JP2023061058A - ステアリングシステム - Google Patents

ステアリングシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2023061058A
JP2023061058A JP2021170816A JP2021170816A JP2023061058A JP 2023061058 A JP2023061058 A JP 2023061058A JP 2021170816 A JP2021170816 A JP 2021170816A JP 2021170816 A JP2021170816 A JP 2021170816A JP 2023061058 A JP2023061058 A JP 2023061058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
value
angle
control
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021170816A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7420128B2 (ja
Inventor
哲也 守野
Tetsuya Morino
雄斗 大脇
Yuto Owaki
義明 土屋
Yoshiaki Tsuchiya
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2021170816A priority Critical patent/JP7420128B2/ja
Priority to CN202211239311.4A priority patent/CN115991233A/zh
Priority to US17/967,567 priority patent/US20230118507A1/en
Publication of JP2023061058A publication Critical patent/JP2023061058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7420128B2 publication Critical patent/JP7420128B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/002Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits computing target steering angles for front or rear wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D7/00Steering linkage; Stub axles or their mountings
    • B62D7/06Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins
    • B62D7/14Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D15/00Steering not otherwise provided for
    • B62D15/02Steering position indicators ; Steering position determination; Steering aids
    • B62D15/025Active steering aids, e.g. helping the driver by actively influencing the steering system after environment evaluation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

【課題】車輪を転舵する転舵装置又は車両運動と、車輪の転舵との共振による車両の挙動の増大を抑制することができるステアリングシステムを提供する。【解決手段】本発明は、判定部53により転舵関連周波数が共振周波数帯域内の数値であると判定された場合、制限制御を実行する転舵制御部54を備え、当該制限制御は、実際の転舵角である実転舵角について、(i)実転舵角が所定値で一定になるように、(ii)実転舵角の絶対値が規定値から漸減するように、(iii)実転舵角の周波数が共振周波数帯域外となるように、又は(iv)実転舵角の絶対値が目標転舵角の極値である目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなるように、前輪転舵装置3又は後輪転舵装置4を制御する制御である。【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリングシステムに関する。
車両のステアリングシステムにおいて、前輪を転舵するアクチュエータに伝達されるノイズを抑制して、ドライバによるステアリングホイールの操作と、アクチュエータによる転舵との干渉を抑制する技術が開発されている。例えば、特開2002-302058号公報に記載の操舵制御装置では、カメラの画像情報に基づいて演算された目標ヨーレイトを低周波成分と高周波成分とに分離し、当該低周波成分により前輪操舵手段を制御し、当該高周波成分により後輪操舵手段を制御する。これにより、上記干渉を抑制している。
特開2002-302058号公報
車両の挙動において、車輪を転舵する転舵装置又は車両運動と、車輪の転舵との間で共振が発生することが考えられる。共振が発生すると、例えば車両がドライバの想定よりも大きく旋回するなど、車両挙動が増大する側に、車両挙動に影響が出る可能性がある。上記操舵制御装置では、共振について考慮されておらず、挙動の増大抑制の観点で改良の余地がある。
本発明の目的は、車輪を転舵する転舵装置又は車両運動と、車輪の転舵との共振による車両の挙動の増大を抑制することができるステアリングシステムを提供することである。
