WO2023119974A1

WO2023119974A1 - 吸収性パッド

Info

Publication number: WO2023119974A1
Application number: PCT/JP2022/042789
Authority: WO
Inventors: 章之植田; 綾子牧野; 竜規伊藤; 拓也幸田
Original assignee: 花王株式会社
Priority date: 2021-12-24
Filing date: 2022-11-18
Publication date: 2023-06-29

Abstract

吸収性パッド（１）は、表面シート（３）と、裏面シート（４）と、両シート（３），（４）間に位置する吸収体（５）とを備え、着用者の前後方向に対応する縦方向（Ｘ）及び該縦方向に直交する横方向（Ｙ）を有する。吸収性パッド（１）は、着用者の腰周りに装着される環状のホルダに着脱可能に固定されて使用される。横方向（Ｙ）の側部域に、縦方向（Ｘ）に延びる第１防漏カフ（６）を有する。第１防漏カフ（６）は、着用者の肌に向かって起立する起立部（６２）を有する。縦方向（Ｘ）の腹側または背側の少なくとも一方の端部域に、横方向（Ｙ）に延びる第２防漏カフ（７）を有する。第１防漏カフ（６）と第２防漏カフ（７）とが交差する領域（Ｒ１）において、起立部（６２）と第２防漏カフ（７）とが接合された接合領域（６Ｓ）を有する。

Description

吸収性パッド

　本発明は、着用者の腰周りに装着されるホルダに着脱可能に固定されて使用される吸収性パッドに関する。

　使い捨ておむつ等の吸収性物品の一種として、尿等の体液を吸収保持する吸収性パッドと、着用者の腰周りに環状に装着されるとともに、着用者の股間部に配置された吸収性パッドを保持するホルダとを備え、吸収性パッドがホルダに対して着脱自在に構成されたセパレートタイプのものが知られている。従来のセパレートタイプの吸収性物品においては、特許文献１及び２に記載されているように、吸収性パッドの縦方向（着用者の前後方向に対応する方向）の端部域に、ホルダが有する止着構造（ホルダ側止着構造）との着脱が可能なパッド側止着構造が設けられている。

　特許文献１及び２に記載の吸収性パッドの縦方向の端部域には、平面視長方形形状の１個のパッド側止着構造がその長手方向を横方向（着用者の左右方向に対応する方向）に一致させて配置されている。

特開２００３－１７５０６６号公報特開２０１１－１３６０６３号公報

　本発明は、吸収性パッドに関する。
　一実施形態において、前記吸収性パッドは、着用者の腰周りに装着される環状のホルダに着脱可能に固定されて使用されることが好ましい。
　一実施形態において、前記吸収性パッドは、装着状態において着用者の肌に近い側に位置する表面シートと、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シートと、両シート間に位置する吸収体とを備えることが好ましい。
　一実施形態において、前記吸収性パッドは、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有することが好ましい。
　一実施形態において、前記吸収性パッドは、前記横方向の側部域に、前記縦方向に沿って延びる第１防漏カフを有することが好ましい。
　一実施形態において、前記第１防漏カフは、前記吸収性パッドの装着時に着用者の肌に向かって起立する起立部を有することが好ましい。
　一実施形態において、前記吸収性パッドは、前記縦方向の腹側または背側の少なくとも一方の端部域に、前記横方向に沿って延びる第２防漏カフを有することが好ましい。
　一実施形態において、前記吸収性パッドは、前記第１防漏カフと第２防漏カフとが交差することが好ましい。
　一実施形態において、前記吸収性パッドは、両防漏カフが交差する領域において、第１防漏カフにおける前記起立部と第２防漏カフとが少なくとも接合された接合領域を有することが好ましい。
　本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。

図１は、本発明の吸収性パッドの一実施形態の斜視図である。図２は、図１に示す吸収性パッドの最大伸長状態における肌対向面側（表面シート側）を模式的に示す平面図である。図３は、図２に示す吸収性パッドの所定位置における横方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図であり、図３（ａ）は図２のＩ－Ｉ線断面、図３（ｂ）は図２のＩＩ－ＩＩ線断面、図３（ｃ）は図２のＩＩＩ－ＩＩＩ線断面を示す。図４は、図２に示す吸収性パッドにおける縦方向の端部域を拡大して模式的に示す平面図であり、図４（ａ）は腹側部側、図４（ｂ）は背側部側を示す。図５は、図１に示す吸収性パッドの使用状態を示す図であり、ホルダ及びこれに固定された該吸収性パッドを含む使い捨ておむつの横方向中央部の縦方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。図６は、本発明の吸収性パッドの他の実施形態において、その縦方向の端部域を拡大して模式的に示す平面図である。図７は、図６に示す吸収性パッドのＶ－Ｖ線の位置における横方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。図８は、本発明の吸収性パッドの更に他の実施形態において、その最大伸長状態における肌対向面側（表面シート側）を模式的に示す平面図である。図９は、図８に示す吸収性パッドの所定位置における横方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図であり、図９（ａ）は図８のＩ－Ｉ線断面、図９（ｂ）は図８のＩＩ－ＩＩ線断面、図９（ｃ）は図８のＩＩＩ－ＩＩＩ線断面を示す。図１０は、図８に示す吸収性パッドにおける縦方向の端部域を拡大して模式的に示す平面図であり、図１０（ａ）は腹側部側、図１０（ｂ）は背側部側を示す。図１１は、本発明の吸収性パッドの更に他の実施形態において、その縦方向の端部域を拡大して模式的に示す平面図である。図１２は、本発明の吸収性パッドの更に他の実施形態において、その縦方向の端部域を拡大して模式的に示す平面図である。図１３は、本発明の吸収性パッドの更に他の実施形態において、その縦方向の端部域を拡大して模式的に示す平面図である。図１４は、図１３に示す吸収性パッドのＶ－Ｖ線の位置における横方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。図１５は、本発明の吸収性パッドの更に他の実施形態において、その所定位置における横方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図（図９（ｂ）相当図）であり、図１５は図８相当図のＩＩ－ＩＩ線断面を示す。図１６は、本発明の吸収性パッドの更に他の実施形態において、その所定位置における横方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図（図１４相当図）であり、図１６は図１３相当図のＶ－Ｖ線の位置における横方向且つ厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。

発明の詳細な説明

　特許文献１及び２に記載されているように、吸収性パッドの縦方向の端部域に配置された防漏カフは、典型的には、該防漏カフの主体をなすシートと、該シートの縦方向内方側の自由端部に横方向（着用者の左右方向に対応する方向）に伸長状態で固定された弾性部材とを含み、該弾性部材の収縮によって該シートの自由端部が起立するようになされている。しかし、防漏カフの起立の度合いによっては、吸収性パッドをホルダに止着させた際に、ホルダとパッドのレッグカフや防漏カフとが密着せずに両者の間に隙間が発生し、その結果、隙間からの漏れが生じたりするおそれがある。このようなセパレートタイプの吸収性物品に特有の課題を解決し得る技術は未だ提供されていない。

　したがって本発明は、ホルダに着脱可能に固定された状態で着用される吸収性パッドであって、防漏性に優れた吸収性パッドに関する。

　以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。

　図１～図４には、本発明の吸収性パッドの一実施形態である吸収性パッド１が示されている。また図５には、本発明の吸収性パッドの使用例として、吸収性パッド１とこれを着用者に装着した状態に保持するホルダ１１とを含む、吸収性物品としての使い捨ておむつ１０が示されている。また図６には、おむつ１０の使用状態、すなわち符号１００で示す着用者がおむつ１０を着用した状態が示されている。
　おむつ１０は、図５に示すように、吸収性パッド１とホルダ１１とがパッド側止着構造８及びホルダ側止着構造１４を介して結合されたものであり、ホルダ１１が有するウエスト開口部ＷＨと、ホルダ１１の高さ方向ＨＤの下端部と吸収性パッド１の長手方向（後述する縦方向Ｘ）に沿う両側縁部とで画成される一対のレッグ開口部ＬＨ，ＬＨとを有する。なお、ホルダ１１は、吸収性パッド１の構成部材ではない。

　セパレートタイプの吸収性物品であるおむつ１０は、吸収性パッド１とホルダ１１とが止着構造８，１４を介して結合・分離自在であるため、従来の非セパレートタイプの吸収性物品に比べて環境に対する負荷が低減されている。すなわち、着用者の腰周りに対応する部分（ホルダ相当部分）と着用者の股間部に対応する部分（吸収性パッド相当部分）とが一体不可分である従来の非セパレートタイプの吸収性物品を使用後に廃棄する場合、ホルダ相当部分は汚れていなくても、排泄物で汚れた状態の吸収性パッド相当部分とともに廃棄せざるを得なかったが、おむつ１０であれば、ホルダ１１はそのままで吸収性パッド１のみを新品と交換すればよいため、非セパレートタイプの吸収性物品に比べてゴミ廃棄量、二酸化炭素排出量が低減され、環境に対する負荷の低減に貢献することができる。
　また、おむつ１０の着用中、吸収性パッド１はホルダ１１に着脱可能に固定されているので、該吸収性パッド１を新品に交換する作業は簡単であり、おむつ１０は、従来の非セパレートタイプの吸収性物品に比べて交換作業の負荷が大幅に軽減されている。

　吸収性パッド１は、予め着用者の腰周りに環状に装着されたホルダ１１に着脱可能に固定されて使用される。ここで、ホルダ１１について図５を参照しながら簡単に説明すると、ホルダ１１は、着用者の腰周りに環状に装着されるとともに、吸収性パッド１を着用者に装着した状態に保持するものであり、着用者の身長方向に沿う高さ方向ＨＤ及び胴周り方向に沿う周方向ＣＤを有している。
　ホルダ１１は、着用者の腹側（前側）に配置される腹側部１１Ｆと、着用者の背側（後側）に配置される背側部１１Ｒとを有し、ホルダ１１の主体をなすホルダ本体部１２を備える。

