JP2004196867A - 粘着剤組成物、およびそれを用いた粘着テープ - Google Patents
粘着剤組成物、およびそれを用いた粘着テープ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ハンダ浸漬工程、ハンダリフロー工程のような極高温での使用においても優れた粘着力及び凝集力を有する耐熱粘着テープ類、シート類用粘着剤組成物、およびそれを用いた耐熱粘着テープ類、シート類の提供。
【解決手段】200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106〜3.0×106dyn/cm2の範囲にあり、且つ重量平均分子量が100万以上のアクリル共重合体をベースポリマーとした粘着剤組成物およびそれを用いた粘着テープ・粘着シート類。
【選択図】なし
【解決手段】200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106〜3.0×106dyn/cm2の範囲にあり、且つ重量平均分子量が100万以上のアクリル共重合体をベースポリマーとした粘着剤組成物およびそれを用いた粘着テープ・粘着シート類。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、その用途に何ら限定はされないが、例えばプリント基板のハンダ浸漬に適用可能なマスキングテープ用途、電解コンデンサー・電池・プリント基板などの電子部品を構成する巻回絶縁体の末端固定用テープ、自動車などの焼付け塗装に適用可能なマスキングテープ用途などの粘着テープ類や粘着シート類に用いられる粘着剤組成物に関する。詳しくは、ハンダ浸漬・ハンダリフロー工程のような高温下においても発泡を抑制でき、優れた粘着力及び凝集力を有する粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着テープ類・粘着シート類に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着テープ類や粘着シート類はその使用、取り扱いの簡便さから多岐にわたる用途に用いられている。粘着テープ類や粘着シート類に用いられる粘着剤組成物としては、通常、ゴム系エラストマーやアクリル樹脂などをメインポリマーとして、これに粘着付与樹脂や架橋剤などを配合し、テープ化・シート化されている。これら粘着テープ類や粘着シート類の中には高温に代表される過酷な条件で使用されるものもあり、耐熱性を付与する為、改良が重ねられている。
例えば、ゴム系エラストマーを用いた粘着剤では、天然ゴムや合成ゴムからなるゴム系エラストマーに、熱反応性フェノール樹脂等を添加し、架橋密度をコントロールして耐熱性を付与した樹脂加硫タイプが提案されている。
また、アクリル樹脂系の粘着剤では、粘着剤中のポリマーの高分子量化が比較的容易である光重合型粘着剤を使用する、また溶剤型粘着剤においては粘着剤を構成するポリマーを高分子量化して凝集力を改良することで耐熱性を付与しようとしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴム系エラストマーを用いた粘着剤で行なわれる樹脂加硫法は、その粘着剤組成物を、テープ製造乾燥塔で乾燥及び架橋させるために、その温度を極めて高い温度(通常150〜180℃)に設定しなければならず、そのような高温は、例えば季節的要因(夏、冬)や時間的要因(朝、晩)の影響を受けやすく、所定の高温に維持することが非常に難しくなり、その結果、品質的にもバラツキの多いものになっていた。 さらに、かかる高温により、基材や粘着剤自体のゴム成分が劣化してしまうという問題があった。 また、乾燥、架橋を十分に行うため、このラインを非常に低速で動かさなければならず、極めて生産性が悪く、生産性を向上させる際の障害にもなっていた。また、アクリル樹脂系粘着剤の光重合型粘着剤は、バルク状態で光重合させるため含まれるモノマー重合率が100%とはならず、未反応モノマーが残存する為、使用時の臭気の原因となることや、この残存モノマーが粘着剤中で可塑剤として働き、高温での著しい凝集力低下の原因となる問題がある。また主鎖を高分子量化した溶剤型粘着剤では、ある程度の耐熱性は得られるものの、きわめて高い耐熱性が要求される最近伸張しつつある高融点の鉛フリーハンダのリフロー工程、ハンダ浸漬工程で受ける極高温(260℃以上)に対する耐性は未だ不十分である。
【0004】
【特許文献】
特開平6−158008号公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記、従来技術の問題点を解決するため、鋭意検討した結果、200℃におけるせん断貯蔵弾性率がある一定範囲にあり、且つ重量平均分子量が100万以上のアクリル共重合体をベースポリマーとした粘着剤組成物は、ハンダ浸漬・ハンダリフロー工程のような高温下においても発泡や流動することのない優れた耐熱性と実用上必要十分な粘着力をバランス良く併せ持つ粘着剤組成物になることを見つけ、それを用いた粘着テープ・粘着シート類が高温下での使用に適することを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106〜3×106dyn/cm2である重量平均分子量100万以上のアクリル系重合体(A)を含む粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、アクリル系重合体(A)が下記単量体(a)〜(c)を共重合してなるアクリル系重合体(A)である上記の粘着剤組成物に関する。
(a) ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体0.01〜15重量%
(b) (a)以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体50〜99.99重量%(c) 上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体 0〜50重量%、(但し単量体(a)、(b)、(c)の合計を100重量%とする)
さらに、本発明は、アクリル系重合体(A)を構成する単量体(a)における反応性官能基が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、マレイミド基、イタコンイミド基、スクシンイミド基、エポキシ基から選ばれる請求項2記載の粘着剤組成物に関する。
さらに、本発明は、粘着付与樹脂(B)および/または架橋剤(C)を含有してなる上記の粘着剤組成物に関する。
加えて、本発明は架橋剤(B)がエポキシ化合物である上記の粘着剤組成物に関する。
さらに加えて、本発明は上記の粘着剤組成物を用いた粘着テープ類・粘着シート類に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着剤組成物に含まれるアクリル系重合体は(A)は、ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)と、(a)以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b)、及び上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)を共重合してなるアクリル系重合体であるが、ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)の例としては(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのカルボキシル基を含有する単量体、また2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルヘキシル)−メチルアクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類等の水酸基を含有する単量体が挙げられる。またアミノメチル(メタ)、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を含有する単量体が挙げられる。また(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン等のアミド基を含有する単量体が挙げられる。またはN−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド基を含有する単量体が挙げられる。またN−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド基を含有する単量体が挙げられる。またN−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド基を含有する単量体が挙げられる。またグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含有する単量体などが挙げられる。これらは単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。その使用量は単量体全量に対して0.01〜15重量%であり、その使用量が0.01重量%より少ない場合には、粘着剤組成物の凝集力が低下し、加熱環境下で発泡やハガレが起こる。15重量%より多い場合には、粘着力が低下する。
