JP2023046623A - 板状物の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物としての板状物を支持するフレームのメンテナンスを必要とせず、生産性の良い板状物の加工方法を提供する。【解決手段】板状物より大きい面積を有する紫外線硬化型シートの上面に板状物を配設する板状物支持工程と、紫外線硬化型シートの外周に紫外線を照射して、該板状物を囲繞する環状領域を硬化させる環状領域硬化工程と、該板状物を複数のチップに分割するための加工を施す加工工程と、該紫外線硬化型シートから該チップをピックアップするピックアップ工程と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、板状物の加工方法に関する。
IC、LSI等のデバイスが分割予定ラインによって区画された表面に形成されたウエーハは、ダイシング装置、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
上記したウエーハは、個々のデバイスチップに分割された後、ウエーハの形態を保った状態でピックアップ工程を実施するため、従来においては、図8に示すように、ウエーハ10を収容する開口部Faを中央部に備えた環状のフレームFに粘着テープTを介して支持された状態で、ダイシング装置、レーザー加工装置に搬送されて加工される(例えば、特許文献1~3を参照)。なお、図8に示すウエーハ10は、デバイス12が分割予定ライン14によって区画された表面10aに形成された円形の板状物であり、フレームFには、フレームFの表裏を区別し、ウエーハ10を支持する際の方向を規定する切欠きFb、Fcが形成されている。
特開平10-242083号公報 特開2002-222988号公報 特開2004-188475号公報
ところで、上記した特許文献1~3に記載された加工装置においては、上記の如くウエーハ10を支持するフレームFを、繰り返し使用するようにしている。そのため、フレームFによって支持されたウエーハ10を加工した後、フレームFから粘着テープTを除去した後に該フレームを回収し、付着した加工屑や粘着剤等を除去すべく洗浄し、次の加工に使用されるまで所定の場所に保管する等のメンテナンスを行っている。しかし、該メンテナンスに手間が掛かり、生産性が悪いという問題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、被加工物としての板状物を支持するフレームのメンテナンスを必要とせず、生産性の良い板状物の加工方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、板状物の加工方法であって、該板状物より大きい面積を有する紫外線硬化型シートの上面に板状物を配設する板状物支持工程と、紫外線硬化型シートの外周に紫外線を照射して、該板状物を囲繞する環状領域を硬化させる環状領域硬化工程と、該板状物を複数のチップに分割するための加工を施す加工工程と、該紫外線硬化型シートから該チップをピックアップするピックアップ工程と、を備えた板状物の加工方法が提供される。
該ピックアップ工程の前に、該紫外線硬化型シートの該板状物を支持する領域を拡張してチップとチップとの間隔を広げる拡張工程を実施することができる。該ピックアップ工程の後、該紫外線硬化型シートを廃棄する廃棄工程を含むことが好ましい。また、該加工工程は、板状物の分割すべき領域に切削ブレードを位置付けて切削する切削加工、板状物の分割すべき領域に板状物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射してアブレーション加工によって溝を形成するアブレーション加工、板状物の分割すべき領域に板状物に対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を内部に位置付けて照射して改質層を形成する改質層形成加工のいずれかであることが好ましい。さらに、該板状物は、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画された表面を有するウエーハであり、ウエーハの表面又は裏面が該紫外線硬化型シートに配設されることが好ましい。
