JP2023070628A - 再生された合成樹脂の製造方法及びリサイクル方法 - Google Patents

再生された合成樹脂の製造方法及びリサイクル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】廃棄されたプラスチック類である合成樹脂から着色剤、発色剤、紙粉、又は無機物質等の、着色の原因や物性の低下を引き起こす異物を除去することが可能で、且つ、得られた再生された合成樹脂の物性が、繰り返しリサイクル工程を経ても一定以上を満たすような、再生された合成樹脂を得る方法を提供することにある。【解決手段】異物を含有した合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、前記工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2と、前記異物を分離した混合物残部中の、合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、をこの順に含むことを特徴とする、再生された合成樹脂の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は再生されたポリスチレン系樹脂等の合成樹脂の製造方法及びリサイクル方法に関する。
工場や家庭から排出される廃棄されたプラスチック類には種々のプラスチック即ち合成樹脂が存在するが、中でもポリスチレンは、食品包装用トレー、電化製品や情報機器のケース、断熱材、緩衝材など多くの分野に利用されており、廃棄されたプラスチック類に占める割合も多い。そのため大量に排出される廃棄されたポリスチレンを資源としてリサイクルすることは重要な技術的課題であり、種々のリサイクル方法が提案されている。
現在の一般的なリサイクル方法として、例えばポリスチレンを原料とする食品包装用トレーの場合は、回収された食品包装用トレーを、白トレーとカラートレーに人の手で選別する。その後白トレーは破砕、洗浄、溶融、押出等の工程を経て再生の白ペレットとし、それをまた白トレーに成形することでリサイクルがなされる。一方のカラートレーは、そのまま同様の工程とすると黒やグレー等に着色された着色ペレットとなる。再生着色ペレットを使用した再生プラスチックは、リサイクルとして使用はできるものの、その色から食品包装用トレーとして市場が受け入れにくいのが現状であり、リサイクル価値が著しく低下してしまう。また、溶融や押出等の工程の際に過剰の熱がかかることがあり、再生プラスチックは、再生前の(いわゆるバージン原料から得たバージン樹脂である)ポリスチレンと比べて物性が低下する場合もあった。
着色の原因となる顔料等の着色剤や異物を、リサイクル工程中に除去する技術は、いくつか知られている。例えば、着色剤を含有した発泡ポリスチレン系樹脂をSP値7.0~11.0、沸点60~200℃の有機溶剤に溶解後、吸着剤を添加して樹脂内に含有されている着色剤を吸着剤により分離し、次いで有機溶剤を除去する発泡ポリスチレン系樹脂の着色剤を除去する方法や(例えば特許文献1参照)、市場回収発泡樹脂容器を粗粉砕して粗粉砕物とする工程と、前記粗粉砕物を水洗浄する工程と、前記水洗浄後の粗粉砕物をアルカリもしくは石鹸を含む温水で洗浄する工程と、脱水処理工程と、細粉砕物とする工程と、前記細粉砕物を溶融押出機を利用して減容と溶融を行い再生溶融樹脂とする工程とを少なくとも含むリサイクル方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1の方法は、発泡ポリスチレンを単に有機溶剤に溶解させて濾過を行い、溶剤を揮発させて再生されたポリスチレン(以後再生ポリスチレンと称する場合がある)を得ることから、濾過後に乾燥工程が必要であり、溶剤が残存していると物性低下が起こる可能性がある。
また、特許文献2の方法は、溶融押出機を利用して減容と溶融を行い再生溶融樹脂とする工程があるためポリスチレン樹脂に過剰の熱がかかり、得られた再生ポリスチレンの物性低下が生じ、繰り返しリサイクルに耐えない再生ポリスチレンとなる恐れがある。
一方、主に工場から廃棄されるポリスチレン等のプラスチック廃材は、着色の問題は有さない場合が多い。このような廃材には、例えばトレー等に成形後不要部分として切り落とされて発生する端材や、プラスチックの合成工程や成形工程において発生する不良品等が挙げられる。しかしながらこれらの廃材も、リサイクルするために前記同様に破砕、洗浄、溶融、押出等の工程を経る必要があり、熱により再生前のポリスチレンと比べて物性が低下する恐れがある。
特開平4-215804号公報 特開2013-6939号公報
本発明の課題は、廃棄されたプラスチック類である合成樹脂やその組成物から必要に応じて着色剤、発色剤、紙粉、又は無機物質等の、着色の原因や物性の低下を引き起こす異物を除去することが可能で、且つ、得られた再生された合成樹脂の物性が、繰り返しリサイクル工程を経ても一定以上を満たすような、リサイクル価値の高い、再生された合成樹脂を得る方法を提供することにある。
即ち本発明は、廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
前記合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