本発明のステアリングシステムは、前輪を転舵する前輪転舵装置及び後輪を転舵する後輪転舵装置の少なくとも一方と、転舵要求に応じて前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する制御装置と、を備えるステアリングシステムであって、前記制御装置は、前記転舵要求に基づいて、目標転舵角を演算する目標演算部と、転舵に関する転舵変数の周波数である転舵関連周波数を演算する周波数演算部と、前記転舵関連周波数が所定の共振周波数帯域内の数値であるか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記転舵関連周波数が前記共振周波数帯域外の数値であると判定された場合、前記目標転舵角に基づいて前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する通常制御を実行し、前記判定部により前記転舵関連周波数が前記共振周波数帯域内の数値であると判定された場合、制限制御を実行する転舵制御部と、を備え、前記制限制御は、実際の転舵角である実転舵角について、(i)前記実転舵角が所定値で一定になるように、(ii)前記実転舵角の絶対値が規定値から漸減するように、(iii)前記実転舵角の周波数が前記共振周波数帯域外となるように、又は(iv)前記実転舵角の絶対値が前記目標転舵角の極値である目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなるように、前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する制御である。
本発明によれば、予め設定された転舵に関する転舵変数(例えば、操作部材の操作角、自動運転における指示値、又は車輪の実際の転舵角等)の周波数が、所定の共振周波数帯域内の数値である場合、制限制御が実行される。制限制御(i)によれば、目標転舵角にかかわらず実転舵角が一定になるように制御されるため、制御値(実転舵角)に揺れ(振幅)が発生せず、共振の発生は抑制される。制限制御(ii)によれば、目標転舵角にかかわらず実転舵角の絶対値が漸減するように制御されるため、制御値に揺れ(振幅)が発生せず、共振の発生は抑制される。
制限制御(iii)によれば、目標転舵角にかかわらず実転舵角の周波数が共振周波数帯域外となるように制御されるため、共振の発生は抑制される。制限制御(iv)によれば、実転舵角の絶対値が目標転舵角の直近の極値よりも小さくなるように制御されるため、共振が発生しても車両の揺れ自体を抑制することができる。このように、本発明によれば、車輪を転舵する転舵装置又は車両運動と、車輪の転舵との共振による車両の挙動の増大を抑制することができる。
本実施形態のステアリングシステムが搭載された車両の構成図である。 本実施形態の制限制御を説明するためのタイムチャートである。 本実施形態の実験結果を示すグラフである。 本実施形態の制御の流れの一例を示すフローチャートである。 制限制御の他の例を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例であるステアリングシステム1を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
図1に示すように、実施例のステアリングシステム1は、機械的に互いに独立した3つの装置、すなわち操作装置2、前輪転舵装置3、及び後輪転舵装置4を備えている。前輪転舵装置3は、一対の前輪10Fを転舵する装置である。後輪転舵装置4は、一対の後輪10Rを転舵する装置である。また、ステアリングシステム1は、さらに、主に前輪転舵装置3及び後輪転舵装置4を制御するステアECU(「制御装置」に相当する)5を備えている。ステアリングシステム1は、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムである。なお、以下、前輪10Fと後輪10Rとを総称して車輪10という場合がある。また、駆動輪は例えば後輪10Rである。
(操作装置)
操作装置2は、操作部材としてのステアリングホイール21と、ステアリングシャフト22と、ステアリングコラム23と、反力付与機構24と、操作角センサ25と、を備えている。ステアリングホイール21は、運転者によって操舵操作(ステアリング操作)される操作部材である。ステアリングシャフト22は、先端にステアリングホイール21が取り付けられたシャフト部材である。ステアリングコラム23は、ステアリングシャフト22を回転可能に保持するとともに、インパネリインフォースメント(図示を省略)に支持される部材である。
反力付与機構24は、ステアリングコラム23に支持された電動モータである反力モータ26を力源として、操舵操作に対する反力(以下「操作反力」ともいう)を、ステアリングシャフト22を介して、ステアリングホイール21に付与する機構である。反力付与機構24は、減速機等を含む一般的な構造のものである。反力モータ26には、回転角センサ26aが設けられている。操作角センサ25は、ステアリング操作量としてステアリングホイール21の操作角を検出するセンサである。
また、ステアリングシステム1では、一般的ないわゆるパワーステアリングシステムと同様、ステアリングシャフト22に、トーションバー27が組み込まれている。操作装置2は、トーションバー27の捩じれ量に基づいて、運転者によってステアリングホイール21に加えられる操作力としての操作トルクを検出するための操作トルクセンサ28を有している。
(転舵装置)
車輪10の各々は、サスペンション装置の一構成要素であるステアリングナックル90を介して、転向可能に車体に支持されている。前輪転舵装置3は、ステアリングナックル90を回動させることで、一対の前輪10Fを一体的に転舵する。前輪転舵装置3は、主要構成要素として、転舵アクチュエータ30を有している。
転舵アクチュエータ30は、ステアリングロッド31と、ハウジング32と、ロッド移動機構33と、を備えている。ステアリングロッド31(「ラックバー」とも呼ばれる)は、両端がリンクロッド34を介して左右のステアリングナックル90にそれぞれ連結された部材である。ハウジング32は、ステアリングロッド31を左右に移動可能に支持するとともに、車体に固定的に保持された部材である。
ロッド移動機構33は、電動モータである転舵モータ35を駆動源として、ステアリングロッド31を左右に移動させるための機構である。ロッド移動機構33は、ステアリングロッド31に螺設されたボール溝と、そのボール溝とベアリングボールを介して螺合するとともに転舵モータ35によって回転させられるナットとによって構成されるボールねじ機構を主体とするものである。一般的な構造のものであるため、ロッド移動機構33についての詳しい説明は省略する。
