JP2023076385A - 樹脂パターンの製造方法、導電性パターンの製造方法及び積層体 - Google Patents

樹脂パターンの製造方法、導電性パターンの製造方法及び積層体 Download PDF

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Akio Katayama
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Abstract

【課題】本開示は、導電性層と感光性樹脂層との密着性を向上させた、樹脂パターンの製造方法及びその関連技術を提供する。【解決手段】基板と、上記基板を向く第1面及び上記第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含む積層体を準備することと、上記導電性層の上記第2面の上に、上記導電性層を向く第3面及び上記第3面の反対に第4面を有する感光性樹脂層を形成することと、上記感光性樹脂層をパターン露光することと、上記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成することと、をこの順に含み、上記導電性層が、金属ナノ材料と、樹脂と、を含み、上記導電性層の上記第2面の表面自由エネルギーγs1及び上記感光性樹脂層の上記第3面の表面自由エネルギーγrが、|γs1-γr|≦12の関係を満たす、樹脂パターンの製造方法及びその関連技術。【選択図】図1

Description

本開示は、樹脂パターンの製造方法、導電性パターンの製造方法及び積層体に関する。
例えば、タッチパネルといった物品に適用される導電性パターンは、導電性層をエッチングすることによって形成される。例えば、下記特許文献1は、パターン化された絶縁層をマスクとして用いて、銀ナノワイヤーを含む層をエッチングする方法を開示している。
台湾特許出願公開第201629992号明細書
エッチングマスクとしては、例えば、樹脂パターンが挙げられる。例えば、樹脂パターンは、導電性層の上に配置された感光性樹脂層の露光及び現像を経て形成される。しかしながら、導電性層に対する感光性樹脂層の密着性が十分でないことがある。特に、金属ナノ材料を含む導電性層に対する感光性樹脂層の密着性が低下しやすい。例えば、導電性層に対する感光性樹脂層の密着性の低下は、パターン形成における解像度の低下を招くことがある。
本開示の一実施形態は、導電性層と感光性樹脂層との密着性を向上させた、樹脂パターンの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の他の一実施形態は、導電性層と感光性樹脂層との密着性を向上させた、導電性パターンの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の他の一実施形態は、感光性樹脂層に対して優れた密着性を示す導電性層を含む積層体を提供することを目的とする。
本開示は、以下の態様を含む。
<1> 基板と、上記基板を向く第1面及び上記第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含む積層体を準備することと、上記導電性層の上記第2面の上に、上記導電性層を向く第3面及び上記第3面の反対に第4面を有する感光性樹脂層を形成することと、上記感光性樹脂層をパターン露光することと、上記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成することと、をこの順に含み、上記導電性層が、金属ナノ材料と、樹脂と、を含み、上記導電性層の上記第2面の表面自由エネルギーγs1及び上記感光性樹脂層の上記第3面の表面自由エネルギーγrが、|γs1-γr|≦12の関係を満たす、樹脂パターンの製造方法。
<2> 上記表面自由エネルギーγs1及び上記表面自由エネルギーγrが、|γs1-γr|≦3の関係を満たす、<1>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<3> 上記樹脂が、アクリル樹脂を含む、<1>又は<2>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<4> 上記導電性層が、上記金属ナノ材料及び樹脂(A)を含む導電性層(A)に、有機物及び溶剤を含む溶液を接触させることによって形成された層である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<5> 上記樹脂(A)が、セルロース誘導体を含む、<4>に記載の樹脂パターンの製造方法。
<6> 上記金属ナノ材料が、銀ナノワイヤーである、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<7> 上記感光性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<8> 上記感光性樹脂層が、酸の作用により極性が変化する樹脂と、光酸発生剤と、を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<9> 上記感光性樹脂層が、フェノール性水酸基を有する樹脂と、キノンジアジド誘導 体と、を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<10> 上記感光性樹脂層が、複素環式化合物を含む、<1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<11> 上記感光性樹脂層を形成することが、仮支持体及び上記感光性樹脂層を含む転写材料を準備することと、上記転写材料の上記感光性樹脂層を上記導電性層に貼り付けることと、を含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法。
<12> <1>~<11>のいずれか1つに記載の樹脂パターンの製造方法によって樹脂パターンを形成することと、上記樹脂パターンをマスクとして用いて上記導電性層をエッチングし、導電性パターンを形成することと、上記樹脂パターンを除去することと、をこの順に含む、導電性パターンの製造方法。
<13> 基板と、上記基板を向く第1面及び上記第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含み、上記導電性層が、金属ナノ材料と、樹脂と、を含み、上記導電性層の上記第2面の表面自由エネルギーγs1が、38mJ/m~50mJ/mである、積層体。
<14> 基板と、上記基板を向く第1面及び上記第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含み、上記導電性層が、金属ナノ材料と、樹脂と、を含み、上記導電性層の上記第2面に対する蒸留水の接触角が、50°~85°である、積層体。
本開示の一実施形態によれば、導電性層と感光性樹脂層との密着性を向上させた、樹脂パターンの製造方法が提供される。
本開示の他の一実施形態によれば、導電性層と感光性樹脂層との密着性を向上させた、導電性パターンの製造方法が提供される。
本開示の他の一実施形態によれば、感光性樹脂層に対して優れた密着性を示す導電性層を含む積層体が提供される。
図1は、ある実施形態に係る樹脂パターンの製造方法における準備工程及び感光性樹脂層の形成工程の概略図である。 図2は、ある実施形態に係る樹脂パターンの製造方法における準備工程及び感光性樹脂層の形成工程の概略図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
図面を参照して本開示の実施形態を説明する場合、図面において重複する構成要素及び符号の説明は、省略されることがある。図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、特に断りのない限り、同一の構成要素であることを意味する。図面における寸法の比率は、必ずしも実際の寸法の比率を表すものではない。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範
囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、メタクリル又はアクリル及びメタクリルの両方を意味する。
本開示において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレート又はアクリレート及びメタクリレートの両方を意味する。
本開示において、対象物中に、ある成分に該当する物質が複数存在する場合、上記成分の含有量は、特に断らない限り、対象物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との用語は、独立した工程だけでなく、所期の目的が達成される限り、他の工程と明確に区別できない工程を包含する。
本開示において、置換及び無置換を記していない基(原子団)の表記は、置換基を有する基及び置換基を有しない基を包含する。例えば、「アルキル基」との用語は、置換基を有するアルキル基(すなわち、置換アルキル基)及び置換基を有しないアルキル基(すなわち、無置換アルキル基)を包含する。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載される場合がある。
本開示において、「固形分」とは、溶剤以外の成分を意味する。
本開示において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析装置を用いて測定されたポリスチレン換算の分子量である。上記分子量の測定において、カラムとして「TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL」(東ソー株式会社)及び「TSKgel G2000HxL」(東ソー株式会社)が使用され、検出器として示差屈折計が使用され、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)が使用される。
本開示において、分子量分布を有する化合物に使用される用語「分子量」は、特に断りのない限り、重量平均分子量を表す。
本開示において、重合体の構成単位の組成比は、特に断りのない限り、質量比を表す。
本開示において、序数詞(例えば、「第1」及び「第2」)は、構成要素を区別するために使用される用語であり、構成要素の数及び構成要素の優劣を制限するものではない。
<樹脂パターンの製造方法(1)>
本開示の一実施形態に係る樹脂パターンの製造方法は、次の(1)~(4)をこの順に含む。
(1)基板と、基板を向く第1面及び第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含む積層体を準備すること(以下、「準備工程」という場合がある。)。
(2)導電性層の第2面の上に、導電性層を向く第3面及び第3面の反対に第4面を有する感光性樹脂層を形成すること(以下、「感光性樹脂層の形成工程」という場合がある。)。
(3)感光性樹脂層をパターン露光すること(以下、「露光工程」という場合がある。)。
(4)感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成すること(以下、「現像工程」という場合がある。)。
上記の実施形態において、導電性層は、金属ナノ材料と、樹脂と、を含む。上記の実施形態において、導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1及び感光性樹脂層の第3面の表面自由エネルギーγrは、|γs1-γr|≦12の関係を満たす。
上記のような実施形態によれば、導電性層と感光性樹脂層との密着性を向上させた、樹脂パターンの製造方法が提供される。導電性層と感光性樹脂層との密着性の向上は、導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1と感光性樹脂層の第3面の表面自由エネルギーγrとの差を小さくしたことに起因すると推定される。
[準備工程]
準備工程は、基板と、導電性層と、を含む積層体を準備することである。導電性層は、基板を向く第1面及び第1面の反対に第2面を有する。
本開示において「積層体を準備する」とは、積層体を使用可能な状態にすることを意味する。積層体は、予め製造された積層体であってもよい。積層体は、準備工程において製造されてもよい。
(基板)
準備工程における積層体は、基板を含む。
基板の成分としては、例えば、樹脂及び無機物質が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート)、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート及びポリイミドが挙げられる。無機物質としては、例えば、ガラス及び石英が挙げられる。
基板は、透明性の高い樹脂フィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム又はシクロオレフィンポリマーフィルム、透明ポリイミドであることが好ましい。
基板は、露光波長に対して透明な領域を有する基板であることが好ましい。本開示において「露光波長に対して透明な領域」とは、露光波長における主波長の透過率が30%以上である領域を意味する。「主波長」とは、露光波長のうち強度が最も強い波長を意味する。透過率は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。透過率の上限は、制限されない。透過率は、例えば、100%以下の範囲で決定される。透過率は、公知の透過率測定器(例えば、日本分光株式会社製V-700series)を用いて測定される。露光波長に対して透明な領域は、基板の全体又は基板の一部に配置されていてもよい。露光波長に対して透明な領域は、露光工程における露光部に対応する部分に配置されていることが好ましい。露光波長に対して透明な領域は、基板の全体に配置され
ていることが好ましい。すなわち、基板は、露光波長に対して透明な基板であることが好ましい。
基板の厚さは、制限されない。搬送性、電気特性及び製膜性の観点から、基板の平均厚さは、10μm~100μmであることが好ましく、10μm~60μmであることがより好ましい。基板の平均厚さは、基板の10か所の厚さを算術平均することによって求められる。基板の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、基板の断面を観察することによって測定される。
(導電性層)
準備工程における積層体は、導電性層を含む。導電性層は、基板を向く第1面及び第1面の反対に第2面を有する。
本開示において「導電性」とは、シート抵抗率が1000Ω/□未満であることを意味する。シート抵抗率は、200Ω/□未満であることが好ましい。本開示において、シート抵抗率は、公知の抵抗率計(例えば、抵抗測定器EC-80P、ナプソン株式会社)を用いて測定される。ただし、非層状の対象物のシート抵抗率は、非層状の対象物と同等の層状の試料を形成することによって測定される。
導電性層は、金属ナノ材料と、樹脂と、を含む。
本開示において「金属ナノ材料」とは、ナノメートル規模の大きさ(例えば、少なくとも一次元で1nm~1,000nmの長さ)を有する金属材料を意味する。
金属ナノ材料の成分としては、例えば、銅、銀、亜鉛、鉄、クロム、モリブデン、ニッケル、アルミニウム、金、白金及びパラジウムが挙げられる。金属ナノ材料は、単体の金属を含んでいてもよい。金属ナノ材料は、合金を含んでいてもよい。金属ナノ材料の成分としては、例えば、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)及び酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide:IZO)が挙げられる。金属ナノ材料は、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、金、白金、パラジウム又はこれらの合金を含むことが好ましく、銀又は銀合金を含むことがより好ましく、銀を含むことが更に好ましい。
金属ナノ材料は、金属ナノワイヤーであることが好ましい。金属ナノワイヤーは、導電性層の透明性を向上できる。金属ナノワイヤーとしては、例えば、銀ナノワイヤー、銅ナノワイヤー、金ナノワイヤー及び白金ナノワイヤーが挙げられる。導電性及び透明性の観点から、金属ナノ材料は、銀ナノワイヤーであることが好ましい。
金属ナノワイヤーの形状としては、例えば、円柱及び直方体が挙げられる。金属ナノワイヤーの形状としては、例えば、多角形の断面を有する柱形状が挙げられる。金属ナノワイヤーの断面形状は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察される。
透明性の観点から、金属ナノワイヤーの平均直径(いわゆる、短軸長)は、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることが更に好ましい。耐酸化性及び耐久性の観点から、金属ナノワイヤーの平均直径は、5nm以上であることが好ましい。金属ナノワイヤーの平均直径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は光学顕微鏡を用いて測定される。具体的に、透過型電子顕微鏡(TEM)又は光学顕微鏡を用いて観察される複数の金属ナノワイヤーから無作為に選択した300個の金属ナノワイヤーの直径を測定する。測定値の算術平均を金属ナノワイヤーの平均直径とする。
導電性の観点から、金属ナノワイヤーの平均長さ(いわゆる、長軸長)は、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることが更に好ましい。金属ナノワイヤーの製造過程における凝集物の生成抑制の観点から、金属ナノワイヤーの平均長さは、1mm以下であることが好ましい。金属ナノワイヤーの平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)又は光学顕微鏡を用いて測定される。具体的に、透過型電子顕微鏡(TEM)又は光学顕微鏡を用いて観察される複数の金属ナノワイヤーから無作為に選択した300個の金属ナノワイヤーの長さを測定する。測定値の算術平均を金属ナノワイヤーの平均長さとする。
金属ナノ材料は、金属ナノ粒子であってもよい。金属ナノ粒子としては、例えば、銀ナノ粒子、銅ナノ粒子、金ナノ粒子及び白金ナノ粒子が挙げられる。導電性及び透明性の観点から、金属ナノ粒子は、銀ナノ粒子であることが好ましい。
金属ナノ粒子の形態は、球状粒子であってよい。金属ナノ粒子の形態は、平板状粒子であってもよい。金属ナノ粒子の形態は、不定形状粒子であってもよい。
安定性及び融着温度の観点から、金属ナノ粒子の平均一次粒径は、0.1nm~500nmであることが好ましく、1nm~200nmであることがより好ましく、1nm~100nmであることが更に好ましい。金属ナノ粒子の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(例えば、S-3700N、株式会社日立ハイテクノロジーズ)及び画像処理測定装置(例えば、ルーゼックスAP、株式会社ニレコ)を用いて100個の粒子の粒径を測定し、測定値を算術平均することによって求められる。本開示において「粒径」とは、粒子の円相当径を意味する。円相当径は、対象物の投影面積と同じ面積を有する円の直径である。
分散性及び導電性の観点から、金属ナノ材料は、1:1~1:10のアスペクト比及び1nm~200nmの平均一次粒径を有する粒子であることが好ましい。
導電性の観点から、金属ナノ粒子は、銀の標準電極電位よりも高い標準電極電位を有する金属(以下、「銀より貴な金属」という場合がある。)を含むことが好ましい。銀より貴な金属としては、例えば、金が挙げられる。金属ナノ粒子は、金により被覆された扁平状粒子を含むことが好ましい。金は、扁平状粒子の少なくとも一部を被覆している。
金属ナノ粒子において銀の含有量に対する銀より貴な金属の含有量の比率は、0.01原子%~5原子%であることが好ましく、0.1原子%~2原子%であることがより好ましく、0.2原子%~0.5原子%であることが更に好ましい。銀より貴な金属の含有量は、例えば、酸といった試薬を用いて試料を溶解した後、高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分光分析によって測定される。
導電性層は、1種又は2種以上の金属ナノ材料を含んでいてもよい。
導電性及び透明性の観点から、導電性層の全質量に対する金属ナノ材料の含有量の割合は、1質量%~99質量%であることが好ましく、1質量%~95質量%であることがより好ましく、1質量%~90質量%であることが更に好ましい。
耐久性の観点から、樹脂は、バインダーポリマーであることが好ましい。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリノルボルネン、セルロース樹脂、ポリビニルアルコ
ール(PVA)及びポリビニルピロリドンが挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)が挙げられる。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステルに由来の構成単位及びメタクリル酸エステルに由来の構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位を含む重合体であることが好ましい。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。
セルロース樹脂としては、例えば、セルロース及びセルロース誘導体が挙げられる。セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が挙げられる。
金属ナノ材料の安定性の観点から、樹脂は、アクリル樹脂及びセルロース樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましく、アクリル樹脂及びセルロース誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことがより好ましい。金属ナノ材料の安定性の観点から、樹脂は、アクリル樹脂を含むことが好ましい。金属ナノ材料の安定性の観点から、樹脂は、セルロース誘導体を含むことが好ましい。
樹脂は、導電性の高分子化合物を含んでいてもよい。導電性の高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン及びポリチオフェンが挙げられる。
通電後の導電性パターンの寸法安定性の観点から、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、180℃以下であることが好ましく、40℃~160℃であることがより好ましく、60℃~150℃であることが更に好ましい。
本開示において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて、「JIS K 7121(1987年)」又は「JIS K 6240(2011年)」に記載の方法に準じて測定される。ガラス転移温度として補外ガラス転移開始温度が採用される。以下、ガラス転移温度の具体的な測定方法を説明する。まず、予想される樹脂のガラス転移温度より約50℃低い温度で装置が安定するまで温度を保持した後、20℃/分の加熱速度で、ガラス転移が終了した温度よりも約30℃高い温度まで加熱し,示差熱分析(DTA)曲線又はDSC曲線を作成する。次に、DTA曲線又はDSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度(すなわち、補外ガラス転移開始温度)を求める。
導電性層は、1種又は2種以上の樹脂を含んでいてもよい。
導電性層の全質量に対する樹脂の含有量の割合は、1質量%~90質量%であることが好ましく、10質量%~80質量%であることがより好ましく、20質量%~70質量%であることが更に好ましい。
導電性層は、他の成分を更に含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ラピゾールA-90(日油株式会社、固
形分濃度:1%)及びナロアクティーCL-95(三洋化成工業株式会社、固形分濃度:1%)が挙げられる。他の成分としては、例えば、無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ、ムライト及びアルミナが挙げられる。
導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1は、30mJ/m~50mJ/mであることが好ましく、32mJ/m~46mJ/mであることがより好ましく、38mJ/m~46mJ/mであることが更に好ましい。導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1が上記範囲内であると、導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1と感光性樹脂層の第3面の表面自由エネルギーγrとの差が小さくなりやすい。この結果、導電性層と感光性樹脂層との密着性が向上できる。
本開示において、導電性層の表面自由エネルギーは、蒸留水の接触角及びヨウ化メチレン(すなわち、CH)の接触角に基づいてOwens and Wendt法によって算出される。本開示において、接触角は、接触角計(例えば、Dropmaster500、協和界面科学株式会社)を用いて3回測定される接触角の平均値である。蒸留水及びヨウ化メチレンの各々の滴下量は、3.0μLである。蒸留水及びヨウ化メチレンの各々の滴下から測定までの時間は、20秒間である。接触角の測定温度は、25℃である。
導電性層の表面自由エネルギーを調整する方法としては、例えば、表面改質が挙げられる。表面改質としては、例えば、コロナ処理及びプラズマ処理が挙げられる。表面改質としては、例えば、後述の表面改質工程(すなわち、有機物及び溶剤を含む溶液を用いる方法)が挙げられる。表面自由エネルギーの調整の容易性の観点から、導電性層の表面自由エネルギーは、後述の表面改質工程によって調整されることが好ましい。導電性層の表面自由エネルギーは、導電性層の組成によって調整されてもよい。
導電性層の第2面に対する蒸留水の接触角は、50°~85°であることが好ましく、50°~75°であることがより好ましく、60°~75°であることが更に好ましい。導電性層の第2面に対する蒸留水の接触角が上記範囲内であると、導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1と感光性樹脂層の第3面の表面自由エネルギーγrとの差が小さくなりやすい。この結果、導電性層と感光性樹脂層との密着性が向上できる。
導電性層の第2面に対するヨウ化メチレンの接触角は、10°~65°であることが好ましく、20°~60°であることがより好ましい。導電性層の第2面に対するヨウ化メチレンの接触角が上記範囲内であると、導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1と感光性樹脂層の第3面の表面自由エネルギーγrとの差が小さくなりやすい。この結果、導電性層と感光性樹脂層との密着性が向上できる。
導電性層の表面に対する蒸留水又はヨウ化メチレンの接触角を調整する方法としては、例えば、既述の表面改質が挙げられる。
導電性層の厚さは、制限されない。導電性及び製膜性の観点から、導電性層の平均厚さは、0.001μm~1,000μmであることが好ましく、0.005μm~15μmであることがより好ましく、0.01μm~10μmであることが更に好ましい。導電性層の平均厚さは、既述の基板の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定される。
導電性層の製造方法は、制限されない。導電性層は、金属ナノ材料及び樹脂を含む組成物(例えば、インク)を基板に塗布することによって製造されてもよい。組成物は、硬化型の組成物であってもよい。硬化型の組成物は、熱硬化型の組成物であってもよい。硬化型の組成物は、光硬化型の組成物であってもよい。硬化型の組成物は、熱硬化型かつ光硬
