JP6113618B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、太陽電池用基板、等(以下、単に「基板」という)に、処理を施す技術に関する。
従来から、回転される基板に対して処理液を供給して、基板を液処理する基板処理装置が存在する(例えば、特許文献1〜3参照)。例えば、特許文献2には、スピンベースに設けられた3個以上の保持部材で、ウエハの外周端部を保持することによって、ウエハを、スピンベースの表面から離間した状態で支持し、当該ウエハを回転しつつ、その下面に向けて、処理液を供給する構成が記載されている。
特開平7−115081号公報 特開2000−235948号公報 特開2002−359220号公報
ところで、回転される基板の下面に処理液を供給して、当該基板の下面を液処理する場合に、基板の下面に供給された処理液の一部が、基板の上面に回り込んでしまう可能性がある。例えば、特許文献2のように、スピンベースに設けられた保持部材で基板の外周端部を保持することによって、当該基板をスピンベースの表面から離間した状態で支持している場合、基板の下面に供給された処理液が、保持部材を伝って、基板の上面に回り込んでしまう可能性がある。
一般的に、基板の上面への処理液の回り込みは、好ましいものではない。例えば、表面が上を向くように支持されて回転される基板の下面(すなわち、基板の裏面)に処理液を供給して、当該基板の裏面を液処理する場合に、裏面に供給された処理液の一部が基板の表面に回り込んで、基板の表面における、デバイスパターンが形成される領域(デバイス領域)に処理液が付着してしまうと、デバイスパターンの不具合、ひいては、歩留まりの低下の原因となる虞がある。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の下面に供給された処理液が、基板の上面に回り込むことを抑制できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、基板処理装置であって、回転軸を中心に水平面内で回転されるスピンベースと、前記スピンベースの上方に基板を保持する保持部と、前記保持部に保持される前記基板の下面に向けて、処理液を吐出する下面処理部と、を備え、前記保持部が、基板の斜め下から前記基板に当接して、前記基板を、前記スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する、複数の第1当接部材と、基板の側方から前記基板に当接して、前記基板を、前記スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する、複数の第2当接部材と、前記複数の第1当接部材が基板を保持する第1保持状態と、前記複数の第2当接部材が基板を保持する第2保持状態と、を切り換える切換部と、を備え、前記第2保持状態において、前記第1当接部材が基板から離間しており、前記第1保持状態において、基板の上面が前記第1当接部材の上端よりも高い位置にあり、かつ、前記第2当接部材が前記基板から離間している。
第2の態様は、第1の態様に係る基板処理装置であって、基板の回転速度が定められた閾値より小さい場合に、前記複数の第1当接部材が前記基板を保持し、基板の回転速度が前記閾値以上の場合に、前記複数の第2当接部材が前記基板を保持する。
第3の態様は、第1または第2の態様に係る基板処理装置であって、前記第1当接部材が、円錐体の上部を底面と平行に切り落とした形状部分、を備え、前記第1当接部材が、前記円錐体の傾斜した側面において、前記基板と当接する。
第4の態様は、第3の態様に係る基板処理装置であって、前記円錐体の傾斜した側面が水平面となす角度が、45°以上である。
第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様に係る基板処理装置であって、前記第1当接部材の表面が、疎水性である。
第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様に係る基板処理装置であって、前記切換部が、前記複数の第2当接部材の各々を、前記スピンベース上の基板の周縁と近接離間する方向に移動させることによって、前記第1保持状態と前記第2保持状態と間の切り換えが行われる。
第7の態様は、第1から第6のいずれかの態様に係る基板処理装置であって、前記基板処理装置に対する基板の搬出入を行う搬送ロボットから前記スピンベース上に移載された基板が、まずは、前記複数の第1当接部材に保持される。
第8の態様は、基板処理方法であって、a)複数の第1当接部材を基板の斜め下から前記基板に当接させるとともに、複数の第2当接部材を前記基板から離間させて、前記基板を、スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する工程と、b)前記複数の第1当接部材に保持される前記基板を、第1回転速度で回転しつつ、前記基板の下面に処理液を供給する工程と、c)前記b)工程の後、複数の第2当接部材を前記基板の側方から前記基板に当接させるとともに、前記複数の第1当接部材を前記基板から離間させて、前記基板を、前記スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する工程と、d)前記複数の第2当接部材に保持される前記基板を、第1回転速度よりも大きな第2回転速度で回転させる工程と、を備え、前記複数の第1当接部材に保持される基板の上面が、前記第1当接部材の上端よりも高い位置にある。
第1、第8の態様によると、複数の第1当接部材が基板を保持する第1保持状態において、基板の上面が第1当接部材の上端よりも高い位置にあり、かつ、第2当接部材が基板から離間している。したがって、この第1保持状態においては、基板の下面に供給された処理液が、第1当接部材を伝って基板の上面に回り込みにくく、第2当接部材を伝っても基板の上面に回り込みにくい。すなわち、基板の下面に供給された処理液が、基板の上面に回り込むことを抑制できる。
第2の態様によると、閾値より小さな回転速度で回転される基板は、複数の第1当接部材で保持され、閾値以上の回転速度で回転される基板は、複数の第2当接部材で保持される。基板の回転速度が小さいほど、基板の下面に供給された処理液が遠心力で吹き飛ばされにくいために、当該処理液が基板の上面に回り込みやすくなるところ、ここでは、基板が比較的低速で回転される際には、複数の第1当接部材が基板を保持する第1保持状態とされるので、当該基板の下面に供給された処理液が基板の上面に回り込むことを抑制できる。一方で、基板の回転速度が大きいほど、基板が水平面内で位置ずれを起こしやすいところ、ここでは、基板が比較的高速で回転される際には、複数の第2当接部材が基板を保持する第2保持状態とされるので、当該基板が水平面内で位置ずれを起こすことを回避できる。
第3の態様によると、第1当接部材が、円錐体の傾斜した側面において基板と当接する。この構成によると、第1当接部材が基板を保持する第1保持状態において、基板の下面と当該傾斜した側面との隙間空間に寄せられた液が、当該傾斜した側面を伝って下方に落下しやすい。すなわち、当該隙間空間に液溜まりが形成されにくい。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板の上面に回り込む、といった事態の発生を抑制できる。さらに、基板の下面に供給された処理液が、当該傾斜した側面を伝って下方に落ちるという処理液の流れ(すなわち、基板の下面に供給された処理液を下方に導く処理液の流れ)が形成されることになるので、基板の下面に供給された処理液を、上面に回り込ませることなく、基板から速やかに除去することができる。
第4の態様によると、第1当接部材の斜側した側面と水平面とがなす角度が45°以上である。この構成によると、第1当接部材が基板を保持する第1保持状態において、基板の下面と当該傾斜した側面との隙間空間に寄せられた液が、速やかに、当該傾斜した側面を伝って下方に落下する。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板の上面に回り込む、といった事態の発生を十分に抑制できるとともに、基板の下面に供給された処理液を、上面に回り込ませることなく、基板9から特に速やかに除去することができる。
第5の態様によると、第1当接部材の表面が疎水性である。この構成によると、第1当接部材に処理液が付着しづらく、基板の下面と第1当接部材との隙間空間に液溜まりが形成されにくい。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板の上面に回り込む、といった事態の発生を抑制できる。
第6の態様によると、複数の第2当接部材が、基板の周縁と近接離間する方向に移動されることによって、第1保持状態と第2保持状態と間の切り換えが行われる。この構成によると、第1保持状態と第2保持状態と間の切り換えを、簡易かつ速やかに行うことができる。
基板処理システムを模式的に示す概略平面図である。 処理対象となる基板の周縁部付近を示す断面図である。 基板処理装置の概略斜視図である。 基板処理装置の概略斜視図である。 基板処理装置の構成を説明するための模式図である。 スピンベースを斜め上から見た斜視図である。 第1当接部材を側方から見た図である。 第2当接部材を側方から見た図である。 第1保持状態を示す平面図である。 図9を矢印K1方向から見た側断面である。 第2保持状態を示す平面図である。 図11を矢印K1方向から見た側断面である。 基板処理装置で実行される動作の全体の流れを示す図である。 前処理の流れを示す図である。 前処理を説明するための図である。 表面周縁処理の流れを示す図である。 表面周縁処理を説明するための図である。 裏面処理等の流れを示す図である。 裏面処理等を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。また、以下に参照する各図では、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1.基板処理システム100>
<1−1.構成>
基板処理システム100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、基板処理システム100を模式的に示す概略平面図である。
基板処理システム100は、複数枚の基板9を、一枚ずつ、連続して処理するシステムである。以下の説明において、基板処理システム100で処理の対象とされる基板9は、例えば、円形の半導体ウェハであるとする。
基板処理システム100は、並設された複数のセル(処理ブロック)(具体的には、インデクサセル110および処理セル120)と、当該複数のセル110,120が備える各動作機構等を制御する制御部130と、を備える。
<インデクサセル110>
インデクサセル110は、装置外から受け取った未処理の基板9を処理セル120に渡すとともに、処理セル120から受け取った処理済みの基板9を装置外に搬出するためのセルである。インデクサセル110は、複数のキャリアCを載置するキャリアステージ111と、各キャリアCに対する基板9の搬出入を行う基板搬送装置(移載ロボット)IRと、を備える。
キャリアステージ111に対しては、未処理の基板9を収納したキャリアCが、装置外部から、OHT(Overhead Hoist Transfer)等によって搬入されて載置される。未処理の基板9は、キャリアCから1枚ずつ取り出されて装置内で処理され、装置内での処理が終了した処理済みの基板9は、再びキャリアCに収納される。処理済みの基板9を収納したキャリアCは、OHT等によって装置外部に搬出される。このように、キャリアステージ111は、未処理の基板9および処理済みの基板9を集積する基板集積部として機能する。なお、キャリアCの形態としては、基板9を密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)であってもよいし、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや、収納された基板9を外気に曝すOC(Open Cassette)であってもよい。
移載ロボットIRは、基板9を下方から支持することによって、基板9を水平姿勢(基板9の主面が水平な姿勢)で保持するハンド112と、ハンド112を駆動するハンド駆動機構113と、を備える。移載ロボットIRは、キャリアステージ111に載置されたキャリアCから未処理の基板9を取り出して、当該取り出した基板9を、基板受渡位置Pにおいて搬送ロボットCR(後述する)に渡す。また、移載ロボットIRは、基板受渡位置Pにおいて搬送ロボットCRから処理済みの基板9を受け取って、当該受け取った基板9を、キャリアステージ111上に載置されたキャリアCに収納する。
<処理セル120>
処理セル120は、基板9に処理を行うためのセルである。処理セル120は、複数の基板処理装置1と、当該複数の基板処理装置1に対する基板9の搬出入を行う基板搬送装置(搬送ロボットCR)と、を備える。ここでは、複数個(例えば、3個)の基板処理装置1が鉛直方向に積層されて、1個の基板処理装置群10を構成している。そして、複数個(図示の例では、4個)の基板処理装置群10が、搬送ロボットCRを取り囲むようにクラスタ状(房状)に設置される。
複数の基板処理装置1の各々は、内部に処理空間を形成する筐体11を備える。筐体11には、搬送ロボットCRのハンド121を筐体内部に挿入させるための搬出入口12が形成されており、基板処理装置1は、搬送ロボットCRが配置されている空間に、この搬出入口12を対向させるようにして配置される。基板処理装置1の具体的な構成については、後に説明する。
