JP2023078174A - 鉄関連障害を診断および治療するための組成物および方法 - Google Patents

鉄関連障害を診断および治療するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄関連障害を治療および診断するための抗体およびこの抗体を使用する方法を提供する。【解決手段】反発性ガイダンス分子c(RGMc)に結合する単離された抗体またはこの抗体断片であって、抗体がそれぞれ特定のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、可変軽ドメイン領域、相補性決定領域からなる群から選択されるドメインまたは領域を含む、単離された抗体またはこの抗体断片が提供される。【選択図】なし

Description

本出願は、2011年12月14日に出願された米国仮特許出願第61/570,715号の利益を主張し、この内容は参照により完全に本明細書に組み込まれている。
配列表
本出願は、EFS-WebによりASCIIフォーマットにおいて提出されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている配列表を含む。2013年2月13日に作成された前記ASCIIのコピーは、029996-1767-WOO1_SL.txtと命名され、105,782バイトのサイズである。
本発明は、鉄関連障害を治療および診断するための抗体およびこの抗体を使用する方法に関する。
鉄恒常性は身体の正常機能に不可欠である。鉄はヘモグロビン産生の中心となるので、不十分なレベルの鉄は鉄欠乏性貧血を生じる。鉄過剰負荷はまた、腸からの鉄吸収を不適切に増加させることにより鉄のバランスを乱す可能性もある。この増加は、多くの場合、肝臓、膵臓、心臓、下垂体および他の臓器において鉄の沈着を生じ、組織損傷およびこれらの臓器の正常な機能障害を引き起こす。
様々な鉄関連疾患は、少なくとも部分的に、鉄の誤調節に起因し、診断することおよび治療することが難しくなり得る。このような障害には、肝疾患、性腺機能低下症、糖尿病、肝硬変、心筋症、鉄欠乏性貧血および慢性疾患の貧血(「ACD」)が含まれる。そして、それは、感染症、悪性腫瘍および/または慢性炎症に関連する鉄の不均等分布により特徴付けられる。鉄関連障害に関連する症状は、多くの場合、不明確であり、影響がすぐに現れない傾向があるので、現在の処置は、多くの場合、鉄障害を適切に診断し、治療することができない。これらの困難さにより、適切な治療を施す遅れを引き起こすことがある。
したがって、鉄関連障害のための診断および治療の信頼できる方法が必要とされている。慢性疾患の貧血を含む、鉄関連障害のための現在の治療選択には、エポエチンアルファ、エポエチンベータおよびダルベポエチンなどの赤血球生成剤の投与が含まれる。さらなる治療には、経口または非経口(parental)の鉄療法および/または輸血が含まれる。しかしながら、鉄療法は限られた効能しかなく、通常、ACD対象には勧められていない。さらに、輸血は多臓器機能不全について進行中の問題があり、救命治療患者において死亡率が高くなっている。したがって、十分な様式でエポエチンおよびこの関連する類似体に反応しない対象にとって非常に特異的で、良好な忍容性を示し、有用な治療として役立ち得る、鉄関連疾患を治療する新規方法についての必要性が存在している。
(発明の要旨)
一態様では、本発明は、反発性ガイダンス分子c(Repulsive Guidance Molecule c)(「RGMc」)に結合する単離された抗体またはこの抗体断片に関する。抗体は(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含む。抗体は、免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結したFv、親和性成熟した抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、ヒト抗体、多重特異性抗体、Fab、二重特異性抗体、DVD、Fab’、二特異性抗体、F(ab’)2およびFvであってもよい。抗体または抗体断片は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である、請求項2に記載の単離された抗体または抗体断片。抗体または抗体断片は、ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメインおよびヒトIgA定常ドメインからなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む。
単離された抗体または抗体断片は、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域または配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を含んでもよい。抗体は、配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域または配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含んでもよい。抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含んでもよい。
抗体は、配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含んでもよい。抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含んでもよい。抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含んでもよい。抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含んでもよい。
抗体は、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含んでもよい。
抗体は、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。
抗体は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含んでもよい。抗体は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。抗体は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含んでもよい。抗体は、配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。
抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。
抗体は、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。
抗体は、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含んでもよい。抗体または抗体断片は、免疫接着(immunoadhesion)分子、造影剤および治療剤からなる群から選択される作用物質をさらに含んでもよい。造影剤は、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識またはビオチンであってもよい。放射性標識は、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoまたは153Smであってもよい。
別の態様では、本発明はまた、本明細書に記載されている、抗体またはこの断片のいずれか1つをコードする単離された核酸に関する。本開示はまた、本明細書に記載されている抗体、抗体断片、これらの混合物または誘導体を含む医薬組成物に関する。
別の態様では、本発明はまた、鉄代謝疾患を治療する方法に関する。方法は、治療的または予防的に有効な量の抗体を、これを必要とする対象に投与するステップを含み、抗体が、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、ならびに(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(u)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(v)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(w)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(x)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(y)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(z)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(aa)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(bb)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(cc)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(dd)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ee)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(ff)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(gg)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(hh)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(ii)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(jj)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(kk)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(ll)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(mm)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(nn)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(oo)配列番号95のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(pp)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(qq)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(rr)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(ss)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、対象における鉄代謝疾患は治療的または予防的に治療される。例えば、この方法で治療される鉄代謝疾患は、慢性疾患の貧血(ACD)、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血、慢性腎疾患の貧血、赤血球生成促進剤に対する耐性およびβ-サラセミアからなる群から選択されてもよい。
別の態様では、本発明はまた、対象が鉄関連障害を有するかどうかを決定する方法に関する。この方法は、
a.対象由来の試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルを測定するステップ、および
b.試料中のRGMcのレベルを正常な対照または較正物質のRGMcのレベルと比較するステップであって、RGMcの変化したレベルが、対象が鉄関連障害を有することを示す、ステップ、および
c.対象が鉄関連障害を有すると診断するステップ
を含む。対象と比較して変化したレベルのRGMcが、対象が鉄関連障害を有することを示し得る。上記の方法において、正常な対照のRGMcレベルと比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照のRGMcレベルと比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照のRGMcレベルと比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照のRGMcレベルと比較して減少したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照のRGMcレベルと比較して増加したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、対象は、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される障害と以前に診断されているまたは診断されている場合がある。上記の方法において、試料は血液試料および血清試料からなる群から選択されてもよい。上記の方法において、ステップa)は酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)などのイムノアッセイである。
詳細には、ELISAはサンドイッチELISAであってもよい。上記の方法において、試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルは上記の単離された抗体のいずれかを使用して決定されてもよい。
別の態様では、本発明はまた、試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度を決定する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの抗体および少なくとも1つの検出可能な標識を利用するイムノアッセイによりRGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするステップを含み、試験試料中のRGMcの存在、量または濃度の直接指標または間接指標として検出可能な標識により生成されるシグナルを、対照または較正物質中のRGMcの存在、量または濃度の直接指標または間接指標として生成されるシグナルと比較するステップを含み、少なくとも1つの抗体のうちの1つが、RGMcまたはこの断片に特異的に結合する単離された抗体であり、抗体が、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(u)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(v)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(w)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(x)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(y)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(z)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(aa)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(bb)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(cc)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(dd)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ee)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(ff)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(gg)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(hh)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(ii)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(jj)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(kk)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(ll)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(mm)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(nn)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(oo)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(pp)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(qq)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(rr)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(ss)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、それにより、試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度が決定される。
上記の方法において、試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度が、対照が鉄関連障害を発症するリスクを有するまたはこのリスクがあるかどうかを決定または評価するために使用される。上記の方法において、RGMcは膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcである。上記の方法において、正常な対照のRGMcレベルと比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照のRGMcのレベルと比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対象のRGMcのレベルと比較して減少したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照のRGMcレベルと比較して増加したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、鉄関連障害は、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される。さらに、上記の方法は以下のステップ:
a.捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を形成するように、試験試料を、RGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの捕捉抗体と接触させるステップ、
b.捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)/検出抗体複合体を形成するように、捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を、検出可能な標識を含み、捕捉抗体が結合しないRGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの検出抗体と接触させるステップ、および
c.(b)において形成される捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)/検出抗体複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルに基づいて試験試料中のRGMc(またはこの断片)の存在、量または濃度を決定するステップ
をさらに含んでもよく、それにより、試験試料中のRGMc(またはこの断片)の存在、量または濃度が決定される。
代替として、上記方法は以下のステップ:
a.捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を形成するように、試験試料を、RGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの捕捉抗体と接触させ、同時にまたはいずれかの順序で連続して、試験試料を、少なくとも1つの捕捉抗体に結合するための試験試料中の任意のRGMc(またはこの断片)と競合できる、検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)と接触させるステップであって、試験試料中に存在する任意のRGMc(またはこの断片)および検出可能に標識されたRGMcが互いに競合して、捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体および捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体をそれぞれ形成する、ステップ、および
b.(b)において形成される捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルに基づいて試験試料中のRGMcの存在、量または濃度を決定するステップをさらに含んでもよく、捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルが試験試料中のRGMcの量または濃度に反比例し、それにより、試験試料中のRGMcの存在、量または濃度が決定される。上記の方法は、ヘプシジンについて試験試料をアッセイするステップをさらに含んでもよい。
別の態様では、本発明はまた、対象が鉄関連障害を有するかどうかを決定する方法に関する。この方法は、
a.対象由来の第1の試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルを測定するステップ、
b.対象由来の第2の試料中のヘプシジンのレベルを測定するステップ、
c.第1の試料中のRGMcのレベルを正常な対照または較正物質中のRGMcのレベルと比較するステップ、および
d.第2の試料中のヘプシジンのレベルを正常な対照または較正物質中のヘプシジンのレベルと比較するステップであって、変化したレベルのRGMcおよびヘプシジンの各々が、対象が鉄関連障害を有することを示す、ステップ、および
e.対象が鉄関連障害を有すると診断するステップ
を含む。
上記の方法において、正常な対象における膜結合性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照におけるヘプシジンのレベルと比較して減少したレベルのヘプシジンが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す。上記の方法において、正常な対照におけるヘプシジンのレベルと比較して増加したレベルのヘプシジンが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す。
上記の方法において、対象は、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される障害と診断されている。上記の方法において、膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルならびに第1の試料および第2の試料の各々におけるヘプシジンのレベルが連続して決定される。上記の方法において、膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルならびに第1の試料および第2の試料の各々におけるヘプシジンのレベルが連続して決定される。
上記の方法において、試料は血液試料および血清試料からなる群から選択される。上記の方法において、ステップa)は酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である。例えば、ELISAはサンドイッチELISAである。上記の方法において、試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルは上記の単離された抗体のいずれかを使用して決定される。
RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性RGMcまたは可溶性RGMc)のバリアントまたはこれらの任意の組合せなど)およびヘプシジンについての任意のアッセイは、同じ種類の方法または異なる方法を使用しておよび同じ患者などの同じ供給源から得た同じ試験試料または異なる試験試料を使用して同時またはいずれかの順序で連続して行われてもよい。代替として、方法はまた、同じ患者などの同じ供給源から得た試験試料のアッセイから得たデータを使用するステップを含んでもよいが、異なる時点でヘプシジンについてアッセイされるか、または異なる時点でヘプシジンについて得られアッセイされる。
別の態様では、本発明はまた、RGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするためのキットに関する。このキットは、RGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびRGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするための指示書を含んでもよく、少なくとも1つの成分が、RGMc(またはこの断片)に特異的に結合する単離された抗体を含む少なくとも1つの組成物を含み、抗体が、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(u)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(v)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(w)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(x)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(y)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(z)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(aa)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(bb)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(cc)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(dd)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ee)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(ff)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(gg)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(hh)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(ii)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(jj)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(kk)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(ll)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(mm)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(nn)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(oo)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(pp)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(qq)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(rr)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(ss)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、抗体が場合によって検出可能に標識されている。上記のキットにおいて、試験試料中でアッセイされるRGMcまたはこの断片が、対象が鉄関連障害を発症するリスクを有するまたはこのリスクがあるかどうかを決定または評価するために使用される。さらに、アッセイされるRGMcは膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcである。キットは、ヘプシジンについて試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびヘプシジンについて試験試料をアッセイするための指示書をさらに含んでもよい。
鉄恒常性に関連するシグナル伝達経路の簡略図を示す。 鉄恒常性に関連するシグナル伝達経路の別の簡略図を示す。 ラットにおいてヒト化5F9.23(h5F9.23)が血中鉄レベルを増加させることを示すヒストグラムである。図3は、0、20、60または200mg/kgの静脈注射により1週間に1回処置したラットのデータを示す。血中鉄レベルは、使用した全てのh5F9.23用量において有意に増加した(有意性:**p<0.01;***P<0.001)。このデータは、ラットにおいてh5F9.23が血中鉄レベルを増加させることを示す。 ラットにおいてh5F9.23が飽和トランスフェリン1レベル(%)を増加させることを示すヒストグラムである。飽和トランスフェリン1レベルは、0、20、60または200mg/kgのh5F9.23のIV注射により1週間に1回処置したラットにおいて測定した。飽和トランスフェリン1レベルは全てのh5F9.23用量において有意に増加した(有意性:***p<0.001)。 ラットにおいてh5F9.23が飽和トランスフェリン2レベル(%)を増加させることを示すヒストグラムである。飽和トランスフェリン2レベルは、0、20、60または200mg/kgのh5F9.23のIV注射により1週間に1回処置したラットにおいて測定した。飽和トランスフェリン2レベルは全てのh5F9.23用量において有意に増加した(有意性:**p<0.01;***p<0.001)。 ラットにおいてh5F9.23が不飽和鉄結合能(UIBC)を減少させることを示すヒストグラムである。不飽和鉄結合能(UIBC)もまた、0、20、60または200mg/kgのh5F9.23のIV注射により1週間に1回処置したラットにおいて測定された。UIBCレベルは全てのh5F9.23用量において有意に減少した(有意性:***p<0.001)。 プルシアンブルーで染色した固定したラット肝臓試料(対照)を示す(100倍の倍率)。矢印は肝葉の門脈周辺領域に向けられている。 プルシアンブルーで染色した固定したラット肝臓試料(200mg/kg/週のh5F9.23で処置した)を示す(100倍の倍率)。矢印は肝葉の門脈周辺領域に向けられている。黒色の顆粒が鉄を表す。 プルシアンブルーで染色した固定したラットの脾臓試料(対照)を示す(40倍の倍率)。鉄負荷マクロファージはリンパ濾胞(F)の間の赤脾髄において示されている。 プルシアンブルーで染色した固定したラットの脾臓試料(200mg/kg/週のh5F9.23で処置した)を示す(40倍の倍率)。リンパ濾胞(F)の間の赤脾髄におけるマクロファージは鉄を血清中に放出した。 RGMc機能を遮断するための選択したh5F9親和性成熟したAbsを評価するための293HEK細胞におけるRGMc媒介性BMPレポーターアッセイを示す。(A)RGM媒介性BMPレポーターアッセイの概略図。(B)ラットハイブリドーマmAb 5F9、h5F9.23およびこの親和性成熟したAbsは、用量依存的にRGMc媒介性luc活性を阻害した。IC50値は凡例の隣に示している。Y軸は相対発光単位(RLU)としてルシフェラーゼ活性を表す。 メスのカニクイザルを異なる用量のヒト化抗体5F9.23(h5F9.23)で処置した実施例5の結果を示すヒストグラムである。サルは、4週間にわたって1週間に1回、60mg/kgで皮下注射(sc)されたまたは20、60、200mg/kgで静脈内注射(iv)された。22日目に、抗体投与(4回目の投与)の0.5時間後、4時間後、24時間後に霊長類の血清を採取した。質量分析法を使用してヘプシジンを測定した。***p<0.001:事前試験に対する有意性、p<0.05:事前試験に対する有意性、p<0.05:対照に対する有意性。 メスのSprague Dawleyラットを異なる用量の抗体h5F923.AM8で処置した実施例6の結果を示すヒストグラムである。ラットは、4週間にわたって1週間に1回、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kgで静脈内注射された。4週目の終りに、血清を採取し、以下を測定した:(1)遊離血中鉄レベル(図13A)。***リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(薄い灰色)に対する有意性、***p<0.01:モノクローナル抗体ヒトIgG(黒色)に対する有意性。対照は、Abbott Laboratories、Worcester、MAから得たIL-18に対して誘導されたヒトIgG抗体である。対照はラットIL-18タンパク質と交差反応しなかった。 メスのSprague Dawleyラットを異なる用量の抗体h5F923.AM8で処置した実施例6の結果を示すヒストグラムである。ラットは、4週間にわたって1週間に1回、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kgで静脈内注射された。4週目の終りに、血清を採取し、以下を測定した:(2)不飽和鉄結合能(図13B)。***リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(薄い灰色)に対する有意性、***p<0.01:モノクローナル抗体ヒトIgG(黒色)に対する有意性。対照は、Abbott Laboratories、Worcester、MAから得たIL-18に対して誘導されたヒトIgG抗体である。対照はラットIL-18タンパク質と交差反応しなかった。 メスのSprague Dawleyラットを、異なる用量の抗体h5F923.AM8で処置した実施例7の結果を示すヒストグラムである。ラットは、4週間にわたって1週間に1回、0.02mg/kg、0.2mg/kg、2.0mg/kgまたは20mg/kgで静脈内注射された。4週目の終りに、血清を採取し、以下を測定した:(1)遊離血中鉄レベル(図14A)。***p<0.001、ビヒクル対照に対する有意性;**p<0.01、ビヒクル対照に対する有意性;p<0.05、ビヒクル対照に対する有意性。ビヒクル対照は、30mMのヒスチジン、8%w/vのスクロース、pH6.0プラス0.02%のTween80の水中溶液を含む。 メスのSprague Dawleyラットを、異なる用量の抗体h5F923.AM8で処置した実施例7の結果を示すヒストグラムである。ラットは、4週間にわたって1週間に1回、0.02mg/kg、0.2mg/kg、2.0mg/kgまたは20mg/kgで静脈内注射された。4週目の終りに、血清を採取し、以下を測定した:(2)不飽和鉄結合能(図14B)。***p<0.001、ビヒクル対照に対する有意性;**p<0.01、ビヒクル対照に対する有意性;p<0.05、ビヒクル対照に対する有意性。ビヒクル対照は、30mMのヒスチジン、8%w/vのスクロース、pH6.0プラス0.02%のTween80の水中溶液を含む。 実施例8に記載されている第1のセットの実験の結果を示すヒストグラムであり、h5F923.AM8および1A-2989が、ヘモグロビンレベルを増加させることによって30日目でのACDラットの貧血を改善したことを実証している。また、この図に示しているように、ドルソモルフィンは不活性であった。 実施例8に記載されている第2のシリーズの実験の結果を示すヒストグラムである。詳細には、図16Aは、対照抗体hIgGが、41日目、47日目および51日目において貧血性ラットの低いヘモグロビンレベルを有意に変化させないことを示す。p<0.05:D0ヘモグロビンに対する有意性。 実施例8に記載されている第2のシリーズの実験の結果を示すヒストグラムである。図16Bは、RGM Aに選択的であったヒト化モノクローナル抗体が、41日、47日および51日において貧血性ラットの低いヘモグロビンレベルを有意に変化させないことを示す。p<0.05、**p<0.01、D0ヘモグロビンレベルに対する有意性。 実施例8に記載されている第2のシリーズの実験の結果を示すヒストグラムである。図16Cは、抗体h5F9.AM8が、41日目、47日目および51日目において貧血性ラットの低いヘモグロビンレベル(D24)を有意に増加させることを示す。***p<0.001、0日目(D0)のヘモグロビンレベルに対する有意性。D41:p<0.05、D24に対する有意性、D47/55:p<0.05、D24に対する有意性。 実施例8に記載されている第2のシリーズの実験の結果を示すヒストグラムである。図16Dは、抗体h5F9.23が、41日目、47日目および51日目において貧血性ラットの低いヘモグロビンレベル(24日目(D24)を増加させることを示す。p<0.05;**p<0.001、41日目におけるD0ヘモグロビンレベルに対する有意性:p<0.05、24日目、47日目および51日目に対する有意性:p<0.05、日に対する有意性。
RGMcは、筋肉、網膜および門脈周囲肝細胞において発現されたグリコシルホスファチジルイノシトール(「GPI」)アンカー膜タンパク質である。RGMcは身体において鉄恒常性を維持するためにシグナル伝達タンパク質を介してヘプシジンと共に作用する。例えば、Severynら、Biochem.J.、422:393-403(2009)およびPietrangelo、J.Hepatology、54:173-181(2011)を参照されたい。細胞膜RGMcはネオゲニンに結合し、骨形成タンパク質(BMP)を介してシグナル伝達を促進し、この骨形成タンパク質(BMP)は、ヘプシジン遺伝子発現を促進するために下流エフェクターを介して細胞内シグナル伝達を誘発する。再び、例えば、Pietrangelo、J.Hepatology、54:173-181(2011)を参照されたい。可溶性RGMcは、セリンプロテアーゼ、マトリプターゼ-2(TMPRSS6)による膜結合RGMcの切断により放出される。可溶性RGMcの放出は鉄の細胞外濃度を減少させることにより誘発され、反対に、増加した鉄の細胞外濃度により阻害される。再び、例えば、Severynら、Biochem.J.、422:393-403(2009)および図1を参照されたい。RGMcの可溶性形態はBMP6を膜結合RGMcから隔離し、それにより、ヘプシジン発現の誘導を防止する。図2を参照されたい。
BMPがBMP受容体IおよびIIに結合すると、膜結合複合体はネオゲニン、BMP6およびRGMcと共に形成される。Smads(Smads1、5および8)と呼ばれる、細胞内タンパク質と一緒に、この複合体は細胞内シグナルを変換し、それにより、ヘプシジン発現および最終的に全身性鉄代謝を支配するシグナル伝達経路を開始する。再び、例えば、Pietrangelo、J.Hepatology、54:173-181(2011)および図1を参照されたい。ヘプシジンは、哺乳動物の排他的鉄輸送体である、フェロポーチンに結合する。ヘプシジンがフェロポーチンに結合すると、フェロポーチンはマクロファージにより内在化されるおよびフェロポーチンが分解される十二指腸細胞により内在化されるので、鉄輸送経路を遮断する。例えば、Hentzら、Cell、142:24-38(2010)およびChengら、Clin.Exp.Med.、11:33-42(2011)を参照されたい。
マクロファージおよび十二指腸細胞の両方はフェロポーチンを発現し、高いヘプシジンレベルにおいて、フェロポーチンのヘプシジンにより誘導される分解は利用可能な鉄輸送経路のみを遮断する。結果として、マクロファージおよび十二指腸細胞の両方は大量の細胞内鉄を蓄積する。図1を参照されたい。これらの細胞はもはや鉄を血液中に放出できないので、慢性疾患の貧血(「ACD」)は一般的な結果である。再び、例えば、Chengら、Clin.Exp.Med.、11:33-42(2011)を参照されたい。
RGMc特異的抗体は、血漿中の鉄濃度および種々の組織に対する鉄の分布を直接調節する、ヘプシジンの正常な発現を遮断する。この抗体はBMPとRGMcとの間の結合を防ぐことができる。この抗体はBMPとRGMcのN末端との間の結合を防ぐことができる。この作用の結果、ヘプシジンの発現が減少されるまたは阻害される。ヘプシジンレベルが減少するにつれて、鉄のフェロポーチン依存性輸送は増加する。なぜなら、ヘプシジンはもはやフェロポーチンに結合し、この内在化および分解を誘導するのに利用できないからである。図2を参照されたい。
本発明者らは、反発性ガイダンス分子c(「RGMc」)に結合する抗体が鉄代謝を調節するために使用できるという驚くべき発見をした。血漿中の鉄濃度および種々の組織に対する鉄の分布を直接調節する、ヘプシジンの正常な発現を遮断する抗体が本発明において提供される。過剰なレベルのヘプシジンは鉄制限性貧血を引き起こす。例えば、ヘプシジンレベルの目立った増加が、ACDを有する患者および急性炎症(AI)を有する患者において報告されている。わずかに増加したヘプシジンレベルが、ACDおよび鉄欠乏性貧血(ACD-IDA)を有する患者において観察された。鉄欠乏性貧血(IDA)のみを有する患者は低い血清ヘプシジンレベルの傾向を示した。例えば、血清ヘプシジンレベルは、健康な対照において177,58μg/l(+/-119,84)、ACD患者において434,83μg/l(+/-217)、AI患者において410,08μg/l(+/-299,96)、ACD-IDA患者において238,32μg/l(+/-93,85)およびIDA患者においてわずかに減少した血清ヘプシジンレベル110,79μg/l(+/-19,22)であると示されている。対照的に、ヘモクロマトーシスは低い血清ヘプシジンレベルにより特徴付けられている。さらに、β-サラセミア(thalaassaemia)は、ヘプシジンレベルが低くなり得る疾患である。
本明細書に開示されている抗体は鉄代謝疾患の治療に有用である。さらに、本明細書に開示されている抗体は、対象が鉄関連障害を有するかどうかを決定するための診断アッセイに有用である。
1.定義
本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図していない。本明細書および添付の特許請求の範囲に使用される場合、単数形「一つの(a)」、「および(and)」および「その(the)」は、文脈が他に明確に記載していない限り、複数の参照も含む。
a.約
本明細書に使用されている場合、「約」とは、記載した値からおおよそ+/-10%の変動を指すことができる。このような変動は、特定の参照がなされているか否かに関わらず、本明細書に提供されている任意の所与の値に常に含まれることが理解される。
b.親和性成熟した抗体
「親和性成熟した抗体」は、1つ以上のCDRにおいて1つ以上の変化を有する抗体を指すために本明細書において使用され、変化を有さない親抗体と比較して標的抗原のための抗体の親和性(すなわちK、kまたはk)の向上を生じる。例示的な親和性成熟した抗体は標的抗原に対してナノモル濃度またはさらにピコモル濃度の親和性を有する。親和性成熟した抗体を生産するための種々の手段は当該技術分野において公知であり、バイオディスプレイを使用して調製されている組合せ抗体ライブラリーのスクリーニングを含む。例えば、Marksら、BioTechno1ogy、10:779-783(1992)は、VHおよびVLドメインシャフリングによる親和性成熟を記載している。CDRおよび/またはフレームワーク残基のランダム変異導入法は、Barbasら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、91:3809-3813(1994);Schierら、Gene、169:147-155(1995);Yeltonら、J.Immunol.、155:1994-2004(1995);Jacksonら、J.Immunol.、154(7):3310-3319(1995);およびHawkinsら、J.Mol.Biol.、226:889-896(1992)に記載されている。活性増強アミノ酸残基を有する選択的変異誘発位置および接触または超変異位置における選択的変異は米国特許第6,914,128B1号に記載されている。
c.抗体および複数の抗体