化型の組成物であってもよい。組成物は、他の成分を更に含んでいてもよい。組成物は、溶剤を更に含んでいてもよい。溶剤としては、例えば、水及び有機溶剤が挙げられる。好ましい有機溶剤としては、例えば、炭化水素(例えば、トルエン、ドデカン、テトラデカン、シクロドデセン、n-ヘプタン及びn-ウンデカン)及びアルコール(例えば、エタノール及びイソプロピルアルコールが挙げられる。塗布方法としては、例えば、インクジェット法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法及びダイコート法(すなわち、スリットコート法)が挙げられる。導電性層の製造方法は、組成物の塗布後、必要に応じて他の工程(例えば、乾燥及び焼成)を更に含んでいてもよい。
導電性層は、金属ナノ材料及び樹脂(A)を含む導電性層(A)に、有機物及び溶剤を含む溶液を接触させることによって形成された層であることが好ましい。準備工程は、金属ナノ材料及び樹脂(A)を含む導電性層(A)に、有機物及び溶剤を含む溶液を接触させることによって、導電性層を形成することを含んでいてもよい。上記のような方法は、感光性樹脂層に対して高い密着性を有する導電性層を形成できる。以下、上記のように導電性層(A)に特定の溶液を接触させることを、「表面改質工程」という場合がある。
導電性層(A)における金属ナノ材料の態様は、既述の導電性層における金属ナノ材料の態様と同じである。
導電性及び透明性の観点から、導電性層(A)の全質量に対する金属ナノ材料の含有量の割合は、1質量%~99質量%であることが好ましく、1質量%~95質量%であることがより好ましく、1質量%~90質量%であることが更に好ましい。
耐久性の観点から、樹脂(A)は、バインダーポリマーであることが好ましい。
樹脂(A)としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリノルボルネン、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルピロリドンが挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。
セルロース樹脂としては、例えば、セルロース及びセルロース誘導体が挙げられる。セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が挙げられる。
金属ナノ材料の分散性及び通電後の導電性パターンの寸法安定性の観点から、樹脂(A)は、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましく、セルロース樹脂を含むことがより好ましく、セルロース誘導体を含むことが更に好ましい。
樹脂(A)は、導電性の高分子化合物を含んでいてもよい。導電性の高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン及びポリチオフェンが挙げられる。
通電後の導電性パターンの寸法安定性の観点から、樹脂(A)のガラス転移温度(Tg
)は、180℃以下であることが好ましく、40℃~160℃であることがより好ましく、60℃~150℃であることが更に好ましい。
導電性層(A)は、1種又は2種以上の樹脂(A)を含んでいてもよい。
導電性層(A)の全質量に対する樹脂(A)の含有量の割合は、1質量%~90質量%であることが好ましく、10質量%~80質量%であることがより好ましく、20質量%~70質量%であることが更に好ましい。
導電性層(A)は、他の成分を更に含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ラピゾールA-90(日油株式会社、固形分濃度:1%)及びナロアクティーCL-95(三洋化成工業株式会社、固形分濃度:1%)が挙げられる。他の成分としては、例えば、無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ、ムライト及びアルミナが挙げられる。
表面改質工程において使用される溶液において、有機物は、溶剤と区別される。すなわち、溶剤は、有機物から除外される。
有機物としては、例えば、樹脂が挙げられる。樹脂としては、例えば、アクリル樹脂(例えば、三菱ケミカル株式会社製ダイヤナールシリーズ及び株式会社日本触媒製アクリセットシリーズ)、ポリエステル樹脂(例えば、ユニチカ株式会社製エリーテルシリーズ及び三菱ケミカル株式会社製ニチゴーポリエスターシリーズ)、ポリビニルアルコール樹脂(例えば、株式会社クラレ製ポバールシリーズ)、ポリビニルアセタール樹脂(例えば、積水化学工業株式会社製エスレックシリーズ)、フェノール樹脂(例えば、DIC株式会社製フェノライトシリーズ)が挙げられる。
通電後の導電性パターンの寸法安定性の観点から、有機物は、樹脂を含むことが好ましく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことがより好ましく、アクリル樹脂を含むことが更に好ましい。アクリル樹脂は、アクリル酸エステルに由来の構成単位及びメタクリル酸エステルに由来の構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位を含む重合体であることが好ましい。さらに、アクリル樹脂は、アクリル酸ベンジルに由来の構成単位及びメタクリル酸ベンジルに由来の構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位を含む重合体であることが好ましい。
通電後の導電性パターンの寸法安定性の観点から、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、150℃以下であることが好ましく、30℃~140℃であることがより好ましく、40℃~130℃であることが更に好ましく、40℃~120℃であることが特に好ましい。
耐エッチング性及び通電後の導電性パターンの寸法安定性の観点から、樹脂の酸価は、0mgKOH/g~60mgKOH/gであることが好ましく、0mgKOH/g~50mgKOH/gであることがより好ましく、0mgKOH/g~40mgKOH/gであることが更に好ましい。
本開示において「酸価」とは、1gの試料を中和するのに必要な水酸化カリウムの質量(mg)を意味する。酸価の単位は、mgKOH/gによって表される。酸価は、以下の方法によって測定される。まず、試料を、テトラヒドロフラン及び水を含む混合溶媒(体積比:テトラヒドロフラン/水=9/1)に溶解する。電位差滴定装置(例えば、AT-510、京都電子工業株式会社)及び0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて、25℃で溶液を中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として、次式により酸
価を算出する。
式:A=56.11×Vs×0.1×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の力価
w:固形分換算された試料の質量(g)
表面改質工程において使用される溶液は、1種又は2種以上の樹脂を含んでいてもよい。
導電性の観点から、溶液の固形分の全質量に対する樹脂の含有量の割合は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
有機物は、樹脂と、他の成分と、を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、重合性化合物及び重合開始剤が挙げられる。例えば、有機物は、樹脂と、重合性化合物と、重合開始剤と、を含んでいてもよい。
重合性化合物における重合性基の数は、2個以上であることが好ましく、3個~10個であることがより好ましく、4個~8個であることが更に好ましい。
重合性化合物は、エチレン性不飽和化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。重合性化合物は、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましく、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることがより好ましい。
重合性化合物は、後述の感光性樹脂層の成分として説明される重合性化合物から選択されてもよい。
表面改質工程において使用される溶液は、1種又は2種以上の重合性化合物を含んでいてもよい。
導電性の観点から、溶液の固形分の全質量に対する樹脂の含有量の割合は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
重合開始剤は、光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤としては、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤、ビイミダゾール構造を有する光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、アセトフェノン構造を有する光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤及びN-フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤、ビイミダゾール構造を有する光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、アセトフェノン構造を有する光重合開始剤及びアシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種の光重合開始剤を含むことが好ましく、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤を含むことがより好ましい。
表面改質工程において使用される溶液は、1種又は2種以上の重合開始剤を含んでいてもよい。
導電性の観点から、溶液の固形分の全質量に対する重合開始剤の含有量の割合は、0.1質量%~20質量%であることが好ましく、0.1質量%~10質量%であることがより好ましく、0.1質量%~5質量%であることが更に好ましい。
表面改質工程において使用される溶液は、1種又は2種以上の有機物を含んでいてもよい。
溶剤としては、例えば、水及び有機溶剤が挙げられる。溶剤は、有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶剤としては、例えば、アルキレングリコールエーテル、アルキレングリコールエーテルアセテート(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、アルコール(例えば、メタノール及びエタノール)、ケトン(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)、非プロトン性極性溶剤(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン)、エステル、アミド及びラクトンが挙げられる。
表面改質工程において使用される溶液は、1種又は2種以上の溶剤を含んでいてもよい。
また、表面改質工程において使用される溶液は、上記以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防錆剤、界面活性剤、粘度調整剤、防腐剤、増感剤、重合禁止剤、粘度調整剤、可塑剤、金属酸化物粒子、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、光重合開始剤以外の熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、架橋剤及び有機又は無機の沈殿防止剤を挙げることができる。これらの成分は、1種類のみを含んでいてもよく、複数の機能を持つ素材を2種以上同時に含んでいてもよい。
例えば、表面改質工程において使用される溶液は、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、ホスファイト系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤を挙げることができる。
例えば、表面改質工程において使用される溶液は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤を挙げることができる。
例えば、表面改質工程において使用される溶液は、防錆剤を含んでいてもよい。防錆剤としては、含窒素化合物、含硫黄化合物、複素環式化合物、脂肪酸、アミン塩、脂肪酸エステル、界面活性剤、キレート形成化合物等を上げることができる。具体的には、トリアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、テトラゾール、オキサゾール、チオフェン、チアジアゾール、ジチアゾール、モルホリン、オキサジン、チオモルホリン、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ドデカンチオール、ナフタレンチオール、システイン、メチオニン、チオフェノール、オレイン酸,ダイマー酸,ナフテン酸、高級脂肪酸のグリセリンエステル,ソルビタンモノイソステアレート,ソルビタンモノオレート、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グルコン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)等の化合物や、その誘導体を挙げることができる。
導電性層(A)に溶液を接触させる方法は、制限されない。導電性層(A)に溶液を接触させる方法としては、例えば、導電性層(A)に溶液を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、インクジェット法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法及びダイコート法(すなわち、スリットコート法)が挙げられる。
樹脂パターンの製造方法は、導電性層(A)に付着した溶液を乾燥することを更に含むことが好ましい。乾燥温度は、25℃~200℃であることが好ましく、25℃~100℃であることがより好ましい。
樹脂パターンの製造方法は、導電性層(A)に付着した溶液を乾燥することと、溶液の乾燥物を露光することと、を更に含んでいてもよい。好ましい乾燥温度は、既述のとおりである。露光量は、1mJ/cm~1000mJ/cmであることが好ましく20mJ/cm~750mJ/cmであることがより好ましい。
樹脂パターンの製造方法は、導電性層(A)に付着した溶液を乾燥することと、溶液の乾燥物を露光することと、溶液の乾燥物を加熱することと、を更に含んでいてもよい。好ましい乾燥温度は、既述のとおりである。好ましい露光量は、既述のとおりである。加熱温度は、30℃~200℃であることが好ましく、40℃~180℃であることがより好ましい。加熱時間は、0.1時間~3時間であることが好ましく、0.1時間~1時間であることがより好ましい。
表面改質工程において、溶液の成分の少なくとも一部は、導電性層(A)と明確に区別される層又は領域を形成してもよい。表面改質工程において、溶液の成分の少なくとも一部は、導電性層(A)と一体化した層又は領域を形成してもよい。上記2つの態様は、両立可能である。例えば、表面改質工程において、溶液の成分の一部は、導電性層(A)と明確に区別される層を形成し、かつ、溶液の成分の一部は、導電性層(A)と一体化した層を形成してもよい。上記の各態様において、溶液の成分の少なくとも一部は、導電性層(A)に浸透してもよい。上記の各態様は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で採用されることができる。溶液の成分に由来する層又は領域は、後述の感光性樹脂層の形成工程にお
いて導電性層の一部とみなされる。
[感光性樹脂層の形成工程]
感光性樹脂層の形成工程は、導電性層の第2面の上に、感光性樹脂層を形成することである。感光性樹脂層は、導電性層を向く第3面及び第3面の反対に第4面を有する。
導電性層の第2面の表面自由エネルギーγs1及び感光性樹脂層の第3面の表面自由エネルギーγrは、|γs1-γr|≦12の関係を満たす。|γs1-γr|の値は、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることが更に好ましい。さらに、|γs1-γr|の値は、3以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましく、2.5以下であることが更に好ましい。導電性層と感光性樹脂層との密着性の観点において、|γs1-γr|の下限は制限されない。|γs1-γr|の値は、0以上であってもよい。
本開示において、感光性樹脂層の表面自由エネルギーは、既述の導電性層の表面自由エネルギーの算出方法に準ずる方法によって算出される。ただし、感光性樹脂層の表面自由エネルギーの算出は、感光性樹脂層の形成方法に応じて以下の方法を採用する。
(1)転写材料を用いる感光性樹脂層の形成方法において、感光性樹脂層の表面自由エネルギーは、導電性層の上に配置される予定の感光性樹脂層を用いて算出される。つまり、転写材料を用いる感光性樹脂層の形成方法において、感光性樹脂層の表面自由エネルギーは、転写材料の感光性樹脂層を導電性層に貼り付ける前に算出される。転写材料において感光性樹脂層の測定対象面が保護フィルムといった他の層によって覆われている場合、他の層は、感光性樹脂層の測定対象面の表面自由エネルギーを算出するために剥離される。
(2)塗布法を用いる感光性樹脂層の形成方法において、感光性樹脂層の表面自由エネルギーは、低い表面自由エネルギーを有する基板(例えば、セラピールPJ271、東レ株式会社)に感光性樹脂層形成用組成物を塗布することによって形成された感光性樹脂層を用いて算出される。具体的な手順は、以下のとおりである。低い表面自由エネルギーを有する基板の上に感光性樹脂層を形成した後、感光性樹脂層から基板を剥離する。低い表面自由エネルギーを有する基板の成分は、感光性樹脂層形成用組成物に含まれる溶剤に侵されず、かつ、基板の成分が感光性樹脂層の表面張力に影響を与えることを防止するために感光性樹脂層に移行しない成分から選択される。基板の剥離によって露出した感光性樹脂層の表面を感光性樹脂層の第4面とみなし、既述の方法によって表面自由エネルギーγrを算出する。
感光性樹脂層の表面自由エネルギーを調整する方法は、制限されない。感光性樹脂層の表面自由エネルギーは、感光性樹脂層の組成によって調整されてもよい。
感光性樹脂層としては、例えば、ポジ型感光性樹脂層及びネガ型感光性樹脂層が挙げられる。
解像性の観点から、感光性樹脂層は、ポジ型感光性樹脂層であることが好ましい。感光性樹脂層は、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体と、光酸発生剤と、を含むポジ型感光性樹脂層であってよい。感光性樹脂層は、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体と、光酸発生剤と、を含む化学増幅ポジ型感光性樹脂層であってもよい。感光性樹脂層は、光反応開始剤としてナフトキノンジアジド系化合物と、フェノールノボラック樹脂と、を含むポジ型感光性樹脂層であってもよい。
樹脂パターンの強度、耐熱性及び耐薬品性の観点から、感光性樹脂層は、ネガ型感光性樹脂層であることが好ましい。パターン形成性の観点から、ネガ型感光性樹脂層は、酸基
を有する重合体と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含むことが好ましい。ネガ型感光性樹脂層としては、例えば、特開2016-224162号公報に記載された感光性樹脂層が挙げられる。
(酸の作用により極性が変化する樹脂)
感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、酸の作用により極性が変化する樹脂を含むことが好ましい。
酸の作用により極性が変化する樹脂としては、例えば、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体が挙げられる。以下、「酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位」を「構成単位A」という場合がある。以下、「酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含む重合体」を「重合体X1」という場合がある。
重合体X1は、付加重合型の重合体であることが好ましく、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸のエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。
酸分解性基で保護された酸基は、露光により生じる触媒量の酸性物質(例えば、酸)の作用により、脱保護反応を経て酸基に変換される。上記のような反応によって重合体X1に酸基が生じることで、現像液に対する感光性樹脂層の溶解性が増大する。
酸基の種類は、制限されない。酸基は、カルボキシ基又はフェノール性水酸基であることが好ましい。
酸分解性基としては、例えば、酸により比較的分解し易い基及び酸により比較的分解し難い基が挙げられる。酸により比較的分解し易い基としては、例えば、アセタール型保護基(例えば、1-アルコキシアルキル基、テトラヒドロピラニル基及びテトラヒドロフラニル基)が挙げられる。酸により比較的分解し難い基としては、例えば、第三級アルキル基(例えば、tert-ブチル基)及び第三級アルキルオキシカルボニル基(例えば、tert-ブチルオキシカルボニル基)が挙げられる。酸分解性基は、アセタール型保護基であることが好ましい。
樹脂パターンの線幅のバラツキを抑制する観点から、酸分解性基の分子量は、300以下であることが好ましい。
感度及び解像度の観点から、構成単位Aは、下記式A1により表される構成単位、下記式A2により表される構成単位及び下記式A3により表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位であることが好ましく、下記式A3により表される構成単位であることがより好ましい。下記式A3で表される構成単位は、アセタール型の酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有する構成単位である。
Figure 2023076385000002
式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R11及びR12の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基であり、R13は、アルキル基又はアリール基を表し、R11又はR12と、R13とは連結して環状エーテルを形成してもよく、R14は、水素原子又はメチル基を表し、Xは、単結合又は二価の連結基を表し、R15は、置換基を表し、nは、0~4の整数を表す。
式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R21及びR22の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基であり、R23は、アルキル基又はアリール基を表し、R21又はR22と、R23とは連結して環状エーテルを形成してもよく、R24は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はシクロアルキル基を表し、mは、0~3の整数を表す。
式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R31及びR32の少なくとも一方は、アルキル基又はアリール基であり、R33は、アルキル基又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とは連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は、水素原子又はメチル基を表し、Xは、単結合又はアリーレン基を表す。
式A3中、R31及びR32によって表されるアルキル基は、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましい。
式A3中、R31及びR32によって表されるアリール基は、フェニル基であることが好ましい。
式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
式A3中、R33は、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることがより好ましい。
式A3中、R31~R33で表されるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、R31又はR32と、R33とは、連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A3中、Xは、単結合であることが好ましい。Xで表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、R34は、水素原子であることが好ましい。R34が水素原子であると、重合体X1のガラス転移温度(Tg)が低くなる傾向にある。
式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有量は、重合体X1に含まれる構成単位Aの全質量に対して、20質量%以上であることが好ましい。構成単位A中の、式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有量は、13C-核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認される。
式A1~式A3の好ましい態様としては、国際公開第2018/179640号の段落0044~段落0058を参照することができる。
感度の観点から、式A1~式A3における酸分解性基は、環状構造を有する基であることが好ましく、テトラヒドロフラン環構造又はテトラヒドロピラン環構造を有する基であるがより好ましく、テトラヒドロフラン環構造を有する基であることが更に好ましく、テトラヒドロフラニル基であることが特に好ましい。
重合体X1は、1種又は2種以上の構成単位Aを含んでいてもよい。
構成単位Aの含有量は、重合体X1の全質量に対して、10質量%~70質量%であることが好ましく、15質量%~50質量%であることがより好ましく、20質量%~40質量%であることが更に好ましい。構成単位Aの含有量が上記範囲内であることで、解像度がより向上する。重合体X1が2種以上の構成単位Aを含む場合、構成単位Aの含有量は、2種以上の構成単位Aの総含有量を表す。構成単位Aの含有量は、13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認される。
重合体X1は、酸基を有する構成単位(以下、「構成単位B」という場合がある。)を更に含んでいてもよい。構成単位Bは、酸分解性基で保護されていない酸基、すなわち、保護基を有しない酸基を有する構成単位である。重合体X1が構成単位Bを含むことで、パターン形成時の感度が良好となる。構成単位Bはアルカリ性の現像液に重合体X1を溶けやすくするため、現像時間が短縮される。
構成単位Bにおける酸基とは、pKaが12以下のプロトン解離性基を意味する。感度向上の観点から、酸基のpKaは、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。酸基のpKaは、-5以上であることが好ましい。酸基としては、例えば、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホ基、フェノール性水酸基及びスルホニルイミド基が挙げられる。酸基は、カルボキシ基又はフェノール性水酸基であることが好ましく、カルボキシ基であることがより好ましい。
重合体X1は、1種又は2種以上の構成単位Bを含んでいてもよい。
