JP2023064260A - 打ち込み工具 - Google Patents

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駿 栗木
Shun Kuriki
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Abstract

【課題】正常動作時及びドライバが非正規の位置で停止する場合で良好な動作を継続できるリフト機構が必要とされている。【解決手段】打ち込み工具1は、ガス圧で打ち込み方向へ移動するピストン13と、ピストン13から延出しかつ打ち込み方向に並ぶ複数の被係合部16を具備するドライバ15と、ドライバ15を反打ち込み方向に移動させるリフト機構20を有する。リフト機構20は、回転軸21と、回転軸21を中心に回転軸21とともに回転するホイール22と、ホイール22の外周に沿って配置されかつ被係合部16に係合する複数の係合部25と、ホイール22を回転軸21に対して初期位置と偏心位置の間で径方向に移動可能に支持する支持部材21aを有する。ドライバ15の反打ち込み方向の移動時にホイール22が、初期位置でドライバ15に係合しかつ偏心位置へ退避可能である第1状態と、偏心位置でドライバ15と係合する第2状態に変位する。【選択図】図8

Description

本開示は、釘やステープル等の打ち込み具を木材等に打ち込むための打ち込み工具に関する。
特許文献1,2には、圧縮ガスの推力を打撃力として利用するガスばね式の打ち込み工具が開示されている。ガスばね式の打ち込み工具は、シリンダ内を上下動するピストンと、ピストンと一体に結合されるドライバを有する。ピストンとドライバは、蓄圧室のガス圧によって打ち込み方向に下動される。ドライバは、下方の打ち込み具を打撃して射出する。ピストンとドライバは、打ち込み具を射出した後、リフト機構により反打ち込み方向に戻される。
ドライバは、上下方向に延出しかつ上下方向に並んで形成される複数の被係合部(ラック歯)を有する。リフト機構は、複数の被係合部に係合される複数の係合部を具備するホイールを有する。複数の係合部は、ホイールの外周に沿って配置される。ホイールは、例えば電動モータ等の駆動源によって回転する。打ち込み動作後にホイールが回転することで、係合部がドライバの被係合部に順次噛み合わされる。これによりドライバとピストンが反打ち込み方向に上動する。ピストンが反打ち込み方向に上動することで、蓄圧室のガス圧が高められる。ドライバが上動端位置まで上動されると、ドライバの被係合部に対するリフト機構の係合部の係合状態が解除される。これによりドライバの打ち込み動作が再度なされる。
リフト機構の係合部は、蓄圧室のガス圧に抗してドライバを上動させる際、ドライバの被係合部から大きな負荷を受ける。そのため係合部と被係合部を正常に係合させ、係合部が負荷を確実に受けている状態でドライバが上動されることが望ましい。
しかしながら、係合部と被係合部が正常に係合せずに互いに干渉し、ドライバの戻し動作が止まってしまう場合がある。例えば打ち込み具を硬い木材に打ち込む際や、打ち込み具を誤って鉄板等に打ち込んでしまう際に、打ち込み具が打ち込み通路内でドライバに打撃されて変形し釘詰まりを起こす場合がある。あるいは打込み具が正規の深さまで打ち込まれず、打ち込み不足の状態が発生する場合がある。これらの場合には、ドライバが下動端よりも上方の位置で停止される。リフト機構のホイールは、ドライバが非正規の位置で停止した状態でも正常動作時と同様に回転する。そのためドライバの上動開始時に、係合部が正規に係合する被係合部と係合せず、係合部と被係合部の底部が互いに干渉してしまう。
係合部と被係合部の底部との干渉によってドライバが非正規の位置で停止される際に、ドライバが正常動作する状態に速やかに戻す対策を施す技術はまだなかった。
国際公開第2020/059666号 特許第6915682号公報
したがって正常動作時及びドライバが非正規の位置で停止する場合で良好な動作を継続できるリフト機構が必要とされている。
本開示の一つの特徴によると打ち込み工具は、ガス圧によって打ち込み方向へ移動するピストンを有する。打ち込み工具は、ピストンから打ち込み方向に延出しかつ打ち込み方向に並んで形成された複数の被係合部を具備するドライバを有する。打ち込み工具は、ドライバを反打ち込み方向に移動させるリフト機構を有する。リフト機構は、回転軸と、回転軸を中心に回転軸とともに回転するホイールを有する。リフト機構は、ホイールの外周に沿って配置されかつドライバの被係合部に係合する複数の係合部を有する。リフト機構は、回転軸に設けられかつホイールを回転軸に対して初期位置と偏心位置の間で径方向に移動可能に支持する支持部材を有する。ドライバを反打ち込み方向へ移動させる時にホイールが、初期位置においてドライバに係合しかつ偏心位置へ退避可能である第1状態と、偏心位置においてドライバと係合する第2状態に変位する。
したがってドライバの戻し動作が正常に動作する場合、ホイールはその回転角度に応じて初期位置または偏心位置に位置する。ホイールが初期位置と偏心位置のいずれに位置する場合でも、リフト機構の係合部がドライバの被係合部と係合する。そのためドライバを上動させる戻し動作を良好に継続できる。例えば打ち込み動作時に釘詰まり等が発生してドライバが非正規の位置で停止する場合、係合部が正規の被係合部と係合せず、係合部と被係合部が互いに干渉する場合がある。この場合にホイールは、初期位置から偏心位置に退避可能である。そのため係合部と被係合部の干渉を解消できる。係合部と被係合部の干渉が解消された後、ホイールが初期位置または偏心位置に移動し、かつ係合部が被係合部と係合する。そのためドライバを上動させる戻し動作を良好に継続できる。
