JP2023043679A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ処理の熱的な影響を受けた処理液によって生じる汚染を低減できる技術の提供。【解決手段】基板処理装置132は、基板Wを保持する保持部1と、保持部1に保持された基板Wに処理液を供給する処理液供給部と、保持部1に保持された基板Wに対してプラズマを照射するプラズマ照射部31と、プラズマ照射部31を、保持部1に保持された基板Wに対してプラズマが照射されない待機位置と、保持部1に保持された基板Wに対してプラズマが照射されるプラズマ処理位置との間で移動させる移動機構33と、プラズマ照射部31における基板Wと対向される対向面310に沿うガス流を形成するガス流形成部4と、を備える。【選択図】図3

Description

本願は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
半導体装置の製造プロセスにおいて、基板の処理にプラズマが用いられることがある。多くの場合、プラズマは、電極に相当に高い電圧が印加されることによって発生されるため、電極などが昇温することが避けられない。例えば特許文献1には、プラズマを用いて基板を処理する装置において、電極を空冷してその昇温を抑制する技術が開示されている。
特開2003-68710号公報
ところで、プラズマを用いた処理プロセスの中には、プラズマと処理液とを併用するものがある。例えば、基板に処理液を供給し、さらに、処理液が供給された基板(すなわち、処理液の液膜が形成された基板)に対してプラズマを照射して、プラズマの作用を受けた処理液によって基板に対する処理を進行させる、といった処理プロセスがある。
プラズマと処理液とを併用する処理プロセスが行われる場合、プラズマが照射される際に、昇温した電極からの熱、プラズマ自体からの熱、などを受けることによって、基板に供給されている処理液が気化あるいはミスト化する可能性がある。気化あるいはミスト化した処理液は、浮遊して、周囲に配置されている部材などに付着し、該部材を汚染する汚染源となり得る。
本願は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマ処理の熱的な影響を受けた処理液によって生じる汚染を低減できる技術を提供することである。
第1の態様は、基板処理装置であって、基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された基板に処理液を供給する処理液供給部と、前記保持部に保持された基板に対してプラズマを照射するプラズマ照射部と、前記プラズマ照射部を、前記保持部に保持された基板に対してプラズマが照射されない待機位置と、前記保持部に保持された基板に対してプラズマが照射されるプラズマ処理位置との間で移動させる移動機構と、前記プラズマ照射部における前記基板と対向される対向面に沿うガス流を形成するガス流形成部と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係る基板処理装置であって、前記ガス流形成部が、前記待機位置に配置された前記プラズマ照射部の前記対向面に向けてガスを吐出する第1ガスノズル、を備える。
第3の態様は、第2の態様に係る基板処理装置であって、前記第1ガスノズルからのガスの吐出方向が、前記待機位置に配置された前記プラズマ照射部の前記対向面に対して非直角な方向である。
第4の態様は、第2または第3の態様に係る基板処理装置であって、前記第1ガスノズルから吐出されるガスが、窒素ガスである。
第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかに係る基板処理装置であって、前記ガス流形成部が、前記プラズマ照射部の前記対向面の面内からガスを吐出する第2ガスノズル、を備える。
第6の態様は、第5の態様に係る基板処理装置であって、前記第2ガスノズルから吐出されるガスが、窒素ガスである。
第7の態様は、第5の態様に係る基板処理装置であって、前記第2ガスノズルから吐出されるガスが、酸素を含有するガスである。
第8の態様は、第1から第7の態様のいずれかに係る基板処理装置であって、前記処理液が、硫酸である。
第9の態様は、基板処理方法であって、基板に処理液を供給する処理液供給工程と、前記処理液供給工程が行われた後に、プラズマ照射部を、基板に対してプラズマが照射されない待機位置から、基板に対してプラズマが照射されるプラズマ処理位置まで移動させる第1移動工程と、前記プラズマ処理位置に配置された前記プラズマ照射部から前記基板にプラズマを照射してプラズマ処理を進行させた後に、前記プラズマ照射部を、前記プラズマ処理位置から前記待機位置まで移動させる第2移動工程と、前記プラズマ照射部における前記基板と対向される対向面に沿うガス流を形成するガス流形成工程と、を備える。
第10の態様は、第9の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程が、前記プラズマ照射部が前記待機位置に配置されている状態において行われる。
第11の態様は、第10の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程が、前記プラズマ照射部が前記待機位置に配置されるのと同時に、開始される。
第12の態様は、第10または第11の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程において、窒素ガスのガス流が形成される。
第13の態様は、第9の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程が、前記プラズマ照射部が前記プラズマ処理位置に配置されている状態において行われる。
第14の態様は、第13の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程が、前記プラズマ処理が終了した後に、開始される。
第15の態様は、第14の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程において、窒素ガスのガス流が形成される。
第16の態様は、第13の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程が、前記プラズマ処理が終了する前に、開始される。
第17の態様は、第16の態様に係る基板処理方法であって、前記ガス流形成工程において、酸素を含有するガスのガス流が形成される。
第18の態様は、第9から第17の態様のいずれかに係る基板処理方法であって、前記処理液が硫酸である。
第1の態様に係る基板処理装置によると、プラズマ照射部の対向面に沿うガス流を形成するガス流形成部を備える。このようなガス流を形成することで、プラズマ処理の熱的な影響を受けて気化あるいはミスト化した処理液を、対向面の外方に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面に付着することが抑制される。すなわち、プラズマ処理の熱的な影響を受けた処理液によって生じる汚染が低減される。
第2の態様に係る基板処理装置によると、ガス流形成部が、待機位置に配置されたプラズマ照射部の対向面に向けてガスを吐出する第1ガスノズルを備えるので、対向面に沿うガス流を、簡易かつ確実に形成することができる。
第3の態様に係る基板処理装置によると、第1ガスノズルからのガスの吐出方向が、対向面に対して非直角な方向であるので、対向面の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液を、対向面の外方に効率的に押し流すことができる。
第4の態様に係る基板処理装置によると、第1ガスノズルから吐出されるガスが窒素ガスであるので、対向面に沿うガス流が、対向面の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液と反応してしまう、といった事態が生じにくい。
第5の態様に係る基板処理装置によると、ガス流形成部が、プラズマ照射部の対向面の面内からガスを吐出する第2ガスノズルを備える。例えば、プラズマ照射部がプラズマ処理位置に配置されている状態において、第2ガスノズルからガスが吐出されると、対向面と、これに近接しつつ対向配置されている基板との間の空間にガスが流れることによって、対向面に沿うガス流が形成される。このように、第2ガスノズルによると、例えば対向面と基板との位置関係を利用することで、対向面に沿うガス流を簡易かつ確実に形成することができる。
第6の態様に係る基板処理装置によると、第2ガスノズルから吐出されるガスが窒素ガスであるので、対向面に沿うガス流が、対向面の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液と反応してしまう、といった事態が生じにくい。
第7の態様に係る基板処理装置によると、第2ガスノズルから吐出されるガスが、酸素を含有するガスであるので、対向面に沿うガス流によって、気化あるいはミスト化した処理液を押し流すだけでなく、該ガス流によってプラズマの発生を促進することができる。
第8の態様に係る基板処理装置によると、基板に供給される処理液が硫酸である。この場合、プラズマ処理の熱的な影響を受けることによって気化あるいはミスト化した硫酸が、例えばプラズマ照射部の対向面に付着して結露すると、これが空気中の水分を吸湿して希硫酸の液滴に成長する可能性がある。このような液滴が形成されると、これが滴下して基板などを汚染する虞がある。上記のとおり、この基板処理装置では、プラズマ照射部の対向面に沿うガス流を形成することで、気化あるいはミスト化した硫酸が対向面に付着することが抑制されるので、このような事態の発生を未然に防止することができる。
第9の態様に係る基板処理方法によると、プラズマ照射部の対向面に沿うガス流を形成するガス流形成工程を備える。このようなガス流を形成することで、プラズマ処理の熱的な影響を受けて気化あるいはミスト化した処理液が対向面に付着することが抑制される。すなわち、プラズマ処理の熱的な影響を受けた処理液によって生じる汚染が低減される。
第10の態様に係る基板処理方法によると、プラズマ照射部が待機位置に配置されている状態において、プラズマ照射部の対向面に沿うガス流が形成される。プラズマ照射部が待機位置に配置されている状態において、対向面は比較的広い空間に臨んだ状態となっているので、気化あるいはミスト化した処理液を、対向面の外方に十分に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面に付着することを十分に抑制することができる。
第11の態様に係る基板処理方法によると、プラズマ照射部が待機位置に配置されるのと同時に、ガス流の形成が開始されるので、気化あるいはミスト化した処理液を、比較的早い段階で、対向面の外方に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面に付着することが効果的に抑制される。
第12の態様に係る基板処理方法によると、ガス流形成工程において窒素ガスのガス流が形成されるので、対向面に沿うガス流が、対向面の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液と反応してしまう、といった事態が生じにくい。
第13の態様に係る基板処理方法によると、プラズマ照射部がプラズマ処理位置に配置されている状態において、プラズマ照射部の対向面に沿うガス流が形成される。プラズマ照射部がプラズマ処理位置に配置されている状態においては、気化あるいはミスト化した処理液は、対向面と基板との間の比較的狭い空間に充満した状態となっているところ、この状態において対向面に沿うガス流が形成されることで、気化あるいはミスト化した処理液を、対向面の外方に効率的に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面に付着することを十分に抑制することができる。
第14の態様に係る基板処理方法によると、プラズマ処理が終了した後に、対向面に沿うガス流の形成が開始されるので、プラズマ処理がガス流の影響を受けることがない。
第15の態様に係る基板処理方法によると、ガス流形成工程において窒素ガスのガス流が形成されるので、対向面に沿うガス流が、対向面の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液と反応してしまう、といった事態が生じにくい。
第16の態様に係る基板処理方法によると、プラズマ処理が終了する前に、対向面に沿うガス流の形成が開始されるので、スループットを向上させることができる。
第17の態様に係る基板処理方法によると、ガス流形成工程において酸素を含有するガスのガス流が形成されるので、対向面に沿うガス流によって、気化あるいはミスト化した処理液を押し流すだけでなく、該ガス流によってプラズマの発生を促進することができる。
第18の態様に係る基板処理方法によると、基板に供給される処理液が硫酸である。上記のとおり、この基板処理方法では、プラズマ照射部の対向面に沿うガス流が形成されることで、気化あるいはミスト化した硫酸が対向面に付着することが抑制される。したがって、対向面に付着した硫酸が、空気中の水分を吸湿して希硫酸の液滴に成長し、滴下して基板などを汚染する、といった事態の発生を未然に防止することができる。
