JP2023095336A - シート供給装置および記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 簡単な構成でロールからシートを供給できるシート供給装置を提供する。【解決手段】 本発明のシート供給装置は、シートが巻回されたロールを回転可能に支持する支持部と、ロールを装着する際に前記支持部の上方から前記支持部までロールを案内方向に案内する案内部と、を備え、前記支持部で支持されたロールからシートを供給するシート供給装置であって、前記支持部で支持されたロールの外周面に当接する当接手段を備え、前記当接手段は前記案内方向の上流側からロールに当接することを特徴とする。【選択図】 図８

Description

本発明は、ロールからシートを供給するシート供給装置および記録装置に関するものである。

シートが巻回されたロールからシートを供給するシート供給装置では、シートを供給する際にロールが装着位置から移動しないようにする必要がある。特許文献１の記録装置では、ロールを着脱可能に支持する支持部と、支持部までロールを案内する案内部と、ロールの回転軸の移動を阻害する移動阻害部を備えていることが記載されている。この記録装置では、移動阻害部が案内部における案内経路に突出することでロールが支持部から移動しないようになっている。

特開２０１８－１７１７３３号公報

しかし、移動阻害部はロールを脱着する際にカバーと連動して回動する構成である。このため移動阻害部が退避するスペースを必要とし、移動阻害部も複雑な構成となっている。本発明の目的は、簡単な構成でロールからシートを供給できるシート供給装置を提供することである。

本発明のシート供給装置は、シートが巻回されたロールを回転可能に支持する支持部と、ロールを装着する際に前記支持部の上方から前記支持部までロールを案内方向に案内する案内部と、を備え、前記支持部で支持されたロールからシートを供給するシート供給装置であって、前記支持部で支持されたロールの外周面に当接する当接手段を備え、前記当接手段は前記案内方向の上流側からロールに当接することを特徴とする。

本発明によれば、簡単な構成でロールからシートを供給できるシート供給装置を提供することができる。

記録装置の全体を示す斜視図である。 記録装置の内部の構成を示す図である。 インクを収容する容器の構成を示す図である。 記録装置の主要構成を示す模式図である。 記録装置の制御に関する構成を示すブロック図である。 スプールユニットと支持ユニットの構成を示す斜視図である。 スプールユニットが支持ユニットに装着された状態を示す斜視図である。 ロールセット部の断面図である。 ニップローラユニットの構成を示す側面図である スプールギアと支持ユニットを構成する部品の配置を示す断面図である。 スプールギアが受ける力を示す図である。 ニップローラユニットの有無を比較する図である。 ニップローラユニットとロールの関係を示す上面図である。 ロールの外径が変化したときの様子を説明する図である。

［実施形態］
以下、図面を参照して実施形態を説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する場合がある。

なお、実施形態において記録には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、シート上に画像、模様、パターン等を形成する場合も含まれる。実施形態ではシートとして紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。また、本発明はインクジェット方式以外の電子写真方式の記録装置にも適用可能である。

＜記録装置＞
図１は記録装置の全体を示す斜視図である。記録装置１は、液体であるインクを吐出してシートに記録を行うインクジェット記録装置である。図中、矢印Ｘ及びＹは互いに直交する水平方向を示し、矢印Ｚは鉛直方向を示している。Ｘ方向は装着されるロールの幅方向である。Ｙ方向は記録装置１の背面から前面に向かう方向である。

記録装置１は、全体として扁平な直方体形状を有し、主要な構成が含まれる本体部２と、複数のカバーで構成されるカバー部３とを備える。カバー部３は、本体部２の上部に設けられ、ロールを覆うための給送カバー３０１、記録装置１の内部のメンテナンス作業を行うためのアクセスカバー３０２、記録装置１のタンクを覆うタンクカバー３０３を含む。また、記録装置１には、原稿の画像を読み取る読取装置（スキャナユニット）３ａが設けられており、読取装置３ａ全体がアクセスカバー３０２と同様に回動して記録装置１の内部のメンテナンス作業を行うことも可能である。給送カバー３０１と読取装置３ａは、記録装置１のシートを供給する方向である背面から前面に向けたＹ方向に並んでいる。

