JP2023076165A - 基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターンが形成されている基板主面を乾燥させる際に、パターンの凹部に残留する不純物を低減することができる基板処理方法を提供する。【解決手段】平坦面に対する純水の接触角を90°以上に変化させる撥水処理が基板Wの上面に対して実行された後、基板Wの上面に疎水性液体を供給することで基板Wの上面上の撥水剤含有液が疎水性液体で置換される(疎水性液体置換工程)。疎水性液体置換工程の後、親水性液体を基板Wの上面に供給することで基板Wの上面上の疎水性液体が親水性液体で置換される(親水性液体置換工程)。親水性液体置換工程の後、基板Wの上面上の親水性液体を流動させて基板Wの上面から除去することによって、基板Wの上面が乾燥する(乾燥工程)。【選択図】図9

Description

この発明は、基板を処理する基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウェハ、液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
半導体やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造工程において、ウェット洗浄後の乾燥処理において、微細パターンの倒壊を防止するために、基板上のDIWをIPA等へと置換し、加熱や減圧等でIPAを気化させる方法が提案されている。
特許文献1の図6に開示されている基板処理では、パターンが形成されている基板の主面に乾燥前処理液を供給し、基板の主面上の乾燥前処理液を凝固させて凝固膜を形成した後、凝固膜を昇華させることで、基板の主面が乾燥される。
特許文献2に開示されている基板処理では、IPAの液膜を基板の上面に形成した後、基板にホットプレートを接触させた状態で基板が加熱される。この基板処理では、加熱によってIPAの液膜の一部が蒸発されて気相化し、パターン内部が気体状態のIPAで満たされる。気相上のIPAの液膜を液塊状態のまま排除することで基板の上面が乾燥される。
特開2020-17612号公報 特開2015-185767号公報
特許文献1では、多量の固体膜を昇華させる必要があり、特許文献2では、多量のIPAを蒸発させる必要がある。そのため、特許文献1および2のような従来の乾燥技術では、凹凸パターンの凹部に不揮発性の不純物が残留するおそれがある。
そこで、この発明の1つの目的は、パターンが形成されている基板主面を乾燥させる際に、パターンの凹部に残留する不純物を低減することができる基板処理方法を提供することである。
この発明の一実施形態は、凹部を有するパターンが形成された主面を有する基板を処理する基板処理方法を提供する。前記基板処理方法は、撥水剤含有液を前記基板の前記主面に供給して、平坦面に対する純水の接触角を90°以上に変化させる撥水処理を前記基板の前記主面に行う撥水処理工程と、前記撥水処理工程の後、基板の前記主面に疎水性液体を供給して前記基板の前記主面上の前記撥水剤含有液を前記疎水性液体で置換する疎水性液体置換工程と、前記疎水性液体置換工程の後、前記疎水性液体と混和可能であり、かつ、前記疎水性液体よりも高い親水性を有する親水性液体を前記基板の前記主面に供給して前記基板の前記主面上の前記疎水性液体を前記親水性液体で置換する親水性液体置換工程と、前記親水性液体置換工程の後、前記基板の前記主面上の前記親水性液体を流動させて前記基板の前記主面から除去することによって、前記基板の前記主面を乾燥させる乾燥工程とを含む。
この方法によれば、基板の主面には、パターンが形成されているため、基板Wの主面は、凹凸面である。
ここで、平坦面に対する純水の接触角が90°よりも大きい場合には、凹凸面に対する純水の接触角は、平坦面に対する純水の接触角よりも大きくなり、平坦面に対する純水の接触角が90°よりも小さい場合には、凹凸面に対する純水の接触角は、平坦面に対する純水の接触角よりも小さくなる。
この方法によれば、基板の主面に撥水剤含有液が供給されることにより、平坦面に対する純水の接触角を90°以上に変化させる撥水処理が基板の主面に対して行われる。したがって、基板の主面に対する純水の接触角を充分に上昇させることができる。言い換えると、基板の主面の疎水性を充分に高めることができる。
この方法によれば、撥水剤含有液を用いて基板の主面に対して撥水処理を行った後、撥水剤含有液が疎水性液体で置換される。その後、疎水性液体を親水性液体で置換する際、疎水性液体と親水性液体とが混ざり合い、パターンの凹部内に親水性液体が進入する。その一方で、撥水処理によって基板の主面の疎水性が充分に高められているため、親水性液体を基板の主面から除去させる際に、親水性液体が基板の主面に残留しないように流動させ易い。したがって、親水性液体を流動させて基板の主面から除去することによって、基板の主面を充分に乾燥できる。
このように、基板の主面における親水性液体の残留を抑制しながら、親水性液体を流動させて基板の主面から除去することができる。その結果、パターンの凹部に残留する不純物を低減することができる。
この発明の一実施形態では、前記親水性液体置換工程および前記乾燥工程が、前記基板の前記主面上の液体を加熱することなく実行される。
そのため、基板の主面上の液体(親水性液体および疎水性液体であり、主に親水性液体)の蒸発を抑制することができる。したがって、基板の主面上に、特に凹部に不純物が生じることを抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記乾燥工程が、前記基板の前記主面上に前記親水性液体の液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜に向けて気体を供給して前記主面を露出させる開口を前記液膜に形成し、前記開口を拡大させるように前記基板の前記主面から前記親水性液体を排除する拡大排除工程とを含む。
この方法によれば、親水性液体の液膜に形成された開口を拡大させることで基板の主面から親水性液体を除去できる。そのため、親水性液体の蒸発を抑制しながら親水性液体を基板の主面から除去できる。したがって、液体の蒸発に起因してパターンの凹部に不純物が生じることを抑制できる。その結果、パターンの凹部に残留する不純物を低減することができる。
この発明の一実施形態では、前記疎水性液体置換工程が、前記パターンの前記凹部に前記疎水性液体を充填する疎水性液体充填工程を含む。また、前記親水性液体置換工程が、前記基板の前記主面に前記親水性液体が供給されることによって、前記親水性液体が前記凹部内の前記疎水性液体と混ざり合いながら前記凹部に進入する親水性液体進入工程と、前記内部液体を流動させることによって前記内部液体を前記凹部から離脱させる内部液体離脱工程とを含む。
この方法によれば、撥水処理工程の後、基板の主面に疎水性液体を供給することで、パターンの凹部外の撥水剤含有液だけでなく、パターンの凹部内の撥水剤含有液も疎水性液体で置換することができる。これにより、凹部に疎水性液体が進入し疎水性液体が凹部に充填される。
その後、基板の主面上の疎水性液体を親水性液体で置換する際、パターンの凹部内の疎水性液体が親水性液体と混ざり合い、凹部内の液体(以下では、「内部液体」ともいう)中の親水性液体の割合が徐々に上昇する。内部液体中の親水性液体の割合が上昇すると、内部液体の親水性が上昇し、内部液体が基板の主面において凹部を区画する部分から反発力を受ける。これにより、内部液体が流動して凹部から離脱する。
したがって、内部液体を積極的に蒸発させることなく凹部から内部液体を除去でき、液体の蒸発に起因してパターンの凹部に不純物が生じることを抑制できる。その結果、パターンの凹部に残留する不純物を低減することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記基板の前記主面上の前記親水性液体に外部刺激を付与することによって、前記内部液体の流動による前記凹部内からの前記内部液体の離脱を促進する第1離脱促進工程をさらに含む。
この方法によれば、基板の主面上の親水性液体に外部刺激を付与することによって、内部液体の流動によって内部液体の離脱が促進される。内部液体の離脱を促進することで、液体の蒸発に起因してパターンの凹部に不純物が生じることを抑制できる。その結果、パターンの凹部に残留する不純物を低減することができる。
外部刺激は、たとえば、基板の上面上の親水性液体が流動を促進する物理力である。物理力は、衝撃(運動エネルギー)である。外部刺激は、気体の供給(吹き付け)、液滴状態の親水性液体の供給、親水性液体の供給位置の移動、基板の姿勢の変更、親水性液体の吸引等によって、基板の主面上の親水性液体に付与される。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記親水性液体から発生する発生気体で前記内部液体を置換することで、前記内部液体の流動による前記凹部内からの前記内部液体の離脱を促進する第2離脱促進工程をさらに含む。
この方法によれば、親水性液体から発生する発生気体を利用することで一層スムーズに凹部から内部液体を押し出すことができる。したがって、液体の蒸発に起因してパターンの凹部に不純物が生じることを抑制できる。その結果、パターンの凹部に残留する不純物を低減することができる。
