JP2023071369A - 転がり軸受 - Google Patents

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祐介 ▲高▼谷
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Abstract

【課題】生産性が良好であり、低フリクション化を実現することができる転がり軸受を提供する。【解決手段】転がり軸受10aは、内径側に軌道面13aを有するシェル形外輪41aと、軌道面13a上に配置される複数のころ11aと、シェル形外輪41aの内径側に配置され、複数の針状ころ11aを保持する保持器21aと、を備える。シェル形外輪41aは、保持器21aの軸方向の移動を規制する移動規制部を含む。ころ11aの直径を長さD1とし、シェル形外輪41aの肉厚を長さT1とすると、長さD1は、2mm以下であり、0.5≦長さD1/長さT1<1.5の関係を有する。【選択図】図3

Description

本開示は、転がり軸受に関するものである。
転動体としての針状ころを含む針状ころ軸受が知られている(例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。特許文献1には、軸受断面高さが1.0~2.0mmであって、保持器の板厚が0.3~1.2mmであり、シェルが圧入された状態で、フランジ部の外周面と軌道面とのすきまが0.15~0.25mmであるシェル形ニードル軸受が開示されている。特許文献2には、シェル外輪と、複数の針状ころと、保持器とを備え、針状ころの本数と、針状ころのころ径と、軌道面に配置される複数の針状ころそれぞれの自転中心を結んだ円の直径とが所定の関係を有するシェル形針状ころ軸受が開示されている。また、特許文献3に開示の針状ころ軸受によると、針状ころを保持する保持器の軸方向の移動を規制するために、シェル形外輪の両端部を内側に折り返すように折り曲げて、保持器の軸方向の移動を規制することとしている。
特許第5476593号 特許第5081571号 特開2005-172037号公報
昨今においては、軸受使用時における低い摩擦、すなわち、低フリクション化が求められており、滑り軸受が転がり軸受に置き換えられる傾向にある。そして、さらなる低フリクション化の観点から、径方向の大きさをできるだけコンパクトにすべく、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示の軸受よりもさらなる軸受の低断面化、すなわち、断面積をできるだけ小さくすることが求められる。また、転がり軸受については、ころや保持器、軌道面を有する外輪といった部材を組み立てて生産される。転がり軸受については、良好な生産性も求められる。そこで、生産性が良好であり、低フリクション化を実現することができる転がり軸受を提供することを目的の1つとする。
本開示に従った転がり軸受は、内径側に軌道面を有するシェル形外輪と、軌道面上に配置される複数のころと、シェル形外輪の内径側に配置され、複数の針状ころを保持する保持器と、を備える。シェル形外輪は、保持器の軸方向の移動を規制する移動規制部を含む。ころの直径を長さDとし、シェル形外輪の肉厚を長さTとすると、長さDは、2mm以下であり、長さTは、0.3mm以上であり、0.5≦長さD/長さT<1.5の関係を有する。
上記転がり軸受によれば、生産性が良好であり、低フリクション化を実現することができる。
図1は、実施の形態1における転がり軸受の構造を示す概略斜視図である。 図2は、図1に示す転がり軸受の分解斜視図である。 図3は、図1に示す転がり軸受の一部を示す概略断面図である。 図4は、図1に示す転がり軸受に含まれるシェル形外輪の一部を示す概略断面図である。 図5は、突起を形成する際のシェル形外輪の一部を示す概略側面図であり、突起を形成する前の状態を示す。 図6は、突起を形成する際のシェル形外輪の一部を示す概略斜視図であり、突起を形成する前の状態を示す。 図7は、突起を形成する際のシェル形外輪の一部を示す概略側面図であり、突起を形成した後の状態を示す。 図8は、突起を形成する際のシェル形外輪の一部を示す概略斜視図であり、突起を形成した後の状態を示す。 図9は、実施の形態2における転がり軸受の構造を示す概略斜視図である。 図10は、図9に示す転がり軸受の分解斜視図である。 図11は、図9に示す転がり軸受の一部を示す概略断面図である。 図12は、図9に示す転がり軸受に含まれるシェル形外輪の一部を示す概略断面図である。 図13は、突起を形成する際のシェル形外輪の一部を示す概略側面図であり、突起を形成する前の状態を示す。 図14は、突起を形成する際のシェル形外輪の一部を示す概略側面図であり、突起を形成した後の状態を示す。
[実施形態の概要]
本開示の転がり軸受は、内径側に軌道面を有するシェル形外輪と、軌道面上に配置される複数のころと、シェル形外輪の内径側に配置され、複数の針状ころを保持する保持器と、を備える。シェル形外輪は、保持器の軸方向の移動を規制する移動規制部を含む。ころの直径を長さDとし、シェル形外輪の肉厚を長さTとすると、長さDは、2mm以下であり、長さTは、0.3mm以上であり、0.5≦長さD/長さT<1.5の関係を有する。
従来、軸受として転動体を含まない滑り軸受が使用されていた箇所について、低フリクション化の観点から、転動体を含む転がり軸受への置き換えが進んでいる。そして、さらなる低フリクション化の期待に応えるべく、軸受の低断面化、すなわち、できるだけ断面積を小さくすることが求められる。ここで、転がり軸受については、生産性の向上を図るべく、外輪として鋼板を絞り加工し、熱処理を行って製造されるシェル形外輪が用いられる場合がある。
