JP4951281B2 - 使い捨ての排泄物処理用品 - Google Patents

Description

この発明は、便や尿等の排泄物を処理するのに好適な使い捨ての用品に関する。

従来、粉砕パルプ等の体液吸収性材料を透液性シートで被覆することによってパネルを作り、そのパネルの周縁に防漏壁を設けることによってパネルと防漏壁とで排泄物収容のための空間を形成し、防漏壁にはその空間に通じる開口を画成させるとともに、その開口を囲むように弾性部材を伸長状態で取り付けた排泄物処理用品は公知である。

例えば、特開２０００−４２０３３号公報（特許文献１）に開示の使い捨ての体液処理用品では、透液性内面シートと不透液性外面シートとの間に吸収性コアを介在させてある体液吸収部の周縁部分に、この体液吸収部を内面シートの上方から覆うように防漏性のカバーシートが設けてあり、体液吸収部とカバーシートとが協働して排泄物収容のための空間を形成している。カバーシートは、その空間への排泄物の流入を可能にする開口を画成しており、開口の周縁部分には弾性部材が伸長状態で取り付けられている。

特許第３５１０１５０号公報（特許文献２）には、使い捨ての体液処理物品が開示されている。この体液処理物品は、矩形の体液吸収性パネルの辺々に各１条の帯状の防漏性シートを取り付けて防漏壁を作り、パネルと防漏壁とによって排泄物を収容する空間を形成するとともに、その防漏壁が空間へ通じる開口を画成している。防漏壁は、開口の周縁部分に弾性部材が取り付けられている。

特表２００１−５１３６６９号公報（特許文献３）には、おむつまたは失禁ガードの如き吸収物品というものが開示されている。この吸収物品では、吸収性材料を液透過性シートと液不透過性シートとで挟むことによって形成されたパネル状物品における液透過性シートが、楕円形の開口を設けられたトップシートによって覆われている。これら液透過性シートとトップシートとの間には排泄物を収容するための空間が形成されており、その排泄物はトップシートの開口から流入する。トップシートには、開口の周縁部分に弾性部材が取り付けられている。
特開２０００−４２０３３号公報 特許第３５１０１５０号公報 特表２００１−５１３６６９号公報

特許文献１に記載の体液処理用品では、内面シートと外面シートとの間にコアを介在させることによって形成された台形または矩形のパネルの周縁部どうしを、パネルの幅を二等分する中心線に沿ってパネルを折り重ねてから、互いに接合しなければならない。したがって、この体液処理用品には、それを製造する過程においてパネルを折り重ねて接合しなければならないという複雑な手間が不可欠である。

特許文献２に記載の体液処理物品は、矩形のパネルの辺々にパネルとは別体の部材である帯状の防漏性シートを取り付け、その防漏性シートには弾性部材を伸長状態で取り付けておかなければならず、体液処理物品の構造が複雑であるうえに部材の数が多くて、製造コストがかさむという問題がある。

また、特許文献３に記載の吸収物品は、パネル状物品とは別体の部材であるトップシートを必要とするということにおいてコストがかかるという問題がある。

この発明は、これら従来技術の問題を解消し得る簡単な構造の使い捨ての排泄物処理用品の提供を課題にしている。

この発明は、第１および第２の発明を含む。
前記課題を解決するために、第１および第２の発明が対象とするのは、第１シートと第２シートとの間に体液吸収性コアが介在しており、前記第１シートが透液性の肌当接面を形成している使い捨ての排泄物処理用品である。

かかる排泄物処理用品において、第１の発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記第２シートは、前記コアの周縁から延出する矩形のものであって、前記矩形の長さ方向へ平行して延びる一対の側縁と、幅方向へ平行して延びる一対の端縁とを有していて、前記側縁それぞれの内側と前記端縁それぞれの内側とに側部フラップと端部フラップとを形成している。前記側部フラップと前記端部フラップとには、前記側縁の一方と一対の前記端縁に沿って連続して延びる第３弾性部材と、前記側縁のもう一方に沿って延びる第４弾性部材とが、伸長状態で取り付けられ、これら第３、第４弾性部材が前記矩形の隅部において重なり合うことにより実質的につながり、前記弾性部材が収縮すると、前記環が小さくなるように、前記側部フラップと前記端部フラップとが、前記長さ方向と前記幅方向とにおいて収縮するとともに、前記肌当接面を内側にして前記コアの周縁に沿って折り返される。