本発明の板状物の加工方法は、該板状物より大きい面積を有する紫外線硬化型シートの上面に板状物を配設する板状物支持工程と、紫外線硬化型シートの外周に紫外線を照射して、該板状物を囲繞する環状領域を硬化させる環状領域硬化工程と、該板状物を複数のチップに分割するための加工を施す加工工程と、該紫外線硬化型シートから該チップをピックアップするピックアップ工程と、を備えていることにより、従来から使用されているフレームが不要になり、該フレームを再使用するためのメンテナンスの手間が掛からず、生産性が向上する。
本実施形態の板状物の加工方法に適用されるダイシング装置の斜視図である。 (a)~(d)紫外線硬化型シートの実施形態、及び変形例を示す斜視図である。 板状物支持工程の実施態様を示す斜視図である。 図3に示す板状物支持工程において実施される圧着の態様を示す斜視図である。 環状領域硬化工程の実施態様を示す斜視図である。 加工工程として実施される切削加工の実施態様を示す斜視図である。 (a)拡張工程の実施態様を示す斜視図、(b)ピックアップ工程の実施態様を示す斜視図である。 従来において、ウエーハが粘着テープを介して環状のフレームに支持される態様を示す斜視図である。
以下、本発明に基づいて構成される板状物の加工方法に係る実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1には、本実施形態の板状物の加工方法に好適なダイシング装置1の全体斜視図が示されている。ダイシング装置1は、板状物である円形のウエーハ10を切削する装置である。ウエーハ10は、図8に基づき説明したウエーハ10と同様のウエーハであり、複数のデバイス12が分割予定ライン14によって区画された表面10aに形成された例えばシリコン(Si)からなる半導体のウエーハである。
ダイシング装置1は、装置ハウジング2を備えている。本実施形態のウエーハ10は、追って詳述する板状物支持工程を実施することによって紫外線硬化型シートSによって支持されて、装置ハウジング2に搬入されるカセット3(2点鎖線で示す)に複数枚収容されている。カセット3に収容されたウエーハ10は、搬出入手段4によって該紫外線硬化型シートSが挟持されて、搬出入手段4がY軸方向に移動することで、仮置テーブル5上に搬送される。
仮置テーブル5に搬送されたウエーハ10は、搬送手段6によって吸着され、搬送手段6の旋回動作により、ウエーハ10の搬出入を行う搬出入領域に位置付けられたチャックテーブル7に搬送され、チャックテーブル7の吸着チャック7a上に載置されて吸引保持される。チャックテーブル7の外周には、ウエーハ10を支持する紫外線硬化型シートSを挟み固定するクランプ7bが均等な間隔で4つ配設されている。
チャックテーブル7のX軸方向における移動方向には、アライメント手段8、及び切削手段9が配設されている。該装置ハウジング2の内部には、チャックテーブル7をX軸方向に加工送りするX軸移動手段(図示は省略する)と、切削手段9の切削ブレード9aをY軸方向に割り出し送りするY軸移動手段(図示は省略する)と、切削ブレード9aを昇降させて、切り出し送りするZ軸移動手段(図示は省略する)とが配設されている。チャックテーブル7に保持されるウエーハ10は、該X軸移動手段によってX軸方向に移動されて、カメラ機能を備えたアライメント手段8によってウエーハ10を撮像することにより、ウエーハ10の切削すべき領域が検出される。切削手段9による切削加工は、以下のように実施される。
アライメント手段8によって加工すべき領域(分割予定ライン14)が検出され、その領域と切削手段9の切削ブレード9aとの位置合わせが行われ、チャックテーブル7をX軸方向に移動して、切削手段9の切削ブレード9aの直下の加工領域に分割予定ライン14が位置付けられる。次に、切削ブレード9aを回転させ、該Z軸移動手段により下降させて切り出し送りすると共に、チャックテーブル7をX軸方向に加工送りすることで、分割予定ライン14が切削されて切削溝が直線状に形成される。該分割予定ライン14が直線状に切削されたならば、切削ブレード9aを上昇させて、該Y軸送り手段を作動し、Y軸方向で隣接する分割予定ライン14への間隔だけ割り出し送りし、上記したのと同様にして切り出し送りして、分割予定ライン14が切削される。これを繰り返すことで所定の方向に沿うすべての分割予定ライン14が切削される。次に、チャックテーブル7を90度回転させて、前記の切削加工により形成した切削溝に直交する方向の未加工の分割予定ライン14をX軸方向に整合させる。次いで、上記したのと同様の切削加工を実施することで、ウエーハ10のすべての分割予定ライン14に切削溝が形成される。このような加工が実施されることにより、ウエーハ10が個々のデバイスチップに分割されて切削加工が完了する。このとき、個々のデバイスチップは、上記の紫外線硬化型シートSに支持されたままであるため、全体としては、ウエーハ10の形態が維持される。ダイシング装置1の上記した各作動部は、図示を省略する制御手段によって制御される。
