JP2023066214A - 燃料電池用ガス拡散層および燃料電池用ガス拡散層の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素繊維層を含む燃料電池用ガス拡散層を容易に薄く形成することのできる燃料電池用ガス拡散層および燃料電池用ガス拡散層の製造方法を提供する。【解決手段】カソード側ガス拡散層30はMPL32と炭素繊維層31とが積層された積層構造をなす。炭素繊維層31を構成する炭素繊維71は、平均繊維長が30μm以上500μm以下のものである。この炭素繊維71は、少なくとも一部が、MPL32の主成分をなす合成樹脂材料を介して、MPL32に結合されている。カソード側ガス拡散層30の製造工程は、補助フィルム61にMPL塗工液62Aを塗工する塗工工程と、補助フィルム61に対してMPL塗工液62Aの表面を覆うようになる態様で、炭素繊維71を振り掛ける振り掛け工程とを含む。製造工程は、塗工工程および振り掛け工程の後に、炭素繊維71によって表面が覆われた状態のMPL塗工液62Aを硬化させる硬化工程を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池用ガス拡散層および燃料電池用ガス拡散層の製造方法に関するものである。
固体高分子形燃料電池は、膜電極接合体と、一対のガス拡散層と、一対のセパレータとを備えている。膜電極接合体は、電解質膜と、電解質膜の各々の面に形成された触媒電極層であるアノードおよびカソードとを備えている。燃料電池は、膜電極接合体が一対のガス拡散層の間に挟まれた構造をなすとともに、それら膜電極接合体および一対のガス拡散層が厚さ方向の両側から一対のセパレータによって挟持されている。
特許文献1には、ガス拡散層が開示されている。このガス拡散層は、基材と多孔体薄膜(Micro Porous Layer、以下MPL)とが積層された積層構造をなしている。基材は、炭素繊維と炭素繊維を結合するバインダーとによって多孔質シート状に形成されたものである。MPLは、合成樹脂材料および導電性材料(カーボンブラックなど)を主成分とする多孔質状の薄膜である。
国際公開第2020/213324号
上記燃料電池では、燃料ガスや酸化剤ガスなどの反応ガスが、ガス拡散層を通過した後に、膜電極接合体に到達するようになっている。そのため、ガス拡散層を薄くすることにより、同ガス拡散層を反応ガスが通過し易くなって、燃料電池の発電性能を向上させることが可能になる。また、ガス拡散層を薄くすることにより、燃料電池の小型化を図ることなども可能になる。
ここで、上記ガス拡散層では、炭素繊維を含む基材は剛性が高いのに対して、炭素繊維を含まないMPLは剛性が低い。
ガス拡散層を薄くするためには、基材を省略してMPLのみによってガス拡散層を構成することが考えられる。この場合には、ガス拡散層の剛性が低くなってしまうため、ガス拡散層の耐久性能の低下を招いたり、同ガス拡散層の変形による発電性能の低下を招いたりしてしまう。
また、ガス拡散層を薄くするためには、同ガス拡散層を構成する基材を薄くすることなども考えられる。基材が薄くなるほど、同基材を、炭素繊維を用いて多数の細孔を有する多孔質シート状に形成することが困難になる。しかも、基材が薄くなるほど、同基材の剛性が低くなるため、製造過程における基材の取り扱いが困難になる。したがって、ガス拡散層を薄くするべく基材を薄くする場合には、ガス拡散層の製造にかかる工程が繁雑になってしまう。
上記課題を解決するための燃料電池用ガス拡散層は、合成樹脂材料および導電性材料を主成分とする多孔質層状をなすマイクロポーラス層と、炭素繊維が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層と、が積層された積層構造の燃料電池用ガス拡散層において、前記炭素繊維は、平均繊維長が30μm以上500μm以下のものであり、且つ、少なくとも一部が前記合成樹脂材料を介して前記マイクロポーラス層に結合されている。
多孔質層状をなす炭素繊維層を形成する場合には、繊維長の短い炭素繊維を形成材料として利用することが難しい。この場合において繊維長の短い炭素繊維を利用すると、炭素繊維同士を絡ませて互いに保持させることが難しいため、炭素繊維を層状にすることが困難になる。
上記構成によれば、マイクロポーラス層の主成分である合成樹脂材料を利用して同マイクロポーラス層に個々の炭素繊維を固定(結合)することができる。これにより、炭素繊維が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層をマイクロポーラス層と一体に形成することができるようになる。しかも、炭素繊維層を形成するうえで、炭素繊維の一部がマイクロポーラス層(具体的には、その主成分である合成樹脂材料)に接していればよいため、この炭素繊維として、繊維長の短いものを利用することができるようになる。また、炭素繊維の一部がマイクロポーラス層に接していればよいため、同炭素繊維を含む炭素繊維層を薄くすることもできる。このように上記構成によれば、炭素繊維層を含む燃料電池用ガス拡散層を容易に薄く形成することができる。
