JP5140278B2 - デシカント材およびこれを用いる空気除湿方法 - Google Patents
デシカント材およびこれを用いる空気除湿方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5140278B2 JP5140278B2 JP2007005785A JP2007005785A JP5140278B2 JP 5140278 B2 JP5140278 B2 JP 5140278B2 JP 2007005785 A JP2007005785 A JP 2007005785A JP 2007005785 A JP2007005785 A JP 2007005785A JP 5140278 B2 JP5140278 B2 JP 5140278B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- moisture
- desiccant material
- zeolite
- desorption
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Central Air Conditioning (AREA)
- Drying Of Gases (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Description
従って、デシカント空調法においては、35〜60℃という低い温度で水分吸着材の脱着・再生が行えると同時に、比較的短い時間で脱着・再生が行える大きな脱着速度を有する水分吸着材が必要とされていた。
(1)膨潤しているセルロース誘導体において、それを構成する高分子物質の内部で水溶性ケイ素化合物及び水溶性アルミニウム化合物、並びに水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれる塩基性物質を反応させることにより得られたセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体の内部に、銀、銅又は亜鉛から選ばれる金属を担持したセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体から構成されるデシカント材。
(2)前記複合体において、ゼオライト結晶の割合が10〜60質量%である前記(1)に記載のセルロース誘導体−無機多孔結晶複合体から構成されるデシカント材。
(3)膨潤しているセルロース誘導体において、それを構成する高分子物質の内部で水溶性ケイ素化合物及び水溶性アルミニウム化合物、並びに水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれる塩基性物質を反応させることにより得られたセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体であって、その内部に銀、銅又は亜鉛から選ばれる金属を担持したセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体からなるデシカント材に、湿潤空気を接触させて水分を吸着除去し、次にこの水分を吸着したデシカント材に温度35〜60℃の空気を作用させて水分を脱着し、デシカント材を再生させ、この工程を繰り返すことを特徴とする湿潤空気の除湿方法。
(4)デシカント材を脱着・再生するための空気が、相対湿度15〜55%の空気であることを特徴とする前記(3)に記載の湿潤空気の除湿方法。
(5)除湿される湿潤空気が、温度15〜40℃、相対湿度40〜100%の空気であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の湿潤空気の除湿方法。
本発明のデシカント材は、銀、銅又は亜鉛を担持したセルロース誘導体と無機多孔質結晶の複合体からなるものである。
デシカント材の吸着・脱着に影響する主要な基礎的物性として、親水性、密度、通気度(多孔性)が挙げられる。これらのうち親水性は水分の吸着しやすさに、密度はデシカント材への水分の吸着量に、通気度(多孔性)は水分の吸着・脱着速度及び有効利用率に関係している。吸着量を大きくするため、密度を大きくすることは、緻密なセルロース繊維のマトリックスを作ることであり、通気度(多孔性)を減少させ、吸着時の水蒸気のマトリックス内部への拡散、また、水蒸気脱着時の水蒸気の外部への拡散を抑制し、吸着・脱着速度の低下とデシカント材の有効利用率の低下をもたらす。しかし、セルロース繊維のマトリックスの間にゼオライトのような多結晶体が入った複合体になると、マトリックスの通気度(多孔性)が大きくなり、水蒸気の内部あるいは外部への浸透速度が改善され、結果として吸着・脱着速度の上昇、デシカント材の有効利用率が大きくなる。また、ゼオライトのような多結晶体自身が有する吸着能が副次的に作用し、デシカント材の水分吸着性能を高めるという効果もある。
即ち、密閉された恒温恒湿チャンバーを用い、実際の使用条件に合わせて、温度20℃、相対湿度95%(水分吸着時)および温度40℃、相対湿度40%(水分脱着時)の条件下に、このチャンバーの中に試験試料のデシカント材またはゼオライトを設置し、48時間放置して各試料の水分量を測定して、それぞれの条件の平衡吸着水分量を求めた。その結果を表1に示す。
デシカント空調における水分の吸着・脱着の実験は既にいろいろ行われているが、その実験条件等が報告者によって種々異なっているため、それぞれの吸着材の吸着・脱着特性を直説比較することができない。しかしながら、これらの過去の実験報告の中ではシリカゲルやゼオライトなどの広く利用されている吸着材の吸着・脱着特性も併せて記載して比較しているので、ここでは各報告におけるシリカゲルの吸着量を基準にして、それぞれの吸着材の水分の吸着量・脱着量がシリカゲルのそれの何倍であるかを求めて、本発明のデシカント材との比較を行った。
吸水性高分子(主にポリアクリル酸類)とゼオライトについては、稲葉英男「吸湿能力2倍以上の新素材」建築設備と配管工事、2006年1月、32〜36頁;スポンジチタンについては、「No.9 高効率デシカント空調機」宮城県環境産業新技術開発等支援事業に記載のデータを用いた。
