JP2023067278A - 水洗大便器 - Google Patents

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知里 村山
Chisato Murayama
健一 中村
Kenichi Nakamura
博 橋本
Hiroshi Hashimoto
雄一 坪根
Yuichi Tsubone
茂 岡田
Shigeru Okada
賢一 高野
Kenichi Takano
聖 山崎
Sei Yamazaki
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【課題】汚物詰まりを抑えながらサイホン作用を確実に発生させること。【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、ボウル部と、吐水部と、排水トラップ部と、排水ソケットとを備える。ボウル部は、汚物受け面と、リム部とを有する。吐水部は、ボウル部内へと洗浄水を吐出する。排水トラップ部は、ボウル部の底部に接続され、ボウル部内の汚物を排出する。排水ソケットは、上流側が排水トラップ部に接続され、下流側が床面の排水口に接続される排水ソケットであって、上方からの洗浄水が前方へ向かうように流路を変更する後側R部と、後側R部よりも下流に設けられ、後方からの洗浄水が下方へ向かうように流路を変更する前側R部と、後側R部から前側R部までの流路において洗浄水の一部を貯留する水溜部とを有する。排水ソケットは、後側R部の最上流端および最下流端を除いた領域に、後側R部において断面積が最小となる狭小部を有する。【選択図】図3

Description

開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
従来、水洗大便器においては、ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と床面の排水口とを接続する排水ソケットを備える。また、排水ソケットには、配管形状に応じた種類が複数あり、例えば、上流側が排水トラップ部に接続され、下流側は一度便器後方へ振られた後(延在された後)、便器前方へ向けて延在して排水口に接続される、いわゆる後振排水ソケットなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第8011029号明細書
ところで、後振排水ソケットは、上方から流れてきた洗浄水が一度後方へ向かうように流路を屈曲させた箇所が洗浄水で満たされるため、サイホン作用が発生しやすいという利点を有する。一方で、後振排水ソケットは、流路が複雑化するため、サイホン作用が発生しても水勢が弱く、汚物が詰まりやすくなってしまう。このように、従来技術には、サイホン作用を確実に発生させることと汚物詰まりを抑えることとを両立させる点について改善の余地があった。
実施形態の一態様は、汚物詰まりを抑えながらサイホン作用を確実に発生させることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、ボウル形状の汚物受け面と、前記汚物受け面の上方に形成されたリム部とを有するボウル部と、前記リム部に設けられ、前記ボウル部内へ向けて洗浄水を吐出する吐水部と、前記ボウル部の底部に接続され、前記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、上流側が前記排水トラップ部に接続され、下流側が床面の排水口に接続され、前記排水トラップ部から排出された洗浄水の流路となる排水ソケットであって、上方から流れてきた洗浄水が前方へ向かうように流路を変更する後側R部と、前記後側R部よりも下流に設けられ、後方から流れてきた洗浄水が下方へ向かうように流路を変更する前側R部と、前記後側R部から前記前側R部までの流路において洗浄水の一部を貯留する水溜部とを有する排水ソケットとを備え、前記排水ソケットは、前記後側R部の最上流端および最下流端を除いた領域に、該後側R部において断面積が最小となる狭小部を有する。
このような構成によれば、狭小部よりも下流で、かつ、前方へ向かう洗浄水が流れる流路(横引き管)の上流側となる所定位置では、狭小部を通過した汚物が、狭小部よりも流路径が大きくなっている所定位置で詰まらず、流れやすくなる。これにより、汚物詰まりを抑えることができる。一方で、この所定位置は洗浄水が溜まった水溜部に位置しているので、所定位置を満水にするには水溜部の上面(貯留水の水面)から流路上部までを水で埋めればよい。このため、所定位置における水で埋める面積は、狭小部における水で埋める面積よりも小さい。これにより、サイホン作用を確実に発生させることができる。すなわち、このような構成によれば、汚物詰まりを抑えながらサイホン作用を確実に発生させることができる。