上記燃料電池用ガス拡散層において、前記炭素繊維は、前記合成樹脂材料を含む部分に埋め込まれた状態になっていることが好ましい。
上記構成によれば、合成樹脂材料により、炭素繊維の外面がマイクロポーラス層に対して広い範囲にわたって固定(結合)されるようになる。これにより、炭素繊維層を構成する炭素繊維をマイクロポーラス層に確実に固定することができるため、炭素繊維層を安定した構造にすることができる。
上記燃料電池用ガス拡散層において、前記燃料電池用ガス拡散層の厚さは10μm以上100μm以下であることが好ましい。
前記課題を解決するための燃料電池用ガス拡散層の製造方法は、合成樹脂材料および導電性材料を主成分とする多孔質層状をなすマイクロポーラス層と、炭素繊維が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層と、が積層された積層構造の燃料電池用ガス拡散層を製造する製造方法であって、補助フィルムに、前記合成樹脂材料および前記導電性材料を主成分とする前記マイクロポーラス層の形成材料を塗工する塗工工程と、前記補助フィルムに対して、前記形成材料の表面を覆うようになる態様で、平均繊維長が30μm以上500μm以下の前記炭素繊維を振り掛ける振り掛け工程と、前記塗工工程および前記振り掛け工程の後に、前記炭素繊維によって表面が覆われた状態の前記形成材料を硬化させる硬化工程と、を含む。
上記製造方法によれば、塗工工程および振り掛け工程を通じて、ばらばらの状態の炭素繊維を、硬化前の形成材料の表面を覆うように配置することができる。そして、この状態で形成材料を硬化させることで、同形成材料を利用して、マイクロポーラス層に個々の炭素繊維を固定(結合)することができる。これにより、炭素繊維が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層をマイクロポーラス層と一体に形成することができる。
上記製造方法では、ばらばらの状態の炭素繊維がマイクロポーラス層に固定されて、炭素繊維層が形成される。これにより、炭素繊維を層状にするために炭素繊維同士を絡ませて互いに保持させる必要がなくなる。そのため、炭素繊維層を構成する炭素繊維として繊維長の短いものを用いることができ、同炭素繊維を含む炭素繊維層を薄くすることができる。しかも、ばらばらの状態の炭素繊維を振り掛けるといった簡単な作業を通じて炭素繊維層を形成することができる。これにより、予め形成した薄い炭素繊維層を用いる場合と比較して、燃料電池用ガス拡散層の製造過程における炭素繊維層の取り扱いが容易になる。このように上記製造方法によれば、炭素繊維層を含む燃料電池用ガス拡散層を容易に薄く形成することができる。
上記製造方法において、前記塗工工程は、前記補助フィルムに前記形成材料を塗工する工程であり、前記振り掛け工程は、前記塗工工程の後に、前記形成材料の表面に前記炭素繊維を振り掛ける工程である。
上記製造方法によれば、補助フィルムに形成材料を塗工した後に、この形成材料に炭素繊維を振り掛けるといった作業を通じて、ばらばらの状態の炭素繊維を硬化前の形成材料の表面を覆うように配置することができる。
上記製造方法において、前記合成樹脂材料としては熱硬化性のものが用いられ、前記硬化工程は、熱プレス加工を通じて前記形成材料を硬化させる工程であることが好ましい。
上記製造方法によれば、炭素繊維を形成材料に埋め込んだ状態にするとともに、その状態で形成材料を硬化させることができる。この場合には、合成樹脂材料によって、炭素繊維の外面がマイクロポーラス層に対して広い範囲にわたって固定されるようになる。これにより、炭素繊維層を構成する炭素繊維をマイクロポーラス層に確実に固定することができるため、炭素繊維層を安定した構造にすることができる。
上記製造方法において、前記振り掛け工程は、前記補助フィルム上に前記炭素繊維を振り掛ける工程であり、前記塗工工程は、前記振り掛け工程の後に、前記補助フィルムにおける前記炭素繊維が振り掛けられた部分に前記形成材料を塗工する工程である。
上記製造方法によれば、補助フィルムに炭素繊維を振り掛けた後に、その炭素繊維を覆い隠すように形成材料を塗工するといった作業を通じて、ばらばらの状態の炭素繊維を硬化前の形成材料の表面を覆うように配置することができる。
上記製造方法において、前記塗工工程と前記硬化工程との間において、前記補助フィルムに塗工された前記形成材料に膜電極接合体を重ね合わせる重ね合わせ工程を含む。
上記製造方法によれば、燃料電池用ガス拡散層を、膜電極接合体と一体に形成することができる。
上記製造方法において、前記合成樹脂材料としては熱硬化性のものが用いられ、前記硬化工程は、前記補助フィルムと前記炭素繊維と前記形成材料と前記膜電極接合体とからなる中間製品を、前記補助フィルム側の外面を加熱するとともに前記膜電極接合体側の外面を冷却しつつ、前記中間製品の厚さ方向においてプレスする工程であることが好ましい。