前記排泄物処理用品において、第２の発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記第２シートは、前記コアの周縁から延出する矩形のものであって、前記矩形の長さ方向へ平行して延びる一対の側縁と、幅方向へ平行して延びる一対の端縁とを有していて、前記側縁それぞれの内側と前記端縁それぞれの内側とに側部フラップと端部フラップとを形成している。前記側部フラップと前記端部フラップとには、前記側縁の一方と一対の前記端縁に沿って連続して延びる第３弾性部材と、前記側縁のもう一方に沿って延びる第４弾性部材とが、伸長状態で取り付けられ、これら第３、第４弾性部材が前記矩形の隅部において重なり合うことにより実質的につながり、前記弾性部材が収縮すると、前記環が小さくなるように、前記側部フラップと前記端部フラップとが、前記長さ方向と前記幅方向とにおいて収縮するとともに、前記肌当接面を内側にして前記コアの周縁に沿って折り返される。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記第２シートが前記コアと対向する内面とその反対面である外面とを有し、前記外面がおむつおよびおむつカバーいずれかの股下域の内面に対して取り付け可能に形成されている。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記第２シートが不透液性のものである。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記コアと前記第２シートとの間には不透液性の防漏シートが介在している。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、周方向へ弾性的に伸長・収縮可能な環を形成している帯状部材に対して前記端部フラップの近傍が取り付けられていて、前記処理用品が前記帯状部材と協働してパンツ型の着用物品を形成している。

この発明では、矩形の第２シートの側縁と端縁とに沿って弾性部材が伸長状態で取り付けられていて、矩形の環を形成しているから、この弾性部材が収縮すると、環が小さくなるように側部フラップと端部フラップも収縮してコアの周縁に防漏壁と、その防漏壁の内側に便等の排泄物を進入させる開口とを形成して、簡単な平面的構造を有していた処理用品が排泄物を収容することが可能な立体的形状の処理用品となる。

弾性部材として、第２シートにおける一対の側縁と端縁の一方とに沿って延びる第１弾性部材と端縁のもう一方に沿って延びる第２弾性部材とを使用する態様の処理用品、および側縁の一方と一対の端縁とに沿って延びる第３弾性部材と、側縁のもう一方に沿って延びる第４弾性部材とを使用する態様の処理用品によれば、２条の弾性部材で矩形の環を形成することができる。

処理用品の外面をおむつおよびおむつカバーいずれかに取り付け可能に形成することによって、この処理用品の着用が容易になる。

この発明において、処理用品の第２シートが不透液性のものである場合には、処理用品を布製パンツと組み合わせて、失禁患者用の着用物品として使用することができる。また、不透液性の第２シートを使用することに代えて、コアと第２シートとの間に防漏シートを介在させることができる。

この発明に係る処理用品は、環を形成している帯状部材に対して端部フラップの近傍部分を取り付けることによって、パンツ型のものになり得る。

添付の図面を参照して、この発明に係る使い捨ての排泄物処理用品の詳細を説明すると、以下のとおりである。

図１は、使い捨ての排泄物処理用品１の斜視図である。処理用品１は、互いに直交する幅方向Ｘと長さ方向Ｙとを有している。処理用品１はまた、肌当接面である内面とその反対面である外面とを有し、内面がこの発明においての第１シートである透液性内面シート２によって形成され、外面がこの発明においての第２シートである透液性または不透液性の外面シート３によって形成されており、実質的に幅方向Ｘへ互いに平行して延びる一対の端縁６ａ，６ｂと、実質的に長さ方向Ｙへ互いに平行して延びる一対の側縁７ａ，７ｂとを有する。各側縁６ａ，６ｂ，７ａ，７ｂの内側には、内面シート２と外面シート３とが重なり合っていて可撓性を有する端部フラップ８ａ，８ｂと側部フラップ９ａ，９ｂとが形成されている。それぞれのフラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂには、端縁６ａ，６ｂと側縁７ａ，７ｂとのそれぞれに沿って延びる端部弾性部材１２ａ，１２ｂと、側部弾性部材１３ａ，１３ｂとが伸長状態で取り付けられている。図１では、端部弾性部材１２ａと１２ｂとの伸長力が同じであり、側部弾性部材１３ａと１３ｂとの伸長力が同じであって、これらの弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂが収縮することによって、処理用品１が内面シート２を内側にして長さ方向Ｙと幅方向Ｘとにおいて湾曲しており、端部フラップ８ａ，８ｂと側部フラップ９ａ，９ｂとが処理用品１における周壁を形成している。なお、図において処理用品１が湾曲する様子は、長さ方向Ｙにおいて顕著であるが、幅方向Ｘにおいては顕著ではない。

