JP2023053748A - 光学積層体、反射防止膜 - Google Patents

光学積層体、反射防止膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2023053748A
JP2023053748A JP2021162974A JP2021162974A JP2023053748A JP 2023053748 A JP2023053748 A JP 2023053748A JP 2021162974 A JP2021162974 A JP 2021162974A JP 2021162974 A JP2021162974 A JP 2021162974A JP 2023053748 A JP2023053748 A JP 2023053748A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
optical
film
refractive index
functional layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021162974A
Other languages
English (en)
Inventor
仁志 若生
Hitoshi Wakao
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Priority to JP2021162974A priority Critical patent/JP2023053748A/ja
Priority to KR1020247008977A priority patent/KR20240042671A/ko
Priority to PCT/JP2022/036058 priority patent/WO2023054420A1/ja
Priority to CN202280064753.1A priority patent/CN117980786A/zh
Priority to TW111137188A priority patent/TW202333957A/zh
Publication of JP2023053748A publication Critical patent/JP2023053748A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/02Physical, chemical or physicochemical properties
    • B32B7/023Optical properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/06Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the coating material
    • C23C14/08Oxides
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/113Anti-reflection coatings using inorganic layer materials only
    • G02B1/115Multilayers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

Figure 2023053748000001
【課題】耐久性が高く、屈折率が低く、かつ製造が容易な光学積層体、およびこれを用いた反射防止膜を提供する。
【解決手段】少なくとも2層以上の可視光透過性の光学機能層を積層させた光学積層体であって、前記光学機能層は、少なくとも酸化セリウムを含み、波長550nmにおける屈折率が1.8以上、2.6以下の範囲であり、膜厚が60nm以上、130nm以下の範囲である第1機能層と、前記第1機能層の上面に接して形成され、波長550nmにおける屈折率が1.4以上、1.6以下の範囲であり、膜厚が80nm以上、100nm以下の範囲である第2機能層と、含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐久性を高めた光学積層体、およびこれを用いた反射防止膜に関する。
従来、光の波長程度の厚みの透明材料を複数重ねた光学多層膜(光学積層体)は、様々な分野に応用されている。例えば、反射の位相をずらすことによって、光の表面反射を低減させる反射防止膜や、特定の波長のみを透過もしくは反射させる波長選択膜などは、カメラのレンズや窓ガラスなどに用いられている。またテレビなどのディスプレイは外光の反射により視認性が低下することがあり、反射防止膜を設けることによって、視認性を向上させることができる。
一方、近年の電子技術の進展による小型、軽量化に伴い、可搬性の機器にディスプレイが搭載されることが多くなっており、ノートブック型パソコンやスマートフォンなどに高精細なディスプレイが搭載されるようになっている。さらに、近年では自動車のIT化の進展によって、速度計なとの計器、およびナビゲーションシステムなどで様々な情報を表示するディスプレイが多数搭載されるようになっている。
こうした光学多層膜の用途に対して、可搬性という観点で軽量化が望まれており、従来のような比較的重量が大きいガラスではなく、樹脂等の軽量なフィルムに反射防止膜を形成することが求められている。また、ディスプレイがガラスで構成されている場合でも、破損時の飛散防止のために表面にフィルムを貼合しておくことが好ましく、こうした飛散防止の目的も兼ねて反射防止フィルムを貼ることが多い。
光学多層膜の形成方法としては屈折率の異なる材料を大気中で塗布する湿式成膜法と、真空中で成膜材料をスパッタリングなどによって堆積させて成膜する乾式成膜法とが一般的に知られている。湿式成膜法は簡便ではあるが塗布できる材料が限られ、高機能な光学多層膜に必要な光学特性を有する光学機能層を形成することが難しく、また多数の光学機能層を積層した積層体を形成することが困難である。