上記製造方法によれば、中間製品を厚さ方向においてプレスすることにより、炭素繊維が形成材料に埋め込まれた状態にすることができる。そして、中間製品における補助フィルム側の外面を加熱しつつプレスすることにより、熱硬化性の合成樹脂材料を含む形成材料を炭素繊維が埋め込まれた状態で硬化させることができるようになる。しかも、中間製品における膜電極接合体側の外面を冷却しつつプレスすることにより、このとき中間製品における補助フィルム側の外面が加熱されるとはいえ、この加熱による膜電極接合体の温度上昇を抑えることができる。これにより、膜電極接合体の温度上昇による性能低下を抑えることができる。
本発明によれば、炭素繊維層を含む燃料電池用ガス拡散層を容易に薄く形成することができる。
第1実施形態にかかる燃料電池の単セルの側断面図である。 第1実施形態のアノード側ガス拡散層の概略構成を示す断面図である。 第1実施形態のカソード側ガス拡散層の概略構成を示す断面図である。 同カソード側ガス拡散層の製造手順を示すフローチャートである。 同カソード側ガス拡散層の製造手順を説明するための説明図である。 同カソード側ガス拡散層の概略構成を示す斜視図である。 第2実施形態のカソード側ガス拡散層の製造手順を示すフローチャートである。 第2実施形態のカソード側ガス拡散層の製造手順を説明するための説明図である。
(第1実施形態)
以下、図1~図6を参照して、燃料電池用ガス拡散層および燃料電池用ガス拡散層の製造方法の第1実施形態について説明する。
各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については実際と異なる場合がある。
本実施形態の燃料電池用ガス拡散層(以下、ガス拡散層と称する)は、固体高分子形燃料電池のスタックに用いられるものである。固体高分子形燃料電池のスタックは、複数の単セルが積層された構造を有している。
<単セル10>
図1に示すように、燃料電池の単セル10は、アノード側の第1セパレータ40と、カソード側の第2セパレータ50とにより挟持された発電部11を備えている。
発電部11は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下、MEA12)と、MEA12を挟持するアノード側ガス拡散層20およびカソード側ガス拡散層30とにより構成されている。アノード側ガス拡散層20は、MEA12と第1セパレータ40との間に設けられている。カソード側ガス拡散層30は、MEA12と第2セパレータ50との間に設けられている。
MEA12は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を有する固体高分子材料からなる電解質膜13と、電解質膜13を挟持する一対の電極触媒層14とを備えている。各電極触媒層14には、燃料電池における反応ガスの電気化学反応を促進するために、例えば白金などの触媒が担持されている。
<セパレータ40,50>
セパレータ40,50は、ステンレス鋼板によって形成されている。
第1セパレータ40は、互いに間隔をおいて並列して延在する複数の突条41と、互いに隣り合う2つの突条41の間において突条41に沿って延在するとともに反応ガスが流れるガス流路42とを有している。各突条41は、アノード側ガス拡散層20に当接している。なお、突条41およびガス流路42は、図1の紙面に直交する方向に延びている。
第2セパレータ50は、互いに間隔をおいて並列して延在する複数の突条51と、互いに隣り合う2つの突条51の間において突条51に沿って延在するとともに反応ガスが流れるガス流路52とを有している。各突条51は、カソード側ガス拡散層30に当接している。なお、突条51およびガス流路52は、図1の紙面に直交する方向に延びている。
第1セパレータ40のガス流路42とアノード側ガス拡散層20とで区画される部分には、反応ガスとしての燃料ガスが流通する燃料ガス流路が形成されている。第2セパレータ50のガス流路52とカソード側ガス拡散層30とで区画される部分には、反応ガスとしての酸化ガスが流通する酸化ガス流路が形成されている。本実施形態において、燃料ガス流路を流通する燃料ガスは水素であり、酸化ガス流路を流通する酸化ガスは空気である。
<アノード側ガス拡散層20>
図2に示すように、アノード側ガス拡散層20は、基材層21とマイクロポーラス層(Micro Porous Layer、以下MPL22)とが積層された積層構造をなしている。図1および図2に示すように、アノード側ガス拡散層20は、基材層21が第1セパレータ40に接するとともにMPL22がMEA12に接する態様で、MEA12と第1セパレータ40との間に設けられている。
基材層21は、炭素繊維23と同炭素繊維23を結合するバインダーとによって多孔質シート状に形成されたものである。基材層21は、カーボンペーパーによって形成されている。基材層21を構成する炭素繊維23は、平均繊維長が数mm~数百mm(本実施形態では、10mm)のものであり、且つ、平均繊維径が5μm~20μmのものである。基材層21の厚さは、数百μm(本実施形態では、200μm)である。
