JP2023077753A - エポキシ化合物 - Google Patents

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JP2023077753A
JP2023077753A JP2021191162A JP2021191162A JP2023077753A JP 2023077753 A JP2023077753 A JP 2023077753A JP 2021191162 A JP2021191162 A JP 2021191162A JP 2021191162 A JP2021191162 A JP 2021191162A JP 2023077753 A JP2023077753 A JP 2023077753A
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一樹 若林
Kazuki Wakabayashi
潤也 河井
Junya Kawai
員正 太田
Insei Ota
大伸 ▲高▼岡
Hironobu Takaoka
夕紀 阿須間
Yuki Asuma
新 清岡
Arata Kiyooka
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】本願発明は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度、電気的特性等に優れた硬化物が得られる、エポキシ化合物を提供する。【解決手段】下記式1で表されるエポキシ化合物。TIFF2023077753000009.tif42149式1において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の炭化水素基である。aは0~4の整数であり、bは0~3の整数である。nは0~20の整数である。【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール化合物等の硬化剤と反応し、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強
度、電気的特性等に優れた硬化物が得られるエポキシ化合物に関する。
エポキシ化合物をフェノール化合物等の硬化剤と反応させた硬化物は、耐熱性、接着性
、耐水性、機械的強度、電気的特性等に優れることから、接着剤、塗料、土木建築用材料
、電気・電子部品の絶縁材料等に使用されている。
例えば、特許文献1にはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂を用いた、半
導体封止用エポキシ樹脂組成物が記載されている。
特開2009-191200号公報
近年、半導体の高密度化による使用時の発熱量の増加や、ハンダ処理時の加熱等により
半導体を封止するための樹脂組成物には、より高い性能が求められている。
特許文献1に記載のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂では、耐熱性が十
分ではなくクラックが発生したり、金属に対する密着性が十分ではなく半導体素子やリー
ドフレームからの剥離が起こりやすかった。
本発明の要旨は、下記式1で表される脂環式構造を有するエポキシ化合物にある。
Figure 2023077753000001
式1において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の炭化水素基である。a
は0~4の整数であり、bは0~3の整数である。nは0~20の整数である。
本発明のエポキシ化合物によれば、耐熱性、金属に対する密着性、接着性、耐水性、機
械的強度、電気的特性等に優れた硬化物が得られる。前記硬化物は、回路基板、半導体封
止材、機械部品、接着剤、塗料、土木用建築材料、電気・電子部品の絶縁材料、光学材料
等に使用できる。
本発明のエポキシ化合物は、下記式1で表される構造を有する。
Figure 2023077753000002
本発明のエポキシ化合物は、トリシクロペンタジエン由来の構造により、その硬化物の
線膨張係数、損失弾性率が低くなり耐熱クラック性が向上する。また、金属に対する密着
性も向上する。
前記式1において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の炭化水素基である
前記炭素数1~6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル
基、シクロへキシル基等が挙げられる。前記Rは、流動性および硬化性の点からメチル基
、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
ベンゼン環の水酸基に対する前記Rの結合位置(置換位置)は、製造が容易である点か
らオルト位またはパラ位が好ましく、パラ位がより好ましい。
aは0~4の整数である。aは流動性の点から0~2が好ましく、0~1がより好まし
く、0が特に好ましい。
bは0~3の整数である。bは流動性の点から0~2が好ましく、0~1がより好まし
く、0が特に好ましい。
nは0~20の整数である。nは流動性および硬化性の点から0~10が好ましく、0
~5がより好ましく、0~2が特に好ましい。
さらに本発明では、前記式1が下記式2で表されるエポキシ化合物であることが好まし
い。
Figure 2023077753000003
nは0~20の整数であり、流動性および硬化性の点から0~10が好ましく、0~5
がより好ましく、0~2が特に好ましい。
本発明のエポキシ化合物は耐クラック性および接着強度に優れる硬化物を得る観点から
、エポキシ当量が200~600g/当量が好ましく、250~500g/当量がより好
ましく、250~400g/当量が特に好ましい。
なお、本発明において「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹
脂の質量」と定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
以下に、前記式1で表されるエポキシ化合物の製造方法の一例を示す。
本発明のエポキシ化合物は下記式3で表されるトリシクロペンタジエン型フェノール化
合物をエピハロヒドリンと反応させることによって得られる。
Figure 2023077753000004
前記式1において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の炭化水素基である

前記炭素数1~6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、へキシル
基、氏クロへキシル基が挙げられる。
前記Rは、流動性および硬化性の点からメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がよ
り好ましい。
ベンゼン環の水酸基に対する前記Rの結合位置(置換位置)は、製造が容易である点か
らオルト位またはパラ位が好ましく、パラ位がより好ましい。
aは0~4の整数である。aは流動性の点から0~2が好ましく、0~1がより好まし
く、0が特に好ましい。
bは0~3の整数である。bは流動性の点から0~2が好ましく、0~1がより好まし
く、0が特に好ましい。
nは0~20の整数である。nは流動性の点から0~10が好ましく、0~5がより好
ましく、0~2が特に好ましい。
さらに本発明では、前記式3が下記式4で表されるフェノール化合物であることが好ま
しい。
Figure 2023077753000005
nは0~20の整数であり、流動性の点から0~10が好ましく、0~5がより好まし
く、0~2が特に好ましい。
本発明のフェノール化合物の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した標準
ポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)は400~1000が好ましい。
また本発明のフェノール化合物の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した
標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は450~1500が好ましい。
数平均分子量および重量平均分子量は樹脂組成物の硬化性の点から高い方が好ましく、
流動性の点から低い方が好ましい。
さらにフェノール化合物の水酸基当量は、例えばピリジン-無水酢酸溶液中でのアセチ
ル化物のアルカリ逆滴定法で測定された水酸基当量で190以上、300以下が好ましい
。水酸基当量は樹脂組成物の硬化性の点から高い方が好ましく、流動性の点から低い方が
好ましい。
エピハロヒドリンとしては、通常、エピクロルヒドリン又はエピブロモヒドリンが用い
られるが、本発明ではエピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンの使用量は、原料として用いるフェノール化合物の水酸基1当量あた
り、通常1.0~10.0当量、2.0~8.0当量が好ましく、3.0~7.5当量が
より好ましい。エピハロヒドリンの使用量は、高分子量化反応の制御と得られるエポキシ
樹脂が適切なエポキシ当量となる点から高い方が好ましく、生産効率の点から低い方が好
ましい。
上記反応において、エポキシ化工程を促進する触媒として、アルカリ金属水酸化物を使
用することができる。ここで用いられるアルカリ金属水酸化物としては通常、水酸化ナト
リウム又は水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ金属水酸化物は固形物を利用してもよ
く、その水溶液を使用してもよい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は原料フェノール化合物の水酸基1当量当たり通常0.
1~3.0当量、このましくは0.5~2.0当量、より好ましくは0.9~1.6当量
である。アルカリ金属水酸化物の使用量は高分子量化反応の制御の点から高い方が好まし
く、副反応による不純物生成を抑制する点から低い方が好ましい。
また、反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモ
ニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン、2-エチル-4-メチルイミ
ダゾール、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、エチルトリフェニルホスホニ
ウムアイオダイド等のホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等を触
媒として添加してもかまわない。
上記反応においては上記エピハロヒドリンに加え、炭素数1~5のアルコールを併用す
ることが好ましい。炭素数1~5のアルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。本発明においてはフェノール化合物と
アルカリ金属水酸化物との溶解性の点から炭素数1~3のアルコールが好ましく、特にイ
ソプロピルアルコールが好ましい。
アルコールの使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2~50重量%であり、好
ましくは4~40重量%であり、特に好ましくは7~30重量%である。アルコールの使
用量は耐クラック性に優れる硬化物を与えるエポキシ化合物が得られる点から高い方が好
ましく、加水分解性塩素量を低減できる点から低い方が好ましい。
上記反応は、常圧下又は減圧下で行うことができ、反応温度は20~150℃であるこ
とが好ましく、40~100℃がより好ましく、40~80℃がさらに好ましい。反応温
