JP2023074911A - ブリ属養殖魚及びブリ属の養殖方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】くちどけのよい可食部を有するブリ属養殖魚を提供する。【解決手段】可食部の筋肉組織から抽出した脂質の融点が27℃以下であるブリ属を養殖する。【選択図】なし

Description

本発明は、くちどけのよい可食部を有するブリ属養殖魚、及び当該ブリ属養殖魚を得るための養殖方法に関する。
畜産分野では、例えば「松坂牛」に代表される、脂肪分の融点の低い食肉がくちどけ食感に優れ、高い付加価値をもって広く販売されている。水産分野においては、例えば、特許文献1及び2のように、魚肉加工食品の製造において、魚肉に植物油脂を添加して、全体として油脂の融点を下げる技術は報告されているが、加工前の魚肉自体の脂肪分の融点を低くすることについては、特に報告されていない。
魚肉のうまみ、甘み、苦みなどには、主に含有するアミノ酸組成が影響することが知られる。例えば、特許文献3には、魚介類の飼料中にアラニンを添加することで、うまみ成分に優れた養殖魚介類を得る方法が開示されている。
特開2016-202074号公報 特開2015-89350号公報 特開2005-218339号公報
本発明は、くちどけのよい可食部を有するブリ属養殖魚を提供することを目的とする。また、本発明は、くちどけのよい可食部を有するブリ属養殖魚を取得するための、ブリ属の養殖方法を提供することを目的とする。
本発明は以下を提供するものである。
(1)可食部の筋肉組織から抽出した脂質の融点が27℃以下である、ブリ属養殖魚。
(2)前記融点が17~25℃である、(1)に記載のブリ属養殖魚。
(3)可食部の筋肉組織中のグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計含有量が6mg/100g以上である、(1)又は(2)に記載のブリ属養殖魚。
(4)厚さ0.5cmにカットした可食部の筋肉組織15gを95℃以上の水600mLに7秒間湯通しした時に、水中に溶出するグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計量が3.5重量%以下である、(1)~(3)のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
(5)可食部の筋肉組織の24時間のa/bの変化が0.2以下である、(1)~(4)のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
(6)可食部の筋肉組織の24時間のa*値の変化が5.0以下である、(1)~(5)のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
(7)可食部の筋肉組織に含まれる香気成分が、下記(i)~(iv)のうち、少なくとも1つの特徴を有する、(1)~(6)のいずれかに記載のブリ属養殖魚:
(i)(E,E)-2,4-ヘキサジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.05未満である;
(ii)(E,E)-2,4-ヘプタジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.5未満である;
(iii)(E,E)-2,4-ノナジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.01未満である;
(iv)1-ペンテン-3-オール含有量/乳酸エチル含有量が、4.0未満である。
(8)飼育管理条件下でブリ属を養殖することで、(1)~(7)のいずれかに記載のブリ属養殖魚を育成する、ブリ属の養殖方法。
本発明によれば、くちどけのよい可食部を有するブリ属養殖魚を提供することが可能となる。また、くちどけのよい可食部を有するブリ属養殖魚を取得するための、ブリ属の養殖方法を提供することが可能となる。
