JP2023044025A - 媒体給送装置、記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ロール状媒体におけるローラー痕の発生を抑制する。
【解決手段】媒体給送装置は、シートが巻き重ねられたロール状媒体を収容する収容部と、前記収容部に配置され、所定の間隔をおいて配置された一対のローラーと、前記一対のローラーに掛け回され、前記一対のローラーの回転に伴って回転する無端環状の給送ベルトと、を備え、前記給送ベルトで前記ロール状媒体の外周面を支持し、前記給送ベルトが回転駆動されることで前記ロール状媒体を回転させて前記シートを給送する。
【選択図】図５Ａ

Description

本発明は、媒体給送装置、及び記録装置に関する。

従来、特許文献１に示すように、駆動ローラーと従動ローラーとでロール体を支持し、駆動ローラーを駆動させることでロール体を回転させて、ロール体から媒体を繰り出す搬送装置が知られている。

特開２０２０－１３２３６４号公報

しかしながら、特許文献１に記載の搬送装置では、ロール体の外周面が駆動ローラー及び従動ローラーに押し当てられる。そのため、例えば、媒体表面にインクの受容層が設けられた専用紙の場合、インク受容層がローラーの圧によって押し潰されてしまう、という課題がある。
媒体の受容層が押し潰されると、その部分の反射率が変化して筋状のローラー痕となり画像品質が低下してしまう。

媒体給送装置は、シートが巻き重ねられたロール状媒体を収容する収容部と、前記収容部に配置され、所定の間隔をおいて配置された一対のローラーと、前記一対のローラーに掛け回され、前記一対のローラーの回転に伴って回転する無端環状の給送ベルトと、を備え、前記給送ベルトで前記ロール状媒体の外周面を支持し、前記給送ベルトが回転駆動されることで前記ロール状媒体を回転させて前記シートを給送する。

記録装置は、上記の媒体給送装置と、前記媒体給送装置から給送されたシートに対して記録を行う記録部と、を備える。

第１実施形態にかかる記録装置の構成を示す斜視図。 第１実施形態にかかる媒体給送装置の構成を示す斜視図。 第１実施形態にかかる媒体給送装置の構成を示す斜視図。 第１実施形態にかかる接触部材の構成を示す斜視図。 第１実施形態にかかる媒体給送装置の構成を示す模式図。 第１実施形態にかかる媒体給送装置の構成を示す模式図。 第２実施形態にかかる媒体給送装置の構成を示す模式図。 第２実施形態にかかる媒体給送装置の構成を示す模式図。

１．第１実施形態
まず、記録装置１０の構成について説明する。本実施形態の記録装置１０は、シリアル記録方式のインクジェットプリンターである。
図１に示すように、記録装置１０は、略直方体状の筐体１１を備える。記録装置１０の筐体１１の＋Ｚ方向となる上面１１Ａには、記録する前の媒体Ｍ（例えば、用紙）をセット可能な給送トレイ１２が設けられる。給送トレイ１２にセットされた媒体Ｍは給送口１３を通じて記録装置１０の筐体１１内へ給送される。給送トレイ１２は、給送口１３に対して開閉可能に構成される。なお、本実施形態の給送トレイ１２は、３段構造を成し、伸縮可能に構成される。

筐体１１の＋Ｙ方向となる前部には、記録装置１０が記録した媒体Ｍを排出する排出口１５と、排出口１５から排出された記録後の媒体Ｍが積載される排出トレイ１６とが設けられる。記録装置１０の筐体１１の前面下部には開閉式のカバー１７が設けられ、記録装置１０の筐体１１内に収容された排出トレイ１６は、閉じられたカバー１７によって覆われる。なお、本実施形態の排出トレイ１６は、３段構造を成し、伸縮可能に構成される。

筐体１１の上面１１Ａには、操作パネル１８が設けられる。操作パネル１８は、電源ボタン等の操作部１９や液晶ディスプレイ等よりなる表示部２０を備える。表示部２０にはメニューや各種のメッセージ等が表示される。記録装置１０は、ホスト装置（図示略）と通信可能に接続され、ホスト装置から記録データを受信すると、給送トレイ１２にセットされた媒体Ｍを給送機構（図示略）により給送し、その給送された媒体Ｍに記録データに基づく画像を記録する記録動作を行う。

