JP7158975B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、パンツタイプおむつ、テープタイプおむつ、パッドタイプタイプおむつ等や、生理用ナプキン等の使い捨ての吸収性物品に関するものである。
吸収性物品は、表面を形成するトップシートと、トップシートの裏側に設けられた吸収体とを含み、トップシート上に排泄された排泄液を、トップシートを透過させて吸収体に供給し、吸収体で吸収・保持することを基本とするものである。周知のように、吸収体は高吸収性ポリマーを含有するものが一般的である。この高吸収性ポリマーにより、排泄液は適正量吸収される。
ところで、吸収性物品を展開したときは、吸収体は略平らな形状であるが、吸収性物品を装着者の股間に装着させたときには吸収性物品全体として略舟形(以下、単に船形という)に変形し、それに伴い吸収体も舟形に変形する。
しかしながら、両側部が前後方向に連続している吸収体の場合、舟形に変形するときには、側部が前後方向に圧縮されて不規則に折れ曲がり、吸収体の表面に幅方向に延びる大きな皺(凹凸)が不規則な位置に形成される。吸収体にこのような大きな皺が雑然と形成されると、股間に対するフィット性が低下する。また、排泄液が、望ましくない位置に形成された凹部に集中し、主にその箇所だけで吸収が進行するため、吸収速度が遅くなったり、吸収体の利用効率が低下したりするおそれがある。このような排泄液の集中とそれによる吸収速度の低下は、漏れにつながるおそれがあるため、好ましくない。
吸収体の装着形状への変形を容易にするための手段としては、吸収体の両側縁に、幅方向内側に入り込む凹部を前後方向に間隔を空けて多数設けること(特許文献1参照)等が提案されている。この特許文献1記載のものは、吸収体が舟形に変形するときの皴を防止する手段として特に好ましいものである。
特表2018-508265号公報 特開2016-123836号公報 特開2012-143535号公報 特開2015-97715号公報
しかしながら、吸収体の側縁に凹部を設けると、凹部の縁が吸収体を包むシートにより拘束されないため、装着作業時や装着後の装着者の動きにより凹部に力が加わると、凹部の縁が崩れるおそれがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、吸収体のフィット性を向上させるとともに、吸収体の崩れを抑制することにある。
上記課題を解決した吸収性物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
股間部を含む範囲に設けられた吸収要素と、
前記吸収要素の表側を覆う液透過性のトップシートと、
前記吸収要素の裏側を覆う液不透過性シートとを有し、
前記吸収要素は、少なくとも短繊維状の吸収素材が積繊された吸収体と、この吸収体を包む包装シートとを含むものであり、
前記包装シートは、前記吸収体の表側を覆う第1部分及び前記吸収体の裏側を覆う第2部分を有し、
前記吸収体の両側縁は、前後方向に間隔を空けた複数個所で、幅方向内側に入り込む凹部を有しており、
前記吸収体よりも裏側に、前記凹部と重なる部分を含む複数のシートを有し、
前記複数のシートのうち隣接する一対のシートは、前記凹部と重なる部分で接着されておらず、
少なくとも装着状態で、前記凹部が前後方向に閉じるように前記吸収体が変形するとともに、前記包装シートの第2部分のうち前記凹部と重なる部分が、前記凹部の前縁及び後縁を折り位置として前記凹部の前縁及び後縁の間に折り込まれるようになっている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本吸収性物品では、吸収体の両側縁に凹部を設けるだけでなく、凹部と重なる部分に、包装シートよりも裏側のシート間が接着されていない部分が形成されている。そして、その結果、少なくとも装着状態で、凹部が前後方向に閉じつつ吸収体が舟形に変形するとともに、包装シートの第2部分のうち凹部と重なる部分が、凹部の前縁及び後縁を折り位置として前記凹部の前縁及び後縁の間に折り込まれるようになっている。したがって、凹部の縁は、凹部の前縁及び後縁の間に折り込まれた包装シートの第2部分によって被覆されて拘束されるため、このような拘束がないものと比べて崩れにくいものとなる。
なお、凹部の寸法・形状によっては、包装シートの第2部分のうち凹部と重なる部分が、凹部の前縁及び後縁の間を通り凹部の表側に折り出されることとなり、包装シートの第1部分及びトップシートも第2部分と一緒に折れ曲がり、吸収性物品の表面上に突出することになるが、この突出部分は凹部の位置に整然と形成され、不規則な形状とならないため、外観上好ましいものとなるだけでなく、装着感や吸収性能への影響も少ないものとなる。
<第2の態様>
前記凹部と重なる部分及びその側方の部分の少なくとも一方に設けられたサイド弾性部材を有し、
前記隣接する一対のシートは、前記サイド弾性部材よりも表側に位置しており、
自然長の状態で、前記サイド弾性部材の収縮力により前記凹部が前後方向に閉じるようになっている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
このようなサイド弾性部材を設けることにより、装着状態でより確実に凹部が閉じるとともに、包装シートの第2部分が凹部に折り込まれ、また、その状態が弾力的に維持されるようになるため好ましい。
<第3の態様>
前記サイド弾性部材として、前記凹部の前後両側にわたる細長状のサイド弾性部材が幅方向に間隔を空けて複数配され、
幅方向の外側に位置するサイド弾性部材ほど、展開状態における伸長率が低い
第2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収体が舟形に変形したときに、隙間を小さくするためには、凹部は上記形状であると好ましい。また、その場合、サイド弾性部材を幅方向に間隔を空けて複数設け、幅方向の外側に位置するサイド弾性部材ほど、展開状態における伸長率が低いものとすると、吸収体が舟形に変形したときに、凹部に残る隙間をより小さくすることができるため好ましい。
<第4の態様>
前記凹部は、幅方向の内側に位置する頂点から幅方向外側に向かうにつれて前後方向の間隔が拡大する形状を有し、
前記凹部は、展開状態における前後方向の寸法が10~30mmであり、かつ展開状態における幅方向の寸法が10~40mmであり、
前記凹部は、幅方向の両側に、前後方向に間隔を空けて3個以上形成され、
少なくとも1つの凹部は股間部に位置しており、
前記吸収体の両側縁は、幅方向の中心を通る中心線に関して線対称をなしており、
幅方向両側のそれぞれで、前記凹部における幅方向の内側に位置する頂点が、前記吸収体の側方に曲率中心を有する曲線上に位置している、