3ヶ所の養殖場からの養殖ブリ及び天然ブリの可食部を湯通しした試料について、パネリストによって食感を評価した結果を示すグラフである。 3ヶ所の養殖場からの養殖ブリ及び天然ブリの筋肉組織表面の48時間の色調a/bの変化を示すグラフである。 3ヶ所の養殖場からの養殖ブリ及び天然ブリの筋肉組織表面の48時間の色調L値の変化を示すグラフである。 3ヶ所の養殖場からの養殖ブリ及び天然ブリの筋肉組織表面の48時間の色調a値の変化を示すグラフである。 3ヶ所の養殖場からの養殖ブリ及び天然ブリの筋肉組織表面の48時間の色調b値の変化を示すグラフである。 3ヶ所の養殖場からの養殖ブリ及び天然ブリの熟成前後の筋肉組織試料について、パネリストによって魚臭さを評価した結果を示すグラフである。(A)は、熟成前の各試料の評価結果を示す。(B)は、熟成後の各試料の評価結果を示す。 3ヶ所の養殖場からの養殖ブリ及び天然ブリの筋肉組織中の香気成分に含まれる、(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、(E,E)-2,4-ヘプタジエナール、(E,E)-2,4-ノナジエナール、1-ペンテン-3-オールの含有量を示すグラフである。各成分は、内部標準としての乳酸エチルの含有量に対する比として示す。(A)は(E,E)-2,4-ヘキサジエナール含有量/乳酸エチル含有量、(B)は(E,E)-2,4-ヘプタジエナール含有量/乳酸エチル含有量、(C)は(E,E)-2,4-ノナジエナール含有量/乳酸エチル含有量、(D)は1-ペンテン-3-オール含有量/乳酸エチル含有量を示す。
<ブリ属養殖魚>
本発明のブリ属養殖魚は、可食部の筋肉組織から抽出した脂質の融点が27℃以下である、ことを特徴とする。本発明のブリ属養殖魚は、上記の特徴を有することで、くちどけのよい食感の可食部を有する。本発明のブリ属養殖魚は、上記の特徴を有することで、特に湯通しした際にくちどけのよい食感となる可食部を有する。
本明細書において、「ブリ属」とは、スズキ目アジ科に分類される魚であり、学名Seriolaとして知られる魚である。ブリ属の魚としては、ブリ(Seriola quinqueradiata)、カンパチ(Seriola dumerili)、ヒラマサ(Seriola lalandi)、ヒレナガカンパチ(Seriola rivoliana)、Seriola carpenteri、Seriola fasciata、Seriola hippos、Seriola peruana、Seriola quinqueradiata、Seriola zonataなどが挙げられる。特にブリ又はカンパチが挙げられる。特に、ブリが挙げられる。
本明細書において、「養殖魚」とは、期間の長短に関わらず、出荷前に生簀等の飼育管理条件下で給餌、育成された魚を指す。本明細書において、「養殖魚」は天然種苗も人工孵化も含む。これに対して、「天然魚」は、海上で捕獲された後、出荷まで、飼育管理条件下での給餌、育成が行われていない魚を指す。ここでいう「飼育管理条件下」とは、人工的に各種条件を管理した環境下であることを示す。具体的な条件については、「ブリ属の養殖方法」の項に記載する。
本明細書において「可食部」とは、通常、ヒトが摂食する部分全てを指し、主に、筋肉組織であり、そのほか眼球周り、内臓などが挙げられる。ブリ属の可食部の多くは筋肉組織が占めており、ブリにおいては、筋肉組織は、通常は、その約75~85重量%が通常の筋肉組織、約15~25重量%が血合肉で構成される。本明細書の実施例において、可食部として通常の筋肉及び血合肉を約4:1の重量比で含む試料を使用するが、本発明の「可食部」は、これに限定されるものではない。
本発明において、筋肉組織からの脂質は、筋肉組織をミンチ状に細砕した後、クロロホルム:メタノール(2:1)で抽出し、塩化マグネシウム水溶液と分配した有機層側を濃縮乾固し、必要に応じて冷凍保存したものを指す。
本明細書において、脂質の融点とは、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter:DSC)での測定において、融け終わり時の温度を指すものとする。具体的には、DSCのアルミニウムパンに測定対象の脂質10mgを載せ、-70℃から50℃まで昇温させ、融け終わり時の温度を記録することで測定される。
本発明のブリ属養殖魚において、可食部の筋肉組織から抽出された脂質の融点は27℃以下であり、好ましくは、17~25℃である。本発明のブリ属養殖魚は、可食部に含まれる脂質の融点が低いことで、くちどけのよい食感を呈することができる。特に、湯通しした可食部(例えば、しゃぶしゃぶとして調理された可食部)において、口の中で崩れる食感を呈することができる。