この発明の一実施形態では、前記撥水剤含有液が、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデシルトリエトキシシラン(FDTS)を含有する。FDTSを含有する撥水剤含有液を用いれば、平坦面に対する純水の接触角を90°以上に変化させる撥水処理を実行し易く、基板の主面に対する純水の接触角を90°以上に変化させ易い。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。 図2は、前記基板処理装置で処理される基板の主面の表層部の構造を説明するための模式図である。 図3は、前記基板処理装置に備えられる処理ユニットの構成を説明するための模式図である。 図4は、前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図5は、前記基板処理装置によって実行される基板処理を説明するためのフローチャートである。 図6Aは、前記基板処理中の基板の上面の様子について説明するための模式図である。 図6Bは、前記基板処理中の基板の上面の様子について説明するための模式図である。 図7Aは、平坦面に純水の液滴が載せられている状態を示す模式図である。 図7Bは、凹凸面に純水の液滴が載せられている状態を示す模式図である。 図8は、平坦面に対する純水の接触角と凹凸面に対する純水の接触角との関係について説明するためのグラフである。 図9は、前記基板処理中の基板の上面付近の様子を説明するための模式図である。 図10は、前記基板処理の変形例について説明するための模式図である。 図11は、前記基板処理装置の第1変形例について説明するための模式図である。 図12Aは、前記基板処理装置の第2変形例について説明するための模式図である。 図12Bは、前記基板処理装置の第2変形例について説明するための模式図である。 図13Aは、前記基板処理装置の第3変形例について説明するための模式図である。 図13Bは、前記基板処理装置の第3変形例について説明するための模式図である。 図14は、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置の図解的な立面図である。 図15は、第2実施形態の変形例に係る基板処理装置の図解的な立面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
<第1実施形態に係る基板処理装置の機械的構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1のレイアウトを示す図解的な平面図である。
基板処理装置1は、基板Wを液体で処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容するキャリアCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットIRおよびCRと、基板処理装置1を制御するコントローラ3とを備える。
搬送ロボットIRは、キャリアCと搬送ロボットCRとの間で基板Wを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。搬送ロボットIRおよびCRは、複数のロードポートLPから複数の処理ユニット2に向かって延びる搬送経路TR上に配置されている。
複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。詳しくは後述するが、処理ユニット2内で基板Wに向けて供給される処理液には、薬液、リンス液、疎水性液体、撥水剤含有液、親水性液体等が含まれる。
複数の処理ユニット2は、水平に離れた4つの位置にそれぞれ配置された4つの処理タワーTWを形成している。各処理タワーTWは、上下方向に積層された複数(たとえば、3つ)の処理ユニット2を含む。4つの処理タワーTWは、搬送経路TRの両側に2つずつ配置されている。
各処理ユニット2は、処理カップ7と、処理カップ7を収容するチャンバ4とを備える。チャンバ4には、搬送ロボットCRによって、基板Wを搬入したり基板Wを搬出したりするための出入口(図示せず)が形成されている。チャンバ4には、この出入口を開閉するシャッタユニット(図示せず)が備えられている。
<基板の主面の表層部の構成>
図2は、基板処理装置1で処理される基板Wの主面の表層部の構造を説明するための模式図である。
基板Wは、シリコンウエハ等の基板であり、一対の主面を有する。一対の主面のうち少なくとも一方が、デバイスの製造過程でパターン100が形成されたデバイス面である。一対の主面のうちの一方は、パターン100が形成されていない非デバイス面であってもよい。
基板Wは、複数のトレンチ102(複数の凹部)が形成されたデバイス面表層部101を有する。デバイス面表層部101は、隣接するトレンチ102同士の間に位置する微細な凸状の構造体103(複数の凸部)と、トレンチ102の底部を区画する底区画部104とをさらに有する。複数の構造体103および複数のトレンチ102によってパターン100が構成されている。底区画部104の表面(トレンチ102の底面)および構造体103の表面は、基板Wの主面の少なくとも一部を構成している。
図2では、構造体103の先端部は、平坦面を有しているが、構造体103の先端部は、図2とは異なり、湾曲面を有していてもよい。同様に、図2では、トレンチ102の底部は、平坦面を有しているが、図2とは異なり、湾曲面を有していてもよい。
デバイス面表層部101は、たとえば、絶縁層または半導体層である。半導体層は、たとえば、シリコン(Si)からなる。絶縁層は、たとえば、酸化シリコン(SiO)および窒化シリコン(SiN)の少なくもいずれかを含んでいてもよい。デバイス面表層部101は、単層構造を有していてもよく、積層構造を有していてもよい。積層構造は、半導体層、絶縁体層、金属層の少なくともいずれかによって構成されていてもよい。
トレンチ102は、たとえば、ライン状である。ライン状のトレンチ102の幅Lは、トレンチ102が延びる方向に直交する方向におけるトレンチ102の大きさのことである。
トレンチ102の幅Lは、たとえば、5nm以上50nm以下である。トレンチ102の深さDは、トレンチ102の大きさであり、たとえば、100nm以上1500nm以下である。トレンチ102は、ライン状には限られない。トレンチ102がトレンチ102の深さ方向から見て円形状である場合、幅Lは、トレンチ102の直径に相当する。
トレンチ102の深さ方向は、たとえば、基板Wの厚さ方向、または、基板Wの厚さ方向に対する直交方向である。トレンチ102が基板Wの厚さ方向に沿う平面に形成されている場合には、トレンチ102の深さ方向は、基板Wの厚さ方向である。たとえば、基板WとしてSTI(Shallow Trench Isolation)構造またはDTI(Deep Trench Isolation)構造の形成途中である基板が用いられる場合、デバイス面表層部101は、Si層からなり、かつ、トレンチ102の深さ方向が基板Wの厚さ方向となる。
トレンチ102が、基板Wの厚さ方向に沿う平面に形成された別のトレンチの側壁に形成されている場合には、トレンチ102の幅方向が、基板Wの厚さ方向であり、かつ、トレンチ102の深さ方向が基板Wの厚さ方向に対する直交方向である。たとえば、基板Wとして三次元NAND構造の形成途中の基板が用いられる場合、デバイス面表層部101は、SiO層からなり、かつ、トレンチ102の深さ方向が基板Wの厚さ方向に対する直交方向となる。
図3は、処理ユニット2の構成を説明するための模式図である。処理ユニット2は、基板Wを所定の処理姿勢に保持しながら基板Wを回転軸線A1まわりに回転させるスピンチャック5と、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面(上側の主面)に上方から対向する対向面6aを有する対向部材6と、基板Wの上面に処理液を供給する複数の流体ノズル(第1薬液ノズル8、第1リンス液ノズル9、第2薬液ノズル10、第2リンス液ノズル11、親水性液体ノズル12、および、気体ノズル13)と、対向部材6の対向面6aから露出し基板Wの上面の中央部に対向する吐出口14aを有する中央ノズル14とをさらに含む。スピンチャック5、対向部材6、複数の流体ノズル、および、中央ノズル14は、処理カップ7とともにチャンバ4内に配置されている。
スピンチャック5は、デバイス面が上面となるように基板Wを保持する。回転軸線A1は、基板Wの上面の中心部を通り、処理姿勢に保持されている基板Wの各主面に対して直交する。処理姿勢は、たとえば、図3に示す基板Wの姿勢であり、基板Wの主面が水平面となる水平姿勢である。処理姿勢が水平姿勢である場合、回転軸線A1は、鉛直に延びる。スピンチャック5は、基板Wを処理姿勢に保持する基板保持部材の一例であり、基板Wを処理姿勢に保持しながら回転軸線A1まわりに基板Wを回転させる回転保持部材の一例でもある。
スピンチャック5は、水平方向に沿う円板形状を有するスピンベース21と、スピンベース21の上方で基板Wを把持しスピンベース21よりも上方で基板Wの周縁部を把持する複数のチャックピン20と、スピンベース21に連結され鉛直方向に延びる回転軸22と、回転軸22をその中心軸線(回転軸線A1)のまわりに回転させる回転駆動機構23とを含む。スピンベース21は、円板状のベースの一例である。
複数のチャックピン20は、スピンベース21の周方向に間隔を空けてスピンベース21の上面に配置されている。回転駆動機構23は、たとえば、電動モータ等のアクチュエータを含む。回転駆動機構23は、回転軸22を回転させることでスピンベース21および複数のチャックピン20が回転軸線A1のまわりに回転する。これにより、基板Wは、スピンベース21および複数のチャックピン20とともに回転軸線A1のまわりに回転される。
複数のチャックピン20は、基板Wの周縁部に接触して基板Wを把持する閉位置と、基板Wに対する把持を解除する開位置との間で移動可能である。複数のチャックピン20は、開閉機構(図示せず)によって移動される。
複数のチャックピン20は、閉位置に位置するとき、基板Wの周縁部を把持して基板Wを水平に保持する。複数のチャックピン20は、開位置に位置するとき、基板Wに対する把持を解除する一方で、基板Wの周縁部を下方から支持する。開閉機構は、たとえば、リンク機構と、リンク機構に駆動力を付与するアクチュエータとを含む。