をこの順に含む再生された合成樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、前記廃棄された合成樹脂組成物が異物を含有した合成樹脂組成物であり、
前記合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
前記工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2と、
前記異物を分離した混合物残部中の、合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
をこの順に含む前記再生された合成樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、前記異物が、着色剤、発色剤、紙粉、又は無機物質である前記再生された合成樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、前記工程1において、廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物が、
前記廃棄された合成樹脂組成物と前記ラジカル重合性単官能モノマーとの総量に対し、前記廃棄された合成樹脂組成物の量が0.1質量%~50質量%の範囲である混合物である前記再生された合成樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、前記合成樹脂が、ラジカル重合性単官能モノマーを主原料とするラジカル(共)重合体である合成樹脂である前記再生された合成樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、前記合成樹脂がポリスチレン系樹脂であり、ラジカル重合性単官能モノマーがスチレンモノマーである前記再生された合成樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、前記工程1中の合成樹脂の重量平均分子量Mwと、前記工程3において、再生された合成樹脂の重量平均分子量Mwの比、Mw/Mwが、0.8以上となる前記再生された合成樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
前記合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
をこの順に含むことを特徴とする、合成樹脂のリサイクル方法を提供する。
また本発明は、前記廃棄された合成樹脂組成物が異物を含有した合成樹脂組成物であり、
前記合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
前記工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2と、
前記異物を分離した混合物残部中の、合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
をこの順に含む前記合成樹脂のリサイクル方法を提供する。
本発明の再生された合成樹脂の製造方法は、廃棄されたプラスチック類である合成樹脂から再生された合成樹脂を得ることが可能である。
また、工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2を有することで、着色剤、発色剤、紙粉、又は無機物質等の、着色の原因や物性の低下を引き起こす異物を除去することが可能となり、透明性が高くリサイクル価値の高い再生された合成樹脂を得ることができる。
また前記合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3を有することにより、分子量の低下等の物性低下等が最低限に押さえることができ、再生前のバージン原料により形成される合成樹脂と同等の強度や色相の、再生された合成樹脂を得ることができる。
また本発明の合成樹脂のリサイクル方法により、廃棄されたプラスチック類である合成樹脂再生された合成樹脂を得ることが可能である。
また、工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2を有することで、着色剤、発色剤、紙粉、又は無機物質等の、着色の原因や物性の低下を引き起こす異物を除去することが可能となり、透明性が高くリサイクル価値の高い再生された合成樹脂を得ることができる。
また前記合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3を有するにより、分子量の低下等の物性低下等が最低限に押さえることができ、再生前のバージン原料により形成される合成樹脂と同等の強度や色相の、再生された合成樹脂を得ることができる。
本発明における工程3の具体的態様の一例であるポリスチレン系樹脂の製造方法に使用する重合装置である。
(工程1)
本発明において工程1は、廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程である。
(廃棄された合成樹脂組成物)
