JP2021025603A - トリポード型等速自在継手用外側継手部材、及びトリポード型等速自在継手用ブーツ - Google Patents

トリポード型等速自在継手用外側継手部材、及びトリポード型等速自在継手用ブーツ Download PDF

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Abstract

【課題】ブーツとの間のシール性の向上を図れるトリポード型等速自在継手用外側継手部材を提供する。【解決手段】内周面に、軸方向に伸びる一対のローラ案内面5aを有する複数のトラック溝5が設けられ、外周面が、トラック溝5に対応する大外径部2Lと、これよりも小さい外径の小外径部2Sとを、周方向に渡って交互に有するトリポード型等速自在継手用外側継手部材2において、小外径部2Sのブーツ装着部に、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aから周方向に伸びる溝部15を設け、溝部15が設けられる範囲を、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aから小外径部2Sとローラ案内面5aのピッチ円接線Hとの交点Zに至る前までの範囲とした。【選択図】図5

Description

本発明は、トリポード型等速自在継手用外側継手部材、及びトリポード型等速自在継手用ブーツに関する。
自動車、航空機、船舶や各種産業機械などの動力伝達部に用いられる等速自在継手の一種に、トリポード型等速自在継手がある(特許文献1参照)。
図8及び図9に、典型的なトリポード型等速自在継手の構成を示す。図9は、図8に示すトリポード型等速自在継手のY−Y矢視断面図である
図8に示すように、トリポード型等速自在継手100は、外側継手部材としての外輪101と、内側継手部材としてのトリポード部材102と、転動体としての3個のローラ103とを主な構成要素として備えている。外輪101の内周面には、軸方向に伸びる3つのトラック溝109が設けられている。トリポード部材102は、3つの脚軸104を有し、各脚軸104にはローラ103が装着されている。3個のローラ103が、外輪101の各トラック溝109内に1つずつ配置され、ローラ103がトラック溝109に沿って移動することで、トリポード部材102が外輪101に対して角度変位及び軸方向変位を許容しながら回転トルクを伝達する。また、継手内への異物侵入防止や継手内に封入されているグリースの漏洩防止のため、外輪101の開口側にはゴム製などのブーツ200が装着されている。
図9に示すように、一般的に、トリポード型等速自在継手においては、軽量化などのため、トラック溝109同士の間の外輪101の外周面に凹部106が形成され、薄肉化が図られている。このため、外輪101の外周面は、凹部106が形成された外周面である小外径部101Sと、凹部106が形成されていない外周面である大外径部101Lとを、周方向に交互に有している。一方、ブーツ200は、このような形状の外輪101に対する密着性(シール性)を確保するため、部分的に厚肉に形成されている。すなわち、ブーツ200は、外輪101の小外径部101Sに接触する厚肉部分と、外輪101の大外径部101Lに接触する薄肉部分とを有し、ブーツ200の内周面は、厚肉部分の内周面を構成する小内径部200Sと、薄肉部分の内周面を構成する大内径部200Lとを、周方向に交互に有している。
ブーツ200を外輪101に装着する際は、ブーツ200の大内径部200Lを外輪101の大外径部101Lに位置合わせすると共に、ブーツ200の小内径部200Sを外輪101の小外径部101Sに位置合わせして、ブーツ200を外輪101に装着し、ブーツバンド300でブーツ200を締め付け固定する。また、ブーツ200と外輪101との間のシール性を向上させるため、外輪101の大外径部101Lには、ブーツ200が食い込むことにより係合する周方向の溝部107が形成されている。
特開2008−309223号公報
ところで、ブーツを外輪に装着する際、図10に示すように、ブーツ200の位相が外輪101に対して周方向にずれることがある。特に、外輪101の大外径部101Lと小外径部101Sとの境界部Aや、ブーツ200の大内径部200Lと小内径部200Sとの境界部Bでは、外周面及び内周面が曲げ方向が反転する屈曲面形状に形成されているため、これらの境界部A,B同士が周方向にずれると、境界部A,B及びその近傍で隙間Gが生じやすい。その結果、ブーツ200と外輪101との間のシール性が低下し、異物侵入や部リース漏れが発生する虞がある。
そこで、本発明は、シール性の向上を図れるトリポード型等速自在継手用外側継手部材、及びトリポード型等速自在継手用ブーツを提供することを目的とする。