また、(a)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体(b)の例としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その使用量は、単量体全量に対して50〜99.99重量%であり、その使用量が50重量%より少ない場合には、基材密着性が低下する。99.99重量%より多い場合には、ラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能性基を有する単量体(b)の共重合量が少なくなり、粘着剤組成物の凝集力が低下し、加熱環境下で発泡やハガレが起こる。
また、上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)としては酢酸ビニル、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル等が挙げられる。その使用量は単量体全量に対して0〜50重量%、好ましくは0〜10重量%である。
【0008】
本発明の粘着剤組成物は200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106〜3×106dyn/cm2の範囲にあり、且つ重量平均分子量100万以上のアクリル系重合体(A)を含むことが必要である。粘着組成物の200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106dyn/cm2より小さい場合には、はんだ浸漬時、はんだリフロー時に受ける高温で粘着剤が軟化して、発泡や膨れやハガレが起こりやすい。200℃におけるせん断貯蔵弾性率が3×106dyn/cm2より大きい場合には、耐熱性は十分に高くなるものの、室温で粘着剤組成物が硬く、貼り付け作業時に粘着剤が被着体表面に十分にクリープすることが出来ず、粘着力が低下する。好ましい範囲は0.4×106〜2×106dyn/cm2である。更に好ましい範囲は0.4×106〜1×106dyn/cm2である。
またアクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が100万以上であることが必要である。重量平均分子量が100万よりも小さい場合には、架橋剤を使用しても凝集力が不足して発泡やハガレが生じやすい。また重量平均分子量が250万より大きいと、粘着剤組成物の粘度が高くなり塗工等の作業性が劣る。好ましい重量平均分子量の範囲は100万〜200万である。
【0009】
本発明の粘着剤組成物は、粘着性を調整する目的で粘着付与樹脂(B)を配合することができる。配合される粘着付与樹脂(B)としては、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂、石炭系粘着付与樹脂、その他の粘着付与樹脂等が挙げられる。具体的には、ロジン系粘着付与樹脂では、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、変性ロジンのグリセリンエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。テルペン系粘着付与樹脂としては、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。石油系粘着付与樹脂ではC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5系/C9系共重合系石油樹脂、水素添加C5系石油樹脂、水素添加C9系石油樹脂、水素添加C5系/C9系共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、スチレン系石油樹脂等が挙げられる。石炭系粘着付与樹脂としてはクロマン樹脂、クロマン・インデン樹脂等が挙げられる。その他の粘着付与樹脂としてはフェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。これら粘着付与樹脂は単独でも複数組み合わせて使用することができる。
【0010】
本発明の粘着組成物に配合される粘着付与樹脂(B)の配合量は上述のアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、通常は0.5部〜100重量部、好ましくは1重量部〜50重量部の範囲で使用される。このような量で粘着付与樹脂を使用することにより、優れた粘着力が発現する。
【0011】
本発明の粘着剤組成物は架橋剤(C)として多官能性化合物を含有することができる。この多官能性化合物の有する官能基は上記ラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能性基を有する単量体(a)に含まれる反応性を有する官能基と反応するものであり、一分子中に官能基を少なくとも2個、好ましくは2〜4個有している。このような多官能性化合物の例としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物などを挙げることができる。
【0012】
イソシアネート系化合物の例としてはトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、およびこれらポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体やこれらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体などを挙げることができる。
【0013】
また、エポキシ系化合物の例としては、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N‘−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどを挙げられる。
【0014】
アミン系化合物の例としては、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラミン、イソホロンジアミン、アミノ樹脂、メチレン樹脂などを挙げられる。
【0015】
金属キレート化合物の例としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属がアセチルアセトンやアセト酢酸エチルに配位した化合物を挙げられる。
【0016】
アジリジン化合物の例としては、N,N‘−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N‘−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N‘−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン等が挙げられる。
【0017】
アクリル系共重合体にカルボキシル基が含まれる場合、上述の架橋剤のなかでも、エポキシ系化合物を用いると耐熱性を特に向上させることができる。
【0018】
これら架橋剤(C)は上述のアクリル系共重合体100重量部(A)に対して、通常は0.005部〜50重量部、好ましくは0.05重量部〜10重量部の範囲で使用される。このような量で架橋剤を使用することにより、上述のアクリル系重合体との間で好適な三次元架橋が形成され、優れた耐熱性が発現する。これら架橋剤は、単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
【0019】
本発明の粘着剤組成物に含まれるアクリル系共重合体の製造には、公知の任意の方法を採用することができる。
【0020】
例えば、アクリル系共重合体は、原料の単量体100部に対して、0.001部〜5部の重合開始剤を用いて塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの方法により合成される。好ましくは溶液重合で合成される。重合開始剤の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルや2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などのアゾ系化合物が挙げられる。
【0021】
また、過酸化ベンゾイルやt-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエートやt-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0022】
これら用いられる重合開始剤は単独、若しくは2種類以上、併用して用いても良い。
【0023】
溶液重合の場合、重合溶媒として酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が用いられる。またこれら重合溶媒は2種類以上混合して用いても良い。
反応温度は40〜150℃、好ましくは50〜110℃、反応時間は3〜30時間、好ましくは5〜20時間である。
【0024】
本発明の粘着剤組成物は、上述のとおりアクリル系共重合体(A)、さらに好ましくは粘着付与樹脂(B)、架橋剤(C)からなるが、更にこの粘着組成物には、通常粘着剤に配合される、シランカップリング剤、耐候安定剤、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラー等を配合することができる。
【0025】
本発明の粘着剤組成物は、上記のアクリル系共重合体(A)、さらに好ましくは粘着付与樹脂(B)、添加剤等配合した後、架橋剤(C)を混合することにより製造される。