筐体１１内には、媒体Ｍにインク等の液体を吐出する記録部としての記録ヘッド２１と、記録ヘッド２１を搭載するキャリッジ２２とを備える。キャリッジ２２は媒体Ｍの搬送方向に直交するＸ軸（走査方向）に沿った方向に往復移動する。キャリッジ２２が走査方向に沿って移動する過程で記録ヘッド２１が液滴を吐出して１パス分の記録を行う記録動作と、次の記録位置まで媒体Ｍを搬送する搬送動作とを交互に行うことで、媒体Ｍや後述のロール状媒体ＭＡのシートＭＢに画像や文書等が記録される。

また、筐体１１内には、記録に用いられる液体を収容するインクカートリッジ等の液体収容体を着脱可能に装着される装着部（いずれも図示略）が設けられる。なお、液体収容体が、キャリッジ２２とは別の位置に配置されるオフキャリッジタイプであってもよいし、液体収容体がキャリッジ２２に着脱可能に搭載されるオンキャリッジタイプであってもよい。また、記録装置１０は、シリアル記録方式に限定されず、記録ヘッド２１が媒体Ｍの最大幅の全域に亘り配置された長尺状のラインヘッドであり、媒体Ｍの幅全域に一斉に液滴を吐出可能なライン記録方式であってもよい。

本実施形態の記録装置１０は、長尺のシートＭＢがロール状に巻き重ねられたロール状媒体ＭＡに対して記録可能に構成される。具体的には、図２に示すように、記録装置１０の筐体１１の－Ｙ方向となる後部に、ロール状媒体ＭＡを収容し、シートＭＢを給送する媒体給送装置１００が配置される。媒体給送装置１００にセットされたロール状媒体ＭＡは、筐体１１内にシートＭＢとして給送され、給送されたシートＭＢは記録データに基づく画像が記録される。
なお、媒体給送装置１００は、記録装置１０に対して着脱可能な構成であってもよいし、記録装置１０と一体化した構成であってもよい。
以下、媒体給送装置１００の構成について説明する。

図２、図３及び図４に示すように、媒体給送装置１００は、ロール状媒体ＭＡを収容する収容部１１０と、収容部１１０内に配置され、Ｙ軸方向に所定の間隔をおいて配置された一対のローラー１２０と、一対のローラー１２０に掛け回され、一対のローラー１２０の回転に伴って回転する無端環状の給送ベルト１４０と、を備える。

媒体給送装置１００は筐体１０１を備え、収容部１１０は、筐体１０１内に配置される。収容部１１０内においてロール状媒体ＭＡは、ロール状媒体ＭＡの長手方向（ロール軸方向）がＸ軸に沿った方向に倣って収容される。

一対のローラー１２０は、収容部１１０の下部に配置される。本実施形態の一対のローラー１２０は、第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとで構成される。第１ローラー１２０ａの直径と第２ローラー１２０ｂの直径は同じ寸法である。第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂの各軸はＸ軸に沿った方向に配置される。第１ローラー１２０ａは、第２ローラー１２０ｂの＋Ｙ方向に配置される。第１ローラー１２０ａは、軸方向に複数配置される。第２ローラー１２０ｂも同様に、軸方向に複数配置される。第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂは、水平方向において、支持されるロール状媒体ＭＡの軸心を挟むように配置される（図５Ａ）。

給送ベルト１４０は、ゴム材であり、第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとに張架される。給送ベルト１４０はロール状媒体ＭＡの外周面と接触し、ロール状媒体ＭＡを支持する。給送ベルト１４０はゴム材に限らず、ゴム材と同等の表面摩擦、柔軟性を有する部材であればよい。
第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂのうち、少なくとも一方が駆動ローラーであり、当該駆動ローラーの駆動により、給送ベルト１４０が回転駆動されることでロール状媒体ＭＡが回転する。本実施形態では、第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂの双方が駆動ローラーである。そして、ロール状媒体ＭＡの回転に伴って繰り出されたシートＭＢが、記録装置１０の筐体１１内に給送される。