上記した切削加工が施され、個々のデバイスチップに分割されたウエーハ10は、加工領域から搬出入領域に移動されたチャックテーブル7から搬送手段11によって吸引されて洗浄装置12(詳細の図示は省略されている)に搬送される。洗浄装置12によって洗浄されて乾燥されたウエーハ10は、搬送手段6によって仮置きテーブル5に搬送され、搬出入手段4によってカセット3の所要の位置に戻される。なお、カセット3は、上下方向に昇降可能なテーブル3aによって適宜昇降されることで、所望の位置にウエーハ10を収容することができる。
本実施形態のダイシング装置1は、概ね上記したとおりの構成を備えたものであり、本実施形態の板状物の加工方法は、以下の如く実施される。
本実施形態の板状物の加工方法を実施するに際し、例えば、図2(a)~(d)に示すような、上記のウエーハ10よりも大きい面積を有する紫外線硬化型シートS1、又はその変形例の紫外線硬化型シートS2~S4のいずれかを用意する。紫外線硬化型シートS1~S4は、紫外線が照射されることにより硬化する樹脂からなるシートであり、例えば、アクリル系、エポキシ系の所謂UV硬化樹脂によって形成されたシートが採用される。ウエーハ10を支持する前の紫外線硬化型シートS1~S4は、紫外線によって硬化されていない状態で用意される。
図2(a)に示す第一の紫外線硬化型シートS1は正八角形からなるシートであり、図2(b)に示す第二の紫外線硬化型シートS2は正方形からなるシートであり、図2(c)に示す第三の紫外線硬化型シートS3は円形状のシートであり、図2(d)に示す第四の紫外線硬化型シートS4は図8に示す従来から使用されているフレームFの外形を模した形状のシートである。第四の紫外線硬化型シートS4には、図8のフレームFに形成された切欠きFb、Fcを模した切欠きS4b、S4cも形成されている。図2(a)~図2(c)に示す紫外線硬化型シートS1~S3には、このような切欠きは形成されていないが、紫外線硬化型シートS1~S3にも同様の切欠きを形成してもよい。本発明の紫外線硬化型シートは、図2(a)~(d)に示す紫外線硬化型シートS1~S4の形状に限定されず、ウエーハ10よりも大きい面積であって、上記のチャックテーブル7によって保持される限りいかなる形状であってもよい。なお、以下の説明においては、本実施形態の紫外線硬化型シートとして、図2(a)に示す第一の紫外線硬化型シートS1を採用し、図8に基づき説明したウエーハ10を支持して加工するものとして説明する。
上記のウエーハ10と、第一の紫外線硬化型シートS1とを用意したならば、加工時に上面となる第一の紫外線硬化型シートS1の表面S1aにウエーハ10を配設すべく、図3に示すように、ウエーハ10の裏面10bに第一の紫外線硬化型シートS1の表面S1aを向け、第一の紫外線硬化型シートS1の中央にウエーハ10を位置付けて載置する。さらに、本実施形態においては、第一の紫外線硬化型シートS1の上面S1aにウエーハ10をより良好に圧着すべく、図4に示すように圧着ローラ20をウエーハ10上に位置付けて押圧し、該ローラ20を矢印R1で示す方向に回転させながら、矢印R2で示す方向に移動させて、ウエーハ10の裏面10b全体に第一の紫外線硬化型シートS1を圧着する(板状物支持工程)。なお、図4の下方には、板状物支持工程が実施された後、第一の紫外線硬化型シートS1を反転し図示を省略するテーブルに載置した状態が示されており、ウエーハ10の表面10aが上方に露出している。なお、図示の実施形態では、ウエーハ10の裏面10a側に第一の紫外線硬化型シートS1の上面S1aを圧着しているが、本発明はこれに限定されず、図3の右方下側に示すように、ウエーハ10の表面10aを第一の紫外線硬化型シートS1の上面S1aと対向するように配設して、ウエーハ10の表面10aに第一の紫外線硬化型シートS1を圧着するようにしてもよい。