魚肉に含まれるアミノ酸は、その呈味によって、甘味アミノ酸(グリシン、アラニン、スレオニン、セリン、プロリン)、旨味アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)及び苦味アミノ酸(バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、アルギニン)に分けられる。本発明のブリ属養殖魚は、可食部の筋肉組織中の旨味アミノ酸であるグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計含有量が6mg/100g以上、特に7~22mg/100gであることが好ましい。筋肉組織中の各アミノ酸量は、具体的には、以下の手法で測定された量を指すものとする。筋肉組織に対して、0.02MのHClを加えて粉砕し、抽出処理を行う。これを遠心分離(5000rpm、15分、4℃)した後、上清に3%スルホサリチル酸水溶液を加え、遠心分離(5000rpm、15分、4℃)により、タンパク質を除去する。さらにこの上清にn-ヘキサンを加え、脂質成分を除去する。これをアミノ酸分析装置(LA8080、HITACHI)で分析する。本発明のブリ属養殖魚の好適な形態は、上記の通り、旨味アミノ酸を多く含むものである。
より好ましくは、本発明のブリ属養殖魚は、厚さ0.5cmにカットした可食部の筋肉組織15gを95℃以上の水600mLに7秒間湯通しした時に、水中に溶出するグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計量が3.5重量%以下、特に0.1~3.2重量%となる。ここでいう溶出量(重量%)は、溶出前の筋肉組織に含まれる量を100重量%として、湯通し後の水中に溶出したグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計量を除した値を指す。すなわち、本発明のブリ属養殖魚のより好適な形態は、湯通し後もうまみ成分を十分に含有する。
本明細書において「a値」とは、国際照明委員会(CIE)が色彩を示す指標として定義したL色空間(CIELABとも称する)におけるaの値を指す。Lにおいて、「L」は明度を示す。「a」は、緑から赤にかけての色味の強さを示す指標であり、負の値が緑味、正の値が赤味の強さを示す。「b」は、青から黄にかけての色味の強さを示す指標であり、負の値が青味、正の値が黄味の強さを示す。Lの各値は、色差計(例えば、コニカミノルタ社製CM-700d/600d)を使用して測定することが可能である。
本明細書における「色調の変化」は、具体的には、ブリ属養殖魚の筋肉組織におけるミオグロビンの色調の変化に伴う、切身の表面の色調の変化を指す。ミオグロビンは、筋肉組織に存在する色素タンパク質であって、その酸化還元状態によってデオキシミオグロビン、オキシミオグロビン及びメトミオグロビンの3つの状態を示す。デオキシミオグロビンが暗赤色、オキシミオグロビンが鮮赤色を示すのに対して、メトミオグロビンは褐色を示し、刺身等の色調を悪化させる要因となる。色調の変化の指標の一つとして、L色空間におけるa値とb値の比(a/b)を用いることができる(日本水産学会誌第54巻第4号、649-653頁(1988)を参照のこと)。本発明のブリ属養殖魚は、切身の状態に加工した後24時間経過した際の色調の変化、すなわち、a/bの減少が、0.2以下、特に0.1以下であることが好ましい。すなわち、本発明のブリ属養殖魚の好適な形態は、可食部の筋肉組織の経時的な色調の変化が少ないという利点を有する。
本発明のブリ属養殖魚は、切身の状態に加工した後24時間経過した際の表面の色調において、さらにa値の変化が5.0以下、特に4.7以下であることが好ましい。すなわち、本発明のブリ属養殖魚の好適な形態は、可食部の筋肉組織の赤味の低下が一定以下に維持される。
本発明のブリ属養殖魚は、可食部の筋肉組織に含まれる香気成分が、下記(i)~(iv)のうち、少なくとも1つの特徴を有することが好ましい。
(i)(E,E)-2,4-ヘキサジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.05未満である;
(ii)(E,E)-2,4-ヘプタジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.5未満である;
(iii)(E,E)-2,4-ノナジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.01未満である;
(iv)1-ペンテン-3-オール含有量/乳酸エチル含有量が、4.0未満である。