また、収容部１１０には、収容されたロール状媒体ＭＡの長手方向端部を挟持可能なエッジガイド１１２を備える。エッジガイド１１２は、収容部１１０の下部の－Ｘ方向側と＋Ｘ方向側とに設けられる。エッジガイド１１２は、収容部１１０の下部から＋Ｚ方向に凸状を有するガイド部を有する。エッジガイド１１２は、給送ベルト１４０に支持されるロール状媒体ＭＡを挟み込むようにロール状媒体ＭＡの長手方向の両端部に接触することによって、ロール状媒体ＭＡの支持位置を規定する。
エッジガイド１１２は、Ｘ軸に沿った方向に移動可能であり、支持するロール状媒体ＭＡの長手方向の各種サイズに対応することができる。

また、媒体給送装置１００の収容部１１０には、給送ベルト１４０に支持されたロール状媒体ＭＡの外周面に接触する接触部材１３０が配置される。接触部材１３０は、ロール状媒体ＭＡの外周面が給送ベルト１４０に支持される位置とは反対の位置からロール状媒体ＭＡの外周面に接触する。本実施形態では、ロール状媒体ＭＡの下部の外周面が給送ベルト１４０に支持され、ロール状媒体ＭＡの上部の外周面が接触部材１３０に接触する（図５Ａ）。

接触部材１３０は、上下方向に変位可能であり、収容部１１０に収容されたロール状媒体ＭＡを上方から押さえる。接触部材１３０は、筐体１０１の－Ｙ方向端部から＋Ｙ方向に向けて突出した部材である。接触部材１３０は、収容されるロール状媒体ＭＡの外形に倣って円弧状（アーチ状）の本体部１３１を有する。これにより、接触部材１３０が上方からロール状媒体ＭＡを押さえる際に、接触部材１３０とロール状媒体ＭＡとの干渉を防ぐことができる。
また、接触部材１３０はＸ軸に沿って複数（本実施形態では３つ）備える。各接触部材１３０は等間隔に配置される。これにより、ロール状媒体ＭＡを確実に押さえることができる。

図４、図５Ａ及び図５Ｂに示すように、接触部材１３０（本体部１３１）の一端側の－Ｙ方向端部には、Ｘ軸に沿った方向に延在する回動軸１３２を備える。接触部材１３０（本体部１３１）の他端側の＋Ｙ方向端部は、回動軸１３２を回動中心として回動して上下方向に変位してロール状媒体ＭＡに接触する。

接触部材１３０は、ロール状媒体ＭＡの外径の変化に追従して変位してロール状媒体ＭＡの外周面に接触する。接触部材１３０（本体部１３１）に対して下方に向かう力を付与する付与部材１３３を備える。付与部材１３３は、捩りばねやコイルばね等である。本実施形態の付与部材１３３は捩りばね（ダブルトーションばね）であり、固定端は筐体１０１の－Ｙ方向端部に固定され、自由端は、本体部１３１の上面に配置される。これにより、接触部材１３０（本体部１３１）が下方に向かう力が付与され、ロール状媒体ＭＡの外径の変化に応じて確実にロール状媒体ＭＡを押さえることができる。また、接触部材１３０は、ロール状媒体ＭＡを上方から下方に向けて付勢するため、給送ベルト１４０への圧力が高まり、ロール状媒体ＭＡへの回転力を確保することができる。

本体部１３１の＋Ｙ方向端部には、ローラー１３５を備える。本実施形態では、２つのローラー１３５を備える。ローラー１３５は、ホルダー１３４に保持され、ホルダー１３４が本体部１３１の先端部に配置される。ローラー１３５は、Ｘ軸に沿った方向に延在する軸を有し、従動回転する。ローラー１３５がロール状媒体ＭＡの外周面に接触した状態で接触部材１３０が下方に押圧することで、ロール状媒体ＭＡへの損傷を抑制することができる。

また、各接触部材１３０は、軸材１３６によって連結される。本体部１３１の＋Ｙ方向端部側に通し穴１３７が設けられ、当該通し穴１３７に棒状の軸材１３６を貫通させることで、３つの接触部材１３０が連結される。これにより、３つの接触部材１３０が一体で動作するため、例えば、収容部１１０にロール状媒体ＭＡを収容する際、容易に全接触部材１３０を上方に変位させることができ、作業性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、接触部材１３０は、付与部材１３３により下方に向かう力を付与させたが、この構成に限定されず、接触部材１３０の自重で下方に変位可能に構成してもよいし、重りを設けて接触部材１３０を下方に変位可能に構成してもよい。