本発明は、内周面に、軸方向に伸びる一対のローラ案内面を有する複数のトラック溝が設けられ、外周面が、トラック溝に対応する大外径部と、これよりも小さい外径の小外径部とを、周方向に渡って交互に有するトリポード型等速自在継手用外側継手部材において、小外径部のブーツ装着部に、大外径部と小外径部との境界部から周方向に伸びる溝部を設け、溝部が設けられる範囲を、大外径部と小外径部との境界部から小外径部とローラ案内面のピッチ円接線との交点に至る前までの範囲としたものである。
このように、小外径部のブーツ装着部に、大外径部と小外径部との境界部から周方向に伸びる小径溝部を設けることで、ブーツ装着時に外側継手部材に対してブーツが周方向にずれたとしても、ブーツバンドの締め付け力によってブーツが溝部内に入り込むことで、大外径部と小外径部との境界部及びその近傍におけるシール性を確保することができる。また、溝部が設けられる範囲を、大外径部と小外径部との境界部から小外径部とローラ案内面のピッチ円接線との交点に至る前までの範囲とすることで、特に強度を確保する必要のあるローラ案内面の部分の肉厚を確保することができ、強度を十分に維持できるようになる。
また、大外径部のブーツ装着部に、周方向に伸びる溝部を設けてもよい。その場合、シール性を向上させるために、大外径部に設けられた溝部の幅よりも、小外径部に設けられた溝部の幅を小さくしてもよい。
小外径部に設けられた溝部の深さは、その周方向の端部側で徐々に浅くなるように形成されていることが好ましい。このようにすることで、溝部の周方向端部で段差が形成されないので、ブーツと溝部との間に隙間が生じにくくなり、シール性を向上させることができる。
また、本発明に係るトリポード型等速自在継手用外側継手部材に装着されるブーツとして、外側継手部材の大外径部に接触する薄肉部と、外側継手部材の小外径部に接触する厚肉部とを有するものを適用できる。また、斯かるブーツは、薄肉部と厚肉部との境界部にブーツ素材よりも軟質の軟質部材が設けられ、軟質部材よりも外径側にブーツ素材よりも硬質の硬質部材が設けられているものが好ましい。
このようなブーツを用いることで、大外径部と小外径部との境界部及びその近傍におけるシール性が向上する。すなわち、ブーツがブーツバンドによって締め付けられることにより、変形しやすい軟質部材が外側継手部材の外周面形状に倣って変形することで、外側継手部材との間に隙間が生じるのを抑制することができる。また、硬質部材が、ブーツバンドの締め付け力を受けて軟質部材を外側継手部材の外周面へ押圧することで、外側継手部材に対する接触圧を十分に確保することができる。このように、ブーツと外側継手部材との間の隙間が抑制され、これらの接触圧が確保されることで、大外径部と小外径部との境界部及びその近傍におけるシール性を向上させることができる。
軟質部材を、薄肉部と厚肉部との境界部で内径側に露出させてもよい。この場合、外側継手部材に対して軟質部材が直接接触するため、ブーツが外側継手部材に対して密着しやすくなり、シール性が向上する。
硬質部材は、軟質部材が設けられた範囲よりも周方向に広い範囲に渡って設けられていることが望ましい。このようにすることで、硬質部材が軟質部材を全体的に押圧することができるため、薄肉部と厚肉部との境界部における接触圧をより確実に確保できるようになる。
本発明によれば、外側継手部材とブーツとの間のシール性を向上させることができるようになる。
本発明の実施の一形態に係るトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 図1に示すトリポード型等速自在継手のX−X矢視断面図である。 外輪の外観斜視図である。 本実施形態の作用効果を説明するための断面図である。 小径溝部とローラ案内面のピッチ円接線との関係を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る構成を示す断面図である。 参考例に係る構成を示す断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手の縦断面図である。 図8に示すトリポード型等速自在継手のY−Y矢視断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手における課題を説明するための断面図である。
以下、添付の図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係るトリポード型等速自在継手の縦断面図、図2は、図1に示すトリポード型等速自在継手のX−X矢視断面図である。