発明者らは、ブリの魚臭さの元となるにおい成分について、筋肉組織喫食時のパネリストによる評価結果と、筋肉組織の香気成分の分析結果を元に、(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、(E,E)-2,4-ヘプタジエナール、(E,E)-2,4-ノナジエナール、1-ペンテン-3-オールが主要な成分であることを同定した。これらの成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、以下の方法で検出することができる。一定量の筋肉組織を細砕してバイアルに封入して加温し、窒素気流を用いたダイナミックヘッドスペース(DHS)法により、揮発成分を取得する。これをガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)にかけて、該当するピーク面積より定量値を求める。この場合、使用する機器や揮発条件等により、絶対値の変動が大きくなることが想定される。そのため、同試料中に含まれる成分を内部標準として、その含有量との比を求めることが好ましい。ここで、内部標準としては、ブリ筋肉組織中に検出可能な量で存在し、かつ、上記主要成分と比較して魚臭さとの相関性の低い成分を選択することが好ましい。発明者らは、このような特徴を有する内部標準として、乳酸エチルが有用であることを見出した。
筋肉組織の香気成分に含まれる(E,E)-2,4-ヘキサジエナールの含有量は、乳酸エチル含有量との比で0.05未満、特に0.04未満、さらに0.02未満であることが好ましい。筋肉組織の香気成分に含まれる(E,E)-2,4-ヘプタジエナールの含有量は、乳酸エチル含有量との比で0.5未満、特に0.4未満、さらに0.3未満であることが好ましい。筋肉組織の香気成分に含まれる(E,E)-2,4-ノナジエナールの含有量は、乳酸エチル含有量との比で0.01未満、特に0.009未満、さらに0.008未満であることが好ましい。筋肉組織の香気成分に含まれる1-ペンテン-3-オールの含有量は、乳酸エチル含有量との比で4.0未満、特に3.0未満、さらに2.0未満であることが好ましい。
本発明のブリ属養殖魚は、可食部の脂質におけるオレイン酸及びその誘導体の含有量が、脂肪酸組成比で20%以上、特に25%以上、さらに30%以上であることが好ましい。及び/あるいは、本発明のブリ属養殖魚は、可食部の脂質におけるリノール酸の含有量が、7%以上、特に10%~20%であることが好ましい。及び/あるいは、本発明のブリ属養殖魚は、可食部の脂質におけるリノレン酸の含有量が、1%以上、特に1.5~5%であることが好ましい。本明細書において「脂肪酸組成比」とは、試料に含まれる脂肪及び脂肪分解物に含まれる各種脂肪酸の量を、総脂肪酸100gあたりの重量比(%)で示したものを指す。測定方法は特に限定されないが、日本油化学会編「基準油脂分析試験法」に従って測定することが好ましい。すなわち、三フッ化ホウ素・メタノール法(BF-MeOH法)を用いて、脂質をケン化して不ケン化物を除き、遊離脂肪酸とした後、エステル化し、ガスクロマトグラフィーで測定する方法である。
本明細書において、脂肪酸の「誘導体」とは、脂肪酸の骨格を保持した状態で、エステル、金属塩等としたものを指す。エステルの例としては、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリドといったグリセリルエステルに加えて、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルが挙げられる。
オレイン酸(C18:1(n-9))は、n-9系の不飽和脂肪酸として知られ、ヒトが摂取した場合、血中のHDL-コレステロールを下げることなく、LDL-コレステロールを下げる効果があるとされる。オレイン酸は、植物油、特にオリーブオイルに多く含まれ、例えば、調理油として使用される場合、他の脂肪酸と比較して食品の風味を損ないにくいことが知られる。リノール酸(C18:2(n-6))、リノレン酸(C18:3(n-3))についても、血中のコレステロール濃度を下げ、かつドコサヘキサエン酸(DHA)及びエイコサペンタエン酸(EPA)等と比較して酸化されにくいことが知られる。本発明のブリ属養殖魚の好適な形態は、脂肪酸組成比に占めるオレイン酸、リノール酸及び/又はリノレン酸、特にオレイン酸の割合が一定以上であることで、低い融点と、酸化されにくさ、すなわち経時変化(例えば、外観、におい等の変化)の少なさとを有するといえる。
ブリ属養殖魚は、水揚げ後に一部は直ちに出荷され、一部は凍結保存されるが、一部は熟成期間を経た後に提供することができる(熟成魚)。ブリ属養殖魚の熟成工程は、例えば、0~10℃で6~48時間静置することが実施できる。ブリ属養殖魚は、多くは切身に加工された直後は、刺身として歯ごたえのある食感を有するが、熟成工程を経ることで、柔らかい食感とすることができる。本発明のブリ属養殖魚の一部の好適な形態は、熟成工程で生じやすい、可食部の外観の色調の劣化や、魚臭さが生じにくく、商品価値が損なわれにくい、という利点を有する。
<ブリ属の養殖方法>
本発明のブリ属の養殖方法は、飼育管理条件下でブリを養殖することにより、上記の養殖ブリを育成する、ことを特徴とする。
1.養殖対象のブリ属