図２は、図１における処理用品１の各弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂを長さ方向Ｙおよび幅方向Ｘへ伸長することによって得られる処理用品１の部分破断平面図である。平面状の処理用品１は、それぞれが矩形である内面シート２と外面シート３との間に体液吸収性コア１６が介在しており、コア１６と外面シート３との間に不透液性のプラスチックフィルムで形成された防漏シート１７を有する。コア１６は、長さ方向Ｙの中央部が特に幅狭く、全体としては砂時計型に作られている。防漏シート１７は、好ましくはコア１６の周縁から延出するように大きく作られる。内面シート２と外面シート３とは、コア１６の周縁から延出して重なり合い、接着または溶着により互いに接合して、そのコア１６の端縁２２ａ，２２ｂと側縁２３ａ，２３ｂとに沿って延びる端部フラップ８ａ，８ｂと側部フラップ９ａ，９ｂとを形成している。フラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂのそれぞれでは、各２条の端部弾性部材１２ａ、端部弾性部材１２ｂ、側部弾性部材１３ａ、側部弾性部材１３ｂのいずれかが内面シート２と外面シート３との間にあって、これら両シート２，３のうちの少なくとも一方、例えば外面シート３に対してホットメルト接着剤（図示せず）を介して伸長状態で接合しているので、フラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂのそれぞれが弾性化している。これら弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂは、外面シート３の隅部３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄにおいて互いに重なり合うことによって実質的な意味においてつながっていて、全体として矩形の環１０を形成している。

図２の構成を有する処理用品１は、これを自由状態に置くと、環１０が小さくなるように各弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂが収縮することに伴い、端部フラップ８ａ，８ｂが幅方向Ｘにおいて収縮しながら内面シート２が内側となるように折り返される一方、側部フラップ９ａ，９ｂが長さ方向Ｙにおいて収縮しながら内面シート２が内側となるように折り返される。端部フラップ８ａ，８ｂと側部フラップ９ａ，９ｂとが折り返されるときには、各フラップに比べて剛性の高いコア１６における端縁２２ａ，２２ｂと側縁２３ａ，２３ｂとに沿う部分が基端となる。また、コア１６が幅方向Ｘや長さ方向Ｙにおいて湾曲して、平面的形状であった処理用品１の全体が簡単に図１の如き立体的な形状のものになる。なお、弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂが収縮するときに、フラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂは、図１の如く内面シート２が内側となるように折り返されるのではなくて、外面シート３を内側とするように折り返される場合もあり得るが、その場合には処理用品１に手を添えて、フラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂが図１の如くに折り返されるように誘導すればよい。

