JP2011121004A - 除湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間、高い除湿能力を維持可能な連続的に除湿ができる除湿装置の提供。
【解決手段】除湿装置1は、互いに対向する一対の開口面を有する平板状の基材11表面上に結合剤23により結合される吸湿剤22を有する除湿ロータ2と、回転軸3を中心に除湿ロータ2を回転させる回転駆動装置4と、除湿ロータ2へ除湿用空気を供給するための第1空気流路5と除湿ファン6と、再生用空気を供給するための第2空気流路7と再生ファン8と、再生用空気を加熱する加熱装置9と、回転駆動装置4、除湿ファン6、再生ファン8、及び、加熱装置9を制御する制御部と、から構成される。吸湿剤22はメソポーラスシリカで、加熱装置9はPTCヒータとすることで、除湿ロータ2の開口面10bの温度が70℃以上、250℃未満となるよう容易に制御可能で、長期間、高い除湿能力を維持可能な連続的に除湿可能な除湿装置として利用することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸湿剤による被処理空気の除湿と、水分を吸湿した該吸湿剤の再生を同時に行い、連続的に該被処理空気の除湿を行う回転再生式除湿ロータを利用した除湿装置に関する。
従来の除湿装置に用いられる吸湿剤としては、ゼオライトやメソポーラスシリカなどの多孔質体が知られており、該除湿剤を再生するための加熱装置としては、ニクロム線ヒータやヒートポンプサイクルにおける冷媒の熱を利用した熱交換器が知られていた。しかしながら、ゼオライトと熱交換器との組み合わせでは温度が低いため、再生がされにくいという課題があった。また、メソポーラスシリカとニクロム線ヒータでは輻射により該メソポーラスシリカが250℃を越える高温となり、その構造を維持できないため、除湿能力が低下するという課題があった。この課題を解決すべく下記に示す様々な取り組みがなされてきた。
特許文献1では、吸湿剤(本願の吸着剤に相当)として、細孔直径が1.0nm〜4.0nmに調整され、吸着条件=30℃〜40℃、相対湿度40%〜60%、脱着条件(本願の再生条件に相当)=45℃〜55℃、相対湿度10%〜20%の範囲内において毛管凝集現象が起こるように最適化したメソポーラスシリカ材料を用いた除加湿用エレメント(本願の除湿ロータに相当)が開示されている。
また、特許文献2では、除湿ロータの繊維質担体に、第一除湿剤と第二除湿剤との混合物が担持されており、該第一除湿剤が、原ゼオライトであり、第二除湿剤が、シリカゲル、シリカアルミナ非晶質多孔質体およびメソポーラスシリカから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせで、再生空気の入口側の開口面の温度が250〜500℃となる除湿機に用いられる除湿ロータが開示されている。
特開2003−200016号公報 特開2007−216159号公報
しかしながら、上述の従来技術であっても、除湿能力が小さい、あるいは耐久性が悪いという課題があり、未だ改善の余地があった。
例えば、特許文献1の技術では、吸湿剤を再生するための加熱装置として、ヒートポンプサイクルにおける冷媒の熱を利用した熱交換器を利用しているが、吸湿剤の温度は60℃程度までしか上がらないため、再生があまり進まず、そのため除湿能力が小さいという課題があり、未だ改善の余地があった。
また、特許文献2の技術では、除湿ロータの再生空気の入口側の開口面の温度を250〜500℃となるよう制御しているため、除湿ロータに担持されているメソポーラスシリカやシリカゲルはその構造が破壊され、短期間で除湿能力が低下するという課題があり、未だ改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、除湿能力が高く、かつ除湿能力が長期的に持続する除湿装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、吸湿剤にメソポーラスシリカを用い、加熱装置にPTCヒータを用いて、除湿ロータの開口面のうち再生用空気を供給するための第2空気流路に面する部分の温度を70℃以上、250℃未満に制御することが、上記従来技術の有する課題を解決する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、通気性を有しており、かつ、互いに対向する一対の開口面を有する平板状の基材と、結合剤と、前記基材表面上に前記結合剤によって結合される吸湿剤と、を有する除湿ロータと、前記一対の開口面に対して略垂直に設けられる回転軸を有しており、前記回転軸を中心に前記除湿ロータを回転させる回転駆動装置と、前記除湿ロータへ向けて除湿用空気を供給するための第1空気流路と、前記第1空気流路内の前記除湿用空気を前記除湿ロータへ向けて流す除湿ファンと、前記除湿ロータへ向けて再生用空気を供給するための第2空気流路と、前記第2空気流路内の前記再生用空気を前記除湿ロータへ向けて流す再生ファンと、前記第2空気流路内に設置されており、前記再生用空気を加熱する加熱装置と、前記回転駆動装置、除湿ファン、再生ファン、及び、加熱装置を制御する制御部と、を有しており、前記吸湿剤はメソポーラスシリカであり、前記加熱装置はPTCヒータであり、前記制御部は、前記除湿ロータの前記開口面のうち前記第2空気流路に面する部分の温度が70℃以上、250℃未満となるように再生ファンと加熱装置とを制御する、除湿装置を提供する。