まず、図1及び図2に基づき、本実施形態に係るトリポード型等速自在継手の基本構造について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るトリポード型等速自在継手1は、外側継手部材としてのカップ状の外輪2と、内側継手部材としてのトリポード部材3と、転動体である3個のローラ4とを備えている。
外輪2の内周面には、3本のトラック溝5が円周方向等間隔に形成されている。各トラック溝5は、その内側両壁に互いに対向する一対のローラ案内面5aを有する。各ローラ案内面5aは、外輪2の軸方向に直線状に伸び、その軸方向に直交する断面において円弧状に形成されている。
トリポード部材3は、円筒状のボス部6と、ボス部6から半径方向に突出する3つの脚軸7とを有している。ボス部6の中心孔6aには、シャフト10の端部がスプライン嵌合により結合される。また、シャフト10は、止め輪11によってボス部6に対して抜け止めされる。各脚軸7には、複数の針状ころ8を介してローラ4が回転可能に装着されている。ローラ4が、外輪2の各トラック溝5内に1つずつ配置され、ローラ4がトラック溝5のローラ案内面5aに沿って移動することで、トリポード部材3は外輪2に対して角度変位及び軸方向変位を許容しながら回転トルクを伝達することができる。
外輪2とシャフト10との間には、継手内への異物侵入防止や継手内に封入されたグリースの漏洩防止を目的として筒状のブーツ20が取り付けられている。ブーツ20は、外輪2の外周面に装着される大径端部21と、シャフト10の外周面に装着される小径端部22と、大径端部21と小径端部22とをつなぐ蛇腹部23とで構成されている。大径端部21は、ブーツバンド12によって外輪2の外周面(ブーツ装着部)に締め付け固定され、小径端部22は、別のブーツバンド13によってシャフト10の外周面(ブーツ装着部)に締め付け固定される。
図2に示すように、外輪2の外周面は、一般的なトリポード型等速自在継手の外輪と同様に、周方向に渡って凹凸形状に形成されている。すなわち、外輪2の外周面は、トラック溝5に対応して設けられた大外径部2Lと、大外径部2Lよりも小さい外径の小外径部2Sとを、周方向に交互に有する。また、外輪2の外周面形状に対応して、ブーツ20の内周面も、大内径部20Lと、大内径部20Lよりも小さい内径の小内径部20Sとを、周方向に交互に有している。大内径部20Lの部分では、ブーツ20が薄く形成され(薄肉部24)、小内径部20Sの部分では、ブーツ20が肉厚に形成されている(厚肉部25)。
ブーツ20を外輪2に装着する際は、従来と同様に、ブーツ20の大内径部20Lを外輪2の大外径部2Lに位置合わせすると共に、ブーツ20の小内径部20Sを外輪2の小外径部2Sに位置合わせして、ブーツ20を外輪2に装着する。そして、ブーツバンド12によってブーツ20を締め付け固定する。ブーツ20がブーツバンド12によって締め付けられた状態では、ブーツ20の薄肉部24の内周面である大内径部20Lが外輪2の大外径部2Lに接触し、ブーツ20の厚肉部25の内周面である小内径部20Sが外輪2の小外径部2Sに接触する。
ここで、外輪2の大外径部2L及びブーツ20の大内径部20Lは、それぞれ外輪2又はブーツ20の回転軸を中心とする円弧状に形成されている。これに対して、外輪2の小外径部2S及びブーツ20の小内径部20Sは、それぞれ大外径部2L又は大内径部20Lとは反対方向に曲げられた円弧状に形成されている。すなわち、外輪2の大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部、及びブーツ20の大内径部20Lと小内径部20Sとの境界部では、外周面及び内周面が曲げ方向が反転する屈曲面形状に形成されている。
上記課題で述べたように、このような外輪及びブーツにおいては、ブーツを外輪に装着する際、外輪に対するブーツの装着位置が外輪の周方向にずれると、図10に示すように、外輪101の大外径部101Lと小外径部101Sとの境界部Aや、ブーツ200の大内径部200Lと小内径部200Sとの境界部Bの近傍で、ブーツ200との間に隙間Gが生じ、シール性が十分に得られなくなる虞がある。
そこで、本実施形態においては、このような外輪とブーツとの間のシール性の課題を改善するため、次のような対策を講じている。以下、シール性改善の対策について説明する。
図3は、本実施形態に係る外輪の外観斜視図である。
図3に示すように、本実施形態では、外輪2の開口側のブーツ装着部(ブーツが接触する部分)に、それぞれ周方向に伸びる溝部14,15が設けられている。これらの溝部14,15のうち、大外径部2Lに設けられた溝部14(以下、「大径溝部」という。)は、大外径部2Lの周方向領域全体に渡って伸びている。一方、小外径部2Sに設けられた溝部15(以下、「小径溝部」という。)は、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aから小外径部2Sの周方向領域の一部に渡って伸びている。