対向部材6は、基板Wとほぼ同じ径またはそれ以上の径を有する円板状に形成されている。対向部材6において対向面6aとは反対側には、支持軸28が固定されている。
対向部材6は、対向部材6を昇降させる対向部材昇降機構29に接続されている。対向部材昇降機構29は、たとえば、支持軸28を昇降駆動する電動モータまたはエアシリンダ等のアクチュエータ(図示せず)を含む。対向部材6は、回転軸線A1まわりに回転可能であってもよい。
対向部材6は、対向部材昇降機構29によって、対向部材6の可動範囲の上限位置である上位置と対向部材6の可動範囲の下限位置である下位置との間で昇降される。対向部材6は、対向部材6と基板Wとの間を各流体ノズル(第1薬液ノズル8、第1リンス液ノズル9、第2薬液ノズル10、第2リンス液ノズル11、親水性液体ノズル12、および、気体ノズル13)が通過できる離間位置に位置できる。離間位置は、たとえば、上位置である。対向部材6は、スピンチャック5に保持されている基板Wの上面との間の空間内の雰囲気を空間の外部の雰囲気から遮断する遮断位置に位置できる。そのため、対向部材6は、遮断板とも呼ばれる。遮断位置は、たとえば、下位置である。
処理カップ7は、スピンチャック5に保持されている基板Wから飛散する液体を受ける。処理カップ7は、スピンチャック5に保持された基板Wから外方に飛散する液体を受け止める複数(図3の例では2つ)のガード30と、複数のガード30によって下方に案内された液体を受け止める複数(図3の例では2つ)のカップ31と、複数のガード30および複数のカップ31を取り囲む円筒状の外壁部材32とを含む。
複数のガード30は、ガード昇降機構(図示せず)によって個別に昇降される。各ガード30は、その上端が基板Wの上面よりも上方に位置する上位置と、その上端が基板Wの上面よりも下方に位置する下位置と、上位置および下位置の間の任意の位置とに移動できる。
複数の流体ノズルは、基板Wの上面に向けて薬液を吐出する第1薬液ノズル8および第2薬液ノズル10と、基板Wの上面に向けてリンス液を吐出する第1リンス液ノズル9および第2リンス液ノズル11と、基板Wの上面に向けて親水性液体を吐出する親水性液体ノズル12と、基板Wの上面に向けて気体を吐出する気体ノズル13とを含む。
処理ユニット2は、複数の流体ノズルを少なくとも水平方向に移動される複数のノズル移動機構(第1ノズル移動機構25、第2ノズル移動機構26および第3ノズル移動機構27)を含む。各ノズル移動機構は、2つの流体ノズルを共通に移動させる。第1ノズル移動機構25は、第1薬液ノズル8および第1リンス液ノズル9を共通に移動させる。第2ノズル移動機構26は、第2薬液ノズル10および第2リンス液ノズル11を共通に移動させる。第3ノズル移動機構27は、親水性液体ノズル12および気体ノズル13を共通に移動させる。
各ノズル移動機構は、対応する2つの流体ノズルを、中央位置と退避位置との間で移動させることができる。中央位置は、流体ノズルが基板Wの上面の中央領域に対向する位置である。基板Wの上面の中央領域とは、基板Wの上面において回転中心(中央部)と回転中心の周囲の部分とを含む領域のことである。退避位置は、流体ノズルが基板Wの上面に対向しない位置であり、処理カップ7の外側の位置である。
各ノズル移動機構は、対応する2つの流体ノズルを共通に支持するアーム(第1アーム25a、第2アーム26aおよび第3アーム27a)と、対応するアームを水平方向に移動させるアーム駆動機構(第1アーム駆動機構25b、第2アーム駆動機構26bおよび第3アーム駆動機構27b)とを含む。各アーム駆動機構は、電動モータ、エアシリンダ等のアクチュエータを含む。
流体ノズルは、所定の回動軸線まわりに回動する回動式ノズルであってもよいし、対応するアームが延びる方向に直線的に移動する直動式ノズルであってもよい。流体ノズルは、鉛直方向にも移動できるように構成されていてもよい。
第1薬液ノズル8は、第1薬液ノズル8に薬液を案内する第1薬液配管40に接続されている。第1薬液配管40には、第1薬液配管40を開閉する第1薬液バルブ50Aと、第1薬液配管40内の薬液の流量を調整する第1薬液流量調整バルブ50Bとが設けられている。第1薬液バルブ50Aが開かれると、第1薬液ノズル8から薬液の連続流が吐出される。
第1薬液バルブ50Aが第1薬液配管40に設けられるとは、第1薬液バルブ50Aが第1薬液配管40に介装されることを意味してもよい。以下で説明する他のバルブにおいても同様である。図示はしないが、第1薬液バルブ50Aは、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他のバルブについても同様の構成を有している。
第2薬液ノズル10は、第2薬液ノズル10に薬液を案内する第2薬液配管42に接続されている。第2薬液配管42には、第2薬液配管42を開閉する第2薬液バルブ52Aと、第2薬液配管42内の薬液の流量を調整する第2薬液流量調整バルブ52Bとが設けられている。第2薬液バルブ52Aが開かれると、第2薬液ノズル10から連続流の薬液が吐出される。
第1薬液ノズル8および第2薬液ノズル10から吐出される薬液は、たとえば、前処理で生じた残渣を除去する液体、または、後述する撥水剤含有液の撥水効果を高めるための液体である。薬液は、たとえば、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえば、クエン酸、蓚酸等)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。これらを混合した薬液の例としては、SPM液、(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)、APM液(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)等が挙げられる。
第1リンス液ノズル9は、第1リンス液ノズル9にリンス液を案内する第1リンス液配管41に接続されている。第1リンス液配管41には、第1リンス液配管41を開閉する第1リンス液バルブ51Aと、第1リンス液配管41内のリンス液の流量を調整する第1リンス液流量調整バルブ51Bとが設けられている。第1リンス液バルブ51Aが開かれると、第1リンス液ノズル9からリンス液の連続流が吐出される。
第2リンス液ノズル11は、第2リンス液ノズル11にリンス液を案内する第2リンス液配管43に接続されている。第2リンス液配管43には、第2リンス液配管43を開閉する第2リンス液バルブ53Aと、第2リンス液配管43内のリンス液の流量を調整する第2リンス液流量調整バルブ53Bとが設けられている。第2リンス液バルブ53Aが開かれると、第2リンス液ノズル11からリンス液の連続流が吐出される。
第1リンス液ノズル9および第2リンス液ノズル11から吐出されるリンス液は、基板Wの上面をリンスして、薬液等を基板Wの上面から除去する液体である。リンス液は、たとえば、DIW等の水である。ただし、リンス液は、DIWに限られない。リンス液は、たとえば、DIW、炭酸水、電解イオン水、希釈濃度(たとえば、1ppm以上で、かつ、100ppm以下)の塩酸水、希釈濃度(たとえば、1ppm以上で、かつ、100ppm以下)のアンモニア水、または、還元水(水素水)であってもよい。
親水性液体ノズル12は、親水性液体ノズル12に親水性液体を案内する親水性液体配管44に接続されている。親水性液体配管44には、親水性液体配管44を開閉する親水性液体バルブ54Aと、親水性液体配管44内の親水性液体の流量を調整する親水性液体流量調整バルブ54Bとが設けられている。親水性液体バルブ54Aが開かれると、親水性液体ノズル12から親水性液体の連続流が吐出される。
親水性液体は、後述する疎水性液体よりも親水性が高く、かつ、疎水性液体と混和可能な液体である。親水性液体は、たとえば、炭酸水である。ただし、親水性液体は、炭酸水に限られない。リンス液は、たとえば、DIW、炭酸水、電解イオン水、希釈濃度(たとえば、1ppm以上で、かつ、100ppm以下)の塩酸水、希釈濃度(たとえば、1ppm以上で、かつ、100ppm以下)のアンモニア水、または、還元水(水素水)であってもよい。すなわち、親水性液体として、リンス液と同様の液体を用いることができる。
気体ノズル13は、気体ノズル13に気体を案内する気体配管45に接続されている。気体配管45には、気体配管45を開閉する気体バルブ55Aと、気体配管45内の気体の流量を調整する気体流量調整バルブ55Bとが設けられている。気体バルブ55Aが開かれると、気体ノズル13から気体が吐出される。
気体ノズル13から吐出される気体は、たとえば、窒素ガス等の不活性ガスである。不活性ガスとは、基板Wの上面に対して不活性なガスのことである。不活性ガスの例としては、窒素ガスの他に、アルゴン等の希ガス類が挙げられる。気体は、不活性ガスに限られず、空気であってもよい。
中央ノズル14は、対向部材6および支持軸28に収容されている。中央ノズル14は、複数のチューブと、複数のチューブを取り囲む筒状のケーシングとを含んでいてもよい。複数のチューブは、基板Wの上面の中央領域に向けて疎水性液体を吐出する疎水化液体チューブと、基板Wの上面の中央領域に向けて撥水剤含有液を吐出する撥水剤含有液チューブと、基板Wの上面の中央領域に向けて気体を吐出する気体チューブとを含む。
中央ノズル14は、中央ノズル14(の疎水性液体チューブ)に疎水性液体を案内する疎水性液体配管46と、中央ノズル14(の撥水剤含有液チューブ)に撥水剤含有液を案内する撥水剤含有液配管47と、中央ノズル14(の気体チューブ)に気体を案内する中央気体配管48とに接続されている。
疎水性液体配管46には、疎水性液体配管46を開閉する疎水性液体バルブ56Aと、疎水性液体配管46内の疎水性液体の流量を調整する疎水性液体流量調整バルブ56Bとが設けられている。疎水性液体バルブ56Aが開かれると、中央ノズル14から疎水性液体の連続流が吐出される。