それに対して、乾式成膜法は、多種多様な材料を多数回積層して多層膜を容易に形成することができる。乾式成膜法はいくつか手法があるが,特に真空中でプラズマを用いるスパッタリング法は融点の高いターゲット材料を用いても容易に成膜することができ、かつ、膜厚の均一性を容易に確保できるなどの利点があり、光学多層膜の成膜に広く用いられている。
また、特にスパッタリング法を用いると長時間に渡って、均一な膜厚分布で成膜を行うことが可能であるため、スパッタリング成膜装置と、フィルム搬送装置とを組み合わせたロール・ツー・ロールスパッタ装置は1度に大面積の成膜を行うことができ工業的な利点がある。
しかしながら、光学多層膜の中でも特に反射防止膜が使われる応用範囲が広がるに従い、反射防止膜の傷つきが問題となってきた。反射防止膜は数nm~数100nmの薄膜で構成されており、その一部だけが剥離・脱落しても光学干渉条件が崩れて、非脱離部との光学特性の差が顕著になるため、こうした欠陥部位を容易に視認できるようになってしまうという課題があった。例えば、ノートブック型パソコンやスマートフォンにおいて、タッチパネルにペンタッチモデルが搭載されるようになり、先端が尖ったスタイラスペンなどによって反射防止膜を繰り返し摺動するなどによって、反射防止膜に対して局所的に荷重が集中するような使用環境が多くなり、反射防止膜自体の硬度(機械的強度)を高めることが求められている。
例えば、特許文献1では、透明導電膜におけるペン入力に対する耐久性を高めるために、成膜時にフィルム基板の温度を高くしたり、成膜雰囲気中の水分や有機物などの不純物を除去することによって、薄膜の表面硬度を0.4~0.8GPaにすることによって、透明導電膜の耐久性を維持できることが開示されている。
また、特許文献2では、ECR(電子サイクロン共鳴)プラズマを用いて、透明プラスチック材の吸水率を0.02%以下で膜のビッカース硬度を15以上とすることによって、膜の耐擦傷性を向上できることが開示されている。
また、特許文献3では、五酸化二タンタルを用いてイオンアシスト蒸着によって高屈折率層成膜し、圧縮応力を150~250MPaとすることで耐熱性および硬度を向上できることが開示されている。
更に、特許文献4では、多層膜のうちダイヤモンド層を含みそのダイヤモンド層はダイヤモンド結晶を有するか、またはダイヤモンド結晶からなり、その上部を覆うカバー層として、酸化アルミニウム、結晶性酸化アルミニウム、またはAlとSiOとの混合物を用いることによって、高硬度の膜を形成して引掻耐性を付与できることが開示されている。
特開2002-163932号公報 特開2005-066937号公報 特開2009-217018号公報 特許第6713485号公報
しかしながら、特許文献1は、酸化インジウムと酸化錫の複合酸化物など、成分が限定された一部の導電性酸化物にのみ適用できる技術であり、導電性を必要としない反射防止膜に用いることは適切ではない。
また、特許文献2は、ECRプラズマを安定して長時間に渡って形成することが困難であり、特に連続してフィルムに成膜するロール・ツー・ロールスパッタにより安定して生産する生産性に難があった。
また、特許文献3では、イオンアシスト蒸着を用いているため、スパッタリングによる反射防止膜の形成に適用することは困難である。
更に、特許文献4では、フィラメントが800~2500℃と高熱になるため、基板に耐熱性が求められ、耐熱性の低い樹脂基板を用いることができない。また、カバー層はマグネトロンスパッタを用いて成膜しており、成膜速度の大きな違いとプロセス真空度が大きく異なるため、同時・連続成膜処理においては設備の大型化・複雑化が生じてしまい大量生産が困難である。
一方、反射防止膜を誘電体多層膜で構成する際には最表層は屈折率が1.5程度の低屈折率材料を用いることが多く、特に酸化ケイ素および酸化ケイ素を主成分とした複合酸化物を用いることが多いが、ペン入力等による繰り返しの摺動などでは剥離が生じる懸念がある。
また、酸化ジルコニウムなどのいわゆる硬質材料は、酸化ケイ素と比較して硬度が高いが、屈折率が2.0程度と高く反射防止膜の表面に適用することは困難である。他にも、屈折率が比較的低く(1.7程度)、硬質な材料としては酸化アルミニウムが挙げられるが、スパッタリングによる成膜速度が非常に低く、成膜プロセスも複雑であり、光学特性も酸化ケイ素に比べると低い。
こうしたことから、ペン摺動などの過酷な条件でも剥がれが生じず、十分な反射防止特性を実現でき、かつ製造が容易な光学積層体が望まれている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、物理的な応力に対する耐久性が高く、屈折率が低く、かつ製造が容易な光学積層体、およびこれを用いた反射防止膜を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明者らは、最表層の光学機能膜を酸化ケイ素などの低屈折率材料を用いて特定範囲の厚みになるように形成し、その下層側の光学機能膜を高硬度の材料を用いて特定範囲の厚みになるように形成することにより、物理的な応力に対する耐久性が高く、反射率が低く、かつ製造が容易な光学積層体が得られることを見出した。
即ち、上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の光学積層体は、少なくとも2層以上の可視光透過性の光学機能層を積層させた光学積層体であって、前記光学機能層は、少なくとも酸化セリウムを含み、波長550nmにおける屈折率が1.8以上、2.6以下の範囲であり、膜厚が60nm以上、130nm以下の範囲である第1機能層と、前記第1機能層の上面に接して形成され、波長550nmにおける屈折率が1.4以上、1.6以下の範囲であり、膜厚が80nm以上、100nm以下の範囲である第2機能層と、含むことを特徴とする。