第1~3のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
凹部の寸法・形状、配置は適宜定めることができるが、本態様のように配置されていると、吸収体が舟形に変形しやすく、変形後の形状も股間部にフィットしやすいものとなるため好ましい。
<第5の態様>
幅方向の両側から起き上がる起き上がりギャザーをそれぞれ備え、
前記起き上がりギャザーは、前記包装シートの第2部分より裏側に設けられた付根部分と、この付根部分から前記包装シートの側方を経て前記トップシートの表側に至る本体部分と、この本体部分の前後方向両端部及び前後方向中間部のうち、前後方向両端部が倒伏状態で固定されて形成された倒伏部分と、前後方向中間部が非固定とされた形成された自由部分と、この自由部分の少なくとも先端部に前後方向に沿って伸長状態で固定されたギャザー弾性部材と、を有しており、
前記付根部分は、前記凹部と重なる部分を通り前後方向に延びるとともに、
前記付根部分に、前記サイド弾性部材が内蔵されている、
第1~4のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
サイド弾性部材の取り付け位置は適宜定めることができるが、本態様のように、包装シートの第2部分より裏側に設けられた付根部分を有する起き上がりギャザーを設けるとともに、その付根部分にサイド弾性部材を内蔵させると、サイド弾性部材の取り付けを、ギャザー弾性部材と同時に行うことができ、製造が容易となるため好ましい。
本発明によれば、吸収体のフィット性が向上するとともに、吸収体の崩れが抑制される。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 図1の2-2断面図である。 図1の3-3断面図である。 (a)図1の4-4断面図、及び(b)図1の5-5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を要部のみ示す、平面図である。 展開状態の内装体の外面を外装体の輪郭とともに示す、平面図である。 吸収体の凹部近傍を示す断面図である。 舟形の吸収性物品の模式図である。 舟形の吸収性物品の側面模式図である。 吸収体の平面図である。 吸収体の平面図である。 凹部の種々の態様を示した図である。 吸収体の平面図である。 吸収体の平面図である。 凹部付近のシートの積層状態を示した説明図である。
以下、パンツタイプ使い捨ておむつの一例について、添付図面を参照しつつ詳説する。断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
また、以下の説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となった疎水性繊維を含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
さて、図1~図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。本パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する長方形の前側外装体12F及び後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する長方形の後側外装体12Bと、前側外装体12Fから股間部を経て後側外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えており、前側外装体12Fの両側部と後側外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール部12Aが形成されることにより、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口LOとなる。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
本形態のパンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部12Aを有する前後方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界がない場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側に延び出たウエスト延出部分12Eがウエスト部Wとなる。これらの前後方向長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15~40mm、ウエスト下方部Uは65~120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3~図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から装着者の脚周りに接するように延び出た起き上がりギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30の両側部は、吸収要素50の側縁で裏側に折り返しても良く、また折り返さずに吸収要素50の側縁より側方にはみ出させても良い。
トップシート30は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド不織布又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17~80g/m2が好ましく、25~60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0~10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の前後方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
中間シート40は、裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができるが、後述するカバー不織布13とのホットメルト接着剤を介した接着時に十分な接着強度を得るため、樹脂フィルムを用いるのが望ましい。
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5~20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(起き上がりギャザー)
起き上がりギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向LDの全体にわたり延在し、装着者の脚周りに接して横漏れを防止するために設けられているものであり、一般に立体ギャザーと呼ばれるものや、平面ギャザーと呼ばれるものがこれに含まれる。