そこで、本願発明者らは、まず以下のように考えた。転がり軸受の低断面化を図るためには、シェル形外輪の肉厚を薄くすることが求められる。しかし、熱処理時において、例えば浸炭窒化処理や浸炭処理等を施す際には、最低限の浸炭窒化層や浸炭層を形成する必要があり、軸受としての強度を確保しながら肉厚を薄くするにも限界がある。すなわち、シェル形外輪の肉厚としては、浸炭窒化層等の強度を維持する際に必要な層の確保を考慮して厚さ方向の一方側の厚さを最低0.1mmと考えると、0.3mm確保することが望ましいと考えた。
このようなシェル形外輪を含む転がり軸受において、ころを保持する保持器が備えられる。保持器は、シェル形外輪の内径側に配置される。転がり軸受においては、保持器の軸方向の移動を規制し、保持器の位置ずれや保持器の脱落を防止する機構を備える必要がある。
本開示の転がり軸受は、シェル形外輪を含む。そして、シェル形外輪は、保持器の軸方向の移動を規制する移動規制部を含む。したがって、保持器の軸方向の移動を規制することができる。
ここで、本願発明者らはころの直径、さらにはころの直径とシェル形外輪の肉厚との関係について、新たな知見を見出した。具体的には、低断面化を図るべくころの直径を2mm以下とした上で、ころの直径をシェル形外輪の肉厚で除した値について、その値が小さすぎれば、ころの直径に対してシェル形外輪の肉厚が過度に厚すぎることとなり、低断面化の観点から好ましくない状況となる。また、その値が大きすぎれば、ころの直径に対してシェル形外輪の肉厚が過度に薄すぎることとなり、耐荷重の観点からすると好ましくない状況となる。そして、本願発明者らは鋭意検討し、ころの直径を長さDとし、シェル形外輪の肉厚を長さTとすると、長さDは、2mm以下であり、長さTは、0.3mm以上であり、0.5≦長さD/長さT<1.5の関係を有する構成を採用することとした。このような構成によれば、ころの直径およびころの直径とシェル形外輪の肉厚との関係を適正にして、低断面化を実現することができる。
以上より、上記転がり軸受によれば、生産性が良好であり、低フリクション化を実現することができる。
上記転がり軸受において、長さDは、0.2mm以上であってもよい。このようにすることにより、軸受として十分な強度を得ることができる。
上記転がり軸受において、長さTは、2.0mm以下であってもよい。このようにすることにより、強度を維持しつつ、低断面化を図ることができる。
上記転がり軸受において、シェル形外輪の外輪内径面に沿った円環状であり、軸方向において保持器と突起との間に配置されるワッシャをさらに備えてもよい。このようにすることにより、ワッシャにより、保持器の軸方向の端面と突起とが直接接触することを回避することができる。したがって、保持器を長期的に安定して使用することができ、転がり軸受の長寿命化を図ることができる。
上記転がり軸受において、保持器は、樹脂製であって、周方向に分割された分割保持器であってもよい。このようにすることにより、シェル形外輪の内径側に保持器を配置させる際に、分割した保持器を弾性変形させて、容易にシェル形外輪の内径側に保持器を組み入れることができる。したがって、生産性の向上を図ることができる。
上記転がり軸受において、上記ころは、針状ころであってもよい。このようにすることにより、転がり軸受の断面高さを抑制しつつ、十分な耐荷重を達成することが容易となる。
[実施形態の具体例]
次に、本開示の転がり軸受の具体的な実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係る転がり軸受について説明する。図1は、実施の形態1における転がり軸受の構造を示す概略斜視図である。図2は、図1に示す転がり軸受の分解斜視図である。図3は、図1に示す転がり軸受の一部を示す概略断面図である。図4は、図1に示す転がり軸受に含まれるシェル形外輪の一部を示す概略断面図である。なお、図3および図4において、転がり軸受の回転中心軸16を一点鎖線で図示している。すなわち、図3および図4は、転がり軸受の回転中心軸を含む断面で切断した場合の断面図である。また、図1以下に示す図面において、矢印Xで示す方向を軸方向、矢印Yで示す方向を径方向とする。
図1~図4を参照して、実施の形態1における転がり軸受10aは、転動体としての複数のころ11aと、ころ11aを保持する保持器21aと、ワッシャ31aと、内径側に軌道面13aを含むシェル形外輪41aと、を含む。転がり軸受10aの使用時においては、保持器21aの内径側に、ころ11aが転動する軌道面を外周面に有する不図示の軸が配置される。本実施形態においては、ころ11aは、針状ころである。このようにすることにより、転がり軸受10aの断面高さを抑制しつつ、十分な耐荷重を達成することが容易となる。実施の形態1における転がり軸受10aは、シェル形針状ころ軸受である。転がり軸受10aは、10本のころ11aを含む。ころ11aは、軌道面13a上を転動する。なお、ころ11aの本数としては、例えば、ころPCD(Pitch Circle Diameter)を用いた以下の関係を有するものが好適に採用される。すなわち、ころ11aの本数としては、(ころPCD×π/長さD)×0.1以上であり、(ころPCD×π/長さD)×0.4以下のものが好適に用いられる。ここで、ころPCDについては、長さD-(長さT×2)-長さDの式にて算出される。長さDは、後述するようにころ11aの径である。また、長さDは、後述するようにシェル形外輪41aの外径である。また、長さTは、後述するようにシェル形外輪41aの肉厚である。すなわち、ころ11aの本数については、(ころPCD×π/長さD)×0.1≦ころ11aの本数≦(ころPCD×π/長さD)×0.4の関係を有することが好ましい。ころ11aの本数を(ころPCD×π/長さD)×0.1以上とすることにより、ころ11aの本数が少ないことによる負荷容量の低減を回避することができる。また、ころ11aの本数を(ころPCD×π/長さD)×0.4以下とすることにより、ころ11aの本数が多いことに起因してころ11a間の周方向の隙間が小さくなり、その結果、保持器21aの柱部28の強度が低下してしまうおそれを低減することができる。