本発明の除湿装置は、加熱装置に自己温度制御機能を有しているPTCヒータを用いるため、例えば制御温度を200℃に設定されたPTCヒータの表面温度はほぼ200℃と略一定で、ニクロム線ヒータ表面のように500℃を超えることがないため、加熱装置から除湿ロータへの輻射による伝熱を抑えることができ、表面温度が70℃〜250℃のいずれかの制御温度のPTCヒータを選択することで、除湿ロータの第2空気流路に面する開口面の温度を容易に70℃以上、250℃未満に制御することができる。
また、本発明の除湿装置においては、特に、加熱装置が再生ファンの風下に設置されていることが好ましい。さらに、本発明の除湿装置においては、特に、制御部は、前記回転駆動装置によって除湿ロータの回転数を制御できることが好ましい。
また、本発明の除湿装置においては、特に、結合剤は無機系結合剤であることが好ましい。さらに、本発明の除湿装置においては、特に、無機系結合剤は水系溶媒に分散されたコロイダルシリカであることが好ましい。また、本発明の除湿装置においては、特に、コロイダルシリカはpH8以下の水系溶媒に分散されたコロイダルシリカであることが好ましい。
また、本発明の除湿装置においては、特に、基材が無機繊維からなるハニカム構造体であることが好ましい。さらに、本発明の除湿装置においては、特に、メソポーラスシリカはMCM41であることが好ましい。
また、本発明の除湿装置においては、さらに抗菌剤が基材表面もしくは吸湿剤表面に結合剤により結合されていることが好ましい。さらに、本発明の除湿装置においては、特に、抗菌剤は無機系抗菌剤であることが好ましい。
また、本発明の除湿装置においては、さらに有機物分解触媒が基材表面もしくは吸湿剤表面に結合剤により結合されていることが好ましい。さらに、本発明の除湿装置においては、特に、有機物分解触媒は白金系触媒を含む有機物分解触媒が好ましい。また、本発明の除湿装置においては、特に、有機物分解触媒は遷移金属酸化物を含む有機物分解触媒が好ましい。
以上説明したように、本発明の除湿装置によれば、除湿ロータの開口面のうち再生用空気を供給するための第2空気流路に面する部分の温度を容易に70℃以上、250℃未満に制御することができるため、長期間、高い除湿能力を維持できる除湿装置を実現することができる。
本発明の除湿装置の実施の形態1の基本構成を示す模式図 図1のRの部分の拡大図 図2のR1の部分の拡大図 本発明の実施例1の吸湿剤の質量減少率の温度特性を示すグラフ
以下、図面を参照しながら本発明の除湿装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
以下、図1を用いて本発明の除湿装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の除湿装置の第1実施形態の基本構成を示す模式図である。また、図2は、図1のRの部分の拡大図である。さらには、図3は、図2のR1の部分の拡大図である。
図1に示すように、第1実施形態の除湿装置1は、主として、除湿ロータ2と、除湿ロータ2の開口面に対して略垂直に設けられる回転軸3と、回転軸3を中心に除湿ロータ2を回転させる回転駆動装置4と、除湿ロータ2へ向けて除湿用空気を供給するための第1空気流路5と、第1空気流路5内の除湿用空気を除湿ロータへ向けて流す除湿ファン6と、 除湿ロータ2へ向けて再生用空気を供給するための第2空気流路7と、第2空気流路7内の再生用空気を除湿ロータ2へ向けて流す再生ファン8と、第2空気流路7内に設置されており、再生用空気を加熱する加熱装置9と、回転駆動装置4、除湿ファン6、再生ファン8、及び、加熱装置9を制御する制御部(図示せず)とから構成されている。
まず、除湿ロータ2について説明する。除湿ロータ2は、除湿用空気を除湿して乾燥空気を作り出す部材であり、互いに対向する一対の開口面10aと開口面10bとを有する平板状で、開口面10aと開口面10bは連通しているため、開口面に対して略垂直に通気性を有する構造であり、除湿用空気が流れる第1空気流路5と再生用空気が流れる第2空気流路7の一部を含む。なお、第1空気流路5は、除湿ロータ2の開口面の180〜330°程度を占有し、第2空気流路7は、残りの30〜180°程度を占有する。
次に、除湿ファン6および再生ファン8について説明する。除湿ファン6は、除湿ロータ2に除湿用空気を流すための気流を作り出す役割をする。除湿ファン6は、除湿用空気が流れる第1空気流路5に設置され、図1に示すように除湿ロータ2の風下側に設置される場合、引っ張りファンが用いられる。なお、除湿ロータ2の風上側に設置(図示せず)し、押し込みファンを用いても同様の効果が得られる。また、除湿ロータ2の風上側および風下側に二つの除湿ファンを設置してもよい。
再生ファン8は、水分を含んだ除湿ロータ2を再生させるため高温にした再生用空気を除湿ロータ2に流すための気流を作り出す役割をする。再生ファン8は、再生用空気が流れる第2空気流路7の除湿ロータ2の風下側、除湿ロータ2の風上かつ加熱装置9の風下側、除湿ロータ2の風上側のいずれかの場所に設置されるが、本発明の効果をより確実に得るという観点から、押し込みファンを用い、図1に示すように除湿ロータ2および加熱装置9の風上側に設置されることが好ましい。このようにすることで、再生ファン8が高温に晒されることが無いため、熱劣化を防ぐことができる。