図３は、処理用品１の使用態様の一例を示す図である。図３では、図１の状態にある処理用品１が、使い捨ておむつ３１またはそれに代わるおむつカバーの股下域の内面に置かれており、外面シート３の外面に設けられる取り付け手段、例えば粘着剤や接着剤、メカニカルファスナのフック部材やループ部材（いずれも図示せず）を介してその股下域に取り外し可能または取り外し不能な状態で固定されている。処理用品１では、フラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂがコア１６の端縁２２ａ，２２ｂや側縁２３ａ，２３ｂかに沿って折り返されて、処理用品１の周囲に防漏性の周壁２８ａ，２８ｂ，２９ａ，２９ｂを形成するとともに、それらの周壁２８ａ，２８ｂ，２９ａ，２９ｂの内側に便や尿等の排泄物を流入させる開口２６（図１参照）を形成しているから、おむつ３１の着用者の肛門や外性器がその開口２６の内側へ来るようにしておむつ３１を着用すると、排泄物を処理用品１の内部へ収容することができるとともに、その排泄物が処理用品１の外へ漏れることを防止できる。このように使用される処理用品１は、端部フラップ８ａ，８ｂや側部フラップ９ａ，９ｂの収縮を妨げることがないように、外面シート３のうちでも、幅方向Ｘと長さ方向Ｙとにおける中央部分だけをおむつ３１に固定することが好ましい。外面シート３には不透液性シートを使用して周壁２８ａ，２８ｂ，２９ａ，２９ｂを含めた処理用品１の外面全体を不透液性にすることが好ましいが、外面シート３に透液性のシートを使用する場合には、防漏シート１７を必ず併用する。このように形成される処理用品１は、それを布製パンツの内側に取り付けて、失禁患者用の吸尿パッドとして使用することも可能である。

図４もまた、処理用品１の使用態様の一例を示す図である。処理用品１は、外面シート３のうちでもコア１６の端縁２２ａ，２２ｂ（図２参照）の近傍に位置する部分が、粘着剤やホットメルト接着剤等の取り付け手段３０を介して、環を形成している帯状部材４１の内面に取り外し可能または取り外し不能な状態で取り付けられていて、これら処理用品１と帯状部材４１とでパンツ型のおむつ４２が形成されている。帯状部材４１は、胴周り開口４３を画成するとともに、処理用品１と協働して脚周り開口４４をも形成している。また、帯状部材４１には、周方向へ延びる複数条の弾性部材４６が伸長状態で取り付けられている。

処理用品１において、内面シート２には、透液性の不織布や透液性の開孔プラスチックフィルム等が使用される。その不織布には、例えば、坪量７〜３０ｇ／ｍ^２を有し、熱可塑性合成繊維で形成されたスパンボンド不織布やメルトボンド不織布、これら不織布の積層体等が使用される。プラスチックフィルムには、例えば厚さ１０〜５０ミクロンのポリエチレンフィルム等が使用される。外面シート３には、好ましくは、実質的な意味において不透液性の不織布や不透液性のプラスチックフィルム、不透液性または透液性の不織布と不透液性のプラスチックフィルムとの積層体等が使用される。外面シート３が透液性のものである場合に、防漏シート１７の併用が不可欠であることは、既述のとおりである。コア１６には、粉砕パルプや粉砕パルプと高吸水性ポリマー粒子との混合物等の吸水性材料が使用される。好ましいコア１６では、その保形性を良好にしたり取り扱いを容易にしたりするために、これらの吸水性材料が吸水性や透水性に優れたティシューペーパや不織布によって被覆されている。コア１６の平面形状に格別の制約はないが、その形状が図２の如き砂時計型のものである場合には、処理用品１の長さ方向Ｙの中央部における両側に、丈が高く変形が容易で、おむつ３１や４２の着用者の股部にフィットし易い周壁２９ａ，２９ｂの形成が可能になる（図１参照）。コア１６と外面シート３との間には、図示例の如く防漏シート１７を介在させることができる。その防漏シート１７には、厚さ５〜２０ミクロンのポリエチレンフィルム等、不透液性のプラスチックフィルムが使用される。端部弾性部材１２ａ，１２ｂや側部弾性部材１３ａ，１３ｂのそれぞれには、例えば幅と厚さとが０．３〜２ｍｍの糸ゴムが使用される。これらの弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂは、図示例の如く２条である他に、１条または３条以上にすることができる。これらの弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂには、処理用品１が図１の如き形状となり得るような適宜の伸長力を有するものが選ばれる。例えば好ましい実施態様の一例である図２の処理用品１の幅が１６０ｍｍで長さが３７０ｍｍであり、内面シート２が坪量１０ｇ／ｍ^２を有しポリエチレンとポリプロピレンとのサイド・バイ・サイド型複合繊維からなるスパンボンド不織布で形成され、外面シート３が厚さ２０ミクロンのポリエチレンフィルムで形成され、コア１６が坪量２００ｇ／ｍ^２のフラッフパルプで形成されており、フラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂの幅が少なくとも２５ｍｍである場合において、図１の如くに収縮した端部フラップ８ａおよび端部フラップ８ｂでは、これらのフラップ８ａ，８ｂから切り取った幅２０ｍｍ、長さ５０ｍｍの帯状試片であって、その幅の中央に弾性部材１２ａまたは１２ｂを含む試片について、両端を５ｍｍずつつかんで１５０％伸長させたときの伸長力が、好ましくは、０．１〜４．０Ｎの範囲にある。側部フラップ９ａおよび側部フラップ９ｂでは、これらのフラップ９ａ，９ｂから切り取った幅２０ｍｍ、長さ５０ｍｍの帯状試片であって、その幅の中央に弾性部材１３ａまたは１３ｂを含む試片について、両端を５ｍｍずつつかんで１５０％伸長させたときの伸長力が、好ましくは、０．１〜４．０Ｎの範囲にある。フラップ８ａ，８ｂ、９ａ，９ｂの伸長力がこれらの範囲よりも小さい場合の処理用品１は、フラップ８ａや８ｂ，９ａ，９ｂの肌に対する密着が弱くなって、十分な漏れ防止効果を挙げられないことがある。また、フラップ８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂの伸長力がこれらの範囲よりも大きい場合には、フラップ８ａや８ｂ，９ａ，９ｂの収縮がコア１６にまで及んでコア１６にしわを生じることがあり、体液吸収のためにコア１６の表面積を十分に活用することができなくなるということや、フラップ８ａや８ｂ，９ａ，９ｂが着用者の肌に強く当たるということがある。なお、処理用品１において、端部弾性部材１２ａと１２ｂとの間や側部弾性部材１３ａと１３ｂとの間で伸長力に差をつけて、処理用品１が収縮したときの形状を図１のそれとは異なるものにすることもできる。