転舵モータ35には、回転角センサ35a、及び自身に供給される電流を検出する電流センサ35bが設けられている。また、前輪転舵装置3は、前輪10Fの転舵角(転舵量)を検出するために、ステアリングロッド31の中立位置からの左右それぞれへの移動量を検出する転舵角センサ36を有している。このように、前輪転舵装置3は、ステアリングホイール21の操作力から機械的に独立し、転舵モータ35の力により前輪10Fを転舵するステアバイワイヤ型の転舵装置を構成している。
後輪転舵装置4は、ステアリングナックル90を回動させることで、一対の後輪10Rを一体的に転舵する。後輪転舵装置4は、前輪転舵装置3と同様の構成を有している。すなわち、後輪転舵装置4は、転舵アクチュエータ30に相当する転舵アクチュエータ40を備えている。転舵アクチュエータ40は、ステアリングロッド31に相当するステアリングロッド41と、ハウジング32に相当するハウジング42と、ロッド移動機構33に相当するロッド移動機構43と、転舵モータ35に相当する転舵モータ45と、を備えている。また、後輪転舵装置4は、リンクロッド34に相当するリンクロッド44を備えている。転舵モータ45には、回転角センサ35aに相当する回転角センサ45a、及び電流センサ35bに相当する電流センサ45bが設けられている。また、後輪転舵装置4は、後輪10Rの転舵角(転舵量)を検出するために、後輪10Rのステアリングロッド41の中立位置からの左右それぞれへの移動量を検出する転舵角センサ46を有している。
後輪転舵装置4は、ステアECU5の制御により、前輪10Fとは独立して後輪10Rを転舵する。ステアECU5の制御対象である後輪転舵装置4は、前輪転舵装置3同様、ステアリングホイール21の操作力から機械的に独立し、転舵モータ45の力により後輪10Rを転舵するステアバイワイヤ型の転舵装置を構成している。後輪転舵装置4の詳細説明については、前輪転舵装置3の説明を参照できるため省略する。
(制御装置)
ステアECU5は、CPU及びメモリ等を備える電子制御ユニットである。ステアECU5は、通信線の図示は省略するが、各装置及び各センサに通信可能に接続されている。車両内の通信には、CAN(car area network or controllable area network)が用いられる。
ステアECU5は、転舵要求、すなわち手動運転の場合におけるステアリングホイール21の操作角に応じて、車輪10を転舵するための転舵制御を実行する。ステアECU5は、ステアリングホイール21の操作角を、回転角センサ26aで検出された反力モータ26の回転角に基づいて取得する。ステアECU5は、操作角に基づいて、前輪10Fの転舵角の目標となる目標前輪転舵角を決定する。
ステアECU5は、目標前輪転舵角に基づいて、転舵モータ35の回転角の目標である目標回転角を決定する。ステアECU5は、回転角センサ35aを介して、転舵モータ35の実際の回転角(以下「実回転角」ともいう)を検出し、目標回転角に対する実回転角の偏差である回転角偏差を決定する。転舵モータ35が発生させるトルクを転舵トルクと呼べば、ステアECU5は、回転角偏差に基づくフィードバック制御則に従って、発生させるべき転舵トルクを決定する。
転舵モータ35に供給される電流を転舵電流と呼べば、転舵トルクと転舵電流とは、概ね比例関係にある。その関係にしたがって、ステアECU5は、決定された転舵トルクに基づいて、転舵モータ35に供給すべき転舵電流を決定し、その転舵電流を、転舵モータ35に供給する。
また、ステアECU5は、操作角と車速情報とに基づいて、後輪10Rの転舵角の目標となる目標後輪転舵角を決定する。車速は、例えば、各車輪10に対して設けられた車輪速度センサ82の検出結果に基づいて演算される。ステアECU5は、前輪10Fの転舵制御同様、目標後輪転舵角に基づいて、転舵アクチュエータ40を制御する。ステアECU5は、車速等の走行状況に応じて、前輪10Fと後輪10Rとを同位相又は逆位相に制御することができる。ステアECU5は、必要に応じて後輪10Rの転舵角を制御する。ステアECU5は、転舵要求及び走行状況に応じて、前輪10Fの転舵角のみを制御してもよい。
また、ステアECU5は、運転者にステアリング操作に対する操作感を付与するための反力制御を実行する。ステアECU5は、操作反力を、2つの成分である転舵負荷依拠成分FSと、操作力依拠減少成分FAとに基づいて決定する。転舵負荷依拠成分FSは、前輪10Fを転舵するために必要な転舵力(転舵モータ35の転舵トルク)に関する成分であり、転舵モータ35に供給されている転舵電流に基づいて決定される。詳しい説明は省略するが、転舵電流が大きい程、前輪10Fの転舵負荷が大きいと認識され、転舵負荷依拠成分FSが大きな値に決定される。
一方、操作力依拠減少成分FAは、いわゆるパワーステアリングシステムにおける操作感を運転者に付与するための成分と考えることができる。パワーステアリングシステムでは、一般的に、操作トルクに応じたアシストトルクが、ステアリングシャフト22に付与される。ステアECU5は、操作トルクセンサ28を介して、操作トルクを検出する。ステアECU5は、操作反力に基づき、反力モータ26に供給する電流である反力電流を決定し、その決定した反力電流を、反力モータ26に供給する。
このように、ステアECU5は、転舵制御を実行する転舵制御部と、反力制御を実行するなど操作装置2を制御する操作制御部と、を備えているといえる。なお、ステアECU5は、複数のECUで構成されてもよい。例えば、ステアECU5は、互いに通信可能に接続された、操作装置2を制御する操作ECUと、前輪転舵装置3を制御する前輪転舵ECUと、を制御する後輪転舵ECUと、を含んで構成されてもよい。また、ステアバイワイヤ型のステアリングシステム1における装置及びECUは、それぞれ冗長化されている。
(通常制御と制限制御)
ステアECU5は、目標演算部51と、周波数演算部52と、判定部53と、転舵制御部54と、を備えている。目標演算部51は、転舵要求に基づいて、目標転舵角を演算する。より詳細に、目標演算部51は、転舵要求に基づいて、前輪10Fの転舵角の目標値である目標前輪転舵角、及び後輪10Rの転舵角の目標値である目標後輪転舵角を演算する。転舵要求は、例えば、ステアECU5が受信した、ステアリングホイール21の操作角(操作角センサ25の検出値)、又は自動運転等における他のECUからの指示値(指示角)である。目標演算部51は、例えば、検出された操作角及び操作トルクに基づいて、演算式やマップ等を利用して目標転舵角を算出する。