本発明によれば、光学積層体の最表層となる第2機能層の下面に接するように、酸化セリウムを含む材料で形成された第1機能層を60nm~130nmの厚み範囲で形成することによって、光学積層体、例えば反射防止膜として十分な光学特性が得られるとともに、ペンなどを表面で摺動させるなどの強い物理的な応力が加わっても、第1機能層の耐久性向上機能によって、損傷防止など十分な耐久性を得ることができる。
また、本発明では、前記第2機能層は、前記光学積層体の最上層を構成してもよい。
また、本発明では、前記第1機能層は、酸化セリウム以外の少なくとも1種類以上の金属酸化物を元素比率で0.1%以上、50%以下の範囲で含んでいてもよい。
また、本発明では、前記第2機能層は、少なくともケイ素を含んでいてもよい。
本発明の反射防止膜は、前記各項に記載の光学積層体を用いたことを特徴とする。
また、本発明では、前記光学積層体は、可視光透過性の高分子フィルムからなる透明基材に支持されていてもよい。
また、本発明では、前記光学積層体と前記透明基材との間に密着層が形成されていてもよい。
本発明によれば、物理的な応力に対する耐久性が高く、反射率が低く、かつ製造が容易な光学積層体、およびこれを用いた反射防止膜を提供することができる。
本発明の一実施形態の光学積層体を有する反射防止膜を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の光学積層体、およびこれを用いた反射防止膜について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明の一実施形態の光学積層体を用いた反射防止膜を例示して説明する。
なお、以下の説明で透明と言った場合には、可視光波長域(概ね360nm~830nm)の光線を透過可能であることを示す。
図1は、本発明の一実施形態の光学積層体を有する反射防止膜を示す断面図である。
本実施形態の反射防止膜10は、透明基材11と、この透明基材11の一面に重ねて形成された光学積層体12と、透明基材11および光学積層体12の間に形成された密着層13と、光学積層体12の上面に重ねて形成された防汚層14とを有する。
また、光学積層体12は、高耐久層(第1機能層)21と、高耐久層21の上面に接して形成された低屈折率表面層(第2機能層)22と、高耐久層21の下面に接して形成された光学機能多層膜23と、を有する。
透明基材11は、可視光波長域の光を透過可能な透明材料から形成されればよく、例えば、可視光線の透過率が88%以上の高分子フィルムが好適に用いられる。高分子フィルムの構成材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、が挙げられる。
より具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアラミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリシクロオレフィン(COC、COP)などが挙げられる。
透明基材11の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm以上、1000μm以下の範囲であることが好ましい。透明基材11の厚みが20μm以上であると、基材自体の剛性が確保され、反射防止膜10に応力が加わっても皺が発生し難くなる。
ロールtoロールで反射防止膜10を製造する場合、透明基材11の厚みが1000μm以下であると、製造途中の反射防止膜10および製造後の反射防止膜10をロール状に巻きつけやすく、効率良く反射防止膜10を製造できる。また、透明基材11の厚みが1000μm以下であると、反射防止膜10の薄膜化、軽量化が可能となる。透明基材11の厚みが600μm以下であると、より効率良く反射防止膜10を製造できるとともに、より一層の薄膜化、軽量化が可能となり、好ましい。
光学特性を著しく損なわない限りにおいて、透明基材11には補強材料が含まれていても良く、例えば、セルロースナノファイバー、ナノシリカ等が挙げられる。特に、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。具体的には、トリアセチルセルロース(TAC)基材が好適に用いられる。
なお、透明基材11は、光学的機能や物理的機能が付与されたフィルムであっても良い。光学的機能や物理的機能を有する基材の例としては、例えば、偏光板、位相差補償フィルム、熱線遮断フィルム、透明導電フィルム、輝度向上フィルム、バリア性向上フィルムなどが挙げられる。
光学積層体12は、光学機能を発現させる層である。ここでいう光学機能とは、光の性質である反射と透過、屈折をコントロールする機能であり、例えば、反射防止機能、選択反射機能、防眩機能、レンズ機能などが挙げられる。
光学積層体12は、反射防止層、選択反射層、防眩などであればよい。本実施形態においては、光学積層体12は、反射防止機能を発現させる層である。
光学積層体12を構成する高耐久層(第1機能層)21は、光学積層体12の表面に加わる物理的な応力に対する耐久性を高める層である。
高耐久層21は、少なくとも酸化セリウムを含む材料から構成される。本実施形態では、高耐久層21は、二酸化セリウム(CeO)によって形成されている。なお、高耐久層21は、二酸化セリウム中のCeが、元素比率で0.1%以上50%以下の範囲でNbに置き換えられていても良い。この場合、後述するスパッタリングによる成膜工程において、成膜速度の向上と放電の安定性を高めることができる。
高耐久層21は、膜厚が60nm以上、130nm以下の範囲になるように形成される。膜厚が60nm未満であると、十分な耐久性が得られない懸念がある。また、膜厚が130nmを超えると、光学特性が低下する懸念がある。
このような高耐久層21は、波長550nmにおける屈折率が1.8以上、2.6以下の範囲とされる。こうした屈折率の範囲にすることによって、光学積層体12の光学機能、例えば反射防止機能を適切に維持することができる。