記録装置１の前面側には画像が記録されたシートを排出する排出ユニット１０が設けられている。記録装置１の前面で排出ユニット１０の上方にユーザの操作を受け付ける操作ユニット３６が設けられている。操作ユニット３６は、タッチパネル形式の表示部を含み、ユーザの入力操作を受け付けるほか、各種情報をユーザに表示する。

図２は記録装置の内部の構成を示す図である。記録装置１は、液体を吐出する記録ヘッド４を備える。記録ヘッド４はインクを収容する容器５（Ｙ：イエロー、Ｍ：マゼンダ、Ｃ：シアン、Ｂｋ：ブラック）から供給されるインクをシートに吐出して記録を行う。記録ヘッド４は、インクを吐出する複数のノズルが形成された吐出面を有している。各ノズルは、電気熱変換素子（ヒータ）が設けられ、通電による加熱でインクを吐出することができる。なお、ノズルは、ピエゾ素子が設けられる構成であっても良い。

記録ヘッド４は、キャリッジ６に搭載され、駆動ユニットによってＸ方向に往復移動する。駆動ユニットは、Ｘ方向に離間して配置された駆動プーリ及び従動プーリ７ｂと、これらのプーリに巻き回された無端ベルト７ｃと、駆動プーリを回転させる駆動手段であるキャリッジモータ７ａ（図５）とを備える。キャリッジ６は無端ベルト７ｃに連結されており、キャリッジモータ７ａによって無端ベルト７ｃを移動させることで、キャリッジ６がＸ方向に往復移動できる。キャリッジ６が移動する過程で記録ヘッド４からインクをシートに吐出させる吐出動作によってシートに画像が記録される。記録装置１は、往復移動するキャリッジ６に記録ヘッド４が搭載されたシリアル型のインクジェット記録装置である。なお、シートの幅に相当する領域に液体を吐出する複数のノズルが設けられたフルラインヘッドの記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置にも適用可能である。

図３はインクを収容する容器の構成を示す図である。図３（ａ）は各色のインクの容器５および記録ヘッド４を示す斜視図である。各容器５は対応する供給チューブ１４によって記録ヘッド４と接続している。図３（ｂ）は容器５の構造の模式図である。容器５は、インクを収容する収容部５４と、気液交換部５２と、バッファ室５３とを備える。バッファ室５３は、収容部５４から押し出されたインクを収容することができる。容器５の上部にはインクを補充するための注入部５１が設けられている。注入部５１はキャップ部１２０で閉塞されているため、インクを補充する際ユーザはキャップ部１２０を注入部５１から取り外してインクの補充作業を行う。キャップ部１２０は各色の容器５に設けられている。

容器５は通路１４ａおよび通路１５ａと連通している。通路１４ａは、容器５の収容部５４から記録ヘッド４へインクを供給するインク供給路であり、可撓性チューブである供給チューブ１４により形成される。通路１５ａは、容器５のバッファ室５３を大気に連通させる大気連通路であり、可撓性チューブである大気連通チューブ１５により形成される。バルブ１６は通路１４ａおよび通路１５ａを開閉する。

気液交換部５２は、記録ヘッド４の吐出面４ａよりも高さＨだけ低い位置に設けられ、吐出面４ａに高さＨ分の水頭差による負圧をかけることができる。記録動作の際、記録ヘッド４へインクを供給するため通路１４ａ及び通路１５ａはいずれも開放しておく必要がある。一方、容器５にインクを補充する場合、通路１４ａ及び通路１５ａはいずれも閉塞しておく必要がある。バルブ１６は、タンクアクセスカバー３０３とタンクカバー部１３の移動に連動して開閉する。

