JP2023044404A - 吸着素子、調湿装置および大気造水機 - Google Patents

吸着素子、調湿装置および大気造水機 Download PDF

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Taketo Okuzawa
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達也 和佐野
Tatsuya Wasano
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Abstract

【課題】 金属有機構造体が脱離して周囲に散乱することを抑制可能な吸着素子、調湿装置および大気造水機を提供する。【解決手段】繊維と、金属イオンと有機配位子を含む金属有機構造体と、を有する基材層と、基材層に積層された通気性層と、を備える吸着素子であって、通気性層は、積層方向視における単位面積当たりの金属有機構造体の含有量が、基材層よりも少ないかまたは金属有機構造体を有していない。【選択図】図1

Description

本開示は、吸着素子、調湿装置および大気造水機に関する。
従来より、特定の物質を選択的に吸着させるために、吸着剤としての金属有機構造体(MOF:Metal-Organic Frameworks)が用いられている。
例えば、特許文献1(特開平11-319461号公報)に記載のフィルター濾材では、ハニカム状またはシート状に成形された活性炭を用意し、その成形された活性炭の細孔表面に、窒素酸化物を選択的に吸着する有機金属錯体を添着させたものが提案されている。
上記特許文献1に記載のフィルター濾材では、金属有機構造体は、単に、活性炭等の担持体の表面に付着しているだけである。このため、金属有機構造体を備えた吸着素子を使用する場合に、活性炭等の担持体の表面に付着していた金属有機構造体が、担持体から脱離し、周囲に散乱してしまうおそれがある。
第1観点に係る吸着素子は、基材層と、通気性層と、を備える。基材層は、繊維と、金属有機構造体と、を有する。金属有機構造体は、金属イオンと有機配位子を含む。通気性層は、基材層に積層されている。通気性層は、積層方向視における単位面積当たりの金属有機構造体の含有量が、基材層よりも少ないかまたは金属有機構造体を有していない。
なお、基材層では、繊維が一体化した繊維構造体の表層において金属有機構造体が付着することで金属有機構造体を有していてもよいし、繊維が一体化した繊維構造体の内部において金属有機構造体が保持されることで金属有機構造体を有していてもよい。
なお、例えば、通気性層は、積層方向視における単位面積当たりの金属有機構造体の含有量が基材層の半分以下であってもよく、基材層の1/5以下であってもよく、金属有機構造体を有していなくてもよい。
この吸着素子では、基材層に積層される通気性層をさらに備える。このため、基材層からの金属有機構造体が脱落したとしても、当該脱落した金属有機構造体を通気性層が捕らえることが可能であるため、吸着素子からの金属有機構造体の脱落を抑制することができる。
なお、基材層に積層される通気性層は、通気性を備えているため、基材層の有機金属構造体が吸着する水分等の対象を通過させやすい。
第2観点に係る吸着素子は、第1観点の吸着素子において、繊維の平均繊維長は、100μm以上である。
なお、繊維の平均繊維長は、300μm以上であることがより好ましい。
この吸着素子では、金属有機構造体が繊維に絡みやすく、金属有機構造体の基材層からの脱落の抑制効果に優れる。
第3観点に係る吸着素子は、第1観点または第2観点の吸着素子において、基材層は、結合剤を含む。
この吸着素子では、金属有機構造体の基材層からの脱落の抑制効果に優れる。
第4観点に係る吸着素子は、第3観点の吸着素子において、結合剤は、金属有機構造体の開口径よりも大きい。
この吸着素子では、結合剤を用いた場合であっても金属有機構造体の吸着能力の低下を抑制できる。
第5観点に係る吸着素子は、第3観点または第4観点の吸着素子において、結合剤は、繊維との間で水素結合またはイオン結合を形成する。
この吸着素子では、繊維間の結合を強固にすることができる。
第6観点に係る吸着素子は、第1観点から第5観点のいずれかの吸着素子において、通気性層は、第1通気性層と第2通気性層を有している。基材層は、第1通気性層と第2通気性層との間に位置する。
この吸着素子では、基材層が、第1通気性層と第2通気性層に挟まれることで、吸着素子からの金属有機構造体の脱落を十分に抑制することができる。
第7観点に係る吸着素子は、第1観点から第6観点のいずれかの吸着素子において、基材層と通気性層の積層体がコルゲート状に形成されている。
この吸着素子では、単位体積当たりの基材層の収容量を多くすることができるため、吸着対象の吸着量を十分に確保することが可能になる。
第8観点に係る吸着素子は、第1観点から第7観点のいずれかの吸着素子において、基材層は、繊維が一体化した繊維構造体を金属有機構造体を含有する液体にディッピングして得られる。
この吸着素子では、金属有機構造体が担持された基材層を容易に得ることができる。
第9観点に係る吸着素子は、第1観点から第7観点のいずれかの吸着素子において、基材層は、繊維が一体化した繊維構造体に金属有機構造体を噴霧して得られる。
この吸着素子では、金属有機構造体が担持された基材層を容易に得ることができる。
第10観点に係る吸着素子は、第1観点から第7観点のいずれかの吸着素子において、基材層は、繊維と金属有機構造体を含む液体を抄いて得られる。
なお、基材層としては、例えば、繊維と金属有機構造体とが混合されて分散した液体を抄いて得られる混抄層等のように、繊維と金属有機構造体とが混在した状態で一体化した一体化層であってもよい。
また、基材層においては、金属有機構造体が、繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されていることが好ましい。この基材層としては、例えば、繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されている金属有機構造体の方が、繊維の間に挟まれることなく繊維表面に付着している金属有機構造体よりも多いことより好ましく、繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されている金属有機構造体の乾燥状態における総重量が、繊維の間に挟まれることなく繊維表面に付着している金属有機構造体の乾燥状態における総重量よりも重いことがより好ましい。
この吸着素子では、基材層において、金属有機構造体を繊維の間に介在させることが可能になるため、吸着素子からの金属有機構造体の脱落を抑制することができる。
第11観点に係る調湿装置は、第1観点から第10観点のいずれかの吸着素子と、再生手段と、を備える。再生手段は、吸着素子に吸着された水分を吸着素子から脱離させる。
この調湿装置では、再生手段が吸着素子を再生させるため、繰り返して利用することが可能である。
第12観点に係る調湿装置は、第11観点の調湿装置において、加湿手段を備えている。加湿手段は、吸着素子から脱離した水分を用いて対象空間を加湿する。
この調湿装置では、対象空間の除湿と対象空間の加湿を行うことが可能になる。
第13観点に係る大気造水機は、第1観点から第10観点のいずれかの吸着素子と、再生手段と、凝縮手段と、を備える。再生手段は、吸着素子に吸着された水分を吸着素子から脱離させる。凝縮手段は、吸着素子から脱離した水分を凝縮させて凝縮水を生じさせる。
この大気造水機では、得られる凝縮水に金属有機構造体が入り込むことを抑制できる。
吸着素子の断面概略構成図(その1)である。 吸着素子の断面概略構成図(その2)である。 吸着素子の断面概略構成図(その3)である。 ロータの外観斜視図である。 ロータの部分拡大図である。 空気調和装置の概略外観図である。 空気調和装置の概略構成図である。 加湿ユニットの分解斜視図である。 加湿ロータの上面視における領域の説明図である。 大気造水機の概略外観図である。
(1)吸着素子
吸着素子は、繊維構造体と金属有機構造体が混成された基材層と、基材層に積層された通気性層と、を備えている。
吸着素子は、基材層を1層だけ有していてもよいし、例えば、パルプ紙等の繊維構造体である担持層の両面に基材層を設けることで基材層を2層有していてもよい。
(1-1)基材層
基材層は、繊維と、金属イオンと有機配位子を含む金属有機構造体と、を有している。
(1-1-1)繊維
繊維構造体を構成する繊維は、パルプ繊維、樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられ、これらの一種または二種以上を併用してもよい。