光学積層体12を構成する低屈折率表面層(第2機能層)22は、高耐久層21の上面に直接、接するように成膜されている。こうした低屈折率表面層22は、二酸化ケイ素(SiO)を用いることができる。SiO単層膜は、無色透明である。例えば、低屈折率表面層22は、SiOを50質量%以上含んでいればよい。
なお、低屈折率表面層22は、SiO以外にも、例えば、耐久性向上の目的でNa、硬度向上の目的でZr、Al、またN、耐アルカリ性向上の目的で、Zr、Alを含有することも好ましい。
低屈折率表面層22の屈折率は1.4~1.6の範囲であり、好ましくは1.4~1.5の範囲である。
また、低屈折率表面層22の膜厚は、80nm~100nmの範囲であればよく、反射防止機能を必要とする波長域に応じて適宜選択されればよい。
光学積層体12を構成する光学機能多層膜23は、透明基材11側から順に高屈折率層23aと低屈折率層23bとが積層された積層体である。なお、高屈折率層23aと低屈折率層23bの積層数は、本実施形態のように2層以上、任意の層数とすることができる。
本実施形態のように、光学機能多層膜23を低屈折率層23bと高屈折率層23aとを積層した積層体から構成することによって、低屈折率表面層22側から入射した光、例えば外光は、この光学機能多層膜23および高耐久層21、低屈折率表面層22の内部でその一部が反射し、表面において互いに位相を打ち消すように干渉することで反射が実質的に抑制される。したがって、低屈折率表面層22側から入射した外光が、反射されることを防止する反射防止機能が得られる。
光学機能多層膜23は、無機酸化物、または無機窒化物を含む材料から構成される。
低屈折率層23bは、入手の容易さとコストの点から二酸化ケイ素(SiO)を用いることができる。SiO単層膜は、無色透明である。例えば、低屈折率層23bは、SiOを50質量%以上含んでいればよい。
低屈折率層23bは、SiO以外にも、例えば、耐久性向上の目的でNa、硬度向上の目的でZr、Al、またN、耐アルカリ性向上の目的で、Zr、Alを含有することも好ましい。
低屈折率層23bの屈折率は、好ましくは1.20~1.60であり、より好ましくは1.30~1.50である。
また、低屈折率層23bの膜厚は、1nm以上200nm以下の範囲であればよく、反射防止機能を必要とする波長域に応じて適宜選択されるが、本実施形態では10nmから40nmにすることによって、高耐久層(第1機能層)21と低屈折率表面層(第2機能層)22を所定の厚さとした場合に、反射率や透過率などの光学特性が良好となり、より好ましい。
高屈折率層23aとしては、例えば、五酸化ニオブ(Nb、屈折率2.33)、酸化チタン(TiO、屈折率2.33~2.55)、酸化タングステン(WO、屈折率2.2)、酸化セリウム(CeO、屈折率2.2)、五酸化タンタル(Ta、屈折率2.16)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率2.1)、酸化インジウムスズ(ITO、屈折率2.06)、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率2.2)などを用いることができる。また、高屈折率層23aに導電特性を付与したい場合、例えば、ITO、酸化インジウム酸化亜鉛(IZO)を用いることもできる。
また、高屈折率層23aの膜厚は、例えば、1nm以上200nm以下であればよく、反射防止機能を必要とする波長域に応じて適宜選択されるが、本実施形態では、10nmから40nmにすることによって、高耐久層(第1機能層)21と低屈折率表面層(第2機能層)22を所定の厚さとした場合に、反射率や透過率などの光学特性が良好となり、より好ましい。
本実施形態の光学機能多層膜23は、高屈折率層23aとして五酸化ニオブ(Nb、屈折率2.33)からなるものを用い、低屈折率層23bとして二酸化ケイ素(SiO)からなるもの用いている。
密着層13は、透明基材11と光学積層体12との密着性を向上させるために形成する層である。密着層13は、例えば、酸素欠損状態の金属酸化物もしくは金属からなるものであることが好ましい。酸素欠損状態の金属酸化物とは、化学量論組成よりも酸素数が不足した状態の金属酸化物をいう。酸素欠損状態の金属酸化物としては、例えば、SiOx、ALOx、TiOx、ZrOx、CeOx、MgOx、ZnOx、TaOx、SbOx、SnOx、MnOxなどが挙げられる。また、金属としては、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Mg、Zn、Ta、Sb、Sn、Mn、Inなどが挙げられる。密着層は、例えば、SiOxにおけるxが、0を超え2.0未満であるものであってもよい。
密着層の厚みは、透明性を維持し、良好な光学特性を得る観点から、例えば、0.1nm超え20nm以下であることが好ましく、1nm以上10nm以下であることが特に好ましい。
防汚層14は、光学積層体12の汚損を防止するための層であり、例えば、パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物の被覆層であればよい。パーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を用いて、光学積層体12の表面を被覆することにより、光学積層体12の表面の水接触角が、例えば110度以上の撥水性を示すようになり、防汚性を向上させることができる。
なお、本実施形態の光学積層体12は、光学機能多層膜23を備えているが、本発明の光学積層体は、少なくとも高耐久層(第1機能層)21と、この高耐久層21の上面に接して形成された低屈折率表面層(第2機能層)22との2層から形成されていればよい。また、本実施形態の反射防止膜10は、密着層13および防汚層14を設けているが、これら密着層13および防汚層14のいずれか、または両方を設けない構成であってもよい。