また、上記した水洗大便器では、前記後側R部は、前記最上流端から前記狭小部へかけて流路径が小さくなり、前記狭小部は、前記水溜部に配置される。
このような構成によれば、サイホン起動位置を床面の近く、すなわち、低い位置に設定することができ、汚物受け面の溜水面からの落差が大きくなるため、位置エネルギーを増大させることができる。これにより、サイホン作用による引き込み力の強化を図ることができ、汚物や洗浄水が流れ切らずに流路に残ってしまうような排水不良を抑えることができる。
また、上記した水洗大便器では、前記水溜部は、前記前側R部へかけて上り傾斜した傾斜面を有し、前記傾斜面は、下方へ向けて凹んだ凹部を形成する。
このような構成によれば、水溜部から前側R部へかけての傾斜角度が傾斜面によって徐々に大きくなるため、例えば、大きな汚物が水溜部から前側R部へ流入する場合でも、汚物が傾斜角度の急な変化によって停滞するのを抑制することができる。これにより、汚物が流れ切らずに流路に残ってしまうような排水不良を抑えることができる。
また、上記した水洗大便器では、前記後側R部に接続される横引き管を備え、前記横引き管は、少なくとも洗浄水の流路において露出している端縁部にはR加工が施される。
このような構成によれば、横引き管の露出している端縁部にR加工が施されているため、横引き管の端縁部に汚物が引っ掛かるのを防いで汚物詰まりを抑えることができる。
また、上記した水洗大便器では、前記後側R部に接続される横引き管を備え、前記後側R部および前記横引き管の接続部の近傍において、前記後側R部および前記横引き管の少なくとも一方には流路の周方向に沿って所定間隔で並んだ複数の凹部が形成される。
このような構成によれば、後側R部および横引き管の少なくとも一方に形成された凹部で跳ね返った洗浄水が乱流を起こすことで、流路を素早く満水にすることができる。これにより、サイホン作用の起動タイミングを早めることができ、汚物や洗浄水が流れ切らずに流路に残ってしまうような排水不良を抑えることができる。
また、上記した水洗大便器では、前記複数の凹部は、前記後側R部および前記横引き管における流路方向の中心を除いた位置に形成される。
このような構成によれば、複数の凹部によってサイホン作用の起動タイミングを早めつつも、上流側から流れてきた汚物の落下位置となりやすい流路方向の中心位置において凹部による汚物詰まりを抑えることができる。
実施形態の一態様によれば、汚物詰まりを抑えながらサイホン作用を確実に発生させることができる。
図1は、実施形態に係る水洗大便器を示す側断面図である。 図2は、排水ソケットの拡大断面図である。 図3は、後側R部における断面積の変化の説明図(その1)である。 図4は、後側R部における断面積の変化の説明図(その2)である。 図5は、サイホン起動位置の説明図である。 図6は、水溜部の拡大断面図である。 図7は、後側R部と横引き管との接続部を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施形態)
<水洗大便器の全体構成>
まず、図1を参照して実施形態に係る水洗大便器1の全体構成について説明する。図1は、実施形態に係る水洗大便器1を示す側断面図である。なお、図1では、説明を分かりやすくするため、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、他の図においても図示する場合がある。
また、以下の説明では、直交座標系におけるX軸正方向を「右方」、X軸負方向を「左方」、Y軸正方向を「前方」、Y軸負方向を「後方」、Z軸正方向を「上方」、Z軸負方向を「下方」と記載する場合がある。なお、図1および図2以降に示す図は、いずれも模式図である。
図1に示すように、水洗大便器1は、ボウル部2と、吐水部3と、排水トラップ部4と、排水ソケット5とを備える。また、水洗大便器1は、床置き式の水洗大便器である。なお、ボウル部2などを含む便器本体は、例えば陶器製であるが、これに限られず、例えば、樹脂製でもよいし、陶器および樹脂を組み合わせて製造されたものでもよい。
ボウル部2は、汚物受け面21と、リム部22とを備える。汚物受け面21は、汚物を受けることが可能なボウル状に形成される。リム部22は、汚物受け面21の上方に形成され、ボウル部2の上縁を構成するように形成される。なお、図1にあっては、図示の簡略化のため、ボウル部2の上部に設けられる便座や便座を覆うカバーなど一部の部材の図示を省略している。