周波数演算部52は、転舵に関する転舵変数の周波数である転舵関連周波数を演算する。転舵変数は、例えば、ステアリングホイール21の操作角、自動運転等における他のECUからの指示値、又は実際の転舵角である実転舵角(転舵角センサ36、46の検出値)である。周波数演算部52は、転舵変数の極値である変数極値を演算し、変数極値の発生から次の変数極値の発生までの時間(連続する変数極値間の時間)Taに基づいて、転舵関連周波数を演算する。
極値は、値の変化の傾きがプラスからマイナスに又はマイナスからプラスに変化したときの値であって、接線の傾き(微分値)が0になったときの値ともいえる。傾きがプラスからマイナスになったときの値が極大値であり、傾きがマイナスからプラスになったときの値が極小値である。周波数演算部52は、例えば、転舵変数の変化の傾きに基づいて、変数極値を演算(検出)する。
周波数演算部52には、検出された極値が変数極値であるか否かの判定基準として、傾きの正負の変化の他に、転舵変数の絶対値が閾値以上であり、且つ判定された極値とその次に判定された極値との差分が差分閾値以上であることが設定されている。これにより、ノイズによる変数極値の誤検出を抑制することができる。周波数fは周期Tの逆数である。連続する変数極値から変数極値までの時間Taは、転舵変数の周期の半分と推定でき、時間Taに基づいて転舵関連周波数は演算可能である。
判定部53は、転舵関連周波数が所定の共振周波数帯域内の数値であるか否かを判定する。判定部53には、所定の共振周波数帯域として、後述する制限制御の対象のアクチュエータ30、40の共振周波数帯域と、車両運動系の共振周波数帯域とが設定される。本実施形態では、制限制御の対象が後輪転舵装置4であるため、判定部53には、少なくとも後輪転舵装置4のアクチュエータ40の共振周波数帯域と、車両運動系の共振周波数帯域とが記憶されている。
車両運動系の共振周波数帯域は、運動中の車両での共振周波数帯域であり、例えば車速に応じて変化する。車両運動系の共振周波数は、例えば二次遅れ系のボード線図におけるゲイン(縦軸)が立つ周波数(横軸)といえる。ゲインはヨーレイト(又は横加速度)を操作角で割った値に相当する(ヨーレイト/操作角)。例えば、ステアリングホイール21が左右に連続的に操作され、車両が左右に旋回すると、操作角の周波数がある周波数となったときに、車両の旋回(揺れ)が大きくなるときがある。このとき、操作角の周波数が車両運動系の共振周波数帯域内の数値に入ったといえる。車両運動系の共振周波数帯域は、車速ごとに設定されている。
アクチュエータ40の共振周波数帯域は、例えば、転舵モータ45に対するフィードバック制御を要因とする共振の周波数帯域である。この場合も、アクチュエータ40の共振周波数は、例えば二次遅れ系のボード線図におけるゲイン(縦軸)が立つ周波数(横軸)といえる。フィードバック制御では、目標転舵角と実転舵角との差分に基づいて、当該差分が小さくなるように、転舵モータ45に対する転舵電流(制御電流)が決定される。ステアECU5での演算では、例えば、差分に所定の係数(パラメータ)が乗算されて、転舵電流が算出される。
モータのフィードバック制御では、一般に、入力が高周波になるほど、出力に遅れが生じる。このことから、ある周波数の入力が続くと、差分が大きくなって転舵電流が大きくなり、共振が発生する。アクチュエータ40の共振周波数帯域は、例えば、フィードバック制御の演算における係数(パラメータ)を変えることで、変えることができる。アクチュエータ30の共振周波数帯域の考え方についても、アクチュエータ40と同様である。車両運動系の共振周波数帯域及びアクチュエータ30、40の共振周波数帯域は、予め実験やシミュレーションにより求めることができる。
本実施形態の判定部53は、転舵関連周波数として、手動運転の場合はステアリングホイール21の操作角の周波数を用い、自動運転の場合は指示値の周波数を用いる。判定部53は、手動運転時、操作角センサ25の検出値に基づいて、操作角の周波数がアクチュエータ40の共振周波数帯域内の数値であるか否か、及び操作角の周波数が車両運動系の共振周波数帯域内の数値であるか否かを判定する。
転舵制御部54は、判定部53により転舵関連周波数が共振周波数帯域外の数値であると判定された場合、目標後輪転舵角に基づいて後輪転舵装置4を制御する通常制御を実行する。転舵制御部54は、前輪転舵装置3に対しては、転舵関連周波数にかかわらず、目標前輪転舵角に基づいた制御である通常制御を実行する。
転舵制御部54は、判定部53により転舵関連周波数が共振周波数帯域内の数値であると判定された場合、制限制御を実行する。制限制御は、(i)実転舵角が所定値で一定になるように、(ii)実転舵角が規定値から漸減するように、(iii)実転舵角の周波数が共振周波数帯域外となるように、又は(iv)実転舵角の絶対値が目標後輪転舵角の極値である目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなるように、後輪転舵装置4を制御する制御である。制限制御は、転舵関連周波数が共振周波数帯域外の数値となることで解除(停止)される。本例の制限制御は、実転舵角が所定値で一定となるように、後輪転舵装置4を制御する制御である。本例の所定値は、0に設定されている。
転舵制御部54は、転舵関連周波数が所定の共振周波数帯域内の数値となった後、変数極値と判定した回数が極値判定閾値(ここでは3回)以上となった場合、目標後輪転舵角の絶対値が切替閾値以下になることを条件として、目標後輪転舵角を0で一定にする。切替閾値は、所定値(ここでは0)又は所定値付近の値に設定されている。極値判定閾値は、ステアリングホイール21の緊急回避操作に対して、制限制御が実行されないように設定されている。
検出された連続する変数極値が2回の段階では、演算された転舵関連周波数が緊急回避操作に起因するものである可能性があり、転舵関連周波数が共振周波数帯域内の数値であっても、制限制御が実行せれずに、後輪転舵装置4の実転舵角は制限されない。そして、転舵関連周波数が共振周波数帯域内の数値であることを継続しながら3回目の変数極値が検出(判定)された場合、ステアECU5において制限制御実行許可のフラグ(以下、制限フラグという)がオンされ、制限制御の実行が許可された状態となる。換言すると、1回目の変数極値と2回目の変数極値とで求められた転舵関連周波数が共振周波数帯域内であり、且つ2回目の変数極値と3回目の変数極値とで求められた転舵関連周波数が共振周波数帯域内である場合、制限フラグがオンされる。制限制御が緊急回避の妨げにならないように、極値判定閾値は、3以上の数値に設定されている。
