JP2023080944A - 移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラム - Google Patents

移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】災害発生時において、移動体に乗車した利用者の事故防止または避難行動を支援すること。【解決手段】バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御部と、所定事象の発生を検知する事象検知部と、を備え、前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させる、移動体制御装置。【選択図】図9

Description

本発明は、移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムに関する。
従来、センサネットワークにより災害状況を的確に把握して避難経路の指示を柔軟に行うことを目的とした災害検知および避難誘導システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2005-316533号公報
しかしながら、災害は利用者が移動体に乗車した状態でも発生し得ることを考えると、そのような状態で災害が発生した場合、利用者がパニック状態に陥ることが想定される。そのような状況では、従来方法による災害検知や避難誘導が行われたとしても、利用者は災害発生時の事故防止、またはその後の避難行動を適切に実行できない可能性があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、災害発生時において、移動体に乗車した利用者の事故防止または避難行動を支援することができる移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
この発明に係る移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る移動体制御装置は、バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御部と、所定事象の発生を検知する事象検知部と、を備え、前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させるものである。
(2):上記(1)の態様において、前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生を検知した場合において前記移動体を停止させる際の減速度を前記乗員の傾動状態に応じて決定するものである。
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生を検知した場合において前記移動体の状態を前記第2の状態に遷移させる際の状態遷移の速度を前記乗員の傾動状態に応じて決定するものである。
(4):上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記移動体制御部は、前記移動体の周辺環境を認識する機能を有し、前記乗員が前記移動体から降りた場合、自動運転により前記移動体を通路の端または通路以外の場所に移動させるものである。
(5):上記(1)から(4)のいずれかの態様において、前記事象検知部は、前記所定事象に関する避難指示を検知する機能をさらに有し、前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生の検知後に前記避難指示を検知し、且つ前記移動体に乗員が搭乗している場合、前記移動体を前記避難指示に係る避難場所に自動的に移動させるものである。
(6):上記(5)の態様において、前記移動体制御部は、前記避難場所を含む周辺の地図情報と前記移動体の位置情報とに基づいて前記避難場所までの移動経路を決定するものである。
(7):上記(6)の態様において、前記移動体制御部は、前記移動体以外の他の移動体の位置情報に基づいて周辺環境の混雑度を推定し、現在位置から前記避難場所までの経路上の前記混雑度に基づいて前記移動経路を決定するものである。
(8):上記(5)から(7)のいずれかの態様において、前記移動体制御部は、前記所定事象が発生していない平常時においては通行不可とされる経路も含めて前記避難場所までの移動経路を決定するものである。
(9):上記(1)から(8)のいずれかの態様において、前記移動体制御部は、走行路上の障害物を検知する機能を有し、走行中の経路上に障害物を検知した場合、前記障害物が検知された箇所の通行時において、前記移動体の状態を前記第2の状態に遷移させるものである。
(10):上記(1)から(9)のいずれかの態様において、前記移動体は、情報を周囲に報知する報知部をさらに備え、前記移動体制御部は、前記移動体が自動移動中であることを、前記報知部により前記移動体の周辺に報知させるものである。
(11):上記(1)から(10)のいずれかの態様において、前記移動体は、着地状態と離地状態とを制御可能な支持部であって、前記着地状態において前記移動体の倒立状態を維持する前記支持部をさらに備え、前記移動体制御部は、前記支持部が離地した状態を前記第1の状態とし、前記支持部が着地した状態を前記第2の状態とするものである。
(12):上記(1)から(10)のいずれかの態様において、前記移動体制御部は、前記第2の状態では、前記バランス制御機構に対して所定量以下の前記乗員の運転操作を無視させる、または、前記バランス制御機構によるバランス制御のゲインを前記第1の状態におけるゲインよりも小さくするものである。
(13):この発明の一態様に係る移動体制御方法は、コンピュータが、バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御処理を実行し、所定事象の発生を検知し、前記移動体制御処理において、前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させるものである。