　ホルダ本体部１２は、不織布等のシート状部材を主体として構成されており、典型的には、ホルダ本体部１２の非肌対向面（外面）を形成する外層シートと、ホルダ本体部１２の肌対向面（内面）を形成する内層シートとの積層構造を含んで構成されている。
　ホルダ１１は、腹側部１１Ｆ及び背側部１１Ｒそれぞれのホルダ本体部１２の長手方向両端部どうしが融着、接着剤等の公知の接合手段によって接合することで環状をなしており、腹側部１１Ｆと背側部１１Ｒとの一対の接合部Ｓ，Ｓと、ウエスト開口部ＷＨとを有している。接合部Ｓは、一般的な非セパレートタイプのパンツ型使い捨ておむつにおけるサイドシール部に相当するものである。

　腹側部１１Ｆ及び背側部１１Ｒそれぞれのホルダ本体部１２には、高さ方向ＨＤと直交する方向に伸縮可能に配置された弾性部材１３が、高さ方向ＨＤに複数間欠配置されており、これにより、ホルダ１１は周方向ＣＤに伸縮性を有している。ホルダ本体部１２の非肌対向面（外面）にはホルダ側止着構造１４が配置されており、このホルダ側止着構造１４に吸収性パッド１のパッド側止着構造８を止着させることで、吸収性パッド１をホルダ１１に脱着可能に止着させることができる。

　ホルダ１１は、水分を吸収保持する吸収体を含んでいないため、ホルダ本体部１２の構成部材として洗濯可能なものを用いれば、洗濯して繰り返し使用することが可能なものとなり得る。ホルダ１１が洗濯可能なものであることは、ゴミ廃棄量、二酸化炭素排出量の低減につながり、環境に対する負荷の低減に貢献することができる。
　なお、ホルダ１１は、本発明の吸収性パッドが適用可能なホルダの一実施形態に過ぎず、本発明の吸収性パッドが適用可能なホルダは、該吸収性パッドのパッド側止着構造に止着可能なホルダ側止着構造を有していればよく、ホルダ１１に限定されない。例えば、本発明の吸収性パッドが適用可能なホルダは、身体に装着したときに環状となればよく、ホルダ１１のようにあらかじめ環状になっていてもよく、あるいは、身体への装着前は一方向に長い帯状をなし、装着する際に長手方向の一端部と他端部とを係合して環状とするものでもよい。

　本明細書において、「肌対向面」とは、吸収性物品、ホルダ、吸収性パッド等の着用物品又はその構成部材（例えば吸収性パッドの吸収体）における、該着用物品の着用状態において着用者の肌側に向けられる面を指し、「非肌対向面」は、該着用物品又はその構成部材における、該着用物品の着用状態において肌側とは反対側に向けられる面を指す。

　以下、吸収性パッド１について詳細に説明する。
　吸収性パッド１は、装着状態において着用者の肌に近い側に位置する表面シート３と、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シート４と、両シート３，４間に位置する吸収体５とを備える。吸収性パッド１は、縦方向Ｘ及びそれに直交する横方向Ｙを有している。吸収性パッド１の縦方向Ｘは、着用者の股下を通る前後方向に対応するとともに、ホルダ１１の高さ方向ＨＤに対応する。吸収性パッド１の横方向Ｙは、ホルダ１１の周方向ＣＤに対応する。

　吸収性パッド１は、図２に示すように、着用者の股間部に配置される股下部Ｍと、股下部Ｍよりも着用者の腹側（前側）に配置される腹側部Ｆと、股下部Ｍよりも着用者の背側（後側）に配置される背側部Ｒとを有する。股下部Ｍは、吸収性パッド１の縦方向Ｘの中央部に位置し、着用時に着用者の尿道等の排泄部に対向する排泄部対向部（図示せず）を含む。図５に示すように、吸収性パッド１をホルダ１１に適正に止着させた場合、吸収性パッド１の腹側部Ｆは、ホルダ１１の腹側部１１Ｆと重なる部分を含み、吸収性パッド１の背側部Ｒは、ホルダ１１の背側部１１Ｒと重なる部分を含むが、吸収性パッド１の股下部Ｍは、ホルダ１１と重ならない。

　本実施形態では、吸収性パッド１は、図２に示す如き展開且つ最大伸長状態において、平面視長方形形状を有し、且つ横中心線ＣＬｙを挟んで一方側と他方側とで対称に形成されている。横中心線ＣＬｙは、図２に示す如き展開且つ最大伸長状態の吸収性パッド１を横方向Ｙに二等分して縦方向Ｘに延びる仮想直線である。

　本明細書において「展開且つ最大伸長状態」とは、吸収性物品、ホルダ、吸収性パッド等の着用物品を平面状に拡げて展開状態とし、その展開状態の着用物品の各部の弾性部材を最大伸長させて、設計寸法、すなわち弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じとなるまで拡げた状態をいう。前述したホルダ１１の接合部Ｓの如き、サイドシール部を有する吸収性物品の場合は、該吸収性物品をサイドシール部で切り離して平面状に拡げて前記展開状態とする。

　本実施形態では、吸収性パッド１は、表面シート３、裏面シート４及び吸収体５を含む吸収性本体２と、吸収性本体２の縦方向Ｘに沿う両側部（横方向Ｙの両端部）に沿って配置された一対の第１防漏カフ６，６と、吸収性本体２の縦方向Ｘの両端部域に配置された一対の第２防漏カフ７，７とを備える。第１防漏カフ６は、横方向Ｙの端部域に位置して排泄物の横方向Ｙの外方への漏れ出しを防止するものであり、「横方向防漏カフ」と言うことができる。第２防漏カフ７は、縦方向Ｘの端部域に位置して排泄物の縦方向Ｘの外方への漏れ出しを防止するものであり、「縦方向防漏カフ」と言うことができる。「縦方向の端部域」とは、吸収性パッド１を縦方向Ｘに三分割した場合の縦方向Ｘの端部の領域である。

　吸収性本体２は、吸収性パッド１の主体をなすもので、尿等の排泄物を吸収保持する機能を有する。本実施形態では、吸収性本体２は、縦方向Ｘに長い形状をなし、その長手方向を縦方向Ｘに一致させて、腹側部Ｆから背側部Ｒにわたって縦方向Ｘに延在している。

　表面シート３は、吸収性本体２の肌対向面を形成し、着用時に着用者の肌と接触し得る。
　裏面シート４は、吸収性本体２の非肌対向面を形成する。表面シート３は、吸収体５の肌対向面と接触してその全域を被覆している。裏面シート４は、吸収体５の非肌対向面と接触してその全域を被覆している。
　吸収体５は、体液を吸収保持可能な吸収性コア５１と、吸収性コア５１の肌対向面及び非肌対向面を含む外面を被覆するコアラップシート５２とを含んで構成されている。本発明では、吸収体５は少なくとも吸収性コア５１を含んでいればよく、コアラップシート５２は無くてもよい。吸収性本体２を構成する前記の複数の部材３，４，５どうしはそれぞれ、接着剤等の公知の接合手段により一体とされている。

　吸収性本体２の構成部材としては、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。
　表面シート３としては、液透過性のシートを用いることができ、例えば、各種製法による不織布、貫通孔を有する不織布である開孔不織布、不織布の少なくとも一方の面に凹凸形状が付与された凹凸不織布、貫通孔を有する樹脂製フィルムである開孔フィルム等が挙げられる。また、表面シート３は、単層構造でもよく、あるいは１種又は２種以上の層が複数積層された積層構造でもよい。
　裏面シート４としては、液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性のシートを用いることができ、例えば、不織布、樹脂製フィルム、樹脂製フィルムと不織布等との積層体等が挙げられる。

　吸収性コア５１は、典型的には、吸水性材料を主体とし、該吸水性材料として、木材パルプ等の繊維材料及び吸水性ポリマーから選択される１種以上を含有する。前記吸水性材料は、吸収性コア５１の全体に均一に分布していてもよく、縦方向Ｘ、横方向Ｙ又は厚み方向等の所定方向において偏在していてもよい。吸収性コア５１は、繊維材料を主体する積繊タイプでもよく、繊維シートとこれに固定された吸水性ポリマー粒子とを含むシートタイプでもよい。前記積繊タイプの吸収性コアは、例えば、積繊ドラムを備えた公知の積繊装置を用いて製造することができる。前記シートタイプの吸収性コアは、例えば、相対向する２枚の繊維シートの間に吸水性ポリマー粒子が介在配置された構成を有する。コアラップシート５２は液透過性を有し、典型的には、紙、不織布等からなる。

　吸収体５は、肌対向面及び非肌対向面の少なくとも一方に開口を有する凹部を有していてもよい。前記凹部は、例えば、吸収体５の肌対向面に開口を有する防漏溝であり得る。吸収体５は、密度が部分的に異なっていてもよく、その場合の相対的に密度が高い部分は、エンボス加工等の圧搾加工によって形成された部分であり得る。

　図２及び図３に示すように、第１防漏カフ６は、横方向Ｙの側部域に、縦方向Ｘに延びるように一対配されている。第１防漏カフ６は、その主体をなす第１防漏シート６０と、第１防漏シート６０に固定され縦方向Ｘに伸縮可能な第１弾性部材６１とを備える。第１弾性部材６１は、少なくとも股下部Ｍに配されており、縦方向Ｘに延びている。これによって、第１防漏カフ６は縦方向Ｘに伸縮性を有する。第１防漏カフ６は、縦方向Ｘに沿って固定領域（図示せず）を備えている。固定領域は、第１弾性部材６１が、接着剤等の公知の接合手段によって、第１防漏シート６０に接合された領域である。固定領域は縦方向Ｘに沿って腹側部Ｆから股下部Ｍを通って背側部Ｒまで連続して延びている。第１弾性部材６１はその端部が、固定領域の縦方向Ｘの端部を越えて更に外方まで延在していてもよく、あるいは該固定領域に位置していてもよい。前者の場合、第１弾性部材６１の端部は、第１防漏シート６０と接合されていない。
　前記固定領域と、後述する接合領域６Ｓ（図３（ｂ）参照）とは平面視において両者が重なるように配することができる。例えば、前記固定領域の縦方向Ｘの端部域が、接合領域６Ｓと重なるように該固定領域を配することができる。