ころ11aは、中実円筒状の形状を有している。ころ11aは、シェル形外輪41aに含まれる軌道面13a上および不図示の軸に含まれる軌道面上を転動する転動面12aと、軸方向の一方側に位置するころ第1端面14aと、軸方向の他方側に位置するころ第2端面15aと、を含む。ころ第1端面14aおよびころ第2端面15aはそれぞれ、回転軸方向(X方向)に垂直な平面と平行な平坦状である。なお、ころ第1端面14aおよびころ第2端面15aはそれぞれ平面ではなく、具体的には例えば、半球状等、曲面を含むように構成されていてもよい。ころ11aの直径、すなわち、ころ11aのころ径は、図3中の長さDで示される。本実施形態においては、ころ11aの直径については、軸方向においての最大の直径を意味する。ここで、長さDについては、2mm以下である。すなわち、長さD≦2mmである。このようなころ11aの径によれば、低断面化を確実に実現することができる。
なお、長さDについては、0.2mm以上であることが好ましい。このようにすることにより、軸受として十分な強度を得ることができる。なお、長さDが0.2mmであった場合、例えば、長さTとして0.3mmを採用することにより、0.5≦長さD/長さT<1.5とした上記関係式を満たすことができる。具体的な長さDの値としては、例えば、0.5mmが選択される。なお、ころ第1端面14aからころ第2端面15aまでのころ11aの長さは、長さWで示される。長さWとしては、3×長さD≦W≦9×長さDの関係を有するものが好適に用いられる。長さDの値として、0.5mmが選択された場合、長さWとしては、1.5mm≦長さW≦4.5mmの関係を有するものが好適に用いられる。本実施形態においては、長さWの値としては、例えば、2.5mmが選択される。ころ11aは、たとえば軸受鋼などの鋼からなっている。ころ11aは、焼入硬化されていてもよい。
保持器21aは、円環状の形状を有する。保持器21aは、上記した不図示の軸とシェル形外輪41aとに挟まれる空間において、軸およびシェル形外輪41aと同心に配置されている。保持器21aは、外径側に位置する保持器外径面22aと、内径側に位置する保持器内径面23aと、軸方向の一方側に位置する保持器第1端面24aと、軸方向の他方側に位置する保持器第2端面25aと、を含む。保持器21aの軸方向の長さ、すなわち、保持器第1端面24aから保持器第2端面25aまでの軸方向の長さは、図3中の長さWで示される。長さWとしては、長さW+1mm≦W≦2×長さW+1mmの関係を有するものが好適に用いられる。長さWの値として、2.5mmが選択された場合、長さWとしては、3.5mm≦長さW≦6.0mmの関係を有するものが好適に用いられる。本実施形態においては、長さWは、4.66mmである。
保持器21aは、軸方向に離隔して設けられる一対の環状部27a,27bと、ポケット26aを形成するように一対の環状部27a,27bを接続する複数の柱部28と、を含む。すなわち、保持器21aには、周方向に等間隔をあけて径方向に貫通する複数のポケット26aが設けられている。複数のポケット26aの各々には、ころ11aが1つずつ配置されている。保持器21aによって保持される複数のころ11aは、軌道面13aおよび不図示の軸の軌道面に沿う円環状の軌道上に配置される。なお、柱部28の径方向の厚さ、この場合、保持器21aの径方向の長さについては、長さD×0.5mm以上長さD×0.9mm以下のものが好適に用いられる。
本実施形態においては、保持器21aは、樹脂製である。また、保持器21aは、周方向において2つに分割された分割保持部29a,29bから構成されている。すなわち、保持器21aは、樹脂製であって、周方向に分割された分割保持器である。このようにすることにより、シェル形外輪41aの内径側に保持器21aを配置させる際に、分割した保持器、すなわち、分割保持部29a,29bを弾性変形させて、容易にシェル形外輪41aの内径側に保持器21aを組み入れることができる。したがって、生産性の向上を図ることができる。
分割保持部29a,29bのそれぞれの周方向の端部には、周方向に突出する第1係合部30aと、周方向に凹む第2係合部30bと、が形成されている。分割保持部29a,29bのそれぞれの周方向端部に設けられた第1係合部30aと第2係合部30bとをそれぞれ係合させることにより、シェル形外輪41aの内径側において、軸方向にずれることなく、円環状の保持器21aを組み立てることができる。