なお、ステアECU5は、1回目の変数極値と2回目の変数極値とで求められた転舵関連周波数が共振周波数帯域内であった場合、2回目の変数極値の検出から所定時間内に3回目の変数極値が検出されたことを条件として、制限フラグをオンするように構成されてもよい。この場合、2回目の変数極値と3回目の変数極値とで求められた転舵関連周波数が共振周波数帯域外であっても、3回目の変数極値の検出により制限フラグがオンされる。
制限フラグがオンされた状態で、目標転舵角の絶対値が切替閾値(ここでは0)以下になると、制御モードが通常制御から制限制御に変更され(すなわち制限制御が実行され)、目標後輪転舵角が0となる。制限制御中、目標後輪転舵角は0で維持される。切替閾値が制限制御での所定値及び所定値付近の値に設定されていることで、制限制御の開始により目標後輪転舵角が急に大きく変化することが抑制される。制限制御は、転舵関連周波数が共振周波数帯域外の数値になるまで継続される。
一例として、図2に示すように、ステアECU5は、操作角の入力に対して、時間t1で変数極値を検出し、時間t2で次の変数極値を検出する。ステアECU5は、入力された操作角の変数極値と次の変数極値との間の時間(t2-t1)を演算する。ステアECU5は、この演算結果に基づいて、操作角の周波数を演算する。ステアECU5は、操作角の周波数が所定の共振周波数帯域内の数値であるか否か、ここでは説明上の例としてアクチュエータ40の共振周波数帯域内の数値であるか否かを判定する。実際には、アクチュエータ40の共振周波数帯域と同様に、車両運動系の共振周波数帯域についても判定するが説明は省略する。
ステアECU5は、操作角の周波数がアクチュエータ40の共振周波数帯域内の数値である場合、当該判定における周波数の演算根拠となった変数極値の数を計測し、連続した変数極値の数が極値判定閾値に達した場合、制限制御を実行可能状態とする。この例では極値判定閾値が3回であるため、ステアECU5は、2回連続で、操作角の周波数が同一対象の(ここではアクチュエータ40の)共振周波数帯域内の数値であると判定した場合、制限フラグがオンされる。つまり、時間t2で操作角の周波数がアクチュエータ40の共振周波数帯域内の数値であると判定された後に、変数極値が検出された時間t3において、時間t2の変数極値から時間t3の変数極値までの時間(t3-t2)が演算され、当該時間(t3-t2)に基づく操作角の周波数が前回判定と同じ対象(アクチュエータ40)の共振周波数帯域内の数値であると判定された場合、制限フラグがオンされる。すなわち、この例では、時間t3において制限フラグがオンされる。なお、時間t3における目標極値(目標後輪転舵角の極値)が、制限制御実行前の目標極値の最新値(直近の目標極値)である。
制限フラグがオンされた状態で、目標後輪転舵角の絶対値が切替閾値(ここでは0)になると、制限制御が実行される(時間t4)。制限制御により、操作角の周波数がアクチュエータ40の共振周波数帯域外の数値と判定されるまで(すなわち時間t4から時間t7まで)、目標後輪転舵角が0となる。制限制御中、操作角の周波数が共振周波数帯域内の数値であるか否かの判定は、上記同様、極値判定閾値(連続する3つの極値)に基づいて実行される。すなわち、時間t5、t6に基づく周波数が共振周波数帯域外であり、且つ時間t6、t7に基づく周波数が共振周波数帯域外である場合、操作角の周波数は共振周波数帯域外の数値であると判定される。なお、制限制御中の極値判定閾値は、通常制御中の極値判定閾値とは異なる値でもよく、例えば2回であってもよい。
操作角の周波数がアクチュエータ40の共振周波数帯域外の数値であると判定されると(時間t7)、ステアECU5は、制限制御における目標値である制限目標転舵角を、制限していない目標後輪転舵角に徐々に近づける切替処理を実行する。制限目標転舵角が目標後輪転舵角と一致すると(時間t8)、通常制御が開始される。この例では、制御モードは、切替処理を挟んで制限制御から通常制御に切り替わる。時間t8から通常制御が実行され、引き続き操作角の周波数と共振周波数帯域とが比較される。上記の制御は、転舵関連周波数と車両運動系の共振周波数帯域との比較においても同様である。なお、時間t7における制限目標転舵角と目標転舵角との差が所定の復帰判定閾値以下である場合、ステアECU5は、切替処理を実行することなく、制御モードを制限制御から通常制御に切り替えても良い。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、転舵に関する転舵変数の周波数が、所定の共振周波数帯域内の数値である場合、制限制御が実行される。本実施形態の制限制御によれば、目標後輪転舵角にかかわらず後輪10Rの実転舵角が一定になるように制御されるため、制御値(実転舵角)に揺れ(振幅)が発生せず、共振の発生は抑制される。つまり、本実施形態によれば、車輪を転舵する転舵装置又は車両運動と、車輪の転舵との共振による車両の挙動の増大を抑制することができる。
また、制限制御において、実転舵角が0で一定となるように後輪10Rが制御される。これにより、後輪10Rが前輪10Fの転舵による車両の挙動の妨げになることが抑制される。すなわち、前輪10Fの実転舵角が目標前輪転舵角に応じて制御され、後輪10Rの実転舵角が0で一定になることで、前輪10Fで目標転舵角を達成しつつ、後輪10Rでの共振を抑制することができる。このように、転舵制御部54は、前輪転舵装置3に対しては転舵関連周波数にかかわらず通常制御を実行し、後輪転舵装置4に対しては転舵関連周波数と共振周波数帯域とに基づいて通常制御及び制限制御を選択的に実行するように構成されている。この構成によれば、車両の応答性と挙動の安定性の両立が可能となる。
図3のグラフには、前輪転舵装置3及び後輪転舵装置4を備える車両で、後輪転舵装置4に対して制限制御を実行する第1車両の測定値(ひし形マーク:リアステアあり且つ対策あり)と、後輪転舵装置4に対して制限制御を実行しない第2車両の測定値(四角マーク:リアステアあり且つ対策なし)と、前輪転舵装置3のみを備える第3車両の測定値(三角マーク:リアステアなし)とがプロットされている。図3において、横軸が転舵関連周波数としての操作角の周波数で、縦軸が横加速度/操作角であり、縦軸の値が大きいほど車両の揺れ(挙動)が大きいといえる。ここでの制限制御は、上記した本実施形態の制限制御である。