　第１防漏シート６０は、吸収性パッド１の肌対向面の一部を形成している。第１防漏シート６０は横方向Ｙに折り返されており、その折り返しによって相対向する第１防漏シート６０，６０の間に第１弾性部材６１が配置されている。第１防漏カフ６（第１防漏シート６０）は、吸収性本体２の縦方向Ｘの略全長にわたって、吸収性本体２の縦方向Ｘに沿う側部に沿って連続的に配置されている。

　第１防漏カフ６は、少なくとも股下部Ｍに、吸収性パッド１の装着時又は着用時に着用者の肌に向かって起立する起立部６２を有している。起立部６２は、固定部６３を起立起点として、着用者の肌側に起立する。起立部６２は、第１防漏シート６０における他の部材との非固定部である。固定部６３は、第１防漏シート６０が、接着剤、融着等の公知の接合手段によって他の部材に固定された部分であり、図示の形態では、該他の部材は表面シート３である。また図示の形態では、起立部６２が厚み方向Ｚに起立している。

　第１防漏カフ６の縦方向Ｘの両端部域には、第１防漏シート６０の起立が阻害された部分である起立阻害部６４が形成されている。起立阻害部６４は腹側部Ｆ及び背側部Ｒに形成されており、第１防漏カフ６における両起立阻害部６４，６４に挟まれた縦方向Ｘに沿う部分が、起立部６２である。

　起立阻害部６４は、第１防漏シート６０における起立部６２と横方向Ｙにおいて同位置にある部分が、表面シート３等の他の部材及び／又は第１防漏シート６０における起立部６２以外の他の部位に、接着剤、融着等の公知の接合手段によって接合された部分である。本実施形態では、図３に示すように、第１防漏カフ６における起立部６２の横方向Ｙ外方の側部域と、該側部域に対向するレッグカフ６５との間が接合されて起立阻害部６４が形成されている。第１防漏カフ６の縦方向Ｘの両端部域に一対の起立阻害部６４，６４が形成されていることで、吸収性パッド１の装着時において、第１防漏カフ６における両起立阻害部６４，６４に挟まれた部分である起立部６２が、第１弾性部材６１の収縮により、固定部６３を起立起点として着用者の肌側に起立する。これにより、着用者が排泄した尿等の排泄物が吸収性パッド１から横方向Ｙの外方へ漏れ出す、いわゆる横漏れが抑制される。

　第１防漏シート６０としては、この種の吸収性物品において防漏カフの素材として用いられているものを特に制限無く用いることができ、例えば、単層又は多層の撥水性不織布、樹脂製フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。
　また、第１弾性部材６１の配置数は特に制限されず、１本でも複数本でもよい。本実施形態では、第１弾性部材６１は複数本配されている。

　本実施形態では、図２及び図３に示すように、吸収性パッド１における着用者の脚周りに対応するレッグ縁部にレッグカフ６５が設けられている。前記レッグ縁部は、典型的には、股下部Ｍにおける吸収性パッド１の縦方向Ｘに沿う両側縁部を含む。
　レッグカフ６５は、第１防漏カフ６を構成する第１防漏シート６０とレッグカフ形成用弾性部材６６とを含んで構成されている。より具体的には、第１防漏シート６０の縦方向Ｘに沿う両側縁部のうち、一方（内側縁部）は前述した起立部６２とされ、他方（外側縁部）は、吸収体５の横方向Ｙの外方にて他の部材（本実施形態では表面シート３、裏面シート４）に固定されている。そして、第１防漏シート６０の他の部材との固定部に、縦方向Ｘに延びるレッグカフ形成用弾性部材６６が同方向に伸縮可能に固定されている。これによって、縦方向Ｘに伸縮性を有するレッグカフ６５が一対形成されている。

　レッグカフ形成用弾性部材６６は、少なくとも股下部Ｍにおける吸収性パッド１の縦方向Ｘに沿う側縁部に一本又は複数本配置されている。吸収性パッド１の着用状態又は自然状態では、レッグカフ形成用弾性部材６６の収縮により、前記レッグ縁部に縦方向Ｘに実質的に連続したレッグギャザーが形成される。

　図２及び図４に示すように、第２防漏カフ７は、縦方向Ｘの両側部域に、横方向Ｙに延びるように一対配されている。第２防漏カフ７は、その主体をなす第２防漏シート７０と、第２防漏シート７０に固定され横方向Ｙに伸縮可能な第２弾性部材７１とを備える。第２弾性部材７１は、第２防漏シート７０の縦方向内方端７０Ｘ２に沿って、当該縦方向内方端７０Ｘ２の近傍に配置されている。第２防漏シート７０は、吸収性パッド１の腹側部Ｆ又は背側部Ｒの肌対向面の少なくとも一部を形成している。第２防漏シート７０としては、第１防漏シート６０と同様のものを用いることができる。これによって、第２防漏カフ７は横方向Ｙに伸縮性を有する。第２防漏カフ７は、横方向Ｙに延びる固定領域（図示せず）を備えている。固定領域は、第２弾性部材７１が、接着剤等の公知の接合手段によって、第２防漏シート７０に接合された領域である。固定領域は横方向Ｙに沿って連続して延びている。第２弾性部材７１はその端部が、固定領域の横方向Ｙの側縁を越えて延在していてもよく、あるいは該固定領域に位置していてもよい。前者の場合、第２弾性部材７１の端部は、第２防漏シート７０と接合されていない。
　前記固定領域と、後述する接合領域６Ｓ（図３（ｂ）参照）とは平面視において両者が重なるように配することができる。例えば前記固定領域の横方向Ｙの側部域が、接合領域６Ｓと重なるように該固定領域を配することができる。
　なお本実施形態では、腹側部Ｆと背側部Ｒとで、第２防漏カフ７の構成は同じであり、特に断らない限り、腹側部Ｆ及び背側部Ｒの一方の第２防漏カフ７についての説明は他方の第２防漏カフ７にも適宜適用される。

　本実施形態では、第２防漏シート７０は、平面視四角形形状をなし、吸収性本体２の縦方向Ｘの端部域の肌対向面の略全域を被覆している。図４に示すように、第２防漏シート７０の縦方向Ｘの両端のうちの縦方向Ｘの外方に位置する縦方向外方端７０Ｘ１は、第２防漏シート７０が配置された吸収性本体２の縦方向端（腹側部Ｆ側又は背側部Ｒ側の縦方向端）と一致し、第２防漏シート７０の横方向Ｙの両端７０Ｙ，７０Ｙは、吸収性本体２の横方向Ｙの両端（縦方向Ｘに沿う両側縁）の近傍にある。すなわち本実施形態では、第２防漏シート７０の縦方向外方端７０Ｘ１は、吸収性パッド１の縦方向外方端１Ｘと一致し、第２防漏シート７０の横方向端７０Ｙは、吸収性パッド１の横方向外方端（縦方向Ｘに沿う側縁）１Ｙの近傍にある。第２防漏シート７０の縦方向Ｘの両端のうち、縦方向Ｘの内方に位置する縦方向内方端７０Ｘ２は、横方向Ｙに平行に延びている。

　第２防漏シート７０は、図４に示すように、他の部材に固定された固定部７２と、他の部材に固定されていない非固定部７３とを有する。第２防漏シート７０が固定される前記「他の部材」は、第２防漏シート７０に対向配置される部材であり、例えば、表面シート３、第１防漏シート６０等である。第２防漏シート７０と他の部材とは固定手段（図示せず）によって接合されている。固定手段の配置領域は、固定部７２（図４中、斜線を付した領域）と同じである。固定手段は特に制限されず、接着剤、融着等の公知の固定手段を用いることができる。

　第２防漏カフ７は、図４に示すように、他の部材との固定部７２を含む基端部７４と、基端部７４よりも縦方向Ｘの内方に位置し且つ他の部材との非固定部７３を含む自由端部７５とを有する。基端部７４及び自由端部７５は、それぞれ、平面視において横方向Ｙに延びる帯状をなしている。本実施形態では、基端部７４は、吸収性パッド１の縦方向Ｘの最外方に位置し、自由端部７５は、基端部７４と縦方向Ｘにおいて隣接する。

　基端部７４は、第２防漏カフ７がその横方向Ｙの全長にわたって他の部材に実質的に固定された領域であり、非固定部７３のような、非固定部として意図的に形成された一定程度以上の面積を有する領域を含まない。基端部７４では、図４に示すように、固定部７２が吸収性パッド１（吸収性本体２）の横方向Ｙの全長にわたって連続的に延在している。固定部７２では前述したように、第２防漏シート７０と他の部材とは固定手段によって固定されているところ、基端部７４における固定手段の配置パターンは特に制限されず、例えば固定手段が接着剤である場合、基端部７４の全域に固定手段が付与された状態（いわゆるベタ塗りの形態）でもよく、基端部７４に間欠的に付与された形態でもよい。
　また本発明では、自由端部７５は、少なくとも非固定部７３を含んでいればよく、固定部７２を含んでいてもよい。本実施形態では、自由端部７５は、図４に示すように、固定部７２を含んでおり、具体的には、横方向Ｙに隣り合う一対の固定部７２，７２の間に非固定部７３が位置している。非固定部７３は、吸収性パッド１の横方向Ｙの中央部に位置している。

　第２防漏カフ７は、以下に説明するように、吸収性パッド１の着用状態において基端部７４を起点として自由端部７５が起立するようになされている。
　図４に示すように、第２防漏カフ７の自由端部７５、より具体的には、第２防漏シート７０の縦方向内方端７０Ｘ２側の縦方向Ｘの端部（縦方向Ｘの内方端部）には、横方向Ｙに延びる第２弾性部材７１が横方向Ｙに伸縮可能に配置されている。本実施形態では第２弾性部材７１は、少なくとも非固定部７３に配されているが、本発明では第２弾性部材７１の配置パターンは特に制限されず、例えば、図４に示す形態において、第２弾性部材７１は、一対の固定部７２，７２とそれらの間の非固定部７３とを横方向Ｙに跨ぐように配されていてもよい。あるいは、第２弾性部材７１は、非固定部７３と平面視で重なる領域のみに配置され、非固定部７３の横方向Ｙの両側の一対の固定部７２，７２には延出していなくてもよい。あるいは、第２弾性部材７１及びその仮想延長線と平面視で重なる領域（第２弾性部材７１と縦方向Ｘにおいて同位置にある領域）に、固定部７２が配置されていなくてもよい。