打ち込み工具の側面図である。 図1中II-II線断面矢視図である。 図1中III-III線断面矢視図である。 リフト機構の斜視図である。 ホイールが初期位置に位置する状態のリフト機構の縦断面図である。 ホイールが初期位置に位置する状態のリフト機構の横断面図である。 ホイールが偏心位置に位置する状態のリフト機構の縦断面図である。 リフト機構とドライバの横断面図である。本図は、ホイールが初期位置に位置しかつ第1係合部が第1被係合部と係合している状態を示している。 リフト機構とドライバの横断面図である。本図は、ホイールが偏心位置に位置しかつ第1中間係合部が被係合部と係合している状態を示している。 リフト機構とドライバの横断面図である。本図は、ホイールが初期位置に位置しかつ第2中間係合部が被係合部と係合している状態を示している。 リフト機構とドライバの横断面図である。本図は、ホイールが初期位置に位置しかつ第1係合部が第1被係合部の下方の被係合部と干渉している状態を示している。 リフト機構とドライバの横断面図である。本図は、図11に示す状態のホイールが初期位置から偏心位置に向けて移動している状態を示している。 リフト機構とドライバの横断面図である。本図は、ホイールが初期位置に位置しかつ第1係合部が第1被係合部の下方の被係合部と係合している状態を示している。
本開示の他の特徴によると打ち込み工具は、ホイールを偏心位置から初期位置へ付勢する付勢部材を有する。係合部が被係合部と正常に係合せず干渉している場合には、ホイールを初期位置から偏心位置に移動させて係合部と被係合部の干渉を解消した後、ホイールを初期位置に速やかに戻すことができる。そのため係合部と被係合部を速やかに係合させることができる。これによりドライバの戻し動作を速やかに復帰できる。
本開示の他の特徴によると支持部材は、ホイールを回転軸に対して直線状に往復動可能に支持する。したがってホイールは、所定の回転角度の範囲内でのみドライバから離間する方向に移動できる。そのためホイールが所定の回転角度である範囲内において係合部と被係合部の干渉を解消できる。所定の回転角度の範囲外においては、ホイールがドライバから離間できない。そのため係合部が被係合部から退避することを抑制できる。これによりドライバの戻し動作を良好に継続できる。
本開示の他の特徴によると支持部材は、径方向に延在しかつ相互に平行な一対の支持平面を有する。ホイールは、支持部材が挿入されかつ一対の支持平面のそれぞれに対面し径方向に延在する一対のスライド面を具備する取付孔を有する。したがって回転軸に支持されるホイールの支持構造を利用して、ホイールを初期位置と偏心位置の間で移動させることができる。そのためホイールを径方向に移動可能に支持する移動構造をコンパクトに形成できる。
本開示の他の特徴によると複数の係合部の1つは、ドライバを反打ち込み方向へ移動させる時に最初に被係合部に係合する第1係合部である。第1係合部は、ホイールが初期位置に位置する時に回転軸の軸心から基準距離の基準円上に位置する。したがってドライバの戻し動作を良好に継続可能にする各係合部の配置を、基準円に基づいて容易に設定できる。
本開示の他の特徴によると複数の係合部は、第1係合部を起点にしてホイールの回転方向に0°~90°の範囲内において基準円の径方向外方に位置する少なくとも1つの外方位置係合部を含む。複数の係合部は、第1係合部を起点にしてホイールの回転方向に90°~180°の範囲内において基準円の径方向内方に位置する少なくとも1つの内方位置係合部を含む。
したがって外方位置係合部が被係合部と係合する時、ホイールは被係合部に押されて初期位置から偏心位置に移動する。ホイールは、第1係合部が被係合部と係合開始する時の回転角度を0°として、回転角度が0°~90°の範囲内で初期位置から偏心位置に移動する。回転角度が90°~180°の範囲内でかつホイールが偏心位置に位置する状態では、被係合部が基準円の径方向内方に進入する状態になる。そのため基準円よりも径方向内方に配置される内方位置係合部を設けることで、内方位置係合部と被係合部を互いに干渉させることなく係合させることができる。かくしてホイールが初期位置から偏心位置に移動する時および偏心位置に位置する状態において、ドライバの戻し動作を良好に継続できる。
本開示の他の特徴によると複数の係合部は、第1係合部を起点にしてホイールの回転方向に0°~90°の範囲内において基準円上または基準円の径方向外方に位置する。第1係合部を起点にしてホイールの回転方向に90°~180°の範囲内において基準円上または基準円の径方向内方に位置する。したがって第1係合部が被係合部と係合開始する時の回転角度を0°として、回転角度が0°~90°の範囲内で、ホイールを継続的に初期位置から偏心位置に移動させることができる。回転角度が90°~180°の範囲内でかつホイールが偏心位置に位置する状態において、複数の係合部と複数の被係合部を互いに干渉させることなく係合させることができる。
本開示の他の特徴によると複数の係合部は、第1係合部を起点にしてホイールの回転方向に180°~360°の範囲内において基準円上に位置する。したがってホイールは、第1係合部が被係合部と係合開始する時の回転角度を0°として、回転角度が180°~360°の範囲内で初期位置に位置しかつ偏心位置に移動しない。そのため複数の係合部を基準円上に配置することで、被係合部に対して退避せずかつ干渉しないように複数の係合部を設けることができる。
本開示の他の特徴によると基準円の径方向外方において隣接する複数の係合部の内の2つは、回転軸の中心に対して第1角度を有する。基準円の径方向内方において隣接する複数の係合部の内の2つは、回転軸の中心に対して第1角度よりも大きい第2角度を有する。したがって各係合部が被係合部と係合している間の反打ち込み方向の移動量を概ね一定にすることができる。そのため、例えば等間隔で打ち込み方向に並ぶ複数の被係合部に対して係合部を精度良く係合させることができる。これによりドライバをスムーズに上動させることができる。
本開示の他の特徴によるとホイールは、外方位置係合部の最外周端よりも内周側に位置する小径外周縁と、外方位置係合部に対応する領域において小径外周縁よりも外周側に位置する大径外周縁を有する。したがってホイールの外周縁をコンパクトに形成できる。ホイールは、リフト機構の収容部内において回転軸に対して初期位置と偏心位置の間で径方向に移動する。ホイールの外周縁をコンパクトに形成することで、リフト機構の収容部をコンパクトに形成できる。