ワッシャ31aは、円環状の形状を有する。具体的には、ワッシャ31aは、シェル形外輪41aの後述する外輪内径面43aに沿った円環状である。ワッシャ31aは、上記した不図示の軸とシェル形外輪41aとに挟まれる空間において、軸およびシェル形外輪41aと同心に配置されている。ワッシャ31aは、外径側に位置するワッシャ外径面32aと、内径側に位置するワッシャ内径面33aと、軸方向の一方側に位置するワッシャ第1端面34aと、軸方向の他方側に位置するワッシャ第2端面35aと、を含む。ワッシャ31aは、保持器21aと軸方向において隣り合うように配置される。具体的には、軸方向において保持器第2端面25aと後述する突起51a~55aとの間に配置される。この場合、軸方向において、保持器第2端面25aとワッシャ第1端面34aとが対向し、突起51a~55aとワッシャ第2端面35aとが対向するように配置される。ワッシャ31aは、金属製である。ワッシャ31aには、円環状の一部が切断された切断部36aが形成されている。ワッシャ31aは、この切断部36aを利用してワッシャ31aを弾性変形させて、シェル形外輪41aの内径側に組み込むことができる。
次に、シェル形外輪41aの構成について説明する。シェル形外輪41aは、外径側に位置する外輪外径面42aと、内径側に位置する外輪内径面43aと、軸方向の一方側に位置する外輪第1端面44aと、軸方向の他方側に位置する外輪第2端面45aと、を含む。外輪内径面43aは、軌道面13aを含む。すなわち、シェル形外輪41aは、内径側である外輪内径面43aに軌道面13aを含む。軌道面13aは、外輪内径面43aの軸方向の中央領域に配置される。シェル形外輪41aの外径は、図3中の長さDによって示される。長さDについては、7×長さD≦長さD≦60×長さD以上の関係を有するものが好適に用いられる。長さDの値として、0.5mmが選択された場合、長さDとしては、3.5mm≦長さD≦30.0mmの関係を有するものが好適に用いられる。本実施形態においては、長さDは、15mmである。
シェル形外輪41aの肉厚は、外輪外径面42aと外輪内径面43aとの径方向の長さTで示される。昨今、低フリクション化の観点から、転がり軸受10aの低断面化が求められている。この場合、シェル形外輪41aの肉厚は、できるだけ薄い方が望ましい。しかし、シェル形外輪41aは、シェル形外輪41aの外形形状を形成した後、例えば浸炭窒化処理や浸炭処理が施されて強度が付与される。ここで、シェル形外輪41aとしての強度を維持するために、ある程度の厚さの浸炭窒化層や浸炭層を形成する必要がある。そうすると、シェル形外輪41aの肉厚については、ある程度以上のものが求められる。具体的には、シェル形外輪41aの肉厚である長さTについては、0.3mm以上である。こうすることにより、浸炭窒化層等の強度を維持する際に必要な層を確保することができる。また、長さTは、2.0mm以下とすることが好適である。このようにすることにより、強度を維持しつつ、低断面化を図ることができる。本実施形態においては、長さTとして、0.5mmが選択される。
ここで、ころ11aの直径を長さDとし、シェル形外輪41aの肉厚をTとすると、ころ径とシェル形外輪41aの肉厚とは、0.5≦長さD/長さT<1.5の関係を有する。このような構成によれば、上記したころ11aの直径が2mm以下であることも含めて、ころ11aの直径とシェル形外輪41aの肉厚との関係を適正にして、低断面化を実現することができる。本実施形態においては、長さDは0.5mmであり、長さTも0.5mmである。したがって、長さD/長さTの値は1となり、上記関係を充足する。
シェル形外輪41aは、保持器21aの軸方向の移動を規制する移動規制部を含む。したがって、保持器21aの軸方向の移動を規制することができる。本実施形態においては、移動規制部は、後述する鍔部46aおよび突起51a~55aである。
シェル形外輪41aの軸方向の一方側に位置する第1端部17aを含む第1領域19aには、内径側に延びる鍔部46aが形成されている。本実施形態においては、第1端部17aは、外輪第1端面44aに相当する。鍔部46aは、内径側に突出するように設けられている。鍔部46aは、円環状である。鍔部46aは、絞り加工によって形成されたカップ状部材の底部分を切り取って残される部分により形成することができる。軌道面13aからの鍔部46aの径方向の長さを長さLとすると、長さLは、シェル形外輪41aの肉厚である長さT以下である。具体的には、鍔部46aの径方向の突出量である軌道面13aから鍔部46aの鍔部端面47aまでの径方向の長さLは、シェル形外輪41aの肉厚である長さT以下である。すなわち、長さL≦長さTの関係を有する。この場合、鍔部46aは、シェル形外輪の一方側に位置する第1端部17aの折り曲げにより形成されるものではなく、カップ状部材の底部分の切り取りにより形成されるため、長さLを容易に肉厚以下である長さT以下とすることができる。
ここで、シェル形外輪41aの軸方向の他方側に位置する第2端部18aを含む第2領域20aには、突起51a,52a,53a,54a,55aが形成されている。本実施形態においては、第2端部18aは、外輪第2端面45aに相当する。突起51a,52a,53a,54a,55aはそれぞれ、周方向に間隔をあけて複数設けられている。具体的には、本実施形態においては、突起51a~55aは周方向に等配で、合計5つ設けられている。各突起51a~55aの外形形状は、径方向から見た場合に、矩形状、具体的には、長方形状を有する。突起51a~55aの軸方向の一方側の端部は、外輪第2端面45aの一部を構成している。軌道面13aからの突起51a~55aの突出量を長さLとすると、長さLは、長さT以下である。具体的には、突起51a~55aの径方向の突出量である軌道面13aから突起51aの突起端面48aまでの径方向の長さLは、シェル形外輪41aの肉厚である長さT以下である。すなわち、長さL≦長さTの関係を有する。