また、透明基材11の他面に、選択反射、防眩、偏光、位相差補償、視野角補償又は拡大、導光、拡散、輝度向上、色相調整、導電などの機能を有する層を更に形成しても良い。
また、光学積層体12の表面形状は、平滑な形状以外にも、モスアイ、防眩機能を発現するナノオーダーの凹凸構造を有する形状でもよい。また、レンズ、プリズムなどのマイクロからミリオーダーの幾何学形状であっても良い。形状は、例えば、フォトリソグラフィーとエッチングの組み合わせ、形状転写、熱プレス等によって形成できる。本実施形態においては、真空成膜により成膜するため、基材に例えば凹凸形状がある場合でも、その凹凸形状を維持できる。
以上のような構成の本実施形態の光学積層体12、およびこれを備えた反射防止膜10によれば、光学積層体12の最表層となる低屈折率表面層(第2機能層)22の下面に接するように、酸化セリウムを含む材料で形成された高耐久層(第1機能層)21を60nm~130nmの厚み範囲で形成することによって、光学機能膜、例えば反射防止膜として十分な光学特性が得られるとともに、ペンなどで表面を摺動させるなどの強い物理的な応力が加わっても、高耐久層(第1機能層)21の機能によって、損傷防止など十分な耐久性を得ることができる。こうした反射防止膜10を、ペンによる操作を行うモバイル機器やノート型パーソナルコンピューターの表示部に適用すれば、表示部の長寿命化を実現することが可能になる。
次に、上述した実施形態の光学積層体を備えた反射防止膜の製造方法の一実施形態を説明する。
本実施形態の反射防止膜の製造方法の一例としては、ロール状に巻き付けられた透明基材11を用いて反射防止膜10を製造してロール状に巻き取る、いわゆるロールtoロール方式によって製造すればよい。
まず、ロール状に巻き付けられた透明基材(基材)11を巻き出す。そして、透明基材11の一面上に、光学積層体12を形成する。光学積層体12は、例えば、スパッタリング装置を用いて、それぞれの層を構成する材料を含むターゲット電圧を印加して、所定の反応性ガスおよびプラズマを生成するアルゴンガスを所定の流量で供給することにより、光学積層体12を構成するそれぞれの層を成膜することができる。
例えば、高耐久層(第1機能層)21を成膜する際には、ターゲットとしてCeOを用い、プラズマ生成用ガスとしてアルゴンガス、および反応性ガスとしてOを用いる。また、例えば、低屈折率表面層(第2機能層)22としてSiOからなる層を形成する場合、ターゲットとしてSiを用い、プラズマ生成用ガスとしてアルゴンガス、および反応性ガスとしてOを用いる。
このように、透明基材11の一面に、スパッタリングによって、それぞれの層を成膜することによって、容易に、光学積層体を備えた反射防止膜を製造することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、こうした実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
(検証例1)
まず、高耐久層(第1機能層)21として用いる酸化セリウムの薄膜の硬度を測定した。
本発明の実施例1として二酸化セリウム(CeO)、従来の比較例1として二酸化ケイ素(SiO)、比較例2として五酸化ニオブ(Nb)、比較例3として二酸化ジルコニウム(ZrO)のそれぞれ薄膜をガラス基板上に成膜した。
各薄膜の成膜にはRFスパッタリング装置を用いた。成膜に用いたRFスパッタリング装置は、排気系がターボ分子ポンプとロータリーポンプで構成され、5×10-4Pa以下にまで排気することが可能である。真空槽(成膜チャンバー)内には4つのカソードが配置されており、それぞれに直径2インチのターゲット材料を設置することが可能である。各カソード間にはシャッター機構が設置されており、タイマーにて開閉時間を制御することができる。そのため予め成膜速度が既知であれば、シャッターの開時間を制御することより薄膜の厚みを精密に制御することができる。
真空槽にはガス供給配管がつながっており、アルゴンガス、酸素ガス、窒素ガスなどの反応ガス、キャリアガスを供給することができる。各ガスは、ガスボンベと真空槽の間に設置したマスフローメータによって流量を精密に制御することができる。ターボ分子ポンプと真空槽の間にはコンダクタンスバルブが設置されており、排気速度を調整することで任意の成膜圧力に調整することが可能である。基板は、ターゲットに対向するステージに設置することができる。ステージは、薄膜の厚みを均一にするように自転することができ、300℃まで加熱することができる。さらに、ステージとターゲットとの間の距離も調整可能である。
各薄膜の硬度の評価において、基板の影響を避けるために、基板には無アルカリガラス(OA-10G:日本電気硝子株式会社製)を用いた。基板は中性洗剤を用いて水洗したのち、エタノール液中で超音波洗浄を10分間行い、エタノール液中から引き上げた後、直ちにエアスプレーにて液滴を除去して、乾燥シミが生じないようにした。
そして、上述したような構成のRFスパッタリング装置内のステージに基板を設置後、5×10-4Pa以下になるまで排気し、アルゴンガスおよび酸素ガスを導入した。アルゴンガスと酸素ガスの比率はあらかじめ可視光領域での吸収が出ない条件を調査して決定した。こうした条件で実施例1、比較例1~3のそれぞれの薄膜を、膜厚が400nmとなるように成膜した。
硬度の測定は、マルテンス硬度計を用いてマルテンス硬度を測定した。こうした実施例1、比較例1~3のそれぞれの薄膜のマルテンス硬度の測定結果を表1に示す。なお、参考例として、ガラス基板の硬度も測定した。
Figure 2023053748000002
表1に示す検証例1の結果によれば、高耐久層(第1機能層)21として用いた実施例1の二酸化セリウムの薄膜は、比較例1~3の薄膜と比較して、硬度が高いことが確認できた。よって、こうした二酸化セリウムを用いて高耐久層(第1機能層)21を形成することにより、光学積層体12の表面の耐久性を高められる。
(検証例2)
