨張黒鉛を含有しない接着剤を塗布したこと以外は、実施例1~12と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。各実施例の構成を表2に示す。
(実施例15)
充填剤として膨張黒鉛のみを凹部に充填したこと以外は、実施例13、14と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表2に示す。
(実施例16)
充填剤として膨張黒鉛を樹脂フィルムからなる筒状袋に充填して凹部に充填したこと以外は、実施例13~15と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表2に示す。
(実施例17)
膨張黒鉛に耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を混合し、押出成形した面木を充填剤として凹部に充填したこと以外は、実施例13~16と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表2に示す。表2の「接着剤」の「凹部」の欄の数値(875)は接着剤とみなしたHIPSの使用量であり、「接着剤+EG」の「凹部」及び「EG濃度(%)」の「凹部」の欄の数値も、HIPSを接着剤とみなして算出した数値である。
(実施例18~21)
断熱板の厚さを変更したこと以外は、実施例1~12と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表2に示す。
(実施例22~25)
実施例1~12と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表3に示す。
(実施例26~28)
断熱板の厚さを変更したこと以外は、実施例1~12と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表3に示す。
(実施例29)
断熱板Bを用いたこと以外は、実施例13,14と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表3に示す。
(比較例1)
断熱板Aの表面に凹凸を形成せず、膨張黒鉛を含有しない接着剤を塗布して金属表面材を貼付したこと以外は、実施例13,14と同様にしてパネルを作製した。構成を表4に示す。
(比較例2)
膨張黒鉛を用いなかったこと以外は、実施例1~12と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表4に示す。
(比較例3)
断熱板の表面に凹凸を形成せずに膨張黒鉛含有接着剤を塗布して金属表面材を貼付したこと以外は、実施例1~12と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表4に示す。
(比較例4、5)
実施例1~12と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表4に示す。
(比較例6、7)
断熱板の厚さを変更したこと以外は、比較例3と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表4に示す。
(参考例1~3)
実施例1~12、18~21と同様にしてパネルを作製した。凹部はストライプ状とした。構成を表5に示す。
(試験方法)
〔発熱性試験〕
上記実施例1~29、比較例1~7、参考例1~3の各パネルについて、ISO5660に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験を行った。尚、試験の際には、断熱板の凹凸を設けた側がコーンヒーター側になるようにパネルを配置した。凹凸を設けていない比較例については、両面が同じ条件であるため、特に選択せずに一方の表面をコーンヒーター側に配置した。尚、金属表面材を貼付する際に、通常のプレス圧をかけて接着剤又は膨張黒鉛含有接着剤のはみ出しが生じたパネルについては、はみ出しがないようにして再度作製したパネルを用いて試験を行った。評価基準は以下の通りである。結果を表1~表5に示す。
総発熱量(THR):加熱開始後、20分間の総発熱量が8MJ/m2以下を合格、8MJ/m2を超えた場合を不合格とする。
形状保持:加熱開始後、20分間の金属表面材の落下距離が10mm以下を合格、10mmを超える場合を不合格とする。尚、係る評価で合格の場合、当該燃焼性試験における、不燃性の基準である「加熱開始後、20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない。」を満たしている。
最高発熱速度:加熱開始後、20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2以下のものを合格、200kW/m2を超えたものを不合格とする。
〔端部からのはみ出し〕
上記実施例1~29、比較例1~7、参考例1~3の各パネルの製造時、金属表面材を貼付する際に、通常のプレス圧をかけて、接着剤又は膨張黒鉛含有接着剤のはみ出しの有無を確認した。評価基準は以下の通りである。結果を表1~表5に示す。
〇:はみ出しが無かった。
×:はみ出しが有った。
〔接着強さ〕
上記実施例1~29、比較例1~7、参考例1~3の各パネルについて、ASTM D 1623に従って、金属表面材と断熱板との接着強さを測定した。尚、金属表面材を貼付する際に、通常のプレス圧をかけて接着剤又は膨張黒鉛含有接着剤のはみ出しが生じたパネルについては、はみ出しがないようにして再度作製したパネルを用いて接着強さを測定した。評価基準は以下の通りである。結果を表1~表5に示す。
〇:接着強さが40N/cm2以上
△:接着強さが40N/cm2未満で30N/cm2以上
×:接着強さが30N/cm2未満
Figure 2023086080000002
Figure 2023086080000003
Figure 2023086080000004
Figure 2023086080000005
Figure 2023086080000006
表1~表5から明らかなように、本発明のパネルは、良好な不燃性が示され、また、金属表面材と断熱板との接着性も良好であった。
これに対して、比較例1~7,参考例1~3のパネルは、以下に示すように、それぞれ問題が有った。
比較例1,2:膨張黒鉛を用いていないため、芯材である断熱板が溶融したことで金属表面材が脱落して、不燃性に劣るものであった。
比較例3,6,7:断熱板に凹凸を設けていないため、金属表面材の貼付時に膨張黒鉛含有接着剤のはみ出しが生じ、はみ出しがないように貼付すると、プレス圧が足りずに金属表面材と断熱板との接着性に劣るものであった。また、比較例7は、接着剤の使用量が多く、総発熱量、最高発熱速度の点から、不燃性に劣るものであった。
比較例4,5:凸部の幅が狭く、金属表面材と断熱板との接着性に劣るものであった。また、比較例5は凹部の幅も狭いため、膨張黒鉛含有接着剤が密に凹部に充填されず、金属表面材を貼付する際に、積層端部から膨張黒鉛含有接着剤のはみ出しが生じ、はみ出しがないように貼付しようとすると、十分なプレス圧をかけることができず、この点においても接着性が劣る原因となっている。
参考例1~3:断熱板体積に対する膨張黒鉛の理論膨張容積が不足しているため、金属表面材の落下距離が10mmを超えてしまい、不燃性に劣るものであった。
10:断熱板、11:凹凸、12:凹部、13:凸部、21,22:接着層、30:金属表面材、41:充填剤部、42:樹脂フィルム