図５Ａ及び図５Ｂに示すように、一対のローラー１２０が時計回転方向に回転駆動すると、これに連動して給送ベルト１４０が時計回転方向に回転駆動する。これにより、給送ベルト１４０に支持されたロール状媒体ＭＡが反時計回りに回転し、ロール状媒体ＭＡから繰り出されたシートＭＢが記録装置１０の筐体１１内に給送される。
ここで、例えば、一対のローラー１２０で直にロール状媒体ＭＡを支持する場合、ロール状媒体ＭＡの外周面に第１及び第２ローラー１２０ａ，１２０ｂが直接接触するため、ロール状媒体ＭＡにローラー痕が付いてしまう虞がある。例えば、シートＭＢとして表面にインクの受容層が設けられた専用紙を用いた場合、第１及び第２ローラー１２０ａ，１２０ｂが接触した部分ではインク受容層が潰れ、第１及び第２ローラー１２０ａ，１２０ｂが接触しない部分と比較して反射率が異なってしまい、画像品質が低下する。
そこで、本実施形態では、給送ベルト１４０を用いることによりロール状媒体ＭＡの外周面に対して面接触する。すなわち、ロール状媒体ＭＡに対して支持する接触面積をより大きくすることができる。これにより、ロール状媒体ＭＡに対する回転力（搬送力）を確保しつつ、ロール状媒体ＭＡに対する接触圧を低減することができ、ロール状媒体ＭＡに対するローラー痕の発生を抑制することができる。そして、ローラー痕等の無いシートＭＢに対して記録を行うことで画像品質を向上させることができる。

また、媒体給送装置１００では、給送ベルト１４０における一対のローラー１２０の間（第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとの間）の領域でロール状媒体ＭＡを支持し、給送ベルト１４０における一対のローラー１２０（第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂ）の位置ではロール状媒体ＭＡは支持されない。すなわち、ロール状媒体ＭＡは、給送ベルト１４０における給送ベルト１４０と一対のローラー１２０（第１ローラー１２０ａ，第２ローラー１２０ｂ）とが接触する部分以外の部分で支持される。給送ベルト１４０と一対のローラー１２０（第１ローラー１２０ａ，第２ローラー１２０ｂ）とが接触する部分以外の部分は、張架された給送ベルト１４０においてＺ軸に沿った方向により大きな弾性力を得られる部分（領域）である。本実施形態では、ロール状媒体ＭＡの残量が多い状態（図５Ａ）及びロール状媒体ＭＡの使用（給送）が進み、ロール径が小さくなった状態（図５Ｂ）において、いずれもロール状媒体ＭＡは、給送ベルト１４０における一対のローラー１２０の間の領域で支持される。これにより、給送ベルト１４０に支持されたロール状媒体ＭＡに対して、一対のローラー１２０の圧力を受けにくくなるため、支持されるロール状媒体ＭＡへのローラー痕の発生をより抑制することができる。

なお、一対のローラー１２０のＹ軸に沿った方向の寸法（第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとの間隔）は、使用するロール状媒体ＭＡの大きさや重量によって適宜設定可能である。また、給送ベルト１４０のＸ軸に沿った方向の寸法は、使用するロール状媒体ＭＡのＸ軸に沿った方向の寸法よりも、短くてもよいし、長くてもよく、適宜設定可能である。また、給送ベルト１４０は、１本でも良いし、複数本をＸ軸に沿って並列させた構成であってもよい。
また、給送ベルト１４０に張力を付与するテンションローラーを備えた構成であってもよい。

２．第２実施形態
次に、第２実施形態について説明する。なお、第１実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。

図６Ａ及び図６Ｂに示すように、本実施形態の媒体給送装置１００Ａでは、一対のローラー１２０は、第１の位置Ｐｔ１と、第１の位置Ｐｔ１よりも上昇した第２の位置Ｐｔ２に変位可能である。また、第１の位置Ｐｔ１から第２の位置Ｐｔ２への変位は段階的に変位する。本実施形態では、ロール状媒体ＭＡの使用状態により重量が軽くなるにつれて、一対のローラー１２０が第１の位置Ｐｔ１から徐々に上方に変位する。第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂの各軸には、第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂを上方に付勢するバネが配置される。そして、給送ベルト１４０に支持されたロール状媒体ＭＡの重量が軽くなるに従ってバネ力によって第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂが上方に変位する。また、バネにより、一対のローラー１２０における第１の位置Ｐｔ１から第２の位置Ｐｔ２への変位を徐々に行うことができる。なお、ラック・ピニオン等の機構を用いて一対のローラー１２０の位置を変位させる構成であってもよい。

