JP2023080418A - 粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】再剥離性が良好で、バイオマス度が高い粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シートを提供する。【解決手段】(A)(メタ)アクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物であって、前記粘着剤組成物に含まれる(B)粘着付与樹脂が前記(A)(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、0~10質量部であり、前記粘着剤組成物から形成される粘着剤層のバイオマス度が10%以上である粘着剤組成物。(A)は下記(a1)、(a2)および(a3)の単量体を含む単量体混合物の共重合体であり、単量体混合物中の(a1)の含有量が1.0~98.9%、(a2)の含有量が1.0~10.0質量%、(a3)の含有量が0.1~2.0質量%である共重合体(a1)バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)カルボキシ基を有する共重合可能な単量体(a3)2級水酸基を有する共重合可能な単量体【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物及び該粘着剤組成物を塗工して得られる粘着剤層を具備する粘着シートに関する。
粘着剤をフィルム等に塗工して得られる粘着シートはラベル、シール、テープなど広く用いられている。このような粘着シートに用いられる粘着剤組成物としてアクリル系粘着剤が多く用いられている。(例えば、特許文献1)。
特開2010-174087号公報
これら粘着剤および粘着シートの多くが石油由来の原料より製造されている。石油由来原料からなる製品の燃焼により発生する二酸化炭素は地球温暖化の原因と考えられており、問題となっている。この問題解決のため石油由来原料の製品がバイオマス原料からなる製品に置き換えられつつある。従来、高バイオマス度の粘着剤としては天然ゴム系の粘着剤やアクリル系粘着剤にロジンやテルペン等の粘着付与剤を多量に配合した粘着剤があったものの、被着体に長期間貼り付けた後、剥離すると被着体に糊残りが発生する、すなわち再剥離性に劣るという問題があった。本発明は、このような課題を鑑みて、良好な再剥離性を発現しつつ、バイオマス度を10%以上とすることがすることが可能な粘着剤層を形成しうる粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シートを提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] (A)(メタ)アクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物であって、前記粘着剤組成物に含まれる(B)粘着付与樹脂が前記(A)(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、0~10質量部であり、前記粘着剤組成物から形成される粘着剤層のバイオマス度が10%以上である粘着剤組成物。
(A)は下記(a1)、(a2)および(a3)の単量体を含む単量体混合物の共重合体であり、単量体混合物中の(a1)の含有量が1.0~98.9%、(a2)の含有量が1.0~10.0質量%、(a3)の含有量が0.1~2.0質量%である共重合体
(a1)バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体
(a2)カルボキシ基を有する共重合可能な単量体
(a3)2級水酸基を有する共重合可能な単量体
[2]前記(a1)が、バイオマス原料より得られた、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸ラウリルから選ばれる1種以上である、[1]に記載の粘着剤組成物。
[3]前記(a1)が、バイオマス原料より得られた(メタ)アクリル酸n-オクチルである[1]に記載の粘着剤組成物。
[4]さらに(C)イソシアネート系架橋剤を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5]前記(C)イソシアネート系架橋剤がトリレンジイソシアネート系架橋剤である、[4]に記載の粘着剤組成物。
[6]前記(B)粘着付与樹脂のバイオマス度が50%以上かつ軟化点が100℃から170℃である、[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層を基材の少なくとも一方に有する粘着シート。
本発明によれば、基材への密着性に優れ、再剥離性が良好であるうえ、バイオマス度が10%以上である粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物および該粘着剤組成物より形成される粘着剤層を具備する粘着シートを提供できる。
以下、本発明について、例を挙げて説明する。ただし、本発明は以下の説明により限定されない。
本発明の粘着剤組成物は、バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体 、カルボキシ基を有する共重合可能な単量体、2級水酸基を有する共重合可能な単量体を少なくとも含む単量体混合物から重合される(メタ)アクリル系共重合体を少なくとも含み、前記粘着剤組成物より形成される粘着剤層のバイオマス度が10%以上となる粘着剤組成物である。
本発明において、バイオマス度は製品の乾燥重量に占めるバイオマス原料の乾燥重量の割合であり、以下の式で計算される。
Figure 2023080418000001