上記の如く板状物支持工程が実施されて、第一の紫外線硬化型シートS1にウエーハ10が配設されたならば、ウエーハ10を支持した第一の紫外線硬化型シートS1を図5に示す紫外線照射器30の直下に位置付ける。本実施形態においては、ウエーハ10よりも若干大きく第一の紫外線硬化型シートS1よりも小さい紫外線を遮断する機能を有する円形のマスクシート16を、ウエーハ10全体を覆うように位置付けて敷設している。この状態で、紫外線照射器30から、所定の時間、第一の紫外線硬化型シートS1に向けて紫外線UVを照射する。このようにして紫外線UVを照射したならば、マスクシート16を除去する。この結果、図5の下方に示すように、第一の紫外線硬化型シートS1は、マスクシート16によって覆われていたことにより硬化されない中央領域S1cと、該中央領域S1cを囲繞する紫外線UVによって硬化された環状領域S1dが形成される(環状領域硬化工程)。なお、上記のマスクシート16は、本発明において必ずしも必須の構成ではなく、マスクシート16を敷設せず紫外線UVを照射することも可能である。その場合は、第一の紫外線硬化型シートS1において、ウエーハ10によって紫外線UVが遮断されて、ウエーハ10が配設された領域のみが硬化されない中央領域S1cとなり、ウエーハ10を囲繞する外側のすべての領域が、硬化された環状領域S1dとなる。
また、上記の実施形態では、板状物配設工程を実施した後、環状領域硬化工程を実施しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、第一の紫外線硬化型シートS1に対してウエーハ10を配設する前に、マスクシート16等を使用して、環状領域S1dに対して紫外線UVを照射する環状領域硬化工程を実施して、予め環状領域S1dが硬化された第一の紫外線硬化型シートS1を用意しておき、その後、板状物配設工程を実施するようにしてもよい。
上記の如く板状物支持工程及び環状領域硬化工程が実施されたウエーハ10は、硬化された環状領域S1dが形成されて剛性が付与され、複数のウエーハ10が紫外線硬化型シートS1と共に、図1に示すカセット3に適正に収容された状態で、ダイシング装置1に搬入される。
本発明の加工工程として、上記の切削加工を実施するに際し、ダイシング装置1に搬入されたウエーハ10は、搬出入手段によってカセット3から搬出されて、仮置きテーブル5に仮置きされる。次いで、ウエーハ10は、搬送手段6によって、図1に示す搬出入領域に位置付けられたチャックテーブル7の吸着チャック7aに搬送されて吸引保持され、該第一のシートS1の外縁がクランプ7bによって固定される。チャックテーブル7に保持されたウエーハ10は、上記のX軸移動手段によって移動させられて、上記のアライメント手段8の直下に位置付けられて、該アライメント手段8によって加工すべき領域(分割予定ライン14)が検出され、所定の分割予定ライン14をX軸方向に整合させると共に、図6に示すように、ウエーハ10を、切削手段9の直下に位置付ける。
切削手段9は、図中Y軸方向に配設され保持された回転軸9bと、回転軸9bの先端に保持された環状の切削ブレード9aとを含み、切削ブレード9aは、上記したY軸方向で割り出し送りするY軸移動手段(図示は省略する)によって移動させられる。回転軸9bは、図示を省略するスピンドルモータにより回転駆動される。
切削手段9の直下にウエーハ10を位置付けたならば、X軸方向に整合させた分割予定ライン14に、矢印R3で示す方向に高速回転させた切削ブレード9aを位置付けて、表面10a側から切り込ませると共に、チャックテーブルをX軸方向に加工送りして、図に示すように、切削溝100を形成する。そして、上記した切削加工の手順に従い、ウエーハ10に形成されたすべての分割予定ライン14に沿って切削溝100を形成する。このようにして切削加工を実施することにより、ウエーハ10は、分割予定ラン14に沿って個々のデバイスチップ12’に分割されて切削加工が完了する。
上記の如く切削加工が実施されることにより、ウエーハ10が個々のデバイスチップ12’に分割された場合であっても、個々のデバイスチップ12’は、第一の紫外線硬化型シートS1に貼着され支持されたままであるため、全体としては、ウエーハ10の形態が良好に維持される。
上記したように切削加工を実施したならば、第一の紫外線硬化型シートS1からデバイスチップ12’をピックアップすべく、下記に説明する拡張工程、ピックアップ工程を実施する。該拡張工程、該ピックアップ工程を実施するに際しては、たとえば、図7に示すピックアップ装置40を用いて実施することができる。ピックアップ装置40は、第一の紫外線硬化型シートS1を拡張して、隣接するデバイスチップ12’同士の間隔を拡張する拡張工程を実施する拡張手段42を備えている。