図５，６，７において、図５は処理用品１の一態様を示す図２と同様な図であり、図６，７は、図５のＶＩ−ＶＩ線、ＶＩＩ−ＶＩＩ線切断面を示す図である。図６で明らかなように、処理用品１は、内面シート２がコア１６に巻きつけられる一方、外面シート３がコア１６から側方へ延出するように使用されている。防漏シート１７は、巻きつけられた内面シート２と外面シート３との間に介在している。外面シート３は、側部フラップ９ａ，９ｂを形成している部分が側部弾性部材１３ａ，１３ｂのそれぞれを挟むように折り重ねられている。図７から明らかなように、処理用品１の長さ方向Ｙでは、内面シート２と外面シート３と防漏シート１７とが端部フラップ８ａ，８ｂの端縁６ａ，６ｂにまで延びている。弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂが収縮すると、図５の処理用品１は図１と同様な形状になる。

図８，９，１０は、処理用品１における外面シート３に弾性部材を環状に取り付ける手順の一例を示す図である。因みに、図２の処理用品１における外面シート３に取り付けられていた端部および側部弾性部材１２ａ，１２ｂ，１３ａ，１３ｂのそれぞれは、互いに別体のものであって、外面シート３の隅部で重なり合うことによって実質的に互いにつながっている。それに対して、図８，９，１０に示される弾性部材は、次のようにして外面シート３に取り付けられる。即ち、図８では、外面シート３として使用する不織布ウエブ１００が機械方向ＭＤに連続的に走行している。ウエブ１００は、機械方向ＭＤに平行な第１縁部１０１と第２縁部１０２とを有し、機械方向ＭＤに直交する交差方向ＣＤへ延びていて機械方向ＭＤにおいて一定の間隔で並ぶ第１仮想線１０３で裁断されることによって、外面シート３を１枚ずつ作ることができるものである。隣り合う第１仮想線１０３どうしの間には、コア１６を置くべき位置が第２仮想線１０４で示されている。不織布ウエブ１００に対しては、２条の第１連続弾性部材１２１が連続的かつ伸長状態で供給されて、２条の第１仮想線１０３のそれぞれと、第２縁部１０２とに平行するように、かつ第１仮想線１０３と第１、第２縁部１０１，１０２とが交差する部位の近傍ではほぼ直角に折れ曲がるように、ホットメルト接着剤（図示せず）を介して取り付けられる。なお、第１連続弾性部材１２１は、図示されているように、第１縁部１０１に平行して延びるものでもある。

