JP2023046335A - 車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両、および、車両のアンダカバー部材 - Google Patents

車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両、および、車両のアンダカバー部材 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の車体の下の気流などを改善して、走行性能を改善する。【解決手段】走行可能な車体2を有する車両1には、車体2の下面10の前部および後部の少なくとも一方にアンダカバー部材22,29,27,28が設けられる。前部のアンダカバー部材22の平面部分222には、車体2の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面40が形成される。後部のアンダカバー部材29,27,28の平面部分291には、車体2の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面40が形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両、および、車両のアンダカバー部材、に関する。
走行する車両では、車体の周囲に気流が発生し、空気抵抗が生じる。
特許文献1では、車体の下面を構成するアンダカバーに、複数の円形ディンプルをできる限り密に連続して形成している。これにより、円形ディンプルにおいて渦流が積極的に発生して、車体の下を前から後ろへ流れる気流が車体の下面から剥離してしまうことを抑制でき、空気抵抗を低減することができるとしている。
また、特許文献2では、車体の下面における前後方向の中央部分に、複数のディンプルが一列に形成されたアンダカバーを設けている。これにより、ディンプルにおいて渦流が積極的に発生して、車体の下を前から後ろへ流れる気流が車体の下面から剥離してしまうことを抑制でき、空気抵抗を低減することができるとしている。
特開2008-247144号公報 特開2008-024047号公報
しかしながら、車両の走行では、単に空気抵抗を低減することだけで十分ということにはならない。
たとえば車体の下側へ多くの気流が流れ込んで車体の下において気流が溜まる傾向になると、車体が押し上げられて浮き易くなり、車両のたとえば操舵応答性や直進安定性といった走行性能が損なわれる可能性がある。
また、特許文献1のように車体の下面を構成するアンダカバー部材に複数の円形ディンプルを密集させて連続的に形成したとしても、密集する複数の円形ディンプルによる気流促進の効果について気流の向きに制限がないため、これらの走行性能が損なわれることを効果的に抑制できるようになるとは考えにくい。たとえば車幅方向に沿う気流についても気流促進の効果が生じてしまう。
また、特許文献2のように車体の下面の前後方向での中央部分に設けられるアンダカバー部材に複数の円形ディンプルを一列に形成したとしても、車体の前部や後部の浮きを効果的に抑制できるとは言い難い。
このように車両では、車体の下の気流などを改善して、走行性能を改善することが求められる。
本発明の一形態に係る車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両は、走行可能な車体を有する車両であって、前記車体には、前記車体の下面の前部および後部の少なくとも一方にアンダカバー部材が設けられ、前記アンダカバー部材についての平面部分に、前記車体の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面が形成される。
本発明の一形態に係る車体のアンダカバー部材は、走行可能な車体を有する車両についての、前記車体の下面の前部および後部の少なくとも一方に設けられるアンダカバー部材であって、前記アンダカバー部材についての平面部分には、前記車体の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面が形成される。
本発明では、走行可能な車両の車体の下面には、車体の下面の前部および後部の少なくとも一方にアンダカバー部材が設けられる。そして、アンダカバー部材には、その平面部分に、車体の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面が形成される。このように車体の下面の一部となるアンダカバー部材の平面部分に、車体の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面が設けられることにより、車体の下を流れる気流は、少なくとも方向性パターンのシボ加工面が形成されている部分においては、車体の前後方向に沿う流れが促進されるようになる。車体の下では、車体の前後方向に沿う流れが、その他の方向、たとえば車幅方向に沿う流れと比べて速くなり得または増量され得る。
これに対し、仮にたとえば車体の下面の一部に剥離抑制のための方向性を持たないディンプルを形成したとしても、車体の前後方向に沿う流れを他の方向の気流と比べて優先する効果は得難く、車体の下側における気流による走行性能の低下を抑制できるとは考えにくい。