(14):この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御処理を実行させ、所定事象の発生を検知させ、前記移動体制御処理において、前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させるものである。
上記(1)~(14)の態様によれば、災害発生時において、移動体に乗車した利用者の事故防止または避難行動を支援することができる。
本実施形態の移動体制御システムに係る倒立振子型車両の外観の概略を示す第1図である。 本実施形態の移動体制御システムに係る倒立振子型車両の外観の概略を示す第2図である。 本実施形態の移動体制御システムに係る倒立振子型車両の外観の概略を示す第3図である。 全方向移動車輪の構成の概略を示す図である。 倒立振子型車両の操縦例を示す第1図である。 倒立振子型車両の操縦例を示す第2図である。 本実施形態に係る移動体制御システムの概略を示す図である。 本実施形態における倒立振子型車両の機能構成の一例を示す図である。 本実施形態における移動体制御装置の機能構成の一例を示す図である。 本実施形態における倒立振子型車両の制御について第1の制御方法を説明する図である。 本実施形態における倒立振子型車両の制御について第2の制御方法を説明する第1図である。 本実施形態における倒立振子型車両の制御について第2の制御方法を説明する第2図である。 本実施形態における倒立振子型車両の制御について第3の制御方法を説明する図である。 本実施形態における倒立振子型車両の制御について第4の制御方法を説明する図である。 本実施形態における倒立振子型車両の制御について第5の制御方法を説明する図である。
以下、図面を参照し、本発明の移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
[概略]
図1~図3は、本実施形態の移動体制御システム1に係る倒立振子型車両100の外観の概略を示す図である。移動体制御システム1は、倒立振子型車両100の自動運転を制御することにより、倒立振子型車両100を所定の目的地に誘導するシステムである。ここで倒立振子型車両100とは、倒立状態で移動または停止することができるように構成された車両である。ここでいう倒立状態とは、倒立振子型車両100が機体下部を支点として機体上部にかかる荷重のバランスをとりながら静止または移動できる状態をいう。バランスの維持は、後述するバランス制御によって維持されてもよいし、倒立補助部105により維持されてもよい。図1および図3は正面方向から見た外観を示し、図2は側面方向から見た外観を示す。倒立振子型車両100は、床面上を移動するための移動機構と、移動機構を駆動する駆動装置とが組み付けられた基体に搭乗部が設けられた車両であり、搭乗部に搭乗した利用者U(乗員)が身体を鉛直方向に対して傾動させると、その傾動方向に進行方向を変えるように構成された車両である。
倒立振子型車両100は、例えば、移動機構としての全方向移動車輪101と、全方向移動車輪101を駆動する駆動装置102と、操作パネル103と、搭乗部104と、倒立補助部105と、それらを一体に組み付ける基体107とを備える。全方向移動車輪101は、車両が旋回等の予備動作を行うことなく現在位置から直ちに任意方向(360度の全方向)に進み出すこと(全方向移動)を可能にする車輪である。
倒立補助部105は、倒立振子型車両100の倒立を補助する機構である。倒立補助部105は、例えば、基体107の前後左右の四隅にそれぞれ設置され、4つの倒立補助部105が連動して上下方向に駆動することにより、倒立振子型車両100を離地状態または着地状態のいずれかの倒立状態にすることができる。倒立補助部105は、例えば、補助輪105Aと、ガイド部105Bと、補助輪105Aおよびガイド部105Bを駆動する駆動部105C(図示せず)とを備える。離地状態は補助輪105Aが離地した状態であり、着地状態は補助輪105Aが着地した状態である。ここで倒立補助部105は「支持部」の一例である。
補助輪105Aは、着地状態において、倒立振子型車両100の倒立を補助する車輪である。補助輪105Aは、その回転軸がガイド部105Bに接続され、そのガイド部105Bが上下方向に移動することにより、接地または離地する。着地状態において、倒立振子型車両100は全方向移動車輪101および補助輪105Aによって支持されることにより、後述するバランス制御を必要とせずに倒立状態を維持することができる。また、倒立振子型車両100は、着地状態において全方向移動車輪101を駆動することにより、補助輪105Aによる倒立の補助を受けながら任意方向に走行することができる。なお、任意方向への動き出しを円滑にするために、補助輪105Aには、倒立振子型車両100の移動に応じて車輪の向きを変えることができるキャスター形式のものが使用されてもよい。
ガイド部105Bは、レール等の機構を有し、駆動部105Cによって上下方向に駆動される。ガイド部105Bは、この上下方向の駆動により補助輪105Aの接地状態を変更することができる。例えば、図1の離地状態においてガイド部105Bを下方向に駆動することにより、倒立振子型車両100の倒立状態を、図3のような接地状態にすることができる。また、これとは逆に、図3の接地状態においてガイド部105Bを上方向に駆動することにより、倒立振子型車両100の倒立状態を、図1のような離地状態とすることができる。
なお、図1~図3には、着地状態と離地状態とで搭乗部104の高さが異なる場合が示されているが、これは、着地状態ではバランス制御が行われないので、着地状態におけるバランスの安定感をより高めるために、搭乗部104の高さを倒立状態に応じて変更するようにしたものである。このような構成は、例えば、搭乗部104に高さ調節機構を設け、高さ調節機構を倒立補助部105と連動して動作させることにより可能となる。このような搭乗部104の高さ調整機能は必須ではないが、着地状態の安定性を増すために導入されてもよい。