図９では、図８に示された不織布ウエブ１００を機械方向ＭＤへ走行させながら、２条の第２連続弾性部材１２２が連続的かつ伸長状態で供給されて、第２縁部１０２と第１仮想線１０３とに平行するように不織布ウエブ１００に取り付けられた後に、さらに第１縁部１０１に平行するように取り付けられる。第２連続弾性部材１２２もまた、第１仮想線１０３と第１、第２側縁１０１，１０２とが交差する部位の近傍ではほぼ直角に折れ曲がっている。機械方向ＭＤへ走行しているウエブ１００に対して第１、第２連続弾性部材１２１，１２２を図８，９に示されているように取り付けることは、ウエブ１００を横断するように交差方向ＣＤにおいて往復運動する公知機構のアームを介して各弾性部材１２１，１２２を供給することで可能になる。

図１０は、隣り合う第１仮想線１０３の間において仮想線１０４で示されたコア１６を囲むように第１、第２連続弾性部材１２１，１２２が不織布ウエブ１００に対して取り付けられている状態を示している。第１連続弾性部材１２１と第２連続弾性部材１２２とは、第１仮想線１０３と第１縁部１０１とが交差する部位の近傍においてほぼ直角を成すように重なり合うことによって実質的につながった状態にあって、隣り合う第１仮想線１０３どうしの間においてほぼ矩形の環１１０を形成している。かように形成されている不織布ウエブ１００は、それを第１仮想線１０３に沿って裁断することによって、図２における外面シート３となり、第１、第２連続弾性部材１２１，１２２は端部弾性部材１２ａ，１２ｂ、側部弾性部材１３ａ，１３ｂに代わるものとなって、図１と同様な立体的形状の処理用品が得られる。

図１１，１２，１３もまた、外面シート３に弾性部材を環状に取り付ける手順の一例を示す図８，９，１０と同様な図である。図１１，１２，１３が図８，９，１０と異なるのは、機械方向ＭＤへ連続的に走行している不織布ウエブ１００に対して仮想線１０４で示された砂時計型のコア１６が機械方向ＭＤに向けられており、そのコア１６が仮想線で示される透液性不織布ウエブ１２０で被覆されている点である。図１１では、第３連続弾性部材１２３が、２条の第１仮想線１０３と不織布ウエブ１００の第２縁部１０２とに平行するように不織布ウエブ１００に取り付けられる。

図１２では、第４連続弾性部材１２４が第２縁部１０２と第１仮想線１０３とに平行するように不織布ウエブ１００に取り付けられた後に、第１縁部１０１に平行するように不織布ウエブ１００に取り付けられる。

図１３では、第３、第４連続弾性部材１２３，１２４が取り付けられた後の不織布ウエブ１００を、第１縁部１０１と第２縁部１０２とに沿う部分において折り返してこれら縁部１０１，１０２に平行している第３、第４連続弾性部材１２３，１２４を覆い、続いて不織布ウエブ１００を第１仮想線１０３に沿って裁断することによって、図２に例示の処理用品１と同様な処理用品が得られる。図１３の第３、第４連続弾性部材１２３，１２４は、図２における端部弾性部材１２ａ，１２ｂと側部弾性部材１３ａ，１３ｂとに代わるものであり、コア１６とこれを被覆している透液性不織布ウエブ１２０は、図２におけるコア１６と内面シート２とに相当するものである。

この発明によれば、簡単な構造で製造が容易な排泄物処理用品を得ることができる。

排泄物処理用品の斜視図。 排泄物処理用品の部分破断平面図。 排泄物処理用品の使用態様を例示する図。 排泄物処理用品の使用態様を例示する図。 排泄物処理用品の一態様を例示する図２と同様な図。 図５のＶＩ−ＶＩ線切断面を示す図。 図５のＶＩＩ−ＶＩＩ線切断面を示す図。 弾性部材の取り付け手順の一例を示す図。 弾性部材の取り付け手順の一例を示す図。 弾性部材の取り付け手順の一例を示す図。 弾性部材の取り付け手順の他の例を示す図。 弾性部材の取り付け手順の他の例を示す図。 弾性部材の取り付け手順の他の例を示す図。

符号の説明

１ 排泄物処理用品
２ 第１シート（内面シート）
３ 第２シート（外面シート）
３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ 隅部
６ａ，６ｂ 端縁
７ａ，７ｂ 側縁
８ａ，８ｂ 端部フラップ
９ａ，９ｂ 側部フラップ
１０ 環
１２ａ，１２ｂ 弾性部材
１３ａ，１３ｂ 弾性部材
１６ コア
１７ 防漏シート
３１ おむつ
４１ 帯状部材
４２ パンツ型着用物品
１１０ 環
１２１ 第１弾性部材
１２２ 第２弾性部材
１２３ 第３弾性部材
１２４ 第４弾性部材
Ｘ 幅方向
Ｙ 長さ方向

Claims (6)

1. 第１シートと第２シートとの間に体液吸収性コアが介在しており、前記第１シートが透液性の肌当接面を形成している使い捨ての排泄物処理用品において、
   前記第２シートは、前記コアの周縁から延出する矩形のものであって、前記矩形の長さ方向へ平行して延びる一対の側縁と、幅方向へ平行して延びる一対の端縁とを有していて、前記側縁それぞれの内側と前記端縁それぞれの内側とに側部フラップと端部フラップとを形成しており、前記側部フラップと前記端部フラップとには、一対の前記側縁と前記端縁の一方とに沿って連続して延びる第１弾性部材と、前記端縁のもう一方に沿って延びる第２弾性部材とが、伸長状態で取り付けられ、これら第１、第２弾性部材が前記矩形の隅部において重なり合うことにより実質的につながり、
   前記弾性部材が収縮すると、前記環が小さくなるように、前記側部フラップと前記端部フラップとが、前記長さ方向と前記幅方向とにおいて収縮するとともに、前記肌当接面を内側にして前記コアの周縁に沿って折り返されることを特徴とする前記排泄物処理用品。
2. 第１シートと第２シートとの間に体液吸収性コアが介在しており、前記第１シートが透液性の肌当接面を形成している使い捨ての排泄物処理用品において、
   前記第２シートは、前記コアの周縁から延出する矩形のものであって、前記矩形の長さ方向へ平行して延びる一対の側縁と、幅方向へ平行して延びる一対の端縁とを有していて、前記側縁それぞれの内側と前記端縁それぞれの内側とに側部フラップと端部フラップとを形成しており、前記側部フラップと前記端部フラップとには、前記側縁の一方と一対の前記端縁に沿って連続して延びる第３弾性部材と、前記側縁のもう一方に沿って延びる第４弾性部材とが、伸長状態で取り付けられ、これら第３、第４弾性部材が前記矩形の隅部において重なり合うことにより実質的につながり、
   前記弾性部材が収縮すると、前記環が小さくなるように、前記側部フラップと前記端部フラップとが、前記長さ方向と前記幅方向とにおいて収縮するとともに、前記肌当接面を内側にして前記コアの周縁に沿って折り返されることを特徴とする前記排泄物処理用品。
3. 前記第２シートが前記コアと対向する内面とその反対面である外面とを有し、前記外面がおむつおよびおむつカバーいずれかの股下域の内面に対して取り付け可能に形成されている請求項１または２記載の排泄物処理用品。
4. 前記第２シートが不透液性のものである請求項１〜３のいずれかに記載の排泄物処理用品。
5. 前記コアと前記第２シートとの間には不透液性の防漏シートが介在している請求項１〜４のいずれかに記載の排泄物処理用品。
6. 周方向へ弾性的に伸長・収縮可能な環を形成している帯状部材に対して前記端部フラップの近傍が取り付けられていて、前記帯状部材と協働してパンツ型の着用物品を形成している請求項１〜５のいずれかに記載の排泄物処理用品。

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