本明細書に使用されている場合、「抗体」および「複数の抗体」は、モノクローナル抗体、多特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体(完全または部分的にヒト化された)、動物抗体(例えば、限定されないが、トリ(例えば、カモまたはガン)、サメ、クジラおよび非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウスなど)を含む哺乳動物または非ヒト霊長類(例えば、サル、チンパンジーなど)、組換え抗体、キメラ抗体、一本鎖Fvs(「scFv」)、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、Fab断片、F(ab’)断片、F(ab’)断片、ジスルフィド連結したFvs(「sdFv」)および抗イディオタイプ(「抗Id」)抗体、二重ドメイン抗体、二重可変ドメイン(DVD)または三重可変ドメイン(TVD)抗体(二重可変ドメイン免疫グロブリンおよびこれらを作製する方法は、Wu,C.ら、Nature Biotechnology、25(11):1290-1297(2007)およびPCT国際出願WO2001/058956に記載されており、これらの各々の内容は参照により本明細書に組み込まれている。)ならびに上記のいずれかの機能的に活性なエピトープ結合断片を指す。特に、抗体は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片、すなわち、検体結合部位を含有する分子を含む。免疫グロブリン分子は、任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであってもよい。簡潔化するために、検体に対する抗体は、本明細書において頻繁に、「抗検体抗体」または単に「検体抗体」(例えば、抗RGMc抗体またはRGMc抗体)のいずれかであると称される。
d.抗体断片
本明細書に使用されている場合、「抗体断片」は抗原結合部位または可変領域を含むインタクトな抗体の一部を指す。この一部は、インタクトな抗体のFc領域の定常重鎖ドメイン(すなわち、抗体アイソタイプに応じてCH2、CH3またはCH4)を含まない。抗体断片の例には、限定されないが、Fab断片、Fab’断片、Fab’-SH断片、F(ab’)断片、Fd断片、Fv断片、ダイアボディ、一本鎖Fv(scFv)分子、一本の軽鎖可変ドメインのみを含有する一本鎖ポリペプチド、軽鎖可変ドメインの3つのCDRを含有する一本鎖ポリペプチド、一本の重鎖可変領域のみを含有する一本鎖ポリペプチドおよび重鎖可変領域の3つのCDRを含有する一本鎖ポリペプチドが含まれる。
e.結合定数
「結合定数」は本明細書に記載されている。本明細書に使用されている場合、「会合速度定数」、「kon」または「k」という用語は、この標的抗原に対する抗体の結合速度または以下の式:
抗体(Ab)+抗原(Ag)→Ab-Ag
により示されるような抗体と抗原との間の複合体形成の速度を示す値を指す。
本明細書において交換可能に使用されている、「解離速度定数」、「koff」または「k」という用語は、抗体のこの標的抗原からの解離速度または以下の式:
抗体(Ab)+抗原(Ag)←Ab-Ag
により示されるような遊離抗体および抗原へのAb-Ag複合体の経時的な分離を示す値を指す。
会合速度定数および解離速度定数を決定する方法は当該技術分野において周知である。蛍光ベースの技術を使用することにより、平衡状態で生理学的緩衝液中の試料を試験するための高い感度および能力が提供される。BIAcore(登録商標)(生体分子相互作用分析)アッセイなどの他の実験的アプローチおよび機器が使用されてもよい(例えば、BIAcore International AB、GE Healthcare company、Uppsala、Swedenから入手可能な機器)。さらに、Sapidyne Instruments(Boise、Idaho)から入手可能なKinExA(登録商標)(Kinetic Exclusion Assay)アッセイもまた、使用されてもよい。
本明細書において交換可能に使用されている、「平衡解離定数」または「K」という用語は、解離速度(koff)を会合速度(kon)で割ることにより得られる値を指す。会合速度、解離速度および平衡解離定数は、抗原に対する抗体の結合親和性を表すために使用されている。
f.結合タンパク質
「結合タンパク質」は、例えば、ポリペプチド、抗原、化学化合物もしくは他の分子または任意の種類の基質などの結合パートナーを有する複合体に結合し、これを形成する単量体タンパク質または多量体タンパク質を指すために本明細書において使用されている。結合タンパク質は結合パートナーに特異的に結合する。結合タンパク質には、抗体およびこの抗原結合断片ならびに当該技術分野において知られているおよび本明細書の以下に記載されている他の種々の形態およびこれらの誘導体ならびに抗原分子または抗原分子上の特定の部位(エピトープ)に結合する1つ以上の抗原結合ドメインを含む他の分子が含まれる。したがって、結合タンパク質には、限定されないが、抗体、四量体免疫グロブリン、IgG分子、IgG分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、親和性成熟した抗体および抗原に結合する能力を保持している任意のこのような抗体の断片が含まれる。
g.二特異性抗体
「二特異性抗体」は、クアドローマ技術(Milsteinら、Nature、305(5934):537-540(1983)を参照のこと)により生成される、2つの異なるモノクローナル抗体の化学的コンジュゲーション(Staerzら、Nature、314(6012):628-631(1985))により生成されるまたはFc領域において変異を導入し、複数の異なる免疫グロブリン種(このうちの1つのみが機能的二特異性抗体である)をもたらす「ノブイントゥホール(knob-into-hole)」もしくは同様のアプローチ(Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90(14):6444-6448(1993)を参照のこと)により生成される完全長抗体を指すために本明細書において使用されている。二特異性抗体は、この2つの結合アームのうちの1つ(1対のHC/LC)において1つの抗原(またはエピトープ)に結合し、この第2のアーム(異なる対のHC/LC)において異なる抗原(またはエピトープ)に結合する。この定義により、二特異性抗体は、(特異性およびCDR配列の両方において)2つの別個の抗原結合アームを有し、これが結合する各抗原に対して一価である。
h.CDR
「CDR」は、抗体可変配列内の「相補性決定領域」を指すために本明細書において使用されている。重鎖および軽鎖の可変領域の各々において3つのCDRが存在し、これらは可変領域の各々について「CDR1」、「CDR2」および「CDR3」と指定されている。本明細書に使用されている場合、「CDRセット」という用語は、抗原に結合する単一の可変領域において生じる3つのCDRの群を指す。これらのCDRの正確な境界は異なるシステムに従って異なって定義されている。Kabatにより記載されている系(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda,Md.(1987)および(1991))は、抗体の任意の可変領域に適用可能な明白な残基番号付けシステムを提供するだけでなく、3つのCDRを定義する正確な残基境界も提供する。これらのCDRは、「Kabat CDR」と称されることもある。Chothiaおよび共同研究者(ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.、196:901-917(1987);ならびにChothiaら、Nature、342:877-883(1989))は、Kabat CDR内の特定の下位部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有するにもかかわらず、ほぼ同一のペプチド骨格立体構造をとることを見出した。これらの下位部分は、「L1」、「L2」および「L3」または「H1」、「H2」および「H3」と指定され、ここで、「L」および「H」は、軽鎖領域および重鎖領域をそれぞれ指定する。これらの領域は、「Chothia CDR」と称されることもあり、これは、Kabat CDRと重複する境界を有する。Kabat CDRと重複するCDRを定義する他の境界は、Padlan、FASEB J.、9:133-139(1995)およびMacCallum、J.Mol.Biol.、262(5):732-745(1996)により記載されている。さらに他のCDR境界定義は、本明細書のシステムの1つを厳密にたどらない場合もあるが、それでも、Kabat CDRと重複するが、これらは、特定の残基または残基の群または全CDRでさえ、抗原結合に大幅に影響を与えないという予測または実験的知見を踏まえて、短くされる場合も、長くされる場合もある。本明細書において使用されている方法は、これらのシステムのいずれかに従って定義されたCDRを利用し得るが、特定の実施形態は、KabatまたはCothiaによって定義されているCDRを使用する。
i.成分または複数の成分
「成分」、「複数の成分」または「少なくとも1つの成分」は、概して、本明細書に記載されている方法および当技術分野で公知の他の方法に従って、試験試料、例えば、患者尿、血清または血漿試料をアッセイするためにキット中に含まれ得る、捕捉抗体、検出またはコンジュゲート較正物質、対照、感度パネル、容器、バッファー、希釈液、塩、酵素、酵素についての補因子、検出試薬、前処理試薬/溶液、基質(例えば、溶液として)、停止溶液などを指す。いくつかの成分は、溶液中にあるまたはアッセイにおいて使用するための再構成のために凍結乾燥され得る。
j.コンセンサスまたはコンセンサス配列
本明細書に使用されている場合、「コンセンサス」または「コンセンサス配列」は、特定の抗原の複数のサブタイプのアラインメントの分析に基づいて構築される合成核酸配列または対応するポリペプチド配列を指す。この配列は特定の抗原の複数のサブタイプまたは血清型(sertype)に対する広範な免疫力を誘導するために使用され得る。融合タンパク質などの合成抗原がコンセンサス配列(またはコンセンサス抗原)に操作されてもよい。
k.対照
本明細書に使用されている場合、「対照」は、対象の検体、例えばRGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性RGMcまたは可溶性RGMc)のバリアントまたはこれらの任意の組合せなど)を含有しないことが知られている組成物(「陰性」)または対象の検体、例えばRGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性RGMcまたは可溶性RGMc)のバリアントまたはこれらの任意の組合せなど)を含有することが知られている組成物(「陽性対照」)を指す。陽性対照は既知の濃度のRGMcを含んでもよい。「対照」、「陽性対照」および「較正物質」は、本明細書において交換可能に使用されてもよく、既知の濃度のRGMcを含む組成物を指す。「陽性対照」はアッセイ性能特性を確立するために使用されてもよく、試薬(例えば検体)の完全性の有用な指標である。「正常な対照」は、鉄関連疾患または障害を含んでいない試料または対象を指すことができる。
l.誘導体
本明細書に使用されている場合、抗体の「誘導体」は、純粋な抗体または親抗体と比較してこのアミノ酸配列に対する1つ以上の修飾を有する抗体を指すことができ、修飾されたドメイン構造を示す。誘導体は依然として、天然抗体およびアミノ酸配列に見られる典型的なドメイン配置をとることができ、特異性で標的(抗原)に結合できる。抗体誘導体の典型例は、他のポリペプチドに結合される抗体、再配列された抗体ドメインまたは抗体の断片である。誘導体はまた、少なくとも1つのさらなる化合物、例えばタンパク質ドメインを含んでもよく、前記タンパク質ドメインは共有結合または非供給結合により連結される。連結は当該技術分野における公知の方法に従った遺伝子融合に基づき得る。本発明に従って利用される抗体を含む融合タンパク質に存在する追加ドメインは、好ましくは、柔軟性のあるリンカー、有益にはペプチドリンカーにより連結されてもよく、前記ペプチドリンカーは、さらなるタンパク質ドメインのC末端と抗体のN末端またはその逆の間の距離に及ぶのに十分な長さの複数の親水性のペプチド結合アミノ酸を含む。抗体は、生物活性または例えば固体支持体、生物学的に活性な物質(例えばサイトカインまたは成長ホルモン)、化学剤、ペプチド、タンパク質または薬物との選択的結合に適した配置を有するエフェクター分子に連結されてもよい。
m.二重特異性抗体
「二重特異性抗体」は、この2つの結合アームの各々(1対のHC/LC)(PCT公開WO02/02773を参照のこと)における2つの異なる抗原(またはエピトープ)に結合できる完全長抗体を指すために本明細書において使用されている。したがって、二重特異性結合タンパク質は、同一の特異性および同一のCDR配列を有する、2つの同一の抗原結合アームを有し、これが結合する各抗原に対して二価である。
n.二重可変ドメイン
「二重可変ドメイン」は、二価(2つの抗原結合部位)、四価(4つの抗原結合部位)または多価結合タンパク質であり得る、結合タンパク質における2つ以上の抗原結合部位を指すために本明細書に使用されている。DVDは、単一特異的であってもよい、すなわち、1つの抗原(または1つの特異的エピトープ)と結合できるまたは多特異的であってもよい、すなわち、2つ以上の抗原(すなわち、同じ標的抗原分子の2つ以上のエピトープまたは異なる標的抗原の2つ以上のエピトープ)と結合できる。好ましいDVD結合タンパク質は2つの重鎖DVDポリペプチドおよび2つの軽鎖DVDポリペプチドを含み、「DVD免疫グロブリン」または「DVD-Ig」と称される。したがって、このようなDVD-Ig結合タンパク質は四量体であり、IgG分子を連想させるが、IgG分子より多くの抗原結合部位を提供する。したがって、四量体DVD-Ig分子の各半分はIgG分子の半分を連想させ、重鎖DVDポリペプチドおよび軽鎖DVDポリペプチドを含むが、単一抗原結合ドメインを提供するIgG分子の1対の重鎖および軽鎖とは異なり、DVD-Igの1対の重鎖および軽鎖は2つ以上の抗原結合部位を提供する。
DVD-Ig結合タンパク質の各抗原結合部位はドナー(「親」)モノクローナル抗体に由来し得るので、抗原結合部位ごとの抗原結合に関与する全部で6個のCDRを含む重鎖可変ドメイン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。したがって、2つの異なるエピトープ(すなわち、2つの異なる抗原分子の2つの異なるエピトープまたは同じ抗原分子の2つの異なるエピトープ)に結合するDVD-Ig結合タンパク質は、第1の親モノクローナル抗体に由来する抗原結合部位および第2の親モノクローナル抗体の抗原結合部位を含む。
DVD-Ig結合分子の設計、発現および特徴付けの説明は、PCT公開番号WO2007/024715、米国特許第7,612,181号およびWuら、Nature Biotech.、25:1290-1297(2007)に提供されている。このようなDVD-Ig分子の好ましい例は、構造式VD1-(X1)n-VD2-C-(X2)n(式中、VD1は、第1の重鎖可変ドメインであり、VD2は、第2の重鎖可変ドメインであり、Cは、重鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであり(ただし、CH1ではない)、X2は、Fc領域であり、nは、0または1であるが、好ましくは、1である)を含む重鎖および構造式VD1-(X1)n-VD2-C-(X2)n(式中、VD1は、第1の軽鎖可変ドメインであり、VD2は、第2の軽鎖可変ドメインであり、Cは、軽鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであり(ただし、CH1ではない)、X2は、Fc領域を含まず、nは、0または1であるが、好ましくは、1である)を含む軽鎖を含む。このようなDVD-Igは、2つのこのような重鎖および2つのこのような軽鎖を含むことがあり、ここで、各鎖は、可変領域の間に介在する定常領域を有さず、タンデムに結合された可変ドメインを含み、重鎖および軽鎖は、会合して、タンデムの機能性抗原結合部位を形成し、1対の重鎖および軽鎖は、別の対の重鎖および軽鎖と会合して、4つの機能的抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。別の例では、DVD-Ig分子は、可変領域の間に介在する定常領域を有さず、タンデムに連結された3つの可変ドメイン(VD1、VD2、VD3)を各々含む重鎖および軽鎖を含むことがあり、ここで、1対の重鎖および軽鎖は、会合して、3つの抗原結合部位を形成し得、1対の重鎖および軽鎖は、別の対の重鎖および軽鎖と会合して、6つの抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。
好ましい実施形態では、本発明に係るDVD-Ig結合タンパク質は、この親モノクローナル抗体により結合された同じ標的分子に結合するだけでなく、1つ以上のこの親モノクローナル抗体の1つ以上の望ましい特性も有する。好ましくは、このようなさらなる特性は1つ以上の親モノクローナル抗体の抗体パラメータである。1つ以上のこの親モノクローナル抗体に由来するDVD-Ig結合タンパク質に起因し得る抗体パラメータには、限定されないが、抗原特異性、抗原親和性、有効性、生物学的機能、エピトープ認識、タンパク質安定性、タンパク質溶解性、生産効率、免疫原性、薬物動態、生物学的利用能、組織交差反応性およびオルソログ抗原結合が含まれる。
DVD-Ig結合タンパク質はRGMcの少なくとも1つのエピトープに結合する。DVD-Ig結合タンパク質の非限定的な例には、RGMcの1つ以上のエピトープに結合するDVD-Ig結合タンパク質、ヒトRGMcのエピトープおよび別の種(例えば、マウス)のRGMcのエピトープに結合するDVD-Ig結合タンパク質ならびにヒトRGMcのエピトープおよび別の標的分子(例えば、VEGFR2またはVEGFR1)のエピトープに結合するDVD-Ig結合タンパク質が含まれる。
o.エピトープまたは複数のエピトープ
「エピトープ」または「複数のエピトープ」または「対象のエピトープ」は、認識され、この特異的結合パートナーにおける相補的部位に結合できる任意の分子における部位を指す。分子および特異的結合パートナーは特異的結合対の一部である。例えば、エピトープは、ポリペプチド、タンパク質、ハプテン、糖鎖抗原(限定されないが、糖脂質、糖タンパク質またはリポ多糖など)または多糖上にあってもよい。この特異的結合パートナーは、限定されないが、抗体であってもよい。
p.フレームワークまたはフレームワーク配列
本明細書に使用されている場合、「フレームワーク」(FR)または「フレームワーク配列」は、可変領域からCDRを引いた残りの配列を意味し得る。CDR配列の正確な定義は異なるシステム(例えば、上記を参照のこと)により決定され得るので、フレームワーク配列の意味は、異なる解釈に対応して依存する。6つのCDR(軽鎖のCDR-L1、-L2および-L3ならびに重鎖のCDR-H1、-H2および-H3)はまた、軽鎖および重鎖におけるフレームワーク領域を各鎖における4つのサブ領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分け、CDR1はFR1とFR2との間に位置し、CDR2はFR2とFR3との間に位置し、CDR3はFR3とFR4との間に位置する。特定のサブ領域をFR1、FR2、FR3またはFR4と特定せずに、他に称されるフレームワーク領域は、単一の天然に生じる免疫グロブリン鎖の可変領域内の組合わされたFRを表す。本明細書に使用されている場合、FRは4つのサブ領域のうちの1つを表し、FRsはフレームワーク領域を構成する4つのサブ領域の2つ以上を表す。
ヒト重鎖および軽鎖FR配列は、当該技術分野において公知であり、当該技術分野において公知の技術を使用して非ヒト抗体をヒト化するために重鎖および軽鎖「アクセプター」フレームワーク配列(または単に「アクセプター」配列)として使用され得る。一実施形態では、ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、V-ベース(ハイパーテキスト転送プロトコール://vbase.mrc-cpe.cam.ac.uk/)などの公表されているデータベースまたは国際ImMunoGeneTics(登録商標)(IMGT(登録商標))情報システム(ハイパーテキスト転送プロトコール://imgt.cines.fr/texts/IMGTrepertoire/LocusGenes/)に記載されているフレームワーク配列から選択される。
q.機能的抗原結合部位
本明細書に使用されている場合、「機能的抗原結合部位」は、標的抗原を結合できる結合タンパク質(例えば抗体)における部位を意味し得る。抗原結合部位の抗原結合親和性は、親結合タンパク質、例えばこの抗原結合部位が由来する親抗体ほど強力でなくてもよいが、抗原に結合する能力は、タンパク質、例えば抗原に結合する抗体を評価するために知られている種々の方法のいずれか1つを使用して測定可能でなければならない。さらに、本明細書における多価タンパク質、例えば多価抗体の抗原結合部位の各々の抗原結合親和性は定量的に同じである必要はない。
r.ヒト化抗体
「ヒト化抗体」は、非ヒト種(例えばマウス)由来の重鎖および軽鎖可変領域配列を含む抗体を示すために本明細書に使用されているが、VHおよび/またはVL配列の少なくとも一部は、十分に「ヒト様」である、すなわちヒト生殖細胞可変配列と十分に類似するように変化されている。「ヒト化抗体」は、抗体またはこのバリアント、誘導体、類似体もしくは断片であり、対象の抗原に免疫特異的に結合し、実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域および実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含む。本明細書に使用されている場合、CDRに関して「実質的に」という用語は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有するCDRを指す。ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的に2つの可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)、FabC、Fv)のうちの実質的に全てを含み、CDR領域の全てまたは実質的に全ては非ヒト免疫グロブリン(すなわちドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全てはヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である。一実施形態では、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にヒト免疫グロブリンの少なくとも一部も含む。一部の実施形態では、ヒト化抗体は、軽鎖および重鎖の少なくとも可変ドメインを含有する。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域を含んでもよい。一部の実施形態では、ヒト化抗体のみがヒト化軽鎖を含有する。一部の実施形態では、ヒト化抗体のみがヒト化重鎖を含有する。特定の実施形態では、ヒト化抗体のみが軽鎖および/またはヒト化重鎖のヒト化可変ドメインを含有する。
ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む、免疫グロブリンの任意のクラスならびに限定されないが、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む、任意のアイソタイプから選択されてもよい。ヒト化抗体は1つより多いクラスまたはアイソタイプに由来する配列を含んでもよく、特定の定常ドメインが、当該技術分野において周知の技術を使用して所望のエフェクター機能を最適化するために選択されてもよい。
ヒト化抗体のフレームワーク領域およびCDRは、親配列、例えばドナー抗体CDRに正確に対応する必要はないまたはコンセンサスフレームワークは、少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失により変異誘発され得るので、この部位におけるCDRまたはフレームワーク残基はドナー抗体またはコンセンサスフレームワークのいずれにも対応しない。好ましい実施形態では、このような変異は、しかしながら、広範囲に及ばない。通常、ヒト化抗体残基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%は、親FRおよびCDR配列のヒト化抗体残基に対応する。本明細書に使用されている場合、「コンセンサスフレームワーク」という用語は、コンセンサス免疫グロブリン配列内のフレームワーク領域を指す。本明細書に使用されている場合、「コンセンサス免疫グロブリン配列」という用語は、関連する免疫グロブリン配列のファミリーにおいて最も頻繁に存在するアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker、From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft、Weinheim、1987)を参照のこと)。したがって、「コンセンサス免疫グロブリン配列」は、「コンセンサスフレームワーク領域」および/または「コンセンサスCDR」を含んでもよい。免疫グロブリンのファミリーにおいて、コンセンサス配列内の各位置は、ファミリーにおけるこの位置で最も頻繁に存在するアミノ酸により占められる。2つのアミノ酸が同等に頻繁に存在する場合、いずれかはコンセンサス配列内に含まれ得る。
s.同一または同一性
2つ以上のポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列に関して本明細書に使用されている場合、「同一」または「同一性」は、配列が特定の領域にわたって同じである特定のパーセンテージの残基を有することを意味し得る。パーセンテージは、2つの配列を最適に並べ、特定の領域にわたって2つの配列を比較し、一致した位置の数を得るために同一の残基が両方の配列において存在する位置の数を決定し、一致した位置の数を指定した領域における位置の総数で割り、この結果に100を掛けることにより計算されて、配列同一性のパーセンテージを得ることができる。2つの配列が異なる長さを有するまたはアラインメントが1つ以上の交互の端部を生成し、比較の指定した領域が単一配列のみを含む場合、単一配列の残基は計算の分子ではなく、分母に含まれる。
t.単離されたポリヌクレオチド
本明細書に使用されている場合、「単離されたポリヌクレオチド」は、この起源によって、(例えば、ゲノム、cDNAもしくは合成起源またはこれらの組合せの)ポリヌクレオチドを意味することができ、単離されたポリヌクレオチドは、「単離されたポリヌクレオチド」がそれと共に天然に見られるポリヌクレオチドの全てまたは一部と会合していないか、天然では連結していないポリヌクレオチドに作動可能に連結されているか、またはより長い配列の一部として天然には存在していない。
u.標識および検出可能な標識
本明細書に使用されている場合、「標識」および「検出可能な標識」は、抗体と検体との間の反応を検出可能にするために抗体または検体と結合している部分を指し、このように標識された抗体または検体は「検出可能に標識された」と称される。標識は、視覚による手段または機器による手段により検出可能であるシグナルを生成できる。種々の標識には、シグナル生成物質、例えば、色原体、蛍光化合物、化学発光化合物、放射性化合物などが含まれる。標識の代表的な例には、光を生成する部分、例えばアクリジニウム化合物および蛍光を生成する部分、例えばフルオレセインが含まれる。他の標識が本明細書に記載されている。これに関して、部分それ自体は検出可能でなくてもよいが、さらに別の部分と反応すると検出可能になってもよい。「検出可能に標識された」という用語の使用は、このような標識を包含することを目的とする。
当該技術分野において公知である任意の適切な検出可能な標識が使用されてもよい。例えば、検出可能な標識は、放射性標識(例えばH、125I、35S、14C、32Pおよび33P)、酵素標識(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性ペルオキシダーゼ、グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼなど)、化学発光標識(例えばアクリジニウムエステル、チオエステルまたはスルホンアミド;ルミノール、イソルミノール、フェナントリジニウムエステルなど)、蛍光標識(例えばフルオレセイン(例えば、5-フルオレセイン、6-カルボキシフルオレセイン、3’6-カルボキシフルオレセイン、5(6)-カルボキシフルオレセイン、6-ヘキサクロロ-フルオレセイン、6-テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートなど))、ローダミン、フィコビリタンパク質、R-フィコエリトリン、量子ドット(例えば、硫化亜鉛キャップドセレン化カドミウム(zinc sulfide-capped cadmium selenide))、温度標識またはイムノ-ポリメラーゼ(immuno-polymerase)連鎖反応標識であってもよい。標識の導入、標識化処理および標識の検出は、PolakおよびVan Noorden、Introduction to lmmunocytochemistry、第2版、Springer Verlag、N.Y.(1997)ならびにMolecular Probes,Inc.、Eugene、Oregonにより公開されている組合わされたハンドブックおよびカタログである、Haugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996)に見出される。蛍光標識はFPIAにおいて使用されてもよい(例えば、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,593,896号、同第5,573,904号、同第5,496,925号、同第5,359,093号および同第5,352,803号を参照のこと)。アクリジニウム化合物は、均一化学発光アッセイにおいて検出可能な標識として使用され得る(例えば、Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.16:1324-1328(2006);Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.4:2313-2317(2004);Adamczykら、Biorg.Med.Chem.Lett.14:3917-3921(2004);およびAdamczykら、Org.Lett.5:3779-3782(2003)を参照のこと)。
一態様では、アクリジニウム化合物はアクリジニウム-9-カルボキサミドである。アクリジニウム9-カルボキサミドを調製する方法は、Mattingly、J.Biolumin.Chemilumin.6:107-114(1991);Adamczykら、J.Org.Chem.63:5636-5639(1998);Adamczykら、Tetrahedron 55:10899-10914(1999);Adamczykら、Org.Lett.1:779-781(1999);Adamczykら、Bioconjugate Chem.11:714-724(2000);Mattinglyら、In Luminescence Biotechnology:Instruments and Applications;Dyke、K.V.Ed.;CRC Press:Boca Raton、pp.77--105(2002);Adamczykら、Org.Lett.5:3779-3782(2003);ならびに米国特許第5,468,646号、同第5,543,524号および同第5,783,699号(これらの各々は、これらに関する教示のために参照によりこの全体が本明細書に組み込まれている。)に記載されている。
アクリジニウム化合物の別の例は、アクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルである。式IIのアクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルの例は、10-メチル-9-(フェノキシカルボニル)アクリジニウムフルオロスルホネート(Cayman Chemical、Ann Arbor、MIから入手可能である)である。アクリジニウム9-カルボキシレートアリールエステルを調製する方法は、McCapraら、Photochem.Photobiol.4:1111-21(1965);Razaviら、Luminescence 15:245-249(2000);Razaviら、Luminescence 15:239-244(2000);および米国特許第5,241,070号(これらの各々は、これらに関する教示のために参照によりこの全体が本明細書に組み込まれている。)に記載されている。このようなアクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルは、シグナルの強度および/またはシグナルの速度に関して少なくとも1つのオキシダーゼによる検体の酸化において生成される過酸化水素のための効果的な化学発光指標である。アクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルについての化学発光の時間は急速、すなわち1秒足らずで完了するのに対して、アクリジニウム-9-カルボキサミド化学発光は2秒以上延びる。しかしながら、アクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルはタンパク質の存在下でこの化学発光特性を損失する。したがって、この使用は、シグナル生成および検出の間、タンパク質の非存在を必要とする。試料中のタンパク質を分離また除去する方法は当業者に周知であり、限定されないが、限外濾過、抽出、沈殿、透析、クロマトグラフィーおよび/または消化が含まれる(例えば、Wells、High Throughput Bioanalytical Sample Preparation.Methods and Automation Strategies、Elsevier(2003)を参照のこと)。試験試料から除去または分離されるタンパク質の量は、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%であってもよい。アクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルおよびこの使用に関するさらなる詳細は、2007年4月9日に出願された米国特許出願公開第11/697,835号に記載されている。アクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルは、脱気した無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはコール酸ナトリウム水溶液 などの任意の適切な溶媒中に溶解され得る。
v.連結配列および連結ペプチド配列
「連結配列」または「連結ペプチド配列」は、対象の1つ以上のポリペプチド配列(例えば、完全長、断片など)に接続される天然または人工ポリペプチド配列を指す。「接続される」という用語は、対象のポリペプチド配列に対する連結配列の結合を指す。このようなポリペプチド配列は好ましくは1つ以上のペプチド結合により結合される。連結配列は約4から約50個のアミノ酸の長さを有してもよい。好ましくは、連結配列の長さは約6から約30個のアミノ酸である。天然の連結配列は、人口連結配列を作製するためにアミノ酸の置換、付加または欠失により修飾されてもよい。例示的な連結配列には、限定されないが、(i)対象のポリペプチドおよび抗体の単離および精製を容易にするための連結配列として有用である、HHHHHHのアミノ酸配列(配列番号197)を有する、6X Hisタグ(配列番号197)などのヒスチジン(His)タグ;(ii)対象のタンパク質および抗体の単離および精製に使用されているHisタグのようなエンテロキナーゼ切断部位が含まれる。多くの場合、エンテロキナーゼ切断部位は対象のタンパク質および抗体の単離および精製においてHisタグと一緒に使用されている。種々のエンテロキナーゼ切断部位は当該技術分野において公知である。エンテロキナーゼ切断部位の例には、限定されないが、DDDDKのアミノ酸配列(配列番号198)およびこの誘導体(例えば、ADDDDK(配列番号199)など)が含まれ;(iii)種々雑多な配列が、一本鎖可変領域断片の軽鎖および/または重鎖可変領域を連結または接続するために使用されてもよい。他の連結配列の例は、Birdら、Science 242:423-426(1988);Hustonら、PNAS USA85:5879-5883(1988);およびMcCaffertyら、Nature 348:552-554(1990)に見出され得る。連結配列はまた、薬物の付着または固体支持体への付着などのさらなる機能のために修飾されてもよい。本開示に関して、モノクローナル抗体は、例えば、Hisタグ、エンテロキナーゼ切断部位またはこの両方などの連結配列を含有してもよい。
w.多価結合タンパク質
「多価結合タンパク質」は、2つ以上の抗原結合部位(本明細書において「抗原結合ドメイン」とも称される)を含む結合タンパク質を指すために本明細書において使用されている。多価結合タンパク質は、好ましくは、3つ以上の抗原結合部位を有するように操作され、一般に天然に存在する抗体ではない。「多特異的結合タンパク質」という用語は、同じ標的分子の2つ以上の異なるエピトープに結合できる結合タンパク質を含む、2つ以上の関連するまたは関連しない標的に結合できる結合タンパク質を指す。
x.所定のカットオフおよび所定のレベル
「所定のカットオフ」および「所定のレベル」は、一般に、所定のカットオフ/レベルに対するアッセイ結果を比較することによって診断/予後/治療効果の結果を評価するために使用されているアッセイカットオフ値を指し、所定のカットオフ/レベルは常に、種々の臨床パラメータ(例えば、疾患の重症度、進行/非進行/改善など)と関係または関連している。本開示は例示的な所定のレベルを提供する。しかしながら、カットオフ値はイムノアッセイの性質(例えば、利用される抗体など)に応じて変化し得ることは周知である。さらに、本開示に基づいてこれらの他のイムノアッセイについてのイムノアッセイ特異的カットオフ値を得るために他のイムノアッセイに本明細書の開示を適応させることは十分に当業者の範囲内である。所定のカットオフ/レベルの正確な値はアッセイ間で変化し得るが、本明細書に記載されている関係が全体的に適用可能であるはずである。
y.前処理試薬
本明細書に記載されている診断アッセイに使用されている場合、「前処理試薬」、例えば、溶解、沈殿および/または可溶化試薬は、試験試料中に存在する任意の細胞を溶解するおよび/または任意の検体を可溶化する試薬である。前処理は、本明細書にさらに記載されている全ての試料について必要というわけではない。特に、検体(すなわち、RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性RGMcまたは可溶性RGMc)のバリアントまたはこれらの任意の組合せなど))の可溶化は、試料中に存在する任意の内因性結合タンパク質由来の検体の放出を伴う。前処理試薬は均一(分離ステップを必要としない)または不均一(分離ステップを必要とする)であってもよい。不均一の前処理試薬を用いて、アッセイの次のステップに進む前に試験試料から任意の沈殿した検体結合タンパク質が除去される。前処理試薬は場合によって、(a)1種以上の溶媒および塩、(b)1種以上の溶媒、塩および洗浄剤、(c)洗浄剤、(d)洗浄剤および塩または(e)細胞溶解および/または検体の可溶化に適した任意の試薬または試薬の組み合わせを含んでもよい。
z.品質管理試薬
本明細書に記載されているイムノアッセイおよびキットに関して「品質管理試薬」には、限定されないが、較正物質、対照および感度パネルが含まれる。「較正物質」または「標準物」(例えば、複数などの1つ以上)は典型的に、抗体または検体などの検体の濃度を補間するための較正(標準)曲線を確立するために使用されている。代替として、所定の陽性/陰性カットオフ近くの単一の較正物質が使用されてもよい。「感度パネル」を含むように、複数の較正物質(すなわち、1つより多い較正物質または種々の量の抗生物質)が一緒に使用されてもよい。
aa.組換え抗体および複数の組換え抗体
「組換え抗体」および「複数の組換え抗体」は、組換え技術により適切な発現ベクター内で1つ以上のモノクローナル抗体の全てまたは一部をコードする核酸配列をクローニングし、適切な宿主細胞内で抗体を後で発現するステップを含む、1つ以上のステップにより調製される抗体を指す。この用語には、限定されないが、(i)本明細書に記載されている抗体断片、二価抗体、ヘテロコンジュゲートAbs、DVD-Ig(登録商標)および他の抗体から形成された、組換え生産されたモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体(完全または部分的にヒト化された)、多特異的または多価構造が含まれる(二重可変ドメイン免疫グロブリンおよびこれらを調製する方法は、Wu,C.ら、Nature Biotechnology、25:1290-1297(2007)に記載されている)。本明細書に使用されている場合、「二価抗体」という用語は、1つの抗原部位に対して特異性を有する第1のアームおよび異なる抗原部位に対して特異性を有する第2のアームを含む抗体を指す。すなわち、二価抗体は二重特異性を有する。
bb.試料、試験試料および患者試料
「試料」、「試験試料」および「患者試料」は、本明細書において交換可能に使用されてもよい。尿、血清、血漿、羊水、脳脊髄液、胎盤細胞または組織、内皮細胞、白血球または単球の試料などの試料は、患者から得た場合、直接使用されてもよいまたは濾過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、干渉成分の不活性化、試薬の添加などにより前処理されて、本明細書に記載されているまたは別様で当該技術分野において公知であるいくつかの方法で試料の特徴を修飾させてもよい。
cc.一連の較正組成物
「一連の較正組成物」は、既知の濃度のCys-RGMcCを含む複数の組成物を指し、この組成物の各々は、Cys-CRGMcの濃度により連続して他の組成物と異なる。
dd.固相
「固相」は、不溶性であるまたは後の反応により不溶性になり得る任意の物質を指す。固相は、捕捉剤を引きつけ、固定するこの固有の能力について選択されてもよい。代替として、固相は、捕捉剤を引きつけ、固定する能力を有する連結剤をこの固相に付着させることができる。連結剤は、例えば、捕捉剤自体または捕捉剤にコンジュゲートされた帯電物質に対して逆帯電されている帯電物質を含んでもよい。一般に、連結剤は、固相に固定(付着)され、結合反応を介して捕捉剤を固定する能力を有する任意の結合パートナー(好ましくは特異的)であってもよい。連結剤は、アッセイの実施の前またはアッセイの実施の間、固相物質に対する捕捉剤の間接結合を可能にする。固相は、例えば、プラスチック、誘導体化されたプラスチック、磁性金属または非磁性金属、ガラスまたはシリコンであってもよく、例えば、試験管、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップおよび当業者に公知の他の構造を含む。
ee.特異的結合
本明細書に使用されている場合、「特異的結合」または「特異的に結合する」は、第2の化学種との抗体、タンパク質またはペプチドの相互作用を指すことができ、この相互作用は、化学種における特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存し、例えば、抗体は、一般に、タンパク質以外の特異的タンパク質構造を認識し、これに結合する。抗体がエピトープ「A」に特異的である場合、標識された「A」および抗体を含有する反応において、エピトープA(または遊離の未標識A)を含有する分子の存在は、抗体に結合された標識されたAの量を減少させる。
ff.特異的結合パートナー
「特異的結合パートナー」は特異的結合対のメンバーである。特異的結合対は、化学的または物理的手段を介して互いに特異的に結合する2つの異なる分子を含む。したがって、一般的なイムノアッセイの抗原および抗体特異的結合対に加えて、他の特異的結合対は、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよび受容体分子、補因子および酵素、複数の酵素および酵素阻害剤などを含んでもよい。さらに、特異的結合対は、元の特異的結合メンバーの類似体、例えば検体類似体であるメンバーを含んでもよい。免疫反応性特異的結合メンバーには、単離されているか組換えにより生産されているかに関わらず、抗原、抗原断片ならびにモノクローナルおよびポリクローナル抗体を含む抗体ならびにこれらの複合体および断片が含まれる。
gg.ストリンジェントな条件
「ストリンジェントな条件」は、約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でフィルタが結合したDNAとのハイブリダイゼーション、続いて、約50-65℃での0.2×SSC/0.1%SDS中の1回以上の洗浄を示すために本明細書において使用されている。「高度にストリンジェントな条件下」という用語は、約45℃での6×SSC中のフィルタが結合した核酸とのハイブリダイゼーション、続いて、約68℃での0.1×SSC/0.2%SDS中の1回以上の洗浄または他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下を指す。例えば、Ausubel,F.M.ら編、1989、Current Protocols in Molecular Biology、Vol.I、Green Publishing Associates,Inc.およびJohn Wiley & Sons,Inc.、New York、6.3.1-6.3.6および2.10.3ページを参照されたい。
hh.治療する、治療しているまたは治療
「治療する」、「治療している」または「治療」は、各々、このような用語が適用される疾患またはこのような疾患の1つ以上の症状の進行を後退させる、軽減または阻害することを示すために本明細書において交換可能に使用されている。対象の状態に応じて、この用語はまた、疾患を予防することを指し、疾患の発症を予防することまたは疾患に関連する症状を予防していることを含む。治療は緊急または習慣的の様式のいずれかで実施されてもよい。この用語はまた、疾患による苦痛の前にこのような疾患に関連する疾患または症状の重症度を減少させることを指す。罹患の前の疾患の重症度のこのような予防または減少は、疾患に罹患している投与の時点ではない対象に対する本発明の抗体または医薬組成物の投与を指す。「予防している」はまた、疾患またはこのような疾患に関連する1つ以上の症状の再発を予防することを指す。「治療」および「治療的に」は、「治療している」が上記に定義されているように、治療の作用を指す。
ii.トレーサー
本明細書に使用されている場合、「トレーサー」は、フルオレセイン部分にコンジュゲートしたCys-CRGMcなどの標識にコンジュゲートした検体または検体断片を指し、標識にコンジュゲートした検体は、検体に特異的な抗体における部位について検体と効果的に競合できる。
jj.バリアント