度は反応性の点から高い方が好ましく、副反応の抑制の点から低い方が好ましい。
反応時間は通常0.5~10時間であり、好ましくは1~8時間、特に好ましくは1~
3時間である。また、急激な反応を抑えるために、アルカリ金属水酸化物を好ましくは0
.1~8時間、より好ましくは0.5~6時間かけて少量ずつを断続的又は連続的に添加
するとよい。アルカリ金属水酸化物の添加時間は反応温度の制御の点から長い方が好まし
く、経済性の点から短い方が好ましい。
反応終了後、不溶性の副生塩を濾別して除くか、水洗により除去した後、未反応のエピ
ハロヒドリンや溶媒などを減圧留去して除くことで本発明のエポキシ化合物が得られる。
また加水分解性塩素量の少ないエポキシ化合物とするために、回収したエポキシ化合物
を炭素数4~7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い
、閉環を確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポ
キシ化に使用した原料フェノール混合物の水酸基1モルに対して通常0.01~0.3モ
ル、好ましくは0.05~0.2モルである。反応温度は通常50~120℃、反応時間
は通常0.5~2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下で溶剤を留去
することにより加水分解性塩素量の少ないエポキシ化合物が得られる。
本発明のエポキシ化合物と硬化剤を含む樹脂組成物から、耐熱性、接着性、耐水性、機
械的強度、電気的特性等に優れた硬化物が得られる。
前記硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものが使用でき
る。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、
芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン
、イミダゾール類等が挙げられる。硬化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
前記硬化剤としては、硬化物に優れた耐熱性、耐応力性、耐吸湿性、難燃性等を与える
ことからフェノール系硬化剤を含むことが好ましい。
前記フェノール系硬化剤としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェ
ノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニル
エーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂
、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、
テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボ
ラック樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフ
ェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類。
種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアル
デヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール
樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重
質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂。
フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベ
ンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,
4’-ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’-
ジハライドビフェニル重縮合物等の各種のフェノール樹脂類等が挙げられる。
これらのフェノール系硬化剤は、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び
配合比率で組み合わせて用いてもよい。
前記フェノール系硬化剤の中でも組成物の硬化後の耐熱性、硬化性等の観点から、フェ
ノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフト
ールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、フェ
ノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズア
ルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’-
ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’-ジハラ
イドビフェニル重縮合物等が好ましく、特にフェノールノボラック樹脂が好ましい。
前記樹脂組成物には、必要に応じて、本発明のエポキシ化合物以外の他のエポキシ樹脂
、硬化促進剤および無機充填剤等の添加剤が含まれていてもよい。
本発明において用いられるエポキシ化合物と併用されうる他のエポキシ樹脂の具体例と
しては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹
脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレ
ン型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ
樹脂等の2価のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリス
フェノールメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペン
タジエン-フェノール変性型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフ
ェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールア
ラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフ
トール-クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹
脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等の3
価以上のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、こ
れらのエポキシ樹脂は2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としてはリン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイ
ス酸、アミン錯塩等が挙げられ、リン系化合物が好ましい。これらは2種以上を併用して
もよい。
無機充填剤としては溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス粉、アルミナ、窒化珪素、タルク
、水酸化アルミ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられ、配合量の点から溶融シ
リカが好ましい。これらは2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物を硬化した硬化物は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度、電気
的特性等に優れ、回路基板、半導体封止材、機械部品、接着剤、塗料、土木用建築材料、
電気・電子部品の絶縁材料、光学材料等に使用できる。
以下実施例により本発明を説明する。なお、本発明の評価は以下の方法によって行った
<数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)>
東ソー(株)製のGPC「HLC-8220GPC」を使用し、以下の測定条件で測定
した。
標準ポリスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F-
450、F-128、F-20、F-4、F-2、A-2500、A-1000を使用し
た検量線を作成し、数平均分子量及び重量平均分子量をポリスチレン換算値として測定し
た。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHZM-N」×3本
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.35ml/min
検出:RI
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
<水酸基当量>
JIS K0070-1992の中和滴定法に準拠して、アセチル化試薬を用いた方法
にてフェノール化合物の水酸基当量を測定した。
<エポキシ当量>
JIS K7236:2001に準拠して、エポキシ化合物のエポキシ当量を測定した。
<膨張係数>
セイコーインスツル(株)製の熱機械分析装置「TMA/SS6100」を用いて測定
した。
硬化物試験片を圧縮モードにて、1回目の昇温を5℃/分(30℃から250℃)、1
回目の降温を10℃/分(250℃から30℃)、2回目の昇温を5℃/分(30℃から
250℃)で温度変化させ、2回目の線膨張係数α1を測定した。(試験片のサイズは、
直径1cm、厚さ3mmの円柱状)
<弾性率>
セイコーインスツル(株)製の動的粘弾性測定装置「EXSTAR6100」を用いて
測定した。3点曲げモードにて、30℃から280℃まで5℃/分で昇温し、250℃の
損失弾性率E''を測定した。(試験片のサイズは、縦5cm×横1cm×厚さ3mm)
<金属に対するせん断接着強度>
JIS-K6850に準拠して実施した。幅25mm×長さ100mm×厚み1.6m
mの金属板(ユタカパネルサービス社製両面鏡面タイプ)2枚の間に、各原料をアルミ皿
にて120℃で均一になるまで攪拌した硬化性樹脂組成物を、幅25mm×長さ12.5
mmとなるように70℃で加温しながら塗布した。塗布後、恒温槽に投入して120℃で
2時間、175℃で6時間硬化させて試験片を作製した。
作製した試験片を、インストロン社製の引張試験機「Instron5582」を用い
て5mm/分の速度により試験数n=3で引張せん断試験を実施し、引張せん断強度を測
定し、その平均値を求めた。測定は、アルミニウム板及びニッケル板で行った。
<使用原料>
以下の実施例、比較例において用いた原料は以下の通りである。
トリシクロペンタジエン(TCPD):Applied Organometalli
c Chemistry)”、2014、Vol.28、p.152に記載の方法に準じ
て製造した。遷移金属触媒として、Pd(dba)2、配位子として、P(p-tolyl)
3を使用した。
フェノール:ナカライテスク(株)製
p-トルエンスルホン酸一水和物:富士フイルム和光純薬(株)製
クロロホルム:関東化学(株)製
エピクロロヒドリン:東京化成工業(株)製
50%水酸化ナトリウム水溶液:富士フイルム和光純薬(株)製
2-プロパノール:富士フイルム和光純薬(株)製
ジシクロペンタジエンフェノール化合物(商品名「ERM6115」):Songwon

フェノール化合物(商品名「PSM4261」):群栄化学工業(株)製
