JP7444091B2 - 転舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転舵制御装置に関する。
従来、転舵輪の転舵角をフィードバック制御する制御装置が知られている。
例えば特許文献1に開示されたステアバイワイヤ式操舵装置の制御装置は、転舵角の中立位置と、車両が直進しているときの転舵角とのずれによる車両偏向の発生を抑制することを課題としている。この制御装置の転舵側制御部は、車両が直進しているときは、車両が直進していないときと比較してフィードバック制御の角度偏差に基づき得られる比例項及び積分項を、角度偏差が小さくなり難くなるように制限する。
特開2019-130958号公報
特許文献1の制御装置は、前列もしくは後列の左右輪が機械的に連結されており、前後列いずれか一方の左右輪が直進転舵角を有する車両に適用されるものである。転舵角は、車両が直進しているときの角度を中立位置として設定されるため、この制御装置は、車両直進時の目標転舵角と実転舵角とに偏差が生じている場合、あえて偏差をゼロに近づけないようフィードバック制御の積分項を制限する。
これに対し、四輪が独立して転舵可能な四輪独立転舵車両では、前後列の転舵輪ともに機械的に直進転舵角を有しておらず、直進時の各転舵輪の転舵角が中立位置になるとは限らない。そのため、そもそも前提が異なる特許文献1の技術を四輪独立転舵車両に適用することができない。また、四輪独立転舵車両の転舵システムで目標転舵角と実転舵角との偏差が小さくなるよう制御すると、通常転舵時の応答性が高くなる。したがって、急操舵時等に転舵角のオーバーシュートが発生し、車両として不安定な挙動となる。
本発明は上述の点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、四輪独立転舵車両の転舵角制御において、急操舵時等に車両が不安定になることを回避しつつ、直進時の車両偏向の発生を抑制する転舵制御装置を提供することにある。
本発明の転舵制御装置は、前列及び後列の左右の転舵輪(91-94)が機械的に分離され、四輪独立転舵が可能な車両(900)において、各転舵輪に対応する四つの転舵アクチュエータ(81-84)を制御する。
この転舵制御装置は、各転舵輪について、転舵角に換算可能な状態量と、ステアリングの操舵に応じて設定される当該状態量の目標値との状態量偏差が小さくなるように転舵アクチュエータをフィードバック制御する制御部(20)を備える。制御部は、車両が所定の適用除外要件を満たす場合を除き、車両直進状態において車両非直進状態よりも状態量偏差が小さくなり易くなるように、フィードバック制御の応答性を変更する「応答性変更処理」を実行する。
四輪独立転舵車両において、直進時の車両偏向を避けるには、転舵角偏差に換算される状態量偏差が残らないよう精度良く制御する必要がある。ただし、精度良く制御しようと応答性を上げると、ギヤのバックラッシュやタイヤ摩擦等の影響により急操舵時等にオーバーシュートが発生し、車両が不安定となるおそれがある。
そこで本発明では、制御部が車両直進状態か否かを判定し、直進と判定した場合のみ、状態量偏差が小さくなり易くなるように、フィードバック制御の応答性を変更する。これにより本発明では、四輪独立転舵車両の転舵角制御において、急操舵時等に車両が不安定になることを回避しつつ、直進時の車両偏向の発生を抑制することができる。
各実施形態の転舵制御装置が搭載される四輪独立転舵車両の模式図。 第1実施形態による転舵制御装置の制御部の構成図。 図2の車速感応ゲインマップの例。 図2の転舵角感応ゲインマップの例。 図2の直進判定演算部の処理を示すフローチャート。 図2のゲイン選択演算部の処理を示すフローチャート。 (a)比較例1、(b)比較例2、(c)本実施形態による、停車時又は操舵時における転舵角の制御応答を示す図。 (a)比較例1、(b)比較例2、(c)本実施形態による、直進走行時における転舵角の制御応答を示す図。 第2実施形態による転舵制御装置の制御部の構成図。
以下、本発明の転舵制御装置の複数の実施形態を、図面に基づいて説明する。本実施形態の転舵制御装置は、四輪独立転舵車両において、各転舵輪に対応する四つの転舵アクチュエータを制御する装置である。四輪独立転舵車両では、前列及び後列の左右の転舵輪が機械的に分離され、四輪独立転舵が可能である。