繊維構造体を繊維は、吸着素子に吸着された水分を、吸着素子の加熱または吸着素子に加熱された空気を供給することにより脱離させる再生処理を行う場合には、耐熱性に優れる耐熱繊維であることが好ましい。耐熱繊維としては、150℃の雰囲気下において形状が変化しないものであることが好ましく、250℃の雰囲気下において形状が変化しないものであることがより好ましく、300℃の雰囲気下において形状が変化しないものであることがさらに好ましい。また、繊維がガラス転移温度を有するものである場合には、ガラス転移温度が150℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることがさらに好ましい。このような耐熱繊維としては、例えば、樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。樹脂繊維としては、例えば、芳香族ポリアミド系の樹脂繊維、ポリベンズアゾール系樹脂繊維、セルロース繊維等が挙げられる。芳香族ポリアミド系の樹脂繊維としては、アラミド繊維が好ましい。ポリベンズアゾール系樹脂繊維としては、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO:Poly-p-phenylenebenzobisoxazole繊維)が好ましい。
繊維の平均繊維径としては、例えば、0.1μm以上100μm以下であってよく、1μm以上10μm以下であることが好ましい。平均繊維径は、走査型電子顕微鏡写真の画像からランダムに50個の繊維を選択し、数平均繊維径として算出してもよい。
また、繊維の平均繊維長としては、例えば、100μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましい。繊維の平均繊維長は、特に限定されないが、例えば、600μm以下であってよい。繊維の平均繊維長としては、卓上走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JCM-7000 NeoScope)を用い、ランダムに100個の繊維長を測定し、その平均値として算出することができる。平均繊維長が100μm以上の繊維を用いることにより、金属有機構造体を繊維に絡みつかせやすい。また、繊維同士も互いに絡み合いやすいため、基材層からの繊維の脱落が抑制され、さらには複数の繊維に挟まれて保持されている有機金属構造体の基材層からの脱落も抑制される。
(1-1-2)金属有機構造体
金属有機構造体は、基材層において、繊維が一体化した繊維構造体の表層に付着していてもよいし、繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されていてもよい。
金属有機構造体が繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されている場合には、基材層からの脱落が抑制される。また、金属有機構造体が繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持され、繊維構造体の表面だけでなく繊維構造体の内部においても保持されている場合には、繊維構造体の内部で保持された金属有機構造体の吸着素子からの脱落を抑制することができる。さらに、金属有機構造体が繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持され、繊維構造体の表面だけでなく繊維構造体の内部においても保持されている場合には、基材層における担持量を増大させることが可能である。なお、基材層としては、繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されている金属有機構造体の方が、繊維の間に挟まれることなく繊維表面に付着している金属有機構造体よりも多いことが好ましく、繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されている金属有機構造体の乾燥状態における総重量が、繊維の間に挟まれることなく繊維表面に付着している金属有機構造体の乾燥状態における総重量よりも重いことが好ましい。
金属有機構造体を繊維の間に挟む手法は、特に限定されず、例えば、繊維と金属有機構造体とを共に水や有機溶剤等に分散させ、当該分散液を抄いてシート状物を得る等の手法が挙げられる。
金属有機構造体(MOF:Metal-Organic Framework)は、金属イオンと有機配位子との反応により得られる、非常に大きな比表面積を有する多孔性材料である。なお、金属有機構造体について、以下では、多孔性金属錯体(PCP:PorousCoordination Polymer)と称する場合がある。金属有機構造体では、有機配位子が金属イオンを連結することにより、内部に無数の開口を有する高分子構造体が得られる。金属有機構造体は、金属イオンと有機配位子をそれぞれ選択して組み合わせることにより、開口径やトポロジーを調節することが可能である。金属有機構造体は、金属イオンと有機配位子の選択、組み合わせにより、開口径を調節でき、対象を選択的に吸着することが可能となる。
金属有機構造体を形成するための金属イオンは、目標とする構造設計に応じて選択すればよく、例えば、Mg2+、Ca2+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Cr3+、Cr6+からなる群より選択される一種または二種以上が用いられる。
金属有機構造体を形成するための有機配位子は、目標とする構造設計に応じて選択すればよく、例えば、カルボン酸アニオン、アミン化合物、スルホン酸アニオン、リン酸アニオン、複素環化合物等を挙げることができる。なお、カルボン酸アニオンとしては、例えば、アニオンジカルボン酸、トリカルボン酸、またはテトラカルボン酸を挙げることができ、より具体的には、カルボン酸アニオンとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、トリメシン酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シュウ酸およびこれらの誘導体等が挙げられる。また、複素環化合物としては、例えば、ビピリジン、イミダゾール、アデニン、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾールおよびこれらの誘導体を挙げることができる。なお、有機配位子としては、一種または二種以上を用いることができる。
金属有機構造体のなかには水分吸着特性に優れるものがあり、これを吸湿材料として用いることが好ましい。
金属有機構造体は、ゼオライト13x等のゼオライトと比較して、単位体積当たりの水吸着量に優れており、なかでも、水吸着量が特に優れる点でMOF-801、MOF-303が好ましい。
また、金属有機構造体は、ゼオライト13x等のゼオライト等と比較して、水吸着速度に優れ、なかでも、MIL-100(Fe)、MOF-801は特に水吸着速度に優れる点で好ましい。
なお、金属有機構造体は、ゼオライト13x等のゼオライトと比較して、水分の吸着と脱着を繰り返して利用される場合において、吸着量の低下が抑制される点で耐久性に優れる。
金属有機構造体は、ゼオライト13x等のゼオライトと比較して、比熱が同等または小さく、吸着した水分を脱離させるために加熱再生して用いる場合に必要となるエネルギを小さく抑えることができる点で優れており、なかでも、比熱が特に小さい点でMIL-101(Cr)、MOF-801、MOF-74(Mg)が好ましい。
また、金属有機構造体は、ゼオライト13x等のゼオライトと比較して、水の吸着エネルギが同等または小さく、吸着した水分を脱離させるために必要となるエネルギを小さく抑えることができる点で優れており、なかでも、水の吸着エネルギが特に小さい点でMOF-801、MIL-100(Fe)が好ましい。
なお、吸着した水分を脱離させるために加熱再生して用いる場合には、耐熱性に優れる点で、MOF-303が好ましい。なお、金属有機構造体を加熱再生して用いる場合の金属有機構造体の雰囲気温度は、再生効率に優れる点で、70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。また、金属有機構造体を加熱再生して用いる場合の金属有機構造体の雰囲気温度は、金属有機構造体の劣化を小さく抑える点で、300℃以下がよく、250℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