MPL22は、合成樹脂材料および導電性材料(例えばカーボン粒子、金属繊維、金属粒子)を主成分とする多孔質層状をなしている。MPL22の厚さは、数十μm(本実施形態では、30μm)である。
MPL22は、次のように形成される。先ず、基材層21(詳しくは、カーボンペーパー)の表面にMPL形成用塗工液を塗布する。このMPL形成用塗工液は、カーボン粒子や分散剤、増粘剤を含むものである。その後、このMPL形成用塗工液を乾燥させる。これにより、基材層21の表面に多孔質膜状のMPL22が形成される。このアノード側ガス拡散層20を用いて、単セル10は組み立てられる。
<カソード側ガス拡散層30>
図3に示すように、カソード側ガス拡散層30は、炭素繊維層31とマイクロポーラス層(以下、MPL32)とが積層された積層構造をなしている。図1および図3に示すように、カソード側ガス拡散層30は、炭素繊維層31が第2セパレータ50に接するとともにMPL32がMEA12に接する態様で、MEA12と第2セパレータ50との間に設けられている。
MPL32は、熱硬化性の合成樹脂材料および導電性材料(例えばカーボン粒子、金属繊維、金属粒子)を主成分とする多孔質層状をなしている。MPL32の厚さは「15μm」程度に設定されている。
炭素繊維層31は、炭素繊維71が不規則に並んだ多孔質層状をなしている。炭素繊維層31を構成する炭素繊維71は、平均繊維長が300μm程度のもの(例えば、ミルドファイバー)であり、且つ、平均繊維径が5μm~20μmのものである。炭素繊維層31の厚さは数μm(本実施形態では、7μm)程度に設定されている。炭素繊維層31は、MPL32と同一の材料からなる層状部分に炭素繊維71が埋め込まれた構造になっている。炭素繊維層31では、MPL32の主成分をなす合成樹脂材料を介して、同MPL32に炭素繊維71が結合されている。炭素繊維層31の厚さは「5μm」程度に設定されている。
カソード側ガス拡散層30は、厚さが15μm程度のMPL32と、厚さが5μm程度の炭素繊維層31とが積層された積層構造をなしている。したがって、カソード側ガス拡散層30の厚さは「20μm」程度になっている。
通常、ガス拡散層用の炭素繊維としては、上記アノード側ガス拡散層20(図2参照)の炭素繊維23のように、平均繊維長が比較的長いもの(数mm以上のもの)が用いられる。これに対して本実施形態では、カソード側ガス拡散層30用の炭素繊維71として、平均繊維長の短いもの、具体的には平均繊維長が300μmのものが用いられる。多孔質層状をなす炭素繊維層を形成する場合には、繊維長の短い炭素繊維71を利用すると、炭素繊維71同士を絡ませて互いに保持させることが難しいため、炭素繊維71を層状にすることが困難になる。
この点をふまえて本実施形態では、カソード側ガス拡散層30が、以下のように製造される。
<塗工工程>
図4に示すように、カソード側ガス拡散層30の製造に際しては、先ず、[塗工工程]が実行される(ステップS11)。この工程では、図5に示すように、塗工機60を用いて、補助フィルム61の上面に、MPL32形成用の塗工液からなる塗工液層62が形成される。詳しくは、補助フィルム61が搬送装置(図示略)によって搬送されるとともに、搬送される補助フィルム61の上面に対して、塗工機60の塗工ヘッド63からMPL塗工液62Aが供給されて塗工される。なお本実施形態では、MPL塗工液62Aが、合成樹脂材料および導電性材料を主成分とするMPL32の形成材料に相当する。
<振り掛け工程>
図4に示すように、[塗工工程]の後には、[振り掛け工程]が実行される(ステップS12)。この工程では、図5に示すように、振り掛け装置70を用いて、MPL塗工液62Aが塗工された補助フィルム61に対して、上方から、平均繊維長が300μmの炭素繊維71が振り掛けられる。詳しくは、搬送装置(図示略)によって搬送される補助フィルム61の上面に対して、同補助フィルム61の上方に設けられた振り掛け装置70のホッパー72から炭素繊維71が放出される。こうして振り掛けられる炭素繊維71は、硬化前の塗工液層62の表面を覆う態様で、同塗工液層62の上面に付着する。
<硬化工程>
図4に示すように、[振り掛け工程]の後には、[硬化工程]が実行される(ステップS13)。この工程では、図5に示すように、熱圧延装置80を用いて、補助フィルム61と炭素繊維71と塗工液層62とからなる中間製品81が加熱されつつ圧延される。詳しくは、熱圧延装置80は一対の圧延ローラ82,83を有している。これら圧延ローラ82,83は加熱されている。そして、この工程では、補助フィルム61と炭素繊維71と塗工液層62とからなる中間製品81を、一対の圧延ローラ82,83の間を通過させることで加熱しつつ圧延する。
中間製品81を圧延することで、同中間製品81が所定の厚さになるとともに、炭素繊維71がMPL塗工液62Aに押し付けられてMPL塗工液62Aに埋め込まれた状態になる。また、中間製品81の圧延ローラ82,83への接触に際して、同中間製品81、詳しくは熱硬化性の合成樹脂材料を含む塗工液層62が加熱されて硬化するようになる。