構成単位Bの含有量は、重合体X1の全質量に対して、0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.01質量%~10質量%であることがより好ましく、0.1質
量%~5質量%であることが更に好ましい。構成単位Bの含有量が上記範囲内であることで、解像性がより良好となる。重合体X1が2種以上の構成単位Bを含む場合、構成単位Bの含有量は、2種以上の構成単位Bの総含有量を表す。構成単位Bの含有量は、13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認される。
重合体X1は、他の構成単位(以下、「構成単位C」という場合がある。)を更に含んでいてもよい。構成単位Cの種類及び含有量の少なくとも一方の調整は、重合体X1の諸特性を調整できる。例えば、構成単位Cは、重合体X1のガラス転移温度、酸価及び親疎水性を容易に調整できる。
構成単位Cを形成するモノマーとしては、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸無水物が挙げられる。
導電性層と感光性樹脂層との密着性の観点から、構成単位Cを形成するモノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましく、炭素数4~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが挙げられる。
構成単位Cとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル又はエチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートに由来の構成単位が挙げられる。構成単位Cとしては、特開2004-264623号公報の段落0021~段落0024に記載された化合物に由来の構成単位も挙げられる。
解像性の観点から、構成単位Cは、塩基性基を有する構成単位を含むことが好ましい。塩基性基としては、例えば、窒素原子を有する基が挙げられる。窒素原子を有する基としては、例えば、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基及び含窒素複素芳香環基が挙げられる。塩基性基は、脂肪族アミノ基であることが好ましい。
脂肪族アミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基又は第三級アミノ基であってもよい。解像性の観点から、脂肪族アミノ基は、第二級アミノ基又は第三級アミノ基であることが好ましい。
塩基性基を有する構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル、メタクリル酸2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル、アクリル酸2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸N-(3-
ジメチルアミノ)プロピル、アクリル酸N-(3-ジメチルアミノ)プロピル、メタクリル酸N-(3-ジエチルアミノ)プロピル、アクリル酸N-(3-ジエチルアミノ)プロピル、メタクリル酸2-(ジイソプロピルアミノ)エチル、メタクリル酸2-モルホリノエチル、アクリル酸2-モルホリノエチル、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、4-アミノスチレン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、1-ビニルイミダゾール、2-メチル-1-ビニルイミダゾール、1-アリルイミダゾール及び1-ビニル-1,2,4-トリアゾールが挙げられる。上記の中でも、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルが好ましい。
電気特性の向上の観点から、構成単位Cは、芳香環を有する構成単位又は脂肪族環式骨格を有する構成単位であることが好ましい。上記のような構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。上記の中でも、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
重合体X1は、1種又は2種以上の構成単位Cを含んでいてもよい。
構成単位Cの含有量は、重合体X1の全質量に対し、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。構成単位Cの含有量は、重合体X1の全質量に対し、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。構成単位Cの含有量が上記範囲内であることで、解像度及び導電性層と感光性樹脂層との密着性がより向上する。重合体X1が2種以上の構成単位Cを有する場合、構成単位Cの含有量は、2種以上の構成単位Cの総含有量を表す。構成単位Cの含有量は、13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認される。
重合体X1の好ましい例を以下に示す。ただし、重合体X1は、以下の例に制限されない。以下に示される重合体X1における各構成単位の比率及び重量平均分子量は、好ましい物性を得るために適宜選択される。
Figure 2023076385000003
重合体X1のガラス転移温度(Tg)は、90℃以下であることが好ましく、20℃~60℃であることがより好ましく、30℃~50℃であることが特に好ましい。重合体X1のガラス転移温度が上記範囲内であることで、感光性樹脂層の転写性が向上する。
重合体X1のガラス転移温度(Tg)を調整する方法としては、例えば、FOX式を用いる方法が挙げられる。例えば、FOX式は、目的とする重合体X1に含まれる各構成単位の単独重合体のガラス転移温度及び各構成単位の質量分率に基づいて、目的とする重合体X1のガラス転移温度を調整できる。以下、第1構成単位及び第2構成単位を含む共重合体を例に用いて、FOX式を説明する。第1構成単位の単独重合体のガラス転移温度をTg1、共重合体における第1構成単位の質量分率をW1、第2構成単位の単独重合体のガラス転移温度をTg2、共重合体における第2構成単位の質量分率をW2とした場合、第1構成単位及び第2構成単位を含む共重合体のガラス転移温度Tg0(単位:K)は、以下の式に従って推定される。
FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
重合体X1のガラス転移温度(Tg)は、重合体の重量平均分子量によって調整されてもよい。
解像性の観点から、重合体X1の酸価は、0mgKOH/g~50mgKOH/gであることが好ましく、0mgKOH/g~20mgKOH/gであることがより好ましく、0mgKOH/g~10mgKOH/gであることが更に好ましい。
重合体X1の重量平均分子量(Mw)は、60,000以下であることが好ましい。重合体X1の重量平均分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量によって表される。重合体X1の重量平均分子量が60,000以下であることで、低温(例えば130℃以下)における感光性樹脂層の転写性が向上する。重合体X1の重量平均分子量は、2,000~60,000であることが好ましく、3,000~50,000であることがより好ましい。
重合体X1の数平均分子量と重量平均分子量との比(すなわち、分散度)は、1.0~5.0であることが好ましく、1.05~3.5であることがより好ましい。分散度は、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(すなわち、重量平均分子量/数平均分子量)を表す。
重合体X1の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される。重合体X1の重量平均分子量の測定方法の具体例を以下に示す。
(1)測定装置:HLC(登録商標)-8220GPC(東ソー株式会社)
(2)カラム:1本のTSKgel(登録商標)Super HZM-M(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社)、1本のSuper HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社)、1本のSuper HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社)及び1本のSuper HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社)を直列に連結したカラム
(3)溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
(4)試料濃度:0.2質量%
(5)流速:0.35mL/分
(6)試料注入量:10μL
(7)測定温度:40℃
(8)検出器:示差屈折率(RI)検出器
(9)検量線:東ソー株式会社製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F-40」、「F-20」、「F-4」、「F-1」、「A-5000」、「A-2500」及び「A-1000」の7サンプルのいずれか1つを用いて作成された検量線
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の重合体X1を含んでいてもよい。
重合体X1の含有量は、高解像性の観点から、感光性樹脂層の全質量に対して、50質量%~99.9質量%であることが好ましく、70質量%~98質量%であることがより好ましい。
重合体X1の製造方法は、制限されない。例えば、重合体X1は、有機溶剤中、重合開始剤を用いて、構成単位Aを形成するためのモノマー、必要に応じて、構成単位Bを形成するためのモノマー及び構成単位Cを形成するためのモノマーを重合することによって製造される。重合体X1は、高分子反応によって製造されてもよい。
(酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含まない重合体)
感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、重合体X1に加えて、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含まない重合体を含んでいてもよい。以下、「酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含まない重合体」を「重合体X2」という場合がある。
重合体X2としては、例えば、ポリヒドロキシスチレンが挙げられる。
ポリヒドロキシスチレンの市販品としては、例えば、サートマー社製のSMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P及びSMA 3840Fが挙げられる。
ポリヒドロキシスチレンの市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のARUFON UC-3000、ARUFON UC-3510、ARUFON UC-3900、ARUFON UC-3910、ARUFON UC-3920及びARUFON UC-3080が挙げられる。
ポリヒドロキシスチレンの市販品としては、例えば、BASF社製のJoncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67及びJoncryl 586が挙げられる。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の重合体X2を含んでいてもよい。
感光性樹脂層が重合体X2を含む場合、重合体X2の含有量は、重合体成分の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
本開示において「重合体成分」とは、感光性樹脂層に含まれる全ての重合体の総称である。例えば、感光性樹脂層が重合体X1及び重合体X2を含む場合、重合体X1及び重合体X2を合わせて「重合体成分」という。なお、架橋剤、分散剤及び界面活性剤に該当する化合物は、高分子化合物であっても重合体成分に含まれない。
重合体成分の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、50質量%~99.9質量%であることが好ましく、70質量%~98質量%であることがより好ましい。
(光酸発生剤)
感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、光酸発生剤を含むことが好ましい。感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、酸の作用により極性が変化する樹脂と、光酸発生剤と、を含むことがより好ましい。
光酸発生剤は、活性光線(例えば、紫外線、遠紫外線、X線及び電子線)を受けて酸を発生する化合物である。
光酸発生剤は、波長300nm以上(好ましくは波長300nm~450nm)の活性光線に感応することにより酸を発生する化合物であることが好ましい。なお、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤は、増感剤との併用によって波長300nm以上の活性光線に感応することにより酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いられる。
光酸発生剤は、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤であることが好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤であることがより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤であることが更に好ましい。光酸発生剤に由来の酸のpKaの下限は、制限されない。光酸発生剤に由来の酸のpKaは、-10.0以上であることが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、イオン性光酸発生剤及び非イオン性光酸発生剤が挙げられる。
イオン性光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば、ジアリールヨードニウム塩化合物、トリアリールスルホニウム塩化合物及び第四級アンモニウム塩化合物が挙げられる。イオン性光酸発生剤は、オニウム塩化合物であることが好ましく、トリアリールスルホニウム塩化合物及びジアリールヨードニウム塩化合物からなる群より選択少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
好ましいイオン性光酸発生剤としては、例えば、特開2014-85643号公報の段落0114~段落0133に記載されたイオン性光酸発生剤が挙げられる。
非イオン性光酸発生剤としては、例えば、トリクロロメチル-s-トリアジン化合物、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物及びオキシムスルホネート化合物が挙げられる。感度、解像度及び導電性層と感光性樹脂層との密着性の観点から、非イオン性光酸発生剤は、オキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
トリクロロメチル-s-トリアジン化合物、ジアゾメタン化合物及びイミドスルホネート化合物の具体例は、例えば、特開2011-221494号公報の段落0083~段落0088に記載されている。
好ましいオキシムスルホネート化合物としては、例えば、国際公開第2018/179640号の段落0084~段落0088に記載された化合物が挙げられる。
感度及び解像度の観点から、光酸発生剤は、オニウム塩化合物及びオキシムスルホネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の光酸発生剤であることが好ましく、オキシムスルホネート化合物であることがより好ましい。
好ましい光酸発生剤としては、例えば、以下の構造を有する光酸発生剤が挙げられる。
Figure 2023076385000004
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の光酸発生剤を含んでいてもよい。
感度及び解像度の観点から、光酸発生剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
(フェノール性水酸基を有する樹脂)
感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、フェノール性水酸基を有する樹脂を含むことが好ましい。
フェノール性水酸基は、樹脂の主鎖又は側鎖に配置されていてもよい。
フェノール性水酸基を有する樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂が挙げられる。例えば、ノボラック樹脂は、酸触媒の存在下で、フェノール系化合物とアルデヒド化合物とを縮合させることによって得られる。フェノール系化合物としては、例えば、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,5-キシレノール、3,5-キシレノール、3,4-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、2-t-ブチル-5-メチルフェノール及びt-ブチルハイドロキノンが挙げられる。アルデヒド化合物としては、例えば、脂肪族アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びグリオキサール)及び芳香族アルデヒド類(例えば、ベンズアルデヒド及びサリチルアルデヒド)が挙げられる。酸触媒としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、硫酸及びリン酸)、有機酸(例えば、シュウ酸、酢酸及びp-トルエンスルホン酸)及び二価金属塩(例えば、酢酸亜鉛)が挙げられる。縮合反応は、公知の方法に従って行われてもよい。例えば、縮合反応は、60℃~120℃の範囲の温度で2時間~30時間の条件で行われる。縮合反応は、適当な溶媒中で行われてもよい。
フェノール性水酸基を有する樹脂は、アルカリ可溶性を有することが好ましい。本開示において「アルカリ可溶性」とは、22℃の液温において1質量%炭酸ナトリウムの水溶液100gへの溶解度が0.1g以上である性質を意味する。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上のフェノール性水酸基を有する樹脂を含んでいてもよい。
解像度及び現像性の観点から、フェノール性水酸基を有する樹脂の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%~90質量%であることが好ましく、20質量%~90質量%であることがより好ましく、30質量%~90質量%であることが更に好ましい。
(キノンジアジド誘導体)
感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、キノンジアジド誘導体を含むことが好ましい。感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、フェノール性水酸基を有する樹脂と、キノンジアジド誘導体と、を含むことがより好ましい。キノンジアジド誘
導体は、感光性樹脂層の耐熱性及び寸法安定性に寄与できる。
キノンジアジド誘導体としては、例えば、キノンジアジド誘導体のスルホン酸エステル及びキノンジアジド誘導体のスルホン酸ハロゲン化物が挙げられる。
キノンジアジド誘導体のスルホン酸エステルとしては、例えば、1,2-ベンゾキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-6-スルホン酸エステル、2,1-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、2,1-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル及び2,1-ナフトキノンジアジド-6-スルホン酸エステルが挙げられる。
キノンジアジド誘導体のスルホン酸ハロゲン化物としては、例えば、1,2-ベンゾキノンジアジド-4-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノンジアジド-6-スルホン酸クロライド、2,1-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸クロライド、2,1-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸クロライド及び2,1-ナフトキノンジアジド-6-スルホン酸クロライドが挙げられる。
キノンジアジド誘導体の製造方法は、制限されない。例えば、キノンジアジド誘導体は、脱ハロゲン化水素剤の存在下で、フェノール性水酸基を有する化合物とキノンジアジドスルホン酸ハライドとを縮合反応させることによって製造される。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上のキノンジアジド誘導体を含んでいてもよい。
解像度及び現像性の観点から、キノンジアジド誘導体の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~30質量%であることが好ましく、0.1質量%~25質量%であることがより好ましく、0.5質量%~20質量%であることが更に好ましい。
(塩基性化合物)
感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、塩基性化合物を含んでいてもよい。
塩基性化合物としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド及びカルボン酸の第四級アンモニウム塩が挙げられる。塩基性化合物の具体例としては、特開2011-221494号公報の段落0204~段落0207に記載された化合物が挙げられる。上記文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリ-n-プロピルアミン、ジ-n-ペンチルアミン、トリ-n-ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン及びジシクロヘキシルメチルアミンが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びジフェニルアミンが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2-メチルピリジン、4-メチルピリジン、2-エチルピリジン、4-エチルピリジン、2-フェニルピリジン、4-フェニルピリジン、N-メチル-4-フェニルピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2-フェニルベンズイミダゾール、2,4,5-トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8-オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4-メチルモルホリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン及び1,8-ジアザビシクロ[5.3.0]-7-ウンデセンが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド、及び、テトラ-n-ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ-n-ブチルアンモニウムアセテート及びテトラ-n-ブチルアンモニウムベンゾエートが挙げられる。
導電性層の防錆性及び導電性パターンの直線性の観点から、塩基性化合物は、ベンゾトリアゾール化合物であることが好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物は、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物である。ベンゾトリアゾール化合物は、公知のベンゾトリアゾール化合物から選択されてもよい。ベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、5-カルボキシベンゾトリアゾール、1-(ヒドロキシメチル)-1H-ベンゾトリアゾール、1-アセチル-1H-ベンゾトリアゾール、1-アミノベンゾトリアゾール、9-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルメチル)-9H-カルバゾール、1-クロロ-1H-ベンゾトリアゾール、1-(2-ピリジニル)ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-メチルベンゾトリアゾール、1-エチルベンゾトリアゾール、1-(1’-ヒドロキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2’-ヒドロキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-プロピルベンゾトリアゾール、1-(1’-ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-(2’-ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-(3’-ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、エチルベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、t-ブチル-ベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、シクロペンチルエチル-ベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、1H-ベンゾトリアゾール-1-アセトニトリル、1H-ベンゾトリアゾール-1-カルボキシアルデヒド、2-メチル-2H-ベンゾトリアゾール及び2-エチル-2H-ベンゾトリアゾールが挙げられる。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の塩基性化合物を含んでいてもよい。
塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.001質量%~5質量%であることが好ましく、0.005質量%~3質量%であることがより好ましい。
塩基性化合物の態様は、国際公開第2018/179640号に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に取り込まれる。
(アルコキシシラン化合物)
感光性樹脂層(好ましくはポジ型感光性樹脂層)は、アルコキシシラン化合物を含んでいてもよい。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ-グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ-クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン及びビニルトリアルコキシシランが挙げられる。