基板処理システムの構成を模式的に示す平面図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る処理ユニットの構成を模式的に示す側面図である。 プラズマリアクタの構成を概略的に示す平面図である。 第1ガスノズルの構成を説明するための側面図および平面図である。 処理ユニットにおいて実行される処理の流れを示す図である。 保持工程を説明するための図である。 処理液供給工程を説明するための図である。 プラズマ処理を説明するための図である。 リンス工程およびガス流形成工程を説明するための図である。 第2実施形態に係る処理ユニットの構成を模式的に示す側面図である。 第2ガスノズルの構成を説明するための側面図および平面図である。 処理ユニットにおいて実行される処理の流れを示す図である。 ガス流形成工程を説明するための図である。 変形例に係る第2ガスノズルの構成を説明するための側面図および平面図である。 処理ユニットにおいて実行される処理の流れを示す図である。 変形例に係る第1ガスノズルの構成を示す図である。 変形例に係る第1ガスノズルの構成を示す図である。 変形例に係る第1ガスノズルの構成を示す図である。 変形例に係る第1ガスノズルの構成を示す図である。 変形例に係る第1ガスノズルの構成を示す図である。 変形例に係る第1ガスノズルの構成を示す図である。 変形例に係る第2ガスノズルの構成を示す図である。 変形例に係る処理ユニットの構成を模式的に示す側面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法または数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば、「一方向に」、「一方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」、「同軸」、など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。また、等しい状態であることを示す表現(例えば、「同一」、「等しい」、「均質」、など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。また、形状を示す表現(例えば、「円形状」、「四角形状」、「円筒形状」、など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲の形状を表すものとし、例えば凹凸または面取りなどを有していてもよい。また、構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、「有する」、といった各表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。また、「A、BおよびCのうちの少なくとも一つ」という表現には、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、「A、BおよびCのうち任意の2つ」、「A、BおよびCの全て」が含まれる。
<1.第1実施形態>
<1-1.基板処理システムの全体構成>
基板処理システム100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、基板処理システム100の構成を模式的に示す平面図である。
基板処理システム100は、処理対象である基板Wに対して所定の処理を行う処理システムであり、インターフェース部110、インデクサ部120、本体部130、および、制御部140を備える。基板処理システム100において処理対象とされる基板Wは、例えば半導体基板である。また、処理対象とされる基板Wの形状は、例えば円板形状であり、そのサイズ(直径)は例えば約300(mm)である。
インターフェース部110は、複数枚の基板Wを収容する基板収容器であるキャリアCを、基板処理システム100に接続するためのインターフェースであり、具体的には例えば、キャリアCが載置されるロードポート111が、複数個(図の例では3個)、水平方向に一列に並んで配列された構成を備える。キャリアCは、基板Wを密閉空間に収納するタイプのもの(例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、など)であってもよいし、基板Wを外気にさらすタイプのもの(例えば、OC(Open Cassette)、など)であってもよい。
インデクサ部120は、インターフェース部110と本体部130との間に配置された部分であり、インデクサロボット121を備える。
インデクサロボット121は、各ロードポート111に載置されたキャリアCと主搬送ロボット131(後述する)との間で基板Wを搬送する搬送ロボットであり、基板Wを保持するハンド121a、ハンド121aに接続されたアーム121b、アーム121bを伸縮、旋回、および、昇降させるための駆動部、などを含んで構成される。インデクサロボット121は、各ロードポート111に載置されているキャリアCにアクセスして、搬出動作(すなわち、キャリアCに収容されている未処理の基板Wをハンド121aで取り出す動作)、および、搬入動作(すなわち、ハンド121aに保持されている処理済みの基板WをキャリアCに搬入する動作)を行う。また、インデクサロボット121は、主搬送ロボット131との受渡位置Tにアクセスして、主搬送ロボット131との間で基板Wの受け渡しを行う。
本体部130は、主搬送ロボット131、および、複数個(例えば12個)の処理ユニット132を備える。ここでは例えば、鉛直方向に積層された複数個(例えば3個)の処理ユニット132が、1個のタワーを構成しており、該タワーが、主搬送ロボット131の周囲を取り囲むようにして、複数個(例えば4個)、設けられる。
主搬送ロボット131は、インデクサロボット121と各処理ユニット132との間で基板Wを搬送する搬送ロボットであり、基板Wを保持するハンド131a、ハンド131aに接続されたアーム131b、アーム131bを伸縮、旋回、および、昇降させるための駆動部、などを含んで構成される。主搬送ロボット131は、各処理ユニット132にアクセスして、搬入動作(すなわち、ハンド131aに保持されている処理対象の基板Wを処理ユニット132に搬入する動作)、および、搬出動作(すなわち、処理ユニット132に収容されている処理済みの処理の基板Wをハンド131aで取り出す動作)、を行う。また、主搬送ロボット131は、インデクサロボット121との受渡位置Tにアクセスして、インデクサロボット121との間で基板Wの受け渡しを行う。
処理ユニット132は、基板Wに対して所定の処理を行う装置である。処理ユニット132の具体的な構成については、後に説明する。
制御部140は、基板処理システム100が備える各部の動作を制御する要素であり、例えば、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成される。制御部140は、具体的には例えば、図2に示されるように、データ処理を担う中央演算装置としてのCPU(Central Processor Unit)141、基本プログラムなどが格納されるROM(Read Only Memory)142、CPU141が所定の処理(データ処理)を行う際の作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)143、フラッシュメモリ、ハードディスク装置、などの不揮発性記憶装置によって構成される記憶装置144、これらを相互に接続するバスライン145、などを含んで構成される。記憶装置144には、制御部140が実行する処理を規定するプログラムPが格納されており、CPU141がこのプログラムPを実行することにより、制御部140がプログラムPによって規定された処理を実行することができる。もっとも、制御部140が実行する処理の一部または全部が、専用の論理回路などのハードウェアによって実行されてもよい。
制御部140は、基板処理システム100の全体の動作を統括して制御する主制御部と、複数のローカル制御部とが、通信可能に接続された構成とされてもよい。この場合に、複数の処理ユニット132の各々に、少なくとも1個のローカル制御部が対応付けられて、該ローカル制御部が、主制御部からの指示に基づいて、対応する処理ユニット132の動作を制御するものとしてもよい。また、このような構成が採用される場合、主制御部および各ローカル制御部の各々が、上記の各部141~145の一部あるいは全部を個別に備えるものとしてもよい。
<1-2.処理ユニット>
次に、処理ユニット132の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、処理ユニット132の構成を模式的に示す側面図である。なお、上記のとおり、本体部130には複数個の処理ユニット132が設けられているが、これら複数個の処理ユニット132のうちの少なくとも1個が、以下に説明する構成を有していればよい。すなわち、複数の処理ユニット132の中には、以下に説明する構成とは異なる構成を有するものが含まれてもよい。
処理ユニット132は、例えば、基板Wに設けられているレジストを剥離(除去)する処理を行う処理装置であり、基板処理装置に相当する。処理ユニット132は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する、いわゆる枚葉式の処理装置である。
処理ユニット132は、保持部1、液供給部2、プラズマ発生部3、ガス流形成部4、および、ガード部5を備える。また、処理ユニット132は、これら各部1~5が備える要素の少なくとも一部(例えば、ベース部11、ノズル21,22、プラズマリアクタ31、ガスノズル41、ガード51、など)を収容するチャンバ6を備える。チャンバ6の内部空間には、ファンフィルタユニット61などによって、清浄な空気のダウンフローが形成される。
(保持部1)
保持部1は、処理対象となる基板Wを保持する要素であり、例えば、ベース部11、複数のチャックピン12、および、回転機構13を備える。
ベース部11は、基板Wよりも僅かに大径である円板形状の部材であり、厚み方向を鉛直方向に沿わせるような姿勢で、配置される。複数のチャックピン12は、ベース部11の上面に設けられており、該上面の周縁に沿って間隔を設けつつ配列されている。各チャックピン12は、制御部140からの指示に応じて、基板Wの周縁に接触するチャック位置と、基板Wの周縁から離間する解除位置と間で変位するように構成されており、各チャックピン12がチャック位置に配置されることによって、基板Wが水平姿勢(基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿うような姿勢)でベース部11の上方に保持される。
回転機構13は、ベース部11を回転させる機構である。回転機構13は、具体的には例えば、上端においてベース部11の下面と連結されたシャフト13a、および、シャフト13aの下端に接続されたモータ13bを含んで構成される。ここでは、例えば、ベース部11上に保持される基板Wの主面と直交するとともに、該主面の中心を通るような軸が、回転軸Qとして規定されており、シャフト13aは、この回転軸Qと同軸に設けられる。そして、モータ13bは、制御部140からの指示に応じて、制御部140から指示された回転数で、シャフト13aを回転軸Qの周りで回転させる。モータ13bの駆動を受けてシャフト13aが回転されることによって、ベース部11、ひいては、ベース部11上に保持される基板Wが、この回転軸Qの周りで回転する。このように、回転機構13を含んで構成される保持部1(すなわち、基板Wを保持しつつ回転させることができる保持部1)は、スピンチャックなどとも呼ばれる。また、スピンチャックにおけるベース部11は、スピンベースなどとも呼ばれる。
(液供給部2)
液供給部2は、保持部1に保持されている基板Wに液体を供給する要素であり、例えば、処理液ノズル21、リンス液ノズル22、および、ノズル移動機構23を備える。
処理液ノズル21は、保持部1に保持されている基板Wに処理液を供給するノズルであり、例えば、一端面に吐出口210が形成されたストレート型のノズルである。処理液ノズル21は、処理液供給管211を介して、所定の処理液(ここでは、硫酸)を貯留する処理液供給源212に接続される。また、処理液供給管211には、バルブ213および流量調整部214が介挿される。バルブ213は、処理液供給管211を通じた処理液の供給と停止とを切り替える弁であり、制御部140によって制御される。流量調整部214は、例えばマスフローコントローラにより構成され、制御部140の制御下で、処理液供給管211を流れる処理液の流量を調整する。このような構成において、バルブ213が開かれると、流量調整部214によって調整される所定流量の処理液が、処理液供給源212から処理液供給管211を通じて処理液ノズル21に供給されて、吐出口210から吐出される。
処理液ノズル21が後述するノズル処理位置に配置された状態で、吐出口210から処理液が吐出されることで、保持部1に保持されている基板Wに処理液が供給される(図8)。つまり、処理液ノズル21およびこれに接続された処理液供給管211などによって、保持部1に保持されている基板Wに処理液を供給する処理液供給部が構成される。