回復ユニット１１は、記録ヘッド４からのインクの吐出性能を維持するための機構であり、キャリッジ６の移動範囲の一端に配置される。回復ユニット１１は、記録ヘッド４の吐出面４ａを覆うキャップ１１ａと、キャップ１１ａを介して記録ヘッド４からインクを吸引するためのポンプ１１ｂ等を備える。キャップ１１ａは、不図示の機構によって吐出面４ａを覆う位置と、吐出面４ａから離間した位置に変位可能である。キャップ１１ａによって吐出面４ａを覆うことで（キャッピング）、キャップ１１ａの乾燥を抑制できる。また、キャップ１１ａによって吐出面４ａをキャッピングした状態でポンプ１１ｂを作動させることにより、記録ヘッド４に付着している増粘インクの除去および通路１４ａや記録ヘッド４にインクを充填ができる。通路１４ａや記録ヘッド４にインクが充填された状態で記録動作を行うと、記録ヘッド４からインクを吐出した分だけ容器５からインクが供給される。

図４は記録装置の主要構成を示す模式図である。記録装置１は、給送ユニット８、搬送ユニット９、キャリッジ６、排出ユニット１０を備える。給送ユニット８は、長尺の連続シートＳが巻回されたロールＲからシートＳを供給する。給送ユニット８は、ロールセット部２８、ロールセット部２８から供給されたシートＳを搬送ユニット９までガイドするガイド８ａを含む。ロールセット部２８は、ニップローラユニット２０と、ロールＲを回転駆動する駆動手段の一部である給送モータ８ｂ（図５）を備える。

搬送ユニット９は給送ユニット８から給送されるシートＳを搬送方向（Ｙ方向）に搬送する搬送手段である。搬送ユニット９は搬送ローラ９ａと、搬送ローラ９ａを回転させる駆動手段の一部である搬送モータ９ｂ（図５）を備える。搬送ローラ９ａはピンチローラ９ｃが圧接することでニップ部を形成する。シートＳはニップ部で挟持され、搬送ローラ９ａの回転によってプラテン９ｄまで送られる。シートＳへの画像を記録する記録動作は、搬送ユニット９によるシートＳの搬送動作と、走査方向（Ｘ方向）に移動しながらインクを吐出する吐出動作とを交互に繰り返すことで行われる。排出ユニット１０は、排出ローラ１０ａ、拍車１０ｂおよびカッター１０ｃを備える。記録ヘッド４で画像が記録されたシートＳは、排出ローラ１０ａと拍車１０ｂによってカッター１０ｃまで搬送される。搬送されたシートＳをカッター１０ｃで切断すると、シートＳは記録装置１から排出される。なお、記録装置１は、トレイ１２ｂに載置されたカットシートを、給送ローラ１２ａで給送する第２の給送ユニット１２を備えている。トレイ１２ｂに載置されたカットシートは、記録ヘッド４によって画像が記録される。カットシートに画像を記録する場合、カッター１０ｃによるカットシートの切断は行わない。

図５は記録装置の制御に関する構成を示すブロック図である。制御ユニット３０は、ＭＰＵ３１、各種のドライバ３４、記憶デバイス３２、ＩＦ部３３を含む。ＭＰＵ３１は、記録装置１の各動作の制御およびデータの処理などを制御するプロセッサである。ＭＰＵ３１は記憶デバイス３２に記憶されたプログラムを実行して記録装置１の制御を行う。記憶デバイス３２には、ＲＯＭ、ＲＡＭが含まれる。記憶デバイス３２は、ＭＰＵ３１が実行するプログラムに加え、ホストコンピュータ１００から受信したデータ、処理に必要な各種のデータを格納することができる。

ＭＰＵ３１は、ドライバ３４ａを介して記録ヘッド４、ドライバ３４ｂを介してキャリッジモータ７ａを制御して、吐出動作を実行する。また、ＭＰＵ３１は、ドライバ３４ｃを介して搬送モータ９ｂ、ドライバ３４ｄを介して給送モータ８ｂを制御して、搬送動作を実行する。ＭＰＵ３１は、記録装置１に設けられた各種のセンサ群３５の検知結果を取得して各種の制御を行う。なお、センサ群３５にはカバー検知センサ３５ａが含まれる。さらに、ＭＰＵ３１は、操作ユニット３６の表示部の表示制御を行い、また操作ユニット３６に対するユーザの操作を受け付ける。