以下に示す実施例10~16、および比較例10~16の試料を作製し、それぞれの試料について、反射率、および耐久性(スチールウール試験)を測定した。
[実施例10]
トリアセチルセルロース(TAC)フィルムの一面にアクリル樹脂層を形成したものを基板として用いた。この基板をRFスパッタリング装置にセットして、チャンバーを排気後、成膜を行った。光学機能膜のうち高屈折率層として五酸化ニオブ、光学機能膜のうち低屈折率層として二酸化ケイ素を順次成膜し、その後、高耐久層(第1機能層)として二酸化セリウムを100nmの厚さで成膜し、更にその上に、低屈折率表面層(第2機能層)として二酸化ケイ素を90nm積層した後、チャンバーから取り出した。取り出した試料に対して、防汚層としてパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン化合物を用いてスピンコートにて厚さ3~5nmとなるように塗布し、室温にて1日静置して実施例1の試料を得た。
[実施例11]
二酸化セリウムの厚みを60nmとしたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[実施例12]
二酸化セリウムの厚みを130nm としたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[実施例13]
二酸化セリウムの上の二酸化ケイ素の厚みを80nmとしたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[実施例14]
二酸化セリウムの厚みを120nm とし、酸化セリウムの上の酸化ケイ素の厚みを100nmの厚さとしたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[実施例15]
二酸化セリウムの代わりに、二酸化セリウムのCeの一部をNbに置き換えた、Nb0.2Ce0.8Oを用いたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[実施例16]
二酸化セリウムの代わりに、二酸化セリウムのCeの一部をNbに置き換えた、Nb0.4Ce0.6Oを用いたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[比較例10]
二酸化セリウムの代わりに五酸化ニオブを用い、その厚みを110nmとしたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[比較例11]
二酸化セリウムの厚みを110nmとし、その上の酸化ケイ素を形成しなかったこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[比較例12]
二酸化セリウムの厚みを50nm としたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[比較例13]
二酸化セリウムの厚みを140nm としたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[比較例14]
二酸化セリウムの上の酸化ケイ素の厚みを70nmとしたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
[比較例15]
二酸化セリウムの厚みを120nm とし、その上の酸化ケイ素の厚みを110nmの厚さとしたこと以外は実施例1と同一の条件で試料を作成した。
<反射率の測定>
反射率は、紫外可視近赤外分光光度計 UH4150(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いて測定した。裏面反射の影響をなくすため、各試料の裏面を黒色に塗装して表面の反射成分のみを測定した。入射光角度を5°として正反射の配置で波長300nm~800nmの範囲で測定した。得られた測定データをもとに、光源をD65、視野角を2°として「JIIS Z-8701」に規定されている計算方法により計算した刺激値Yを反射率と規定した。反射防止膜としては、0.5%以下であることが望ましい。
<スチールウール試験>
摺動装置の治具(10mm×10mm)をスチールウール#0000で覆い、1kgの荷重を加えて、各試料の表面を50mmの摺動距離で100回摺動させた後、摺動装置から取り出して、目視にて傷の発生の有無を確認した。
こうした検証例2の結果を表2に示す。
Figure 2023053748000003
表2に示す結果の評価は以下の通りである。
[実施例10~12の結果]
表2から明らかなように、二酸化セリウムを60~130nmの厚み範囲で成膜し、最表層の酸化ケイ素の厚みを90nmとすると、反射率はいずれも0.5%以下であり、反射防止膜としての機能を十分に果たす結果となった。また、スチールウール試験においても傷つきは見られず、耐傷防止性能(耐久性)が十分に確保されている。
[実施例13、14の結果]
最表面の二酸化ケイ素の厚みを80~100nmの範囲で変化させて、対応する酸化セリウムの厚みを光学特性がよくなるように調整して成膜したところ、反射率は0.5%以下であり、スチールウール試験においても傷つきは見られなかった。
[実施例15、16の結果]
成膜速度向上と放電安定性の向上のためにニオブを元素比で40%まで添加し、硬質層とした。光学的特性は実施例1~5とほとんど変化しなかったが、スチールウール試験では徐々に耐傷防止性能の劣化がみられ、ニオブ40%(実施例16)ではかろうじて基準をクリアした。
[比較例10の結果]
従来、高屈折率層として広く用いられている五酸化ニオブを使用した場合、光学特性は十分であるにも関わらず、スチールウール試験では傷が目視で容易に確認できるほど発生し、耐傷防止性能(耐久性)が不十分であった。
[比較例11の結果]