本発明の養殖方法で養殖されるブリ属は、人工孵化由来であっても、天然種苗由来であってもよい。ブリ属の齢数は特に限定されないが、魚体重が1kg以上であることが好ましい。
2.飼育管理条件下での養殖
上記の養殖対象となるブリ属を、専用の生簀や水槽に移して、飼育管理条件下で養殖する。養殖時の条件として、給餌、水温、魚の密度などを調整し、管理することを要する。
(1)給餌
ブリ属への給餌は、少なくとも1日1回、生簀内に散布して行うことが好ましい。餌は、粗タンパク質が35重量%以上、粗脂肪が26重量%以上のものを与えることが好ましい。餌に含まれる脂肪酸に占めるオレイン酸の割合は、25%以上、特に30%以上であることが好ましい。餌は、サバ、イワシ、アジ、サケ等の生餌であってもよく、また、ペレット等の配合飼料であってもよい。あるいは、生餌を粉砕してモイストペレット用配合飼料と混合して使用してもよい。配合飼料の原料は特に限定されないが、通常は、動物質性飼料、穀類、植物性油かす類、油脂、各種ビタミン、ミネラル類等を含む。
(2)水温
ブリを養殖するための生簀や水槽内の水温は、15~28℃、特に、18~27℃、さらに20~25℃とすることが好ましい。ブリの生簀は、通常海上に設置されるため、設置後の生簀内の水温を人為的に調節することは困難であるが、例えば、生簀の設置箇所を適切に選択することで、所望の温度条件下での養殖を行うことが可能である。
(3)飼育密度
生簀や水槽内のブリの飼育密度は、3~20kg/m、特に、7~16kg/mとすることが好ましい。生簀や水槽の大きさは、ブリの各個体が他の個体と接触することなく遊泳可能であれば、特に限定されないが、例えば、縦及び横が8~60m、深さ8~25m程度の大きさとすることができる。
(4)期間
上記の養殖条件における養殖を、出荷前の7日間以上、より好ましくは30日間以上、より好ましくは60日以上、より好ましくは90日以上行い、上記養殖条件における養殖の期間後の養殖ブリは、直ちに出荷されることが好ましい。
本発明の方法は、上記の飼育管理条件下でブリ属を養殖することにより、ブリ属養殖魚の可食部の筋肉組織から抽出した脂質の融点を27℃以下とすることができる。すなわち、本発明の方法は、食した際にくちどけのよいブリ属養殖魚を得ることを可能とする。
以下、実施例において本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
<実施例1.ブリの養殖試験>
養殖場Aにおいて、ブリに対する給餌試験を行った。養殖場Aにおける飼育管理条件を表1に示す。
Figure 2023074911000001
<実施例2.餌の脂肪酸組成分析>
養殖場Aで使用した配合飼料について、含まれる脂肪分の脂肪酸組成比を求めた。飼料(試料として使用)100~200mgに内部標準として10mg/mLトリコサン酸メチル50μLを添加した後、蒸留水1mLを添加し、クロロホルム:メタノール=1:1溶液を5mL加えて攪拌した。遠心分離(3000rpm、10分、10℃)を行った後、下層部を綿栓ろ過して減圧乾燥して脂質を抽出した。得られた脂質に0.5M水酸化ナトリウム・メタノール溶液300μLを加えて攪拌し、窒素雰囲気下にて100℃、9分間加熱してけん化した。冷却後、三フッ化ホウ素メタノール溶液(ALDRICH製)400μLを加えて攪拌し、窒素雰囲気下にて100℃、7分間加熱してメチルエステル化した。冷却後、蒸留水600μL、ヘキサン600μLを加えて攪拌した後、遠心分離を行い、上層部を回収して無水硫酸ナトリウムにて脱水後、減圧乾燥して、脂肪酸のメチルエステルを得た。脂肪酸メチルエステルのヘキサン溶液について、以下の条件でガスクロマトグラフィー分析を行った。
カラム(充填剤、サイズ):DB-WAX(長さ30m×内径0.25mm、膜厚0.25μm、アジレント・テクノロジー製)
カラム温度:170℃で5分間保持し、1.5℃/分で240℃まで昇温後、10分保持
注入口温度:250℃
キャリアガス:ヘリウム
流速:1.07mL/分
脂肪酸の同定は、予め脂肪酸標準品の各成分の保持時間を求めることにより行った。また、濃度既知の標準品のピーク面積を基準として、試料の各ピークから各脂肪酸の量を算出した。飼料に含まれる脂肪酸のうち、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸の組成比を表2に示す。
Figure 2023074911000002
<実施例3.養殖ブリの脂肪酸組成分析>
養殖場Aで表1に示す期間養殖されたブリを水揚げし、〆機にかけた。養殖場Aで養殖された養殖ブリを試験例Aとした。比較として、他の養殖場(養殖場B、C及びD)で養殖されたブリとして試験例B、C及びD、並びに天然ブリの試験例Eを準備した。各種ブリについて、筋肉組織を実施例2と同様の方法でオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸の組成比の分析を行った。測定結果を表3に示す。