上記のMOF-801は、[Zr(O)(OH)(fumarate)と表すことができる。また、MOF-303は、[AI(OH)(3,5-pyrazoledicarboxylate)(HO)]と表すことができる。MIL-100(Fe)は、FeO(HO)OH(C(COO)と表すことができる。MIL-101(Cr)は、CrO(OH)(HO)(C(COO)と表すことができる。
金属有機構造体の形態は、特に限定されないが、例えば、粉体状、ペレット状、フィルム状のものを用いることができる。金属有機構造体の平均粒子径は、例えば、0.01μm以上100μm以下であってよく、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。平均粒子径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積粒径の小径側から累積50%に相当する粒子径であるD50として測定される。
なお、基材層の厚み方向視における単位面積当たりの金属有機構造体の含有量は、吸着対象の吸着量を十分に確保する観点から、乾燥状態の基材層の70重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であることがより好ましい。
(1-1-3)基材層の任意成分
基材層においては、繊維同士の結合力を高めるため、または、繊維と金属有機構造体との結合力を高めるために、結合剤が用いられていてもよい。このような結合剤は、例えば、繊維と金属有機構造体を共に水や有機溶剤等に分散させた分散液に溶解させ、これを抄いてシート状物を得るようにして用いることができる。また、結合剤は、例えば、繊維と金属有機構造体を共に水や有機溶剤等に分散させた分散液に溶解させて得られる液体を、パルプ紙等の繊維構造体である担持層に対してスプレー塗布等により噴霧塗布するようにして用いることができる。また、結合剤は、例えば、繊維と金属有機構造体を共に水や有機溶剤等に分散させた分散液に溶解させて得られる液体に対して、パルプ紙等の繊維構造体である担持層を含浸させる等によりディッピング塗布するようにして用いることができる。
結合剤としては、有機バインダと無機バインダを用いることができるが、無機バインダを用いる場合には硬化時の加熱により金属有機構造体が劣化してしまうおそれがあることから、有機バインダを用いることが好ましい。有機バインダとしては、例えば、ポリアクリルアミド、アンモニウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバー、ポリエチレンイミン、ポリアミドエピクロロヒドリン、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアミン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。なお、金属有機構造体は、繊維の間に挟まれて繊維構造体に保持されるため、有機バインダを用いたとしても、その使用量を少なく抑えることが可能になる。これにより、金属有機構造体の無数の開口が有機バインダで覆われてしまうことも抑制される。
また、結合剤としては、金属有機構造体の吸着能力の低下を抑制させる観点から、金属有機構造体の開口径よりも大きいものを用いることが好ましい。具体的には、結合剤の平均最短寸法が、金属有機構造体の平均開口径よりも大きいことが好ましい。結合剤の平均最短寸法は、例えば、結合剤の構造式から把握される結合長とファンデルワールス半径を利用して算出することができる。また、金属有機構造体の平均開口径は、単結晶構造解析を行うか、または、X線回折装置により把握される回折パターンをリートベルト解析することにより把握することができる。
なお、繊維同士の結合力を高めるために用いられる結合剤としては、例えば、繊維の凝集に作用する観点から、繊維との間で水素結合を形成するもの、アニオン性高分子、カチオン性高分子、両性高分子等のイオン性高分子等が好ましい。繊維との間で水素結合を形成するものとしては、例えば、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、変性デンプン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースナノファイバー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアミド等が挙げられる。アニオン性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、アニオン性ポリビニルアルコール等が挙げられる。カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリビニルアルコール、カチオン化デンプン、ポリジアリルジメチルアンモニウム黒ライド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、キトサン等が挙げられる。なお、特に、繊維としてセルロース繊維を用いた場合に、水素結合を形成するものやイオン性高分子を結合剤として用いることが好ましい。
(1-2)通気性層
通気性層は、基材層に対して積層されている。これにより、基材層に担持されている金属有機構造体の脱落が抑制される。通気性層は、吸着対象を含む空気が通気性層を通過して基材層に到達できるように、基材層の一面を完全に覆うことがないように構成されている。
通気性層は、基材層の厚み方向において片面側のみに設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。具体的には、図1、図2の吸着素子30の断面図に示すように、基材層31の片面側のみに通気性層32を設けてもよいし、図3の吸着素子30の断面図に示すように、基材層31の一方の面に第1通気性層32を設け、他方の面に第2通気性層33を設けてもよい。の両方の面に通気性層32を設けてもよい。通気性層を基材層の両面に設ける場合には、各通気性層の材質や厚みは同一であっても異なっていてもよい。
通気性層は、金属有機構造体を有しないか、または、金属有機構造体を有していたとしても積層方向視における単位面積当たりの金属有機構造体の含有量が基材層よりも少なく、基材層の1/5以下であることが好ましい。これにより、吸着素子からの金属有機構造体の脱落がより抑制される。
通気性層の厚みは、基材層の厚みよりも薄いことが好ましい。なお、通気性層を基材層の両面に設ける場合には、各通気性層の厚みが、基材層の厚みよりも薄いことが好ましい。これにより、吸着対象を含む空気等の流体が基材層の金属有機構造体に到達しやすくなるため、金属有機構造体の吸着量を増大させることができる。
このような通気性層は、特に限定されず、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、セルロースナノファイバー、アクリル系ポリマー等を含んで構成されていてもよいし、パルプ繊維やセルロース繊維等の基材層の繊維と同様の繊維からなる繊維構造体により構成されていてもよい。
通気性層は、基材層に対してスプレー塗布する等により噴霧塗布すること、通気性層を構成する成分の溶液に基材層を含浸させる等によりディッピング塗布すること等により設けることができる。なお、基材層に対して高分子を噴霧塗布またはディッピング塗布することで通気性層を設ける場合には、金属有機構造体の吸着能力の低下を抑制させる観点から、当該高分子の平均最短寸法が金属有機構造体の平均開口径よりも大きいものを用いることが好ましい。
(1-3)形態
基材層を有する吸着素子の形態は、特に限定されず、例えば、シート状であってもよいし、図4に示すようにシート状の吸着素子が巻き上げられたロール状のロータ52であってもよい。
また、吸着素子は、吸着対象との接触面積を増大させる観点から、図5に示す吸着素子30のように、コルゲート状に構成されていることが好ましい。また、コルゲート状に構成された吸着素子を巻き上げてロール状のロータ52とすることが好ましい。
以下に、具体例を挙げつつ吸着素子の実施例を説明する。
(比較例1)
MIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を蒸留水に超音波分散し、MIL-100(Fe) 25重量%分散液を調製した。ここにパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を30分間攪拌浸漬し、取り出した後150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、PCP添加量が20重量%となるように調製した。
(比較例2)
MIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を蒸留水に超音波分散し、ここにポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)を添加し、MIL-100(Fe) 30重量%・ポリアクリルアミド1.5重量%分散液を調製した。ここにパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を30分間攪拌浸漬し、取り出した後150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、PCP添加量が20重量%となるように調製した。
(比較例3)
MIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を蒸留水に超音波分散し、ここにポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)を添加し、MIL-100(Fe) 30重量%・ポリアクリルアミド1重量%分散液を調製した。ここにパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を30分間攪拌浸漬し、取り出した後150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、PCP添加量が30重量%となるように調製した。
(比較例4)
MIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を蒸留水に超音波分散し、ここにポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)を添加し、MIL-100(Fe) 30重量%・ポリアクリルアミド0.6重量%分散液を調製した。ここにパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を30分間攪拌浸漬し、取り出した後150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、PCP添加量が50重量%となるように調製した。
(比較例5)
MIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を蒸留水に超音波分散し、ここにセルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を添加し、MIL-100(Fe) 30重量%・セルロースナノファイバー0.6重量%分散液を調製した。ここにパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を30分間攪拌浸漬し、取り出した後150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、PCP添加量が50重量%となるように調製した。
(比較例6)
MOF-801(Atomis合成品、AP0005)を蒸留水に超音波分散し、ここにセルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を添加し、MOF-801を30重量%・セルロースナノファイバー0.6重量%分散液を調製した。ここにパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を30分間攪拌浸漬し、取り出した後150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、PCP添加量が50重量%となるように調製した。
(比較例7)
MOF-303(Atomis合成品、AP0044)を蒸留水に超音波分散し、ここにセルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を添加し、MOF-303を30重量%・セルロースナノファイバー0.6重量%分散液を調製した。ここにパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を30分間攪拌浸漬し、取り出した後150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、PCP添加量が50重量%となるように調製した。
(粉担持性評価)
各吸着素子をステンレス容器に入れ、10回上下左右にタッピングすることにより落ちたPCPの粉落ち量を重量測定により評価した。担持性としては、粉落ち量/担持量(重量%)として、以下のように段階を分けて評価した。
評価1:100~50 (重量%)
評価2:50~20 (重量%)
評価3:20~5 (重量%)
評価4:5~2 (重量%)
評価5:2~0 (重量%)
比較例1~7の吸着素子の詳細およびその粉担持性評価を表1に示す。
Figure 2023044404000002
(実施例1)
酢酸セルロース(和光純薬工業社製)をアセトンで攪拌溶解し、酢酸セルロース5重量%溶液を調製した。この溶液液をスプレーボトルに入れ、比較例1で調製したPCP含浸パルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例2)
比較例2で調製したPCP含浸パルプ紙を用いた以外は実施例1と同じ手法でスプレー塗布し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例3)
エチルセルロース(日新化成社製、エトセルSTD100)をメタノールで攪拌溶解し、エチルセルロース5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例2で調製したPCP含浸パルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例4)
セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を蒸留水で攪拌希釈し、セルロースナノファイバー0.5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例2で調製したPCP含浸パルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が2重量%となるように調製した。
(実施例5)
酢酸セルロース(和光純薬工業社製)をアセトンで攪拌溶解し、酢酸セルロース5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例4で調製したPCP含浸パルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例6)
アクリル系ポリマー(共栄社化学社製、オリコックスKC7000)をアセトンで攪拌溶解し、アクリル系ポリマー5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例5で調製したPCP含浸パルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例7)
アクリル系ポリマー(共栄社化学社製、オリコックスKC7000)をアセトンで攪拌溶解し、アクリル系ポリマー5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例6で調製したPCP含浸パルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例8)
アクリル系ポリマー(共栄社化学社製、オリコックスKC7000)をアセトンで攪拌溶解し、アクリル系ポリマー5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例7で調製したPCP含浸パルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
実施例1~8の吸着素子の詳細およびその粉担持性評価を表2に示す。
Figure 2023044404000003
以上の表1、表2に示すように、比較例に対してコーティングを施した実施例では、金属有機構造体の担持性が良好になることが確認された。
(比較例8)
MIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を蒸留水中に超音波分散し、MIL-100(Fe) 20重量%分散液を調製した。この分散液をパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が20重量%となるように調製した。
(比較例9)
ポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)を蒸留水中に攪拌溶解し、ここにMIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を加えて超音波分散し、MIL-100(Fe) 20重量%・ポリアクリルアミド1重量%分散液を調製した。この分散液をパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が20重量%となるように調製した。