図1、図3及び図4に示される起き上がりギャザー60は、内装体200の側部から表側に起立するものである。この起き上がりギャザー60は、付根側部分60Bが幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側部分60Aが幅方向外側に向かって斜めに起立するものであるが、これに限定されるものではなく、全体として幅方向中央側に起立する形態等、適宜の変更が可能である。
より詳細に説明すると、図示例の起き上がりギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザー不織布62を、先端となる部分で幅方向WDに折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向WDに間隔を空けて複数本固定してなるものである。起き上がりギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向WDにおいてシート折り返し部分と反対側の端部)は、内装体200における液不透過性シート11より裏側の側部に固定された付根部分65とされ、この付根部分65以外の部分は付根部分65から延び出る本体部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、本体部分66は、幅方向中央側に延びる付根側部分60Bと、この付根側部分60Bの先端で折り返され、幅方向外側に延びる先端側部分60Aとを有している。この形態は面接触タイプの起き上がりギャザー60であるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの起き上がりギャザー60も採用することができる。そして、本体部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された倒伏部分67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分68とされ、この自由部分68の少なくとも先端部に前後方向LDに沿うギャザー弾性部材63が伸長状態で固定されている。
以上のように構成された起き上がりギャザー60では、ギャザー弾性部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、本体部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分68とされているため、自由部分68のみが図3に矢印で示すように身体側に当接するように起立する。特に、付根部分65が内装体200の裏側に位置していると、股間部及びその近傍において自由部分68が幅方向外側に開くように起立するため、起き上がりギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
図示例の起き上がりギャザー60のように、本体部分66が、幅方向中央側に延びる付根側部分60Bと、この付根側部分60Bの先端で折り返され幅方向外側に延びる先端側部分60Aとからなる屈曲形態では、倒伏部分67で、先端側部分60Aと付根側部分60Bとが倒伏状態で接合されるとともに、付根側部分60Bが倒伏状態でトップシート30に接合される。倒伏部分67における対向面の接合には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。この場合において、付根側部分60B及びトップシート30の接合と、先端側部分60A及び付根側部分60Bの接合とを同じ手段により行っても、また異なる手段により行っても良い。例えば、付根側部分60B及びトップシート30の接合をホットメルト接着剤により行い、先端側部分60A及び付根側部分60Bの接合を素材溶着により行うのは一つの好ましい形態である。
ギャザー不織布62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10~30g/m2程度とするのが好ましい。ギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470~1240dtexが好ましく、620~940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150~350%が好ましく、200~300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザー不織布62の間に防水フィルム64を介在させることもでき、この場合には防水フィルム64の存在部分においてギャザー不織布62を部分的に省略することもできるが、製品の外観及び肌触りを布のようにするためには、図示例のように、少なくとも起き上がりギャザー60の基端から先端までの外面がギャザー不織布62で形成されていることが必要である。
起き上がりギャザー60の自由部分に設けられるギャザー弾性部材63の本数は2~6本が好ましく、3~5本がより好ましい。配置間隔60dは3~10mmが適当である。このように構成すると、ギャザー弾性部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付根側にもギャザー弾性部材63を配置しても良い。
起き上がりギャザー60の自由部分68では、ギャザー不織布62の内側層及び外側層の貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。ギャザー不織布62の内側層及び外側層の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性部材63の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布してギャザー不織布62の内側層及び外側層間に挟むことにより、当該ギャザー弾性部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、ギャザー不織布62の内側層及び外側層へのギャザー弾性部材63の固定と、ギャザー不織布62の内側層及び外側層間の固定とを行う構造となっている。
同様に、起き上がりギャザー60に組み込まれる防水フィルム64とギャザー不織布62との固定や、倒伏部分67の固定についても、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。
図示例の起き上がりギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図3に示すように、起き上がりギャザー60の起立高さ(展開状態における本体部分66の幅方向長さ)W2は15~60mm、特に20~40mmであるのが好ましい。また、起き上がりギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W1は60~190mm、特に70~140mmであるのが好ましい。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。