　第２弾性部材７１の配置数は特に制限されず、１本でも複数本でもよい。本実施形態では、第２防漏シート７０の縦方向Ｘの内方端部が、第２防漏シート７０の肌対向面側又は非肌対向面側に折り返されており、その折り返しによって形成された相対向する第２防漏シート７０，７０どうしの間に、第２弾性部材７１が１本配置されている。
　そして、吸収性パッド１の着用状態又は自然状態では、第２弾性部材７１の収縮により、第２防漏カフ７（第２防漏シート７０）の自由端部７５における非固定部７３が着用者の肌側に起立し、起立した非固定部７３とこれに対向する他の部材（吸収性本体２等）とで画成された内部空間７６（図３（ｂ）参照）と、縦方向Ｘの内方に向かって開口する開口部７７とを有するポケット部７８（図１参照）が形成される。第２防漏カフ７の自由端部７５における非固定部７３は、横方向Ｙに伸縮可能な伸縮領域である。

　吸収性パッド１（おむつ１０）の着用時において、吸収性パッド１の股下部Ｍに排泄された排泄物が腹側部Ｆ又は背側部Ｒに移行した場合、その股下部Ｍから移行してきた排泄物は、開口部７７を介してポケット部７８の内部空間７６に収容されるので、吸収性パッド１が止着しているホルダ１１へは移行しない。したがって、吸収性パッド１がポケット部７８を備えることで、ホルダ１１に排泄物が付着する不都合が防止され、ホルダ１１の使用可能期間が長くなる。

　吸収性パッド１は、縦方向Ｘの端部域に、ホルダ１１との着脱が可能なパッド側止着構造８を有している。本実施形態では、図１等に示すように、パッド側止着構造８は、吸収性パッド１の肌対向面（内面）に設けられており、平面視長方形形状をなし、その長手方向を横方向Ｙに一致させて、吸収性パッド１の横方向Ｙの全長にわたって連続している。

　本実施形態では、パッド側止着構造８は、吸収性本体２の肌対向面（表面シート３等）を被覆する第２防漏シート７０の肌対向面に固定されており、吸収性本体２の肌対向面に直接固定されていない。仮に、吸収性パッド１が第２防漏シート７０（第２防漏カフ７）を備えておらず、パッド側止着構造８が吸収性本体２の肌対向面に直接固定されていると、吸収性パッド１の股下部Ｍに排泄された排泄物が腹側部Ｆ又は背側部Ｒに移行した場合に、ホルダ１１に排泄物が付着し、ホルダ１１の使用期間が短くなってしまうことが懸念される。しかしながら、本実施形態の吸収性パッド１では、パッド側止着構造８と吸収性本体２の肌対向面との間に第２防漏シート７０が介在しているので、斯かる懸念が払拭されている。

　パッド側止着構造８としては、ホルダ１１が有するホルダ側止着構造１４（図５参照）に脱着可能に止着可能なものであればよく、公知の着脱自在な止着構造を特に制限なく用いることができる。例えば、パッド側止着構造８及びホルダ側止着構造１４の一方又は両方が、粘着剤を塗布して形成された粘着部を備え、該粘着部を介してパッド側止着構造８がホルダ側止着構造１４に脱着可能に止着するようになされていてもよい。

　本実施形態では、パッド側止着構造８及びホルダ側止着構造１４を含む止着構造として、機械的面ファスナーを採用している。ここでいう「機械的面ファスナー」とは、鉤状の突起からなるフック材（係合部材）が一面に配置された面部材（オス部材）と、パイル状の突起からなるループ材が一面に配置された面部材（メス部材）とが、一組みとなった留め具を指す。機械的面ファスナーの具体例として、マジックテープ（登録商標）が挙げられる。

　具体的には本実施形態では、パッド側止着構造８は、機械的面ファスナーのオス部材であり、典型的には、樹脂製フィルム、織布、不織布などからなる基材の表面に多数の前記フック材が配置された構成を有している。またホルダ側止着構造１４は、機械的面ファスナーのメス部材であり、基材と、該基材の非肌対向面（外面）に設けられ、パッド側止着構造８が止着可能な被止着領域とを備える。

　上述のとおり、吸収性パッド１は、第１防漏カフ６及び第２防漏カフ７をそれぞれ一対有する。また吸収性パッド１は、各防漏カフ６，７が互いに交差する領域である交差領域Ｒ１を有するように配されている。
　詳細には、図２及び図３に示すように、横方向Ｙの一方の側部域に位置する第１防漏カフ６は、その縦方向Ｘの一方の端部域が腹側部Ｆに位置する第２防漏カフ７の横方向Ｙ側部域と交差するように配されている。また、第１防漏カフ６の縦方向Ｘの他方の端部域が背側部Ｒに位置する第２防漏カフ７の横方向Ｙ側部域と交差するように配されている。横方向Ｙの他方の側部域に位置する第１防漏カフ６についても同様に、第１防漏カフ６の縦方向の両端部域が、腹側部Ｆ又は背側部Ｒに位置する第２防漏カフ７の横方向Ｙ側部域と交差するように配されている。

　第１防漏カフ６と第２防漏カフ７とが交差するとは、吸収性パッド１の平面視において、第１防漏カフ６の構成部材と、第２防漏カフ７との構成部材とが重なっていることを意味する。本実施形態では、図２及び図３に示すように、第１防漏カフ６における第１防漏シート６０と、第２防漏カフ７における第２防漏シート７０とがそれぞれ重なっている。これに加えて、又はこれに代えて、第１弾性部材６１及び第２弾性部材７１の少なくとも一方が重なっていてもよい。

　図２及び図３に示すように、吸収性パッド１は、上述した交差領域Ｒ１において、第１防漏カフ６と第２防漏カフ７とが少なくとも接合された接合領域６Ｓを有することが好ましい。本実施形態における接合領域６Ｓは、第１防漏カフ６における起立部６２を構成する第１防漏シート６０の肌対向面と、第２防漏カフ７を構成する第２防漏シート７０の非肌対向面との間に形成されている。つまり、本実施形態では、第１防漏カフ６上に第２防漏カフ７が重なっている状態で、各防漏カフ６，７が接合されている。
　これに代えて、第１防漏カフ６における起立部６２を構成する第１防漏シート６０の非肌対向面と、第２防漏カフ７を構成する第２防漏シート７０の肌対向面とが接合されて、第２防漏カフ７上に第１防漏カフ６が重なっている状態で接合領域６Ｓが形成されていてもよい。
　接合領域６Ｓは、第１防漏カフ６における起立部６２と、第２防漏カフ７とが少なくとも接合されるように形成されていればよく、これに加えて、第１防漏カフ６及び第２防漏カフ７以外の他の構成部材（例えば表面シート３など）に更に接合されていることは妨げられない。

　接合領域６Ｓの形成による第１防漏カフ６の固定態様は、例えば起立部６２が横方向Ｙ外方に折り曲げられていない状態で、縦方向Ｘの両端部域において固定されていてもよい。これに代えて、図３に示すように、固定部６３と起立部６２の自由端との間において、第１防漏カフ６が縦方向Ｘに延びる折り曲げ部において横方向Ｙ外方に折り曲げられて倒伏した状態で、縦方向Ｘの両端部域において固定されていてもよい。

　これらのうち、図３に示すように、交差領域Ｒ１において、第１防漏カフ６は、その縦方向Ｘの端部域が横方向Ｙの外方に向けて倒伏した状態で固定されていることが好ましい。これに加えて、同図に示すように、倒伏した第１防漏カフ６の上に第２防漏カフ７が重なった状態で各防漏カフ６，７が接合されていることが好ましい。

　接合領域６Ｓは、例えば接着剤などの公知の接合手段を用いることによって形成することができる。接合領域６Ｓは、例えば図３（ｂ）及び図４に示すように、上述した固定部７２と連続して形成されていてもよく、これに代えて、固定部７２とは別個に形成されていてもよい。また接合領域６Ｓは、例えば図３（ｂ）及び図４に示すように、交差領域Ｒ１の一部の領域に形成されていてもよく、これに代えて、交差領域Ｒ１の全域に形成されていてもよい。
　接合領域６Ｓの平面視における形態としては、例えば、三角形、矩形等の幾何学形状で連続的に形成されていてもよく、あるいは、ドット状やストライプ状などの非連続的な形状で形成されていてもよい。本実施形態では、接合領域６Ｓは、矩形状に且つ固定部７２（図４参照）と連続して形成されている。

　上述のように、第１防漏カフ６と第２防漏カフ７との交差領域Ｒ１において、第１防漏カフ６における起立部６２と、第２防漏カフ７とが少なくとも接合されていることによって、第１防漏カフ６及び第２防漏カフ７のそれぞれが効果的に起立しやすくなるので、吸収性パッド１をホルダに固定して装着したときに、各防漏カフが着用者側に密着して、吸収性パッドとホルダとの間に隙間が生じにくくなる。その結果、吸収性パッドとホルダとの間からの排泄物の漏れが生じにくく、防漏性に優れる。更に、排泄物によるホルダの汚染も低減される。
　また好適な態様として、第１防漏カフ６が横方向Ｙの外方に向けて倒伏した状態で接合されていることによって、第１防漏カフ６の起立部６２は、その自由端側が横方向Ｙの外方に折り曲げられた状態で維持され、起立部６２の自由端を含む領域が横方向Ｙの外方に張り出すよう且つ縦方向Ｘに連続して形成される。その結果、第１防漏カフ６の起立部６２と着用者の肌と面接触させる領域を増大させることができるので、第１防漏カフの着用者への密着性を高めて、横漏れに対する防漏性を更に高めることができる。