「バリアント」は、アミノ酸の挿入、欠失または保存的置換によってアミノ酸配列と異なるが、少なくとも1つの生物活性を保持しているペプチドまたはポリペプチドを示すために本明細書において使用されている。「生物活性」の代表的な例には、特異的抗体が結合する能力または免疫応答を促進する能力が含まれる。バリアントはまた、少なくとも1つの生物活性を保持しているアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を示すために本明細書において使用されている。アミノ酸の保存的置換、すなわち、アミノ酸を類似した性質(例えば、親水性、荷電領域の程度および分布)の異なるアミノ酸に置換することは、典型的にわずかな変化を含むものとして当該技術分野において認識される。これらのわずかな変化は、当該技術分野において理解されているようにアミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することにより部分的に識別され得る。Kyteら、J.Mol.Biol.157:105-132(1982)。アミノ酸の疎水性親水性指標は、この疎水性および帯電の考慮に基づく。類似した疎水性親水性指標のアミノ酸は置換されてもよく、タンパク質機能をさらに保持できることは当該技術分野において公知である。一態様では、±2の疎水性親水性指標を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性もまた、生物学的機能を保持しているタンパク質を生じる置換を明らかにするために使用されてもよい。ペプチドに関してアミノ酸の親水性の考慮により、抗原性および免疫原性と十分に相関すると報告されている有用な評価基準である、このペプチドの最も大きい局所平均親水性の算出が可能となる。米国特許第4,554,101号は参照により完全に本明細書に組み込まれている。類似した親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該技術分野において理解されている、生物活性、例えば免疫原性を保持しているペプチドを生じ得る。置換は互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸を用いて実施されてもよい。アミノ酸の疎水性親水性指標および親水性値の両方はこのアミノ酸の特定の側鎖による影響を受ける。この観察と一致して、生物学的機能と適合するアミノ酸置換は、アミノ酸の相対的類似性、特に、疎水性、親水性、電荷、大きさおよび他の性質により表されるこれらのアミノ酸の側鎖に依存することが理解される。「バリアント」はまた、アミノ酸配列における抗RGMc抗体の対応する断片と異なるが、依然として抗原性反応であり、RGMcとの結合について抗RGMc抗体の対応する断片と競合できる抗RGMc抗体の抗原性反応断片を指すために使用され得る。「バリアント」はまた、タンパク質分解、リン酸化または他の翻訳後修飾などにより異なって処理されているが、この抗原反応性をまだ保持しているポリペプチドまたはこの断片を示すために使用されてもよい。
kk.ベクター
「ベクター」は、これが連結されている別の核酸を輸送できる核酸分子を示すために本明細書に使用されている。1つの種類のベクターは「プラスミド」であり、これは環状二本鎖DNAループを指し、この中でさらなるDNAセグメントがライゲーションされてもよい。別の種類のベクターはウイルスベクターであり、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノム内でライゲーションされてもよい。特定のベクターは、これらが導入される宿主細胞内で自己複製できる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム性哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)が、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノム内に組み込まれてもよく、それにより、宿主ゲノムと共に複製される。さらに、特定のベクターは、これらが作動可能に連結した遺伝子の発現を誘導することができる。このようなベクターは、本明細書において「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、多くの場合、プラスミドの形態である。プラスミドがベクターの最も一般的に使用されている形態であるので、「プラスミド」および「ベクター」は交換可能に使用されてもよい。しかしながら、等価機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルス)などの発現ベクターの他の形態が使用されてもよい。これに関して、ベクターのRNA型(RNAウイルスベクターを含む)もまた、本開示の状況で使用されていることが見られ得る。
本明細書における数値範囲の列挙に関して、この間にある各々の数字が、同程度の正確さで明確に意図される。例えば、6-9の範囲に関して、数字7および8が6および9に加えて意図され、6.0-7.0の範囲に関して、数字6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9および7.0が明確に意図される。
2.抗RGMc抗体
血漿中の鉄濃度および種々の組織に対する鉄の分布を直接調節する、RGMcに結合し、ヘプシジンの正常な発現を遮断する抗体が本明細書に提供されている。
a.RGMc
本明細書において以前に説明されているように、RGMcは、筋肉、網膜および門脈周囲肝細胞において発現されたグリコシルホスファチジルイノシトール(「GPI」)アンカー膜タンパク質である。RGMcは、身体における鉄恒常性を維持するためにシグナル伝達タンパク質を介してヘプシジンと共に作用する。ヘプシジンは、哺乳動物の排他的鉄輸送体である、フェロポーチンに結合することによって全身の鉄代謝を調節する小さなペプチド(20-25個のアミノ酸)である。これらの細胞はもはや鉄を血液中に放出できないので、慢性疾患の貧血(「ACD」)が一般的な結果である。フェロポーチンのヘプシジンにより誘導される分解は、300mg/l超のヘプシジン、325mg/l超のヘプシジン、350mg/l超のヘプシジン、375mg/l超のヘプシジン、400mg/l超のヘプシジン、425mg/l超のヘプシジン、450mg/l超のヘプシジンまたは475mg/l超のヘプシジンのレベルで起こり得る。
ヒト遺伝子における変異が重症の鉄過剰負荷障害、若年型ヘモクロマトーシスに関連する場合、予測される31個のアミノ酸のN末端シグナルペプチドおよび45個のアミノ酸のC末端GPI付着シグナルを有する426個のアミノ酸タンパク質である、ヒトRGMcが全身の鉄代謝に関与すると最初に提案されている。ヘプシジン発現は、肝細胞の表面上で発現した膜結合RGMcにより制御されるおよびヒト血液中に約1μg/mlの濃度で存在する可溶性RGMcにより制御される。可溶性RGMcは、マトリプターゼ-2(TMPRSS6)による膜結合RGMcの切断により生じる。RGMcの可溶性形態はBMP-6に結合し、これを隔離するので、ヘプシジン発現の誘導を防ぐ。RGMcの膜形態は反対の効果を有し、これはヘプシジン発現を増加させる。
ヒトRGMcは以下のアミノ酸配列を有し得る:
Figure 2023078174000001
ヒトRGMcは配列番号1の断片またはバリアントであってもよい。
RGMcの断片は、約5から約425個の間のアミノ酸、約10から約400個の間のアミノ酸、約50から約350個の間のアミノ酸、約100から約300個の間のアミノ酸、約150から約250個の間のアミノ酸、約200から約300個の間のアミノ酸または約75から約150個の間のアミノ酸の長さであってもよい。この断片はRGMcから連続した数のアミノ酸を含んでもよい。
RGMcの断片は以下のアミノ酸配列を有し得る:
Figure 2023078174000002
RGMc断片は配列番号2のバリアントであってもよい。
b.RGMc-認識抗体
抗体は、ヒトRGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性RGMcまたは可溶性RGMc)のバリアントまたはこれらの任意の組合せなど)に結合する抗体である。抗体は、抗RGMc抗体の断片またはこのバリアントもしくは誘導体であってもよい。抗体はポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であってもよい。抗体は、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体、完全なヒト抗体または抗体断片、例えばFab断片またはこれらの混合物であってもよい。抗体は、免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結したFv、親和性成熟した抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、完全なヒト抗体、多特異的抗体、Fab、二重特異性抗体、DVD、Fab’、二特異性抗体、F(ab’)またはFvであってもよい。抗体断片または誘導体はF(ab’)、FvまたはscFv断片を含んでもよい。抗体誘導体はペプチド模倣薬により生産されてもよい。さらに、一本鎖抗体を生産するために記載されている技術が、一本鎖抗体を生産するために当該技術分野において公知の方法に従って適応されてもよい。また、トランスジェニック動物がヒト化抗体または完全なヒト抗体を発現するために使用されてもよい。
抗体は、上記のRGMcポリペプチドまたはバリアントに存在するエピトープ(例えば、配列番号1または配列番号1のバリアントに含まれるエピトープ)を認識でき、これを特異的に結合できる。エピトープは、配列番号2または配列番号2のバリアントに含まれるエピトープであってもよい。
抗体は、好ましくは、当該技術分野において公知である抗RGMc抗体由来の異なる生物学的機能の保有により既知の抗RGMc抗体と区別できる。例えば、膜結合RGMcを認識し、これに結合することに加えて、抗体は、好ましくは、さらなる生物活性、例えば、ヘプシジン発現を増加または減少させる能力を有する。さらにまたは代替として、抗体は、RGMc-ネオゲニン相互作用および/またはRGMc-BMP-6(骨形成タンパク質6)相互作用を遮断する能力を有する。
(1)抗体結合特徴
抗体は、RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMcまたはこれらの組合せ)、この断片またはこのバリアントに免疫特異的に結合でき、少なくとも約1.0×10-3-1、少なくとも約1.0×10-4-1、少なくとも約1.0×10-5-1、少なくとも約1.0×10-6-1のkoff(またはk)を有するまたは約1.0×10-3-1から約1.0×10-6-1、約1.0×10-3-1から約1.0×10-5-1もしくは約1.0×10-3-1から約1.0×10-4-1の範囲であるkoff(またはk)を有する。断片は配列番号2であってもよい。
抗体は、RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMcまたはこれらの組合せ)、この断片またはこのバリアントに免疫特異的に結合でき、少なくとも約2.4×10-1-1、少なくとも約2.5×10-1-1、少なくとも約3.3×10-1-1、少なくとも約5.0×10-1-1、少なくとも約1.25×10-1-1、少なくとも約1.35×10-1-1、少なくとも約1.0×10-1-1、少なくとも約1.0×10-1-1のkon(またはk)を有するまたは約5.0×10-1-1から約1.0×10-1-1、約3.3×10-1-1から約1.0×10-1-1、約2.5×10-1-1から約1.25×10-1-1、約2.4×10-1-1から約1.35×10-1-1の範囲であるon(またはk)を有する。断片は配列番号2であってもよい。
(2)抗体構造
(a)可変重鎖および軽鎖領域ならびに重鎖および軽鎖CDR
抗体は、RGMc、この断片またはこのバリアントに免疫特異的に結合でき、表1に示した可変重鎖および/または可変軽鎖を含む。抗体は、RGMc、この断片またはこのバリアントに免疫特異的に結合でき、表1および/または表2にも示した重鎖または軽鎖CDR配列の1つ以上を含む。
Figure 2023078174000003
Figure 2023078174000004
Figure 2023078174000005
Figure 2023078174000006
Figure 2023078174000007
Figure 2023078174000008
Figure 2023078174000009
Figure 2023078174000010
Figure 2023078174000011
Figure 2023078174000012
Figure 2023078174000013
Figure 2023078174000014
Figure 2023078174000015
Figure 2023078174000016
表2における上記のヒト化抗体およびこれらを作製する方法は、米国特許出願公開第2010/0028340号に記載されており、この内容は参照により本明細書に組み込まれている。
表2に示したように、可変領域(VHおよびVL)CDR-H1ドメインは、配列が全て同一である。また、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3ドメインの各々は、それぞれ配列が同一である(すなわち、VH h5F9.1領域のCDR-H2ドメインは、VH h5F9.2領域のCDR-H2ドメインと同一であり、VH h5F9.2領域のCDR-H2ドメインはVH h5F9.3領域のCDR-H2ドメインと同一であるなど。VH h5F9.1領域のCDR-H3ドメインはVH h5F9.2領域のCDR-H3ドメインと同一であり、VH h5F9.2領域のCDR-H3ドメインはVH h5F9.3領域のCDR-H3ドメインと同一であるなど)。
本開示のRGMc(またはこの断片)に特異的に結合する単離された抗体は、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択される領域またはドメインを有し得る。
抗体、この断片、このバリアントまたは誘導体は、配列番号3-34の1つ以上と約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%以上の同一性を有する1つ以上のアミノ酸配列を含有してもよい。抗体またはこのバリアントまたは誘導体は、配列番号3-34の1つ以上をコードする1つ以上の核酸配列と約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%または約50%以上の同一性を有する1つ以上の核酸配列によりコードされてもよい。ポリペプチド同一性および相同性は、例えば、報告書:Wilbur,W.J.およびLipman,D.J.Proc.Natl.Acad.Sci.USA80、726-730(1983)に記載されているアルゴリズムにより決定され得る。本明細書に記載されている抗体、この断片、このバリアントまたはこの誘導体は、配列番号3-34の1つ以上をコードする核酸配列の1つ以上の相補体とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされ得る。本明細書に記載されている抗体、この断片、このバリアントまたはこの誘導体は、配列番号3-34の1つ以上をコードする核酸配列の1つ以上の相補体と高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされ得る。
c.抗体調製/生産
抗体は種々の技術のいずれかにより調製され得る。一般に、抗体が組換え体であり得る抗体の生産を可能にするために、抗体は、従来技術によるまたは適切な細菌もしくは哺乳動物細胞宿主内への抗体遺伝子、重鎖および/もしくは軽鎖のトランスフェクションによるモノクローナル抗体の生成を含む、細胞培養技術により生産され得る。「トランスフェクション」という用語の種々の形態は、原核または真核宿主細胞内への外因性DNAの導入のために一般に使用されている多種多様の技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE-デキストラントランスフェクションなどを包含することを意図する。原核または真核宿主細胞のいずれかにおいて本発明の抗体を発現することは可能であるが、真核細胞における抗体の発現が好ましく、哺乳動物宿主細胞における抗体の発現が最も好ましい。なぜなら、このような真核細胞(特に哺乳動物細胞)が、適切に折り畳まれ、免疫学的に活性な抗体を構築し、分泌する可能性が原核細胞より高いからである。
本発明の組換え抗体を発現するための例示的な哺乳動物宿主細胞には、例えば、KaufmanおよびSharp、J.Mol.Biol.、159:601-621(1982)に記載されているDHFR選択可能マーカー、NS0骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞と共に使用されるチャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(UrlaubおよびChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4216-4220(1980に記載されているdhfr-CHO細胞を含む)が含まれる。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞内に導入される場合、抗体は、宿主細胞内での抗体の発現またはより好ましくは宿主細胞が増殖する培養培地内での抗体の分泌を可能にするのに十分な時間、宿主細胞を培養することにより生産される。抗体は標準的なタンパク質精製方法を使用して培養培地から回収され得る。
宿主細胞はまた、Fab断片またはscFv分子などの機能的抗体断片を生産するために使用されてもよい。上記の手順に対する変更は本発明の範囲内であると理解される。例えば、本発明の抗体の軽鎖および/または重鎖のいずれかの機能的断片をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトすることが好適であり得る。組換えDNA技術もまた、必ずしも対象の抗原に結合することを必要としない軽鎖および重鎖のいずれかまたは両方をコードするDNAの一部または全てを除去するために使用されてもよい。このような切断型DNA分子から発現された分子もまた、本発明の抗体に包含される。さらに、一方の重鎖および一方の軽鎖が本発明の抗体(すなわちヒトRGMcに結合する)であり、他方の重鎖および軽鎖が、標準的な化学的架橋方法により本発明の抗体を第2の抗体に架橋することによってヒトRGMc以外の抗原に特異的である、二価抗体が生産されてもよい。
本発明の抗体またはこの抗原結合部分の組換え発現のための好ましい系において、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターは、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクションによりdhfr-CHO細胞内に導入される。組換え発現ベクター内で、抗体重鎖および軽鎖遺伝子は各々、遺伝子の高レベルの転写を駆動するためにCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントに作動可能に連結される。組換え発現ベクターはまた、メトトレキサート選択/増幅を使用してベクターがトランスフェクトされているCHO細胞の選択を可能にする、DHFR遺伝子を保有する。選択された形質転換体宿主細胞は抗体重鎖および軽鎖の発現を可能にするように培養され、インタクトな抗体は培養培地から回収される。標準的な分子生物技術が、組換え発現ベクターを調製するため、宿主細胞をトランスフェクトするため、形質転換体を選択するため、宿主細胞を培養するためおよび培養培地から抗体を回収するために使用される。なおさらに、本発明は、本発明の組換え抗体が合成されるまで、適切な培養培地中で本発明の宿主細胞を培養することによって本発明の組換え抗体を合成する方法を提供する。この方法は、培養培地から組換え抗体を単離することをさらに含んでもよい。
モノクローナル抗体を調製する方法は、所望の特異性を有する抗体を産生できる不死の細胞株の調製を含む。このような細胞株は免疫動物から得られた脾臓細胞から生産され得る。動物はRGMcまたはこの断片および/もしくはバリアントで免疫化され得る。例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号1もしくは配列番号2の断片または配列番号1もしくは配列番号2のバリアントのいずれかが動物を免疫化するために使用されてもよい。動物はRGMaまたはこの断片および/もしくはバリアントで免疫化されてもよい。例えば、配列番号35、配列番号36、配列番号35もしくは配列番号36の断片または配列番号35もしくは配列番号36のバリアントのいずれかが動物を免疫化するために使用されてもよい。RGMaは以下のアミノ酸配列を有し得る:
Figure 2023078174000017
RGMaは配列番号35の断片またはバリアントであってもよい。
断片は、5から425個の間のアミノ酸、10から400個の間のアミノ酸、50から350個の間のアミノ酸、100から300個の間のアミノ酸、150から250個の間のアミノ酸、200から300個の間のアミノ酸または75から150個の間のアミノ酸の長さであってもよい。断片は配列番号35から連続した数のアミノ酸を含んでもよい。
RGMaの断片は以下のアミノ酸配列を有し得る:
Figure 2023078174000018
RGMa断片は配列番号36の断片であってもよい。RGMa断片は配列番号36のバリアントであってもよい。
動物を免疫化するために使用されるペプチドは、ヒトFc、例えば、ヒト抗体の断片結晶性領域またはテール領域をコードするアミノ酸を含んでもよい。次いで脾臓細胞は、例えば、骨髄腫細胞融合パートナーとの融合により不死化されてもよい。種々の融合技術が利用されてもよい。例えば、脾臓細胞および骨髄腫細胞は、数分間、非イオン洗浄剤と混合されてもよく、次いで骨髄腫細胞ではなく、ハイブリッド細胞の増殖を支持する選択培地上に低密度で置かれてもよい。1つのこのような技術はヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン(HAT)選択を使用する。十分な時間、通常約1から2週間の後、ハイブリッドのコロニーを観察する。単一コロニーを選択し、これらの培養上清をポリペプチドに対する結合親和性について試験した。高い反応性および特異性を有するハイブリドーマが使用されてもよい。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマコロニーが増殖している上清から単離され得る。さらに、マウスなどの適切な脊椎動物宿主の腹腔内へのハイブリドーマ細胞株の注入などの種々の技術が収率を向上させるために利用されてもよい。次いでモノクローナル抗体は腹水または血液から収集され得る。汚染物質は、クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈殿および抽出などの従来技術により抗体から除去され得る。アフィニティークロマトグラフィーが抗体を精製するプロセスに使用され得る方法の一例である。
タンパク質分解酵素パパインはIgG分子を選択的に切断していくつかの断片を生じ、このうちの2つ(F(ab)断片)の各々は、インタクトな抗原結合部位を含む共有結合ヘテロダイマーを含む。酵素ペプシンはIgG分子を切断して、両方の抗原結合部位を含む、F(ab’)断片を含むいくつかの断片を与えることができる。
Fv断片は、IgMおよびまれにIgGまたはIgA免疫グロブリン分子の選択的なタンパク質分解的切断により生じ得る。Fv断片は組換え技術を使用して誘導され得る。Fv断片は、天然抗体分子の多くの抗原認識および結合能力を保持する抗原結合部位を含む非共有結合性のVH:VLヘテロ二量体を含む。
抗体、抗体断片または誘導体は、CDRに対する支持を与え、互いに対するCDRの空間的関係を規定する重鎖および軽鎖フレームワーク(「FR」)セットの間にそれぞれ介入している重鎖および軽鎖相補性決定領域(「CDR」)セットを含んでもよい。CDRセットは重鎖または軽鎖V領域の3つの超可変領域を含有してもよい。重鎖または軽鎖のN末端から開始して、これらの領域は、「CDR1」、「CDR2」および「CDR3」とそれぞれ示される。したがって、抗原結合部位は重鎖および軽鎖V領域の各々からのCDRセットを含む、6個のCDRを含んでもよい。単一のCDR(例えば、CDR1、CDR2またはCDR3)を含むポリペプチドは、「分子認識単位」と称され得る。抗原-抗体複合体の結晶学的分析により、CDRのアミノ酸残基は結合抗原との広範囲な接触に由来し、最も広範囲の抗原接触は重鎖CDR3とであることが実証されている。したがって、分子認識単位は主に抗原結合部位の特異性に関与し得る。一般に、CDR残基は直接的および最も実質的に抗原結合部位に影響を与えることに関する。
ヒト化抗体は、齧歯動物抗ヒト抗体に対する望ましくない免疫応答を最小化するように設計され得、ヒト受容者におけるこれらの部分の治療適用の持続時間および有効性を制限する。ヒト化抗体は、非ヒト源からこの中に導入される1つ以上のアミノ酸残基を有してもよい。これらの非ヒト残基は、多くの場合、典型的に可変ドメインからとられる「移入」残基と称される。ヒト化は、超可変領域配列をヒト抗体の対応する配列に置換することにより実施され得る。したがって、このような「ヒト化」抗体は、実質的にインタクトなヒト可変ドメインより少ないものが非ヒト種由来の対応する配列により置換されている、キメラ抗体である。例えば、米国特許第4,816,567号(この内容は参照により本明細書に組み込まれている。)を参照されたい。ヒト化抗体は、一部の超可変領域残基および場合により一部のFR残基が、齧歯動物抗体における類似部位からの残基により置換されるヒト抗体であってもよい。本発明の抗体のヒト化または操作は、限定されないが、米国特許第5,723,323号、同第5,976,862号、同第5,824,514号、同第5,817,483号、同第5,814,476号、同第5,763,192号、同第5,723,323号、同第5,766,886号、同第5,714,352号、同第6,204,023号、同第6,180,370号、同第5,693,762号、同第5,530,101号、同第5,585,089号、同第5,225,539号および同第4,816,567号に記載されているものなどの任意の公知の方法を使用して実施されてもよい。
ヒト化抗体は、RGMcおよび他の有益な生物学的特性に対して高い親和性を保持し得る。ヒト化抗体は、親およびヒト化配列の三次元モデルを使用して親配列および種々の概念のヒト化産物の分析のプロセスにより調製されてもよい。三次元免疫グロブリンモデルは一般に入手可能である。選択された候補免疫グロブリン配列の起こりそうな三次元立体配座構造を示し、表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示の調査により、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の可能性のある役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンのこの抗原に結合する能力に影響を与える残基の分析が可能となる。このように、FR残基は、受容者および移入配列から選択され、組合わされてもよく、それにより、RGMcに対する増加した親和性などの所望の抗体特徴が達成される。一般に、超可変領域残基は抗原結合に影響を与えることに直接的および最も実質的に関与し得る。
ヒト化の代替として、ヒト抗体(本明細書において「完全にヒト抗体」とも称される)が生成されてもよい。例えば、トランスジェニック動物(例えば、免疫化すると、内因性免疫グロブリン産物の非存在下でヒト抗体の完全なレパートリーを産生できるマウス)を生産することが可能である。例えば、キメラおよび生殖細胞変異マウスにおける抗体重鎖結合領域(JII)遺伝子のホモ接合体欠失は内因性抗体産物の完全阻害をもたらす。このような生殖細胞変異マウスにおけるヒト生殖細胞免疫グロブリン遺伝子アレイの転移は、抗原チャレンジ時にヒト抗体の産生をもたらす。ヒト化または完全にヒト抗体は、米国特許第5,770,429号、同第5,833,985号、同第5,837,243号、同第5,922,845号、同第6,017,517号、同第6,096,311号、同第6,111,166号、同第6,270,765号、同第6,303,755号、同第6,365,116号、同第6,410,690号、同第6,682,928号および同第6,984,720号(これらの各々の内容は参照により本明細書に組み込まれている。)に記載されている方法に従って調製され得る。
当該技術分野において公知の方法を使用して、例えば、Cambridge Antibody Technologies(Cambridgeshire、UK)、MorphoSys(Martinsreid/Planegg,Del.)、Biovation(Aberdeen、Scotland、UK)Biolnvent(Lund、Sweden)などの様々な販売業者から入手できる、限定されないが、ペプチドまたはタンパク質ライブラリー(例えば、限定されないが、バクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなど、ディスプレイライブラリーから組換え抗体を選択する方法を含む、必要な特異性の抗体を生産または単離する他の適切な方法が使用されてもよい。米国特許第4,704,692号、同第5,723,323号、同第5,763,192号、同第5,814,476号、同第5,817,483号、同第5,824,514号、同第5,976,862号を参照されたい。代替の方法は、当該技術分野において公知であるおよび/または本明細書に記載されている、ヒト抗体のレパートリーを産生できるトランスジェニック動物の免疫化に依存する(例えば、SCIDマウス、Nguyenら(1977)Microbiol.Immunol.41:901-907(1997);Sandhuら(1996)Crit.Rev.Biotechnol.16:95-118;Erenら(1998)Immunol.93:154-161。このような技術には、限定されないが、リボソームディスプレイ(Hanesら(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:4937-4942;Hanesら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、95:14130-14135);単一細胞抗体産生技術(例えば、選択リンパ球抗体法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号、Wenら(1987)J.Immunol.17:887-892;Babcookら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA93:7843-7848);ゲル微小液滴およびフローサイトメトリー(Powellら(1990)Biotechnol.8:333-337;One Cell Systems、(Cambridge、Mass);Grayら(1995)J.Imm.Meth.182:155-163;Kennyら(1995)Bio/Technol.13:787-790);B細胞選択(Steenbakkersら(1994)Molec.Biol.Reports 19:125-134(1994)が含まれる。
親和性成熟した抗体は、当該技術分野において公知である多くの手順のうちのいずれか1つにより生産され得る。例えば、VHおよびVLドメインシャフリングによる親和性成熟を記載しているMarksら、BioTechnology、10:779-783(1992)を参照されたい。CDRおよび/またはフレームワーク残基のランダム変異誘発は、Barbasら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA,91:3809-3813(1994);Schierら、Gene、169:147-155(1995);Yeltonら、J.Immunol.、155:1994-2004(1995);Jacksonら、J.Immunol.、154(7):3310-3319(1995);Hawkinsら、Mol.Biol.、226:889-896(1992)により記載されている。活性増強アミノ酸残基を用いた選択的変異誘発位置および接触または超変異位置における選択的変異は米国特許第6,914,128B1号に記載されている。
本発明の抗体バリアントはまた、乳中にこのような抗体を産生するヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジなどのトランスジェニック動物または哺乳動物を提供するように本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドを適切な宿主に送達することを使用して調製されてもよい。これらの方法は当該技術分野において公知であり、例えば、米国特許第5,827,690号、同第5,849,992号、同第4,873,316号、同第5,849,992号、同第5,994,616号、同第5,565,362号および同第5,304,489号に記載されている。
抗体バリアントはまた、植物部分またはこれから培養した細胞中にこのような抗体、特定の部分またはバリアントを産生するトランスジェニック植物および培養された植物細胞(例えば、限定されないが、タバコ、トウモロコシおよびウキクサ)を提供するために本発明のポリヌクレオチドを送達することにより調製されてもよい。例えば、Cramerら(1999)Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95-118およびこれに引用されている参考文献は、例えば、誘導プロモーターを使用して大量の組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉の生産を記載している。トランスジェニックトウモロコシが、他の組換え系において生産されたまたは天然源から精製された生物活性と等価の生物活性を有する、商業的な生産レベルにおいて哺乳動物タンパク質を発現させるために使用されている。例えば、Hoodら、Adv.Exp.Med.Biol.(1999)464:127-147およびこれに引用されている参考文献を参照されたい。抗体バリアントはまた、タバコ種子およびジャガイモ塊茎を含む、一本鎖抗体(scFv’s)などの抗体断片を含むトランスジェニック植物種子から大量に生産されている。例えば、Conradら(1998)Plant Mol.Biol.38:101-109およびこれに引用されている参考文献を参照されたい。したがって、本発明の抗体はまた、公知の方法に従ってトランスジェニック植物を使用して生産されてもよい。
抗体誘導体は、例えば、免疫原性を修飾するためまたは結合、親和性、オン速度(on-rate)、オフ速度(off-rate)、結合活性、特異性、半減期または任意の他の適切な特徴を減少、増強もしくは修飾するために外因性配列を付加することにより生産されてもよい。一般に、非ヒトまたはヒトCDR配列の一部または全ては維持されるが、可変および定常領域の非ヒト配列はヒトまたは他のアミノ酸と置換される。
小さな抗体断片は2つの抗原結合部位を有するダイアボディであってもよく、断片は同じポリペプチド鎖(V)において軽鎖可変ドメイン(V)に接続された重鎖可変ドメイン(V)を含む。例えば、EP404,097;WO93/11161;およびHollingerら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444-6448を参照されたい。同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、ドメインは別の鎖の相補的ドメインと対合を強いられ、2つの抗原結合部位を生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれており、親抗体の超可変領域内に挿入された1つ以上のアミノ酸および抗原に対する親抗体の結合親和性より少なくとも約2倍強い標的抗原に対する結合親和性を有する抗体バリアントを開示しているChenらによる米国特許第6,632,926号もまた参照のこと。
抗体は線形抗体であってもよい。線形抗体を作製する手順は当該技術分野において公知であり、Zapataら(1995)Protein Eng.8(10):1057-1062に記載されている。簡潔に述べると、これらの抗体は1対の抗原結合領域を形成する1対のタンデムFdセグメント(V-CH1-V-CH1)を含む。線形抗体は二重特異性または単一特異性抗体であってもよい。
抗体は、限定されないが、プロテインA精製、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む公知の方法により組換え細胞培養物から回収され、精製されてもよい。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)もまた、精製のために使用されてもよい。
抗体を検出可能または治療的に標識するのが有用であり得る。抗体をこれらの作用物質にコンジュゲートする方法は当該技術分野において公知である。例示目的のみのために、抗体は、放射性原子、発色団、フルオロフォアなどの検出可能な部分で標識されてもよい。このような標識された抗体は、インビボまたは単離された試験試料のいずれかにおいて診断技術のために使用されてもよい。抗体はまた、例えば、化学療法剤などの医薬剤または毒素にコンジュゲートされてもよい。これらは、サイトカイン、リガンド、別の抗体に連結されてもよい。抗腫瘍効果を達成するために抗体に結合するのに適した作用物質には、インターロイキン2(IL-2)および腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン;アルミニウム(III)フタロシアニンテトラスルホネート、ヘマトポルフィリンおよびフタロシアニンを含む、光線力学的治療に使用するための光増感剤;ヨウ素-131(131I)、イットリウム-90(90Y)、ビスマス-212(212Bi)、ビスマス-213(213Bi)、テクネチウム-99m(99mTc)、レニウム-186(186Re)およびレニウム-188(188Re)などの放射性核種;ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、メトトレキサート、ダウノマイシン、ネオカルチノスタチンおよびカルボプラチンなどの抗生物質;ジフテリア毒素、緑膿菌外毒素A、ブドウ球菌エンテロトキシンA、アブリン-A毒素、リシンA(脱グリコシル化したリシンAおよび天然リシンA)、TGF-アルファ毒素、中国コブラ(タイワンコブラ(naja naja atra))由来の細胞毒素およびゲロニン(植物毒素)などの細菌、植物および他の毒素;レストリクトシン(アスペルギウス・レストリクツス(Aspergillus restrictus)により産生されるリボソーム不活性化タンパク質)、サポリン(サポナリア・オフィシナリス(Saponaria officinalis)由来のリボソーム不活性化タンパク質)およびRNaseなどの植物、細菌および菌類由来のリボソーム不活性化タンパク質;チロシンキナーゼ阻害剤;ly207702(脱フッ素化プリンヌクレオシド);抗嚢胞性剤(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、毒素をコードするプラスミド、メトトレキサートなど)を含有するリポソーム;ならびに他の抗体またはF(ab)などの抗体断片が含まれる。
抗体は、配列決定され、組換えまたは合成手段により複製されてもよい。これらはまた、これらをコードするヌクレオチドの線形配列に至るまでさらに配列決定されてもよい。したがって、本発明は、単独でまたは本発明の抗体の配列をコードする上記の担体、ベクターもしくは宿主細胞と組合せてこれらのポリヌクレオチドを提供する。
ハイブリドーマ技術、選択リンパ球抗体法(SLAM)、トランスジェニック動物および組換え抗体ライブラリーの使用による抗体生産が以下により詳細に記載されている。
(1)ハイブリドーマ技術を使用した抗RGMcモノクローナル抗体
上記のように、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え体およびファージディスプレイ技術またはこれらの組合せの使用を含む当該技術分野において公知の多種多様な技術を使用して調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当該技術分野において公知であり、例えば、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual、第2版、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、1988);Hammerlingら、In Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas、(Elsevier、N.Y.、1981)に教示されているものを含むハイブリドーマ技術を使用して生産されてもよい。また、本明細書に使用されている場合、「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術により生産された抗体に限定されないことに留意されたい。「モノクローナル抗体」という用語は、任意の真核生物、原核生物またはファージクローンを含む、単一クローンに由来する抗体を指し、これが生産される方法を指すわけではない。
一実施形態では、モノクローナル抗体および抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養すること含む方法により生産される抗体を生成する方法が提供され、好ましくは、ハイブリドーマは、RGMcで免疫化された動物、例えば、ラットまたはマウスから単離された脾細胞を骨髄腫細胞と融合し、次いでRGMc(またはこの断片もしくはバリアント)に結合できる抗体を分泌するハイブリドーマクローンについての融合物から得られたハイブリドーマをスクリーニングすることにより生成される。簡潔に述べると、ラットはRGMc抗原で免疫化され得る(例えば、以下の実施例を参照のこと)。好ましい実施形態では、RGMc抗原は免疫応答を刺激するためにアジュバントと共に投与される。このようなアジュバントには、完全または不完全フロイントアジュバント、RIBI(ムラミールジペプチド)またはISCOM(免疫刺激複合体)が含まれる。このようなアジュバントは局所的沈着物中のポリペプチドを配列決定することによって急速な分散からポリペプチドを保護できるまたはこれらはマクロファージのための走化性である要因を分泌するために宿主を刺激する物質および免疫系の他の成分を含有してもよい。好ましくは、ポリペプチドが投与される場合、免疫化スケジュールは数週間にわたるポリペプチドの2回以上の投与を含むが、ポリペプチドの単回投与も使用されてもよい。
RGMc抗原による動物の免疫化後、抗体および/または抗体産生細胞は動物から得られ得る。抗RGMc抗体を含有している血清は、動物を出血させるまたは屠殺することにより動物から得られる。血清は動物から得られたままで使用されてもよく、免疫グロブリン画分は血清から得られてもよいまたは抗RGMc抗体は血清から精製されてもよい。この方法で得られた血清または免疫グロブリンはポリクローナルであるので、不均一配列の性質を有する。
一旦、免疫応答が検出されると、例えば、抗原RGMcに対する抗体特異性がラット血清において検出され、ラット脾臓が収集され、脾細胞が単離される。次いで脾細胞が、周知の技術により任意の適切な骨髄腫細胞、例えばアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、Manassas、Va.、US)から入手可能な細胞株SP20由来の細胞と融合される。ハイブリドーマが選択され、限界希釈によりクローニングされる。次いでハイブリドーマクローンは、RGMc(またはこの断片もしくはバリアント)に結合できる抗体を分泌する細胞について当該技術分野において公知の方法によりアッセイされる。一般に高レベルの抗体を含有する腹水は陽性ハイブリドーマクローンでラットを免疫化することにより生成され得る。
別の実施形態では、抗体産生不死化ハイブリドーマは免疫化動物から調製されてもよい。免疫化後、動物を屠殺し、脾臓B細胞を当該技術分野において周知のように不死化骨髄腫細胞と融合する。例えば、HarlowおよびLane、上記を参照されたい。好ましい実施形態では、骨髄腫細胞は免疫グロブリンポリペプチドを分泌しない(非分泌性細胞株)。融合および抗生物質選択後、RGMcまたはこの断片もしくはバリアントまたはRGMc(またはこの断片もしくはバリアント)を発現する細胞を使用してハイブリドーマをスクリーニングする。好ましい実施形態では、最初のスクリーニングは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)またはラジオイムノアッセイ(RIA)、好ましくはELISAを使用して実施される。ELISAスクリーニングの例は、PCT公開番号WO00/37504に提供されている。
抗RGMc抗体産生ハイブリドーマが選択され、クローニングされ、強力なハイブリドーマ増殖、高抗体産生および以下にさらに説明されている所望の抗体特徴を含む、所望の特徴についてさらにスクリーニングされる。ハイブリドーマは、同系動物、免疫系を欠く動物、例えばヌードマウスにおいてインビボにてまたはインビトロにて細胞培養物中で培養および増殖されてもよい。ハイブリドーマを選択、クローニングおよび増殖する方法は当業者に周知である。
好ましい実施形態では、ハイブリドーマは本明細書に記載されているラットハイブリドーマである。別の実施形態では、ハイブリドーマは、マウス、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシまたはウマなどの非ヒト、非ラット種において産生される。さらに別の好ましい実施形態では、ハイブリドーマは、ヒト非分泌骨髄腫が抗RGMc抗体を発現するヒト細胞と融合される、ヒトハイブリドーマである。
特異的エピトープを認識する抗体断片は公知の技術により生成され得る。例えば、FabおよびF(ab’)断片は、パパイン(2つの同一のFab断片を生産するため)またはペプシン(F(ab’)断片を生産するため)などの酵素を使用した免疫グロブリン分子のタンパク質分解的切断により生産され得る。IgG分子のF(ab’)断片は、両方の軽鎖(可変軽鎖および定常軽鎖領域を含有する)、重鎖のCH1ドメインおよび親IgG分子のジスルフィド形成ヒンジ領域を含む、より大きな(「親」)IgG分子の2つの抗原結合部位を保持する。したがって、F(ab’)断片は親IgG分子のような抗原分子を架橋できる。
(2)SLAMを使用した抗RGMcモノクローナル抗体