(吸収体)
吸収体56は、少なくとも短繊維状の吸収素材が積繊されたものである。短繊維状の吸収素材としては、パルプ繊維が好ましいが、合成繊維であってもよい。繊維目付けとしては、例えば100~300g/m2程度とすることができ。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図7等にも示すように、前後方向中間に、その前後両側よりも幅が狭い括れ部56Nとを有する砂時計形状をなしていると、吸収体56自体と起き上がりギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、内装体200の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の全幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概にはいえないが、50~350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。例えば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後側縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできるが、図示例では、前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の前側外装体12Fと、後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されたものとなっている。この離間距離12dは例えば150~250mm程度とすることができる。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する前後方向範囲である胴周り部を有する。また、本形態では、前側外装体12Fよりも後側外装体12Bの方が前後方向寸法が長くなっており、前側外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を有していないが、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出た臀部カバー部Cを有している。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けても良い。
後側外装体12Bの前後方向LDの長さは、適宜定めることができるが、サイドシール部12Aの前後方向LDの長さの1.1~1.5倍とすることが好ましい。
外装体12F,12Bは、図4及び図5に示されるように、後述する弾性部材15~19の外側及び内側にそれぞれ位置する外側シート層12S及び内側シート層12Hがホットメルト接着剤や溶着等の接合手段により接合されたものである。外側シート層12Sを形成するシート材及び内側シート層12Hを形成するシート材は、共通の一枚のシート材とする他、個別のシート材とすることもできる。すなわち、前者の場合、外装体の一部又は全部において、ウエスト開口WOの縁(股間側の縁としても良い)で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分により内側シート層12H及び外側シート層12Sがそれぞれ形成される。なお、前者の形態では、シート材の資材数が少ないという利点があり、後者の形態では内側シート層12H及び外側シート層12Sを貼り合わせる際に位置ずれしにくいという利点がある。図示例は後者に相当するものであり、内側シート層12Hを形成するシート材はウエスト開口WOの縁までしか延在していないが、外側シート層12Sを形成するシート材は、内側シート層12Hのシート材のウエスト開口WO側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト開口WO側の端部上までを被覆するように延在されている。
外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、特に限定無く使用できるが不織布が好ましく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維や、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などからなる不織布を使用することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10~30g/m2程度とするのが好ましい。
(伸縮領域・非伸縮領域)
外装体12F,12Bには、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、外側シート層12S及び内側シート層12H間に弾性部材15~19が設けられ、弾性部材の伸縮を伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域A2が形成されている。この伸縮領域A2では、自然長の状態では外側シート層12S及び内側シート層12Hが弾性部材の収縮に伴って収縮し、皺又は襞が形成されており、弾性部材の長手方向に伸長すると、外側シート層12S及び内側シート層12Hが皺なく伸び切る所定の伸長率まで伸長が可能である。弾性部材15~19としては、糸ゴム等の細長状の弾性部材(図示例)の他、帯状、網状、フィルム状等、公知の弾性部材を特に限定なく用いることができる。弾性部材15~19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
外装体12F,12Bにおける外側シート層12S及び内側シート層12Hの貼り合わせや、その間に挟まれる弾性部材15~19の固定には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。外装体12F,12B全面を強固に固定すると柔軟性を損ねるため、弾性部材15~19の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性部材15~19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して両シート層12S,12H間に挟むことにより、当該弾性部材15~19の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、両シート層12S,12Hへの弾性部材15~19の固定と、両シート層12S,12H間の固定とを行う構造となっている。弾性部材15~19は伸縮領域における伸縮方向の両端部のみ、外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定することができる。