ホストコンピュータ１００は、例えばパソコンや携帯端末（スマートフォンやタブレット端末等）である。ホストコンピュータ１００には、ホストコンピュータ１００と記録装置１との間の通信を行うプリンタドライバ１０１がインストールされている。また、記録装置１はホストコンピュータと通信を行うためのインタフェースとなるＩＦ部３３を備えている。ユーザからホストコンピュータ１００に対して記録動作の実行が要求された場合に、プリンタドライバ１０１は、画像のデータや記録画像の品位などに関する設定を取得して記録装置１に各種の指示をする。

＜ロールセット部の概要＞
ここでロールセット部について図６から９を参照して説明をする。本実施形態において、ロールセット部はシート供給装置である。ロールセット部２８は、記録装置１の背面側に配され、支持ユニット２５とロール給送カバー３０１が含まれる。ロールＲは、スプールユニット２６が取り付けられた状態でロールセット部２８に装着される。なお、シート供給装置は、ロールセット部２８と搬送ユニット９を含む構成であっても良い。図６は、スプールユニットと支持ユニットの構成を示す斜視図である。図７は、スプールユニットが支持ユニットに装着された状態を示す斜視図である。図８は、ロールセット部の断面図である。図９は、ニップローラユニットの構成を示す断面図である。

ロールＲを支持ユニット２５で支持するためにロールＲの端部に挿入するスプールユニット２６は、スプールギア１７、フランジ３７、スプール軸３８、挿入部３９で構成される。一方、ロールセット部２８は、スプールユニット２６を回転可能に支持する支持ユニット２５と、ロールＲを覆う給送カバー３０１で構成される。支持ユニット２５は、フランジガイド７５、駆動ギア１８、案内部７１、支持部７２を含む構成である。スプールユニット２６は、支持部７２で回転可能に支持される。なお、スプールユニット２６は、スプール軸３８の軸方向には、移動規制部によって移動できないようになっている。給送カバー３０１は、ゴミの付着からロールＲを保護し、記録動作中にユーザがロールＲに触れることを防止する。給送カバー３０１は、円弧状の断面がロールＲの幅方向において連続しているため、円弧の内側でロールＲの外周面を覆うことができる。給送カバー３０１はロールＲの幅方向における両端部の支持ユニット２５の回動軸７４で開閉可能に支持される。回動軸７４は案内部７１の上方でかつ背面側に設けられている。このため、給送カバー３０１は、ロールＲの移動軌跡と干渉しない開放位置（図８（ｂ））と、ロールＲを覆う閉鎖位置（図８（ａ））との間を回動できる。給送カバー３０１には、ロック機構が設けられているため閉鎖位置を維持することができる。なお、ロック機構は必須ではなく、自重により閉鎖位置を維持する構成であっても良い。

支持ユニット２５は、ロールＲを回転させるための駆動手段が設けられている。駆動手段には、供給モータ８ｂ、駆動ギア１８が含まれる。スプールギア１７が反時計回りに回転する（図１０）とロールＲからシートＳが供給され、時計回りに回転すると供給されたシートＳがロールＲに巻き戻される。フランジガイド７５は、駆動手段、案内部７１、回動軸７４が設けられ、本体部２の背面側に固定されている。フランジガイド７５には、ロールＲを装着する際にロールＲを置くセット台７０と、ロールＲの移動を規制する規制部７３が設けられている。ロールＲは、セット台７０と規制部７３の間の開口部６９から案内方向Ｇに傾斜する案内部７１を経由して支持部７２に到達する。すなわち、案内方向Ｇの上流側が開口部６９で、下流側が支持部７２である。案内部７１は、鉛直方向の下側の案内部７１Ａと、上側の案内部７１Ｂで形成される。案内部７１Ａは、セット台７０と接続し、案内部７１Ｂは、規制部７３と接続する。案内部７１Ａの長さは、案内部７１Ｂより長い。このため、案内部７１Ａの上端のほうが案内部７１Ｂの上端より高くなる。

給送カバー３０１の円弧状の内側の面にはニップローラユニット２０が複数配置されている。ニップローラユニット２０は、ねじリコイルバネ２１、アーム部２２、ローラ保持部２３、ニップローラ２４で構成される。アーム部２２の一方の端部２２Ａは給送カバー３０１の内側で給送カバー３０１に対して回動可能に保持されている。ローラ保持部２３は、アーム部２２の他方の端部２２Ｂにおいてアーム部２２によって回動可能に保持されている。ローラ保持部２３の回動可能な角度は、最小外径から最大外径の範囲のロールＲに当接するために必要な角度以上となるように構成されている。したがって、ニップローラ２４は、本実施形態における当接手段である。またローラ保持部２３の両端には、２連のニップローラ２４が回転可能に保持されている。アーム部２２の端部２２Ａと給送カバー３０１との接続部にはネジルコイルばね２１が配されている。このためニップローラ２４は、ロールＲの軸中心に近づく方向Ｐにアーム部２２を付勢することができる。なお、ニップローラ２４は傾斜する案内部７２の上流側にあり、ロールＲは円形であるため、ニップローラユニット２０を収容するための大きなスペースは必要とならない。

スプールユニット２６が取り付けられたロールＲが記録装置１に装着され、給送カバー３０１を閉鎖位置に回動すると、ロールＲの外周面とニップローラ２４が最初に当接する。アーム部２２の端部２２Ｂの２連のニップローラ２４は、それぞれがロールＲの外周面に当接する角度まで回動する。一方、ニップローラ２４は、ロールＲの反力によって押圧される。その結果、ロールＲは端部２２Ａのねじりコイルばね２１のバネ力を受けてニップローラ２４によってニップされた状態になる。すなわち、ロールＲは、ニップローラ２４によって案内方向Ｇの上流側から支持部７２に向けて押圧されている。ロールＲが支持ユニット２５に装着されるとニップローラ２４の位置と角度は、ロールＲの外径によって変化する。シートＳは、給送ユニット１２とロールセット部２８の間の供給口２７を通って供給される。そのため、給送カバー３０１が閉鎖位置にあるとき、ロールＲの外径とニップローラ２４との接線がおおよそ供給口２７の方向を向くように構成されている。このように、ロールＲの外径が最小外径であっても最大外径であってもロールＲからシートＳを搬送ユニット９に供給することができる。なお、給送カバー３０１を有していなくとも、ニップローラユニット２４がロールの着脱時に退避可能であればよい。また、ロールの回転方向、ロールの着脱方向もそれぞれ任意の向きに設定することができる。

＜スプールギアが受ける力＞
本実施形態では、ロールＲを回転駆動する際にロールＲが支持部７２から離脱しにくい構成となっている。図１０から１２を参照しながら、スプールギア１７が受ける力について説明する。図１０は、スプールギアと支持ユニットを構成する部品の配置を示す図である。図１１は、スプールギアが受ける力を示す図である。図１２は、ニップローラユニットの有無を比較する図である。

支持ユニット２５の案内部７１は傾斜しているため、セット台７０からロールＲを重力方向かつ搬送方向Ｃと反対方向の案内方向Ｇに案内する。ロールＲが支持ユニット２５に装着される際、ロールＲは案内部７１の下側の案内部７１Ａに沿って案内される。案内部７１Ａの案内経路は途中で曲がることなく直線で支持部７２まで延伸している。ここで、図１０に示すように支持部７２に装着されたロールＲの中心を通り、案内部７１の案内方向Ｇと平行な直線を直線６５Ａとし、支持部７２に装着されたロールＲの中心を通り、案内部７１の案内方向Ｇと直交する直線を直線６５Ｂとする。直線６５Ａは鉛直方向から搬送方向Ｃの下流側に３０度傾いた角度となっている。また、スプールギア１７と係合する駆動ギア１８の回転中心は直線６５Ａに対し搬送方向Ｃの上流側の領域６５Ｃに配されている。

図１１において、駆動ギア１８の回転方向が反時計回りである場合、スプールギア１７は支持部７２から離脱する方向の分力を受けない構成となっている。ここで、図１１に示すように駆動ギア１８とスプールギア１７の基準円の接点における両基準円の接線を接線１５Ａとすると、駆動ギア１８が反時計回りに回る場合、スプールギア１７は方向１５Ｂの向きに力を受ける。このときの方向１５Ｂと接線１５Ａのなす角の大きさは歯車の圧力角と等しく２０度である。また、スプールギア１７と駆動ギア１８の中心を結ぶ直線を直線６５Ｅとすると、直線６５Ａと直線６５Ｅのなす角は３０度である。このため、スプールギア１７が駆動ギア１８から受ける力の向きは直線６５Ｂより１０度ほど下方になり、スプールギア１７は支持部７２に押圧される。したがって、スプールギア１７は、駆動ギア１８の回転方向が反時計回りである場合、支持部７２から離脱しにくい。