図7(a)に示すとおり、拡張手段42は、円筒状の拡張ドラム42aと、拡張ドラム42aに隣接し、周方向に間隔をおいて上方に延びる複数のエアシリンダ42bと、エアシリンダ42bのそれぞれの上端に連結された環状の保持部材42cと、保持部材42cの外周縁部に周方向に間隔をおいて配置された複数のクランプ42dとを含む。なお、図7では、説明の都合上、構成の一部を断面で示している。本実施形態の拡張ドラム42aの内径は、ウエーハ10の直径以上に設定され、且つ拡張ドラム42aの外径は、第一の紫外線硬化型シートS1において硬化された環状領域S1dの内径よりも小さく設定されている。また、保持部材42cは、第一の紫外線硬化型シートS1の環状領域S1dに対応しており、保持部材42cの平坦な上面に該環状領域S1dが載置されるようになっている。
図7(a)に示すように、複数のエアシリンダ42bは、保持部材42cの上面が実線で示す拡張ドラム42aの上端とほぼ同じ高さの基準位置と、保持部材42cの上面が2点鎖線で示す拡張ドラム42aの上端よりも下方に位置する拡張位置との間で拡張ドラム42aに対して相対的に保持部材42cを昇降させる。なお、図7(a)では、説明の都合上、拡張ドラム42aが昇降しているように示しているが、実際は、保持部材42cが昇降する。
ピックアップ装置40は、上記の拡張手段42に加え、図7(b)に示すように、ピックアップ手段44を備えている。ピックアップ手段44は、デバイスチップ12’を吸引するピックアップコレット44aと、拡張ドラム42aの内部に配設され、デバイスチップ12’を上方に押し上げる押し上げ手段44bとを備えている。この押し上げ手段44bは、拡張ドラム42a内において水平方向に移動自在に構成されており、上下方向に進退するプッシュロッド44cを備えている。
図7(b)に示すピックアップコレット44aは、水平方向および上下方向に移動自在に構成されている。また、ピックアップコレット44aには図示を省略する吸引手段が接続されており、矢印R9で示す方向に吸引可能に構成され、ピックアップコレット44aの先端に配設された吸着部44dの下面でデバイスチップ12’を吸着するようになっている。
図7(a)に戻り説明を続けると、拡張工程では、まず、個々のデバイスチップ12’に分割されたウエーハ10を上に向けて、基準位置に位置する保持部材42cの上面に第一の紫外線硬化型シートS1を載置する。次いで、複数のクランプ42dで第一の紫外線硬化型シートS1の環状領域S1dを固定する。次いで、保持部材42cを矢印R4で示す拡張位置の方向に下降させることによって、第一の紫外線硬化型シートS1の中央領域S1cに対し、矢印R5で示すような引張力を放射状に作用させる。そうすると、図7(a)に二点鎖線で示すとおり、第一の紫外線硬化型シートS1の中央領域S1cにおけるウエーハ10を支持する領域が拡張されて、デバイスチップ12’とデバイスチップ12’との間隔が広げられる(拡張工程)。なお、上記した切削加工において、分割予定ライン14に沿って十分に広い切削溝100が形成されている場合は、当該拡張工程を省略することも可能である。
上記したように拡張工程を実施したならば、図7(b)に示すように、ピックアップ対象のデバイスチップ12’の上方にピックアップコレット44aの吸着部44dを位置づけると共に、押し上げ手段44bを、矢印R6で示す方向に移動させて、ピックアップ対象のデバイスチップ12’の下方に位置付ける。次いで、押し上げ手段44bのプッシュロッド44cを矢印R7で示す方向に伸張させて、対象のデバイスチップ12’を下方から押し上げる。これに合わせて、ピックアップコレット44aを矢印R8で示す方向に下降させて、ピックアップコレット72の先端の吸着部44dの先端でデバイスチップ12’の上面を吸着する。次いで、ピックアップコレット44aを上昇させ、デバイスチップ12’を第一の紫外線硬化型シートS1から剥離してピックアップする。次いで、ピックアップしたデバイスチップ12’をトレー等の容器に搬送して収容するか、又は次工程の所定の位置に搬送する。そして、このようなピックアップ作業を、すべてのデバイスチップ12’に対して順次行う(ピックアップ工程)。