搬送ロボットCRは、基板9を下方から支持することによって、基板9を水平姿勢で保持するハンド121と、ハンド121を駆動するハンド駆動機構122と、を備える。ただし、上述したとおり、搬送ロボットCR(具体的には、搬送ロボットCRの基台)は、複数の基板処理装置群10に取り囲まれる空間の中央に配置される。搬送ロボットCRは、指定された基板処理装置1から処理済みの基板9を取り出して、当該取り出した基板9を、基板受渡位置Pにおいて移載ロボットIRに渡す。また、搬送ロボットCRは、基板受渡位置Pにおいて移載ロボットIRから未処理の基板9を受け取って、当該受け取った基板9を、指定された基板処理装置1に搬送する。
<制御部130>
制御部130は、移載ロボットIR、搬送ロボットCR、および、一群の基板処理装置1の各々を制御する。制御部130のハードウエアとしての構成は、一般的なコンピュータと同様のものを採用できる。すなわち、制御部130は、例えば、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM、制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスク、等を備えている。制御部130において、プログラムに記述された手順に従って主制御部としてのCPUが演算処理を行うことにより、基板処理システム100の各部を制御する各種の機能部が実現される。もっとも、制御部130において実現される一部あるいは全部の機能部は、専用の論理回路などでハードウエア的に実現されてもよい。
<1−2.動作>
基板処理システム100の全体動作について、引き続き図1を参照しながら説明する。基板処理システム100においては、制御部130が、基板9の搬送手順および処理条件等を記述したレシピにしたがって、基板処理システム100が備える各部を制御することによって、以下に説明する一連の動作が実行される。
未処理の基板9を収容したキャリアCがキャリアステージ111に載置されると、移載ロボットIRが、当該キャリアCから未処理の基板9を取り出す。そして、移載ロボットIRは、未処理の基板9を保持したハンド112を基板受渡位置Pまで移動させて、基板受渡位置Pにおいて、当該未処理の基板9を、搬送ロボットCRに渡す。ハンド121上に未処理の基板9を受け取った搬送ロボットCRは、当該未処理の基板9を、レシピにて指定された基板処理装置1に搬入する。なお、移載ロボットIRと搬送ロボットCRとの間の基板9の受け渡しは、ハンド112,121間で直接に行われてもよいし、基板受渡位置Pに設けられた載置部などを介して行われてもよい。
基板9が搬入された基板処理装置1においては、基板9に対して、定められた処理が実行される。基板処理装置1にて実行される処理の流れについては、後に説明する。
基板処理装置1において基板9に対する処理が終了すると、搬送ロボットCRは、処理済みの基板9を基板処理装置1から取り出す。そして、搬送ロボットCRは、処理済みの基板9を保持したハンド121を基板受渡位置Pまで移動させて、基板受渡位置Pにおいて、当該処理済みの基板9を、移載ロボットIRに渡す。ハンド112上に処理済みの基板9を受け取った移載ロボットIRは、当該処理済みの基板9を、キャリアCに格納する。
基板処理システム100においては、搬送ロボットCRおよび移載ロボットIRが、レシピにしたがって、上述した搬送動作を反復して行うとともに、各基板処理装置1が、レシピにしたがって、基板9に対する処理を実行する。これによって、基板9に対する処理が次々と行われていくことになる。
<2.基板9>
次に、基板処理装置1にて処理対象とされる基板9について、図2を参照しながら説明する。図2は、基板9の周縁部付近を示す断面図である。
基板処理装置1にて処理対象とされる基板9は、例えば、シリコン(Si)により構成される中心層901、中心層901の外側に成膜された下層膜902、および、下層膜902の外側に成膜された上層膜903、の三層構造を備える。下層膜902は、例えば、熱酸化膜(Th−SiO)、あるいは、絶縁膜(例えば、Hf(ハフニューム)膜、または、酸化Hf膜、等)である。また、上層膜903は、例えば、バリアメタル膜(例えば、TiN膜、TaN膜、等)、あるいは、メタル膜(例えば、Al膜、W膜、NiSi膜、Cu膜、等)である。もっとも、基板処理装置1で処理対象とされる基板9は、例えば、中心層901と下層膜902との二層構造を備えるものであってもよいし、4層以上の構造を備えるものであってもよい。
以下において、基板9の主面のうちのデバイスパターンが形成される方の面を「表面91」という。また、表面91の反対側の面を「裏面92」という。さらに、表面91における、デバイスパターンが形成される領域を「デバイス領域90」という。また、表面91における、デバイス領域90よりも外側の周縁領域(具体的には、例えば、基板9の端面93から微小幅d(例えば、d=0.5mm〜3.0mm(ミリメートル))の環状の領域)を「表面周縁部911」という。また、裏面92における、端面93から微小幅dの環状の領域を「裏面周縁部921」という。
基板処理装置1は、上述されたような多層構造を備える基板9を処理対象として、その表面周縁部911および裏面92に対する処理(例えば、表面周縁部911および裏面92に形成されている薄膜を除去する処理)を行うことができる。
<3.基板処理装置1の構成>
基板処理装置1の構成について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、基板処理装置1の概略斜視図であり、ガード部材60を構成する半円弧部材61,62、カップ31、および、周縁部用吐出ヘッド51が、各々の待避位置に配置されている状態が示されている。図4も、基板処理装置1の概略斜視図であるが、ここでは、ガード部材60、カップ31、および、周縁部用吐出ヘッド51が、各々の処理位置に配置されている状態が示されている。図5は、基板処理装置1の構成を説明するための模式図である。
なお、以下の説明において、「処理液」には、薬液処理に用いられる「薬液」と、薬液をすすぎ流すリンス処理に用いられる「リンス液」と、が含まれる。
基板処理装置1は、スピンチャック2、飛散防止部3、表面保護部4、周縁処理部5、液跳ね抑制部6、加熱処理部7、および、下面処理部8を、備える。これら各部2〜8は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130からの指示に応じて動作する。
<スピンチャック2>
スピンチャック2は、基板9を、例えば表面91を上に向けた状態で、略水平姿勢に保持する基板保持部であって、当該基板9を、その表面91の中心を通る鉛直な回転軸Aのまわりで回転させる。
スピンチャック2は、基板9より若干大きい円板状の部材であるスピンベース21を備える。スピンベース21の下面中央部には、回転軸部22が連結されている。回転軸部22は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢で配置される。また、回転軸部22には、これをその軸線まわりに回転駆動する回転駆動部(例えば、モータ)23が接続される。回転軸部22および回転駆動部23は、筒状のケーシング24内に収容されている。また、スピンチャック2は、スピンベース21の上面から僅かに離間した位置に基板9を水平姿勢で保持する保持部25を備える。保持部25については、後により詳細に説明する。
この構成において、保持部25がスピンベース21の上方で基板9を保持した状態で、回転駆動部23が回転軸部22を回転すると、スピンベース21が鉛直方向に沿った軸心周りで回転され、これによって、スピンベース21上に保持された基板9が、その面内の中心を通る鉛直な回転軸Aのまわりで、回転される。
ただし、保持部25および回転駆動部23は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、スピンベース21上に基板9を保持するタイミング、保持された基板9を開放するタイミング、および、スピンベース21の回転態様(具体的には、回転開始タイミング、回転終了タイミング、回転数(すなわち、回転速度)、等)は、制御部130によって制御される。
<飛散防止部3>
飛散防止部3は、スピンベース21に保持されて回転される基板9から飛散する処理液等を受け止める。
飛散防止部3は、カップ31を備える。カップ31は、上端が開放された筒形状の部材であり、スピンチャック2を取り囲むように設けられる。この実施の形態では、カップ31は、例えば、内部材311、中部材312、および、外部材313の3個の部材を含んで構成されている。
内部材311は、上端が開放された筒形状の部材であり、円環状の底部311aと、底部311aの内側縁部から上方に延びる円筒状の内壁部311bと、底部311aの外側縁部から上方に延びる円筒状の外壁部311cと、内壁部311bと外壁部311cとの間に立設された円筒状の案内壁311dと、を備える。案内壁311dは、底部311aから上方に延び、上端部付近は、内側上方に向かって湾曲している。内壁部311bの少なくとも先端付近は、スピンチャック2のケーシング24に設けられた鍔状部材241の内側空間に収容される。
底部311aには、内壁部311bと案内壁311dとの間の空間と連通する排液溝(図示省略)が形成される。この排液溝は、工場の排液ラインと接続される。また、この排液溝には、溝内を強制的に排気して、内壁部311bと案内壁311dとの間の空間を負圧状態とする排気液機構が接続されている。内壁部311bと案内壁311dとの間の空間は、基板9の処理に使用された処理液を集めて排液するための空間であり、この空間に集められた処理液は、排液溝から排液される。
また、底部311aには、案内壁311dと外壁部311cとの間の空間と連通する第1の回収溝(図示省略)が形成される。第1の回収溝は、第1の回収タンクと接続される。また、この第1の回収溝には、溝内を強制的に排気して、案内壁311dと外壁部311cとの間の空間を負圧状態とする排気液機構が接続されている。案内壁311dと外壁部311cとの間の空間は、基板9の処理に使用された処理液を集めて回収するための空間であり、この空間に集められた処理液は、第1の回収溝を介して、第1の回収タンクに回収される。
中部材312は、上端が開放された筒形状の部材であり、内部材311の案内壁311dの外側に設けられている。中部材312の上部は内側上方に向かって湾曲しており、その上端縁部は案内壁311dの上端縁部に沿って折曲されている。
中部材312の下部には、内周面に沿って下方に延びる内周壁部312aと、外周面に沿って下方に延びる外周壁部312bとが形成される。内周壁部312aは、内部材311と中部材312とが近接する状態(図5に示される状態)において、内部材311の案内壁311dと外壁部311cとの間に収容される。また、外周壁部312bの下端は、円環状の底部312cの内側縁部に着設される。底部312cの外側縁部からは、上方に延びる円筒状の外壁部312dが立設される。
底部312cには、外周壁部312bと外壁部312dとの間の空間と連通する第2の回収溝(図示省略)が形成される。第2の回収溝は、第2の回収タンクと接続される。また、この第2の回収溝には、溝内を強制的に排気して、外周壁部312bと外壁部312dとの間の空間を負圧状態とする排気液機構が接続されている。外周壁部312bと外壁部312dとの間の空間は、基板9の処理に使用された処理液を集めて回収するための空間であり、この空間に集められた処理液は、第2の回収溝を介して、第2の回収タンクに回収される。
外部材313は、上端が開放された筒形状の部材であり、中部材312の外側に設けられている。外部材313の上部は内側上方に向かって湾曲しており、その上端縁部301は、中部材312の上端縁部および内部材311の上端縁部より僅かに内方で下方に折曲されている。内部材311,中部材312、および、外部材313が近接する状態(図5に示される状態)において、中部材312の上端縁部および内部材311の上端縁部が、外部材313の折曲された部分によって、覆われる。
外部材313の下部には、内周面に沿って下方に延びるように内周壁部313aが形成される。内周壁部313aは、中部材312と外部材313とが近接する状態(図5に示される状態)において、中部材312の外周壁部312bと外壁部312dとの間に収容される。
カップ31には、これを昇降移動させるカップ駆動機構32が配設されている。カップ駆動機構32は、例えば、ステッピングモータにより構成される。この実施の形態では、カップ駆動機構32は、カップ31が備える3個の部材311,312,313を、独立して昇降させる。
内部材311、中部材312、および、外部材313の各々は、カップ駆動機構32の駆動を受けて、上方位置と下方位置との間で移動される。ここで、各部材311,312,313の上方位置は、当該部材311,312,313の上端縁部が、スピンベース21上に保持された基板9の側方に配置される位置である。一方、各部材311,312,313の下方位置は、当該部材311,312,313の上端縁部が、スピンベース21の上面よりも下方に配置される位置である。ただし、カップ駆動機構32は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、カップ31の位置(具体的には、内部材311、中部材312、および、外部材313各々の位置)は、制御部130によって制御される。