本発明では、車体の下側における気流について、車体の前後方向に沿う流れをその他の方向の流れと比べて優先するように改善することができるので、空気抵抗を減らすだけでなく、走行性能を改善することが期待できる。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車の模式的な側面図である。 図2は、図1の自動車の模式的な下面図である。 図3は、図1の自動車の下面に設けられる、一方向の気流をそれと交差する他方向の気流より促進できる、方向性パターンのシボ加工面の模式的な正面図である。 図4は、図3の方向性パターンのシボ加工面の模式的なA―A断面図である。 図5は、図3および図4の方向性パターンのシボ加工面を有するフロントアンダセンタパネルとその周辺の気流との説明図である。 図6は、図3および図4の方向性パターンのシボ加工面を有するリアアンダセンタパネルとその周辺の気流との説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の模式的な側面図である。
図2は、図1の自動車1の模式的な下面図である。
自動車1は、車両の一例である。自動車1は、車体2を有する。車体2は、乗員が乗車して着座する乗員室3、を有する。乗員室3より前側には、一対の前側の車輪4が設けられる。乗員室3より後側には、一対の後側の車輪5が設けられる。
自動車1は、乗員の手動操作または自動運転により、基本的に前方へ走行し、操舵に応じて右側または左側へ進行方向を変える。また、自動車1は、後方、後右方、後左方へ進行することも可能である。
そして、走行する車体2の周囲には、気流が発生する。車体2の進行方向の前側にある空気は、車体2の前面6に当たった後、車体2の側方、上方または下側へ向けて分かれて、車体2の側面7、上面9、または下面10に沿って後側へ流れる。このように複数に分かれた気流は、車体2の後側において合流する。この際、車体2の後側においては、たとえば車体2の左右の側面7に沿って流れる気流の一部は、車体2の後面8へ向かうよう巻き込まれて、巻込流FL1が生成される。また、車体2の下面10に沿って流れる気流の一部は、車体2の後面8へ向かうよう巻き込まれて、巻込流FL5が生成される。これらの気流は、自動車1の走行を妨げる空気抵抗となる。
このため、自動車1には、車体2の周辺の気流を整流して空気抵抗を低減するためのアンダカバー部材として、車体2の下面10の表面を構成する複数のパ1ネルやカバーが設けられる。
たとえば自動車1の下面10には、図2に示すように、フロントアンダセンタパネル22、左側のフロントアンダサイドカバー23、右側のフロントアンダサイドカバー24、左側のセンタアンダサイドカバー25、右側のセンタアンダサイドカバー26、リアアンダセンタパネル29、左側のリアアンダサイドカバー27、右側のリアアンダサイドカバー28、といった複数のパネルおよびカバーが設けられる。これらのパネルおよびカバーは、樹脂材料を用いて、射出成型などにより形成されてよい。
フロントアンダセンタパネル22は、車体2の下面10についての前中央部分に設けられる。フロントアンダセンタパネル22は、車体2の前面下部に設けられるフロントバンパ21の前縁から一対の前側の車輪4の間までにかけて設けられる。フロントアンダセンタパネル22は、フロントバンパ21から、一対の前側の車輪4のためのホイールハウスの後縁付近までにかけて延在する。フロントアンダセンタパネル22の後側における車体2の下面10には、一対のマフラ61が露出する。一対のマフラ61は、車体2の下面10中央部分を通って、後端が車体2の後面下部のリアバンパ30に到達している。
左側のフロントアンダサイドカバー23は、車体2の下面10についての左前角部分に設けられる。左側のフロントアンダサイドカバー23は、フロントアンダセンタパネル22の左側において、フロントアンダセンタパネル22から車体2の左側の側面7までにかけて設けられる。左側のフロントアンダサイドカバー23の後側には、左前側の車輪4のためのホイールハウスが位置する。
右側のフロントアンダサイドカバー24は、車体2の下面10についての右前角部分に設けられる。右側のフロントアンダサイドカバー24は、フロントアンダセンタパネル22の右側において、フロントアンダセンタパネル22から車体2の右側の側面7までにかけて設けられる。右側のフロントアンダサイドカバー24の後側には、右前側の車輪4のためのホイールハウスが位置する。
左側のセンタアンダサイドカバー25は、車体2の下面10において左側の側面7による左縁に沿って、左前側の車輪4のためのホイールハウスから左後側の車輪5のためのホイールハウスまでの区間に設けられる。左側のセンタアンダサイドカバー25についての、車体2の左右方向である車幅方向の中央側には、左側のマフラ61が位置する。
右側のセンタアンダサイドカバー26は、車体2の下面10において右側の側面7による右縁に沿って、右前側の車輪4のためのホイールハウスから右後側の車輪5のためのホイールハウスまでの区間に設けられる。右側のセンタアンダサイドカバー26についての車幅方向の中央側には、右側のマフラ61が位置する。