Figure 2023074911000003
<実施例4.脂質の融点分析>
実施例で使用した試験例A~Eについて、筋肉組織をミンチ状に細砕した後、各3gをクロロホルム:メタノール(2:1)120mLで抽出し、ろ液を0.03M塩化マグネシウム水溶液24mLと分配した。有機層側を濃縮乾固し、脂質画分を得た。各試験例から採取した脂質について、融点をDSC(METTLER TOLEDO社製DSC1)を用いて測定した。アルミニウムパンに10mgの試料を載せて10℃/分で温度を上昇させ、溶け終わりの温度を記録した。各試験例の融点測定結果は表4に示す通りであった。
Figure 2023074911000004
<実施例5.養殖ブリのアミノ酸分析>
実施例3で使用した試験例A~C及びEについて、以下の条件で熟成を行った。各試験例について、フィレを5℃の条件で48時間静置した。
熟成前後の試験例A~C及びEの筋肉組織について、アミノ酸分析を行った。アミノ酸分析は、以下の方法で行った。筋肉組織1gに対して、0.02MのHClを9mL加えて粉砕し、遠心分離(5000rpm、15分、4℃)した。上清2mLに3%スルホサリチル酸水溶液4mLを加え、遠心分離(5000rpm、15分、4℃)した。さらに上清0.6mLにn-ヘキサン0.6mLを加え、下層を回収した。これを0.45μmメンブレンフィルター(Cellulose Acetate、ADVANTEC)でろ過し、アミノ酸分析装置(LA8080、HITACHI)で分析した。
さらに、熟成前後の試験例A~C及びEについて、湯通しを行った。湯通しは、ブリ試料から厚さ0.5cmの約15gの試料を切り出し、95℃以上の湯600mL中で7秒間加熱した。加熱後の湯について同様にアミノ酸分析を行った。
各試料のアミノ酸量を、甘味アミノ酸(グリシン、アラニン、スレオニン、セリン、プロリン)、旨味アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)及び苦味アミノ酸(バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、アルギニン)に分けて表5に示す。
Figure 2023074911000005
<実施例6.食感評価>
試験例A~C及びEについて、実施例5と同様に湯通しした試料に100μLのポン酢を滴下した。これをパネリスト9人が実際に食して、その食感(もろさ、くちどけ、滑らかさ、脂のり)を評価した。各指標の評価基準(官能スコア)は以下の通りである。
(もろさ):噛み始めに感じる崩壊感。
(くちどけ):噛み始めてから、飲み込むまでの時間の短さ。
(滑らかさ):組織が均一で緻密な度合い。
(脂のり):喫食中に感じる脂がのっている感じ。
1:とても弱い、2:弱い、3:やや弱い、4:どちらでもない、5:やや強い、6:強い、7:とても強い
各試料の食感評価の結果を図1に示す。試験例Aにおいて、いずれの指標も他の試験例より高く、特にくちどけが良好であることが分かった。
<実施例7.色調変化、L分析>
試験例A~C及びEについて、筋肉組織の色調変化を観察した。各試験例について、筋肉組織の厚さが1cmとなるように試料を切り出し、5℃で48時間静置した。開始直後(0時間)、6時間、24時間、48時間後の各試料のLを色差計(コニカミノルタ社製CM-700d/600d)を用いて測定した。得られた値から、a/bを算出した。時間経過に伴う各試料の色調、具体的にはa/b、L値、a値、b値の変化を図2~5にそれぞれ示す。
図2~5より明らかなように、試験例B、C及びEにおいては、a/b及びa値の低下が顕著であったのに対し、試験例Aではその変化は非常に緩やかであった。一方、L値及びb値は、いずれの試験例においても大きな変化は見られなかった。
<実施例8.におい成分分析>
実施例3で使用した試験例A~C及びEについて、実施例5と同様に熟成を行った。熟成前後の試験例A~C及びEの筋肉組織をそれぞれ切り出し、パネリスト9人が実際に食して、以下の基準で魚臭さの評価を行った。
1:とても弱い、2:弱い、3:やや弱い、4:どちらでもない、5:やや強い、6:強い、7:とても強い
各試料の魚臭さの評価平均値を図6に示す。図6Aが熟成前、図6Bが熟成後の評価結果である。特に試験例Aにおいて、魚臭さが低いことが分かった。