また、媒体給送装置１００Ａでは、収容部１１０に収容されたロール状媒体ＭＡから導出されたシートＭＢに対して上方から接触するローラー１６０を備える。ローラー１６０は、シートＭＢを記録装置１０の筐体１１内に給送するための給送経路を形成する。そして、ロール状媒体ＭＡからシートＭＢが剥離される位置（剥離位置Ｐｓ１）と、ローラー１６０のシートＭＢに接触する位置（接触位置Ｐｓ２）と、を結ぶ直線と、水平面とで成す角度θが、ロール状媒体ＭＡの外径の変化によらず一定である。なお、角度θが一定とは、数度の角度の違いは許容範囲内である。一対のローラー１２０は、ロール状媒体ＭＡのロール径が小さくになるにつれて上方に変位する。これに連動し、ロール状媒体ＭＡも上方に移動する。このため、剥離位置Ｐｓ１はほぼ一定の位置となる。ローラー１６０は固定されて配置される。これにより、ロール状媒体ＭＡの使用状態に因らず、角度θはほぼ一定に保持される。従って、シートＭＢを安定した状態で給送することができる。

また、媒体給送装置１００Ａでは、給送ベルト１４０の、一対のローラー１２０の間に配置された対向する２つの領域のうち、ロール状媒体ＭＡの外周面を支持する領域とは反対の領域で、給送ベルト１４０に張力を付与するテンションローラー１５０を備える。テンションローラー１５０は、第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとの間に配置され、掛け回された給送ベルト１４０の内周面１４０ａに接触する。テンションローラー１５０は、Ｘ軸に沿った方向に沿った軸を備える。テンションローラー１５０の位置は固定される。テンションローラー１５０の直径は、第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂの直径よりも小さい。第１の位置Ｐｔ１では、テンションローラー１５０は、一対のローラー１２０よりもやや下方に配置される（図６Ａ）。これにより、給送ベルト１４０に対して確実に張力を付与することができる。一方、第２の位置Ｐｔ２では、一対のローラー１２０は、テンションローラー１５０に対して上方に変位する（図６Ｂ）。これにより、テンションローラー１５０によって給送ベルト１４０の張力が高まり、ロール状媒体ＭＡに対する給送ベルト１４０の回転力（搬送力）を高めることができ、軽量化したロール状媒体ＭＡを確実に回転させることができる。なお、図６Ｂにおける一対のローラー１２０の第２の位置Ｐｔ２は、一例であり、ロール状媒体ＭＡの使用が進み、さらに軽量化すれば、第２の位置Ｐｔ２は、さらに上方に変位する。

本実施形態では、テンションローラー１５０が回転駆動されることで給送ベルト１４０を回転駆動する。第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂは、給送ベルト１４０の回転により従動回転する。テンションローラー１５０は、一対のローラー１２０に対して移動しないので給送ベルト１４０に対して安定した駆動力を付与することができ、給送ベルト１４０を安定して回転駆動させることができる。

また、第２の位置Ｐｔ２における一対のローラー１２０の互いの距離は、第１の位置Ｐｔ１における一対のローラー１２０の互いの距離よりも狭い。具体的には、第２の位置Ｐｔ２における第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとのＹ軸に沿った方向の距離は、第１の位置Ｐｔ１における第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとのＹ軸に沿った方向の距離よりも狭い。第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂの各軸は、第１ローラー１２０ａと第２ローラー１２０ｂとの距離が短くなるように斜め上方に向かうように配置されたガイド部材に勘合され、バネ力によって第１ローラー１２０ａ及び第２ローラー１２０ｂは、斜め上方に変位する。第２の位置Ｐｔ２において、一対のローラー１２０の互いの距離は狭くなり、また、給送ベルト１４０はテンションローラー１５０によって張力が保持される。これにより、第２の位置Ｐｔ２においてロール状媒体ＭＡが給送ベルト１４０上でＹ軸に沿った方向に移動する範囲が規制され、ロール状媒体ＭＡのばたつきを抑制することができる。