(比較例10)
ポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)を蒸留水中に攪拌溶解し、ここにMIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を加えて超音波分散し、MIL-100(Fe) 20重量%・ポリアクリルアミド0.7重量%分散液を調製した。この分散液をパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が30重量%となるように調製した。
(比較例11)
ポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)を蒸留水中に攪拌溶解し、ここにMIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を加えて超音波分散し、MIL-100(Fe) 20重量%・ポリアクリルアミド0.4重量%分散液を調製した。この分散液をパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が50重量%となるように調製した。
(比較例12)
エチルセルロース(日新化成社製、エトセルSTD100)をメタノール中に攪拌溶解し、ここにMIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を加えて超音波分散し、MIL-100(Fe) 20重量%・エチルセルロース2重量%分散液を調製した。この分散液をパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が50重量%となるように調製した。
(比較例13)
エチルセルロース(日新化成社製、エトセルSTD100)をメタノール中に攪拌溶解し、ここにPCPとしてMOF-801(Atomis合成品、AP0005)を加えて超音波分散し、MOF-801を20重量%・エチルセルロース2重量%分散液を調製した。この分散液をパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が50重量%となるように調製した。
(比較例14)
エチルセルロース(日新化成社製、エトセルSTD100)をメタノール中に攪拌溶解し、ここにPCPとしてMOF-303(Atomis合成品、AP0044)を加えて超音波分散し、MOF-303を20重量%・エチルセルロース2重量%分散液を調製した。この分散液をパルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が50重量%となるように調製した。
比較例8~14の吸着素子の詳細およびその粉担持性評価を表3に示す。
Figure 2023044404000004
(実施例9)
セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を蒸留水で攪拌希釈し、セルロースナノファイバー0.5重量%溶液を調製した。この溶液をスプレーボトルに入れ、比較例11で調製したPCPコーティングパルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が2重量%となるように調製した。
(実施例10)
酢酸セルロース(和光純薬工業社製)をアセトンで攪拌溶解し、酢酸セルロース5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例12で調製したPCPコーティングパルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例11)
アクリル系ポリマー(共栄社化学社製、オリコックスKC7000)をアセトンで攪拌溶解し、アクリル系ポリマー5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例13で調製したPCPコーティングパルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例12)
エチルセルロース(日新化成社製、エトセルSTD100)をメタノールで攪拌溶解し、エチルセルロース5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、比較例14で調製したPCPコーティングパルプ紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
実施例9~12の吸着素子の詳細およびその粉担持性評価を表4に示す。
Figure 2023044404000005
以上の表3、表4に示すように、比較例に対してコーティングを施した実施例では、金属有機構造体の担持性が良好になることが確認された。
(実施例13)
パルプ繊維(アーテック社製)24重量%と、ポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)1重量%、MIL-100(Fe)(Atomis社製、AP0004)75重量%とを水に分散させ、この水分散液を手漉き手法にて抄紙し、上部より圧力をかけた状態で90℃にて加熱乾燥させ、更に150℃で加熱真空乾燥させることで厚さ165g/m2のPCP含有混抄紙を用意した。
次に、セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を蒸留水で攪拌希釈し、セルロースナノファイバー0.5重量%溶液を調製した。この溶液をスプレーボトルに入れ、上記用意したPCP含有混抄紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が2重量%となるように調製した。
(実施例14)
パルプ繊維(アーテック社製)24重量%と、ポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)1重量%、MOF-801(Atomis社製、AP0005) 75重量%とを水に分散させ、この水分散液を手漉き手法にて抄紙し、上部より圧力をかけた状態で90℃にて加熱乾燥させ、更に150℃で加熱真空乾燥させることで厚さ170g/m2のPCP含有混抄紙を得た。
次に、酢酸セルロース(和光純薬工業社製)をアセトンで攪拌溶解し、酢酸セルロース5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、上記用意したPCP含有混抄紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
(実施例15)
パルプ繊維(アーテック社製)24重量%と、ポリアクリルアミド(ACROS ORGANICS社製、MW100,000)1重量%、MOF-303(Atomis社製、AP0044) 75重量%とを水に分散させ、この水分散液を手漉き手法にて抄紙し、上部より圧力をかけた状態で90℃にて加熱乾燥させ、更に150℃で加熱真空乾燥させることで厚さ165g/m2のPCP含有混抄紙を得た。
エチルセルロース(日新化成社製、エトセルSTD100)をメタノールで攪拌溶解し、エチルセルロース5重量%溶液を調製した。この分散液をスプレーボトルに入れ、上記用意したPCP含有混抄紙の表面にスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製した。
実施例13~15の吸着素子の詳細およびその粉担持性評価を表5に示す。
Figure 2023044404000006
表5に示すように、PCP含有混抄紙の表面にコーティングを施すことにより、粉担持性が非常に良好になることが確認された。
(実施例16)
パルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を20mm幅に切断し、2mmピッチで蛇腹折りにし、エポキシ樹脂で接着させることにより4cm角ハニカムを作成した。
セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を蒸留水中に攪拌希釈し、ここにMIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を加えて超音波分散し、MIL-100(Fe) 20重量%・セルロースナノファイバー0.2重量%分散液を調製した。この分散液を4cm角ハニカムにスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が40重量%となるように調製した。その後、別途調製した10重量%アクリル系ポリマー(共栄社化学社製、オリコックスKC7000)のアセトン溶液をスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製し、PCPコーティングハニカムを作成した。