外部材313が下方位置に配置されている状態(すなわち、内部材311、中部材312、および、外部材313の全てが、下方位置に配置されている状態)を指して、以下「カップ31が待避位置にある」という。スピンベース21上に基板9が保持されていない間は、カップ31は、待避位置に配置される。つまり、スピンベース21上に基板9が保持されていない間は、カップ31は、その上端縁部(すなわち、外部材313の上端縁部)301がスピンベース21の上面よりも下方にくるような位置に配置される。
一方、外部材313が上方位置に配置されている状態を指して、以下「カップ31が処理位置にある」という。処理位置にあるカップ31の上端縁部(すなわち、外部材313の上端縁部301)は、スピンベース21上に保持された基板9の側方に配置されることになる。ただし、「カップ31が処理位置にある」状態には、以下の3つの状態が含まれる。第1の状態は、内部材311、中部材312、および、外部材313の全てが、上方位置に配置された状態である(図5に示される状態)。この状態では、スピンチャック2に保持されている基板9から飛散した処理液は、内部材311の内壁部311bと案内壁311dとの間の空間に集められて、排液溝から排液される。第2の状態は、内部材311が下方位置に配置されるとともに、中部材312および外部材313が上方位置に配置された状態である。この状態では、スピンチャック2に保持されている基板9から飛散した処理液は、内部材311の案内壁311dと外壁部311cとの間の空間に集められて、第1の回収タンクに回収される。第3の状態は、内部材311および中部材312が下方位置に配置されるとともに、外部材313が上方位置に配置された状態である。この状態では、スピンチャック2に保持されている基板9から飛散した処理液は、中部材312の外周壁部312bと外壁部312dとの間の空間に集められて、第2の回収タンクに回収される。
<表面保護部4>
表面保護部4は、スピンベース21上に保持された基板9の表面91の中央付近に対して、ガス(カバーガス)を供給して、デバイス領域90を、表面周縁部911等に供給された処理液の雰囲気等から保護する。
表面保護部4は、スピンベース21上に保持される基板9の表面91の中央付近に向けて、ガスを吐出するカバーガスノズル41を備える。カバーガスノズル41は、水平に延在するアーム42の先端部に取り付けられている。また、アーム42の基端部は、ノズル基台43に連結されている。ノズル基台43は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢で配置されており、アーム42の基端部はノズル基台43の上端に連結されている。
ノズル基台43には、カバーガスノズル41を駆動する駆動部44が配設されている。駆動部44は、例えば、ノズル基台43をその軸線まわりに回転させる回転駆動部(例えば、サーボモータ)と、ノズル基台43をその軸線に沿って伸縮させる昇降駆動部(例えば、ステッピングモータ)と、を含んで構成される。駆動部44がノズル基台43を回動させると、カバーガスノズル41が、水平面内の円弧軌道に沿って移動し、駆動部44がノズル基台43を伸縮させると、カバーガスノズル41が、基板9と近接離間する方向に移動する。
カバーガスノズル41は、駆動部44の駆動を受けて、処理位置と待避位置との間で移動される。ここで、カバーガスノズル41の処理位置は、スピンベース21上に保持される基板9の上方の位置であって、表面91の中央付近と対向しつつ、表面91と非接触状態で近接した位置である。一方、カバーガスノズル41の待避位置は、基板9の搬送経路と干渉しない位置であり、例えば、上方から見て、カップ31の上端縁部301よりも外側の位置である。また、駆動部44は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、カバーガスノズル41の位置は、制御部130によって制御される。
カバーガスノズル41には、これにガス(ここでは、例えば、窒素(N)ガス)を供給する配管系であるカバーガス供給部45が接続されている。カバーガス供給部45は、具体的には、例えば、窒素ガスを供給する供給源である窒素ガス供給源451が、開閉弁453が介挿された配管452を介して、カバーガスノズル41に接続された構成を備えている。この構成において、開閉弁453が開放されると、窒素ガス供給源451から供給される窒素ガスが、カバーガスノズル41から吐出される。なお、カバーガスノズル41に供給されるガスは、窒素ガス以外の気体(例えば、窒素ガス以外の各種の不活性ガス、乾燥空気、等)であってもよい。
カバーガスノズル41が処理位置に配置されている状態において、カバーガス供給部45からカバーガスノズル41にガスが供給されると、カバーガスノズル41から、スピンベース21上に保持される基板9の表面91の中央付近に向けて、ガス(カバーガス)が吐出される。ただし、カバーガス供給部45の開閉弁453は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で開閉される。つまり、カバーガスノズル41からのガスの吐出態様(具体的には、吐出開始タイミング、吐出終了タイミング、吐出流量、等)は、制御部130によって制御される。
<周縁処理部5>
周縁処理部5は、スピンベース21上に保持された基板9の表面周縁部911に対する処理を行う。
周縁処理部5は、スピンベース21上に保持される基板9の表面周縁部911に向けて、流体(ここでは、処理液、および、ガス)を吐出する周縁部用吐出ヘッド51を備える。周縁部用吐出ヘッド51は、水平に延在するアーム52の先端部に取り付けられている。また、アーム52の基端部は、ノズル基台53に連結されている。ノズル基台53は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢で配置されており、アーム52の基端部はノズル基台53の上端に連結されている。
ノズル基台53には、周縁部用吐出ヘッド51を駆動する駆動部54が配設されている。駆動部54は、例えば、ノズル基台53をその軸線まわりに回転させる回転駆動部(例えば、サーボモータ)と、ノズル基台53をその軸線に沿って伸縮させる昇降駆動部(例えば、ステッピングモータ)と、を含んで構成される。駆動部54がノズル基台53を回動させると、周縁部用吐出ヘッド51が、水平面内の円弧軌道に沿って移動し、駆動部54がノズル基台53を伸縮させると、周縁部用吐出ヘッド51が、基板9と近接離間する方向に移動する。
周縁部用吐出ヘッド51は、駆動部54の駆動を受けて、処理位置と待避位置との間で移動される。ここで、周縁部用吐出ヘッド51の処理位置は、スピンベース21上に保持される基板9の上方であって、表面周縁部911と対向しつつ、表面周縁部911と非接触状態で近接した位置である(図4に示される位置)。ただし、周縁部用吐出ヘッド51が処理位置に配置された状態において、周縁部用吐出ヘッド51の少なくとも一部分が、後述するガード部材60の内周壁に形成された切り欠き605内に収容された状態となる。一方、周縁部用吐出ヘッド51の待避位置は、基板9の搬送経路と干渉しない位置であり、例えば、上方から見て、カップ31の上端縁部301よりも外側の位置である(図3に示される位置)。また、駆動部54は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、周縁部用吐出ヘッド51の位置は、制御部130によって制御される。
周縁部用吐出ヘッド51には、これに流体(具体的には、処理液およびガス)を供給する配管系である流体供給部55が接続されている。流体供給部55は、具体的には、例えば、酸系薬液供給源551a、アルカリ系薬液供給源551b、リンス液供給源551c、窒素ガス供給源551d、複数の配管552a,552b,552c,552d、および、複数の開閉弁553a,553b,553c,553dを、組み合わせて構成されている。
酸系薬液供給源551aは、酸性の薬液を供給する供給源である。ここでは、酸系薬液供給源551aは、例えば、希釈したフッ化水素酸(希フッ酸)(以下、「DHF」と示す)と、塩酸過酸化水素水(すなわち、塩酸(HCl)と過酸化水素(H)と純水(DIW:脱イオン水)とが、定められた比率で混合された薬液であり、以下、「SC−2」と示す)とを、選択的に供給できる。酸系薬液供給源551aは、開閉弁553aが介挿された配管552aを介して、周縁部用吐出ヘッド51(より具体的には、周縁部用吐出ヘッド51が備える第1薬液ノズル50a)に接続されている。したがって、開閉弁553aが開放されると、酸系薬液供給源551aから供給される酸性の薬液(DHF、あるいは、SC−2)が、第1薬液ノズル50aから吐出される。もっとも、酸系薬液供給源551aは、必ずしもDHFおよびSC−2を選択的に供給するものに限らない。例えば、酸系薬液供給源551aは、DHF、SC−2、BDHF(バッファードフッ酸)、HF(フッ酸)、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、およびこれらの混合溶液、等のうちの少なくとも1つを供給するものであってもよい。
アルカリ系薬液供給源551bは、アルカリ性の薬液を供給する供給源である。ここでは、アルカリ系薬液供給源551bは、例えば、アンモニア過酸化水素水(すなわち、水酸化アンモニウム(NHOH)と過酸化水素(H)と純水とが、定められた比率で混合された薬液であり、以下、「SC−1」と示す)を供給できる。アルカリ系薬液供給源551bは、開閉弁553bが介挿された配管552bを介して、周縁部用吐出ヘッド51(より具体的には、周縁部用吐出ヘッド51が備える第2薬液ノズル50b)に接続されている。したがって、開閉弁553bが開放されると、アルカリ系薬液供給源551bから供給されるアルカリ性の薬液(SC−1)が、第2薬液ノズル50bから吐出される。なお、アルカリ系薬液供給源551bから供給されるSC−1は、例えば、60℃〜80℃に温調されていることも好ましい。もっとも、アルカリ系薬液供給源551bは、SC−1以外の薬液(例えば、アンモニアの水溶液等)を供給するものであってもよい。
リンス液供給源551cは、リンス液を供給する供給源である。ここでは、リンス液供給源551cは、例えば、二酸化炭素(CO)が溶融した純水(炭酸水)を、リンス液として供給する。リンス液供給源551cは、開閉弁553cが介挿された配管552cを介して、周縁部用吐出ヘッド51(より具体的には、周縁部用吐出ヘッド51が備えるリンス液ノズル50c)に接続されている。したがって、開閉弁553cが開放されると、リンス液供給源551cから供給されるリンス液が、リンス液ノズル50cから吐出される。なお、リンス液として、純水、温水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)、各種の有機溶剤(イオン水、IPA(イソプロピルアルコール)、機能水、等が用いられてもよい。
窒素ガス供給源551dは、ガス(ここでは、例えば、窒素(N)ガス)を供給する供給源である。窒素ガス供給源551dは、開閉弁553dが介挿された配管552dを介して、周縁部用吐出ヘッド51(より具体的には、周縁部用吐出ヘッド51が備えるガスノズル50d)に接続されている。したがって、開閉弁553dが開放されると、窒素ガス供給源551dから供給される窒素ガスが、ガスノズル50dから吐出される。もっとも、窒素ガス供給源551dは、窒素ガス以外のガス(例えば、窒素ガス以外の各種の不活性ガス、乾燥空気、等)を供給するものであってもよい。
周縁部用吐出ヘッド51が処理位置に配置されている状態において、流体供給部55から周縁部用吐出ヘッド51に処理液(酸性の薬液(DHF、あるいは、SC−2)、アルカリ性の薬液(SC−1)、あるいは、リンス液)が供給されると、周縁部用吐出ヘッド51から、スピンベース21上に保持された基板9の表面周縁部911に向けて、当該処理液が吐出される。また、周縁部用吐出ヘッド51が処理位置に配置されている状態において、流体供給部55から周縁部用吐出ヘッド51にガスが供給されると、周縁部用吐出ヘッド51から、スピンベース21上に保持された基板9の表面周縁部911に向けて、ガスが吐出される。また、流体供給部55が備える開閉弁553a,553b,553c,553dの各々は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で開閉される。つまり、周縁部用吐出ヘッド51からの流体の吐出態様(具体的には、吐出される流体の種類、吐出開始タイミング、吐出終了タイミング、吐出流量、等)は、制御部130によって制御される。
<液跳ね抑制部6>
基板処理装置1においては、スピンベース21上に保持された基板9の表面周縁部911に向けて、周縁部用吐出ヘッド51から処理液が吐出されるときに、表面周縁部911に供給された処理液の一部が基板9から飛散し、当該飛散した処理液の一部が、外部に配置された部材で跳ね返されるなどして、基板9に再付着する虞がある。液跳ね抑制部6は、基板9から飛散した処理液が、基板9に再付着することを抑制するための部材である。
液跳ね抑制部6は、基板9の表面周縁部911の全周に沿うリング状の部材であるガード部材60を備える。ガード部材60は、スピンベース21上に保持された基板9に対する処理が行われる間、上から見て、当該基板9と同心に配置され、当該基板9の表面周縁部911と非接触状態で近接した位置(処理位置)に配置される。ガード部材60における周方向と直交する断面は、矩形であることが好ましく、特に、正方形であることが好ましい。