撥水剤含有液配管47には、撥水剤含有液配管47を開閉する撥水剤含有液バルブ57Aと、撥水剤含有液配管47内の撥水剤含有液の流量を調整する撥水剤含有液流量調整バルブ57Bとが設けられている。撥水剤含有液バルブ57Aが開かれると、中央ノズル14から撥水剤含有液の連続流が吐出される。
中央気体配管48には、中央気体配管48を開閉する中央気体バルブ58Aと、中央気体配管48内の気体の流量を調整する中央気体流量調整バルブ58Bとが設けられている。中央気体バルブ58Aが開かれると、中央ノズル14から気体が吐出される。
中央ノズル14から吐出される疎水性液体は、親水性液体と混和可能であり、かつ、親水性液体よりも親水性が低い(疎水性が高い)液体である。疎水性液体は、たとえば、イソプロパノール(IPA)等の有機溶剤である。疎水性液体に含有される有機溶剤は、たとえば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコールおよびエーテルのうちの少なくとも1つを含む。
具体的には、有機溶剤は、IPA等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類、γ-ブチロラクトン等のラクトン類等を含有する。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、疎水性液体は、有機溶剤とリンス液との混合液であってもよい。
中央ノズル14から吐出される撥水剤含有液は、基板Wの主面を改質して基板Wの主面を撥水化する撥水処理を行う液体である。詳しくは後述するが、撥水剤含有液を用いることで、平坦な面に対する純水の接触角が90°以上に変化する撥水処理を、基板Wの主面に施すことができる。撥水処理が行われた基板Wの主面を撥水面ということがある。撥水化された主面に対する純水の接触角は、90°以上になる。或る面に対する純水の接触角が90°以上である状態を超撥水状態という。撥水化された主面に対する純水の接触角は、115℃以上であり、120°以下であることが好ましい。或る面に対する液体の接触角とは、当該液体の液滴をその面に載せたときの液体の接触角を意味する。
撥水剤含有液は、溶質としての撥水剤と、撥水剤を溶解させる溶媒とを含有する。撥水剤含有液に含有される撥水剤は、たとえば、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデシルトリエトキシシラン(FDTS)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、ベンジルトリクロロシラン(Bn-TS)、11-シアノウンデシルトリクロロシラン、11-ヨードウンデシルトリクロロシラン、11-ブロモウンデシルトリクロロシラン、11-クロロウンデシルトリクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン(H-UTS)の少なくともいずれかを含む。すなわち、撥水剤含有液は、たとえば、シリル化剤と溶媒とを含有するシリル化液体である。シリル化剤体は、基板Wの主面から露出するヒドロキシ基とシリル化反応を起こし、撥水性の単分子膜を形成する。
撥水剤含有液に含有される溶媒は、たとえば、PGMEA等の有機溶剤である。撥水剤含有液に含有される有機溶剤は、たとえば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコールおよびエーテルのうちの少なくとも1つを含む。
具体的には、有機溶剤は、IPA等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、PGME、PGEE等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、PGMEA、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、EL等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類、γ-ブチロラクトン等のラクトン類等を含有する。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。すなわち、撥水剤含有液の溶媒として、疎水性液体と同様の液体を用いることができる。
<第1実施形態に係る基板処理装置の電気的構成>
図4は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ3は、マイクロコンピュータを備え、所定の制御プログラムに従って基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。
具体的には、コントローラ3は、プロセッサ3A(CPU)と、制御プログラムが格納されたメモリ3Bとを含む。コントローラ3は、プロセッサ3Aが制御プログラムを実行することによって、基板処理のための様々な制御を実行するように構成されている。とくに、コントローラ3は、搬送ロボットIR,CR、回転駆動機構23、第1ノズル移動機構25、第2ノズル移動機構26、第3ノズル移動機構27、対向部材昇降機構29、第1薬液バルブ50A、第1薬液流量調整バルブ50B、第1リンス液バルブ51A、第1リンス液流量調整バルブ51B、第2薬液バルブ52A、第2薬液流量調整バルブ52B、第2リンス液バルブ53A、第2リンス液流量調整バルブ53B、親水性液体バルブ54A、親水性液体流量調整バルブ54B、気体バルブ55A、気体流量調整バルブ55B、疎水性液体バルブ56A、疎水性液体流量調整バルブ56B、撥水剤含有液バルブ57A、撥水剤含有液流量調整バルブ57B、中央気体バルブ58A、中央気体流量調整バルブ58B等を制御するようにプログラムされている。コントローラ3によってバルブが制御されることによって、対応するノズルからの流体の吐出の有無や、対応するノズルからの流体の吐出流量が制御される。
また、図4には、代表的な部材が図示されているが、図示されていない部材についてコントローラ3によって制御されないことを意味するものではなく、コントローラ3は、基板処理装置1に備えられる各部材を適切に制御することができる。図4には、後述する変形例および第2実施形態で説明する部材についても併記しており、これらの部材もコントローラ3によって制御される。
後述する図5に示す各工程は、コントローラ3が基板処理装置1に備えられる各部材を制御することにより実行される。言い換えると、コントローラ3は、後述する図5に示す各工程を実行するようにプログラムされている。
<第1実施形態に係る基板処理装置による基板処理の一例>
図5は、基板処理装置1によって実行される基板処理の一例を説明するためのフローチャートである。図6Aおよび図6Bは、基板処理中の基板Wの上面の様子について説明するための模式図である。
基板処理装置1による基板処理では、たとえば、図5に示すように、第1薬液処理工程(ステップS1)、第1リンス工程(ステップS2)、第2薬液処理工程(ステップS3)、第2リンス工程(ステップS4)、有機溶剤置換工程(ステップS5)、撥水処理工程(ステップS6)、疎水性液体置換工程(ステップS7)、親水性液体置換工程(ステップS8)、および、乾燥工程(ステップS9)が実行される。以下では、基板処理の内容について図3および図5を主に参照して説明する。図6Aおよび図6Bについては適宜参照する。
まず、未処理の基板Wが、搬送ロボットCR(図1を参照)によってキャリアCから処理ユニット2に搬入され、スピンチャック5に渡される(基板搬入工程)。これにより、基板Wは、スピンチャック5によって水平に保持され(基板保持工程)、回転軸線A1のまわりに回転される(基板回転工程)。基板処理において、基板Wは、デバイス面が上面となるように、スピンチャック5に保持される。基板Wは、乾燥工程(ステップS9)が終了するまで、スピンチャック5によって保持され続ける。
まず、フッ酸等の薬液(第1薬液)で基板Wの上面を処理する第1薬液処理工程(ステップS1)が実行される。具体的には、第1薬液ノズル8が処理位置に移動され、第1薬液ノズル8が処理位置に位置する状態で第1薬液バルブ50Aが開かれる。これにより、図6A(a)に示すように、基板Wの上面に向けて、第1薬液ノズル8から第1薬液が供給(吐出)される(第1薬液吐出工程、第1薬液供給工程)。第1薬液の吐出流量は、たとえば、2L/minである。処理位置は、たとえば、中央位置である。この基板処理では、特に説明がある場合を除いて、以下の各流体ノズルの処理位置も中央位置である。
第1薬液ノズル8から吐出された第1薬液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が第1薬液によって処理される。第1薬液によって、基板Wの上面からドライエッチング等の前処理によって生じた残渣が除去される。第1薬液処理工程において基板Wの上面に第1薬液が供給されている間、基板Wは、たとえば、1000rpmで回転される。
第1薬液処理工程の後、基板Wの上面をリンス液でリンスする第1リンス工程(ステップS2)が実行される。具体的には、第1薬液バルブ50Aが閉じられた後、第1リンス液ノズル9が処理位置に移動され、第1リンス液バルブ51Aが開かれる。これにより、図6A(b)に示すように、基板Wの上面に向けて、第1リンス液ノズル9からリンス液が供給(吐出)される(第1リンス液吐出工程、第1リンス液供給工程)。リンス液の吐出流量は、たとえば、2L/minである。
第1リンス液ノズル9から吐出されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が洗い流され、基板Wの上面から第1薬液が排除される。第1リンス工程において基板Wの上面にリンス液が供給されている間、基板Wは、たとえば、1000rpmで回転される。