組換え抗体は、米国特許第5,627,052号;PCT公開番号WO92/02551;およびBabcookら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93;7843-7848(1996)に記載されているような選択リンパ球抗体法(SLAM)のような当該技術分野において参照される手順を使用して単一の単離されたリンパ球から生成され得る。この方法において、対象の抗体を分泌する単一細胞、例えば、Section I.A.1(上記)に記載されている免疫化動物のいずれか1つに由来するリンパ球は、抗原RGMc、RGMcのサブユニットまたはこの断片が、ビオチンなどのリンカーを使用してヒツジ赤血球に結合され、RGMcに対して特異性を有する抗体を分泌する単細胞を同定するために使用される、抗原特異的溶血プラークアッセイを使用してスクリーニングされる。対象の抗体分泌細胞の同定後、重鎖および軽鎖可変領域cDNAは逆転写酵素-PCR(RT-PCR)により細胞から回収され、次いでこれらの可変領域は、COSまたはCHO細胞などの哺乳動物宿主細胞中で適切な免疫グロブリン定常領域(例えば、ヒト定常領域)に関連して発現され得る。次いで、インビボで選択したリンパ球に由来する、増幅した免疫グロブリン配列をトランスフェクトした宿主細胞は、さらなる分析および例えば、RGMcに対する抗体を発現する細胞を単離するためにトランスフェクトした細胞をパニングすることによるインビトロでの選択を受け得る。増幅した免疫グロブリン配列は、インビトロ親和性成熟法などにより、インビトロでさらに操作されてもよい。例えば、PCT公開番号WO97/29131およびPCT公開番号WO00/56772を参照されたい。
(3)トランスジェニック動物を使用した抗RGMcモノクローナル抗体
抗体はまた、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部または全てを含む非ヒト動物をRGMc抗原で免疫化することにより生産され得る。一実施形態では、非ヒト動物は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の大きな断片を含み、マウス抗体産生を欠いた操作したマウス株である、XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスである。例えば、Greenら、Nature Genetics、7:13-21(1994)ならびに米国特許第5,916,771号;同第5,939,598号;同第5,985,615号;同第5,998,209号;同第6,075,181号;同第6,091,001号;同第6,114,598号;および同第6,130,364号を参照されたい。また、PCT公開番号WO91/10741;WO94/02602;WO96/34096;WO96/33735;WO98/16654;WO98/24893;WO98/50433;WO99/45031;WO99/53049;WO00/09560;およびWO00/37504を参照されたい。XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスは完全にヒト抗体の成体様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒトモノクローナル抗体を生成する。XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスは、ヒト重鎖遺伝子座およびx軽鎖遺伝子座のメガ塩基対サイズの生殖細胞構造YAC断片の導入によりほぼ80%のヒト抗体レパートリーを含有する。Mendezら、Nature Genetics、15:146-156(1997)、GreenおよびJakobovits、J.Exp.Med.、188:483-495(1998)(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれている。)を参照されたい。
(4)組換え抗体ライブラリーを使用した抗RGMcモノクローナル抗体
インビトロ方法もまた、抗体を作製するために使用されてもよく、抗体ライブラリーは所望のRGMc結合特異性を有する抗体を同定するためにスクリーニングされる。組換え抗体ライブラリーのこのようなスクリーニング方法は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,223,409号(Ladnerら);PCT公開番号WO92/18619(Kangら);PCT公開番号WO91/17271(Dowerら);PCT公開番号WO92/20791(Winterら);PCT公開番号WO92/15679(Marklandら);PCT公開番号WO93/01288(Breitlingら);PCT公開番号WO92/01047(McCaffertyら);PCT公開番号WO92/09690(Garrardら);Fuchsら、Bio/Technology、9:1369-1372(1991);Hayら、Hum.Antibod.Hybridomas、3:81-85(1992);Huseら、Science、246:1275-1281(1989);McCaffertyら、Nature、348:552-554(1990);Griffithsら、EMBO J.、12:725-734(1993);Hawkinsら、J.Mol.Biol.、226:889-896(1992);Clacksonら、Nature、352:624-628(1991);Gramら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:3576-3580(1992);Garrardら、Bio/Technology、9:1373-1377(1991);Hoogenboomら、Nucl.Acids Res.、19:4133-4137(1991);Barbasら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88:7978-7982(1991);米国特許出願公開第2003/0186374号;およびPCT公開番号WO97/29131(これらの各々の内容は参照により本明細書に組み込まれている。)に記載されている方法を含む。
組換え抗体ライブラリーはRGMcまたはRGMcの一部で免疫化した対象由来であってもよい。代替として、組換え抗体ライブラリーは、未処置の対象、すなわち、ヒトRGMcで免疫化されていないヒト対象由来のヒト抗体ライブラリーなどのRGMcで免疫化されていない対象由来であってもよい。抗体は、RGMcを認識するこれらの抗体を選択するためにヒトRGMsを含むペプチドを用いて組換え抗体ライブラリーをスクリーニングすることにより選択される。このようなスクリーニングおよび選択を行う方法は、以前の段落における参考文献に記載されているように当該技術分野において周知である。特定のKoff速度定数でヒトRGMcから解離する抗体などのRGMcに対する特定の結合親和性を有する抗体を選択するために、表面プラズモン共鳴の当該技術分野で公知の方法が所望のKoff速度定数を有する抗体を選択するために使用されてもよい。特定のIC50を有する抗体などのhRGMcについての特定の中和活性を有する抗体を選択するために、RGMc活性の阻害を評価するための当該技術分野において公知の標準的な方法が使用されてもよい。
一態様では、単離された抗体またはこの抗原結合部分はヒトRGMcに結合する。好ましくは、抗体は中和抗体である。種々の実施形態では、抗体は組換え抗体またはモノクローナル抗体である。
例えば、抗体はまた、当該技術分野において公知の種々のファージディスプレイ法を使用して生成されてもよい。ファージディスプレイ法において、機能的抗体ドメインは、これらをコードするポリヌクレオチド配列を保有するファージ粒子の表面上で表示される。このようなファージは、レパートリーまたは組合せ抗体ライブラリー(例えばヒトまたはマウス)から発現された抗原結合ドメインを表示するために利用されてもよい。対象の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、例えば、標識された抗原または固体表面もしくはビーズに結合したもしくは捕捉された抗原を使用して、抗原により選択されてもよいまたは同定されてもよい。これらの方法に使用されるファージは典型的に、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかと組換えにより融合されたFab、Fvまたはジスルフィド安定化Fv抗体ドメインを有するファージから発現されたfdおよびM13結合ドメインを含む繊維状ファージである。抗体を作製するために使用され得るファージディスプレイ法の例には、Brinkmannら、J.Immunol.Methods、182:41-50(1995);Amesら、J.Immunol.Methods、184:177-186(1995);Kettleboroughら、Eur.J.Immunol.、24:952-958(1994);Persicら、Gene、187:9-18(1997);Burtonら、Advances in Immunology、57:191-280(1994);PCT公開番号WO92/01047;WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;ならびに米国特許第5,698,426号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,580,717号;同第5,427,908号;同第5,750,753号;同第5,821,047号;同第5,571,698号;同第5,427,908号;同第5,516,637号;同第5,780,225号;同第5,658,727号;同第5,733,743号;および同第5,969,108号に開示されているものが含まれる。
上記の参考文献に記載されているように、ファージ選択後、ファージ由来の抗体コード領域は、ヒト抗体または任意の他の所望の抗原結合断片を含む全抗体を生成するために単離され、使用され、例えば、以下に詳細に記載されているように哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含む任意の所望の宿主中で発現されてもよい。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)断片を組換えにより生産する技術はまた、PCT公開番号WO92/22324;Mullinaxら、BioTechniques、12(6):864-869(1992);Sawaiら、Am.J.Reprod.Immunol.、34:26-34(1995);およびBetterら、Science、240:1041-1043(1988)に開示されているものなどの当該技術分野において公知の方法を使用して利用されてもよい。一本鎖Fvsおよび抗体を生産するために使用され得る技術の例には、米国特許第4,946,778号および第5,258,498号;Hustonら、Methods in Enzymology、203:46-88(1991);Shuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:7995-7999(1993);ならびにSkerraら、Science、240:1038-1041(1988)に記載されているものが含まれる。
ファージディスプレイによる組換え抗体ライブラリーのスクリーニングに対する代替として、大きな組合せライブラリーをスクリーニングするための当該技術分野において公知の他の方法が抗体の同定に適用されてもよい。1つの種類の代替発現系は、PCT公開番号WO98/31700(SzostakおよびRoberts)ならびにRobertsおよびSzostak、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:12297-12302(1997)に記載されているように、組換え抗体ライブラリーがRNA-タンパク質融合物として発現されたものである。この系において、共有結合性の融合物が、mRNAと、これがこれらの3’末端にてピューロマイシン、ペプチジルアクセプター抗生物質を保有する合成mRNAのインビトロ翻訳によりコードするペプチドまたはタンパク質との間で作製される。したがって、特異的mRNAは、コードされたペプチドまたはタンパク質、例えば、二重特異性抗原に対する抗体またはこの部分の結合などの抗体またはこの断片の特性に基づいてmRNA(例えば、組合せライブラリー)の複合混合物から濃縮されてもよい。このようなライブラリーのスクリーニングから回収された抗体またはこの部分をコードする核酸配列は、上記の組換え手段により(例えば、哺乳動物宿主細胞中で)発現されてもよく、さらに、変異が元の選択された配列内に導入されているmRNA-ペプチド融合物のスクリーニングの追加ラウンドまたは上記の組換え抗体のインビトロでの親和性成熟に関する他の方法のいずれかによりさらなる親和性成熟に供されてもよい。この方法の好ましい例はPRO融合ディスプレイ技術である。
別のアプローチにおいて、抗体はまた、当該技術分野において公知の酵母ディスプレイ法を使用して生成されてもよい。酵母ディスプレイ法において、遺伝学的法が抗体ドメインを酵母細胞壁に拘束するために使用され、酵母の表面上にこれらを表示する。特に、このような酵母は、レパートリーまたは組合せ抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現された抗原結合ドメインを表示するために利用されてもよい。抗体を作製するために使用され得る酵母ディスプレイ法の例には、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,699,658号(Wittrupら)に開示されているものが含まれる。
(5)合成産物
一旦配列決定されると、RGMcに特異的に結合するモノクローナル抗体(またはこの断片)などのポリペプチドは、例えば、排他的固相合成、部分的固相合成、断片縮合および古典的溶液合成などの当該技術分野において公知の方法を使用して合成され得る。例えば、Merrifield、J.Am.Chem.Soc.85:2149(1963)を参照されたい。固相上で、合成は典型的にアルファ-アミノ保護樹脂を使用してペプチドのC末端端部から開始する。適切な出発物質は、例えば、必要とされるアルファ-アミノ酸をクロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂またはベンズヒドリルアミン樹脂に付着させることにより調製されてもよい。1つのこのようなクロロメチル化樹脂は、Bio Rad Laboratories(Richmond、CA)によるBIO-BEADS SX-1という商標名で販売されており、ヒドロキシメチル樹脂の調製は、Bodonszkyら、Chem.Ind.(London)38:1597(1966)に記載されている。ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂は、PiettaおよびMarshall、Chem.Comm.650(1970)に記載されており、塩酸塩形態でBeckman Instruments,Inc.(Palo Alto、CA)から商業的に利用可能である。注文に応じてペプチドを作製するサービスと同様に、自動化ペプチド合成が商業的に利用可能である。
したがって、ポリペプチドは、例えば、Gisin、Helv.Chim.Acta.56:1467(1973)に記載されている方法に従って炭酸水素セシウム触媒を用いてアルファ-アミノ保護アミノ酸をクロロメチル化樹脂に結合することにより調製されてもよい。最初の結合後、アルファ-アミノ保護基は、室温にてトリフルオロ酢酸(TFA)または塩酸(HCl)の有機溶媒中溶液を含む試薬の選択により除去される。
適切なアルファ-アミノ保護基には、ペプチドの段階的合成の分野において有用であると知られているものが含まれる。アルファ-アミノ保護基の例は、アクリルタイプ保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチルおよびアセチル)、芳香族ウレタンタイプ保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換Cbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニルおよびシクロヘキシルオキシカルボニル)およびアルキルタイプ保護基(例えば、ベンジルおよびトリフェニルメチル)である。BocおよびFmocが好ましい保護基である。側鎖保護基は、結合の間、インタクトを保持し、アミノ末端保護基の脱保護の間または結合の間、分離しない。側鎖保護基は、最後のペプチドの合成の完了時および標的ペプチドを変化させない反応条件下で除去可能でなければならない。
アルファ-アミノ保護基の除去後、残存している保護アミノ酸は所望の順序で段階的に結合される。過剰な各保護アミノ酸は一般に、溶液中、例えば、塩化メチレンおよびジメチルホルムアミド(DMF)混合物中のジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの適切なカルボキシル基活性化因子と共に使用される。
所望のアミノ酸配列が完了した後、所望のペプチドは、ペプチドを樹脂から切断するだけでなく、全ての残存側鎖保護基も切断する、TFAまたはフッ化水素(HF)などの試薬での処理により樹脂支持体から分離される。クロロメチル化樹脂が使用される場合、HF処理は遊離ペプチド酸の形成をもたらす。ベンズヒドリルアミン樹脂が使用される場合、HF処理は遊離ペプチドアミドを直接的にもたらす。代替として、クロロメチル化樹脂が利用される場合、側鎖保護ペプチドはアンモニアでのペプチド樹脂の処理により分離されて所望の側鎖保護アミドを得ることができるまたはアルキルアミンでのペプチド樹脂の処理により分離されて側鎖保護アルキルアミドもしくはジアルキルアミドを得ることができる。次いで側鎖保護はフッ化水素での処理により通常の様式で除去されて遊離アミド、アルキルアミドまたはジアルキルアミドを得ることができる。
これらおよび他の固相ペプチド合成手順は当該技術分野において周知である。このような手順はまた、StewartおよびYoung、Solid Phase Peptide Syntheses(第2版、Pierce Chemical Company、1984)に記載されている。
3.医薬組成物
抗体は、対象(例えば、ヒトまたは非ヒトであってもよい患者)への投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。典型的には、医薬組成物は、抗体および医薬として許容される担体を含む。本明細書で使用するとき、「医薬として許容される担体」には、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、被覆剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張性吸収遅延剤、および生理学的に匹敵するようなものが含まれる。医薬として許容される担体の例としては、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの1つ以上、およびこれらの組み合わせが挙げられる。多くの場合において、組成物中に等張剤、例えば、糖類、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトールまたは塩化カリウムを含むことが好ましい。医薬として許容される担体は、抗体の寿命または有効性を増大させる湿潤乳化剤、防腐剤または緩衝剤などの最小量の補助物質をさらに含んでもよい。
さらなる実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載されている障害を治療し、予防し、調節しまたは軽減するための少なくとも1つの追加の治療剤を含む。追加の治療剤は、エリスロポエチンまたは他の赤血球生成促進剤(ESA)とすることができる。追加の治療剤は、二重特異性抗体もしくは二重可変抗体などのEPO受容体を活性化する1つ以上の他の抗体、および/またはIL-6、BMP-2、BMP-4および/もしくはBMP-6に結合する1つ以上の他の抗体であってもよい。このようなヘプシジン低下化合物などの他の治療剤を使用することができる。ヘプシジン低下化合物の例としては、スピーゲルマーNOX-H94および/またはドルソモルフィンがある。
様々な送達系が公知であり、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、抗体または抗体断片を発現することができる組換え細胞、受容体によって媒介されるエンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu、J.Biol.Chem.262:4429-4432頁(1987)参照)、レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての核酸の構築物などに封入して、障害または1つ以上のその症候の治療もしくは改善に有用な1つ以上の抗体または1つ以上の抗体および予防剤もしくは治療剤の組み合わせを投与するために使用することができる。予防剤または治療剤を投与する方法には、限定されないが、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内および皮下)、硬膜外投与、腫瘍内投与および粘膜投与(例えば、鼻内および経口経路)が含まれる。さらに、例えば、吸入装置または噴霧器およびエアロゾル化剤を加えた製剤の使用によって、経肺投与を使用することができる。例えば、米国特許第6,019,968号、同第5,985,320号、同第5,985,309号、同第5,934,272号、同第5,874,064号、同第5,855,913号、同第5,290,540号および同第4,880,078号;ならびにPCT出願公開WO92/19244、WO97/32572、WO97/44013、WO98/31346およびWO99/66903を参照されたい。これらのそれぞれは参照により全体として本明細書に組み込まれる。一実施形態において、抗体、併用療法または組成物は、AlkermesAIR(登録商標)経肺薬物送達技術(Alkermes,Inc.、Cambridge、Mass.)を用いて投与される。特定の実施形態において、予防剤または治療剤は、筋肉内、静脈内、腫瘍内、経口、鼻内、経肺または皮下投与される。予防剤または治療剤は、いずれかの都合のよい経路によって、例えば、注入もしくはボーラス注射によって、上皮または粘膜皮下の裏打ち(例えば、口粘膜、直腸および腸粘膜など)を通じた吸収によって投与され得て、生物学的に活性な他の作用物質と一緒に投与され得る。投与は、全身または局所であってもよい。
特定の実施形態において、治療を必要としている部位へ局所的に抗体を投与することが望ましい場合がある;これは、限定されるものではないが、例えば、局所的注入によって、注射によって、またはインプラントの手段によって達成され得るが、前記インプラントは、シアラスチック(sialastic)メンブレン、ポリマー、線維性マトリックス(例えば、Tissuel(登録商標))またはコラーゲンマトリックスなどのメンブレンおよびマトリックスを含む多孔性または非多孔性材料である。一実施形態において、1つ以上の抗体の有効量は、障害またはその症状を予防し、治療し、管理しおよび/または軽減するために対象の罹患した部位へ局所的に投与される。別の実施形態において、1つ以上の抗体の有効量は、障害または1つ以上のその症状を予防し、治療し、管理しおよび/または軽減するために、対象の本発明の抗体以外の1つ以上の治療薬(例えば、1つ以上の予防剤または治療剤)の有効量と組み合わせて、罹患した部位へ局所的に投与される。
別の実施形態において、抗体は、調節された放出系または徐放系において送達することができる。一実施形態において、調節された放出または徐放を達成するためにポンプを使用することができる(Langer、上述;Sefton、1987、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:20;Buchwaldら、1980、Surgery 88:507;Saudekら、1989、N.Engl.J.Med.321:574参照)。別の実施形態において、治療薬の調節された放出または徐放を達成するために、ポリマー材料を使用することができる(例えば、Medical Applications of Controlled Release、Langer and Wise(編集)、CRC Pres.、Boca Raton、Fla.(1974);Controlled Drug Bioavailability、Drug Product Design and Performance、Smolen and Ball(編集)、Wiley、New York(1984);Ranger and Peppas(1983)J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61;Levyら、(1985)Science 228:190;Duringら、(1989)Ann.Neurol.25:351;Howardら、(1989)J.Neurosurg.71:105);米国特許第5,679,377号;米国特許第5,916,597号;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許第5,128,326号;PCT出願公開WO99/15154;およびPCT出願公開WO99/20253を参照されたい。)。徐放製剤中で使用されるポリマーの例には、限定されないが、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)およびポリオルトエステルが含まれる。特定の実施形態において、徐放製剤中で使用されるポリマーは、不活性であり、溶脱可能な不純物を含まず、保存時に安定であり、無菌であり、生物分解性である。さらに別の実施形態において、調節された放出系または徐放系は、予防標的または治療標的の近くに配置されて、全身投薬量の一部のみを必要とするようにすることができる(例えば、Goodson、Medical Applications of Controlled Release、上述、2:115-138頁(1984)参照)。
調節された放出系は、Langer(1990、Science 249:1527-1533頁)による概説中に論述されている。1つ以上の抗体を含む徐放製剤を作製するために、当業者に公知の任意の技術を使用することができる。例えば、米国特許第4,526,938号、PCT出願公開WO91/05548、PCT出願公開WO96/20698、Ningら、1996、「Intratumoral Radioimmunotheraphy of a Human Colon Cancer Xenograft Using a Sustained-Release Gel」、Radiotherapy & Oncology 39:179-189頁、Songら、1995、「Antibody Mediated Lung Targeting of Long-Circulating Emulsions」、PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 50:372-397頁、Cleekら、1997、「Biodegradable Polymeric Carriers for a bFGF Antibody for Cardiovascular Application」、Pro.Int’l.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.24:853-854頁、およびLamら、1997、「Microencapsulation of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody for Local Delivery」、Proc.Int’l.Symp.Control Rel.Bioact.Mater.24:759-760頁を参照されたい。これらのそれぞれは、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
組成物が抗体をコードする核酸である特定の実施形態において、適切な核酸発現ベクターの一部として、核酸を構築し、例えば、レトロウイルスベクター(米国特許第4,980,286号)の使用によって、または直接の注射によって、または微粒子照射(例えば、遺伝子銃;Biolistic、Dupont)の使用によって、核酸が細胞内となるように核酸を投与し、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくは形質移入剤で被覆し、または核内に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドに連結して核酸を投与することによって(例えば、Joliotら、1991、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1864-1868頁参照)、核酸がコードしている抗体の発現を促進するために、核酸をインビボで投与することが可能である。あるいは、相同的組換えによる発現のために、核酸を細胞内に導入し、宿主細胞DNA内に取り込むことが可能である。
医薬組成物は、その意図された投与経路と適合的であるように製剤化される。投与経路の例には、限定されないが、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口、鼻内(例えば、吸入)、経皮(例えば、局所)、経粘膜および直腸投与が含まれる。特定の実施形態において、組成物は、ヒトへの静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻内または局所投与に適合された医薬組成物として、定型的な手法に従って製剤化される。典型的には、静脈内投与のための組成物は、無菌の等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合には、組成物は、可溶化剤および注射の部位における痛みを和らげるための局所麻酔剤、例えばリグノカインも含み得る。
組成物が局所的に投与されるべき場合、組成物は、軟膏(ointment)、クリーム、経皮パッチ、ローション、ゲル、シャンプー、スプレー、エアロゾル、液剤、乳剤の形態でまたは当業者に周知の他の形態で製剤化することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、第19版、Mack Pub.Co.、Easton、Pa.(1995)を参照されたい。噴霧不能な局所剤形について、局所適用に適合性のある担体または1つ以上の賦形剤を含み、水より大きな動粘性係数を有する粘性ないし半固体または固体の形態が典型的に使用される。適切な製剤は、限定されないが、所望であれば、滅菌され、または、例えば、浸透圧などの様々な特性に影響を及ぼすための補助剤(例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、緩衝剤または塩)と混合された、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム、軟膏、散剤、リニメント剤、膏薬(salve)などを含む。他の適切な局所剤形には、例えば、固体または液体不活性担体と組み合わされた有効成分が、加圧された揮発性物質(例えば、フレオンなどの気体状噴射剤)との混合物中または搾り出し瓶中に梱包されている噴霧可能なエアロゾル調製物が含まれる。所望であれば、医薬組成物および剤形に、加湿剤または湿潤剤も添加することができる。このような追加の成分の例は、当該技術分野において周知である。
方法が組成物の鼻内投与を含む場合、組成物は、エアロゾル形態、スプレー、ミスト中に、または点鼻薬の形態で製剤化することができる。特に、本発明による使用のための予防剤または治療剤は、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切な気体)を用いて、加圧されたパックまたは噴霧器からエアロゾルスプレー提示の形態で都合よく送達することができる。加圧されたエアロゾルの場合には、投薬単位は、定量された量を送達するためのバルブを付与することによって決定され得る。化合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有する、吸入装置またはガス注入装置で使用するためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンから構成される。)を製剤化することができる。
方法が経口投与を含む場合、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、ゲルキャップ、液剤、懸濁剤などの形態で、組成物を経口的に製剤化することができる。錠剤またはカプセル剤は、従来の手段によって、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、イモデンプンまたはグリコール酸デンプンナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの、医薬として許容される賦形剤とともに調製することができる。錠剤は、当該技術分野において周知な方法によって被覆され得る。経口投与用の液体調製物は、限定されないが、液剤、シロップ剤もしくは懸濁剤の形態をとってもよく、または、使用前に、水もしくは他の適切なビヒクルを用いて構成するための乾燥製品として与えられてもよい。このような液体調製物は、慣用の手段によって、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または硬化食用脂肪);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコールまたは分画された植物油);および防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)などの医薬として許容される添加物とともに調製されてもよい。調製物は、適宜、緩衝塩、着香剤、着色剤および甘味剤も含有し得る。経口投与用調製物は、予防剤または治療剤の遅い放出、調節された放出または徐放のために、適切に製剤化され得る。
方法は、例えば、吸入装置または噴霧器の使用、エアロゾル化剤とともに製剤化された組成物の使用によって、経肺投与を含み得る。例えば、米国特許第6,019,968号、同第5,985,320号、同第5,985,309号、同第5,934,272号、同第5,874,064号、同第5,855,913号、同第5,290,540号、および同第4,880,078号;ならびにPCT出願公開WO92/19244、WO97/32572、WO97/44013、WO98/31346、およびWO99/66903を参照されたい。これらのそれぞれは参照により全体として本明細書に組み込まれる。特定の実施形態において、抗体、併用療法および/または組成物は、Alkermes AIR(登録商標)経肺薬物送達技術(Alkermes,Inc.Cambridge、Mass.)を用いて投与される。
方法は、注射による(例えば、ボーラス注射または連続的注入による)非経口投与のために製剤化された組成物の投与を含んでもよい。注射用製剤は、添加された防腐剤とともに、単位剤形で(例えば、アンプルまたはマルチドーズコンテナに入れて)与えてもよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態をとり得、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤を含み得る。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば、発熱物質を含まない無菌水)で構成するための粉末形態であってもよい。方法は、デポ調製物として製剤化された組成物の投与をさらに含んでもよい。このような長期作用製剤は、(例えば、皮下または筋肉内への)植え込みによって、または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、例えば、組成物は、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)調合されてもよい。
方法は、中性または塩形態として製剤化された組成物の投与を包含する。医薬として許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するものなどの陰イオンとともに形成された塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなど、陽イオンとともに形成された塩が含まれる。
一般的には、組成物の成分は、別個に、または単位剤形中に、例えば、活性剤の量を示した注射器またはサシェなど、密閉された容器中の凍結乾燥された乾燥粉末または無水濃縮物として、一緒に混合されて供給される。投与の様式が注入である場合、組成物は、医薬等級の無菌水または生理食塩水を含有する注入瓶を用いて分配することができる。投与の様式が注射による場合、注射用の無菌水または生理食塩水の注射器は、投与前に成分が混合され得るように提供することが可能である。
特に、抗体の1つ以上または医薬組成物は、抗体の量を示した注射器またはサシェなど、密閉された容器中に梱包することもできる。一実施形態において、抗体の1つ以上または医薬組成物は、密閉された容器中の凍結乾燥された乾燥無菌粉末または無水濃縮物として供給され、対象に投与するための適切な濃度になるように(例えば、水または生理食塩水で)再構成することができる。一実施形態において、抗体の1つ以上または医薬組成物は、少なくとも5mg、例えば、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mgまたは少なくとも100mgの単位投薬量で、密閉された容器中の凍結乾燥された乾燥無菌粉末として供給される。凍結乾燥された抗体または医薬組成物は、その元の容器中で、2℃から8℃の間で保存されるべきであり、抗体または医薬組成物は、再構成後、1週以内、例えば5日以内、72時間以内、48時間以内に、24時間以内に、12時間以内に、6時間以内に、5時間以内に、3時間以内に、または1時間以内に投与されるべきである。別の実施形態において、抗体の1つ以上または医薬組成物は、抗体の量および濃度を示す密閉された容器中に、液体形態で供給される。さらなる実施形態において、投与された組成物の液体形態は、少なくとも0.25mg/ml、例えば、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/kg、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/mlまたは少なくとも100mg/mlで、密閉された容器中に供給される。液体形態は、その元の容器中で、2℃から8℃の間で保存されるべきである。
抗体は、非経口投与に適した医薬組成物中に取り込ませることができる。一態様において、抗体は、0.1-250mg/mLの抗体を含有する注射可能溶液として調製される。注射可能溶液は、フリント容器または琥珀色の容器、注射器または予め充填されたシリンジ中の液体または凍結乾燥された剤形から構成され得る。緩衝液は、pH5.0から7.0(最適にはpH6.0)のL-ヒスチジン(1-50mM)、最適には5-10mMであり得る。他の適切な緩衝剤には、限定されないが、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムが含まれる。0-300mMの濃度に(最適には、液体剤形に対して150mM)の溶液の毒性を修飾するために、塩化ナトリウムを使用することが可能である。凍結乾燥された剤形に対して、凍結保護剤、主に、0-10%のスクロース(最適には、0.5-1.0%)を含めることができる。他の適切な凍結保護剤には、トレハロースおよびラクトースが含まれる。凍結乾燥された剤形に対して、充填剤、主に、1-10%のマニトール(最適には、2-4%)を含めることができる。液体と凍結乾燥された剤形の両方において、安定化剤、主に1-50mMのL-メチオニン(最適には、5-10mM)を使用することができる。他の適切な充填剤は、グリシンおよびアルギニンを含み、0-0.05%のポリソルベート-80(最適には、0.005-0.01%)として含めることができる。さらなる界面活性化剤には、限定されないが、ポリソルベート20およびBRIJ界面活性化剤が挙げられる。非経口投与用の注射可能な溶液として調製される抗体を含む医薬組成物は、抗体の吸収または分散を増加させるために使用されるものなど、アジュバントとして有用な作用物質をさらに含むことができる。特に有用なアジュバントは、Hylenex(登録商標)(組換えヒトヒアルロニダーゼ)などのヒアルロニダーゼである。注射可能な溶液中へのヒアルロニダーゼの添加は、非経口投与、特に皮下投与後に、ヒト生物学的利用可能性を改善する。痛みおよび不快感がより小さく、注射部位反応の発生を最小限に抑えながら、より大きな注射部位容量(すなわち、1mLより大きい)も可能である(参照により本明細書に組み込まれるPCT出願公開WO04/078140および米国特許出願第2006104968号を参照されたい)。
組成物は、様々な形態であり得る。これらには、例えば、液体液剤(例えば、注射可能な溶液および注入可能な溶液)など、分散剤または懸濁剤、錠剤、丸剤、散剤、リポソーム剤および坐剤などの、液体、半固体および固体剤形が含まれる。選択された形態は、意図される投与の様式および治療用途に依存する。組成物は、他の抗体を用いたヒトの受動免疫に対して使用される組成物と同様の組成物など、注射可能溶液または注入可能溶液の形態であり得る。一実施形態において、抗体は、静脈内注入または注射によって投与される。別の実施形態において、抗体は、筋肉内注入または皮下注射によって投与される。
治療組成物は、典型的には、製造および保存の条件下で、無菌および安定でなければならない。組成物は、液剤、ミクロエマルジョン剤、分散剤、リポソーム剤または高薬物濃度に適したその他の秩序化された構造として製剤化することができる。無菌注射可能溶液は、上記で列記されている成分の1つまたは組み合わせを加えた適切な溶媒中に、必要な量で活性な化合物(すなわち、結合タンパク質、例えば抗体)を取り込ませた後、必要に応じて、濾過滅菌を行うことによって調製することが可能である。一般的に、分散剤は、塩基性分散溶媒および上記で列記されたものから得られる必要なその他の成分を含有する無菌ビヒクル中に活性化合物を取り込ませることによって調製される。無菌注射可能溶液の調製のための凍結乾燥された無菌粉末の場合には、調製の方法は、予め滅菌濾過されたその溶液から、任意の追加の所望される成分を加えた有効成分の粉末を与える真空乾燥および粉末乾燥を含む。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆材料を使用することによって、分散液の場合に必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持することができる。注射可能組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物中に含めることによって実現することができる。
抗体は、当該技術分野で公知の様々な方法によって投与することができる。多くの治療用途において、投与経路/様式は皮下注射、静脈内注射または注入であってもよい。当業者によって理解されるように、投与の経路および/または様式は、所望される結果に応じて変動する。ある種の実施形態において、活性化合物は、インプラント、経皮パッチおよび微小封入された送達系を含む調節された放出製剤など、迅速な放出に対して化合物を保護する担体とともに調製されてもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸など、生物分解可能な生物適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤の多くの調製方法は、特許が付与されているまたは一般的に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、J.R.Robinson編集、Marcel Dekker、Inc.、New York、1978を参照されたい。
ある種の実施形態において、抗体は、例えば、不活性希釈剤または同化可能な食用担体とともに経口投与されてもよい。また、抗体(および、所望であれば、その他の成分)は、硬いもしくは軟い殻のゼラチンカプセル中に封入され、錠剤へと圧縮され、または患者の食事中に直接取り込ませてもよい。経口治療投与について、抗体は、賦形剤とともに取り込まれ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェハース剤などの形態で使用されてもよい。非経口投与以外によって抗体を投与するために、その不活化を妨げるための物質で抗体を被覆し、またはその不活化を妨げるための物質とともに抗体を同時投与することが必要である場合がある。
補助的活性化合物も、組成物中に取り込ませることができる。ある種の実施形態において、抗体は、本明細書に記載されている障害または疾患を治療するのに有用である、1つ以上のさらなる治療剤とともに共製剤化され、および/または同時投与される。例えば、抗RGMグロブロマー(globulomer)抗体は、他の標的に結合する1つ以上のさらなる抗体(例えば、他の可溶性抗原に結合する抗体または細胞表面分子に結合する抗体)とともに共製剤化され、および/または同時投与されてもよい。さらに、1つ以上の抗体は、先述の治療剤の2つ以上と組み合わせて使用されてもよい。このような併用療法は、投与される治療剤のより低い投薬量を有利に使用し得るので、様々な単独療法と関連した可能性のある毒性または合併症が回避される。
ある種の実施形態において、抗体は、当該技術分野で公知の半減期延長ビヒクルに連結される。このようなビヒクルには、限定されないが、Fcドメイン、ポリエチレングリコールおよびデキストランが含まれる。このようなビヒクルは、例えば、米国特許出願第09/428,082号およびPCT出願公開WO99/25044に記載され、これらは、この目的について参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態において、抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列は、遺伝子治療によって、障害または1つ以上のその症状を治療し、予防し、管理し、または軽減するために投与される。遺伝子治療は、発現された核酸または発現可能な核酸の、対象への投与によって実行される治療を指す。本実施形態において、核酸は、予防的効果または治療的効果を媒介する、コードされたその抗体を生産する。
当該技術分野で利用可能な遺伝子治療のための方法のいずれかを、本発明において使用することができる。遺伝子治療の方法の一般的な概説については、Goldspielら、Clinical Pharmacy 12:488-505頁、(1993);Wu and Wu、Biotherapy 3:87-95頁、(1991);Tolstoshev、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573-596頁、(1993);Mulligan、Science 260:926-932頁、(1993);およびMorgan and Anderson、Ann.Rev.Biochem.62:191-217頁(1993);May、1993、TIBTECH 11(5):155-215頁を参照されたい。使用可能な組換えDNA技術の技術分野で一般的に知られている方法は、Ausubelら(編集)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、NY(1993);Kriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual、Stockton Press、NY(1990)に記載されている。遺伝子治療の様々な方法の詳細な記述は、参照により本明細書に組み込まれるUS20050042664A1に開示されている。
