JP2023045071A - 等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッキンのシール性をその全周で均一化する。【解決手段】外側継手部材2の端面に、環状のパッキン11を介してブーツアダプタ9を配置し、外側継手部材2とブーツアダプタ9の間に作用させた軸力で、パッキン11を圧縮する。パッキン11に、内径寸法を小さくした小径部111と、内径寸法を小径部111よりも大きくした大径部112とを円周方向交互に設け、パッキン11の肉厚を、パッキン11の外径側よりも内径側で薄くする。【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達機構において使用される等速自在継手、例えば4WD車やFR車などで使用されるプロペラシャフトまたはドライブシャフトに組み込まれる等速自在継手に関する。
等速自在継手において、継手内部に充填した潤滑剤の漏洩を防ぐと共に、継手内部への異物の侵入を防止するため、等速自在継手を構成する外側継手部材の開口部は、シール装置により密封されるのが通例である。例えば、下記特許文献1に記載の等速自在継手では、外側継手部材の軸方向両端面に、金属製のシール部材(エンドプレートあるいはブーツアダプタ)を、パッキンを介して装着することで、外側継手部材の軸方向両側の開口部を密封したシール装置が開示されている。
このシール装置では、外側継手部材とシール部材の間にボルト部材のねじ込みにより軸力を作用させ、この軸力でパッキンを軸方向に圧縮することで、外側継手部材とシール部材の間のシール性を確保している。
従来の等速自在継手におけるパッキンには、内径寸法を小さくした小径部と、内径寸法を小径部よりも大きくした大径部とが円周方向交互に設けられる(図3参照)。このパッキンは、外側継手部材とシール部材の間にボルト部材のねじ込みにより軸力を作用させることで圧縮される。
しかしながら、ボルト部材を締め付けると、実際には、外側継手部材の端面に対向するシール部材が、その内径側ほど外側継手部材側に寄るように僅かに傾くことが明らかとなった。このようにシール部材が傾くと、パッキンの小径部では圧縮量が大きくなるのに対し、大径部では軸方向の圧縮量が小さくなる。その結果、圧縮後の小径部の肉厚が、大径部の肉厚よりも薄くなる。これは、パッキンの圧縮率が円周方向でばらつくことを意味するため、パッキンのシール性に円周方向で強弱がつき、その程度によっては、シール性の低下を招くことになる。
そこで、本発明は、パッキンのシール性をその全周で均一化することを目的とする。
本発明は、軸方向の少なくとも一方の端部が開口し、内周面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内周面と前記内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージとを備え、前記外側継手部材の端面に、パッキンを介してシール部材が配置され、前記外側継手部材と前記シール部材の間に作用させた軸力で、前記パッキンを圧縮した等速自在継手において、前記パッキンに、前記軸力による前記シール部材の変形に伴う前記パッキンの周方向の圧縮率のバラツキを小さくするバラツキ低減構造を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、軸方向の少なくとも一方の端部が開口し、内周面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内周面と前記内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージとを備え、前記外側継手部材の端面に、パッキンを介してシール部材が配置され、前記外側継手部材と前記シール部材の間に作用させた軸力で、前記パッキンを圧縮した等速自在継手において、前記パッキンが、その全周にわたって、20%以上圧縮された領域を有することを特徴とする。
かかる構成から、軸力の付与に伴って、シール部材が傾いたとしても、パッキンの周方向での圧縮率のバラツキを小さくして、パッキンの周方向全体で均一なシール性を得ることが可能となる。
具体的には、前記パッキンに、内径寸法を小さくした小径部と、内径寸法を前記小径部よりも大きくした大径部とを円周方向交互に設け、前記パッキンの肉厚を、当該パッキンの外径側よりも内径側で薄くすることが考えられる。