吐水部3は、ボウル部2内へ向けて洗浄水を吐出する。例えば、吐水部3は、リム部22に設けられ、図示しない貯水タンクから供給される洗浄水を吐水口を介してボウル部2内へ吐出する。なお、図1では、図示の簡略化のため、吐水部3(吐水口)を二点鎖線で模式的に図示している。
吐水部3から吐出された洗浄水は、例えばボウル部2の汚物受け面21で旋回流を生じ、ボウル部2の洗浄を行う。また、ボウル部2へ供給された洗浄水は、便器洗浄後、ボウル部2および排水トラップ部4に貯留される。なお、図1では、ボウル部2および排水トラップ部4に貯留された洗浄水を二点鎖線で示し、かかる洗浄水を、以下では溜水Wと記載する場合がある。このように、排水トラップ部4等が溜水Wで満たされることで、溜水Wが封水として機能し、後述する排水配管61からの臭気等がボウル部2側へ逆流することを防止する。
排水トラップ部4の構成について説明すると、排水トラップ部4は、ボウル部2の底部2aに接続され、ボウル部2内の汚物を洗浄水とともに排出する。詳しくは、排水トラップ部4は、入口部41と、上昇管路42と、下降管路43とを備える。
入口部41は、ボウル部2の汚物受け面21の下方に連続するように接続され、ボウル部2からの洗浄水や汚物を排水トラップ部4へ流入させる。上昇管路42は、入口部41に接続され、入口部41の下流端部から斜め後ろ上方へ延びるように形成される。下降管路43は、上昇管路42に接続され、上昇管路42の下流端部から下方へ延びるように形成される。また、下降管路43の下流端部には、排水ソケット5が接続される。
従って、排水トラップ部4においては、便器洗浄が行われる場合、ボウル部2の洗浄水や汚物は、入口部41、上昇管路42および下降管路43を通って、排水ソケット5へと排出される。
<排水ソケットの構成>
次いで、排水ソケット5について説明する。排水ソケット5は、排水トラップ部4からの洗浄水や汚物を排水配管61へ排出する。例えば、排水ソケット5は、上流側が排水トラップ部4(正確には、排水トラップ部4の下降管路43)に接続されるとともに、下流側が床面Fの排水口62に接続され、よって排水トラップ部4から洗浄水等を排水配管61へ排出する流路となる。
また、排水ソケット5は、上記したように上流側が排水トラップ部4に接続され、下流側は一度便器後方(Y軸負方向)へ振られた後、便器前方(Y軸正方向)へ向けて延在して排水口62に接続される、いわゆる後振排水ソケットである。
ところで、上記した水洗大便器1にあっては、便器洗浄時、例えば排水ソケット5に洗浄水が満たされてサイホン作用が生じ、これによって汚物を排出させる。しかしながら、排水ソケット5が例えば後振排水ソケットである場合、排水ソケット5の排水流路の長さ(例えば、図1に示す排水流路の前後方向(Y軸方向)の長さLなど)が比較的長くなりやすい。そのため、水洗大便器1においては、サイホン作用が排水ソケット5の下流側まで持続しにくく、結果として排出性能が低下するおそれがある。なお、上記したサイホン作用が排水ソケット5の下流側まで持続しにくい事象は、後振排水ソケットに限らず、起こり得る。
そこで、本実施形態にあっては、汚物の排出性能を向上させることができるような構成とした。以下、かかる構成について、図2も参照しつつ具体的に説明する。図2は、排水ソケット5の拡大断面図である。
図1および図2に示すように、排水ソケット5は、上側排水ソケット(縦管)51と、後側R部52と、前側排水ソケット(横引き管)53と、前側R部54と、水溜部55と、絞り部56とを備える。なお、排水ソケット5は、樹脂製であるが、これに限定されるものではない。
縦管51は、鉛直方向(Z軸方向)に延在する配管であり、上方から流れてきた洗浄水を下方へ流す。例えば、縦管51は、図2に示すように、上流側端部51aが排水トラップ部4(正確には、排水トラップ部4の下降管路43)に接続され、下流側端部51bが後側R部52に接続される。
上流側端部51aと下流側端部51bとの間には、中間部51cが形成される。かかる中間部51cは、後方(Y軸負方向)側へ屈曲するように形成され、これによって縦管51における流路が後方へ振られることとなる。これにより、排水ソケット5にあっては、洗浄水が縦管51の屈曲箇所付近に満たされやすくなり、よってサイホン作用を発生させやすくすることができる。
後側R部52は、水洗大便器1の後側に配置され、上方から流れてきた洗浄水が前方へ向かうように流路を変更する配管である。例えば、後側R部52は、上流側端部52aが縦管51(正確には縦管51の下流側端部51b)に接続され、下流側端部52bが横引き管53に接続される。
