JP2023076766A - 皮膚清拭において清拭される皮膚領域の拡大方法 - Google Patents

皮膚清拭において清拭される皮膚領域の拡大方法 Download PDF

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【課題】本発明の目的は、皮膚清拭用組成物を化粧用コットン等の拭取具に含浸させた皮膚清拭具を用いた皮膚清拭において、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げても、十分なさっぱり感を付与させる方法を提供することである。【解決手段】エタノール8~20重量%と共に、ポリエチレングリコールを配合した皮膚清拭用組成物を、化粧用コットン等の拭取具に含浸させた皮膚清拭具は、さっぱり感を付与する効果の持続性が向上しており、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げても、十分なさっぱり感を付与できる。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚清拭具を用いた皮膚清拭において、清拭される皮膚領域を拡大する方法に関する。
皮膚上の皮脂や汚れを除去して皮膚を衛生的な状態にするスキンケア製品として、皮膚清拭用組成物が広く使用されている。皮膚清拭用組成物には、皮膚上の皮脂や汚れを除去する効果に加えて、その効果実感を得るために清拭時にさっぱり感が得られることが求められている。エタノールは、優れた脱脂作用を有するため、皮脂や汚れの除去に有効であり、しかもさっぱりとした使用感を付与することもできるので、皮膚清拭用組成物の配合成分として汎用されている。
皮膚上の皮脂や汚れに対する除去効果、及び清拭後のさっぱり感を向上させるには、皮膚清拭用組成物にエタノールを高濃度で配合することが有効になる。しかしながら、エタノールには皮膚刺激性があるため、エタノールのみで、皮脂や汚れの除去効果や清拭時のさっぱり感の向上を図るには限界がある。そこで、特許文献1には、エタノールの配合量を低減又はエタノールを配合せずに使用感を高めた製剤として、特定構造のジエチレングリコールモノエーテル及び/又はトリエチレングリコールモノエーテルを含む皮膚外用組成物が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の製剤では、清拭時のさっぱり感も低減するため、依然として満足できる性能を有するものではない。
更に、従来、皮膚清拭用組成物は化粧用コットン等の拭取具に含浸させた状態で使用されているが、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げたり、皮膚部位の清拭を一旦行った後に、そのまま他の皮膚部位の清拭に繰り返し使用したりすると、さっぱり感が減弱するという欠点がある。
特開2008-50272号公報
本発明の目的は、皮膚清拭用組成物を化粧用コットン等の拭取具に含浸させた皮膚清拭具を用いた皮膚清拭において、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げても、十分なさっぱり感を付与させる方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、エタノール8~20重量%と共に、ポリエチレングリコールを配合した皮膚清拭用組成物を、化粧用コットン等の拭取具に含浸させた皮膚清拭具は、さっぱり感を付与する効果の持続性が向上しており、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げても、十分なさっぱり感を付与できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、以下に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域の拡大方法であって、
皮膚の清拭において、エタノール8~20重量%、及びポリエチレングリコールを含む皮膚清拭用組成物が拭取具に含浸されている皮膚清拭具を使用する、前記方法。
項2. ポリエチレングリコールの平均分子量が200~20000である、項1に記載の方法。
項3. 前記拭取具が化粧用コットンである、項1又は2に記載の方法。
項4. 皮膚清拭具の皮膚との接触面の面積の30倍以上の面積の皮膚の清拭を行う、項1~3のいずれかに記載の方法。
項5. 1個の皮膚清拭具を用いて2カ所以上の異なる皮膚部位に対して清拭を行う、項1~4のいずれかに記載の方法。
項6. 皮膚清拭時の清拭効果を実感させる範囲を拡大する方法であって、
皮膚の清拭において、エタノール8~20重量%、及びポリエチレングリコールを含む皮膚清拭用組成物が拭取具に含浸されている皮膚清拭具を使用する、前記方法。
項7. 皮膚清拭用組成物において、さっぱりとした使用感の付与効果を持続させる方法であって、皮膚清拭用組成物に、エタノール8~20重量%、及びポリエチレングリコールを配合する、前記方法。
本発明の方法によれば、皮膚清拭用組成物を拭取具に含浸させた皮膚清拭具を用いて皮膚を清拭する際に、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げても、十分なさっぱり感が得られるので、1度に広い範囲の皮膚部位を清拭したり、1個の皮膚清拭具を異なる皮膚部位に対して繰り返し使用したりすることができ、皮膚清拭時の利便性を向上させることができる。
1.皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域の拡大方法