また、径方向において各突起51a,52a,53a,54a,55aに対応する領域のシェル形外輪41aの外輪外径面42aには、窪み56a,57a,58a,59a,60aが形成されている。窪み56a~60aについては、径方向外側から見た場合に、矩形状、具体的には、長方形状に凹んだ形状である。なお、図4における長さLで示す窪み56a~60aの凹み量は、突起51a~55aの突出量、すなわち、上記長さLと同等である。
次に、シェル形外輪41aおよびシェル形外輪41aを含む転がり軸受10aの製造方法の一例について簡単に説明する。シェル形外輪41aは、絞り加工により成形される。具体的には、一枚の平板状の鋼板を準備する。この鋼板の肉厚は、シェル形外輪41aの肉厚である長さTと同等である。そして、絞り加工を施し、カップ状に絞って円筒面を形成する。そして、平板状の部分と切り離し、カップ状部材の底部分を打ち抜いてくりぬく。このようにして、シェル形外輪41aの軸方向の一方側に位置する第1端部(クローズドエンド)を含む第1領域19aに鍔部46aを形成する。この時、鍔部46aを残すようにして底部分を打ち抜く際の突出量を、シェル形外輪41aの肉厚以下の突出量とした鍔部46aを容易に形成することができる。
次に、シェル形外輪41aの軸方向の他方側に位置する第2端部18a(オープンエンド)を含む第2領域20aにおいて、突起51a~55aを形成する。図5および図7は、突起51a~55aを形成する際のシェル形外輪41aの一部を示す概略側面図である。図6および図8は、突起51a~55aを形成する際のシェル形外輪41aの一部を示す概略斜視図である。図5および図6は、突起51aを形成する前の状態を示し、図7および図8は、突起51aを形成した後の状態を示す。
まず図5および図6を併せて参照して、突起51a~55aを形成する際には、第1の凹状治具71と、第1の凸状治具72と、台座治具73と、を準備する。ここで、第1の凹状治具71、第1の凸状治具72および台座治具73の構成について簡単に説明する。第1の凹状治具71は、ブロック状であり、軸方向(X方向)から見た場合に、扇形の形状を有する。第1の凹状治具71の軸方向の長さは、シェル形外輪41aの軸方向の長さよりも短い。第1の凹状治具71は、シェル形外輪41aの外輪内径面43aに沿う円弧面74を有する。そして、その円弧面74には、突起51a~55aの形状に対応する溝部75が形成されている。溝部75は、軸方向に延びるように設けられている。円弧面74における溝部75の凹み量は、シェル形外輪41aの肉厚である長さT以下であり、窪み56a~60aと同等である。
第1の凸状治具72についても、ブロック状であり、軸方向(X方向)から見た場合に、等脚台形形状を有する。第1の凸状治具72の軸方向の長さは、シェル形外輪41aの軸方向の長さよりも短い。軸方向に見て、第1の凸状治具72の等脚台形を構成する一対の底辺のうち、短い方の底辺に相当する面76には、窪み56a~60aの形状に対応する凸部77が形成されている。凸部77は、面76において盛り上がるように設けられている。凸部77の盛り上がりの高さは、突起51a~55aの突出量と同等である。
台座治具73は、ブロック状であり、シェル形外輪41aの外輪外径面42aに沿う円弧面78を含む。台座治具73には、第1の凸状治具72を受け入れる受け入れ凹部79が形成されている。
このような第1の凹状治具71、第1の凸状治具72および台座治具73を用いて、突起51a~55aを形成する。まず、シェル形外輪41aの内径側に、第1の凹状治具71を配置する。この時、シェル形外輪41aの軸方向の他方側に位置する第2端部18aである外輪第2端面45aを含む第2領域20aにおいて、シェル形外輪41aの外輪内径面43aと第1の凹状治具71の円弧面74とが接触するように配置する。また、周方向において、突起51a~55aが形成される位置に溝部75が配置されるようにする。次に、台座治具73をシェル形外輪41aの外径側に配置する。この時、シェル形外輪41aの外輪外径面42aと台座治具73の円弧面78とが接触するように配置される。その後、受け入れ凹部79内に第1の凸状治具72が配置される。この時、面76がシェル形外輪41aの外輪外径面42aに対向し、凸部77が内径側に向くように配置される。
その後、第1の凸状治具72を矢印Zで示す向きである内径側に押し進める。そうすると、シェル形外輪41aの外輪外径面42aに凸部77が接触する。そして、そのまま第1の凸状治具72を内径側に押し進めると、図7および図8に示す状態となる。
図7および図8を併せて参照して、第1の凸状治具72を押し進めると、凸部77によって、シェル形外輪41aの外輪外径面42aが凹み、突起51aおよび窪み56aが形成される。この場合、第1の凹状治具71の溝部75により、突起51aの形状は、溝部75に沿った形状となる。このようにして、第1の凹状治具71、第1の凸状治具72および台座治具73を周方向にずらしていって、5つの突起51a~55aおよび5つの窪み56a~60aを形成する。
その後、シェル形外輪41aについて、浸炭窒化処理や浸炭処理といった熱処理を施して、シェル形外輪41aを完成させる。そして、シェル形外輪41aの内径側に、それぞれのポケット26aにころ11aを保持させた分割保持部29a,29bを組み入れ、第1係合部30aと第2係合部30bとを係合させて、シェル形外輪41aの内径側において保持器21aを円環状に組み立てる。このようにして、転がり軸受10aを製造する。