駆動部105Cは、ガイド部105Bに動力を供給するモータ等の装置である。駆動部105Cは、例えば基体107の内部に設けられ、その動作が後述する制御部170によって制御される。制御部170は、操作パネル103に入力された操作や、移動体制御装置200からの指示に応じて駆動部105Cを作動させることにより、倒立振子型車両100の倒立状態を着地状態または離地状態に変更することができる。
上述のとおり、図1および図2は離地状態の倒立振子型車両100を示すものであるが、この状態では、全方向移動車輪101のバランス制御により、全方向移動車輪101の一点支持で倒立振子型車両100の倒立状態が維持される。また、図3は、着地状態の倒立振子型車両100を示すものであるが、この状態では、4つの倒立補助部105および全方向移動車輪101の5点で支持されることにより、倒立振子型車両100の倒立状態が維持される。このように、着地状態では倒立振子型車両100が5点で支持されるのに対し、離地状態では倒立振子型車両100が一点で支持されるので、一般には着地状態のほうが離地状態よりも安定して走行できる状態ということができる。
図4は、全方向移動車輪101の構成の概略を示す図である。全方向移動車輪101は、例えば、大径車輪101Aと、大径車輪101Aの円周に沿って配置された複数の小径車輪101Bとを備える。大径車輪101Aは、主に前後方向への直進移動を実現する車輪である。小径車輪101Bは、大径車輪101Aの回転方向(円周方向;矢印RA)を軸として矢印RB方向に回転することにより、主にその場での横方向の移動を実現する車輪である。全方向移動車輪101は、大径車輪101Aおよび小径車輪101Bの回転をそれぞれ独立して制御可能なモータ(図示せず)で駆動させる。このような構成により、全方向移動車輪101は、その場から、前後、左右、斜めの任意方向に進み出すことができる。
なお、倒立振子型車両100は、全方向移動車輪101に加えて、旋回用車輪を備えてもよい。例えば、旋回用車輪は、全方向移動車輪101の後輪として配置され、大径車輪101Aの回転軸に直交する回転軸で回転することにより、倒立振子型車両100の向きを変更することができる。すなわち、旋回用車輪のみを回転させた場合、倒立振子型車両100をその場で回転させ、大径車輪101Aと旋回用車輪を同時に回転させた場合、倒立振子型車両100を進行方向に向きを変えながら旋回前進させることができる。
図5および図6は、倒立振子型車両100の操縦例を示す図である。倒立振子型車両100には自車両の倒立状態を検知するためのIMUセンサが搭載されており、倒立振子型車両100はIMUセンサの検知結果に基づいて自車両のバランスをとるように構成される。図5は、このように構成された倒立振子型車両100に対して、利用者Uが紙面手前方向を正面方向として右方向に体重移動を行った場合を示す。この場合、倒立振子型車両100は利用者Uの体重移動により崩れたバランスを回復するために右方向に移動する。また、図6は、利用者Uが後ろ方向(紙面右方向)に体重移動を行った場合を示し、この場合倒立振子型車両100はバランスを回復するために後ろ方向に移動する。このようなバランス制御が行われることにより、利用者Uは、自身の進行したい方向に体重移動を行うことで倒立振子型車両100に対して移動方向を指示することができる。また、利用者Uが大きく体重移動を行った場合、倒立振子型車両100はバランスを回復するためにより速く移動するように制御される。これにより、利用者Uは、自身の体重移動の大きさを変えることにより倒立振子型車両100の移動速度を調節することができる。
[全体構成]
図7は、本実施形態に係る移動体制御システム1の概略を示す図である。例えば、移動体制御システム1は、遊園地やテーマパークなどの施設(以下単に「パーク」という。)において利用者にパーク内での移動手段を提供する倒立振子型車両100の制御システムとして利用される。移動体制御システム1は、例えば、倒立振子型車両100と、移動体制御装置200と、事象通知装置300とを備える。倒立振子型車両100は、無線通信機能を有し、無線基地局BSを介してネットワークNWに接続する。倒立振子型車両100は、ネットワークNWを介して移動体制御装置200と通信可能である。一方で、移動体制御装置200および事象通知装置300はパークを運営する事業者のデータセンタ等に設置され、パーク内を移動する倒立振子型車両100とネットワークNWを介して通信可能である。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)を含んでもよい。
移動体制御装置200は、所定事象の発生が検知されたことに応じて倒立振子型車両100を所定の目的地に誘導するための処理を行う。本実施形態では、上記の所定事象が災害であり、上記所定の目的地がパーク内の避難場所である場合について説明するが、これは一例であり、所定の事象および目的地を災害および避難場所に限定するものではない。本実施形態に係る移動体制御システム1は、任意の事象の発生が検知されたことに応じて、倒立振子型車両100を任意の目的地に誘導することができるものである。
より具体的には、移動体制御装置200は、事象通知装置300から災害発生の通知を受けたことに応じて、倒立振子型車両100を自動運転によりパーク内の避難場所に向けて移動させる。以下では、倒立振子型車両100が移動体制御装置200の自動運転制御によって移動することを「自動移動」という。例えば図7は、パーク内の或るエリアA1において、倒立振子型車両100が、災害発生が検知された時点で位置した地点A11から避難場所A12まで自動移動によって誘導される場合を表している。