次に本開示の実施形態の1つを図1~13に基づいて説明する。打ち込み工具1の一例として、シリンダ上方の蓄圧室のガス圧を打ち込み具Nを打ち込むための推力として利用するガスばね式の打ち込み工具を示す。以下の説明では、打ち込み具Nの打ち込み方向を下方向とし、反打ち込み方向を上方向とする。打ち込み工具1の使用者は、図1において概ね打ち込み工具1の左側に位置する。使用者の手前側を後方向(使用者側)、手前側と反対側の奥側を前方向とする。左右方向については使用者を基準とする。
図1,3に示すように打ち込み工具1は、工具本体10を有する。工具本体10は、概ね円筒形の本体ハウジング11にシリンダ12を収容した構成を有する。シリンダ12内にはピストン13が上下に往復動可能に収容される。ピストン13よりも上方のシリンダ12の上部は、蓄圧室14に連通される。蓄圧室14には、例えば空気等の圧縮ガスが封入される。蓄圧室14のガス圧は、ピストン13の上面に下動させる推力として作用する。
図3に示すようにシリンダ12の下部は、工具本体10の下部に設けられた打ち込みノーズ部2の打ち込み通路2aに連通される。打ち込みノーズ部2は、多数本の打ち込み具N(図1参照)が装填されたマガジン8と結合される。打ち込み通路2aには、マガジン8内から打ち込み具Nが1本ずつ上下に延出した姿勢で供給される。打ち込みノーズ部2の下部には、上下にスライド可能なコンタクトアーム3が設けられる。コンタクトアーム3は、被打ち込み材Wと当接することにより上動する。
図3に示すようにピストン13の下面には、上下に長いドライバ15が結合される。ドライバ15の下部は、打ち込み通路2a内に進入している。ドライバ15は、ピストン13の上面に作用する蓄圧室14のガス圧によって打ち込み通路2a内を下動する。ドライバ15の下端が打ち込み通路2a内に供給された1本の打ち込み具Nを打撃する。打撃された打ち込み具Nは、打ち込みノーズ部2の射出口2bから射出される。射出された打ち込み具Nは被打ち込み材Wに打ち込まれる。シリンダ12の下部には、ピストン13の下動端での衝撃を吸収するための下動端ダンパ17が配置される。
図3に示すようにドライバ15の右側部には、複数の被係合部16が設けられる。本実施形態では10個の被係合部16がドライバ15の長手方向(上下方向)に一定の間隔で配置される。各被係合部16は、ラック歯状に形成され、それぞれ右方へ張り出す状態に設けられる。被係合部16は、後述するリフト機構20が具備する係合部25と係合する。
図1に示すように工具本体10の後部には、使用者が把持するグリップ4が設けられる。グリップ4の前部下面には、使用者が指先で引いて操作するトリガ5が設けられる。グリップ4の後部にはバッテリ取付部6が設けられる。バッテリ取付部6の後面には、バッテリパック7を取り外し可能に装着できる。バッテリパック7は、バッテリ取付部6から取り外して別途用意した充電器で繰り返し充電して使用できる。バッテリパック7は、他の電動工具の電源として流用することができる。バッテリパック7は、後述する駆動部30に電力を供給する電源として動作する。
図3に示すように打ち込みノーズ部2の右側部には、リフト機構20が結合されている。リフト機構20は、打撃後にピストン13とドライバ15を一体で上方へ戻す機能を有する。リフト機構20によりピストン13が上方へ戻されることで、蓄圧室14のガス圧が高められる。
図1に示すようにリフト機構20の後部には、リフト機構20を動作させるための駆動部30が並設される。リフト機構20と駆動部30は、略円筒状の駆動部ケース11aに収容される。駆動部ケース11aは、本体ハウジング11の下部とバッテリ取付部6の下部を連結する。駆動部ケース11aは、本体ハウジング11と一体に設けられる。
図2に示すように駆動部30は、駆動源としての電動モータ31を有する。電動モータ31は、出力軸31aの軸線(モータ軸線J)を打ち込み方向(図2において紙面直交方向)に直交させた前後方向に沿わせた姿勢で収容される。電動モータ31は、バッテリパック7の電力を電源としてトリガ5の引き操作によって起動する。
図2に示すように電動モータ31の出力軸31aは、軸受31b,31cを介して駆動部ケース11aに回転可能に支持される。出力軸31aの前部は、減速ギヤ列32に接続される。減速ギヤ列32は、駆動部ケース11aに収容された略円筒状のギヤ列ケース32aの内周側に支持される。減速ギヤ列32には3列の遊星ギヤ列が用いられている。3列の遊星ギヤ列は、相互に同軸でありかつモータ軸線Jと同軸に配置されている。電動モータ31の回転出力は、3列の遊星ギヤ列を含む減速ギヤ列32で減速されて前方のリフト機構20に出力される。
図2に示すようにリフト機構20は、減速ギヤ列32に連結された回転軸21と、回転軸21に支持されたホイール22を有する。リフト機構20は、駆動部ケース11aに収容された略円筒状の機構ケース29に収容される。回転軸21の回転軸線21cは、モータ軸線Jに一致している。機構ケース29の前部は蓋部29aで塞がれている。回転軸21の前端は、蓋部29aを介して機構ケース29に保持される軸受26に回転可能に支持される。回転軸21の後端は、減速ギヤ列32の最終段のキャリアに支持される。減速ギヤ列32の最終段のキャリアは、外周側に設けられた軸受27を介して機構ケース29に回転可能に支持される。電動モータ31が起動すると、リフト機構20の回転軸21とホイール22が一体で図3に示す矢印Rの方向(図3において反時計回り方向)に回転する。
図5,6に示すように回転軸21の前後方向中央には、ホイール22を支持する支持部材21aが設けられる。支持部材21aは、概ね円柱状であるが、径方向に延在しかつ相互に平行である一対の支持平面21bを有する。支持部材21aは、一対の支持平面21bの間にばね収容部21eを有する。ばね収容部21eは、一対の支持平面21bの延出方向に沿って凹設される。ばね収容部21eは、初期位置方向側の支持部材21aの端面で開口する。ばね収容部21eには、ホイール22を径方向に付勢するための圧縮ばね24が収容される。