図3の測定結果によれば、第1車両と第2車両とで比較すると、転舵関連周波数が特定の周波数より大きい領域において、第1車両(制限制御あり)の測定値は第2車両(制限制御なし)の測定値よりも小さく、第3車両と同様の値となっている。第2車両では操作角の周波数が共振周波数帯域に入った後に共振が発生し、それより大きい周波数において横加速度/操作角が大きくなっている。第1車両では、制限制御が実行されるため、操作角の周波数が共振周波数帯域に入っても共振が抑制され、それより大きい周波数において横加速度/操作角は第3車両同様に小さくなっている。このように、制限制御が実行されることで、車両の挙動の増大を抑制することができる。
また、所定値が0であるため、制限制御において、実転舵角の絶対値は、目標後輪転舵角の極値である目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなる。これにより、仮に共振が発生したとしても、制御の絶対値が目標値よりも小さく抑制されるため、車両の挙動の増大は抑制される。また、本実施形態では、変数極値の発生から次の変数極値の発生までの時間に基づいて、転舵関連周波数が演算される。これにより、実際の入力値に応じた周波数を演算することができる。
(制御の流れの一例)
制御の流れの一例について図3を参照して説明する。ステアECU5は、条件Aとして、現状が通常制御中(非制限制御中)であるか否かを判定する(S101)。条件Aが充足されている場合すなわち現状が通常制御中である場合(S101:Yes)、ステアECU5は、条件Bとして、転舵関連周波数が共振周波数帯域内の数値(共振周波数の判定下限値≦転舵関連周波数≦共振周波数の判定上限値)であるか否かを判定する(S102)。
条件Bが充足されている場合、すなわち転舵関連周波数が共振周波数帯域内の数値である場合(S102:Yes)、ステアECU5は、条件Cとして、条件Bを充足しつつ連続する変数極値の数が極値判定閾値に達したか否か、ここでは連続する3つの変数極値に対して条件Bが充足されたか否かを判定する(S103)。ステアECU5は、後述するカウントフラグがオンされていた場合、ステップS103において条件Cが充足したと判定する。
条件Cが充足されている場合、すなわち条件Bを充足しつつ連続する変数極値の数が極値判定閾値に達した場合(S103:Yes)、ステアECU5は、条件Dとして、目標後輪転舵角が所定値(ここでは0)に達したか否かを判定する(S104)。目標後輪転舵角が0となり条件Dが充足されると(S104:Yes)、ステアECU5は、制限制御を開始し、カウントフラグをオフする(S105)。
一方、条件Cが充足されていないと(S103:No)、ステアECU5は、カウントフラグをオンする(S106)。また、ステップS102で条件Bが充足されていないと(S102:No)、ステアECU5は、カウントフラグをオフする(S107)。なお、ステアECU5が、条件Bを充足した連続する変数極値の数を計測するカウント機能を用いる場合、例えば、ステップS106はカウント数を増加させる処理を含み、ステップS105、S107はカウントをリセットする処理を含む。
条件Aが充足されていない場合すなわち現状が制限制御中である場合(S101:No)、ステアECU5は、条件Eとして、転舵関連周波数が共振周波数帯域外(転舵関連周波数<共振周波数の判定下限値、又は転舵関連周波数>共振周波数の判定上限値)の数値であるか否かを判定する(S108)。条件Eが充足されている場合、すなわち転舵関連周波数が共振周波数帯域外の数値である場合(S108:Yes)、ステアECU5は、条件Fとして、制限目標転舵角と目標後輪転舵角との差が復帰判定閾値以下であるか否かを判定する(S109)。
条件Fが充足されている場合、すなわち制限目標転舵角と目標後輪転舵角との差が復帰判定閾値以下である場合(S109:Yes)、ステアECU5は、制限制御を完了し、通常制御を開始する(S110)。すなわち、条件Fが充足されると、ステアECU5は、制御モードを制限制御から通常制御に切り替える。一方、条件Fが充足されていない場合、すなわち制限目標転舵角と目標後輪転舵角との差が復帰判定閾値より大きい場合(S109:No)、ステアECU5は、切替処理を実行し、制限目標転舵角が目標後輪転舵角に徐々に近づくように制限目標転舵角を変化させて、制限目標転舵角と目標後輪転舵角とが一致した時点で、通常制御を開始する(S111)。これにより、目標値の急激な変化が抑制される。ステアECU5は、このような処理を繰り返し実行する。なお、上記フローでは代表的に「共振周波数」と記載しているが、これはアクチュエータの共振周波数又は車両運動系の共振周波数と読み替えることができる。
(その他)
上記制限制御(i)では、実転舵角が所定値で一定になるように、後輪転舵装置4を制御する。さらに、所定値の絶対値は、実転舵角の絶対値が目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなるように設定されている。本実施形態のように、所定値は、一例として、0に設定される。
制限制御は、上記に限られない。以下に制限制御のその他の例について説明する。ステアECU5は、制限制御(ii)において、図5に示すように、実転舵角の絶対値が規定値から漸減するように、後輪転舵装置4を制御してもよい。これによっても、制御値に揺れ(振幅)が発生せず、共振の発生は抑制される。また、この例では、規定値が目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなるように設定されているため、より車両の挙動の増大を抑制することができる。図5のように、制限制御では、漸減により実転舵角が0になると、制限フラグが解除されるまで実転舵角が0で一定になるように制御してもよい。つまり、制限制御(ii)の実行後、制限制御(i)が実行されてもよい。このように、ステアECU5は、制限制御中、制限制御のやり方(種類)を変更してもよい。
また、ステアECU5は、制限制御(iii)において、実転舵角の周波数が共振周波数帯域外となるように、後輪転舵装置4を制御してもよい。これにより、制御値の周波数も共振周波数帯域外となり、共振の発生は抑制される。ただし、制限制御(iii)では、操作角と実転舵角とがずれる可能性が相対的に高いため、ドライバの操作感の観点では他の制限制御が好ましい。