組み合わせは、それらの意図される目的に対して有用な組み合わせであることをさらに理解すべきである。上述されている作用物質は、例示を目的とするものであって、限定を意図するものではない。組み合わせは、抗体および以下のリストから選択される少なくとも1つの追加の作用物質を含むことができる。また、組み合わせにおいて、形成された組成物がその意図される機能を実行することが可能であれば、組み合わせは、1種を超える追加の作用物質、例えば、2種または3種の追加の作用物質を含むこともできる。
医薬組成物は、抗体の「治療的に有効な量」または「予防的に有効な量」を含み得る。「治療的に有効な量」とは、所望の治療的結果を達成するための投薬量で、および所望の治療的結果を達成するために必要な期間にわたって有効な量を指す。抗体の治療的に有効な量は、当業者によって決定され得、個体の疾患状態、年齢、性別および体重ならびに抗体が個体内で所望の応答を惹起する能力などの因子に従って変動し得る。治療的に有効な量は、もしあれば、抗体の毒性効果または有害効果よりも、治療的に有益な効果が上回る量でもある。「予防的に有効な量」とは、所望の予防的結果を達成するために必要な投薬量で、および所望の予防的結果を達成するために必要な期間にわたって有効な量を指す。典型的には、疾患のより初期段階の前にまたは疾病のより初期段階において、予防的投薬が対象において使用されるため、予防的に有効な量は、治療的に有効な量より少ない。
投薬計画は、最適な所望の応答(例えば、治療的応答または予防的応答)を与えるように調整され得る。例えば、単一のボーラスを投与することができ、複数の分割された用量を経時的に投与することができ、または、治療状況の緊急性によって示されるように、用量を比例的に減少もしくは増加させてもよい。投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。本明細書において使用される投薬単位形態は、治療されるべき哺乳動物対象に対する統一された投薬として適した、物理的に分離された単位を指す;それぞれの単位は、必要とされる医薬としての担体とともに、所望される治療効果を生じるように計算された活性化合物の所定量を含有する。投薬単位形態に対する規格は、(a)活性化合物の特有の特徴および達成されるべき具体的な治療効果または予防効果、ならびに(b)個体における過敏症の治療用のこのような活性化合物を配合する技術分野に固有の制限によって規定され、これらに直接依存する。
抗体の治療的または予防的に有効な量に対する典型的な非限定的範囲は、0.1から200mg/kg、例えば0.1から10mg/kgの用量である。抗体の治療的または予防的に有効な量は、1から200mg/kg、10から200mg/kg、20から200mg/kg、50から200mg/kg、75から200mg/kg、100から200mg/kg、150から200mg/kg、50から100mg/kg、5から10mg/kg、または1から10mg/kgであってもよい。緩和されるべき状態の種類および重症度に応じて、投薬量の値が変化し得ることに留意すべきである。さらに、抗体の用量は当業者によって決定され得て、個体の疾患状態、年齢、性別および体重ならびに抗体が個体内で所望の応答を惹起する能力などの因子に従って変動し得る。用量は、もしあれば、抗体の毒性効果または有害効果よりも、治療的に有益な効果が上回る量でもある。いずれかの具体的な対象に対して、個体の要求に従って、組成物の投与を行いまたは監督している者の専門的判断に従って、特異的投薬計画を経時的に調整すべきこと、および、本明細書に記載されている投薬量の範囲は典型的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載されている組成物の範囲または実施に限定することを意図したものではないことをさらに理解すべきである。
4.鉄代謝を治療、予防、調節または軽減するための方法
いずれかの対象において、対象が、当該技術分野において公知の定型的な技術を用いて、鉄代謝関連障害を有するかどうかについて評価されてもよい(例えば、このような評価には、ヘモグロビンレベル、赤血球カウント、網状赤血球カウント、血清フェリチン、血清鉄、飽和血清トランスフェリン、血清ヘプシジン、血清RGMなどを決定するために1つ以上の試験が含まれ得る。)。対象が鉄欠乏または鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有するかどうかについて評価されてもよく、従って、この評価は、予防的療法、維持療法または調節療法などの適切な治療方針を示すことができる。参考として、血液専門医は、患者が、正常なレベルの対応するパラメータを有することを示すために、以下の参照番号を用いることができる。表2を参照されたい。
Figure 2023078174000019
したがって、本明細書において、鉄代謝の疾患を治療、予防、調節または軽減するための方法が提供される。抗体は、それを必要とする対象に投与することができる。抗体は、対象に治療的に有効な量で投与されてもよく、前記量は当業者によって容易に決定することができる。疾患を治療、予防、調節または軽減する方法は、正常な対照または較正物質中のヘプシジンのレベルと比較して、細胞または組織中のヘプシジンタンパク質のレベルを上下に調節してもよい。疾患を治療、予防、調節または軽減する方法は、正常な対照または較正物質中のヘプシジンのレベルと比較して、細胞または組織中のヘプシジンタンパク質のレベルを軽減してもよい。
a.鉄代謝の疾患
鉄代謝の疾患または障害は、鉄恒常性が対象においてひどく乱れている任意の疾患または障害であってもよい。この恒常性は、適切な血漿鉄レベルの適切な調節に依存している。鉄は、細胞への鉄送達のためのビヒクルであるトランスフェリンに結合し、血漿中を循環する。血漿トランスフェリンは、通常、鉄で約30%飽和されている。したがって、トランスフェリン飽和は、鉄消費に関与する経路からの様々なシグナルに応じて、適切な生理学的レベルで維持されなければならない。
ヘプシジンは、全身鉄フラックスを調整し、フェロポーチンに結合し、その分解を誘導することによって血漿鉄レベルを調節する。フェロポーチンが分解されるため、マクロファージおよび十二指腸腸細胞は、もはや血液中に鉄を放出することができず、結果として、トランスフェリンへの鉄輸送が減少する。したがって、正常なヘプシジン産生を乱す遺伝性障害および後天性障害は、鉄欠乏(高ヘプシジンレベル)または鉄過剰負荷(ヘプシジン欠乏)を引き起こす可能性がある。
この混乱は、鉄欠乏、鉄過剰負荷または貧血を伴う鉄過剰負荷をもたらす場合がある。この混乱はまた、慢性疾患の貧血をもたらすこともあり、ここで、この疾患を有する対象は、高レベルの血液ヘプシジンを示す。対象は、疲労、関節痛、骨または関節疾患(変形性関節症、骨粗鬆症)、関節リウマチ、炎症性腸疾患、息切れ、不整脈、肝臓障害、糖尿病、不妊症、インポテンス、うつ病、気分または精神障害、低い認知技能または神経変性疾患、ACD、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血、慢性腎臓病の貧血、赤血球生成促進剤に対する耐性、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、鉄芽球性貧血、低形成貧血、発作性夜間血色素尿症、フォンヴィレブランド病、血友病遺伝性出血性毛細血管拡張症、赤血球酵素異常症;グルコース-6リン酸脱水素酵素(G6PD)またはピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)、無トランスフェリン血症または低トランスフェリン血症、無セルロプラスミン血症または低セルロプラスミン血症、CDAII(先天性赤血球異形成貧血)(HEMPAS(酸溶血試験陽性の遺伝性多核赤芽球症)とも呼ばれる)などの疾患もしくは障害を有するまたはそのリスクがある場合がある。
肝臓におけるヘプシジンの抑制は、腹腔マクロファージ内でのフェロポーチンの発現増加と、細胞内の鉄および酸化ストレスの減少を伴い、ABCトランスポーターであるマクロファージコレステロール流出タンパク質であるABCA1とABCG1の発現増加と関連している。2011年11月5日にアクセプトされたSaeedら、Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol、32(2012年2月)を参照されたい。ヘプシジンの抑制は、脂質流出の増加および泡沫細胞形成の減少をもたらすことができるABCA1とABCG1の発現を増加させる。したがって、抗体は、それを必要とする対象に投与することができる。抗体は、治療的に有効な量で対象に投与されてもよく、ここで、泡沫細胞およびアテローム性動脈硬化症の形成を制限することができ、および/またはアテローム性動脈硬化症を治療、予防、調節または軽減することができる。抗体は、ABCトランスポーターの発現と脂質流出能力の増大をもたらすマクロファージ細胞内鉄を減少させることができる。
毛包の周期的活動は、通常、皮膚のマクロ環境において発現されるシグナル分子によって制御することができる。例えば、米国特許出願第2011/0293526号を参照されたい。その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。例えば、BMP発現は、毛髪成長と負に相関され得る。抗体は、再び成長するために再活性化される静止毛包を刺激するために使用されてもよい。抗体は、通常、皮膚のマクロ環境において発現される分子のシグナル伝達を直接的または間接的に破壊することができる。
(1)鉄欠乏
鉄代謝の疾患は、体内で鉄が非常に少ないものであり得る。例えば、血清鉄が60μg/dl以下、55μg/dl以下、50μg/dl以下、45μg/dl以下または40μg/dl以下であると判明された場合、対象は、鉄欠乏であると診断される場合がある。対象の総鉄結合能(「TIBC」)が50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%または10%よりも低い場合、鉄欠乏であると診断される場合がある。対象が、鉄欠乏でない対象と比較して、フェリチンレベルが増加している場合、鉄欠乏であると診断される場合がある。対象が、ヘモグロビンレベルが15.5、15、14.5、14、13.5、13、12.5、12、11.5、11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5または6g/dlよりも低い場合、鉄欠乏であると診断される場合がある。25%未満、20%未満、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%または7%未満のトランスフェリン飽和率は、鉄欠乏を指示することがある。対象は、上記される1つ以上の因子に基づいて、鉄欠乏症を有するものとして診断されてもよい。
成長および発育の重要なタイミングでの鉄欠乏は、早産、低出生体重児、成長および発育遅延、ならびに正常な乳児の活動および運動の遅滞をもたらす可能性がある;鉄欠乏は、学校、仕事、軍隊またはレクリエーションにおける能力不足をもたらす記憶力低下または認知能力(精神機能)低下をもたらすことがある。低知能指数は、成長の重要な時期において生じる鉄欠乏に結びついている。
鉄欠乏性貧血(「IDA」)は、対象が身体の要求を満たすために不十分な量の鉄を有している状態である。IDAは、鉄が少なすぎる対象に関連する、血液中の赤血球量の減少に起因する。IDAは、鉄が不十分なダイエットによって、または失血から生じることがある。IDAは、貧血の最も一般的な形態である。女性の約20%、妊婦の50%、男性の3%が鉄欠乏である。
鉄不応性鉄貧血(「IRIDA」)を罹患した対象は、小球性貧血を患っており、不適切に高いヘプシジンレベルのため、経口療法に反応せず、部分的に、非経口鉄に対して難治性である。IRIDAは、膜結合性RGMcを切断することによって、ヘプシジン発現を負に制御するセリンプロテアーゼをコードするマトリプターゼ-2遺伝子(TMPRSS6)における突然変異によって引き起こされる。
(2)鉄過剰負荷
鉄過剰負荷に関連する障害の例としては、慢性疲労、関節痛、腹痛、肝疾患(肝硬変、肝癌)、糖尿病、不規則な心臓リズム、心臓発作、または心不全、皮膚の色変化(青銅、灰色-灰色緑)、生理が止まる、セックスに対する関心の喪失、変形性関節症、骨粗鬆症、脱毛、肝肥大または脾臓肥大、インポテンス、不妊症、性腺機能低下症、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、うつ病、副腎機能障害、早期発症神経変性疾患、高血糖、肝酵素の上昇、および鉄の上昇(血清鉄、血清フェリチン)が挙げられる。例えば、血清鉄が、150μg/dl超、155μg/dl超、160μg/dl超、165μg/dl超または170μg/dl超であると判断された場合、対象は鉄過剰負荷と診断されることがある。対象の総鉄結合能力(「TIBC」)が50%、55%、60%、65%、70%、75%または80%を超える場合、対象は鉄欠乏と診断されることがある。対象が、鉄欠乏症でない対象と比較して、フェリチンレベルが増加した場合、対象は鉄欠乏と診断されることがある。対象が、18.5、18、17.5、17、16.5、16、15.5、15、14.5、14、13.5、13、12.5または12g/dlを超えるヘモグロビンレベルを有する場合、対象は、鉄欠乏と診断されることがある。35%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%または70%を超えるトランスフェリン飽和率は、鉄過剰負荷を指示する場合がある。対象は、上記される1つ以上の因子に基づいて、鉄過剰負荷を有するものとして診断され得る。
ヘモクロマトーシス(HH)は、生体における過剰量の鉄(鉄過剰負荷)に起因する別の疾患である。遺伝性(遺伝)ヘモクロマトーシス(HHC)は、異常な鉄代謝の遺伝性疾患である。HHCを有する個人は、非常に多くの食事による鉄を吸収する。いったん吸収されると、生体は、鉄過剰負荷を排出する効率的な方法を有さない。経時的に、これらの過剰さは、細胞に対して毒性である鉄過剰負荷の状態をもたらす。過剰な鉄が負荷された、腺および臓器、例えば、肝臓、心臓、下垂体、甲状腺、膵臓、滑膜(関節)および骨髄は、正常に機能することができない。症状は発症し、疾患が進行する。
HHCにはいくつかのタイプがある。これらには、I型またはクラシック(HHC);II型a、bまたは若年性(JHC);III型またはトランスフェリン受容体突然変異;およびIV型またはフェロポーチン突然変異が含まれる。
HHCは、肝臓および他の臓器の鉄過剰負荷をもたらす可能性がある、常染色体劣性疾患である。4つの遺伝子は、ヘモクロマトーシスに関与している:HFE(C282Y)、TfR2、ヘモジュベリン(HJV)、およびHAMP遺伝子(ヘプシジン)。疾患の劣性形態は、不適切に低いヘプシジン発現の結果であり、それによって、疾患の重症度および発症年齢は、ヘプシジン発現の程度と相関がすることがある。
遺伝性ヘモクロマトーシスの優性形態は、細胞の鉄エクスポーター、およびヘプシジン受容体であるフェロポーチンにおけるミスセンス突然変異によって引き起こされる。例えば、フェロポーチンの膜局在化または鉄をエクスポートする能力を低減させる突然変異は、正常から低い血漿鉄レベルに、マクロファージ鉄過剰負荷または保持をもたらし、いくつかの場合において鉄制限赤血球生成をもたらす。
高い血漿鉄および肝細胞の鉄の蓄積があるヘモクロマトーシスに関連した障害は、ヘプシジン耐性フェロポーチンの突然変異によって引き起こされる場合があり、それによって、ヘプシジンはフェロポーチン(C326S)に結合せず、またはフェロポーチンの内在化と分解、続くヘプシジン結合が損なわれる。
ヘプシジンレベルはまた、「鉄負荷貧血」において不適切に低い場合があり、それによって、全身の鉄が高い場合であっても、赤血球形成シグナルがヘプシジン転写を抑制する。中間型β-サラセミアは、このような貧血の一例であり、輸血非依存性の鉄過剰負荷および低いヘプシジンレベルから存在しないヘプシジンレベルによって特徴付けられる。
(3)貧血を伴う鉄過剰負荷
貧血を伴う鉄過剰負荷(IOA)は、無セルロプラスミン血症とも呼ばれ、劣性疾患であり、貧血、鉄過剰負荷および神経変性によって特徴付けることができる。障害は、銅含有フェロキシダーゼセルロプラスミンをコードする遺伝子の突然変異によって引き起こされる。無セルロプラスミン血症を患っている患者は、フェロポーチン上の変異型セルロプラスミンの安定化機能がないために、低血清ヘプシジンレベルと肝臓におけるフェロポーチン発現の減少を有する。
鉄過剰負荷は、不良な赤血球生成を伴う貧血(例えば、β-サラセミアおよび先天性赤血球異形成貧血)における死亡率と罹患率の主な原因と考えられている。これらの障害では、高レベルのエリスロポエチンは、大規模であるが不良の赤血球生成を刺激する。若年性ヘモクロマトーシスに似た重度の鉄過剰負荷は、稀であるまたは全く輸血を受けていない対象において発症する可能性があり、食事に含まれる鉄が、これらの条件下で過度に吸収されていることを示す。輸血を受けていないこれらの患者は、通常、高い血清フェリチン濃度と高い肝臓鉄過剰負荷にもかかわらず、ヘプシジンレベルが低い。不良の赤血球生成が、肝臓ヘプシジン合成を抑制し得るGDF-15のようなメディエーターを生じることが想定し得る。Ganz,T.、Blood、117:4425-33頁、2011、Hepcidin and Iron Regulation:10 Years Laterを参照されたい。
IOAは、多くの場合、環境によって引き起こされ、それによって、対象は、非常に高い生体鉄を有し、これは、慢性溶血性貧血(赤血球の早期代謝回転または破壊)を引き起こす全血輸血または血液細胞障害が原因である可能性がある。このプロセスは、ヘモクロマトーシス患者に見られるものと同様の生体鉄蓄積を引き起こすことがある。様々な環境(高い食物消費を含む)は、鉄の余剰を急速に構築させ得る。エリスロポエチン、ヘプシジンおよび/または増殖分化因子-15(GDF-15)のレベルは、IOAを有する対象を区別するために使用されてもよい。β-サラセミアでは、例えば、対象は、GDF-15レベルが劇的に上昇している。β-サラセミアを有する対象は、45,000pg/mlを超えるGDF-15、50,000pg/mlを超えるGDF-15、55,000pg/mlを超えるGDF-15、60,000pg/mlを超えるGDF-15、65,000pg/mlを超えるGDF-15、66,000pg/mlを超えるGDF-15または70,000pg/mlを超えるGDF-15を有する場合がある。例えば、β-サラセミア対象は、健常な対象における450+/-50pg/mlのレベルまたはその近傍のレベルと比較して66,000+/-9,600pg/mlでまたはその近傍のGDF-15の平均レベルを有する場合がある。ヘモグロビン中の赤血球が非常に少なく、生活を持続することができないことがあり、全血輸血は、対象が生存するために必要とされる場合がある。貧血を伴う鉄過剰負荷に関連する疾患の例としては、鎌状赤血球貧血、サラセミア、鉄芽球性貧血および酵素欠損が挙げられる。
b.対象
対象は、ヒトまたは非ヒトであってもよい哺乳動物であり得る。対象は、化学療法を受けている救急患者、外科手術から回復中の救急患者であってもよく、または感染症、癌、自己免疫疾患もしくは障害、慢性臓器疾患および/もしくは炎症、および/もしくは固形臓器移植後の臓器の慢性的拒絶のリスクがあるまたはそれらを有してもよい。感染は急性または慢性であってもよい。感染は、ウイルス性、細菌性、寄生虫性、または真菌性であってもよい。癌は、血液腫瘍または固形腫瘍などのいずれかの癌であってもよい。自己免疫疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスおよび結合組織疾患、血管炎、サルコイドーシスおよび炎症性腸疾患などのいずれかの自己免疫疾患であってもよい。慢性臓器疾患は、対象が透析を受けているまたは受けていなくてもよい、慢性腎疾患であってもよい。ウイルス感染は、B型もしくはC型肝炎ウイルス感染、またはヒト免疫不全ウイルス感染症であってもよい。疾患および障害のいずれかはACDの根本的な原因であり得る。外科的手術は、手術中または手術後であってもよい。外科手術は腫瘍外科手術であってもよい。
5.診断方法
本明細書において、対象が鉄関連障害を有するかどうかを決定するための方法が提供される。膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルは、対象由来の試料において測定することができ、対照試料中のRGMcレベルまたは較正物質、例えば一連の較正物質と比較してもよい。対照試料は、正常な組織または体液(例えば、全血、血清、血漿など)由来であってもよい。対照と比較してRGMcの変化したレベルは、対象が、鉄関連障害を有することを示すことができる。例えば、正常な対照中の膜結合性RGMcのレベルと比較して、膜結合性RGMcの減少したレベルは、対象が鉄過剰負荷に関連した鉄関連障害を有することを示すことができる。あるいは、正常な対照中の膜結合性RGMcのレベルと比較して、膜結合性RGMcの増加したレベルは、対象が鉄欠乏に関連した鉄関連障害を有することを示すことができる。さらに、可溶性RGMcまたはその可溶性断片の増加したレベルは、対象が鉄過剰負荷に関連した鉄関連障害を有していることを示すことができる。可溶性RGMcまたはその可溶性断片のレベルの低下は、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有していることを示すことができる。RGMc(膜結合または可溶性)のレベルは、本明細書に記載されている抗体を用いて測定することができる。
また、対象が、鉄関連障害を有するかどうかを決定するための方法は、対象から得られた1つ以上の試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルを測定することに加えて、ヘプシジンのレベルを測定することを含めてもよい。詳細には、一態様において、対象由来の試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルを測定し、対照試料中のRGMcのレベルまたは較正物質、例えば一連の較正物質と比較してもよい。膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcについての対照試料は、正常な組織または体液(例えば、全血、血清、血漿など)由来であってもよい。この方法はまた、同一試料中のヘプシジンのレベルを測定し、対照試料中のヘプシジンのレベルまたは較正物質、例えば一連の較正物質を比較することを含んでもよい。ヘプシジンについての対照試料は、正常な組織または体液(例えば、全血、血清、血漿など)由来であり得る。対照中のRGMcのレベルと比較して、RGMcの変更されたレベルは、対象が鉄関連障害を有することを示すことができる。例えば、正常対照における膜結合性RGMcと比較して、膜結合性RGMcの減少したレベルは、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示すことができる。あるいは、正常対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して、膜結合性RGMcの増加したレベルは、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示すことができる。さらに、可溶性RGMcまたはその可溶性断片の増加したレベルは、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示すことができる。可溶性RGMcまたはその可溶性断片の減少したレベルは、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示すことができる。RGMcのレベルは、本明細書に記載されている抗体を用いて測定することができる。正常対照におけるヘプシジンのレベルと比較して、ヘプシジンの改変したレベルは、対象が鉄関連障害を有することを示すことができる。例えば、正常対照におけるヘプシジンのレベルと比較して、ヘプシジンの減少したレベルは、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示すことができる。あるいは、正常対照におけるヘプシジンのレベルと比較して、ヘプシジンの増加したレベルは、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示すことができる。膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcとヘプシジンのレベルを測定する順序は重要ではない。それらは、同時にまたは任意の順序で逐次的に測定することができる。さらに、膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcおよびヘプシジンのレベルは、同じ反応容器中でまたは異なる反応容器内で測定することができる。別の態様において、膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcおよびヘプシジンのレベルは、対象由来の同じ試料において決定されなくてもよい。例えば、膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルは、対象において得られた第1の試料中で決定することができる。ヘプシジンのレベルは、対象において得られた第2の試料中で決定することができる。あるいは、ヘプシジンのレベルは、対象から得られた第1の試料中で決定することができ、膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルは、対象から得られた第2の試料中で決定することができる。患者から得られた第1および第2の試料は、同時にまたは互いに異なる時間で得ることができる。RGMc(膜結合性または可溶性)のレベルは、本明細書に記載されている抗体を用いて測定されてもよい。
この方法は、ヘプシジンの存在、量または濃度について、試験試料をアッセイすることをさらに含んでいてもよく、ここで、(i)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料は、RGMcについてアッセイされる同じ試験試料であってもよく、または(ii)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料は、RGMcについてアッセイされる試験試料とは異なる試験試料であるが、ヘプシジンについてアッセイされる試験試料源とRGMcについてアッセイされる試験試料源は同じである。試験試料、または複数の試験試料は、本明細書に記載され、当該技術分野において公知の同じタイプの方法または異なるタイプの方法を用いて、同時にまたはいずれかの順番で逐次的にRGMcおよびヘプシジンについてアッセイされる。あるいは、この方法は、ヘプシジンの存在、量または濃度について試験試料のアッセイの結果を用いることをさらに含むことができ、ここで、(i)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料は、RGMcについてアッセイされる同じ試験試料であり、または(ii)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料は、RGMcについてアッセイされる試験試料とは異なる試験試料であるが、ヘプシジンについてアッセイされる試験試料源とRGMcについてアッセイされる試験試料源は同じである。この点に関して、その結果が上記方法の状況で使用された、ヘプシジンについての試験試料のアッセイは、RGMcについての試験試料のアッセイ時間の前後のいずれかにおいて、異なる時間点、例えば、数時間(例えば12時間)、1日、2日、3日、1週間、2週間、3週間またはさらには1カ月で行われてもよいが、ただし、結果は、なおも典型的であり、信頼できるものとみなされることを条件とする。ヘプシジンについての試験試料のアッセイは、ヘプシジン-25の存在、量または濃度の決定を可能にすることが好ましい場合がある。例えば、血漿試料、血清試料または尿試料などの試料は、例えば、TOF-MSと内部標準を用いて、ヘプシジン-25についてアッセイすることができる。
ヘプシジンのレベルは、当該技術分野において公知のヘプシジン抗体、例えば、ABCAM(登録商標)(Cambridge、MA)およびBACHEM(登録商標)(Torrance、CA)から市販されるもの、例えば、ヘプシジン-25抗体を用いて測定されてもよい。試料中のヘプシジンのレベルは、本明細書に記載されている様々なフォーマット(例えば、イムノアッセイ)を用いて決定することができる。
本明細書に記載されているいずれかの方法によって決定されるヘプシジンのレベルおよびRGMcのレベルは、鉄関連障害の存在を示すために比較されてもよい。例えば、正常対照における膜結合性RGMcとヘプシジンの比率とは異なる試験試料における膜結合性RGMcとヘプシジンの比率は、試験試料が由来する対象が、鉄関連障害を有することを示すことができる。例えば、正常対照における可溶性RGMcとヘプシジンの比率と比較して、試験試料における可溶性RGMcとヘプシジンの増加した比率は、試験試料が由来する対象が、鉄過剰負荷などの鉄関連障害を有することを示すことができる。正常対照における可溶性RGMcとヘプシジンの比率と比較して、試験試料における膜結合性RGMcとヘプシジンの減少した比率は、試験試料が由来する対象が、鉄欠乏などの鉄関連障害を有することを示すことができる。
a.試料
試料は、対象の任意の組織試料であってもよい。試料は、対象のタンパク質を含んでもよい。
任意の細胞型、組織または体液は、試料を得るために利用することができる。このような細胞型、組織および体液は、組織の切片、例えば、生検試料および剖検試料、組織学的な目的で採取された凍結切片、血液(例えば、全血)、血漿、血清、痰、便、涙、粘液、唾液、毛髪および皮膚を含んでもよい。細胞型および組織はまた、リンパ液、腹水液(ascetic fluid)、婦人科液、尿、血清、血漿、腹水(peritoneal fluid)、脳脊髄液、膣リンスによって回収された流体または膣洗浄によって回収された流体を含むことができる。組織または細胞型は、動物由来の細胞の試料を除くことによって設けてもよいが、(例えば、別のヒトによって、別の時間に、および/または別の目的のために単離された)従前に単離された細胞を用いることによって達成されてもよい。保存(archival)組織、例えば処置または予後履歴を有する組織もまた使用されてもよい。タンパク質精製を必要としなくてもよい。
尿、血液、血清および血漿ならびに他の体液を回収、取り扱いおよび処理するための当該技術分野において公知の方法は、本開示の実施において、例えば、免疫診断試薬としておよび/またはRGMcイムノアッセイキットにおいて、本明細書において提供されている抗体を使用する場合に用いられる。試験試料は、対象とするRGMc分析物、例えば、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、受容体、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに加えて、さらなる構成成分を含むことができる。例えば、試料は、対象から得られた全血試料であり得る。試験サンプル、特に全血は、例えば前処理試薬を用いて、本明細書に記載されるイムノアッセイ前に処理されることが必要であるまたは望ましい場合がある。前処理を必要としない場合(例えば、大部分の尿試料)において、前処理は、場合により、単なる便宜のために(例えば、商用プラットフォーム上での処方の一部として)行われてもよい。試料の特性を修飾するために、対象から得られた試料または前処理後の試料を直接使用してもよい。前処理は、抽出、濃縮、干渉成分の不活性化および/または試薬の添加を含んでもよい。
前処理試薬は、本明細書に記載されているアッセイ、例えばイムノアッセイおよびキットとの使用に適した任意の試薬であり得る。前処理は、場合により、(a)1つ以上の溶媒(例えば、メタノールおよびエチレングリコール)および塩、(b)1つ以上の溶媒、塩および洗浄剤、(c)洗浄剤、または(d)洗浄剤および塩を含む。前処理試薬は、当該技術分野において公知であり、このような前処理は、例えば、Abbott TDx、AxSYM(登録商標)およびARCHITECT(登録商標)分析器(Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)でのアッセイに使用されるように、文献中に記載されているように(例えば、Yatscoffら、Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood、Clin.Chem.36:1969-1973頁(1990)およびWallemacqら、Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay:Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood and EMIT Cyclosporine Assays、Clin.Chem.45:432-435頁(1999)を参照)および/または市販されているものを使用することができる。さらに、前処理は、(前処理に関する教示について、参照により全体として組み込まれる)Abbottの米国特許第5,135,875号、欧州特許公開第0471293号および米国特許出願公開第2008/0020401号に記載されているように行うことが可能である。前処理試薬は、不均一剤または均一剤であり得る。
不均一前処理試薬を使用する場合、前処理試薬は、試料中に存在する分析物結合タンパク質(例えば、RGMc(膜結合性RGMcまたは可溶性RGMc)またはその断片に結合することができるタンパク質)を沈殿させる。このような前処理ステップは、沈殿した分析物結合タンパク質から、前処理剤を試料に添加することによって形成された混合物の上清を分離することによって、いずれもの分析物結合タンパク質を除去することを含む。このようなアッセイにおいて、任意の結合タンパク質が存在しない混合物の上清はアッセイにおいて使用され、抗体捕捉ステップへと直接進行する。
均一前処理試薬を用いる場合、このような分離ステップは存在しない。試験試料と前処理試薬の混合物全体は、RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)に対する標識された特異的結合パートナー、例えば、標識された抗RGMcモノクローナル抗体(または抗原的に反応性のその断片)と接触される。このようなアッセイに用いられる前処理試薬は、典型的には、第1の特異的結合パートナーによる捕捉前または捕捉中のいずれかにおいて、前処理された試験試料混合物中で希釈される。このような希釈にもかかわらず、ある量の前処理試薬(例えば、5Mメタノールおよび/または0.6Mエチレングリコール)は、捕捉中の試験試料混合物に依然として存在(または残存)する。
b.RGMc検出
生体試料に存在するRGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の存在または量は、当該技術分野において公知の任意の適切なアッセイを用いて容易に決定され得る。例としては、限定されないが、イムノアッセイ、例えば、サンドイッチイムノアッセイ(例えば、放射性同位体検出(ラジオイムノアッセイ(RIA)を含むモノクローナル-ポリクローナルサンドイッチイムノアッセイ)および酵素検出(酵素イムノアッセイ(EIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、Quantikine ELISAアッセイ、R&D Systems、Minneapolis、MN))、競合阻害イムノアッセイ(例えば、フォワードおよびリバース)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、酵素増幅免疫測定法(EMIT)、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)および均一化学発光アッセイなどが挙げられる。SELDIベースのイムノアッセイにおいて、対象とするRGMc(またはその断片)に特異的に結合する捕捉試薬は、予め活性化されたタンパク質チップアレイなどの質量分析プローブの表面に付着される。RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)は、バイオチップ上に特異的に捕捉され、捕捉されたRGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)は、質量分析によって検出される。あるいは、RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)は、捕捉試薬から溶出され、従来のMALDI(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化)またはSELDIによって検出することができる。化学発光微粒子イムノアッセイ、特にARCHITECT(登録商標)自動分析装置(Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)を使用するものは、好ましいイムノアッセイの一例である。他の方法には、例えば、本明細書に記載されているRGMcに対する抗体(モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、ヒト化、ヒトなど)またはその断片を用いる質量分析および免疫組織化学(例えば、組織生検からの切片を用いる)が含まれる。抗RGMc抗体およびその断片は、上記されるように製造することができる。検出の他の方法には、例えば、各々が全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,143,576号;同第6,113,855号;同第6,019,944号;同第5,985,579号;同第5,947,124号;同第5,939,272号;同第5,922,615号;同第5,885,527号;同第5,851,776号;同第5,824,799号;同第5,679,526号;同第5,525,524号;および同第5,480,792号に記載されているものが挙げられる。
(1)イムノアッセイ
RGMcおよび/またはそのペプチドもしくは断片(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)は、イムノアッセイを用いて分析されてもよい。RGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の存在または量は、本明細書に記載されている抗体を用いて、RGMcへの特異的結合を検出することによって決定することができる。例えば、抗体またはその断片は、配列番号1を含むポリペプチドまたはその断片に特異的に結合し得る。抗体またはその断片は、配列番号2を含むポリペプチドまたはその断片に特異的に結合し得る。所望であれば、本明細書に記載されている1つ以上の抗体は、市販されている1つ以上のモノクローナル/ポリクローナル抗体と組み合わせて使用することができる。このような抗体は、R&D Systems、Inc.(Minneapolis、MN)およびEnzo Life Sciences International,Inc.(Plymouth Meeting、PA)などの会社から入手可能である。
任意のイムノアッセイを利用することができる。イムノアッセイは、例えば、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、競合阻害アッセイ、例えば、フォワードまたはリバース競合阻害アッセイ、蛍光偏光アッセイ、または競合結合アッセイであってもよい。ELISAはサンドイッチELISAであってもよい。
不均一形式を使用してもよい。例えば、試験試料が対象から得られた後、第1の混合物を用意する。混合物は、RGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)について評価される試験試料および第1の特異的結合パートナーを含み、ここで、第1の特異的結合パートナーおよび試験試料に含まれる任意のRGMcは、第1の特異的結合パートナー-RGMc複合体を形成する。好ましくは、第1の特異的結合パートナーは、抗RGMc抗体またはその断片である。試験試料と第1の特異的結合パートナーが混合物を形成するために添加される順序は重要ではない。好ましくは、第1の特異的結合パートナーは固相上に固定される。(第1の特異的結合パートナーと、場合により第2の特異的結合パートナーについて)イムノアッセイにおいて使用される固相は、当該技術分野において公知の任意の固相であってもよく、限定されないが、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、足場分子、フィルム、ろ紙、ディスクおよびチップなどが挙げられる。
第1の特異的結合パートナー-RGMc複合体を含む混合物が形成された後、いずれもの未結合RGMcは、当該技術分野において公知の任意の技術を用いて複合体から除去される。例えば、未結合RGMcは洗浄によって除去され得る。しかしながら、望ましくは、第1の特異的結合パートナーは、試験試料に存在する過剰な任意のRGMcに存在し、そのため、試験試料に存在する全てのRGMcは第1の特異的結合パートナーに結合する。
いずれもの未結合RGMcが除去された後、第2の特異的結合パートナーは、第1の特異的結合パートナー-RGMc-第2の特異的結合パートナー複合体を形成するために混合物に添加される。第2の特異的結合パートナーは、好ましくは、第1の特異結合パートナーによって結合されたRGMc上のエピトープとは異なるRGMc上のエピトープに結合する抗RGMc抗体である。また、さらに好ましくは、第2の特異的結合パートナーは、上記される検出可能な標識を用いて標識されるまたはそれを含む。
固定化された抗体またはその断片の使用は、イムノアッセイに組み込むことができる。抗体は、様々な支持体、例えば、磁気またはクロマトグラフィーマトリックス粒子、アッセイプレートの表面(例えば、マイクロタイターウェル)、固体基板材料片などに固定化されてもよい。アッセイストリップは、固体支持体上のアレイ中の抗体または複数の抗体を被覆することによって調製することができる。次に、このストリップは、試験生物学的試料中に浸漬され、次に、色のついたスポットなどの測定可能なシグナルを生成させるために、洗浄ステップおよび検出ステップを通じて迅速に処理され得る。
(a)サンドイッチELISA
サンドイッチELISAは、抗体(すなわち、捕捉抗体(すなわち、少なくとも1つの捕捉抗体)と検出抗体(すなわち、少なくとも1つの検出抗体))の二層間の抗原量を測定する。捕捉抗体および検出抗体は、抗原、例えば、RGMc上の異なるエピトープに結合する。望ましくは、エピトープへの捕捉抗体の結合は、エピトープへの検出抗体の結合を妨害しない。モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかは、サンドイッチELISAにおける捕捉抗体および検出抗体として使用されてもよい。
一般に、少なくとも2つの抗体が、試験試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を分離し、定量するために使用される。詳細には、少なくとも2つの抗体は、「サンドイッチ」と呼ばれる免疫複合体を形成するRGMcまたはRGMc断片の特定のエピトープに結合する。1つ以上の抗体は、試験試料におけるRGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を捕捉するために使用することができ(これらの抗体は、しばしば、「捕捉」抗体または複数の「捕捉」抗体と呼ばれる。)、1つ以上の抗体は、サンドイッチに検出可能な(すなわち、定量可能な)標識を結合するために使用される(これらの抗体は、しばしば、「検出」抗体または複数の「検出」抗体と呼ばれる。)。サンドイッチアッセイにおいて、エピトープへの抗体の結合は、望ましくは、それぞれのエピトープに対するアッセイにおいて、任意の他の抗体の結合によって低減されない。換言すると、抗体は、RGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むと考えられる試験試料と接触された1つ以上の第1の抗体が、第2の抗体または後続の抗体によって認識されるエピトープの全てまたは一部に結合しないように選択され、それによって、RGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)に結合する1つ以上の第2の検出抗体の能力を妨害しない。
抗体は、前記イムノアッセイにおける第1の抗体として使用することができる。好ましくは、抗体は、配列番号2の少なくとも3つの隣接するアミノ酸を含むエピトープに免疫特異的に結合し、Kは4.2×10-11Mから7.4×10-13Mである。イムノアッセイは、配列番号2の少なくとも3つの隣接するアミノ酸を含むエピトープに免疫特異的に結合する第2の抗体を含んでもよく、ここで、第2の抗体が結合する隣接する3つのアミノ酸は、第1の抗体が結合する3つの隣接するアミノ酸と異なっている。
好ましい実施形態において、RGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むと考えられる試験試料は、同時にまたは逐次的に少なくとも1つの捕捉抗体(または複数の抗体)と少なくとも1つの検出抗体で接触され得る。サンドイッチアッセイフォーマットにおいて、RGMc(膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むと考えられる試験試料は、最初に、抗体-RGMc複合体の形成を可能にする条件下で、特定のエピトープに特異的に結合する少なくとも1つの捕捉抗体と接触される。1つを超える捕捉抗体を用いる場合、複数の捕捉抗体-RGMc複合体が形成される。サンドイッチアッセイにおいて、抗体、好ましくは、少なくとも1つの捕捉抗体は、試験試料中に予期されるRGMcまたはRGMc断片の最大量のモル過剰量で使用される。例えば、微粒子含有緩衝液1mLあたり約5μg/mLから約1mg/mL抗体を用いてもよい。