ガード部材60の内径は、基板9の外径よりも僅かに小さい寸法とされる。したがって、処理位置に配置されているガード部材60を上方から見ると、ガード部材60の内周壁は、基板9の端面93よりも内側(基板9の中心側)にあり、ガード部材60の下面の少なくとも内周部分は、スピンベース21上に保持される基板9の表面周縁部911と対向して配置される。また、ガード部材60の外径は、基板9の外径よりも大きく、かつ、カップ31の上端縁部301の内径よりも僅かに小さい寸法とされる。したがって、処理位置に配置されているガード部材60を上方から見ると、ガード部材60の外周壁は、基板9の端面93よりも外側にあり、かつ、カップ31の上端縁部301と非接触の状態で近接しつつ、上端縁部301の全周に沿って延在する。つまり、処理位置に配置されたカップ31は、スピンベース21上の基板9と、ガード部材60とを一括して取り囲む恰好となる。
上述した周縁部用吐出ヘッド51は、これが処理位置に配置された状態において、ガード部材60の内周壁の側(すなわち、ガード部材60を挟んで、カップ31に対して反対側)に配置される。つまり、この状態において、周縁部用吐出ヘッド51が備えるノズル50は、ガード部材60を挟んでカップ31に対して反対側に配置される。ただし、ガード部材60の内周壁には、周縁部用吐出ヘッド51の少なくとも一部分を収容する切り欠き605が形成されており、周縁部用吐出ヘッド51が処理位置に配置された状態において、周縁部用吐出ヘッド51の少なくとも一部分(具体的には、例えば、周縁部用吐出ヘッド51が備えるノズル50a,50b,50c,50dの少なくとも一部分)が、この切り欠き605に収容された状態となる。これによって、周縁部用吐出ヘッド51が、ガード部材60と干渉することなく、表面周縁部911の上方の処理位置に配置される。
カップ31は、スピンベース21の上面よりも下方の待避位置まで移動できるように、その上端縁部301の内径が、スピンベース21の外径よりも大きな寸法とされている。スピンベース21の外径は基板9の外径よりも大きな寸法とされているため、上から見ると、スピンベース21上に保持された基板9の端面93と、カップ31の上端縁部301との間に、リング状の隙間空間が存在する。したがって、基板9の表面周縁部911と対向する処理位置に配置された周縁部用吐出ヘッド51と、カップ31の上端縁部301との間にも、隙間空間が存在することになる。この隙間空間は、基板9から飛散した処理液のミスト等が浮遊し得る空間であるところ、ここでは、この隙間空間の少なくとも一部分が、ガード部材60の一部分によって埋められる。この構成によると、基板9から飛散した処理液のミスト等が浮遊し得る空間が、ガード部材60によって埋められる空間分だけ小さくなり、当該空間が小さくなった分だけ、基板9の付近における処理液の浮遊量が少なくなる。その結果、処理液のミスト等が基板9に再付着する可能性が低減する。すなわち、基板9から飛散した処理液の一部が、基板9に再付着することを抑制できる。特に、ここでは、ガード部材60の下面の少なくとも一部分が、表面周縁部911と対向配置されるので、基板9から飛散した処理液が、ガード部材60の下面に沿って、カップ31内へと導かれる。これによって、当該飛散した処理液が、基板9に再付着することを十分に抑制できる。また、ここでは、ガード部材60が、基板9の表面周縁部911の全周に沿うリング状の部材であるので、基板9から飛散した処理液が基板9に再付着することを、基板9の周方向の全体に亘って抑制できる。
なお、ガード部材60は、互いに別体に構成されている複数の弧状部材(ここでは、一対の半円弧部材61,62)が、その周方向の端面同士が互いに当接し合う状態とされることによって、形成されている。すなわち、一対の半円弧部材61,62の各々は、互いに等しい径の半円弧状の部材であり、弦方向を内側に向けるとともに、周方向の端面を互いに対向させて配置されている。そして、一対の半円弧部材61,62の各々には、各半円弧部材61,62を駆動する半円弧部材駆動部63が配設されている。半円弧部材駆動部63は、これが接続されている半円弧部材61,62を、鉛直軸に沿って昇降移動させる昇降駆動部(例えば、ステッピングモータ)631と、当該半円弧部材61,62を、水平面内において他方の半円弧部材と近接離間する方向に進退移動させる進退駆動部632と、を含んで構成される。
各半円弧部材61,62は、スピンベース21上に基板9が保持されていない間は、他方の半円弧部材から離間して、基板9の搬出入経路の外側の位置(待避位置)に配置される。各半円弧部材61,62の待避位置は、例えば、スピンベース21の上面よりも下側の位置(すなわち、各半円弧部材61,62の上面が、スピンベース21の上面よりも下側にくる位置)であり、かつ、上方から見てカップ31の上端縁部301よりも外側の位置である(図3に示される位置)。
スピンベース21上に基板9が保持されると、昇降駆動部631が、待避位置に配置されている各半円弧部材61,62を、スピンベース21の上面よりも僅かに上方の位置まで上昇させ、続いて、進退駆動部632が、各半円弧部材61,62を、水平面内において他方の半円弧部材に近づける方向に移動させて、各半円弧部材61,62の周方向の端面同士が互いに当接し合う状態とする。これによって、リング状の部材であるガード部材60が、処理位置に配置された状態となる(図4に示される状態)。
<加熱処理部7>
加熱処理部7は、保持部25によってスピンベース21上に保持された基板9の下面に対して、スチーム(水蒸気)、特に好ましくは、過熱スチーム(過熱水蒸気)を供給して、基板9を加熱する。ただし、この実施の形態では、基板9は、表面91を上に向けてスピンベース21上に保持されるので、スピンベース21上に保持された基板9の下面は、裏面92となる。つまり、加熱処理部7は、基板9の裏面92に、スチームを供給する。
加熱処理部7は、スピンベース21上に保持される基板9の裏面92に向けて、スチームを吐出するスチームノズル71を備える。スチームノズル71は、スピンベース21上に配置される。スチームノズル71の上面側には、複数個のスチーム吐出口(図示省略)が形成されている。当該複数個のスチーム吐出口のうちの少なくとも1個のスチーム吐出口は、スピンベース21上に保持される基板9の裏面周縁部921に対して選択的にスチームを供給する位置に形成されている。より好ましくは、裏面周縁部921と対向する位置に形成されている。また、このスチーム吐出口からは、他のスチーム吐出口よりも多量のスチームを吐出できるようになっている。この構成によって、スチームノズル71は、基板9の裏面92のうち、特に裏面周縁部921に向けて、重点的に、スチームを吐出できるようになっている。
スチームノズル71には、これにスチームを供給する配管系であるスチーム供給部72が接続されている。スチーム供給部72は、具体的には、例えば、スチームを供給する供給源であるスチーム供給源721が、開閉弁723が介挿された配管722を介して、スチームノズル71に接続された構成を備えている。この構成において、開閉弁723が開放されると、スチーム供給源721から供給されるスチームが、スチームノズル71から吐出される。
なお、スチームノズル71から吐出されるスチームは、十分高温(例えば、100℃以上かつ130℃以下)に加熱(過熱)された過熱スチーム(過熱水蒸気)であることが好ましい。このためには、例えば、スチーム供給源721を、純水などが加熱されることにより生成されたスチーム(水蒸気)を供給する供給源と、これと接続された配管と、当該配管の経路途中に介挿されたヒータと、を含んで構成すればよい(いずれも図示省略)。この場合、供給源から供給されるスチームは配管等を通過する際の温度低下を考慮して、ヒータは、供給源から供給されるスチームを、例えば、140℃〜160℃程度に加熱(過熱)することが好ましい。もっとも、基板9に供給されたスチーム(過熱スチーム)の一部が、基板9に熱を奪われて冷却され、基板9上で凝縮して水滴となったとしても、当該水滴は、基板9の回転に伴う遠心力によって、基板9の端面93から基板9の外に振り払われることになる。したがって、デバイス領域90に水滴が付着することはない。
スチーム供給部72からスチームノズル71にスチームが供給されると、スチームノズル71から、スピンベース21上に保持される基板9の裏面92に向けて、スチームが吐出され、これによって基板9が加熱されることになる。上述したとおり、この実施の形態に係るスチームノズル71は、裏面周縁部921に向けて重点的にスチームを吐出できるので、裏面周縁部921を特に重点的に加熱することができる。ただし、スチーム供給部72の開閉弁723は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で開閉される。つまり、スチームノズル71からのスチームの吐出態様(具体的には、吐出開始タイミング、吐出終了タイミング、吐出流量、等)は、制御部130によって制御される。
<下面処理部8>
下面処理部8は、保持部25によってスピンベース21上に保持された基板9の下面に向けて処理液を吐出して、当該下面に対する処理を行う。ただし、上述したとおり、この実施の形態では、基板9は、表面91を上に向けてスピンベース21上に保持されるので、スピンベース21上に保持された基板9の下面は、裏面92となる。つまり、下面処理部8は、基板9の裏面92に向けて処理液を吐出して、当該裏面92に対する処理を行う。
下面処理部8は、スピンチャック2の回転軸部22の中空部に貫通して配置された供給管81を備える。供給管81の先端は、スピンベース21の上面に開口しており、この開口が、下面側吐出口82を形成する。
供給管81には、これに処理液を供給する配管系である処理液供給部83が接続されている。処理液供給部83は、具体的には、SC−1供給源831a、DHF供給源831b、SC−2供給源831c、リンス液供給源831d、複数の配管832a,832b,832c,832d、および、複数の開閉弁833a,833b,833c,833dを、組み合わせて構成されている。
SC−1供給源831aは、SC−1を供給する供給源である。SC−1供給源831aは、開閉弁833aが介挿された配管832aを介して、供給管81に接続されている。したがって、開閉弁833aが開放されると、SC−1供給源831aから供給されるSC−1が、下面側吐出口82から吐出される。
DHF供給源831bは、DHFを供給する供給源である。DHF供給源831bは、開閉弁833bが介挿された配管832bを介して、供給管81に接続されている。したがって、開閉弁833bが開放されると、DHF供給源831bから供給されるDHFが、下面側吐出口82から吐出される。
SC−2供給源831cは、SC−2を供給する供給源である。SC−2供給源831cは、開閉弁833cが介挿された配管832cを介して、供給管81に接続されている。したがって、開閉弁833cが開放されると、SC−2供給源831cから供給されるSC−2が、下面側吐出口82から吐出される。
リンス液供給源831dは、リンス液を供給する供給源である。ここでは、リンス液供給源831dは、例えば、二酸化炭素(CO)が溶融した純水(炭酸水)を、リンス液として供給する。リンス液供給源831dは、開閉弁833dが介挿された配管832dを介して、供給管81に接続されている。したがって、開閉弁833dが開放されると、リンス液供給源831dから供給されるリンス液が、下面側吐出口82から吐出される。なお、リンス液として、純水、温水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)、各種の有機溶剤(イオン水、IPA(イソプロピルアルコール)、機能水、などが用いられてもよい。
処理液供給部83から供給管81に処理液(SC−1、DHF、SC−2、あるいは、リンス液)が供給されると、下面側吐出口82から、スピンベース21上に保持された基板9の裏面92の中央付近に向けて、当該処理液が吐出されることになる。ただし、処理液供給部83が備える開閉弁833a,833b,833c,833dの各々は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で開閉される。つまり、下面側吐出口82からの処理液の吐出態様(具体的には、吐出される処理液の種類、吐出開始タイミング、吐出終了タイミング、吐出流量、等)は、制御部130によって制御される。
<4.保持部25>
<4−1.全体構成>
保持部25の全体構成について、図6等を参照しながら説明する。図6は、スピンベース21を斜め上から見た斜視図である。
保持部25は、スピンベース21の上面の周縁部付近に、適当な間隔をおいて(例えば、等間隔で)、配列された複数個(例えば6個)の第1当接部材210を備える。複数の第1当接部材210は、上から見て、基板9の周縁にほぼ沿うような円周上に配列される。
また、保持部25は、スピンベース21の上面の周縁部付近に、適当な間隔をおいて(例えば、等間隔で)、配列された複数個(例えば6個)の第2当接部材220を備える。複数の第2当接部材220も、上から見て、基板9の周縁にほぼ沿うような円周上に配列される。ただし、第2当接部材220と第1当接部材210とは、スピンベース21の周方向に沿って、間隔をあけて交互に設けられている。例えば、スピンベース21の回転軸Aから見て、各第2当接部材220は、その両側に配置されている第1当接部材210のほぼ真ん中の位置に配置される。
保持部25は、さらに、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態と、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態とを切り換える切換部230を備える。
以下において、保持部25が備える各要素210,220,230について具体的に説明する。
<4−2.第1当接部材210>
第1当接部材210について、図6に加え、図7を参照しながら説明する。図7は、第1当接部材210を側方から見た図である。