アルコキシシラン化合物は、トリアルコキシシラン化合物であることが好ましく、γ-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン又はγ-メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランであることがより好ましく、γ-グリシドキシプロピルトリアルコキシシランであることが更に好ましく、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることが特に好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上のアルコキシシラン化合物を含んでいてもよい。
導電性層と感光性樹脂層との密着性及びエッチング耐性の観点から、アルコキシシラン化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、0.1質量%~50質量%であることが好ましく、0.5質量%~40質量%であることがより好ましく、1.0質量%~30質量%であることが更に好ましい。
アルコキシシラン化合物の態様は、国際公開第2018/179640号に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に取り込まれる。
(アルカリ可溶性樹脂)
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、エッチングレジストに用いられる公知のアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、バインダーポリマーであることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、酸基を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、以下の説明において「重合体A」と称される化合物であることが好ましい。
現像液による感光性樹脂層の膨潤を抑制することによって解像性が向上する観点から、重合体Aの酸価は、220mgKOH/g以下であることが好ましく、200mgKOH/g未満であることがより好ましく、190mgKOH/g未満であることが更に好ましい。現像性がより優れる観点から、重合体Aの酸価は、60mgKOH/g以上であることが好ましく、120mgKOH/g以上であることがより好ましく、150mgKOH/g以上であることが更に好ましく、170mgKOH/g以上であることが特に好ましい。例えば、重合体Aの酸価は、重合体Aを構成する構成単位の種類及び酸基を含有する構成単位の含有量により調整される。
重合体Aの重量平均分子量は、5,000~500,000であることが好ましい。重合体Aの重量平均分子量を500,000以下に調整することは、解像性及び現像性を向上させる観点から好ましい。重合体Aの重量平均分子量は、100,000以下であることが好ましく、60,000以下であることがより好ましく、50,000以下であるこ
とが更に好ましい。一方、重合体Aの重量平均分子量を5,000以上に調整することは、現像凝集物の性状及び未露光膜の性状(例えば、エッジフューズ性及びカットチップ性)を制御する観点から好ましい。重合体Aの重量平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが更に好ましい。エッジフューズ性とは、感光性樹脂層を含む物品(例えば、転写材料)をロール状に巻き取った場合におけるロールの端面からの感光性樹脂層のはみ出し易さの程度をいう。カットチップ性とは、未露光膜をカッターで切断した場合におけるチップの飛び易さの程度をいう。チップが感光性樹脂層の表面に付着すると、後工程においてチップがマスクに転写して不良品の原因となる可能性がある。重合体Aの分散度は、1.0~6.0であることが好ましく、1.0~5.0であることがより好ましく、1.0~4.0であることが更に好ましく、1.0~3.0であることが特に好ましい。
露光時の焦点位置がずれた際の線幅の太り及び解像度の悪化を抑制する観点から、重合体Aは、芳香族炭化水素基を有する構成単位を含むことが好ましい。芳香族炭化水素基としては、例えば、置換又は非置換のフェニル基及び置換又は非置換のアラルキル基が挙げられる。重合体Aにおける芳香族炭化水素基を有する構成単位の含有割合は、全構成単位の合計質量を基準として、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、45質量%以上であることが特に好ましく、50質量%以上であることが最も好ましい。重合体Aにおける芳香族炭化水素基を有する構成単位の含有割合は、全構成単位の合計質量を基準として、95質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。なお、感光性樹脂層が2種以上の重合体Aを含む場合、芳香族炭化水素基を有する構成単位の含有割合は、重量平均値として求められる。
芳香族炭化水素基を有する構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、アラルキル基を有するモノマー、スチレン及び重合可能なスチレン誘導体(例えば、メチルスチレン、ビニルトルエン、tert-ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、4-ビニル安息香酸、スチレンダイマー及びスチレントリマー)が挙げられる。アラルキル基を有するモノマー又はスチレンが好ましい。重合体Aにおける芳香族炭化水素基を有する構成単位がスチレンに由来の構成単位である場合、重合体Aにおけるスチレンに由来の構成単位の含有割合は、全構成単位の合計質量を基準として、20質量%~50質量%であることが好ましく、25質量%~45質量%であることがより好ましく、30質量%~40質量%であることが更に好ましく、30質量%~35質量%であることが特に好ましい。
アラルキル基としては、例えば、置換又は非置換のフェニルアルキル基(ただし、ベンジル基を除く。)及び置換又は非置換のベンジル基が挙げられる。置換又は非置換のベンジル基が好ましい。
フェニルアルキル基を有するモノマーとしては、ただし、フェニルエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ベンジル基を有するモノマーとしては、ベンジル基を有する(メタ)アクリレート(例えば、ベンジル(メタ)アクリレート及びクロロベンジル(メタ)アクリレート)、ベンジル基を有するビニルモノマー(例えば、ビニルベンジルクロライド及びビニルベンジルアルコール)が挙げられる。ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。重合体Aにおける芳香族炭化水素基を有する構成単位がベンジル(メタ)アクリレートに由来の構成単位である場合、ベンジル(メタ)アクリレートに由来の構成単位の含有割合は、全構成単位の合計質量を基準として、50質量%~95質量%であることが好ましく、60質量%~90質量%であることがより好ましく、70質量%~90質量%であることが更に好ましく、75質量%~90質量%であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基を有する構成単位を含む重合体Aは、芳香族炭化水素基を有するモノマーと、第1モノマー及び第2モノマーからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーとを重合することにより得られる重合体であることが好ましい。
芳香族炭化水素基を有する構成単位を含まない重合体Aは、第1モノマーを重合することにより得られる重合体であることが好ましく、第1モノマーと、第2モノマーとを共重合することにより得られる重合体であることがより好ましい。
第1モノマーは、分子中にカルボキシ基を有するモノマーである。第1モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、4-ビニル安息香酸、マレイン酸無水物及びマレイン酸半エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸が好ましい。
重合体Aにおける第1モノマーに由来の構成単位の含有割合は、全構成単位の合計質量を基準として、5質量%~50質量%であることが好ましく、10質量%~40質量%であることがより好ましく、15質量%~30質量%であることが更に好ましい。
第1モノマーの共重合割合は、全構成単位の合計質量を基準として、10質量%~50質量%であることが好ましい。第1モノマーの共重合割合を10質量%以上にすることは、良好な現像性の発現及びエッジフューズ性の制御の観点から好ましい。第1モノマーの共重合割合は、全構成単位の合計質量を基準として、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。第1モノマーの共重合割合を50質量%以下にすることは、樹脂パターンの高解像性、樹脂パターンの裾形状及び樹脂パターンの耐薬品性の観点から好ましい。第1モノマーの共重合割合は、全構成単位の合計質量を基準として、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、27質量%以下であることが更に好ましい。
第2モノマーは、非酸性であり、かつ、少なくとも1つの重合性不飽和基を有するモノマーである。第2モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類;及び(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。メチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びn-ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
重合体Aにおける第2モノマーに由来の構成単位の含有割合は、全構成単位の合計質量を基準として、5質量%~60質量%であることが好ましく、15質量%~50質量%であることがより好ましく、20質量%~45質量%であることが更に好ましい。
露光時の焦点位置がずれた際の線幅の太り及び解像度の悪化を抑制する観点から、重合体Aは、アラルキル基を有する構成単位及びスチレンに由来の構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位を含むことが好ましい。上記のような構成単位を含む好ましい重合体Aとしては、例えば、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとスチレンとの共重合体及びメタクリル酸とメチルメタクリレートとベンジルメタクリレートとスチレンとの共重合体が挙げられる。
重合体Aは、芳香族炭化水素基を有する構成単位を25質量%~40質量%、第1モノマーに由来の構成単位を20質量%~35質量%及び第2モノマーに由来の構成単位を30質量%~45質量%含む重合体であることが好ましい。
重合体Aは、芳香族炭化水素基を有する構成単位を70質量%~90質量%及び第1モノマーに由来の構成単位を10質量%~25質量%含む重合体であることが好ましい。
重合体Aの側鎖は、直鎖構造、分岐構造又は脂環構造を有していてもよい。例えば、側鎖に分岐構造を有する基を含むモノマー又は側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーを使用することによって、重合体Aの側鎖に分岐構造又は脂環構造が導入される。脂環構造を有する基は、単環又は多環であってもよい。
側鎖に分岐構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸iso-プロピル、(メタ)アクリル酸iso-ブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸iso-アミル、(メタ)アクリル酸tert-アミル、(メタ)アクリル酸iso-アミル、(メタ)アクリル酸2-オクチル、(メタ)アクリル酸3-オクチル及び(メタ)アクリル酸tert-オクチル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸iso-プロピル、(メタ)アクリル酸iso-ブチル又はメタクリル酸tert-ブチルが好ましく、メタクリル酸iso-プロピル又はメタクリル酸tert-ブチルがより好ましい。
側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、単環の脂肪族炭化水素基を含むモノマー及び多環の脂肪族炭化水素基を有するモノマーが挙げられる。側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、炭素数5個~20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(ビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2)、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-5-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5,8-トリエチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-8-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-メチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-エチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシ-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-5-イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-1-イルメチル、(メタ)アクリル酸-1-メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、(メタ)アクリル酸-3,7,7-トリメチル-4-ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸-2,2,5-トリメチルシクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸1-メンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンがより好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の重合体Aを含んでいてもよい。
感光性樹脂層は、芳香族炭化水素基を有する構成単位を含む2種類の重合体Aを含んでいてもよい。感光性樹脂層は、芳香族炭化水素基を有する構成単位を含む重合体Aと、芳香族炭化水素基を有する構成単位を含まない重合体Aと、を含んでいてもよい。後者において、芳香族炭化水素基を有する構成単位を含む重合体Aの使用割合は、重合体Aの全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
重合体Aのガラス転移温度(Tg)は、30℃以上135℃以下であることが好ましい。重合体Aのガラス転移温度が135℃以下であると、露光時の焦点位置がずれた際の線幅太り及び解像度の悪化が抑制される。重合体Aのガラス転移温度は、130℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましく、110℃以下であることが更に好ましい。重合体Aのガラス転移温度が30℃以上であると、耐エッジフューズ性が向上する。重合体Aのガラス転移温度は、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることが更に好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。
重合体Aの製造は、例えば、モノマーを溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びイソプロパノール)を用いて希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル及びアゾイソブチロニトリル)を適量添加し、加熱撹拌することにより行われることが好ましい。重合体Aの製造は、混合物の一部を反応液に滴下しながら行われてもよい。反応終了後、反応液に溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段として、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合又は乳化重合が用いられてもよい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上のアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%~90質量%であることが好ましく、30質量%~70質量%であることがより好ましく、40質量%~60質量%であることが更に好ましい。例えば、ネガ型感光性樹脂層に対するアルカリ可溶性樹脂の割合を90質量%以下にすることは、現像時間を制御する観点から好ましい。例えば、ネガ型感光性樹脂層に対するアルカリ可溶性樹脂の割合を10質量%以上にすることは、耐エッジフューズ性を向上させる観点から好ましい。
感光性樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。アルカリ可溶性樹脂以外の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン-アクリル共重合体(ただし、スチレン含有率が40質量%以下である共重合体)、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアセタール、ポリヒドロキシスチレン、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシロキサン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びポリアルキレングリコールが挙げられる。
(重合性化合物)
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、重合性化合物を含むことが好ましい。感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、アルカリ可溶性樹脂と、重合性化合物と、を含むことがより好ましい。
重合性化合物は、公知の重合性化合物から選択されてもよい。重合性化合物は、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和化合物は、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する化合物である。エチレン性不飽和化合物は、ネガ型感光性樹脂層の感光性(すなわち、光硬化性)及び硬化膜の強度に寄与する。
エチレン性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物〔例えば、日本化薬株式会社製KAYARAD(登録商標)DPCA-20及び新中村化学工業株式会社製A-9300-1CL〕、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物〔例えば、日本化薬株式会社製KAYARAD RP-1040、新中村化学工業株式会社製ATM-35E及びA-9300、並びにダイセル・オルネクス社製EBECRYL(登録商標)135〕、エトキシル化グリセリントリアクリレート〔例えば、新中村化学工業株式会社製A-GLY-9E〕、アロニックス(登録商標)TO-2349(東亞合成株式会社)、アロニックスM-520(東亞合成株式会社)、アロニックスM-510(東亞合成株式会社)及びウレタン(メタ)アクリレート化合物〔例えば、8UX-015A(大成ファインケミカル株式会社)、UA-32P(新中村化学工業株式会社)及びUA-1100H(新中村化学工業株式会社)〕が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、特開2004-239942号公報の段落0025~段落0030に記載された酸基を有する重合性化合物が挙げられる。
好ましいエチレン性不飽和化合物としては、例えば、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられる。
2つのエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「2官能エチレン性不飽和化合物」という。)としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A-DCP、新中村化学工業株式会社)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業株式会社)、1,9-ノナンジオールジアクリレート(A-NOD-N、新中村化学工業株式会社)及び1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート(HD-N、新中村化学工業株式会社)が挙げられる。
好ましい2官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、ビスフェノール構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
ビスフェノール構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、特開2016-224162号公報の段落0072~段落0080に記載された化合物が挙げられる。
ビスフェノール構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物としては、アルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モルのエチレンオキサイドを付加したエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルのエチレンオキサイドを付加したエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均6モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したアルキレングリコールのジメタクリレート及びビスフェノールAの両端に平均15モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したアルキレングリコールのジメタクリレートが挙げられる。
アルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの具体例としては
、2,2-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン及び2,2-ビス(4-(メタクリロキシエトキシプロポキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。
アルキレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、BPE-500(新中村化学工業株式会社)が挙げられる。
少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「3官能以上のエチレン性不飽和化合物」という。)としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート及びグリセリントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念である。「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物は、ペンタエリスリトールの水酸基の末端に平均9モルのエチレンオキサイドを付加したテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールの水酸基の末端に平均12モルのエチレンオキサイドを付加したテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールの水酸基の末端に平均15モルのエチレンオキサイドを付加したテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールの水酸基の末端に平均20モルのエチレンオキサイドを付加したテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールの水酸基の末端に平均28モルのエチレンオキサイドを付加したテトラメタクリレート又はペンタエリスリトールの水酸基の末端に平均35モルのエチレンオキサイドを付加したテトラメタクリレートであることが好ましい。
重合性化合物の分子量は、200~3,000であることが好ましく、280~2,200であることがより好ましく、300~2,200であることが更に好ましい。重合性化合物が分子量分布を有する場合、重合性化合物の重量平均分子量(Mw)は、200~3,000であることが好ましく、280~2,200であることがより好ましく、300~2,200であることが更に好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の重合性化合物を含んでいてもよい。
重合性化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、10質量%~70質量%が好ましく、20質量%~60質量%がより好ましく、20質量%~50質量%が更に好ましい。
(光重合開始剤)
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、光重合開始剤を含むことが好ましい。感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、アルカリ可溶性樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含むことがより好ましい。
光重合開始剤は、活性光線(例えば、紫外線及び可視光線)を受けることにより重合性化合物の重合を開始する。光重合開始剤は、光反応開始剤の1種である。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤及びN
-フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤は、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤及びN-フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種の光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤は、2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の光重合開始剤であることも好ましい。2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体において、2つの2,4,5-トリアリールイミダゾール構造は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体の誘導体の好ましい例としては、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体及び2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、特開2011-95716号公報の段落0031~段落0042及び特開2015-14783号公報の段落0064~段落0081に記載された重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASFジャパン株式会社)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE-02、BASFジャパン株式会社)、IRGACURE OXE-03(BASFジャパン株式会社)、IRGACURE OXE-04(BASFジャパン株式会社)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン(商品名:Omnirad 379EG、IGM Resins B.V.)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:Omnirad 907、IGM Resins B.V.)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン(商品名:Omnirad 127、IGM Resins B.V.)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1(商品名:Omnirad 369、IGM Resins B.V.)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(商品名:Omnirad 1173、IGM Resins B.V.)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Omnirad 184、IGM Resins B.V.)、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名:Omnirad 651、IGM Resins B.V.)、2,4,6-トリメチルベンゾリル-ジフェニルフォスフィンオキシド(商品名:Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾリル)フェニルフォスフィンオキシド(商品名:Omnirad 819、IGM Resins B.V.)、オキシムエステル系の光重合開始剤(商品名:Lunar 6、DKSHジャパン株式会社)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビスイミダゾール(別称:2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体)(商品名:B-CIM、Hampford Research社)及び2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体(商品名:BCTB、東京化成工業株式会
社)が挙げられる。
さらに、光重合開始剤の市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製のアデカアークルズNCI-930、アデカアークルズNCI-730及びアデカアークルズN-1919Tが挙げられる。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の光重合開始剤を含んでいてもよい。
光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが特に好ましい。光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
(酸基を有する重合体)
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、酸基を有する重合体(以下、「重合体Y」という場合がある。)を含むことが好ましい。
酸基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホン酸基が挙げられる。酸基は、カルボキシ基であることが好ましい。
アルカリ現像性の観点から、重合体Yは、酸価60mgKOH/g以上のアルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂であることがより好ましい。酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂としては、例えば、特開2011-95716号公報の段落0025に記載のポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂、特開2010-237589号公報の段落0033~段落0052に記載のポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂及び特開2016-224162号公報の段落0053~段落0068に記載のバインダーポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂が挙げられる。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の少なくとも一方を含む樹脂を意味する。アクリル樹脂における(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量は、アクリル樹脂の全質量に対して、30質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~100質量%であることがより好ましい。
重合体Y中の酸基を有する構成単位の含有量は、重合体Yの全質量に対して、5質量%~50質量%であることが好ましく、10質量%~40質量%であることがより好ましく、12質量%~30質量%であることが更に好ましい。
重合体Yは、反応性基を有していてもよい。反応性基は、重合可能な基であることが好ましい。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、重縮合性基(例えば、ヒドロキシ基及びカルボキシ基)及び重付加反応性基(例えば、エポキシ基及びイソシアネート基)が挙げられる。
アルカリ現像性の観点から、重合体Yの酸価は、60mgKOH/g~200mgKOH/gであることが好ましく、100mgKOH/g~200mgKOH/gであることがより好ましく、150mgKOH/g~200mgKOH/gであることが更に好ましい。
重合体Yの重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、10,000以
上であることがより好ましく、20,000~100,000であることが更に好ましい。
重合体Yは、非酸性のモノマーに由来の構成単位を有していてもよい。非酸性のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルアルコールのエステル化合物、(メタ)アクリロニトリル及び芳香族ビニル化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ビニルアルコールのエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニルが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン及びスチレン誘導体が挙げられる。
非酸性のモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、スチレン誘導体又はベンジル(メタ)アクリレートであることが好ましい。解像性、導電性層と感光性樹脂層との密着性、エッチング耐性及び現像における凝集物の低減の観点から、非酸性のモノマーは、スチレン、スチレン誘導体又はベンジル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
重合体Yの側鎖は、直鎖構造、分岐構造又は脂環構造を有してもよい。例えば、側鎖に分岐構造を有する基を含むモノマー又は側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーを使用することによって、重合体Yの側鎖に分岐構造又は脂環構造が導入される。脂環構造を有する基は、単環又は多環であってもよい
側鎖に分岐構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸tert-アミル、(メタ)アクリル酸sec-アミル、(メタ)アクリル酸2-オクチル、(メタ)アクリル酸3-オクチル及び(メタ)アクリル酸tert-オクチルが挙げられる。(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル又はメタクリル酸tert-ブチルが好ましく、メタクリル酸イソプロピル又はメタクリル酸tert-ブチルがより好ましい。
側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、単環の脂肪族炭化水素基を有するモノマー及び多環の脂肪族炭化水素基を有するモノマーが挙げられる。側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、炭素数5個~20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。側鎖に脂環構造を有する基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル-2)、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-5-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5,8-トリエチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-8-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-メチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-エチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシ-1-アダマン
チル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-5-イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-1-イルメチル、(メタ)アクリル酸-1-メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-ビシクロ〔3.1.1〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸-3,7,7-トリメチル-4-ヒドロキシ-ビシクロ〔4.1.0〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸-2,2,5-トリメチルシクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸1-メンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンがより好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の重合体Yを含んでいてもよい。
感光性の観点から、重合体Yの含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%~90質量%であることが好ましく、20質量%~80質量%であることがより好ましく、30質量%~70質量%であることが更に好ましい。
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、重合体Y以外の樹脂を含んでいてもよい。重合体Y以外の樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール及びポリシロキサンが挙げられる。感光性樹脂層に含まれる重合体Y以外の樹脂の種類は、1種又は2種以上であってもよい。
(重合禁止剤)
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、重合禁止剤を含んでいてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0018に記載された熱重合防止剤が挙げられる。重合禁止剤は、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒドロキノン、クロルアニル、フェノールインドフェノールナトリウム、m-アミノフェノール又は4-メトキシフェノールであることが好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の重合禁止剤を含んでいてもよい。
重合禁止剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~3質量%が好ましく、0.01質量%~1質量%がより好ましく、0.01質量%~0.8質量%が更に好ましい。
(水素供与体)
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、水素供与体を含んでいてもよい。例えば、水素供与体は、光重合開始剤に水素を与えることができる。
水素供与体としては、例えば、ビス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4-(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、チオール化合物及びロイコクリスタルバイオレットが挙げられる。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の水素供与体を含んでいてもよい。
水素供与体の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.05質量%~5質量%であることがより好ましく、0.1質量%~2質量%であることが更に好ましい。
(紫外線吸収剤)
感光性樹脂層(好ましくはネガ型感光性樹脂層)は、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤は、露光波長に対する感光性樹脂層の透過率を小さくできる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリルレート系紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群より選択される少なくとも1種の紫外線吸収剤であることが好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-[5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール及び2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、上記化合物の混合物、変性物、重合物又は誘導体であってもよい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン及び2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソ-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジンが挙げられる。トリアジン系紫外線吸収剤は、上記化合物の混合物、変性物、重合物又は誘導体であってもよい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
解像性の観点から、紫外線吸収剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~5質量%であることが好ましく、0.1質量%~3質量%であることがより好ましく、0.1質量%~2質量%であることが更に好ましい。
(複素環式化合物)
感光性樹脂層は、複素環式化合物を含むことが好ましい。複素環式化合物は、通電後の導電性パターンの寸法安定性の向上及び導電性層と感光性樹脂層との密着性の向上に寄与できる。
複素環式化合物における複素環は、単環又は多環であってもよい。
複素環式化合物におけるヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が挙げられる。複素環式化合物は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含むことが好ましく、窒素原子を含むことがより好ましい。
複素環式化合物としては、例えば、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、トリアジン化合物、ローダニン化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物及びピリミジン化合物が挙げられる。
複素環式化合物は、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、トリアジン化合物、ローダニン化合物、チアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物及びベンゾオキサゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物及びベンゾオキサゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましく、トリアゾール化合物及び、テトラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが更に好ましく、トリアゾール化合物であることが特に好ましい。
トリアゾール化合物及びベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000005
Figure 2023076385000006
Figure 2023076385000007
テトラゾール化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000008
Figure 2023076385000009
チアジアゾール化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000010
トリアジン化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000011
ローダニン化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000012
チアゾール化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000013
ベンゾチアゾール化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000014
ベンゾイミダゾール化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000015
Figure 2023076385000016
ベンゾオキサゾール化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2023076385000017
複素環式化合物としては、例えば、エポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基を有する複素環式化合物、含酸素複素環式化合物(例えば、環状エーテル及び環状エステル(例えば、ラクトン))及び含窒素複素環式化合物(例えば、環状アミン及びオキサゾリン)が挙げられる。複素環式化合物は、d軌道に電子を有する元素(例えば、ケイ素、硫黄及びリン)を含む複素環式化合物であってもよい。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂又は脂肪族エポキシ樹脂であることが好ましく、脂肪族エポキシ樹脂であることがより好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、市販品であってもよい。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のJER828、JER1007、JER157S70及びJER157S65が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、特開2011-221494号公報の段落0189に記載された市販品が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製のアデカレジンEP-4000S、EP-4003S、EP-4010S及びEP-4011Sが挙げられる。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、日本化薬株式会社製のNC-2000、NC-3000、NC-7300、XD-1000、EPPN-501及びEPPN-502が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、ナガセケムテック株式会社製のデナコールEX-611、EX-612、EX-614、EX-614B、EX-622、EX-512、EX-521、EX-411、EX-421、EX-313、EX-314、EX-321、EX-211、EX-212、EX-810、EX-811、EX-850、EX-851、EX-821、EX-830、EX-832、EX-841、EX-911、EX-941、EX-920、EX-931、EX-212L、EX-214L、EX-216L、EX-321L、EX-850L、DLC-201、DLC-203、DLC-204、DLC-205、DLC-206、DLC-301、DLC-402、EX-111,EX-121、EX-141、EX-145、EX-146、EX-147、EX-171及びEX-192が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のYH-300、YH-301、YH-302、YH-315、YH-324及びYH-325が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、株式会社ダイセル製のセロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2000、セロキサイド3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134及びセルビナースB0177が挙げられる。
オキセタニル基を有する化合物の市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のアロンオキセタンOXT-201、OXT-211、OXT-212、OXT-213、OXT-121、OXT-221、OX-SQ及びPNOXが挙げられる。
オキセタニル基を有する化合物は、単独で又はエポキシ基を有する化合物と共に使用されることが好ましい。
エッチング耐性及び線幅安定性の観点から、複素環式化合物は、エポキシ基を有する化
合物であることが好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の複素環式化合物を含んでいてもよい。
い。
解像度の観点から、複素環式化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.1質量%~15質量%であることがより好ましく、0.3質量%~10質量%であることが更に好ましく、0.5質量%~8質量%であることが特に好ましい。
複素環式化合物の態様は、国際公開第2018/179640号に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に取り込まれる。
(増感剤)
感光性樹脂層は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤は、活性光線を吸収することにより電子励起状態となる。例えば、光酸発生剤及び増感剤を含む感光性樹脂層において、電子励起状態となった増感剤と光酸発生剤との接触により、電子移動、エネルギー移動発熱といった作用が生じる。上記のような作用によって、光酸発生剤は酸を生成する。この結果、露光感度が向上する。
増感剤としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落0139~段落0141に記載された化合物が挙げられる。
ポジ型感光性樹脂層における増感剤は、アントラセン誘導体、アクリドン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体及びジスチリルベンゼン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、アントラセン誘導体であることがより好ましい。
アントラセン誘導体は、アントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジクロロアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9-ヒドロキシメチルアントラセン、9-ブロモアントラセン、9-クロロアントラセン、9,10-ジブロモアントラセン、2-エチルアントラセン又は9,10-ジメトキシアントラセンであることが好ましい。
ネガ型感光性樹脂層における増感剤としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、シアニン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物(例えば、1,2,4-トリアゾール)、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、ピラゾリン化合物及びアミノアクリジン化合物が挙げられる。
ネガ型感光性樹脂層における増感剤としては、例えば、染料及び顔料が挙げられる。染料及び顔料としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、クマリン6、クマリン7、クマリン102、DOCヨージド、インドモノカルボシアニンナトリウム、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS,パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学株式会社、アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20及びダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学株式会社、アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)が挙げられる。
染料としては、例えば、発色系染料が挙げられる。発色系染料とは、光照射によって発色する機能を有する化合物である。発色系染料としては、例えば、ロイコ染料及びフルオラン染料が挙げられる。発色系染料は、ロイコ染料であることが好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の増感剤を含んでいてもよい。
増感剤の含有量は、ポジ型感光性樹脂層の全質量に対して、0質量%~10質量%であることが好ましく、0.1質量%~10質量%であることがより好ましい。
光源に対する感度の向上及び重合速度と連鎖移動とのバランスによる硬化速度の向上の観点から、増感剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~5質量%であることが好ましく、0.05質量%~1質量%であることがより好ましい。
増感剤の態様は、国際公開第2018/179640号に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に取り込まれる。
(可塑剤)
感光性樹脂層は、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤は、感光性樹脂層の可塑性を調整できる。