【0026】
本発明の粘着テープ類・粘着シート類とは、上記の粘着剤組成物が厚さ0.5μm〜200μm、好ましくは厚さが1μm〜100μmのシート状やテープ状の形態をした粘着剤層を有してなり、剥離ライナー上に上記の粘着剤層を設けた基材レスの両面粘着シート類とされたものでも良いし、基材の片面または両面に粘着剤層を設けて粘着シート類とされたものでも良い。基材の両面に粘着剤層を設けたものは、基材が粘着層と心材の働きをして、打ち抜き加工に適した粘着テープ類・粘着シート類が作成できる。
【0027】
基材としては、プラスチックフィルムや紙、布、不織布などや、金属箔などが用いられる。上記のプラスチックフィルムは、耐熱性の点よりポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、芳香族ポリアミドなどからなるプラスチックフィルムが好ましい。
【0028】
本発明の粘着剤組成物の剥離ライナーや基材への塗工方法は、通常使用されている塗布装置を用いることができるが、例えば、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーターなどの方法が挙げられる。
【0029】
【実施例】
次に本発明の実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、以下の説明において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0030】合成例1
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート30.0部、アクリル酸メチル8.4重量部、アクリル酸1.6重量部、アセトン60.0重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で9時間反応する。反応終了後、トルエンを100部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量160万のアクリル系共重合体1を得た。
【0031】合成例2〜12
合成例2〜12は表1に示すようにラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)、(a)以外のアクリル酸エステル系単量体(b)、,上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)の種類および量を変える以外は製造例1と同様にして、アクリル系共重合体2〜12を得た。分析値は表1に示す。
【0032】合成例13
合成例1と同様な反応装置にブチルアクリレート30.0部、メチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、酢酸エチル60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.015部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で8時間反応する。反応終了後、トルエンを124部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量80万のアクリル共重合体13を得た。
【0033】合成例14
合成例1と同様な反応装置にイソブチルアクリレート30.0部、メチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、酢酸エチル60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.015部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で8時間反応する。反応終了後、トルエンを124部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量70万のアクリル共重合体14を得た。
【0034】合成例15
合成例1と同様な反応装置にラウリルアクリレート30.0部、エチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、アセトン60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で9時間反応する。反応終了後、トルエンを100部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量110万のアクリル共重合体15を得た。
【0035】合成例16
合成例1と同様な反応装置にブチルメタアクリレート16.0部、ブチルアクリレート14.0部、メチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、アセトン60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で9時間反応する。反応終了後、トルエンを100部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量105万のアクリル共重合体16を得た。
【0036】
表1中、ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)、(a)以外のアクリル酸エステル系単量体(b)、,上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)の種類を下記の略号で示した。
BA:ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
AA:アクリル酸
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
i−BA:イソブチルアクリレート
LA:ラウリルアクリレート
EA:エチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メチルメタアクリレート
BMA:n-ブチルメタアクリレート
VAc:酢酸ビニル
【0037】
表1中の重量平均分子量はGPCの測定でもとめたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、測定条件は以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21
カラム:Shodex KF−602.5を1本、Shodex KF−606Mを2本、計3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.1wt%
試料注入量:50μl
【0038】実施例1
合成例1で得られたアクリル系重合体1の固形分100重量部に対してテルペン系粘着付与樹脂 T145(YSポリスターT145:ヤスハラケミカル製)を10部、テルペン系粘着付与樹脂 S145(YSポリスターS145:ヤスハラケミカル製)各10部添加して均一に溶解するまで室温で攪拌する。更に架橋剤としてTGMXDA(N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン:三菱瓦斯化学社製)を有効成分5%に希釈したものを1部添加して良く攪拌する。調整した粘着剤溶液をポリエステル製剥離フィルム(フィルム厚さ38μm)に乾燥塗膜厚さが50μmになるようにリップコーターで塗工し100℃120秒間熱風オーブンで乾燥させ、更にポリエステル剥離フィルムを貼り合せ、粘着シートを得る。この粘着シートを23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させる。
【せん断貯蔵弾性率の測定方法】
剥離フィルムに挟まれた上記粘着シートの剥離フィルムをはがし、粘着剤組成物同士を繰り返し貼り付けて積層させ、厚さ2mm程度にした後、直径8mmにポンチで打ち抜き、貯蔵せん断弾性率測定用の試料とした。レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製の粘弾性スペクトロメーターRDS−IIを用いて周波数1Hz、せん断ひずみ0.1πラジアン、温度200℃の条件下で、上記の形状にした粘着シートのせん断貯蔵弾性率を測定する。
【粘着力の測定方法】
剥離フィルムに挟まれた上記粘着シートの一面の剥離フィルムをはがし、ポリエステルフィルム(厚さ50μm)に貼り付けた試料を作成する。この粘着力測定用の粘着シートを幅25mm、長さ120mm切り、表面を清浄にしたステンレス板に重さ4kgのゴムロールを用いて貼り付け、粘着力測定用テストピースとする。貼り付けてから23℃50%RHの雰囲気下で1日静置した後、このテストピースを用いて180°ピール方向に剥離試験をおこない粘着力を測定する。
【ハンダ浸漬耐性の評価方法】
剥離フィルムに挟まれた上記粘着シートをポリイミドフィルム(厚さ25μm)に貼り付けた試料を作成する。このハンダ浸漬耐性用の粘着シートを30mm×40mmに切り出し、縦:40mm×横:50mm×厚さ:0.4mmのステンレス板に重さ4kgのゴムロールを用いて貼り付け、ハンダ浸漬耐性評価用のテストピースとする。260℃に加熱して溶融させたハンダ上に、このポリイミドフィルムが空気側になるようにテストピースを浮かべてハンダ溶融温度にさらす。30秒後に溶融ハンダからテストピースを引き上げ、室温まで自然冷却した後に、ポリイミドフィルムの外観を目視で評価する。
5⇔1(良好⇔不良)
【0039】実施例2