除湿ファン6、再生ファン8ともに公知のファンを用いることができる。このようなファンは、シロッコファン、ターボファン、プロペラファン、クロスフローファン、貫流ファン等が挙げられ、特に限定されるものではない。なお、詳細は後述するが、除湿ファン6および再生ファン8は、制御部(図示せず)により、空気の流量を制御することが可能である。
また、図1中では、除湿用空気と再生用空気とが対向して流れる場合を示しているが、除湿用空気と再生用空気が並行して流れる場合でも同様の効果が得られる。
次に、回転駆動装置4について説明する。回転駆動装置4は、回転軸3を中心として除湿ロータ2を回転させる部材である。図1では、除湿ロータ2の側面に配置しており、また形状も円柱で示しているが、場所、形状ともに特に限定されるものではなく、公知の方法で除湿ロータ2を回転させることが可能である。また、回転駆動装置4もモータなどの公知の回転駆動装置を用いることができ、特に限定されるものではない。なお、本発明の効果をより確実に得るという観点から、回転駆動装置4は制御部(図示せず)により、除湿ロータ2の回転数が制御可能であることが好ましい。これにより、除湿ロータ2を略一定回転数で回転させることができるため、安定した除湿能力を有する除湿装置1を実現できる。
次に、加熱装置9について説明する。加熱装置9は、第2空気流路7の除湿ロータ2の風上側に配置され、再生用空気を所定の温度まで高める部材である。熱ロスを防ぐという観点から、加熱装置9は、除湿ロータ2に接触しない範囲で出来るだけ近づけて配置することが好ましい。また、加熱装置9は、電流を流すと発熱し、その発熱により電気抵抗が増大し、電流が流れにくくなることを繰り返し、開口面10bの温度を70℃〜250℃のいずれかの温度で略一定に保つことができる自己温度制御機能を有する公知のPTCヒータを用いる。公知のPTCヒータとしては、チタン酸バリウムに添加物を加えるなどしたセラミック系のPTCヒータと、低融点のポリマー中にカーボンブラックやニッケル等の導電性粒子を分散させたポリマー系のPTCヒータが挙げられる。本発明の効果をより確実に得るという観点から、再生用空気を100℃以上に加熱して使用する場合、耐熱性の高いセラミック系のPTCヒータを用いることが好ましい。
これにより、再生用空気の流量や除湿ロータ2の回転数を変えた場合でも、容易に除湿ロータ2の開口面10bの温度を70〜250℃のいずれかの温度で略一定に保つことができる。また、加熱装置9から除湿ロータ2への輻射による伝熱でも、加熱装置9の表面温度での輻射であるため、開口面10bが加熱装置9の表面温度以上に上がることはない。さらには、詳細は後述するが、制御部(図示せず)により、再生ファン8と連動して加熱装置9への入力電力を制御することが可能である。
次に、本実施形態の除湿装置1の動作方法の一例について説明する。
除湿ファン6を作動させることで、第1空気流路5を通って相対湿度の高い除湿用空気が開口面10aから除湿ロータ2に流れ込み、除湿ロータ2で除湿され、除湿ロータ2の開口面10bから乾燥空気として排気される。一方、除湿ロータ2の水分を吸収した箇所は、回転駆動装置4によって、回転軸3を中心に回転し、第2空気流路7へと移動される。ここで、再生ファン8を作動させることで、再生用空気が第2空気流路7を通って加熱装置9に流れ込み、さらに加熱装置9より所定の温度まで上げられた再生用空気が除湿ロータ2の開口面10bに流れ込むことで、除湿ロータ2が含む水分を脱離させ、除湿ロータ2の開口面10aから高湿度の空気として排気される。これら一連の動作を連続的に繰り返すことで、連続的に乾燥空気と高湿空気を別々に得ることができる。
また、再生ファン8を調整し、再生用空気を所定の流量に設定すると、入力電力が決まる。これは、加熱装置9への入力電力と加熱装置9からの放熱のエネルギーがつりあうためで、熱は加熱装置9から再生用空気へ伝えられ、再生用空気から開口面10bに伝えられる。加熱装置9にPTCヒータを用いた場合、PTCヒータの制御温度以上の輻射は起こらないため、通常、開口面10bの温度は加熱装置9の温度より低い。したがって、加熱装置9に用いるPTCヒータの制御温度は70℃〜250℃の範囲より高めに設定することが好ましい。例えば、直径200mm、厚さ15mmの円柱状の除湿ロータ2を用い、回転数0.75rpmで回転させ、加熱装置9に制御温度が200℃に設定されたPTCヒータを用いて、除湿ロータ2へ20℃・60%RHの除湿用空気を1.3m3/minの流量で流し、30℃・100%RHの再生用空気0.14m3/minで流すと、加熱装置9への入力電力は約380Wで安定し、開口面10bの温度は約150℃である。
なお、本発明では乾燥空気を利用する除湿装置について記載したが、高湿空気を利用することで加湿装置として利用することもできる。
更に、図2と図3を用いて、第1実施形態の除湿ロータ2および該除湿ロータ2を構成する基材11と、該基材11を構成するシート21、吸湿剤22、結合剤23について、さらに詳しく説明する。除湿ロータ2は、図2と図3に示すように、平型シート12と波型シート13が交互に積層された基材11と、基材11を構成する平型シート12あるいは波型シート13のシート21表面に結合剤23によって結合された吸湿剤22とから構成されている。