　第１防漏カフ６を構成する第１弾性部材６１は、図２及び図３に示すように、少なくとも起立部６２において、横方向Ｙに並列するように複数本配されていることが好ましい。このとき、各第１防漏カフ６の自由端側に配されている第１弾性部材６１は、横方向Ｙの外方に位置する第１弾性部材６１の伸長倍率が、横方向Ｙ内方に位置する第１弾性部材６１の伸長倍率よりも高くなるように配されることも好ましい。各第１弾性部材６１の配置位置は、吸収性パッド１の最大伸長状態における位置を基準とする。このような構成とすることで、第１防漏カフ６の横方向Ｙに伸縮率が異なる部位を形成することができるので、曲線又は凹凸が存在する着用者の体表に沿って密着性を更に高めることができ、排泄物の横漏れを更に効果的に防止することができる。

　図２及び図３に示すように、第１弾性部材６１が３本以上配されている場合、各第１弾性部材６１の伸長倍率は、第１防漏カフ６の横方向Ｙ内方から外方に向かって段階的に高くなっていてもよい。これに代えて、第１防漏カフ６の横方向Ｙの最も内方に位置する第１弾性部材６１の伸長倍率が最も小さく、他の第１弾性部材６１の伸長倍率は同じであってもよい。

　各第１弾性部材６１の伸長倍率は、例えば以下の方法で測定することができる。まず、第１防漏カフ６に配されている第１弾性部材６１をそれぞれ取り出し、第１弾性部材６１をそれぞれ長手方向に最大に伸長させた状態にして、各第１弾性部材６１に油性ペンを用いて、該伸縮方向に一定間隔Ｌ１をあけて２つの印を付ける。次いで、印をつけた第１弾性部材６１の非伸長状態の長さＬ２を測定する。この測定を各第１弾性部材６１に対して３回行い、「Ｌ１／Ｌ２」で表される式で算出される値の算術平均値により、伸長倍率（倍）を求める。間隔Ｌ１は、例えば１００ｍｍとすることができる。

　第１弾性部材６１の伸長倍率は、横方向Ｙの外方に位置する第１弾性部材６１の伸長倍率が、横方向Ｙ内方に位置する第１弾性部材６１の伸長倍率よりも高くなるように配されていることを条件として、それぞれ独立して、好ましくは１．２倍以上、より好ましくは１．５倍以上であり、好ましくは３．５倍以下、より好ましくは３．０倍以下である。

　図２～図４に示すように、吸収性パッド１を縦方向Ｘに沿って見たときに、第１防漏カフ６と、パッド側止着構造８とが少なくとも部分的に重なるように配されていることが好ましい。このことは吸収性パッド１の平面視において、第１防漏シート６０等の第１防漏カフ６の構成部材のうち少なくとも一つと、パッド側止着構造８とが互いに重なることと同義である。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性を更に高めることができ、またフィット性を高めるといった効果も併せて発現される。これに加えて、吸収性パッド１の装着状態における防漏性、フィット性及び使用感を更に高めることができ、また吸収性パッド１の両側端がひっかかりにくくなるため、吸収性パッド１をホルダ１１に固定して装着したときに吸収性パッド１が剥れにくいといった効果も併せて発現される。

　また図２及び図４に示すように、吸収性パッド１を縦方向Ｘに沿って見たときに、レッグカフ６５と、パッド側止着構造８とが互いに重ならないように配されていることが好ましい。このことは吸収性パッド１の平面視において、レッグカフ６５の構成部材の全てと、パッド側止着構造８とが互いに重ならないことと同義である。このような配置位置とするためには、例えば、吸収性パッド１の平面視におけるレッグカフ６５の配置位置を、パッド側止着構造８の横方向Ｙの両側縁よりも横方向Ｙ外方に位置するように構成すればよい。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性を更に高めることができ、また着用者の脚の動きを阻害しにくくなることで使用感が向上するといった効果も併せて発現される。これに加えて、吸収性パッド１の装着状態における防漏性、フィット性及び使用感を更に高めることもできる。

　第２防漏カフ７に関する説明に戻ると、図２及び図４に示すように、吸収性パッド１を縦方向Ｘに沿って見たときに、レッグカフ６５と、第２防漏カフ７とが交差しないように配されていることが好ましい。このことは、吸収性パッド１の平面視において、レッグカフ６５の構成部材の全てと、第２防漏カフ７の構成部材の全てとが重ならないことと同義である。このような配置位置とするためには、例えば、吸収性パッド１の平面視におけるレッグカフ６５の配置位置を、第２防漏カフ７を構成する第２防漏シート７０の横方向Ｙの両側縁よりも横方向Ｙ外方に位置するように構成すればよい。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性を更に高めることができ、またフィット性を高めるといった効果も併せて発現される。

　吸収性パッド１においては、縦方向Ｘにおける第１防漏カフ６の伸縮応力が、縦方向Ｘにおけるレッグカフ６５の伸縮応力よりも高いことが好ましい。伸縮応力をこのような関係とするためには、例えば、第１防漏カフ６に配された第１弾性部材６１の太さを、レッグカフ６５に配されたレッグカフ形成用弾性部材６６の太さよりも太くすればよい。吸収性パッド１においては、第１弾性部材６１及びレッグカフ形成用弾性部材６６は、同一材料から形成されているから、太い第１弾性部材６１の伸縮応力が、細いレッグカフ形成用弾性部材６６の伸縮応力よりも大きくなり、第１弾性部材６１が配された第１防漏カフ６を高応力で伸びる部分とし、レッグカフ形成用弾性部材６６が配されたレッグカフ６５を低応力で伸びる部分とすることができる。あるいは、第１防漏カフ６に配された第１弾性部材６１の本数を、レッグカフ６５に配されたレッグカフ形成用弾性部材６６の本数よりも多くしてもよい。

　縦方向Ｘにおける第１防漏カフ６の伸縮応力が、縦方向Ｘにおけるレッグカフ６５の伸縮応力よりも高いことで、吸収性パッド１の装着状態において着用者の脚周りにおける密着性が高まり、横漏れに対する防漏性が更に高まる。

　第１防漏カフ６及びレッグカフ６５の伸縮応力は、例えば以下の方法で測定することができる。まず、吸収性パッド１の縦方向Ｘの中央部、すなわち股下部Ｍから、縦方向Ｘの長さ１５０ｍｍ×横方向Ｙの長さ２０ｍｍの第１防漏カフ６を切り出し、これを第１防漏カフ６のサンプル片とする。第１防漏カフ６のサンプル片は、第１防漏シート６０及び第１弾性部材６１ごと切り出す。レッグカフ６５を測定対象とする場合、吸収性パッド１の縦方向Ｘの中央部、すなわち股下部Ｍから、縦方向Ｘの長さ１５０ｍｍ×横方向Ｙの長さ２０ｍｍのレッグカフ６５を切り出し、これをレッグカフ６５のサンプル片とする。レッグカフ６５のサンプル片は、第１防漏シート６０及びレッグカフ形成用弾性部材６６ごと切り出す。吸収性パッド１の縦方向Ｘの中央部において縦方向Ｘの長さが１５０ｍｍ未満である場合は、可能な限り大きな第１防漏カフ６のサンプル片及びレッグカフ６５のサンプル片を切り出して測定する。
　次いで、切り出したサンプル片を、テンシロン引張試験機（ＯＲＩＥＮＴＥＣ社製「ＲＴＣ－１２１０Ａ」）における一対のチャックに挟む。このときのチャック間距離は１００ｍｍとする。次いで、３００ｍｍ／ｍｉｎの速度でチャック間の距離が１４０ｍｍとなるまでサンプル片を伸長させた後、該チャック間の距離を１００ｍｍまで戻したときの引張り荷重を測定する。斯かる測定を５枚のサンプル片について行い、これらの平均を伸縮応力（Ｎ／１５０ｍｍ）とする。

　縦方向Ｘにおける第１防漏カフ６の伸縮応力Ｅ１は、縦方向Ｘにおけるレッグカフ６５の伸縮応力Ｅ２に対して、好ましくは１．０５倍以上、より好ましくは１．２倍以上であり、好ましくは２．０倍以下、より好ましくは１．５倍以下である。縦方向Ｘにおける第１防漏カフ６の伸縮応力Ｅ１と縦方向Ｘにおけるレッグカフ６５の伸縮応力Ｅ２がこのような関係にあることで、吸収性パッド１の装着状態において着用者の脚周りにおける密着性が高まり、横漏れに対する防漏性が更に高まる。

　縦方向Ｘにおける第１防漏カフ６の伸縮応力Ｅ１は、縦方向Ｘにおけるレッグカフ６５の伸縮応力Ｅ２よりも高いことを条件として、好ましくは０．１Ｎ／１５０ｍｍ以上、より好ましくは０．２Ｎ／１５０ｍｍ以上であり、好ましくは０．８Ｎ／１５０ｍｍ以下、より好ましくは０．５Ｎ／１５０ｍｍ以下である。縦方向Ｘにおける第１防漏カフ６の伸縮応力Ｅ１がこの範囲にあることで、吸収性パッド１の装着状態において着用者の脚周りにおける密着性が高まり、横漏れに対する防漏性が更に高まる。

　縦方向Ｘにおけるレッグカフ６５の伸縮応力Ｅ２は、縦方向Ｘにおける第１防漏カフ６の伸縮応力Ｅ１よりも低いことを条件として、好ましくは０．０５Ｎ／１５０ｍｍ以上、より好ましくは０．１Ｎ／１５０ｍｍ以上であり、好ましくは０．６Ｎ／１５０ｍｍ以下、より好ましくは０．４Ｎ／１５０ｍｍ以下である。縦方向Ｘにおけるレッグカフ６５の伸縮応力Ｅ２がこの範囲にあることで、吸収性パッド１の装着状態において着用者の脚周りにおける密着性が高まり、横漏れに対する防漏性が更に高まる。