可塑性付与の観点から、可塑剤は、分子中にアルキレンオキシ基を有することが好ましい。可塑剤に含まれるアルキレンオキシ基は、下記構造を有することが好ましい。
Figure 2023076385000018
上記構造中、Rは、炭素数2~8のアルキレン基を表し、nは、1~50の整数を表し、*は、他の原子との結合部位を表す。
上記構造のアルキレンオキシ基を有する化合物(以下、「化合物X」という。)、重合体X1及び光酸発生剤を含むポジ型感光性樹脂層が、化合物Xを含まないポジ型感光性樹脂層に比べて可塑性が向上しない場合、化合物Xは、本開示における可塑剤には該当しない。任意に使用される界面活性剤は、通常、ポジ型感光性樹脂層に可塑性を付与可能な量で使用されることはないため、本開示における可塑剤には該当しない。
可塑剤としては、例えば、下記構造を有する化合物が挙げられる。ただし、可塑剤は、下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 2023076385000019
可塑剤の重量平均分子量は、重合体X1の重量平均分子量より小さいことが好ましい。可塑剤の重量平均分子量は、可塑性付与の観点から500以上10,000未満であるこ
とが好ましく、700以上5,000未満であることがより好ましく、800以上4,000未満であることが更に好ましい。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の可塑剤を含んでいてもよい。
導電性層と感光性樹脂層との密着性の観点から、可塑剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%~50質量%であることが好ましく、2質量%~20質量%であることがより好ましい。
可塑剤の態様は、国際公開第2018/179640号に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に取り込まれる。
(界面活性剤)
感光性樹脂層は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は、膜厚の均一性に寄与できる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤(すなわち、非イオン界面活性剤)及び両性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、ノニオン界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン及びこれらのエトキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート)が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン及びこれらのプロポキシレート(例えば、グリセロールエトキシレート)が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート及びソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、KP(信越化学工業株式会社)、ポリフロー(共栄社化学株式会社)、エフトップ(JEMCO社)、メガファック(登録商標、DIC株式会社)、フロラード(住友スリーエム株式会社)、アサヒガード(登録商標、AGC株式会社)、サーフロン(登録商標、AGCセイミケミカル株式会社)、PolyFox(OMNOVA社)及びSH-8400(東レ・ダウコーニング株式会社)が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、BASF社製のプルロニック L10、L31、L61、L62、10R5、17R2及び25R2が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、BASF社製のテトロニック 304
、701、704、901、904及び150R1が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、日本ルーブリゾール株式会社製のソルスパース20000が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、富士フイルム和光純薬株式会社製のNCW-101、NCW-1001及びNCW-1002が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、竹本油脂株式会社製のパイオニン D-6112、D-6112-W及びD-6315が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の市販品としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンE1010並びにサーフィノール104、400及び440が挙げられる。
界面活性剤は、下記式I-1で表される構成単位SA及び構成単位SBを含み、溶剤としてテトラヒドロフランを用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体であることが好ましい。
Figure 2023076385000020
式I-1中、R401及びR403はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表し、*は他の構造との結合部位を表す。
Lは、下記式I-2で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。
Figure 2023076385000021
式I-2におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。相溶性の観点で、R405は、炭素数1以上3以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数2のアルキル基又は炭素数3のアルキル基であることがより好ましい。pとqとの和は、100質量%(すなわち、p+q=100)であることが好ましい。
式I-1で表される構成単位SA及び構成単位SBを含む共重合体の重量平均分子量(
Mw)は、1,500以上5,000以下であることが好ましい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、DIC株式会社製のメガファック F-171、F-172、F-173、F-176、F-177、F-141、F-142、F-143、F-144、F-437、F-475、F-477、F-479、F-482、F-551-A、F-552、F-554、F-555-A、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-565、F-563、F-568、F-575、F-780、EXP、MFS-330、MFS-578、MFS-579、MFS-586、MFS-587、R-41、R-41-LM、R-01、R-40、R-40-LM、RS-43、TF-1956、RS-90、R-94、RS-72-K及びDS-21が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、住友スリーエム株式会社製のフロラード FC430、FC431及びFC171が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、AGC株式会社製のサーフロン S-382、SC-101、SC-103、SC-104、SC-105、SC-1068、SC-381、SC-383、S-393及びKH-40が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、OMNOVA社製のPolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520及びPF7002が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、株式会社ネオス製のフタージェント 710FL、710FM、610FM、601AD、601ADH2、602A、215M、245F、251、212M、250、209F、222F、208G、710LA、710FS、730LM、650AC、681及び683が挙げられる。
好ましいフッ素系界面活性剤としては、例えば、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、DIC株式会社製のメガファック DSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))が挙げられる。市販品としては、例えば、メガファックDS-21が挙げられる。
好ましいフッ素系界面活性剤は、例えば、フッ素化アルキル基又はフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーであってもよい。
好ましいフッ素系界面活性剤としては、例えば、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、2つ以上(好ましくは5つ以上)のアルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基)を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、を含む含フッ素高分子化合物が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する含フッ素重合体が挙げられる。市販品としては、例えば、DIC株式会社製のメガファック
RS-101、RS-102、RS-718K及びRS-72-Kが挙げられる。
環境適性向上の観点から、フッ素系界面活性剤は、パーフルオロオクタン酸(PFOA
)及びパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)といった炭素数が7以上の直鎖状パーフルオロアルキル基を有する化合物の代替材料に由来する界面活性剤であることが好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマー及び側鎖又は末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のDOWSIL 8032 ADDITIVE、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA及びトーレシリコーンSH8400が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、K354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-6191、X-22-4515、KF-6004、KP-341、KF-6001及びKF-6002が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のF-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460及びTSF-4452が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ビックケミー社製のBYK307、BYK323及びBYK330が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落0017及び特開2009-237362号公報の段落0060~段落0071に記載された界面活性剤が挙げられる。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%~10質量%であることがより好ましく、0.01質量%~3質量%であることが更に好ましい。
界面活性剤の態様は、国際公開第2018/179640号に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に取り込まれる。
(溶剤)
感光性樹脂層は、溶剤を含んでいてもよい。例えば、感光性樹脂層が溶剤を含む組成物を用いて形成された場合、感光性樹脂層中に溶剤が残留することがある。
溶剤としては、例えば、特開2011-221494号公報の段落0174~段落0178に記載された溶剤及び国際公開第2018/179640号の段落0092~段落0094に記載された溶剤が挙げられる。溶剤としては、例えば、テトラヒドロフランといった環状エーテル溶剤が挙げられる。
感光性樹脂層は、1種又は2種以上の溶剤を含んでいてもよい。
溶剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。
水の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~1.0質量%であることが好ましく、0.05質量%~0.5質量%であることがより好ましい。
(他の成分)
感光性樹脂層は、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、金属酸化物粒子、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤及び有機又は無機の沈殿防止剤が挙げられる。他の成分の好ましい態様は、特開2014-85643号公報の段落0165~段落0184に記載されている。上記文献の内容は、本明細書に組み込まれる。
(不純物)
感光性樹脂層は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で不純物を含んでいてもよい。
不純物としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、ハロゲン及びこれらのイオンが挙げられる。ハロゲン化物イオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンの含有量は、下記の数値範囲内であることが好ましい。
感光性樹脂層における不純物の含有量は、質量基準で、80ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、2ppm以下であることが更に好ましい。感光性樹脂層における不純物の含有量は、質量基準で、1ppb以上又は0.1ppm以上であってもよい。不純物の含有量は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法、原子吸光分光法及びイオンクロマトグラフィー法といった公知の方法によって測定される。
不純物の含有量を調整する方法としては、例えば、不純物の含有量が少ない原材料を選択する方法、感光性樹脂層の製造過程において不純物の混入を防ぐ方法及び線状によって不純物を除去する方法が挙げられる。
感光性樹脂層において、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、1,3-ブタジエン、四塩化炭素、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びヘキサンといった化合物の含有量は、少ないことが好ましい。感光性樹脂層における上記のような化合物の含有量は、質量基準で、100ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であることがより好ましく、4ppm以下であることが更に好ましい。化合物の含有量は、質量基準で、10ppb以上又は100ppb以上であってもよい。化合物の含有量は、公知の方法によって測定される。化合物の含有量は、既述の不純物の含有量を調整する方法と同じ方法によって調整されてもよい。
感光性樹脂層は、樹脂の製造に使用されたモノマーを含んでいてもよい。モノマーとしては、例えば、アルカリ可溶性樹脂の構成単位に対応するモノマーが挙げられる。
パターニング性及び信頼性の点から、モノマーの含有量は、アルカリ可溶性樹脂の全質量に対して、5,000質量ppm以下であることが好ましく、2,000質量ppm以下であることがより好ましく、500質量ppm以下であることが更に好ましい。モノマーの含有量は、アルカリ可溶性樹脂の全質量に対して、1質量ppm以上又は10質量ppm以上であってもよい。
パターニング性及び信頼性の点から、モノマーの含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、3,000質量ppm以下であることが好ましく、600質量ppm以下であることがより好ましく、100質量ppm以下であることが更に好ましい。モノマーの含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量ppm以上又は1質量ppm以上であってもよい。
高分子反応でアルカリ可溶性樹脂を合成する際に残存したモノマーの量も、上記範囲に調整されることが好ましい。例えば、カルボン酸側鎖にアクリル酸グリシジルを反応させてアルカリ可溶性樹脂を合成する場合、アクリル酸グリシジルの含有量は上記範囲に調整されることが好ましい。
モノマーの量は、液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーといった公知の方法によって測定される。
(感光性樹脂層の厚さ)
感光性樹脂層の厚さは、制限されない。膜厚の均一性の観点から、感光性樹脂層の平均厚さは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。解像性の観点から、感光性樹脂層の平均厚さは、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。感光性樹脂層の平均厚さは、既述の基板の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定される。
(感光性樹脂層の形成方法)
感光性樹脂層を形成する方法としては、例えば、塗布法及び転写材料を用いる方法が挙げられる。
例えば、塗布法は、感光性樹脂層形成用組成物を導電性層に塗布することによって、感光性樹脂層を形成できる。塗布された感光性樹脂層形成用組成物は、必要に応じて、公知の方法により乾燥されてもよい。
感光性樹脂層形成用組成物の調製方法としては、例えば、目的の感光性樹脂層を形成するための原材料及び溶剤を任意の割合で混合する方法が挙げられる。混合方法は、公知の方法であってもよい。感光性樹脂層形成用組成物は、フィルター(例えば、孔径0.2μmのフィルター)を用いてろ過されてもよい。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類及びラクトン類が挙げられる。
溶剤としては、例えば、特開2011-221494号公報の段落0174~段落0178に記載された溶剤及び国際公開第2018/179640号の段落0092~段落0094に記載された溶剤が挙げられる。これらの文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
必要に応じて、既述の溶剤に対して、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン又は炭酸プロピレンが添加されてもよい。
溶剤は、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤又はこれらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル-n-ブチルエーテル(沸点155℃)及びプロピレングリコールメチル-n-プロピルエーテル(沸点131℃)が挙げられる。
沸点160℃以上の溶剤としては、例えば、3-エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3-メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)及び1,3-ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が挙げられる。
感光性樹脂層形成用組成物は、1種又は2種以上の溶剤を含んでいてもよい。感光性樹脂層形成用組成物は、2種以上の溶剤を含むことが好ましい。2種以上の溶剤が併用される場合、例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とジアルキルエーテル類との併用、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類との併用又はエステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類との併用が好ましい。
溶剤の含有量は、感光性樹脂層形成用組成物中の全固形分100質量部に対して、50質量部~1,900質量部であることが好ましく、100質量部~900質量部であることがより好ましい。
感光性樹脂層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布及びインクジェット塗布が挙げられる。感光性樹脂層形成用組成物を塗布する方法は、スリット塗布であることが好ましい。
感光性樹脂層は、転写材料を用いて形成されることが好ましい。例えば、感光性樹脂層を形成することは、仮支持体及び感光性樹脂層を含む転写材料を準備することと、転写材料の感光性樹脂層を導電性層に貼り付けることと、を含むことが好ましい。本開示において「転写材料を準備する」とは、転写材料を使用可能な状態にすることを意味する。
仮支持体としては、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム及び紙が挙げられる。強度及び可撓性の観点から、仮支持体は、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。仮支持体は、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましく、2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムであることがより好ましい。
仮支持体は、可撓性を有し、かつ、加圧下又は加圧及び加熱下において、著しい変形、収縮又は伸びを生じないフィルムであってもよい。このようなフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。仮支持体は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。仮支持体として使用されるフィルムは、シワといった変形及び傷を有しないことが好ましい。
仮支持体を介して感光性樹脂層をパターン露光できるという観点から、仮支持体は、高い透明性を有することが好ましい。波長365nmに対する仮支持体の透過率は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
仮支持体を介するパターン露光によるパターン形成性及び仮支持体の透明性の観点から、仮支持体のヘイズは、小さいことが好ましい。仮支持体のヘイズは、2%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることが更に好ましい。
仮支持体を介するパターン露光によるパターン形成性及び仮支持体の透明性の観点から、仮支持体に含まれる微粒子、異物及び欠陥の数は、少ないことが好ましい。直径1μm以上の微粒子、異物及び欠陥の数は、50個/10mm以下であることが好ましく、10個/10mm以下であることがより好ましく、3個/10mm以下であることが更に好ましく、0個/10mmであることが特に好ましい。
仮支持体の平均厚さは、5μm~200μmであることが好ましい。取り扱いやすさ及び汎用性の観点から、仮支持体の平均厚さは、10μm~150μmであることが好ましく、10μm~50μmであることがより好ましい。仮支持体の平均厚さは、既述の基板の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定される。
仮支持体の好ましい態様は、特開2014-85643号公報の段落0017~段落0018、特開2016-27363号公報の段落0019~段落0026、国際公開第2012/081680号の段落0041~段落0057及び国際公開第2018/179370号の段落0029~段落0040に記載されている。これらの文献の内容は、本明細書に組み込まれる。
転写材料は、保護フィルムを更に含んでいてもよい。例えば、転写材料は、仮支持体と、感光性樹脂層と、保護フィルムと、をこの順に含んでいてもよい。
保護フィルムとしては、例えば、樹脂フィルム及び紙が挙げられる。強度及び可撓性の観点から、保護フィルムは、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。樹脂フィルムは、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
保護フィルムの平均厚さは、1μm~2mmであってもよい。保護フィルムの平均厚さは、既述の基板の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定される。
転写材料は、他の層を更に含んでいてもよい。他の層としては、例えば、熱可塑性樹脂
層及び中間層が挙げられる。
熱可塑性樹脂層は、仮支持体と感光性樹脂層との間に配置されることが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン-アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリアミド、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアセタール、ポリヒドロキシスチレン、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシロキサン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びポリアルキレングリコールが挙げられる。
現像性及び密着性の観点から、アルカリ可溶性樹脂は、アクリル樹脂であることが好ましい。アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位を含む樹脂が挙げられる。アクリル樹脂において、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位の合計含有量は、アクリル樹脂の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましい。アクリル樹脂において、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計含有量は、アクリル樹脂の全質量に対して、30質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~100質量%であることがより好ましい。