具体的には、移動体制御装置200は、無線基地局BSを介して倒立振子型車両100と無線通信し、倒立振子型車両100から倒立振子型車両100の位置情報を取得する。移動体制御装置200は、取得した位置情報により倒立振子型車両100の現在位置を認識し、認識した現在位置に基づいて倒立振子型車両100に自動移動を行わせるための制御情報(以下「自動移動制御情報」という。)を生成して倒立振子型車両100に送信する。倒立振子型車両100は、移動体制御装置200から供給される自動移動制御情報に基づいて自車両の自動移動を制御することにより避難場所A12に到達することができる。
事象通知装置300は、災害発生を検知するとともに、その旨を移動体制御装置200に通知する。以下、この通知を災害通知という。事象通知装置300は、直接的に災害を検知する機能を有してもよいし、他のシステムからの情報配信によって災害発生を検知するものであってもよい。災害はパーク内で発生するものであってもよいし、パーク外で発生するものであってもよい。
図8は、本実施形態における倒立振子型車両100の機能構成の一例を示す図である。倒立振子型車両100は、例えば、駆動装置102と、操作パネル103と、位置情報取得部106と、無線通信部110と、IMU120と、インジケータ140と、バッテリ150と、記憶部160と、制御部170とを備える。倒立振子型車両100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部160などの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで倒立振子型車両100の記憶部160などにインストールされてもよい。
駆動装置102および操作パネル103は上述のとおりである。駆動装置102は制御部170の制御によって全方向移動車輪101を駆動させる。操作パネル103は、倒立振子型車両100に対する入力操作を受け付けて制御部170に出力するとともに、制御部170が出力する映像や音声等の情報を出力する。位置情報取得部106は、例えばGPS(Global Positioning System)発信器を含み、自車両の位置情報を取得して移動体制御装置200に提供する。
無線通信部110は、倒立振子型車両100をネットワークNWに接続する通信インタフェースである。無線通信部110は、ネットワークNWを介して移動体制御装置200と通信する。無線通信部110は、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等に基づく無線LAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、セルラー網や専用線等に接続するWAN(Wide Area Network)インタフェースであってもよい。
IMU(Inertial Measurement Unit)120は、3次元の慣性運動を検出するセンサである。IMU120は、並進運動を検出する加速度センサや回転運動を検出するジャイロセンサなどを含む。
カメラ130は、倒立振子型車両100の周辺を撮像する。本実施形態において、カメラ130は、少なくとも自動移動時において倒立振子型車両100が移動する経路方向前方(基本的には基体前面方向)を撮像するように設置される。カメラ130が撮像した画像データは、制御部170を介して移動体制御装置200に送信される。
インジケータ140は、標識や、計器、表示器、指針、指標などの機器であり、倒立振子型車両100や利用者Uの状態に関する装飾を標示する装置である。インジケータ140は「報知部」の一例である。
バッテリ150は、倒立振子型車両100の各部に動力を供給する電源として機能する。バッテリ150には、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などの充電可能な蓄電池が使用される。バッテリ150は、倒立振子型車両100に固定されたものであってもよいし、倒立振子型車両100に着脱可能なものであってもよい。
記憶部160は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部160は、倒立振子型車両100の制御に関連する各種設定情報D11を記憶する。
制御部170は、倒立振子型車両100の動作を制御する。制御部170は、例えば、第1制御部171と、第2制御部172とを備える。第1制御部171は、IMU120の検知結果に基づくバランス制御のもとで利用者Uの体重移動による運転操作を認識し、検知した体重移動の方向に、体重移動の大きさに応じた速度で移動するように全方向移動車輪101の動作を制御する。これにより、利用者Uが、図5や図6などで説明したような運転操作によって倒立振子型車両100を操縦することが可能となる。
第2制御部172は、移動体制御装置200から受信された自動移動制御情報に基づいて第1制御部171と連携して動作することにより、自車両が避難場所A12に到達することができるように自車両の自動移動を制御するものである。例えば、第2制御部172は、自車両に避難場所A12への自動移動を行わせるための移動方向や移動速度、移動目標、自車両の向きなどを示す情報を自動移動制御情報として移動体制御装置200から受信する。第2制御部172は、自動移動制御情報によって通知された態様で自車両を走行させるために必要な操作量を自車両の各機能部について決定し、決定した操作量で各機能部を動作させることにより、自車両に自動移動を実行させることができる。
なお、第1制御部171は、第2制御部172の制御により倒立振子型車両100が自動移動を行っている場合、基本的には、利用者Uの体重移動による運転操作を無効化する。ただし、避難場所への自動移動が実現される限りにおいて、体重移動による運転操作の一部または全部は有効化されてもよい。