まず、基材11について説明する。図2に示す基材11は、後述する吸湿剤22を支持する支持体となる部材であり、平型シート12と波型シート13を交互に積層したハニカム構造体である。シート21は、ポリエステル繊維やパルプ繊維などの有機繊維あるいはガラス繊維やシリカ繊維、ロックウール繊維などの無機繊維から形成される織布または不織布である。本発明の効果をより確実に得るという観点から、再生用空気を100℃以上に加熱して使用する場合、耐熱性の高い無機繊維が好ましい。次にシート21を波型加工することで波型シート13が作製でき、波型加工を施さない平型シート12と波型シート13の凸の部分とで接着した後、長手方向へ巻いていくことで作製することができる。さらに、吸湿剤22の基材11への担持は、ハニカム構造体を作製後、吸湿剤22と結合剤23とを混合したスラリーを作製し、例えばディップ法やスプレー法などで担持を行っても良いし、同様の方法で事前にシート21に担持を行った後、あるいはシート21作製時に吸湿剤22と結合剤23とを混合したシート21を作製後、ハニカム構造体を作製しても良い。
次に、吸湿剤22について説明する。吸湿剤22は、基材11を構成するシート21表面に後述する結合剤23によって結合され、配置されており、空気中に含む水分子を吸着することで空気中から水分を取り除く役割をする部材である。また、吸湿剤22は、ある温湿度および気圧で吸着可能な容量が決まっており、水分子を吸着し続けていくと飽和に達し、吸着できなくなる。しかしながら、吸湿剤22の温度を上げたり、気圧を低くしたり、相対湿度を低くしたりすることで、吸着した水分子を脱着させ、再び水分子を吸着することが可能となる状態に再生しうるものである。
吸湿剤22としては、温度が0℃〜50℃程度で、相対湿度が40〜100%程度の空気を除湿し、250℃未満の空気で再生する場合、吸脱着量が多く、吸脱着速度の速いメソポーラスシリカが最適である。本発明の効果をより確実に得るという観点から、メソポーラスシリカはMCM41がより好ましい。MCM41は、Mobil社によって1992年に開発されたメソポーラスシリカであり、公知の方法で作製可能である。例えば、カチオン性界面活性剤であるドデシルトリメチルアンモニウムクロリドのミセル溶液を塩基性にした後、シリカを添加して、親水基でカチオンであるアンモニウム基のまわりにアニオンであるシリケートが配位する構造、すなわち棒状ミセルをガラスで包んだ集合体を作製し、これを500℃で焼くことで有機物が除去され、棒状ミセルが抜けた蜂の巣の形をしたメソポーラスシリカ、すなわちMCM41を作製することができる。このように作製されたMCM41は、細孔径が2〜10nm程度で、比表面積は500〜1000m2/g程度である。
吸湿剤22は、代表径が0.5μm〜50μm程度の粉末固体を使用することが好ましい。また、空隙率は30〜90%程度が好ましい。なお、図3では吸湿剤22の形状を球状で記述しているが、球状に限定されるものではない。また、それぞれの吸湿剤22粒子が、同じ大きさである必要も無い。
吸湿剤22の除湿ロータ2への担持量は、除湿ロータ2の単位体積(1L)あたり、20〜200g程度が好ましい。吸湿剤22の担持量が、20g/L以上であると、十分に除湿性能を発揮することができ、200g/L以下であれば、吸湿剤22が除湿ロータ2から剥離することを抑えることができるという点で好ましい。
次に、結合剤23について説明する。結合剤23は、図3に示すように、吸湿剤22とシート21とを結合する、あるいは吸湿剤22同士を結合する(図示せず)役割をする部材で、これらは物理的な結合あるいは化学的な結合あるいはアンカー効果による結合により結合されている。結合剤23は、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾルおよび水ガラス、ケイ酸リチウム、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩やリン酸アルミニウムなどのリン酸塩などの無機系結合剤やポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂などの有機系結合剤が挙げられる。
結合剤23は、本発明の効果をより確実に得るという観点から、無機系結合剤が好ましく挙げられる。特に、上述した中でも、入手の容易性、取り扱いの簡便性などからコロイダルシリカが好ましい。また、コロイダルシリカの中でも、環境面への配慮から、水系溶媒に分散されたコロイダルシリカが、特に好ましい。さらには、本発明の効果をより確実に得るという観点から、コロイダルシリカの溶媒はpH8以下が望ましい。pHが8以下であると、メソポーラスシリカがアルカリによって溶媒中へ溶け出すことがないので好ましい。なお、下限値の限定は特にはないが、実使用上、pHが0.1以上であることが好ましい。
また、図中では結合剤23はシート21全表面を覆うように示しているが、すべて覆う必要はなく、吸湿剤22がシート21表面に固定されるために必要な量で結合されていれば良い。