このように、本実施形態では、小外径部2Sのブーツ装着部に、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aから小外径部2Sの領域内へ周方向に伸びる小径溝部15が設けられていることで、図4に示すように、外輪2に対するブーツ20の周方向位相が図の時計回りに多少ずれたとしても、ブーツバンド12の締め付け力によってブーツ20が小径溝部15内に入り込むことで、シール性が確保される。すなわち、ブーツ20が小径溝部15内に入り込むことで、ブーツ20が小径溝部15の互いに対向する一対の側壁151(図3参照)に対して密着する。また、このときブーツ20と小径溝部15の溝底152との間に隙間G(図4参照)が生じていたとしても、ブーツ20と小径溝部15の各側壁151との密着により、その隙間Gを閉塞することができる。これにより、外輪2の大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部A、ブーツ20の大内径部20Lと小内径部20Sとの境界部B、及びこれらの近傍におけるシール性を確保することができ、継手内への異物侵入や継手内からのグリースの漏洩を高度に防止できるようになる。
また、本実施形態では、図3中の拡大図に示すように、小径溝部15の深さが、その周方向の両端部15a,15b側で徐々に浅くなるように形成されているので、小径溝部15の周方向の両端部15a,15bにおけるシール性が向上する。すなわち、小径溝部15の周方向の両端部15a,15bでは段差が形成されないので、ブーツ20と小径溝部15との間に隙間が生じにくくなる。これにより、ブーツ20と外輪2との間のシール性をより確実に確保できるようになる。
また、本実施形態では、図3に示すように、小径溝部15に対するブーツ20の密着性を考慮し、小径溝部15の幅W2を大径溝部14の幅W1よりも小さくしている。ただし、小径溝部15の幅W2は、大径溝部14の幅W1よりも小さい場合に限らず、大径溝部14の幅W1と同じ大きさとしてもよい。
ところで、本実施形態では、外輪2の小外径部2Sに小径溝部15を形成したことにより、その部分の外輪2の肉厚が減少する。これに伴って、ローラ案内面5aの肉厚が減少すると、外輪2の強度が低下する虞がある。特に、ローラ案内面5aはローラ4からの荷重を受ける面であるため、十分な強度を確保する必要がある。
そのため、本実施形態では、図5に示すように、小径溝部15を設ける範囲を、外輪2の大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aから小外径部2Sとローラ案内面5aのピッチ円接線Hとの交点Zに至る前までの範囲としている。すなわち、小径溝部15は、ローラ案内面5aのピッチ円接線H上には設けられていない。ここで言う「ローラ案内面のピッチ円接線」とは、各ローラ案内面5aの曲率中心Oを通るピッチ円Cに対して曲率中心Oの位置で接する接線のことである。また、小外径部2Sとローラ案内面5aのピッチ円接線Hとの交点Zは、大外径部2Lよりも径の小さい小外径部2S上にあることから(ただし、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部A上は除く)、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aよりも径方向内方に位置する。
このように、小径溝部15を、ローラ案内面5aのピッチ円接線H上には設けないようにすることで、特に強度を確保する必要のあるローラ案内面5aの部分の肉厚を確保することができ、強度を十分に維持できるようになる。
以上のように、本実施形態に係るトリポード型等速自在継手用外輪の構成によれば、外輪2の小外径部2Sに、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aから小外径部2Sの領域内へ周方向に伸びる小径溝部15を設け、さらに、小径溝部15が設けられる範囲を、大外径部2Lと小外径部2Sとの境界部Aから小外径部2Sとローラ案内面5aのピッチ円接線Hとの交点Zに至る前までの範囲とすることで、外輪2の強度を十分に維持しつつ、ブーツ20と外輪2との間のシール性を向上させることが可能である。これにより、耐久性及びシール性に優れ、信頼性の高いトリポード型等速自在継手を提供できるようになる。