「硬化工程」では、塗工液層62の表面が炭素繊維71によって覆われた状態であって、且つ塗工液層62に炭素繊維71が埋め込まれた状態で、同塗工液層62が硬化されるようになる。そして、塗工液層62が硬化した部分のうち、厚さ方向における炭素繊維71が含まれる側の部分が「炭素繊維層31」になるとともに、炭素繊維71が含まれない側の部分が「MPL32」になる。
図6に示すように、本実施形態では、このようにして炭素繊維層31とMPL32とが積層された積層構造のカソード側ガス拡散層30が製造される。実際には、カソード側ガス拡散層30は、所定のサイズに切断されるとともに補助フィルム61が剥がされた後に、単セル10の組み立てに用いられる。
<作用効果>
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
(1-1)カソード側ガス拡散層30は、MPL32と炭素繊維層31とが積層された積層構造である。炭素繊維層31を構成する炭素繊維71は、平均繊維長が300μmのものであり、且つ、MPL32の形成材料に含まれる合成樹脂材料を介して同MPL32に結合されている。
本実施形態によれば、MPL32の主成分である合成樹脂材料を利用して同MPL32に個々の炭素繊維71を固定することができる。これにより、炭素繊維71が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層31をMPL32と一体に形成することができる。また本実施形態のカソード側ガス拡散層30では、炭素繊維層31を形成するうえで、炭素繊維71の一部がMPL32(具体的には、その主成分である合成樹脂材料)に接していればよい。そのため、炭素繊維71を層状にするために炭素繊維71同士を絡ませて互いに保持させる必要がなく、炭素繊維71として、繊維長の短いものを利用することができるようになる。さらに、炭素繊維71を層状にするために炭素繊維71同士を絡ませて互いに保持させる必要がないことから、炭素繊維71を含む炭素繊維層31を薄くすることもできる。このように上記実施形態によれば、炭素繊維層31を含むカソード側ガス拡散層30を容易に薄く形成することができる。
なお、炭素繊維層31を薄くすることにより、同炭素繊維層31を反応ガスが通過し易くなるため、燃料電池の発電性能を向上させることが可能になる。また、炭素繊維層31を薄くすることにより、炭素繊維71の使用量を低減することや、単セル10の小型化を図ることなども可能になる。
(1-2)炭素繊維71は、MPL32と同一の材料からなる層状部分に埋め込まれた状態になっている。そのため、MPL32の主成分である合成樹脂材料により、炭素繊維71の外面をMPL32に対して広い範囲にわたって固定することができる。これにより、炭素繊維層31を構成する炭素繊維71をMPL32に確実に固定することができるため、炭素繊維層31を安定した構造にすることができる。
(1-3)塗工工程、振り掛け工程、および硬化工程を通じて、カソード側ガス拡散層30を製造するようにした。
本実施形態によれば、塗工工程および振り掛け工程を通じて、ばらばらの状態の炭素繊維71を、硬化前の塗工液層62の表面を覆うように配置することができる。そして、この状態で塗工液層62を硬化させることで、MPL塗工液62Aを利用して、MPL32に個々の炭素繊維を固定することができる。これにより、炭素繊維71が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層31をMPL32と一体に形成することができる。
本実施形態では、ばらばらの状態の炭素繊維71がMPL32に固定されて炭素繊維層31が形成される。これにより、炭素繊維71を層状にするために炭素繊維71同士を絡ませて互いに保持させる必要がなくなる。そのため、炭素繊維層31を構成する炭素繊維71として繊維長の短いものを用いることができ、同炭素繊維71を含む炭素繊維層31を薄くすることができる。このように本実施形態によれば、従来は利用が困難であった繊維長の短い炭素繊維を用いて、薄いながらも高い剛性を有するカソード側ガス拡散層30を形成することができる。
しかも本実施形態によれば、ばらばらの状態の炭素繊維71を振り掛けるといった簡単な作業を通じて炭素繊維層31を形成することができる。これにより、予め形成した薄い炭素繊維層(例えば、極薄のカーボンペーパー)を用いる場合と比較して、カソード側ガス拡散層30の製造過程における炭素繊維層31の取り扱いが容易になる。
(1-4)補助フィルム61にMPL塗工液62Aを塗工する[塗工工程]を実行した後に、MPL塗工液62Aからなる塗工液層62の表面に炭素繊維71を振り掛ける[振り掛け工程]を実行するようにした。これにより、補助フィルム61にMPL塗工液62Aを塗工した後に、このMPL塗工液62Aに炭素繊維71を振り掛けるといった作業を通じて、ばらばらの状態の炭素繊維71を硬化前の塗工液層62の表面を覆うように配置することができる。