図9は、本実施形態における移動体制御装置200の機能構成の一例を示す図である。移動体制御装置200は、例えば、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。移動体制御装置200は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部160などの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで移動体制御装置200の記憶部220などにインストールされてもよい。
通信部210は、移動体制御装置200をネットワークNWに接続する通信インタフェースである。通信部210は、ネットワークNWを介して倒立振子型車両100および事象通知装置300と通信する。
記憶部220は、HDDやSSD、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部220は、移動体制御装置200の動作に関連する各種情報を記憶する。例えば、記憶部220には、各倒立振子型車両100について、発生した災害や避難場所に関する災害情報D21や、パーク内の地図情報D22、自動移動の制御に関する設定情報である制御設定情報D23などが記憶される。
制御部230は、倒立振子型車両100に対して目的地への自動移動を行わせるための処理を行う。制御部230は、例えば、災害検知部231と、車両制御部232とを備える。ここで車両制御部232は「移動体制御部」の一例である。
災害検知部231は、事象通知装置300からの災害通知により災害の発生を検知する。災害検知部231は、災害通知を受けると、通知された内容を車両制御部232に通知する。災害通知は、災害の発生のみを通知するものであってもよいし、災害の発生場所や発生時刻、発生した事象などの情報を通知するものであってもよい。また、災害通知には、避難指示や避難場所に関する情報が含まれてもよい。なお、災害通知は、時系列に異なる内容を通知する場合があるものとする。例えば、最初の災害通知が災害の発生を通知し、次の災害通知が避難指示を通知する場合がある。この場合、災害検知部231は、通知された内容を時系列に車両制御部232に通知するものとする。災害検知部231は「事象検知部」の一例である。
車両制御部232は、災害検知部231が災害の発生を検知したことに応じて、倒立振子型車両100を避難場所まで自動移動させるための制御を行う。具体的には、車両制御部232は、倒立振子型車両100から位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいてパーク内における倒立振子型車両100の各種位置関係を把握して避難経路を決定する。なお、車両制御部232は、災害検知部231からの通知の内容によって避難場所を認識してもよいし、発生した災害やその発生場所などに応じて避難場所を決定してもよい。
例えば、車両制御部232は、パーク内における倒立振子型車両100の位置を認識するとともに、パーク内の地図情報や、パーク内における人や障害物等の検出情報などをもとに各倒立振子型車両100の周辺環境を認識する。このような認識結果に基づき、車両制御部232は、各倒立振子型車両100間の位置関係や、各倒立振子型車両100と周辺環境との位置関係を把握するように構成される。車両制御部232は、このようにして把握した位置関係に基づいて倒立振子型車両100の自動移動の経路(すなわち避難経路)を決定する。
例えば、車両制御部232は、倒立振子型車両100について把握した各種位置関係に基づいてパーク内の混雑度を推定し、現在位置から避難場所A12までの経路上の混雑度が閾値よりも低い経路の中から避難経路を選択する。例えば図7の例では、地点A11から避難場所A12までの避難経路の候補として第1ルート、第2ルート、第3ルートが存在する状況において、第1ルートおよび第2ルート上の領域R11およびR12についてそれぞれ閾値より低い混雑度d1およびd2(>d1)が推定され、第3ルート上の領域R13について閾値より高い混雑度が推定された場合を表している。この場合、車両制御部232は、混雑度が閾値より低い第1ルートおよび第2ルートから避難経路を選択する。例えば、車両制御部232は、混雑度が最も低い第1ルートを避難経路として決定し、倒立振子型車両100が第1ルートを通って避難場所A12に自動移動を行うように、その移動態様を制御する。なお、第1ルートが混雑度以外の要因で避難経路として適さない場合、車両制御部232は、第2ルートを避難経路として決定してもよい。また、第1ルートおよび第2ルートの両方が混雑度以外の要因で避難経路として適さない場合、車両制御部232は、第3ルートを避難経路として決定してもよい。このように、車両制御部232は、移動経路上の混雑度に基づいて避難経路を決定するものである。
また、例えば、車両制御部232は、災害が発生していない平常時においては通行不可とされる場所も含めて避難場所A12までの移動経路を決定するように構成されてもよい。この場合、平常時においては通行不可であって災害発生時に通行可能となる経路(以下「非常時経路」という。)の情報を予め地図情報D22に登録しておくことにより、車両制御部232は、このような非常時経路も含めて避難経路を決定することができる。
また、例えば、車両制御部232は、災害検知部231が災害発生の検知後に避難指示を検知し、且つ倒立振子型車両100に乗員が搭乗している場合、倒立振子型車両100を避難場所に自動的に移動させるように構成されてもよい。この場合、車両制御部232は災害情報D21に基づいて避難場所を決定してもよいし、避難指示が避難場所を指定するものであれば、指定された場所を避難場所として決定してもよい。
また、例えば、車両制御部232は、自動移動により倒立振子型車両100を避難場所A12に誘導しているとき、倒立振子型車両100に対して、自車両が避難場所A12に向けた自動移動中であることを周辺に報知する動作(周辺報知)を行わせてもよい。例えば、車両制御部232は、避難場所A12への誘導中であることをインジケータ140の表示によって報知するように倒立振子型車両100を制御してもよい。なお、周辺報知は、情報を表示する態様の他、音声出力により報知する態様や、通信による情報送信によって報知する態様で実現されてもよい。