最表面を二酸化ケイ素ではなく、二酸化セリウムとした場合は、スチールウール試験は良好な結果を示したものの、反射率は非常に高くなった。硬質膜の厚みが60nm以上で、反射率を0.5%以下にする光学層の設計は不可能であった。
[比較例12の結果]
二酸化セリウムの厚みを50nmとすると、スチールウール試験において傷が目視で容易に確認できるほど発生し、耐傷防止性能(耐久性)が不十分であった。このことは酸化セリウムが50nm以下では十分な硬度が実現できず、光学積層体としての耐傷性も劣化したものといえる。
[比較例13の結果]
二酸化セリウムの厚みを140nmとすると十分な硬度が得られ、光学積層体としての耐傷性も向上するが、一方で反射率は0.5%を超えており、反射防止膜としての機能を十分に果たすことができない結果となった。二酸化セリウムを140nm以上の厚みに成膜した場合、二酸化ケイ素を80nm~100nmの範囲で調整しても十分な反射防止性能は得られないことが分かった。
[比較例14、15の結果]
二酸化ケイ素の厚みを70nm以下もしく110nm以上とすると、二酸化セリウムを60nm以上の範囲で調整しても、反射防止膜としての機能を十分に果たすことができない結果となった。また、二酸化ケイ素を110nm以上の厚みに成膜すると、硬質層の酸化セリウムの効果が小さくなり、スチールウール試験では傷が目視で容易に確認できるほど発生し、耐傷防止性能(耐久性)が不十分であった。
10…反射防止膜
11…透明基材
12…光学積層体
13…密着層
14…防汚層
21…高耐久層(第1機能層)
22…低屈折率表面層(第2機能層)
23…光学機能多層膜
23a…高屈折率層
23b…低屈折率層

Claims (7)

  1. 少なくとも2層以上の可視光透過性の光学機能層を積層させた光学積層体であって、
    前記光学機能層は、少なくとも酸化セリウムを含み、波長550nmにおける屈折率が1.8以上、2.6以下の範囲であり、膜厚が60nm以上、130nm以下の範囲である第1機能層と、
    前記第1機能層の上面に接して形成され、波長550nmにおける屈折率が1.4以上、1.6以下の範囲であり、膜厚が80nm以上、100nm以下の範囲である第2機能層と、含むことを特徴とする光学積層体。
  2. 前記第2機能層は、前記光学積層体の最上層を構成することを特徴とする請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記第1機能層は、酸化セリウム以外の少なくとも1種類以上の金属酸化物を元素比率で0.1%以上、50%以下の範囲で含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光学積層体。
  4. 前記第2機能層は、少なくともケイ素を含むことを特徴とする請求項2に記載の光学積層体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学積層体を用いたことを特徴とする反射防止膜。
  6. 前記光学積層体は、可視光透過性の高分子フィルムからなる透明基材に支持されることを特徴とする請求項5に記載の反射防止膜。
  7. 前記光学積層体と前記透明基材との間に密着層が形成されることを特徴とする請求項6に記載の反射防止膜。
JP2021162974A 2021-10-01 2021-10-01 光学積層体、反射防止膜 Pending JP2023053748A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021162974A JP2023053748A (ja) 2021-10-01 2021-10-01 光学積層体、反射防止膜
KR1020247008977A KR20240042671A (ko) 2021-10-01 2022-09-28 광학 적층체, 및 반사 방지막
PCT/JP2022/036058 WO2023054420A1 (ja) 2021-10-01 2022-09-28 光学積層体、及び反射防止膜
CN202280064753.1A CN117980786A (zh) 2021-10-01 2022-09-28 光学层叠体和防反射膜
TW111137188A TW202333957A (zh) 2021-10-01 2022-09-30 光學積層體及抗反射膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021162974A JP2023053748A (ja) 2021-10-01 2021-10-01 光学積層体、反射防止膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023053748A true JP2023053748A (ja) 2023-04-13

Family

ID=85782803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021162974A Pending JP2023053748A (ja) 2021-10-01 2021-10-01 光学積層体、反射防止膜

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP2023053748A (ja)
KR (1) KR20240042671A (ja)
CN (1) CN117980786A (ja)
TW (1) TW202333957A (ja)
WO (1) WO2023054420A1 (ja)

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07111484B2 (ja) * 1989-06-26 1995-11-29 松下電器産業株式会社 プラスチック製光学部品の反射防止膜とその形成方法
JPH0553001A (ja) * 1991-08-23 1993-03-05 Olympus Optical Co Ltd 合成樹脂製光学部品の多層反射防止膜