現像性及び密着性の観点から、アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を含む樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、酸基を有する重合体であることが好ましい。酸基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基及びホスホン酸基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂は、酸価40mgKOH/g以上のアルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、酸価40mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂であることがより好ましい。アルカリ可溶性樹脂の酸価は、300mgKOH/g以下であることが好ましく、250mgKOH/g以下であることがより好ましく、200mgKOH/g以下であることが更に好ましく、160mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂としては、例えば、特開2011-095716号公報の段落0025に記載のポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂であるアルカリ可溶性樹脂、特開2010-237589号公報の段落0033~段落0052に記載のポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂及び特開2016-224162号公報の段落0053~段落0068に記載のバインダーポリマーのうち酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基含有アクリル樹脂が挙げられる。カルボキシ基含有アクリル樹脂におけるカルボキシ基を有する構成単位の共重合比は、アクリル樹脂の全質量に対して、5質量%~50質量%であることが好ましく、10質量%~40質量%であることがより好ましく、12質量%~30質量%であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、反応性基を有していてもよい。反応性基としては、例えば、付
加重合可能な基が挙げられる。反応性基としては、例えば、エチレン性不飽和基重縮合性基(例えば、ヒドロキシ基及びカルボキシ基)及び重付加反応性基(例えば、エポキシ基及び(ブロック)イソシアネート基)が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上であることが好ましく、1万~10万であることがより好ましく、2万~5万であることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、1種又は2種以上のアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。
現像性及び密着性の観点から、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、10質量%~99質量%であることが好ましく、20質量%~90質量%であることがより好ましく、40質量%~80質量%であることが更に好ましく、50質量%~75質量%であることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、色素Bを含むことが好ましい。色素Bとは、発色時の波長範囲400nm~780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素である。露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、色素Bは、酸又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素であることが好ましく、酸により最大吸収波長が変化する色素であることがより好ましい。露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、熱可塑性樹脂層は、酸により最大吸収波長が変化する色素及び光により酸を発生する化合物を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、1種又は2種以上の色素Bを含んでいてもよい。
露光部及び非露光部の視認性の観点から、色素Bの含有量は、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.2質量%以上であることが好ましく、0.2質量%~6質量%であることがより好ましく、0.2質量%~5質量%であることが更に好ましく、0.25質量%~3.0質量%であることが特に好ましい。
色素Bの含有量とは、熱可塑性樹脂層に含まれる色素Bの全てを発色状態にした場合の色素の含有量を意味する。以下、ラジカルにより発色する色素を例に、色素Bの含有量の定量方法を説明する。メチルエチルケトン100mLに色素0.001gを溶かした溶液及びメチルエチルケトン100mLに色素0.01gを溶かした溶液を調製する。各溶液に、光ラジカル重合開始剤「Irgacure OXE01」(商品名、BASFジャパン株式会社)を加え、365nmの光を照射することによりラジカルを発生させ、全ての色素を発色状態にする。次に、大気雰囲気下で、分光光度計(UV3100、株式会社島津製作所)を用いて、液温が25℃である各溶液の吸光度を測定し、検量線を作成する。次に、色素に代えて熱可塑性樹脂層0.1gをメチルエチルケトンに溶かすこと以外は上記と同様の方法によって溶液の吸光度を測定する。熱可塑性樹脂層を含む溶液の吸光度及び検量線に基づいて、熱可塑性樹脂層に含まれる色素の量を算出する。
熱可塑性樹脂層は、化合物Cを含んでいてもよい。化合物Cとは、光により酸、塩基又はラジカルを発生する化合物である。化合物Cは、紫外線及び可視光線等の活性光線を受けて、酸、塩基又はラジカルを発生する化合物であることが好ましい。光酸発生剤、光塩基発生剤及び光ラジカル重合開始剤(すなわち、光ラジカル発生剤)は、化合物Cとして使用されてもよい。
解像性の観点から、熱可塑性樹脂層は、光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤としては、例えば、光カチオン重合開始剤が挙げられる。
感度及び解像性の観点から、光酸発生剤は、オニウム塩化合物及びオキシムスルホネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。感度、解像性及び密着性の観点から、光酸発生剤は、オキシムスルホネート化合物を含むことが好ましい。好ましい光酸発生剤としては、例えば、以下の構造を有する光酸発生剤が挙げられる。
Figure 2023076385000022
熱可塑性樹脂層は、光ラジカル重合開始剤を含んでもよい。光ラジカル重合開始剤は、公知の光ラジカル重合開始剤から選択されてもよい。光ラジカル重合開始剤は、既述の光重合開始剤から選択されてもよい。
熱可塑性樹層は、光塩基発生剤を含んでもよい。光塩基発生剤としては、例えば、2-ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、トリフェニルメタノール、O-カルバモイルヒドロキシルアミド、O-カルバモイルオキシム、[[(2,6-ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2-ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン1,6-ジアミン、4-(メチルチオベンゾイル)-1-メチル-1-モルホリノエタン、(4-モルホリノベンゾイル)-1-ベンジル-1-ジメチルアミノプロパン、N-(2-ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン及び2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2,4-ジニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジンが挙げられる。
熱可塑性樹層は、1種又は2種以上の化合物Cを含んでいてもよい。
露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、化合物Cの含有量は、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
解像性、密着性及び現像性の観点から、熱可塑性樹脂層は、可塑剤を含むことが好ましい。
可塑剤の分子量は、アルカリ可溶性樹脂の分子量よりも小さいことが好ましい。可塑剤の分子量(例えば、重量平均分子量)は、200~2,000であることが好ましい。
可塑剤は、アルカリ可溶性樹脂と相溶して可塑性を発現する化合物から選択されてもよい。可塑性付与の観点から、可塑剤は、アルキレンオキシ基を有する化合物であることが好ましく、ポリアルキレングリコール化合物であることがより好ましい。アルキレンオキシ基は、ポリエチレンオキシ構造又はポリプロピレンオキシ構造を有することが好ましい。
解像性及び保存安定性の観点から、可塑剤は、(メタ)アクリレート化合物を含むこと
が好ましい。相溶性、解像性及び密着性の観点から、アルカリ可溶性樹脂がアクリル樹脂であり、かつ、可塑剤が(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、既述の重合性化合物の一種である(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
熱可塑性樹脂層が可塑剤として(メタ)アクリレート化合物を含む場合、密着性の観点から、露光後の露光部において(メタ)アクリレート化合物は重合しないことが好ましい。
解像性、密着性及び現像性の観点から、可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物は、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。
可塑剤として用いられる(メタ)アクリレート化合物は、酸基を有する(メタ)アクリレート化合物又はウレタン(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
熱可塑性樹層は、1種又は2種以上の可塑剤を含んでいてもよい。
解像性、密着性及び現像性の観点から、可塑剤の含有量は、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、1質量%~70質量%であることが好ましく、10質量%~60質量%であることがより好ましく、20質量%~50質量%であることが更に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、増感剤を含んでもよい。増感剤としては、例えば、既述の感光性樹脂層の成分として説明された増感剤が挙げられる。
熱可塑性樹層は、1種又は2種以上の増感剤を含んでいてもよい。
光源に対する感度の向上並びに露光部及び非露光部の視認性の観点から、増感剤の含有量は、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~5質量%であることが好ましく、0.05質量%~1質量%であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂層は、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、既述の感光性樹脂層の成分として説明された界面活性剤が挙げられる。
密着性の観点から、熱可塑性樹脂層の平均厚さは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。現像性及び解像性の観点から、熱可塑性樹脂層の平均厚さは、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることが更に好ましい。熱可塑性樹脂層の平均厚さは、既述の基板の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定される。
熱可塑性樹脂層の態様は、特開2014-085643号公報の段落0189段落~0193に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
中間層は、仮支持体と感光性樹脂層との間に配置されることが好ましい。中間層は、熱可塑性樹脂と感光性樹脂層との間に配置されることが好ましい。
中間層としては、例えば、特開平5-072724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能を有する酸素遮断層が挙げられる。中間層が酸素遮断層であると、露光時の感度が向上し、露光機の時間負荷が低減する。この結果、生産性が向上する。中間層として用いられる酸素遮断層は、公知の酸素遮断層から選択されてもよい。酸素遮断
層は、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液(例えば、22℃の炭酸ナトリウムの1質量%水溶液)に分散又は溶解する酸素遮断層であることが好ましい。
中間層としては、例えば、水溶性樹脂層が挙げられる。水溶性樹脂層は、水溶性樹脂を含むことが好ましい。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂及びポリアミド系樹脂が挙げられる。
水溶性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸/ビニル化合物の共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸/ビニル化合物の共重合体は、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アリルの共重合体であることが好ましく、メタクリル酸/メタクリル酸アリルの共重合体であることがより好ましい。水溶性樹脂が(メタ)アクリル酸/ビニル化合物の共重合体である場合、(メタ)アクリル酸/ビニル化合物の比(モル%)は、90/10~20/80であることが好ましく、80/20~30/70であることがより好ましい。
水溶性樹脂の重量平均分子量は、5,000以上であることが好ましく、7,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることが更に好ましい。水溶性樹脂の重量平均分子量は、200,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることが更に好ましい。水溶性樹脂の分散度(Mw/Mn)は、1~10であることが好ましく、1~5であることがより好ましい。
水溶性樹脂層の層間混合抑制能をより向上させる点で、水溶性樹脂層における樹脂は、水溶性樹脂層に隣接する層に含まれる樹脂と異なることが好ましい。
酸素遮断性及び層間混合抑制能をより向上させる点で、水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールを含むことが好ましく、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを含むことがより好ましい。
水溶性樹脂層は、1種又は2種以上の水溶性樹脂を含んでいてもよい。
酸素遮断性及び層間混合抑制能をより向上させる点で、水溶性樹脂の含有量は、水溶性樹脂層の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。水溶性樹脂の含有量の上限は、制限されない。水溶性樹脂の含有量は、水溶性樹脂層の全質量に対して、99.9質量%以下であることが好ましく、99.8質量%以下であることがより好ましい。
中間層は、必要に応じて界面活性剤といった公知の添加剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、例えば、既述の感光性樹脂層の成分として説明された界面活性剤が挙げられる。
酸素遮断性、層間混合抑制能及び現像における除去時間の観点から、中間層の平均厚さは、0.1μm~5μmであることが好ましく、0.5μm~3μmであることがより好ましい。中間層の平均厚さは、既述の基板の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定される。
目的の転写材料が得られる限り、転写材料の製造方法は制限されない。例えば、転写材料は、仮支持体に感光性樹脂層形成用組成物を塗布することによって製造される。例えば、転写材料は、保護フィルムに感光性樹脂層形成用組成物を塗布して感光性樹脂層を形成し、次に、感光性樹脂層の上に仮支持体を配置することによって製造される。塗布された感光性樹脂層形成用組成物は、必要に応じて、公知の方法により乾燥されてもよい。
積層体の導電性層と転写材料の感光性樹脂層との貼り合わせは、ローラーを用いて、加圧及び加熱しながら行われることが好ましい。例えば、圧力(例えば、線圧)は、1,000N/m~10,000N/mの範囲で調整される。例えば、温度は、40℃~130℃の範囲で調整される。圧力又は温度が上記範囲の下限値以上に調整されると、導電性層と感光性樹脂層との間に残る気泡が低減する。圧力が上記範囲の上限値以下に調整されると、感光性樹脂層の変形が防止される。温度が上記範囲の上限値以下に調整されると、感光性樹脂層の分解又は変質が防止される。積層体の導電性層と転写材料の感光性樹脂層との貼り合わせにおいては、例えば、ラミネーター、真空ラミネーター又はオートカットラミネーターが用いられてもよい。積層体の導電性層と転写材料の感光性樹脂層との貼り合わせは、ロールツーロールで行われてもよい。
準備工程及び感光性樹脂層の形成工程の具体例を、図1を参照して説明する。図1は、ある実施形態に係る樹脂パターンの製造方法における準備工程及び感光性樹脂層の形成工程の概略図である。
図1(a)は、準備工程の具体例を示す。基板10と、導電性層20と、を含む積層体が準備される。導電性層20は、基板10を向く第1面の反対に第2面20aを有する。
図1(b)及び図1(c)は、感光性樹脂層の形成工程の具体例を示す。図1(b)に示される感光性樹脂層30は、転写材料(図示省略)の一部である。つまり、図1(b)及び図1(c)に示される感光性樹脂層の形成工程は、転写材料を用いて実施される。感光性樹脂層30は、導電性層20を向く第3面30aを有する。導電性層20の第2面20aの表面自由エネルギーγs1及び感光性樹脂層30の第3面30aの表面自由エネルギーγrは、|γs1-γr|≦12の関係を満たす。感光性樹脂層30は、導電性層20に貼り付けられて、導電性層20の第2面20a上に配置される。感光性樹脂層30の第3面30aは、導電性層20の第2面20aに接触する。
準備工程及び感光性樹脂層の形成工程の具体例を、図2を参照して説明する。図2は、ある実施形態に係る樹脂パターンの製造方法における準備工程及び感光性樹脂層の形成工程の概略図である。図2に示される工程は、以下の説明を除いて図1に示される工程と同じである。以下の説明において、図1の説明と重複する事項は省略される。
図2(a)は、準備工程の具体例を示す。基板10と、導電性層20と、を含む積層体が準備される。導電性層20は、導電性層21に、有機物及び溶剤を含む溶液(図示省略)を接触させることによって形成される。導電性層21は、本開示に係る導電性層(A)に対応する。導電性層21は、基板10の上に配置される。導電性層21は、基板10を向く第1面の反対に第2面21aを有する。有機物及び溶剤を含む溶液(図示省略)は、導電性層21に塗布される。塗布された溶液は、少なくとも導電性層21の第2面21aに接触する。導電性層21に付着した溶液は、乾燥される。溶液によって処理された導電性層21の第2面21aは、導電性層20の第2面2aを形成する。
[露光工程]
露光工程は、感光性樹脂層をパターン露光することである。「感光性樹脂層をパターン
露光する」とは、感光性樹脂層をパターン状に露光することを意味する。つまり、露光工程は、感光性樹脂層に露光部と非露光部とを形成する。
露光部と非露光部との位置関係は、制限されない。例えば、露光部と非露光部との位置関係は、目的の樹脂パターンの形状及び寸法に応じて決定される。
例えば、光源は、感光性樹脂層を露光可能な光を照射する光源から選択される。光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びLED(Light Emitting Diode)が挙げられる。
感光性樹脂層に照射される光の波長としては、例えば、365nm、405nm及び436nmが挙げられる。感光性樹脂層に照射される光の波長は、365nm、405nm又は436nmを含むことが好ましい。
露光量は、5mJ/cm~200mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm~100mJ/cmであることがより好ましい。
光源、露光量及び露光方法の好ましい態様は、例えば、国際公開第2018/155193号の段落0146~段落0147に記載されている。上記文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
露光方式としては、例えば、接触露光方式及び非接触露光方式が挙げられる。非接触露光方式としては、例えば、プロキシミティ露光方式、レンズ系又はミラー系のプロジェクション露光(投影露光)方式及びレーザーを用いるダイレクト露光(直接描画露光)方式が挙げられる。レンズ系又はミラー系のプロジェクション露光方式においては、必要な解像力及び焦点深度に応じて、適当なレンズの開口数(NA)を有する露光機が用いられてもよい。ダイレクト露光方式としては、例えば、感光性樹脂層に直接描画する方法及びレンズを介して感光性樹脂層に縮小投影露光を実施する方法が挙げられる。フォトマスク及び感光性樹脂層への影響を小さくできる観点から、露光は、直接描画露光又は投影露光により実施されることが好ましい。
露光は、フォトマスクを用いて実施されてもよい。フォトマスクは、露光対象物の表面に接触して使用されてもよい。フォトマスクは、露光対象物の表面に接触せずに、露光対象物の表面に近付けて使用されてもよい。解像性の観点から、露光は、露光対象物の表面にフォトマスクを接触させて実施されることが好ましい。
感光性樹脂層が転写材料を用いて形成された場合、露光は、仮支持体の剥離後に実施されてもよい。感光性樹脂層が転写材料を用いて形成された場合、露光は、仮支持体の剥離前に実施されてもよい。後者の方法において、例えば、感光性樹脂層は、仮支持体を介して露光され、仮支持体は、露光後に剥離される。フォトマスク汚染の防止及びフォトマスクに付着した異物による露光への影響を避けるため、仮支持体を剥離せずに仮支持体を介して感光性樹脂層を露光することが好ましい。
露光は、大気下で実施されてもよい。露光は、減圧下で実施されてもよい。露光は、真空下で実施されてもよい。
露光は、光源と露光対象物との間に水といった液体を介在させて実施されてもよい。
[現像工程]
現像工程は、感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成することである。
現像方法は、制限されない。現像方法は、公知の方法から選択されてもよい。現像方法としては、例えば、現像液を用いる方法が挙げられる。現像液は、現像液に対して相対的に高い溶解性を有する対象物を除去できる。
現像液は、公知の現像液から選択されてもよい。現像液としては、例えば、特開平5-72724号公報に記載された現像液が挙げられる。好ましい現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載された現像液が挙げられる。
現像液は、pKaが7~13の化合物を含むアルカリ水溶液であることが好ましい。pKaが7~13の化合物の濃度は、0.05mol/L~5mol/Lであることが好ましい。
現像液は、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、水と混和性を有する有機溶剤及び界面活性剤が挙げられる。
現像液の温度は、20℃~40℃であることが好ましい。
現像方式としては、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像並びにディップ現像が挙げられる。
現像方式の一例として、シャワー現像について説明する。例えば、感光性樹脂層がネガ型感光性樹脂層である場合、シャワーを用いて、露光後の感光性樹脂層に対して現像液を吹き付けることにより、感光性樹脂層の未露光部を除去できる。現像残渣の除去方法としては、例えば、洗浄剤をシャワーにより吹き付け、ブラシで擦る方法が挙げられる。
現像工程は、樹脂パターンを加熱処理(「ポストベーク」ともいう。)することを含んでいてもよい。加熱処理の圧力は、8.1kPa~121.6kPaであることが好ましく、8.1kPa~114.6kPaであることがより好ましく、8.1kPa~101.3kPaであることが更に好ましい。加熱処理の温度は、20℃~250℃であることが好ましく、30℃~170℃であることがより好ましく、50℃~150℃であることが更に好ましい。加熱処理の時間は、1分~30分であることが好ましく、2分~10分であることがより好ましく、2分~4分であることが更に好ましい。加熱処理は、空気環境下で実施されてもよい。加熱処理は、窒素置換環境下で実施されてもよい。
上記のような方法によって得られる樹脂パターンは、20μm以下の線幅を有する樹脂パターンを含むことが好ましく、10μm以下の線幅を有する樹脂パターンを含むことがより好ましく、8μm以下の線幅を有する樹脂パターンを含むことが更に好ましく、5μm以下の線幅を有する樹脂パターンを含むことが特に好ましい。
<導電性パターンの製造方法>
本開示の一実施形態に係る導電性パターンの製造方法は、上記「樹脂パターンの製造方法」の項に記載された樹脂パターンの製造方法を含む。具体的に、本開示の一実施形態に係る導電性パターンの製造方法は、次の(1)~(3)をこの順に含む。
(1)上記「樹脂パターンの製造方法」の項に記載された樹脂パターンの製造方法によって樹脂パターンを形成すること(以下、「樹脂パターンの形成工程」という場合がある。)。
(2)樹脂パターンをマスクとして用いて導電性層をエッチングし、導電性パターンを形成すること(以下、「エッチング工程」という場合がある。)。
(3)樹脂パターンを除去すること(以下、「除去工程」という場合がある。)。
[樹脂パターンの形成工程]
樹脂パターンの形成工程は、上記「樹脂パターンの製造方法」の項に記載された樹脂パターンの製造方法によって樹脂パターンを形成することである。樹脂パターンの形成工程の好ましい態様は、上記「樹脂パターンの製造方法」の項に記載された樹脂パターンの製造方法の好ましい態様と同じである。
[エッチング工程]
エッチング工程は、樹脂パターンをマスクとして用いて導電性層をエッチングし、導電性パターンを形成することである。
エッチングは、樹脂パターンによって保護されていない領域の金属ナノ材料を除去することよって導電性パターンを形成する。つまり、導電性層のエッチングによれば、導電性パターンは、樹脂パターンによって保護された導電性層に含まれる金属ナノ材料から形成される。
エッチングの方法は、制限されない。エッチングの方法としては、例えば、特開2017-120435号公報の段落0209~段落0210に記載の方法特開2010-152155号公報の段落0048~段落0054に記載の方法が挙げられる。エッチングの方法としては、例えば、対象物をエッチング液に浸漬するウェットエッチングが挙げられる。エッチングの方法としては、例えば、プラズマエッチングといったドライエッチングが挙げられる。生産性の観点から、エッチングは、ウェットエッチングであることが好ましい。解像性の観点から、エッチングは、ドライエッチングであることが好ましい。
ウェットエッチングに用いられるエッチング液の種類は、エッチングの対象物に合わせて選択されてもよい。エッチング液としては、例えば、酸性のエッチング液及びアルカリ性のエッチング液が挙げられる。
酸性のエッチング液としては、例えば、酸性成分を含む水溶液及び酸性成分と塩とを含む水溶液が挙げられる。酸性成分としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、シュウ酸及びリン酸が挙げられる。酸性のエッチング液は、1種又は2種以上の酸性成分を含んでいてもよい。塩としては、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、フッ化アンモニウム及び過マンガン酸カリウムが挙げられる。酸性のエッチング液は、1種又は2種以上の塩を含んでいてもよい。
アルカリ性のエッチング液としては、例えば、アルカリ成分を含む水溶液及びアルカリ成分と塩とを含む水溶液が挙げられる。アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン及び有機アミンの塩(例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)が挙げられる。アルカリ性のエッチング液は、1種又は2種以上のアルカリ成分を含んでいてもよい。塩としては、例えば、過マンガン酸カリウムが挙げられる。アルカリ性のエッチング液は、1種又は2種以上の塩を含んでいてもよい。