複数の第1当接部材210の各々は、同じ構成を備える。すなわち、各第1当接部材210は、スピンベース21の上面に立設された基体部分211と、その上側に連なる先端部分212と、を備える。基体部分211は、その下端がスピンベース21に対して固定されて、鉛直方向に延在する例えば円柱形状の部分である。一方、先端部分212は、円錐体の上部を底面と平行に切り落とした形状の部分である。先端部分212の上端面2121は、水平面となっており、先端部分212の側面2120は、水平面に対して傾斜した面(以下「傾斜側面」ともいう)となっている。先端部分212の傾斜側面2120は、これが水平面となす角度θが、45°以上となっていることが好ましい。
第1当接部材210の表面は、疎水性となっていることが好ましい。このためには、例えば、第1当接部材210自体が、疎水性の樹脂(例えば、PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)で形成されてもよいし、第1当接部材210の表面に、これが疎水性となるような表面加工が施されてもよい。
各第1当接部材210は、基板9の斜め下から当該基板9に当接する。具体的には、各第1当接部材210は、その傾斜側面2120において、基板9の下側エッジ部(すなわち、基板9の下面(図示の例では、裏面92)と端面93とを連ねる非平坦な面領域部分)と当接する。つまり、第1当接部材210は、基板9の側方から基板9に当接することはなく、基板9の斜め下のみから基板9に当接する。また、各第1当接部材210が基板9に当接した状態において、当該基板9の上面(図示の例では、表面91)は、第1当接部材210の上端面2121よりも、高い位置にある。
複数の第1当接部材210の全てが、基板9の斜め下から当該基板9に当接することによって、当該基板9が、水平面内で位置決めされるとともに、スピンベース21の上面から離間した位置で(すなわち、スピンベース21の上面から定められた間隔h1を隔てて)、略水平姿勢で保持された状態となる(図6、図9、図10に示される状態)。ただし、複数の第1当接部材210に保持される基板9の上面は、各第1当接部材210の上端(具体的には、上端面2121)よりも高い位置にある。なお、この間隔h1は、搬送ロボットCRのハンド121の厚みよりも大きな寸法とされる。複数の第1当接部材210が基板9を保持する状態を、以下「第1保持状態」ともいう。
上述したとおり、第1保持状態においては、基板9の上面が、各第1当接部材210の上端面2121よりも、高い位置にある。この構成によると、後述する裏面処理において、基板9の下面に供給された処理液が、第1当接部材210を伝って基板9の上面に回り込みにくい。
また、第1保持状態においては、各第1当接部材210が、傾斜側面2120において、基板9と当接する。この構成によると、基板9の下面と傾斜側面2120との隙間空間に寄せられた液が、傾斜側面2120を伝って下方に落下しやすい。すなわち、当該隙間空間に液溜まりが形成されにくい。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板9の上面に回り込む、といった事態の発生を抑制できる。さらに、基板9の下面に供給された処理液が、傾斜側面2120を伝って下方に落ちるという処理液の流れ(すなわち、基板9の下面に供給された処理液を下方に導く処理液の流れ)が形成されることになるので、基板9の下面に供給された処理液を、上面に回り込ませることなく、基板9から速やかに除去することができる。
特に、傾斜側面2120と水平面とがなす角度θが45°以上となっていれば、基板9の下面と傾斜側面2120との隙間空間に寄せられた液が、速やかに、傾斜側面2120を伝って下方に落下する。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板9の上面に回り込む、といった事態の発生を十分に抑制できるとともに、基板9の下面に供給された処理液を、上面に回り込ませることなく、基板9から特に速やかに除去することができる。また、傾斜側面2120と水平面とがなす角度θが45°以上となっていれば、基板9と傾斜側面2120との間の接触面積が小さくなるので、毛細管現象により基板9の上面に処理液が回り込むことも、抑制される。
特に、第1当接部材210の表面が疎水性となっていれば、第1当接部材210に処理液が付着しづらく、基板9の下面と第1当接部材210(具体的には、例えば、傾斜側面2120)との隙間空間に液溜まりが形成されにくい。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板9の上面に回り込む、といった事態の発生を抑制できる。
<4−3.第2当接部材220>
第2当接部材220について、図6に加え、図8を参照しながら説明する。図8は、第2当接部材220を側方から見た図である。
複数の第2当接部材220の各々は、同じ構成を備える。すなわち、各第2当接部材220は、スピンベース21上に配設された基台231(後述する)の上面に立設された基体部分221と、その上側に連なる下方当接部分222と、その上側に連なる側方当接部分223と、を備える。基体部分221は、その下端が基台231に対して固定された柱状の部分である。また、下方当接部分222は、上方から見て例えば長円形状の部分であり、その長尺方向は、スピンベース21の回転軸Aに向かう方向とほぼ一致している(図9参照)。下方当接部分222の上面は、上方にいくにつれて回転軸Aから離れる方向に傾斜した面(傾斜面)2220となっている。また、側方当接部分223は、上方から見て下方当接部分222における回転軸Aから遠い側の端部付近において、傾斜面2220の上端縁と連なって、鉛直方向に延在する例えば円柱形状の部分である。つまり、第2当接部材220は、水平面に対して傾斜した傾斜面2220と、その上端に連なって鉛直に延在する鉛直側面2230とを備える。
各第2当接部材220は、基板9の側方および基板9の斜め下から当該基板9に当接する。具体的には、各第2当接部材220は、その傾斜面2220において、基板9の下側エッジ部と当接し、その鉛直側面2230において、基板9の端面93と当接する。各第2当接部材220が基板9に当接した状態において、当該基板9の上面(図示の例では、表面91)は、第2当接部材220の上端よりも、低い位置にある。
複数の第2当接部材220の全てが、基板9の側方および斜め下から当該基板9に当接することによって、当該基板9が、水平面内で位置決めされるとともに、スピンベース21の上面から離間した位置で(すなわち、スピンベース21の上面から定められた間隔h2を隔てて)、略水平姿勢で保持された状態となる(図11、図12に示される状態)。ただし、後に明らかになるように、この間隔h2は、複数の第1当接部材210に保持されている基板9とスピンベース21との間隔h1よりも大きい。複数の第2当接部材220が基板9を保持する状態を、以下「第2保持状態」ともいう。
上述したとおり、第2保持状態においては、基板9の端面93に複数の第2当接部材220各々の鉛直側面2230が当接している。つまり、複数の第2当接部材220が、基板9を端面93側から挟み込んで把持している。この構成によると、例えば、基板9が比較的高速で回転されたとしても、当該基板9が水平面内において位置ずれを起こしにくい。
<4−4.切換部230>
<i.構成>
切換部230は、上述したとおり、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態と、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態とを切り換える。切換部230の構成について、引き続き図6、図8を参照しながら説明する。
切換部230は、複数の第2当接部材220の各々を支持する基台231と、複数の基台231の各々をスピンベース21の上方に軸支する回動軸部232と、複数の回動軸部232を一斉に回動させる駆動部233と、駆動部233を制御する切換制御部234と、を備える。切換制御部234は、例えば、制御部130において実現される。
回動軸部232は、スピンベース21の上板を上下に貫通して設けられており、その上端(すなわち、スピンベース21の上面の上側)において、基台231を軸支し、その下端(すなわち、スピンベース21の上板の下側)において、駆動部233と連結されている。ただし、回動軸部232は、上方から見て、第2当接部材220から偏心した位置において、基台231と連結されている。この構成において、駆動部233が、切換制御部234の制御下で回動軸部232を回動させると、基台231が回動軸部232を中心に回動し、第2当接部材220が、スピンベース21の回転軸Aと近接離間する方向(すなわち、スピンベース21上の基板9の端面93と近接離間する方向)に、移動する。ただし、このときに第2当接部材220が移動される方向は、傾斜面2220の長尺方向(すなわち、傾斜面2220の上端縁と下端縁とを結ぶ方向)と、ほぼ一致している。
<ii.切り換えの態様>
切換部230は、複数の第2当接部材220の各々を、スピンベース21上の基板9の周縁と近接離間する方向に移動させることによって、第1保持状態と第2保持状態と間の切り換えを行う。この切り換えの態様について、図9〜図12を参照しながら説明する。図9は、第1保持状態を示す平面図である。図10は、図9を矢印K1方向から見た側断面である。図11は、第2保持状態を示す平面図である。図12は、図11を矢印K1方向から見た側断面である。
a.第1保持状態から第2保持状態への切り換え
複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態(図9、図10に示される状態)において、切換制御部234が、駆動部233を制御して、複数の回動軸部232を、第2当接部材220が基板9の端面93に近づく方向(第1方向AR1)に、一斉に回動させると、各第1当接部材210が基板9から離間するとともに、各第2当接部材220が基板9に当接して、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態となる(図11、図12に示される状態)。すなわち、第1保持状態から第2保持状態に切り替わる。
第1保持状態から第2保持状態への切り換え態様について、具体的に説明する。基板9が複数の第1当接部材210に保持されている状態(図9、図10に示される状態)から、複数の回動軸部232が第1方向AR1に一斉に回動されると、各第2当接部材220が、基板9に近づいていき、各第2当接部材220が、その傾斜面2220の下端縁付近において、基板9の下側エッジ部に、斜め下から当接した状態となる。そして、回動が進むにつれて、各傾斜面2220における基板9との当接位置が、傾斜面2220の上端縁側に移動していき、これとともに、基板9が水平姿勢のまま上方に持ち上げられていく。これによって、基板9が各第1当接部材210から離間する。各傾斜面2220における基板9との当接位置が、傾斜面2220の上端縁に到達して、基板9の端面93が、各第2当接部材220の鉛直側面2230に突き当たった状態となると、複数の回動軸部232の回動が停止される。これによって、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態となる(図11、図12に示される状態)。
上記の説明からも明らかなとおり、第2保持状態においては、複数の第1当接部材210が基板9から離間している。この構成によると、当該基板9の下面に供給された処理液が、第1当接部材210を伝って基板9の上面に回り込みにくい。
なお、第1当接部材210の高さ寸法(すなわち、スピンベース21の上面と第1当接部材210の上端面2121との離間距離)が、複数の第2当接部材220に保持されている基板9とスピンベース21との間隔h2よりも小さいことも好ましい。この構成によると、複数の第2当接部材220に保持されている基板9と、各第1当接部材210とが十分に離間されるので、基板9の下面に供給された処理液が第1当接部材210を伝って基板9の上面に回り込むことを十分に抑制できる。
b.第2保持状態から第1保持状態への切り換え
複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態(図11、図12に示される状態)において、切換制御部234が、駆動部233を制御して、複数の回動軸部232を、第2当接部材220が基板9の端面93から遠ざかる方向(第2方向AR2)に、一斉に回動させると、各第2当接部材220が基板9から離間するとともに、各第1当接部材210が基板9に当接して、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態となる(図9、図10に示される状態)。すなわち、第2保持状態から第1保持状態に切り替わる。
第2保持状態から第1保持状態への切り換え態様について、具体的に説明する。基板9が複数の第2当接部材220に保持されている状態(図11、図12に示される状態)から、複数の回動軸部232が、第1方向AR1とは逆の第2方向AR2に一斉に回動されると、各第2当接部材220の鉛直側面2230が基板9の端面93から離間する。そして、回動が進むにつれて、各傾斜面2220における基板9との当接位置が、傾斜面2220の下端縁側に移動していき、これとともに、基板9が水平姿勢のまま下降されていく。基板9が、スピンベース21の上面から定められた間隔h1を隔てた水平位置に到達すると、基板9の下側エッジ部に、各第1当接部材210の傾斜側面2120が、斜め下から当接する。これによって、基板9が、複数の第2当接部材220から複数の第1当接部材210に受け渡される。さらに回動が進むと、各第2当接部材220の傾斜面2220が、基板9から完全に離間する。各第2当接部材220が、基板9から十分に離間すると、複数の回動軸部232の回動が停止される。これによって、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態となる(図9、図10に示される状態)。