図６Ａに示すように、第１の位置Ｐｔ１では、給送ベルト１４０における一対のローラー１２０の間の領域でロール状媒体ＭＡの外周面を支持する。すなわち、未使用状態や使用量が少ない状態のロール状媒体ＭＡは、給送ベルト１４０における給送ベルト１４０と一対のローラー１２０（第１ローラー１２０ａ、第２ローラー１２０ｂ）とが接触する部分以外の部分であり、張架された給送ベルト１４０の弾性力を得られる部分（領域）で支持される。これにより、ロール状媒体ＭＡへのローラー痕の発生を抑制することができる。
また、図６Ｂに示すように、第２の位置Ｐｔ２では、給送ベルト１４０における一対のローラー１２０の位置とその間の領域とでロール状媒体ＭＡの外周面を支持する。すなわち、使用（給送）が進み、ロール径が小さくなった（軽量化した）状態のロール状媒体ＭＡは、給送ベルト１４０における給送ベルト１４０と一対のローラー１２０（第１ローラー１２０ａ、第２ローラー１２０ｂ）とが接触する部分を含む部分（領域）で支持される。これにより、第２の位置Ｐｔ２においてロール状媒体ＭＡが給送ベルト１４０上でＹ軸に沿った方向に移動する範囲が規制され、ロール状媒体ＭＡのばたつきを確実に抑制することができる。なお、ロール径が小さくなった状態のロール状媒体ＭＡは、重量が軽い状態なので、一対のローラー１２０によるローラー痕の影響は少ない。なお、第２の位置Ｐｔ２では、給送ベルト１４０における一対のローラー１２０の位置ではロール状媒体ＭＡの外周面を支持せずに、一対のローラー１２０の間の領域だけでロール状媒体ＭＡの外周面を支持してもよい。この構成でも第１の位置Ｐｔ１よりもＹ軸方向の一対のローラー１２０の互いの距離が狭くなるので、ロール状媒体ＭＡが給送ベルト１４０上でばたつくことを抑制することができる。

また、本実施形態の接触部材１３０は、ロール状媒体ＭＡの外径の変化によらず一定の位置でロール状媒体ＭＡの外周面に接触する。接触部材１３０は、ロール状媒体ＭＡの上部の外周面に接触する。一対のローラー１２０は、ロール状媒体ＭＡのロール径が小さくなるにつれて上方に変位する。ロール状媒体ＭＡは、一対のローラー１２０の上方への変位に連動して上方に変位する。このため、ロール状媒体ＭＡの外周面に接触する接触部材１３０のローラー１３５のＺ軸に沿った方向の位置はほぼ一定となる。これにより、ロール状媒体ＭＡに対する接触部材１３０の接触状態が安定し、一定の押圧でロール状媒体ＭＡを付勢できる。

以上、本実施形態によれば、ロール状媒体ＭＡの使用状態に応じて一対のローラー１２０が第１の位置Ｐｔ１から第２の位置Ｐｔ２に変位するので、ロール状媒体ＭＡとロール状媒体ＭＡから繰り出されるシートＭＢの給送経路の位置関係が一定に維持され、シートＭＢを安定して給送することができる。
なお、本実施形態では、第２の位置Ｐｔ２において、一対のローラー１２０の互いの距離が第１の位置Ｐｔ１における一対のローラー１２０間の距離よりも狭くなるように上方に変位させたが、この構成に限定されない。例えば、テンションローラー１５０が省略され、第１の位置Ｐｔ１と第２の位置Ｐｔ２とで一対のローラー１２０の互いの距離が等しい構成であってもよい。この場合、一対のローラー１２０のうち、一方を駆動ローラーとする。このようにしても、シートＭＢの給送経路を一定に維持させることができる。

１０…記録装置、１１…筐体、２１…記録ヘッド、２２…キャリッジ、１００，１００Ａ…媒体給送装置、１０１…筐体、１１０…収容部、１２０…一対のローラー、１２０ａ…第１ローラー、１２０ｂ…第２ローラー、１３０…接触部材、１３１…本体部、１３２…回動軸、１３３…付与部材、１３４…ホルダー、１３５…ローラー、１４０…給送ベルト、１４０ａ…内周面、１５０…テンションローラー、１６０…ローラー、ＭＡ…ロール状媒体、ＭＢ…シート、Ｐｔ１…第１の位置、Ｐｔ２…第２の位置、Ｐｓ１…剥離位置、Ｐｓ２…接触位置。