吸着材として、本発明のデシカント材、シリカゲル、アルミナゲル及びゼオライトを用いて、温度35℃、相対湿度50%の空気を除湿し、その後温度50℃、相対湿度18%の空気で再生した場合の、それぞれの吸着材の水分の吸着量(吸着平衡時と脱着平衡時の吸着水分量の差)を求めた。なお、除湿時の条件(温度35℃、相対湿度50%)は、温度20℃、相対湿度95%の湿潤空気に相当するものである。
本発明のデシカント材については実施例1と同様の方法で実測し、シリカゲル、アルミナゲル及びゼオライトについては、「PEFC排熱駆動デシカント除加湿システムに関する研究」(http//therme.mech.kyuushu-u.ac.jp/pdf/2005/2005-pefe.pdf)に記載されたデータに基づいて算出した。
容器内に吸着材を設置し、吸着材の下部から湿潤空気を装入して除湿する回分式調湿装置を用いて各種の吸着材での吸着量・脱着量を比較した。本発明のデシカント材は、実施例1と同一のもので、大きさが100mm×100mm×20mmのものを設置した。シリカゲル及びゼオライトは、直径が2〜5mmの粒子で、その50グラムを用いた。
試験方法は、温度22℃で相対湿度90%の湿潤空気を吸着材の下部から5分間流通させ、湿潤空気中の水分を吸着させる。その後、直ちに吸着材を試験装置より取り出して水分吸着量を天秤で測定する。その後直ちに吸着材を試験装置に戻し、温度45℃で相対湿度48%の再生用空気を5分間又は1分間流通させて吸着した水分の脱着を行い、その後直ちに吸着材を試験装置より取り出して水分脱着量を天秤で測定する。この操作を吸着量と脱着量が安定するまで繰り返し、使用した吸着材の水分の吸着量と脱着量を求めた。
回転円盤(ローター)型の吸着材を用いた連続式調湿装置による吸着試験を行った。吸着材としては、実施例1のものと同一の本発明のデシカント材またはゼオライト(P社製)を用いた。本発明のデシカント材またはゼオライトからなる直系約200mm×厚さ20mmの円盤(ローター)を調湿装置にセットし、ローターを10rpmの回転速度で回転させた。ローターの除湿部には、温度28.9℃、相対湿度78%の湿潤空気を毎分60Lでその下部から供給した。一方、ローターの再生部には再生用空気を毎分100Lで供給した。再生用空気は、本発明のデシカント材の場合は温度52.2℃、相対湿度24%であり、ゼオライトの場合は温度52.2℃、相対湿度15%であった。
除湿空気出口及び再生空気出口の相対湿度が安定した状態となった状態で、空気流量と相対湿度(絶対湿度に換算)により、単位時間、吸着材単位重量当たりの水分吸着量及び水分脱着量を求めた。その結果を表4に示す。
Claims (5)
- 膨潤しているセルロース誘導体において、それを構成する高分子物質の内部で水溶性ケイ素化合物及び水溶性アルミニウム化合物、並びに水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれる塩基性物質を反応させることにより得られたセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体の内部に、銀、銅又は亜鉛から選ばれる金属を担持したセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体から構成されるデシカント材。
- ゼオライト結晶の割合が10〜60質量%である請求項1に記載のセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体から構成されるデシカント材。
- 膨潤しているセルロース誘導体において、それを構成する高分子物質の内部で水溶性ケイ素化合物及び水溶性アルミニウム化合物、並びに水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれる塩基性物質を反応させることにより得られたセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体であって、その内部に銀、銅又は亜鉛から選ばれる金属を担持したセルロース誘導体−ゼオライト結晶複合体からなるデシカント材に、湿潤空気を接触させて水分を吸着除去し、次にこの水分を吸着したデシカント材に温度35〜60℃の空気を作用させて水分を脱着し、デシカント材を再生させ、この工程を繰り返すことを特徴とする湿潤空気の除湿方法。
- デシカント材を再生させるための空気が、相対湿度15〜55%の空気であることを特徴とする請求項3に記載の湿潤空気の除湿方法。
- 除湿される湿潤空気が、温度15〜40℃、相対湿度40〜100%の空気であることを特徴とする請求項3又は4に記載の湿潤空気の除湿方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007005785A JP5140278B2 (ja) | 2007-01-15 | 2007-01-15 | デシカント材およびこれを用いる空気除湿方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007005785A JP5140278B2 (ja) | 2007-01-15 | 2007-01-15 | デシカント材およびこれを用いる空気除湿方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008168259A JP2008168259A (ja) | 2008-07-24 |
JP5140278B2 true JP5140278B2 (ja) | 2013-02-06 |
Family
ID=39696850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007005785A Expired - Fee Related JP5140278B2 (ja) | 2007-01-15 | 2007-01-15 | デシカント材およびこれを用いる空気除湿方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5140278B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107262048A (zh) * | 2017-05-11 | 2017-10-20 | 海南椰国食品有限公司 | 细菌纤维素复合吸湿剂的低温再生除湿材料 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018194194A (ja) * | 2017-05-12 | 2018-12-06 | カルソニックカンセイ株式会社 | 吸着式冷凍システム、および吸着式冷凍システムを備える車両用の空調装置 |