熟成前の試験例A~C及びEの筋肉組織について、以下の手順でにおい成分の分析を行った。各試験例の筋肉組織をミンチ状に細砕し、4g分を20mL容量のガラス瓶に入れ、40℃に加温した。窒素気流を用いたダイナミックヘッドスペース(DHS)法により、揮発成分をTenax樹脂(Gerstel社製)に吸着させた。これを加熱脱着法により、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS、アジレント社製)に供した。GC-MSは以下の条件で行った。
カラム:InertCap Pure Wax(長さ60m×内径0.25mm、膜厚0.25μm、GL Sciences Inc.)
カラム昇温条件:40℃10分間、40~230℃(5℃/分)、230℃20分間
カラム流量:線速度 20.6cm/秒、流量1.2mL/分、圧力169.33kPa、コンスタントフローモード
GCの各ピークについて、そのリテンションインデックスとMSから物質を同定し、ピーク面積より成分含有量を測定した。各種成分の含有量と、魚臭さの評価結果との相関を求めたところ、特に(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、(E,E)-2,4-ヘプタジエナール、(E,E)-2,4-ノナジエナール、1-ペンテン-3-オールの含有量が魚臭さと高い相関を示すことが判明した。一方、魚臭さとの相関がそれほど高くなく、かつ、各試験例に一定量以上存在する成分として乳酸エチルが同定された。
各試験例における(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、(E,E)-2,4-ヘプタジエナール、(E,E)-2,4-ノナジエナール、1-ペンテン-3-オールの含有量を、それぞれ乳酸エチルの含有量で除した値について、図7に示す。図7Aは(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、図7Bは(E,E)-2,4-ヘプタジエナール、図7Cは(E,E)-2,4-ノナジエナール、図7Dは1-ペンテン-3-オールの値を示す。いずれの成分も、試験例Aで含有量が最も低いことが確認された。
本発明のブリ属養殖魚及びブリ属の養殖方法は、食品産業分野等で利用可能である。
本発明は以下を提供するものである。
(1)可食部の筋肉組織から抽出した脂質の融点が27℃以下であり、可食部の筋肉組織の24時間のa*/b*の変化が0.2以下である、ブリ属養殖魚。
(2)前記融点が17~25℃である、(1)に記載のブリ属養殖魚。
(3)可食部の筋肉組織中のグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計含有量が6mg/100g以上である、(1)又は(2)に記載のブリ属養殖魚。
(4)厚さ0.5cmにカットした可食部の筋肉組織15gを95℃以上の水600mLに7秒間湯通しした時に、水中に溶出するグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計量が3.5重量%以下である、(1)~(3)のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
)可食部の筋肉組織の24時間のa*値の変化が5.0以下である、(1)~()のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
)可食部の筋肉組織に含まれる香気成分が、下記(i)~(iv)のうち、少なくとも1つの特徴を有する、(1)~()のいずれかに記載のブリ属養殖魚:
(i)(E,E)-2,4-ヘキサジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.05未満である;
(ii)(E,E)-2,4-ヘプタジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.5未満である;
(iii)(E,E)-2,4-ノナジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.01未満である;
(iv)1-ペンテン-3-オール含有量/乳酸エチル含有量が、4.0未満である。
以下の飼育管理条件下
a)水温が15~28℃であり;
b)飼育密度が3~20kg/m であり;
c)餌に含まれる脂肪酸に占めるオレイン酸の割合が30%以上であり;かつ
d)上記a)~c)を満たす条件での飼育期間が7日間以上である;
でブリ属を養殖することで、(1)~()のいずれかに記載のブリ属養殖魚を育成する、ブリ属の養殖方法。
(4)期間
上記の養殖条件における養殖を、出荷前の7日間以上、より好ましくは30日間以上、より好ましくは60日以上、より好ましくは90日以上行い、上記養殖条件における養殖の期間後の養殖ブリは、直ちに出荷されることが好ましい。