硬化触媒(商品名「ホクコーTPP」):北興化学工業(株)製
<製造例1(エポキシ化合物1の製造)>
回転子、温度計、滴下ロートを備えた4つ口フラスコにフェノール61.6g(0.6
5mol)とTCPD31.0g(0.16mol)を入れ、窒素ガス置換した。攪拌下
、内温を90℃まで昇温して、内容物を加熱溶解した。
その後、滴下ロートにp-トルエンスルホン酸一水和物2.4gを水3mLに溶解した
水溶液を入れ、内温を90~100℃に保ったまま、ゆっくりと滴下した。その後、内温
を140℃まで上げて7時間反応させた。内温を90℃まで下げた後、20%水酸化カリ
ウム水溶液4.2gを添加して触媒を失活させた。
反応液を110℃まで上げて、未反応フェノールを減圧留去した。その後、反応液を6
0℃まで冷却しクロロホルムで溶解しながら、分液ロートに移した。クロロホルム溶液を
20%水酸化カリウム水溶液で洗浄し、その後pHが7になるまで水で洗浄した。
エバポレーターでの脱溶媒を経て、フェノール化合物A(TCPD/PHLノボラック
)54gを得た。このフェノール化合物AのMnは668、Mwは934、水酸基当量は
258g/eq.だった。
次に、回転子、温度計を備えた4つ口フラスコに、前記フェノール化合物A20g(フ
ェノール性水酸基のモル数:0.08mol)を入れ、窒素ガス置換した。その後、エピ
クロロヒドリン44.4mL(0.57mol)、2-プロパノール26.0mL、水7
.3mLを加えて攪拌させながら溶解させ、室温から40℃に昇温した。
50%水酸化ナトリウム水溶液5.52mLを1.5時間で6回に分けて、40℃から
65℃に昇温しながら加えた(1回の添加量:0.92mL)。添加後、0.5時間反応
させた。反応停止後、水14.2mLを添加し、分液ロートに反応液を移して有機層を抽
出した。
塩化メチレンを加えて再度有機層を抽出した。エバポレーターとオイルポンプの真空乾
燥による溶媒留去を経て、エポキシ化合物1(TCPD/PHLノボラック型エポキシ)
24.4gを得た。このエポキシ化合物のエポキシ基当量は368g/eq.だった。
<製造例2(エポキシ化合物2の製造)>
回転子、温度計を備えた4つ口フラスコにジシクロペンタジエンフェノール化合物(E
RM6115)20gを入れ、窒素ガス置換した。その後、エピクロロヒドリン59.0
mL(0.75mol)、2-プロパノール34.5mL、水9.7mLを加えて攪拌さ
せながら溶解させ、室温から40℃に昇温した。
50%水酸化ナトリウム水溶液6.48mLを1.5時間で6回に分けて40℃から6
5℃に昇温しながら加えた(1回の添加量:1.08mL)。添加後、0.5時間反応さ
せた。反応停止後、水18.9mLを添加し、分液ロートに反応液を移して有機層を抽出
した。
クロロホルムを加えて再度有機層を抽出した。エバポレーターとオイルポンプの真空乾
燥による溶媒留去を経てエポキシ化合物2(DCPD/PHLノボラック型エポキシ)2
6.5gを得た。このエポキシ化合物のエポキシ基当量は268g/eq.だった。
<実施例1>
製造例1で合成したエポキシ化合物1(TCPD/PHLノボラック型エポキシ)10
0部、硬化剤(PSM4261)29部、硬化触媒(ホクコーTPP)1部の割合で、各
原料をアルミ皿に計量、120℃で均一になるまで攪拌した。
その後、120℃で2時間、175℃で6時間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物
を各評価に必要な試験片サイズに切り出し、接着強度、弾性率と線膨張係数を測定した。
それらの結果を表1に記す。
<比較例1>
製造例2で合成したエポキシ化合物2(DCPD/PHLノボラック型エポキシ)10
0部、硬化剤(PSM4261)39部、硬化触媒(ホクコーTPP)1部の割合で、各
原料をアルミ皿に計量、120℃で均一になるまで攪拌した。その後、120℃で2時間
、175℃で6時間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物を各評価に必要な試験片サイ
ズに切り出し、接着強度、弾性率と線膨張係数を測定した。それらの結果を表1に記す。
Figure 2023077753000006
表1より、エポキシ化合物として、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物
を用いた比較例1の硬化物は、線膨張係数、損失弾性率が高く、耐熱性が低くクラックが
発生しやすい。また、金属に対する接着強度も低くなった。

Claims (7)

  1. 下記式1で表されるエポキシ化合物。
    Figure 2023077753000007
    式1において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の炭化水素基である。a
    は0~4の整数であり、bは0~3の整数である。nは0~20の整数である。
  2. 前記式1が、下記式2で表される請求項1に記載のエポキシ化合物。
    Figure 2023077753000008
    式2において、nは0~20の整数である。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエポキシ化合物と、硬化剤を含む樹脂組成物。
  4. 前記硬化剤がフェノール系硬化剤である、請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記フェノール系硬化剤を、樹脂組成物中のエポキシ化合物のエポキシ基1当量に対し
    て、水酸基当量で0.1以上、1.5以下含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化した硬化物。
  7. 請求項6の硬化物を含む電気・電子部品。
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