図1を参照し、各実施形態の転舵制御装置が搭載される四輪独立転舵車両900の構成を説明する。四輪独立転舵車両900は、前列の左右の転舵輪91、92、及び、後列の左右の転舵輪93、94がいずれも機械的に分離されている。すなわち、通常の車両には前列の左右輪を連結するラックバー95、又は、後列の左右輪を連結するラックバー96の少なくとも一方が設けられているのに対し、四輪独立転舵車両900には、前後列ともラックバー95、96が設けられていない。図中の二点鎖線は、ラックバー95、96が無いことを示す。これにより、四つの転舵輪91-94は独立に転舵可能である。
四つの転舵アクチュエータ81-84は、各転舵輪91-94に対応して設けられる。転舵アクチュエータFL81及び転舵アクチュエータFR82は、それぞれ前列の左右の転舵輪91、92に対応する。転舵アクチュエータRL83及び転舵アクチュエータRR84は、それぞれ後列の左右の転舵輪93、94に対応する。転舵アクチュエータ81-84は代表的にモータで構成される他、リニアアクチュエータ等で構成されてもよい。
転舵アクチュエータ81-84は、転舵制御装置10の制御部20から供給される目標電流Itgt1-Itgt4によって駆動され、対応する各転舵輪91-94を転舵させる。各転舵輪91-94の転舵角をθt1-θt4と記す。転舵角θt1-θt4は中立位置を0とし、例えば反時計回りの回転を正、時計回りの回転を負として定義される。実際の各転舵角θt1-θt4は直接検出されてもよいし、転舵アクチュエータ81-84の動作量に基づいて算出されてもよい。本実施形態では、転舵角θt1-θt4そのものを「転舵角に換算可能な状態量」として説明する。
状態量としての転舵角θt1-θt4は、破線で示すように、制御部20にフィードバックされる。また、本実施形態の制御部20は、車速センサ97から車速Vを取得する。従来、前列もしくは後列の左右輪が機械的に連結され、前後列いずれか一方の左右輪が直進転舵角を有する車両において、転舵輪の転舵角をフィードバック制御する技術が知られている。しかし、四輪独立転舵車両900では、前後列の転舵輪91-94とも機械的に直進転舵角を有しておらず、直進時の各転舵輪の転舵角が中立位置になるとは限らない。
そのため、そもそも前提が異なる従来技術を四輪独立転舵車両900に適用することができない。
左右輪が機械的に連結していない四輪独立転舵装車両900において直進時の車両偏向を避けるには、転舵角偏差が残らないよう精度良く制御する必要がある。ただし、ギヤのバックラッシュやタイヤ摩擦等の影響により、精度良く制御しようと応答性を上げると、急操舵時等においてオーバーシュートが発生し、車両が不安定となるという課題がある。そこで本実施形態の制御部20は、四輪独立転舵車両900において、各転舵輪91-94の転舵角θt1-θt4を適切にフィードバック制御できるように構成されている。
続いて制御部20の具体的構成について、第1実施形態及び第2実施形態として説明する。第1実施形態及び第2実施形態の制御部に共通する事項については、「本実施形態の制御部20」として記載する。また、図2及び図9を参照して各実施形態の制御構成を区別して説明するとき、第1実施形態の制御部の符号を「201」、第2実施形態の制御部の符号を「202」と記す。
(第1実施形態)
図2を参照し、第1実施形態の制御部201の構成について説明する。第1実施形態の制御部201は、各転舵輪91-94に対応する転舵アクチュエータ81-84ごとに、図2の制御構成を4セット備えている。図1には各転舵輪91-94の転舵角の記号を個別にθt1-θt4と記載しているが、以下の説明において各転舵輪91-94に対する転舵角制御の構成は同様である。そのため、各転舵輪91-94の転舵角θt1-θt4を包括して「θt」と記す。転舵角速度ωt、車輪速ωw等も同様とする。また図2中、積分ゲインを「Iゲイン」と記す。
図2に示す制御部201は、比例制御器22P、積分制御器22I、微分制御器22Dを有し、PID制御を実行する。制御部201には、フィードバックされた実転舵角と目標転舵角との偏差である転舵角偏差Δθtが入力される。実転舵角は、「転舵角に換算可能な状態量」に相当する。目標転舵角は、「ステアリングの操舵に応じて設定される状態量の目標値」に相当する。転舵角偏差Δθtは「状態量偏差」に相当する。制御部201は、制御器22P、22I、22Dにより、転舵角偏差Δθtが小さくなるように転舵アクチュエータ81-84をフィードバック制御する。