図4,5に示すように回転軸21の後部には、フランジ部21dが設けられる。フランジ部21dは、支持部材21aの後方で支持部材21aよりも径方向外方へ円板状に張り出す。フランジ部21dの前面は、ホイール22の後面と当接する。支持部材21aよりも前方の回転軸21の前部には、蓋部材28が装着される。蓋部材28は、ホイール22の外周縁と略同じ径の円盤状に設けられる。蓋部材28は、支持部材21aに装着されたホイール22の前方に装着される。蓋部材28の後面は、ホイール22の前面と当接する。ホイール22は、フランジ部21dと蓋部材28の間に挟まれることで前後方向の移動が規制される。
図5~7に示すようにホイール22の中央には、支持部材21aを挿入可能な取付孔23が設けられる。取付孔23の内壁面には、径方向に延在しかつ相互に平行である一対のスライド面23aが設けられる。一対のスライド面23aの互いの距離は、支持部材21aに設けられた一対の支持平面21bの互いの距離と略同じである。取付孔23に支持部材21aを挿入することで、各スライド面23aと各支持平面21bが対向して当接する。スライド面23aが支持平面21bに対して摺接されることで、ホイール22が回転軸21に対して径方向に一定の範囲で変位する。図5,6に示すように回転軸21の軸心21c上にホイール22の中心22gが位置する際のホイールの位置を初期位置と称する。図7に示すように回転軸21の軸心21c上からホイール22の中心22gが外れた状態におけるホイールの位置を偏心位置と称する。
図5~7に示すように支持部材21aのばね収容部21eに収容された圧縮ばね24は、取付孔23の壁面をホイール22の径方向に付勢する。ホイール22は、支持部材21aに対して偏心位置から初期位置に向けて付勢される。そのためホイール22に外力が作用していない場合、ホイール22は初期位置で保持される。ホイール22に偏心位置に向かう方向の一定以上の外力が作用する場合、ホイール22は圧縮ばね24の付勢力に抗して初期位置から偏心位置に移動する。
図4~6に示すようにホイール22の外周縁に沿って複数の係合部25が装着される。本実施形態では、例えば10個の係合部25が設けられる。各係合部25には、円柱形の軸部材(ピン)が用いられる。
図3に示すようにホイール22の左部は、機構ケース29に設けられた窓部29bを経て打ち込み通路2a内に進入する。打ち込み通路2a内においてホイール22の各係合部25がドライバ15の被係合部16に係合される。係合部25の少なくとも1つがドライバ15の被係合部16に係合された状態で、ホイール22を矢印Rの方向に回転させる。これによりドライバ15とピストン13が上方へ戻される。
図4,5に示すようにホイール22は、前後に一定の間隔をおいて相互に平行な前フランジ部22aと後フランジ部22bを有する。前フランジ部22aと後フランジ部は、径方向の張出形状が同じになるように形成される。前フランジ部22aの周縁部には、係合部25が配置される所定の位置に円形の貫通孔22eが複数個設けられる。後フランジ部22bの上面の周縁部には、複数の貫通孔22eと前後に並ぶ位置に円形の溝孔22fが複数個設けられる。各貫通孔22eと各溝孔22fは、挿入される係合部25と略同径である。複数の係合部25を対応する貫通孔22eと溝孔22fに挿入し、回転軸21の前部に蓋部材28を装着する。これにより前フランジ部22aの周縁部と後フランジ部22bの周縁部の間に跨って、複数の係合部25が保持される。
図3に示す各係合部25は、それぞれの軸中心回りに回転可能にホイール22に支持される。そのため各係合部25の外周面の所定の領域が連続して被係合部16と当接することを抑制できる。これにより係合部25の摩耗を抑制できる。
図6に示すように複数の係合部25は、ホイール22の中心22gからの距離がそれぞれ異なる。また、複数の係合部25は、中心22gを中心にして周方向に所定の角度の間隔で配置される。本実施例では、ホイール22の概ね3/4周の範囲に10個の係合部25が所定の間隔で配置される。ホイール22の概ね1/4の範囲には係合部25が配置されない。以下、係合部25が配置されない周方向の範囲を逃がし部22hと称する。
図6に示すようにホイール22の回転方向について逃がし部22hの直後の係合部25を第1係合部25aと称する。第1係合部25aの中心は、ホイール22が初期位置に位置する時に回転軸21の軸心21cから基準距離の基準円C上に位置する。ホイール22の回転方向について第1係合部25aの直後に並ぶ2つの係合部25を外方位置係合部25bと称する。外方位置係合部25bの中心は、基準円Cの径方向外方に位置する。ホイール22の回転方向について2つの外方位置係合部25bの直後に並ぶ1つの係合部25を第1中間係合部25dと称する。第1中間係合部25dの中心は、基準円C上に位置する。
図6に示すようにホイール22の回転方向について第1中間係合部25dの直後に並ぶ3つの係合部25を内方位置係合部25cと称する。内方位置係合部25cの中心は、基準円Cの径方向内方に位置する。ホイール22の回転方向について3つの内方位置係合部25cの直後に並ぶ1つの係合部25を第2中間係合部25eと称する。第2中間係合部25eおよび逃がし部22hまでの間の2つの係合部の中心は、基準円C上に位置する。
図6に示すように複数の係合部25のうち隣接する2つの係合部25は、ホイール22の中心22gに対して角度を有する。各角度を、第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向の順に角度A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9と称する。角度A1,A2,A3を合計した角度は、概ね90°である。角度A1~A6を合計した角度は、概ね180°である。角度A1~A7を合計した角度は、180°よりも大きい。したがって第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に0°~90°の範囲には、外方位置係合部25b、および基準円C上の第1係合部25aと第1中間係合部25dが配置される。第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に90°~180°の範囲には、内方位置係合部25c、および基準円C上の第1中間係合部25dが配置される。第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に180°~360°の範囲の係合部25は、全て基準円C上に配置される。