リンス液ノズル22は、保持部1に保持されている基板Wにリンス液を供給するノズルであり、例えば、一端面に吐出口220が形成されたストレート型のノズルである。リンス液ノズル22は、リンス液供給管221を介して、所定のリンス液(例えば、脱イオン水(DIW、H-DIW)、純水、オゾン水、炭酸水、イソプロピルアルコール、など)を貯留するリンス液供給源222に接続される。また、リンス液供給管221には、バルブ223および流量調整部224が介挿される。バルブ223は、リンス液供給管221を通じたリンス液の供給と停止とを切り替える弁であり、制御部140によって制御される。流量調整部224は、例えばマスフローコントローラにより構成され、制御部140の制御下で、リンス液供給管221を流れるリンス液の流量を調整する。このような構成において、バルブ223が開かれると、流量調整部224によって調整される所定流量のリンス液が、リンス液供給源222からリンス液供給管221を通じてリンス液ノズル22に供給されて、吐出口220から吐出される。
リンス液ノズル22が後述するノズル処理位置に配置された状態で、吐出口220からリンス液が吐出されることで、保持部1に保持されている基板Wにリンス液が供給される(図10)。つまり、ここでは、リンス液ノズル22およびこれに接続されたリンス液供給管221などによって、保持部1に保持されている基板Wにリンス液を供給するリンス液供給部が構成される。
ノズル移動機構23は、処理液ノズル21およびリンス液ノズル22を、ノズル処理位置とノズル待機位置との間で移動させる機構である。ここで、「ノズル処理位置」とは、ノズル21,22の吐出口210,220から吐出される液が、保持部1に保持されている基板Wの上側の主面(上面)に供給されるような位置であり、具体的には例えば、該主面の上方であって、該主面の中心と鉛直方向において対向するような位置である(図8、図10)。一方、「ノズル待機位置」とは、ノズル21,22が、他の部材(プラズマ処理位置にあるプラズマリアクタ31、ベース部11に対して基板Wの授受を行う主搬送ロボット131のハンド131a、など)と干渉しないような位置であり、具体的には例えば、上方から見て保持部1に保持されている基板Wの周縁よりも外側(径方向の外方)の位置である(例えば、図7)。
ここでは、処理液ノズル21およびリンス液ノズル22が、連結部材などを介して連結されることでノズルユニットUを構成している。そして、ノズル移動機構23は、具体的には例えば、先端部においてノズルユニットUと連結されて略水平に延在するアーム、アームの基端部を支持する支柱、および、支柱をその軸の周りで回転させるモータを含んで構成される。モータは、制御部140からの指示に応じて、制御部140から指示された回転角度で、支柱をその軸の周りで回転させる。モータの駆動を受けて支柱が回転されると、アームが旋回し、その先端に連結されているノズルユニットUが円弧状の軌跡に沿って移動するところ、この軌跡上に各ノズル21,22のノズル処理位置とノズル待機位置が配置されるように、支柱の位置およびアームの長さが規定されている。つまり、ノズルユニットUが該円弧状の軌跡に沿って移動されることによって、各ノズル21,22が、各々のノズル処理位置とノズル待機位置との間で移動する。
(プラズマ発生部3)
プラズマ発生部3は、プラズマを発生させるとともに、発生させたプラズマを保持部1に保持されている基板Wに対して照射する要素であり、例えば、プラズマリアクタ31、電源32、および、プラズマリアクタ移動機構33を備える。プラズマ発生部3は、大気圧下でプラズマを発生させることができるものである。ただし、ここでいう「大気圧」とは、例えば、標準気圧の80(%)以上、かつ、標準気圧の120(%)以下である。
プラズマリアクタ31は、対象物(ここでは、保持部1に保持された基板W)にプラズマを照射する照射部(プラズマ照射部)である。プラズマリアクタ31は、具体的には例えば、扁平な平型形状であり、厚み方向(後述するZ方向)を鉛直方向に沿わせるような姿勢で、保持部1に保持されている基板Wの上方であって、該基板Wの主面と鉛直方向において対向するような位置に配置される。プラズマリアクタ31は、例えば平面視にて円形状であり、処理対象となる基板Wと同程度の(あるいは、該基板Wよりも大きな)サイズとされている。
プラズマリアクタ31の構成について、図3に加え、図4を参照しながら、より具体的に説明する。図4は、プラズマリアクタ31の構成を概略的に示す側面図および平面図である。なお、図4においては、図をわかりやすくするために、保持部材315が破線で示されている。
プラズマリアクタ31は、一対の電極部(第1電極部311および第2電極部312)を備える。一対の電極部311,312は、誘電体材料(例えば、石英、セラミックス、など)によって形成される仕切り板313を間に挟んで、厚み方向に積層して設けられる。具体的には、円板形状である仕切り板313の厚み方向の一方側に、第1電極部311が設けられ、他方側に第2電極部312が設けられる。以下においては、説明の便宜上、第1電極部311、仕切り板313、および、第2電極部312が積層される方向を「Z方向」とする。また、Z方向と直交する面内において、後述する集合電極311b,312bを規定する円弧の弦方向を「Y方向」とし、Z方向およびY方向と直交する方向を「X方向」とする。
第1電極部311は、適宜の導電性材料(例えばタングステン)によって形成された複数の線状電極(第1線状電極)311aが、適宜の導電性材料(例えばアルミニウム)によって形成された集合電極(第1集合電極)311bを介して接続された構成を備えており、全体として櫛形状を呈している。各第1線状電極311aは、長尺方向をX方向に沿わせるような姿勢で配置された棒状の電極であり、複数の第1線状電極311aは、Y方向に沿って一定の間隔を設けつつ配列される。一方、第1集合電極311bは、平面視にて円弧状の平板形状の電極であり、その内周縁側に、各第1線状電極311aの端部が接続される。
第2電極部312は、第1電極部311と同様、適宜の導電性材料(例えばタングステン)によって形成された複数の線状電極(第2線状電極)312aが、適宜の導電性材料(例えばアルミニウム)によって形成された集合電極(第2集合電極)312bを介して接続された構成を備えており、全体として櫛形状を呈している。各第2線状電極312aは、長尺方向をX方向に沿わせるような姿勢で配置された棒状の電極であり、複数の第2線状電極312aは、Y方向に沿って一定の間隔を設けつつ配列される。一方、第2集合電極312bは、平面視にて円弧状の平板形状の電極であり、その内周縁側に、各第2線状電極312aの端部が接続される。
両電極部311,312は、Z方向から見て集合電極311b,312bの各端部が対向し、第1集合電極311bの膨らみ方向が-X方向を向き、第2集合電極312bの膨らみ方向が+X方向を向くような位置関係で、配置される。この状態において、Z方向から見て、隣り合う第1線状電極311aの間に、第2線状電極312aが配置される。すなわち、Z方向から見て、両集合電極311b,312bで囲まれる略円形状の領域内に、Y方向に沿って第1線状電極311aと第2線状電極312aとが交互に配置される。
少なくとも各第1線状電極311aおよび各第2線状電極312aは、誘電管314によって覆われている。誘電管314は、誘電体材料(例えば、石英、セラミックス、など)によって形成されており、これに覆われることで、各線状電極311a,312aがプラズマから保護される。
仕切り板313を挟んで積層された第1電極部311および第2電極部312(以下「電極アッセンブリ」ともいう)は、絶縁材料(例えば、フッ素系樹脂、など)によって形成された保持部材315によって、一体的に保持されている。保持部材315は、具体的には例えば、平面視にてリング状の一対の保持リング315a,315bを含んで構成される。一方の保持リング315aが、電極アッセンブリの一方側(例えば、第1電極部311の側)からこれに当接して設けられるとともに、他方の保持リング315bが電極アッセンブリの他方側(例えば、第2電極部312の側)からこれに当接して設けられて、両保持リング315a,315bが互いに連結されることによって、電極アッセンブリが、一対の保持リング315a,315bの間に挟持されるようにして、これに保持される。
電源32は、プラズマを発生させるためのプラズマ用電源であり、プラズマリアクタ31と接続される。具体的には、電源32から延びる一対の配線の一方が、第1電極部311(具体的には、第1集合電極311b)に接続され、他方が、第2電極部312(具体的には、第2集合電極312b)に接続される。
電源32は、具体的には例えば、高周波電源により構成されており、制御部140によって制御される。電源32が、制御部140からの指示に応じて、第1電極部311と第2電極部312との間に所定の電圧(例えば、十数(kV)かつ数十(kHz)程度の高周波電圧)を印加すると、第1線状電極311aと第2線状電極312aとの間に電界が生じ、これによって、第1線状電極311aおよび第2線状電極312aの周囲のガスがプラズマ化する(いわゆる誘電体バリア放電)。すなわち、プラズマが発生(点灯)する。
また、電源32には、インバータ回路等のスイッチング電源回路およびパルス発生器が設けられており、パルス発生器が所定の周期で発生させるパルス信号のオン期間において、両電極部311,312の間に高周波電圧が印加される。この場合、主としてオン期間において、プラズマが発生することになる。
プラズマリアクタ移動機構33は、プラズマリアクタ31を、プラズマ処理位置と待機位置との間で移動(昇降)させる機構(移動機構)である。ここで、「プラズマ処理位置」とは、プラズマリアクタ31が、保持部1に保持されている基板Wに対してプラズマを照射する位置であり、後述するように、少なくともプラズマ処理に必要な量の活性種を基板Wに作用させることができる程度に、プラズマリアクタ31と該基板Wとの離間距離が十分に小さい位置(例えば、該離間距離が数ミリメートル程度となる位置)である(図9)。一方、「待機位置」とは、プラズマリアクタ31が、保持部1に保持されている基板Wに対してプラズマを照射しない位置であり、少なくとも、プラズマリアクタ31で発生されるプラズマが該基板Wに作用しない程度に、両者の離間距離が十分に大きくなる位置である(例えば、図7)。
プラズマリアクタ移動機構33は、具体的には例えば、先端部においてプラズマリアクタ31と連結されて略水平に延在する昇降板、および、モータを含んで構成される。モータと昇降板の間には、モータの回転動作を昇降板の昇降動作に変換するカムが設けられる。したがって、モータが、制御部140からの指示に応じて、制御部140から指示された回転角度だけ回転すると、昇降板(ひいては、これと接続されたプラズマリアクタ31)が、該回転角度に応じた距離だけ、上昇(あるいは下降)する。もっとも、プラズマリアクタ移動機構33の構成はこれに限られるものではなく、昇降移動を実現する各種の駆動機構により実現することができる。例えば、プラズマリアクタ移動機構33は、ボールねじ機構、および、これに駆動力を与えるモータを含んで構成されてもよいし、エアシリンダを含んで構成されてもよい。
(ガス流形成部4)
ガス流形成部4は、プラズマリアクタ31における、保持部1に保持されている基板Wと対向される面(以下「対向面」ともいう)310に沿うガス流を形成する。
ガス流形成部4は、待機位置に配置されたプラズマリアクタ31の対向面310に向けてガスを吐出するガスノズル(第1ガスノズル)41を備える。第1ガスノズル41の構成について、図3に加え、図5を参照しながら、具体的に説明する。図5は、第1ガスノズル41の構成を説明するための図であり、第1ガスノズル41およびプラズマリアクタ31を側方向および平面方向から見た状態がそれぞれ概略的に示されている。
第1ガスノズル41は、待機位置に配置されているプラズマリアクタ31の対向面310よりも下方であり、かつ、上方から見て対向面310の周縁よりも外側の位置に配置されて、対向面310の斜め下から、対向面310に向けてガスを吐出する。
第1ガスノズル41は、具体的には例えば、長尺な直線形状のノズルであり、その長尺方向に沿って、細長いスリット状の吐出口410が設けられる(いわゆる、スリットノズル)。吐出口410の長さは、例えば、対向面310の直径と同程度、あるいは、これよりも僅かに大きな寸法とされている。ここでは例えば、上方から見て、吐出口410から吐出される幅広のガス流の幅方向の中心が、対向面310の中心を通過するように、第1ガスノズル41の位置が規定されている。また例えば、側方から見て、吐出口410から吐出されるガス流が、対向面310の端縁の近傍に、対向面310に対して非直角かつ非平行な方向から入射するように、第1ガスノズル41の位置および姿勢が規定されている。
第1ガスノズル41は、ガス供給管411を介して、所定のガス(ここでは、窒素ガス)を貯留するガス供給源412に接続される。ガス供給管411には、バルブ413および流量調整部414が介挿される。バルブ413は、ガス供給管411を通じたガスの供給と停止とを切り替える弁であり、制御部140によって制御される。流量調整部414は、例えばマスフローコントローラにより構成され、制御部140の制御下で、ガス供給管411を流れるガスの流量を調整する。