上流側端部52aと下流側端部52bとの間には、湾曲部52cが形成される。かかる湾曲部52cは、前方へ湾曲するように形成されることで、上方から流れてきた洗浄水の流路を前方へ向かう流路に変更する。
横引き管53は、前後方向(Y軸方向)に延在する配管であり、後方から流れてきた洗浄水を前方へ流す。例えば、横引き管53は、上流側端部53aが後側R部52(正確には、後側R部52の下流側端部52b)に接続され、下流側端部53bが前側R部54に接続される。
上流側端部53aと下流側端部53bとの間には、中間部53cが形成される。かかる中間部53cは、前後方向に延在するように形成され、よって後方から流れてきた洗浄水を前方へ流す。
前側R部54は、後側R部52よりも下流に設けられ、後方から流れてきた洗浄水が下方へ向かうように流路を変更する配管である。例えば、前側R部54は、上流側端部54aが横引き管53(正確には横引き管53の下流側端部53b)に接続され、下流側端部54bが絞り部56を介して排水配管61の排水口62に接続される。
上流側端部54aと下流側端部54bとの間には、上昇部54cおよび下降部54dが形成される。上昇部54cは、上流側端部54aに接続され、上流側端部54aから斜め前上方へ延びるように形成される。下降部54dは、上昇部54cに接続され、上昇部54cの下流側から下方へ延びるように形成される。このように、前側R部54は、上昇部54cおよび下降部54dが湾曲するように形成されることで、後方から流れてきた洗浄水の流路を下方へ向かう流路に変更する。
また、排水ソケット5においては、前側R部54が斜め前上方へ延びるように形成される上昇部54cを備えることから、後側R部52から前側R部54までの流路において洗浄水の一部を貯留する水溜部55が形成される。なお、図2では、水溜部55に貯留された洗浄水を二点鎖線で示し、かかる洗浄水を、以下では貯留水Wと記載する場合がある。
このように、排水ソケット5にあっては、貯留水Wが常に貯留される水溜部55を備えるため、例えば、便器洗浄時、貯留水Wを利用することで、比較的少ない洗浄水で配管内が満たされ、よってサイホン作用を早期に発生させることが可能になる。
また、貯留水Wを利用して比較的少ない洗浄水で配管内を満たすために、後側R部において狭小部521をさらに有する。
<後側R部の構成>
次いで、図3~図5を参照して後側R部52の構成についてさらに説明する。図3および図4は、後側R部52における断面積Sの変化の説明図である。なお、図3には、後側R部52の断面斜視を用いて、後側R部52における上流から下流までの各位置の断面積Sの態様を示している。また、図4には、後側R部52における断面積Sの変化をグラフで示している。図5は、サイホン起動位置Pの配置の説明図である。なお、図5には、排水ソケット5を含む水洗大便器1の側断面を示している。
図3に示すように、後側R部52の最上流端(上流側端部52aの上流端)および最下流端(下流側端部52bの下流端)を除いた領域、すなわち、湾曲部52cの所定位置に狭小部521が設けられる。狭小部521は、後側R部52において断面積Sが最小となる部位である。
なお、図3に示すように、後側R部52の断面積Sとは、後側R部52の流路内におけるエア断面積Sと水断面積(水溜部55に溜まった貯留水Wの断面積)Sとの合計値である。図3においては、上流側から、流路断面A(上流側端部52aの断面),A1,A2,B(狭小部521の断面),C(下流側端部52bの断面)の各断面積Sを示している。後側R部52において断面積Sが最小となる狭小部521は、水溜部55に配置される。
図4に示すように、後側R部52は、最上流端(上流側端部52a)から狭小部521へかけて後側R部52の流路径、すなわち、流路断面の断面積Sが徐々に小さくなる。また、後側R部52は、狭小部521から最下流端(下流側端部52b)へかけて後側R部52の流路径、すなわち、流路断面の断面積Sが徐々に大きくなる。このように、断面積Sは、A>B,B<Cの関係となり、狭小部521は、後側R部52において断面積Sが最小となる。
一方で、後側R部52の流路内におけるエア断面積Sは、最上流端(上流側端部52a)から徐々に小さくなり、狭小部521を下流側へ超えても縮小を続ける。すなわち、後側R部52の流路内におけるエア断面積Sは、最上流端(上流側端部52a)から最下流端(下流側端部52b)へかけて徐々に小さくなる。