図6に示すように各角度A1~A9は、角度を形成する各係合部25の中心からホイール22の中心22gまでの距離が長いほど小さく、当該距離が短いほど大きく設けられる。例えば角度を形成する2つの係合部25の一方が外方位置係合部25bである角度A1,A2,A3は、角度を形成する2つの係合部25の両方が基準円C上である角度A8,A9よりも小さい。角度A1,A2,A3は、本実施形態において第1角度に相当する。角度を形成する2つの係合部25の一方が内方位置係合部25cである角度A4,A5,A6,A7は、角度A8,A9よりも大きい。角度A4,A5,A6,A7は、本実施形態において第2角度に相当する。角度A8と角度A9は、略同じ大きさである。角度を形成する2つの係合部25の両方が外方位置係合部25bである角度A2は、角度を形成する2つの係合部25の一方が外方位置係合部25bである角度A1,A3よりも小さい。角度を形成する2つの係合部25の両方が内方位置係合部25cである角度A5,A6は、角度を形成する2つの係合部25の一方が内方位置係合部25cである角度A4,A7よりも大きい。
図6に示すようにホイール22は、外方位置係合部25bが設けられる領域において外方位置係合部25bよりも径方向外方に位置する大径外周縁22cを有する。ホイール22は、内方位置係合部25cが設けられる領域において内方位置係合部25cよりも径方向外方に位置する小径外周縁22dを有する。小径外周縁22dは、ホイール22の中心22gを起点にして外方位置係合部25bの最外周端よりも径方向内方に位置する。大径外周縁22cは、ホイール22の中心22gを起点にして小径外周縁22dよりも径方向外方に位置する。
次に打ち込み工具1の打ち込み動作の一連の流れを説明する。図3は、ピストン13とドライバ15の待機状態を示している。待機状態のドライバ15とピストン13は、上動端の若干下方の待機位置で停止した状態で保持される。この待機状態では、逃がし部22hの直前の係合部25が、ドライバ15の最下端部の被係合部16の下面に係合される。
待機状態で、図1に示すコンタクトアーム3が上動しかつトリガ5が引かれることにより電動モータ31が起動する。電動モータ31を起動させると、図3に示すホイール22が矢印Rで示す回転方向に回転する。逃がし部22hの直前の係合部25が、ドライバ15の最下端部の被係合部16を上動させる。これによりピストン13とドライバ15が待機位置から上動端まで上動する。ドライバ15が上動端に移動した際に、打ち込み具N(図1参照)がマガジン8から打ち込み通路2a内に供給される。上動端の打ち込み直前状態に至ると、ホイール22の係合部25がドライバ15の被係合部16から離脱する。これによりピストン13とドライバ15が蓄圧室14のガス圧により下動する。ドライバ15が打ち込み通路2a内を下動することで1本の打ち込み具Nが打撃される。
ドライバ15が下動する際、ホイール22の係合部25が全て打ち込み通路2a内から退出して機構ケース29内に位置する状態になる。そのため打ち込み通路2a内には、ホイール22の逃がし部22hが位置する。これによりドライバ15の被係合部16に対する係合部25の干渉が回避されて、スムーズな打ち込み動作がなされる。
打ち込み具Nの打撃後、ドライバ15が下動端に至った状態においてホイール22が引き続き矢印Rの方向に回転する。図8に示すように第1係合部25aが、ドライバ15の被係合部16のうち最上端の第1被係合部16aの下面に係合される。これによりピストン13とドライバ15を反打ち込み方向に上動させる戻し動作が開始される。戻し動作の開始時、ホイール22は圧縮ばね24によって初期位置に向けて(左方のドライバ15側に向けて)付勢されている。そのためホイールの中心22gは、回転軸21の軸心21c上に位置する。
図8に示す状態において、ホイール22は、右方に向けて圧縮ばね24の付勢力を上回る外力を受けることで初期位置から偏心位置に移動可能な第1状態である。しかしながら第1被係合部16aと係合する第1係合部25aには、第1被係合部16aから打ち込み方向の力が作用するが、打ち込み方向と直交する左右方向の力はほとんど作用しない。そのためホイール22は、圧縮ばね24によって左方に向けて付勢され、初期位置で保持される。
続けてホイール22が回転すると、2つの外方位置係合部25bが、順に被係合部16の下面に係合する。外方位置係合部25bは、ホイール22の中心22gに対して第1係合部25aよりも径方向外方に位置する。そのためホイール22が初期位置に位置する状態では、外方位置係合部25bと被係合部16の底部が干渉してしまう。外方位置係合部25bと被係合部16の底部の干渉を回避するため、ホイール22の中心22gがドライバ15から離れるように移動する。これによりホイール22は、圧縮ばね24の付勢力に抗して右方の偏心位置に位置する第2状態である。ホイール22の中心22gは、回転軸21の軸心21cの右方に位置する。
2つの外方位置係合部25bの後に、第1中間係合部25dが被係合部16の下面に係合する。この状態においてホイール22の初期位置は、ホイール22の偏心位置の上方に位置する。この状態において第1中間係合部25dは、被係合部16から例えば10kN程度の下方に向かう力を受ける。そのためホイール22は、圧縮ばね24の付勢力に抗して下方に押されて偏心位置に位置する第2状態である。
図9に示すように第1中間係合部25dの後に、3つの内方位置係合部25cが順に被係合部16の下面に係合する。この状態においてホイール22の初期位置は、ホイール22の偏心位置の上側右方に位置する。この状態において内方位置係合部25cは、被係合部16から例えば10kN程度の下方に向かう力を受ける。そのためホイール22は、圧縮ばね24の付勢力に抗して下方に押されて下側左方の偏心位置に位置する第2状態である。内方位置係合部25cは、ホイール22の中心22gに対して第1係合部25aよりも径方向内方に位置する。そのためホイール22が左方の偏心位置に位置する状態において、内方位置係合部25cと被係合部16の底部が相互に干渉することなく係合することができる。