左側のリアアンダサイドカバー27は、車体2の下面10についての左後角部分に設けられる。左側のリアアンダサイドカバー27は、車体2の後面下部に設けられるリアバンパ30の前側において、左側のマフラ61から車体2の左側の側面7までにかけて設けられる。左側のリアアンダサイドカバー27の前側には、左後側の車輪5のためのホイールハウスが位置する。
右側のリアアンダサイドカバー28は、車体2の下面10についての右後角部分に設けられる。右側のリアアンダサイドカバー28は、車体2の後面下部に設けられるリアバンパ30の前側において、右側のマフラ61から車体2の右側の側面7までにかけて設けられる。右側のリアアンダサイドカバー28の前側には、右後側の車輪5のためのホイールハウスが位置する。
リアアンダセンタパネル29は、左側のリアアンダサイドカバー27と右側のリアアンダサイドカバー28との間に設けられる。リアアンダセンタパネル29は、後側の車輪5の間の位置から、車体2の後面下部に設けられるリアバンパ30による後縁までにかけて設けられる。一対のマフラ61の後端部分は、リアアンダセンタパネル29により覆われる。
これら複数のパネルおよびカバーにより自動車1の下面10は、その全体的に略フラットな面となる。これにより、自動車1の下側へ流れ込む気流は、自動車1の略フラットな下面10に沿って前から後へ向かってスムースに流れて、自動車1の後方から排出され得る。
ただし、車体2の下面10からは、たとえば、一対の前側の車輪4と、一対の後側の車輪5とが下へ突出している。車体2の下面10は、前部および後部より中央部分が下がった全体的に凸面形状となっているものが多い。これらの要因により、自動車1の下側へ流れ込む気流の一部は、後方への流れが妨げられる。その結果、自動車1の下側へ流れ込んだ気流の一部は、車体2の下側から車幅方向の外側へ向かって噴出す気流FL2、FL3となることがある。車体2の下側から車幅方向の外側へ向かって気流FL2、FL3が噴出すると、その噴出した気流が車体2の側面7に沿って流れる気流と合流して、車体2の側面7に沿う流れを乱す可能性がある。
このため、本実施形態では、車体2の下面10を構成する複数のパネルおよびカバーの中の一部に、前後方向の気流を促進することができる方向性パターンのシボ加工面40を形成する。これにより、車体2の下側における気流についての後方への流速および流量をアップして、後方への流れを強めることが期待できる。車体2の下側から車幅方向の外側へ向かって噴出す気流FL2、FL3の量を減らすことが期待できる。
しかも、方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の下面10の全体にではなく、車体2の下面10についての一部である前部および後部についてのみを形成する。特に、本実施形態の方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の下面10を構成する複数のパネルおよびカバーの凹凸部分を除いて、平面部分において部分的に設ける。平面部分は、路面と平行な部分であることが最も望ましいが、それに限られるものではない。これにより、車体2の下面10の下の気流では、車幅方向の中央部分と、その両側部分との間で、前後方向の流れについての流速に差が生じ得る。車体2の下面10での気流のバランスは、方向性パターンのシボ加工面40を設けていない車体2の下面10でのものとは異なるものとなる。車幅方向の両側部分の気流は、中央部分の気流へ引き込まれ易くなる。走行する自動車1の車体2の下面10に沿う気流を最適化または改善することが可能になる。たとえば車体2の下側から車幅方向の外側へ向かって噴出す気流FL2、FL3の量を、効果的に減らすことができる可能性がある。
図3は、図1の自動車1の下面10に設けられる、一方向の気流をそれと交差する他方向の気流より促進できる、方向性パターンのシボ加工面40の模式的な正面図である。
図4は、図3の方向性パターンのシボ加工面40の模式的なA―A断面図である。
図3および図4の方向性パターンのシボ加工面40は、基面41と、基面41から突出して形成される複数の微小なリブ部42と、を有する。
シボ加工面40は、自動車1の下面10に設けるパネルまたはカバーの成形の際に同時に形成されてよい。基面41は、自動車1の下面10に設けるパネルまたはカバーの外表面に貼着されるシートであってもよい。
基面41は、方向性パターンのシボ加工面40が設けられるパネルまたはカバーの外表面である。基面41は、基本的に平面であるが、必ずしもそれに限られるものではない。
複数のリブ部42には、長尺形状のものが含まれる。長尺形状のリブ部42は、長尺方向の両端が丸まっている長楕円形状を有する。長尺形状のリブ部42は、たとえば四角形の断面となる立方体形状としてもよい。
リブ部42についての基面41からの突出高さは、たとえば数マイクロメートル以上でよい。
複数のリブ部42は、基面41の全体において、長尺形状のリブ部42の長手方向において直線状に並べて形成される。複数のリブ部42は、長尺形状のリブ部42の短手方向において複数行に並ぶ。短手方向において隣接する複数のリブ部42の間には、微小な間隔としての第一凹部43が形成される。第一凹部43は、基面41の全体において、長尺形状のリブ部42の長手方向に沿って直線状に延在して形成され、連続線状間隙となる。