基板Wの上面にリンス液が供給された後、第1リンス液バルブ51Aが閉じられる。その後、第1薬液ノズル8および第1リンス液ノズル9が退避位置に移動される。
次に、APM液等の薬液(第2薬液)で基板Wの上面を処理する第2薬液処理工程(ステップS3)が実行される。具体的には、第2薬液ノズル10が処理位置に移動され、第2薬液ノズル10が処理位置に位置する状態で第2薬液バルブ52Aが開かれる。これにより、図6A(c)に示すように、基板Wの上面に向けて、第2薬液ノズル10から第2薬液が供給(吐出)される(第2薬液吐出工程、第2薬液供給工程)。第2薬液の吐出流量は、たとえば、2L/minである。
第2薬液ノズル10から吐出された第2薬液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が第2薬液によって処理される。第2薬液によって、基板Wの上面が酸化されて後述する撥水剤含有液の撥水効果が高められる。第2薬液処理工程において基板Wの上面に第2薬液が供給されている間、基板Wは、たとえば、500rpmで回転される。
第2薬液処理工程の後、基板Wの上面をリンス液でリンスする第2リンス工程(ステップS4)が実行される。具体的には、第2薬液バルブ52Aが閉じられた後、第2リンス液ノズル11が処理位置に移動され、第2リンス液バルブ53Aが開かれる。これにより、図6A(d)に示すように、基板Wの上面に向けて、第2リンス液ノズル11からリンス液が供給(吐出)される(第2リンス液吐出工程、第2リンス液供給工程)。リンス液の吐出流量は、たとえば、2L/minである。
第2リンス液ノズル11から吐出されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が洗い流され、基板Wの上面から第2薬液が排除される。第2リンス工程において基板Wの上面にリンス液が供給されている間、基板Wは、たとえば、500rpmで回転される。
基板Wの上面にリンス液が供給された後、第2リンス液バルブ53Aが閉じられる。その後、第2薬液ノズル10および第2リンス液ノズル11が退避位置に移動される。
次に、基板Wの上面上のリンス液をIPA等の疎水性液体(有機溶剤)で置換する有機溶剤置換工程(ステップS5)が実行される。具体的には、第2薬液ノズル10および第2リンス液ノズル11が基板W上から退避した後、対向部材6が液処理位置に移動され、疎水性液体バルブ56Aが開かれる。これにより、図6A(e)に示すように、基板Wの上面に向けて、中央ノズル14から疎水性液体が供給(吐出)される(有機溶剤吐出工程、有機溶剤供給工程)。疎水性液体の吐出流量は、たとえば、0.3L/minである。液処理位置は、遮断位置と離間位置との間の位置である。
中央ノズル14から吐出された疎水性液体は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、疎水性液体が基板Wの上面上のリンス液と混ざり合いながら基板Wの上面から排除され、基板Wの上面上のリンス液が疎水性液体で置換される。有機溶剤置換工程において基板Wの上面に疎水性液体が供給されている間、基板Wは、たとえば、500rpmで回転される。
次に、基板Wの上面を撥水剤含有液で撥水化する撥水処理工程(ステップS6)が実行される。具体的には、対向部材6を液処理位置に維持したまま、疎水性液体バルブ56Aが閉じられその代わりに撥水剤含有液バルブ57Aが開かれる。これにより、図6A(f)に示すように、基板Wの上面に向けて、中央ノズル14から撥水剤含有液が供給(吐出)される(撥水剤含有液吐出工程、撥水剤含有液供給工程)。撥水剤含有液の吐出流量は、たとえば、0.3L/minである。
中央ノズル14から吐出された撥水剤含有液は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、基板Wの上面が撥水剤含有液によって撥水化される。すなわち、基板Wの上面に対して撥水処理が行われる。撥水処理工程において基板Wの上面に撥水剤含有液が供給されている間、基板Wは、たとえば、500rpmで回転される。
次に、基板Wの上面上の撥水剤含有液をIPA等の疎水性液体で置換する疎水性液体置換工程(ステップS7)が実行される。具体的には、対向部材6を液処理位置に維持したまま、撥水剤含有液バルブ57Aが閉じられその代わりに疎水性液体バルブ56Aが開かれる。これにより、図6B(a)に示すように、基板Wの上面に向けて、中央ノズル14から疎水性液体が供給(吐出)される(疎水性液体吐出工程、疎水性液体供給工程)。疎水性液体の吐出流量は、たとえば、0.3L/minである。
中央ノズル14から吐出された疎水性液体は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、疎水性液体が基板Wの上面上の撥水剤含有液と混ざり合いながら基板Wの上面から排除され、基板Wの上面上の撥水剤含有液が疎水性液体で置換される。疎水性液体置換工程において基板Wの上面に疎水性液体が供給されている間、基板Wは、たとえば、500rpmで回転される。
次に、基板Wの上面上の疎水性液体を炭酸水等の親水性液体で置換する親水性液体置換工程(ステップS8)が実行される。具体的には、疎水性液体バルブ56Aが閉じられ、対向部材6が退避位置に移動される。対向部材6が退避位置に位置する状態で親水性液体ノズル12が処理位置に移動され、親水性液体ノズル12が処理位置に位置する状態で親水性液体バルブ54Aが開かれる。これにより、図6B(b)に示すように、基板Wの上面に向けて、親水性液体ノズル12から親水性液体が供給(吐出)される(親水性液体吐出工程、親水性液体供給工程)。親水性液体の吐出流量は、たとえば、2L/minである。
親水性液体ノズル12から吐出された親水性液体は、基板Wの回転による遠心力の作用によって、基板Wの上面の全体に広がる。これにより、親水性液体が基板Wの上面上の疎水性液体とが混ざり合いながら基板Wの上面から排除され、基板Wの上面上の疎水性液体が親水性液体で置換される。親水性液体置換工程において基板Wの上面に親水性液体が供給されている間、基板Wは、たとえば、1000rpmで回転される。
その後、基板Wの上面上の親水性液体を基板Wの上面から除去して基板Wの上面を乾燥させる乾燥工程(ステップS9)が実行される。
具体的には、親水性液体ノズル12からの親水性液体の吐出を継続しながら、基板Wの回転を減速させて、たとえば、10rpm以上50rpm以下の回転速度で基板Wを回転させる(回転減速工程)。これにより、図6B(c)に示すように、基板Wの上面に親水性液体の液膜110が形成される(液膜形成工程)。
液膜110が形成された後、親水性液体バルブ54Aが閉じられる。その後、気体ノズル13が処理位置に移動され気体バルブ55Aが開かれる。これにより、図6B(d)に示すように、気体ノズル13から吐出された気体によって、液膜110の中央領域に、基板Wの上面の中央領域を露出させる開口111が形成される(開口形成工程)。
開口111が形成された後、基板Wの上面への気体の供給および基板Wの回転が継続される。基板Wの上面に吹き付けられた気体は、基板Wの上面を沿って放射状に広がる。これにより、基板Wの上面の周縁部への親水性液体の移動が促進される。また、基板Wの回転に起因する遠心力によって、基板Wの上面の周縁部への親水性液体の移動が促進される。そのため、気体の吹き付けおよび基板Wの回転の少なくともいずれかによって、図6B(e)に示すように、開口111を拡大するように基板Wの上面から親水性液体が排除される(開口拡大工程、拡大排除工程)。開口形成工程および開口拡大工程における気体の吐出流量は、たとえば、100L/minである。開口111の拡大によって最終的に基板Wの上面から液膜110が除去されて、基板Wの上面が乾燥される。
その後、気体バルブ55Aが閉じられ、親水性液体ノズル12および気体ノズル13が退避位置へ移動される。親水性液体ノズル12および気体ノズル13が退避した後、基板Wの回転が加速され基板Wが高速回転される(高速回転工程)。基板Wは、たとえば1500rpmで回転される。その際、図6B(f)に示すように、対向部材6を液処理位置よりも基板Wの上面に近接する近接位置に配置し、中央気体バルブ58Aを開いて中央ノズル14から基板Wの上面に気体が吹き付けられる。これにより、基板Wの上面に僅かに残っている液成分(主に、親水性液体)および基板Wの上面に接する雰囲気中の蒸気が除去される。近接位置は、遮断位置であってもよい。中央ノズル14から吐出される気体の吐出流量は、たとえば、150/Lminである。
乾燥工程(ステップS9)の後、対向部材6を離間位置へ移動させ、かつ、回転駆動機構23が基板Wの回転を停止させる。その後、搬送ロボットCRが、処理ユニット2に進入して、スピンチャック5から処理済みの基板Wを受け取って、処理ユニット2外へと搬出する(基板搬出工程)。その基板Wは、搬送ロボットCRから搬送ロボットIRへと渡され、搬送ロボットIRによって、キャリアCに収納される。
<基板の上面に対する純水の接触角>
基板Wの上面には、パターン100が形成されているため、基板Wの上面は、凹凸面である。図7Aは、凹凸のない平坦面200に純水の液滴202が載せられている状態を示す模式図である。図7Bは、凹凸を有する凹凸面201に純水の液滴202が載せられている状態を示す模式図である。図7Aおよび図7Bに示すように、平坦面200に対する純水の接触角θおよび凹凸面201に対する純水の接触角θは、互いに異なる場合がある。
図8は、平坦面200に対する純水の接触角θと凹凸面201に対する純水の接触角θとの関係について説明するためのグラフである。凹凸面201の表面積が平坦面200の表面積のR倍(R>1)とすると、図8に示すように、「cosθ=R・cosθ」の関係式が成り立つ(Wenzelモデル)。