場合により、試験試料と少なくとも1つの第1の捕捉抗体を接触させる前に、少なくとも1つの捕捉抗体は、試験試料からの抗体-RGMc複合体の分離を促進する固体支持体に結合させることができる。当該技術分野で公知の任意の使用することのできる固体支持体には、限定されないが、ウェル、チューブまたはビーズの形態でポリマー材料からなる固体支持体が含まれる。抗体(または複数の抗体)は、吸着によって、化学的カップリング剤を用いた共有結合によってまたは当該技術分野において公知の他の手段によって固体支持体に結合させることができ、ただし、このような結合はRGMcまたはRGMc断片に結合する抗体の能力を干渉しないという条件による。さらに、必要に応じて、固体支持体は、抗体上の種々の官能基との反応を可能にするように誘導体化することができる。このような誘導体化は、特定のカップリング剤の使用を必要とし、限定されないが、例えば、無水マレイン酸、N-ヒドロキシスクシンイミドおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが挙げられる。
RGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むと考えられる試験試料を少なくとも1つの捕捉抗体と接触させた後、試験試料は、捕捉抗体(または複数の捕捉抗体)-RGMc複合体の形成を可能にするためにインキュベートされる。インキュベーションは、約4.5から約10.0のpHで、約2℃から約45℃の温度で、少なくとも約1分から約18時間の期間、約2から6分の期間または約3から4分の期間で行われてもよい。
捕捉抗体-RGMc複合体の形成後、複合体は、(捕捉抗体-RGMc-検出抗体(複数の検出抗体)複合体の形成を可能にする条件下で)少なくとも1つの検出抗体と接触される。捕捉抗体-RGMc複合体が1つを超える検出抗体と接触される場合、捕捉抗体-RGMc-検出抗体(複数の検出抗体)検出複合体が形成される。捕捉抗体と同様に、少なくとも1つの検出(および後続の)抗体を捕捉抗体-RGMc複合体と接触させた場合、上記されるものと類似した条件下でのインキュベート期間が、捕捉抗体-RGMc-検出抗体(複数の検出抗体)複合体の形成に必要とされる。好ましくは、少なくとも1つの検出抗体は、検出可能な標識を含む。検出可能な標識は、捕捉抗体-RGMc-検出抗体(複数の検出抗体)複合体の形成前に、形成と同時にまたは形成後に少なくとも1つの検出抗体に結合されてもよい。当該技術分野において公知の任意の検出可能な標識は、本明細書において検討されるように使用することができ、当該技術分野で公知である。
化学発光アッセイは、Adamczykら、Anal.Chim.Acta 579(1):61-67(2006)に記載される方法に従って行うことができる。任意の適切なアッセイフォーマットを使用することができるが、マイクロプレートケミルミノメータ(Mithras LB-940、Berthold Technologies U.S.A.、LLC、Oak Ridge、TN)は、少量の複数の試料を迅速にアッセイすることができる。ケミルミノメータは、96ウェルの黒のポリスチレン性マイクロプレート(Costar #3792)を使用する、複数の試薬インジェクターを装備することができる。それぞれの試料は、別々のウェルに添加され、続いて、使用されるアッセイのタイプによって決定される他の試薬を同時に/逐次的に添加することができる。望ましくは、アクリジニウムアリールエステルを用いた中性または塩基性溶液中での擬似塩基の形成は、例えば、酸性化によって回避される。次に、化学発光反応は、ウェルごとに記録される。この点に関して、化学発光反応を記録する時間は、部分的には、使用される試薬の添加と使用される特定のアクリジニウムとの間の遅延に依存する。
化学発光アッセイのための混合物を形成するために試験試料と特異的結合パートナーを添加する順序は重要ではない。第1の特異的結合パートナーが、アクリジニウム化合物で検出可能に標識される場合、検出可能に標識された第1の特異的結合パートナー-RGMc複合体が形成する。あるいは、第2の特異的結合パートナーが使用され、第2の特異的結合パートナーがアクリジニウム化合物で検出可能に標識される場合、検出可能に標識された第1の特異的結合パートナー-RGMc-第2の特異的結合パートナー複合体が形成する。いずれもの未結合の特異的結合パートナーは、標識されているまたは標識されていないかにかかわらず、洗浄などの当該技術分野で公知の任意の技術を用いて混合物から除去することができる。
過酸化水素は、上記されるアクリジニウム化合物の添加前に、添加と同時にまたは添加後に、混合物中においてその場で生成され、または混合物に提供もしくは供給され得る。過酸化水素は、当業者に明らかであるような多数の方法においてその場で生成され得る。
あるいは、過酸化水素源を混合物に単に添加することができる。例えば、過酸化水素源は、1つ以上の緩衝剤または過酸化水素を含むことが知られている他の溶液であってもよい。この点で、過酸化水素の溶液を単に添加することができる。
少なくとも1つの塩基溶液を試料に同時にまたは逐次的に添加すると、RGMcまたはその断片の存在の指標となる検出可能なシグナル、すなわち、化学発光シグナルが発生する。塩基溶液は、少なくとも1つの塩基を含み、10以上、好ましくは12以上のpHを有する。塩基溶液の例には、限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび炭酸水素カルシウムが含まれる。試料に添加される塩基溶液の量は、塩基溶液の濃度に依存する。使用される塩基溶液の濃度を基礎として、当業者は、試料に添加する塩基溶液の量を容易に決定することができる。
発生した化学発光シグナルは、当業者に知られている定型的な技術を用いて検出することができる。発生したシグナルの強度を基礎として、試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の量を定量することができる。詳細には、試料中のRGMcの量は、発生したシグナルの強度に比例する。存在するRGMcの量は、発生した光の量をRGMcの標準曲線と比較するまたは基準標準物質と比較することによって定量することができる。標準曲線は、既知の濃度のRGMcの連続希釈物または溶液を用いて、質量分析、重量測定法および当該技術分野において公知の他の技術によって作成することができる。
ARCHITECT(登録商標)(またはその後継品)分析器を用いる化学発光微粒子アッセイにおいて、コンジュゲート希釈物のpHは約6.0+/-0.2でなければならず、微粒子を含む緩衝液は室温(すなわち、約17から約27℃)に維持されなければならず、微粒子含有緩衝液のpHは約6.5+/-0.2でなければならず、微粒子希釈物のpHは約7.8+/-0.2でなければならない。固体は、好ましくは、約0.2%未満であり、例えば、約0.15%未満、約0.14%未満、約0.13%未満、約0.12%未満、または約0.11%未満、例えば約0.10%である。
(b)フォワード競合阻害
フォワード競争阻害フォーマットにおいて、既知濃度の標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の分注液を用いて、RGMc抗体(例えば、抗体)への結合に対して試験試料中のRGMcと競合させる。
フォワード競合アッセイにおいて、固定された抗体(例えば、抗体)は、逐次的にまたは同時に、試験試料および標識されたRGMc、RGMc断片またはRGMc改変体と接触することができる。RGMcペプチド、RGMc断片またはRGMc改変体は、抗RGMc抗体に関連して上記で検討した検出可能な標識を含む、任意の検出可能な標識で標識することができる。このアッセイにおいて、抗体は、固体支持体上に固定化することができる。あるいは、抗体は、例えば、微粒子などの固体支持体上に固定化された抗種抗体などの抗体に結合することができる。
標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)、試験試料および抗体は、サンドイッチアッセイフォーマットと関連して上記されるものに類似した条件下でインキュベートされる。次に、2つの異なる種の抗体-RGMc複合体が生成されてもよい。詳細には、生成された抗体-RGMc複合体の1つは検出可能な標識を含み、一方、他方の抗体-RGMc複合体は検出可能な標識を含まない。抗体-RGMc複合体は、必要ではないが、検出可能な標識の定量化前に、試験試料の残り部分から分離することができる。次に、抗体-RGMc複合体が試験試料の残り部分から分離されるかどうかにかかわらず、抗体-RGMc複合体中の検出可能な標識の量が定量される。次に、試験試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の濃度は、抗体-RGMc複合体における検出可能な標識の定量値と標準曲線を比較することによって決定され得る。標準曲線は、既知の濃度のRGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の連続希釈を用いて、質量分析によって、重量測定法によっておよび当該技術分野において公知の他の技術によって作成することができる。
抗体-RGMc複合体は、固体支持体、例えば、サンドイッチアッセイフォーマットに関連して上記で検討された固体支持体に抗体を結合し、次に、固体支持体との接触から試験試料の残り部分を除去することによって試験試料から分離することができる。
(c)リバース競合アッセイ
リバース競合アッセイにおいて、固定されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)は、逐次的にまたは同時に、試験試料および少なくとも1つの標識された抗体と接触され得る。好ましくは、抗体は、配列番号2の少なくとも3つのアミノ酸を含むエピトープに、またはRGMc(配列番号1)のアミノ酸5-13、5-12、5-11、5-10、5-9、5-8、5-7、6-13、6-12、6-11、6-10、6-9、6-8、7-13、7-13、7-11、7-10、7-9、8-13、8-12、8-11、8-10、9-13、9-12、9-11、10-13、10-12もしくは11-13を含むエピトープに特異的に結合する。
RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)は、固体支持体、例えば、サンドイッチアッセイフォーマットと関連して上記で検討された固体支持体に結合され得る。好ましくは、RGMc(膜結合性または可溶性)ペプチド断片は、RGMc(配列番号1)のアミノ酸5-13、5-12、5-11、5-10、5-9、5-8、5-7、6-13、6-12、6-11、6-10、6-9、6-8、7-13、7-13、7-11、7-10、7-9、8-13、8-12、8-11、8-10、9-13、9-12、9-11、10-13、10-12もしくは11-13を含む。
固定化されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)、試験試料および少なくとも1つの標識された抗体は、サンドイッチアッセイフォーマットに関連して上記されているものと類似した条件下でインキュベートされる。次に、2つの異なる種のRGMc-抗体複合体を生成する。具体的に、生成されたRGMc-抗体複合体の1つは固定され、検出可能な標識を含み、一方、他のRGMc-抗体複合体は固定化されず、検出可能な標識を含む。固定されていないRGMc-抗体複合体および試験試料の残り部分は、洗浄などの当該技術分野で公知の技術を介して固定されたRGMc-抗体複合体の存在から除去される。固定されていないRGMc-抗体複合体が除去されると、固定されたRGMc-抗体複合体中の検出可能な標識の量が定量される。次に、試験試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の濃度は、RGMc-複合体における検出可能な標識の定量値と標準曲線を比較することによって決定され得る。標準曲線は、既知の濃度のRGMcまたはRGMc断片の連続希釈物を用いて、質量分析によって、重量測定法によっておよび当該技術分野において公知の他の技術によって作成することができる。
(d)蛍光偏光
蛍光偏光アッセイにおいて、抗体またはその機能的に活性な断片は、最初に、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むと考えられる、標識されていない試験試料と接触されて、標識されていないRGMc-抗体複合体を形成してもよい。次に、標識されていないRGMc-抗体複合体は、蛍光標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体と接触される。標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)は、抗体またはその機能的に活性な断片への結合に対して、試験試料中の任意の標識されていないRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)と競合する。形成された標識されたRGMc-抗体複合体の量が決定され、試験試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の量が標準曲線を用いて決定される。
蛍光偏光アッセイにおいて用いられる抗体は、配列番号2の少なくとも3つのアミノ酸を含むエピトープに、またはRGMc(配列番号1)のアミノ酸5-13、5-12、5-11、5-10、5-9、5-8、5-7、6-13、6-12、6-11、6-10、6-9、6-8、7-13、7-13、7-11、7-10、7-9、8-13、8-12、8-11、8-10、9-13、9-12、9-11、10-13、10-12もしくは11-13を含むエピトープに特異的に結合する。
抗体、標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)および試験試料および少なくとも1つの標識された抗体は、サンドイッチイムノアッセイに関連して上記されたものと類似した条件下でインキュベートされてもよい。
あるいは、抗体またはその機能的に活性な断片は、同時に、蛍光標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)およびRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むと考えられる標識されていない試験試料と接触され、標識されたRGMc-抗体複合体と標識されていないRGMc-抗体複合体の両方を形成してもよい。形成された標識されたRGMc-抗体複合体の量が決定され、試験試料中のRGMcの量は標準曲線を用いて決定される。このイムノアッセイにおいて使用される抗体は、配列番号1もしくは2のアミノ酸配列を有するエピトープにまたはRGMc(配列番号1もしくは2)のアミノ酸5-13、5-12、5-11、5-10、5-9、5-8、5-7、6-13、6-12、6-11、6-10、6-9、6-8、7-13、7-13、7-11、7-10、7-9、8-13、8-12、8-11、8-10、9-13、9-12、9-11、10-13、10-12もしくは11-13を含むアミノ酸配列を有するエピトープに特異的に結合してもよい。
あるいは、抗体またはその機能的に活性な断片は、最初に、蛍光標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)と接触され、標識されたRGMc-抗体複合体を形成する。次に、標識されたRGMc-抗体複合体は、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むと考えられる標識されていない試験試料と接触される。試験試料中のいずれもの標識されていないRGMcは、抗体またはその機能的に活性な断片への結合に対して、標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)と競合する。形成された、標識されたRGMc-抗体複合体の量が決定され、試験試料中のRGMcの量は標準曲線を用いて決定される。このイムノアッセイにおいて使用される抗体は、RGMc(配列番号2)のアミノ酸5-13の少なくとも3つのアミノ酸を含むエピトープにまたはRGMc(配列番号1もしくは2)のアミノ酸13-20、13-19、13-18、13-17、13-16、14-20、14-19、14-18、14-17、14-16、15-20、15-19、15-18、16-20、16-19、17-24、17-23、17-22、17-21、17-20、17-19、18-24、18-23、18-22、18-21、18-20、19-24、19-23、19-22または19-21を含むエピトープに特異的に結合する。
(e)質量分析
質量分析(MS)は、単独でまたは他の方法と組み合わせて用いてもよい。他の方法には、イムノアッセイおよび特定のポリヌクレオチドを検出するために上記されるものが挙げられる。質量分析法は、1つ以上のバイオマーカーの存在および/または量を決定するために用いることができる。MS分析は、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)飛行時間型(TOF)MS分析、例えば、指向型スポットMALDI-TOFまたは液体クロマトグラフィーMALDI-TOF分析を含んでもよい。いくつかの実施形態において、MS分析は、液体クロマトグラフィー(LC)ESI-MSなどのエレクトロスプレーイオン化(ESI)MSを含む。質量分析は、市販の分光計を使用して達成することができる。生体試料中のバイオマーカーペプチドの存在および量を検出するために、MALDI-TOF MSおよびESI-MSを含むMS分析を利用する方法を用いてもよい。例えば、ガイダンス用に米国特許第6,925,389号;同第6,989,100号;および同第6,890,763号を参照されたい。これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
c.対照
対照試料または較正物質、例えば、一連の較正物質を含めることが望ましい場合がある。対照試料は、上記される対象由来の試料と同時に分析されてもよい。対象試料から得られた結果は、対照試料から得られた結果と比較することができる。標準曲線が提供され、それを用いて、生体試料についてのアッセイ結果が比較されてもよい。このような標準曲線は、アッセイユニットの関数として、すなわち、蛍光標識が用いられる場合、蛍光シグナル強度の関数としてレベルを提示する。複数のドナーから採取した試料を用いて、標準曲線は、正常組織におけるRGMcの対照レベルについて、ならびに、上述される特徴の1つ以上を有してもよいドナーから採取した組織中のRGMcの「危険に晒されている」レベルについて提供され得る。
したがって、上記の観点から、試験試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の存在、量または濃度を決定する方法が提供される。この方法は、イムノアッセイによって、例えば、少なくとも1つの抗体と少なくとも1つの検出可能な標識を用いるRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)について試験試料をアッセイすることを含み、試験試料中のRGMcの存在、量または濃度の直接的または間接的指標として検出可能な標識によって生成されたシグナルと、較正物質においてRGMcの存在、量または濃度の直接的または間接的指標として生成されたシグナルを比較することを含む。較正物質は、場合により、好ましくは、一連の較正物質の一部であり、ここで、較正物質のそれぞれは、RGMcの濃度によって、シリーズにおける他の較正物質とは異なっている。少なくとも1つの抗体の1つは、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)に特異的に結合する単離された抗体であり、ここで、抗体は、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖から選択されるドメインまたは領域を有する。
場合により、抗体は、表2に示されている配列から選択されるドメインまたは領域を有する。例えば、抗体は、(a)配列番号37のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号38のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号39のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号40のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号41のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号42のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号45のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(j)配列番号46のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(k)配列番号47のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(l)配列番号48のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(m)配列番号49のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(n)配列番号50のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(o)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(p)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(q)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(r)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(s)配列番号55のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(t)配列番号56のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(u)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(v)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(w)配列番号59のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(x)配列番号60のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(y)配列番号61のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(z)配列番号62のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(aa)配列番号63のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(bb)配列番号64のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(cc)配列番号65のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(dd)配列番号66のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ee)配列番号67のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(ff)配列番号68のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(gg)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(hh)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ii)配列番号71のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(jj)配列番号72のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(kk)配列番号73のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(ll)配列番号74のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(mm)配列番号75のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(nn)配列番号76のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(oo)配列番号77のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号79のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(pp)配列番号80のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号81のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号82のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、または(qq)配列番号77のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号79のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号80のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号81のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号82のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖から選択されるドメインまたは領域を有する。
この方法は、(i)捕捉抗体/RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)複合体を形成するように、試験試料と、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)上のエピトープに結合する少なくとも1つの捕捉抗体を接触させるステップ、(ii)捕捉抗体/RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)/検出抗体複合体を形成させるために、捕捉抗体/RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)複合体と、検出可能な標識を含み、捕捉抗体によって結合されないRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)上のエピトープに結合する少なくとも1つの検出抗体とを接触させるステップ、および(iii)(ii)において形成された捕捉抗体/RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)/検出抗体複合体における検出可能な標識によって生成されたシグナルに基づいて、試験試料中のRGMc(またはその断片)の量を決定するステップを含み得る。
あるいは、この方法は、(i)捕捉抗体/RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)複合体を形成するように、試験試料と、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)上のエピトープに結合する少なくとも1つの捕捉抗体とを接触させ、同時または逐次的に、任意の順番で、試験試料と、少なくとも1つの捕捉抗体への結合に対して試験試料中の任意のRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)と競合し得る検出可能に標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)とを接触させるステップを含み得る。試験試料中に存在する任意のRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)と検出可能な標識されたRGMcは互いに競合し、捕捉抗体/RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)複合体および捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)複合体をそれぞれ形成する。この方法は、(ii)(ii)において形成された捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)複合体における検出可能な標識によって生成されたシグナルに基づいて、試験試料におけるRGMcの存在、量または濃度を決定するステップをさらに含む。捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)複合体における検出可能な標識によって生成されたシグナルは、試験試料におけるRGMcの量または濃度に反比例する。
一実施形態において、マウス抗RGMc抗体は、固体支持体に、例えば、ヒツジ(または他の種)の抗マウスAbを介して、直接的または間接的に結合することができる。任意のRGMcは、試料中に存在し、固体支持体と接触され、マウス抗RGMc Abによって結合される。ビオチン標識ヤギ抗RGMc AbもまたRGMcに結合する。ストレプトアビジンは、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)に連結され、ヤギ抗RGMc Ab上のビオチンに結合する。o-フェニレンジアミンと接触されると、HRPOは、o-フェニレンジアミンを、橙褐色の色であり、492nmで分光光度的に測定することができる2,3-ジアミノフェナジンに変換する。
この方法は、試験試料が得られた患者の治療的/予防的処置の有効性を診断し、予測しまたは評価するステップをさらに含むことができる。この方法が、試験試料が得られた患者の治療的/予防的処置の有効性を評価するステップをさらに含む場合、該方法は、場合により、有効性を改善する必要がある患者の治療的/予防的処置を修飾するステップをさらに含む。この方法は、自動化システムまたは半自動化システムにおける使用に適合させることができる。
一般に、所定のレベルは、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)について試験試料をアッセイして得られた結果をどちらに評価するかに対するベンチマークとして用いることができる。一般に、このような比較を行う際に、所定のレベルは、分析物の存在、量または濃度が疾患、障害もしくは状態(例えば、本明細書において検討されおよび/または当該技術分野において公知である鉄過剰負荷または鉄欠乏と関連したものなどの鉄関連障害)の特定の段階もしくはエンドポイントまたは特定の臨床徴候とつながり得るまたは関連し得るように、適切な条件下で十分な回数の特定のアッセイを実行することによって得られる。典型的に、所定のレベルは、基準対象(または対象の集団)のアッセイを用いて得られる。測定されたRGMcは、その断片、その分解産物および/またはその酵素的切断産物を含み得る。
特に、疾患の進行および/または治療をモニタリングするために使用される所定のレベルに関して、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の量または濃度は、「変化していない」、「好ましい」(または「好ましいように変化している」)または「好ましくない」(または「好ましくないように変化している」)可能性がある。「上昇している」または「増加している」は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)より高いまたは別の基準レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースライン試料)より高い、試験試料における量または濃度を表す。「低下している」または「低減している」という用語は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)より低いまたは別の基準レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースライン試料)より低い、試験試料における量または濃度を表す。用語「変化している」は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)を超えてまたは別の基準レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースライン試料)を超えて変化している(増加しているまたは減少している)、試料における量または濃度を表す。
RGMcの典型的なまたは正常なレベルまたは範囲は、標準的な慣習に従って定義される。いわゆる変化したレベルまたは変化は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲または基準レベルもしくは範囲と比較して(実験エラーまたは試料の変動によって説明することが不可能である)、いずれかの正味の変化が存在する場合に起こったと見なされ得る。したがって、特定の試料において測定されるレベルは、いわゆる正常な対象から得られた類似の試料において決定されたレベルまたはレベルの範囲と比較される。この状況において、「正常な対象」は、検出可能な疾患または障害を有さない個体であり、「正常な」(「対照」と称されることもある)患者または集団は、例えばそれぞれ検出可能な疾患または障害を示さないものである。「見かけ上正常な対象」は、RGMcが評価されておらずまたは現在のところ評価中であるものである。分析物のレベルは、分析物が正常で検出不能である(例えば、正常レベルが0または正常集団の約25から約75パーセンタイルの範囲内である)が、試験試料において検出されるときならびに分析物が試験試料中に正常レベルより高く存在するときに「上昇している」と言われる。したがって、とりわけ、本開示は、本明細書において検討されおよび/または当該技術分野において公知である鉄過剰負荷または鉄欠乏と関連したものなどの鉄関連障害を有するまたは有するリスクがある対象に対してスクリーニングする方法を提供する。
一般に、所定のレベルは、ヘプシジンについて試験試料をアッセイして得られた結果をどちらに評価するかに対するベンチマークとして用いることができる。一般に、このような比較を行う際に、所定のレベルは、分析物の存在、量または濃度が疾患、障害もしくは状態(例えば、本明細書において検討されおよび/または当該技術分野において公知である鉄過剰負荷または鉄欠乏と関連したものなどの鉄関連障害)の特定の段階もしくはエンドポイントまたは特定の臨床徴候とつながり得るまたは関連し得るように、適切な条件下で十分な回数の特定のアッセイを実行することによって得られる。典型的に、所定のレベルは、基準対象(または対象の集団)のアッセイを用いて得られる。測定されたヘプシジンは、その断片、その分解産物および/またはその酵素的切断産物を含み得る。
特に、疾患の進行および/または治療をモニタリングするために使用される所定のレベルに関して、ヘプシジンの量または濃度は、「変化していない」、「好ましい」(または「好ましいように変化している」)または「好ましくない」(または「好ましくないように変化している」)可能性がある。「上昇している」または「増加している」は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)より高いまたは別の基準レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースライン試料)より高い、試験試料における量または濃度を表す。「低下している」または「低減している」という用語は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)より低いまたは別の基準レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースライン試料)より低い、試験試料における量または濃度を表す。用語「変化している」は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)を超えてまたは別の基準レベルもしくは範囲(例えば、初期のまたはベースライン試料)を超えて変化している(増加しているまたは減少している)、試料における量または濃度を表す。
ヘプシジンの典型的なまたは正常なレベルまたは範囲は、標準的な慣習に従って定義される。いわゆる変化したレベルまたは変化は、典型的なもしくは正常なレベルもしくは範囲または基準レベルもしくは範囲と比較して(実験エラーまたは試料の変動によって説明することが不可能である)、いずれかの正味の変化が存在する場合に起こったと見なされ得る。したがって、特定の試料において測定されるレベルは、いわゆる正常な対象から得られた類似の試料において決定されたレベルまたはレベルの範囲と比較される。この状況において、「正常な対象」は、検出可能な疾患または障害を有さない個体であり、「正常な」(「対照」と称されることもある)患者または集団は、例えばそれぞれ検出可能な疾患または障害を示さないものである。「見かけ上正常な対象」は、ヘプシジンが評価されておらずまたは現在のところ評価中であるものである。分析物のレベルは、分析物が正常で検出不能である(例えば、正常レベルが0または正常集団の約25から約75パーセンタイルの範囲内である。)が、試験試料において検出されるときならびに分析物が試験試料中に正常レベルより高く存在するときに「上昇している」と言われる。したがって、とりわけ、本開示は、本明細書において検討されおよび/または当該技術分野において公知である鉄過剰負荷または鉄欠乏と関連したものなどの鉄関連障害を有するまたは有するリスクがある対象に対してスクリーニングする方法を提供する。
アッセイの方法はまた、他のマーカーのアッセイおよび本明細書において検討されているものもしくは当該技術分野で公知のものを伴ってもよい。例えば、アッセイの方法は、例えば、ヘプシジン(上述される)、ネオゲニン、増殖分化因子15(GDF-15)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、インターロイキン6(IL-6)および/またはBMP-6のアッセイを含んでもよい。
本明細書に記載されている方法はまた、対象が、本明細書において検討されて、当該技術分野において公知であるものなどの鉄関連障害を有するまたはそれを発症するリスクがあるか否かを決定するために使用することもできる。詳細には、このような方法は、
(a)本明細書に記載されている方法または当該技術分野において公知である方法を使用して、対象からの試験試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の濃度または量を決定するステップ;および
(b)ステップ(a)において決定されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の濃度または量と所定のレベルとを比較するステップを含み、ここで、ステップ(a)において決定されたRGMcの濃度または量が所定のレベルに対して好ましい場合、対象は、本明細書において検討され、当該技術分野において公知である鉄関連障害を有さずまたはそのリスクがないと決定される。しかしながら、ステップ(a)において決定されたRGMcの濃度または量が所定のレベルに対して好ましくない場合、対象は、本明細書において検討され、当該技術分野において公知である鉄関連障害を有するまたはそのリスクがあると決定される。
さらに、本明細書においては、対象における疾患の進行をモニタリングする方法が提供される。最適には、この方法は、
(a)対象からの試験試料中のRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の濃度または量を決定するステップ;
(b)対象から得られた後の試験試料におけるRGMcの濃度または量を決定するステップ;および
(c)ステップ(b)において決定されたRGMcの濃度または量をステップ(a)において決定されたRGMcの濃度または量と比較するステップを含み、ここで、ステップ(b)において決定された濃度または量が、ステップ(a)において決定されたRGMcの濃度または量と比較して変化していないまたは好ましくない場合、対象における疾患は継続、進行または悪化していると決定される。比較すると、ステップ(b)において決定されたRGMcの濃度または量が、ステップ(a)において決定されたRGMcの濃度または量と比較して好ましい場合、対象における疾患は消失、退行または改善していると決定される。
場合により、この方法は、ステップ(b)において決定されたRGMcの濃度または量を、例えば、所定のレベルと比較するステップをさらに含む。さらに、場合により、この方法は、比較が、ステップ(b)において決定されたRGMcの濃度または量が、例えば、所定のレベルに対して好ましくないように変化していることを示す場合、1つ以上の医薬組成物で対象をある期間治療するステップを含む。
なおさらに、この方法は、1つ以上の医薬組成物で治療を受けている対象において治療をモニタリングするために使用することができる。詳細には、このような方法は、対象が1つ以上の医薬組成物を投与される前に対象の第1の試験試料を提供することを含む。次に、対象からの第1の試験試料におけるRGMcの濃度または量は、(例えば、本明細書に記載されている方法または当該技術分野において公知の方法を用いて)決定される。RGMcの濃度または量が決定された後、場合により、RGMcの濃度または量は、次に所定のレベルと比較される。第1の試験試料において決定されたRGMcの濃度または量が所定のレベルより低い場合、対象は1つ以上の医薬組成物で治療されない。しかしながら、第1の試験試料において決定されたRGMcの濃度または量が所定のレベルより高い場合、対象は1つ以上の医薬組成物である期間治療される。対象が1つ以上の医薬組成物で治療される期間は、当業者によって決定され得る(例えば、その期間は約7日から約2年、好ましくは約14日から約1年であってもよい。)。
1つ以上の医薬組成物での治療の経過中、次に、第2およびその後の試験試料が対象から得られる。試験試料の番号および前記試験試料が対象から得られる時期は重要ではない。例えば、第2の試験試料は、対象が1つ以上の医薬組成物を最初に投与された7日後に得ることができ、第3の試験試料は、対象が1つ以上の医薬組成物を最初に投与された2週間後に得ることができ、第4の試験試料は、対象が1つ以上の医薬組成物を最初に投与された3週間後に得ることができ、第5の試験試料は、対象が1つ以上の医薬組成物を最初に投与された4週間後に得ることができるなどである。
第2またはその後の試験試料のそれぞれが対象から得られた後、第2およびその後の試験試料において決定されるRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)の濃度または量が(例えば、本明細書に記載されている方法または当該技術分野において公知の方法を用いて)決定される。第2およびその後の試験試料のそれぞれにおいて決定されるRGMcの濃度または量は、次に、第1の試験試料(例えば、所定のレベルと元々場合により比較された試験試料)において決定されるRGMcの濃度または量と比較される。ステップ(c)において決定されたRGMcの濃度または量が、ステップ(a)において決定されたRGMcの濃度または量と比較して好ましい場合、対象における疾患は消失、退行または改善していると決定され、対象はステップ(b)の1つ以上の医薬組成物を投与され続けるべきである。しかしながら、ステップ(c)において決定された濃度または量が、ステップ(a)において決定されたRGMcの濃度または量と比較して変化していないまたは好ましくない場合、対象における疾患は継続、進行または悪化していると決定され、対象はステップ(b)において対象に投与されたより高い濃度の1つ以上の医薬組成物で治療されるべきでありまたは対象はステップ(b)において対象に投与された1つ以上の医薬組成物と異なる1つ以上の医薬組成物で治療されるべきである。詳細には、対象は、対象が前記対象のRGMcレベルを減少または低下させるために以前に受けていた1つ以上の医薬組成物と異なる1つ以上の医薬組成物で治療することができる。
一般に、反復試験が行われ得るアッセイ(例えば、疾患進行および/または治療に対する応答のモニタリング)の場合、第2およびその後の試験試料は、第1の試験試料が対象から得られた後のある時期に得られる。詳細には、対象の第2の試験試料は、第1の試験試料が対象から得られた数分、数時間、数日、数週間または数年後に得ることができる。例えば、第2の試験試料は、対象から第1の試験試料が得られた約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年または約10.0年後の時期に対象から得ることができる。疾患の進行をモニタリングするために使用するとき、上記のアッセイは、急性状態に罹患している対象における疾患の進行をモニタリングするために使用することができる。救急状態としても知られている急性状態は、例えば心血管系または排泄系が関与する、生命を脅かす急性の疾患または他の救急医学状態を指す。典型的に、救急状態は、病院を基礎とする設備(限定されないが、救急処置室、集中治療室、外傷センターまたは他の緊急医療設備が含まれる。)における急性の医学的介入または医療補助者もしくは他の分野を基礎とする医療関係者による管理を必要とする状態を指す。救急状態については、反復モニタリングは、一般に、短い時間枠内で、すなわち、数分、数時間または数日(例えば、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、あるいは約7日)で行われ、同様に最初のアッセイは、一般に、短い時間枠内に、例えば、疾患または状態の発症の約数分、数時間または数日以内に行われる。
アッセイはまた、慢性または非急性状態に罹患している対象における疾患の進行をモニタリングするために使用することもできる。非救急または非急性状態は、例えば心血管系および/または排泄系が関与する、生命を脅かす急性の疾患または他の救急医学状態以外の状態を指す。典型的に、非急性状態は、長期または慢性の持続期間の状態を含む。非救急状態については、反復モニタリングは、一般に、長い時間枠内で、例えば、数時間、数日、数週間、数カ月または数年(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年、あるいは約10.0年)で行われ、同様に最初のアッセイは、一般に、長い時間枠内に、例えば、疾患または状態の発症の約数時間、数日、数週間、数カ月または数年以内に行われる。
