JP2023056343A - 靴底用部材 - Google Patents

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浩之 西村
Hiroyuki Nishimura
達彦 安井
Tatsuhiko YASUI
遒 沈
Shu Chin
和也 鷲尾
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Abstract

【課題】素早く変形する場合においても優れた反発弾性を発揮することが可能な靴底用部材を提供する。【解決手段】靴底用部材は、以下の式(1)を満たす樹脂を用いた発泡体を備える。tanδ10Hz/tanδ0.1Hz≦1.0 …式(1)tanδ10Hz:周波数10Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(23℃)tanδ0.1Hz:周波数0.1Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(23℃)【選択図】図1

Description

本開示は、靴底用部材に関する。
樹脂の発泡体は、内装材、ドアグラスラン等の自動車部品、包装材料、日用品等に広く使用されている。特許文献1は、樹脂組成物を架橋発泡させて得られた発泡体を自動車の内装材として使用する技術を開示している。
樹脂の発泡体は、軽量化を図れることから、靴底用部材にも用いられる。靴底用部材に用いられる樹脂の発泡体には、軽量であることに加え、長時間使用しても変形しにくく、使用に耐え得る機械強度、耐久性及び反発弾性を有することが求められる。このような性能要求に対し、例えば、特許文献2は、エチレン・α-オレフィンコポリマーの発泡体からなる靴底用部材を開示している。また、特許文献3は、ブロックコポリマーの発泡体からなる靴底用部材を開示している。特許文献3の発泡体は、発泡剤を混合したブロックコポリマーを押出機で押し出し、ダイから出たブロックコポリマーを発泡させて発泡粒子とし、さらに発泡粒子を型内成形することによって得られる。
特開2011-184574号公報 特開2002-302565号公報 特開2018-76472号公報
ところで、靴底用部材は、着地時の衝撃を受けたときに上下に圧縮されて変形し、衝撃が取り除かれれば自身の反発弾性によって元の形状に復元することが求められる。しかし、従来においては、靴底用部材が素早く変形する程、反発弾性の低下を招き易く、反発弾性の性能を満たすことが難しいという問題があった。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、素早く変形する場合においても優れた反発弾性を発揮することが可能な靴底用部材を提供することを目的とする。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
以下の式(1)を満たす樹脂を用いた発泡体を備える、靴底用部材。
tanδ10Hz/tanδ0.1Hz≦1.0 …式(1)
tanδ10Hz:周波数10Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(23℃)
tanδ0.1Hz:周波数0.1Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(23℃)
本開示の靴底用部材は、素早く変形する場合においても優れた反発弾性を発揮することが可能である。
図1は、靴底用部材における一次発泡体の斜視図である。 図2は、靴底用部材における熱圧成形体の斜視図である。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
[2]発泡体は、MFR(190℃、2.16kgfで測定)が0.1g/10分以上5.0g/10分未満のオレフィンブロックコポリマーを用いたポリオレフィン系樹脂発泡体である、靴底用部材。
[3]JIS K6767 7.5.2 B法に準拠して、温度を100℃とした加熱寸法変化率が-30%以上である、靴底用部材。
[4]JIS K6400-3:2011に準拠した反発弾性が60%以上である、靴底用部材。
[5]JIS K6262:2013に準拠した圧縮永久ひずみが60%以下である、靴底用部材。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
<靴底用部材の形態>
ウォーキング、ジョギング、ランニングに用いられるスポーツシューズ等の靴底は、アウトソール、ミッドソール及びインナーソールを備えている。アウトソールは、靴の接地面を有する部分である。インナーソールは、中敷きの部分である。ミッドソールは、アウトソールとインナーソールとの間に設けられ、着地時の衝撃を緩和する部分である。本実施形態は、靴底用部材として、ミッドソールを例示するものである。