複数のリブ部42には、長尺形状のものとは異なる長さのもの、たとえば正立方体形状や、円柱形状のものが含まれてよい。
図3では、長尺形状のリブ部42の短手方向において長さが異なる複数のリブ部42が並べられており、ひし形の配列パターンを構成している。基面41には、複数のひし形の配列パターンが密となるように並べられている。
この配列にすることにより、長手方向において隣接する複数のリブ部42の間には、微小な間隔としての第二凹部44が形成される。
また、各行に形成される第二凹部44は、隣接する行に形成される第二凹部44とは、長手方向へずれて形成される。
このような表面構造のシボ加工面40において、図3に点線で示すように、長手方向に沿う気流が生じ得る。
この場合、図4に示すように、シボ加工面40の表面近くには、直線状に延在する第一凹部43などの効果により、シボ加工面40と気流との間に微小な渦流が発生する。微小な渦流が生じることにより、シボ加工面40の長手方向に沿う気流は、シボ加工面40の表面近くを高い流速で効率よく流れることができる。
これに対して、図3の点線で示す気流と交わる方向の気流、たとえば短手方向に沿う気流については、第二凹部44がシボ加工面40において直線状に延在していないことなどの効果により、シボ加工面40の上に微小な渦流が発生しない。その結果、短手方向に沿う気流は、シボ加工面40の表面近くに引き付けられるように流れ難くなる。短手方向に沿う気流とシボ加工面40との間には摩擦が生じ、流速も高くなり難い。
このように図3および図4に示す表面構造のシボ加工面40は、短手方向に沿う気流と比べて、長手方向に沿う気流を高い流速にて効率よく流すことができる。図3および図4に示す方向性パターンのシボ加工面40は、その表面に沿って流れる気流についての流れ易さについて、一方向(長手方向)において他の方向(短手方向)より流れ易くなる方向性を有する。図3および図4に示すシボ加工面40は、長手方向に沿う気流を促進する方向性パターンとして機能する。
なお、車体2の下面10といった表面を構成する部材の表面構造には、図3および図4に示すシボ加工面40とは異なり、基面41に複数の同形の突起を配列したり、基面41に複数の同形の凹部(ディンプル)を配列したり、することも可能である。しかしながら、これらの表面構造の加工面では、一方向において他の方向より流れ易くなる方向性を得ることは極めて難しい。ここでの突起や凹部(ディンプル)の形状は、たとえばヘキサゴン型であっても、欠球状のくぼみであってもよい。
このような図3および図4に示す方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の前後方向の気流を促進するために、長尺形状のリブ部42の長手方向が車体2の前後方向となるように、車体2の下面10を構成する複数のパネルおよびカバーの中の一部に形成される。
この場合、複数のリブ部42は、車体2の前後方向および車幅方向において並べて形成される。また、車体2の車幅方向に並ぶ複数のリブ部42の間には、方向性パターンのシボ加工面40の全体において車体2の前後方向に沿って直線状に連続する複数の連続線状間隙が複数の第一凹部43により形成される。また、車幅方向において隣接して並ぶ2つの第二凹部44は、車体2の前後方向にずれて形成される。
本実施形態の図2では、方向性パターンのシボ加工面40は、図2に示すように自動車1の下面10に設けられる複数のパネルおよびカバーの中の、フロントアンダセンタパネル22、リアアンダセンタパネル29、左側のリアアンダサイドカバー27、右側のリアアンダサイドカバー28、といった一部に設ける。本実施形態では、左側のフロントアンダサイドカバー23、右側のフロントアンダサイドカバー24、左側のセンタアンダサイドカバー25、右側のセンタアンダサイドカバー26には、方向性パターンのシボ加工面40を形成しない。
そして、車体2の前縁から前側の車輪4までの範囲に設けられるフロントアンダセンタパネル22では、方向性パターンのシボ加工面40が、車体の車幅方向中央を基準として、フロントアンダセンタパネル22の平面部分において左右対称な範囲に形成される。ここで、平面部分とは、フロントアンダセンタパネル22についての、たとえば平らな路面と平行になる平らな部分でよい。また、フロントアンダセンタパネル22の車幅方向に設けられる左側のフロントアンダサイドカバー23と、右側のフロントアンダサイドカバー24とには、方向性パターンのシボ加工面40を形成しない。
方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の下面10についての、前側の車輪4より前側の部分において、車幅方向の左右両端部分を除いた中央部分の範囲に部分的に形成される。
また、車体2の後縁から後側の車輪5までの範囲に設けられるリアアンダセンタパネル29では、方向性パターンのシボ加工面40が、車体の車幅方向中央を基準として、リアアンダセンタパネル29の平面部分において左右対称な範囲に形成される。また、リアアンダセンタパネル29の車幅方向に設けられる左側のリアアンダサイドカバー27の平面部分と、右側のリアアンダサイドカバー28の平面部分とにも、方向性パターンのシボ加工面40が、車体2において左右対称となる範囲に形成される。