比例制御器22Pは、転舵角偏差Δθtに比例する比例項を演算する。積分制御器22Iは、積分器21Iが算出した転舵角偏差Δθtの積分値に比例する積分項を演算する。微分制御器22Dは、微分器21Dが算出した転舵角偏差Δθtの微分値に比例する微分項を演算する。制御部201は、微分制御を含まないPI制御の構成であってもよく、その場合、微分器21D及び微分制御器22Dが無いものとして同様に解釈される。
加算器27は、フィードバック制御の制御項である比例項、積分項及び微分項を加算して目標電流演算部28に出力する。目標電流演算部28は、制御項の加算値に基づいて目標電流Itgtを算出し、対応する転舵アクチュエータ81-84に出力する。目標電流Itgtと転舵輪91-94の転舵角θtとは正の相関を有する。
制御部201は、積分制御器22Iの出力に対しゲイン選択演算部46、56が選択した積分ゲインを乗算する乗算器24I、25Iを有する。つまり、積分制御器22Iの出力に積分ゲインを乗算した値が積分項として加算器27に入力される。また、制御部201は、車両が直進状態であるか判定する直進判定演算部30を有する。直進判定演算部30は、少なくとも各転舵輪91-94の転舵角θtに基づいて車両直進状態を判定する。詳しくは、直進判定演算部30は、転舵角の絶対値|θt|が直進判定閾値以下であるとき、車両直進状態であると判断する。その他、直進判定演算部30は、転舵角速度ωtの積分値や、左右転舵輪の車輪速ωwの差に基づいて車両直進状態を判定してもよい。
なお、独立転舵輪車両ではトーインやトーアウトで直進走行する場合がある。トーインでは左右転舵輪の前端が対称に内側を向き、トーアウトでは左右転舵輪の前端が対称に外側を向く。この場合、直進判定演算部30は、前後列ごとの左右転舵輪、或いは、前後列を含めた四輪の転舵角を総合的に判断し、車両全体で直進状態であるというように判定してもよい。このように、各転舵輪に対応する制御部201は、独立して機能するだけでなく、互いに協働して制御を実行可能である。
直進判定演算部30が車両直進状態であると判断すると、直進判定信号がONされる。直進判定演算部30が車両直進状態でないと判断すると、直進判定信号がOFFされる。また、直進判定演算部30が車両直進状態であると判断しても、破線で示すように、車速Vが車速閾値V_th未満であるとき、直進判定信号はOFFされる。このように、車両直進状態であっても例外的に直進判定信号がOFFされる場合の要件を「適用除外要件」という。車速Vが車速閾値V_th未満であるときは、車両が適用除外要件を満たす場合の一例に相当する。直進判定信号のON/OFFは、ゲイン選択演算部46、56に通知される。
さらに制御部201は、車速感応の積分ゲインマップ43I及び転舵角感応の積分ゲインマップ53Iを有する。車速感応の積分ゲインマップ43Iは、車速Vと積分ゲインとの関係を記憶しており、入力された車速Vに応じた積分ゲインをゲイン選択演算部46に出力する。転舵角感応の積分ゲインマップ53Iは、転舵角θtと積分ゲインとの関係を記憶しており、入力された転舵角θtに応じた積分ゲインをゲイン選択演算部56に出力する。
直進判定信号がONのとき、ゲイン選択演算部46、56は、それぞれ積分ゲインマップ43I、53Iから入力された積分ゲインを選択する。この動作が「応答性変更処理を実行する」ことに相当する。ここで制御部20は、応答性変更処理として、フィードバック制御の積分項を、車両直進状態において車両非直進状態よりも大きく設定する。一方、直進判定信号がOFFのとき、ゲイン選択演算部46、56は、固定されたゲインとして例えば「1」を選択する。この動作が「応答性変更処理を実行しない」ことに相当する。ゲイン選択演算部46、56が選択した積分ゲインは、乗算器24I、253Iにて積分制御器22Iの出力に乗算される。
図3、図4を参照し、本実施形態で用いられる車速感応の積分ゲインマップ43I、及び転舵角感応のゲインマップ53Iの例を説明する。車速Vが高いほど路面の動摩擦係数が小さくなるため、積分項を小さくしてもよい。そこで図3に示すように、車速Vが車速閾値V_th以上の領域において、積分ゲインは、1以上の範囲で、車速Vが高いほど小さくなるように設定されている。つまり制御部20は、車両直進状態における応答性変更処理として、フィードバック制御の積分項を、車速Vが高いほど小さく設定する。なお、車速Vが車速閾値V_th未満の領域では積分ゲインは1に設定されている。このとき、車両非直進状態と同じ応答性でフィードバック制御が実行される。