本発明のブリ属養殖魚及びブリ属の養殖方法は、食品産業分野等で利用可能である。
本発明は以下の実施形態を含む。
(1)可食部の筋肉組織から抽出した脂質の融点が27℃以下である、ブリ属養殖魚。
(2)前記融点が17~25℃である、(1)に記載のブリ属養殖魚。
(3)可食部の筋肉組織中のグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計含有量が6mg/100g以上である、(1)又は(2)に記載のブリ属養殖魚。
(4)厚さ0.5cmにカットした可食部の筋肉組織15gを95℃以上の水600mLに7秒間湯通しした時に、水中に溶出するグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計量が3.5重量%以下である、(1)~(3)のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
(5)可食部の筋肉組織の24時間のa*/b*の変化が0.2以下である、(1)~(4)のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
(6)可食部の筋肉組織の24時間のa*値の変化が5.0以下である、(1)~(5)のいずれかに記載のブリ属養殖魚。
(7)可食部の筋肉組織に含まれる香気成分が、下記(i)~(iv)のうち、少なくとも1つの特徴を有する、(1)~(6)のいずれかに記載のブリ属養殖魚:
(i)(E,E)-2,4-ヘキサジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.05未満である;
(ii)(E,E)-2,4-ヘプタジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.5未満である;
(iii)(E,E)-2,4-ノナジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.01未満である;
(iv)1-ペンテン-3-オール含有量/乳酸エチル含有量が、4.0未満である。
(8)飼育管理条件下でブリ属を養殖することで、(1)~(7)のいずれかに記載のブリ属養殖魚を育成する、ブリ属の養殖方法。

Claims (8)

  1. 可食部の筋肉組織から抽出した脂質の融点が27℃以下である、ブリ属養殖魚。
  2. 前記融点が17~25℃である、請求項1に記載のブリ属養殖魚。
  3. 可食部の筋肉組織中のグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計含有量が6mg/100g以上である、請求項1又は2に記載のブリ属養殖魚。
  4. 厚さ0.5cmにカットした可食部の筋肉組織15gを95℃以上の水600mLに7秒間湯通しした時に、水中に溶出するグルタミン酸及びアスパラギン酸の合計量が3.5重量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のブリ属養殖魚。
  5. 可食部の筋肉組織の24時間のa/bの変化が0.2以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のブリ属養殖魚。
  6. 可食部の筋肉組織の24時間のa値の変化が5.0以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のブリ属養殖魚。
  7. 可食部の筋肉組織に含まれる香気成分が、下記(i)~(iv)のうち、少なくとも1つの特徴を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のブリ属養殖魚:
    (i)(E,E)-2,4-ヘキサジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.05未満である;
    (ii)(E,E)-2,4-ヘプタジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.5未満である;
    (iii)(E,E)-2,4-ノナジエナール含有量/乳酸エチル含有量が、0.01未満である;
    (iv)1-ペンテン-3-オール含有量/乳酸エチル含有量が、4.0未満である。
  8. 飼育管理条件下でブリ属を養殖することで、請求項1~7のいずれか1項に記載のブリ属養殖魚を育成する、ブリ属の養殖方法。
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