方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の下面10についての、後側の車輪5より後側の部分において、車幅方向の左右両端部分および中央部分の範囲の全体に形成される。方向性パターンのシボ加工面40は、後側の車輪5の後側部分を含む範囲に形成される。
車体2の下面10において後側の方向性パターンのシボ加工面40は、前側の方向性パターンのシボ加工面40より、車幅方向において広くなる範囲に形成される。
この場合、車体2の下面10に流れ込んだ気流は、図2の車体2の下面10の気流において太線で示すように、車体2の下面10についての車幅方向の中央部分において、走行方向である前後方向に沿った流れが促進される。この車幅方向の中央部分での早くて大量の気流は、その両側の気流を引き込むことができる。その結果、左前角部分、右前角部分、左後角部分、および右後角部分においても、走行方向である前後方向に沿った流れが促進され易くなる。車体2の下面10の気流バランスは、方向性パターンのシボ加工面40を設けない場合とは異なるものとなる。
図5は、図3および図4の方向性パターンのシボ加工面40を有するフロントアンダセンタパネル22とその周辺の気流との説明図である。図5には、車体2についての前側の車輪4より前側となる部分についての、車幅方向中央での端面が図示されている。
図5のフロントアンダセンタパネル22は、フロントバンパ21の下端から、後方へ延在している。フロントアンダセンタパネル22は、二段の平面部221,222を有する。方向性パターンのシボ加工面40は、後側の平面部222において略全面的に形成される。方向性パターンのシボ加工面40の長尺形状のリブ部42の長手方向は、前後方向に沿っている。
このようにフロントバンパ21より多段階に下がる形状のフロントアンダセンタパネル22を用いる場合、車体2の下面10と路面との間隔は、車体2の後方に向かうほど狭くなる。
車体2の前から車体2の下へ入り込んだ気流は、フロントバンパ21からフロントアンダセンタパネル22の前側の平面部221の付近において、滞留し易くなる。気流が滞留すると、その部分の気圧が高くなり易い。
本実施形態では、その滞留部分の後側となるフロントアンダセンタパネル22の後側の平面部222に、前後方向の流れを促進する方向性パターンのシボ加工面40を形成する。方向性パターンのシボ加工面40により、フロントアンダセンタパネル22の後側の平面部222に沿う気流の速度および流量がアップする。フロントアンダセンタパネル22の後側の平面部222と路面との間を通過する気流の速度および流量がアップすることにより、後側の平面部222には、それを引き下げる力が作用し易くなる。
また、フロントアンダセンタパネル22の後側の平面部222と路面との間における流速がアップして気圧が低くなると、その前側の空気を引き易くなる。フロントバンパ21からフロントアンダセンタパネル22の前側の平面部221の付近における滞留部分から、効率よく気流が引かれる。滞留部分に滞留する空気の量が減ると、滞留部分の圧力に起因するフロントアンダセンタパネル22などを押し上げようとする力が削減される。また、滞留部分からたとえば車幅方向の外方(紙面に垂直な方向)へ向かって流れようとする空気の量を減らすことができる。
その結果、車体2についての前側の車輪4より前側部分を押し上げる力が小さくなり、車体2の前側部分が浮き難くなり、前側の車輪4のグリップ性能が低下し難くなり、自動車1の操舵応答性が損なわれ難くなる。ダウンフォースの低下が抑制される。接地感や操舵応答性が向上し得る。
また、左側のフロントアンダサイドカバー23の下側において前側の車輪4へ向かう気流の一部は、前側の車輪4に当たった後において、フロントアンダセンタパネル22の側へ引かれ易くなる。右側のフロントアンダサイドカバー24の下側において前側の車輪4へ向かう気流の一部は、前側の車輪4に当たった後において、フロントアンダセンタパネル22の側へ引かれ易くなる。これにより、前側の車輪4に当たってから車幅方向の外側へ向かって流れ出ようとする気流が減ることが期待できる。
図6は、図3および図4の方向性パターンのシボ加工面40を有するリアアンダセンタパネル29とその周辺の気流との説明図である。図6には、車体2についての後側の車輪5より後側となる部分についての、車幅方向中央での端面が図示されている。左側のリアアンダサイドカバー27の端面、および右側のリアアンダサイドカバー28の端面についても、図6と同様でよい。
図6のリアアンダセンタパネル29は、リアバンパ30の下端から、不図示の後側の車輪5のホイールハウスまでにかけて延在している。リアアンダセンタパネル29は、後上りに傾斜する平面部291を有する。方向性パターンのシボ加工面40は、平面部291において略全面的に形成される。方向性パターンのシボ加工面40の長尺形状のリブ部42の長手方向は、前後方向に沿っている。
このように後上りに傾斜する平面部291を有するリアアンダセンタパネル29を用いる場合、車体2の下面10と路面との間隔は、車体2の後方に向かうほど若干広くなる。基本的に、リアアンダセンタパネル29と路面との間の空気は基本的に、後方へ抜けやすい。車体2の下へ入り込んだ気流は、前後方向の流れとなって、車体2の後方へ流れ出るようになる。