これにより、内径側に位置する小径部の肉厚(特に小径部の内径端の肉厚D)が外径側に位置する大径部の肉厚(特に大径部の内径端の肉厚E)よりも薄くなるため(D<E)、軸力の付与に伴って、シール部材が傾いたとしても、小径部と大径部の圧縮率のバラツキを小さくして、パッキンの周方向全体で均一なシール性を得ることが可能となる。
また、前記パッキンに、内径寸法を小さくした小径部と、内径寸法を前記小径部よりも大きくした大径部とを円周方向交互に設け、前記小径部を前記大径部よりも薄肉にすることも考えられる。
これにより、軸力の付与に伴ってシール部材が傾いたとしても、小径部と大径部の圧縮率のばらつきを小さくし、パッキンの周方向全体で均一なシール性を得ることが可能となる。
また、前記パッキンの内径端を円形に形成することも考えられる。
これにより、軸力の付与に伴ってシール部材が傾いたとしても、その変位量が等しくなる円周方向領域にパッキンが存在するため、パッキンの圧縮量をその全体で均一化して、パッキンの周方向全体で均一なシール性を得ることが可能となる。
以上のように、本発明によれば、パッキンのシール性をその全周で均一化することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図1~図9に基づいて説明する。
先ず、本実施形態に係る等速自在継手1の一般的構造を図1および図2に基づいて説明する。図1は、この等速自在継手の軸方向に沿った断面図であり、図2は図1に示す等速自在継手を車両に装着した状態を示す断面図である。なお、図1および図2は、図3におけるY-O-X線での断面図に相当する。
図1に示すように、本実施形態に係る等速自在継手は、内周面21に複数のトラック溝22が形成された外側継手部材2と、外周面31に外側継手部材2のトラック溝22と対をなす複数のトラック溝32が形成された内側継手部材3と、外側継手部材2のトラック溝22と内側継手部材3のトラック溝32との間に介在してトルクを伝達するトルク伝達部材としてのボール4と、外側継手部材2の内周面21と内側継手部材3の外周面31との間に介在してボール4を保持するケージ5とを備えている。
外側継手部材2の内周面21と内側継手部材3の外周面31は、何れも継手中心Oを中心とする球面状に形成される。外側継手部材2の内周面21は、ケージ5の球面状外周面と篏合し、内側継手部材3の外周面31は、ケージ5の球面状内周面と嵌合している。外側継手部材2のトラック溝22の曲率中心と内側継手部材3のトラック溝32の曲率中心は、継手中心Oに対して継手軸線上で軸方向反対側に等距離だけオフセットされている。本実施形態では、外側継手部材2のトラック溝22の曲率中心が、継手中心Oよりも後述するエンドプレート7側に配置され、内側継手部材3のトラック溝32の曲率中心が、継手中心Oよりも反エンドプレート側に配置されている。
内側継手部材3の軸心孔の内周面に雌スプライン33が形成され、この軸心孔に図2に示すシャフト6の先端部の雄スプライン61が嵌入される。雌スプライン33と雄スプライン61とが噛合することで、内側継手部材3とシャフト6がトルク伝達可能に結合される。
なお、図1および図2では、等速自在継手1として、ツェッパ型と呼ばれる固定式等速自在継手を例示しているが、等速自在継手の種類、構造は任意に選択することができる。等速自在継手1として、各種固定式等速自在継手の他、例えばクロスグルーブ型のような摺動式等速自在継手を使用することもできる。固定型等速自在継手では、二軸間の角度変位のみが許容され、摺動式等速自在継手では、二軸間の角度変位と軸方向変位の双方が許容される。
外側継手部材2は、軸方向の両端が開口したディスクタイプと呼ばれるものである。外側継手部材2の軸方向一方側(図1の右側)では、外側継手部材2の開口部が金属製のエンドプレート7(シール装置)で密封され、外側継手部材2の軸方向他方側(図1の左側)では、外側継手部材2とシャフト6の間の開口部がシール装置8によって密封されている。エンドプレート7およびシール装置8により、継手内部に充填したグリースの漏洩が防止され、かつ継手内部への異物の侵入が防止される。本実施形態において、エンドプレート7と、シール装置8のブーツアダプタ9(後で詳細に説明する)は、シールに寄与する部材であるので「シール部材」と総称する。
エンドプレート7は、外側継手部材2の開口部を塞ぐ蓋状の部材であり、外側継手部材2の外周面に嵌合される筒部71と、外側継手部材2から離れる方向に膨出する皿状部72と、筒部71と皿状部72とを連結する平板部73とを一体に備える。