本発明の工程1における「廃棄された合成樹脂組成物」とは、工場や家庭から排出される廃棄されたプラスチック類(以後廃棄プラスチック類と称する場合もある)を指す。例えばプラスチック製容易包装類をはじめとする廃棄プラスチック類は、リサイクル原料に再生するために、リサイクル設備を有する施設に収集される。廃棄プラスチック類は、プラスチックフィルムや成形プラスチックが混在している状態であることが多い。また、収集された廃棄プラスチック類には、流通時の視認性を付与する目的の印刷がなされていることが殆どである。またフィルムの多くは、機能性を付与するために、紙や金属箔、アルミナ、またはシリカ等の蒸着した無機蒸着層等が積層されている場合もある。即ち廃棄プラスチック類は、印刷原料の1つである着色剤や発色剤や、紙粉や、金属箔や無機蒸着層由来の無機物質が、異物として混入した状態となっている。
本発明の製造方法は、これらの廃棄プラスチック類の中でも、食品包装用トレー、電化製品や情報機器のケース、断熱材、緩衝材など多くの分野に利用されており廃棄プラスチック類に占める割合が多い、廃棄となったポリスチレン系樹脂を、再生ポリスチレン系樹脂とする方法に特に適する。また廃棄プラスチック類として、ポリスチレン系樹脂以外にも、廃棄されたポリ(メタ)アクリル系樹脂やビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂であり、ラジカル重合性単官能モノマーを主原料とするラジカル(共)重合体である合成樹脂は、本発明の製造方法により、再生させた合成樹脂として得ることが可能である。
また、本発明の製造方法における廃棄プラスチック類は、バージン樹脂のみからなっていてもよいし、バージン樹脂及びリサイクル樹脂を含んだ状態であってもよい。(なお廃棄プラスチック類においては、これらが分類できない場合であることが多い)。ここでバージン樹脂とは、いわゆるナフサ由来の通称バージン原料と呼ばれるモノマー原料から得た後、一度も、公知のリサイクル工程を経ていない樹脂を指す。
バージン樹脂からなる廃棄プラスチック類の例としては、主に工場から廃棄されるポリスチレン等のプラスチック廃材が挙げられる。これらは、前記着色剤や発色剤や、紙粉や、金属箔や無機蒸着層由来の無機物質が、異物として混入した状態であることは殆どない。工場からのプラスチック廃材としては例えば、トレー等に成形後不要部分として切り落とされて発生する端材、成形工程において発生する不良品や、プラスチックの合成工程、例えば連続重合プラントにおいてポリスチレン等を生産する場合、プラント稼働後に物性が安定するまでに廃棄せざるをえなかった初期不良品や、特定の製品を生産した後、生産品の目標物性を切替えた際に物性が目標に到達するまでの所謂移行品と呼ばれる不良品等が挙げられる。
(合成樹脂 ポリスチレン系樹脂)
本発明において、ポリスチレン系樹脂とは、市場に流通するポリスチレン系樹脂全般を指す。具体的には、不要となったポリスチレン製品や使用済みポリスチレン製品(廃棄ポリスチレン系樹脂、廃ポリスチレン系樹脂と称する場合がある)である。
ポリスチレン系樹脂に使用されるスチレンモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。また、前記スチレンと共重合可能なコモノマーを、スチレンと共重合することにより得られる共重合体であってもよい。スチレンと共重合可能なコモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類や、α-メチルスチレン、o-,m-,p-メチルスチレン等のスチレン以外の芳香族ビニル単量体類や、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸類や、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジ脂肪酸無水物類、あるいは、N-フェニルマレイミド等の不飽和ジ脂肪酸イミド類等があげられる。これらのコモノマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されていることが多い。
また、ポリスチレン系樹脂としては、これらの共重合体の他、
(1)前記ポリスチレン系樹脂からなる連続相にゴム状重合体がグラフト重合して粒子分散してなる樹脂や、
(2)前記スチレンと多分岐状マクロモノマーとの共重合体からなる連続相にゴム状重合体がグラフト重合して粒子分散してなる樹脂
(3)前記スチレンと多分岐状マクロモノマーとの共重合体
等、様々なバリエーションのポリスチレン系樹脂が存在する。本発明においてら、これらのポリスチレン系樹脂も区別なく使用することができる。
(ラジカル重合性単官能モノマーを主原料とするラジカル(共)重合体である合成樹脂)
前記ポリスチレン系樹脂以外の、ラジカル重合性単官能モノマーを主原料とするラジカル(共)重合体である合成樹脂としては、例えば、廃棄されたポリ(メタ)アクリル系樹脂やビニル系樹脂等が挙げられる。
(合成樹脂 (メタ)アクリル樹脂)
本発明において(メタ)アクリル樹脂とは、メタクリル樹脂とアクリル樹脂の総称を表し、(メタ)アクリル酸エステルとは、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの総称を表す。