上記式では、θ=90°(cosθ=0)を境界として、θ<90°(0<cosθ<1)の場合には、θ<θとなり、θ>90°(-1<cosθ<0)の場合には、θ>θとなる。言い換えると、θ<90°の場合には、凹凸面201に対する接触角θは、平坦面200に対する接触角θよりも小さくなり、凹凸面201は、平坦面200よりも高い親水性を示す。また、θ>90°の場合には、凹凸面201に対する接触角θは、平坦面200に対する接触角θよりも小さくなり、凹凸面201は、平坦面200よりも高い疎水性を示す。
以下では、R=2であると仮定して、具体的数値を用いて接触角θおよびθを比較する。たとえば、平坦面200に対する純水の接触角θが80°である場合(θ=80°)、cosθは、約0.17である(cos80°≒0.17)。この場合、cosθは、0.34であり(cosθ=2×0.17=0.34)、θは、約70°である。したがって、凹凸面201に対する純水の接触角θは、約70°となる。
平坦面200に対する純水の接触角θが100°である場合(θ=100°)、cosθは、約-0.17である(cos100°≒-0.17)。この場合、cosθは、-0.34であり(cosθ=2×-0.17=-0.34)、θは、約110°である。したがって、凹凸面201に対する純水の接触角θは、約110°となる。
したがって、平坦面200に対する純水の接触角θが90°以上となる撥水処理を基板Wの上面に行うことによって、基板Wの上面を充分に撥水化することができる。具体的には、基板Wの上面に対する純水の接触角θを、たとえば、115°以上120°以下に変化させることができる。
上述した基板処理では、基板Wの上面に撥水剤含有液が供給されることにより、平坦面200に対する純水の接触角θを90°以上に変化させる撥水処理が基板Wの上面に対して行われる。したがって、基板Wの上面に対する純水の接触角を充分に上昇させることができる。言い換えると、基板Wの上面の疎水性を充分に高めることができる。
撥水剤含有液を用いて基板Wの上面に対して撥水処理を行った後、撥水剤含有液が疎水性液体で置換される。その後、疎水性液体が親水性液体で置換されるため、疎水性液体と親水性液体とが混ざり合い、トレンチ102内に親水性液体を進入させることができる。その一方で、撥水処理によって基板Wの上面の疎水性が充分に高められているため、親水性液体を基板Wの上面から除去させる際に、親水性液体が基板Wの上面に残留しないように流動させ易い。したがって、親水性液体を流動させて基板Wの上面から除去することによって、基板Wの上面を充分に乾燥できる。
このように、親水性液体を基板Wの上面の残留を抑制しながら、親水性液体を流動させて基板Wの上面から除去することができる。その結果、トレンチ102に残留する不純物を低減することができる。
<基板の上面の表層部の様子>
図9は、基板処理中の基板Wの上面付近の様子を説明するための模式図である。以下では、図5に示す疎水性液体置換工程(ステップS7)~乾燥工程(ステップS9)においてトレンチ102から液体が離脱するメカニズムの一例について説明する。必ずしも以下に説明するメカニズムに基づいて、トレンチ102から液体が離脱するというものではなく、トレンチ102内の液体を流動させて親水性液体を基板Wの上面から除去することができればよい。
撥水処理工程において基板Wの上面に撥水剤含有液が供給されることにより、平坦面200に対する純水の接触角θを90°以上に変化させる撥水処理が基板Wの上面に対して行われる。基板Wの上面において撥水処理が行われることによって改質(疎水化)された部分が撥水面105となる。基板Wの上面に対して撥水処理を行うことで、トレンチ102への疎水性液体の進入を許容する一方で、疎水性液体よりも親水性が高い親水性液体のトレンチ102への進入が制限される。
そのため、撥水剤含有液を用いて基板Wの上面を撥水化した後、疎水性液体置換工程において、基板Wの上面に疎水性液体を供給することで、基板Wの上面上の撥水剤含有液を疎水性液体で置換することができる。その際、トレンチ102外の撥水剤含有液だけでなく、トレンチ102内の撥水剤含有液も疎水性液体で置換される。これにより、図9(a)に示すように、トレンチ102に疎水性液体が進入し疎水性液体がトレンチ102に充填される(疎水性液体充填工程)。
その後、親水性液体置換工程において、基板Wの上面に親水性液体を供給することで、トレンチ102内の疎水性液体が親水性液体と混ざり合いながら、親水性液体がトレンチ102に進入する(親水性液体進入工程)。トレンチ102内の液体(以下では、「内部液体106」ともいう)中の親水性液体の割合が徐々に上昇する。
内部液体106に含有される親水性液体の割合が上昇すると、内部液体の親水性が上昇し、内部液体106が基板Wの上面においてトレンチ102を区画する部分から反発力を受ける。これにより、図9(b)に示すように、内部液体106が流動してトレンチ102内から離脱する(内部液体離脱工程)。図9(c)に示すように、トレンチ102を区画する部分から受ける反発力によって、最終的に内部液体106がトレンチ102内から完全に排除される。トレンチ102からの内部液体106の離脱は、親水性液体置換工程(ステップS8)中に完了してもよいし、乾燥工程(ステップS9)中に完了してもよい。
したがって、内部液体106を積極的に蒸発させることなくトレンチ102から内部液体106を除去でき、液体の蒸発に起因してトレンチ102に不純物が生じることを抑制できる。その結果、トレンチ102に残留する不純物を低減することができる。
たとえば、イメージセンサのカラーフィルター部周辺に存在するディープトレンチは、微量金属が画像素子欠陥の原因となることが知られており、ディープトレンチが形成されている基板の主面において1×10分子/cm以下の金属汚染レベルが求められる。第1実施形態とは異なり加熱または減圧で基板W上のIPAまたは超臨界CO等を気化させる乾燥方法では、1×10~1×1010分子/cmの金属汚染が生じるおそれがある。
第1実施形態によれば、上述したように内部液体106を積極的に蒸発させることなくトレンチ102内から内部液体106を除去できる。そのため、トレンチ102がイメージセンサのカラーフィルター部周辺に存在するディープトレンチである場合においても、金属汚染を充分に抑制することができる。
乾燥工程では、基板Wの上面上の液膜110に気体が吹き付けられる。すなわち、基板Wの上面上の液膜110に外部刺激が付与される。外部刺激は、たとえば、基板Wの上面上の親水性液体が流動を促進する物理力である。気体の吹き付けによって液膜110に付与される外部刺激によって、内部液体106の流動によるトレンチ102内からの内部液体106の離脱が促進される(第1離脱促進工程)。内部液体106の離脱を促進することで、液体の蒸発に起因してトレンチ102内に不純物が生じることを抑制できる。その結果、トレンチ102内に残留する不純物を低減することができる。
この基板処理では、親水性液体置換工程および乾燥工程が、基板W上の液膜110を加熱することなく実行される。そのため、基板Wの上面上の親水性液体および疎水性液体の蒸発を抑制することができる。したがって、基板Wの上面上に、特にトレンチ102内に、不純物が生じることを抑制できる。
液膜110を加熱しない場合であっても、親水性液体および疎水性液体は、僅かに蒸発する。トレンチ102内の内部液体106も蒸発する場合がある。親水性液体の中の気体が親水性液体に溶解しきれなくなって気体が発生する場合もある。たとえば、親水性液体が炭酸水である場合には、二酸化炭素が発生する。このようにトレンチ102内の親水性液体から発生する気体を発生気体107という。発生気体107によって内部液体106が押し上げられて内部液体106の流動が促進され、トレンチ102からの内部液体106の離脱が促進される(第2離脱促進工程)。
この方法によれば、親水性液体から発生する発生気体107を利用することで一層スムーズにトレンチ102から内部液体106を押し出すことができる。したがって、液体の蒸発に起因してトレンチ102に不純物が生じることを抑制できる。その結果、トレンチ102に残留する不純物を低減することができる。
撥水剤含有液としてFDTSを含有する撥水剤含有液を用いる場合、平坦面に対する純水の接触角を90°以上に変化させる撥水処理を基板Wの主面に対して特に実行し易い。そのため、基板Wの主面に対する純水の接触角を90°以上に変化させ易い。
図10に示すように、親水性液体置換工程(ステップS8)において、親水性液体ノズル12を水平方向に移動させて、基板Wの上面における親水性液体の供給位置SPを移動させてもよい。供給位置SPの移動によって基板Wの上面上の液膜110に付与される外部刺激が、親水性液体の流動を促進する。すなわち、供給位置SPの移動によって液膜110に付与される外部刺激によって、図9(a)~(c)に示すように、流動によるトレンチ102内からの内部液体106の離脱が促進される(第1離脱促進工程)。
<基板処理装置の変形例>
図11は、基板処理装置1の第1変形例について説明するための模式図である。
図11に示すように、親水性液体ノズル12は、親水性液体の複数の液滴112を噴射するスプレーノズルである。この実施形態の親水性液体ノズル12は、複数の噴射口12aを有し、電圧の印加によって各噴射口12aから親水性液体の複数の液滴を噴射する。親水性液体ノズル12が基板Wの上面に向けて複数の液滴を噴射することで、基板Wの上面上の疎水性液体を親水性液体に置換しつつ、親水性液体に物理力を付与することができる。
第1変形例では、液滴状態の親水性液体の供給によって基板Wの上面上の液膜110に付与される外部刺激が、親水性液体の流動を促進する。すなわち、液滴112の供給によって液膜110に付与される外部刺激によって、図9(a)~(c)に示すように、内部液体106の流動によるトレンチ102内からの内部液体106の離脱が促進される(第1離脱促進工程)。