上記の説明からも明らかなとおり、第1保持状態においては、複数の第2当接部材220が基板9から離間している。この構成によると、当該基板9の下面に供給された処理液が、第2当接部材220を伝って基板9の上面に回り込みにくい。なお、上述したとおり、第1保持状態においては、基板9の上面が第1当接部材210の上端よりも高い位置にあるので、当該基板9の下面に供給された処理液は、第1当接部材210を伝っても基板9の上面には容易に回り込めない。つまり、第1保持状態においては、基板9の上面への処理液の回り込みが十分に抑制される。
<iii.切り換えのタイミング>
上述したとおり、この実施の形態では、切換部230が、第2当接部材220を、スピンベース21上の基板9の周縁と近接離間する方向に移動させることによって、第1保持状態と第2保持状態と間の切り換えが行われる。切換部230(具体的には、切換制御部234)は、基板9の回転速度が定められた閾値Tより小さい場合に、複数の第1当接部材210に基板9を保持させ、基板9の回転速度が閾値T以上の場合に、複数の第2当接部材220に基板9を保持させる。
例えば、基板9に対する一連の処理が行われる中で、複数の第1当接部材210に保持されている基板9の回転速度が、閾値T以上の回転速度まで上昇される場合、切換部230は、第1保持状態から第2保持状態への切り換えを行う。
また例えば、基板9に対する一連の処理が行われる中で、複数の第2当接部材220に保持されている基板9の回転速度が、予め定められた閾値Tよりも小さい回転速度まで低下される場合、切換部230は、必要に応じて、第2保持状態から第1保持状態への切り換えを行う。
ただし、保持状態の切り換え(第1保持状態から第2保持状態への切り換え、および、第2保持状態から第1保持状態への切り換え)は、基板9が閾値Tより小さい低速の回転速度で回転されている間、あるいは、基板9が回転されていない間に行われることが好ましい。また、保持状態の切り換えは、基板9に付着している処理液の量が比較的少ない状態(例えば、基板9から処理液がほぼ完全に振り切られている状態)で行われることも好ましい。
このように、この実施の形態では、閾値Tより小さな回転速度で回転される基板9は、複数の第1当接部材210で保持され、閾値T以上の回転速度で回転される基板9は、複数の第2当接部材220で保持される。つまり、複数の第1当接部材210は、比較的低速で回転される基板9を保持するための保持部(低速用保持部)であり、複数の第2当接部材220は、比較的高速で回転される基板9を保持するための保持部(高速用保持部)である。
基板9の回転速度が小さいほど、基板9の下面に供給された処理液が遠心力で吹き飛ばされにくいために、当該処理液が基板9の上面に回り込みやすくなるところ、基板9が比較的低速で回転される際に、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態とされていることによって、当該基板9の下面に供給された処理液が基板9の上面に回り込むことが抑制される。なお、基板9の回転速度が小さければ、基板9が水平面内で位置ずれを起こす事態は生じにくい。したがって、基板9が比較的低速で回転されるのであれば、第1保持状態とされていても(すなわち、基板9が端面93側から挟み込まれて把持されていなくとも)、基板9を水平面内の所定の位置に保持し続けることができる。
一方、基板9の回転速度が大きいほど、基板9が水平面内で位置ずれを起こしやすいところ、基板9が比較的高速で回転される際に、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態とされていることによって、当該基板9が水平面内で位置ずれを起こすことが回避される。なお、基板9の回転速度が大きければ、基板9の下面に供給された処理液が遠心力で吹き飛ばされやすく、当該処理液が基板9の上面に回り込みにくい。したがって、基板9が比較的高速で回転されるのであれば、第2保持状態とされていても(すなわち、基板9の端面93に第2当接部材220が当接していても)、当該基板9の下面に供給された処理液が、第2当接部材220を伝って基板9の表面に回り込む可能性は低い。
なお、閾値Tの具体的な値は、例えば、オペレータが制御部130を介して任意に設定できる構成とすればよい。以下の説明では、当該閾値Tが、例えば、100rpmと設定されているとして、具体的な切り換えタイミングの一例を説明する。
<5.基板処理装置1の動作>
次に、基板処理装置1の動作について説明する。基板処理装置1においては、制御部130の制御下で、以下に説明する一連の処理が実行される。もっとも、以下に説明するのは、基板処理装置1にて実行可能な処理の一例に過ぎない。
基板処理装置1では、例えば、1枚の基板9に対して、前処理(ステップS1)、表面周縁処理(ステップS2)、処理面切り替え処理(ステップS3)、裏面処理(ステップS4)、および、乾燥処理(ステップS5)が、この順で行われる(図13)。以下に、各処理について具体的に説明する。
<5−1.前処理>
前処理(ステップS1)について、図14、図15を参照しながら説明する。図14は、前処理の流れを示す図である。図15は、前処理を説明するための図であり、前処理における各処理工程を実行している状態の基板処理装置1の一部要素が、模式的に示されている。
まず、半円弧部材61,62、カップ31、周縁部用吐出ヘッド51、および、カバーガスノズル41が、各々の待避位置に配置されている状態において、搬送ロボットCRが、基板9をスピンベース21上に移載し、保持部25が、当該基板9をスピンベース21上に保持する(ステップS101)。
ステップS101の処理は、具体的には、次のように行われる。まず、搬送ロボットCRが、基板9を、その表面91が上を向く姿勢で、スピンベース21上に移載する。ただし、このとき、複数の第2当接部材220は、基板9の周縁から離間した位置に配置されており、搬送ロボットCRからスピンベース21上に移載された基板9は、まずは、複数の第1当接部材210に保持される(ステップS1011)。
複数の第1当接部材210が基板9を保持すると、続いて、切換部230が、第1保持状態から第2保持状態への切り換えを行って、当該基板9を複数の第2当接部材220に保持させる(ステップS1012)。これによって、スピンベース21上の基板9の位置ずれや姿勢の傾斜が補正される。つまり、仮に、スピンベース21上に移載されて複数の第1当接部材210に保持された基板9が、水平面内において所期の位置からずれた位置に配置されていたり、水平姿勢から僅かに傾斜した姿勢となっていたりしたとしても、その基板9を、一旦、複数の第2当接部材220に保持させることによって、当該基板9が所期の位置に正確に位置合わせされた状態となるとともに、当該基板9の姿勢が水平姿勢とされる。
その後、切換部230は、必要に応じて、第2保持状態から第1保持状態への切り換えを行う。具体的には、基板9が回転開始されてからはじめに行われる処理での基板9の回転速度が閾値Tよりも小さい場合、切換部230は、この段階で、第2保持状態から第1保持状態への切り換えを行う。この実施の形態では、基板9が回転開始されてからはじめに行われる処理(ステップS106)での基板9の回転速度は、閾値T以上である。したがって、この実施の形態では、切換部230は、この段階で、第2保持状態から第1保持状態への切り換えは行わない。つまり、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態のままとされる。
基板9がスピンベース21上に保持されると、ガード部材60が処理位置まで移動される(ステップS102)。具体的には、半円弧部材駆動部63の昇降駆動部631が、待避位置に配置されている各半円弧部材61,62を、スピンベース21の上面よりも僅かに上方の位置まで上昇させ、続いて、半円弧部材駆動部63の進退駆動部632が、各半円弧部材61,62を、水平面内において他方の半円弧部材に近づける方向に移動させて、各半円弧部材61,62の周方向の端面同士が互いに当接し合う状態とする。これによって、リング状の部材であるガード部材60が、処理位置に配置された状態となる。なお、処理位置に配置されたガード部材60は、スピンベース21が回転開始されても、回転されることなく静止状態のままとされる。
ガード部材60が処理位置に配置されると、続いて、待避位置に配置されているカップ31が上昇されて、処理位置に配置される(ステップS103)。これによって、カップ31が、スピンベース21上に保持された基板9とガード部材60とを一括して取り囲むように配置された状態となる。
カップ31が処理位置に配置されると、続いて、カバーガスノズル41が、待避位置から処理位置に移動される。そして、処理位置に配置されたカバーガスノズル41から、基板9の表面91の中央付近に向けて、カバーガスが吐出開始される(ステップS104)。ここで開始された、基板9の表面91の中央付近へのカバーガスの供給は、当該基板9に対する処理が終了するまで続行される。基板9の表面91の中央付近にカバーガスが供給され続けることによって、当該基板9に対する処理が行われる間、デバイス領域90が、表面周縁部911等に供給された処理液の雰囲気等に曝されることがない。つまり、デバイス領域90が、表面周縁部に供給された処理液の雰囲気等から保護され続ける。
なお、ここでは、カップ31が処理位置に配置された後に、カバーガスノズル41からのカバーガスの吐出を開始している。仮に、カップ31が処理位置まで上昇されるのを待たずに、カバーガスノズル41からのカバーガスの吐出を開始してしまうと、基板9の表面周縁部911付近の気流が乱れて巻き上がりが生じて、基板9にパーティクル等が付着する虞があるところ、カップ31が処理位置に配置された後にカバーガスの吐出を開始する構成とすれば、このような事態の発生を回避できる。
続いて、スピンベース21の回転が開始され、これによって、スピンベース21上に保持されている基板9(ただし、上述したとおり、このとき、基板9は複数の第2当接部材220によって保持されている)が、水平姿勢で回転開始される(ステップS105)。このときのスピンベース21の回転数(すなわち、基板9の回転数)は、例えば、600rpmである。この回転数は、表面周縁処理が行われる間、表面周縁部911に供給された処理液がデバイス領域90に進入することがなく、また、端部93の側に移動することもないような回転数(つまり、処理を施すべき表面周縁部911内の領域に、処理液が安定的に保持されるような回転数)に、適宜設定される。
続いて、スチームノズル71から、回転される基板9の裏面92に向けて、スチームが吐出される(プレスチーム)(ステップS106)。スチームが吐出開始されてから、所定時間(例えば、5秒)が経過すると、スチームノズル71からのスチームの吐出が停止される。このプレスチームによって、基板9が加熱される。基板9に対する薬液処理に用いられる薬液の多くは、温度が上がるほど反応が促進される薬液であるところ、基板9が、予めこのプレスチームにより加熱されることによって、薬液処理における、薬液と基板9との反応が促進される。その結果、薬液処理の処理時間が短縮されるとともに、薬液の使用量が抑えられる。以上で、前処理が終了する。
<5−2.表面周縁処理>
前処理(ステップS1)が終了すると、続いて、表面周縁処理(ステップS2)が行われる。表面周縁処理について、図16、図17を参照しながら説明する。図16は、表面周縁処理の流れを示す図である。図17は、表面周縁処理を説明するための図であり、表面周縁処理における各処理工程を実行している状態の基板処理装置1の一部要素が、模式的に示されている。
ただし、この実施の形態では、以下に説明する表面周縁処理が行われる間、基板9は、閾値T以上の一定の回転速度(例えば、600rpm)で回転され続ける。したがって、この実施の形態では、切換部230は、表面周縁処理が開始されるタイミングで、第2保持状態から第1保持状態への切り換えは行わない。つまり、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態のまま、表面周縁処理が行われる。
また、上述したとおり、表面周縁処理が行われる間も、基板9の表面91の中央付近に向けて、カバーガスノズル41からカバーガスが供給され続けており、これによって、デバイス領域90が、表面周縁部911に供給される処理液の雰囲気等から保護されている。
<アルカリ処理(SC−1)>
<i.薬液処理>
まず、基板9の表面周縁部911に対して、SC−1による薬液処理が行われる(ステップS201)。具体的には、まず、周縁部用吐出ヘッド51が、待避位置から処理位置に移動される。そして、処理位置に配置された周縁部用吐出ヘッド51の第2薬液ノズル50bから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、SC−1が吐出される。このときのSC−1の吐出流量は、例えば、20(mL/min)以上かつ50(mL/min)以下である。SC−1が吐出開始されてから所定時間(例えば、20秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのSC−1の吐出が停止される。