また、方向性パターンのシボ加工面40は、リアアンダセンタパネル29だけでなく、左側のリアアンダサイドカバー27および右側のリアアンダサイドカバー28についても形成されている。車体2の下面10の後部では、車幅方向おいて全体的に、方向性パターンのシボ加工面40が形成される。これにより、車体2の後部からは、車幅方向において全体的に車体2の後方へ向かう流れの気流が噴き出し、車幅方向において全体的に浮き上がり難くなる。
また、車体2の下の気流の一部は、後側の車輪5のホイールハウスにおいて後側の車輪5により遮られた後おいて、リアアンダセンタパネル29の側へ引かれ易くなる。これにより、後側の車輪5に当たってから車幅方向の外側へ向かって流れ出ようとする気流が減ることが期待できる。また、車幅方向の外側へ向かって流れ出た気流の一部は、左側のリアアンダサイドカバー27の下または右側のリアアンダサイドカバー28の下へ戻り易くなる。
本実施形態では、リアアンダセンタパネル29の平面部291に、前後方向の流れを促進する方向性パターンのシボ加工面40が形成される。左側のリアアンダサイドカバー27の端面、および右側のリアアンダサイドカバー28の端面についても、同様である。このように車体2の下面10の後部では、車幅方向において全体的に方向性パターンのシボ加工面40が形成される。方向性パターンのシボ加工面40により、車体2の下面10の後部から後方へ噴き出す気流は、前後方向の気流となって流速および流量がアップする。車体2の下面10の後部には、その全体を引き下げる力が作用し易くなる。
また、リアアンダセンタパネル29の平面部291などと路面との間における流速がアップして気圧が低くなると、その前側の空気を引き込み易くなる。車体2の下面10の後部より前側において気流が滞留しようとしても、その滞留部分が効率よく引き込んで、滞留する空気の量を減らすことができる。また、後側の車輪5に当たってから車幅方向の外側へ向かおうとする気流の一部は、車体2の車幅方向の中央へ引かれ易くなる。
その結果、車体2についての後側の車輪5より後側である後部が浮き難くなり、後側の車輪5のグリップ性能が低下し難くなり、自動車1の直進安定性が損なわれ難くなる。ダウンフォースの低下が抑制される。接地感や操舵応答性が向上し得る。
以上のように、本実施形態では、走行可能な自動車1の車体2には、車体2の下面10の一部を構成するパネルまたはカバーによるアンダカバー部材が設けられ、一部のアンダカバー部材の平面部分には、車体2の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面40が形成される。
本実施形態では、走行可能な自動車1の車体2の下面10には、車体2の下面10の前部および後部にアンダカバー部材が設けられる。そして、アンダカバー部材には、その平面部分に、車体2の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面40が形成される。このように車体2の下面10の一部となるアンダカバー部材の平面部分に、車体2の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面40が設けられることにより、車体2の下を流れる気流は、少なくとも方向性パターンのシボ加工面40が形成されている部分においては、車体2の前後方向に沿う流れが促進されるようになる。車体2の下では、車体2の前後方向に沿う流れが、その他の方向、たとえば車幅方向に沿う流れと比べて速くなり得または増量され得る。本実施形態では、車体2の下側の気流について、車体2の下面10に方向性パターンのシボ加工面40を設けない一般的な場合と異なるものにできる。
これに対し、仮にたとえば車体2の下面10の一部に剥離抑制のための方向性を持たないディンプルなどを形成したとしても、車体2の前後方向に沿う流れを他の方向の気流と比べて優先する効果は得難く、車体2の下側における気流による走行性能の低下を抑制できるとは考えにくい。
本実施形態では、車体2の下側における気流について、車体2の前後方向に沿う流れをその他の方向の流れと比べて優先することができるので、空気抵抗を減らすだけでなく、走行性能を改善することが期待できる。
本実施形態では、自動車1の外装意匠や車体2の構造を変更したり、大型の空力パーツを追加したりすることなく、樹脂部材の表面に方向性パターンのシボ加工面40を設けることにより、空力を改善し、操舵応答性や直進安定性といった走行性能を改善することができる。特に、車体2の下面10についての前部および後部の双方に方向性パターンのシボ加工面40を設けることにより、車体2の下における気流では、車体2の前側から後方までにかけて一様な強い前後方向の気流が生じ易くなる。
特に、本実施形態では、車体2の下面10についての、車体2の前縁から前側の車輪4までの前部では、フロントアンダセンタパネル22についての平面部222に、方向性パターンのシボ加工面40を形成している。これにより、車体2の前部における方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の車幅方向の中央を含み、車体2の車幅方向の中央について対称的な範囲に設けられる。方向性パターンのシボ加工面40は、前側の車輪4の前側部分を除いた範囲に形成される。これにより、車体2の下面10の前部での気流を、前側の車輪4の間から効率よく後方へ流して、自動車1の操舵応答性を改善できる。