結合剤23の添加量は、吸湿剤22と結合剤23との合計質量に対して、1〜30質量%とすることが好ましい。特に、結合剤23を水系溶媒に分散されたコロイダルシリカを使用する場合、吸湿剤22と結合剤23の合計質量に対する結合剤23の添加量を5〜15質量%とすることが好ましい。吸湿剤22と結合剤23の合計質量に対する結合剤23の添加量が5質量%以上であると密着性をより確実に得ることができるため、好ましい。吸湿剤22と結合剤23の合計質量に対する結合剤23の添加量が15質量%以下であると、吸湿剤22の水分子の吸脱着を妨げにくいという点で好ましい。
さらには、除湿ロータ2には抗菌剤(図示せず)を添加してもよい。これにより、除湿ロータ2に除菌、防カビの効果が付与できるため、相対湿度の高い場所での使用でも除湿ロータ2が菌に汚染されたり、カビが生えたりすることが無く、除湿装置1から菌やカビを吹き出すことを防止できる。
この抗菌剤としては、吸湿剤22の表面やシート21の表面上、あるいは結合剤23の表面上に分散でき、抗菌効果を得ることができるものであれば特に限定されず、公知の抗菌剤を添加してよい。このような抗菌剤としては、例えば、ワサビなどの有機系の抗菌剤と、銀・亜鉛・銅などの無機系の抗菌剤とがある。耐熱性や耐酸化性などの耐久性という観点から、無機系の抗菌剤を使用することが好ましい。無機系の抗菌剤としては、東亞合成社製の銀系無機抗菌剤「商品名:ノバロン」やシナネンゼオミック社製の無機抗菌剤「商品名:ゼオミック」などが好ましく挙げられる。これらの抗菌剤には防カビ効果も期待できるので好ましい。
ここで、吸湿剤22と抗菌剤の合計質量に対する抗菌剤の添加量は0.1〜5質量%とすることが好ましい。吸湿剤22と抗菌剤の合計質量に対する抗菌剤の添加量が0.1質量%以上であると抗菌性をより確実に得ることができるため、好ましい。吸湿剤22と抗菌剤の合計質量に対する抗菌剤の添加量が5質量%以下であると、吸湿剤22の水分子の吸脱着を妨げにくいという点で好ましい。
また、除湿ロータ2には有機物分解触媒(図示せず)を添加してもよい。これにより、除湿ロータ2に有機物分解効果を付与できるため、除湿装置1は空気を除湿するとともに、ホルムアルデヒド、トルエンなどのVOCを含む有害な有機物を分解することができる。また、アセトアルデヒド、酢酸などの有機系の臭気成分を分解することで、脱臭効果を得ることができる。
このような有機物分解触媒としては、吸湿剤22の表面やシート21の表面上、あるいは結合剤23の表面上に分散でき、有機物分解効果を得ることができるものであれば特に限定されず、公知の有機物分解触媒を添加してよい。このような有機物分解触媒としては、例えば、白金属に属し触媒作用を有する元素でルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの白金系触媒や、マンガン、コバルト、ニッケル、銅などの周期表の3族〜12族へ属する遷移元素の金属酸化物あるいは複合金属酸化物が挙げられる。
特に、白金系触媒の場合、扱いやすさや入手のしやすさ、触媒活性などの観点から、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムを用いることが好ましい。また、遷移金属酸化物の場合、扱いやすさや入手のしやすさ、触媒活性の高さなどの観点から、Mnを主体としたCr、Fe、Co、Ni、Cu、Znとの複合酸化物が好ましい。
ここで、吸湿剤22と有機物分解触媒との合計質量に対する有機物分解触媒の添加量は、白金系触媒の場合、0.1〜5質量%とすることが好ましい。吸湿剤22と白金系触媒との合計質量に対する白金系触媒の添加量が0.1質量%以上であると有機物分解効果をより確実に得ることができるため、好ましい。吸湿剤22と白金系触媒との合計質量に対する白金系触媒の添加量が5質量%以下であると、吸湿剤22の水分子の吸脱着を妨げにくいという点で好ましい。また、遷移金属酸化物の場合、吸湿剤22と有機物分解触媒との合計質量に対する有機物分解触媒の添加量は、5〜30質量%とすることが好ましい。吸湿剤22と遷移金属酸化物との合計質量に対する遷移金属酸化物の添加量が5質量%以上であると有機物分解効果をより確実に得ることができるため、好ましい。吸湿剤22と遷移金属酸化物との合計質量に対する遷移金属酸化物の添加量が30質量%以下であると、吸湿剤22の水分子の吸脱着を妨げにくいという点で好ましい。
本実施形態の除湿装置1は、以上説明したように、吸湿剤22にメソポーラスシリカを用い、加熱装置9にPTCヒータを用いることで、除湿ロータ2の開口面10bの温度を70℃以上、250℃未満に容易に制御することができるため、長期間、高い除湿能力を維持できる除湿装置1を実現することができる。
次に、本実施形態の吸湿剤22の製造方法の一例について説明する。
まず、所定量のイオン交換水を容器に入れ、100℃未満の所定の温度まで加温させた後、攪拌しながら28質量%のアンモニア水を所定量加え、攪拌を継続する(混合工程)。この混合方法は特に限定されず公知の混合方法を用いて行うことができる。
例えば、フラスコにイオン交換水を所定量入れ、次にマントルヒータ等で50℃程度に加温し、28質量%のアンモニア水を所定量加え、攪拌装置を用いて撹拌を行うことで、28質量%のアンモニア水とイオン交換水を混合させる(以下、混合液と記す)。混合液が1L程度の場合、攪拌時間は15分程度が好ましい。