　図６及び図７には、本発明の吸収性パッド１における別の実施形態が例示されている。後述する吸収性パッドの実施形態については、前述の吸収性パッド１と異なる構成を主に説明し、吸収性パッド１と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。後述する吸収性パッドの実施形態において特に説明しない構成は、吸収性パッド１についての説明が適宜適用される。また説明の便宜上、腹側部Ｆについて説明するが、特に断らない限り、後述する腹側部Ｆの説明は、腹側部Ｆまたは背側部Ｒの一方（すなわち縦方向Ｘの一方の端部域）にのみ適用されてもよく、腹側部Ｆ及び背側部Ｒの双方（すなわち縦方向Ｘの両端部域）に適用されてもよい。

　第１防漏カフ６を構成する第１弾性部材６１の固定領域は、上述した接合領域６Ｓと平面視において互いに重ならないように配されることが好ましい。第１弾性部材６１の固定領域と接合領域６Ｓとは、少なくとも縦方向Ｘの一方の端部域において互いに重ならないことが好ましく、縦方向Ｘの両端部域において互いに重ならないことがより好ましい。図６及び図７に示すように、第１弾性部材６１が複数本配されている場合には、固定領域においては、そのすべての第１弾性部材６１が接合領域６Ｓと重ならないことが好ましい。このような配置関係とするためには、例えば、第１弾性部材６１の固定領域を、その縦方向Ｘの両端部が第２防漏カフ７の縦方向Ｘの内方端部よりも内方に位置するように配置したり、接合領域６Ｓの形成位置を第１弾性部材６１の固定領域の配置位置と異なる位置にすればよい。なお、第１弾性部材６１の端部が、固定領域の縦方向Ｘの端部を越えて更に縦方向Ｘの外方へ延在している場合、当該延在部が、接合領域６Ｓと平面視において重なっていることは妨げられない。
　このような配置関係になっていることで、第１弾性部材６１の伸縮性が接合によって損なわれることがなく、吸収性パッド１の装着状態における防漏性を更に高めるといった効果が得られる。

　第２防漏カフ７を構成する第２弾性部材７１の固定領域は、平面視において、上述した接合領域６Ｓと互いに重ならないように配されることが好ましい。このような配置位置とするためには、例えば、吸収性パッド１の平面視において、第１防漏カフ６よりも横方向Ｙの内方の位置に第２弾性部材７１の固定領域を配したり、あるいは、接合領域６Ｓの形成位置よりも縦方向Ｘの内方又は外方の位置に第２弾性部材７１の固定領域を配したりすればよい。図６及び図７に示す形態では、第２弾性部材７１の両端部が、横方向Ｙ側部域に位置する接合領域６Ｓまで達しておらず、接合領域６Ｓの形成位置よりも横方向Ｙ内方に第２弾性部材７１の固定領域が配されている。なお、第２弾性部材７１の端部が、固定領域の横方向Ｙの側縁を越えて更に横方向Ｙの外方へ延在している場合、当該延在部が、接合領域６Ｓと平面視において重なっていることは妨げられない。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性を更に高めることができ、またフィット性を高めるといった効果も併せて発現される。

　以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば図８～図１４に示す実施形態では、交差領域Ｒ１において、第１防漏カフ６と第２防漏カフ７とが少なくとも接合された接合領域６Ｓを有していたが、これに代えてこれらの図に示す実施形態では、接合領域６Ｓを有していなくてもよい。すなわち、例えば図１５及び図１６に示すように、吸収性パッド１は、交差領域において、第１防漏カフ６と第２防漏カフ７とが接合された接合領域を有していなくてもよい。その場合、吸収性パッドは、図８～図１４に示す実施形態と同様に、腹側又は背側の少なくとも一方において、レッグカフ及び第１防漏カフの伸縮開始位置が、パッド側止着構造における縦方向の内方端縁の位置と一致していてもよく、又は内方端縁を超えて縦方向の外方に位置していてもよい。

　図８に示すように、本実施形態の吸収性パッド１では、第１防漏カフ６は、レッグカフ６５よりも横方向Ｙの内方の位置に配されている。第１防漏カフ６は、その伸縮開始位置６Ａが、パッド側止着構造８における縦方向Ｘの内方端縁８Ａの位置と一致しているか、又は内方端縁８Ａを超えて縦方向Ｘの外方に位置することが好ましい。第１防漏カフ６とパッド側止着構造８との平面視の位置は、図９に示すように互いに重なっていてもよく、これに代えて、互いに重なっていなくてもよい。

　本実施形態では、第１防漏カフ６の伸縮開始位置６Ａは、第１弾性部材６１の縦方向Ｘの両端部域に一対形成されている。第１防漏カフ６における伸縮開始位置６Ａよりも縦方向Ｘ外方は、伸縮性を有しない。第１防漏カフ６における伸縮開始位置６Ａ及び該位置６Ａよりも縦方向Ｘの内方の部位は伸縮性を有しており、当該部位に第１防漏カフ６の起立部６２が形成される。

　第１防漏カフ６の伸縮開始位置６Ａは、その一実施形態として、例えば、図８に示すように、第１弾性部材６１の端部の位置である。また伸縮開始位置６Ａの別の実施形態としては、例えば、第１弾性部材６１の縦方向Ｘの両端部域を第１防漏シート６０との間に接着剤で固定する等して形成した端部固定部（図示せず）とすることができる。この端部固定部は、上述した固定部７２とは異なるものである。また、接合領域６Ｓが固定部７２と連続して形成されている場合、端部固定部は、接合領域６Ｓとも異なるものである。
　本実施形態のように、すべての第１弾性部材６１の端部が内方端縁８Ａを超えて縦方向Ｘの外方に位置し、これによって伸縮開始位置６Ａが形成されていることが好ましい。本発明においては、少なくとも一本の第１弾性部材６１が内方端縁８Ａの位置又は内方端縁８Ａよりも縦方向Ｘの外方の位置において固定されていればよい。この場合、第１防漏カフ６の伸縮開始位置６Ａは、最も長さが長い第１弾性部材６１の端部の位置又は固定位置となる。

　また図８及び図９に示すように、レッグカフ６５は、吸収体５の横方向Ｙの両側縁よりも横方向Ｙ外方の位置に配されている。そして、レッグカフ６５は、その伸縮開始位置６Ｂが、パッド側止着構造８における縦方向Ｘの内方端縁８Ａの位置と一致しているか、又は内方端縁８Ａを超えて縦方向Ｘの外方に位置することが好ましい。レッグカフ６５とパッド側止着構造８との平面視の位置は、図９に示すように互いに重なっていてもよく、これに代えて、互いに重なっていなくてもよい。

　本実施形態では、レッグカフ６５は、第１防漏カフ６よりも横方向Ｙの外方に位置する。レッグカフ６５の伸縮開始位置６Ｂは、レッグカフ形成用弾性部材６６の縦方向Ｘの両端部域に一対形成されている。レッグカフ６５における伸縮開始位置６Ｂよりも縦方向Ｘ外方は、伸縮性を有しない。レッグカフ６５における伸縮開始位置６Ｂ及び該位置６Ｂよりも縦方向Ｘの内方の部位は伸縮性を有しており、当該部位にレッグギャザーが形成される。

　レッグカフ６５の伸縮開始位置６Ｂは、第１防漏カフ６の伸縮開始位置６Ａの実施形態と同様に、例えば、レッグカフ形成用弾性部材６６の端部である態様や、あるいは、レッグカフ形成用弾性部材６６の縦方向Ｘの両端部域が第１防漏シート６０との間に接着剤で固定する等して形成した端部固定部（図示せず）とすることができる。この端部固定部は、上述した固定部７２とは異なるものである。また、接合領域６Ｓが固定部７２と連続して形成されている場合、端部固定部は、接合領域６Ｓとも異なるものである。
　本実施形態のように、すべてのレッグカフ形成用弾性部材６６の端部が内方端縁８Ａを超えて縦方向Ｘの外方に位置し、これによって伸縮開始位置６Ｂが形成されていることが好ましい。本発明においては、少なくとも一本のレッグカフ形成用弾性部材６６が内方端縁８Ａの位置又は内方端縁８Ａの縦方向Ｘの外方の位置において固定されていればよい。この場合、レッグカフ６５の伸縮開始位置６Ｂは、最も長さが長いレッグカフ形成用弾性部材６６の端部の位置又は固定位置となる。

　上述のように、第１防漏カフ６及びレッグカフ６５の各伸縮開始位置６Ａ，６Ｂが、パッド側止着構造８における縦方向Ｘの内方端縁８Ａの位置と一致しているか、又は内方端縁８Ａを超えて縦方向Ｘの外方に位置するように構成することによって、第１防漏カフ６がパッド側止着構造８の縦方向Ｘの内方端縁８Ａ及びその近傍の位置から効果的に起立しやすくなるので、吸収性パッド１をホルダに固定して装着したときに吸収性パッドとホルダとの間に隙間が生じにくくなる。これに加えて、レッグギャザーが着用者の脚周りの上部まで形成されることによって、吸収性パッド１をホルダに固定して装着したときに吸収性パッドとホルダとの間に隙間が生じにくくなる。その結果、吸収性パッドとホルダとの間からの排泄物の漏れが生じにくく、防漏性に優れる。更に、起立した第１防漏カフ６及びレッグギャザーが着用者に密着した状態で配されるので、吸収性パッド１の装着状態のフィット性が向上し、使用感に優れる。

　第１防漏カフ６に関する説明に戻ると、図８及び図９に示すように、第１防漏カフ６は、その縦方向Ｘの端部域において、第１防漏シート６０が所定の状態で固定されている。詳細には、第１防漏カフ６の肌対向面における固定態様として、例えば起立部６２が横方向Ｙ外方に折り曲げられていない状態で、縦方向Ｘの両端部域が固定されていてもよい。これに代えて、図９に示すように、固定部６３と起立部６２の自由端との間において、第１防漏カフ６が縦方向Ｘに延びる折り曲げ部において横方向Ｙ外方に折り曲げられて倒伏した状態で、縦方向Ｘの両端部域において固定されていてもよい。