(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするラジカル重合性単官能モノマーの共重合体であれば特段限定されない。ラジカル重合性単官能モノマーとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、iso-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso-ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー等が挙げられる。重合法は特に限定されず、公知の塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合法等で得たものが市場に出回っていることが多い。また、前述のスチレン系樹脂に使用されるスチレン系モノマーや、後述のビニル系樹脂に使用されるビニル基を有するモノマーが共重合されている場合もある。
(合成樹脂 ビニル系樹脂)
ビニル系樹脂としては、ラジカル重合性単官能モノマーとしてビニル基を有するモノマーの単独重合体や共重合体であればよく、代表的な単独重合体または共重合体としては、塩化ビニルや酢酸ビニルを使用した単独重合体または共重合体が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-プロピレン共重合体、塩化ビニル-スチレン共重合体、塩化ビニル-イソブチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-スチレン-無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル-スチレン-アクリロニリトル共重合体、塩化ビニル-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-イソプレン共重合体、塩化ビニル-塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、及びそれら相互のブレンド品或いは他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。これら塩化ビニル系樹脂は2種以上の混合物でもよく、他の合成樹脂との混合物でもよい。
また酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルモノマーの単独重合体である酢酸ビニル重合体、または酢酸ビニルモノマーと重合可能な不飽和モノマーとの共重合体である。不飽和モノマーとしては、例えば、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートモノマーに代表される長鎖(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等に代表される水酸基含有(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル等のビニルモノマー、エチレン等が挙げられる。
(異物)
本発明において、異物とは、前述の通り、収集された廃棄プラスチック類に使用されている、印刷物の印刷原料の1つである着色剤や発色剤や、紙粉や、金属箔や無機蒸着層由来の無機物質等を指す。
着色剤や発色剤において、多くは顔料等の着色剤である。顔料等の着色剤は、市場に流通する廃棄プラスチック類に、例えばポリスチレン系樹脂の容器であれば、使用される印刷インキやマスターバッチ等に含有されている。これらは前述の通り現在のリサイクル工程ではポリスチレン系樹脂と容易に分離できず、得られる再生ポリスチレン系樹脂は黒やグレー等に着色されてしまう。
また、紙粉や、金属箔や無機蒸着層由来の無機物質、埃等も、そのままでは前述の通り現在のリサイクル工程ではポリスチレン系樹脂と容易に分離できず、同様に得られる再生ポリスチレン系樹脂は黒やグレー等に着色されてしまうことがある。
本発明においては、このように、リサイクル過程において、本来のポリスチレン系樹脂の色である「無色透明」を有色化させる原因となる物質を「異物」と称している。
(ラジカル重合性単官能モノマー)
前記工程1で使用するラジカル重合性単官能モノマーとは、前記廃棄された合成樹脂組成物中に存在する合成樹脂、具体的にはポリスチレン系樹脂やポリ(メタ)アクリル系樹脂等のラジカル(共)重合体である合成樹脂を溶解可能な、溶解度の高い低分子モノマーを指す。具体的には、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ビニル基を有するモノマー等が挙げられる。
これらのラジカル重合性単官能モノマーは、前記合成樹脂を溶解させる機能を有する。更に、後述の工程3においては、前記合成樹脂と重合することで、再生ポリスチレン系樹脂等の再生された合成樹脂の一部となる。
これらのラジカル重合性単官能モノマーは、得られる再生された合成樹脂の物性低下を抑制できることから、ナフサ由来のモノマーであることが好ましい。
具体的には、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等のスチレンモノマーや、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類や、α-メチルスチレン、o-,m-,p-メチルスチレン等のスチレン以外の芳香族ビニル単量体類や、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸類や、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジ脂肪酸無水物類、あるいは、N-フェニルマレイミド等の不飽和ジ脂肪酸イミド類等があげられる。