図示例の弾性部材15~19についてより詳細に説明すると、外装体12F,12Bのウエスト部Wにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、幅方向WDの全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性部材17が前後方向に間隔を空けて取り付けられている。また、ウエスト部弾性部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト部弾性部材17としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、4~12mmの間隔で3~22本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト部Wの幅方向WDの伸長率は150~400%、特に220~320%程度であるのが好ましい。また、ウエスト部Wは、その前後方向LDの全てに同じ太さのウエスト部弾性部材17を用いたり、同じ伸長率にしたりする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性部材17の太さや伸長率が異なるようにしてもよい。
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、細長状の弾性部材からなるウエスト下方部弾性部材15,19が複数本、前後方向に間隔を空けて取り付けられている。
ウエスト下方部弾性部材15,19としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、1~15mm、特に3~8mmの間隔で5~30本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト下方部Uの幅方向WDの伸長率は200~350%、特に240~300%程度であるのが好ましい。
また、後側外装体12Bの臀部カバー部Cにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、細長状の弾性部材からなるカバー部弾性部材16が取り付けられている。臀部カバー部Cはカバー部弾性部材16により幅方向WD中央側に収縮している。
カバー部弾性部材16としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを設けるのが好ましく、これによる臀部カバー部Cの幅方向WDの伸長率は150~400%、特に250~350%であるのが好ましい。
他方、前側外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には、臀部カバー部Cと同様にカバー部弾性部材を設けることができる。
図示例のウエスト下方部Uや臀部カバー部Cのように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性部材15,16,19を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外接合部201,202の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が伸縮領域A2とされる。ウエスト部Wは幅方向WDの全体にわたり伸縮領域A2とされるのが好ましいが、ウエスト下方部Uと同様に、幅方向中間に非伸縮領域A1を設けても良い。
このような伸縮領域A2及び非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと、外側シート層12Sとの間に、弾性部材15~17,19を供給し、弾性部材15,16,19を伸縮領域A2における少なくとも伸縮方向の両端部でホットメルト接着剤を介して固定し、非伸縮領域A1となる領域では固定せず、非伸縮領域A1となる領域において、弾性部材15,16,19を加圧及び加熱により幅方向中間の1か所で切断するか、又は多数個所で細かく切断し、伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。前者の場合、図4に示すように、非伸縮領域A1には、伸縮領域A2の弾性部材15,16,19から連続する切断残部が不要弾性部材18として単独で自然長まで収縮した状態で、外側シート層12S及び内側シート層12H間に残ることとなり、後者の場合、図示しないが、伸縮領域A2の弾性部材15,16,19から連続する切断残部、及び両方の伸縮領域A2の弾性部材15,16,19と連続しない弾性部材の切断片が不要弾性部材として単独で自然長まで収縮した状態で、外側シート層12S及び内側シート層12H間に残ることになる。
(カバー不織布)
外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつでは、前側外装体12F及び後側外装体12Bとの間に内装体200が露出するため、内装体200の裏面に液不透過性シート11が露出しないように、前側外装体12Fと内装体200との間から、後側外装体12Bと内装体200との間にかけて、内装体200の裏面を覆うカバー不織布13を備えていることが好ましい。
カバー不織布13に用いる不織布は、例えば外装体12F,12Bの素材と同様のものを適宜選択することができる等、繊維の種類や、繊維の結合(交絡)方法により特に限定されるものではないが、エアスルー不織布を用いることが望ましく、その場合の目付けは20~40g/m2、厚みは0.3~1.0mmであると好ましい。
カバー不織布13の前後方向範囲は特に限定されず、図2及び図5に示すように、内装体200の前端から後端までの全体にわたり前後方向LDに延在していてもよく、図8に示すように、前側外装体12Fと内装体200とが重なる領域の前後方向中間位置から後側外装体12Bと内装体200とが重なる領域の前後方向中間位置まで前後方向LDに延在していてもよい。また、図8に示す例の場合、カバー不織布13と前側外装体12Fとの重なり部分の前後方向長さ13y、及びカバー不織布13と後側外装体12Bとの重なり部分の前後方向長さ13yは適宜定めることができるが、通常の場合それぞれ20~40mm程度とすることができる。
カバー不織布13の幅方向範囲は、液不透過性シート11の裏面露出部分を隠しうる範囲とされる。このため、図示例では、左右の起き上がりギャザー60の基端の間に液不透過性シート11が露出するため、少なくとも一方の起き上がりギャザー60の基端部の裏側から他方の起き上がりギャザー60の基端部の裏側までの幅方向範囲を覆うようにカバー不織布13が設けられている。これにより、液不透過性シート11をカバー不織布13と起き上がりギャザー60のギャザー不織布62とで隠蔽することができる。また、カバー不織布13の幅方向両端部が起き上がりギャザー60の基端部の裏側を覆うのではなく、ギャザー不織布62がカバー不織布13の幅方向両端部の裏側を覆うようにしても、カバー不織布13とギャザー不織布62とで液不透過性シート11を隠蔽することは可能である。この場合、カバー不織布13の両側部がギャザー不織布62により覆われるため、カバー不織布13の両側部が液不透過性シート11から剥がれにくくなるという利点がある。
(内外接合部)
内装体200の外装体12F,12Bに対する固定は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により行うことができる。図示例では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12F,12Bの内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外接合部201,202は、図2に示すように、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向両端部を除いた部分に設けることもできる。
(吸収体の凹部)
図7は、展吸収体56と包装シート58からなる吸収要素50と、サイド弾性部材63aの配置を示している。特徴的には、吸収体56は両側縁に、前後方向LDに間隔を空けた複数個所で、幅方向WDの内側に入り込む凹部71を有している。図9は、吸収体56の凹部71近傍を示す断面図であり、(a)は凹部71が開いた状態、(b)は凹部71が閉じた状態を示している。図10は、吸収性物品を舟形にしたときの模式図である。図11は、吸収性物品を舟形にしたときの側面から見た模式図である。図12は、砂時計形状の吸収体56に凹部71を設けた図である。図13は、図12の変形例である。図14は、凹部71の他の態様の例を示した図である。図16は、略長方形状の吸収体56に凹部71を設けた図である。図17は、シートが複数積層された態様の一例の説明図であり、凹部71付近を説明するものである。シートは身体側からトップシート30、吸収要素50(包装シート58)、吸収体よりも裏側に、前記凹部と重なる部分を含む複数のシートの順で表面から裏面に向かって重なる。凹部71を有する吸収体56は包装シート58で包まれている。
吸収体56は、一層構造に形成しているが、身体側の上層吸収体と反身体側の下層吸収体の二層構造に形成することもできる。吸収体56が二層以上の層構造を有している場合、凹部71はすべての層に重なるように設けられる。平面視において吸収体56は砂時計形状に形成しているが、略長方形状等に形成することもできる。
凹部71は、吸収体56の幅方向の内側に位置する頂点から幅方向外側に向かうにつれて前後方向の間隔が拡大する形状の他、方形状、角丸方形状にするとよい(図14参照)。しかしながらこれらに限るものではない。凹部71は、前後方向LDの寸法71Wが10~30mmであり、かつ展開状態における幅方向WDの寸法71Lが10~40mmとするとよい(図16参照)。凹部71の寸法は適宜定めることができるが、この範囲内であると、吸収体が舟形に変形しやすく、変形後の形状も股間部にフィットしやすいものとなるため好ましい。
凹部71の数は、各側縁において前後方向LDに間隔を空けて1~5個、好ましくは3個~5個とするとよい。そして、一方の側縁当たりの凹部71の数と、他方の側縁当たりの凹部71の数を同数とするとよいが、あえて同数としなくてもよい。さらに、両側縁それぞれにおける少なくとも1つの凹部が股間部に位置していると、吸収体の、特に股間部のフィット性を向上させるとともに、崩れを抑制できるからである。
吸収体の両側縁は、幅方向の中心を通る中心線91に関して線対称をなしていてもよい。また、吸収体56の幅方向WDの一方の側縁に設けた凹部71と、他方の側縁に設けた凹部71は、前後方向LDに沿って相互に、互い違いに配置されてもよい(図15参照)。
なお、吸収体56の幅方向WDの両側縁のそれぞれ(一方の側縁及び他方の側縁)に凹部71を1つ備える場合は、特に限定されないが、吸収体の前後方向LDの中央部に備えるとよい。ここで、中央部とは、例えば、吸収体56を前後方向LDに3等分した場合の真ん中の部分を示す。吸収体56を舟形に変形したときに、吸収体56が湾曲する中央部に凹凸が雑然と発生しやすい。同中央部に凹部71を備えることで、凹凸の発生を抑制できる。
凹部71の存在により、装着状態で吸収性物品100が舟形に変形したときに、吸収体56も凹部71が前後方向に閉じつつ、それゆえ凹凸を形成せずに舟形に変形する。
特に、吸収体56において、図12に示すように、幅方向両側のそれぞれで、各凹部71における幅方向の内側に位置する頂点が、吸収体56の側方に曲率中心を有する曲線81a上に位置するように凹部71を形成するとよい。このような態様にすることで、装着者の股間部の形状に曲線81aが沿うので、吸収体56が装着者の股間部を確実に覆い、股間部にフィットするので股間部からの液の漏れを確実に防ぐことができる。また、同時に吸収体56の折れ曲がりによる凹凸が発生し難くなる。
凹部71を設ける位置は、吸収体56の幅方向WDの両側縁のそれぞれに、前後方向LD(長手方向)に沿って間隔を空けて複数設けるとよい。特に、括れ部56Nを有する吸収体56の場合、括れ部56Nの範囲に凹部71を設けるとよい。
また、凹部71、71、・・・のうち最も後側(背側)の凹部71は、この凹部71よりも前側に設けられた凹部71、71、・・・よりも大きくするとよい。具体的には、図13に示すように、最も後側(背側)に位置する凹部71aの大きさを、この凹部71aよりも腹側に位置する凹部71b、71c、71dの大きさよりも大きいものとすると好適である。凹部71aは相対的に大きいので、後述するトップシート30に発生するしわも相対的に大きなものとなり、背側から排泄液が漏れるのを効果的に防止できる。
(包装シートの折り込みについて)
吸収体56は、包装シート58で包まれ、吸収要素50を構成している。図3、図9(a)及び図17に示すように、包装シート58は、吸収体56の表側を覆う第1部分58a及び吸収体56の裏側を覆う第2部分58bを有する。また、吸収体56よりも裏側に、凹部71と重なる部分を含む複数のシートを有しており、複数のシートのうち隣接する一対のシートは、凹部71と重なる非接着部分101を有している。この吸収要素50の身体側(おむつの表面側)には、トップシート30が備わり、吸収要素50を覆う。ただし、中間シート40を備える場合には中間シート40はトップシート30と吸収要素50の間に配される。
このような構成においては、吸収体56の凹部71を覆う包装シート58の第1部分58aも、トップシート30(凹部71の表面側が中間シート40で覆われている場合は、中間シート40を含む。)で覆われている。
吸収性物品100に、上記凹部71が形成された吸収体56を用いるとともに、上記非接着部101を設けると、吸収性物品100を装着者に装着させるときに、吸収体56は次のように変形する。
すなわち、吸収体56は凹部71を有するため、吸収性物品100の変形に伴い、吸収体56は凹部71を基点に凹部71が前後方向LDに閉じるように変形を促され、図9(b)に示すように、包装シート58の第2部分58bのうち凹部71と重なる部分58cは凹部71の前縁及び後縁を折り位置として凹部71の前縁及び後縁の間に折り込まれるようになる。この結果、吸収体56表面に凹凸が雑然と発生し難くなる。本例では、図9(b)、図10、及び図11に示すように、包装シート58の第1部分58aにおける凹部71と重なる部分及びトップシート30における凹部71と重なる部分30aも第2部分58bにおける凹部71と重なる部分58cと一緒に折れ曲がり、吸収性物品100の表面上に突出する(しわが形成される)ことになる。この結果、凹部71の縁が吸収体56を包む包装シート58により拘束されるため、装着作業時や装着後の装着者の動きにより凹部71に力が加わっても、凹部71の縁が崩れにくいものとなる。また、凹部71を有することで、結果としてトップシート30に突出して発生するしわの位置や形状、大きさ、数を誘導することができる。また、図10に示すようにこのしわがあることで、装着者の排泄した排泄液90がしわに遮られ、背側から排泄液90が漏れるのを効果的に防ぐことができる。
非接着部101は、凹部71と重なる部分を含む複数のシートのうち、隣接する一対のシートが非接着となっている限り、どの一対のシートが非接着となっていてもよい。図示例の非接着部分101は、凹部71と重なる部分において、トップシート30のうち吸収体56の裏側に位置する部分及び包装シート58の第2部分58bと、ギャザーシート62及び防水フィルム64とが非接着となっているが、これに限られるものではない。図示しないが、例えば、立体ギャザー60の付根部分65が、吸収要素50の裏側に位置しない構造では、液不透過性シート11を凹部71と重なる部分まで存在させ、包装シート58と液不透過性シート11とを非接着とすることにより非接着部分101を形成したり、液不透過性シート11及びカバー不織布13を凹部71と重なる部分まで存在させ、それらを非接着とすることにより非接着部分101を形成したりすることができる。
凹部71と重なる部分において、第1部分58aと第2部分58bとはホットメルト接着剤や溶着等の接合手段により接合されていることが好ましいが、接合されていなくてもよい。また、他の部材は、凹部71と重なる部分において、上記非接着部分101を除き、対向面同士がホットメルト接着剤や溶着等の接合手段により接合されていることが好ましいが、接合されていなくてもよい。
(サイド弾性部材)
吸収体の56の凹部71と重なる部分及びその側方の部分の少なくとも一方にはサイド弾性部材63aが設けられており、前述の隣接する一対のシートは、サイド弾性部材63aよりも表側(裏側でもよい)に位置しており、自然長の状態で、サイド弾性部材63aの収縮力により凹部71が前後方向に閉じるようになっていると好ましい。サイド弾性部材63a、63aの一端は、少なくとも最も前側(腹側)に設けられた凹部71よりも前側(腹側)まで配するとよい。また、サイド弾性部材63a、63aの他端は、最も後側(背側)に設けられた凹部71よりも後側(背側)まで配するとよい。
サイド弾性部材63a、63aは幅方向両側のそれぞれで各凹部71における幅方向の内側に位置する頂点が、吸収体56の側方に曲率中心を有する曲線81aよりも吸収体56の幅方向WDの外側に配するようにするとよい。
幅方向の両側にこのサイド弾性部材63a、63aを有すると、図9(b)に示すように、吸収要素50は前後方向LDに収縮力を受け、装着状態でより確実に凹部71が閉じるとともに、包装シート58における凹部71と重なる部分58cが凹部71に折り込まれて、身体側に突出しやすくなる。また、その状態が弾力的に維持される。
サイド弾性部材63は凹部71と重なる部分及びその側方の部分の少なくとも一方を構成するシートの間に設けることができる。特に限定されないが、例えば、起き上がりギャザー60の付根部分65や、液不透過性シート11、カバー不織布13、内側シート12H、外側シート12Sのいずれかのシートの間であってもよい。
サイド弾性部材63は複数本配することができる。例えば、サイド弾性部材63として、凹部71の前後両側にわたる細長状のサイド弾性部材63が幅方向に間隔を空けて複数配され、幅方向WDの外側に位置するサイド弾性部材63ほど、展開状態における伸長率が低いものとするのは好ましい。しかしながらこれら複数本配されたサイド弾性部材63a、63b、63c、・・・の展開状態における伸長率が全て同じとしてもよい。
吸収体56が舟形に変形したときに、凹部71の隙間を小さくするためには、凹部71は前述の形状、特に吸収体56の幅方向WDの内側に位置する頂点から幅方向WDの外側に向かうにつれて前後方向LDの間隔が拡大する形状であると好ましい。また、その場合、サイド弾性部材63を幅方向に間隔を空けて複数設け、幅方向の外側に位置するサイド弾性部材63ほど、展開状態における伸長率が低いものとすると、吸収体56が舟形に変形したときに、凹部71に残る隙間をより小さくすることができ、装着者に吸収体56がフィットするため好ましい。
また、吸収性物品100を装着者に装着させるため舟形にすると、吸収体56も舟形に変形する。このとき、吸収体56は、凹部71を基点として変形する。トップシート30における、包装シート58の第2部分58bのうち凹部71と重なる部分に対向する部位(対向部30a)が身体側に突出してしわが形成されるので、同トップシート30上の他の部位ではしわが発生し難いものとなる。また、サイド弾性部材63a、63b、・・・の存在により、吸収体56は凹部71を基点とする変形がより促されるとともに、対向部30aの起立もより際立つ。
図示例では、起き上がりギャザー60の付根部分65が、凹部71と重なる部分を通り前後方向LDに延びているため、この付根部分65に、サイド弾性部材63を内蔵させるのは好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、起き上がりギャザー60の付根部分65は凹部71と重なる部分より側方に離れていてもよく、そのような場合には、サイド弾性部材63は凹部71と重なる部分よりも側方の部分に配置されることとなる。また、図示しないが、例えば、立体ギャザー60の付根部分65が、吸収要素50の裏側に位置しない構造では、液不透過性シート11を凹部71と重なる部分まで存在させ、包装シート58と液不透過性シート11との間にサイド弾性部材13を設けたり、液不透過性シート11及びカバー不織布13を凹部71と重なる部分まで存在させ、それらの間にサイド弾性部材13を設けたりすることもできる。
サイド弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470~1240dtexが好ましく、620~940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、200~300%が好ましく、240~290%がより好ましい。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載がない限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「内側」とは装着者の肌に近い方を意味し、「外側」とは装着者の肌から遠い方を意味する。「内面」とは部材の、装着者の肌に近い方の面を意味し、「外面」とは装着者の肌から遠い方の面を意味する。
・「LD方向」及び「WD方向」とは、製造設備における流れ方向(LD方向)及びこれと直交する横方向(WD方向)を意味し、いずれか一方が製品の前後方向となるものであり、他方が製品の幅方向となるものである。不織布のLD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置した後常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「吸水量」は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載がない場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載がない限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなテープタイプ使い捨ておむつの他、パンツタイプ使い捨ておむつやパッドタイプ使い捨ておむつ等、使い捨ておむつ全般に適用できるものであり、また、生理用ナプキン等の他の着用物品にも適用できることはいうまでもない。
11…液不透過性樹脂フィルム、12…外装不織布、13…連結テープ、13A…連結部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、20…ターゲットシート、21…側縁部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、56W…吸収体幅、58…包装シート、58a…第1部分、58b…第2部分、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、71…凹部、弾性部材…63、B…背側部分、F…腹側部分

Claims (5)

  1. 股間部を含む範囲に設けられた吸収要素と、
    前記吸収要素の表側を覆う液透過性のトップシートと、
    前記吸収要素の裏側を覆う液不透過性シートとを有し、
    前記吸収要素は、少なくとも短繊維状の吸収素材が積繊された吸収体と、この吸収体を包む包装シートとを含むものであり、
    前記包装シートは、前記吸収体の表側を覆う第1部分及び前記吸収体の裏側を覆う第2部分を有し、
    前記吸収体の両側縁は、前後方向に間隔を空けた複数個所で、幅方向内側に入り込む凹部を有しており、
    前記吸収体よりも裏側に、前記凹部と重なる部分を含む複数のシートを有し、
    前記複数のシートのうち隣接する一対のシートは、前記凹部と重なる部分で接着されておらず、
    前記液透過性のトップシートにおける前記凹部と重なる部分全体が、前記複数のシートと接着されておらず、
    少なくとも装着状態で、前記凹部が前後方向に閉じるように前記吸収体が変形するとともに、前記包装シートの第2部分のうち前記凹部と重なる部分が、前記凹部の前縁及び後縁を折り位置として前記凹部の前縁及び後縁の間に折り込まれるようになっている、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記凹部と重なる部分及びその側方の部分の少なくとも一方に設けられたサイド弾性部材を有し、
    前記隣接する一対のシートは、前記サイド弾性部材よりも表側に位置しており、
    自然長の状態で、前記サイド弾性部材の収縮力により前記凹部が前後方向に閉じるようになっている、
    請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記サイド弾性部材として、前記凹部の前後両側にわたる細長状のサイド弾性部材が幅方向に間隔を空けて複数配され、
    幅方向の外側に位置するサイド弾性部材ほど、展開状態における伸長率が低い
    請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記凹部は、幅方向の内側に位置する頂点から幅方向外側に向かうにつれて前後方向の間隔が拡大する形状を有し、
    前記凹部は、展開状態における前後方向の寸法が10~30mmであり、かつ展開状態における幅方向の寸法が10~40mmであり、
    前記凹部は、幅方向の両側に、前後方向に間隔を空けて3個以上形成され、
    少なくとも1つの凹部は股間部に位置しており、
    前記吸収体の両側縁は、幅方向の中心を通る中心線に関して線対称をなしており、
    幅方向両側のそれぞれで、前記凹部における幅方向の内側に位置する頂点が、前記吸収体の側方に曲率中心を有する曲線上に位置している、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 幅方向の両側から起き上がる起き上がりギャザーをそれぞれ備え、
    前記起き上がりギャザーは、前記包装シートの第2部分より裏側に設けられた付根部分と、この付根部分から前記包装シートの側方を経て前記トップシートの表側に至る本体部分と、この本体部分の前後方向両端部及び前後方向中間部のうち、前後方向両端部が倒伏状態で固定されて形成された倒伏部分と、前後方向中間部が非固定とされた形成された自由部分と、この自由部分の少なくとも先端部に前後方向に沿って伸長状態で固定されたギャザー弾性部材と、を有しており、
    前記付根部分に、イド弾性部材が内蔵されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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