また、車両直進状態では、転舵角θtが中立位置に近いほど転舵角偏差Δθtが小さくなり、積分制御器22Iの出力も小さくなる。これを補うため、図4に示すように、転舵角の絶対値|θt|が臨界値α以下の領域では、積分ゲインは、1以上の範囲で、中立位置(θt=0)に近いほど大きくなるように設定されている。つまり制御部20は、車両直進状態における応答性変更処理として、フィードバック制御の積分項を、転舵角θtが中立位置に近いほど大きく設定する。転舵角θtが負の臨界値(-α)より小さい領域、及び、正の臨界値αより大きい領域ではゲインは1に設定されている。
上記例の積分ゲインマップ43I、53Iが用いられることで、制御部20は、応答性変更処理として、フィードバック制御の積分項を、車両直進状態において車両非直進状態よりも大きく設定することとなる。こうして制御部20は、車両900が所定の適用除外要件を満たす場合を除き、各転舵輪91-94に対応する転舵アクチュエータ81-84ごとに応答性変更処理を実行する。つまり制御部20は、車両直進状態において車両非直進状態よりも転舵角偏差Δθtが小さくなり易くなるように、フィードバック制御の応答性を変更する。
図5、図6のフローチャートを参照し、直進判定演算部30による直進判定演算、及び、ゲイン選択演算部46、56によるゲイン選択演算について整理する。フローチャートの説明で記号「S」はステップを意味する。
図5のS11で直進判定演算部30は、各転舵輪91-94の転舵角θtを取得する。S12では転舵角の絶対値|θt|が直進判定閾値以下であるか判断される。S12でYESの場合、S13で直進判定演算部30は車両直進状態であると判断し、S14で直進判定信号がONされる。S12でNoの場合、S15で直進判定演算部30は車両非直進状態であると判断し、S16で直進判定信号がOFFされる。
図6のS21では、直進判定信号がONであるか判断される。S21でYESの場合、S22では、適用除外要件の充足判断として、車速Vが車速閾値V_th以上であるか判断される。S22でYES、すなわち適用除外要件を満たさない場合、S23でゲイン選択演算部46、56は、積分ゲインとして、ゲインマップ43I、53Iからの入力値を選択する。したがって、S24で応答性変更処理が実行される。
S21でNOの場合、S25に移行する。また、車速Vが車速閾値V_th未満の場合、適用除外要件を満たすためS22でNOと判断され、S25に移行する。S25でゲイン選択演算部46、56は、積分ゲインとして「1」を選択する。したがって、S26で応答性変更処理が非実行とされる。したがって制御部20は、車両直進状態において車両非直進状態と同じ応答性でフィードバック制御を行う。
図7、図8を参照し、本実施形態の効果について、車両直進状態と車両非直進状態とでフィードバック制御の応答性を変更しない比較例の制御構成と対比しつつ説明する。比較例1は、停車時又は操舵時、すなわち車両非直進状態に合わせて転舵角制御のゲインを設定したものである。ここで停車時とは、ハンドルを切り返しながら駐車場に駐車するような場合を想定する。操舵時とは、右折、左折や車線変更等の比較的大きな操舵角での通常操舵又は急操舵を行う場合を想定する。一方、比較例2は、直進走行時に合わせて転舵角制御のゲインを設定したものである。
図7に、停車時又は操舵時における転舵角θtの制御応答を示す。転舵輪は、中立位置(θt=0)から目標転舵角θt_tgtまで転舵される。図8に、直進走行時における転舵角の制御応答を示す。転舵輪は、中立位置以外の位置から中立位置(θt=0)まで転舵された後、中立位置に保持される。各図の上段には比較例1、中段には比較例2、下段には本実施形態について、破線の指令に対する制御応答を実線で示す。「OK」は応答性が良好であることを意味し、「NG」は応答性に問題があることを意味する。
図7に示すように、停車時又は操舵時、比較例1では応答性に問題ない。しかし、直進走行時に合わせてゲインが比較的大きく設定された比較例2ではオーバーシュートが発生する。本実施形態では、停車時又は操舵時には応答性変更処理を実行しないため、オーバーシュートの発生を回避し、適切な応答性が得られる。
図8に示すように、直進走行時、比較例2では応答性に問題ない。しかし、停車時又は操舵時に合わせてゲインが比較的小さく設定された比較例1では、目標転舵角θt_tgtと実転舵角θtとの間に転舵角偏差Δθtが残る。本実施形態では、直進走行時に応答性変更処理を実行して積分ゲインを大きくすることで、転舵角偏差Δθtが小さくなり、適切な応答性が得られる。