(実施例17)
実施例16と同様にして、パルプ紙(アドバンテック社製、角形定性濾紙5B)を20mm幅に切断し、2mmピッチで蛇腹折りにし、エポキシ樹脂で接着させることにより4cm角ハニカムを作成した。
セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、レオクリスタI-2AX)を蒸留水中に攪拌希釈し、ここにMIL-100(Fe)(Atomis合成品、AP0004)を加えて超音波分散し、MIL-100(Fe) 20重量%・セルロースナノファイバー0.2重量%分散液を調製した。この分散液を4cm角ハニカムにスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返しPCP添加量が40重量%となるように調製した。その後、別途調製した10重量%酢酸セルロース(和光純薬工業社製)のアセトン溶液をスプレー塗布し、150℃で真空乾燥した。この操作を繰り返し、コーティング量が5重量%となるように調製し、PCPコーティングハニカムを作成した。
以上の実施例16、17について、吸水率評価を行った。
(吸水率評価)
作製したPCPコーティングハニカムを30℃65%RHに設定した恒温恒湿器(エスペック社製、LHL-114)に入れ、各サンプリングポイントで重量測定し、時間経過毎(0分、10分、20分、30分、40分、50分、60分、100分、180分、360分)の吸水率(重量%)を測定した。ここで、吸水率(重量%)は、PCPコーティングハニカムの当初全重量に対する吸着水分重量の重量割合を示している。
実施例16、17の吸水率評価を表6に示す。
Figure 2023044404000007
(2)調湿装置
以下に吸着素子が用いられた吸湿装置の一実施形態として空気調和装置1を例に挙げて説明する。
(2-1)空気調和装置
図6に、空気調和装置1の概略外観図を示す。図7に、空気調和装置1の概略構成図を示す。
空気調和装置1は、1台の室外機11と、1台の室内機12とが、液冷媒配管17とガス冷媒配管18と給排気ダクト15を介して接続された、ペア型の空気調和装置である。この空気調和装置1は、室外機11と室内機12が、ガス冷媒配管18および液冷媒配管17を介して接続されることで構成された冷媒回路10を有している。また、給排気ダクト15が、室外機11における加湿ユニット50と室内機12との間を接続している。
空気調和装置1は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、給気運転および排気運転等の運転を行うことが可能である。なお、空気調和装置としては、これに限定されるものではなく、例えば、1台の室外機に対して、複数台の室内機が互いに並列に接続されたマルチ型の空気調和装置であってもよい。
(2-2)室内機の構成
室内機12は、例えば、室内の壁面等に設置される壁掛け型の室内機である。また、室内機12は、室内機ケーシング16、室内熱交換器13、および、室内ファン14等を備えている。室内熱交換器13および室内ファン14は、室内機ケーシング16内に収納されている。
室内機ケーシング16は、左右方向に延びた略直方体形状であり、上部に設けられた空気取込口16aと、正面下部に設けられた空気吹出口16bと、を有している。
室内熱交換器13は、互いに接続された複数本の伝熱管と、複数本の伝熱管に対して挿入固定された複数のフィンと、を有している。室内熱交換器13は、内部を流れる冷媒と、外部を通過する空気との間で熱交換を行わせる空気熱交換器である。
室内ファン14は、例えば、回転駆動することによって、回転軸と交わる方向に空気流を生成するクロスフローファンである。室内ファン14は、室内の空気を室内機ケーシング16内に吸い込ませるとともに、室内熱交換器13との間で熱交換を行った後の空気を室内に吹き出させる。
室内機ケーシング16の内部空間のうち、室内ファン14が形成する空気流れにおいて、空気取込口16aの下流側でかつ室内熱交換器13の上流側の部分には、給排気ダクト15の室内側の端部が連通している。
(2-3)室外機の構成
室外機11は、下部の室外空調ユニット20と、上部の加湿ユニット50と、から構成されている。
(2-4)室外空調ユニットの構成
室外空調ユニット20内には、圧縮機21と、圧縮機21の吐出側に接続される四路切換弁22と、圧縮機21の吸入側に接続されるアキュムレータ23と、四路切換弁22に接続された室外熱交換器24と、室外熱交換器24に接続された室外膨張弁25と、室外熱交換器24に空気流れを供給する室外ファン29と、が収容されている。室外膨張弁25は、液閉鎖弁27を介して液冷媒配管17に接続されている。四路切換弁22は、ガス閉鎖弁28を介してガス冷媒配管18に接続されている。室外空調ユニット20は、液冷媒配管17とガス冷媒配管18を介して、室内機12と接続されている。具体的には、液冷媒配管17は、室内機12における室内熱交換器13の一端と接続されている。ガス冷媒配管18は、室内機12における室内熱交換器13の他端と接続されている。
(2-5)加湿ユニットの構成
図8に、加湿ユニット50の分解斜視図を示す。図9に、上面視における加湿ロータ52の領域の説明図を示す。
加湿ユニット50は、加湿ユニットケーシング51と、加湿ロータ52と、ヒータ60と、吸着用ファン55と、流路切換装置53と、給排気ファン54と、を備えている。加湿ユニット50は、給排気ダクト15を介して室内から取り込まれた空気を室外へと排気することが可能であり、室外から取り込まれた室外空気を加湿して給排気ダクト15を介して室内へと供給することが可能である。
(2-5-1)加湿ユニットケーシング
加湿ユニットケーシング51は、加湿ロータ52、ヒータ60、給排気ファン54、流路切換装置53および吸着用ファン55等を収納している。
加湿ユニットケーシング51の前面には、複数のスリット状の開口からなる吸湿用吹出口51aと、第1吸湿用取込口51bと、が並んで設けられている。第1吸湿用取込口51bは、水分を含んだ室外の空気を加湿ロータ52に供給するために、加湿ユニットケーシング51の外部の室外から取り込まれる空気が通る開口である。吸湿用吹出口51aは、吸湿用流路58aを流れて加湿ロータ52の一部である吸着領域Xによって水分が吸着された後の空気を、加湿ユニットケーシング51外に排出するための開口である。
加湿ユニットケーシング51の背面には、複数のスリット状の開口からなる第2吸湿用取込口51cおよび給排気口51dが設けられている。第2吸湿用取込口51cは、第1吸湿用取込口51bと同様に、水分を含んだ室外の空気を加湿ロータ52の吸着領域Xに供給するために、加湿ユニットケーシング51の外部の室外から取り込まれる空気が通る開口である。給排気口51dは、加湿運転時または給気運転時に、室外の空気を加湿用流路58bに取り込むための開口である。加湿用流路58bに流入した室外の空気は、加湿ロータ52の一部である冷却領域Zを通過した後、ヒータ60で加熱される。ヒータ60で加熱された空気は、加湿ロータ52の別の一部である加熱領域Yを通過して、給排気ファン54へ向かって流れる。また、排気運転時には、室内機12から取り込まれて給排気ダクト15を流れた空気が、加湿ユニット50内の加湿用流路58bに流入し、給排気口51dを介して室外へと排気される。
(2-5-2)加湿ロータ
加湿ロータ52は、吸着シートが巻き上げられることにより、略円柱形状の外形を有している。吸着シートは、平坦なシートとコルゲート状のシートとが重ねられて構成されている。平坦なシートとコルゲート状のシートとの間の隙間は、略円柱形状の加湿ロータ52の軸方向に延びている。この吸着シートの平坦なシートとコルゲート状のシートとは、いずれも、吸着素子30により構成されている。吸着素子30は、上述のように、例えば、金属有機構造体と繊維とが一体化して構成された基材層31と、基材層31を厚み方向から挟むように設けられた第1通気性層32と第2通気性層33と、を有している。この略円柱形状の加湿ロータ52は、上下方向に延びる軸を中心として回転可能に支持されており、ロータ駆動用のモータによって回転駆動される。加湿ロータ52には、接触する空気中の水分を吸着可能であるとともに、加熱されることで吸着した水分を脱離可能である。
(2-5-3)吸着用ファン55