次に、混合工程で得られた混合液に、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドを攪拌しながら所定量加え、混合液に溶解するまで攪拌を継続する(溶解工程)。この溶解方法は特に限定されず、液体に固体を溶解させる公知の溶解方法を用いて行うことができる。例えば、攪拌装置で混合液が攪拌されているところにセチルトリメチルアンモニウムブロマイドを所定量、添加し、溶解させる(以下、溶解液と記す)。混合液が1L程度の場合、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドを1〜10g程度添加することが好ましく、5g程度の添加が最適である。混合液が1L程度で、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドの添加量が5g程度の場合、攪拌時間は15〜30分程度が好ましい。
次に、溶解工程で得られた溶解液に、テトラエトキシシランを攪拌しながら所定量滴下し、その後、室温程度まで冷却させ、攪拌を継続する(滴下工程)。この滴下方法は特に限定されず、液体に液体を滴下させる公知の滴下方法を用いて行うことができる。例えば、攪拌装置で溶解液が攪拌されているところにテトラエトキシシランを攪拌しながら所定量滴下させる。なお、冷却方法は特に限定されるものではない。そして、攪拌を継続しながら室温程度まで冷却させているうちに、沈殿物が生成される(以下、沈殿溶液と記す)。溶解液が1L程度の場合、テトラエトキシシランを10〜30g添加することが好ましく、20g程度の添加が最適である。溶解液が1L程度で、テトラエトキシシランの添加量が20g程度の場合、室温まで冷却後、1〜3時間程度攪拌することが好ましい。
次に、滴下工程で得られた沈殿溶液のろ過と沈殿物の洗浄を行う(ろ過・洗浄工程)。このろ過および洗浄方法は特に限定されず、公知のろ過および洗浄方法を用いて行うことができる。例えば、滴下工程で得られた沈殿溶液の吸引ろ過を行い、沈殿物が生乾きの状態になったところで、イオン交換水を添加し、再度、吸引ろ過を行う。これをアンモニアの臭気が消えるまで繰り返すことで、洗浄された沈殿物(以下、洗浄沈殿物と記す)を得ることができる。沈殿溶液が1L程度で、沈殿物が5〜20g程度である場合、吸引ろ過は5〜10回程度繰り返すことが好ましい。また、吸引ろ過の条件は、特に限定されるものではない。
次に、ろ過・洗浄工程で得られた洗浄沈殿物の乾燥を行う(乾燥工程)。この乾燥方法は特に限定されず公知の乾燥方法を用いて行うことができる。例えば、100〜150℃程度に保持された恒温槽へ入れることで、乾燥された洗浄沈殿物を得ることができる(以下、乾燥沈殿物と記す)。洗浄沈殿物が5〜20g程度である場合、10〜20時間程度が好ましい。なお、恒温槽は特に限定されるものではない。
さらに、乾燥工程で得られた乾燥沈殿物の焼成を行う(焼成工程)。この焼成方法は特に限定されず公知の焼成方法を用いて行うことができる。例えば、乾燥沈殿物を5〜20g程度用いる場合、乾燥沈殿物を焼成炉に入れ、100〜150℃/h程度の昇温速度で昇温を行い、500〜600℃で6〜12時間保持する。なお、焼成炉は特に限定されるものではない。
このようにして、メソポーラスシリカを得ることができる。なお、本発明の吸湿剤22は、本実施形態での製造方法で製造されたメソポーラスシリカに限定されるものではない。
次に、本実施形態の除湿ロータ2の製造方法の一例について説明する。
まず、所定量の吸湿剤22を容器中で水に分散させた後、予め水に分散された結合剤23を吸湿剤22の水分散体が入った容器へ所定量添加し、攪拌を継続する(分散工程)。この分散方法は特に限定されず公知の粉末の水への分散方法を用いて行うことができる。例えば、ビーカーに吸湿剤22を所定量投入し、次に所定量の水を投入した後、攪拌装置を用いて撹拌を行うことで、吸湿剤22を水に分散させる。さらに、その攪拌中のビーカーに予め水に分散された結合剤23を所定量添加し、撹拌を続けることで、吸湿剤22と結合剤23とを水に分散させる。
ここで、結合剤23は、予め水に1〜20質量%程度で分散されたコロイダルシリカを用いることが好ましく、吸湿剤22と結合剤23との合計質量に対する結合剤23の添加量は、5〜15質量%とすることが好ましい。
なお、投入する水の量は吸湿剤22および結合剤23が十分に分散できるだけの量を投入する。さらには、攪拌は、吸湿剤22および結合剤23が水に十分に分散するまで継続し、吸湿剤22を200g程度、結合剤23を10g程度分散させた水溶液を1.5L程度用いる場合、1〜3時間程度が好ましい。
さらには、抗菌剤を添加する場合、分散工程で添加することが好ましい。分散工程における抗菌剤の投入は、いずれのタイミングで行ってもよい。また、吸湿剤22と抗菌剤の合計質量に対する抗菌剤の割合が、0.1〜5質量%となるように抗菌剤の投入量を調整することが好ましい。本操作により、最終得られる除湿ロータ2に含まれる吸湿剤22と抗菌剤の合計質量に対して抗菌剤の添加量を0.1〜5質量%とすることができる。