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例2で得られるアクリル系重合体2を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(パインクリスタルKE359:荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0040】実施例3
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例3で得られるアクリル系重合体3を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 KR1840(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0041】実施例4
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例4で得られるアクリル系重合体4を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 K3100(クリスタレックス3100:ハーキュレス社製)5部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0042】実施例5
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例5で得られるアクリル系重合体5を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部の代わりに、テルペン系粘着付与樹脂 P125(クリアロンP125:ヤスハラケミカル製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0043】実施例6
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例6で得られるアクリル系重合体6を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(パインクリスタルKE359:荒川化学社製)10部、ロジン系粘着付与樹脂 KE311(パインクリスタルKE311:荒川化学社製)10部使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0044】実施例7
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例7で得られるアクリル系重合体7を用いる以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0045】実施例8
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例8で得られるアクリル系重合体8を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 K3100(クリスタレックス3100:ハーキュレス社製)5部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0046】実施例9
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例9で得られるアクリル系重合体9を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂T145 10部 S145 10部の代わりに、テルペン系粘着付与樹脂 P125(クリアロンP125:ヤスハラケミカル製)を20部使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0047】実施例10
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例10で得られるアクリル系重合体10を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0048】実施例11
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例11で得られるアクリル系重合体11を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 KR1840(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0049】実施例12
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例12で得られるアクリル系重合体12を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂FTR6100(三井化学社製)5部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0050】実施例13
実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油系粘着付与樹脂 KR1842(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0051】実施例14
実施例1で用いた架橋剤:(N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンに変わり、TDI/TMP(トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体)を7部使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シート作成し、各試験をおこなった。
【0052】実施例15
実施例1で用いた架橋剤:(N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンに変わり、TAT:(トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン)1部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シート作成し、各試験をおこなった。
【0053】比較例1
実施例1で用いた合成例1のアクリル樹脂の代わりに合成例13で得られるアクリル系重合体13を用いる以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0054】比較例2
実施例1で用いた合成例1のアクリル樹脂の代わりに合成例14で得られるアクリル系重合体14を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0055】比較例3
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例15で得られるアクリル系重合体15を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 KR1840(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0056】比較例4
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例16で得られるアクリル系重合体16を用いる以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
以上の結果を表2、表3に示す。表2、3中、粘着付与樹脂、架橋剤の種類を下記の記号で示す。
T145:YSポリスターT145(ヤスハラケミカル製)
S145:YSポリスターS145(ヤスハラケミカル製)
P125:クリアロンP125(ヤスハラケミカル製)
KE359:パインクリスタルKE359(荒川化学社製)
KE311:パインクリスタルKE311(荒川化学社製)
KR1840:KR1840(荒川化学社製)
KR1842KR1842(荒川化学社製)
K3100:クリスタレックス3100(ハーキュレス社製)
FTR6100:FTR6100(三井化学社製)
TGMXDA:N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(三菱化学社製)
TDI/TMP:トルエンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体
TAT:トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン
【表1】
【表2】
【表3】
【0057】
【発明の効果】
本発明の粘着剤組成物を用いることで、ハンダ浸漬・ハンダリフロー工程のような高温下においても発泡や流動することのない優れた耐熱性と実用上必要十分な粘着力を併せ持つ粘着剤組成物を作成することが可能であり、高温下での使用に適する粘着テープ・粘着シート類を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、その用途に何ら限定はされないが、例えばプリント基板のハンダ浸漬に適用可能なマスキングテープ用途、電解コンデンサー・電池・プリント基板などの電子部品を構成する巻回絶縁体の末端固定用テープ、自動車などの焼付け塗装に適用可能なマスキングテープ用途などの粘着テープ類や粘着シート類に用いられる粘着剤組成物に関する。詳しくは、ハンダ浸漬・ハンダリフロー工程のような高温下においても発泡を抑制でき、優れた粘着力及び凝集力を有する粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着テープ類・粘着シート類に関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着テープ類や粘着シート類はその使用、取り扱いの簡便さから多岐にわたる用途に用いられている。粘着テープ類や粘着シート類に用いられる粘着剤組成物としては、通常、ゴム系エラストマーやアクリル樹脂などをメインポリマーとして、これに粘着付与樹脂や架橋剤などを配合し、テープ化・シート化されている。これら粘着テープ類や粘着シート類の中には高温に代表される過酷な条件で使用されるものもあり、耐熱性を付与する為、改良が重ねられている。
例えば、ゴム系エラストマーを用いた粘着剤では、天然ゴムや合成ゴムからなるゴム系エラストマーに、熱反応性フェノール樹脂等を添加し、架橋密度をコントロールして耐熱性を付与した樹脂加硫タイプが提案されている。
また、アクリル樹脂系の粘着剤では、粘着剤中のポリマーの高分子量化が比較的容易である光重合型粘着剤を使用する、また溶剤型粘着剤においては粘着剤を構成するポリマーを高分子量化して凝集力を改良することで耐熱性を付与しようとしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴム系エラストマーを用いた粘着剤で行なわれる樹脂加硫法は、その粘着剤組成物を、テープ製造乾燥塔で乾燥及び架橋させるために、その温度を極めて高い温度(通常150〜180℃)に設定しなければならず、そのような高温は、例えば季節的要因(夏、冬)や時間的要因(朝、晩)の影響を受けやすく、所定の高温に維持することが非常に難しくなり、その結果、品質的にもバラツキの多いものになっていた。 さらに、かかる高温により、基材や粘着剤自体のゴム成分が劣化してしまうという問題があった。 また、乾燥、架橋を十分に行うため、このラインを非常に低速で動かさなければならず、極めて生産性が悪く、生産性を向上させる際の障害にもなっていた。また、アクリル樹脂系粘着剤の光重合型粘着剤は、バルク状態で光重合させるため含まれるモノマー重合率が100%とはならず、未反応モノマーが残存する為、使用時の臭気の原因となることや、この残存モノマーが粘着剤中で可塑剤として働き、高温での著しい凝集力低下の原因となる問題がある。また主鎖を高分子量化した溶剤型粘着剤では、ある程度の耐熱性は得られるものの、きわめて高い耐熱性が要求される最近伸張しつつある高融点の鉛フリーハンダのリフロー工程、ハンダ浸漬工程で受ける極高温(260℃以上)に対する耐性は未だ不十分である。
【0004】
【特許文献】
特開平6−158008号公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記、従来技術の問題点を解決するため、鋭意検討した結果、200℃におけるせん断貯蔵弾性率がある一定範囲にあり、且つ重量平均分子量が100万以上のアクリル共重合体をベースポリマーとした粘着剤組成物は、ハンダ浸漬・ハンダリフロー工程のような高温下においても発泡や流動することのない優れた耐熱性と実用上必要十分な粘着力をバランス良く併せ持つ粘着剤組成物になることを見つけ、それを用いた粘着テープ・粘着シート類が高温下での使用に適することを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106〜3×106dyn/cm2である重量平均分子量100万以上のアクリル系重合体(A)を含む粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、アクリル系重合体(A)が下記単量体(a)〜(c)を共重合してなるアクリル系重合体(A)である上記の粘着剤組成物に関する。
(a) ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体0.01〜15重量%
(b) (a)以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体50〜99.99重量%(c) 上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体 0〜50重量%、(但し単量体(a)、(b)、(c)の合計を100重量%とする)
さらに、本発明は、アクリル系重合体(A)を構成する単量体(a)における反応性官能基が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、マレイミド基、イタコンイミド基、スクシンイミド基、エポキシ基から選ばれる請求項2記載の粘着剤組成物に関する。
さらに、本発明は、粘着付与樹脂(B)および/または架橋剤(C)を含有してなる上記の粘着剤組成物に関する。
加えて、本発明は架橋剤(B)がエポキシ化合物である上記の粘着剤組成物に関する。
さらに加えて、本発明は上記の粘着剤組成物を用いた粘着テープ類・粘着シート類に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着剤組成物に含まれるアクリル系重合体は(A)は、ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)と、(a)以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体(b)、及び上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)を共重合してなるアクリル系重合体であるが、ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)の例としては(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、無水フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのカルボキシル基を含有する単量体、また2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルヘキシル)−メチルアクリレート、クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類等の水酸基を含有する単量体が挙げられる。またアミノメチル(メタ)、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を含有する単量体が挙げられる。また(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン等のアミド基を含有する単量体が挙げられる。またはN−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド基を含有する単量体が挙げられる。またN−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド基を含有する単量体が挙げられる。またN−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド基を含有する単量体が挙げられる。またグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含有する単量体などが挙げられる。これらは単独であるいは複数組み合わせて使用することができる。その使用量は単量体全量に対して0.01〜15重量%であり、その使用量が0.01重量%より少ない場合には、粘着剤組成物の凝集力が低下し、加熱環境下で発泡やハガレが起こる。15重量%より多い場合には、粘着力が低下する。
また、(a)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体(b)の例としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その使用量は、単量体全量に対して50〜99.99重量%であり、その使用量が50重量%より少ない場合には、基材密着性が低下する。99.99重量%より多い場合には、ラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能性基を有する単量体(b)の共重合量が少なくなり、粘着剤組成物の凝集力が低下し、加熱環境下で発泡やハガレが起こる。
また、上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)としては酢酸ビニル、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル等が挙げられる。その使用量は単量体全量に対して0〜50重量%、好ましくは0〜10重量%である。
【0008】
本発明の粘着剤組成物は200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106〜3×106dyn/cm2の範囲にあり、且つ重量平均分子量100万以上のアクリル系重合体(A)を含むことが必要である。粘着組成物の200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106dyn/cm2より小さい場合には、はんだ浸漬時、はんだリフロー時に受ける高温で粘着剤が軟化して、発泡や膨れやハガレが起こりやすい。200℃におけるせん断貯蔵弾性率が3×106dyn/cm2より大きい場合には、耐熱性は十分に高くなるものの、室温で粘着剤組成物が硬く、貼り付け作業時に粘着剤が被着体表面に十分にクリープすることが出来ず、粘着力が低下する。好ましい範囲は0.4×106〜2×106dyn/cm2である。更に好ましい範囲は0.4×106〜1×106dyn/cm2である。
またアクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が100万以上であることが必要である。重量平均分子量が100万よりも小さい場合には、架橋剤を使用しても凝集力が不足して発泡やハガレが生じやすい。また重量平均分子量が250万より大きいと、粘着剤組成物の粘度が高くなり塗工等の作業性が劣る。好ましい重量平均分子量の範囲は100万〜200万である。
【0009】
本発明の粘着剤組成物は、粘着性を調整する目的で粘着付与樹脂(B)を配合することができる。配合される粘着付与樹脂(B)としては、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂、石炭系粘着付与樹脂、その他の粘着付与樹脂等が挙げられる。具体的には、ロジン系粘着付与樹脂では、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、変性ロジンのグリセリンエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。テルペン系粘着付与樹脂としては、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。石油系粘着付与樹脂ではC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5系/C9系共重合系石油樹脂、水素添加C5系石油樹脂、水素添加C9系石油樹脂、水素添加C5系/C9系共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、スチレン系石油樹脂等が挙げられる。石炭系粘着付与樹脂としてはクロマン樹脂、クロマン・インデン樹脂等が挙げられる。その他の粘着付与樹脂としてはフェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。これら粘着付与樹脂は単独でも複数組み合わせて使用することができる。
【0010】
本発明の粘着組成物に配合される粘着付与樹脂(B)の配合量は上述のアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、通常は0.5部〜100重量部、好ましくは1重量部〜50重量部の範囲で使用される。このような量で粘着付与樹脂を使用することにより、優れた粘着力が発現する。
【0011】
本発明の粘着剤組成物は架橋剤(C)として多官能性化合物を含有することができる。この多官能性化合物の有する官能基は上記ラジカル重合性不飽和基の他に少なくとも1個の官能性基を有する単量体(a)に含まれる反応性を有する官能基と反応するものであり、一分子中に官能基を少なくとも2個、好ましくは2〜4個有している。このような多官能性化合物の例としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物、金属キレート系化合物、アジリジン系化合物などを挙げることができる。
【0012】
イソシアネート系化合物の例としてはトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、およびこれらポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体やこれらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体などを挙げることができる。
【0013】
また、エポキシ系化合物の例としては、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N‘−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどを挙げられる。
【0014】
アミン系化合物の例としては、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラミン、イソホロンジアミン、アミノ樹脂、メチレン樹脂などを挙げられる。
【0015】
金属キレート化合物の例としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属がアセチルアセトンやアセト酢酸エチルに配位した化合物を挙げられる。
【0016】
アジリジン化合物の例としては、N,N‘−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N‘−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N‘−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン等が挙げられる。
【0017】
アクリル系共重合体にカルボキシル基が含まれる場合、上述の架橋剤のなかでも、エポキシ系化合物を用いると耐熱性を特に向上させることができる。
【0018】
これら架橋剤(C)は上述のアクリル系共重合体100重量部(A)に対して、通常は0.005部〜50重量部、好ましくは0.05重量部〜10重量部の範囲で使用される。このような量で架橋剤を使用することにより、上述のアクリル系重合体との間で好適な三次元架橋が形成され、優れた耐熱性が発現する。これら架橋剤は、単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
【0019】
本発明の粘着剤組成物に含まれるアクリル系共重合体の製造には、公知の任意の方法を採用することができる。
【0020】
例えば、アクリル系共重合体は、原料の単量体100部に対して、0.001部〜5部の重合開始剤を用いて塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの方法により合成される。好ましくは溶液重合で合成される。重合開始剤の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルや2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などのアゾ系化合物が挙げられる。
【0021】
また、過酸化ベンゾイルやt-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエートやt-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドやジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシドなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0022】
これら用いられる重合開始剤は単独、若しくは2種類以上、併用して用いても良い。
【0023】
溶液重合の場合、重合溶媒として酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が用いられる。またこれら重合溶媒は2種類以上混合して用いても良い。
反応温度は40〜150℃、好ましくは50〜110℃、反応時間は3〜30時間、好ましくは5〜20時間である。
【0024】
本発明の粘着剤組成物は、上述のとおりアクリル系共重合体(A)、さらに好ましくは粘着付与樹脂(B)、架橋剤(C)からなるが、更にこの粘着組成物には、通常粘着剤に配合される、シランカップリング剤、耐候安定剤、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラー等を配合することができる。
【0025】
本発明の粘着剤組成物は、上記のアクリル系共重合体(A)、さらに好ましくは粘着付与樹脂(B)、添加剤等配合した後、架橋剤(C)を混合することにより製造される。
【0026】
本発明の粘着テープ類・粘着シート類とは、上記の粘着剤組成物が厚さ0.5μm〜200μm、好ましくは厚さが1μm〜100μmのシート状やテープ状の形態をした粘着剤層を有してなり、剥離ライナー上に上記の粘着剤層を設けた基材レスの両面粘着シート類とされたものでも良いし、基材の片面または両面に粘着剤層を設けて粘着シート類とされたものでも良い。基材の両面に粘着剤層を設けたものは、基材が粘着層と心材の働きをして、打ち抜き加工に適した粘着テープ類・粘着シート類が作成できる。
【0027】
基材としては、プラスチックフィルムや紙、布、不織布などや、金属箔などが用いられる。上記のプラスチックフィルムは、耐熱性の点よりポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、芳香族ポリアミドなどからなるプラスチックフィルムが好ましい。
【0028】
本発明の粘着剤組成物の剥離ライナーや基材への塗工方法は、通常使用されている塗布装置を用いることができるが、例えば、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーターなどの方法が挙げられる。
【0029】
【実施例】
次に本発明の実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、以下の説明において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0030】合成例1
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート30.0部、アクリル酸メチル8.4重量部、アクリル酸1.6重量部、アセトン60.0重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を還流温度で9時間反応する。反応終了後、トルエンを100部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量160万のアクリル系共重合体1を得た。
【0031】合成例2〜12
合成例2〜12は表1に示すようにラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)、(a)以外のアクリル酸エステル系単量体(b)、,上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)の種類および量を変える以外は製造例1と同様にして、アクリル系共重合体2〜12を得た。分析値は表1に示す。
【0032】合成例13
合成例1と同様な反応装置にブチルアクリレート30.0部、メチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、酢酸エチル60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.015部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で8時間反応する。反応終了後、トルエンを124部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量80万のアクリル共重合体13を得た。
【0033】合成例14
合成例1と同様な反応装置にイソブチルアクリレート30.0部、メチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、酢酸エチル60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.015部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で8時間反応する。反応終了後、トルエンを124部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量70万のアクリル共重合体14を得た。
【0034】合成例15
合成例1と同様な反応装置にラウリルアクリレート30.0部、エチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、アセトン60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で9時間反応する。反応終了後、トルエンを100部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量110万のアクリル共重合体15を得た。
【0035】合成例16
合成例1と同様な反応装置にブチルメタアクリレート16.0部、ブチルアクリレート14.0部、メチルアクリレート8.4部、アクリル酸1.6g、アセトン60.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.01部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応容器を還流温度で9時間反応する。反応終了後、トルエンを100部添加して希釈して室温まで冷却する。固形分17%の重量平均分子量105万のアクリル共重合体16を得た。
【0036】
表1中、ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体(a)、(a)以外のアクリル酸エステル系単量体(b)、,上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体(c)の種類を下記の略号で示した。
BA:ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
AA:アクリル酸
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
i−BA:イソブチルアクリレート
LA:ラウリルアクリレート
EA:エチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メチルメタアクリレート
BMA:n-ブチルメタアクリレート
VAc:酢酸ビニル
【0037】
表1中の重量平均分子量はGPCの測定でもとめたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、測定条件は以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21
カラム:Shodex KF−602.5を1本、Shodex KF−606Mを2本、計3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.1wt%
試料注入量:50μl
【0038】実施例1
合成例1で得られたアクリル系重合体1の固形分100重量部に対してテルペン系粘着付与樹脂 T145(YSポリスターT145:ヤスハラケミカル製)を10部、テルペン系粘着付与樹脂 S145(YSポリスターS145:ヤスハラケミカル製)各10部添加して均一に溶解するまで室温で攪拌する。更に架橋剤としてTGMXDA(N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン:三菱瓦斯化学社製)を有効成分5%に希釈したものを1部添加して良く攪拌する。調整した粘着剤溶液をポリエステル製剥離フィルム(フィルム厚さ38μm)に乾燥塗膜厚さが50μmになるようにリップコーターで塗工し100℃120秒間熱風オーブンで乾燥させ、更にポリエステル剥離フィルムを貼り合せ、粘着シートを得る。この粘着シートを23℃50%RHの雰囲気下で7日間熟成させる。
【せん断貯蔵弾性率の測定方法】
剥離フィルムに挟まれた上記粘着シートの剥離フィルムをはがし、粘着剤組成物同士を繰り返し貼り付けて積層させ、厚さ2mm程度にした後、直径8mmにポンチで打ち抜き、貯蔵せん断弾性率測定用の試料とした。レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製の粘弾性スペクトロメーターRDS−IIを用いて周波数1Hz、せん断ひずみ0.1πラジアン、温度200℃の条件下で、上記の形状にした粘着シートのせん断貯蔵弾性率を測定する。
【粘着力の測定方法】
剥離フィルムに挟まれた上記粘着シートの一面の剥離フィルムをはがし、ポリエステルフィルム(厚さ50μm)に貼り付けた試料を作成する。この粘着力測定用の粘着シートを幅25mm、長さ120mm切り、表面を清浄にしたステンレス板に重さ4kgのゴムロールを用いて貼り付け、粘着力測定用テストピースとする。貼り付けてから23℃50%RHの雰囲気下で1日静置した後、このテストピースを用いて180°ピール方向に剥離試験をおこない粘着力を測定する。
【ハンダ浸漬耐性の評価方法】
剥離フィルムに挟まれた上記粘着シートをポリイミドフィルム(厚さ25μm)に貼り付けた試料を作成する。このハンダ浸漬耐性用の粘着シートを30mm×40mmに切り出し、縦:40mm×横:50mm×厚さ:0.4mmのステンレス板に重さ4kgのゴムロールを用いて貼り付け、ハンダ浸漬耐性評価用のテストピースとする。260℃に加熱して溶融させたハンダ上に、このポリイミドフィルムが空気側になるようにテストピースを浮かべてハンダ溶融温度にさらす。30秒後に溶融ハンダからテストピースを引き上げ、室温まで自然冷却した後に、ポリイミドフィルムの外観を目視で評価する。
5⇔1(良好⇔不良)
【0039】実施例2
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例2で得られるアクリル系重合体2を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(パインクリスタルKE359:荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0040】実施例3
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例3で得られるアクリル系重合体3を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 KR1840(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0041】実施例4
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例4で得られるアクリル系重合体4を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 K3100(クリスタレックス3100:ハーキュレス社製)5部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0042】実施例5