この薬液処理によって、基板9の表面周縁部911に形成されている薄膜が除去される(エッチング処理)。ただし、この薬液処理が行われている間、スチームノズル71から、基板9の裏面92に向けて、スチームが吐出される。このときのスチームの吐出流量は、例えば、500(mL/min)以上かつ2000(mL/min)以下である。また、吐出されるスチームの温度は、例えば、110℃以上かつ130℃以下である。SC−1は、温度が上がるほど反応が促進される薬液であるところ、SC−1により薬液処理される基板9が、スチームの供給を受けて加熱されることによって、基板9の表面周縁部911とSC−1との反応が促進される(すなわち、エッチングレートが高まる)(所謂、ヒートアシスト)。その結果、SC−1による薬液処理の処理時間が短縮されるとともに、SC−1の使用量が抑えられる。特に、ここでは、基板9の裏面周縁部921が重点的に加熱されるので、表面周縁部911とSC−1との反応を効果的に促進させることができる。
<ii.リンス処理>
続いて、リンス処理が行われる(ステップS202)。具体的には、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51のリンス液ノズル50cから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、リンス液が吐出される。リンス液が吐出開始されてから所定時間(例えば、5秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのリンス液の吐出が停止される。このリンス処理によって、表面周縁部911に付着している処理液(ここでは、SC−1)が、すすぎ流される。
<iii.液振り切り処理>
続いて、液振り切り処理が行われる(ステップS203)。液振り切り処理は、表面周縁部911に残存している処理液(ここでは、ステップS202のリンス処理において基板9から振り切られずに、表面周縁部911に残存しているリンス液)を、基板9の端面93側に寄せて、端面93から基板9の外に振り切る処理である。端面93側に寄せられた処理液は、端面93およびその付近の非水平な面領域部分に保持された状態となるところ、非水平な面領域部分に保持された処理液は液切れを起こしにくいため、このような処理液は、まとまって、基板9の外に振り切られる。つまり、表面周縁部911に残存している処理液を、基板9の端面93側に寄せてから基板9の外に振り切ることによって、表面周縁部911に液残りをほとんど生じさせることなく、当該残存している処理液の大部分を基板9から除去することができる。
液振り切り処理は、具体的には、例えば、次のように行われる。まず、周縁部用吐出ヘッド51からの表面周縁部911に向けての流体(処理液およびガス)の吐出が停止された状態で、基板9が定められた時間だけ回転される(液寄せ工程)(ステップS2031)。これによって、表面周縁部911に残存している処理液が、基板9の回転に伴う遠心力を受けて、基板9の端面93に近づく方向に移動して、端面93およびその付近の非水平な面領域部分に保持された状態となる。続いて、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51のガスノズル50dから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、ガスが吐出される(吹き飛ばし工程)(ステップS2032)。このときのガスの吐出流量は、例えば、14(L/min)である。これによって、非水平な面領域部分に保持されている処理液が、ガスの風圧と基板9の回転に伴う遠心力とを受けて、まとまって、基板9の外に振り切られる。周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が開始されてから所定時間(例えば、15秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が停止される。
この液振り切り処理によって、表面周縁部911に残存している処理液(すなわち、ステップS202のリンス処理において基板9から振り切られずに表面周縁部911に残存しているリンス液)の大部分が、基板9から振り切られる。
<第1の酸処理(SC−2)>
<i.薬液処理>
次に、基板9の表面周縁部911に対して、SC−2による薬液処理が行われる(ステップS204)。具体的には、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51の第1薬液ノズル50aから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、SC−2が吐出される。SC−2が吐出開始されてから所定時間(例えば、20秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのSC−2の吐出が停止される。
この薬液処理によって、基板9の表面周縁部911に付着しているメタル成分(例えば、Mo、Co、等)等が除去される(洗浄処理)。ただし、ここでは、この薬液処理に先立って、液振り切り処理が行われている(ステップS203)。このため、SC−2は、リンス液がほとんど残存しない表面周縁部911に向けて、吐出されることになる。仮に、ステップS203の液振り切り処理が行われていないとすると、リンス液が残存している表面周縁部911に向けてSC−2が吐出されることになり、当該吐出されたSC−2が、残存しているリンス液と衝突して跳ねて、デバイス領域90に進入する虞がある。しかしながら、ここでは、液振り切り処理によって、表面周縁部911は、リンス液がほとんど残存しない状態となっているので、このような処理液の衝突に起因するデバイス領域90への処理液の進入が生じにくい。また、仮に、ステップS203の液振り切り処理が行われていないとすると、表面周縁部911上で、残存しているリンス液と、供給されたSC−2とが混じり合う虞があるが、液振り切り処理が行われている場合は、このような事態が生じにくい。その結果、所期の濃度のSC−2を表面周縁部911に適切に作用させることができる。また、アルカリ性の薬液であるSC−1をすすぎ流したリンス液と酸性の薬液であるSC−2との混触も回避できる。
<ii.液振り切り処理>
続いて、液振り切り処理が行われる(ステップS205)。液振り切り処理の具体的な流れは、ステップS203にて説明したとおりである。すなわち、まず、表面周縁部911に向けての流体の吐出が停止された状態で、基板9が定められた時間だけ回転され(液寄せ工程)、その後、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51のガスノズル50dから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、ガスが吐出される(吹き飛ばし工程)。周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が開始されてから所定時間(例えば、15秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が停止される。
この液振り切り処理によって、表面周縁部911に残存している処理液(すなわち、ステップS204の洗浄処理において基板9から振り切られずに、表面周縁部911に残存しているSC−2)の大部分が、基板9から振り切られる。ステップS204の洗浄処理において基板9から振り切られずに表面周縁部911に残存しているSC−2には、洗浄処理で基板9から除去されたメタル成分等の不純物が含まれているところ、洗浄処理の後に液振り切り処理が行われることによって、この不純物が、早い段階で、基板9から振り切られることになる。したがって、SC−2による薬液処理で基板9から除去された不純物が、基板9に再付着するリスクが低減される。
<iii.リンス処理>
続いて、リンス処理が行われる(ステップS206)。リンス処理の具体的な流れは、ステップS202の処理と同様である。すなわち、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51のリンス液ノズル50cから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、リンス液が吐出される。リンス液が吐出開始されてから所定時間(例えば、5秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのリンス液の吐出が停止される。
このリンス処理によって、表面周縁部911に付着している処理液(ここでは、SC−2)が、すすぎ流される。ただし、ここでは、このリンス処理に先立って、液振り切り処理が行われている(ステップS205)ため、表面周縁部911は、SC−2がほとんど残存しない状態となっている。したがって、このリンス処理の処理時間は、液振り切り処理が行われない場合よりも短くてすむ。また、このリンス処理においては、リンス液は、SC−2がほとんど残存しない表面周縁部911に向けて、吐出されることになるため、処理液の衝突に起因するデバイス領域90への処理液の進入が生じにくい。
<iv.液振り切り処理>
続いて、液振り切り処理が行われる(ステップS207)。液振り切り処理の具体的な流れは、ステップS203にて説明したとおりである。すなわち、まず、表面周縁部911に向けての流体の吐出が停止された状態で、基板9が定められた時間だけ回転され(液寄せ工程)、その後、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51のガスノズル50dから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、ガスが吐出される(吹き飛ばし工程)。周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が開始されてから所定時間(例えば、15秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が停止される。
この液振り切り処理によって、表面周縁部911に残存している処理液(すなわち、ステップS206のリンス処理において基板9から振り切られずに、表面周縁部911に残存しているリンス液)の大部分が、基板9から振り切られる。
<第2の酸処理(DHF)>
<i.薬液処理>
次に、基板9の表面周縁部911に対して、DHFによる薬液処理が行われる(ステップS208)。具体的には、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51の第1薬液ノズル50aから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、DHFが吐出される。このときのDHFの吐出流量は、例えば、20(mL/min)以上かつ50(mL/min)以下である。DHFが吐出開始されてから所定時間(例えば、10秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのDHFの吐出が停止される。
この薬液処理によって、基板9の表面周縁部911に形成されている薄膜が除去される(エッチング処理)。ただし、ここでは、この薬液処理に先立って、液振り切り処理が行われている(ステップS207)ため、DHFは、リンス液がほとんど残存しない表面周縁部911に向けて、吐出されることになる。したがって、処理液の衝突に起因するデバイス領域90への処理液の進入が生じにくい。また、表面周縁部911上で、DHFとリンス液とが混じり合うことがないので、所期の濃度のDHFを、表面周縁部911に適切に作用させることができる。
ただし、この薬液処理が行われている間は、周縁部用吐出ヘッド51のガスノズル50dから、表面周縁部911に向けて、ガスが吐出される。このときのガスの吐出流量は、例えば、14(L/min)である。つまり、表面周縁部911内の各位置において、古いDHF(すなわち、一周前に第1薬液ノズル50aから供給されて、基板9が一周回転される間に振り切られなかった古いDHF)が、ガスノズル50dから吐出されるガスで除去された後に、当該位置に第1薬液ノズル50aから新たなDHFが供給される。この構成によると、上述したとおり、基板9が一周回転される間に振り切られなかった古い処理液と新しく供給された処理液との衝突に起因するデバイス領域90への処理液の進入を抑制できる。また、この構成によると、常に新鮮なDHFを基板9に作用させて、処理効率を高めることができる。また、この構成によると、表面周縁部911内の各位置に一時的に多量のDHFが保持されるといった状況を回避することができる。その結果、エッチング幅を安定させて、エッチング幅の制御精度を高めることができる。また、DHFが供給されると、表面周縁部911は撥水性となるため、表面周縁部911に保持される古い処理液が部分的に厚くなる場合がある。この状態で新しい処理液が供給されると、処理液が弾かれて跳ねやすい状態となる。そのため、古い処理液をガスノズル50dから吐出されるガスにより基板9の外側に向けて吹き飛ばすことによって、当該液滴等がデバイス領域90へ進入することが十分に抑制される。
<ii.リンス処理>
続いて、リンス処理が行われる(ステップS209)。リンス処理の具体的な流れは、ステップS202の処理と同様である。すなわち、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51のリンス液ノズル50cから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、リンス液が吐出される。リンス液が吐出開始されてから所定時間(例えば、5秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのリンス液の吐出が停止される。