また、本実施形態では、車体2の下面10についての、車体2の後縁から後側の車輪5までの後部では、リアアンダセンタパネル29、左側のリアアンダサイドカバー27、右側のリアアンダサイドカバー28に、方向性パターンのシボ加工面40を形成している。これにより、車体2の後部における方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の車幅方向の中央を含み、車体2の車幅方向において全体的にかつ対称的な範囲に設けられる。これにより、車体2の下面10の後部での気流を、車体2の下側から効率よく後方へ向けて流して、自動車1の直進安定性を改善できる。
また、図1に示すように、車体2の前面6から側面7にかけて設けられるフロントバンパ21についての左側の側面部分の表面および右側の側面部分の表面には、特殊加工面51が設けられる。
特殊加工面51には、図3および図4と同様の方向性パターンのシボ加工面40が、長尺方向が前後方向に沿うように設けられてよい。特殊加工面51には、図3および図4と同様の方向性パターンのシボ加工面40が、長尺方向が前後方向に対して後上がりに傾斜するように設けられてもよい。車体2の前面6から側面7にかけて設けられるフロントバンパ21についての側面部分の表面には、表面に沿った一方向(前後方向)において気流が流れ易くなる方向性パターンのシボ加工面40が形成される。
このように車体2のフロントバンパ21についての左側および右側の側面部分に、基本的に前後方向に沿う方向性パターンのシボ加工面40が形成される。これにより、車体2の前面6に当たった気流は、車体2の前面6に沿って前角部分へ向けて流れた後、車体2の前角部分において車体2の表面から剥離しないようにして、車体2の側面7に沿って流れ易くなる。車体2の前角部分の後側の特殊加工面51により流速がアップすることにより、車体2の前面6から側面7に掛けて流れる気流についての、車体2の前角部分における車体2の表面からの剥離が抑えられる。
そして、左右のフロントアンダサイドカバー23,24には、方向性パターンのシボ加工面40が形成される。これにより、フロントアンダサイドカバーの下側から車幅方向の外方へ向かう気流は抑えられる。車体2の側面7から剥離しない車体2の側面7に沿って流れる気流は、フロントアンダサイドカバー23,24の下側から噴出す気流により乱され難くなる。車体2の側面7に沿って流れる気流は、前側の車輪4およびそれより後側においても、車体2の側面7に沿って流れ易くなる。
そして、このようなフロントバンパ21の側面部分の方向性パターンのシボ加工面40と、車体2の下面10の前部の方向性パターンのシボ加工面40とが共に設けられることにより、車体の前面6に当たる気流は、車体2の下面10の側および側面7,7の側の双方へ向けて効率よくかつバランスよく分かれて流れ易くなる。車体の前において圧縮されたり滞留したりする気流の量は、削減し得る。
これに対し、仮にたとえばフロントバンパ21の側面部分に方向性パターンのシボ加工面40が形成されていない場合、車体の前面6に当たる気流は、車体2の側面7,7の側よりも、車体2の下面10の側へ向けて流れ易くなる可能性がある。車体2の下へ流れ込む気流が増えると、車体の前部の浮き上がり作用が大きくなり、上述した車体2の下面10の前部の方向性パターンのシボ加工面40により効率よく気流を後方へ流すようにしても、自動車1の操舵応答性の改善効果が削減されてしまう可能性がある。本実施形態では、そのような事態が生じ難くなっている。
本実施形態では、方向性パターンのシボ加工面40は、車体2の後縁から車体2に設けられる後側の車輪5までの範囲に設けられるアンダカバー29,27,28において、車体2の車幅方向の中央について対称的な範囲に形成される。これにより、車体2の下面10の後側部分での気流を増加させて効率よく後方へ流して、自動車1の直進安定性を改善できる。特に、方向性パターンのシボ加工面40を、後側の車輪5の後側部分を含めた範囲に形成しているため、車体2の下側から後方へ向かう気流を効率よく増すことができ、自動車1の直進安定性の改善効果が高まり易い。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
上述した実施形態では、車体2の下面10の後部に設けられるアンダカバー29,27,28のすべてについて、車幅方向の中央を基準として対象となる範囲に、方向性パターンのシボ加工面40を形成している。
この他にもたとえば、車体2の下面10の後部の方向性パターンのシボ加工面40は、アンダカバー29,27,28の中の、リアアンダセンタパネル29のみにおいて、車幅方向の中央を基準として対象となる範囲に形成してもよい。ただし、この場合、車体2の下面10の後部についての車幅方向の両端部分には、方向性パターンのシボ加工面40による前後方向への気流の整流効果が生じないため、車体2の後部についての浮き上がりの抑制効果が低くなる可能性がある。アンダカバー29,27,28のすべてについて方向性パターンのシボ加工面40を形成することにより、車体2の後部の浮き上がりを効果的に抑制して高い直進安定性を得ることができる。