　これらのうち、図９に示すように、第１防漏カフ６は、縦方向Ｘの端部域において、横方向Ｙの外方に向けて倒伏した状態で固定されていることが好ましい。本実施形態では、起立阻害部６４又は固定部７２の形成位置において第１防漏カフ６が固定され、これによって、第１防漏カフ６が固定された領域６Ｅが連続的に又は不連続的に形成されている。
　これによって、第１防漏カフ６の起立部６２は、その自由端側が横方向Ｙの外方に折り曲げられた状態が縦方向Ｘの全域で維持され、起立部６２の自由端を含む領域が横方向Ｙの外方に張り出すように且つ縦方向Ｘに連続して形成される。その結果、第１防漏カフ６の起立部６２と着用者の肌と面接触させる領域を増大させることができるので、第１防漏カフの着用者への密着性を高めて、横漏れに対する防漏性及びフィット性を更に高めることができる。

　また図８及び図９に示すように、第１防漏カフ６が、その縦方向Ｘの端部域において横方向Ｙの外方に向けて倒伏した状態で固定されている場合、第１防漏カフ６が固定された領域６Ｅと、パッド側止着構造８における横方向Ｙの側部域８Ｅとが、吸収性パッド１の平面視において少なくとも部分的に重なっていることが好ましい。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性、フィット性及び使用感を更に高めることができ、また吸収性パッド１の両側端がひっかかりにくくなるため、吸収性パッド１をホルダ１１に固定して装着したときに吸収性パッド１が剥れにくいといった効果も併せて発現される。

　また図８及び図９に示すように、第１防漏カフ６は、その厚み方向Ｚにおいて、自由端側に配された第１弾性部材６１の位置よりも固定部６３側の位置に、固定部側弾性部材６９が更に配されていることが好ましい。固定部側弾性部材６９は、第１弾性部材と同様に、縦方向Ｘに延びるように配され、且つ第１防漏シート６０に固定されて、縦方向Ｘに伸縮可能に構成されている。このとき、固定部側弾性部材６９は、吸収性パッド１の着用状態又は自然状態において、第１防漏カフの厚み方向Ｚに沿う最大高さの半分の高さよりも固定部６３側の位置に偏って配されていることも好ましい。
　このような構成となっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性、フィット性及び使用感を更に高めることができる。

　また図８に示すように、吸収性本体２のうち吸収体５が存在する領域と、第１防漏カフ６とが、吸収性パッド１の平面視において少なくとも部分的に重なるように配されていることが好ましい。このことは吸収性パッド１の平面視において、第１防漏シート６０等の第１防漏カフ６の構成部材のうち少なくとも一つと、吸収体５とが互いに重なることと同義である。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性を高めることができる。

　また図８に示すように、吸収性本体２のうち吸収体５が存在する領域と、レッグカフ６５とが、吸収性パッド１の平面視において互いに重ならないように配されていることが好ましい。このことは吸収性パッド１の平面視において、レッグカフ６５の構成部材の全てと、吸収体５とが互いに重ならないことと同義である。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性を高めることができる。

　図１１に示す吸収性パッド１は、吸収性パッド１を縦方向Ｘに沿って見たときに、レッグカフ６５と、パッド側止着構造８とが互いに重なるように配されていてもよい。このことは吸収性パッド１の平面視において、レッグカフ６５の構成部材の少なくとも一部と、パッド側止着構造８とが互いに重なることと同義である。
　本実施形態では、パッド側止着構造８の横方向Ｙの両側縁が、吸収性パッド１の両側縁とそれぞれ一致した状態で配されている。これに代えて、パッド側止着構造８の横方向Ｙの両側縁と、吸収性パッド１の両側縁とが一致しない状態で配され、且つレッグカフ６５と、パッド側止着構造８とが互いに重なるように配されていてもよい。
　このような配置関係になっていることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性、フィット性及び使用感を更に高めることができる。

　図１２に示す吸収性パッド１は、第１防漏カフ６に第１弾性部材６１が複数本配されているとともに、各第１弾性部材６１の端部の位置が異なる。本実施形態では、第１弾性部材６１の少なくとも一本が内方端縁８Ａの位置又は内方端縁８Ａよりも縦方向Ｘの外方の位置まで延在し、他の第１弾性部材６１は内方端縁８Ａよりも縦方向Ｘの内方に位置する。これによって、第１防漏カフ６及びその伸縮開始位置６Ａが形成される。

　同様に、図１２に示す吸収性パッド１は、レッグカフ６５にレッグカフ形成用弾性部材６６が複数本配されているとともに、各レッグカフ形成用弾性部材６６の端部の位置が異なる。本実施形態では、レッグカフ形成用弾性部材６６の少なくとも一本が内方端縁８Ａの位置又は内方端縁８Ａよりも縦方向Ｘの外方の位置まで延在し、他のレッグカフ形成用弾性部材６６は内方端縁８Ａよりも縦方向Ｘの内方に位置する。これによって、レッグカフ６５及びその伸縮開始位置６Ｂが形成される。

　図１３及び図１４には、吸収性パッド１の更に別の実施形態が示されている。図１３及び図１４に示すように、非肌側弾性部材４５が更に配されている。詳細には、図１４に示すように、裏面シート４の非肌対向面側に第２裏面シート４０が配されている。第２裏面シート４０は、接着剤などを用いた非肌側接合部４８によって、吸収性パッド１の非肌対向面に接合されている。そして、裏面シート４と第２裏面シート４０との間に、縦方向Ｘに伸縮可能な非肌側弾性部材４５が一本又は複数本配されている。非肌側弾性部材４５は、縦方向Ｘに延びており、好ましくは腹側部Ｆ、股下部Ｍ及び背側部Ｒの全域に連続して配される。非肌側弾性部材４５は、その縦方向Ｘの両端部域が少なくとも固定されることで、縦方向Ｘの内方の位置において伸縮性を有する。

　このとき、非肌側弾性部材４５の両端部域に位置する伸縮開始位置は、他の弾性部材６１，６６と同様に、パッド側止着構造８における縦方向Ｘの内方端縁８Ａの位置と一致しているか、又は内方端縁８Ａを超えて縦方向Ｘの外方に位置することが好ましい。このような構成とすることで、吸収性パッド１の装着状態における防漏性、フィット性及び使用感を更に高めることができる。本実施形態では、非肌側弾性部材４５の端部が内方端縁８Ａを超えて縦方向Ｘの外方に位置しており、これによって、非肌側弾性部材４５の伸縮開始位置が形成される。

　本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
　例えば、本発明の吸収性パッドは、廃棄用テープ、着用者の排泄を知らせるインジケーターを備えていてもよい。前記廃棄用テープは、使用済みの吸収性パッドを小さく丸めて廃棄する場合にその丸められた吸収性パッドの状態を維持するためのものである。前記廃棄用テープは、典型的には、吸収性パッドの非肌対向面（外面）に設けられ、使用時には、肌対向面（内面）を内側にして縦方向に丸められた該吸収性パッドの、外面に露出した縦方向の一端を同方向に跨ぐように配置されることで、該吸収性パッドの丸められた状態を維持する。また、前記インジケーターは、吸収性パッドの交換時期を知らせる目的で使用されるもので、典型的には、尿との接触により変色するなどして視覚的に変化するようになされているとともに、そのインジケーターの変色を吸収性パッドの外部から目視で視認可能になされている。前記の廃棄用テープ及びインジケーターとしては、それぞれ、この種の吸収性物品において従来使用されているものを特に制限なく用いることができる。

　本発明では、パッド側止着構造８は、前記実施形態のように横方向Ｙに連続に延びていてもよく、あるいは横方向Ｙに不連続に延びていてもよい。
　前記実施形態では、吸収性パッド１の縦方向Ｘの一方の端部域におけるパッド側止着構造８の配置数が１個であったが、複数個でもよく、例えば、縦方向Ｘ及び／又は横方向Ｙに間欠配置してもよい。複数のパッド側止着構造８が横方向Ｙに間欠配置された形態において、各パッド側止着構造８の平面視形状が横方向Ｙに長い形状（例えば長方形形状）である場合、前記の「パッド側止着構造８が横方向Ｙに不連続に延びる」に相当する。

　前記実施形態では、パッド側止着構造８が吸収性パッド１の肌対向面（内面）に設けられていたが、本発明では、パッド側止着構造８が吸収性パッド１の非肌対向面（外面）に設けられていてもよい。これに加えて、又はこれに代えて、各伸縮開始位置６Ａ，６Ｂと、パッド側止着構造８における内方端縁８Ａとの位置関係を満たすことを条件として、パッド側止着構造８が吸収性パッド１の非肌対向面（外面）に設けられていてもよい。その場合、例えば、裏面シート４又は第２裏面シート４０の非肌対向面にパッド側止着構造８を固定することができる。

　前記実施形態では、パッド側止着構造８が機械的面ファスナーのオス部材、ホルダ側止着構造１４が機械的面ファスナーのメス部材であったが、本発明ではこれとは逆に、パッド側止着構造８が機械的面ファスナーのメス部材、ホルダ側止着構造１４が機械的面ファスナーのオス部材でもよい。

　前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
＜１＞
　着用者の腰周りに装着される環状のホルダに着脱可能に固定されて使用可能な吸収性パッドであって、
　前記吸収性パッドは、装着状態において着用者の肌に近い側に位置する表面シートと、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シートと、両シート間に位置する吸収体とを備え、
　着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、
　前記横方向の側部域に、前記縦方向に延びる第１防漏カフを有し、
　第１防漏カフは、前記吸収性パッドの装着時に着用者の肌に向かって起立する起立部を有し、
　前記縦方向の腹側または背側の少なくとも一方の端部域に、前記横方向に延びる第２防漏カフを有し、
　前記第１防漏カフと前記第２防漏カフとが交差しており、
　両防漏カフが交差する領域において、前記第１防漏カフにおける前記起立部と前記第２防漏カフとが接合された接合領域を有する、吸収性パッド。