また、狭小部521が水溜部55に入り込んでいるため、図5に示すように、洗浄水の流路において、狭くて抵抗が生じるようになっている部分であり、流路内が洗浄水で満たされることでサイホン作用を発生させる位置であるサイホン起動位置P(狭小部521の位置)が床面Fに近い位置に設定される。この場合、汚物受け面21の溜水Wの上面(溜水面)からの落差Hが大きくなり位置エネルギーが増大して、サイホン作用による引き込み力が強化される。
また、汚物受け面21の溜水Wの上面(溜水面)からの落差Hを確保できることで、例えば、汚物受け面21に対する汚物の付着を抑制するために溜水Wの範囲を広げた場合に溜水Wの上面(溜水面)の高さが低くなったとしても、落差Hを十分に確保することができ、位置エネルギーが減少することもないため、サイホン作用による引き込み力を強化することができる。
<水溜部の構成>
次いで、図6を参照して水溜部55の構成についてさらに説明する。図6は、水溜部55の拡大断面図である。
図6に示すように、水溜部55は、下流側の底面において、前側R部54へかけて上り傾斜した傾斜面551を有する。傾斜面551は、底面が下方へ向けて凹んだ状態となる凹部552を形成する。水溜部55は、傾斜面551によって、前側R部54へかけての傾斜角度が徐々に大きくなる。
このように、水溜部55において、前側R部54へかけての傾斜角度が徐々に大きくなるため、例えば、大きな汚物が水溜部55から前側R部54へ流入する場合でも、傾斜角度の急な変化による汚物の停滞が抑制される。
<前側排水ソケット(横引き管)の構成>
次いで、図7を参照して前側排水ソケット(横引き管)53の構成についてさらに説明する。図7は、後側R部52と横引き管53との接続部Pを示す概略斜視図である。
図7に示すように、前側排水ソケットである横引き管53は、その上流側の端部が後側R部52に接続される。横引き管53は、円筒状の配管であり、後側R部52に接続される側(上流側)の端縁部のうち、少なくとも洗浄水の流路において流路内に露出している内周側の端縁部531には、R加工が施されている。すなわち、流路内に露出している内周側の端縁部531は、エッジのない滑らかな角となる。
また、後側R部52および横引き管53の少なくとも一方には、後側R部52と横引き管53との接続部Pの近傍において、複数の凹部57が形成される。なお、図7においては、複数の凹部57は、後側R部52側に形成されている。このような複数の凹部57は、後側R部52および横引き管53における流路方向D1の中心(中心線L)を除いた位置に形成される。
また、複数の凹部57は、後側R部52の流路または横引き管53の流路の周方向D2に沿って所定間隔をあけて並んでいる。
なお、このような複数の凹部57においても、流路内に露出している周縁部にはR加工が施されていることが好ましい。このため、複数の凹部57の流路内に露出している周縁部は、エッジのない滑らかな角となる。
以上説明したように、上記した実施形態によれば、狭小部521よりも下流で、かつ、前方へ向かう洗浄水が流れる流路(横引き管53)の上流側となる所定位置では、狭小部521を通過した汚物が、狭小部521よりも流路径が大きくなっている所定位置で詰まらず、流れやすくなる。これにより、汚物詰まりを抑えることができる。一方で、この所定位置は洗浄水が溜まった水溜部55に位置しているので、所定位置を満水にするには水溜部55の上面(貯留水Wの上面)から流路上部までを水で埋めればよい。このため、所定位置における水で埋める面積は、狭小部521における水で埋める面積よりも小さい。これにより、サイホン作用を確実に発生させることができる。すなわち、汚物詰まりを抑えながらサイホン作用を確実に発生させることができる。
また、サイホン起動位置P(洗浄水の流路において、狭くて抵抗が生じるようになっている部分)を床面Fの近く、すなわち、低い位置に設定することができ、汚物受け面21の溜水Wの上面(溜水面)からの落差Hが大きくなるため、位置エネルギーを増大させることができる。これにより、サイホン作用による引き込み力の強化を図ることができ、汚物や洗浄水が流れ切らずに流路に残ってしまうような排水不良を抑えることができる。
また、水溜部55から前側R部54へかけての傾斜角度が傾斜面551によって徐々に大きくなるため、例えば、大きな汚物が水溜部55から前側R部54へ流入する場合でも、汚物が傾斜角度の急な変化によって停滞するのを抑制することができる。これにより、汚物が流れ切らずに流路に残ってしまうような排水不良を抑えることができる。
また、横引き管53の露出している端縁部531にR加工が施されているため、横引き管53の端縁部531に汚物が引っ掛かるのを防いで汚物詰まりを抑えることができる。