吸着用ファン55は、吸着用ファンモータによって回転駆動され、加湿ロータ52のうちのヒータ60と対向しない吸着領域Xを通過する空気の流れを生成する。具体的には、吸着用ファン55は、第1吸湿用取込口51bおよび第2吸湿用取込口51cから吸い込まれ、吸湿用流路58aを流れて、吸湿用吹出口51aから室外へ排出される空気の流れを生成する。
(2-5-4)ヒータ
ヒータ60は、加湿ロータ52のうち加湿用流路58b内に位置する一部の上方に位置しており、加湿ロータ52の上面に対向して配置されている。ヒータ60は、加湿ロータ52から水分を脱離させるために加湿ロータ52へ送られる空気を加熱する。加湿ロータ52は、ヒータ60によって加熱された空気が送られることで加熱されることになる。
ヒータ60は、発熱体としての複数の電熱線を有している。ヒータ60を通過する空気は、この電熱線によって加熱される。
(2-5-5)給排気ファン
給排気ファン54は、加湿ロータ52の側方に配置されており、流路切換装置53による流路の切り換えにより、室外から取り込まれ室内機12へと送られる空気の流れを生成する状態と、室内から室内機12内に取り込まれ室外へと送られる空気の流れを生成する状態と、に切り換えて用いられる。給排気ファン54は、例えば、ターボファン等の遠心ファンで構成することができる。
給排気ファン54は、室外から取り入れた空気を室内機12へと送る場合には、給排気口51dから室外の空気を加湿用流路58bに流入させ、加湿ロータ52を通過させた後、矢印A1で示すように、流路切換装置53および給排気ダクト15を介して室内機12へと流れる空気流を生成する。給排気ファン54は、室内の空気を室内機12から室外へと排出する場合には、矢印A2で示すように、室内機12から給排気ダクト15、加湿用流路58bを介して給排気口51dから室外へと流れる空気流を生成する。
(2-5-6)流路切換装置
流路切換装置53は、給排気ファン54と給排気ダクト15との間に配置されている。流路切換装置53は、給排気ファン54と給排気ダクト15との接続状態を、加湿用流路58bと給排気ダクト15とを接続した状態の供給状態と、加湿用流路58bと給排気ダクト15との接続を解除した供給停止状態と、に切り換えることが可能である。また、流路切換装置53は、供給状態において、給排気ダクト15を通過させる空気流れ方向を切り換えることも可能である。
供給状態では、加湿用流路58bから給排気ダクト15への空気の流れ、または、給排気ダクト15から加湿用流路58bへの空気の流れが許容される。このため、供給状態では、加湿用流路58bを流れ給排気ファン54から吹き出された空気を給排気ダクト15においてA1方向に流す状態と、室内機12から給排気ダクト15をA2方向に通過して給排気ファン54に吸い込まれた空気が加湿用流路58bに送られる状態と、が切り換え可能となる。なお、加湿ロータ52の回転駆動を停止させ、ヒータ60を停止させた状態で、A1方向に空気を流すことで、室外の空気を室内に取り込む給気運転を行うことができる。また、加湿ロータ52の回転駆動を停止させ、ヒータ60を停止させた状態で、A2方向に空気を流すことで、室内の空気を室外に排出する排気運転を行うことができる。
供給停止状態では、加湿用流路58bから給排気ダクト15への空気の流れ、または、給排気ダクト15から加湿用流路58bへの空気の流れが遮断される。このため、供給停止状態では、室外の空気が室内機12内に供給されたり、室内機12内の空気が室外に排気されたりすることはない。
(2-6)加湿運転時の空気の流れ
加湿運転時には、加湿ユニット50内において、吸着用ファン55が駆動し、吸湿用流路58aを矢印A11-12方向に空気が流れ、かつ、給排気ファン54が駆動し、加湿用流路58bを矢印A21-23方向に空気が流れる。なお、加湿運転時には、加湿ロータ52は、矢印R方向に回転する。具体的には、加湿ロータ52では、矢印R方向に回転することにより、吸着領域Xに位置していた部分が加熱領域Yに移動し、加熱領域Yに位置していた部分が冷却領域Zに移動し、冷却領域Zに位置していた部分が再び吸着領域Xに移動し、これが繰り返えされる。
第1吸湿用取込口51bおよび第2吸湿用取込口51cから取り込まれて矢印A11方向に流れる空気は、加湿ロータ52の吸着領域Xを下から上に向けて通過した後、ベルマウス57の上方近傍へと向かう。このように第1吸湿用取込口51bおよび第2吸湿用取込口51cから取り込まれた空気に含まれる水分は、加湿ロータ52の吸着領域Xを通過する際に、加湿ロータ52において吸着される。
ベルマウス57の上方近傍からベルマウス57を下方に通過した空気は、吸着用ファン55内に入り、吸着用ファン55から吹き出されることで、矢印A12方向に流れ、吸湿用吹出口51aから室外に排出される。
給排気口51dから取り込まれて矢印A21方向に流れる空気は、加湿ロータ52の冷却領域Zを下から上に向けて通過してヒータ60に向かう。加湿ロータ52の冷却領域Zでは、室外の空気が供給されることにより、加湿ロータ52が冷却される。なお、加湿ロータ52の冷却領域Zを通過する空気は、含まれている水分の一部が冷却領域Zにおいて吸着されうる。
ヒータ60で加熱された空気は、矢印A22-23方向に流れる空気として、加湿ロータ52の加熱領域Yを上から下に向けて通過し、流路切換装置53に向かう。なお、ヒータ60で加熱された空気は、加湿ロータ52の加熱領域Yを通過する際に、加湿ロータ52に吸着されていた水分を脱離させ、加湿空気となる。そして、流路切換装置53に到った加湿空気は、給排気ファン54を経由して再び流路切換装置53に戻され、給排気ダクト15を経て室内機12へと送られる。これにより、室内が加湿される。
(2-7)冷房運転、除湿運転、暖房運転
本実施形態の空気調和装置1では、冷媒回路10において室内熱交換器13を冷媒の蒸発器として機能させ、室外熱交換器24を冷媒の凝縮器として機能させるように四路切換弁22が切り換えられた状態で、圧縮機21を駆動させることで、室内の空気を冷却させる冷房運転を行うことができる。冷房運転では、室内ファン14、室外ファン29が駆動制御される。
また、冷房運転時と同じ冷媒流れにおいて、室内ファン14の駆動を弱めるまたは停止させることにより、室内熱交換器13の表面に凝縮水を生じさせることで、室内の湿度を下げる除湿運転を行うことができる。これにより、本実施形態の空気調和装置1では、加湿運転と除湿運転が可能となり、室内の湿度の調整が可能となる。
また、冷媒回路10において室内熱交換器13を冷媒の凝縮器として機能させ、室外熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させるように四路切換弁22が切り換えられた状態で、圧縮機21を駆動させることで、室内の空気を暖める暖房運転を行うことができる。暖房運転では、室内ファン14、室外ファン29が駆動制御される。
なお、冷房運転、暖房運転は、上述の加湿運転、給気運転および排気運転のそれぞれと同時に行うことも可能である。また、除湿運転は、上述の給気運転および排気運転のそれぞれと同時に行うことも可能である。
(2-8)空気調和装置1の特徴
本実施形態の空気調和装置1によれば、室内の湿度を上げることと、室内の湿度を下げることが可能になる。これにより、室内の湿度を調節することができる。特に、ヒータ60の加熱程度や給排気ファン54の送風量を調節することにより、加湿の程度を調整することができる。ここで、ヒータ60の加熱程度を高めた場合であっても、加湿ロータ52が耐熱性材料で構成されることにより、ロータの劣化や吸放湿能力の低下が抑制される。
また、空気調和装置1によれば、室内の湿度の調節だけでなく、室内の温度の調節を行うことができる。
この空気調和装置1では、加湿ロータ52の基材層31が有する有機金属構造体は、基材層31から脱落しにくいため、有機金属構造体の脱落による加湿機能の低下を抑制することが可能になる。また、加湿ロータ52から脱落した有機金属構造体が気流によって室内に送られることも抑制される。さらに、加湿ロータ52から脱落した有機金属構造体がヒータ60により加熱されることで生じうる臭気が、室内に送られることも抑制される。
(3)大気造水機
以下に吸着素子が用いられた大気造水機の一実施形態として大気造水機100を例に挙げて説明する。
(3-1)大気造水機100の概略構成
図10に、大気造水機100の概略外観図を示す。
大気造水機100は、吸湿流路61と、吸湿ファン62と、ロータ91と、循環回路71と、循環ファン72と、ヒータ92と、水タンク93と、これらを収容するケーシング101と、制御装置99と、を有している。
吸湿流路61は、ロータ91に吸湿させるために外気(OA)を取り込み、吸湿された後の空気を排気(EA)として排出するための空気流路である。吸湿流路61は、凝縮器81の冷却流路81aを有している。冷却流路81aを流れる空気は、循環回路71が有する凝縮器81の造水流路81bを流れる空気との間で、互いに混ざり合うことなく熱交換する。