以下、移動体制御装置200が避難場所A12に向けて自動移動を行っている倒立振子型車両100の移動態様を制御する方法についていくつかの具体例を説明する。
(第1の制御方法)
図10は、本実施形態における倒立振子型車両100の制御について第1の制御方法を説明する図である。具体的には、第1の制御方法は、災害が検知された場合に、倒立振子型車両100の走行を一旦停止させるとともに、利用者Uの運転操作(操作パネル103の操作または体重移動による運転操作を含む)によらず、倒立振子型車両100の状態を着地状態に遷移させる制御である。具体的には、図10は、地点L11において利用者Uの運転操作(体重移動)により進行方向に向けて走行しているときに災害発生が検知された状況を表している。
この場合、車両制御部232は、離地状態で走行する倒立振子型車両100を一旦停止させるために地点L11において減速を開始し、地点L12で一旦停止させる。そして、車両制御部232は、倒立振子型車両100が一旦停止した後、倒立振子型車両100を離地状態から着地状態に遷移させる。車両制御部232は、倒立振子型車両100が着地状態への遷移を完了すると、倒立振子型車両100に避難場所A12に向けた自動移動を開始させる。図10は、自動移動開始後の地点L13において、倒立振子型車両100が避難場所A12に向けて自動移動を行っている状況を表している。
このような第1の制御方法によれば、移動体制御システム1は、利用者Uが倒立振子型車両100を利用中に災害が発生した場合に、着地状態の倒立振子型車両100によって安全に利用者Uを避難場所A12に誘導することができる。
(第2の制御方法)
図11および図12は、本実施形態における倒立振子型車両100の制御について第2の制御方法を説明する図である。具体的には、第2の制御方法は、災害発生が検知された場合に倒立振子型車両100を一旦停止させる際の減速度を利用者Uの傾動量(体重移動の大きさ)に応じて制御するものである。具体的には、図11は、利用者Uの傾動量が大きい場合における減速の例を表し、図12は、利用者Uの傾動量が小さい場合における減速の例を表している。いずれの場合も、地点L22の走行時に災害発生が検知され、減速が開始された状況を表している。
図11の場合、車両制御部232は、利用者Uの傾動量が大きいので、一旦停止が緩やかに行われるように倒立振子型車両100を制御する。一方、図12の場合、車両制御部232は、利用者Uの傾動量が図11の場合よりも小さいので、一旦停止が図11の場合よりも速やかに行われるように倒立振子型車両100を制御する。この結果、同じタイミングで減速を開始した場合でも、利用者Uの傾動量がより大きい図12の場合のほうが図11の場合よりも制動距離が長くなる。すなわち、第2の制御方法において、車両制御部232は、災害発生が検知された場合において倒立振子型車両100を一旦停止させる際の減速度を利用者Uの傾動状態に応じて決定するものである。
このような第2の制御方法によれば、移動体制御システム1は、利用者Uの傾動量が大きいほど(例えば、利用者Uが意識不明で自車両前方に覆いかぶさっている場合や、減速開始前の運転操作によって身を前に乗り出している場合など)、倒立振子型車両100をより緩やかに減速させるため、利用者Uが前方に投げ出されたりすることがないように、安全に倒立振子型車両100を一旦停止させることができる。
(第3の制御方法)
図13は、本実施形態における倒立振子型車両100の制御について第3の制御方法を説明する図である。第3の制御方法は、倒立振子型車両100が一旦停止した後、倒立振子型車両100を離地状態から着地状態に遷移させる際の速度(以下「着地速度」という。)を利用者Uの傾動量に応じて制御するものである。具体的には、車両制御部232は、利用者Uの傾動量が大きくなるほど小さくなるように着地速度Vを決定する。
図13は、利用者Uの傾動量が大きい場合の着地速度V=Vaが、利用者Uの傾動量が小さい場合の着地速度V=Vbよりも小さくなるように着地速度が制御される状況を表している。すなわち、この場合、着地速度V=Va(<Vb)で離地状態から着地状態に遷移するまでの時間は、着地速度V=Vb(>Va)で離地状態から着地状態に遷移するまでの時間よりも長くなるので、倒立振子型車両100は、利用者Uの傾動量が大きいほどより緩やかに離地状態から着地状態に遷移することになる。
このような第3の制御方法によれば、移動体制御システム1は、利用者Uの傾動量が大きいほど(例えば、利用者Uが意識不明で自車両前方に覆いかぶさっている場合や、減速開始前の運転操作によって身を前に乗り出している場合など)、倒立振子型車両100をより緩やかに離地状態から着地状態に遷移させるため、利用者Uがバランスを崩して倒立振子型車両100を転倒させたり、落車したりすることがないように、安全に倒立振子型車両100を着地状態に遷移させることができる。
(第4の制御方法)
図14は、本実施形態における倒立振子型車両100の制御について第4の制御方法を説明する図である。第4の制御方法は、利用者Uが倒立振子型車両100から降りた場合に、自動運転によって倒立振子型車両100を通行の妨げとならない場所に移動させるものである。具体的には、車両制御部232は、パーク内の地図情報や他の倒立振子型車両100の位置情報などに基づいて対象の倒立振子型車両100の周辺環境を認識して通行の妨げとならない場所を目的地に定め、倒立振子型車両100を自動運転により当該目的地に移動させる。
図14は、倒立振子型車両100Tが自動移動により目的地である避難場所A12の付近の地点L31に到着して停車した後、利用者Uが降車して徒歩で避難場所A12に入ろうとしている状況を表している。この場合、車両制御部232は、通路RDの位置や形状、他の倒立振子型車両100Bの位置などを認識した結果、地点L32を倒立振子型車両100Tの停車場所として決定する。車両制御部232は、停車場所として決定した地点L32に自動移動するように倒立振子型車両100Tの自動運転を制御する。
このような第4の制御方法によれば、移動体制御システム1は、利用者Uが降りた後の倒立振子型車両100を通行の妨げとならない場所に自動移動させることができるので、倒立振子型車両100の自動移動による避難行動が、他の倒立振子型車両100や他の人の避難行動を妨げないようにすることができる。
なお、ここでは、利用者Uが通路上で倒立振子型車両100を降りた場合に、倒立振子型車両100を通路の端に移動させる場合について説明したが、倒立振子型車両100の停車場所は、通行の妨げとならない場所であれば通路の端以外のどのような場所であってもよい。
(第5の制御方法)
図15は、本実施形態における倒立振子型車両100の制御について第5の制御方法を説明する図である。第5の制御方法は、倒立振子型車両100が走行中の経路上に障害物が検知された場合、障害物が検知された箇所の通行時において、倒立振子型車両100を第2の倒立状態に遷移させるものである。具体的には、倒立振子型車両100の第2制御部172は、走行中の自車両前方をカメラ130によって撮像し、撮像した画像データを移動体制御装置200に送信する。この場合、車両制御部232は、受信された画像データに基づく物体認識処理により、倒立振子型車両100が走行中の経路上に存在する障害物の検出を試みる。倒立振子型車両100が走行中の経路上に障害物を検出した場合、車両制御部232は、当該障害物が検知された箇所を倒立状態が安定した着地状態で通過させるべく、倒立振子型車両100を着地状態に遷移させる。
図15は、車両制御部232が、離地状態の倒立振子型車両100が地点L41を走行しているときに前方に障害物を検知して着地状態への遷移を開始させた状況を表している。この場合、車両制御部232は、倒立振子型車両100が前方の障害物に到達するまでに着地状態への移行が完了するように、倒立振子型車両100を離地状態から着地状態に遷移させる。例えば、車両制御部232は、状態遷移のために倒立振子型車両100を一時停止させてもよいし、倒立振子型車両100が前方の障害物に到達するまでに着地状態への移行が完了するように着地速度を調整してもよい。
このような第5の制御方法によれば、移動体制御システム1は、避難経路上に障害物が存在するときには着地状態で倒立振子型車両100を走行させることができるので、より安全に利用者Uを避難場所A12まで誘導することができる。
なお、図15では、着地状態に遷移した倒立振子型車両100が障害物を乗り越えていく状況を示したが、これは一例であり、車両制御部232は、可能であれば、検知した障害物を回避して走行するように倒立振子型車両100を制御してもよい。
このように構成された実施形態の移動体制御システム1は、災害発生時において、倒立振子型車両100に乗車した利用者が事故防止または避難行動を適切に実行することを支援することができる。
<変形例>
上記実施形態では、災害等の所定事象が検知された場合、移動体制御装置200が乗員の運転操作によらず倒立振子型車両100を停止させて着地状態に遷移させる場合について説明した。この場合、他の制御態様として、移動体制御装置200は、所定事象が検知された場合に、倒立振子型車用100を着地状態までは遷移させず、離地状態を維持させるように構成されてもよい。この場合、乗員が静止していないとバランス制御によって車体がふらつくので、このようなふらつきを抑制するために、移動体制御装置200は、バランス制御において所定量以下の乗員の体重移動を無視する、またはバランス制御のゲインを所定事象検知前よりも小さくするように構成されてもよい。すなわち、この場合においては、所定事象が検知されていないときの離地状態が「第1の状態」の一例であり、所定事象が検知されたときの離地状態が「第2の状態」の一例である。
上記実施形態では、離地状態と着地状態とのいずれかの状態で走行する倒立振子型車両100の自動移動の態様を制御する移動体制御システム1について説明したが、移動体制御システム1の制御対象は必ずしも倒立振子型車両100に限定されない。移動体制御システム1の制御対象は、第1の状態と、第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態で走行する移動体であればどのような移動体であってもよい。すなわち、本実施形態の移動体制御システム1は、倒立状態で移動する移動体にも適用可能であるし、倒立状態以外の状態で移動する移動体にも適用可能である。
上記実施形態では、倒立振子型車両100と、それを制御する移動体制御装置200とが別体に構成される移動体制御システム1について説明したが、移動体制御システム1において、倒立振子型車両100と移動体制御装置200とは一体に構成されてもよい。この場合、倒立振子型車両100は、事象通知装置300からの災害通知を受けて、移動体制御装置200の機能を実行するように構成されるとよい。また、この場合、倒立振子型車両100は、他の倒立振子型車両100との無線通信により、自車両周辺の状況を認識するように構成されてもよい。
上記実施形態では、移動体制御システム1が遊園地やテーマパーク等において倒立振子型車両100を制御することによりパーク内での避難誘導を行う場合について説明したが、移動体制御システム1によって実現される避難誘導は、必ずしも遊園地やテーマパーク等におけるものに限定されない。移動体制御システム1は、例えば、病院内や工場内等の避難誘導にも適用可能である。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記プログラムを実行することにより、
バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御処理を実行し、
所定事象の発生を検知し、
前記移動体制御処理において、前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させる、