上記した拡張工程、ピックアップ工程を実施したならば、上記第一の紫外線硬化型シートS1は、所定の廃棄容器に廃棄されてそのまま処分される(廃棄工程)。第一の紫外線硬化型シートS1は、従来使用されていたフレームF(図8を参照)に対して極めて安価であり、紫外線硬化型シートS1のみによって構成されているにも関わらず、ウエーハ10が配設された領域を囲繞する環状領域S1dに剛性が付与されて、フレームFが不要になり、再使用するためのメンテナンスの手間が掛からず、生産性が向上する。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されない。例えば、上記した実施形態におけるウエーハ10を複数のチップに分割するための加工を施す加工工程は、ウエーハ10の分割予定ライン14に上記の切削ブレード9aを位置付けて、分割予定ライン14に沿って切削して切削溝100を形成する切削加工を実施するものであったが、これに替えて、ウエーハ10の分割すべき分割予定ライン14に該ウエーハ10に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射して、アブレーション加工によって分割予定ライン14に沿って溝を形成するアブレーション加工を実施するものであってもよい。さらには、上記の切削加工に替えて、板状物の分割すべき領域に板状物に対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を内部に位置付けて照射して改質層を形成する改質層形成加工であってもよい。このように、加工工程として、分割予定ライン14に沿ってアブレーション加工により溝を形成したり、改質層形成加工によって改質層を形成したりする場合には、上記の拡張工程によって外力が付与されるため、ウエーハ10をより確実にデバイスチップ12’に分割することができる。
1:ダイシング装置1
2:装置ハウジング
3:カセット
3a:テーブル
4:搬出入手段
5:仮置きテーブル
6:搬送手段
7:チャックテーブル
7a:吸着チャック
7b:クランプ
8:アライメント手段
9:切削手段
9a:切削ブレード
9b:回転軸
10:ウエーハ
10a:表面
10b:裏面
12:デバイス
12’:デバイスチップ
14:分割予定ライン
16:マスクシート
20:圧着ローラ
30:紫外線照射器
40:ピックアップ装置
42:拡張手段
42a:拡張ドラム
42b:エアシリンダ
42c:保持部材
42d:クランプ
44:ピックアップ手段
44a:ピックアップコレット
44b:押し上げ手段
44c:プッシュロッド
44d:吸着部
100:切削溝
F:フレーム
Fa:開口部
Fb、Fc:切欠き
S:紫外線硬化型シート
S1:第一の紫外線硬化型シート
S1a:表面
S1b:裏面
S1c:中央領域
S1d:環状領域
S2:第二の紫外線硬化型シート
S3:第三の紫外線硬化型シート
S4:第四の紫外線硬化型シート

Claims (7)

  1. 板状物の加工方法であって、
    該板状物より大きい面積を有する紫外線硬化型シートの上面に板状物を配設する板状物支持工程と、
    紫外線硬化型シートの外周に紫外線を照射して、該板状物を囲繞する環状領域を硬化させる環状領域硬化工程と、
    該板状物を複数のチップに分割するための加工を施す加工工程と、
    該紫外線硬化型シートから該チップをピックアップするピックアップ工程と、
    を備えた板状物の加工方法。
  2. 該ピックアップ工程の前に、該紫外線硬化型シートの該板状物を支持する領域を拡張してチップとチップとの間隔を広げる拡張工程を実施する請求項1に記載の板状物の加工方法。
  3. 該ピックアップ工程の後、該紫外線硬化型シートを廃棄する廃棄工程を含む請求項1又は2に記載の板状物の加工方法。
  4. 該加工工程は、板状物の分割すべき領域に切削ブレードを位置付けて切削する切削加工である請求項1から3のいずれかに記載の板状物の加工方法。
  5. 該加工工程は、板状物の分割すべき領域に板状物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射してアブレーション加工によって溝を形成するアブレーション加工である請求項1から3のいずれかに記載の板状物の加工方法。
  6. 該加工工程は、板状物の分割すべき領域に板状物に対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を内部に位置付けて照射して改質層を形成する改質層形成加工である請求項1から3のいずれかに記載の板状物の加工方法。
  7. 該板状物は、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画された表面を有するウエーハであり、ウエーハの表面又は裏面が該紫外線硬化型シートに配設される請求項1から6のいずれかに記載された板状物の加工方法。
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