また、有機物分解触媒を添加する場合、分散工程で添加することが好ましい。分散工程における有機物分解触媒の投入は、いずれのタイミングで行ってもよい。また、吸湿剤22と有機物分解触媒の合計質量に対する有機物分解触媒の割合が、白金系触媒の場合、0.1〜5質量%とすることが好ましい。本操作により、最終得られる除湿ロータ2に含まれる吸湿剤22と有機物分解触媒の合計質量に対して有機物分解触媒の添加量を0.1〜5質量%とすることができる。また、遷移金属酸化物の場合、吸湿剤22と有機物分解触媒との合計質量に対する有機物分解触媒の添加量は、5〜30質量%とすることが好ましい。本操作により、最終得られる除湿ロータ2に含まれる吸湿剤22と有機物分解触媒の合計質量に対して有機物分解触媒の添加量を5〜30質量%とすることができる。
次に、分散工程で得られた分散溶液に、図2に示す基材11を浸漬し、基材11に吸湿剤22と結合剤23とを含む分散溶液を担持させ、余剰の分散溶液を除去する(担持工程)。この担持方法は特に限定されず、公知の分散溶液の基材への担持方法を用いて行うことができる。また、基材11も公知の基材を用いることができる。公知の基材としては、例えばニチアス社製の吸湿剤担持基材「商品名:ハニクル」が利用可能である。
例えば、バットに入れた分散溶液に基材を浸漬させた後、エアーブロー等で余剰の分散溶液を吹き飛ばすことで、吸湿剤22と結合剤23とを含む適切な量の分散溶液を基材11表面へ付ける。このとき、直径が200mmで厚さが15mmの円柱状の基材11を用いた場合、エアーブロー後に基材11の自重の1〜2倍程度の分散溶液を含ませることが好ましい。
次に、担持工程で得られた分散溶液を含ませた基材11の水分を蒸発させるため、高温で乾燥させる(高温乾燥工程)。この高温乾燥方法は特に限定されず公知の高温乾燥方法を用いて行うことができる。温度は150〜200℃程度が好ましい。
例えば、180℃に保持した恒温槽へ入れることで乾燥することができる。このとき、基材11に高温空気を通気させながら乾燥させると、乾燥時間を短縮することができる。なお、高温乾燥時間は、直径が200mmで厚さが15mmの円柱状の基材11を用いて、基材11に通気をさせない場合、2〜5時間程度が好ましい。
また、必要に応じて、高温乾燥工程で得られた基材11の焼成を行う(焼成工程)。この焼成方法は特に限定されず公知の焼成方法を用いて行うことができる。例えば、直径が200mmで厚さが15mmの円柱状の基材11を用いる場合、基材11を焼成炉に入れ、100℃/hの昇温速度で昇温を行い、250℃未満で5〜10時間保持する。
このようにして、除湿ロータ2を得ることができる。なお、本発明の除湿ロータ2は、本実施形態での製造方法で製造された除湿ロータ2に限定されるものではない。また、本実施形態では吸湿剤22と結合剤23との分散溶媒に水を用いたが、吸湿剤22と結合剤23とを分散させることが可能な有機溶剤を用いても同等の効果を有する除湿ロータ2が得られる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の再生質吸湿剤について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下の手順で、吸湿剤22として、メソポーラスシリカの作製を行った。
イオン交換水800mLをフラスコに入れ、加熱装置付き攪拌装置により50℃まで加温を行った後、攪拌をしながら市販試薬の28質量%のアンモニア水93gを投入した(混合工程)。温度を維持しながら攪拌を15分継続した後、市販試薬のセチルトリメチルアンモニウムブロマイドを攪拌しながら4.5g投入し、その後15分間、攪拌を継続した(溶解工程)。次に、攪拌をしながら信越シリコーン社製のテトラエトキシシラン「商品名:テトラエトキシシラン(品番:LS−2430)」21gをゆっくりと滴下し、滴下終了後室温まで空冷した後、2時間攪拌を継続し、沈殿物を生成させた(滴下工程)。さらに、得られた沈殿物を含む溶液の吸引ろ過を行い、沈殿物が生乾きの状態になったところで、イオン交換水を添加し、再度、吸引ろ過を行い、これら一連の動作を10回繰り返した(ろ過・洗浄工程)。そして、洗浄済みの生乾きの沈殿物を100℃の恒温槽へ入れ、12時間乾燥を行った(乾燥工程)。最後に、乾燥した沈殿物を焼成炉に入れ、130℃/h程度の昇温速度で昇温を行い、540で8時間焼成し(焼成工程)、メソポーラスシリカを完成させた。
(比較例1)
吸湿剤22として、ユニオン昭和株式会社製のゼオライト「商品名:モレキュラーシーブ(品番:13X)」(シリカ/アルミナ比:1.23)を用いた。
(比較例2)
吸湿剤22として、ユニオン昭和株式会社製のゼオライト「商品名:モレキュラーシーブ(品番:4A)」(シリカ/アルミナ比:1)を用いた。
[熱再生試験1]
以下の手順により熱再生試験を行い、実施例1と比較例1〜2の吸湿剤の熱再生能力を評価した。
まず、それぞれの吸湿剤サンプルを20℃・60%RHの恒温恒湿槽に24時間保持し、吸湿させた。そして、それぞれの吸湿剤を1.0gずつ測り取り、ガラス製のシャーレへ敷き詰めた。その後、それぞれの吸湿剤サンプルを140℃に設定した恒温槽に5時間保持することで吸湿した水分を放出させた後、取り出して質量を測定した。
それぞれのサンプルの140℃に保持した恒温槽へ入れる前(1.0g)と取り出した後の質量差を算出し、その値を吸湿剤の質量(恒温槽から取り出した後の質量)で除した値を、吸湿剤の熱再生量と定義した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2011121004
表1に示した結果から明らかなように、本発明に係る実施例1の除湿剤は、同温度で熱再生させた場合、比較例1や2の除湿剤よりも多くの量の熱再生ができることが確認された。