吸湿ファン62は、吸湿流路61に空気流れを生じさせるためのファンであり、ロータ91の吸湿領域Sに対して空気流れの下流側に設けられている。
ロータ91は、吸湿流路61を流れる空気に含まれる水分を吸着し、循環回路71を流れる空気に吸着していた水分を放出する。ロータ91は、吸着シートが巻き上げられることにより、略円柱形状の外形を有している。吸着シートは、平坦なシートとコルゲート状のシートとが重ねられて構成されている。平坦なシートとコルゲート状のシートとの間の隙間は、略円柱形状のロータ91の軸方向に延びている。この吸着シートの平坦なシートとコルゲート状のシートは、いずれも、吸着素子30により構成されている。吸着素子30は、上述のように、例えば、金属有機構造体と繊維とが一体化して構成された基材層31と、基材層31を厚み方向から挟むように設けられた第1通気性層32と第2通気性層33と、を有している。この略円柱形状のロータ91は、気流の通過方向に延びる軸を中心として回転可能に支持されており、ロータ駆動用のモータによって回転駆動される。ロータ91には、接触する空気中の水分を吸着可能であるとともに、加熱されることで吸着した水分を脱離可能である。ロータ91は、回転駆動することにより、吸湿領域Sが放湿領域Tに周回移動し、放湿領域Tが吸湿領域Sに周回移動する。吸湿領域Sは、吸湿流路61を流れる空気が通過する。放湿領域Tは、循環回路71を流れる空気が通過する。
循環回路71は、ロータ91の放湿領域Tから水分を放出させ、水分を含んだ空気を凝縮器81に供給して、水分を造るための回路である。循環回路71を循環する空気の流れは、循環ファン72が駆動することで生じる。循環回路71は、凝縮器81の造水流路81bと、を有している。ヒータ92は、循環回路71のうちロータ91の放湿領域Tの上流側に設けられており、ロータ91の放湿領域Tに送られる空気を加熱する。ロータ91の放湿領域Tの上流側には、ヒータ92が設けられている。ロータ91の放湿領域Tの下流側は、凝縮器81の造水流路81bの上流側と接続されている。凝縮器81の造水流路81bの下流側には、循環ファン72が設けられている。循環ファン72の下流側は、ヒータ92の上流側と接続されている。凝縮器81の造水流路81bの下端部には、生じた凝縮水を下方に流下させるための図示しない無数の開口が形成されている。凝縮器81の造水流路81bの下方には、水タンク93が設けられている。凝縮器81の造水流路81bの下端部の開口を流下した凝縮水は、水タンク93に貯水される。
制御装置99は、所定のプログラムが格納されたRAM、ROM等のメモリと、CPU等のプロセッサと、を備えるコンピュータである。制御装置36は、上記プログラムを実行することにより、ロータ91の回転速度、ヒータ92の加熱量、吸湿ファン62の風量、循環ファン72の風量を制御する。ここで、制御装置99は、ヒータ92の加熱量を増大させる制御によって、ロータ91から脱離される水分量を増大させることができる。また、制御装置99は、循環ファン72の風量を増大させる制御によって、得られる凝縮水の量を増大させることができる。
(3-2)造水動作
大気造水機100では、吸湿ファン62と循環ファン72を駆動させ、ヒータ92を発熱させ、ロータ91を回転駆動させることで、造水する。
まず、大気造水機100の外気取り込み口から吸湿流路61に流入した空気(a)は、凝縮器81の冷却流路81aを流れる際に、凝縮器81の造水流路81bを流れる空気と熱交換することで、暖められる。凝縮器81の冷却流路81aを通過した空気(b)は、ロータ91の吸湿領域Sに送られ、含まれる水分がロータ91に吸着される。ロータ91の吸湿領域Sを通過した空気(c)は、循環ファン72に吸入され、大気造水機100の外気排出開口から室外に吹き出される。
循環回路71については、乾燥空気(d)が循環ファン72に吸入され、循環ファン72から吹き出される。循環ファン72から吹き出されたた乾燥空気(e)は、ヒータ92に送られる。ヒータ92で加熱された空気(f)は、ロータ91の放湿領域Tに送られ、ロータ91に吸着されていた水分を放出させる。ロータ91の放湿領域Tを通過した高温多湿空気(g)は、凝縮器81の造水流路81bを流れる際に、吸湿流路61における凝縮器81の冷却流路81aを流れる空気(a)と熱交換することで、露点以下まで冷却され、凝縮水を生成する。凝縮器81の造水流路81bにおいて生じた凝縮水は、造水流路81bの下方に設けられた開口を流下し、水タンク93に貯水される。凝縮器81の造水流路81bを通過した乾燥空気(d)は、循環ファン72に吸引され、循環回路71内を循環する。
(3-3)大気造水機100の特徴
本実施形態の大気造水機100によれば、空気中に含まれる水分を集めて水を造ることができる。
この大気造水機100では、ロータ91の基材層31が有する有機金属構造体は、基材層31から脱落しにくいため、有機金属構造体の脱落による造水能力の低下が抑制される。また、ロータ91から脱落した有機金属構造体が循環回路71を流れることで、得られる凝縮水中に混在してしまうことも抑制される。
(付記)
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 空気調和装置(調湿装置)
12 室内機
15 給排気ダクト(加湿手段)
20 室外空調ユニット
30 吸着素子
31 基材層
32 第1通気性層(通気性層)
33 第2通気性層(通気性層)
50 加湿ユニット
52 加湿ロータ
54 給排気ファン(加湿手段)
60 ヒータ(再生手段)
81 凝縮器(凝縮手段)
91 ロータ
92 ヒータ(再生手段)
100 大気造水機
特開平11-319461号公報

Claims (13)

  1. 繊維と、金属イオンと有機配位子を含む金属有機構造体と、を有する基材層(31)と、
    前記基材層に積層された通気性層(32、33)と、
    を備え、
    前記通気性層は、前記積層方向視における単位面積当たりの前記金属有機構造体の含有量が、前記基材層よりも少ないかまたは前記金属有機構造体を有していない、
    吸着素子(30)。
  2. 前記繊維の平均繊維長は、100μm以上である、
    請求項1に記載の吸着素子。
  3. 前記基材層は、結合剤を含む、
    請求項1または2に記載の吸着素子。
  4. 前記結合剤は、前記金属有機構造体の開口径よりも大きい、
    請求項3に記載の吸着素子。
  5. 前記結合剤は、前記繊維との間で水素結合またはイオン結合を形成する、
    請求項3または4に記載の吸着素子。
  6. 前記通気性層は、第1通気性層(32)と第2通気性層(33)を有しており、
    前記基材層は、前記第1通気性層と前記第2通気性層との間に位置する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の吸着素子。
  7. 前記基材層と前記通気性層の積層体がコルゲート状に形成された、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の吸着素子。
  8. 前記基材層は、前記繊維が一体化した繊維構造体を前記金属有機構造体を含有する液体にディッピングして得られる、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の吸着素子。
  9. 前記基材層は、前記繊維が一体化した繊維構造体に前記金属有機構造体を噴霧して得られる、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の吸着素子。
  10. 前記基材層は、前記繊維と前記金属有機構造体を含む液体を抄いて得られる、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の吸着素子。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の吸着素子と、
    前記吸着素子に吸着された水分を前記吸着素子から脱離させる再生手段(60)と、
    を備えた調湿装置(1)。
  12. 前記吸着素子から脱離した水分を用いて対象空間を加湿する加湿手段(54、15)をさらに備えた、
    請求項11に記載の調湿装置。
  13. 請求項1から10のいずれか1項に記載の吸着素子と、
    前記吸着素子に吸着された水分を前記吸着素子から脱離させる再生手段(92)と、
    前記吸着素子から脱離した水分を凝縮させて凝縮水を生じさせる凝縮手段(81)と、
    を備えた大気造水機(100)。
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