図10に示すように3つの内方位置係合部25cの後に、第2中間係合部25eが被係合部16の下面に係合する。この状態においてホイール22の初期位置は、ホイール22の偏心位置の右方に位置する。この状態において第2中間係合部25eには、被係合部16から打ち込み方向の力が作用し、支持平面21bにより、偏心位置から初期位置へ向かう分力が発生する。そのためホイール22は、右方に向けて付勢され、初期位置で保持される。
図3に示すように逃がし部22hの直前の係合部25が最下端部の被係合部16の下面に係合されると、ピストン13とドライバ15が上記した待機位置に至る。例えば電動モータ31の起動からの時間が適切に制御されることで、ドライバ15とピストン13が待機位置に至った段階で電動モータ31(図2参照)が停止される。以上で一連の打ち込み動作が終了する。
図11に示すようにドライバ15の下動により打撃される打ち込み具N(図1参照)が被打ち込み材Wに正常に打ち込まれない場合がある。この場合、変形等した打ち込み具Nが打ち込み通路2a内に詰まる釘詰まりあるいは打ち込み不足の状態が発生する。この場合には、ドライバ15が下動端よりも上方の位置で停止される。ドライバ15が停止した状態においてもホイール22の回転状態は継続される。そのため係合部25と、正常動作時において係合部25に係合する被係合部16の間で相対位置のずれが発生する。
例えば図11に示すように第1係合部25aが第1被係合部16aの下面に進入せず、第1被係合部16aの下方の被係合部16の先端に干渉する状態が発生する。この状態においてホイール22の初期位置は、ホイール22の偏心位置の下側左方に位置する。この状態のままホイール22が矢印Rの方向に回転させると、干渉している被係合部16から第1被係合部16aへ右方に向かう力が発生する。そのため、図12に示すようにホイール22は、圧縮ばね24の付勢力に抗して右方の偏心位置に移動する。これにより第1係合部25aは、干渉していた被係合部16から右方に退避して干渉状態が解消される。
図13に示すようにホイール22の回転状態が継続されることにより、第1係合部25aは、干渉していた被係合部16の1つ上に位置する被係合部16に向けて移動する。また、被係合部16第1係合部25aを右方に向けて押す力が解消される。そのためホイール22は、圧縮ばね24に付勢されて左方の初期位置に移動する。これにより第1係合部25aが被係合部16の下面と係合する。そのためホイール22の回転によってピストン13とドライバ15を上動させることができる。ホイール22が待機位置まで回転された時点で電動モータ31(図2参照)が停止される。これによりドライバ15の下動が阻止された状態で、詰まった打ち込み具N(図1参照)を打ち込み通路2aから除去できる。
上述するように打ち込み工具1は、図8に示すようにガス圧によって打ち込み方向へ移動するピストン13を有する。打ち込み工具1は、ピストン13から打ち込み方向に延出しかつ打ち込み方向に並んで形成された複数の被係合部16を具備するドライバ15を有する。打ち込み工具1は、ドライバ15を反打ち込み方向に移動させるリフト機構20を有する。リフト機構20は、回転軸21と、回転軸21を中心に回転軸21とともに回転するホイール22を有する。リフト機構20は、ホイール22の外周に沿って配置されかつドライバ15の被係合部16に係合する複数の係合部25を有する。リフト機構20は、回転軸21に設けられかつホイール22を回転軸21に対して初期位置と偏心位置の間で径方向に移動可能に支持する支持部材21aを有する。リフト機構20は、ドライバ15を反打ち込み方向へ移動させる時にホイール22が初期位置においてドライバ15に係合しかつ偏心位置へ退避可能である第1状態と、ホイール22が偏心位置においてドライバ15と係合する第2状態に変位する。
したがってドライバ15の戻し動作が正常に動作する場合、ホイール22はその回転角度に応じて初期位置または偏心位置に位置する。ホイール22が初期位置と偏心位置のいずれに位置する場合でも、リフト機構20の係合部25がドライバ15の被係合部16と係合する。そのためドライバ15を上動させる戻し動作を良好に継続できる。例えば打ち込み動作時に釘詰まり等が発生してドライバ15が非正規の位置で停止する場合、係合部25が正規の被係合部16と係合せず、係合部25と被係合部16が互いに干渉する場合がある。この場合にホイール22は、初期位置から偏心位置に退避可能である。そのため係合部25と被係合部16の干渉を解消できる。係合部25と被係合部16の干渉が解消された後、ホイール22が初期位置または偏心位置に移動し、かつ係合部25が被係合部16と係合する。そのためドライバ15を上動させる戻し動作を良好に継続できる。
図8に示すように打ち込み工具1は、ホイール22を偏心位置から初期位置へ付勢する圧縮ばね24を有する。したがってホイール22が初期位置に位置しかつ係合部25が被係合部16と正常に係合している場合、係合部25が被係合部16から勝手に退避してしまうことを抑制できる。係合部25が被係合部16と正常に係合せず干渉している場合には、ホイール22を初期位置から偏心位置に移動させて係合部25と被係合部16の干渉を解消した後、ホイール22を初期位置に速やかに戻すことができる。そのため係合部25と被係合部16を速やかに係合させることができる。これによりドライバ15の戻し動作を速やかに復帰できる。
図8に示すように支持部材21aは、ホイール22を回転軸21に対して直線状に往復動可能に支持する。したがってホイール22は、所定の回転角度の範囲内でのみドライバ15から離間する方向に移動できる。そのためホイール22が所定の回転角度である範囲内において係合部25と被係合部16の干渉を解消できる。所定の回転角度の範囲外においては、ホイール22がドライバ15から離間できない。そのため係合部25が被係合部16から退避することを抑制できる。これによりドライバ15の戻し動作を良好に継続できる。