続いて、図6に、本発明の他の実施形態の構成を示す。
図6に示す実施形態では、上述の実施形態と同様の構成に加え、さらにブーツ20側にもシール性を向上させる対策を講じている。具体的には、図6に示すように、ブーツ20の大径端部21に、ブーツ素材よりも軟質の軟質部材31と、ブーツ素材よりも硬質の硬質部材32とを設けている。本実施形態では、軟質部材31及び硬質部材32が、大径端部21の特に薄肉部24と厚肉部25との境界部B及びその近傍に渡って設けられている。ここで、ブーツ素材とは、ブーツ20の主たる部分を構成する材料のことであり、例えば、ブーツ20の大径端部21、小径端部22及び蛇腹部23を一体成型するために用いられるクロロプレンゴム(CRゴム)などのゴム材、あるいはポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)などの熱可塑性樹脂である。
軟質部材31及び硬質部材32は、ブーツ20内に包含され、硬質部材32は、軟質部材31よりも外径側に設けられている。このような軟質部材31及び硬質部材32を内包するブーツ20は、例えば、インサート成型によって成型することができる。また、3Dプリンタなどで複数種類の材料を順次積層して成型してもよい。
軟質部材31としては、ブーツ素材よりも硬度の低いゴム材又は樹脂材などを用いることができ、硬質部材32としては、ブーツ素材よりも硬度の高いゴム材又は樹脂材などを用いることができる。軟質部材31及び硬質部材32の硬度は、例えば、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さで表すことができる。また、硬質部材32として、金属材料などを用いることも可能である。
上記のように、図6に示す実施形態では、薄肉部24と厚肉部25との境界部B及びその近傍に渡って軟質部材31及び硬質部材32が設けられていることで、この境界部Bにおける外輪2に対するブーツ20のシール性を向上させることができる。すなわち、内径側に変形しやすい軟質部材31が設けられていることで、ブーツ20がブーツバンド12によって締め付けられた際に、軟質部材31が外輪2の外周面形状に倣って変形し、外輪20との間に隙間が生じるのを抑制することができる。また、外径側の硬質部材32は、ブーツバンド12の締め付け力を受けて軟質部材31を外輪2の外周面へ押圧し、外輪2に対する接触圧を補填する部材として機能する。これにより、薄肉部24と厚肉部25との境界部Bにおける外輪2に対するブーツ20の密着性及び接触圧を十分に確保することができ、シール性を向上させることが可能となる。
さらに、図6に示すように、軟質部材31が、薄肉部24と厚肉部25との境界部Bにおいて内径側に露出している場合は、外輪2に対して軟質部材31が直接接触し、外輪2に対してブーツ20がより密着しやすくなる。これにより、外輪2とブーツ20との間に隙間がより一層生じにくくなり、シール性が向上する。なお、軟質部材31は、必ずしも内径側に露出していなくてもよい。
また、図6に示すように、硬質部材32は、軟質部材31設けられた範囲E1よりも周方向に広い範囲E2に渡って設けられていることが望ましい。このようにすることで、硬質部材32が軟質部材31を全体的に押圧することができるため、薄肉部24と厚肉部25との境界部Bにおける接触圧をより確実に確保することができる。
図6に示す実施形態では、軟質部材31及び硬質部材32を、大径端部21の特に薄肉部24と厚肉部25との境界部B及びその近傍のみに設けているが、軟質部材31及び硬質部材32を環状に形成し、これらを大径端部21の周方向全体に渡って設けてもよい。
また、図6に示す実施形態では、軟質部材31が周方向に渡って同じ厚さで形成され、硬質部材32は薄肉部24の領域では薄く、厚肉部25の領域では厚く形成されているが、軟質部材31及び硬質部材32の厚さや形状などは、図6に示す実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
以上、図6に示す実施形態について説明したが、上記説明した部分以外は、図1〜図5に示す実施形態と同様であるので説明を省略する。
以下、参考例の発明について説明する。
図7は、参考例に係るトリポード型等速自在継手の横断面図である。
図7に示すように、参考例では、上述の図6に示す実施形態と同様に、ブーツ20の大径端部21の薄肉部24と厚肉部25との境界部B及びその近傍に、軟質部材31及び硬質部材32を設けている。しかしながら、参考例では、図6に示す実施形態とは異なり、外輪2の小外径部2Sに小径溝部15は設けられていない。すなわち、参考例では、外輪2とブーツ20のうち、ブーツ20のみにシール性を改善するための対策が講じられている。なお、参考例において、小径溝部15が設けられていないこと以外は、図6に示す実施形態と同様の構成である。