一方、図１１において、駆動ギア１８の回転方向が時計回りである場合、スプールギア１７は支持部７２から離脱しようとする方向の分力を受ける。駆動ギア１８が時計回りに回る場合は、シートＳを搬送ローラ９ａに供給するときである。ここで、スプールギア１７が駆動ギア１８から受ける力を合力１５Ｃとすると、合力１５Ｃと接線１５Ａのなす角は歯車の圧力角と等しく２０度である。直線６５Ａは鉛直方向から３０度反時計回りに傾いた角度で、直線６５Ｅは直線６５Ａよりさらに３０度反時計回り傾いた角度である。そのため、スプールギア１７が駆動ギア１８から受ける力の向きは直線６５Ｂより４０度ほど上方になり、スプールギア１７が支持部７２から離脱する方向に力を受ける。

このとき、合力１５Ｃにおいて案内方向Ｇと反対の方向の分力を分力１５Ｄとすると、分力１５Ｄはスプールギア１７が支持部７２から離脱する方向の力である。一方、ロールＲがニップローラ２４から受ける力を合力１９Ａとすると、案内方向Ｇの分力は分力１９Ｂとなる。ニップローラユニット２０がロールＲを案内方向Ｇに押圧する分力１９Ｂは、スプールギア１７が支持部７２から離脱する方向の分力１５Ｄより大きくなるように設定されている。このため、ロールＲは支持部７２から離脱しない。ここで、図１２を参照してニップローラユニット２０が有る場合と無い場合を比較する。ニップローラユニット２０が有る場合（図１２（ａ））、スプールギア１７Ａはニップローラユニット２０による押圧力によって支持部７２から離脱しない。一方、ニップローラユニット２０が無い場合（図１２（ｂ））、スプールギア１７が支持部７２から離脱する方向に分力を受けるため、支持部７２から離脱することがある。この場合、スプールギア１７Ｂは、駆動ギア１８と係合しない状態となる。したがって、ニップローラユニット２０によってロールＲからシートＳを安定的に供給できる。

＜ロールの装着＞
ユーザがロールセット部にロールＲを装着する方法について説明する。ユーザはロール
Ｒの両端に挿入部３９を挿入してスプールユニット２６を取り付ける。そしてロールＲを装着するために手動で給送カバー３０１を開放位置に回動させる。このとき、記録装置１は記録を行っていないスタンバイ状態または電源の入っていない停止状態である。次にユーザは、スプールユニット２６を取り付けたロールＲをセット台７０に載せる。ユーザがスプールユニット２６から手を離すと、重力によってスプール軸３８がセット台７０の斜面を下る。そしてスプール軸３８は、案内方向Ｇの上流側から案内部７１によって案内されて、円弧状の面を持つ支持部７２に到達する。その結果、スプール軸３８は支持部７２によって支持される。このとき、スプールギア１７は支持ユニット２５の駆動ギア１８と係合し、ロール駆動モータ８ｂに接続された状態となる。最後にユーザは給送カバー３０１を閉鎖位置まで回動させ、ロールＲの装着が完了となる。なお、セット台は、水平であっても良い。この場合ユーザはセット台７０から案内部７１に向けてロールＲを誘導する。また、支持ユニット２５の一方のセット台が水平で、他方のセット台が斜面となっていても良い。

次にユーザによるロールＲの取り外し方法について説明する。ユーザは閉鎖位置にある給送カバー３０１を開放位置まで回動させる。そしてロールＲを記録装置１の前面側で案内方向Ｇと反対側に引き寄せることで、ロールＲを支持ユニット２５から取り外すことができる。その後、給送カバー３０１を閉鎖位置に回動させることでロールＲの取り外しが完了となる。

記録装置１においてさまざまな幅のロールＲが装着された際のニップローラユニット２０とロールＲの関係を、図１３を参照して説明する。図１３は、ニップローラユニットとロールの関係を示す上面図である。ニップローラユニット２０は２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃ、２０ＤとＸ方向に複数並んでいる。図１３（ａ）は仕様の最大幅のロールＲを装着した様子である。すべてのニップローラユニット２０がロールＲを押圧している。一方、図１３（ｂ）は仕様の最小幅のロールＲを装着した様子である。ニップローラユニット２０ＤのみがロールＲを押圧している。このように、仕様の最小幅のロールＲであっても、少なくとも１つのニップローラユニット２０がロールＲを押圧するようにニップローラユニット２０が配されている。

図１４は、ロールの外径が変化したときの様子を説明する図である。図１４（ａ）は記録装置１に装着できる最大の外径のロールＲを装着した際の様子である。図１４（ｂ）はロールの消費に伴いロールの外径が小さくなった様子である。ロールＲの外径が変化した場合、ピンチローラーユニット２０は、ばね付勢によりロールＲに押し付けられる。１つのニップローラユニット２０のみがロールＲを押圧し、かつ、ロールの外径が最も小さくなった状態ではニップローラユニット２０がロールＲを押圧する力が最も小さくなる。この場合の押圧力でも、ロールＲが支持部７２から離脱しないようにばね付勢力が設定されている。

以上のロールセット部の構成によって、移動阻害部が不要であるため、コストダウンとサイズダウンを実現することができる。このように、簡単な構成でロールからシートを供給できるシート供給装置を提供することができる。

２４ ニップローラ
７１ 案内部
７２ 支持部

Claims (10)

1. シートが巻回されたロールを回転可能に支持する支持部と、
   ロールを装着する際に前記支持部の上方から前記支持部までロールを案内方向に案内する案内部と、を備え、前記支持部で支持されたロールからシートを供給するシート供給装置であって、
   前記支持部で支持されたロールの外周面に当接する当接手段を備え、
   前記当接手段は前記案内方向の上流側からロールに当接することを特徴とするシート供給装置。
2. ロールから供給されたシートを搬送方向に搬送する搬送手段を備え、
   前記支持部で支持されるロールの中心からの鉛直方向に対して前記搬送手段の側に前記案内部の開口部が配されていることを特徴とする請求項１に記載のシート供給装置。
3. 前記支持部で支持されたロールを覆う閉鎖位置と、ロールを開放する開放位置とに開閉可能なカバーを備え、
   前記当接手段は、前記カバーに保持され、前記カバーに配された付勢手段によって前記支持部で支持されたロールを付勢することを特徴とする請求項１または２に記載のシート供給装置。
4. 原稿を読み取る読取装置を備え、
   シートを供給する方向において、前記カバーは、前記読取装置と並んでいることを特徴とする請求項３に記載のシート供給装置。
5. 前記案内部の開口部から前記支持部までの案内経路が直線となることを特徴とする請求項１ないし４の何れか１項に記載のシート供給装置。
6. 前記当接手段は、ローラであり、
   前記ローラは、ロールの前記外周面に当接し、ロールの外径に応じて移動することを特徴とする請求項１ないし５の何れか１項に記載のシート供給装置。
7. ロールが前記支持部で支持されるためのロールに挿入する挿入部に配される第１歯車と、
   前記支持部に配され、前記第１歯車と係合する第２歯車と、
   前記第２歯車を回転させるモータと、を備えることを特徴とする請求項１ないし６の何れか１項に記載のシート供給装置。
8. 前記当接手段がロールを押圧する前記案内方向の第１分力は、前記挿入部が前記モータによる駆動によって受ける前記案内方向と反対の方向の第２分力より大きいことを特徴とする請求項１ないし７の何れか１項に記載のシート供給装置。
9. 複数の前記当接手段がロールの幅方向に設けられることを特徴とする請求項１ないし８の何れか１項に記載のシート供給装置。
10. 請求項１ないし９の何れか１項に記載のシート供給装置と、
    前記シート供給装置から供給されたシートに画像を記録する記録手段と、を備える記録装置。

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