このような構成の転がり軸受10aによると、シェル形外輪41aの軸方向の一方側に位置する第1端部17aを含む第1領域19aには、内径側に延びる鍔部46aが形成されている。さらに、軌道面13aからの鍔部46aの径方向の長さを長さLとし、シェル形外輪41aの軌道面13aにおける肉厚を長さTとすると、長さLは、長さT以下である。シェル形外輪41aについては、絞り加工の後に底部分を打ち抜いて切り取り、鍔部46aを形成する。この切り取られる底部分をできるだけ多くして、保持器21aの移動を規制できる程度に短くすることができる。すなわち、鍔部46aの内径側への突出量を容易に調整することができ、容易に長さLを、長さT以下とすることができる。
また、シェル形外輪41aの軸方向の他方側に位置する第2端部18aを含む第2領域20aには、内径側に突出する突起51a~55aが形成されている。突起51a~55aは、それぞれ周方向に間隔をあけて複数設けられている。そして、軌道面13aからの突起51a~55aの突出量を長さLとすると、長さLは、長さT以下である。このような突起51a~55aは、熱処理前にシェル形外輪41aの外径側から治具で押圧したり、シェル形外輪41aの外輪内径面43aを削って盛り上げることにより、容易に形成することができる。また、このような突起51a~55aを上記したように形成すると、折り曲げ等により形成するものではないため、保持器21aの移動を規制できる程度に短くすることができる。すなわち、突起51a~55aの内径側への突出量を容易に調整することができ、容易に長さLを、長さT以下とすることができる。このような突起51a~55aによれば、低断面化を実現しながら、軸方向の保持器21aの位置ずれおよび保持器21aの脱落を防止することができる。
以上より、上記転がり軸受10aによれば、生産性が良好であり、低フリクション化を実現することができる。
本実施形態においては、径方向において突起51a~55aに対応する領域のシェル形外輪41aの外輪外径面42aには、窪み56a~60aが形成されている。よって、例えば、転がり軸受10aを密封する際に用いるシール部材を転がり軸受10aに取り付ける際に、この窪み56a~60aを利用することができる。具体的には、例えば、シェル形外輪41aの軸方向の第2端部18a側にシール部材を取り付ける際に、この窪み56a~60aと環状のシール部材の内径側において窪み56a~60aに対応する部分に設けられた突出する部分とを係合させて、転がり軸受10aにおけるシール部材の安定した保持を実現することができる。なお、このような窪み56a~60aは、シェル形外輪41aの外径側から押圧して突起51a~55aを形成する際に、容易に形成することができる。
本実施形態においては、転がり軸受10aは、シェル形外輪41aの外輪内径面43aに沿った円環状であり、軸方向において保持器21aと突起51a~55aとの間に配置されるワッシャ31aを含む。よって、ワッシャ31aにより、保持器21aの軸方向の端面、この場合、保持器第2端面25aと突起51a~55aとが直接接触することを回避することができる。したがって、保持器21aを長期的に安定して使用することができ、転がり軸受10aの長寿命化を図ることができる。
本実施形態においては、突起51a~55aの外形形状は、径方向から見て、矩形状である。よって、転がり軸受10aが仮にワッシャ31aを含まない場合において、軸方向において突起51a~55aと保持器21aとが接触しても、突起51a~55aにより保持器21aの端面、この場合、具体的には保持器第2端面25aが削られたり、凹むおそれを低減することができる。したがって、より長期にわたって安定して使用することができる。
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態である実施の形態2について説明する。図9は、実施の形態2における転がり軸受の構造を示す概略斜視図である。図10は、図9に示す転がり軸受の分解斜視図である。図11は、図9に示す転がり軸受の一部を示す概略断面図である。図12は、図9に示す転がり軸受に含まれるシェル形外輪の一部を示す概略断面図である。実施の形態2の転がり軸受は、シェル形外輪の形状が異なる点において、実施の形態1の場合と異なっている。
図9~図12を参照して、実施の形態2の転がり軸受10bは、転動体としての複数のころ11aと、ころ11aを保持する保持器21aと、ワッシャ31aと、内径側に軌道面13aを含むシェル形外輪41bと、を含む。ころ11a、保持器21aおよびワッシャ31aのそれぞれの構成は、実施の形態1の転がり軸受10aの場合と同様であるため、それらの説明を省略する。
シェル形外輪41bは、保持器21aの軸方向の移動を規制する移動規制部を含む。したがって、保持器21aの軸方向の移動を規制することができる。本実施形態においては、移動規制部は、鍔部46aおよび後述する突起51b~55bである。
シェル形外輪41bは、外径側に位置する外輪外径面42bと、内径側に位置する外輪内径面43bと、軸方向の一方側に位置する外輪第1端面44aと、軸方向の他方側に位置する外輪第2端面45bと、を含む。さらにシェル形外輪41bは、シェル形外輪41bの軸方向の一方側に位置する第1端部17aを含む第1領域19aには、内径側に延びる鍔部46aが形成されている。鍔部46aの構成についても、実施の形態1における転がり軸受10aのシェル形外輪41aに含まれる鍔部46aと同様の構成であるため、その説明を省略する。