また、ステアECU5は、制限制御(iv)において、実転舵角の絶対値が目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなるように、後輪転舵装置4を制御してもよい。これにより、周波数が変わらずに共振が発生したとしても、車両の揺れ(挙動)の大きさが小さくなる。このように、本構成によれば、後輪転舵装置4又は車両運動と、車輪の転舵との共振による車両の挙動の増大を抑制することができる。
また、本実施形態を含む上記制限制御(i)~(iv)は、前輪転舵装置3に対して実行可能である。例えば、ステアECU5は、前輪転舵装置3に制限制御を実行し、後輪転舵装置4に通常制御を実行することも可能である。ステアECU5は、制限制御の開始条件が満たされると、前輪転舵装置3及び後輪転舵装置4の一方に制限制御を実行し、前輪転舵装置3及び後輪転舵装置4の他方に通常制御を実行するように構成されてもよい。また、車両が前輪転舵装置3のみを備える場合、ステアECU5が前輪転舵装置3に対して制限制御を実行したとしても、制限制御の種類によっては操作角と実転舵角とにずれが生じ得るが、車両の挙動を抑制することができる。
また、上記実施形態では、制限制御において、目標転舵角を修正(制限)した制限目標転舵角に基づいて、実転舵角の制御が行われている。制限制御中の実転舵角の制御はこれに限られない。例えば、転舵制御部54は、制限制御において、転舵モータ45の演算上のパラメータを変更してもよい。制限制御中の実転舵角の制御は、例えば、目標転舵角と実転舵角との差分を、転舵モータ45に供給する転舵電流に変換する演算において、差分に乗算する係数(パラメータ)を変更することによっても実現できる。
また、本発明によれば、制限制御において実転舵角が所定状態になるように制御されるため、ステアリングシステムがステアバイワイヤ型でなく、例えばパワーステアリング型のように操作と車輪とが機械的に連動するシステムにおいても適用可能である。例えば、パワーステアリング型のステアリングシステムにおいて、制限制御中、通常制御と比較して、操作角に対するアシスト力を小さくすることで、共振による挙動の増大は抑制できる。また、例えば、前輪転舵装置及び後輪転舵装置の一方がパワーステアリング型で、前輪転舵装置及び後輪転舵装置の他方がステアバイワイヤ型であってもよい。例えば、前輪転舵装置がパワーステアリング型で、後輪転舵装置がステアバイワイヤ型であって、制限制御の対象が後輪転舵装置であってもよい。制限制御の対象を、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムとすることで、ドライバの操作への影響を考慮することなく、より自由に実転舵角を制限することが可能となる。本発明は、例えば、操作手段(ステアリングホイール)の操作と車輪の転舵角の制御とが独立したステアリングシステム(例えば、可変ギヤ比ステアリング:VGRS)に適用可能である。
1:ステアリングシステム、3:前輪転舵装置、35:転舵モータ、4:後輪転舵装置、45:転舵モータ、5:ステアECU(制御装置)、51:目標演算部、52:周波数演算部、53:判定部、54:転舵制御部。

Claims (9)

  1. 前輪を転舵する前輪転舵装置及び後輪を転舵する後輪転舵装置の少なくとも一方と、
    転舵要求に応じて前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する制御装置と、
    を備えるステアリングシステムであって、
    前記制御装置は、
    前記転舵要求に基づいて、目標転舵角を演算する目標演算部と、
    転舵に関する転舵変数の周波数である転舵関連周波数を演算する周波数演算部と、
    前記転舵関連周波数が所定の共振周波数帯域内の数値であるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により前記転舵関連周波数が前記共振周波数帯域外の数値であると判定された場合、前記目標転舵角に基づいて前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する通常制御を実行し、前記判定部により前記転舵関連周波数が前記共振周波数帯域内の数値であると判定された場合、制限制御を実行する転舵制御部と、
    を備え、
    前記制限制御は、実際の転舵角である実転舵角について、(i)前記実転舵角が所定値で一定になるように、(ii)前記実転舵角の絶対値が規定値から漸減するように、(iii)前記実転舵角の周波数が前記共振周波数帯域外となるように、又は(iv)前記実転舵角の絶対値が前記目標転舵角の極値である目標極値の最新値の絶対値よりも小さくなるように、前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する制御である、
    ステアリングシステム。
  2. 前記周波数演算部は、前記転舵変数の極値である変数極値を演算し、前記変数極値の発生から次の前記変数極値の発生までの時間に基づいて、前記転舵関連周波数を演算する、
    請求項1に記載のステアリングシステム。
  3. 前記制限制御は、前記実転舵角が前記所定値で一定になるように、前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する制御であり、
    前記所定値の絶対値は、前記実転舵角の絶対値が前記目標転舵角の極値である目標極値の最新値の絶対値よりも小さい、
    請求項1又は2に記載のステアリングシステム。
  4. 前記所定値は0である、請求項3に記載のステアリングシステム。
  5. 前記制限制御は、前記実転舵角の絶対値が規定値から漸減するように、前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する制御であり、
    前記規定値の絶対値は、前記実転舵角の絶対値が前記目標転舵角の極値である目標極値の最新値の絶対値よりも小さい、
    請求項1又は2に記載のステアリングシステム。
  6. 前記制御装置の制御対象である前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置は、操作部材の操作力から機械的に独立し、転舵モータの力により車輪を転舵するステアバイワイヤ型の転舵装置を構成する、
    請求項1~5の何れか一項に記載のステアリングシステム。