(混合)
本発明の工程1においては、廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る。本発明において、「混合」とは、前記廃棄された合成樹脂組成物と、前記ラジカル重合性単官能モノマーとが混合した状態を示す。
前記混合物を得る容器は特に限定なく、例えば攪拌翼を有する槽を使用することができる。
また、混合させるときに、前記ラジカル重合性単官能モノマー中に前記合成樹脂が溶解するよう、加熱や攪拌等で溶解を促すことは好ましい。例えば加熱の場合はオイルヒーターやスチームヒーターを使用することができる。また攪拌の場合は、攪拌翼を用いることができる。この時使用するヒーターや攪拌翼に特に限定はなく、形状等公知のものを使用することができる。
前記工程1において、廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物が得られる。このとき、混合物全量、即ち前記廃棄された合成樹脂組成物と前記ラジカル重合性単官能モノマーとの総量に対し、前記廃棄された合成樹脂組成物の量(ここで「前記廃棄された合成樹脂組成物と前記ラジカル重合性単官能モノマーとの総量に対し、前記廃棄された合成樹脂組成物の量」を、「廃棄された合成樹脂組成物量P」と称す)が、0.1質量%~50質量%の範囲であれば、次の工程2において、前記異物を容易に分離することができ、あるいは工程3における重合において、重合ラインを使用する場合、圧力異常が無く運転が容易となる利点もあり好ましい。廃棄された合成樹脂組成物量Pは、中でも、5質量%~25質量%がなお好ましく、 10質量%~20質量%が最も好ましい。
前記工程1後、後述の工程3の間に、後述の工程2を有する場合は、工程1における当該混合物から前記異物を分離することから、前記ラジカル重合性単官能モノマー中に前記合成樹脂が溶解していることが好ましい。ここでいう「溶解」とは、後述の工程2において、分離に使用する濾過や遠心分離で、前記ラジカル重合性単官能モノマーと前記合成樹脂とが分離しない状態を指す。
(工程2)
前記工程1後、後述の工程3との間に、工程2を有していてもよく好ましい。
前記工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2を有することで、着色剤、発色剤、紙粉、又は無機物質等の、着色の原因や物性の低下を引き起こす異物を除去することが可能となり、透明性が高くリサイクル価値の高い再生された合成樹脂を得ることができる。特に、廃棄された合成樹脂組成物がリサイクル樹脂を含む場合は、工程2は有していることが好ましい。
一方で、再生された合成樹脂に、透明性を所望されない場合(例えば、有色の再生プラスチックパレットやハンガー等、プラスチック強度は必要とされるが透明性は要求されない用途に使用される場合)は、工程2は必須でなくてもよく、得られる再生された合成樹脂は有色であっても構わない。
本発明において工程2は、前記工程1で得た混合物から、前記異物を分離する工程である。
前記異物を分離する際に、前記工程1で溶解しきれなかった前記合成樹脂等も分離することができ、分離後の前記混合物残部中には、ほぼ、溶解した合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーのみからなる。
前記異物を分離する工程において、分離方法は、異物を分離できるのであれば特に方法は指定しない。代表的な分離方法としては、濾過や遠心分離が挙げられ、これらは単独で用いても併用してもよい。
濾過方法は特に限定されるものではなく、自然濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過、クロスフロー濾過が挙げられ、不溶分の堆積を防げる点からクロスフロー濾過が好ましい。クロスフロー濾過を行う際のフィルターの回転数は600~2500rpmが好ましく、1000~2000rpmがより好ましい。また濾過時の温度は溶液の重合が進行しない温度であればよく、溶液粘度の観点から25~70℃が好ましい。濾過に用いるフィルターは特に限定されるものではなく、濾紙、セラミックフィルター、グラスフィルター、メンブレンフィルター、ポリテトラフルオロエチレン製濾布、ポリフェニレンサルファイド製濾布、ポリプロピレン製濾布、ポリエステル製濾布、ナイロン製濾布等を使用できる。また、濾過の際には活性白土や活性炭などの多孔質の濾過助剤を使用することができる。
また遠心分離方法は特に限定されるものではなく、ディスク型遠心分離機、ノズル式ディスク型遠心分離機、デカンタ型遠心分離機、円筒型遠心分離機等を使用することができる。連続運転が可能かつ溶液中の不溶分が高濃度であっても分離できる点から、デカンタ型遠心分離機を使用することが好ましい。デカンタ型遠心分離機を用いる際の回転数は2000~6000rpmが好ましく、3000~5000rpmがより好ましい。また遠心分離時の温度は溶液の重合が進行しない温度であればよく、溶液粘度の観点から25~70℃が好ましい。
(工程3)
本発明において工程3は、工程1で得た前記合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合し、再生された合成樹脂を得る工程である。