エッチング速度及びエッチングの対象物の形状を制御するため、エッチング液は、有機溶剤及び界面活性剤を含んでいてもよい。
[除去工程]
除去工程は、樹脂パターンを除去することである。
樹脂パターンを除去する方法としては、例えば、薬品を用いて樹脂パターンを除去する方法が挙げられる。樹脂パターンは、薬品中に溶解されてもよい。樹脂パターンは、薬品中に分散されてもよい。
樹脂パターンを除去する方法は、除去液を用いて樹脂パターンを除去する方法であることが好ましい。例えば、樹脂パターンを有する基板を除去液に浸漬することで、樹脂パターンが除去される。
除去液の温度は、30℃~80℃であることが好ましく、50℃~80℃であることがより好ましい。
除去液への樹脂パターンの浸漬時間は、1分間~30分間であることが好ましい。
除去性の観点から、除去液は、30質量%以上の水を含むことが好ましく、50質量%以上の水を含むことがより好ましく、70質量%以上の水を含むことが更に好ましい。
除去液は、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分を含むことが好ましい。無機アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。有機アルカリ成分としては、例えば、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物及び第4級アンモニウム塩化合物が挙げられる。
除去性の観点から、除去液は、有機アルカリ成分を含むことが好ましく、アミン化合物を含むことがより好ましい。
除去性の観点から、有機アルカリ成分の含有量は、除去液の全質量に対して、0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.1質量%~10質量%であることがより好ましい。
除去性の観点から、除去液は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤は、公知の界面活性剤から選択されてもよい。
除去性の観点から、界面活性剤の含有量は、除去液の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。
除去液は、水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、低級アルコール、グリコールエーテル及びN-メチルピロリドンが挙げられる。
除去液としては、例えば、特開平11-021483号公報、特開2002-129067号公報、特開平07-028254号公報、特開2001-188363号公報、特開平04-048633号公報及び特許第5318773号公報に記載された剥離液が挙げられる。
除去液と樹脂パターンとを接触させる方法としては、例えば、スプレー法、シャワー法及びパドル法が挙げられる。
[他の工程]
導電性パターンの製造方法は、他の工程を更に含んでいてもよい。
導電性パターンの製造方法は、導電性パターンを洗浄することを含んでいてもよい。洗
浄方法としては、例えば、純水を用いて導電性パターンを洗浄する方法が挙げられる。洗浄時間は、10秒~300秒であってもよい。
導電性パターンの製造方法は、導電性パターンを乾燥することを含んでいてもよい。乾燥方法としては、例えば、エアブローを用いて導電性パターンを乾燥方法が挙げられる。エアブローの圧力は、0.1kg/cm~5kg/cmであることが好ましい。
導電性パターンの製造方法は、導電性パターンの一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理をすることを含んでいてもよい。可視光線反射率を低下させる処理としては、例えば、酸化処理が挙げられる。例えば、酸化処理は、銅を酸化銅に変換することによって可視光線反射率を低下できる。可視光線反射率を低下させる処理の好ましい態様は、例えば、特開2014-150118号公報の段落0017~段落0025並びに特開2013-206315号公報の段落0041、段落0042、段落0048及び段落0058に記載されている。これらの文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
[用途]
上記のような工程を経て形成される導電性パターンの用途は、特に限定されない。導電性パターンは、種々の用途に適用できる。導電性パターンの用途としては、例えば、表示装置、プリント配線板、半導体パッケージ基板及び入力装置が挙げられる。入力装置としては、例えば、タッチパネルが挙げられる。タッチパネルは、静電容量型タッチパネルであることが好ましい。例えば、入力装置は、表示装置に適用される。表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び液晶表示装置が挙げられる。導電性パターンの好ましい用途としては、例えば、フレキシブル表示装置、特にフレキシブルタッチパネルが挙げられる。
以下、実施例により本開示を詳細に説明する。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。以下の実施例に記載された事項は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更されてもよい。
<実施例1~31及び比較例1>
[積層体の作製及び導電性層の表面改質]
基板としてポリエチレンテレフタレートフィルムと、銀ナノワイヤー及び樹脂を含む導電性層と、を含むフィルム(ClearOhm、Cambrios社)を準備した(表1中の積層体8)。波長380nm~780nmの光に対する導電性層の透過率は、92%である。導電性層の平均厚さは、0.025μmである。導電性層は、基板を向く第1面及び第1面の反対に第2面を有する。導電性層の第2面に対する蒸留水の接触角は、75°であり、導電性層の第2面に対するヨウ化メチレンの接触角は、60°である。これらの接触角に基づいてOwens and Wendt法によって算出された表面自由エネルギーは、34.3mJ/mである。蒸留水及びヨウ化メチレンの各々の接触角は、接触角計(Dropmaster500、協和界面科学株式会社)を用いて3回測定された接触角の平均値である。蒸留水及びヨウ化メチレンの各々の滴下量は、3.0μLである。蒸留水及びヨウ化メチレンの各々の滴下から測定までの時間は、20秒間である。接触角の測定温度は、25℃である。
以下の方法によって、表1に記載された表面改質用組成物の塗布条件を決定した。スピンコーター(MS-B100、ミカサ株式会社)を用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー#100-S10、東レ株式会社)に表面改質用組成物を塗布した。塗布された表面改質用組成物を100℃のオーブンで乾燥させ、次に、露光機(M-1S、ミカサ株式会社)を用いて600mJ/cmの露光量で露光し、最後に、15
0℃のコンベクションオーブンを用いて30分間のポストベークを行った。上記方法において、表面改質用組成物の乾燥後膜厚が40nmとなるような塗布量を求めた。表面改質用組成物の組成を表1に示す。表1に記載された各化合物の量の単位は、質量部を表す。
表1の記載に従って、以下の方法によって導電性層の表面改質を行った。既述の塗布条件に従って、導電性層の第2面に表面改質用組成物を塗布した。塗布された表面改質用組成物を100℃のオーブンで乾燥させ、次に、露光機(M-1S、ミカサ株式会社)を用いて600mJ/cmの露光量で露光し、最後に、150℃のコンベクションオーブンを用いて30分間のポストベークを行った。表面改質された導電性層の平均厚さは、0.05μmである。
各積層体における表面改質された導電性層の第2面又は表面改質されていない導電性層の第2面の特性(具体的に、接触角及び表面自由エネルギー)を表1に示す。
Figure 2023076385000023
表1に記載された次の略号は、それぞれ、以下の意味を有する。
XA-1:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=70/30(質量%)の共重合体(分子量:30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量%溶液)
XA-2:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/2-ヒドロキシエチルアクリレート=40/30/30(質量%)の共重合体(分子量:30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量%溶液)
XA-3:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=70/30(質量%)の共重合体(分子量:5,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量%溶液)
XA-4:エリーテル UE-3980(飽和共重合ポリエステル樹脂、ユニチカ株式会社)
XA-5:ダイヤナール BR-113(アクリル樹脂、三菱ケミカル株式会社)
XA-6:フェノライトPR-55 (クレゾールノボラック樹脂、DIC株式会社)
XA-7:ZX-412(フッ素樹脂/シロキサングラフト型樹脂、株式会社T&K TOKA)
XA-8:ルミフロンLF200MEK(フッ素樹脂、AGC株式会社)
XB-1:ライトアクリレート DPE-6A(共栄社化学株式会社)
XC-1:Irgacure OXE02(BASFジャパン株式会社)
XE-2:2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール(東京化成工業株式会社製)
XE-3:2-ナフタレンチオール(東京化成工業株式会社製)
XE-4:2-メルカプトベンゾイミダゾール(東京化成工業株式会社製)
XE-5:2,5-ビス(オクチルジチオ)-1,3,4-チアジアゾール(alfa chemistry社製)
XE-6:2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(東京化成工業株式会社 製)
XE-7:アデカスタブAO-30(株式会社ADEKA製)
XE-8:アデカスタブPEP-8(株式会社ADEKA製)
XE-9:アデカスタブAO-503(株式会社ADEKA製)
XE-10:アデカスタブLA-52(株式会社ADEKA製)
XF-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工株式会社)
XF-2:メチルエチルケトン(三協化学株式会社)
[熱可塑性樹脂層形成用組成物の調製]
下記化合物を混合することにより、熱可塑性樹脂層形成用組成物を調製した。
A-2:42.85質量部
B-5:4.33質量部
B-6:2.31質量部
B-7:0.77質量部
E-7:0.03質量部
F-1:39.80質量部
F-2:9.51質量部
化合物(B):0.32質量部
化合物(D):0.08質量部
[水溶性樹脂層形成用組成物の調製]
下記化合物を混合することにより、水溶性樹脂層形成用組成物を調製した
A-5:3.22質量部
A-6:1.49質量部
E-8:0.0015質量部
F-3:38.12質量部
F-4:57.17質量部
[感光性樹脂層形成用組成物の調製]
表2に記載の化合物を混合することにより、感光性樹脂層形成用組成物を調製した。表2に記載された各化合物の量の単位は、質量部を表す。
Figure 2023076385000024
既述の各層を形成するための組成物の原材料として使用された化合物の略号は、それぞれ、以下の意味を有する。
A-1:スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル=52/29/19(質量%)の共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分濃度:30.0質量%、Mw:70,000、アルカリ可溶性樹脂)
A-2:ベンジルメタクリレート、メタクリル酸及びアクリル酸の共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分濃度:30.0質量%、Mw:30,000、酸価:153mgKOH/g)
A-3:重合体(A)(酸の作用により極性が変化する樹脂)
A-4:フェノライトWR-101(DIC株式会社、フェノール性水酸基を有する樹脂)
A-5:クラレポバールPVA-205(株式会社クラレ、水溶性樹脂)
A-6:ポリビニルピロリドンK-30(株式会社日本触媒、水溶性樹脂)
B-1:NKエステルBPE-500(新中村化学工業株式会社、重合性化合物)
B-2:NKエステルHD-N(新中村化学工業株式会社、重合性化合物)
B-3:サートマーSR454(アルケマ社、重合性化合物)
B-4:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(重合性化合物)
B-5:NKエステルA-DCP(新中村化学工業株式会社、重合性化合物)
B-6:8UX-015A(大成ファインケミカル株式会社、重合性化合物)
B-7:アロニックスTO-2349(東亞合成株式会社、重合性化合物)
C-1:B-CIM(2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、黒金化成株式会社、光重合開始剤)
C-2:SB-PI 701(三洋貿易株式会社、増感剤)
C-3:化合物(B)(光酸発生剤)
C-4:4NT-300(東洋合成工業株式会社、キノンジアジド誘導体)
D-1:TDP-G(川口化学工業株式会社、重合禁止剤)
D-2:1-フェニル-3-ピラゾリドン(富士フイルム和光純薬株式会社、重合禁止剤)
E-1:ロイコクリスタルバイオレット(東京化成工業株式会社、水素供与体)
E-2:N-フェニルカルバモイルメチル-N-カルボキシメチルアニリン(富士フイルム和光純薬株式会社、水素供与体)
E-3:化合物(C)(他の成分)
E-4:化合物(D)(色素B)
E-5:ジエチルアミノ-フェニルスルホニル系紫外線吸収剤(大東化学株式会社、紫外線吸収剤)
E-6:1,2,4-トリアゾール(東京化成工業株式会社、複素環式化合物)
E-7:メガファックF-552(DIC株式会社、界面活性剤)
E-8:メガファックF-444(DIC株式会社、界面活性剤)
F-1:メチルエチルケトン(三協化学株式会社、溶剤)
F-2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工株式会社、溶剤)
F-3:イオン交換水(溶剤)
F-4:メタノール(三菱ガス化学株式会社、溶剤)
重合体(A)は、下記構造を有する。下記構造における構成単位の組成比は、質量比を表す。重合体(A)の重量平均分子量は、15,000である。
Figure 2023076385000025
化合物(B)は、下記の構造を有する。
Figure 2023076385000026
化合物(C)は、下記の構造を有する。
Figure 2023076385000027
化合物(D)は、下記の構造を有する。
Figure 2023076385000028
[転写材料の作製]
仮支持体として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:16μm、ヘイズ:0.12%)を準備した。仮支持体に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後膜厚が3.0μmとなるように熱可塑性樹脂層形成用組成物を塗布した。塗布された熱可塑性樹脂層形成用組成物を80℃で40秒間かけて乾燥し、熱可塑性樹脂層を形成した。
熱可塑性樹脂層に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後
膜厚が1.2μmとなるように水溶性樹脂層形成用組成物を塗布した。塗布された水溶性樹脂層組成物を80℃で40秒間かけて乾燥し、水溶性樹脂層を形成した。
水溶性樹脂層に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0mであり、かつ、乾燥後膜厚が5.0μmとなるように、表3の記載に従って選択された感光性樹脂層形成用組成物を塗布した。塗布された感光性樹脂層形成用組成物を100℃で2分間乾燥し、感光性樹脂層を形成した。
感光性樹脂層と保護フィルム(ポリプロピレンフィルム、厚さ:12μm)とを貼り合わせることによって、転写材料を作製した。
既述の導電性層の表面自由エネルギーの測定方法に準ずる方法によって、感光性樹脂層の表面自由エネルギーを測定した。具体的に、保護フィルムを剥離することによって露出した感光性樹脂層の表面に対する蒸留水又はヨウ化メチレンの接触角に基づいて、Owens and Wendt法によって表面自由エネルギーを算出した。測定結果を表3に示す。
[評価]
表3の記載に従って選択された転写材料と積層体との組み合わせを利用して、以下の評価を行った。
(密着性)
転写材料から保護フィルムを剥離した後、100℃のローラー温度、0.8MPaの線圧、3.0m/分の線速度という条件で、転写材料の感光性樹脂層を導電性層の第2面に貼り付けた。得られた積層体から採取された試料片に対して、50℃及び0.5MPaの条件でオートクレーブ処理を行った。試料片から仮支持体を剥離した後、クロスカット加工機(No.551-AUTO-1、株式会社安田精機製作所)を用い、「JIS K5600」に基づいてクロスカット試験を行った。感光性樹脂層の残存率に基づいて、以下の基準に従って、導電性層と感光性樹脂層との密着性を評価した。以下の基準において、残存率が高い方が好ましい。
A:90%以上
B:80%以上90%未満
C:70%以上80%未満
D:70%未満
(解像度)
既述の密着性の評価に記載された方法に従って、転写材料の感光性樹脂層を導電性層の第2面に貼り付けた。3μm~40μmの線幅のラインアンドスペースパターン(Duty比=1:1、各線幅におけるラインの数=10本)を有するガラスマスクを仮支持体に密着させ、次に、露光機(M-1S、ミカサ株式会社)を用いて、仮支持体を介して感光性樹脂層を露光した。露光量は、次の方法によって決定された。既述の方法によって転写材料の感光性樹脂層を導電性層の第2面に貼り付けた後、仮支持体を剥離せずにストーファーステップウェッジタブレットT4105を介して感光性樹脂層を露光した。露光量を変えて複数の試料を作製し、現像後に12ステップ目でちょうど感光性樹脂層が消失する露光量を、設定露光量とした。
感光性樹脂層の露光から1時間後、仮支持体を剥離した。露出した感光性樹脂層に、現像液(28℃、1.0%炭酸カリウム水溶液)を30秒間シャワーで吹き付けることによって、感光性樹脂層の未硬化部分を除去し、樹脂パターンを作製した。
硝酸鉄水溶液(30℃、40.0質量%)を、樹脂パターンを有する基板に30秒間シャワーで吹き付けることで、樹脂パターンによって覆われていない導電性層に含まれる銀ナノワイヤーを除去した。
40℃の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38質量%)を、樹脂パターンを有する基板にシャワーで吹き付けることで樹脂パターンを除去し、導電性パターンを作製した。
導電性パターンの各線幅でのラインアンドスペースを観察し、10本のすべてのラインが剥がれたり潰れたりせずに形成されたラインを対象にして最小の線幅を導電性パターンの解像度とした。ラインアンドスペースの観察においては、金属顕微鏡(MX50、オリンパス株式会社)の暗視野観察モードにて銀ナノワイヤー層が視認される部分をラインパターン(すなわち、導電性パターン)とした。導電性パターンの解像度に基づいて、以下の基準に従って、解像度を評価した。以下の基準において、より細かいラインアンドスペースパターンを形成できる方が好ましい。
A:10μm以下
B:10μm超、12μm以下
C:12μm超、20μm以下
D:20μm超
Figure 2023076385000029
Figure 2023076385000030
<実施例1A~31A>
転写材料の作製において、仮支持体及び保護フィルムを以下の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1~実施例31と同様の評価を行った。実施例1A~31Aの評価結果は、それぞれ、実施例1~実施例31の評価結果と同じであった。
仮支持体:コスモシャインA4160(厚さ:50μm)(東洋紡株式会社)
保護フィルム:アルファンE-210F(厚さ:50μm)(王子エフテックス株式会社)
<実施例1B~31B>
転写材料の作製において、仮支持体及び保護フィルムを以下の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1~実施例31と同様の評価を行った。実施例1B~31Bの評価結果は、それぞれ、実施例1~実施例31の評価結果と同じであった。
仮支持体:コスモシャインA4360(厚さ:38μm)(東洋紡株式会社)
保護フィルム:アルファンFG-201(厚さ:30μm)(王子エフテックス株式会社)
<実施例1C~31C>
転写材料の作製において、仮支持体及び保護フィルムを以下の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1~実施例31と同様の評価を行った。実施例1C~31Cの評価結果は、それぞれ、実施例1~実施例31の評価結果と同じであった。
仮支持体:ルミラー#38-U48(厚さ:38μm)(東レ株式会社)
保護フィルム:アルファンE-210F(厚さ:50μm)(王子エフテックス株式会社)
<実施例1D~実施例31D>
転写材料の作製において、仮支持体及び保護フィルムを以下の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1~実施例31と同様の評価を行った。実施例1D~31Dの評価結果は、それぞれ、実施例1~実施例31の評価結果と同じであった。
仮支持体:ルミラー#75-U34(厚さ:75μm)(東レ株式会社)
保護フィルム:アルファンFG-201(厚さ:30μm)(王子エフテックス株式会社)
<実施例1E~実施例31E>
転写材料の作製において、仮支持体及び保護フィルムを以下の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1~実施例31と同様の評価を行った。実施例1E~実施例31Eの評価結果は、それぞれ、実施例1~実施例31の評価結果と同じであった。
仮支持体:ルミラー16FB40(厚さ:16μm)(東レ株式会社)
保護フィルム:アルファンE-210F(厚さ:50μm)(王子エフテックス株式会社)
<実施例1F~実施例31F>
転写材料の作製において、仮支持体及び保護フィルムを以下の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1~実施例31と同様の評価を行った。実施例1F~実施例31Fの評価結果は、それぞれ、実施例1~実施例31の評価結果と同じであった。
仮支持体:ルミラー16FB40(厚さ:16μm)(東レ株式会社)
保護フィルム:アルファンFG-201(厚さ:30μm)(王子エフテックス株式会社)
<実施例1G~実施例31G>
転写材料の作製において、仮支持体及び保護フィルムを以下の組み合わせに変更したこと以外は、実施例1~実施例31と同様の評価を行った。実施例1G~実施例31Gの評価結果は、それぞれ、実施例1~実施例31の評価結果と同じであった。
仮支持体:ルミラー16KS40(厚さ:16μm)(東レ株式会社)
保護フィルム:アルファンFG-201(厚さ:30μm)(王子エフテックス株式会社)
10:基板
20:導電性層
20a:導電性層の第2面
21:導電性層(A)
21a:導電性層(A)の第2面
30:感光性樹脂層
30a:感光性樹脂層の第3面

Claims (14)

  1. 基板と、前記基板を向く第1面及び前記第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含む積層体を準備することと、
    前記導電性層の前記第2面の上に、前記導電性層を向く第3面及び前記第3面の反対に第4面を有する感光性樹脂層を形成することと、
    前記感光性樹脂層をパターン露光することと、
    前記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成することと、をこの順に含み、
    前記導電性層が、金属ナノ材料と、樹脂と、を含み、
    前記導電性層の前記第2面の表面自由エネルギーγs1及び前記感光性樹脂層の前記第3面の表面自由エネルギーγrが、|γs1-γr|≦12の関係を満たす、
    樹脂パターンの製造方法。
  2. 前記表面自由エネルギーγs1及び前記表面自由エネルギーγrが、|γs1-γr|≦3の関係を満たす、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  3. 前記樹脂が、アクリル樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  4. 前記導電性層が、前記金属ナノ材料及び樹脂(A)を含む導電性層(A)に、有機物及び溶剤を含む溶液を接触させることによって形成された層である、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  5. 前記樹脂(A)が、セルロース誘導体を含む、請求項4に記載の樹脂パターンの製造方法。
  6. 前記金属ナノ材料が、銀ナノワイヤーである、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  7. 前記感光性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤と、を含む、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  8. 前記感光性樹脂層が、酸の作用により極性が変化する樹脂と、光酸発生剤と、を含む、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  9. 前記感光性樹脂層が、フェノール性水酸基を有する樹脂と、キノンジアジド誘導体と、を含む、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  10. 前記感光性樹脂層が、複素環式化合物を含む、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  11. 前記感光性樹脂層を形成することが、仮支持体及び前記感光性樹脂層を含む転写材料を準備することと、前記転写材料の前記感光性樹脂層を前記導電性層に貼り付けることと、を含む、請求項1に記載の樹脂パターンの製造方法。
  12. 請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の樹脂パターンの製造方法によって樹脂パターンを形成することと、
    前記樹脂パターンをマスクとして用いて前記導電性層をエッチングし、導電性パターンを形成することと、
    前記樹脂パターンを除去することと、をこの順に含む、
    導電性パターンの製造方法。
  13. 基板と、
    前記基板を向く第1面及び前記第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含み、
    前記導電性層が、金属ナノ材料と、樹脂と、を含み、
    前記導電性層の前記第2面の表面自由エネルギーγs1が、30mJ/m~50mJ/mである、
    積層体。
  14. 基板と、
    前記基板を向く第1面及び前記第1面の反対に第2面を有する導電性層と、を含み、
    前記導電性層が、金属ナノ材料と、樹脂と、を含み、
    前記導電性層の前記第2面に対する蒸留水の接触角が、50°~85°である、
    積層体。
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