本発明の方法は、皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域の拡大方法であって、皮膚の清拭において、エタノール8~20重量%、及びポリエチレングリコールを含む皮膚清拭用組成物が拭取具に含浸されている皮膚清拭具を使用することを特徴とする。本発明において、「皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域の拡大」とは、皮膚清拭具を使用して皮膚の清拭を行う際に、1度に広い範囲の皮膚部位を清拭したり、2カ所以上の皮膚部位の清拭に繰り返し使用したりすることを指す。以下、本発明の方法について詳述する。
[皮膚清拭用組成物]
本発明の方法では、拭取具に含浸させる皮膚清拭用組成物として、エタノール8~20重量%、及びポリエチレングリコールを含むものを使用する。このように、エタノール8~20重量%とポリエチレングリコールを含む皮膚清拭用組成物を使用することにより、皮膚清拭具においてさっぱり感を付与する効果の持続性が向上し、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げても十分なさっぱり感を付与することが可能になる。
・含有成分
本発明で使用する皮膚清拭用組成物は、エタノールを8~20重量%含有する。このような濃度でエタノールを含有しているため、皮膚を清拭した後にさっぱり感を十分に実感させることができる。皮膚上の皮脂や汚れに対する除去効果、及び清拭後のさっぱり感をより一層好適に具備させるという観点から、本発明の皮膚清拭用組成物におけるエタノールの濃度として、好ましくは8~17重量%、更に好ましくは10~15重量%、特に好ましくは11~13重量%が挙げられる。
本発明で使用する皮膚清拭用組成物は、更にポリエチレングリコールを含む。ポリエチレングリコールを含むことにより、さっぱり感を付与する効果の持続性が向上し、拭取具に含浸させた状態で清拭する際に、清拭対象となる皮膚部位の領域を広げたり、繰り返し使用したりしても、十分なさっぱり感を実現することが可能になる。
本発明で使用されるポリエチレングリコールの平均分子量については、特に制限されず、例えば、200~20000程度、好ましくは1000~20000程度、更に好ましくは2000~20000程度が挙げられる。本発明で使用されるポリエチレングリコールとして、具体的には、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール1540、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール3350、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000、ポリエチレングリコール9000、ポリエチレングリコール11000、ポリエチレングリコール12000、ポリエチレングリコール20000等を使用できる。これらのポリエチレングリコールの中でも、さっぱり感を付与する効果の持続性をより一層向上させるという観点から、好ましくはポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール20000が挙げられる。
本発明で使用される皮膚清拭用組成物におけるポリエチレングリコールの濃度としては、例えば、0.1~3重量%が挙げられる。さっぱり感を付与する効果の持続性をより一層向上させるという観点から、本発明の皮膚清拭用組成物におけるポリエチレングリコールの濃度として、好ましくは0.3~2重量%、更に好ましくは0.5~1重量%が挙げられる。
本発明で使用される皮膚清拭用組成物には、更にプロピレングリコールが含まれていてもよい。プロピレングリコールが更に含まれている場合には、保湿性を付与することができる。本発明の皮膚清拭用組成物におけるプロピレングリコールの濃度については、特に制限されないが、例えば、0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、更に好ましくは1~10重量%が挙げられる。
本発明で使用される皮膚清拭用組成物には、更にグリセリンが含まれていてもよい。グリセリンが更に含まれている場合には、保湿性を付与することができる。本発明の皮膚清拭用組成物におけるグリセリンの濃度については、特に制限されないが、例えば、0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、更に好ましくは1~10重量%が挙げられる。
また、本発明で使用される皮膚清拭用組成物は、基剤として水を含むことが好ましい。本発明の皮膚清拭用組成物における水の含有量については、配合する成分以外の残部であればよいが、例えば、10~91.9重量%、好ましくは15~89.7重量%、更に好ましくは20~88.5重量%が挙げられる。
本発明で使用される皮膚清拭用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて通常の皮膚清拭用組成物において使用される薬理成分や添加剤等を含有していてもよい。
本発明で使用される皮膚清拭用組成物に配合可能な薬理成分としては、例えば、抗菌又は殺菌剤(イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化リゾチーム、スルファジアジン、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等)、抗ヒスタミン剤(クロルフェニラミンマレイン酸塩等)、局所麻酔剤(プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、アラントイン、εアミノカプロン酸、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、清涼化剤(メントール、カンフル等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン等)等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの薬理成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