また、工程2を有する場合は、前記工程2で前記異物を分離した混合物残部中の、合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合し、再生された合成樹脂を得る工程である。
前記工程2後の前記混合物残部中は、前述の通り、ほぼ、溶解した合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーのみからなる。従って、当該混合物残部を重合することで、、再生された合成樹脂、具体的には、ポリスチレン系樹脂や、ポリ(メタ)アクリル系樹脂やビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂である、ラジカル重合性単官能モノマーを主原料とする、再生されたラジカル(共)重合体を得ることができる。
工程3における、前記合成樹脂と前記ラジカル重合性単官能モノマーとを重合する方法は、特に限定なく公知の方法で重合できる。
重合方式には特に限定はないが、塊状重合、懸濁重合、あるいは溶液重合が好ましい。中でも生産効率の点で特に連続塊状重合が好ましく、例えば一個以上の攪拌式反応器と可動部分の無い複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んだ連続塊状重合を行うことにより、優れた樹脂を得ることができる。重合開始剤を使用せずに熱重合させることもできるが、種々のラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合に必要な懸濁剤や乳化剤などのような重合助剤は、使用する合成樹脂の製造に通常使用されているものを使用できる。
重合反応での反応物の粘性を低下させるために、反応系に有機溶剤を添加してもよく、その有機溶剤としては、例えば、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、シアノベンゼン、ジメチルフォルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン等が挙げられる。特に多分岐状マクロモノマーの添加量を多くしたい場合には、ゲル化を抑制する観点からも有機溶剤を使用することが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ビス(4,4-ジ-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ヘキシルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ジシナモイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、t-ブチルパーオキシイシプロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類、N,N’-アゾビスイソブチルニトリル、N,N’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、N,N’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、N,N’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、N,N’-アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
更に、得られる樹脂の分子量が過度に大きくなりすぎないように連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、連鎖移動基を1つ有する単官能連鎖移動剤でも連鎖移動基を複数有する多官能連鎖移動剤でも使用できる。単官能連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸エステル類等が挙げられる。多官能連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール中のヒドロキシ基をチオグリコール酸または3-メルカプトプロピオン酸でエステル化したもの等が挙げられる。
また、得られる再生された合成樹脂のゲル発生抑制のために、長鎖アルコールやポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル等も使用することが可能である。
また、得られる再生された合成樹脂の物性を損なわない範囲で、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、染料、可塑剤等も使用することが可能である。
前記工程1中の合成樹脂の重量平均分子量Mwと、前記工程3において、再生された合成樹脂の重量平均分子量Mwの比は、Mw/Mwが、0.8以上となることが好ましい。
(具体的態様の例 再生されたポリスチレン系樹脂の製造方法)
ここでは、廃棄された合成樹脂組成物が、廃棄ポリスチレン系樹脂であり、ラジカル重合性単官能モノマーがスチレンモノマーである本発明の具体的態様の一例について述べる。
前記工程1後(必要に応じて工程2後)、工程3において、図1に示す重合装置の反応容器を使用することは好ましい。すなわち、反応液はポンプ(1)によって攪拌式反応器(2)に送られ、次いでポンプ(3)によって循環重合ライン(I)に送られ、循環重合ライン(I)内をポンプ(7)によって循環し、循環後は非循環重合ライン(II)に送られる。ここで、循環重合ライン(I)は(4)~(6)から成る3つの反応器から構成され、非循環重合ライン(II)は(8)~(10)から成る3つの反応器から構成される。