JP7491739B2 (ja) | 2020-05-27 | 2024-05-28 | 株式会社西部技研 | 抗ウイルス性、抗菌性空調用ハニカムロータ |
CN112503749A (zh) * | 2020-09-27 | 2021-03-16 | 西部技研环保节能设备(常熟)有限公司 | 空调用铜离子溶出剂表面涂层抗菌抗病毒蜂窝转轮 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4666826B2 (ja) * | 2001-07-24 | 2011-04-06 | レンゴー株式会社 | X型ゼオライト−親水性高分子複合体の製造方法 |
JP2004218176A (ja) * | 2003-01-10 | 2004-08-05 | Home Plaza Shinshu:Kk | 消臭調湿性壁紙 |
-
2007
- 2007-01-15 JP JP2007005785A patent/JP5140278B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107262048A (zh) * | 2017-05-11 | 2017-10-20 | 海南椰国食品有限公司 | 细菌纤维素复合吸湿剂的低温再生除湿材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008168259A (ja) | 2008-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006240956A (ja) | 非晶質アルミニウムケイ酸塩、及び非晶質アルミニウムケイ酸塩を有する吸着剤、除湿ロータ及び空調装置 | |
JP4576616B2 (ja) | 中湿度領域において優れた水蒸気吸放湿特性を有する非晶質アルミニウムケイ酸塩 | |
JPH08299745A (ja) | 湿気交換用吸着体 | |
JP6761999B2 (ja) | 非晶質アルミニウムケイ酸塩の造粒体に吸湿性の塩を担持させた水蒸気吸着材 | |
KR20150003716A (ko) | 건조제 기반 허니컴 화학필터 및 그의 제조방법 | |
JP5140278B2 (ja) | デシカント材およびこれを用いる空気除湿方法 | |
JP6147004B2 (ja) | マクロ孔性乾燥剤を含むハニカムマトリックス、そのプロセス及び使用 | |
Rajamani et al. | Bundled-firewood like AlOOH-CaCl2 nanocomposite desiccant | |
JP5392121B2 (ja) | 吸湿剤の製造方法 | |
JP3944233B2 (ja) | 除湿ロータ及びこれを備えたデシカント空調装置 | |
JP2011255331A (ja) | アルミニウムケイ酸塩複合体を基材とした高性能水蒸気吸着剤 | |
JP2015509832A (ja) | 乾燥剤担持ハニカム化学フィルタおよびその製造方法 | |
Chua et al. | Integrating Composite Desiccant and Membrane Dehumidifier to Enhance Building Energy Efficiency | |
JP2001259417A (ja) | 空調装置用吸着材,吸湿素子および除湿方法 | |
JP7169515B2 (ja) | 冷蔵庫用脱臭触媒及びこれを用いた冷蔵庫用脱臭材 | |
JPH09294931A (ja) | 自律的調湿機能を有する多孔質材料 | |
JP2005230797A (ja) | ヒートポンプ用ゼオライトを含む吸着剤およびその製造方法並びにその用途 | |
JP6894094B2 (ja) | 水蒸気吸着材及びその製造方法 | |
JP3793809B2 (ja) | 中空繊維状アルミニウムシリケイトからなる多孔質材料及びその製造方法 | |
JP3869136B2 (ja) | 調湿材料の製造方法 | |
JP3345596B2 (ja) | 湿気交換用吸着体 | |
JP3871174B2 (ja) | 抗菌機能を有する調湿材料の製造方法 | |
JP6656615B2 (ja) | アルミニウムケイ酸塩複合体及びその製造方法 | |
JP2002052337A (ja) | 高湿度条件下において優れた吸水挙動を示す調湿材料 | |
JP2011161357A (ja) | 吸湿剤の製造方法及び吸湿剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20090907 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090908 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20090907 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110705 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110824 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120515 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121023 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121119 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5140278 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |