JP2023043830A - 吸収性物品 - Google Patents

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Izumi Tashiro
英聡 吉田
Hideaki Yoshida
健志 黒原
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Yuki Tange
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Abstract

【課題】本発明は、液体の漏れを抑制可能な吸収性物品の提供することを目的とする。【解決手段】吸収性物品は、吸収体と、吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、立体ギャザー形成用の液体不透過性を有するサイドシートであって、幅方向の中心よりも外側に配置されたサイドシートと、を備え、サイドシートは、長手方向に伸縮する弾性部材が配置された弾性領域と、弾性部材によって肌面側に起立する側の端部である自由端部と、弾性領域よりも幅方向端部側で肌面側シートに接着された基端部と、長手方向端部側で基端部から連続するように配置された固定端部であって、肌面側シートに接着された固定端部と、固定端部よりも幅方向内側に配置され、長手方向端部側で弾性領域から連続するように配置された非固定端部と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
尿や体液等の液体を吸収する吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2019-216796号公報
一般的に、吸収性物品には、着用者が排出した液体が幅方向から漏れるのを抑制するために立体ギャザーが設けられている。立体ギャザーは、液体不透過性を有するシートが弾性部材の弾性力によって肌面側に立ち上がることによって、着用者の肌面と吸収性物品との間に隙間が形成されないようにして、液体が漏れるのを抑制する。しかしながら、立体ギャザーは、弾性部材が配置されている領域では肌面側に立ち上がるが、弾性部材が配置されていない吸収性物品の長手方向端部においては肌面側に立ち上がらない場合がある。吸収性物品には、立体ギャザーが肌面側に立ち上がらない部分から液体が漏れる虞があるという問題がある。
本発明は、液体の漏れを抑制可能な吸収性物品の提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、立体ギャザー形成用のサイドシートに固定端部と非固定端部を設けた。
具体的には、本発明は、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、着用者の股下に装着される吸収性物品であって、吸収体と、前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、立体ギャザー形成用の液体不透過性を有するサイドシートであって、前記幅方向の中心よりも外側に配置されたサイドシートと、を備え、前記サイドシートは、前記長手方向に伸縮する弾性部材が配置された弾性領域と、前記弾性部材によって前記肌面側に起立する側の端部である自由端部と、前記弾性領域よりも前記幅方向端部側で前記肌面側シートに接着された基端部と、前記長手方向端部側で前記基端部から連続するように配置された固定端部であって、前記肌面側シートに接着された固定端部と、前記固定端部よりも前記幅方向内側に配置され、前記長手方向端部側で前記弾性領域から連続するように配置された非固定端部と、を有する。
上記吸収性物品において、前記幅方向における、前記弾性領域と前記非固定端部の長さが略同じであってもよい。
上記吸収性物品は、前記長手方向端部側で前記サイドシートよりも前記肌面側に配置された液体不透過性を有するポケットシートを備え、前記ポケットシートは、前記幅方向端部側で前記サイドシートに接着され、前記長手方向外側で前記肌面側シートに接着され、前記長手方向内側が開口されたポケット部を形成してもよい。
上記吸収性物品は、前記吸収性物品は、装着状態において前記着用者の腹部側に位置す
る前身頃領域、股下に位置する股下領域、および背部側に位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられており、前記長手方向端部側は、前記後身頃領域側の端部であり、前記ポケット部は、前記非固定端部と重なっていてもよい。
上記吸収性物品において、前記ポケット部と重なる領域において、前記幅方向に伸縮するように前記ポケットシートに伸長状態で接着された第1弾性部材であって、前記長手方向に互いに離間して配置された複数の第1弾性部材を備え、互いに隣接する前記第1弾性部材において、前記長手方向外側に配置された前記第1弾性部材が接着された部位よりも前記長手方向内側に配置された前記第1弾性部材が接着された部位の方が収縮率が低くなる前記第1弾性部材の組を有していてもよい。
上記吸収性物品において、前記第1弾性部材の組は、前記長手方向の最外側に配置された前記第1弾性部材と、該第1弾性部材よりも前記長手方向内側に配置された前記第1弾性部材とで構成されていてもよい。
上記吸収性物品において、前記ポケット部の開口に最も近い位置に配置された前記第1弾性部材が接着された部位よりも前記長手方向外側に配置された前記第1弾性部材が接着された部位の方が収縮率が大きくてもよい。
上記吸収性物品において、前記ポケットシートと前記肌面側シートが接着された領域において、前記幅方向に伸縮するように前記ポケットシートに伸長状態で接着された第2弾性部材であって、前記長手方向に互いに離間して配置された複数の第2弾性部材を備え、前記複数の第2弾性部材の各々は、前記長手方向最外側に配置された前記第1弾性部材と伸縮率が略同じであってもよい。
上記吸収性物品において、前記長手方向において前記吸収体よりも長く形成され、前記吸収体の非肌面側に配置された液体不透過性を有する非肌面側シートを備え、前記肌面側シートは、前記長手方向において前記吸収体よりも長く形成されており、前記長手方向における前記吸収体の端部よりも前記長手方向外側において、前記ポケットシートと前記肌面側シートが接着されており、且つ、前記肌面側シートと前記非肌面側シートが接着されていてもよい。
上記吸収性物品において、前記長手方向における前記吸収体の端部において、前記肌面側シートが前記非肌面側に折り曲げられていてもよい。
上記吸収性物品は、前記幅方向に伸縮するように前記ポケットシートに伸長状態で接着された第1弾性部材を備え、前記幅方向の両側において、前記ポケットシートおよび前記第1弾性部材は、前記吸収体を越えて延在し、前記長手方向において、前記吸収体の端部は肌面側シートおよび前記ポケットシートの端部の内側に配置されており、前記ポケットシートの配置領域において、前記幅方向における前記吸収体の端部を通り前記長手方向に延在する仮想延長線上から前記幅方向外側の少なくとも一部は、前記仮想延長線上から前記幅方向内側の部位よりも収縮率が大きくてもよい。
吸収性物品は、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、着用者の股下に装着される吸収性物品であって、吸収体と、前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、立体ギャザー形成用の液体不透過性を有するサイドシートであって、前記幅方向の中心よりも外側に配置されたサイドシートと、前記長手方向端部側で前記サイドシートの非肌面側に配置された液体不透過性を有するポケットシートと、を備え、前記ポケットシートは、前記幅方向端部側で前記サイドシートに接着され、前記長手方向外側で前記肌面側シートに接着され、前記長手方向内側が
開口されたポケット部を形成し、前記サイドシートは、前記長手方向に伸縮する弾性部材が複数配置された弾性領域と、前記弾性部材によって前記肌面側に起立する側の端部である自由端部と、前記弾性領域よりも前記幅方向端部側で前記肌面側シートに接着された基端部と、前記長手方向端部側の前記自由端部の仮想延長上に連続するように配置された固定端部であって、その幅方向中央部が前記ポケットシートと接着された固定端部と、前記固定端部の幅方向内側および幅方向外側に配置された非固定端部と、を、有する。
上記吸収性物品において、前記非固定端部は、前記弾性領域に配置された弾性部材の前記長手方向の仮想延長線上に設けられていてよい。
上記吸収性物品において、前記サイドシートは、前記基端部から前記弾性領域および前記弾性領域の仮想延在領域の手前に向けて前記幅方向内側に向けて延在する内折り部と、
前記内折り部の前記幅方向内側端部と連続し、前記弾性領域および前記弾性領域の仮想延在領域において前記幅方向外側に屈曲して延在する外折り部と、を、有し、前記ポケットシートの前記長手方向外側から前記長手方向内側端部近傍にかけて、前記内折り部の幅方向外側部分が前記ポケットシートと接着していてもよい。
上記吸収性物品において、前記固定端部は、前記ポケットシートの長手方向端部側に設けられており、前記外折り部は、前記固定端部において前記内折り部と接着していてよい。
本発明によれば、液体の漏れを抑制することができる。
図1は、実施形態1に係るおむつの斜視図である。 図2は、実施形態1に係るおむつの分解斜視図である。 図3は、実施形態1に係るおむつの断面図である。 図4は、実施形態1に係るおむつを肌面側から見た平面図である。 図5は、実施形態2に係るおむつを肌面側から見た平面図である。 図6は、実施形態2に係るおむつの断面図である。 図7は、実施形態3に係るおむつを肌面側から見た平面図である。 図8は、実施形態3に係るおむつの断面図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るおむつについて説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
<実施形態1>
本実施形態では、テープ型使い捨ておむつ(本願でいう「吸収性物品」の一例であり、以下、単に「おむつ」という)について、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、おむつが着用者に装着された状態(以下、「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(装着状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着状態で外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。おむつ1は、長手方向に沿った長さと、長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、着用者の股下に
装着される。
図1は、本実施形態に係るおむつの斜視図である。おむつ1は、装着状態において着用者の陰部を覆う股下に対応する部位である股下領域1Bと、股下領域1Bの前側に位置し、着用者の前身頃に対応する部位である前身頃領域1Fと、股下領域1Bの後ろ側に位置し、着用者の後身頃に対応する部位である後身頃領域1Rとを有する。後身頃領域1Rの左右両側の縁には、前身頃領域1Fの非肌面側(非着用者側)の面に設けられたフロントパッチ2Fへ貼着可能なテープ2L,2Rが設けられている。おむつ1は、前身頃領域1Fが着用者の腹側に配置され、後身頃領域1Rが着用者の背側に配置された状態でテープ2L,2Rがフロントパッチ2Fに貼着されると、着用者の腹囲と大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。おむつ1がこのような形態で着用者の身体に固定されるので、着用者はおむつ1を着用した状態で立ち歩き可能である。
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の脚周り部(大腿部)を取り巻く部位にレグギャザー3AL,3ARが設けられ、レグギャザー3AL,3ARよりもおむつ1の幅方向内側に立体ギャザー3BL,3BRが設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rが設けられている。レグギャザー3AL,3AR、立体ギャザー3BL,3BR及びウェストギャザー3Rは、弾性部材の弾性力で着用者の肌に密着する。よって、着用者の陰部から排出される液体は、おむつ1から漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。なお、弾性部材としては糸状や帯状のゴム等を適宜選択できる。
図2は、おむつ1の分解斜視図である。図3は、非装着状態におけるおむつ1を、長手方向の中心を幅方向に沿って切断した場合の断面図である。おむつ1は、外表面を形成するカバーシート4を有する。カバーシート4は、長辺に相当する部位に括れ4KL,4KRを設けた略長方形の外観を有するシート状の部材であり、おむつ1の外装面を形成する。括れ4KL,4KRは、着用者の大腿部が位置する部位に設けられる。カバーシート4は、後述するバックシート5の補強や手触りの向上のために設けられ、例えば、排泄物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。カバーシート4は、単層構造に限らず、インナカバーシートおよびアウターカバーシートを有する多層構造であってもよい。
そして、おむつ1は、カバーシート4の肌面側(着用者側)の面において順に積層されるバックシート5(本願でいう「非肌面側シート」の一例)、吸収体6、トップシート7(本願でいう「肌面側シート」の一例)を有する。バックシート5、吸収体6、トップシート7は、何れも略長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がカバーシート4の長手方向と一致する状態でカバーシート4に順に積層されている。バックシート5は、カバーシート4と同様に、排泄物の漏れを抑制するために液不透過性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。バックシート5は、装着状態での蒸れを抑えるため、透湿性を併せもつ材料で構成されることが好ましい。また、トップシート7は、吸収体6の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このトップシート7は、その一部又は全部において液体透過性を有する。そのため、おむつ1が装着された状態において、着用者から排泄された液体は、着用者の肌に接触し得るトップシート7を通って吸収体6に進入し、そこで吸収される。例えば、織布、不織布、多孔質フィルムがトップシート7の材料として材用できる。トップシート7は親水性を有していてもよい。
バックシート5、吸収体6、トップシート7は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート5と吸収体6とトップシート7が積層されているカバーシート4で着用者の陰部を覆うと、バックシート5と吸収体6とトップシート7の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体6に覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はトップシート7を介して吸収体6に接触することになる。
また、おむつ1は、上述したレグギャザー3AL,3ARを形成するための弾性部材4SL,4SRがカバーシート4とバックシート5の間におむつ1の長手方向に伸縮するように設けられる。弾性部材4SL,4SRは、おむつ1において設計上要求される弾性力(収縮力)などに応じて決定された適宜の本数(本実施形態では、3本)で設けられる。なお、後述する図4に示されるように、レグギャザー3AL,3ARは、股下領域1Bの幅方向両側端部おむつ1において着用者の大腿部が位置する部位である脚周り領域を含んで配置されている。
また、おむつ1は、細長い帯状のサイドシート8L,8Rを有する。サイドシート8L,8Rは、トップシート7の長辺の部分に設けられる立体ギャザー3BL,3BR形成用のシートであって、液体不透過性(疎水性)を有するシートである。サイドシート8L,8Rは、おむつ1の幅方向の中心よりも外側に配置される。サイドシート8L,8Rには、カバーシート4と同様、着用者の大腿部が位置する部位に括れ8KL,8KRが設けられる。そして、サイドシート8L,8Rには立体ギャザー3BL,3BRを形成するための弾性部材8EL,8ERが長手方向に沿って配置されている。サイドシート8L,8Rは、おむつ1が装着状態の形態、すなわち、おむつ1が側面視U字状の形態になると、弾性部材8EL,8ERの収縮力で長手方向に引き寄せられてトップシート7から立ち上がり、液体の流出を防ぐ立体ギャザー3BL,3BRとなる。このように、立体ギャザー3BL,3BRは、トップシート7から肌面側(着用者側)に向けて立体的に形成される。
なお、カバーシート4には、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ弾性部材4Cが弾性部材4SL,4SRよりもおむつ1の幅方向内側でおむつ1の長手方向に沿って設けられている。弾性部材4Cは、おむつ1において設計上要求される弾性力(収縮力)などに応じて設けられる。
また、上述したウェストギャザー3Rを形成するための弾性部材9ERは、吸収体6の端部よりも更に背側の位置において、バックシート5とトップシート7の間に設けられる。弾性部材9ERは、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の幅方向(左右方向)となる向きでバックシート5とトップシート7の間に設けられる。よって、弾性部材9ERの左右両側に設けられるテープ2L,2Rが、着用者の腹側においてフロントパッチ2Fに貼着されると、弾性部材9ERは、収縮力を発揮しておむつ1を着用者に密着させ、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。
吸収体6は、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるSAP(高吸収性重合体:Super Absorbent Polymer)等の粒状の吸収性樹脂を保持させた構造を有する。よって、吸収体6では、液体を吸収する前後の吸収性樹脂の体積変動は、基本的には吸収性樹脂を隙間に保持する短繊維内で行われることになる。したがって、吸収体6全体を俯瞰してみると、液体を吸収した吸収体6の厚みの膨張率は、吸収性樹脂自体の膨張率ほど大きくはないと言える。
本実施形態のSAP粒子とは、SAPを含む樹脂組成物を粒状としたものを指す。ここで言う「SAPを含む樹脂組成物」とは、SAPのみからなる組成物、SAPを主成分とし、これに吸水性に悪影響を及ぼさない程度に他の物質が含まれた組成物、の双方を包含する概念である。「他の物質」としては、添加剤(粒子表面を疎水化する目的で添加される表面改質剤等)、SAPの合成時に残存した未反応のモノマー等を挙げることができる。
図4は、伸長した状態のおむつ1を肌面側から見た平面図である。なお、図4では、弾性部材4C,4SL,4SRの図示は省略する。図4に示されるように、立体ギャザー3BL,3BR形成用のサイドシート8L,8Rは、おむつ1の長手方向に伸縮する弾性部材8EL,8ERが配置された弾性領域10L,10Rと、弾性部材8EL,8ERによって肌面側に起立する側の端部である自由端部11L,11Rとを有する。弾性領域10L,10Rは、弾性部材8EL,8ERから後述する基端部12L,12Rまでの領域である。なお、弾性領域10L,10Rおよび自由端部11L,11Rの長手方向は、おむつ1の長手方向と一致する。
また、サイドシート8L,8Rは、弾性領域10L,10Rよりも幅方向端部側でトップシート7に接着された基端部12L,12Rを有する。基端部12L,12Rは、弾性領域10L,10Rが肌面側に立ち上がる場合の起立線となる。なお、基端部12L,12Rの長手方向は、おむつ1の長手方向と一致する。
また、サイドシート8L,8Rは、おむつ1の長手方向両端部側で基端部12L,12Rから連続するように配置された固定端部13L,13Rを有する。固定端部13L,13Rは、トップシート7に接着されており、基端部12L,12Rよりもおむつ1の長手方向両端部側に配置されている。
また、サイドシート8L,8Rは、おむつ1の長手方向両端部側で弾性領域10L,10Rから連続するように配置された非固定端部14L,14Rを有する。非固定端部14L,14Rは、固定端部13L,13Rよりもおむつ1の幅方向内側に配置されている。非固定端部14L,14Rには弾性部材が配置されておらず、非固定端部14L,14Rは弾性部材による弾性力が生じていない領域である。なお、非固定端部14L,14Rに、弾性部材8EL,8ERが接着されていない状態で延在していてもよい。この場合においても、非固定端部14L,14Rにおいて、弾性部材8EL,8ERによる弾性力は生じない。
おむつ1は、弾性部材8EL,8ERが長手方向の中央側に収縮しようとする力によって弾性領域10L,10Rを立ち上げる。この際、非固定端部14L,14Rにも弾性部材8EL,8ERの弾性力が伝達され、非固定端部14L,14Rが固定端部13L,13Rを境に肌面側に立ち上がる。このように、固定端部13L,13Rは、非固定端部14L,14Rが肌面側に立ち上がる場合の起立線となる。これによって、本実施形態に係るおむつ1は、立体ギャザー3BL,3BR用の弾性部材8EL,8ERが設けられていない長手方向両端部においては、非固定端部14L,14Rが肌面側に立ち上がり、この非固定端部14L,14Rによって、液体の漏れを防ぐ。具体的には、非固定端部14L,14Rが尿や便に含まれる水分(水様便の水分)を受け止めて、液体が漏れるのを抑制する。これにより、本実施形態に係るおむつ1は、液体の漏れを抑制できる。
また、本実施形態では、おむつ1の幅方向における、弾性領域10L,10Rと非固定端部の長さが略同じである。弾性領域10L,10Rの延長線上にある非固定端部14L,14Rは、弾性領域10L,10Rと幅の長さが実質的に同じであるため、弾性部材8EL,8ERが長手方向内側に弾性領域10L,10Rを引っ張る力が非固定端部14L
,14Rに効率よく伝達する。これによっておむつ1は、非固定端部14L,14Rを肌面側に立ち上げ易くできる。
なお、本実施形態では、立体ギャザー3BL,3BRは、弾性領域10L,10R、自由端部11L,11R、基端部12L,12R、固定端部13L,13R、非固定端部14L,14Rで構成されていると見ることができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係るおむつ1について説明する。なお、上記実施形態に係るおむつ1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。本実施形態に係るおむつ1は、ポケット部を備えることに特徴を有している。
図5は、伸長した状態のおむつ1を肌面側から見た平面図である。なお、図5では、弾性部材4C,4SL,4SRの図示は省略する。図5に示されるように、おむつ1の後身頃領域1R側には、ポケット部形成用のポケットシート20が配置されている。ポケットシート20は、サイドシート8L,8Rよりも肌面側に配置されており、液体不透過性(疎水性)を有する。ポケットシート20は、両側のサイドシート8L,8Rに跨って配置されている。ポケットシート20は、おむつ1の幅方向の端部側でサイドシート8L,8Rと接着されている。
図6は、図5のAA線で切断した場合のおむつ1の断面図である。ポケットシート20は、おむつ1の長手方向外側(背側)でトップシート7に接着されており、長手方向内側(股下側)が開口されたポケット部21を形成する。ポケット部21は、液体が着用者の背側(後身頃領域1R側)から漏れるのを抑制するために設けられている。
ポケット部21のポケット基端部(最奥部)21Eは、吸収体6の端部よりも背側に配置されている。ポケット部21は、吸収体6の端部より当該長手方向外側に流れ出た液体が背側から漏れるのを抑制する。これにより、本実施形態に係るおむつ1は、後身頃領域1R側(背側)からの液体の漏れを抑制できる。なお、平面視において、ポケット部21は液体不透過性を有するバックシート5と重なって配置されているため、ポケット部21内に溜まった液体は非肌面側から漏れない。
また、図6に示されるように、ポケットシート20は、おむつ1の長手方向外側および長手方向内側で折り返されて2重のシート構造を有している。ポケットシート20は、ポケット部21内においてトップシート7との非接着部位がポケット基端部21Eからさらに折り返され、トップシート7との接着部位がポケット部21内まで露出している。これにより、ポケット部21の開口側を開き易くすることができる。
また、本実施形態では、ウェストギャザー3Rを形成するための弾性部材9ERは、ポケットシート20の2重のシート構造内であって、ポケットシート20の非肌面側がトップシート7と接着された部位に配置されている。本実施形態では、弾性部材9ER(本願でいう「第2弾性部材」の一例)は、糸状のゴムであり、4本設けられている。
また、弾性部材22ER(本願でいう「第1弾性部材」の一例)がポケットシート20の2重のシート構造内であって、ポケットシート20の非肌面側がトップシート7と接着されていない部位に配置されている。弾性部材22ERは、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の幅方向(左右方向)となる向きに配置されている。弾性部材22ERは、収縮力を発揮してポケットシート20を着用者に密着させ、ポケットシート20と着用者の背中との間に隙間が形成されるのを防ぐ。本実施形態では、弾性部材22ERは、糸状のゴムであり、5本設けられている。弾性部材22ERの各々は、弾性部材9Eと伸縮率が略同
じであってよい。
ここで、ポケット部21は、後身頃領域1R側の非固定端部14L,14Rと重なっている。おむつ1は、上述した通り、装着状態において非固定端部14L,14Rが肌面側に立ち上がる。非固定端部14L,14Rが肌面側に立ち上がることによって、ポケット部21上のポケットシート20も肌面側に立ち上がる。これによって、おむつ1は、ポケット部21の開口側を開かせることができ、ポケット部21内に着用者が排出した液体を導入し易くできる。一般的に、立体ギャザーは、おむつ1の股下部においてトップシートが肌から離れてしまうことに起因して生じる横漏れを抑制するために肌に密着することが求められ、設けられている。したがって、立体ギャザーは、おむつの長手方向端部、すなわち腹側や背側においては肌面側に立たせることは求められていない。本実施形態に係るおむつ1では、長手方向端部である背部側においてもポケット部21を開口させるために、非固定端部14L,14Rを肌面側に立たせている。これにより、本実施形態に係るおむつ1は、背側からの液体の漏れを抑制できる。
また、本実施形態に係るおむつ1は、おむつ1を平面視した場合にポケット部21と重なる領域において、おむつ1の幅方向に伸縮するようにポケットシート20に伸長状態で接着された複数の弾性部材22ERを備える。複数の弾性部材22ERは、おむつ1の長手方向に互いに離間して配置されている。
本実施形態に係るおむつ1は、互いに隣接する弾性部材22ERにおいて、おむつ1の長手方向外側に配置された弾性部材22ERが接着された部位よりもおむつ1の長手方向内側に配置された弾性部材22ERが接着された部位の方が収縮率が低くなる弾性部材22ERの組を有する。この弾性部材22ERの組は、5本の弾性部材22ERのうち隣接する2本の弾性部材のいずれであってもよい。例えば、本実施形態では、この弾性部材22ERの組は、おむつ1の長手方向最外側に配置された弾性部材22ERと、当該弾性部材22ERの長手方向内側に配置された弾性部材22ERとで構成されている。なお、この収縮率は、各弾性部材22ERの弾性係数や接着時の伸長率によって調整できる。
ここで、収縮率をXとし、おむつ1のポケットシート20の自然状態での幅方向の長さをAとし、おむつ1を皴なく幅方向に伸長させた状態でのポケットシート20の幅方向の長さをBとすると、Xは、以下の式(1)により算出できる。
X(%)=B/A×100・・・(1)
仮に、ポケット部21の開口側のポケットシート20がトップシート7に接する状態であると、ポケット部21の開口が狭くなり、ポケット部21内に尿等の液体が侵入し難くなる。ポケットシート20は液体をせき止めるために液体不透過性を有しているため、例えば、ポケット部21の開口側のポケットシート20がトップシート7に密着した状態であると、ポケットシート20の肌面側に液体が乗り上げ、後身頃領域1R側から当該液体が漏れてしまう。
しかしながら、本実施形態に係るおむつ1では、上述の弾性部材22ERの組のうち、おむつ1の長手方向内側の弾性部材22ERが配置された部位が、おむつ1の長手方向外側の弾性部材22ERが配置された部位よりも収縮するため、当該長手方向内側の部位が当該長手方向外側の部位よりも肌面側に乗り上げる。これによりポケット部21の開口とトップシート7との間に隙間が形成され、ポケット部21の開口を大きく開くことができる。本実施形態に係るおむつ1は、ポケット部21の開口を大きく開くことで液体をポケット部21内に侵入し易くさせ、以て、後身頃領域1R側からの液体の漏れを抑制できる。
また、本実施形態に係るおむつ1では、ポケット部21の開口に最も近い位置に配置された弾性部材22ERが接着された部位よりも、おむつ1の長手方向外側に配置された弾性部材22ERが接着された部位の方が収縮率が大きい。これにより、ポケット部21の開口よりもおむつ1の長手方向外側の方が収縮するため、ポケット部21の開口とトップシート7との間に隙間が形成され、ポケット部21の開口を大きく開くことができる。
また、おむつ1の長手方向において、トップシート7およびバックシート5は、吸収体6よりも長く形成されている。そして、当該長手方向における吸収体6の端部よりも長手方向外側において、ポケットシート20とトップシート7が接着されており、且つ、トップシート7とバックシート5が接着されている。本実施形態に係るおむつ1は、吸収体6のおむつ長手方向外側の端部と、ポケットシート20のおむつ長手方向内側の端部であるポケット部21の開口側との間に間隔を設け、吸収体6のおむつ長手方向外側の端部においては、ポケットシート20、トップシート7、バックシート5が存在し、吸収体6が存在しない領域を形成することができる。これによって、ポケットシート20およびトップシート7をバックシート5側(非肌面側)に落とし込むことで、ポケット部21の開口を開かせることができる。本実施形態に係るおむつ1は、背側からの液体の漏れを抑制できる。
また、おむつ1の長手方向における吸収体6の端部において、トップシート7が非肌面側(バックシート5側)に折り曲げられている。この構成によって、吸収体6のおむつ長手方向外側の端部と、ポケットシート20のおむつ長手方向内側の端部であるポケット部21の開口側との間に間隔をより設け易くできる。
また、図5に示されるように、おむつ1の幅方向の両側において、ポケットシート20および弾性部材9ER,22ERは、吸収体6を越えて延在している。また、図5および図6に示されるように、おむつ1の長手方向において、吸収体6の端部はトップシートおよびポケットシート20の端部の内側に配置されている。このように構成されたおむつ1のポケットシート20の配置領域においては、幅方向における吸収体6の端部を通り長手方向に延在する仮想延長線KL上から当該幅方向外側の少なくとも一部は、仮想延長線KL上から当該幅方向内側の部位よりも収縮率が大きく構成されている。
パルプを含んで形成された吸収体6は、トップシート7やバックシート5等のシート材よりも剛性が大きいことから、仮想延長線KL上からおむつ1の幅方向内側の領域は、吸収体6の影響を受けて収縮率が小さくなるため、平面状態を維持しやすい。これに対して、仮想延長線KL上からおむつ1の幅方向外側の領域では、吸収体6の剛性の影響を受け難くなるため、収縮率が大きくなる。そのため、ポケットシート20は、当該幅方向外側の領域が内側に引き寄せられ厚み方向に立った状態となり、ポケット部21の開口が開きやすくなる。
また、本実施形態では、上述した通り、前身頃領域1Fの外装面に接合され、おむつ1を着用者に固定するためのテープ2L,2Rが貼着されるフロントパッチ2Fと、後身頃領域1Rの幅方向の両側に突設されており、フロントパッチ2Fに貼着された状態でおむつ1を着用者の胴回りにおいて固定するためのテープ2L、2Rを備える。テープ2L,2Rには、フロントパッチ2Fの表面に形成されたループに係合するフックが肌面側に配置されている。
ここで、本実施形態では、テープ2L,2Rは、ポケットシート20と同じ後身頃領域1R側の端部に配置されている。すなわち、テープ2L,2Rおよび弾性部材9ER、22ERを有するポケットシート20は、おむつ1の同じ長手方向端部側に配置されている。この構成を備えることによって、おむつ1は、装着時に弾性部材9ER、22ERの伸
縮によってテープ2L,2R間を容易に広げることができる。これにより、本実施形態に係るおむつ1は、装着容易である。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係るおむつ1について説明する。なお、上記実施形態に係るおむつ1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。本実施形態に係るおむつ1は実施形態2と同様に、ポケット部を有しているが、ポケット部材は、実施形態2とは異なり、サイドシートの非肌面側に設けられている。
図7は、実施形態3に係るおむつを肌面側から見た平面図である。なお、本実施形態でも、図4と同様に、弾性部材4C,4SL,4SRの図示は省略する。図7に示されるように、おむつ1の後身頃領域1R側には、ポケット部形成用のポケットシート20が配置されている。ポケットシート20は、実施形態2と同様に液体不透過性(疎水性)のシートであって、両側のサイドシート8L,8Rに跨って配置されている。ポケットシート20は、おむつ1の幅方向の端部側でサイドシート8L,8Rと接着されている点も実施形態2と同様である。一方、本実施形態では、ポケットシート20は、実施形態2とは異なり、サイドシート8L,8Rの非肌面側に設けられている。
図8は、実施形態3に係るおむつの断面図である。換言すると、非装着状態におけるおむつ1を、幅方向に沿って切断した場合の断面図である。図8(A)は、長手方向中央、より具体的には股下領域1Bにおけるおむつ1の断面図である。
サイドシート8L、8Rは、股下領域1Bを中心とする長手方向内側の領域では、基端部12L、12Rにおいてトップシート7と接着されており、基端部12L,12Rから幅方向内側に向けて他のシートと非接着で延在する内折り部を形成している。更に、内折り部の幅方向内側端部において反対方向である幅方向外側に向けて屈曲し、内折り部と同様に他シートと非接着で延在する外折り部を形成している。外折り部には、長手方向に伸縮する弾性部材8EL,8ERが複数配置されており、弾性領域10L,10Rを形成している。実施形態3では、弾性領域10L,10Rは、外折り部の領域である。外折り部の幅方向外側端部は、おむつ1着用時に弾性部材8EL,8ERが配置された弾性領域10L,10Rによって肌面側に起立する側の端部である自由端部11L,11Rとなっている。そして、弾性領域10L,10Rおよび自由端部11L,11Rの長手方向は、おむつ1の長手方向と一致する。
このように、本実施形態に係るおむつ1のサイドシート8L,8Rは、内折り部と外折り部を有している。着用時に外折り部に設けられた弾性領域10L,10Rの弾性力によって内折り部と外折り部の折り目が展開されて着用者の肌面側に立ち上がることで、立体ギャザー3BL,3BRを形成する。より具体的には、サイドシート8L,8Rは、内折り部において、基端部12L,12Rから幅方向内側に向けて一旦立ち上がった後、更に幅方向外側に屈曲することで、プリーツ状の立体ギャザー3BL,3BRを形成する。
このように内折り部と外折り部により立体ギャザー3BL,3BRを形成すると、内折り部とトップシート7との間に形成された空間により、吸収体6の幅方向端部に流入した尿等の液体成分の多い排出物を保持できる。このため、液体が立体ギャザー3BL,3BRの幅方向外側に流出するのを防ぎつつ、吸収体6に順次吸収させることができる。また、外折り部に設けられた弾性領域10L,10Rが着用者の肌面に密着することにより、便等の個体成分の多い排出物が立体ギャザー3BL,3BRの幅方向外側に流出するのを防ぐことができる。このように、内折り部と外折り部を有する立体ギャザー3BL,3BRは、立体ギャザー3BL,3BR付近に到達した排出物の内容を問わず、立体ギャザー3BL,3BLの更に幅方向外側への移動を妨げることができる。
図8(B)は、後身頃領域1Rの長手方向端部側、より具体的にはポケット部21の開口部近傍におけるおむつ1の断面図であって、テープ2L,2Rを省略している。また、図8(B)に示す位置では吸収体6は延在していない。立体ギャザー3BL,3BRの仮想延長線上において、サイドシート8L,8Rの非肌面側にはポケットシート20が存在する。図8(B)の位置においてもサイドシート8L,8Rの内折り部と外折り部は存在しているものの、長手方向内側に延在する弾性部材8EL,8ERと弾性領域10L,10Rは存在しない。長手方向端部側においても、外折り部は、弾性部材8EL,8ERが設けられた弾性領域10L,10Rを長手方向に仮想的に延長した仮想延在領域に存在する。このため、内折り部は基端部12L,12Rから弾性領域10L,10Rの仮想延在領域の手前に向けて幅方向内側に向けて延在し、外折り部は内折り部の幅方向内側端部と連続し、弾性領域10L,10Rの仮想延在領域において、幅方向外側に屈曲して延在する。この構成により、おむつ1着用時、股下領域1B側に設けられた弾性部材8EL,8ERの付勢力は長手方向端部側に伝達され、外折り部は依然として肌面側に付勢される。また、外折り部と連続している内折り部も、肌面側に付勢される。
サイドシート8L,8Rの内折り部の幅方向外側部分は、ポケットシート20と接着している。接着部分は、ポケットシート20の長手方向外側から長手方向内側端部近傍にかけて、ポケットシート20の長手方向の殆どの範囲に配置される。一方、ポケットシート20の長手方向内側端部はサイドシート8L,8Rと接着されておらず、自由端となっている。サイドシート8L,8Rが肌面側に付勢されることにより、接着されたポケットシート20は、肌面側に開くように付勢され、長手方向内側(股下側)に向かって開口し、ポケット部21を形成する。ポケット部21は、長手方向外側に向かって移動してきた排出物をその内側に導くことで、排出物がおむつ1の長手方向端部から漏出するのを抑制する。
図8(B)に示す領域においても、サイドシート8L,8Rの外折り部は他のシートと接着されていない。このため、外折り部は弾性領域10L,10Rから伝わる付勢力により、着用者の肌面に向けて立ち上がる。このため、本実施形態に係るおむつ1は、長手方向端部側に移動してきた排出物がポケット部21に完全に入り込まなかった場合でも、サイドシート8L,8Rの幅方向外側への漏出を抑制可能である。
図8(C)は、後身頃領域1Rの長手方向端部付近におけるおむつ1の断面図である。図8(C)でも、図8(B)と同様に、テープ2L,2Rを省略している。おむつ1の長手方向端部付近では、内折り部と外折り部の幅方向中央部に接着部16L,16Rが設けられている。おむつ1の長手方向端部に積層されている各シートは熱可塑性樹脂からなる不織布であって、超音波溶着等の熱溶着により一体的に接着可能である。例えば、図8(C)の例では、サイドシート8L,8R、ポケットシート20、トップシート7が一体的に接着されて接着部16L,16Rを形成している。なお、カバーシート4を含めた全てのシートが一体的に接着されていてもよい。おむつ1の長手方向端部はおむつ1の着脱や、衣類等との摩擦により圧力を受けやすい。当該部分に接着部16L,16Rに対して長手方向端部に積層されたシートを一体的に接着することで、おむつ1を構成するシートの一部が長手方向端部で剥離して機能低下するのを防ぐことができる。
接着部16L,16Rは内折り部と外折り部の幅方向中央部のみに設けられており、接着部の幅方向外側には、外側非接着部17L,17Rが存在する。また、接着部の幅方向内側には、内側非接着部18L,18Rが存在する。外側非接着部17L,17Rでは、サイドシート8L,8Rの外折り部の自由端部11L,11R側が他のシートと非接着の状態となる。また、内側非接着部18L,18Rでは、サイドシート8L,8Rの外折り部と、当該外折り部と連接している内折り部の幅方向内側が他のシートと非接着である。
そして、外側非接着部17L,17Rと、内側非接着部18L,18Rは、股下領域1B側に設けられた弾性部材8EL,8ERの仮想延長線上に存在し、おむつ着用時において、弾性部材8EL,8ERの付勢力により立ち上がるように付勢される。このため、サイドシート8L,8Rが接着部16L,16Rによって他のシートと一体的に接着されている状態でも、サイドシート8L,8Rは、外側非接着部17L,17Rと内側非接着部18L,18Rは肌面側に立ち上がることができる。
この構成により、万が一排出物が長手方向端部付近にまで流入した場合でも、外側非接着部17L,17Rと内側非接着部18L,18Rが多重の障壁となり、排出物がサイドシート8L,8Rを乗り越えて幅方向に広がるのを効果的に妨げることができ、着用者・介助者等の快適性が向上する。
<その他の実施形態>
次に、その他の実施形態について説明する。上記実施形態では、テープ型使い捨ておむつを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明は、パンツ型使い捨ておむつや吸収性パッド等の吸収性物品にも適用可能である。
また、上記実施形態1では、固定端部13L,13Rおよび非固定端部14L,14Rは、おむつ1の長手方向両端部(前身頃領域1Fおよび後身頃領域1R)に設けたが、長手方向のいずれか一方の端部に設けられていてもよい。
また、上記実施形態2では、ポケットシート20は、後身頃領域1Rに配置されているが、前身頃領域1Fに配置されていてもよいし、前身頃領域1Fおよび後身頃領域1Rの両方に配置されていてもよい。また、ポケットシート20が後身頃領域1R側に配置されている場合には、テープ2L,2Rは後身頃領域1R側に配置され、フロントパッチ2Fは前身頃領域1F側に配置される。一方、ポケットシート20が前身頃領域1F側に配置されている場合には、テープ2L,2Rは前身頃領域1F側に配置され、フロントパッチ2Fは後身頃領域1R側に配置される。
また、上記実施形態では、トップシート7は、1層のシート材で構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、トップシート7は、2層以上のシート材で構成されていてもよい。例えば、サイドシート8L,8Rは、トップシート7が2層のシート材で構成されている場合に、下側のシート材に接着されていてもよいし、両方のシート材に接着されていてもよい。
なお、吸収体6は、コアラップシートで包まれていてもよい。コアラップシートは、ティッシュペーパー等のパルプ繊維や薄い樹脂繊維で形成された不織布からなる透水性のシートであり、吸収体6の全体を被覆して、吸収体6の形態を維持し、SAP粒子が他の構造に散らばるのを防ぐ。なお、コアラップシートは、透水性を有するため、肌面側からの吸収体6への尿の移動を妨げることがない。
以上で開示した実施形態や変形例は、それぞれ組み合わせることができる。
1・・おむつ
1B・・股下領域
1F・・前身頃領域
1R・・後身頃領域
2F・・フロントパッチ
2L,2R・・テープ
3BL,3BR・・立体ギャザー
3R・・ウェストギャザー
4・・カバーシート
4KL,4KR・・括れ
4C,4SL,4SR,8EL,8ER,9ER,22ER・・弾性部材
5・・バックシート
6・・吸収体
7・・トップシート
8L,8R・・サイドシート
10L,10R・・弾性領域
11L,11R・・自由端部
12L,12R・・基端部
13L,13R・・固定端部
14L,14R・・非固定端部
16L,16R・・接着部
17L,17R・・外側非接着部
18L,18R・・内側非接着部
20・・ポケットシート
21・・ポケット部
21E・・ポケット基端部

Claims (15)

  1. 長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、着用者の股下に装着される吸収性物品であって、
    吸収体と、
    前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、
    立体ギャザー形成用の液体不透過性を有するサイドシートであって、前記幅方向の中心よりも外側に配置されたサイドシートと、
    を備え、
    前記サイドシートは、
    前記長手方向に伸縮する弾性部材が配置された弾性領域と、
    前記弾性部材によって前記肌面側に起立する側の端部である自由端部と、
    前記弾性領域よりも前記幅方向端部側で前記肌面側シートに接着された基端部と、
    前記長手方向端部側で前記基端部から連続するように配置された固定端部であって、前記肌面側シートに接着された固定端部と、
    前記固定端部よりも前記幅方向内側に配置され、前記長手方向端部側で前記弾性領域から連続するように配置された非固定端部と、
    を有する、
    吸収性物品。
  2. 前記幅方向における、前記弾性領域と前記非固定端部の長さが略同じである、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記長手方向端部側で前記サイドシートよりも前記肌面側に配置された液体不透過性を有するポケットシートを備え、
    前記ポケットシートは、前記幅方向端部側で前記サイドシートに接着され、前記長手方向外側で前記肌面側シートに接着され、前記長手方向内側が開口されたポケット部を形成する、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性物品は、装着状態において前記着用者の腹部側に位置する前身頃領域、股下に位置する股下領域、および背部側に位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられており、
    前記長手方向端部側は、前記後身頃領域側の端部であり、
    前記ポケット部は、前記非固定端部と重なっている、
    請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記ポケット部と重なる領域において、前記幅方向に伸縮するように前記ポケットシートに伸長状態で接着された第1弾性部材であって、前記長手方向に互いに離間して配置された複数の第1弾性部材を備え、
    互いに隣接する前記第1弾性部材において、前記長手方向外側に配置された前記第1弾性部材が接着された部位よりも前記長手方向内側に配置された前記第1弾性部材が接着された部位の方が収縮率が低くなる前記第1弾性部材の組を有する、
    請求項3に記載の吸収性物品。
  6. 前記第1弾性部材の組は、前記長手方向の最外側に配置された前記第1弾性部材と、該第1弾性部材よりも前記長手方向内側に配置された前記第1弾性部材とで構成されている、
    請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 前記ポケット部の開口に最も近い位置に配置された前記第1弾性部材が接着された部位よりも前記長手方向外側に配置された前記第1弾性部材が接着された部位の方が収縮率が大きい、
    請求項5に記載の吸収性物品。
  8. 前記ポケットシートと前記肌面側シートが接着された領域において、前記幅方向に伸縮するように前記ポケットシートに伸長状態で接着された第2弾性部材であって、前記長手方向に互いに離間して配置された複数の第2弾性部材を備え、
    前記複数の第2弾性部材の各々は、前記長手方向最外側に配置された前記第1弾性部材と伸縮率が略同じである、
    請求項5に記載の吸収性物品。
  9. 前記長手方向において前記吸収体よりも長く形成され、前記吸収体の非肌面側に配置された液体不透過性を有する非肌面側シートを備え、
    前記肌面側シートは、前記長手方向において前記吸収体よりも長く形成されており、
    前記長手方向における前記吸収体の端部よりも前記長手方向外側において、前記ポケットシートと前記肌面側シートが接着されており、且つ、前記肌面側シートと前記非肌面側シートが接着されている、
    請求項3から8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記長手方向における前記吸収体の端部において、前記肌面側シートが前記非肌面側に折り曲げられている、
    請求項9に記載の吸収性物品。
  11. 前記幅方向に伸縮するように前記ポケットシートに伸長状態で接着された第1弾性部材を備え、
    前記幅方向の両側において、前記ポケットシートおよび前記第1弾性部材は、前記吸収体を越えて延在し、
    前記長手方向において、前記吸収体の端部は肌面側シートおよび前記ポケットシートの端部の内側に配置されており、
    前記ポケットシートの配置領域において、前記幅方向における前記吸収体の端部を通り前記長手方向に延在する仮想延長線上から前記幅方向外側の少なくとも一部は、前記仮想延長線上から前記幅方向内側の部位よりも収縮率が大きい、
    請求項3または4に記載の吸収性物品。
  12. 長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、着用者の股下に装着される吸収性物品であって、
    吸収体と、
    前記吸収体の肌面側に配置された液体透過性を有する肌面側シートと、
    立体ギャザー形成用の液体不透過性を有するサイドシートであって、前記幅方向の中心よりも外側に配置されたサイドシートと、
    前記長手方向端部側で前記サイドシートの非肌面側に配置された液体不透過性を有するポケットシートと、
    を備え、
    前記ポケットシートは、
    前記幅方向端部側で前記サイドシートに接着され、前記長手方向外側で前記肌面側シートに接着され、前記長手方向内側が開口されたポケット部を形成し、
    前記サイドシートは、
    前記長手方向に伸縮する弾性部材が複数配置された弾性領域と、
    前記弾性部材によって前記肌面側に起立する側の端部である自由端部と、
    前記弾性領域よりも前記幅方向端部側で前記肌面側シートに接着された基端部と、
    前記長手方向端部側の前記自由端部の仮想延長上に連続するように配置された固定端部であって、その幅方向中央部が前記ポケットシートと接着された固定端部と、
    前記固定端部の幅方向内側および幅方向外側に配置された非固定端部と、
    を、有する、
    吸収性物品。
  13. 前記非固定端部は、前記弾性領域に配置された弾性部材の前記長手方向の仮想延長線上に設けられている、
    請求項12に記載の吸収性物品。
  14. 前記サイドシートは、前記基端部から前記弾性領域および前記弾性領域の仮想延在領域の手前に向けて前記幅方向内側に向けて延在する内折り部と、
    前記内折り部の前記幅方向内側端部と連続し、前記弾性領域および前記弾性領域の仮想延在領域において前記幅方向外側に屈曲して延在する外折り部と、
    を、有し、
    前記ポケットシートの前記長手方向外側から前記長手方向内側端部近傍にかけて、前記内折り部の幅方向外側部分が前記ポケットシートと接着している、
    請求項12または13に記載の吸収性物品。
  15. 前記固定端部は、前記ポケットシートの長手方向端部側に設けられており、
    前記外折り部は、前記固定端部において前記内折り部と接着している、
    請求項14に記載の吸収性物品。
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