このように本実施形態では、制御部20は、車両直進状態であると判定したときのみ積分ゲインを大きくして積分項を大きくすることで、転舵角偏差Δθtが小さくなり易くなるように、フィードバック制御の応答性を変更する。これにより、四輪独立転舵車両900の転舵角制御において、急操舵時等に車両が不安定になることを回避しつつ、直進時の車両偏向の発生を適切に抑制することができる。
図3に示されるように、制御部20は、車両直進状態における応答性変更処理として、フィードバック制御の積分項を、車速Vが高いほど小さく設定する。車速Vが高いほど路面の動摩擦係数が小さくなるため、積分項を小さくしても、転舵角偏差Δθtが小さい状態を適切に持続することができる。
図4に示されるように、制御部20は、車両直進状態における応答性変更処理として、フィードバック制御の積分項を、転舵角θtが中立位置に近いほど大きく設定する。これにより、転舵角偏差が小さいときでも積分項が小さくなることを抑制することができる。
本実施形態の制御部20は、各転舵輪91-94に対応する転舵アクチュエータ81-82ごとに応答性変更処理を実行する。よって、四輪独立転舵車両900の特性に適合した転舵角制御を行うことができる。
制御部20の直進判定演算部30は、各転舵輪91-94の転舵角の絶対値|θt|が直進判定閾値以下であるとき、車両直進状態であると判断する。これにより、車両直進状態であるか否かを容易に判断することができる。
「車両が適用除外要件を満たす場合」として、車速Vが車速閾値V_th未満であるとき、制御部20は、応答性変更処理を実行せず、車両直進状態において車両非直進状態と同じ応答性でフィードバック制御を行う。特許文献1の段落[0067]にも記載されている通り、運転者は低速走行時には車両偏向の発生を感じにくいため、応答性変更処理の適用除外とし、過剰な処理を不要とすることが好ましい。
(第2実施形態)
図9を参照し、第2実施形態について説明する。図9において図2と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。図9中、比例ゲイン及び微分ゲインをそれぞれ「Pゲイン」及び「Dゲイン」と記す。第2実施形態の制御部202は、応答性変更処理において、フィードバック制御の制御項として、積分項に加え、比例項及び微分項を変更する。積分項の変更に関する構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第2実施形態の制御部202は、第1実施形態の制御部201の構成に加え、車速感応の比例ゲインマップ43P、微分ゲインマップ43D、及び、転舵角感応の比例ゲインマップ53P、微分ゲインマップ53Dを有する。また、制御部202は、比例制御器22Pの出力に対しゲイン選択演算部46、56が選択した比例ゲインを乗算する乗算器24P、25P、及び、微分制御器22Dの出力に対しゲイン選択演算部46、56が選択した微分ゲインを乗算する乗算器24P、25Pを有する。
例えば転舵角感応の比例ゲインについて、転舵角偏差Δθtが小さいときに比例制御器22Pの出力低下を補うため、中立位置に近いほど転舵角感応の比例ゲインを大きくして比例項を調整してもよい。また、車速感応の比例ゲインについては積分ゲインと同様に、車速Vが高いほど、路面の摩擦が小さくなることを考慮して比例ゲインを小さくしてもよい。なお、比例ゲインを変更する場合、急に変化させると転舵輪が急に動作して操舵フィーリングを悪化させるおそれがある。そこで、比例ゲインの時間変化率を制限し、徐変させるようにしてもよい。
微分ゲインについては、転舵角偏差Δθtの変化に対する応答性を向上させるように、振動的にならない程度に設定されることが好ましい。なお、微分制御を含まないPI制御の場合、制御部202は、応答性変更処理として、積分項と比例項のみを変更するようにすればよい。
第2実施形態では、応答性変更処理における積分項の変更について第1実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、比例項及び微分項を変更することで、車両の多様な状態に応じて、各転舵輪91-94の転舵角をより細かく制御することができる。よって、四輪独立転舵車両900の直進時の車両偏向の発生をより適切に抑制することができる。