この場合、ブーツ20がブーツバンド12によって締め付けられると、変形しやすい軟質部材31が外輪2の外周面形状に倣って変形すると共に、硬質部材32がブーツバンド12の締め付け力を受けて軟質部材31を外輪2の外周面へ押圧する。これにより、図6に示す実施形態と同様に、薄肉部24と厚肉部25との境界部Bにおいて、外輪20との間に隙間が生じるのを抑制できると共に、外輪2に対するブーツ20の接触圧を十分に確保することができ、シール性を向上させることができる。
このように、外輪2の小外径部2Sに小径溝部15が設けられていない構成においても、ブーツ20に軟質部材31及び硬質部材32を設けることで、薄肉部24と厚肉部25との境界部Bにおける外輪2に対するブーツ20のシール性を向上させることができる。
また、参考例においても、上述の実施形態と同様に、硬質部材32を、軟質部材31設けられた範囲E1よりも周方向に広い範囲E2に渡って設けることで、硬質部材32によって軟質部材31を全体的に押圧することができるため、薄肉部24と厚肉部25との境界部Bにおける接触圧をより確実に確保することができるようになる。また、外輪2に対するブーツ20の密着性を向上させるため、軟質部材31を、薄肉部24と厚肉部25との境界部Bにおいて内径側に露出させてもよい。また、軟質部材31及び硬質部材32を、大径端部21の特に薄肉部24と厚肉部25との境界部B及びその近傍のみに限らず、大径端部21の周方向全体に渡って設けてもよい。
さらに、参考例に係るブーツは、トリポード型等速自在継手に限らず、ブーツ装着部が非円筒形に形成された外輪を有する他の等速自在継手(例えば、ダブルオフセット型の摺動式等速自在継手や、バーフィールド型の固定式等速自在継手など)にも適用可能である。
1 トリポード型等速自在継手
2 外輪(外側継手部材)
2L 大外径部
2S 小外径部
3 トリポード部材
4 ローラ
5 トラック溝
5a ローラ案内面
14 小径溝部(溝部)
15 大径溝部(溝部)
20 ブーツ
20L 大内径部
20S 小内径部
24 薄肉部
25 厚肉部
31 軟質部材
32 硬質部材
A 大外径部と小外径部との境界部
B 薄肉部と厚肉部との境界部
C ピッチ円
E1 軟質部材が設けられた範囲
E2 硬質部材が設けられた範囲
H ピッチ円接線
O ローラ案内面の曲率中心
W1 大径溝部の幅
W2 小径溝部の幅
Z 小外径部とローラ案内面のピッチ円接線との交点

Claims (6)

  1. 内周面に、軸方向に伸びる一対のローラ案内面を有する複数のトラック溝が設けられ、
    外周面が、前記トラック溝に対応する大外径部と、これよりも小さい外径の小外径部とを、周方向に渡って交互に有するトリポード型等速自在継手用外側継手部材において、
    前記小外径部のブーツ装着部に、前記大外径部と前記小外径部との境界部から周方向に伸びる溝部を設け、
    前記溝部が設けられる範囲を、前記境界部から前記小外径部と前記ローラ案内面のピッチ円接線との交点に至る前までの範囲としたことを特徴とするトリポード型等速自在継手用外側継手部材。
  2. 前記大外径部のブーツ装着部に、周方向に伸びる溝部が設けられ、
    前記大外径部に設けられた前記溝部の幅よりも、前記小外径部に設けられた前記溝部の幅を小さくした請求項1に記載のトリポード型等速自在継手用外側継手部材。
  3. 前記小外径部に設けられた前記溝部の深さは、その周方向の端部側で徐々に浅くなるように形成されている請求項1又は2に記載のトリポード型等速自在継手用外側継手部材。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手用外側継手部材の外周面に装着され、ブーツバンドにより締め付け固定されるトリポード型等速自在継手用ブーツであって、
    前記大外径部に接触する薄肉部と、前記小外径部に接触する厚肉部とを有し、
    前記薄肉部と前記厚肉部との境界部にブーツ素材よりも軟質の軟質部材を設け、前記軟質部材よりも外径側にブーツ素材よりも硬質の硬質部材を設けたことを特徴とするトリポード型等速自在継手用ブーツ。
  5. 前記軟質部材は、前記薄肉部と前記厚肉部との境界部で内径側に露出している請求項4に記載のトリポード型等速自在継手用ブーツ。
  6. 前記硬質部材は、前記軟質部材が設けられた範囲よりも周方向に広い範囲に渡って設けられている請求項4又は5に記載のトリポード型等速自在継手用ブーツ。
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