(1-5)MPL32の主成分をなす合成樹脂材料として熱硬化性のものを採用した。[硬化工程]において、加熱した状態の一対の圧延ローラ82,83の間に中間製品81を通すことで、熱硬化性の合成樹脂材料を含む塗工液層62を硬化させるようにした。
これにより、炭素繊維71を塗工液層62に埋め込んだ状態にするとともに、その状態で塗工液層62を硬化させることができる。この場合には、MPL塗工液62Aを利用して、炭素繊維71の外面がMPL32に対して広い範囲にわたって固定されるようになる。これにより、炭素繊維層31を構成する炭素繊維71をMPL32に確実に固定することができるため、炭素繊維層31を安定した構造にすることができる。
(第2実施形態)
以下、図7および図8に示すように、燃料電池用ガス拡散層および燃料電池用ガス拡散層の製造方法の第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については実際と異なる場合がある。
本実施形態と第1実施形態とは、カソード側ガス拡散層の製造方法のみが異なる。本実施形態の燃料電池の各構成と第1実施形態の燃料電池の各構成とは同様である。そのため以下では、本実施形態の各構成のうち、第1実施形態と同様の構成については同一の符号もしくは対応する符号を付すとともに、それら構成についての重複する説明は省略する。
以下、本実施形態にかかるカソード側ガス拡散層の製造方法について説明する。
<振り掛け工程>
図7に示すように、カソード側ガス拡散層30の製造に際しては、先ず、[振り掛け工程]が実行される(ステップS21)。この工程では、図8に示すように、振り掛け装置70を用いて、平均繊維長が300μmの炭素繊維71が補助フィルム61上に振り掛けられる。詳しくは、搬送装置(図示略)によって搬送される補助フィルム61の上面に対して、同補助フィルム61の上方に設けられた振り掛け装置70のホッパー72から炭素繊維71が放出される。
<塗工工程>
図7に示すように、[振り掛け工程]の後には、[塗工工程]が実行される(ステップS22)。図8に示すように、この工程では、塗工機60を用いて、補助フィルム61の上面における炭素繊維71が振り掛けられた部分に、MPL塗工液62Aからなる塗工液層62が形成される。詳しくは、搬送装置(図示略)によって搬送される補助フィルム61の上面に対して、塗工機60の塗工ヘッド63からMPL塗工液62Aが供給されて塗工される。このように、炭素繊維71が振り掛けられた補助フィルム61上にMPL塗工液62Aを塗工することで、炭素繊維71は、硬化前の塗工液層62の表面(詳しくは、補助フィルム61側の面である下面)を覆うように同塗工液層62に付着する。
<重ね合わせ工程>
図7に示すように、[塗工工程]の後には、[重ね合わせ工程]が実行される(ステップS23)。この工程では、図8に示すように、重ね合わせ装置90を用いて、補助フィルム61に塗工されたMPL塗工液62Aの上に、MEA12(詳しくは、MEAシート91)が重ね合わされる。
MEAシート91は、電解質膜13と一対の電極触媒層14とからなる三層構造の長尺シート状をなすものである。重ね合わせ装置90は送り出しローラ92を有している。送り出しローラ92は、補助フィルム61の上方に配置されている。送り出しローラ92には、MEAシート91が巻き付けられている。
この工程では、詳しくは、搬送装置(図示略)による補助フィルム61の搬送に合わせて、上記送り出しローラ92からMEAシート91が送り出される。これにより、補助フィルム61上の塗工液層62の上面を覆う態様で、同塗工液層62にMEAシート91が重ね合わされる。
<硬化工程>
図7に示すように、[重ね合わせ工程]の後には、[硬化工程]が実行される(ステップS24)。この工程では、図8に示すように、補助フィルム61と炭素繊維71と塗工液層62とMEAシート91とからなる中間製品101を、補助フィルム61側の外面を加熱するとともにMEAシート91側の外面を冷却しつつ、厚さ方向においてプレスする。
本実施形態では、硬化工程において用いる装置として、一対の圧延ローラ102,103を有する圧延装置100を備えている。この工程では、詳しくは、中間製品101を、一対の圧延ローラ102,103の間を通過させることで圧延する。これにより、中間製品101が所定の厚さになるとともに、炭素繊維71が塗工液層62に押し付けられて同塗工液層62に埋め込まれた状態になる。
本実施形態では、一対の圧延ローラ102,103のうちの下方に配置されるもの、すなわち中間製品101の圧延に際して補助フィルム61の下面に接触する圧延ローラ102は加熱されている。また、一対の圧延ローラ102,103のうちの上方に配置されるもの、すなわち中間製品101の圧延に際してMEAシート91の上面に接触する圧延ローラ103は冷却されている。
圧延装置100による中間製品101の圧延に際しては、加熱状態の圧延ローラ102が補助フィルム61の下面に接触するため、この圧延ローラ102からの熱伝導によって、熱硬化性の合成樹脂材料を含む塗工液層62が加熱されて硬化するようになる。したがって、この工程では、塗工液層62の表面が炭素繊維71によって覆われた状態であって、且つ塗工液層62に炭素繊維71が埋め込まれた状態で、塗工液層62が硬化されるようになる。そして、塗工液層62が硬化した部分のうち、厚さ方向における炭素繊維71が含まれる側の部分が「炭素繊維層31」になるとともに、炭素繊維71が含まれない側の部分が「MPL32」になる。