本発明で使用される皮膚清拭用組成物に配合可能な添加剤としては、例えば、エタノール以外の1価の低級アルコール(プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等)、前記以外の多価アルコール(エチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、界面活性剤(非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤)、防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8-シオネール、シトロネロール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D-ソルビトール液等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、DL-アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤等の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の含有量は、製剤形態等に応じて適宜設定することができる。
・製剤形態
本発明で使用される皮膚清拭用組成物の形状については、特に制限されないが、皮膚の清拭に使用し易い形状、特に拭取具に含浸し易い形状であることが好ましく、具体的には、液状又は半固形状(ジェル状、軟膏状、ペースト状)であることが好ましい。
本発明で使用される皮膚清拭用組成物の製剤形態として、具体的には、液剤、乳液剤、ローション剤、ジェル剤、軟膏剤、クリーム剤等が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、好ましくは、液剤、乳液剤、ローション剤が挙げられる。
[拭取具]
本発明において、皮膚清拭用組成物を含浸させる拭取具については、肌の清拭に使用可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、化粧用コットン、化粧用パフ、不織布シート、織布シート(ガーゼ等)、スポンジ等が挙げられる。これらの拭取具の構成素材については、特に制限されず、例えば、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維、合成樹脂等のいずれであってもよいが、清拭する際の使用感の観点から、好ましくは天然繊維、更に好ましくは綿が挙げられる。
これらの拭取具の中でも、清拭する際の使用感の観点から、好ましくは化粧用コットン、不織布シート、更に好ましくは化粧用コットンが挙げられる。
[皮膚清拭具]
本発明の方法において、皮膚の清拭には、前記皮膚清拭用組成物を前記拭取具に含浸させた皮膚清拭具を使用する。前記皮膚清拭用組成物の前記拭取具に対する含浸量については、特に制限されず、従来の皮膚清拭具と同様、前記拭取具の素材等に応じて皮膚清拭ができる範囲に適宜設定すればよい。
[皮膚の清拭]
本発明の方法では、前記皮膚清拭具を使用して皮膚の清拭を行う。
清拭の適用対象となる皮膚は、皮脂や汚れの除去が求められる皮膚部位であればよいが、例えば、顔、首、手、腕、足等が挙げられ、好ましくは顔である。
本発明の方法では、皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域が拡大されるので、1度に広い範囲の皮膚部位を清拭したり、1個の皮膚清拭具を異なる皮膚部位に対して繰り返し使用したりすることができる。
より具体的には、本発明の方法では、例えば、拭取具の面積(拭取具において皮膚と接する面の面積)の30倍程度以上、好ましくは35~80倍程度、更に好ましくは40~50倍程度の面積の皮膚に対して、1度に清拭することができる。また、本発明の方法では、例えば、右頬、左頬、額、顎、首、右手、左手等の皮膚部位の中の2カ所以上に対して、繰り返し清拭を行うことができる。
2.皮膚清拭時の清拭効果を実感させる範囲の拡大方法
本発明は、更に、前記皮膚清拭具を用いて皮膚の清拭を行うことにより、皮膚清拭時の清拭効果を実感させる範囲を拡大する方法を提供する。本発明において、「皮膚清拭時の清拭効果を実感させる範囲を拡大する」とは、皮膚清拭具を使用して皮膚の清拭を行う際に、さっぱり感を実感できる皮膚の清拭範囲を拡大することを指し、例えば1度に広い皮膚部位に対してさっぱり感を付与したり、2カ所以上の皮膚部位にさっぱり感を繰り返し付与したりすることを指し、その具体的態様については、前記「1.皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域の拡大方法」の欄に記載の通りである。
3.さっぱりとした使用感の付与効果の持続方法
本発明は、更に、皮膚清拭用組成物において、さっぱりとした使用感の付与効果を持続させる方法であって、皮膚清拭用組成物に、エタノール8~20重量%、及びポリエチレングリコールを配合する方法を提供する。当該方法において使用される成分や濃度、皮膚清拭用組成物の製剤形態や使用方法等については、前記「1.皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域の拡大方法」の欄に記載の通りである。