親水性液体ノズル12には、常時、高圧で親水性液体が供給されており、電圧の印加によって振動する圧電素子60(ピエゾ素子)が内蔵されている。親水性液体ノズル12には、親水性液体配管44に加えて、親水性液体排出配管61が接続されている。親水性液体排出配管61に設けられている親水性液体排出バルブ62が開かれている状態では、親水性液体ノズル12内の液圧が十分に上昇していないため、親水性液体ノズル12内の親水性液体が、親水性液体排出配管61に排出される。一方、親水性液体排出バルブ62を閉じ、圧電素子60を振動させることで、親水性液体の液滴112を各噴射口12aから噴射することができる。
なお、スプレーノズルとしての親水性液体ノズル12の構成は、図11に示すものに限られず、たとえば、ノズル内またはノズル外部で親水性液体と気体とを混合することで液滴を形成する二流体ノズルであってもよい。
図12Aおよび図12Bは、基板処理装置1の第2変形例について説明するための模式図である。図12Aに示すように、液膜110が形成された後、図12Bに示すように、乾燥工程(ステップS9)において、基板Wを保持するスピンチャック5のスピンベース21を傾斜させて基板Wの姿勢を変化させることによって、親水性液体を基板Wの上面から排除してもよい。基板Wの姿勢の変化によって基板Wの上面上の液膜110に付与される外部刺激が、内部液体106の流動を促進する。すなわち、基板Wの姿勢の変化によって液膜110に付与される外部刺激によって、図9(a)~(c)に示すように、内部液体106の流動によるトレンチ102内からの内部液体106の離脱が促進される(第1離脱促進工程)。
図13Aおよび図13Bは、基板処理装置1の第3変形例について説明するための模式図である。図13Aに示すように液膜110が形成された後、吸引ノズル15を液膜110に接触させ、さらにその後、図13Bに示すように、乾燥工程(ステップS9)において、吸引ノズル15で基板Wの上面上の液膜110を吸引することによって、親水性液体を基板Wの上面から排除してもよい。吸引ノズル15による液膜110の吸引によって基板Wの上面上の液膜110に付与される外部刺激が、内部液体106の流動を促進する。すなわち、吸引によって液膜110に付与される外部刺激によって、図9(a)~(c)に示すように、内部液体106の流動によるトレンチ102内からの内部液体106の離脱が促進される(第1離脱促進工程)。
<第2実施形態>
図14は、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置1Aの図解的な立面図である。第2実施形態に係る基板処理装置1Aは、第1実施形態に係る基板処理装置1とは異なり、複数枚の基板Wをまとめて処理するバッチ式の基板処理装置である。図14において、前述の図1~図13Bに示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。後述する図15についても同様である。
基板処理装置1Aは、所定の処理姿勢で複数の基板Wを保持するリフタ70と、複数の基板Wが浸漬されるフッ酸等の薬液を貯留する第1薬液槽80と、第1薬液槽80を収容する第1薬液処理チャンバ90と、複数の基板Wが浸漬されるDIW等のリンス液を貯留する第1リンス液槽81と、第1リンス液槽81を収容する第1リンス処理チャンバ91とを含む。
基板処理装置1Aは、複数の基板Wが浸漬されるAPM液等の薬液を貯留する第2薬液槽82と、第2薬液槽82を収容する第2薬液処理チャンバ92と、複数の基板Wが浸漬されるDIW等のリンス液を貯留する第2リンス液槽83と、第2リンス液槽83を収容する第2リンス処理チャンバ93とをさらに含む。
基板処理装置1Aは、複数の基板Wが浸漬されるIPA等の疎水性液体を貯留する疎水性液体槽86と、疎水性液体槽86を収容する疎水性液体処理チャンバ95と、複数の基板Wが浸漬される撥水剤含有液を貯留する撥水剤含有液槽87と、撥水剤含有液槽87を収容する撥水処理チャンバ97と、複数の基板Wが浸漬される炭酸水等の親水性液体を貯留する親水性液体槽84と、親水性液体槽84を収容する親水性液体処理チャンバ94とをさらに含む。
処理姿勢は、たとえば、図14に示す基板Wの姿勢であり、基板Wの主面が鉛直面となる鉛直姿勢である。リフタ70は、鉛直方向に延びる本体板71と、本体板71に支持され水平方向に延びる複数(図14の例では3つ)の保持棒72とを含む。複数の基板Wは、保持棒72が延びる方向に沿って水平に配列された状態で、複数の保持棒72に支持される。
リフタ70は、リフタ昇降機構78によって昇降され、リフタスライド機構79によって水平方向に移動される。リフタ昇降機構78は、たとえば、電動モータまたはエアシリンダ等のアクチュエータ(図示せず)を含む。リフタスライド機構79は、たとえば、電動モータまたはエアシリンダ等のアクチュエータ(図示せず)を含む。
基板処理装置1Aは、親水性液体処理チャンバ94内において親水性液体槽84の真上に配置された乾燥処理室88を有する。親水性液体槽84および乾燥処理室88は、親水性液体槽84を開閉する蓋部材73によって仕切られている。乾燥処理室88は、親水性液体処理チャンバ94の側壁部94aおよび上壁部94bと蓋部材73とによって区画された乾燥処理空間89を含む。上壁部94bは、開閉可能である。
乾燥処理室88は、側壁部94aで開口し、気体供給配管74から供給される不活性ガス等の気体を乾燥処理空間89に供給する複数の供給孔75と、側壁部94aで開口し、乾燥処理空間89内の雰囲気を気体排出配管77に排出する複数の排気孔76とを有する。
リフタ70は、水平移動し、各処理チャンバの真上の位置に移動可能である。リフタ70は、複数の基板Wを、各処理チャンバの真上の上位置から下降させ対応する処理槽内に配置することができる。加えて、リフタ70は、親水性液体処理チャンバ94内において、親水性液体槽84内の親水性液体処理位置と、乾燥処理空間89内のガス処理位置(図14に二点鎖線で示す位置)と複数の基板Wを配置することができる。
リフタ70によって、複数の基板Wを対応する処理槽または乾燥処理空間89に配置することによって、図5に示す基板処理を実行することができる。
具体的には、まず、リフタ70が、第1薬液槽80内のフッ酸等の薬液(第1薬液)に複数の基板Wを浸漬させることで、各基板Wの一対の主面が第1薬液で処理される(第1薬液処理工程:図5のステップS1)。次に、リフタ70が、第1薬液槽80から複数の基板Wを取り出し、第1リンス液槽81内のDIW等のリンス液に複数の基板Wを浸漬させる。これにより、各基板Wの一対の主面がリンス液でリンスされる(図5の第1リンス工程:ステップS2)。次に、リフタ70が、第1リンス液槽81から複数の基板Wを取り出し、第2薬液槽82内のAPM液等の薬液(第2薬液)に複数の基板Wを浸漬させることで、各基板Wの一対の主面が第2薬液で処理される(第2薬液処理工程:図5のステップS3)。次に、リフタ70が、第2薬液槽82から複数の基板Wを取り出し、第2リンス液槽83内のDIW等のリンス液に複数の基板Wを浸漬させる。これにより、各基板Wの一対の主面がリンス液でリンスされる(第2リンス工程:図5のステップS4)。
次に、リフタ70が、第2リンス液槽83から複数の基板Wを取り出し、疎水性液体槽86内のIPA等の疎水性液体(有機溶剤)に複数の基板Wを浸漬させる。これにより、各基板Wの一対の主面上のリンス液が有機溶剤で置換される(有機溶剤置換工程:図5のステップS5)。次に、リフタ70が、疎水性液体槽86から複数の基板Wを取り出し、撥水剤含有液槽87内の撥水剤含有液に複数の基板Wを浸漬させる。これにより、各基板Wの一対の主面に対して撥水処理が行われる(撥水処理工程:図5のステップS6)。
次に、リフタ70が、撥水剤含有液槽87から複数の基板Wを取り出し、撥水剤含有液槽87内のIPA等の疎水性液体に複数の基板Wを浸漬させる。これにより、各基板Wの一対の主面上の撥水剤含有液が疎水性液体で置換される(疎水性液体置換工程:図5のステップS7)。次に、リフタ70が、疎水性液体槽86から複数の基板Wを取り出し、親水性液体槽84内の親水性液体に複数の基板Wを浸漬させる。これにより、各基板Wの一対の主面上の疎水性液体が親水性液体で置換される(親水性液体置換工程:図5のステップS8)。
次に、リフタ70が、親水性液体槽84から複数の基板Wを取り出し、乾燥処理空間89に配置する。これにより、基板Wの一対の主面上の親水性液体が自重により基板Wから除去される。乾燥処理空間89には、複数の供給孔75から不活性ガス等の気体が供給される。これにより、基板Wの一対の主面からの親水性液体の除去が促進される。気体の吹き付けによって液膜110に付与される外部刺激が各基板Wの一対の主面上の親水性液体の流動が促進される。そのため、気体の吹き付けによって基板Wの主面上の親水性液体に付与される外部刺激によって、図9(a)~(c)に示すように、内部液体106の流動によるトレンチ102内からの内部液体106の離脱が促進される(第1離脱促進工程)。
第2実施形態においても、親水性液体置換工程(ステップS8)および乾燥工程(ステップS9)が、基板W上の液体を加熱することなく実行される。また、図9(b)に示すように、発生気体107によって内部液体106が押し上げられて内部液体106の流動が促進され、トレンチ102からの内部液体の離脱が促進される(第2離脱促進工程)。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
<第2実施形態に係る基板処理装置の変形例>