ここで、シェル形外輪41bの軸方向の他方側に位置する第2端部18bである外輪第2端面45bを含む第2領域20bには、内径側に突出する突起51b,52b,53b,54b,55bが形成されている。突起51b~55bはそれぞれ、外輪内径面43bから盛り上がるように設けられている。突起51b~55bは、それぞれ周方向に間隔をあけて複数設けられている。具体的には、本実施形態においては、突起51b~55bは周方向に等配で、合計5つ設けられている。各突起51b~55bの外形形状は、図11および図12に示す断面において、外輪第2端面45b側が尖った形状である。また、軸方向において突起51b~55bと外輪第2端面45bとの間には、突起51b~55bが設けられる際に形成される薄肉部56b,57b,58b,59b,60bが設けられている。薄肉部56b~60bについては、内径側から見た場合に、矩形状、具体的には、長方形状に凹んだ形状である。なお、実施の形態1の場合とは異なり、シェル形外輪41bの外輪外径面42bには、凹部は設けられていない。軌道面13aからの突起51b~55bの突出量は、図12中の長さLによって示される。そして、長さLは、長さT以下である。また、薄肉部56b~60bの厚さ、すなわち、薄肉部56b~60bの径方向の長さは、長さLによって示される。長さLは、長さTよりも小さい。
次に、シェル形外輪41bの製造方法の一例について説明する。シェル形外輪41bは、絞り加工によりカップ状部材を形成し、鍔部を残すようにして底部分を打ち抜くまでは、実施の形態1の場合と同様である。
次に、軸方向の他方側に位置する第2端部18b(オープンエンド)、この場合、第2端部18bである外輪第2端面45bを含む第2領域20bにおいて、突起51b~55bを形成する。図13および図14は、突起51b~55bを形成する際のシェル形外輪41bの一部を示す概略側面図である。図13は、突起51b~55bを形成する前の状態を示し、図14は、突起51b~55bを形成した後の状態を示す。
まず図13を併せて参照して、突起51b~55bを形成する際には、第2の凹状治具81と、第2の凸状治具82と、を準備する。ここで、第2の凹状治具81および第2の凸状治具82の構成について簡単に説明する。第2の凹状治具81は、ブロック状である。第2の凹状治具81には、嵌め込み凹部83が形成されている。具体的には、嵌め込み凹部83は、シェル形外輪41bを嵌め込むことができる。すなわち、嵌め込み凹部83は、軸方向から見た場合に円環状に凹み、その内径は、シェル形外輪41bの外径に相当する。
第2の凸状治具82は、中実円筒状である。第2の凸状治具82の先端部84は、先に向かうに従い、細くなっている形状である。このように構成することにより、第2の凸状治具82を後述するように矢印Zの向きに押し進める際に、先端部84とシェル形外輪41bの外輪内径面43bとが干渉することを抑制して、適切に突起51b~55bを形成することができる。
第2の凸状治具82の径方向の外周面85には、軸方向(X方向)から見た場合に、周方向に間隔をあけて設けられるリブ86が形成されている。リブ86は、周方向に間隔をあけて5つ設けられている。リブ86は、具体的には、突起51b~55bのそれぞれに設けられた周方向の間隔に対応するように、周方向に離隔して設けられている。リブ86の盛り上がりの高さは、シェル形外輪41bの肉厚よりも低い。
このような第2の凹状治具81および第2の凸状治具82を用いて、突起51b~55bを形成する。まず、嵌め込み凹部83にシェル形外輪41bを嵌め込む。この場合、シェル形外輪41bの外輪外径面42bが嵌め込み凹部83の内壁面に嵌め込まれるようにシェル形外輪41bを配置する。
次に、上記した第2の凸状治具82を準備し、先端部84側からシェル形外輪41bの内部へ矢印Zで示す向きに押し進める。そうすると、シェル形外輪41bの外輪内径面43bの一部が、外輪第2端面45b側から削られる。そして、第2の凸状治具82をそのまま押し進めると、図14に示すように、削られたシェル形外輪41bの外輪内径面43aが盛り上がり、外輪内径面43bから立ち上がる突起51b~55bが形成される。また、突起51b~55bの形成と共に、薄肉部56b~60bが形成される。この場合、リブ86は周方向に間隔をあけて5つ設けられているため、第2の凸状治具82を一度矢印Zの向きに押し進めるだけで、5つの突起51b~55bが同時に形成される。なお、5つの薄肉部56b~60bについても、同時に形成される。
その後については、シェル形外輪41aと同様に、浸炭窒化処理や浸炭処理といった熱処理を施して、シェル形外輪41bを完成させる。そして、シェル形外輪41bの内径側に、それぞれのポケット26aにころ11aを保持させた分割保持部29a,29bを組み入れ、第1係合部30aと第2係合部30bとを係合させて、シェル形外輪41bの内径側において保持器21aを円環状に組み立てる。このようにして、転がり軸受10bを製造する。
このような転がり軸受10bによっても、生産性が良好であり、低フリクション化を実現することができる。
また、このような構成のシェル形外輪41bを含む転がり軸受10bは、シェル形外輪41bを製造する際に、第2の凸状治具82を一度押し進めるだけで、突起51b~55bを全て形成することができるため、生産性の向上を図ることができる。また、この場合、実施の形態1の場合と異なり、シェル形外輪41bの外輪外径面42bにおいて、窪みを有さず、外輪外径面42bが円筒面を形成することができる。