図6に示すように支持部材21aは、径方向に延在しかつ相互に平行な一対の支持平面21bを有する。ホイール22は、支持部材21aが挿入されかつ一対の支持平面21bのそれぞれに対面し径方向に延在する一対のスライド面23aを具備する取付孔23を有する。したがって回転軸21に支持されるホイール22の支持構造を利用して、ホイール22を初期位置と偏心位置の間で移動させることができる。そのためホイール22を径方向に移動可能に支持する移動構造をコンパクトに形成できる。
図8に示すように複数の係合部25の1つは、ドライバ15を反打ち込み方向へ移動させる時に最初に被係合部16に係合する第1係合部25aである。第1係合部25aは、ホイール22が初期位置に位置する時に回転軸21の軸心21cから基準距離の基準円C上に位置する(図6参照)。したがってドライバ15の戻し動作を良好に継続可能にする各係合部25の配置を、基準円Cに基づいて容易に設定できる。
図6に示すように複数の係合部25は、第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に0°~90°の範囲内において基準円Cの径方向外方に位置する少なくとも1つの外方位置係合部25bを含む。複数の係合部25は、第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に90°~180°の範囲内において基準円Cの径方向内方に位置する少なくとも1つの内方位置係合部25cを含む。
したがって外方位置係合部25bが被係合部16と係合する時、ホイール22は被係合部16に押されて初期位置から偏心位置に移動する。ホイール22は、第1係合部25aが被係合部16と係合開始する時の回転角度を0°として、回転角度が0°~90°の範囲内で初期位置から偏心位置に移動する。回転角度が90°~180°の範囲内でかつホイール22が偏心位置に位置する状態では、被係合部16が基準円Cの径方向内方に進入する状態になる。そのため基準円Cよりも径方向内方に配置される内方位置係合部25cを設けることで、内方位置係合部25cと被係合部16を互いに干渉させることなく係合させることができる。かくしてホイール22が初期位置から偏心位置に移動する時および偏心位置に位置する状態において、ドライバ15の戻し動作を良好に継続できる。
図6に示すように複数の係合部25は、第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に0°~90°の範囲内において基準円C上または基準円Cの径方向外方に位置する。第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に90°~180°の範囲内において基準円C上または基準円Cの径方向内方に位置する。したがって第1係合部25aが被係合部16と係合開始する時の回転角度を0°として、回転角度が0°~90°の範囲内で、ホイール22を継続的に初期位置から偏心位置に移動させることができる。回転角度が90°~180°の範囲内でかつホイール22が偏心位置に位置する状態において、複数の係合部25と複数の被係合部16を互いに干渉させることなく係合させることができる。
図6に示すように複数の係合部25は、第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に180°~360°の範囲内において基準円C上に位置する。したがってホイール22は、第1係合部25aが被係合部16と係合開始する時の回転角度を0°として、回転角度が180°~360°の範囲内で初期位置に位置しかつ偏心位置に移動しない。そのため複数の係合部25を基準円C上に配置することで、被係合部16に対して退避せずかつ干渉しないように複数の係合部25を設けることができる。
図6に示すように基準円Cの径方向外方において隣接する複数の係合部25の内の2つは、回転軸21の中心に対して第1角度A1,A2,A3を有する。基準円Cの径方向内方において隣接する複数の係合部25の内の2つは、回転軸21の中心に対して第1角度A1,A2,A3よりも大きい第2角度A4,A5,A6,A7を有する。したがって各係合部25が被係合部16と係合している間の反打ち込み方向の移動量を概ね一定にすることができる。そのため、例えば等間隔で打ち込み方向に並ぶ複数の被係合部16に対して係合部25を精度良く係合させることができる。これによりドライバ15をスムーズに上動させることができる。
図8に示すようにホイール22は、外方位置係合部25bの最外周端よりも内周側に位置する小径外周縁22dと、外方位置係合部25bに対応する領域において小径外周縁22dよりも外周側に位置する大径外周縁22cを有する。したがってホイール22の外周縁をコンパクトに形成できる。ホイール22は、リフト機構20を収容する機構ケース29内において回転軸21に対して初期位置と偏心位置の間で径方向に移動する。ホイール22の外周縁をコンパクトに形成することで、リフト機構20を収容する機構ケース29をコンパクトに形成できる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、リフト機構20において、10個の係合部25を有するホイール22と10個の被係合部16を有するドライバ15を例示したが、係合部25と被係合部16の個数は10個に限定されない。係合部25と被係合部16の個数は、例えばドライバ15のストローク、工具本体10のサイズ等の要因により適切に設定される。
ピン状の係合部25とラック歯状の被係合部16を例示したが、係合部25と被係合部16の形状はこれに限定されない。例えば複数の係合部25をホイール22の外周縁に沿って形成されるピニオン歯状に設けても良い。複数の被係合部16は、ドライバ15の長手方向に等間隔に形成される複数の被係合部16を例示したが、複数の被係合部16が不等間隔で形成されていても良い。
ホイール22を初期位置に向けて付勢する付勢部材として圧縮ばね24を例示したが、リーフスプリングやウレタンゴム等その他の付勢部材に変更しても良い。ホイール22を初期位置に向けて付勢する付勢部材は、取付孔23の外部に配置する構成としても良い。