靴底用部材は、樹脂の発泡体であって、図1に示す一次発泡体10Aと、二次発泡体である図2に示す熱圧成形体10Bと、のいずれかの形態をとる。
一次発泡体10Aは、樹脂を発泡成形して得られる。熱圧成形体10Bは、一次発泡体10Aを熱圧成形等により圧縮成形して得られる。一次発泡体10A及び熱圧成形体10Bは、いずれもミッドソールとしてそのまま使用可能である。特に、熱圧成形体10Bは、外観形状が整えられており、好ましいと言える。
一次発泡体10A及び熱圧成形体10Bは、それぞれ、人の足裏の輪郭形状に対応した外周形状をなすソール本体11A,11Bと、ソール本体11A,11Bの外周縁から立ち上がる立上げ部12A,12Bと、を有している。ソール本体11A,11Bの厚みは、かかと側の後部からつま先側の前部へ向けて徐々に薄くなっている。熱圧成形体10Bが一次発泡体10Aを圧縮して成形されるため、熱圧成形体10Bのソール本体11Bの厚みは、全体として、一次発泡体10Aのソール本体11Aの厚みよりも薄くなっている。
一次発泡体10A及び熱圧成形体10Bは、いずれも平滑な表面形状を有し、外観性に優れている。
<樹脂組成物>
上述した一次発泡体及び熱圧成形体に含まれる樹脂組成物は、樹脂、好ましくはオレフィンブロックコポリマーと、発泡剤と、を有している。すなわち、一次発泡体及び熱圧成形体は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を発泡してなるポリオレフィン系樹脂発泡体で構成され得る。なお、以下の説明において、一次発泡体及び熱圧成形体(二次発泡体)を区別する必要が無い場合は、ポリオレフィン系樹脂発泡体又は発泡体と称する。特に、樹脂をポリオレフィン系樹脂に限定する必要がない場合には、発泡体と称する。
オレフィンブロックコポリマーは、分子鎖中にエチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック(ハードブロック)と、非結晶性の重合体ブロック(ソフトブロック)と、を含むものが例示され、各ブロックが交互に2以上、好ましくは3以上繋がって構成される。
具体的には、オレフィンブロックコポリマーは、エチレンに由来する構造単位と炭素原子数4~10個のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンに由来する構造単位とを有するブロック共重合体が例示される。
オレフィンブロックコポリマーに用いられる炭素原子数4~10個のα-オレフィンとして、具体的には、1-オクテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-デセン、環状構造を有するα-オレフィン等を挙げることができ、好ましくは1-オクテン、1-ブテンを用いることができる。
オレフィンブロックコポリマーに含有される炭素原子数4~10個のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンに由来する構造単位の含有量は、好ましくは1~49重量%であり、より好ましくは1~30重量%であり、更に好ましくは1~20重量%である(オレフィンブロックコポリマーの全体の重量を100重量%とする)。
オレフィンブロックコポリマーとして、具体的には、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-デセン共重合体、エチレン-(3-メチル-1-ブテン)共重合体、エチレンと環状構造を有するα-オレフィンとの共重合体等を挙げることができる。
オレフィンブロックコポリマーは、成形性及び加工性を向上できる観点から、190℃、2.16kgfで測定したMFRが0.1g/10分~15.0g/10分であるのが好ましく、更に好ましくは0.1g/10分以上5.0g/10分未満である。なお、このMFRは、後述する架橋前のオレフィンブロックコポリマーの値である。
オレフィンブロックコポリマーは、1種類のみを用いても良いが、組成、分子量の異なる2種以上を組合せて用いても良い。例えば、MFR(190℃、2.16kgf)が0.1g/10分以上5.0g/10分未満のオレフィンブロックコポリマー10~90重量部、好ましくは40~80重量部と、MFR(190℃、2.16kgf)が5.0g/10分~15.0g/10分のオレフィンブロックコポリマー10~90重量部、好ましくは20~60重量部(両オレフィンブロックコポリマーの合計量は100重量部)と、からなる混合物を好適に用いることができる。