本実施形態においては、シェル形外輪41bは、軸方向において突起51b~55bと第2端部18bとの間に配置され、シェル形外輪41bの肉を減ずるように形成された薄肉部56b~60bを含む。よって、例えば、転がり軸受10bを密封する際に用いるシール部材を転がり軸受に取り付ける際に、この薄肉部56b~60bを利用することができる。具体的には、例えば、シェル形外輪41bの軸方向の第2端部18b側にシール部材を取り付ける際に、この薄肉部56b~60bと環状のシール部材の外径側において薄肉部56b~60bに対応する部分に設けられた突出部とを係合させて、転がり軸受10bにおけるシール部材の安定した保持を実現することができる。なお、このような薄肉部56b~60bは、シェル形外輪41bの内径側を削って突起51b~55bを形成する際に、容易に形成することができる。
(他の実施の形態)
なお、上記の実施の形態においては、転がり軸受は、ワッシャを含むこととしたが、これに限らず、転がり軸受は、ワッシャを含まなくてもよい。
また、上記の実施の形態においては、保持器は、2つの分割保持部を含むこととしたが、これに限らず、3つ以上の分割保持部を含むこととしてもよい。また、分割されず、一体の円環状の保持器であってもよい。この場合、例えば、内径側に弾性変形が可能な構成とし、シェル形外輪41aの内径側に保持器を配置する際に、保持器の弾性変形を利用してシェル形外輪41aの内径側に配置することにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、突起は合計5つ設けることとしたが、これに限らず、突起は、2つ設けることにしてもよいし、3つ設けることにしてもよいし、4つ設けることにしてもよい。さらに突起は、6つ以上設けることにしてもよい。また、突起は、周方向に等配に設けられていなくてもよい。
また、上記の実施の形態においては、軌道面上を転動するころとして、針状ころを用いることにしたが、これに限らず、ころとして円筒ころや棒状ころを用いることにしてもよい。
なお、上記実施の形態においては、内径側に不図示の軸が配置される前提で説明したが、これに限らず、内方部材として、たとえば軌道輪(内輪)が採用されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10a,10b 転がり軸受、11a ころ、12a 転動面、13a 軌道面、14a ころ第1端面、15a ころ第2端面、16 回転中心軸、17a 第1端部、18a,18b 第2端部、19a 第1領域、20a,20b 第2領域、21a 保持器、22a 保持器外径面、23a 保持器内径面、24a 保持器第1端面、25a 保持器第2端面、26a ポケット、27a,27b 環状部、28 柱部、29a,29b 分割保持部、30a 第1係合部、30b 第2係合部、31a ワッシャ、32a ワッシャ外径面、33a ワッシャ内径面、34a ワッシャ第1端面、35a ワッシャ第2端面、36a 切断部、41a,41b シェル形外輪、42a,42b 外輪外径面、43a,43b 外輪内径面、44a 外輪第1端面、45a,45b 外輪第2端面、46a 鍔部、47a 鍔部端面、48a 突起端面、51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54b,55a,55b 突起、56a,57a,58a,59a,60a 窪み、56b,57b,58b,59b,60b 薄肉部、71 第一の凹状治具、72 第1の凸状治具、73 台座治具、74,78 円弧面、75 溝部、76 面、77 凸部、79 受け入れ凹部、81 第2の凹状治具、82 第2の凸状治具、83 嵌め込み凹部、84 先端部、85 外周面、86 リブ。

Claims (6)

  1. 内径側に軌道面を有するシェル形外輪と、
    前記軌道面上に配置される複数のころと、
    前記シェル形外輪の内径側に配置され、前記複数の針状ころを保持する保持器と、を備え、
    前記シェル形外輪は、前記保持器の軸方向の移動を規制する移動規制部を含み、
    前記ころの直径を長さDとし、前記シェル形外輪の肉厚を長さTとすると、
    長さDは、2mm以下であり、
    長さTは、0.3mm以上であり、
    0.5≦長さD/長さT<1.5の関係を有する、転がり軸受。
  2. 長さDは、0.2mm以上である、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 長さTは、2.0mm以下である、請求項1または請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 前記シェル形外輪の外輪内径面に沿った円環状であり、軸方向において前記保持器と前記突起との間に配置されるワッシャをさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  5. 前記保持器は、樹脂製であって、周方向に分割された分割保持器である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の転がり軸受。
  6. 前記ころは、針状ころである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の転がり軸受。
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