また、必要に応じて、攪拌式反応器(2)と循環重合ライン(I)の間や、循環式重合ライン(I)と非循環式重合ライン(II)との間からモノマーや溶剤を追加添加することも可能である。
前記重合工程の後に、未反応モノマーや溶剤分を揮発するための脱揮槽1及び脱揮槽2が連結される。脱揮槽1、脱揮槽2はそれぞれ4.0kPa、1.3kPaの減圧下状態に調整しておくことが好ましく、脱揮槽1、脱揮槽2を通過後ペレット化される。
(食品包装容器)
本発明の製造方法で得た再生された合成樹脂は、黒やグレー等に着色されておらず、ナフサ由来のラジカル重合性単官能モノマーを主原料とするラジカル(共)重合体である合成樹脂と同等の強度、色相を示すことから、リサイクルプラスチックとして、様々な用途にまた展開可能となる。
例えば、得られた再生された合成樹脂を、必要に応じて、着色剤、水、有機溶剤などのその他の成分を含有した組成物を作製することにより、例えば、コーティング剤、インキ、接着剤として使用するプラスチック製品を製造することができる。
あるいは、得られた再生された合成樹脂をシート状に成形することにより、延伸シートや発泡シート等のプラスチック製品を製造することもできる。また、シート状のプラスチック製品を成形することにより、食品包装容器(例えば、食品トレー)などのプラスチック製品を製造することもできる。
さらには、再生された合成樹脂を含有する組成物を射出成形あるいはインジェクションブロー成形することにより、カップやボトル等の食品容器用プラスチック製品を製造することもできる。
以下、本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
[分子量の測定方法]
実施例および比較例に記載の重量平均分子量Mwの測定は、ポリスチレン換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)により、下記条件にて測定した値である。
(条件)
樹脂試料溶液;0.4質量%テトラヒドロフラン(THF)溶液
測定装置型番;HLC-8320GPC(東ソー株式会社製)
カラム ;TSK-GELGMHHR-H(東ソー株式会社製)
溶離液 ;テトラヒドロフラン(THF)
(実施例1)
(工程1)
廃棄された合成樹脂組成物として、リサイクル樹脂を含有し有色である廃棄プラスチックであるポリメタクリル酸メチルを使用し、ラジカル重合性単官能モノマーとしてメタクリル酸メチルを使用し、攪拌翼を有する槽中、40度で攪拌しながら混合物を得た。この際、合成樹脂であるポリメタクリル酸メチルは、メタクリル酸メチルに溶解した。
(工程2)
前記得られた混合物に対し、クロスフロー濾過(濾過機:三菱化工機社製の「DyF152/36d」であり濾過面積は1.22m2 である)を行い、混合物中の異物を取り除いた。前記異物を分離した混合物残部は、清澄な液体であった。
(工程3)
前記工程2で得た、前記異物を分離した混合物残部を、図1に示す重合装置により連続重合を行った。
工程3の後、ペレタイザーによりペレット化を行い、得られたペレットを射出成型機によりJIS K7152-1に準拠したダンベルを作製した。必要に応じて評価項目に沿った形状に切削加工して、再生された合成樹脂からなる試料を作製した。
(実施例2~5、7、9、11~16の作製)
廃棄された合成樹脂組成物及びラジカル重合性単官能モノマーを、表に示す、廃棄プラスチックである合成樹脂組成物、あるいはラジカル重合性単官能モノマーを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2~5、7、9、11~16を実施し、再生された合成樹脂からなる試料を作成した。
(実施例6、8、10の作製)
廃棄された合成樹脂組成物及びラジカル重合性単官能モノマーを、表1あるいは表2に示す、廃棄プラスチックである合成樹脂組成物、あるいはラジカル重合性単官能モノマーを使用し、実施例1と同様にして工程1を実施した。工程2において、デカンタ型遠心分離(遠心分離機:IHI社製の「HS-366L-HV」)を行い、混合物中の異物を取り除いた。前記異物を分離した混合物残部は、清澄な液体であった。その後、工程3以降は実施例1と同様にして、実施例6、8、10を実施し、再生された合成樹脂からなる試料を作成した。
(実施例17)
実施例7において、工程2を実施しない以外は実施例7と同様にして、再生された合成樹脂からなる試料を作成した。
(実施例18~20の作製)
廃棄された合成樹脂組成物として、工場から廃棄されたバージン樹脂からなり無色である廃棄プラスチックである合成樹脂組成物と、ラジカル重合性単官能モノマーを使用し、実施例1と同様にして工程1を実施した。工程2は行わず、工程3において工程1で作製した混合物を図1に示す重合装置により連続重合を行った。実施例17~19を実施し、再生された合成樹脂からなる試料を作成した。
(比較例1)
表3に記載のリサイクル樹脂を含有し有色であるポリスチレン系樹脂を粉砕し、二軸押出機を用いて250℃で溶融混錬することでペレット化した。得られた黒色ペレットを射出成型機によりJIS K7152-1に準拠したダンベルを作製し、必要に応じて評価項目に沿った形状に切削加工して、再生された合成樹脂からなる試料を作成した。