ように構成されている、移動体制御装置。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1…移動体制御システム、100…倒立振子型車両、101…全方向移動車輪、101A…大径車輪、101B…小径車輪、102…駆動装置、103…操作パネル、104…搭乗部、105…倒立補助部、105A…補助輪、105B…ガイド部、105C…駆動部、106…位置情報取得部、107…基体、110…無線通信部、120…IMU(Inertial Measurement Unit)、130…カメラ、140…インジケータ、150…バッテリ、160…記憶部、170…制御部、171…第1制御部、172…第2制御部、200…移動体制御装置、210…通信部、220…記憶部、230…制御部、231…災害検知部、232…車両制御部、300…事象通知装置

Claims (14)

  1. バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御部と、
    所定事象の発生を検知する事象検知部と、
    を備え、
    前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させる、
    移動体制御装置。
  2. 前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生を検知した場合において前記移動体を停止させる際の減速度を前記乗員の傾動状態に応じて決定する、
    請求項1に記載の移動体制御装置。
  3. 前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生を検知した場合において前記移動体の状態を前記第2の状態に遷移させる際の状態遷移の速度を前記乗員の傾動状態に応じて決定する、
    請求項1または2に記載の移動体制御装置。
  4. 前記移動体制御部は、前記移動体の周辺環境を認識する機能を有し、前記乗員が前記移動体から降りた場合、自動運転により前記移動体を通路の端または通路以外の場所に移動させる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
  5. 前記事象検知部は、前記所定事象に関する避難指示を検知する機能をさらに有し、
    前記移動体制御部は、前記事象検知部が前記所定事象の発生の検知後に前記避難指示を検知し、且つ前記移動体に乗員が搭乗している場合、前記移動体を前記避難指示に係る避難場所に自動的に移動させる、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
  6. 前記移動体制御部は、前記避難場所を含む周辺の地図情報と前記移動体の位置情報とに基づいて前記避難場所までの移動経路を決定する、
    請求項5に記載の移動体制御装置。
  7. 前記移動体制御部は、前記移動体以外の他の移動体の位置情報に基づいて周辺環境の混雑度を推定し、現在位置から前記避難場所までの経路上の前記混雑度に基づいて前記移動経路を決定する、
    請求項6に記載の移動体制御装置。
  8. 前記移動体制御部は、前記所定事象が発生していない平常時においては通行不可とされる経路も含めて前記避難場所までの移動経路を決定する、
    請求項5から7のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
  9. 前記移動体制御部は、走行路上の障害物を検知する機能を有し、走行中の経路上に障害物を検知した場合、前記障害物が検知された箇所の通行時において、前記移動体の状態を前記第2の状態に遷移させる、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
  10. 前記移動体は、情報を周囲に報知する報知部をさらに備え、
    前記移動体制御部は、前記移動体が自動移動中であることを、前記報知部により前記移動体の周辺に報知させる、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
  11. 前記移動体は、着地状態と離地状態とを制御可能な支持部であって、前記着地状態において前記移動体の倒立状態を維持する前記支持部をさらに備え、
    前記移動体制御部は、前記支持部が離地した状態を前記第1の状態とし、前記支持部が着地した状態を前記第2の状態とする、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
  12. 前記移動体制御部は、前記第2の状態では、前記バランス制御機構に対して所定量以下の前記乗員の運転操作を無視させる、または、前記バランス制御機構によるバランス制御のゲインを前記第1の状態におけるゲインよりも小さくする、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の移動体制御装置。
  13. コンピュータが、
    バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御処理を実行し、
    所定事象の発生を検知し、
    前記移動体制御処理において、前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させる、
    移動体制御方法。
  14. コンピュータに、
    バランス制御機構により第1の状態と、前記第1の状態よりも安定した第2の状態とのいずれかの状態に維持される移動体を制御する移動体制御処理を実行させ、
    所定事象の発生を検知させ、
    前記移動体制御処理において、前記所定事象の発生を検知した場合、前記移動体の走行を停止させるとともに、前記移動体の乗員による前記移動体の運転操作によらず、前記移動体を前記第2の状態に遷移させる、
    プログラム。
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