(その他の実施形態)
(a)「転舵角に換算可能な状態量」は、転舵角そのものに限らず、転舵アクチュエータ81-84がモータである場合の回転角や、リニアアクチュエータである場合のストローク等であってもよい。その場合、上記明細書中における「転舵角」を一般化した「状態量」に置き換えて解釈すればよい。すなわち「転舵角偏差」は「状態量偏差」に一般化され、「目標転舵角」は「状態量の目標値」に一般化される。
(b)上記実施形態では応答性変更処理を実行するときの積分ゲインを1より大きい値とし、実行しないときの積分ゲインを1とする。これに限らず、例えば応答性変更処理を実行するときの積分ゲインを0より大きい値(例えば1)とし、実行しないときの積分ゲインを0としてもよい。すなわち、応答性変更処理を実行しないときに積分項を用いないように構成してもよい。この構成でも、制御部は、「応答性変更処理として、フィードバック制御の積分項を、車両直進状態において車両非直進状態よりも大きく設定する」ことになる。また制御部は、「車両直進状態において車両非直進状態よりも転舵角偏差が小さくなり易くなるように、フィードバック制御の応答性を変更する」ことができる。
(c)図3、図4に例示するゲインマップに対し、マップの形状は、直線の折れ線状に限らず、ステップ状でも曲線状でもよい。また、マップを用いず数式で演算してもよい。
(d)上記実施形態では、各転舵輪91-94に対応する転舵アクチュエータ81-84ごとに応答性変更処理が実行される。ただし、例えば前列又は後列の左右輪について、二つの転舵輪の状態量の平均値等を用いて応答性変更処理を実行することも可能である。
(e)応答性変更処理のパラメータとして、車速及び転舵角以外に路面の滑りやすさ、路面勾配、車両に作用する風の強さや風向き等が考慮されてもよい。例えば路面の滑りやすさは、路面摩擦係数の検出値や車輪速と車速との差から推定される。路面が滑りやすいときや傾いているとき、強い横風が吹いているとき等には、応答性を上げてもそもそも直進性が保たれないため、適用除外要件を満たす場合に含めてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
20(201、202)・・・制御部、
81-84・・・転舵アクチュエータ、
900・・・(四輪独立転舵)車両、
91-94・・・転舵輪。

Claims (7)

  1. 前列及び後列の左右の転舵輪(91-94)が機械的に分離され、四輪独立転舵が可能な車両(900)において、各前記転舵輪に対応する四つの転舵アクチュエータ(81-84)を制御する転舵制御装置であって、
    各前記転舵輪について、転舵角に換算可能な状態量と、ステアリングの操舵に応じて設定される当該状態量の目標値との状態量偏差が小さくなるように前記転舵アクチュエータをフィードバック制御する制御部(20)を備え、
    前記制御部は、車両が所定の適用除外要件を満たす場合を除き、車両直進状態において車両非直進状態よりも前記状態量偏差が小さくなり易くなるように、フィードバック制御の応答性を変更する応答性変更処理を実行する転舵制御装置。
  2. 前記制御部は、前記応答性変更処理として、前記フィードバック制御の積分項を、車両直進状態において車両非直進状態よりも大きく設定する請求項1に記載の転舵制御装置。
  3. 前記制御部は、車両直進状態における前記応答性変更処理として、前記フィードバック制御の積分項を、車速が高いほど小さく設定する請求項2に記載の転舵制御装置。
  4. 前記制御部は、車両直進状態における前記応答性変更処理として、前記フィードバック制御の積分項を、転舵角が中立位置に近いほど大きく設定する請求項2または3に記載の転舵制御装置。
  5. 前記制御部は、各前記転舵輪に対応する転舵アクチュエータごとに前記応答性変更処理を実行する請求項1~4のいずれか一項に記載の転舵制御装置。
  6. 前記制御部は、前記状態量の絶対値が直進判定閾値以下であるとき、車両直進状態であると判断する請求項1~5のいずれか一項に記載の転舵制御装置。
  7. 車両が前記適用除外要件を満たす場合として、車速が車速閾値未満であるとき、前記制御部は、車両直進状態において車両非直進状態と同じ応答性で前記フィードバック制御を行う請求項1~6のいずれか一項に記載の転舵制御装置。
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