一方、圧延装置100による中間製品101の圧延に際しては、冷却された状態の圧延ローラ103がMEAシート91の上面に接触するため、この圧延ローラ103によってMEAシート91が冷却されるようになる。そのため、このとき中間製品101における補助フィルム61側の外面が圧延ローラ102によって加熱されているとはいえ、この加熱によるMEAシート91の温度上昇が抑えられる。
本実施形態では、このようにして炭素繊維層31とMPL32とが積層された積層構造のカソード側ガス拡散層30がMEA12と一体に製造される。実際には、カソード側ガス拡散層30およびMEA12は、所定のサイズに切断されるとともに補助フィルム61が剥がされた後に、単セル10の組み立てに用いられる。
<作用効果>
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
(2-1)本実施形態によれば、第1実施形態の作用効果(1-1)~(1-3)と同様の作用効果を奏することができる。
(2-2)補助フィルム61上に炭素繊維71を振り掛ける[振り掛け工程]を実行した後に、補助フィルム61における炭素繊維71が振り掛けられた部分にMPL塗工液62Aを塗工する[塗工工程]を実行するようにした。これにより、補助フィルム61に炭素繊維71を振り掛けた後に、その炭素繊維71を覆い隠すようにMPL塗工液62Aを塗工するといった作業を通じて、ばらばらの状態の炭素繊維71を硬化前の塗工液層62の表面を覆うように配置することができる。
(2-3)[塗工工程]と[硬化工程]との間に、補助フィルム61に塗工されたMPL塗工液62A(詳しくは、塗工液層62)にMEAシート91を重ね合わせる[重ね合わせ工程]を実行するようにした。これにより、カソード側ガス拡散層30をMEA12と一体に形成することができる。
(2-4)MPL32の主成分をなす合成樹脂材料として熱硬化性のものを採用した。[硬化工程]においては、補助フィルム61と炭素繊維71と塗工液層62とMEAシート91とからなる中間製品101を、補助フィルム61側の外面を冷却するとともにMEAシート91側の外面を加熱しつつ、厚さ方向においてプレスするようにした。
これにより、中間製品101が厚さ方向においてプレスされるため、炭素繊維71が塗工液層62に埋め込まれた状態にすることができる。そして、中間製品101における補助フィルム61側の外面を加熱しつつプレスすることにより、熱硬化性の合成樹脂材料を含む塗工液層62を炭素繊維71が埋め込まれた状態で硬化させることができる。しかも、中間製品101におけるMEAシート91側の外面を冷却しつつプレスすることにより、このとき中間製品101における補助フィルム61側の外面が加熱されるとはいえ、この加熱によるMEAシート91の温度上昇を抑えることができる。これにより、MEAシート91の温度上昇によって、MEA12の性能低下を招くことが抑えられる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第2実施形態において、[硬化工程]でのMEAシート91の温度上昇に起因するMEA12の性能低下が抑えられるのであれば、圧延装置100の圧延ローラ103を冷却する構成を省略してもよい。
・各実施形態において、カソード側ガス拡散層30の厚さは任意に変更することができる。なお、カソード側ガス拡散層30の厚さは、10μm以上100μm以下の範囲で設定することが好ましく、20μm以上30μm以下の範囲で設定することがより好ましい。なお、カソード側ガス拡散層30を薄くするほど、燃料電池の発電性能を向上させたり、燃料電池を小型化したりすることが可能になる。また、単セル10の組み立て時におけるカソード側ガス拡散層30の取り扱いを容易にするためには、同カソード側ガス拡散層30の厚さは20μm以上であることが好ましい。
・各実施形態において、カソード側ガス拡散層30の製造に用いる炭素繊維71としては、平均繊維長が30μm以上500μm以下の範囲のものであれば、任意の炭素繊維を採用することができる。
・各実施形態において、カソード側ガス拡散層30を、炭素繊維71が埋め込まれた状態に形成することに代えて、炭素繊維71の一部が表面から突出した状態になるように形成してもよい。要は、炭素繊維71の少なくとも一部が、MPL32の主成分である合成樹脂材料を介してMPL32に結合された状態になっていればよい。この場合には、[硬化工程]において、熱圧延装置80または圧延装置100を用いて中間製品81,101を加熱しつつ圧延することに代えて、中間製品81,101を圧延することなくヒーター等を用いて加熱するようにしてもよい。