図15に示す第2実施形態の変形例に係る基板処理装置1Aでは、疎水性液体槽86および撥水剤含有液槽87が設けられていない。第2実施形態の変形例に係る基板処理装置1Aでは、疎水性ガスを複数の基板Wに向けて供給することによって、結露によって各基板Wの一対の主面に疎水性液体を付着させることで、疎水性液体の供給が行われる。また、撥水剤含有ガスを複数の基板Wに向けて供給することによって、結露によって各基板Wの一対の主面に撥水剤含有液を付着させることで、撥水剤含有液の供給が行われる。
疎水性ガスは、たとえば、疎水性液体の蒸気であり、有機ガスである。撥水剤含有ガスは、たとえば、撥水剤の蒸気である。疎水性ガスは、疎水性液体の蒸気と不活性ガスとの混合ガスであってもよい。同様に、撥水剤含有ガスは、撥水剤含有ガスと不活性ガスとの混合液であってもよい。
図15に示す変形例に係る基板処理装置1Aは、第2リンス処理チャンバ93内において第2リンス液槽83の真上に配置された撥水処理室120を有する。
第2リンス液槽83および撥水処理室120は、第2リンス液槽83を開閉する蓋部材121によって仕切られている。撥水処理室120は、第2リンス処理チャンバ93の側壁部93aおよび上壁部93bと蓋部材121とによって区画された撥水処理空間122を含む。上壁部93bは開閉可能である。
撥水処理室120は、側壁部93aで開口し、撥水剤含有ガス供給配管123から供給される撥水剤含有ガスおよび疎水性ガス供給配管125から供給されるガス状IPA等の疎水性ガス(有機ガス)を撥水処理空間122に供給する複数の供給孔124と、側壁部93aで開口し、撥水処理空間122内の雰囲気を排出配管126に排出する複数の排気孔127とを有する。
図15に示す変形例に係る基板処理装置1Aを用いて基板処理を実行する際、有機溶剤置換工程(図5のステップS5)、撥水処理工程(図5のステップS6)および疎水性液体置換工程(図5のステップS7)は、リフタ70が複数の基板Wを撥水処理空間122に配置した状態で実行される。
詳しくは、有機溶剤置換工程(ステップS5)では、疎水性ガス(有機ガス)を複数の基板Wに向けて供給して各基板Wの一対の主面に疎水性液体を付着させることで、リンス液が有機溶剤で置換される。
撥水処理工程(ステップS6)では、撥水剤含有ガスを複数の基板Wに向けて供給して各基板Wの一対の主面に撥水剤含有液を付着させることで、疎水性液体(有機溶剤)が撥水剤含有液で置換される。これにより、各基板Wの一対の主面に対して撥水処理が行われる。
疎水性液体置換工程(ステップS7)では、疎水性ガスを複数の基板Wに向けて供給して各基板Wの一対の主面に疎水性液体を付着させることで、撥水剤含有液が疎水性液体で置換される。
<その他の実施形態>
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
(1)たとえば、第1実施形態では、基板Wの上面に対して基板処理が実行される。しかしながら、基板Wの下面に対して基板処理が実行されてもよい。
(2)第1実施形態では、スピンチャック5は、基板Wの周縁を複数のチャックピン20で把持する把持式のスピンチャックであるが、スピンチャック5は把持式のスピンチャックに限られない。たとえば、スピンチャック5は、スピンベース21に基板Wを吸着させる真空吸着式のスピンチャックであってもよい。
(3)スピンチャック5は、必ずしも基板Wを水平に保持する必要はない。すなわち、スピンチャック5は、図3とは異なり、基板Wを鉛直に保持してもよいし、基板Wの上面が水平面に対して傾斜するように基板Wを保持してもよい。
(4)第2実施形態では、基板Wの主面に向けて疎水性ガスを供給することで、基板Wの主面に疎水性液体が供給される。しかしながら、第1実施形態においても、チャンバ4内に疎水性ガスを供給することによって、基板Wの上面に疎水性液体を供給してもよいし、対向部材6の対向面6aと基板Wの上面との間の空間に疎水性ガスを供給することによって、基板Wの上面に疎水性液体を供給してもよい。撥水剤含有液についても同様である。すなわち、第1実施形態において、チャンバ4内に撥水剤含有液を供給することによって、基板Wの上面に撥水剤含有液を供給してもよいし、対向部材6の対向面6aと基板Wの上面との間の空間に撥水剤含有ガスを供給することによって、基板Wの上面に撥水剤含有液を供給してもよい。
(5)上述の各実施形態では、複数のノズルから複数の流体がそれぞれ吐出されるように構成されている。しかしながら、各流体の吐出の態様は、上述の各実施形態に限定されない。
たとえば、チャンバ4内で位置が固定された固定ノズルから流体が吐出されてもよいし、全流体が単一のノズルから基板Wの上面へ向けて吐出されるように構成されていてもよい。また、各流体ノズルが別々に移動できるように構成されていてもよいし、全ての流体が中央ノズル14から吐出されるように構成されていてもよい。また、全ての流体ノズルが単一のノズル移動機構によって一体に移動されるように構成されていてもよい。
(6)上述の各実施形態において、配管、ポンプ、バルブ、アクチュエータ等についての図示を一部省略しているが、これらの部材が存在しないことを意味するものではなく、実際にはこれらの部材は適切な位置に設けられている。たとえば、対応する処理液ノズルから吐出される処理液の流量を調整する流量調整バルブ(図示せず)が各配管に設けられていてもよい。
(7)上述の各実施形態では、コントローラ3が基板処理装置1の全体を制御する。しかしながら、基板処理装置1の各部材を制御するコントローラは、複数箇所に分散されていてもよい。また、コントローラ3は、各部材を直接制御する必要はなく、コントローラ3から出力される信号は、基板処理装置1の各部材を制御するスレーブコントローラに受信されてもよい。
(8)また、上述の実施形態では、基板処理装置1が、搬送ロボットIR,CRと、複数の処理ユニット2と、コントローラ3とを備えている。しかしながら、基板処理装置1は、単一の処理ユニット2とコントローラ3とによって構成されており、搬送ロボットを含んでいなくてもよい。あるいは、基板処理装置1は、単一の処理ユニット2のみによって構成されていてもよい。言い換えると、処理ユニット2が基板処理装置の一例であってもよい。
(9)なお、親水性液体置換工程および乾燥工程が基板W上の液体を加熱することなく実行することが好ましいが、内部液体106が積極的に蒸発しない程度の加熱は許容される。
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
100 :パターン
102 :トレンチ(凹部)
106 :内部液体
107 :発生気体
110 :液膜
111 :開口
200 :平坦図
W :基板
θ :接触角

Claims (7)

  1. 凹部を有するパターンが形成された主面を有する基板を処理する基板処理方法において、
    撥水剤含有液を前記基板の前記主面に供給して、平坦面に対する純水の接触角を90°以上に変化させる撥水処理を前記基板の前記主面に行う撥水処理工程と、
    前記撥水処理工程の後、基板の前記主面に疎水性液体を供給して前記基板の前記主面上の前記撥水剤含有液を前記疎水性液体で置換する疎水性液体置換工程と、
    前記疎水性液体置換工程の後、前記疎水性液体と混和可能であり、かつ、前記疎水性液体よりも高い親水性を有する親水性液体を前記基板の前記主面に供給して前記基板の前記主面上の前記疎水性液体を前記親水性液体で置換する親水性液体置換工程と、
    前記親水性液体置換工程の後、前記基板の前記主面上の前記親水性液体を流動させて前記基板の前記主面から除去することによって、前記基板の前記主面を乾燥させる乾燥工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記親水性液体置換工程および前記乾燥工程が、前記基板の前記主面上の液体を加熱することなく実行される、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記乾燥工程が、
    前記基板の前記主面上に前記親水性液体の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜に向けて気体を供給して前記主面を露出させる開口を前記液膜に形成し、前記開口を拡大させるように前記基板の前記主面から前記親水性液体を排除する拡大排除工程とを含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記疎水性液体置換工程が、前記パターンの前記凹部に前記疎水性液体を充填する疎水性液体充填工程を含み、
    前記親水性液体置換工程が、
    前記基板の前記主面に前記親水性液体が供給されることによって、前記親水性液体が前記凹部内の前記疎水性液体と混ざり合いながら前記凹部に進入する親水性液体進入工程と、
    前記凹部内の液体である内部液体を流動させることによって前記内部液体を前記凹部から離脱させる内部液体離脱工程とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記基板の前記主面上の前記親水性液体に外部刺激を付与することによって、前記内部液体の流動による前記凹部内からの前記内部液体の離脱を促進する第1離脱促進工程をさらに含む、請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 前記親水性液体から発生する発生気体で前記内部液体を置換することで、前記内部液体の流動による前記凹部内からの前記内部液体の離脱を促進する第2離脱促進工程をさらに含む、請求項4または5に記載の基板処理方法。
  7. 前記撥水剤含有液が、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロデシルトリエトキシシランを含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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