オレフィンブロックコポリマーとしては、例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製のインフューズ(INFUSE 商標)を例示できる。ダウ・ケミカル日本株式会社製のインフューズ(INFUSE 商標)は、MFR(メルトフローレイト)、硬度及び密度等に基づいて区別できる異なるグレードで市販されており、これらを単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
本開示の樹脂組成物に発泡を生じさせる発泡剤としては、特に限定されず、加熱により分解してガスを発生する熱分解型のものを用いることができる。
例えば、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン-1,3-スルホニルヒドラジド、ジフェニルオキシド-4,4'-ジスルフォニルヒドラジド、4,4'-オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、パラトルエンスルフォニルヒドラジド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'-ジニトロソ-N,N'-ジメチルフタルアミド、テレフタルアジド、p-t-ブチルベンズアジド、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等を用いることができる。特にアゾジカルボンアミド、4,4'-オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジドを好適に用いることができる。発泡剤の添加量は、オレフィンブロックコポリマー100重量部に対して、1~20重量部であると良く、特に、3~8重量部であるのが好ましく、4~7重量部であるのがより好ましい。
本開示の樹脂組成物には、必要に応じて、樹脂を架橋させるための架橋剤を含めることができる。
架橋剤は、通常使用されている公知のものを用いることができる。例えば、架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド(DCP)、2,5-ジメチル-2,5-ビス-ターシャリーブチルパーオキシヘキサン、1,3-ビス-ターシャリーパーオキシ-イソプロピルベンゼン等の有機過酸化物を挙げることができる。架橋剤の配合量は、オレフィンブロックコポリマー100重量部に対して、0.5~10重量部であるのが好ましい。
さらに、樹脂組成物は、必要に応じて、その他の添加剤を添加することができる。その他の添加剤としては、特に限定されず、重質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
発泡体を構成する樹脂は、損失弾性率(G")と貯蔵弾性率(G')との比率である損失正接(tanδ=G"/ G')を指標とする動的粘弾性試験において、以下の測定条件下でJIS K7244に準拠して測定される周波数10Hzにおけるtanδ値と周波数0.1Hzにおけるtanδ値との比率が次式を満たすものであるのが好ましい。
tanδ10Hz/tanδ0.1Hz≦1.0
(測定条件)
粘弾性:ARES-G2 TAインスツルメンツ
周波数依存性:0.01~79Hz
温度:23℃
モード:トーションモード
ひずみ:1.0%
貯蔵弾性率(G')は、発泡体の弾性項を表すパラメータであり、加えられた変形エネルギー等を弾性エネルギーとして蓄える能力として捉えることができる。損失弾性率(G")は、発泡体の粘性項を表すパラメータであり、加えられた変形エネルギー等を発泡体内部の内部摩擦等によって散逸エネルギーとする能力として捉えることができる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-オクテン共重合体(EOR)等の通常のエラストマー樹脂は、高い周波数下(=素早い変形時)で損失弾性率(G")が大きくなり、tanδ値が大きくなる傾向にある。一般的に、tanδ値が大きい程、エネルギーロス(=反発弾性の低下)も大きくなると考えられる。
これに対し、オレフィンブロックコポリマーは、上記通常のエラストマー樹脂と比べ、高い周波数下での損失弾性率(G")の増加が少なく、低いtanδ値を維持できる傾向にある。このため、上記式(tanδ比@10Hz/0.1Hz≦1.0)を満たすオレフィンブロックコポリマーを用いたポリオレフィン系樹脂発泡体は、素早い変形下においても優れた反発弾性を発揮することができる。なお、上記式を満たすオレフィンブロックコポリマーとしては、ダウ・ケミカル日本株式会社製の「INFUSE D9100」、「INFUSE D9500」等を挙げることができる。