・各実施形態の[硬化工程]において、熱圧延装置80または圧延装置100を用いて中間製品81,101を圧延することに代えて、熱プレス機を用いて中間製品81,101を熱プレス加工するようにしてもよい。
・各実施形態において、MPL32の主成分をなす合成樹脂材料としては、熱硬化性のものを用いることに代えて、熱可塑性のものを用いることができる。この場合[硬化工程]においては、中間製品を所定時間にわたって乾燥させるようにすればよい。また、MPL32の主成分をなす合成樹脂材料としては、フッ素樹脂や、親水性を有する材料を含むものなど、任意の合成樹脂材料を採用することができる。
・上記各実施形態にかかる燃料電池用ガス供給層および燃料電池用ガス供給層の製造方法は、アノード側ガス拡散層20にも適用することができる。
10…単セル
12…MEA(膜電極接合体)
30…カソード側ガス拡散層
31…炭素繊維層
32…MPL(マイクロポーラス層)
60…塗工機
61…補助フィルム
62…塗工液層
62A…MPL塗工液
63…塗工ヘッド
70…振り掛け装置
71…炭素繊維
72…ホッパー
80…熱圧延装置
81,101…中間製品
82,83,102,103…圧延ローラ
90…重ね合わせ装置
91…MEAシート
92…ローラ
100…圧延装置

Claims (9)

  1. 合成樹脂材料および導電性材料を主成分とする多孔質層状をなすマイクロポーラス層と、炭素繊維が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層と、が積層された積層構造の燃料電池用ガス拡散層において、
    前記炭素繊維は、平均繊維長が30μm以上500μm以下のものであり、且つ、少なくとも一部が前記合成樹脂材料を介して前記マイクロポーラス層に結合されている
    燃料電池用ガス拡散層。
  2. 前記炭素繊維は、前記合成樹脂材料を含む部分に埋め込まれた状態になっている
    請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  3. 前記燃料電池用ガス拡散層の厚さは10μm以上100μm以下である
    請求項1または2に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  4. 合成樹脂材料および導電性材料を主成分とする多孔質層状をなすマイクロポーラス層と、炭素繊維が不規則に並んだ多孔質層状をなす炭素繊維層と、が積層された積層構造の燃料電池用ガス拡散層を製造する製造方法であって、
    補助フィルムに、前記合成樹脂材料および前記導電性材料を主成分とする前記マイクロポーラス層の形成材料を塗工する塗工工程と、
    前記補助フィルムに対して、前記形成材料の表面を覆うようになる態様で、平均繊維長が30μm以上500μm以下の前記炭素繊維を振り掛ける振り掛け工程と、
    前記塗工工程および前記振り掛け工程の後に、前記炭素繊維によって表面が覆われた状態の前記形成材料を硬化させる硬化工程と、を含む
    燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  5. 前記塗工工程は、前記補助フィルムに前記形成材料を塗工する工程であり、
    前記振り掛け工程は、前記塗工工程の後に、前記形成材料の表面に前記炭素繊維を振り掛ける工程である
    請求項4に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  6. 前記合成樹脂材料としては熱硬化性のものが用いられ、
    前記硬化工程は、熱プレス加工を通じて前記形成材料を硬化させる工程である
    請求項5に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  7. 前記振り掛け工程は、前記補助フィルム上に前記炭素繊維を振り掛ける工程であり、
    前記塗工工程は、前記振り掛け工程の後に、前記補助フィルムにおける前記炭素繊維が振り掛けられた部分に前記形成材料を塗工する工程である
    請求項4に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  8. 前記塗工工程と前記硬化工程との間において、前記補助フィルムに塗工された前記形成材料に膜電極接合体を重ね合わせる重ね合わせ工程を含む
    請求項7に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  9. 前記合成樹脂材料としては熱硬化性のものが用いられ、
    前記硬化工程は、前記補助フィルムと前記炭素繊維と前記形成材料と前記膜電極接合体とからなる中間製品を、前記補助フィルム側の外面を加熱するとともに前記膜電極接合体側の外面を冷却しつつ、前記中間製品の厚さ方向においてプレスする工程である
    請求項8に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
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