[熱再生試験2]
恒温槽を100℃に設定した以外は、熱再生試験1と同様の手順および条件で熱再生試験を行った。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2011121004
表2に示した結果から明らかなように、本発明に係る実施例1の除湿剤は、100℃程度の温度で熱再生させた場合でも、比較例1や2の除湿剤よりも多くの量の熱再生ができることが確認された。
[耐熱評価試験1]
以下の手順により耐熱評価試験を行い、実施例1の吸湿剤の耐熱性を評価した。
まず、それぞれの吸湿剤サンプルを20℃・60%RHの恒温恒湿槽に24時間保持し、吸湿させた。そして、それぞれの吸湿剤を10〜20mg程度ずつ測り取り、セイコーインスツルメンツ社製の示差熱熱重量同時測定装置(品番:TG/DTA6200)にセットし、室温から500℃まで10℃/minの昇温条件で昇温させ、吸湿剤サンプルの質量の経時変化を測定し、その値から各温度における質量減少率を算出した。
なお、質量減少率は、各温度における吸湿剤サンプル質量と初期の吸湿剤サンプルの質量差を、初期の吸湿剤サンプルの質量で除したものと定義した。その結果を図4に示す。
この吸湿剤の100℃程度までに起こる質量減少は、水分子が熱により吸湿剤から脱着されたものとの考え方が一般的だが、さらに250〜300℃から質量減少が開始される。これは、メソポーラスシリカ表面に存在する親水基が外れ始めたためであり、そのため、メソポーラスシリカの高い吸脱着能力は喪失したと本発明者らは推察する。したがって、メソポーラスシリカを250℃未満で使用することで、メソポーラスシリカは長期間、高い除湿能力を維持することができる。
以上のように、本発明の除湿装置は、除湿剤にメソポーラスシリカを用い、加熱装置にPTCヒータを用いることで、除湿ロータの開口面のうち再生用空気を供給するための第2空気流路に面する部分の温度を容易に70℃以上、250℃未満に制御することができるため、長期間、高い除湿能力を維持可能な連続的に除湿ができる除湿装置として利用することができる。
また、本発明の除湿装置の除湿ロータを通過した再生用空気を利用することで、加湿装置として利用することができる。
1 除湿装置
2 除湿ロータ
3 回転軸
4 回転駆動装置
5 第1空気流路
6 除湿ファン
7 第2空気流路
8 再生ファン
9 加熱装置
10a 開口面
10b 開口面
11 基材
12 平型シート
13 波型シート
21 シート
22 吸湿剤
23 結合剤

Claims (13)

  1. 通気性を有しており、かつ、互いに対向する一対の開口面を有する平板状の基材と、結合剤と、前記基材表面上に前記結合剤によって結合される吸湿剤と、を有する除湿ロータと、 前記一対の開口面に対して略垂直に設けられる回転軸を有しており、前記回転軸を中心に前記除湿ロータを回転させる回転駆動装置と、 前記除湿ロータへ向けて除湿用空気を供給するための第1空気流路と、前記第1空気流路内の前記除湿用空気を前記除湿ロータへ向けて流す除湿ファンと、前記除湿ロータへ向けて再生用空気を供給するための第2空気流路と、前記第2空気流路内の前記再生用空気を前記除湿ロータへ向けて流す再生ファンと、前記第2空気流路内に設置されており、前記再生用空気を加熱する加熱装置と、前記回転駆動装置、除湿ファン、再生ファン、及び、加熱装置を制御する制御部と、を有しており、前記吸湿剤はメソポーラスシリカであり、前記加熱装置はPTCヒータであり、前記制御部は、前記除湿ロータの前記開口面のうち前記第2空気流路に面する部分の温度が70℃以上、250℃未満となるように再生ファンと加熱装置とを制御する、除湿装置。
  2. 前記加熱装置が前記再生ファンの風下に設置されている請求項1に記載の除湿装置。
  3. 前記制御部は、前記回転駆動装置による前記除湿ロータの回転数を制御する請求項1に記載の除湿装置。
  4. 前記結合剤は無機系結合剤である請求項1に記載の除湿装置。
  5. 前記無機系結合剤は水系溶媒に分散されたコロイダルシリカである請求項4に記載の除湿装置。
  6. 前記コロイダルシリカはpH8以下の水系溶媒に分散されたコロイダルシリカである請求項5に記載の除湿装置。
  7. 前記基材が無機繊維からなるハニカム構造体である請求項1に記載の除湿装置。
  8. 前記メソポーラスシリカはMCM41である請求項1に記載の除湿装置。
  9. 抗菌剤が前記基材表面もしくは前記吸湿剤表面に前記結合剤により結合されている請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の除湿装置。
  10. 前記抗菌剤は無機系抗菌剤である請求項9に記載の除湿装置。
  11. 有機物分解触媒が前記基材表面もしくは前記吸湿剤表面に前記結合剤により結合されている請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の除湿装置。
  12. 前記有機物分解触媒は白金系触媒を含む請求項11に記載の除湿装置。
  13. 前記有機物分解触媒は遷移金属酸化物を含む請求項12に記載の除湿装置。
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