第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に0°~90°の範囲内において、全ての係合部25が基準円C上または基準円Cの径方向外方に配置される構成を例示した。これに代えて、例えば同範囲内において1つの係合部25のみが基準円Cの径方向外方に配置される構成であっても良い。
第1係合部25aを起点にしてホイール22の回転方向に90°~180°の範囲内において、全ての係合部25が基準円C上または基準円Cの径方向内方に配置される構成を例示した。これに代えて、例えば同範囲内において1つの係合部25のみが基準円Cの径方向内方に配置される構成であっても良い。
リフト機構20の回転軸21の軸心21cがモータ軸線Jと同軸である構成を例示した。これに代えて、例えば軸心21cがモータ軸線Jからずれた位置でモータ軸線Jと平行に延出していても良く、あるいは軸心21cがモータ軸線Jと交差する方向に延出していても良い。
1…打ち込み工具
2…打ち込みノーズ部、2a…打ち込み通路、2b…射出口
3…コンタクトアーム
4…グリップ
5…トリガ
6…バッテリ取付部
7…バッテリパック
8…マガジン
10…工具本体
11…本体ハウジング、11a…駆動部ケース
12…シリンダ
13…ピストン
14…蓄圧室
15…ドライバ
16…被係合部、16a…第1係合部
17…下動端ダンパ
20…リフト機構
21…回転軸、21a…支持部材、21b…支持平面、21c…軸心
21d…フランジ部、21e…ばね収容部
22…ホイール、22a…前フランジ部、22b…後フランジ部、22c…大径外周縁
22d…小径外周縁、22e…貫通孔、22f…溝孔、22g…中心
22h…逃がし部
23…取付孔、23a…スライド面
24…圧縮ばね(付勢部材)
25…係合部
25a…第1係合部
25b…外方位置係合部
25c…内方位置係合部
25d…第1中間係合部、25e…第2中間係合部
26,27…軸受
28…蓋部材
29…機構ケース、29a…蓋部、29b…窓部
30…駆動部
31…電動モータ、31a…出力軸、31b,31c…軸受
32…減速ギヤ列、32a…ギヤ列ケース
N…打ち込み具
W…被打ち込み材
J…モータ軸線
C…基準円
A1~A9…角度

Claims (10)

  1. 打ち込み工具であって、
    ガス圧によって打ち込み方向へ移動するピストンと、
    前記ピストンから前記打ち込み方向に延出しかつ前記打ち込み方向に並んで形成された複数の被係合部を具備するドライバと、
    前記ドライバを反打ち込み方向に移動させるリフト機構を有し、
    前記リフト機構は、
    回転軸と、
    前記回転軸を中心に前記回転軸とともに回転するホイールと、
    前記ホイールの外周に沿って配置されかつ前記ドライバの前記被係合部に係合する複数の係合部と、
    前記回転軸に設けられかつ前記ホイールを前記回転軸に対して初期位置と偏心位置の間で径方向に移動可能に支持する支持部材を有し、前記ドライバを前記反打ち込み方向へ移動させる時に前記ホイールが前記初期位置において前記ドライバに係合しかつ前記偏心位置へ退避可能である第1状態と、前記ホイールが前記偏心位置において前記ドライバと係合する第2状態に変位する打ち込み工具。
  2. 請求項1に記載の打ち込み工具であって、
    前記ホイールを前記偏心位置から前記初期位置へ付勢する付勢部材を有する打ち込み工具。
  3. 請求項1または2に記載の打ち込み工具であって、
    前記支持部材は、前記ホイールを前記回転軸に対して直線状に往復動可能に支持する打ち込み工具。
  4. 請求項3に記載の打ち込み工具であって、
    前記支持部材は、径方向に延在しかつ相互に平行な一対の支持平面を有し、
    前記ホイールは、前記支持部材が挿入されかつ前記一対の支持平面のそれぞれに対面し径方向に延在する一対のスライド面を具備する取付孔を有する打ち込み工具。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載の打ち込み工具であって、
    前記複数の係合部の1つは、前記ドライバを前記反打ち込み方向へ移動させる時に最初に前記被係合部に係合する第1係合部であり、前記ホイールが前記初期位置に位置する時に前記回転軸の軸心から基準距離の基準円上に位置する打ち込み工具。
  6. 請求項5に記載の打ち込み工具であって、
    前記複数の係合部は、前記第1係合部を起点にして前記ホイールの回転方向に0°~90°の範囲内において前記基準円の径方向外方に位置する少なくとも1つの外方位置係合部と、前記第1係合部を起点にして前記ホイールの回転方向に90°~180°の範囲内において前記基準円の径方向内方に位置する少なくとも1つの内方位置係合部を含む打ち込み工具。
  7. 請求項6に記載の打ち込み工具であって、
    前記複数の係合部は、前記第1係合部を起点にして前記ホイールの回転方向に0°~90°の範囲内において前記基準円上または前記基準円の径方向外方に位置し、前記第1係合部を起点にして前記ホイールの回転方向に90°~180°の範囲内において前記基準円上または前記基準円の径方向内方に位置する打ち込み工具。
  8. 請求項6または7に記載の打ち込み工具であって、
    前記複数の係合部は、前記第1係合部を起点にして前記ホイールの回転方向に180°~360°の範囲内において前記基準円上に位置する打ち込み工具。
  9. 請求項6~8のいずれか1つに記載の打ち込み工具であって、
    前記基準円の径方向外方において隣接する前記複数の係合部の内の2つは、前記回転軸の中心に対して第1角度を有し、前記基準円の径方向内方において隣接する前記複数の係合部の内の2つは、前記回転軸の中心に対して前記第1角度よりも大きい第2角度を有する打ち込み工具。
  10. 請求項6~9のいずれか1つに記載の打ち込み工具であって、
    前記ホイールは、前記外方位置係合部の最外周端よりも内周側に位置する小径外周縁と、前記外方位置係合部に対応する領域において前記小径外周縁よりも外周側に位置する大径外周縁を有する打ち込み工具。
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