さらに、上記アッセイは、対象から得られた第1の試験試料を用いて行うことができ、第1の試験試料は、尿、血清または血漿などの1つの供給源から得られる。場合により、上記アッセイは、次に、対象から得られた第2の試験試料を用いて反復することができ、第2の試験試料は、別の供給源から得られる。例えば、第1の試験試料が尿から得られた場合、第2の試験試料は、血清または血漿から得ることができる。第1の試験試料および第2の試験試料を用いたアッセイから得られた結果は、比較することができる。この比較は、対象における疾患または状態の状況を評価するために使用することができる。
さらに、本開示はまた、疾患(例えば、本明細書において検討され、当該技術分野において公知の鉄過剰負荷または鉄欠乏などの鉄関連障害)に罹患しやすいまたは罹患している対象にとって治療が有益であるかどうかを決定する方法に関する。特に、本開示は、RGMcに伴う診断方法および製品に関する。従って、本明細書に記載されている「対象における疾患の治療をモニタリングする」ための方法はまた、さらに最適には、治療の候補、例えばエリスロポエチン(EPO)を用いた治療を選択または同定することも包含し得る。
従って、特定の実施形態において、本開示はまた、本明細書において検討され、当該技術分野において公知の鉄過剰負荷または鉄欠乏などの鉄関連障害を有するまたはこれらのリスクがある対象が治療の候補であるかどうかを決定する方法も提供する。一般に、対象は、該疾患のいくつかの症状を経験している者、またはこのような疾患を有するまたはそのリスクがあると現実に診断されている者および/または本明細書に記載されているRGMcもしくはその断片の好ましくない濃度もしくは量を示す者である。
この方法は、場合により、本明細書に記載されているアッセイを含み、この場合、分析物は、1つ以上の医薬組成物を用いて(例えば、特にRGMcが関与する作用機序に関連する医薬品を用いて)、対象の治療の前後で評価され、または分析物は、このような治療後に評価され、分析物の濃度もしくは量が所定のレベルに対して比較される。治療後に観察される分析物の好ましくない濃度または量は、対象が、さらにまたは続けて治療を受けることが有益でないことを確認するが、一方、治療後に観察される分析物の好ましい濃度または量は、対象が、さらにまたは続けて治療を受けることが有益であることを確認する。この確認は、臨床研究の管理および改善された患者ケアの提供を支援する。
鉄欠乏または鉄過剰負荷などの鉄関連障害を評価するために用いられるとき、本明細書における特定の実施形態は有利であるが、アッセイおよびキットはまた、場合により、必要に応じて、他の疾患、障害または状態においてRGMcを評価するために使用することができることは言うまでもない。
アッセイの方法は、鉄欠乏または鉄過剰負荷などの鉄関連障害を軽減する化合物を同定するために使用することもできる。例えば、RGMcを発現する細胞は、候補化合物と接触させることができる。化合物と接触した細胞におけるRGMcの発現のレベルは、本明細書に記載されているアッセイの方法を用いて、対照細胞におけるレベルと比較することができる。
6.キット
本明細書において、先に本明細書に記載されている鉄関連障害を患っている対象を治療し、または鉄関連障害を有するものと対象を診断するために使用され得るキットが提供される。
患者を治療するために使用されるキットは、RGMcに特異的な抗体を含む。キットは、好ましくは、本明細書に記載されている抗体を用いて、対象を治療するための説明書を含む。キットに含まれる説明書は、梱包材に貼付されてもよく、または添付文書として含まれてもよい。説明書は、典型的には資料または印刷物であるが、それらに限定されない。このような説明書を保存し、エンドユーザーにこれらを伝えることができる任意の媒体は、この開示によって意図される。このような媒体には、限定されないが、電子記録媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが含まれる。本明細書で使用するとき、用語「説明書」は、指示を与えるインターネットサイトのアドレスを含むことができる。
また、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)について試験試料をアッセイするためのキットが提供される。キットは、RGMcについて試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)について試験試料をアッセイするための説明書を含む。少なくとも1つの成分は、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)に特異的に結合する単離された抗体を含む少なくとも1つの組成物を含む。抗体は、(i)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(iii)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(iv)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(vi)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を有してもよい。抗体は、場合により、検出可能に標識されている。
場合により、抗体は、表2に示される配列から選択されるドメインまたは領域を有してもよい。例えば、抗体は、(a)配列番号37のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号38のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号39のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号40のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号41のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号42のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号45のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(j)配列番号46のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(k)配列番号47のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(l)配列番号48のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(m)配列番号49のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(n)配列番号50のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(o)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(p)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(q)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(r)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(s)配列番号55のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(t)配列番号56のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(u)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(v)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(w)配列番号59のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(x)配列番号60のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(y)配列番号61のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(z)配列番号62のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(aa)配列番号63のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(bb)配列番号64のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(cc)配列番号65のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(dd)配列番号66のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ee)配列番号67のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(ff)配列番号68のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(gg)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(hh)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(ii)配列番号71のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(jj)配列番号72のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(kk)配列番号73のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(ll)配列番号74のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(mm)配列番号75のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(nn)配列番号76のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(oo)配列番号77のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号79のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(pp)配列番号80のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号81のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号82のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、または(qq)配列番号77のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号79のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号80のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号81のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号82のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を有してもよい。抗体は、場合により、検出可能に標識されている。
例えば、キットは、イムノアッセイ、例えば、化学発光微粒子イムノアッセイによって、RGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)について試験試料をアッセイするための説明書を含むことができる。説明書は、紙形態またはディスク、CD、DVDなどのコンピュータ読み取り可能な形態であってもよい。抗体は、RGMc捕捉抗体および/またはRGMc検出抗体であり得る。あるいはまたは加えて、キットは、較正物質または対照、例えば、精製され、場合により凍結乾燥されたRGMc(例えば、膜結合性RGMcペプチド、可溶性RGMcペプチド、膜結合性RGMcペプチドの断片、可溶性RGMcの断片、RGMc(膜結合性または可溶性RGMc)の改変体またはこれらの任意の組み合わせ)を含むことができ、および/またはアッセイを行うための少なくとも1つの容器(例えば、管、マイクロタイタープレートまたはストリップを含むことができ、これらは、抗RGMcモノクローナル抗体ですでに被覆され得て、および/またはアッセイ緩衝液もしくは洗浄緩衝液などの緩衝液を含むことができ、これらのいずれか1つは濃縮溶液として提供することができ、検出可能な標識(例えば、酵素標識)用の基質溶液または停止溶液を含み得る。好ましくは、キットは、アッセイを行うために必要なすべての成分、すなわち、試薬、標準物質、緩衝液、希釈液などを含む。また、説明書は、RGMcを定量することを目的として、標準曲線または参考標準を生成するための指示を含むことができる。
キットに提供される任意の抗体、例えば、RGMcに特異的な組換え抗体は、蛍光体、放射性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識などの検出可能な標識を取り込むことができ、またはキットは、抗体を検出するための抗体または試薬(例えば、検出抗体)を標識するための試薬、および/または分析物を検出するための分析物または試薬を標識するための試薬を含むことができる。抗体、較正物質および/または対照は、別々の容器に入れて提供することができ、または適切なアッセイフォーマットに、例えば、マイクロタイタープレートに予め分注することができる。
場合により、キットは、品質管理成分(例えば、感受性パネル、較正物質および陽性対照)を含む。品質管理試薬の調製は、当該技術分野において周知であり、様々な免疫診断製品のインサートシートに記載されている。感受性パネルのメンバーは、場合により、アッセイの性能特性を確立するために使用され、さらに場合により、イムノアッセイキット試薬の完全性およびアッセイの標準化の有用な指標となる。
キットはまた、場合により、緩衝液、塩、酵素、酵素の補因子、基質、検出試薬などの、診断アッセイを行うまたは品質管理の評価を促進するために必要な他の試薬も含んでもよい。試験試料の単離および/または処理用の緩衝液および溶液(例えば、前処理試薬)などの他の成分もキットに含まれ得る。キットは1つ以上の他の対照をさらに含んでもよい。キットの1つ以上の成分は凍結乾燥させることができ、この場合、キットは、凍結乾燥された成分の再構成に適した試薬をさらに含み得る。
キットの様々な成分は、場合により、必要に応じて適切な容器、例えばマイクロタイタープレートに入れて提供される。キットは、試料を保持または保存するための容器(例えば、血漿、血清または尿試料用の容器またはカートリッジ)をさらに含み得る。必要に応じて、キットはまた、場合により、試薬または試験試料の調製を促進する反応容器、混合容器および他の成分も含むことができる。キットはまた、シリンジ、ピペット、鉗子、計量スプーンなどの、試験試料を得ることを補助するための1つ以上の器具も含んでもよい。
検出可能な標識が少なくとも1つのアクリジニウム化合物である場合、キットは、少なくとも1つのアクリジニウム-9-カルボキサミド、少なくとも1つのアクリジニウム-9-カルボキシレートアリールエステルまたはこれらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。検出可能な標識が少なくとも1つのアクリジニウム化合物である場合、キットはまた、過酸化水素源、例えば緩衝液、溶液および/または少なくとも1つの塩基性溶液も含み得る。所望により、キットは、磁気粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、足場分子、フィルム、ろ紙、ディスクまたはチップなどの固相を含むことができる。
所望により、キットは、さらに、バイオマーカー、例えば、鉄欠乏または鉄過剰負荷などの鉄関連障害のバイオマーカーであり得る、別の分析物について試験試料をアッセイするために、1つ以上の成分を単独でまたはさらなる指示と併用して含むことができる。他の分析物の例として、限定されないが、ヘプシジン、ネオゲニン、増殖分化因子15(GDF-15)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、インターロイキン6(IL-6)および/またはBMP-6、ならびに本明細書において検討されている他の分析物およびバイオマーカーが挙げられる。ヘプシジンについて試験試料をアッセイするための1以上の成分は、ヘプシジン-25の存在、量または濃度の決定を可能にすることが好ましい場合がある。試料、例えば、血清試料、血漿試料または尿試料は、TOF-MSおよび内部標準を用いてヘプシジン-25についてアッセイされ得る。
a.キットおよび方法の適合
本明細書に記載されているイムノアッセイによって試験試料におけるRGMcの濃度を決定するキット(またはその成分)ならびに方法は、例えば、米国特許第5,089,424号および第5,006,309号に記載され、例えば、Abbott Laboratories(Abbott Park、IL)によってARCHITECT(登録商標)として商業的に販売されている(固相が微粒子を含むものを含めて)様々な自動化システムおよび半自動化システムにおける使用に適合させることができる。
非自動化システム(例えば、ELISA)と比較した自動化または半自動化システム間のいくつかの相違には、第1の特異的結合パートナー(例えば、分析物抗体または捕捉抗体)が付着している(サンドイッチ形成および分析物の反応性が影響され得る)基質、ならびに捕捉、検出および/または場合による任意の洗浄ステップの長さおよびタイミングが含まれる。ELISAなどの非自動化フォーマットは、試料および捕捉試薬との比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)を必要とする場合があるが、自動化または半自動化フォーマット(例えば、ARCHITECT(登録商標)およびいずれかの後継プラットフォーム、Abbott Laboratories)は、比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)では約18分)を有し得る。同様に、ELISAなどの非自動化フォーマットは、比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)、連結試薬などの検出抗体をインキュベートし得るが、自動化または半自動化フォーマット(例えば、ARCHITECT(登録商標)およびいずれかの後継プラットフォーム)は、比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)およびいずれかの後継プラットフォームで約4分)を有し得る。
Abbott Laboratoriesから入手可能な他のプラットフォームには、限定されないが、AxSYM(登録商標)、IMx(登録商標)(例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第5,294,404号を参照)、PRISM(登録商標)、EIA(ビーズ)およびQuantum(商標)IIならびに他のプラットフォームが含まれる。さらに、アッセイ、キットおよびキットの成分は、他のフォーマットにおいて、例えば、電気化学的または他の携帯もしくはポイントオブケアアッセイシステムで使用することが可能である。本開示は、例えば、サンドイッチイムノアッセイを行う商業的Abbott Point of Care(i-STAT(登録商標)、Abbott Laboratories)電気化学的イムノアッセイシステムに適用可能である。免疫センサーならびに単回使用試験装置におけるこれらの製造および操作方法は、例えば、米国特許第5,063,081号、米国特許出願公開第2003/0170881号、米国特許出願公開第2004/0018577号、米国特許出願公開第2005/0054078号および米国特許出願公開第2006/0160164号に記載され、これらは、それに関する教示について、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
特に、I-STAT(登録商標)システムへのアッセイの適合に関して、以下の構成が好ましい。金の電流測定用作用電極の対および銀-塩化銀基準電極を有する微細加工シリコンチップが製造される。作用電極の1つで、捕捉抗体が固定化されたポリスチレンビーズ(0.2mm径)が、電極上のパターン化されたポリビニルアルコールのポリマーコーティングに付着している。このチップは集まって、イムノアッセイに適した流体工学フォーマットを有するI-STAT(登録商標)カートリッジになる。カートリッジの試料保持チャンバーの壁の一部に、アルカリホスファターゼ(または他の標識)で標識された検出抗体を含む層が存在する。p-アミノフェノールリン酸を含む水性試薬がカートリッジの流体ポーチ内にある。
操作の際に、RGMcを含むと考えられる試料は、試験カートリッジの保持チャンバーに添加され、カートリッジはI-STAT(登録商標)リーダーに挿入される。第2の抗体(検出抗体)を試料中に溶解した後、カートリッジ内のポンプエレメントが、チップを含む導管に試料を押し入れる。ここで、第1の捕捉抗体、RGMcおよび標識された第2の検出抗体間のサンドイッチの形成を促進するために振動される。アッセイの最後から2番目のステップにおいて、流体がポーチから押し出され、導管に入ってチップの試料を洗浄し、廃棄チャンバーに入る。アッセイの最後のステップにおいて、アルカリホスファターゼ標識は、p-アミノフェノールリン酸と反応してリン酸基を切断し、遊離したp-アミノフェノールを作用電極において電気化学的に酸化させる。測定された電流を基礎として、リーダーは、埋め込まれたアルゴリズムおよび工場で決定された較正曲線によって、試料における分析物RGMcの量を計算することができる。
本明細書に記載されている方法およびキットは、イムノアッセイを実施するための他の試薬および方法を必然的に包含することはさらに言うまでもない。例えば、当該技術分野において公知であるような様々な緩衝液および/または例えば洗浄に、連結体希釈液、および/もしくは較正物質希釈液として使用されるように容易に調製されまたは最適化され得るような様々な緩衝液が包含される。例示的な連結体希釈液は、特定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)において使用され、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、塩、タンパク質遮断剤、抗微生物剤および洗浄剤を含むARCHITECT(登録商標)連結体希釈液である。例示的な較正物質希釈液は、特定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)において使用され、MES、他の塩、タンパク質遮断剤および抗微生物剤を含む緩衝液を含むARCHITECT(登録商標)ヒト較正物質希釈液である。さらに、2008年12月31日に出願された米国特許出願第61/142,048号に記載されているように、改善されたシグナルの発生は、例えば、I-STAT(登録商標)カートリッジフォーマットにおいて、シグナル増幅物質としてシグナル抗体に連結された核酸配列を使用して得ることができる。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例証される複数の態様を有する。本明細書に記載された方法の他の適切な修飾および適合は明らかであり、本開示の範囲または本明細書に開示された実施形態から逸脱することなく、適切な均等物を用いて行われてもよいことは当業者に容易に明らかとなる。以下に本開示を詳細に説明したが、本開示は、以下の実施例を参照することによってより明確に理解される。実施例は、例証のためにだけ含まれ、請求される発明の範囲を限定することを意図しない。本明細書において言及されている全ての学術論文、米国特許および出願公開は、それぞれ個々の刊行物が参照により組み込まれ、具体的におよび個々に示されているのと同程度に、参照により全体として本明細書に組み込まれる。用いられた用語および表現は、説明の用語として用いられるものであって、限定の用語として用いられるものではない。この点に関して、特定の用語は、「定義」の下で定義され、それ以外の場合、「詳細な説明」における他の場所で定義、記載または検討され、全てのこのような定義、記載および検討は、このような用語に帰することが意図される。また、このような用語および表現の使用において、示されたおよび記載された特徴またはそれらの一部のいかなる均等物も除外することを意図するものでもない。さらに、小見出し、例えば「定義」が「詳細な説明」において使用されているが、このような使用は、参照を容易にするためのものに過ぎず、ある見出し内において行われた任意の開示をその見出しのみに限定することを意図するものではない;むしろ、1つの小見出しの下に為された任意の開示は、それぞれの全ての他の小見出し下における開示を構成することが意図される。
[実施例1]
抗体の親和性成熟および結合特性を決定するための方法
配列アラインメントは、RGMA抗体h5F9.23は、ヒト生殖系列VH3-23/JH3およびA17/Jk2と最も高い同一性を共有することを示す(h5F9親和性成熟設計文書の図を参照されたい)。RGMAに対するh5F9.23の親和性を改善させるために、超変異CDR残基は、生殖系列VH3-23およびA17に対しても高い同一性を共有するIgBLASTデータベースにおける他のヒト抗体配列から同定された。次に、対応するh5F9.23 CDR残基は、表面提示に適したscFvフォーマットにおける2つの抗体ライブラリーを作製するために、これらの位置での低い縮重を有するプライマーを用いたPCRによって限定的突然変異誘発に供された。
第1のライブラリーは、VH CDR1、2および3における残基31、35、50、52、52a、53、55、56、95、96、97および102(カバット番号付け)での突然変異を含み;第2のライブラリーは、3つのVL CDRにおける残基27c、27d、30、34、50、53、89、91、93、94、96および97での突然変異を含んだ。さらに、ヒト生殖細胞系フレームワーク配列に対するhMAK195の同一性を高めるために、VH位置37(V/I)、48(V/I)、49(S/G)での二元縮重を第1のライブラリーに導入した。また、VL位置4(M/L)および46(R/L)での二元縮重を第2のライブラリーに導入した。
これらのh5F9.23ライブラリーは細胞表面上に提示され、磁気、続く蛍光活性化細胞選別によって、低濃度のビオチン化されたRGMAに対して選択された。改善されたオン速度、オフ速度またはその両方について選択が行われ、親和性を調節したh5F9.23クローンの抗体タンパク質配列は、さらなる特徴付けのためにscFvからIgGフォーマットに戻す変換のために回収された。これらは、親和性成熟したh5F9.23抗体である。表1を参照されたい。
11個のh5F9.23親和性成熟したクローンを293-6E細胞に発現させた。発現レベルを記録し、抗体をプロテインAアフィニティーカラムによって精製した。H5F9親和性成熟した抗体は、SECおよびMS分析において良好な物理化学的性質を示した。
親和性成熟したh5F9.23親和性成熟した抗体の結合特性をhRGMa間接ELISAにおいて評価した。これは、抗ヒトFcを捕捉するELISAである。簡潔には、0.2モル濃度の重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.4)中で抗hFcを希釈して0.5μg/mlとし、ウェルあたり100μlで被覆し、室温にて2時間、プレートをインキュベートする。それぞれのウェルにPBS中の5%無脂肪乾燥乳の200μlを追加し、室温にて1時間ブロックする。プレートを洗浄後、二重にしてそれぞれのウェルに0.2μg/mlの希釈した個々の抗体100μlを添加する。1時間室温にてインキュベートし、その後、プレートを洗浄する。10nMから0.001nMまでの6つの連続希釈したビオチンhRGMaの100μlをそれぞれのウェルに添加し、次に、室温にて1時間プレートをインキュベートした。洗浄後、1:10000に希釈したSA-HRPは、ウェルあたり120μlであり、室温にて15分間インキュベートした。最後に、プレートを洗浄後、Invitrogen(カタログ番号00-2023 ロット番号425820A)からのTMB基質の120μlをそれぞれのウェルに添加し、発色のために5-10分待った。2N硫酸の60μlを用いて反応を停止させる。450nmでプレートを読み取り、データを回収して、データ分析を行う。本発明者らは、ELISAのこのフォーマットにおいて、ヒトRGMaに結合する親和性成熟したh5F9.23抗体の結合をランク付けすることができた。ヒトRGMcの結合は、ヒトRGMcのフォーマットに起因したヒトRGMcダイレクトELISAにおいて評価された。データは、h5F9.23 AM抗体が、h5F9.23親抗体と比較して、ヒトRGMaとRGMc結合を改善したことを結論付けた。
[実施例2]
競合結合データ
表3と比較して、「(a)MSD」は、ストレプトアビジン-スルホ-タグと複合化されたビオチン化hRGMa-Fcの使用に対応し、細胞とともに室温にてインキュベートする。「bHCS」は、Cy3標識された抗Fc抗体と複合化されたhRGMa-Fcの使用に対応し、細胞とともに37℃にてインキュベートする。
Figure 2023078174000020

Figure 2023078174000021
Figure 2023078174000022
[実施例3]
ヒト化5F9.23は健常ラットにおける鉄代謝に影響を与える
ラットにおける鉄代謝におけるh5F9.23の影響を理解するために、様々なアッセイを行った。1用量あたり5匹の雌性Sprague-Dawleyラットが、4週間の期間、0、20、60または200mg/kg/週のh5F9.23で週1回、静脈内(IV)に処置された。最後の処置から7日後に動物を屠殺した。鉄代謝パラメータ(すなわち、遊離血清鉄、飽和トランスフェリン、不飽和鉄結合能(UIBC))を含む臨床病理評価用の血液を採取し、病理組織学的検査のために臓器(肝臓、脾臓、脳、膵臓、心臓、腎臓)を固定した。具体的には、鉄代謝パラメータは(すなわち、遊離血清鉄、飽和トランスフェリン、不飽和鉄結合能(UIBC))は、RANDOX Lab、Ltd.Crumlin、UKから市販されている比色アッセイを用いて(鉄および総鉄結合能について)決定された。測定されたパラメータのイオンとTIBCを用いてUIBCを計算した。フェリチンは、コバスシステム(Roche Diagnostics GmBH、Germany)に適合させた、社内の免疫濁度アッセイを用いて決定された。
ラットは、動物行動、臨床徴候、食料消費、身体および臓器重量、血液学、血液凝固ならびに臨床化学のいずれの変化なしに、h5F9による処置を寛容した。血清鉄レベル(図3)およびトランスフェリン飽和(図4および5)は用量依存的に増加し、不飽和鉄結合能(UIBC)は用量依存的に減少した(図6)。
h5F9.23は、0、20、60または200mg/kgのiv注射によって、週1回処置されたラットの肝臓において、用量依存的な門脈周囲の鉄蓄積をもたらす。200mg/kgのh5F9を用いた4週ごとの処理後、肝細胞における鉄顆粒が蓄積し、プルシアンブルー染色を用いて実証することができる(図7と8を比較されたい)。これとは対照的に、脾臓におけるマクロファージの鉄貯蔵(図9、対照)は、200mg/kgの5F9を用いた4週ごとの処置後に軽減される。図10を参照されたい。
脾臓において、鉄を負荷したマクロファージは、リンパ濾胞間の赤い果肉に局在している(図9)。対照的に、200mg/kg/週で処理された動物の脾臓におけるマクロファージは、RGMcへの結合の結果として、血液中への鉄放出の増加に対して指示する、鉄蓄積の減少を示しまたは鉄蓄積を全く示さなかった(図10)。
[実施例4]
RGMcを介したBMPレポーターアッセイによるh5F9.23親和性成熟したmAbの特徴付け
RGMcは、BMP/Smadl/5/8シグナル伝達経路を介して、鉄調節ホルモンであるヘプシジンを制御する。BMPのための補助受容体として、膜結合RGMcはBMPシグナル伝達を強化する。h5F9.23親和性成熟したAbがBMP/Smadシグナル伝達をブロックするかどうかを試験するために、RGMcを介したBMPレポーターアッセイを開発した。
BMP反応性ルシフェラーゼ(luc)レポーター構築物は、基本のレポーターベクターpGL4.27[luc2P/minP/Hygro](Promega)におけるluc遺伝子の上流にBMP反応性エレメント(BRE)(Korchynskyiら、2002)をクローニングすることによって構築された。RGMc BMPレポーターアッセイにおいて、
293HEK細胞は、10cmディッシュでBRE-lucレポーターおよびhRGMcを発現するベクターで一過性にトランスフェクトされ、24時間後、ウェルあたり105個の細胞密度で96ウェルプレートに播種された。24時間のインキュベーション後、細胞は、6時間、1%FBSを含むMEM中で血清飢餓状態にし、続いて、連続希釈した試験Abが添加された。さらに16時間のインキュベーション後、細胞を溶解し、プロメガルシフェラーゼアッセイシステムを用いてluc活性を測定した。
結果を図11に示す。h5F9.23親和性成熟したAb(AM.4、8、9、11)は、h5F9.23(IC50=17nM)と比較して、hRGMc活性のブロックにおいて非常に改善された効力を示した(IC50=0.3から1.4nMの範囲の値)。効力データは親和性データと相関する(表5を参照されたい)。ヒトRGMa、ラットRGMaおよびヒトRGMcに対するh5F9.23親和性成熟したAbの親和性がBIAcore分析によって決定された(表5)。テストAbは、抗hIgG Fc抗体を介してCM5チップの表面に捕捉され、連続希釈された抗原を注射した。会合速度および解離速度は、それぞれ5および10分間モニターされた。センサーグラムは、1:1のラングミュア結合モデルについて、BIAevaluation 4.0.1ソフトウェアを用いたグローバル分析によって適合された。平衡解離定数(KD)は、運動速度定数(オフ速度kdとオン速度ka):KD=kd/kaから計算された。
Figure 2023078174000023
[実施例5]
サルにおける慢性疾患の貧血の治療におけるRGM A/CおよびRGM C選択的抗体の使用
雌性カニクイザルは、4週間、週1回、静脈内に20mg/kg、60mg/kg、200mg/kgまたは皮下に60mg/kgのヒト化抗体5F9.23(本明細書において先に検討されているように、米国特許出願公開第2010/0028340号に開示され、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。)を投与された。22日目、霊長類の血清は、抗体適用(4回目の投薬)後の0.5時間、4時間、24時間で回収された。ヘプシジンレベルは、Kroot,J.J.Cら、Clinical Chemistry、57:12:1650-1669(2011)およびKroot,J.J.Cら、American Journal of Hematology、87:977-983(2012)に記載されている飛行時間型質量分析法を用いて測定された。図12に示されるように、ヒト化抗体5F9.23(h5F9.23)は、用量依存的に血中ヘプシジンレベルを低下させる。
[実施例6]
ラットにおける慢性疾患の貧血の治療におけるRGM A/CおよびRGM C選択的抗体の使用
雌性Sprague Dawleyラットは、4週間、週1回、静脈内に2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kgのh5F9.AM8を投与された。4週間の処置期間後、血清が回収され、鉄パラメータ(すなわち、遊離血清鉄、飽和トランスフェリン、不飽和鉄結合能)が決定された。具体的には、鉄代謝パラメータは(すなわち、遊離血清鉄、飽和トランスフェリン、不飽和鉄結合能(UIBC))は、RANDOX Lab,Ltd.Crumlin、UKから市販されている比色アッセイを用いて(鉄および総鉄結合能について)決定された。測定されたパラメータのイオンとTIBCを用いてUIBCを計算した。トランスフェリンは、コバスシステム(Roche Diagnostics GmBH、Germany)に適合させた、社内の免疫濁度アッセイを用いて決定された。図13Aおよび図13Bに示されるように、抗体AM8は遊離鉄レベルを増加させ、不飽和鉄結合能(UIBC)を減少させた。
[実施例7]
ラットにおける慢性疾患の貧血の治療におけるRGM A/CおよびRGM C選択的抗体の使用
雌性Sprague Dawleyラットは、4週間、週1回、静脈内に0.02mg/kg、0.2mg/kg、2.0mg/kgまたは20mg/kgのh5F9.AM8を投与された。4週間の処置期間後、血清が回収され、鉄パラメータ(血清鉄、トランスフェリンおよびUIBC)は、Roche Diagnostics GmbH、Germanyから市販されている比色アッセイを用いて(鉄およびUIBCについて)決定された。トランスフェリンは、コバスシステム(Roche Diagnostics GmBH、Germany)上で免疫濁度アッセイを用いて決定された。0.2mg/kg/週で開始され、図14Aおよび図14Bに示されるように、抗体AM8は遊離鉄レベルを増加させ、不飽和鉄結合能(UIBC)を減少させた。0.02mg/kg/週では、効果は観察されなかった。
[実施例8]
ラットにおける慢性疾患の貧血(ACD)の治療におけるRGM A/CおよびRGM C選択的抗体の使用
本実施例において、Theurlら(Theurlら、Blood、118:4977-94(2011))(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。)に記載されているラット関節炎モデルが使用された。8-10週齢の雌性Lewisラット(Charles River Laboratories、Germany、Sulzfeldから入手)は、標準的なげっ歯類の食餌(すなわち、Altromin、Lage、Germanyからの180mg鉄/kg、C1000)で維持され、ペプチドグリカン-多糖断片(PG-APS)の腹腔内注射を受けた(Theurlら、上述、からの適用)。ラットは食物と水を自由に摂取し、制度および政府のガイドラインに従って、12時間の明暗サイクルを行い、温度を20℃±1℃で飼育された。雌性Lewisラットは、0.85%生理食塩水に懸濁させたA群連鎖球菌ペプチドグリカン-多糖(PG-APS)(Lee Laboratories、Grayson、GA)の単回腹腔内注射を用いて0日目に接種され、全投薬量は15μgラムノース/g体重であった。PG-APS投与から3週間後、動物は、貧血の発症について試験され、同様のヘモグロブリンレベルを有する群に無作為化された。貧血を発症した(すなわち、基準値範囲から2g/dL超の低下を示した)ラットは、貧血ACDラットとした。
長期処置実験について、ACDラットは、下記を用いたPG-APS投与後の21日目に注射された:(a)2つの対照抗体のうちの1つは、すなわち、(i)RGM Aについて選択的であるヒト化モノクローナル抗体、または(ii)ヒトIgGアイソタイプ(hIgG)対照抗体のいずれか;(b)(i)ヒト化抗体5F9.23(h5F9.23;米国特許出願公開第2010/0028340号に記載されている(その内容は参照により本明細書に組み込まれる。));(ii)RGM AとRGM Cの両方に選択的であるヒト化親和性成熟したモノクローナル抗体であるヒト化抗体5F923.AM8(h5F923.AM8);(iii)RGM Cに選択的であり、2011年12月14日に出願された米国特許出願第61/570,499号および2011年12月20日に出願された米国特許出願第61/578,122号(これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。)に記載されているマウスモノクローナル抗体1A-2989、のうちの1つの20mg/kg(静脈内)28日間(n=10);および(c)BMP受容体IおよびIIの小分子阻害剤であるドルソモルフィンの2mg/kg(腹腔内)2日毎(n=8)。
処置期間を通じて、全500μLの血液は、全血球計算(CBC)および血清鉄分析のために尾静脈の穿刺によって毎週回収された。CBC分析は、Vet-ABC動物血液カウンター(Scil Animal Care Company、Viernheim、Germany)を用いて行われた。血清鉄は、市販の比色アッセイ(コバスシステム;Roche Diagnostics Deutschland GmbH)を用いて決定された。
処置の28日後(ACD導入から49日後)、全てのラットは安楽死され、組織は剖検、組織病理学、遺伝子発現およびタンパク質分析のために回収された。図15に示すように、h5F923.AM8および1A-2989は、ヘモグロビンレベルを上げることによって、30日目でACD率において貧血を改善した。ドルソモルフィンは不活性であった。
実験の第2セットにおいて、hIgG対照抗体、h5F9.23およびh5F923.AM8は、貧血ACDラット(Charles River Laboratories、Germany、Sulzfeldから入手)において試験された。ラットは、当該技術分野において公知であるヘプシジンアッセイ技術、例えば、Kroot,J.J.Cら、Clinical Chemistry、57:12:1650-1669頁(2011)およびKroot,J.J.Cら、American Journal of Hematology、87:977-983頁(2012)において記載されているものを用いて決定された、24日目の2g/dL超でヘモグロビンレベルが減少した場合、貧血として分類された。28週間、20mg/kg抗体の週1回、静脈内処置から開始して、ヘモグロビンレベルは、41日目、47日目および51日目に分析された。図16Aに示されるように、対照抗体hIgGは、41日目、47日目および51日目で貧血ラットの低ヘモグロビンレベルを有意に変化させない。図16Bは、抗RGMa1と呼ばれる、RGM Aに選択的なヒト化モノクローナル抗体が、41日目、47日目および51日目に貧血ラットの低ヘモグロビンレベルを有意に変化させないことを示す。図16Cは、抗体h5F9.AM8は、41日目、47日目および51日目に貧血ラットの低ヘモグロビンレベル(D24)を有意に増加させることを示す。図16Dは、抗体h5F9.23は、41日目、47日目および51日目に貧血ラットの低ヘモグロビンレベル(24日目(D24))を増加させることを示す。

Claims (138)

  1. 反発性ガイダンス分子c(Repulsive Guidance Molecule c)(「RGMc」)に結合する単離された抗体またはこの抗体断片であって、抗体が、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(p)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(q)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(s)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(u)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(v)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(w)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(x)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(y)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(z)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、ならびに(aa)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含む、単離された抗体またはこの抗体断片。
  2. 抗体が、免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結したFv、親和性成熟した抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、多重特異性抗体、Fab、二重特異性抗体、DVD、Fab’、二特異性抗体、F(ab’)およびFvからなる群から選択される、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  3. モノクローナル抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である、請求項2に記載の単離された抗体または抗体断片。
  4. ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgE定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメインおよびヒトIgA定常ドメインからなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  5. 抗体が、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域または配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  6. 抗体が、配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域または配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  7. 抗体が、配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  8. 抗体が、配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  9. 抗体が、配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  10. 抗体が、配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域および配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  11. 抗体が、配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  12. 抗体が、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  13. 抗体が、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  14. 抗体が、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  15. 抗体が、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  16. 抗体が、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  17. 抗体が、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  18. 抗体が、配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  19. 抗体が、配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  20. 抗体が、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  21. 抗体が、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  22. 抗体が、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖を含む、請求項1に記載の単離された抗体または抗体断片。