JPH09146039A (ja) * 1995-11-16 1997-06-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 投写型表示装置
JP4296462B2 (ja) 2000-11-27 2009-07-15 東洋紡績株式会社 透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネル
JP2002280534A (ja) * 2001-03-16 2002-09-27 Toppan Printing Co Ltd 固体撮像素子及びその製造方法
JP2005038581A (ja) * 2003-06-30 2005-02-10 Konica Minolta Opto Inc 光学素子及び光ピックアップ装置
JP2005066937A (ja) 2003-08-21 2005-03-17 Ykk Ap株式会社 機能性プラスチック部材
JP2005181547A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Bridgestone Corp フラットディスプレイパネル及びショーウィンドウ窓材
JP2007121993A (ja) * 2005-09-29 2007-05-17 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止積層体及びその製造方法
JP4155337B1 (ja) * 2007-02-21 2008-09-24 ソニー株式会社 防眩性フィルムおよびその製造方法、ならびに表示装置
EP2235266A1 (en) * 2007-12-21 2010-10-06 3M Innovative Properties Company Retroreflective pavement markings
JP2009217018A (ja) 2008-03-11 2009-09-24 Seiko Epson Corp 光学物品及び光学物品の製造方法
US20140192411A1 (en) * 2011-07-28 2014-07-10 Kenichiro Hirata Optical Device, Imaging Device And Manufacturing Method Of Imaging Device
DE102015106368B4 (de) 2015-04-24 2017-03-02 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Beschichteter Gegenstand und Verfahren zur Herstellung eines beschichteten Gegenstands
JPWO2019230758A1 (ja) * 2018-05-29 2021-09-02 株式会社クラレ 微細パターンフィルム、及び、ヘッドアップディスプレイ装置
JP7004067B2 (ja) * 2019-01-21 2022-01-21 住友ベークライト株式会社 光学シートおよび光学部品
JP7134194B2 (ja) 2020-03-31 2022-09-09 株式会社 みずほ銀行 情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、又は方法
JP2021028730A (ja) * 2020-11-25 2021-02-25 日本電産コパル株式会社 レンズ

Also Published As

Publication number Publication date
KR20240042671A (ko) 2024-04-02
TW202333957A (zh) 2023-09-01
WO2023054420A1 (ja) 2023-04-06
CN117980786A (zh) 2024-05-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111183373B (zh) 防反射薄膜及其制造方法、以及带防反射层的偏光板
TWI486973B (zh) 透明導電層壓薄膜、其製造方法以及包含該透明導電層壓薄膜的觸控螢幕
JP7113160B1 (ja) 光学積層体、物品、光学積層体の製造方法
JP2010069675A (ja) 機能性フィルム、その製造方法、積層体および電子デバイス
CN111295605A (zh) 带防反射层的偏振片及其制造方法
JP7147095B2 (ja) 光学積層体の製造方法
JP2005017544A (ja) 反射防止フィルム、および画像表示装置
WO2014171149A1 (ja) 透明導電体及びその製造方法
JP7273238B2 (ja) 光学積層体の製造方法
WO2023054420A1 (ja) 光学積層体、及び反射防止膜
WO2022114037A1 (ja) 光学積層体および物品
JP4894279B2 (ja) 透明導電性積層体
JP2002243902A (ja) 反射防止フィルム
WO2015125558A1 (ja) 透明導電体の製造方法及び透明導電体
WO2024080298A1 (ja) 光学積層体および物品
JP7241949B1 (ja) 光学積層体、物品および画像表示装置
JP7134373B1 (ja) 光学積層体、物品および画像表示装置
JP7303954B2 (ja) 光学積層体の製造方法
JP7248830B2 (ja) 光学積層体の製造方法
JP7089610B2 (ja) 光学積層体の製造方法
WO2023218894A1 (ja) 光学積層体及び物品
TW202314343A (zh) 光學積層體、及其製造方法
JP6546461B2 (ja) 透明断熱材料及びその製造方法
TW202413077A (zh) 光學積層體及物品
JP2022065438A (ja) 反射防止層付き偏光板および画像表示装置