シール装置8は、金属製のブーツアダプタ9と、ゴムや樹脂等の可撓性材料で形成されたブーツ10とを備える。ブーツアダプタ9およびブーツ10の何れも、軸方向両端が開口した環状に形成される。ブーツアダプタ9は、高速回転時のブーツ10の回転膨張を抑える役割を有する。ブーツアダプタ9は、外側継手部材2の外周面に嵌合される大径筒部91と、ブーツ10を支持する小径筒部92と、大径筒部91および小径筒部92を連結する平板部93とを一体に有する。ブーツ10は大径端部10aと小径端部10bを有し、大径端部10aと小径端部10bの間で折り返した形状をなす。ブーツ10の大径端部10aはブーツアダプタ9の小径筒部92に取り付けられる。
エンドプレート7の大径筒部71を外側継手部材2の外周面に圧入固定することで、エンドプレート7が外側継手部材2に取り付けられる。また、ブーツアダプタ9の大径筒部91を外側継手部材2の外周面に圧入固定することで、ブーツアダプタ9が外側継手部材2に取り付けられる。この時、外側継手部材2は、その軸方向両側に配置されたエンドプレート7の平板部73と、ブーツアダプタ9の平板部93とで軸方向両側から挟まれた状態にある。
外側継手部材2の円周方向の複数個所には、軸方向に貫通するボルト孔23が設けられている。エンドプレート7の平板部73と、ブーツアダプタ9の平板部93には、それぞれ、外側継手部材2のボルト孔23と軸心が一致する貫通孔73a、93aが設けられている。外側継手部材2の軸方向両側の端面の内径側には、それぞれ環状の凹部24,25が設けられ、これらの凹部24,25には、それぞれ環状のパッキン11,12が配置されている。外側継手部材2の両端面のうち、凹部24,25よりも外径側の領域は環状の凸部26,27を構成している。
図2に示すように、締結部材としてのボルト部材13を、ボルト頭部とブーツアダプタ9との間にワッシャ16を介在させつつ、ブーツアダプタ9の貫通孔93a、ボルト孔23,およびエンドプレート7の貫通孔73aに順次挿入し、さらに、ボルト部材13の先端部を、車両側のコンパニオンフランジ14に設けられたねじ孔15に螺着することで、等速自在継手1が車両に取り付けられる。内側継手部材3と結合したシャフト6には、ブーツバンド17を用いてブーツ10の小径端部10bが固定される。
ボルト部材13のねじ孔15への螺着に伴い、外側継手部材2の軸方向一方側の凹部25に配置したパッキン12は、外側継手部材2の端面とエンドプレート7の平板部73とで挟持され、ボルト部材13の螺着に伴う軸力を受けて軸方向に圧縮される。外側継手部材2の軸方向他方側の凹部24に配置したパッキン11は、外側継手部材2の端面と、ブーツアダプタ9の平板部93とで挟持され、ボルト部材13の螺着に伴う軸力を受けて軸方向に圧縮される。パッキン11,12の圧縮により、エンドプレート7と外側継手部材2の接触部、およびブーツアダプタ9と外側継手部材2の接触部がシールされる。
図3はシール装置8、内側継手部材3、ボール4、ケージ5、およびシャフト6を省略して、外側継手部材2、および外側継手部材2の軸方向他方側の凹部24に配置したパッキン11を軸方向から見た正面図である(パッキン11はハッチングを付して表している)。また、図4(a)は図3のO-X線での断面図であり、図4(b)は図3のO-Y線での断面図である。図示は省略するが、外側継手部材2の軸方向一方側の凹部25に配置したパッキン12も、図3および図4(a)(b)に示すパッキン11と同じ形状を有する。
図3に示すように、外側継手部材2のボルト孔23は、外側継手部材2のトラック溝22の開口端22aよりも外径側で、かつ隣接するトラック溝22間の円周方向中間部に配置される。ボルト孔23は、外側継手部材2の端面に形成された凹部24と凸部26の双方に跨って形成される。
パッキン11は、内径寸法を小さくした小径部111と、内径寸法を小径部111よりも大きくした大径部112とを円周方向交互に備える。小径部111の内径端は、隣接するトラック溝22の間に配置され、外側継手部材2の球面状の内周面21に沿う凹円弧状に形成される。大径部112の内径端は、トラック溝22の開口端22aよりも外径側に位置した凹曲線状に形成される。パッキン11の円周方向では、小径部111とボルト孔23の位相が一致し、大径部112とトラック溝22の位相が一致している。小径部111の外径端には、ボルト孔23の輪郭に対応して、概略半円状の切欠き部113が設けられている。
既に述べたように、ボルト部材13をコンパニオンフランジ14のねじ孔15に螺着すると、ブーツアダプタ9の平板部93と外側継手部材2の間、およびエンドプレート7の平板部73と外側継手部材2の間に、それぞれ軸力が作用し、パッキン11,12が軸方向に圧縮される。従来では、パッキン11,12の全体(パッキンの円周方向全体および半径方向全体)が均一厚さを有するため、図4(a)(b)に示すように、ボルト部材13の締付けに伴い、パッキン11の小径部111(図4(a)参照)と、大径部112(図4(b)参照)が均等に圧縮され、圧縮後の肉厚Aが等しくなると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検証を通じて、実際には、ボルト部材13の締め付け後は、図5(a)(b)に示すように、ブーツアダプタ9の平板部93が、継手軸線と直交する平面に対し、平板部93の内径側ほど外側継手部材2側に寄るように僅かに傾く(傾斜角α)ことが明らかとなった。これは、平板部93のうち、継手外径側の領域が、外側継手部材2の端面の凸部26と接触するのに対し、継手内径側の領域が、外側継手部材2の端面の凹部24に配置されたパッキン11と接触するため、ワッシャ16から平板部93に付与された軸力に対する支持剛性が継手外径側よりも継手内径側で低くなることによると考えられる。
このように平板部93が傾くと、平板部93の内径側が外径側よりも先にパッキン11に接触するため、パッキン11の内径側に位置する小径部111では軸方向の圧縮量が大きくなるのに対し、小径部111よりも外径側に位置する大径部112では軸方向の圧縮量が小さくなる。そのため、圧縮後の小径部111の肉厚Bが、大径部112の肉厚Cよりも薄くなる(B<C)。これにより、パッキン11の圧縮率が円周方向でばらつくため、パッキン11のシール性に円周方向で強弱が生じ、その強弱の程度によっては、シール性の低下を招くことになる。
なお、以上の課題は、ブーツアダプタ9と接触するパッキン11だけでなく、エンドプレート7と接触するパッキン12でも同様に生じる。
以上に述べた課題を解決するため、本発明の第1の実施形態では、図3に示すように、内径寸法を小さくした小径部111と、内径寸法を小径部111よりも大きくした大径部112とを円周方向交互に備えるパッキン11において、図6(a)(b)に示すように、パッキン11の肉厚を外径側よりも内径側ほど薄くするようにした。すなわち、この実施形態では、パッキン11の端面が、内径側ほど外側継手部材2側に寄るような傾斜面状に形成されている。この場合、パッキン11の端面の傾斜角αは、ブーツアダプタ9の平板部93の傾斜角αと一致させるのが好ましい。
かかる構成から、内径側に位置する小径部111(図6(a)参照)の肉厚(特に小径部111の内径端の肉厚D)が外径側に位置する大径部112(図6(b)参照)の肉厚(特に大径部112の内径端の肉厚E)よりも薄くなるため(D<E)、ボルト部材13の締め込みに伴って、ブーツアダプタ9の平板部93が傾いたとしても、小径部111と大径部112の圧縮率のバラツキを小さくして、パッキンの周方向全体で均一なシール性を得ることが可能となる。
次に、本発明の第二の実施形態を図7(a)(b)に基づいて説明する。第一の実施形態ではパッキン11の肉厚を半径方向で変化させているが、第二の実施形態ではパッキン11の肉厚を周方向で変化させている点が第一の実施形態と異なる。具体的には、内径側に位置する小径部111(図7(a)参照)の肉厚Fを、外径側に位置する大径部112の肉厚Gよりも薄くしている(F<G)。なお、小径部111および大径部112の平板部93との接触側の端面は、何れも継手軸方向に対して直交する平面上にある。
かかる構成から、ボルト部材13の締め込みに伴ってブーツアダプタ9の平板部93が傾いたとしても、第一の実施形態と同様に、小径部111と大径部112の圧縮率のばらつきを小さくして、パッキン11の周方向全体で均一なシール性を得ることが可能となる。
次に、第三の実施形態を図8および図9に基づいて説明する。第一および第二の実施形態では、パッキン11の肉厚を変化させているが、第三の実施形態では、パッキン11全体で肉厚を均一にしつつ、パッキン11の形状を図3に示す形態から変更した点で第一および第二の実施形態と異なる。具体的には、第三の実施形態では、図8に示すように、パッキン11の内径端114を円形に形成し、パッキン11を均一な内径寸法で形成している。この際、図9に示すように、パッキン11は、その内径端114が外側継手部材2のトラック溝22の開口端22aよりも外径側に位置するような内径寸法で形成される。
かかる構成であれば、ボルト部材13の締め込みに伴ってブーツアダプタ9の平板部93が傾いたとしても、その変位量が等しくなる円周方向領域にパッキン11が存在するため、パッキン11の圧縮量をその全体で均一化して、パッキン11の周方向全体で均一なシール性を得ることが可能となる。