＜２＞
　前記縦方向の端部域に、前記ホルダとの着脱が可能なパッド側止着構造を有する、前記＜１＞に記載の吸収性パッド。
＜３＞
　前記パッド側止着構造は、前記横方向に延びており、
　前記第１防漏カフと前記止着構造とが少なくとも部分的に重なっている、前記＜２＞に記載の吸収性パッド。
＜４＞
　前記第１防漏カフ及び前記第２防漏カフが交差する領域において、該第１防漏カフは前記横方向の外方に向けて倒伏しており、
　倒伏した前記第１防漏カフ上に前記第２防漏カフが重なった状態で、両防漏カフが接合されている、前記＜１＞ないし＜３＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。
＜５＞
　前記第１防漏カフは、前記縦方向に延びる第１弾性部材が第１防漏シートに配されて構成されており、
　前記第１防漏カフは、前記第１弾性部材が前記第１防漏シートに固定された固定領域を備え、
　前記第１弾性部材の前記固定領域と両防漏カフの前記接合領域とは互いに重ならない、前記＜１＞ないし＜４＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。
＜６＞
　前記第１防漏カフは、前記縦方向に延びる複数の第１弾性部材が前記横方向に並列して配されており、
　前記横方向の外方に位置する前記第１弾性部材の伸長倍率は、該横方向の内方に位置する該第１弾性部材の伸長倍率よりも高い、前記＜１＞ないし＜５＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。

＜７＞
　前記第２防漏カフは、第２弾性部材が第２防漏シートに配されて構成されており、
　前記第２防漏カフは、前記第２弾性部材が前記第２防漏シートに固定された固定領域を備え、
　前記第２弾性部材の前記固定領域と前記第１防漏カフ及び前記第２防漏カフの前記接合領域とは互いに重ならない、前記＜１＞ないし＜６＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。
＜８＞
　前記第１防漏カフよりも前記横方向の外方の位置に、前記縦方向に沿って延びるレッグカフを有し、
　前記レッグカフと前記第２防漏カフとが交差していない、前記＜１＞ないし＜７＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。
＜９＞
　前記縦方向に沿って見たときに、前記レッグカフと前記止着構造とが重なっていない、前記＜８＞に記載の吸収性パッド。
＜１０＞
　前記縦方向における前記第１防漏カフの伸縮応力が、前記縦方向における前記レッグカフの伸縮応力よりも高い、前記＜８＞又は＜９＞に記載の吸収性パッド。
＜１１＞
　前記縦方向における前記第１防漏カフの伸縮応力は、前記縦方向における前記レッグカフの伸縮応力に対して、１．０５倍以上２．０倍以下、好ましくは１．２倍以上１．５倍以下である、前記＜１０＞に記載の吸収性パッド。

＜１２＞
　前記レッグカフは、前記吸収体の側縁よりも前記横方向の外方の位置し、
　前記腹側または前記背側の少なくとも一方において、前記レッグカフ及び前記防漏カフの伸縮開始位置が、前記止着構造における前記縦方向の内方端縁の位置と一致しているか、又は該内方端縁を越えて該縦方向の外方に位置している、前記＜８＞ないし＜１１＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。

＜１３＞
　前記第１防漏カフが固定された領域と、前記止着構造における前記横方向の側部域とが、前記吸収性パッドの平面視において少なくとも部分的に重なっている、前記＜２＞ないし＜１２＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。
＜１４＞
　前記第１防漏カフは、前記起立部の起立起点となる固定部を有し、
　前記吸収性パッドの着用状態又は自然状態において、前記第１防漏カフの最大高さの半分の高さよりも前記固定部側の位置に、弾性部材が前記縦方向に延びるように配されている、前記＜１＞ないし＜１３＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。
＜１５＞
　前記表面シートと、前記裏面シートと、前記吸収体とを含む吸収性本体とを備えており、
　平面視において、前記吸収性本体のうち前記吸収体が存在する領域と前記第１防漏カフとが少なくとも部分的に重なっており、且つ、該吸収性本体のうち該吸収体が存在する領域と前記レッグカフとが重なっていない、前記＜８＞ないし＜１２＞のいずれか一に記載の吸収性パッド。
＜１６＞
　前記第２防漏カフは、前記吸収性本体の前記縦方向の両端部域に配置され、
　平面視において前記第１防漏カフと前記第２防漏カフとが少なくとも部分的に重なっている、前記＜１５＞に記載の吸収性パッド。
＜１７＞
　前記＜１＞ないし＜１６＞のいずれか一に記載の吸収性パッドと、
　着用者の腰周りに装着される環状のホルダと、
を備える吸収性物品。
＜１８＞
　着用者の腰周りに装着される環状のホルダに着脱可能に固定されて使用可能な吸収性パッドであって、
　前記吸収性パッドは、装着状態において着用者の肌に近い側に位置する表面シートと、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シートと、両シート間に位置する吸収体とを備え、
　着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、
　前記縦方向の端部域に、前記ホルダとの着脱が可能なパッド側止着構造を有し、
　前記止着構造は、前記横方向に延びており、
　前記吸収体の側縁よりも前記横方向の外方の位置に、前記縦方向に沿って延びる伸縮性のレッグカフを有し、
　前記レッグカフよりも前記横方向の内方の位置に、前記縦方向に沿って延びる伸縮性の第１防漏カフを有し、
　腹側または背側の少なくとも一方において、前記レッグカフ及び前記第１防漏カフの伸縮開始位置が、前記止着構造における前記縦方向の内方端縁の位置と一致しているか、又は該内方端縁を越えて前記縦方向の外方に位置している、吸収性パッド。

　本発明の吸収性パッドは、ホルダに固定して装着したときに、吸収性パッドとホルダとの間に隙間が生じにくく、防漏性に優れる。

Claims

　着用者の腰周りに装着される環状のホルダに着脱可能に固定されて使用可能な吸収性パッドであって、
　前記吸収性パッドは、装着状態において着用者の肌に近い側に位置する表面シートと、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シートと、両シート間に位置する吸収体とを備え、
　着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有し、
　前記横方向の側部域に、前記縦方向に延びる第１防漏カフを有し、
　第１防漏カフは、前記吸収性パッドの装着時に着用者の肌に向かって起立する起立部を有し、
　前記縦方向の腹側または背側の少なくとも一方の端部域に、前記横方向に延びる第２防漏カフを有し、
　前記第１防漏カフと前記第２防漏カフとが交差しており、
　両防漏カフが交差する領域において、前記第１防漏カフにおける前記起立部と前記第２防漏カフとが接合された接合領域を有する、吸収性パッド。
　前記縦方向の端部域に、前記ホルダとの着脱が可能なパッド側止着構造を有する、請求項１に記載の吸収性パッド。
　前記パッド側止着構造は、前記横方向に延びており、
　前記第１防漏カフと前記止着構造とが少なくとも部分的に重なっている、請求項２に記載の吸収性パッド。
　前記第１防漏カフ及び前記第２防漏カフが交差する領域において、該第１防漏カフは前記横方向の外方に向けて倒伏しており、
　倒伏した前記第１防漏カフ上に前記第２防漏カフが重なった状態で、両防漏カフが接合されている、請求項１ないし３のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記第１防漏カフは、前記縦方向に延びる第１弾性部材が第１防漏シートに配されて構成されており、
　前記第１防漏カフは、前記第１弾性部材が前記第１防漏シートに固定された固定領域を備え、
　前記第１弾性部材の前記固定領域と両防漏カフの前記接合領域とは互いに重ならない、請求項１ないし４のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記第１防漏カフは、前記縦方向に延びる複数の第１弾性部材が前記横方向に並列して配されており、
　前記横方向の外方に位置する前記第１弾性部材の伸長倍率は、該横方向の内方に位置する該第１弾性部材の伸長倍率よりも高い、請求項１ないし５のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記第２防漏カフは、第２弾性部材が第２防漏シートに配されて構成されており、
　前記第２防漏カフは、前記第２弾性部材が前記第２防漏シートに固定された固定領域を備え、
　前記第２弾性部材の前記固定領域と前記第１防漏カフ及び前記第２防漏カフの前記接合領域とは互いに重ならない、請求項１ないし６のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記第１防漏カフよりも前記横方向の外方の位置に、前記縦方向に沿って延びるレッグカフを有し、
　前記レッグカフと前記第２防漏カフとが交差していない、請求項１ないし７のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記縦方向に沿って見たときに、前記レッグカフと前記止着構造とが重なっていない、請求項８に記載の吸収性パッド。
　前記縦方向における前記第１防漏カフの伸縮応力が、前記縦方向における前記レッグカフの伸縮応力よりも高い、請求項８又は９に記載の吸収性パッド。
　前記レッグカフは、前記吸収体の側縁よりも前記横方向の外方に位置し、
　前記腹側または前記背側の少なくとも一方において、前記レッグカフ及び前記第１防漏カフの伸縮開始位置が、前記止着構造における前記縦方向の内方端縁の位置と一致しているか、又は該内方端縁を越えて該縦方向の外方に位置している、請求項８ないし１０のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記第１防漏カフが固定された領域と、前記止着構造における前記横方向の側部域とが、前記吸収性パッドの平面視において少なくとも部分的に重なっている、請求項２ないし１１のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記第１防漏カフは、前記起立部の起立起点となる固定部を有し、
　前記吸収性パッドの着用状態又は自然状態において、前記第１防漏カフの最大高さの半分の高さよりも前記固定部側の位置に、弾性部材が前記縦方向に延びるように配されている、請求項１ないし１２のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記表面シートと、前記裏面シートと、前記吸収体とを含む吸収性本体とを備えており、
　平面視において、前記吸収性本体のうち前記吸収体が存在する領域と前記第１防漏カフとが少なくとも部分的に重なっており、且つ、該吸収性本体のうち該吸収体が存在する領域と前記レッグカフとが重なっていない、請求項８ないし１１のいずれか一項に記載の吸収性パッド。
　前記第２防漏カフは、前記吸収性本体の前記縦方向の両端部域に配置され、
　平面視において前記第１防漏カフと前記第２防漏カフとが少なくとも部分的に重なっている、請求項１４に記載の吸収性パッド。
　請求項１ないし１５の何れか一項に記載の吸収性パッドと、
　着用者の腰周りに装着される環状のホルダと、
を備える吸収性物品。