発泡体は、上記式を満たすことができれば、オレフィンブロックコポリマー以外の樹脂、例えば、ランダムコポリマー、クラフトコポリマー等のエラストマー、熱可塑性樹脂を用いて構成されても良い。
<発泡体の製造方法>
まず、一次発泡体の製造方法について説明する。
オレフィンブロックコポリマー等の樹脂に、架橋剤、発泡剤及び適宜必要とされる充填材や助剤等の添加剤を配合し、押出機、バンバリーミキサー、ロールなどの混練装置に供給して樹脂の融点より高く、かつ発泡剤の分解温度以下の温度で混練し、樹脂ペレットを得る。続いて、この樹脂ペレットを成形型内に充填して密封し、加圧した状態で所定時間加熱(発泡剤の分解温度以上の温度で加熱)する。こうして架橋剤の架橋及び発泡剤の分解を進行させ、その後、金型を開いて除圧することにより、架橋ポリオレフィン系樹脂等の樹脂からなる一次発泡体を得る。なお、成形型内に入れる前の樹脂の形状は、樹脂ペレットに限定されず、インゴット状であっても良い。
また、別の方法として、溶融状態の樹脂を成形型の成形空間に射出して充填し、加圧した状態で所定時間加熱(発泡剤の分解温度以上の温度で加熱)した後、可動型の後退(コアバック)等によって、成形空間の容積を拡大させて減圧し、圧力低下によって樹脂を発泡させ、一次発泡体を得るようにしても良い。成形空間の容積を拡大する際には、可動型の移動速度を調整でき、言い換えれば減圧速度を調整できるので、樹脂組成物中に発生する気泡のばらつきを抑えることができる。
熱圧成形体は、所定の時間、加熱した状態で、一次発泡体の厚みを減ずる方向に圧縮し、次いで冷却して得られる。この熱圧成形によって得られた熱圧成形体は、一次発泡体と比較し、厚みが小さくなるのに加え、密度及び硬度が高くなり、かつ反発弾性の向上を期待できる。また、熱圧成形によって、加熱寸法変化率及び圧縮永久ひずみも小さくなると考えられる。
<発泡体の特性>
発泡体の熱圧成形体は、JIS K6400-3:2011に準拠して測定した反発弾性が60%以上であり、好ましくは65%以上であり、更に好ましくは70%以上である。反発弾性が上記範囲にあれば、高反発弾性の発泡体になり得る。
発泡体の熱圧成形体は、JIS K7312の「スプリング硬さ試験タイプC試験方法」に従って23℃環境下で測定したアスカーC硬度が20以上あり、より好ましくは22以上ある。アスカーC硬度が上記範囲にあれば、適度な反発弾性を発揮することが期待できる。
一次発泡体は、JIS K6767:1999の7.5.2 B法(温度は100℃とする)に準拠して測定した加熱寸法変化率が-30%以上であり、好ましくは-20%以上であり、更に好ましくは-10%以上である。加熱寸法変化率が上記範囲にあれば、高温下における寸法変化が小さく、耐熱性に優れた発泡体になり得る。
なお、上記JIS規格に記載の加熱寸法変化率は、次式によって算出される。
加圧寸法変化率(%)=(加熱後の寸法-加熱前の寸法)/加熱前の寸法×100
このため、マイナス(-)の数値の絶対値が小さい程、加熱寸法変化率が小さく、いわば縮みにくいので、耐熱性に優れていると言える。
発泡体は、JIS K6262:2013に準拠した以下の測定条件下における圧縮永久ひずみが、60%以下であり、好ましくは55%以下である。圧縮永久ひずみが上記範囲にあれば、発泡体が形状回復性に優れたものになり得る。
(圧縮永久ひずみの測定条件)
温度23±2℃、湿度50±10%の環境下で3時間放置した測定用サンプルの試験前の厚みh0を測定する。次に測定用サンプルを試験前の厚みh0に対して50%圧縮し、予め温度50℃の状態に保持した恒温恒湿槽へ測定用サンプルを組込んだ圧縮装置を投入し、6時間静置する。このとき使用するスペーサ(測定用サンプルの試験前の厚みh0に対して50% の厚み)の厚みh2を測定する。圧縮状態で6時間経過後、恒温恒湿槽から圧縮装置を取出し、圧縮状態を解放し、温度23±2℃ 、湿度50±10%の環境下で30±3 分後に、測定用サンプルの試験後の厚みh1を測定する。圧縮永久ひずみ(%)は次式で算出される。
圧縮永久ひずみ(%)=[(h0-h1 )/(h0-h2)]×100
一次発泡体は、JIS K 6767に準拠して測定される見掛け密度が50~130kg/mであり、好ましくは60~115kg/mであり、更に好ましくは70~100kg/mである。
熱圧成形体は、JIS K 6767に準拠して測定される見掛け密度が80~170kg/mであり、好ましくは90~150kg/mであり、更に好ましくは100~130kg/mである。見掛け密度が上記範囲にあれば、衝撃の吸収性を向上させることができる。
<発泡体の作製>
(実施例1)