以上に述べた各実施形態は、パッキン11に、ボルト部材13の軸力によるブーツアダプタ9の変形に伴うパッキン11の周方向の圧縮率のバラツキを小さくするバラツキ低減構造を設けたもの、と言うことができる。このバラツキ低減構造の一例として、第一の実施形態では、パッキン11の肉厚をパッキン11の外径側よりも内径側で薄くし、第二の実施形態では、パッキン11の小径部111を大径部112よりも薄肉にし、第三の実施形態では、パッキン11の内径端を円形に形成している。
以上に述べたバラツキ低減構造であれば、パッキン11には、20%以上圧縮した領域がパッキン11の全周にわたって設けられるようになる。
以上に述べた各実施形態の説明では、ブーツアダプタ9と接触するパッキン11を例に挙げたが、エンドプレート7と接触するパッキン12についても、パッキン11と同じ構成を採用することができる。
本発明は上述の各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば、外側継手部材2として、軸方向両側を開口したディスクタイプを例示したが、軸方向の一方側のみ開口した外側継手部材を使用し、その開口部にシール部材(エンドプレート7、ブーツアダプタ9等)を配置した等速自在継手にも各実施形態を適用することができる。また、図4(a)および図5(a)では、ブーツアダプタ9の小径筒部92と平板部93の間のコーナー部をパッキン11の小径部111上に配置する場合を例示しているが、このコーナー部をパッキン11の小径部111よりも内径側に配置することもできる。
1 等速自在継手
2 外側継手部材
3 内側継手部材
4 ボール
5 ケージ
7 シール部材(エンドプレート)
8 シール装置
9 シール部材(ブーツアダプタ)
10 ブーツ
11 パッキン
12 パッキン
111 小径部
112 大径部
114 内径端
2 外側継手部材
3 内側継手部材
4 ボール
5 ケージ
7 シール部材(エンドプレート)
8 シール装置
9 シール部材(ブーツアダプタ)
10 ブーツ
11 パッキン
12 パッキン
111 小径部
112 大径部
114 内径端
Claims (5)
- 軸方向の少なくとも一方の端部が開口し、内周面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内周面と前記内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージとを備え、
前記外側継手部材の端面に、パッキンを介してシール部材が配置され、前記外側継手部材と前記シール部材の間に作用させた軸力で、前記パッキンを圧縮した等速自在継手において、
前記パッキンに、前記軸力による前記シール部材の変形に伴う前記パッキンの周方向の圧縮率のバラツキを小さくするバラツキ低減構造を設けたことを特徴とする等速自在継手。 - 軸方向の少なくとも一方の端部が開口し、内周面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外周面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなす複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内周面と前記内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージとを備え、
前記外側継手部材の端面に、パッキンを介してシール部材が配置され、前記外側継手部材と前記シール部材の間に作用させた軸力で、前記パッキンを圧縮した等速自在継手において、
前記パッキンが、その全周にわたって、20%以上圧縮された領域を有することを特徴とする等速自在継手。 - 前記パッキンに、内径寸法を小さくした小径部と、内径寸法を前記小径部よりも大きくした大径部とを円周方向交互に設け、前記パッキンの肉厚を、当該パッキンの外径側よりも内径側で薄くした請求項1または2に記載の等速自在継手。
- 前記パッキンに、内径寸法を小さくした小径部と、内径寸法を前記小径部よりも大きくした大径部とを円周方向交互に設け、前記小径部を前記大径部よりも薄肉にした請求項1または2に記載の等速自在継手。
- 前記パッキンの内径端を円形に形成した請求項1または2に記載の等速自在継手。
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