(比較例2、3)
廃棄された合成樹脂組成物及びラジカル重合性単官能モノマーを、表3に示す、廃棄プラスチックである合成樹脂組成物、あるいはラジカル重合性単官能モノマーを使用した以外は実施例1の工程1と同様にして、混合物を得た。
工程2において、実施例1と同様にクロスフロー濾過を行ったが、高粘度であったため固液分離を行うことができず、工程3が未実施であり、試料を得ることができなかった。
(比較例4)
廃棄された合成樹脂組成物及びラジカル重合性単官能モノマーを、表3に示す、廃棄プラスチックである合成樹脂組成物、あるいはラジカル重合性単官能モノマーを使用した以外は実施例1の工程1と同様にして、混合物を得た。
工程2において、実施例6と同様にデカンタ型遠心分離を行ったが、高粘度であったため固液分離を行うことができず、工程3が未実施であり、試料を得ることができなかった。
(試料等の評価方法)
[耐衝撃性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた試料を、JIS K7111-1に従って、シャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)を測定した。
[強度の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた試料を、JIS K7171に従って、曲げ強度を測定した。
[透明度の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた試料を、JIS K7361-1に従って、厚さ2mmの試験片を作製し全光線透過率を測定した。
結果を表1~3に示す。
なお表1~3中、工程1の空欄は未配合を表し、工程2及び工程3における記号は次の意味を表す。
工程2の評価
〇・・・実施して固液分離できたもの
×・・・実施して固液分離できなかったもの
―・・・実施していないもの
工程3の評価
〇・・・実施したもの
―・・・実施していないもの
Figure 2023070628000001
Figure 2023070628000002

Figure 2023070628000003
Figure 2023070628000004

Claims (9)

  1. 廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
    前記合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
    をこの順に含むことを特徴とする、再生された合成樹脂の製造方法。
  2. 前記廃棄された合成樹脂組成物が異物を含有した合成樹脂組成物であり、
    前記合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
    前記工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2と、
    前記異物を分離した混合物残部中の、合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
    をこの順に含む請求項1に記載の再生された合成樹脂の製造方法。
  3. 前記異物が、着色剤、発色剤、紙粉、又は無機物質である請求項2に記載の再生された合成樹脂の製造方法。
  4. 前記工程1において、廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物が、
    前記廃棄された合成樹脂組成物と前記ラジカル重合性単官能モノマーとの総量に対し、前記廃棄された合成樹脂組成物の量が0.1質量%~50質量%の範囲である混合物である請求項1に記載の再生された合成樹脂の製造方法。
  5. 前記合成樹脂が、ラジカル重合性単官能モノマーを主原料とするラジカル(共)重合体である合成樹脂である請求項1に記載の再生された合成樹脂の製造方法。
  6. 前記合成樹脂がポリスチレン系樹脂であり、ラジカル重合性単官能モノマーがスチレンモノマーであることを特徴とする請求項1に記載の再生された合成樹脂の製造方法。
  7. 前記工程1中の合成樹脂の重量平均分子量Mwと、前記工程3において、再生された合成樹脂の重量平均分子量Mwの比、Mw/Mwが、0.8以上となる請求項1に記載の再生された合成樹脂の製造方法。
  8. 廃棄された合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
    前記合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
    をこの順に含むことを特徴とする、合成樹脂のリサイクル方法。
  9. 前記廃棄された合成樹脂組成物が異物を含有した合成樹脂組成物であり、
    前記合成樹脂組成物とラジカル重合性単官能モノマーとの混合物を得る工程1と、
    前記工程1で得た混合物中から前記異物を分離する工程2と、
    前記異物を分離した混合物残部中の、合成樹脂とラジカル重合性単官能モノマーとを重合する工程3と、
    をこの順に含むことを特徴とする、請求項8に記載の合成樹脂のリサイクル方法。
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