このような構成において、バルブ413が開かれると、ガス供給源412から供給されるガスが、ガス供給管411を通じて第1ガスノズル41に供給されて、吐出口410から吐出される。いうまでもなく、吐出されるガスの流量は、流量調整部414によって調整された値となっている。吐出口410から吐出されたガスは、待機位置に配置されているプラズマリアクタ31の対向面310に向けて吐出されて、対向面310に吹き付けられる。具体的には、吐出口410から吐出されたガスは、対向面310の端縁の近傍に、対向面310に対して非直角な方向から入射して、その後、対向面310に沿って流れる。すなわち、対向面310に沿うガス流が形成される。このガス流は、上方から見ると、対向面310の中心線を挟んで一方側から他方側に向かう方向となる。
なお、プラズマリアクタ31の対向面310が非平坦である場合(例えば、隣り合う第2線状電極312aの間隙に相当する部分に、その延在方向に沿う溝が形成されている場合)、対向面310に沿って形成されるガス流が、この溝の延在方向と平行に流れるように、第1ガスノズル41の向きなどが規定されることも好ましい。
(ガード部5)
ガード部5は、保持部1に保持されている基板Wから飛散する処理液などを受け止める要素であり、例えば、1個以上(ここでは2個)のガード51、および、ガード移動機構52を備える。
ガード51は、筒部分51a、傾斜部分51b、および、延出部分51cを含んで構成される。筒部分51aは、円筒状の部分であり、保持部1を取り囲むようにして設けられる。傾斜部分51bは、筒部分51aの上端縁に連なって設けられており、鉛直上方に向かうにつれて内方に傾斜している。延出部分51cは、平板リング状の部分であり、傾斜部分51bの上端縁から略水平面内において内方に延出するように設けられる。複数個のガード51が設けられる場合も、各ガード51は基本的に同様の構成を備える。ただし、この場合は、各ガード51のサイズが互いに異なるものとされて、複数のガード51が、入れ子状に配置される。すなわち、筒部分51aが同心状に配置され、傾斜部分51bおよび延出部分51cが上下に重ねられるようにして、入れ子状に配置される。
ガード移動機構52は、ガード51を、ガード処理位置とガード待機位置との間で移動(昇降)させる機構である。ただし、複数個のガード51が設けられる場合、ガード移動機構52は、各ガード51を別個独立に移動させる。ここで、「ガード処理位置」とは、ガード51が、保持部1に保持されている基板Wから飛散する処理液などを受け止める位置であり、具体的には例えば、延出部分51cが、該基板Wよりも上方に配置されるような位置である(例えば、図8)。一方、「ガード待機位置」とは、ガード51が、他の部材(ベース部11に対して基板Wの授受を行う主搬送ロボット131のハンド131a、など)と干渉しないような位置であり、具体的には例えば、延出部分51cが、保持部1に保持されている基板Wよりも下方に配置されるような位置である(例えば、図7)。
ガード移動機構52は、昇降移動を実現させる各種の駆動機構により実現することができる。具体的には例えば、ガード移動機構52は、ボールねじ機構、該ボールねじ機構に駆動力を与えるモータ、などを含んで構成されてもよいし、エアシリンダなどを含んで構成されてもよい。上記の通り、複数個のガード51が設けられる場合、各ガード51を別個独立に移動させるべく、複数のガード51の各々にこれらの駆動機構が設けられる。
ガード51の下方側には、ガード51の内周面で受け止められた処理液などを排液する排液部53が設けられる。排液部53は、具体的には例えば、ガード51の下方に設けられるカップ531、カップ531に接続された排液管532、などを含んでおり、ガード処理位置に配置されているガード51の内周面で受け止められて該内周面に沿って流下した処理液が、カップ531で受け止められて、排液管532から排液されるように構成されている。なお、図示は省略されているが、複数個のガード51が設けられる場合、各ガード51の下方に、個別のカップが設けられる。
また、ガード51の外方側には、ガード51の内周面に沿って流れるガスやミストなどを排気する排気部54が設けられる。排気部54は、具体的には例えば、ガード51を外側から囲むように設けられる周壁部541、周壁部541に接続された排気管542、などを含んでおり、ガード処理位置に配置されているガード51の内周面で受け止められて該内周面に沿って流下したガスやミストなどが、周壁部541で受け止められて、排気管542から排気されるように構成されている。
<1-3.処理の流れ>
次に、処理ユニット132で行われる処理の流れについて、図3に加え、図6および図7~図10を参照しながら説明する。図6は、該処理の流れを示す図である。図7~図10の各々は、各処理工程を説明するための図であり、該処理工程における各部の状態が模式的に示されている。
以下の説明において、処理対象とされる基板Wは、例えば、少なくとも一方の主面にマスクとしてのレジストが設けられて、エッチングやイオン注入が行われた後の基板Wであり、処理ユニット132において、不要となったレジストを除去するための一連の処理が行われる。以下に説明する一連の処理は、制御部140が、処理ユニット132が備える各部を制御することによって、行われる。また、以下に説明する一連の処理は、通常は、反復して行われる。すなわち、1枚の基板Wに対する一連の処理が終了すると、続いて別の新たな基板Wに対して該一連の処理が行われる。
ステップS1:保持工程
まず、処理対象となる基板Wを、保持部1に保持させる。すなわち、主搬送ロボット131が、処理対象となる基板Wを保持したハンド131aをチャンバ6内に差し入れて、基板Wを処理ユニット132に搬入すると、保持部1が、搬入された基板Wを、レジストが設けられている主面が上側を向くような水平姿勢で、保持する(図7)。この工程が行われる間、ハンド131aと干渉しないように、ノズル21,22、プラズマリアクタ31、および、ガード51は、各々の待機位置に配置されている。
ステップS2:処理液供給工程
続いて、ノズル移動機構23が、処理液ノズル21を、ノズル待機位置からノズル処理位置に移動させる。処理液ノズル21がノズル処理位置に配置されると、処理液供給管211に設けられているバルブ213が開かれる。すると、処理液供給源212に貯留されている所定の処理液(ここでは、硫酸)が、流量調整部214によって調整される所定の流量で、処理液供給管211を通じて処理液ノズル21に供給されて、吐出口210から吐出される。すなわち、保持部1に保持されている基板Wの上側の主面に向けて処理液が吐出され、基板Wに処理液が供給される(図8)。
少なくとも基板Wに対する処理液の吐出が行われる間、回転機構13が、保持部1(ひいてはここに保持されている基板W)を、所定の回転数で、回転させる。したがって、基板Wの上側の主面における所定の位置(例えば、該主面の中心)に着液した処理液は、遠心力によって基板Wの周縁に向けて速やかに広がり、該主面の略全体を覆う処理液の液膜Fが形成される。
また、少なくとも保持部1が回転される間、ガード移動機構52が、ガード51(ここでは2個のガード51の両方)を、ガード処理位置に配置している。したがって、基板Wの周縁から飛散した処理液などは、ガード(内側にあるガード)51の内周面で受け止められて、該内周面に沿って流下し、さらにカップ531で受け止められて、排液管532から排液される。排液された処理液などは、回収されて再利用されてもよい。
処理液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、バルブ213が閉鎖されて、吐出口210からの処理液の吐出が停止される。また、回転機構13が、保持部1(ひいてはここに保持されている基板W)の回転数を、十分に低い回転数まで低下させる、あるいは、回転を停止させる。液膜Fが形成された基板Wが、所定時間の間、十分に低い回転数で回転される(あるいは、回転が停止した状態が維持される)ことで、液膜Fが基板W上に安定して保持される(いわゆる、パドル処理)。
ステップS3:電圧印加開始工程
続いて、プラズマリアクタ31に対して電源32から所定の電圧(プラズマ生成用の電圧)の印加が開始される。プラズマリアクタ31に所定の電圧が印加されることによって、プラズマリアクタ31の周囲のガス(ここでは、空気)がプラズマ化し、プラズマが発生する。このプラズマには、種々の活性種(プラズマの周囲のガスが空気である場合、例えば、酸素ラジカル、ヒドロキシルラジカル、オゾンガス、などの活性種)が含まれるが、活性種の種類や量は、プラズマリアクタ31の周囲に存在するガスの種類などによって変化する。
ステップS4:下降工程(第1移動工程)
続いて、プラズマリアクタ移動機構33が、プラズマリアクタ31を、待機位置からプラズマ処理位置に移動(下降)させる。プラズマリアクタ31の周囲に発生しているプラズマ中の活性種は、比較的短時間で失活してしまうため、プラズマリアクタ31に近い位置では十分な量の活性種が存在していても、プラズマリアクタ31から離れた位置ではほとんどの活性種が失活している。そこで、この工程において、プラズマリアクタ31を基板Wに近づけて、少なくともプラズマ処理に必要な量の活性種を基板Wに作用させることができる程度に両者の離間距離を十分に小さくする。
なお、電圧印加開始工程(ステップS3)と下降工程(ステップS4)は、どちらが先に行われてもよいし、並行して行われてもよい。すなわち、プラズマリアクタ31に対する電圧の印加の開始は、プラズマリアクタ31が下降される前、下降途中、下降後、のいずれのタイミングで行われてもよい。下記のとおり、基板Wに対するプラズマ処理は、電圧が印加されているプラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において進行するものであり、電圧印加開始工程と下降工程の両方が行われることにより、基板Wに対するプラズマ処理が開始されることになる。
電圧が印加されているプラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において(図9)、保持部1に保持されている基板Wに対して、その主面と対向配置されているプラズマリアクタ31からプラズマが照射され、該基板Wに対するプラズマ処理が進行する。このプラズマ処理では、プラズマリアクタ31の周囲に発生しているプラズマが、基板Wの主面に形成されている処理液(ここでは、硫酸)の液膜Fに作用することで、処理液の処理性能が高められる。具体的には、プラズマ中の活性種が硫酸と反応して、処理性能(ここでは、酸化力)の高いカロ酸(ペルオキソ一硫酸:HSO)が生成される。カロ酸が、基板Wの主面に設けられているレジストに作用することで、レジストが酸化されて、剥離(除去)される。
ステップS5:電圧印加停止工程
所定の処理時間だけプラズマ処理が進行されると、それ以後の適宜のタイミングで、プラズマリアクタ31に対する電源32から電圧の印加が停止される。これにより、プラズマの発生が停止する(すなわち、プラズマが消灯する)。
ステップS6:上昇工程(第2移動工程)
また、所定の処理時間だけプラズマ処理が進行されると、それ以後の適宜のタイミングで、プラズマリアクタ移動機構33が、プラズマリアクタ31を、プラズマ処理位置から待機位置に移動(上昇)させる。
なお、電圧印加停止工程(ステップS5)と上昇工程(ステップS6)は、どちらが先に行われてもよいし、並行して行われてもよい。すなわち、プラズマリアクタ31に対する電圧の印加の停止は、プラズマリアクタ31が上昇される前、上昇途中、上昇後、のいずれのタイミングで行われてもよい。上記のとおり、基板Wに対するプラズマ処理は、電圧が印加されているプラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において進行するものであり、例えば、電圧印加停止工程と上昇工程の少なくとも一方が行われることにより、基板Wに対するプラズマ処理が終了することになる。
ステップS7:リンス工程
プラズマリアクタ31が待機位置に配置されると、続いて、ノズル移動機構23が、リンス液ノズル22を、ノズル待機位置からノズル処理位置に移動させる。リンス液ノズル22がノズル処理位置に配置されると、リンス液供給管221に設けられているバルブ223が開かれる。すると、リンス液供給源222に貯留されている所定のリンス液が、流量調整部224によって調整される所定の流量で、リンス液供給管221を通じてリンス液ノズル22に供給されて、吐出口220から吐出される。すなわち、保持部1に保持されている基板Wの上側の主面に向けてリンス液が吐出され、基板Wにリンス液が供給される(図10)。
少なくとも基板Wに対するリンス液の吐出が行われる間、回転機構13が、保持部1(ひいてはここに保持されている基板W)を、所定の回転数で、回転させる。したがって、基板Wの上側の主面における所定の位置(例えば、該主面の中心)に着液したリンス液は、遠心力によって基板Wの周縁に向けて速やかに広がり、該主面の略全体を覆っていた処理液の液膜Fが、リンス液で置換されていく。すなわち、処理液の液膜Fが洗い流されていく。
リンス液の吐出が開始されてから所定時間が経過すると、バルブ223が閉鎖されて、吐出口220からのリンス液の吐出が停止される。その一方で、回転機構13が、保持部1の回転数を、十分に高い回転数にまで上昇させる。これにより、保持部1に保持されている基板Wが、高速で回転されて、基板Wが乾燥される(いわゆる、スピンドライ)。
ここでは、少なくとも保持部1が回転される間、ガード移動機構52が、例えば、外側のガード51をガード処理位置に配置し、内側のガード51をガード待機位置に配置している。したがって、基板Wの周縁から飛散した処理液やリンス液などは、外側にあるガード51の内周面で受け止められて、該内周面に沿って流下し、該ガード51と対応して設けられたカップ(図示省略)で受け止められて、これに接続された排液管(図示省略)から排液される。
保持部1が、所定時間の間、十分に高い回転数で回転されると、回転機構13が保持部1の回転を停止する。そして、ノズル21,22、プラズマリアクタ31、および、ガード51が、各々の待機位置に配置された上で、主搬送ロボット131が、保持部1に保持されている基板Wを搬出する。
<1-4.ガス流の形成>
上記のとおり、処理ユニット132では、電圧が印加されているプラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において、保持部1に保持されている基板Wに対するプラズマ処理が進行する。ここで、電圧の印加を受けたプラズマリアクタ31は、例えば摂氏数百度程度の相当な高温となる。また、プラズマリアクタ31に電圧が印加されることによって発生されるプラズマも、相当な高温となる。このため、プラズマ処理が進行する間、プラズマリアクタ31からの熱、プラズマ自体からの熱、などを受けて、基板Wの主面に設けられている処理液(ここでは、硫酸)の一部が気化あるいはミスト化する。すなわち、プラズマ処理が行われると、プラズマリアクタ31の対向面310と基板Wとの間の空間に、気化あるいはミスト化した硫酸(以下、「浮遊硫酸」ともいう)Mが充満する(図9)。また、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置から待機位置へと上昇されると、対向面310と基板Wとの間の空間が上方向に広がり、これに応じて、浮遊硫酸Mが上方向に拡散する(図10)。
浮遊硫酸Mは、周囲にある部材、例えば、プラズマリアクタ31の対向面310などに付着する虞がある。対向面310に浮遊硫酸Mが付着して対向面310が汚染されると、プラズマリアクタ31の性能の低下、電極寿命の短命化、などを招く虞がある。特に、硫酸は吸湿性を有する物質であるため、浮遊硫酸Mが対向面310に付着して結露すると、これが空気中の水分を吸湿して希硫酸の液滴に成長する可能性がある。このような液滴が形成されると、これが滴下して保持部1に保持されている基板Wなどを汚染する虞がある。
浮遊硫酸Mに由来する汚染の発生を抑制するために、ここでは、基板Wに対する上記の一連の処理(ステップS1~ステップS7)に加えて、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流を形成する処理(ガス流形成処理)が行われる。このガス流形成処理に係る工程(ガス流形成工程)について、引き続き図6などを参照しながら説明する。
ステップS101:ガス流形成工程
この実施形態では、ガス流形成工程は、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されている状態において行われる。すなわち、ガス流形成処理は、ガス供給管411に設けられているバルブ413が開かれることによって開始されるところ、ここでは、上昇工程(ステップS6)が行われてプラズマリアクタ31が待機位置に配置された以後の適宜のタイミングで、バルブ413が開かれる。具体的には例えば、上昇工程が行われてプラズマリアクタ31が待機位置に配置されるのと同時に、バルブ413が開かれる。なお、ここでいう「同時」には、2つの動作が行われるタイミングが完全に同じである場合だけでなく、2つの動作が行われるタイミングの間隔が十分に小さく、実質的に同時とみなせる場合(いわゆる、直前、直後、など)も含まれる。
バルブ413が開かれると、ガス供給源412に貯留されている所定のガス(ここでは、窒素ガス)が、流量調整部414によって調整される所定の流量で、ガス供給管411を通じて第1ガスノズル41に供給されて、吐出口410から吐出される。このときのガスの吐出流量としては、例えば、50(L/min)以上、かつ、100(L/min)以下が好適である。
第1ガスノズル41の吐出口410から吐出されたガスは、待機位置に配置されているプラズマリアクタ31の対向面310に向けて吐出される。吐出されたガスは対向面310の斜め下から対向面310に吹き付けられて、対向面310に沿って流れる。すなわち、対向面310に沿うガス流(ここでは、窒素ガスのガス流)が形成される(図10)。このガス流は、上方から見て、対向面310の中心線を挟んで一方側から他方側に向かう方向となっている(図5)。
このように、ここでは、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されている状態で、ガス流形成処理が進行する。上記のとおり、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されている状態において、対向面310と基板Wとの間の空間には、浮遊硫酸Mが拡散している。このような状態において、対向面310に沿うガス流が形成されると、対向面310の近傍に存在している浮遊硫酸Mが、対向面310の外方(上方から見て、第1ガスノズル41が設けられている側とは逆側の空間)に押し流される。これによって、浮遊硫酸Mが対向面310に付着することが抑制される。ガス流で押し流された浮遊硫酸Mは、チャンバ6内に形成されるダウンフローによって下方に押し流されるなどして排出される。
ガス供給管411に設けられているバルブ413が開かれてから所定時間(ガス流形成時間)T1が経過すると、バルブ413が閉鎖される。これにより、第1ガスノズル41の吐出口410からのガスの吐出が停止され、ガス流形成処理が終了する。「ガス流形成時間T1」は、任意に設定することができる。ガス流形成時間T1が長いほど、対向面310の近傍に存在する浮遊硫酸Mの量が少なくなる(ひいては、対向面310の汚染を抑制する効果が高まる)。もっとも、ガス流で押し流されることによって排出される浮遊硫酸Mの量(排出量)は、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されてからおよそ10秒間が最も多く、その後は時間とともに少しずつ減少していくと考えられる。浮遊硫酸Mの排出効率を考慮すれば、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されるのと同時にガス流形成処理を開始することが好ましく、ガス流形成時間T1は、10秒以上、かつ、10分以下であることが好ましい。
なお、上記のとおり、上昇工程(ステップS6)が行われてプラズマリアクタ31が待機位置に配置されると、リンス工程(ステップS7)が行われるところ、上記のガス流形成工程(ステップS101)は、リンス工程と並行して行われてもよい。両工程を並行して行う場合、両工程が同じタイミングで終了するように、ガス流形成時間T1をリンス工程の所要時間に応じて規定することも好ましい(この場合、ガス流形成時間T1として、例えば、2分程度が好適である)。もっとも、両工程は必ずしも並行して行う必要はなく、一方の工程の実行中、あるいは、終了後に、他方の工程が開始されてもよい。
<1-5.効果>
上記の実施形態に係る処理ユニット(基板処理装置)132は、基板Wを保持する保持部1と、保持部1に保持された基板Wに処理液を供給する処理液供給部と、保持部1に保持された基板Wに対してプラズマを照射するプラズマリアクタ(プラズマ照射部)31と、プラズマリアクタ31を、保持部1に保持された基板Wに対してプラズマが照射されない待機位置と、保持部1に保持された基板Wに対してプラズマが照射されるプラズマ処理位置との間で移動させる移動機構33と、プラズマリアクタ31における基板Wと対向される対向面310に沿うガス流を形成するガス流形成部4とを備える。
この構成によると、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流を形成することで、プラズマ処理の熱的な影響を受けて気化あるいはミスト化した処理液(上記の例では、浮遊硫酸M)を、対向面310の外方に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面310に付着することが抑制される。すなわち、プラズマ処理の熱的な影響を受けた処理液によって生じる汚染が低減される。
また、プラズマリアクタ31は、連続的に点灯されることにより蓄熱して昇温するが、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流を形成することで、プラズマリアクタ31を冷却(風冷)することが可能となり、その昇温を抑制することができる。プラズマリアクタ31の昇温が抑制されることで、電極寿命の延命などが期待できる。また、プラズマリアクタ31は、これが過度に昇温しないように、ある時間以上点灯された後には、所定の消灯時間を設けることが求められるところ、ガス流によってプラズマリアクタ31が冷却されることで、この消灯時間を短縮することが可能となる。したがって、例えば、複数の基板Wに対するプラズマ処理を次々と連続して行う場合のスループットを高めることが可能となる。
また、上記の実施形態では、ガス流形成部4が、待機位置に配置されたプラズマリアクタ31の対向面310に向けてガスを吐出する第1ガスノズル41を備える。この構成によると、対向面310に沿うガス流を、簡易かつ確実に形成することができる。
また、上記の実施形態では、第1ガスノズル41からのガスの吐出方向が、待機位置に配置されたプラズマリアクタ31の対向面310に対して非直角な方向である。この構成によると、対向面310の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液を、対向面310の外方に効率的に押し流すことができる。
また、上記の実施形態では、第1ガスノズル41から吐出されるガスが、窒素ガスである。この構成によると、対向面310に沿うガス流が、対向面310の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液と反応してしまう、といった事態が生じにくい。
また、上記の実施形態では、基板Wに供給される処理液が硫酸である。この場合、プラズマ処理の熱的な影響を受けることによって気化あるいはミスト化した硫酸Mが、例えばプラズマリアクタ31の対向面310に付着して結露すると、これが空気中の水分を吸湿して希硫酸の液滴に成長する可能性がある。このような液滴が形成されると、これが滴下して基板Wなどを汚染する虞がある。上記のとおり、この処理ユニット132では、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流を形成することで、気化あるいはミスト化した硫酸が対向面310に付着することが抑制されるので、このような事態の発生を未然に防止することができる。
また、上記の実施形態に係る基板処理方法は、基板Wに処理液を供給する処理液供給工程(ステップS2)と、処理液供給工程が行われた後に、プラズマリアクタ31、基板Wに対してプラズマが照射されない待機位置から、基板Wに対してプラズマが照射されるプラズマ処理位置まで移動させる第1移動工程(ステップS4)と、プラズマ処理位置に配置されたプラズマリアクタ31から基板Wにプラズマを照射してプラズマ処理を進行させた後に、プラズマリアクタ31を、プラズマ処理位置から待機位置まで移動させる第2移動工程(ステップS6)と、プラズマリアクタ31における基板Wと対向される対向面310に沿うガス流を形成するガス流形成工程(ステップS101)と、を備える。この構成によると、プラズマリアクタ31の対向面に沿うガス流を形成することで、プラズマ処理の熱的な影響を受けた処理液によって生じる汚染が低減される。
また、上記の実施形態では、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されている状態において、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流が形成される。プラズマリアクタ31が待機位置に配置されている状態において、対向面310は比較的広い空間に臨んだ状態となっているので、気化あるいはミスト化した処理液を、対向面310の外方に十分に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面310に付着することを十分に抑制することができる。
また、上記の実施形態では、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されるのと同時に、ガス流の形成が開始されるので、気化あるいはミスト化した処理液を、比較的早い段階で、対向面310の外方に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面310に付着することが効果的に抑制される。また、比較的早い段階で対向面310に沿うガス流を形成すると、仮に、気化あるいはミスト化した硫酸Mが対向面310に付着したとしても、これが空気中の水分を吸湿して希硫酸の液滴に成長するまでに、ガス流によって対向面310から吹き飛ばされることになるため、該希硫酸の液滴が滴下して基板Wなどを汚染する、といった事態の発生が十分に回避される。
<2.第2実施形態>
<2-1.ガス流形成部>
第2実施形態に係る処理ユニット132aの構成について、図11を参照しながら説明する。図11は、処理ユニット132aの構成を模式的に示す側面図である。この処理ユニット132aは、第1実施形態に係る処理ユニット132と同様、例えば基板処理システム100に設けられる。
処理ユニット132aは、ガス流形成部の構成において処理ユニット132と相違するものであり、それ以外の構成(保持部1、液供給部2、プラズマ発生部3、ガード部5、および、チャンバ6)は、処理ユニット132と同様である。以下においては、処理ユニット132と相違しない要素については、同じ符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
この実施形態に係る処理ユニット132aが備えるガス流形成部7は、第1実施形態に係る処理ユニット132が備えるガス流形成部4と同様、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流を形成する。
ガス流形成部7は、プラズマリアクタ31の対向面310の面内からガスを吐出するガスノズル(第2ガスノズル)71を備える。第2ガスノズル71の構成について、図11に加え、図12を参照しながら、具体的に説明する。図12は、第2ガスノズル71の構成を説明するための図であり、第2ガスノズル71およびプラズマリアクタ31を側方向および平面方向から見た状態がそれぞれ概略的に示されている。
第2ガスノズル71は、具体的には例えば、一端に吐出口710が設けられたストレート型のノズルであり、軸方向をプラズマリアクタ31の厚み方向に沿わせるような姿勢でプラズマリアクタ31に埋設されて、吐出口710を対向面310の面内の所定位置(例えば、中心)に露出させるようにして、プラズマリアクタ31に固定的に設けられる。
第2ガスノズル71は、ガス供給管711を介して、所定のガス(ここでは、窒素ガス)を貯留するガス供給源712に接続される。ガス供給管711には、バルブ713および流量調整部714が介挿される。バルブ713は、ガス供給管711を通じたガスの供給と停止とを切り替える弁であり、制御部140によって制御される。流量調整部714は、例えばマスフローコントローラにより構成され、制御部140の制御下で、ガス供給管711を流れるガスの流量を調整する。
このような構成において、バルブ713が開かれると、ガス供給源712から供給されるガスが、ガス供給管711を通じて第2ガスノズル71に供給されて、吐出口710から吐出される。いうまでもなく、吐出されるガスの流量は、流量調整部714によって調整された値となっている。吐出口710から吐出されたガスは、プラズマリアクタ31の対向面310の面内から吐出される。例えば、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されると、図12に示されるように、対向面310は、保持部1に保持されている基板Wと近接しつつ対向配置された状態となるところ、この状態において吐出口710からガスが吐出されると、該吐出されたガスが、基板Wと対向面310との間の狭い空間を流れる。すなわち、対向面310に沿うガス流が形成される。このガス流は、上方から見ると、吐出口710を中心として放射状に広がる方向となる。
<2-2.ガス流の形成>
処理ユニット132aにおいて基板Wに対して行われる一連の処理(ステップS1~ステップS7)は、第1実施形態と同様である。そして、この実施形態でも、基板Wに対する一連の処理に加えて、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流を形成する処理(ガス流形成処理)が行われる。このガス流形成処理に係る工程(ガス流形成工程)について、図13および図14を参照しながら説明する。図13は、処理ユニット132aで行われる処理の流れを示す図である。図14は、ガス流形成工程を説明するための図であり、ガス流処理工程における各部の状態が模式的に示されている。
ステップS201:ガス流形成工程
この実施形態では、ガス流形成工程は、プラズマ処理が終了し、かつ、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において行われる。すなわち、ガス流形成処理は、ガス供給管711に設けられているバルブ713が開かれることによって開始されるところ、ここでは、例えば、電圧印加停止工程(ステップS5)が行われることによってプラズマ処理が終了した以後であって、上昇工程(ステップS6)が行われる前の適宜のタイミングで、バルブ713が開かれる。具体的には例えば、電圧印加停止工程によってプラズマリアクタ31に対する電圧の印加が停止されるのと同時に、バルブ713が開かれる。上記と同様、ここでいう「同時」にも、2つの動作が行われるタイミングが完全に同じである場合だけでなく、2つの動作が行われるタイミングの間隔が十分に小さく、実質的に同時とみなせる場合(いわゆる、直前、直後、など)も含まれる。
バルブ713が開かれると、ガス供給源712に貯留されている所定のガス(ここでは、窒素ガス)が、流量調整部714によって調整される所定の流量で、ガス供給管711を通じて第2ガスノズル71に供給されて、吐出口710から吐出される。このときのガスの吐出流量としては、例えば、10(L/min)程度が好適である。
プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において、対向面310は、保持部1に保持されている基板Wと近接しつつ対向配置されている。したがって、対向面310の面内に設けられている吐出口710から吐出されたガスは、基板Wと対向面310との間の狭い空間を流れ、対向面310に沿うガス流(ここでは、窒素ガスのガス流)が形成される(図14)。このガス流は、上方から見て、吐出口710を中心として放射状に広がる方向となっている。
このように、ここでは、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態で、ガス流形成処理が進行する。上記のとおり、プラズマ処理が行われると、プラズマリアクタ31の対向面310と保持部1に保持されている基板Wとの間の空間に、浮遊硫酸Mが充満する(図9)。このような状態において、対向面310に沿うガス流が形成されると、基板Wと対向面310の間の空間に充満している浮遊硫酸Mが、対向面310の外方(上方から見て、対向面310の周縁よりも外側の空間)に押し流される。これによって、浮遊硫酸Mが対向面310に付着することが抑制される。
ガス流で押し流された浮遊硫酸Mは、ベース部11の端面とガード51の延出部分51cとの隙間(第1隙間)G1を通って、ガード51の内周側に導かれてガード51の内周面に沿って流下し、周壁部541で受け止められて、排気管542から排気される。なお、ここでは、プラズマリアクタ31の外直径(すなわち、保持部材315の外直径)は、ガード51の延出部分51cの内直径よりも大きな寸法とされており、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において、プラズマリアクタ31の保持部材315とガード51の延出部分51cとが、隙間(第2隙間)G2を設けつつ、対向配置された状態となる。ガス流で押し流された浮遊硫酸Mが、この第2隙間G2から流出せずに第1隙間G1へ流れるように、第2隙間G2が、第1隙間G1よりも小さなものとなっていることが好ましい。すなわち、少なくともガス流形成工程が行われる間、保持部材315の下端面と延出部分51cの上端面との離間距離d2が、ベース部11の端面と延出部分51cの内周面との離間距離d1よりも小さなものとなるように、ガード51が、プラズマリアクタ31と十分に近い位置に配置されることが好ましい。また、第2ガスノズル71から吐出されるガスの流量、排気管542からの排気量、ファンフィルタユニット61からのダウンフロー流量、などの関係が適宜に調整されることによって、第2隙間G2に、内方に向かう気流が形成されることも好ましい。このような気流が形成されることで、ガス流で押し流された浮遊硫酸Mが、第2隙間G2から流出することが十分に抑制される。
ガス供給管711に設けられているバルブ713が開かれてから所定時間(ガス流形成時間)T2が経過すると、上昇工程(ステップS6)が行われる。つまり、ここでは、電圧印加停止工程(ステップS5)の後、ガス流形成時間T2が経過するまで、プラズマリアクタ31をプラズマ処理位置に待機させておき(ステップS202:待機工程)、ガス流形成時間T2が経過した以後に、上昇工程が行われてプラズマリアクタ31が待機位置に移動される。「ガス流形成時間T2」は、任意に設定することができる。ガス流形成時間T2が長いほど、対向面310と基板Wとの間の空間に存在する浮遊硫酸Mの量が少なくなる(ひいては、対向面310の汚染を抑制する効果が高まる)。ただし、ガス流形成時間T2が長くなるにつれて、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に待機させられる待機時間が長くなり、スループットが低下する可能性がある。待機時間をできるだけ短く抑えつつ、浮遊硫酸Mを十分に排出するためには、電圧印加停止工程が行われることによってプラズマ処理が終了するのと同時にガス流形成処理を開始することが好ましく、ガス流形成時間T2を10秒程度とすることが好ましい。
バルブ713が開かれてからガス流形成時間T2が経過した以後の適宜のタイミングで、バルブ713が閉鎖され、第2ガスノズル71の吐出口710からのガスの吐出が停止される。
<2-3.効果>
上記の実施形態では、ガス流形成部7が、プラズマリアクタ31の対向面310の面内からガスを吐出する第2ガスノズル71を備える。例えば、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において、第2ガスノズル71からガスが吐出されると、対向面310と、これに近接しつつ対向配置されている基板Wとの間の空間にガスが流れることによって、対向面310に沿うガス流が形成される。このように、第2ガスノズル71によると、例えば対向面310と基板Wとの位置関係を利用することで、対向面310に沿うガス流を簡易かつ確実に形成することができる。
また、上記の実施形態では、第2ガスノズル71から吐出されるガスが、窒素ガスである。この構成によると、対向面310に沿うガス流が、対向面310の近傍に存在している気化あるいはミスト化した処理液と反応してしまう、といった事態が生じにくい。
また、上記の実施形態では、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流が形成される。プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態においては、気化あるいはミスト化した処理液は、対向面310と基板Wとの間の比較的狭い空間に充満した状態となっているところ、この状態において対向面310に沿うガス流が形成されることで、気化あるいはミスト化した処理液を、対向面310の外方に効率的に押し流すことができる。したがって、気化あるいはミスト化した処理液が対向面310に付着することを十分に抑制することができる。
また、上記の実施形態では、プラズマ処理が終了した後に、対向面310に沿うガス流の形成が開始されるので、プラズマ処理がガス流の影響を受けることがない。
<3.第2実施形態の変形例>
<3-1.第2ガスノズル>
変形例に係る第2ガスノズル71aの構成について、図15を参照しながら説明する。図15は、変形例に係る第2ガスノズル71aの構成を説明するための図であり、第2ガスノズル71aおよびプラズマリアクタ31を側方向および平面方向から見た状態がそれぞれ概略的に示されている。以下においては、第2実施形態に係る第2ガスノズル71と相違する点を説明し、相違しない要素については、同じ符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
第2ガスノズル71aは、第2実施形態に係る第2ガスノズル71と同様、プラズマリアクタ31の対向面310の面内からガスを吐出するガスノズルであり、ノズル本体部711aと、カバー板712aとを備える。
ノズル本体部711aは、一端に吐出口710aが設けられたストレート型のノズルであり、軸方向をプラズマリアクタ31の厚み方向に沿わせるような姿勢でプラズマリアクタ31に埋設されて、吐出口710aを対向面310の面内の所定位置(例えば、中心)に露出させるようにして、プラズマリアクタ31に固定的に設けられる。
カバー板712aは、例えば、吐出口710aの内径よりも大きな外径を有する円板状の部材であり、主面が対向面310と平行となるような姿勢とされて、吐出口710aとの間に僅かな隙間を設けつつ、吐出口710aと対向して配置される。カバー板712aは、支持部材などを介して、プラズマリアクタ31(あるいは、ノズル本体部711a)に対して支持される。
この変形例においても、第2ガスノズル71aは、バルブ713および流量調整部714が介挿されたガス供給管711を介して、所定のガスを貯留するガス供給源712に接続される(図11参照)。ただし、ここでは、所定のガスとして、例えば、酸素を含有するガスが用いられる。ここでいう「酸素を含有するガス」とは、酸素分子および酸素原子の少なくとも一方を含有するガスであり、空気、乾燥空気、酸素ガス、オゾンガス、二酸化炭素ガス、これらのうちの少なくとも2つを含む混合ガス、などが相当する。プラズマリアクタ31の近傍に、酸素を含有するガスが供給されることで、プラズマの発生(特に、酸素ラジカルなどといった酸素系の活性種の生成)が促進される。
このような構成において、バルブ713が開かれると、ガス供給源712から供給されるガスが、ガス供給管711を通じて第2ガスノズル71aに供給されて、吐出口710aから吐出される。吐出口710aから吐出されたガスは、カバー板712aに衝突してその方向を90度変化させて、対向面310に沿って流れる。すなわち、対向面310に沿うガス流が形成される。このガス流は、上方から見ると、吐出口710aを中心として放射状に広がる方向となる。
<3-2.ガス流の形成>
第2実施形態に係る第2ガスノズル71に代えて、この変形例に係る第2ガスノズル71aが設けられる場合も、処理ユニット132aにおいては、第2実施形態と同様の一連の処理(ステップS1~ステップS7)が基板Wに対して行われるとともに、該一連の処理に加えて、プラズマリアクタ31の対向面310に沿うガス流を形成する処理(ガス流形成処理)が行われる。このガス流形成処理に係る工程(ガス流形成工程)について、図15に加え、図16を参照しながら説明する。図16は、変形例に係る第2ガスノズル71aが設けられる場合に、処理ユニット132aで行われる処理の流れを示す図である。
ステップS201a:ガス流形成工程
第2実施形態と同様、この変形例でも、ガス流形成工程は、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態において行われる。ただし、この変形例では、第2実施形態とは異なり、プラズマ処理が終了する前に、ガス流形成工程が開始される。すなわち、ガス流形成処理は、ガス供給管711に設けられているバルブ713が開かれることによって開始されるところ、ここでは、例えば、下降工程(ステップS4)が行われた以後であって、電圧印加停止工程(ステップS5)が行われることによってプラズマ処理が終了する前の適宜のタイミングで、バルブ713が開かれる。具体的には例えば、プラズマ処理が終了するタイミングよりも所定時間(ガス流形成時間)T2aだけ早い時点で、バルブ713が開かれる。
バルブ713が開かれると、ガス供給源712に貯留されている所定のガス(ここでは、酸素を含有するガス)が、流量調整部714によって調整される所定の流量で、ガス供給管711を通じて第2ガスノズル71aに供給されて、吐出口710aから吐出される。このときのガスの吐出流量としては、例えば、10(L/min)程度が好適である。
対向面310の面内に設けられている吐出口710aから吐出されたガスは、カバー板712aに衝突してその方向を90度変化させて、対向面310に沿って流れる。すなわち、対向面310に沿うガス流(ここでは、酸素を含有するガスのガス流)が形成される(図15)。このガス流は、上方から見て、吐出口710aを中心として放射状に広がる方向となっている。このようなガス流が形成されることによって、基板Wと対向面310の間の空間に充満している浮遊硫酸Mが、対向面310の外方(上方から見て、対向面310の周縁よりも外側の空間)に押し流される。これによって、浮遊硫酸Mが対向面310に付着することが抑制される。
ガス供給管711に設けられているバルブ713が開かれてから所定時間(ガス流形成時間)T2aが経過すると、バルブ713が閉鎖され、第2ガスノズル71aの吐出口710aからのガスの吐出が停止される。これによって、ガス流形成処理が終了する。例えば、電圧印加停止工程(ステップS5)が行われることによってプラズマ処理が終了するタイミングよりも、ガス流形成時間T2aだけ早い時点でバルブ713が開かれている場合、プラズマ処理が終了するのと同時に、ガス流形成処理が終了することになる。なお、ここでも、「ガス流形成時間T2a」は、任意に設定することができる。上記のとおり、ガス流形成時間T2aが長いほど、対向面310と基板Wとの間の空間に存在する浮遊硫酸Mの量が少なくなる(ひいては、対向面310の汚染を抑制する効果が高まる)。ただし、ガス流形成時間T2aが長くなるにつれて、プラズマ処理とガス流形成処理が並行して行われる時間帯が長くなり、ガス流がプラズマ処理に影響を及ぼす可能性が高まる。このような時間帯を十分に短く抑えつつ、浮遊硫酸Mを十分に排出するためには、ガス流形成時間T2aを10秒程度とすることが好ましい。
なお、上記のとおり、電圧印加停止工程(ステップS5)が行われると、続いて上昇工程(ステップS6)が行われる。いうまでもなく、ここでは、両工程の間に、待機工程(ステップS202)(図13参照)を設ける必要がないので、電圧印加停止工程が行われた後、直ちに、上昇工程が行われてもよい。
<3-3.効果>
上記の変形例では、プラズマ処理が終了する前に、対向面310に沿うガス流の形成が開始されるので、スループットを向上させることができる。また、プラズマ処理が進むにつれて次々と発生する気化あるいはミスト化した処理液を、直ちにガス流で押し流すことができるので、気化あるいはミスト化した処理液が対向面310に付着することを十分に抑制することができる。
プラズマ処理とガス流形成処理とが並行して行われる時間帯が存在する場合、上記の効果が得られる反面、ガス流がプラズマ処理に影響を及ぼす虞がある。例えば、ガス流によって、基板Wに設けられている液膜Fが乱れてしまい、プラズマ処理の安定性が損なわれる虞がある。しかしながら、この変形例に係る第2ガスノズル71aでは、対向面310の面内に開口した吐出口710aに対向して、カバー板712aが設けられているので、吐出口710aから吐出されたガスが直接に液膜Fに吹き付けられることがない。したがって、液膜Fに乱れが生じにくく、プラズマ処理の安定性が損なわれにくい。
また、上記の変形例では、第2ガスノズル71aから吐出されるガスが、酸素を含有するガスであるので、対向面310に沿うガス流によって、気化あるいはミスト化した処理液を押し流すだけでなく、該ガス流によってプラズマの発生を促進することができる。すなわち、プラズマ処理とガス流形成処理とが並行して行われる時間帯が存在する場合に、対向面310に沿うガス流によって、プラズマ処理を促進することができる。
<4.他の変形例>
第1実施形態に係る第1ガスノズル41の構成は、上記に例示したものに限られるものではない。
例えば、第1ガスノズルは、図17に示される第1ガスノズル41aのように、円弧状に屈曲した湾曲形状のノズルであり、その内方側に、細長いスリット状の吐出口410aが設けられたものであってもよい。この場合、吐出口410aの長さは、例えば、その両端を結ぶ弦の長さが、対向面310の直径と同程度、あるいは、これよりも僅かに大きくなるような寸法とされることが好ましい。また、この場合、上方から見て、吐出口410aから吐出される幅広のガス流の幅方向の中心が、対向面310の中心を通過するように、第1ガスノズル41aの位置が規定されることが好ましい。また、側方から見て、吐出口410aから吐出されるガス流が、対向面310の端縁の近傍に、対向面310に対して非直角な方向から入射するように、第1ガスノズル41a位置および姿勢が規定されていることも好ましい(図5の上段参照)。
また例えば、第1ガスノズルは、図18に示される第1ガスノズル41bのように、長尺な直線形状のノズルであり、その長尺方向に沿って、複数の吐出口410bが設けられたものであってもよい。この場合、上方から見て、複数の吐出口410bから吐出されるガスによって形成される幅広のガス流の幅方向の中心が、対向面310の中心を通過するように、第1ガスノズル41bの位置が規定されることが好ましい。また例えば、側方から見て、吐出口410bから吐出されるガス流が、対向面310の端縁の近傍に、対向面310に対して非直角な方向から入射するように、第1ガスノズル41bの位置および姿勢が規定されていることも好ましい(図5の上段参照)。このような構成は、円弧状に屈曲した湾曲形状のノズルに適用されてもよい。すなわち、湾曲形状のノズルの内方縁に沿って、複数の吐出口が設けられてもよい。
また例えば、第1ガスノズルは、図19、図20に示される第1ガスノズル41cのように、一端に吐出口410cが設けられたストレート型のノズルであってもよい。この場合、第1ガスノズル41cは、複数個設けられることが好ましい。例えば、図19に示されるように、複数の第1ガスノズル41cが、対向面310の径方向と平行な方向に沿って配列されてもよい。あるいは、図20に示されるように、複数の第1ガスノズル41cが、対向面310の周縁と平行な円弧に沿って配列されてもよい。いずれの場合も、上方から見て、複数の第1ガスノズル41cの各吐出口410cから吐出されるガスによって形成される幅広のガス流の幅方向の中心が、対向面310の中心を通過するように、各第1ガスノズル41cの位置が規定されることが好ましい。また例えば、側方から見て、各第1ガスノズル41cの吐出口410cから吐出されるガス流が、対向面310の端縁の近傍に、対向面310に対して非直角な方向から入射するように、各第1ガスノズル41cの位置および姿勢が規定されていることも好ましい(図5の上段参照)。
第1ガスノズル41cが複数個設けられる場合、ガス供給管411を、一端側がガス供給源412に接続されるとともに、他端側が分岐した分岐配管により構成して、各分岐端に第1ガスノズル41cを接続すればよい。なお、このような構成においては、複数の分岐部分の各々に、バルブ413および流量調整部414を介挿する構成とすることも好ましい。こうすることで、複数の第1ガスノズル41cの各々から吐出されるガスの流量を互いに異なるものとすることができる。例えば、相対的に中央側に配置されている第1ガスノズル41cからの吐出流量を、相対的に端部側に配置されている第1ガスノズル41cからの吐出流量よりも大きく設定すれば、複数の第1ガスノズル41cから吐出されるガスによって形成される帯状のガス流は、幅方向の中央側ほど流量が大きなものとなる。つまり、対向面310の中央側ほど流量が大きいガスの流れが形成される。これによって、ガスの使用量を抑制しつつ、対向面310の近傍に存在している浮遊硫酸Mを効果的に押し流すことができる。
また、上記の実施形態に係る第1ガスノズル41は、図21に示されるように、吐出口410から吐出されるガス流が、対向面310の近傍を対向面310と平行に流れるような位置および姿勢が設けられていてもよい。いうまでもなく、上記の各変形例に係る第1ガスノズル41a,41b,41cにおいて、このような構成が採用されてもよい。
また、上記の実施形態に係る第1ガスノズル41は、図22に示されるように、鉛直方向に沿って、複数個、配列されてもよい。この構成によると、対向面310の全体に亘って、十分なガス流を形成することができるので、対向面310の近傍に存在している浮遊硫酸Mを十分に押し流すことができる。いうまでもなく、上記の各変形例に係る第1ガスノズル41a,41b,41cにおいて、このような構成が採用されてもよい。
第2実施形態に係る第2ガスノズル71の構成は、上記に例示したものに限られるものではない。
例えば、第2ガスノズル71は、図23に示される第2ガスノズル71bのように、プラズマリアクタ31の対向面310に、複数個の吐出口710bが設けられた構成であってもよい。いうまでもなく、上記の変形例に係る第2ガスノズル71aにおいてこのような構成が採用されてもよい。
また例えば、変形例に係る第2ガスノズル71aは、ノズル本体部711aとカバー板712aとを備えるものとしたが、必ずしもこのような構成でなくともよい。例えば、第2ガスノズルは、先端が閉鎖されるとともに周面に複数の吐出口が設けられた円筒状のノズル端部を備えるものとし、該ノズル端部が、対向面310から突出するように設けられた構成であってもよい。
ガス流形成部4,7の構成も、上記に例示したものに限られるものではない。例えば、ガス流形成部は、図24に示されるガス流形成部4aのように、第1ガスノズル41に加え、第2ガスノズル71を備えるものであってもよい。この場合、各ガスノズル41,71は、図示されるように、ガス供給管411,711を介して、共通のガス供給源412に接続されてもよいし、それぞれ個別のガス供給源に接続されてもよい。二種類のガスノズル41,71が設けられる場合、プラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されている状態と、待機位置に配置されている状態との両方において、ガス流形成処理が行われてもよい。いうまでもなく、上記の各実施形態および各変形例に係る第1ガスノズル41,41a,41b,41cおよび第2ガスノズル71,71a,71bが自由に組み合わされてよい。
ガス流形成工程の態様も、上記に例示したものに限られるものではない。
例えば、第1実施形態において、第1ガスノズル41からのガスの吐出は、必ずしも、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されるのと同時に開始されなくともよい。例えば、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されてから所定時間が経過した後に、第1ガスノズル41からのガスの吐出が開始されてもよい。