以下、本発明について実施例を挙げて、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されて解釈されるものではない。
試験例1
表1及び2に示す組成の皮膚清拭用組成物(皮膚清拭用化粧水)を調製し、化粧用コットン(綿100%、3.5cm×5cm、2枚重ね:0.2g)に当該皮膚清拭用組成物0.8ml(400%含浸)を含浸させて皮膚清拭具を得た。
得られた皮膚清拭具を用いて、10名の専門評価パネラーにより、さっぱり感(初回使用時)、さっぱり感(繰り返し使用後)、ベタツキの程度、及び刺激性を以下の方法で評価した。
洗顔後に、顔の半分に対して皮膚清拭具で3回程度拭き取り操作を行った。拭き取り操作後に、さっぱり感(初回)、及び拭き取り操作時の刺激性を以下の判定基準に従って評点化した。更に、顔の半分に対して拭き取り操作を行った後に、皮膚清拭具をそのまま使用して、清拭を行っていないもう一方の顔の半分に対して拭き取り操作を行い、さっぱり感(繰り返し使用後)についても、以下の判定基準に従って評点化した。
<初回及び繰り返し使用後のさっぱり感の判定基準>
5点:さっぱりした使用感を十分に感じた。
4点:さっぱりした使用感をある程度感じた。
3点:さっぱりした使用感を少し感じた。
2点:さっぱりした使用感をあまり感じなかった。
1点:さっぱりした使用感を全く感じなかった。
<刺激性の判定基準>
3点:刺激を全く感じなかった。
2点:若干の刺激があった。
1点:強い刺激を感じた。
次いで、専門評価パネラー10名の各項目の評点の合計値を算出し、以下の基準に従って判定した。
<初回及び繰り返し使用後のさっぱり感>
◎:評点の合計値が40~50点(さっぱり感を十分に感じられる水準)
○:評点の合計値が31~39点(さっぱり感をある程度感じられる水準)
△:評点の合計値が25~30点(さっぱり感があまり感じられない水準)
×:評点の合計値が10~24点(さっぱり感が感じられない水準)
<刺激性>
◎:評点の合計値が28~30点(刺激が全くないといえる水準)
○:評点の合計値が24~27点(刺激がほとんど気にならない水準)
△:評点の合計値が20~23点(若干の刺激が感じられる水準)
×:評点の合計値が10~19点(強い刺激が感じられる水準)
結果を表1及び2に示す。エタノールを含まない皮膚清拭用組成物では、初回使用時でも、さっぱり感が不十分であった(比較例6)。ポリエチレングリコールを含まず、エタノールを5重量%含む皮膚清拭用組成物では、初回使用時のさっぱり感が不十分であり、繰り返し使用すると、さっぱり感は全く感じられなくなっていた。更に、エタノールを8~25重量%含む皮膚清拭用組成物であっても、ポリエチレングリコールを含まない場合には繰り返し使用後のさっぱり感が不十分であった。
これに対して、エタノール8~20重量%と共にポリエチレングリコールを含む皮膚清拭用組成物を使用した皮膚清拭具では、繰り返し使用後のさっぱり感も十分に感じられ、清拭される皮膚領域を拡大したり、皮膚清拭時の清拭効果を実感させる範囲を拡大したりすることが可能になっていた(実施例1~8)。更に、実施例1~8では、皮膚清拭時の刺激も抑えられていた。
Figure 2023076766000001
Figure 2023076766000002

Claims (5)

  1. 皮膚清拭具によって清拭される皮膚領域の拡大方法であって、
    皮膚の清拭において、エタノール8~20重量%、及びポリエチレングリコールを含む皮膚清拭用組成物(ただし、塩化ジメチルジアリルアンモニウムを必須のモノマー成分として形成された重合体を含むもの、α-ヒドロキシ酸および/又はその塩を含むもの、HLB10~13であり、炭素数10~18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル又は炭素数10~18のアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルケニルエーテルを含むもの、下記一般式(1)に示す化合物の1種以上を含むもの、油剤を含むもの、及び粉体を含むものを除く)が拭取具に含浸されている皮膚清拭具を使用する、前記方法。
    Figure 2023076766000003
    (一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、R1COは炭素原子数2~20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、R2は水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1~3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2~20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
    Figure 2023076766000004
  2. ポリエチレングリコールの平均分子量が200~20000である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記拭取具が化粧用コットンである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 皮膚清拭具の皮膚との接触面の面積の30倍以上の面積の皮膚の清拭を行う、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 1個の皮膚清拭具を用いて2カ所以上の異なる皮膚部位に対して清拭を行う、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
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