MFR0.5g/10分(190℃、2.16kgf)、ショアA硬度71、密度877kg/m、融点120℃のポリオレフィン系樹脂である、ダウ・ケミカル日本株式会社製の「INFUSE D9000」(ポリオレフィン系樹脂1)を100重量部と、発泡剤である、永和化成工業株式会社製のビニホールAC♯3(ADCA:アゾジカルボンアミド)を5重量部と、架橋剤である、化薬アクゾ株式会社製のカヤクミルD(DCP:ジクミルパーオキサイド)の1重量部と、発泡助剤である、酸化亜鉛2種を2重量部と、ステアリン酸亜鉛(商品名ジンクスステアレートN:淡南化学工業株式会社製)を0.5重量部と、を配合し、その配合物を75L加圧ニーダーに供給し、自己発熱により溶融させて122℃で混練し、発泡性の樹脂組成物を得た。この発泡性の樹脂組成物を、金型(深さ50×600×1200mm)に充填して密封し、加圧状態下153℃で40分間加熱し、その後減圧(除圧)して金型を開く加圧一段発泡により、実施例1の一次発泡体を得た。
上記で得られた、縦200mm、横200mm、厚さ26mmの一次発泡体を、上下の金型内に配置して型締めし、150℃で10分間、圧縮成形を行い、さらに30℃で10分間冷却して型開きし、縦200mm、横200mm、厚さ20mmの、実施例1の熱圧成形体を得た。
(実施例2)
ポリオレフィン系樹脂を、MFR1.0g/10分(190℃、2.16kgf)、ショアA硬度75、密度0.877g/cm、融点120℃の「INFUSE D9100」(ポリオレフィン系樹脂2)とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(実施例3)
ポリオレフィン系樹脂を、「INFUSE D9100」70重量部と、MFR5.0g/10分(190℃、2.16kgf)、ショアA硬度69、密度0.877g/cm、融点122℃の「INFUSE D9500」(ポリオレフィン系樹脂3)30重量部と、の混合物とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(実施例4)
ポリオレフィン系樹脂を、「INFUSE D9100」70重量部と、MFR5.0g/10分(190℃、2.16kgf)、ショアA硬度69、密度0.877g/cm、融点122℃の「INFUSE D9500」30重量部と、の混合物とし、その混合物100重量部に添加される、発泡剤であるビニホールAC♯3(ADCA:アゾジカルボンアミド)の添加量を6重量部とし、更に充填剤として炭酸カルシウム30重量部を添加した以外は、実施例1と同様にして実施例4の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(実施例5)
ポリオレフィン系樹脂を、「INFUSE D9100」70重量部と、「INFUSE D9500」30重量部と、の混合物とし、その混合物100重量部に添加される、発泡剤であるビニホールAC♯3(ADCA:アゾジカルボンアミド)の添加量を6重量部とした以外は、実施例1と同様にして実施例5の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(実施例6)
ポリオレフィン系樹脂を、「INFUSE D9100」50重量部と、「INFUSE D9500」50重量部と、の混合物とした以外は、実施例1と同様にして実施例6の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(比較例1)
ポリオレフィン系樹脂を、東ソー株式会社製のウルトラセン(商標)640(エチレン-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有率25質量%)(ポリオレフィン系樹脂4)とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(比較例2)
ポリオレフィン系樹脂を、東ソー株式会社製のウルトラセン636(エチレン-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有率19質量%)(ポリオレフィン系樹脂5)とし、充填剤として炭酸カルシウム30重量部を添加した以外は、実施例1と同様にして比較例2の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(比較例3)
ポリオレフィン系樹脂を、ダウ・ケミカル日本株式会社製のENGAGE(商標)8003(エチレン-1-オクテンランダム共重合体、密度0.885g/cm、融点77℃、MFR1.0g/10分)(ポリオレフィン系樹脂6)とした以外は、実施例1と同様にして比較例3の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
(比較例4)