  7. 前記転舵制御部は、前記制限制御において、前記目標転舵角を修正した制限目標転舵角に基づいて、前記前輪転舵装置又は前記後輪転舵装置を制御する、
    請求項1~6の何れか一項に記載のステアリングシステム。
  8. 前記転舵制御部は、前記制限制御において、前記転舵モータの演算上のパラメータを変更する、
    請求項6に記載のステアリングシステム。
  9. 前記転舵制御部は、前記前輪転舵装置に対しては前記転舵関連周波数にかかわらず前記通常制御を実行し、前記後輪転舵装置に対しては前記転舵関連周波数と前記共振周波数帯域とに基づいて前記通常制御及び前記制限制御を選択的に実行する、
    請求項1~8の何れか一項に記載のステアリングシステム。
JP2021170816A 2021-10-19 2021-10-19 ステアリングシステム Active JP7420128B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021170816A JP7420128B2 (ja) 2021-10-19 2021-10-19 ステアリングシステム
CN202211239311.4A CN115991233A (zh) 2021-10-19 2022-10-11 转向系统
US17/967,567 US20230118507A1 (en) 2021-10-19 2022-10-17 Steering system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021170816A JP7420128B2 (ja) 2021-10-19 2021-10-19 ステアリングシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023061058A true JP2023061058A (ja) 2023-05-01
JP7420128B2 JP7420128B2 (ja) 2024-01-23

Family

ID=85980911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021170816A Active JP7420128B2 (ja) 2021-10-19 2021-10-19 ステアリングシステム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20230118507A1 (ja)
JP (1) JP7420128B2 (ja)
CN (1) CN115991233A (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3941553B2 (ja) 2002-03-13 2007-07-04 トヨタ自動車株式会社 電動式パワーステアリング装置
JP2010030391A (ja) 2008-07-28 2010-02-12 Toyota Motor Corp 車両の操舵装置
JP5526630B2 (ja) 2009-07-08 2014-06-18 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
JP7319832B2 (ja) 2019-06-06 2023-08-02 株式会社Subaru ステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN115991233A (zh) 2023-04-21
JP7420128B2 (ja) 2024-01-23
US20230118507A1 (en) 2023-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4367383B2 (ja) 車両の操舵アシスト装置
JP6875813B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US11505242B2 (en) Vehicle steering control system
US20200307674A1 (en) Steering control system
CN111114624A (zh) 转向系统及转向系统的控制方法
JP4682836B2 (ja) 車両の操舵装置
JP5125724B2 (ja) 車両制御装置
JP7420128B2 (ja) ステアリングシステム
JP5776837B2 (ja) 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法
JP4251126B2 (ja) 車両の操舵装置
JP4449672B2 (ja) 車両の制御装置
JP6764503B2 (ja) アクチュエータ制御装置
JP5325708B2 (ja) 車両の後輪操舵制御装置
JPH0872735A (ja) 車両用補助舵角制御装置
CN112550434A (zh) 转向控制装置
JP5617499B2 (ja) 車両用舵角制御装置
JPH10236328A (ja) ステアリング装置
US20230130192A1 (en) Vehicle steering system, reaction torque control method, and non-transitory computer-readable storage medium
JP7444091B2 (ja) 転舵制御装置
JP2010254266A (ja) 車両の操舵制御装置
WO2023144959A1 (ja) 操舵制御装置及び操舵制御方法
JPH07172333A (ja) 検出ヨーレイト補正装置
JP2023032089A (ja) ステアリングシステム
JP2022086819A (ja) 転舵方法及び転舵装置
JP2024033834A (ja) 転舵制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221104

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231225

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7420128

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151