バイオマス原料とは動植物由来の再生可能な有機性資源より得られる原料を指す。
原料のバイオマス度も、上記製品の計算方法と同様に、各原料において算出できる。
本発明「(メタ)アクリル」は、「アクリルおよびメタクリルの少なくとも一方」を意味する。例えば、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。また、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」は、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一方を意味する。また、「(メタ)アクリル系共重合体」は、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの少なくとも一方を含む単量体の重合物を意味する。
また、本発明の粘着シートは、前述のとおり、基材の少なくとも一方の面に粘着層が形成された粘着シートであって、前記粘着剤層が本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層であることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
<(A)(メタ)アクリル系共重合体>
前述の通り、本発明の粘着剤組成物が含有する(A)(メタ)アクリル系共重合体は下記(a1)、(a2)および(a3)の単量体を含む単量体混合物の共重合体であり、単量体混合物中の(a1)の含有量が1~98.9%、(a2)の含有量が1.0~10.0質量%、(a3)の含有量が0.1~2.0質量%である共重合体であることを特徴とする。
(a1)バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体
(a2)カルボキシ基を有する共重合可能な単量体
(a3)2級水酸基を有する共重合可能な単量体
<(a1)バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体>
本発明に使用する(a1)バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体はバイオマス原料由来のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルである。特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどが挙げられる。これらの中でも適度な粘着性を得られることから(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸ラウリルが好ましく、(メタ)アクリル酸n-オクチルが特に好ましい。これらは1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。
本発明の(メタ)アクリル系共重合体中を構成する単量体中の(a1)の含有量は1~98.9%である。10質量%以上であると、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層のバイオマス度を10%以上にしやすく好ましい。また、コストの観点から50質量%以下が好ましい。
<(a2)カルボキシ基を有する共重合可能な単量体>
本発明に使用する(a2)カルボキシ基を有する共重合可能な単量体は特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。これらは1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。
本発明の(メタ)アクリル系共重合体中を構成する単量体中の(a2)の含有量は1.0~10.0質量%である。(a2)の含有量がこの範囲であると、適度な接着力と良好な再剥離性が得られる。
<(a3)2級水酸基を有する共重合可能な単量体>
本発明に使用する(a3)2級水酸基を有する共重合可能な単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸2ーヒ
ドロキシヘキシル等が挙げられる。これらは1種類のみ用いても良いし、複数種類併用しても良い。
本発明の(メタ)アクリル系共重合体中を構成する単量体中の(a3)の含有量は0.1~2.0質量%である。(a3)の含有量がこの範囲であると、適度な基材への密着性と再剥離性が得られる。
(A)(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体は、前述の(a1)から(a3)以外の共重合可能な単量体を含んでいてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルなどの非芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステルなどの芳香族性環含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマーが挙げられる。
(A)(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、30万~90万である。重量平均分子量は後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、標準ポリスチレン換算の値として測定できる。
(A)(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば、-70℃~-30℃である。(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度がこの範囲にあると、適度な初期接着力が得られやすい。ガラス転移温度の測定方法は、特に限定されず、例えば、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができるが、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度が既知であれば、下記のFox式より算出することができる。モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、例えば、Polymer Handbook Fourth edition(Wiley-Interscience 2003)に記載の値を用いることができる。
Figure 2023080418000002


Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tg1:モノマー1のホモポリマーのガラス転移温度(K)
Tg2:モノマー2のホモポリマーのガラス転移温度(K)
Tgn:モノマーnのホモポリマーのガラス転移温度(K)
W1:モノマー混合物中のモノマー1の重量分率
W2:モノマー混合物中のモノマー2の重量分率
Wn:モノマー混合物中のモノマーnの重量分率
<(A)(メタ)アクリル系共重合体の製造方法>
(A)(メタ)アクリル系共重合体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、前述の単量体混合物を重合させて製造できる。前記重合方法も特に限定されず、例えば、公知の重合方法と同様またはそれに準じてもよい。前記重合方法としては、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法等があげられる。重合に際して用いられる重合開始剤等は、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択して使用することができる。より具体的には、前記重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系重合開始剤などがあげられる。なお、溶液重合の場合は、油溶性の重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤は、1種類のみ用いても2種類以上併用してもよい。重合開始剤の使用量は、特に限定されず、例えば、一般的な使用量またはそれに準じてもよい。
(A)(メタ)アクリル系共重合体の製造を溶液重合法で行う場合、用いる溶剤には各種の一般的な溶剤を用いることができる。このような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤があげられ、1種類のみ用いても2種類以上併用してもよい。前記溶液重合法において、共重合成分の濃度、反応時間、反応温度等も特に限定されず、例えば、一般的な溶液重合法を参考にして適宜設定できる。また、前記共重合成分の濃度、反応時間、反応温度等を適宜調整することで、成分(A)の重量平均分子量を調節できる。例えば、前記共重合成分の濃度を低く、または反応時間を短く、または反応温度を高くすると、(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が小さくなりやすい。また、例えば、前記共重合成分の濃度を高く、または反応時間を長く、または反応温度を低くすると、(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が大きくなりやすい。
<(B)粘着付与樹脂>
前述の通り、本発明の粘着剤組成物における(B)粘着付与樹脂の含有量は(A)(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、0~10質量部である。すなわち、10質量部以下で含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。前記(B)の含有量を10質量部以下とすることで、良好な再剥離性が得られる。
(B)粘着付与樹脂は特に限定されないが、粘着剤層のバイオマス度を高める観点から、バイオマス原料由来の粘着付与樹脂が好ましく、バイオマス度が50%以上の粘着付与樹脂がより好ましい。バイオマス原料由来の粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤が挙げられる。
また、(B)粘着付与樹脂の軟化点は100~170℃が好ましい。軟化点が100℃以上であれば、良好な再剥離性が発現でき、170℃以下であれば、良好な接着性が発現できる。
<(C)イソシアネート系架橋剤>
本発明の粘着剤組成物は(C)イソシアネート系架橋剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。(C)イソシアネート系架橋剤は(A)(メタ)アクリル系共重合体が有する水酸基およびカルボキシ基と反応する。(C)イソシアネート系架橋剤は特に限定されないが、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート等公知のポリイソシアネートが挙げられる。また、前記ポリイソシアネートは、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。また、一部の上記ポリイソシアネートの環化三量体化させたイソシアヌレート体、ビウレット体、アロファネート体、トリメチロールプロパン等と反応させたアダクト体も併用することができる。
(C)イソシアネート系架橋剤としては、反応速度や接着力、再剥離性の観点からトリレンジイソシアネート系架橋剤が好ましい。
本発明の粘着剤組成物における(C)イソシアネート系架橋剤の含有量は、特に限定されないが、(A)(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、(C)イソシアネート系架橋剤が0.1から10質量部が好ましい。(C)イソシアネート系架橋剤の含有量を0.1質量部以上とすることで、良好な再剥離性が得られ、10質量部以下とすることで、適度な接着力が得られる。
<他の任意成分>
本発明の粘着剤組成物は前記(A)、(B)、(C)以外の任意成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。前記他の任意成分としては、例えば、溶媒、酸化防止剤、可塑剤、架橋促進剤、架橋防止剤、充填剤、着色剤、消泡剤、光安定剤、レベリング剤などが挙げられる。これらの任意成分は1種類のみ用いても複数種用いても良い。
<粘着シート、粘着シートの製造方法および用途等>
つぎに、本発明の粘着シート、粘着シートの製造方法および用途等について、例を挙げて説明する。本発明の粘着シートは、前述のとおり、基材の少なくとも一方の面に粘着層が形成された粘着シートであって、前記粘着層が、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着層であることを特徴とする。その製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下の第1の製造方法又は第2の製造方法により製造できる。第1の製造方法は、本発明の粘着剤組成物を剥離シート上に塗工し、加熱して粘着層を形成した後に基材と貼り合わせる。第2の製造方法は、本発明の粘着剤組成物を基材上に直接塗工し、加熱して粘着層を形成する。ただし、本発明の粘着シートを製造する方法は、これら2つの製造方法のみには限定されず任意であり、どのような方法で製造してもよい。前記基材も特に限定されず、例えば、プラスチック、紙類、金属箔が挙げられる。前記プラスチックとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)などが挙げられる。前記紙類としては例えば、上質紙、含浸紙が挙げられる。前記金属箔としては、アルミニウム箔や銅箔が挙げられる。その他、前記プラスチックに金属蒸着を施したものや、不織布、合成紙であってもよい。
前記基材は、粘着シート全体のバイオマス度を高めるために、バイオマス原料由来の基材であってもよい。バイオマス原料由来の基材としては、例えば、植物由来のPET、PE、PP、PLA(ポリ乳酸)などが挙げられる。
また、前記基材は、例えば、必要に応じて、前記基材の粘着剤層形成面に、易接着処理を施した基材であってもよい。前記易接着処理は、特に限定されないが、具体的には、例えば、コロナ放電を処理する方法、アンカーコート剤を塗布する方法等が挙げられる。
また、前記剥離シートも特に限定されず、例えば、一般的に用いられている剥離フィルムや剥離紙と同様またはそれに準じてもよい。
本発明の粘着剤組成物が、(C)イソシアネート系架橋剤を含まない場合は、例えば、(C)イソシアネート系架橋剤を混合した後に基材または剥離シート等に塗工することが好ましい。さらに、本発明の粘着剤組成物と(C)イソシアネート系架橋剤とを混合しやすくする目的、または前記基材もしくは前記剥離シートに塗工しやすくする目的等で、塗工に先立ち、さらに溶媒を混合してもよい。前記溶媒の種類等は、特に限定されないが、例えば、前記<(A)(メタ)アクリル系共重合体の製造方法>で例示した溶媒と同様であり、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。
塗工方法は、特に限定されず、公知の方法でもよい。前記塗工方法としては、例えば、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法等が挙げられる。
また、基材または剥離シート等に対する前記粘着剤組成物の塗工量(塗布量)は、特に限定されないが、製造される粘着シートにおける粘着層の厚みが、例えば、5~50μmとなるようにする。
本発明の粘着シートの用途は、特に限定されないが、適度な接着力と良好な再剥離性を備えるため、ラベル用途、シール用途、包装材用途などで好適に用いられる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
攪拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却器を備えた反応器に、重合溶媒(溶剤)として酢酸エチルを投入し、窒素雰囲気下で撹拌しながら還流状態となる78℃まで昇温した。次に単量体として、バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体であるアクリル酸n-オクチル:23質量部、カルボキシ基を有する単量体であるアクリル酸:3.6質量部、2級水酸基を有する単量体であるアクリル酸2-ヒドロキシプロピル:0.4質量部、その他の単量体であるアクリル酸n-ブチル:52質量部、アクリル酸2-エチルヘキシル:21質量部、重合開始剤として2,2’-アゾイソブチロニトリル0.11質量部からなる単量体混合液を調整し、これを重合溶媒が還流状態にある反応器に2時間かけて滴下した。滴下が終了した後、還流状態を維持し、2,2’-アゾイソブチロニトリル0.16質量部を20倍量の酢酸エチルで溶解させた溶液を反応器中に投入し、合計で7時間反応させた。反応後、固形分濃度が45重量%となるまで酢酸エチルで希釈し、粘度3000mPa・sの(メタ)アクリル系共重合体の溶液を得た。
この(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して、トリレンジイソシアネート系架橋剤(東ソー(株)製コロネートL、固形分75%)5.3質量部を配合し、粘着剤組成物を調整した。次に、表面に離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(パナック(株)製、商品名「NP-50B」、厚み:50μm)の離型処理面上に、乾燥後の厚さが20~25μmとなるように塗工し、100℃で2分間乾燥させた後、表面がコロナ処理されたPETフィルム(東レ(株)製ルミラーS105、厚み:50μm)をラミネートし、40℃で2日エージングを行うことで、粘着シートを得た。
[実施例2]
バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体であるアクリル酸n-オクチル:45質量部を使用し、その他の単量体として、アクリル酸n-ブチル:51質量部を使用し、架橋剤量を6.7質量部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[実施例3]
2級水酸基を有する単量体として、アクリル酸2-ヒドロキシプロピルの代わりにメタクリル酸2-ヒドロキシプロピル:0.4質量部を使用し、バイオマス原料由来のアクリル酸n-オクチルを27質量部、その他単量体のアクリル酸2-エチルヘキシルを17質量部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[実施例4]
バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体として、アクリル酸n-オクチルの代わりにアクリル酸n-デシル:22質量部を使用し、その他単量体として、アクリル酸n-ブチル:36質量部、アクリル酸2-エチルヘキシル:38質量部を使用し、単量体混合物中の2,2’-アゾイソブチロニトリルを0.06質量部とし、架橋剤量を6.7質量部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[実施例5]
バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体として、アクリル酸n-オクチルの代わりにアクリル酸ラウリル:21質量部を使用し、2級水酸基を有する単量体として、アクリル酸2-ヒドロキシプロピルの代わりにメタクリル酸2-ヒドロキシプロピル:0.4質量部を使用し、その他単量体として、アクリル酸n-ブチル:25質量部、アクリル酸2-エチルヘキシル:50質量部を使用し、2,2’-アゾイソブチロニトリル0.044質量部を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[実施例6]
実施例3の(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、7質量部の粘着付与樹脂(荒川化学工業(株)製、タマノル803L、軟化点145~160℃)を配合した以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。
[比較例1]
バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体を使用せず、アクリル酸n-ブチル:52質量部、アクリル酸2-エチルヘキシル:44質量部を使用した以外は実施例1と同様に(メタ)アクリル系共重合体を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、24質量部の粘着付与樹脂(荒川化学工業(株)製、タマノル803L、軟化点145~160℃)を配合した以外は実施例1と同様にして、粘着シートを得た。
[評価方法]
(初期接着力)
23℃×湿度50%RHの環境下で、前記実施例及び比較例で得られた粘着シートを25mm幅にカットしたものを試験片とした。これをステンレス板(SUS304)に2kgローラー3往復の荷重で貼り合わせた。24時間養生後、前記試験片の一端をオートグラフで180°方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときの剥離力(N/25mm)を初期接着力とした。
(加熱後接着力、再剥離性)
23℃×湿度50%RHの環境下で、前記実施例及び比較例で得られた粘着シートを25mm幅にカットしたものを試験片とした。これをステンレス板(SUS304)に2kgローラー3往復の荷重で貼り合わせた。1時間養生後、70℃で168時間加熱したのち、前記試験片の一端をオートグラフで180°方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときの剥離力(N/25mm)を加熱後接着力とした。また、ステンレス板から粘着シートを剥離した後のステンレス板への粘着剤の残存状態を目視で確認した。◎と〇までを再剥離性良好な製品と判定した。

評価基準:
◎:被着体に糊残りや曇りが見られない
〇:被着体に軽微な糊残りや曇りが見られる
×:被着体に糊残りが見られる
Figure 2023080418000003


※表中記載の単量体略称は以下の通りである。
nOA:アクリル酸n-オクチル、バイオマス度70%
nDA:アクリル酸n-デシル、バイオマス度74%
LA:アクリル酸ラウリル、バイオマス度77%
AA:アクリル酸
2HPA:アクリル酸2-ヒドロキシプロピル
2HPMA:メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル
BA:アクリル酸n-ブチル
2EHA:アクリル酸2-エチルヘキシル

※※表中記載の製品の詳細情報は以下の通りである。
タマノル803L:荒川化学工業(株)製 ロジン誘導体(テルペンフェノール)、バイオマス度80%。
コロネートL:東ソー(株)製 トリレンジイソシアネート系架橋剤。固形分75%。
表1に示した通り、実施例1~6の粘着シートは粘着剤層のバイオマス度が10%以上でありながら、適度な接着力を有し、かつ良好な再剥離性を示した。一方、本発明の必須成分である(a1)バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体を含まない単量体混合物を重合して得た(メタ)アクリル系共重合体からなる粘着剤組成物を用いて作成した比較例1の粘着シートは、粘着剤層のバイオマス度が10%以上であるが、再剥離性は実施例に劣っていた。
以上、説明したとおり、本発明によれば、基材への密着性に優れ、再剥離性が良好であるうえ、バイオマス度が10%以上である粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物および該粘着剤組成物より形成される粘着剤層を具備する粘着シートを提供することができる。本発明の粘着シートは、例えば、ラベル用途、シール用途、包装材用などに用いることができる。また、本発明は、これに限定されず、様々な用途において広範に使用可能であり、例えば、一般的な粘着シートが使用される分野に広く適用可能である。

Claims (7)

  1. (A)(メタ)アクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物であって、前記粘着剤組成物に含まれる(B)粘着付与樹脂が前記(A)(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対し、0~10質量部であり、前記粘着剤組成物から形成される粘着剤層のバイオマス度が10%以上である粘着剤組成物。

    (A)は下記(a1)、(a2)および(a3)の単量体を含む単量体混合物の共重合体であり、単量体混合物中の(a1)の含有量が1.0~98.9%、(a2)の含有量が1.0~10.0質量%、(a3)の含有量が0.1~2.0質量%である共重合体
    (a1)バイオマス原料由来の(メタ)アクリル酸エステル単量体
    (a2)カルボキシ基を有する共重合可能な単量体
    (a3)2級水酸基を有する共重合可能な単量体
  2. 前記(a1)が、バイオマス原料より得られた、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸ラウリルから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記(a1)が、バイオマス原料より得られた(メタ)アクリル酸n-オクチルである請求項1に記載の粘着剤組成物。
  4. さらに(C)イソシアネート系架橋剤を含有する、請求項1~3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  5. 前記(C)イソシアネート系架橋剤がトリレンジイソシアネート系架橋剤である、請求項4に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記(B)粘着付与樹脂のバイオマス度が50%以上かつ軟化点が100℃から170℃である、請求項1~5のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層を基材の少なくとも一方に有する粘着シート。
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JP7387216B1 (ja) 2023-07-11 2023-11-28 サイデン化学株式会社 再剥離用粘着剤組成物及び粘着シート

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