また、後側R部52および横引き管53の少なくとも一方に形成された凹部57で跳ね返った洗浄水が乱流を起こすことで、流路を素早く満水にすることができる。これにより、サイホン作用の起動タイミングを早めることができ、汚物や洗浄水が流れ切らずに流路に残ってしまうような排水不良を抑えることができる。
また、複数の凹部57によってサイホン作用の起動タイミングを早めつつも、上流側から流れてきた汚物の落下位置となりやすい流路方向Dの中心(中心線L)位置において凹部57による汚物詰まりを抑えることができる。
なお、上記した実施形態では、後側R部52に接続される側(上流側)の端縁部のうち、少なくとも洗浄水の流路において流路内に露出している内周側の端縁部531にR加工が施されているが、例えば、横引き管53の上流側の端縁部のすべてにR加工が施されてもよい。
また、上記した実施形態では、後側R部52および横引き管53の少なくとも一方には、複数の凹部57が形成される構成としているが、例えば、後側R部52および横引き管53の少なくとも一方に凹部57が1つだけ形成される構成であってもよい。なお、この場合も、凹部57は、後側R部52および横引き管53における流路方向D1の中心(中心線L)を除いた位置に形成される。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 水洗大便器
2 ボウル部
3 吐水部
4 排水トラップ部
5 排水ソケット
21 汚物受け面
22 リム部
51 上側排水ソケット(縦管)
52 後側R部
52a 最上流端(上流側端部)
52b 最下流端(下流側端部)
53 前側排水ソケット(横引き管)
54 前側R部
55 水溜部
57 凹部
62 排水口
521 狭小部
531 端縁部
551 傾斜面
552 凹部
F 床面
接続部
サイホン起動位置
D1 流路方向
D2 周方向
貯留水
溜水
L 長さ
中心線
S 断面積
エア断面積
水断面積

Claims (6)

  1. ボウル形状の汚物受け面と、前記汚物受け面の上方に形成されたリム部とを有するボウル部と、
    前記リム部に設けられ、前記ボウル部内へ向けて洗浄水を吐出する吐水部と、
    前記ボウル部の底部に接続され、前記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、
    上流側が前記排水トラップ部に接続され、下流側が床面の排水口に接続され、前記排水トラップ部から排出された洗浄水の流路となる排水ソケットであって、上方から流れてきた洗浄水が前方へ向かうように流路を変更する後側R部と、前記後側R部よりも下流に設けられ、後方から流れてきた洗浄水が下方へ向かうように流路を変更する前側R部と、前記後側R部から前記前側R部までの流路において洗浄水の一部を貯留する水溜部とを有する排水ソケットと
    を備え、
    前記排水ソケットは、
    前記後側R部の最上流端および最下流端を除いた領域に、該後側R部において断面積が最小となる狭小部を有する
    ことを特徴とする水洗大便器。
  2. 前記後側R部は、
    前記最上流端から前記狭小部へかけて流路径が小さくなり、
    前記狭小部は、
    前記水溜部に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
  3. 前記水溜部は、
    前記前側R部へかけて上り傾斜した傾斜面を有し、
    前記傾斜面は、
    下方へ向けて凹んだ凹部を形成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の水洗大便器。
  4. 前記後側R部に接続される横引き管
    を備え、
    前記横引き管は、
    少なくとも洗浄水の流路において露出している端縁部にはR加工が施される
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の水洗大便器。
  5. 前記後側R部に接続される横引き管
    を備え、
    前記後側R部および前記横引き管の接続部の近傍において、前記後側R部および前記横引き管の少なくとも一方には流路の周方向に沿って所定間隔で並んだ複数の凹部が形成される
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の水洗大便器。
  6. 前記複数の凹部は、
    前記後側R部および前記横引き管における流路方向の中心を除いた位置に形成される
    ことを特徴とする請求項5に記載の水洗大便器。
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