上述した実施形態では、車体2の下面10の前部に設けられるフロントアンダセンタパネル22のみに、車幅方向の中央を基準として対象となる範囲に、方向性パターンのシボ加工面40を形成している。
この他にもたとえば、車体2の下面10の前部の方向性パターンのシボ加工面40は、アンダカバー22,24,25のすべてにおいて、車幅方向の中央を基準として対象となる範囲に形成してもよい。ただし、この場合、前側の車輪4の前側においても、車体2の下の気流が前後方向に沿って流れ易くなり、その気流の一部を、車体2の車幅方向の中央へ引き込む効果が低下する可能性がある。上述した実施形態のようにあえてアンダカバー24,25については方向性パターンのシボ加工面40を形成しないようにすることにより、車体2の下へ流れ込む気流についての、複数の前側の車輪4の間を通して後ろへ送る作用が高まると考えられる。
上述した実施形態では、車体2の下面10の前部および後部について、方向性パターンのシボ加工面40を形成している。
この他にもたとえば、車体2の下面10の前部および後部の一方のみについて、方向性パターンのシボ加工面40を形成してもよい。
ただし、車体2の下面10の前部および後部の双方について、車幅方向の中央を基準として対象となる範囲について、方向性パターンのシボ加工面40を形成することにより、車体2の下を流れる気流は、車体2の前部から中央部を通って後部まで流れ易くなる。本実施形態では、図5および図6に示すように車体2の前縁および後縁が中央部と比べて路面から離れるように傾斜していたとしても、車体2の下へ流れ込んだ気流は、車体2の下を前後方向に沿ってスムースに流れて、車体2の後縁から後方へ流れ出ることができる。また、車体2の前後方向での中央部についても、車体2の前部および後部と同様に方向性パターンのシボ加工面40が形成されたアンダカバー部材を設けてもよいが、本実施形態では、そのような部材をすることなく、車体2の下側全体でのスムースな気流の流れを実現することができる。
1…自動車(車両)、2…車体、3…乗員室、4…前側の車輪、5…後側の車輪、6…前面、7…側面、8…後面、9…上面、10…下面、21…フロントバンパ、22…フロントアンダセンタパネル、23…左側のフロントアンダサイドカバー、24…右側のフロントアンダサイドカバー、25…左側のセンタアンダサイドカバー、26…右側のセンタアンダサイドカバー、27…左側のリアアンダサイドカバー、28…右側のリアアンダサイドカバー、29…リアアンダセンタパネル、30…リアバンパ、40…方向性パターンのシボ加工面、41…基面、42…リブ部、43…第一凹部、44…第二凹部、51…特殊加工面、61…マフラ、221,222,291…平面部分

Claims (5)

  1. 走行可能な車体を有する車両であって、
    前記車体には、前記車体の下面の前部および後部の少なくとも一方にアンダカバー部材が設けられ、
    前記アンダカバー部材についての平面部分に、前記車体の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面が形成される、
    車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両。
  2. 前記アンダカバー部材は、前記車体の下面についての、前記車体の前縁から前記車体に設けられる前側の車輪までの前部において、前記車体の車幅方向の中央部分に設けられるフロントアンダ部材であり、
    前記方向性パターンのシボ加工面は、前記フロントアンダ部材についての平面部分において、前記車体の車幅方向の中央を含む範囲に設けられる、
    請求項1記載の、車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両。
  3. 前記アンダカバー部材は、前記車体の下面についての、前記車体の後縁から前記車体に設けられる後側の車輪までの後部において、少なくとも前記車体の車幅方向の中央部分に設けられるリアアンダ部材であり、
    前記方向性パターンのシボ加工面は、前記リアアンダ部材についての平面部分において、少なくとも前記車体の車幅方向の中央を含む範囲に設けられる、
    請求項1または2記載の、車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両。
  4. 前記車体の前面から側面にかけて設けられるフロントバンパ部材、を有し、
    前記フロントバンパ部材についての側面部の表面には、前記表面に沿った一方向において気流が流れ易くなる方向性パターンのシボ加工面が形成される、
    請求項1から3のいずれか一項記載の、車体の下面に方向性パターンのシボ加工面を有する車両。
  5. 走行可能な車体を有する車両についての、前記車体の下面の前部および後部の少なくとも一方に設けられるアンダカバー部材であって、
    前記アンダカバー部材についての平面部分には、前記車体の前後方向に沿う気流を促進する方向性パターンのシボ加工面が形成される、
    車体のアンダカバー部材。

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