Claims (8)

  1. 合成樹脂発泡体製の断熱板と、前記断熱板の両表面に接着層を介して配置された金属表面材と、を備えた不燃性断熱パネルにおいて、
    前記断熱板の少なくとも一方の表面が凹凸を有し、
    前記凹凸の凸部の最小幅及び凹部の最小幅がいずれも1mm超であり、
    前記凹凸の凹部に少なくとも膨張黒鉛が充填されていることを特徴とする不燃性断熱パネル。
  2. 前記断熱板が、熱可塑性樹脂発泡体であり、前記断熱板の体積に対する、前記膨張黒鉛の理論膨張容積が2.0倍以上であることを特徴とする請求項1項に記載の不燃性断熱パネル。
  3. 前記熱可塑性樹脂発泡体が、押出法ポリスチレン系発泡体であることを特徴とする請求項2に記載の不燃性断熱パネル。
  4. 前記凹部に前記膨張黒鉛とバインダー材とが充填されていることを特徴とする請求項3に記載の不燃性断熱パネル。
  5. 前記バインダー材が前記接着層を形成する接着剤であることを特徴とする請求項4に記載の不燃性断熱パネル。
  6. 前記接着層が、前記膨張黒鉛を含有することを特徴とする請求項5に記載の不燃性断熱パネル。
  7. 前記凹部に、樹脂フィルムで包含された膨張黒鉛が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の不燃性断熱パネル。
  8. ISO5660に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験において、以下の(a)乃至(c)を満たすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の不燃性断熱パネル。
    (a)加熱開始後、20分間の総発熱量が8MJ/m2以下である。
    (b)加熱開始後、20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない。
    (c)加熱開始後、20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えない。
JP2022104183A 2021-12-09 2022-06-29 不燃性断熱パネル Pending JP2023086080A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021199928 2021-12-09
JP2021199928 2021-12-09

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023086080A true JP2023086080A (ja) 2023-06-21

Family

ID=86776081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022104183A Pending JP2023086080A (ja) 2021-12-09 2022-06-29 不燃性断熱パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023086080A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2562128A1 (en) Thermal insulation composite with improved thermal stability and improved fire resistance
EP2850258B1 (en) Foam wall insulation system
JP6071305B2 (ja) 延焼防止材、目地材及び建具
JP2023086080A (ja) 不燃性断熱パネル
JP5525296B2 (ja) 木製防火扉
JP2024004554A (ja) 不燃性断熱パネル
JP4938359B2 (ja) 防火断熱パネル
JPH0882021A (ja) 断熱パネル及びその製造方法
JP2577064B2 (ja) 防火パネル
JP3809508B2 (ja) 耐火複合パネル
JPH0611185Y2 (ja) 難燃性複合断熱ボード
JPS6329769Y2 (ja)
JP2006527111A (ja) 断熱シートおよびその製造方法
JP2007303067A (ja) 断熱耐火サンドイッチパネル
JPH0267127A (ja) 防火パネル
JP7217437B2 (ja) 内装パネル及び内装パネルの製造方法
EP0800454B1 (en) Use of a sandwich panel as fire insulation or fire barrier and a method for continuous fabrication of sandwich elements
JPS6229522Y2 (ja)
KR20140069856A (ko) 페놀폼 샌드위치형 패널 및 그 연속식 제조방법
JPH09228507A (ja) 複合断熱パネル
JPH09317052A (ja) 耐火断熱パネル
JPS627474Y2 (ja)
JPH0538776A (ja) 防火性複合断熱パネル
JP2022126907A (ja) 被覆構造体及びその形成方法
JPH035616Y2 (ja)