Claims (13)

1. シートが巻き重ねられたロール状媒体を収容する収容部と、
   前記収容部に配置され、所定の間隔をおいて配置された一対のローラーと、
   前記一対のローラーに掛け回され、前記一対のローラーの回転に伴って回転する無端環状の給送ベルトと、を備え、
   前記給送ベルトで前記ロール状媒体の外周面を支持し、前記給送ベルトが回転駆動されることで前記ロール状媒体を回転させて前記シートを給送する、ことを特徴とする媒体給送装置。
2. 請求項１に記載の媒体給送装置であって、
   前記給送ベルトにおける前記一対のローラーの間の領域で前記ロール状媒体を支持し、前記給送ベルトにおける前記一対のローラーの位置では前記ロール状媒体は支持されない、ことを特徴とする媒体給送装置。
3. 請求項１または請求項２に記載の媒体給送装置であって、
   前記収容部に、前記ロール状媒体の外周面が前記給送ベルトに支持される位置とは反対の位置から、前記ロール状媒体の外周面に接触する接触部材を有する、ことを特徴とする媒体給送装置。
4. 請求項３に記載の媒体給送装置であって、
   前記接触部材は、前記ロール状媒体の外径の変化に追従して変位して前記ロール状媒体の外周面に接触する、ことを特徴とする媒体給送装置。
5. 請求項１に記載の媒体給送装置であって、
   前記一対のローラーは、第１の位置と、前記第１の位置よりも上昇した第２の位置と、に変位可能である、ことを特徴とする媒体給送装置。
6. 請求項５に記載の媒体給送装置であって、
   前記給送ベルトの、前記一対のローラーの間に配置された対向する２つの領域のうち、前記ロール状媒体の外周面を支持する領域とは反対の領域で、前記給送ベルトに張力を付与するテンションローラーを備える、ことを特徴とする媒体給送装置。
7. 請求項６に記載の媒体給送装置であって、
   前記テンションローラーが回転駆動されることで前記給送ベルトを回転駆動する、ことを特徴とする媒体給送装置。
8. 請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の媒体給送装置であって、
   前記第２の位置における前記一対のローラーの互いの距離は、前記第１の位置における前記一対のローラーの互いの距離よりも狭い、ことを特徴とする媒体給送装置。
9. 請求項５から請求項８のいずれか一項に記載の媒体給送装置であって、
   前記第１の位置では、前記給送ベルトにおける前記一対のローラーの間の領域で前記ロール状媒体の外周面を支持し、
   前記第２の位置では、前記給送ベルトにおける前記一対のローラーの位置とその間の領域とで前記ロール状媒体の外周面を支持する、ことを特徴とする媒体給送装置。
10. 請求項５から請求項９のいずれか一項に記載の媒体給送装置であって、
    前記第１の位置から前記第２の位置への変位は段階的に変位する、ことを特徴とする媒体給送装置。
11. 請求項５から請求項１０のいずれか一項に記載の媒体給送装置であって、
    前記収容部に、前記ロール状媒体の外周面が前記給送ベルトに支持される位置とは反対の位置から、前記ロール状媒体の外周面に接触する接触部材を有し、
    前記接触部材は、前記ロール状媒体の外径の変化によらず一定の位置で前記ロール状媒体の外周面に接触する、ことを特徴とする媒体給送装置。
12. 請求項５から請求項１１のいずれか一項に記載の媒体給送装置であって、
    前記収容部に収容された前記ロール状媒体から導出された前記シートに対して上方から接触するローラーを備え、
    前記ロール状媒体から前記シートが剥離される位置と、前記ローラーの前記シートに接触する位置と、を結ぶ直線と、水平面とで成す角度が、前記ロール状媒体の外径の変化によらず一定である、ことを特徴とする媒体給送装置。
13. 請求項１から請求項１２のいずれか一項に記載の媒体給送装置と、
    前記媒体給送装置から給送されたシートに対して記録を行う記録部と、を備えた記録装置。

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