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例5で得られるアクリル系重合体5を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部の代わりに、テルペン系粘着付与樹脂 P125(クリアロンP125:ヤスハラケミカル製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0043】実施例6
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例6で得られるアクリル系重合体6を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(パインクリスタルKE359:荒川化学社製)10部、ロジン系粘着付与樹脂 KE311(パインクリスタルKE311:荒川化学社製)10部使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0044】実施例7
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例7で得られるアクリル系重合体7を用いる以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0045】実施例8
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例8で得られるアクリル系重合体8を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T14510部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 K3100(クリスタレックス3100:ハーキュレス社製)5部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0046】実施例9
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例9で得られるアクリル系重合体9を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂T145 10部 S145 10部の代わりに、テルペン系粘着付与樹脂 P125(クリアロンP125:ヤスハラケミカル製)を20部使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0047】実施例10
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例10で得られるアクリル系重合体10を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0048】実施例11
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例11で得られるアクリル系重合体11を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 KR1840(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0049】実施例12
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例12で得られるアクリル系重合体12を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂FTR6100(三井化学社製)5部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0050】実施例13
実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油系粘着付与樹脂 KR1842(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0051】実施例14
実施例1で用いた架橋剤:(N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンに変わり、TDI/TMP(トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体)を7部使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シート作成し、各試験をおこなった。
【0052】実施例15
実施例1で用いた架橋剤:(N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンに変わり、TAT:(トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン)1部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シート作成し、各試験をおこなった。
【0053】比較例1
実施例1で用いた合成例1のアクリル樹脂の代わりに合成例13で得られるアクリル系重合体13を用いる以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0054】比較例2
実施例1で用いた合成例1のアクリル樹脂の代わりに合成例14で得られるアクリル系重合体14を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、ロジン系粘着付与樹脂 KE359(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0055】比較例3
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例15で得られるアクリル系重合体15を用いて、更に実施例1で用いた粘着付与樹脂 T145 10部 S145 10部の代わりに、石油樹脂系粘着付与樹脂 KR1840(荒川化学社製)10部を使用する以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
【0056】比較例4
実施例1で用いた合成例1のアクリル系重合体1の代わりに合成例16で得られるアクリル系重合体16を用いる以外は、実施例1と全く同様に粘着シートを作成し、各試験をおこなった。
以上の結果を表2、表3に示す。表2、3中、粘着付与樹脂、架橋剤の種類を下記の記号で示す。
T145:YSポリスターT145(ヤスハラケミカル製)
S145:YSポリスターS145(ヤスハラケミカル製)
P125:クリアロンP125(ヤスハラケミカル製)
KE359:パインクリスタルKE359(荒川化学社製)
KE311:パインクリスタルKE311(荒川化学社製)
KR1840:KR1840(荒川化学社製)
KR1842KR1842(荒川化学社製)
K3100:クリスタレックス3100(ハーキュレス社製)
FTR6100:FTR6100(三井化学社製)
TGMXDA:N,N,N’,N’-テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(三菱化学社製)
TDI/TMP:トルエンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体
TAT:トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン
【表1】
【表2】
【表3】
【0057】
【発明の効果】
本発明の粘着剤組成物を用いることで、ハンダ浸漬・ハンダリフロー工程のような高温下においても発泡や流動することのない優れた耐熱性と実用上必要十分な粘着力を併せ持つ粘着剤組成物を作成することが可能であり、高温下での使用に適する粘着テープ・粘着シート類を提供できる。
Claims (7)
- 200℃におけるせん断貯蔵弾性率が0.3×106〜3.0×106dyn/cm2である重量平均分子量100万以上のアクリル系重合体(A)を含む粘着剤組成物。
- アクリル系重合体(A)が下記単量体(a)〜(c)を共重合してなる請求項1記載の粘着剤組成物。
(a) ラジカル重合性不飽和基を有し、且つ少なくとも1個の反応性官能基を有する単量体0.01〜15重量%
(b) (a)以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体50〜99.99重量%
(c) 上記単量体(a)及び(b)と共重合可能で、且つ該単量体(a)及び(b)以外の単量体 0〜50重量%、(但し単量体(a)、(b)、(c)の合計を100重量%とする) - アクリル系重合体(A)を構成する単量体(a)における反応性官能基が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、マレイミド基、イタコンイミド基、スクシンイミド基、エポキシ基から選ばれる請求項2記載の粘着剤組成物。
- 粘着付与樹脂(B)を含む請求項1〜3記載の粘着剤組成物。
- (分子中に官能基を少なくとも2個有する)架橋剤(C)を含む請求項1〜4記載の粘着剤組成物。
- 架橋剤(C)がエポキシ化合物である請求項5記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜6記載の粘着剤組成物を用いた粘着テープ類・粘着シート類。
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