ポリオレフィン系樹脂を、三井化学株式会社製のタフマー(商標)A4090S(エチレン-1-ブテンランダム共重合体、密度0.893g/cm、融点82℃、MFR3.6g/10分)(ポリオレフィン系樹脂7)とした以外は、実施例1と同様して比較例4の一次発泡体及び熱圧成形体を得た。
各実施例の配合及び物性を表1に示す。各実施例の物性については、一次発泡体に対して密度及び100℃における加熱寸法変化率を測定し、熱圧成形体に対して密度、アスカーC硬度、反発弾性及び圧縮永久ひずみ(C/S@50℃,50%,6h)を測定した。なお、加熱寸法変化率、アスカーC硬度、反発弾性、圧縮永久ひずみの各測定条件は、前述した通りである。また、各実施例のポリオレフィン系樹脂の動的粘弾性を、前述した「tanδ比@10Hz/0.1Hz」によって測定算出した。
Figure 2023056343000002


同様に、各比較例の配合及び物性を表2に示す。
Figure 2023056343000003
比較例1~4の一次発泡体の加熱寸法変化率は、-30%未満であった。つまり、マイナス(-)の数値の絶対値が「30」よりも大きかった。これに対し、実施例1~6の一次発泡体の加熱寸法変化率は、-10%以上であった。つまり、マイナス(-)の数値の絶対値が「10」以下であった。よって、本開示の靴底用部材は、加熱寸法変化率が小さく、耐熱性に優れ、夏場の高温環境下においても劣化しにくいものとなり得る。
実施例1~6の熱圧成形体の反発弾性は、60%以上であり、いずれも比較例1~4の熱圧成形体の反発弾性よりも高い値を示した。特に、2種類のオレフィンブロックコポリマーを組み合わせた、実施例3~6の熱圧成形体の反発弾性は、65%以上であり、実施例3~5の熱圧成形体の反発弾性においては、70%以上であった。よって、本開示の靴底用部材は、高反発弾性であり、蹴り出し時のサポート性を向上させることができる。
比較例1~4の熱圧成形体の圧縮永久ひずみは、60%を越えていた。これに対し、実施例1~6の熱圧成形体の圧縮永久ひずみは、60%以下であった。よって、本開示の靴底用部材は、圧縮変形に対する復元性に優れると言える。
また、比較例1~4に用いられる樹脂は、tanδ比@10Hz/0.1Hz≧1.0である。これに対し、実施例1~6に用いられるオレフィンブロックコポリマーは、tanδ比@10Hz/0.1Hz≦1.0であり、さらにtanδ比@10Hz/0.1Hz≦0.8である。よって、本開示の靴底用部材は、素早い変形速度化においても優れた反発弾性を発揮することができ、変形速度の増加による反発弾性の低下も起こりにくいと言える。
さらに、本開示の靴底用部材は、一次発泡体及び熱圧成形体のいずれも、表面に鬆(す)が殆ど見られない平滑な外観を有している。
以上のように、本開示の靴底用部材は、軽量性及び耐熱性に優れ、高反発弾性でありながら、長時間の使用に耐え得る機械的強度を有し、耐久性に優れる。さらに、本開示の靴底用部材は、成形性、表面平滑性にも優れる。
なお、今回開示された上記実施形態はすべての点で例示であって、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、靴底用部材は、ミッドソールに限定されるものではない。
10A…一次発泡体
10B…熱圧成形体
11A,11B…ソール本体
12A,12B…立上げ部

Claims (5)

  1. 以下の式(1)を満たす樹脂を用いた発泡体を備える、靴底用部材。
    tanδ10Hz/tanδ0.1Hz≦1.0 …式(1)
    tanδ10Hz:周波数10Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(23℃)
    tanδ0.1Hz:周波数0.1Hzでの貯蔵弾性率と損失弾性率の比率である損失正接(23℃)
  2. 前記発泡体は、MFR(190℃、2.16kgfで測定)が0.1g/10分以上5.0g/10分未満のオレフィンブロックコポリマーを用いたポリオレフィン系樹脂発泡体である、請求項1に記載の靴底用部材。
  3. JIS K6767 7.5.2 B法に準拠して、温度を100℃とした加熱寸法変化率が-30%以上である、請求項1又は請求項2に記載の靴底用部材。
  4. JIS K6400-3:2011に準拠した反発弾性が60%以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の靴底用部材。
  5. JIS K6262:2013に準拠した圧縮永久ひずみが60%以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の靴底用部材。
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