また例えば、第2実施形態において、第2ガスノズル71からのガスの吐出は、必ずしも、電圧印加工程が行われた以後に開始されなくともよい。例えば、プラズマ処理が開始されてから所定の処理時間が経過した時点でプラズマ処理が終了したとみなして、該時点で第2ガスノズル71からのガスの吐出が開始されてもよい。また例えば、第2ガスノズル71からのガスの吐出は、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されている状態において行われてもよい。この場合、変形例に係る第2ガスノズル71aのように、プラズマリアクタ31の対向面310の面内に開口した吐出口710aに対向してカバー板712aなどが設けられることが好ましい。この構成によると、必ずしもプラズマリアクタ31がプラズマ処理位置に配置されていなくとも(すなわち、基板Wが対向面310に近接しつつ対向配置されている状態でなくとも)、対向面310に沿うガス流を簡易に形成することができる。
また、上記のとおり、第1および第2実施形態において、ガス流形成時間T1,T2は任意に規定することができる。例えば、第1実施形態において、プラズマリアクタ31が待機位置に配置されている間中、第1ガスノズル41からのガスの吐出を継続してもよい。
また例えば、第1および第2実施形態に係るガス流形成工程(ステップS101,201)において、ガスノズル41,71から吐出されるガスは、窒素ガスであるとしたが、吐出されるガスはこれに限られるものではない。例えば、ガスノズル41,71から吐出されるガスは、空気、乾燥空気、酸素ガス、オゾンガス、二酸化炭素ガス、希ガス、これらのうちの少なくとも2つを含む混合ガス、などであってもよい。ただし、処理液として硫酸が用いられる場合、硫酸による吸湿を回避するために、吐出されるガスは水分を含まないものであることが好ましい。
同様に、変形例に係るガス流形成工程(ステップS201a)において、第2ガスノズル71aから吐出されるガスは、酸素を含有するガスであるとしたが、吐出されるガスはこれに限られるものではなく、例えば、希ガス、窒素ガス、などであってもよい。ただし、ガス流形成処理とプラズマ処理とが並行して行われる時間帯が存在する場合、第2ガスノズル71aから吐出されるガスは、プラズマを失活させないガスであることが好ましく、プラズマの発生を促進するガス(例えば、酸素を含有するガス、希ガス、など)であることが特に好ましい。また、処理液として硫酸が用いられる場合、硫酸による吸湿を回避するために、吐出されるガスは水分を含まないものであることも好ましい。
処理ユニット132の構成やここで行われる処理の流れも、上記の実施形態において例示したものに限られるものではない。
例えば、上記の実施形態においては、処理液を吐出する処理液ノズル21と、リンス液を吐出するリンス液ノズル22とをそれぞれ別個に設けたが、1個のノズルから、処理液とリンス液とが択一的に吐出されるようにしてもよい。この場合、該1個のノズルに、処理液供給管211とリンス液供給管221とを接続すればよい。
また、上記の実施形態においては、ノズル移動機構23は処理液ノズル21とリンス液ノズル22を一体的に移動させるものとしたが、各ノズル21,22に個別にノズル移動機構を設けて、各ノズル21,22を別個独立に移動させてもよい。いうまでもなく、この場合は、2つのノズル21,22を連結して設ける必要はない。また、2つのノズル21,22のうちの少なくとも一方を、固定的に設けてもよい。すなわち、少なくとも一方のノズルについて、ノズル移動機構を省略してもよい。
また、上記の実施形態において、保持部1は、基板Wの周縁をチャックピン12で把持することによって基板Wを水平姿勢で保持するものであったが、基板Wを保持する方式はこれに限られるものではなく、どのようなものであってもよい。例えば、保持部は、ベース部11の上面に設けた吸引機構で基板Wの裏面を吸着することによって、基板Wを水平姿勢で保持するものであってもよい。
また、プラズマリアクタ31を移動させるプラズマリアクタ移動機構33は必須ではなく、プラズマリアクタ31は固定的に設けられてもよい。この場合、例えば、ベース部11を昇降させる機構を設け、これがベース部11を昇降させることによって、ベース部11上に保持されている基板Wとプラズマリアクタ31との離間距離を変更すればよい。このような構成においては、ベース部11を昇降させる機構が、プラズマリアクタ31をプラズマ処理位置と待機位置との間で移動させる移動機構となる。
また、ガード51を移動させるガード移動機構52は必須ではなく、ガード51は固定的に設けられてもよい。この場合も、例えば、ベース部11を昇降させる機構を設け、これがベース部11を昇降させることによって、ベース部11上に保持されている基板Wとガード51との位置関係を変更すればよい。
また、上記の各実施形態において、プラズマ処理が行われる間、回転機構13が、保持部1(ひいてはここに保持されている基板W)を、基板Wの主面と直交する回転軸Qの周りで、所定の回転数で、回転させてもよい。
また、上記の各実施形態においては、プラズマ発生部3は、大気圧下でプラズマを発生させるものとしていたが、低圧状態でプラズマを発生させてもよい。すなわち、チャンバ6の内部空間を減圧するためのポンプを設けて、該ポンプでチャンバ6の内部空間を所定の圧力まで減圧した状態で、プラズマリアクタ31に電圧を印加して、プラズマを発生させてもよい。
また、上記の実施形態においては、処理ユニット132では、基板Wに形成されたレジストを除去する処理が行われるものとしたが、処理ユニット132で行われる処理はこれに限られるものではない。例えば、処理ユニット132では、基板W上に存在している有機物(例えば、有機物のパーティクル、有機物の層、有機物の膜)などを除去する処理が行われてもよい。
また、上記の実施形態では、処理液として硫酸が用いられるものとしたが、処理液はこれに限られるものではない。例えば、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、および、ペルオキソ硫酸塩のうちの少なくとも1つを含む薬液が、処理液として用いられてもよい。また、過酸化水素を含む薬液が処理液として用いられてもよく、例えば硫酸と過酸化水素水との混合液が処理液として用いられてもよい。さらに、プラズマ処理の目的、除去対象物の種類、などによっては、SC1(過酸化水素水とアンモニアとの混合液)、SC2(過酸化水素水と塩酸との混合液)などの薬液(いわゆる、洗浄用薬液)が、処理液として用いられてもよいし、フッ酸、塩酸、リン酸などの薬液(いわゆる、エッチング用薬液)が、処理液として用いられてもよい。
基板処理システム100の構成やここで行われる処理の流れは、上記の実施形態において例示したものに限られるものではない。
例えば、基板処理システム100に設けられる処理ユニット132の数は、12個でなくともよい。また例えば、基板処理システム100に設けられるロードポート111の数は、3個でなくともよい。
また、プログラムPは、記録媒体に記憶されていてもよく、この記録媒体を用いて、制御部140にプログラムPをインストールするものとしてもよい。
また、基板処理システム100において処理対象とされる基板Wは、必ずしも半導体基板でなくともよい。例えば、処理対象とされる基板Wは、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、などであってもよい。また、処理対象とされる基板Wの形状およびサイズも、上記に例示したものに限られるものではない。例えば、処理対象とされる基板Wの形状は、矩形板形状であってもよい。
以上のように、基板処理装置および基板処理方法は詳細に説明されたが、上記の説明は、全ての局面において例示であって、基板処理装置および基板処理方法がこれ限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記の各実施形態、および、上記の各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1 保持部
2 液供給部
3 プラズマ発生部
31 プラズマリアクタ
310 対向面
32 電源
33 プラズマリアクタ移動機構
4,4a ガス流形成部
41,41a,41b,41c 第1ガスノズル
5 カバー部
6 チャンバ
7 ガス流形成部
71,71a,71b 第2ガスノズル
132 基板処理装置(処理ユニット)
100 基板処理システム

Claims (18)

  1. 基板を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された基板に処理液を供給する処理液供給部と、
    前記保持部に保持された基板に対してプラズマを照射するプラズマ照射部と、
    前記プラズマ照射部を、前記保持部に保持された基板に対してプラズマが照射されない待機位置と、前記保持部に保持された基板に対してプラズマが照射されるプラズマ処理位置との間で移動させる移動機構と、
    前記プラズマ照射部における前記基板と対向される対向面に沿うガス流を形成するガス流形成部と、
    を備える、基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記ガス流形成部が、
    前記待機位置に配置された前記プラズマ照射部の前記対向面に向けてガスを吐出する第1ガスノズル、
    を備える、基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記第1ガスノズルからのガスの吐出方向が、前記待機位置に配置された前記プラズマ照射部の前記対向面に対して非直角な方向である、
    基板処理装置。
  4. 請求項2または3に記載の基板処理装置であって、
    前記第1ガスノズルから吐出されるガスが、窒素ガスである、
    基板処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記ガス流形成部が、
    前記プラズマ照射部の前記対向面の面内からガスを吐出する第2ガスノズル、
    を備える、基板処理装置。
  6. 請求項5に記載の基板処理装置であって、
    前記第2ガスノズルから吐出されるガスが、窒素ガスである、
    基板処理装置。
  7. 請求項5に記載の基板処理装置であって、
    前記第2ガスノズルから吐出されるガスが、酸素を含有するガスである、
    基板処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記処理液が、硫酸である、
    基板処理装置。
  9. 基板に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記処理液供給工程が行われた後に、プラズマ照射部を、基板に対してプラズマが照射されない待機位置から、基板に対してプラズマが照射されるプラズマ処理位置まで移動させる第1移動工程と、
    前記プラズマ処理位置に配置された前記プラズマ照射部から前記基板にプラズマを照射してプラズマ処理を進行させた後に、前記プラズマ照射部を、前記プラズマ処理位置から前記待機位置まで移動させる第2移動工程と、
    前記プラズマ照射部における前記基板と対向される対向面に沿うガス流を形成するガス流形成工程と、
    を備える、基板処理方法。
  10. 請求項9に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程が、前記プラズマ照射部が前記待機位置に配置されている状態において行われる、
    基板処理方法。
  11. 請求項10に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程が、前記プラズマ照射部が前記待機位置に配置されるのと同時に、開始される、
    基板処理方法。
  12. 請求項10または11に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程において、窒素ガスのガス流が形成される、
    基板処理方法。
  13. 請求項9に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程が、前記プラズマ照射部が前記プラズマ処理位置に配置されている状態において行われる、
    基板処理方法。
  14. 請求項13に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程が、前記プラズマ処理が終了した後に、開始される、
    基板処理方法。
  15. 請求項14に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程において、窒素ガスのガス流が形成される、
    基板処理方法。
  16. 請求項13に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程が、前記プラズマ処理が終了する前に、開始される、
    基板処理方法。
  17. 請求項16に記載の基板処理方法であって、
    前記ガス流形成工程において、酸素を含有するガスのガス流が形成される、
    基板処理方法。
  18. 請求項9から17のいずれかに記載の基板処理方法であって、
    前記処理液が硫酸である、
    基板処理方法。
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