  23. 免疫接着(immunoadhesion)分子、造影剤および治療剤からなる群から選択される作用物質をさらに含む、請求項1から22に記載の抗体または抗体断片。
  24. 造影剤が、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識およびビオチンからなる群から選択される、請求項23に記載の単離された抗体または抗体断片。
  25. 放射性標識が、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoおよび153Smからなる群から選択される、請求項24に記載の単離された抗体または抗体断片。
  26. 配列番号3-34のいずれか1つをコードする単離された核酸。
  27. 請求項1または5から22のいずれか一項に記載の抗体または抗体断片をコードする単離された核酸。
  28. 請求項1または5から22に記載の抗体、抗体断片、これらの混合物または誘導体を含む、医薬組成物。
  29. 治療的または予防的に有効な量の抗体を、これを必要とする対象に投与するステップを含む、鉄代謝疾患を治療する方法であって、抗体が、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、ならびに(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、対象における鉄代謝疾患が治療的または予防的に治療される、方法。
  30. 鉄代謝疾患が、慢性疾患の貧血(ACD)、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血、慢性腎疾患の貧血、赤血球生成促進剤に対する耐性およびβ-サラセミアからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 抗体または抗体断片が、免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結したFv、モノクローナル抗体、親和性成熟した抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、ヒト抗体、多重特異性抗体、Fab、二重特異性抗体、DVD、Fab’、二特異性抗体、F(ab’)2およびFvからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  32. 抗体または抗体断片が、配列番号3、配列番号5、配列番号7および配列番号9からなる群から選択される配列を含む可変重領域を含む、請求項29に記載の方法。
  33. 抗体または抗体断片が、配列番号4、配列番号6、配列番号8および配列番号10からなる群から選択される配列を含む可変軽領域を含む、請求項29に記載の方法。
  34. 抗体または抗体断片が、配列番号14、配列番号15および配列番号16または配列番号20、配列番号21および配列番号22または配列番号26、配列番号27および配列番号28または配列番号32、配列番号33および配列番号34の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項29に記載の方法。
  35. 抗体または抗体断片が、配列番号11、配列番号12および配列番号13または配列番号17、配列番号18および配列番号19または配列番号23、配列番号24および配列番号25または配列番号29、配列番号30および配列番号31の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインを含む、請求項29に記載の方法。
  36. 抗体または抗体断片が、配列番号11、配列番号12および配列番号13の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号14、配列番号15および配列番号16の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項29に記載の方法。
  37. 抗体または抗体断片が、配列番号17、配列番号18および配列番号19の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号20、配列番号21および配列番号22の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項29に記載の方法。
  38. 抗体または抗体断片が、配列番号23、配列番号24および配列番号25の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号26、配列番号27および配列番号28の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項29に記載の方法。
  39. 抗体または抗体断片が、配列番号29、配列番号30および配列番号31の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号32、配列番号33および配列番号34の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項29に記載の方法。
  40. 対象が鉄関連障害を有するかどうかを決定する方法であって、
    (a)対象由来の試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルを測定するステップ、および
    (b)試料中のRGMcのレベルを正常な対照と比較するステップ
    を含み、
    RGMcの変化したレベルが、対象が鉄関連障害を有することを示し、
    RGMcのレベルが、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、ならびに(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含む抗体を使用して測定される、方法。
  41. 抗体または抗体断片が、配列番号3、配列番号5、配列番号7および配列番号9からなる群から選択される配列を含む可変重領域を含む、請求項40に記載の方法。
  42. 抗体または抗体断片が、配列番号4、配列番号6、配列番号8および配列番号10からなる群から選択される配列を含む可変軽領域を含む、請求項40に記載の方法。
  43. 抗体または抗体断片が、配列番号14、配列番号15および配列番号16または配列番号20、配列番号21および配列番号22または配列番号26、配列番号27および配列番号28または配列番号32、配列番号33および配列番号34の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
  44. 抗体または抗体断片が、配列番号11、配列番号12および配列番号13または配列番号17、配列番号18および配列番号19または配列番号23、配列番号24および配列番号25または配列番号29、配列番号30および配列番号31の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
  45. 抗体または抗体断片が、配列番号11、配列番号12および配列番号13の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号14、配列番号15および配列番号16の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
  46. 抗体または抗体断片が、配列番号17、配列番号18および配列番号19の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号20、配列番号21および配列番号22の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
  47. 抗体または抗体断片が、配列番号23、配列番号24および配列番号25の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号26、配列番号27および配列番号28の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
  48. 抗体または抗体断片が、配列番号29、配列番号30および配列番号31の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号32、配列番号33および配列番号34の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項40に記載の方法。
  49. 抗体または抗体断片が、免疫接着分子、造影剤および治療剤からなる群から選択される作用物質をさらに含む、請求項40に記載の方法。
  50. 造影剤が、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識およびビオチンからなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
  51. 放射性標識が、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoおよび153Smからなる群から選択される、請求項50に記載の方法。
  52. 正常な対照と比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項40に記載の方法。
  53. 正常な対照と比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項40に記載の方法。
  54. ステップ(a)の前に、対象が、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される障害と診断される、請求項40に記載の方法。
  55. 試料が血液試料および血清試料からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
  56. ステップ(a)がイムノアッセイである、請求項40に記載の方法。
  57. イムノアッセイが酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である、請求項56に記載の方法。
  58. ELISAがサンドイッチELISAである、請求項57に記載の方法。
  59. 正常な対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項40に記載の方法。
  60. 正常な対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項40に記載の方法。
  61. RGMcが、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、膜結合性RGMcのバリアント、可溶性RGMcのバリアントまたは前述のいずれかの組合せである、請求項40に記載の方法。
  62. 方法が、ヘプシジンの存在、量または濃度について試験試料をアッセイするステップをさらに含み、(i)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料がRGMcについてアッセイされる試験試料と同じであるまたは(ii)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料がRGMcについてアッセイされる試験試料と異なる試験試料である、のいずれかであるが、ヘプシジンについてアッセイされる試験試料源およびRGMcについてアッセイされる試験試料源が同じであり、それにより、試験試料中のヘプシジンの存在、量または濃度が決定される、請求項40に記載の方法。
  63. 試験試料または複数の試験試料が、RGMcおよびヘプシジンについて同時にまたはいずれかの順序で連続してアッセイされる、請求項62に記載の方法。
  64. 方法が、ヘプシジンの存在、量または濃度についての試験試料のアッセイの結果を使用するステップをさらに含み、(i)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料がRGMcについてアッセイされる試験試料と同じであるまたは(ii)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料がRGMcについてアッセイされる試験試料と異なる試験試料である、のいずれかであるが、ヘプシジンについてアッセイされる試験試料源およびRGMcについてアッセイされる試験試料源が同じである、請求項63に記載の方法。
  65. 正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項40に記載の方法。
  66. 正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項40に記載の方法。
  67. 対象が、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される障害と診断されている、請求項40に記載の方法。
  68. 試料が血液試料および血清試料からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
  69. ステップ(a)がイムノアッセイである、請求項40に記載の方法。
  70. イムノアッセイが酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である、請求項70に記載の方法。
  71. ELISAがサンドイッチELISAである、請求項71に記載の方法。
  72. 試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度を決定する方法であって、少なくとも1つの抗体および少なくとも1つの検出可能な標識を利用するイムノアッセイによりRGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするステップを含み、試験試料中のRGMcの存在、量または濃度の直接指標または間接指標として検出可能な標識により生成されるシグナルを、対照または較正物質中のRGMcの存在、量または濃度の直接指標または間接指標として生成されるシグナルと比較するステップを含み、少なくとも1つの抗体のうちの1つが、RGMcまたはこの断片に特異的に結合する単離された抗体であり、抗体が(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、ならびに(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、それにより、試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度が決定される、方法。
  73. 試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度が、対象が鉄関連障害を発症するリスクを有するまたはこのリスクがあるかどうかを決定または評価するために使用される、請求項72に記載の方法。
  74. RGMcが膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcである、請求項72に記載の方法。
  75. 正常な対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項74に記載の方法。
  76. 正常な対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項74に記載の方法。
  77. 正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項74に記載の方法。
  78. 正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項74に記載の方法。
  79. 鉄関連障害が、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される、請求項73に記載の方法。
  80. 以下のステップ:
    (a)捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を形成するように、試験試料を、RGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの捕捉抗体と接触させるステップ、
    (b)捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)/検出抗体複合体を形成するように、捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を、検出可能な標識を含み、捕捉抗体が結合しないRGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの検出抗体と接触させるステップ、および
    (c)(b)において形成される捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)/検出抗体複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルに基づいて試験試料中のRGMc(またはこの断片)の存在、量または濃度を決定するステップ
    を含み、それにより、試験試料中のRGMc(またはこの断片)の存在、量または濃度が決定される、請求項72に記載の方法。
  81. 以下のステップ:
    (a)捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を形成するように、試験試料を、RGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの捕捉抗体と接触させ、同時にまたはいずれかの順序で連続して、試験試料を、少なくとも1つの捕捉抗体に結合するための試験試料中の任意のRGMc(またはこの断片)と競合できる、検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)と接触させるステップであって、試験試料中に存在する任意のRGMc(またはこの断片)および検出可能に標識されたRGMcが互いに競合して、捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体および捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体をそれぞれ形成する、ステップ、および
    (b)(b)において形成される捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルに基づいて試験試料中のRGMcの存在、量または濃度を決定するステップ
    を含み、捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルが試験試料中のRGMcの量または濃度に反比例し、それにより、試験試料中のRGMcの存在、量または濃度が決定される、請求項72に記載の方法。
  82. ヘプシジンについて試験試料をアッセイするステップをさらに含む、請求項72から81のいずれかに記載の方法。
  83. RGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするためのキットであって、RGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびRGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするための指示書を含み、少なくとも1つの成分が、RGMc(またはこの断片)に特異的に結合する単離された抗体を含む少なくとも1つの組成物を含み、抗体が、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号4のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号7のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号8のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号11のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号12のアミノ酸を含むCDR2および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、ならびに(t)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、抗体が場合によって検出可能に標識されている、キット。
  84. 試験試料中でアッセイされるRGMcまたはこの断片が、対象が鉄関連障害を発症するリスクを有するまたはこのリスクがあるかどうかを決定または評価するために使用される、請求項83に記載のキット。
  85. RGMcが膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcである、請求項84に記載の方法。
  86. ヘプシジンについて試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびヘプシジンについて試験試料をアッセイするための指示書をさらに含む、請求項83に記載のキット。
  87. RGMcが、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、膜結合性RGMcのバリアント、可溶性RGMcのバリアントまたは前述のいずれかの組合せである、請求項83または85に記載のキット。
  88. 治療的または予防的に有効な量の抗体を、これを必要とする対象に投与するステップを含む、鉄代謝疾患を治療する方法であって、抗体が、(a)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(u)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、対象における鉄代謝疾患が治療的または予防的に治療される、方法。
  89. 鉄代謝疾患が、慢性疾患の貧血(ACD)、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血、慢性腎疾患の貧血、赤血球生成促進剤に対する耐性およびβ-サラセミアからなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
  90. 抗体または抗体断片が、免疫グロブリン分子、ジスルフィド連結したFv、モノクローナル抗体、親和性成熟した抗体、scFv、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、ヒト抗体、多重特異性抗体、Fab、二重特異性抗体、DVD、Fab’、二特異性抗体、F(ab’)2およびFvからなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
  91. 抗体または抗体断片が、配列番号43、配列番号51、配列番号53、配列番号57および配列番号69からなる群から選択される配列を含む可変重領域を含む、請求項88に記載の方法。
  92. 抗体または抗体断片が、配列番号44、配列番号52、配列番号54、配列番号58および配列番号70からなる群から選択される配列を含む可変軽領域を含む、請求項88に記載の方法。
  93. 抗体または抗体断片が、配列番号98、配列番号99および配列番号100または配列番号122、配列番号123および配列番号124または配列番号128、配列番号129および配列番号130、配列番号140、配列番号141および配列番号142または配列番号176、配列番号177および配列番号178の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項88に記載の方法。
  94. 抗体または抗体断片が、配列番号95、配列番号96および配列番号97または配列番号119、配列番号120および配列番号121または配列番号125、配列番号126および配列番号127または配列番号137、配列番号138および配列番号139、配列番号173、配列番号174および配列番号175の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインを含む、請求項88に記載の方法。
  95. 抗体または抗体断片が、配列番号95、配列番号96および配列番号97の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号98、配列番号99および配列番号100の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項88に記載の方法。
  96. 抗体または抗体断片が、配列番号119、配列番号120および配列番号121の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号122、配列番号123および配列番号124の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項88に記載の方法。
  97. 抗体または抗体断片が、配列番号125、配列番号126および配列番号127の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号128、配列番号129および配列番号130の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項88に記載の方法。
  98. 抗体または抗体断片が、配列番号137、配列番号138および配列番号139の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号140、配列番号141および配列番号142の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項88に記載の方法。
  99. 抗体または抗体断片が、配列番号173、配列番号174および配列番号175の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号176、配列番号177および配列番号178の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項88に記載の方法。
  100. 対象が鉄関連障害を有するかどうかを決定する方法であって、
    (a)対象由来の試料中の膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcのレベルを測定するステップ、および
    (b)試料中のRGMcのレベルを正常な対照と比較するステップ
    を含み、RGMcのレベルが、
    (a)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(u)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含む抗体を使用して測定され、RGMcの変化したレベルが、対象が鉄関連障害を有することを示す、方法。
  101. 抗体または抗体断片が、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号51、配列番号53、配列番号57および配列番号69からなる群から選択される配列を含む可変重領域を含む、請求項100に記載の方法。
  102. 抗体または抗体断片が、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号52、配列番号54、配列番号58および配列番号70からなる群から選択される配列を含む可変軽領域を含む、請求項100に記載の方法。
  103. 抗体または抗体断片が、配列番号98、配列番号99および配列番号100または配列番号122、配列番号123および配列番号124または配列番号128、配列番号129および配列番号130、配列番号140、配列番号141および配列番号142または配列番号176、配列番号177および配列番号178の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項100に記載の方法。
  104. 抗体または抗体断片が、配列番号95、配列番号96および配列番号97または配列番号119、配列番号120および配列番号121または配列番号125、配列番号126および配列番号127または配列番号137、配列番号138および配列番号139、配列番号173、配列番号174および配列番号175の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインを含む、請求項100に記載の方法。
  105. 抗体または抗体断片が、配列番号95、配列番号96および配列番号97の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号98、配列番号99および配列番号100の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項100に記載の方法。
  106. 抗体または抗体断片が、配列番号119、配列番号120および配列番号121の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号122、配列番号123および配列番号124の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項100に記載の方法。
  107. 抗体または抗体断片が、配列番号125、配列番号126および配列番号127の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号128、配列番号128および配列番号130の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項100に記載の方法。
  108. 抗体または抗体断片が、配列番号137、配列番号138および配列番号139の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号140、配列番号141および配列番号142の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項100に記載の方法。
  109. 抗体または抗体断片が、配列番号173、配列番号174および配列番号175の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変重ドメインならびに配列番号176、配列番号177および配列番号178の相補性決定領域(CDR)残基を含む可変軽ドメインを含む、請求項100に記載の方法。
  110. 抗体または抗体断片が、免疫接着分子、造影剤および治療剤からなる群から選択される作用物質をさらに含む、請求項100から109のいずれか一項に記載の方法。
  111. 造影剤が、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識およびビオチンからなる群から選択される、請求項110に記載の方法。
  112. 放射性標識が、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoおよび153Smからなる群から選択される、請求項111に記載の方法。
  113. 正常な対照と比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項100に記載の方法。
  114. 正常な対照と比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項100に記載の方法。
  115. ステップ(a)の前に、対象が、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される障害と診断される、請求項100に記載の方法。
  116. 試料が血液試料および血清試料からなる群から選択される、請求項100に記載の方法。
  117. ステップ(a)がイムノアッセイである、請求項100に記載の方法。
  118. イムノアッセイが酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である、請求項117に記載の方法。
  119. ELISAがサンドイッチELISAである、請求項118に記載の方法。
  120. 方法が、ヘプシジンの存在、量または濃度について試験試料をアッセイするステップをさらに含み、(i)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料はRGMcについてアッセイされる試験試料と同じであるまたは(ii)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料はRGMcについてアッセイされる試験試料と異なる試験試料である、のいずれかであるが、ヘプシジンについてアッセイされる試験試料源およびRGMcについてアッセイされる試験試料源は同じであり、それにより、試験試料中のヘプシジンの存在、量または濃度が決定される、請求項100に記載の方法。
  121. 試験試料または複数の試験試料が、RGMcおよびヘプシジンについて同時にアッセイされるまたはいずれかの順序で連続してアッセイされる、請求項120に記載の方法。
  122. 方法が、ヘプシジンの存在、量または濃度についての試験試料のアッセイの結果を使用するステップをさらに含み、(i)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料はRGMcについてアッセイされる試験試料と同じであるまたは(ii)ヘプシジンについてアッセイされる試験試料はRGMcについてアッセイされる試験試料と異なる試験試料である、のいずれかであるが、ヘプシジンについてアッセイされる試験試料源およびRGMcについてアッセイされる試験試料源が同じである、請求項121に記載の方法。
  123. 試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度を決定する方法であって、少なくとも1つの抗体および少なくとも1つの検出可能な標識を利用するイムノアッセイによりRGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするステップを含み、試験試料中のRGMcの存在、量または濃度の直接指標または間接指標として検出可能な標識により生成されるシグナルを、対象または較正物質中のRGMcの存在、量または濃度の直接指標または間接指標として生成されるシグナルと比較するステップを含み、少なくとも1つの抗体のうちの1つが、RGMcまたはこの断片に特異的に結合する単離された抗体であり、抗体が、(a)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(u)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、それにより、試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度が決定される、方法。
  124. 試験試料中のRGMcまたはこの断片の存在、量または濃度が、対象が鉄関連障害を発症するリスクを有するまたはこのリスクがあるかどうかを決定または評価するために使用される、請求項123に記載の方法。
  125. RGMcが膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcである、請求項123に記載の方法。
  126. 正常な対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項123に記載の方法。
  127. 正常な対照における膜結合性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの膜結合性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項123に記載の方法。
  128. 正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して減少したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄欠乏に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項123に記載の方法。
  129. 正常な対照における可溶性RGMcのレベルと比較して増加したレベルの可溶性RGMcが、対象が鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有することを示す、請求項123に記載の方法。
  130. 鉄関連障害が、癌、急性感染症、慢性感染症、自己免疫疾患、肝疾患および慢性腎疾患からなる群から選択される、請求項124に記載の方法。
  131. 以下のステップ:
    (a)捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を形成するように、試験試料を、RGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの捕捉抗体と接触させるステップ、
    (b)捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)/検出抗体複合体を形成するように、捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を、検出可能な標識を含み、捕捉抗体が結合しないRGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの検出抗体と接触させるステップ、および
    (c)(b)において形成される捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)/検出抗体複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルに基づいて試験試料中のRGMc(またはこの断片)の存在、量または濃度を決定するステップ
    を含み、それにより、試験試料中のRGMc(またはこの断片)の存在、量または濃度が決定される、請求項123に記載の方法。
  132. 以下のステップ:
    (a)捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体を形成するように、試験試料を、RGMc(またはこの断片)上のエピトープに結合する、少なくとも1つの捕捉抗体と接触させ、同時にまたはいずれかの順序で連続して、試験試料を、少なくとも1つの捕捉抗体に結合するための試験試料中の任意のRGMc(またはこの断片)と競合できる、検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)と接触させるステップであって、が試験試料中に存在する任意のRGMc(またはこの断片)および検出可能に標識されたRGMcが互いに競合して、捕捉抗体/RGMc(またはこの断片)複合体および捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体をそれぞれ形成する、ステップ、および
    (b)(b)において形成される捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルに基づいて試験試料中のRGMcの存在、量または濃度を決定するステップ
    を含み、捕捉抗体/検出可能に標識されたRGMc(またはこの断片)複合体中の検出可能な標識により生成されるシグナルが試験試料中のRGMcの量または濃度に反比例し、それにより、試験試料中のRGMcの存在、量または濃度が決定される、請求項123に記載の方法。
  133. ヘプシジンについて試験試料をアッセイするステップをさらに含む、請求項123から132のいずれかに記載の方法。
  134. RGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするためのキットであって、RGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびRGMc(またはこの断片)について試験試料をアッセイするための指示書を含み、少なくとも1つの成分が、RGMc(またはこの断片)に特異的に結合する単離された抗体を含む少なくとも1つの組成物を含み、抗体が、(a)配列番号43のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(b)配列番号44のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(c)配列番号51のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(d)配列番号52のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(e)配列番号53のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(f)配列番号54のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号57のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号58のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(g)配列番号69のアミノ酸配列を含む可変重ドメイン領域、(h)配列番号70のアミノ酸配列を含む可変軽ドメイン領域、(i)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(j)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(k)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(l)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(m)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(n)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(o)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖、(p)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(q)配列番号95のアミノ酸配列を含む相補性決定領域(CDR)1、配列番号96のアミノ酸を含むCDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(r)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(s)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(t)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖、(u)配列番号173のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号174のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変重鎖ならびに配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR2および配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR3を含む可変軽鎖からなる群から選択されるドメインまたは領域を含み、抗体が場合によって検出可能に標識されている、キット。
  135. 試験試料中でアッセイされるRGMcまたはこの断片が、対象が鉄関連障害を発症するリスクを有するまたはこのリスクがあるかどうかを決定または評価するために使用される、請求項134に記載のキット。
  136. RGMcが膜結合性RGMcまたは可溶性RGMcである、請求項135に記載の方法。
  137. ヘプシジンについて試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびヘプシジンについて試験試料をアッセイするための指示書をさらに含む、請求項134に記載のキット。
  138. RGMcが、膜結合性RGMc、可溶性RGMc、膜結合性RGMcの断片、可溶性RGMcの断片、膜結合性RGMcのバリアント、可溶性RGMcのバリアントまたは前述のいずれかの組合せである、請求項134または137に記載のキット。
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