このリンス処理によって、表面周縁部911に付着している処理液(ここでは、DHF)が、すすぎ流される。ただし、このリンス処理が行われている間も、周縁部用吐出ヘッド51のガスノズル50dから、基板9の表面周縁部911に向けて、ガスが吐出される。このときのガスの吐出流量は、例えば、14(L/min)である。つまり、表面周縁部911内の各位置において、古いリンス液(すなわち、一周前にリンス液ノズル50cから供給されて、基板9が一周回転される間に振り切られなかった古いリンス液)が、ガスノズル50dから吐出されるガスで除去された後に、当該位置にリンス液ノズル50cから新たなリンス液が供給される。この構成によると、上述したとおり、基板9が一周回転される間に振り切られなかった古い処理液と新しく供給された処理液との衝突に起因するデバイス領域90への処理液の進入を抑制できる。また、この構成によると、DHFを含む古いリンス液を、速やかに表面周縁部911から除去するとともに、DHFを含まない新たなリンス液を基板9に作用させることができるので、リンス処理の処理効率が高まる。また、この構成によると、上述したとおり、表面周縁部911で弾かれた処理液の液滴等が、ガスノズル50dから吐出されるガスによって形成される気流によって、基板9の外側に向けて吹き飛ばされるので、当該液滴等がデバイス領域90へ進入することが十分に抑制される。
<iii.液振り切り処理>
続いて、液振り切り処理が行われる(ステップS210)。液振り切り処理の具体的な流れは、ステップS203にて説明したとおりである。すなわち、まず、表面周縁部911に向けての流体の吐出が停止された状態で、基板9が定められた時間だけ回転され(液寄せ工程)、その後、処理位置に配置されている周縁部用吐出ヘッド51のガスノズル50dから、回転される基板9の表面周縁部911に向けて、ガスが吐出される(吹き飛ばし工程)。周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が開始されてから所定時間(例えば、5秒)が経過すると、周縁部用吐出ヘッド51からのガスの吐出が停止される。
この液振り切り処理によって、表面周縁部911に残存している処理液(すなわち、ステップS209のリンス処理において基板9から振り切られずに、表面周縁部911に残存しているリンス液)の大部分が、基板9から振り切られる。以上で、表面周縁処理が終了する。
<5−3.処理面切り替え処理>
表面周縁処理(ステップS2)が終了すると、続いて、処理面切り替え処理(ステップS3)が行われる。ただし、上述したとおり、処理面切り替え処理が行われる間も、基板9の表面91の中央付近に向けて、カバーガスノズル41からカバーガスが供給され続けている。
処理面切り替え処理では、まず、スピンベース21の回転速度(すなわち、基板9の回転速度)が下げられる(ステップS31)。すなわち、スピンベース21の回転速度が、表面周縁処理時の回転速度(例えば、600rpm)から、これより小さい回転速度(低速の回転速度)(例えば、20rpm)に切り換えられる。
ステップS31が行われることによって基板9の回転速度が閾値Tよりも小さくなる。そこで、切換部230は、ステップS31が行われた後、第2保持状態から第1保持状態への切り換えを行う(ステップS32)。
<5−4.裏面処理>
処理面切り替え処理(ステップS3)が終了すると、続いて、裏面処理(ステップS4)が行われる。裏面処理について、図18、図19を参照しながら説明する。図18は、ステップS2〜ステップS4の流れを示す図である。図19は、裏面処理等を説明するための図であり、裏面処理における各処理工程を実行している状態の基板処理装置1の一部要素が、模式的に示されている。
ただし、後に明らかになるように、以下に説明する裏面処理が行われる間、基板9は、閾値Tより小さい一定の回転速度(低速の回転速度であり、具体的には、例えば、20rpm)で回転され続ける。したがって、この実施の形態では、切換部230は、裏面処理が開始されるタイミングで、第1保持状態から第2保持状態への切り換えは行わない。つまり、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態のまま、裏面処理が行われる。
また、上述したとおり、裏面処理が行われる間も、基板9の表面91の中央付近に向けて、カバーガスノズル41からカバーガスが供給され続けており、これによって、デバイス領域90が、裏面92に供給される処理液の雰囲気等から保護されている。
裏面92に対する処理液の供給に先立って、スピンベース21の回転速度が、低速の回転数である20rpmに切り換えられている。ここでいう「低速の回転速度」とは、基板9が当該回転速度で回転されている状態において、基板9の裏面92に供給された処理液が、裏面92の全体に広がり、かつ、基板9の表面91まで回り込むことがないような速度であり、具体的には、例えば、20rpm以下の回転数に相当する回転速度である。
まず、基板9の裏面92に対して、SC−1による薬液処理が行われる(ステップS401)。具体的には、下面側吐出口82から、低速の回転速度で回転される基板9の裏面92の中央付近に向けて、SC−1が吐出される。このときのSC−1の吐出流量は、例えば、500(mL/min)以上かつ2000(mL/min)以下である。裏面92の中央付近に供給されたSC−1は、基板9の回転に伴う遠心力によって裏面92の全体に広がり、これによって、基板9の裏面92に対して、SC−1による薬液処理が進行する。ここでは、SC−1による薬液処理によって、基板9の裏面92に形成されている薄膜が除去される(エッチング処理)。SC−1が吐出開始されてから所定時間(例えば、20秒)が経過すると、下面側吐出口82からのSC−1の吐出が停止される。
続いて、リンス処理が行われる(ステップS402)。具体的には、基板9が低速の回転速度で回転された状態のままで、下面側吐出口82から、基板9の裏面92の中央付近に向けて、リンス液が吐出される。裏面92の中央付近に供給されたリンス液は、基板9の回転に伴う遠心力によって裏面92の全体に広がり、これによって、裏面92に付着している処理液(ここでは、SC−1)が、すすぎ流される。リンス液が吐出開始されてから所定時間(例えば、20秒)が経過すると、下面側吐出口82からのリンス液の吐出が停止される。
続いて、基板9の裏面92に対して、SC−2による薬液処理が行われる(ステップS403)。具体的には、基板9が低速の回転速度で回転された状態のままで、下面側吐出口82から、基板9の裏面92の中央付近に向けて、SC−2が吐出される。裏面92の中央付近に供給されたSC−2は、基板9の回転に伴う遠心力によって裏面92の全体に広がり、これによって、裏面92に対して、SC−2による薬液処理が進行する。ここでは、SC−2による薬液処理によって、基板9の裏面92に付着しているメタル成分(例えば、Mo、Co、等)等が除去される(洗浄処理)。SC−2が吐出開始されてから所定時間(例えば、20秒)が経過すると、下面側吐出口82からのSC−2の吐出が停止される。
続いて、リンス処理が行われる(ステップS404)。リンス処理の具体的な流れは、ステップS402の処理と同様である。すなわち、基板9が低速の回転速度で回転された状態のままで、下面側吐出口82から、基板9の裏面92の中央付近に向けて、リンス液が吐出される。裏面92の中央付近に供給されたリンス液は、基板9の回転に伴う遠心力によって裏面92の全体に広がり、これによって、裏面92に付着している処理液(ここでは、SC−2)が、すすぎ流される。リンス液が吐出開始されてから所定時間(例えば、20秒)が経過すると、下面側吐出口82からのリンス液の吐出が停止される。
続いて、基板9の裏面92に対して、DHFによる薬液処理が行われる(ステップS405)。具体的には、基板9が低速の回転速度で回転された状態のままで、下面側吐出口82から、基板9の裏面92の中央付近に向けて、DHFが吐出される。このときのDHFの吐出流量は、例えば、500(mL/min)以上かつ2000(mL/min)以下である。裏面92の中央付近に供給されたDHFは、基板9の回転に伴う遠心力によって裏面92の全体に広がり、これによって、裏面92に対して、DHFによる薬液処理が進行する。ここでは、DHFによる薬液処理によって、基板9の裏面92に形成されている薄膜が除去される(エッチング処理)。DHFが吐出開始されてから所定時間(例えば、10秒)が経過すると、下面側吐出口82からのDHFの吐出が停止される。
続いて、リンス処理が行われる(ステップS406)。リンス処理の具体的な流れは、ステップS402の処理と同様である。すなわち、基板9が低速の回転速度で回転された状態のままで、下面側吐出口82から、基板9の裏面92の中央付近に向けて、リンス液が吐出される。裏面92の中央付近に供給されたリンス液は、基板9の回転に伴う遠心力によって裏面92の全体に広がり、これによって、裏面92に付着している処理液(ここでは、DHF)が、すすぎ流される。リンス液が吐出開始されてから所定時間(例えば、22.5秒)が経過すると、下面側吐出口82からのリンス液の吐出が停止される。
以上で、裏面処理が終了する。上述したとおり、この裏面処理が行われる間は、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態となっている。したがって、基板9の裏面92に供給された処理液が、基板9の表面に回り込むことが抑制される。
<5−5.乾燥処理>
裏面処理(ステップS4)が終了すると、続いて、乾燥処理(ステップS5)が行われる。ただし、上述したとおり、乾燥処理が行われる間も、基板9の表面91の中央付近に向けて、カバーガスノズル41からカバーガスが供給され続けている。
乾燥処理では、基板9に向けての処理液の吐出が停止された状態で、スピンベース21の回転速度(すなわち、基板9の回転速度)が、低速の回転速度から、比較的高速の、乾燥時の回転速度まで上げられてゆく。ここで、基板9の回転速度の上昇が開始されてから(ステップS51)、しばらくの間は、基板9は、閾値Tより小さい回転数で回転される。基板9が、閾値Tより小さい比較的低速の回転速度で回転されている間は、切換部230は、第1保持状態から第2保持状態への切り換えは行わない。つまり、基板9が比較的低速の回転速度で回転されている間は、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態のままとされる。この間に、基板9に付着しているリンス液がおおまかに振り切られる。
基板9の回転速度の上昇が開始されてから定められた時間が経過すると、基板9の回転速度が閾値Tに到達する。切換部230は、基板9の回転速度が閾値Tとなる前に、第1保持状態から第2保持状態への切り換えを行う(ステップS52)。
基板9の回転速度が閾値Tに到達した後、基板9の回転速度はさらに上昇され、最終的に、乾燥時の回転速度とされる(ステップS53)。基板9が、閾値T以上の比較的高速の回転速度で回転されている間は、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態とされている。この間に、基板9に付着しているリンス液が完全に除去されてゆき、最終的に、基板9が乾燥される。基板9が乾燥時の回転速度で回転開始されてから、所定時間が経過すると、スピンベース21の回転が停止される。以上で、乾燥処理が終了する。
上述したとおり、乾燥処理が開始されてからしばらくの間(乾燥処理の序盤)は、基板9は比較的低速で回転され、当該基板9に付着しているリンス液がおおまかに振り切られる。この間は、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態となっている。したがって、リンス液がおおまかに振り切られているときに、当該リンス液が基板9の表面に回り込むことが抑制される。なお、乾燥処理の序盤では、基板9の回転速度が比較的低速であるので、複数の第1当接部材210によって基板9を水平面内の所定の位置に保持し続けることができる。
一方、乾燥処理が開始されてからしばらくした後(乾燥処理の終盤)は、基板9は比較的高速で回転され、当該基板9に付着しているリンス液が完全に振り切られる。この間は、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態となっている。したがって、基板9の回転速度がいくら大きくなっても、基板9の位置ずれを生じさせずに、基板9を所期の位置に保持し続けることができる。なお、乾燥処理の序盤で、基板9の下面のリンス液は既におおまかに振り払われているために、乾燥処理の終盤では、基板9に付着しているリンス液の量はさほど多くはない。また、乾燥処理の終盤では、基板9が比較的高速に回転されるので、基板9に残存しているリンス液は、強い遠心力をうけて基板9の外に吹き飛ばされる。したがって、乾燥処理の終盤で、第2当接部材220を伝って基板9の表面にリンス液が回り込む可能性は低い。
乾燥処理が終了すると、カバーガスノズル41からのガスの吐出が停止されて、カバーガスノズル41が待避位置に移動される。また、周縁部用吐出ヘッド51、カップ31、および、半円弧部材61,62が、各々の待避位置に移動される。そして、切換部230が、第2保持状態から第1保持状態への切り換えを行う。これによって、複数の第2当接部材220による基板9の把持状態が解除される。その後、搬送ロボットCRが、複数の第1当接部材210に保持されている基板9を、ハンド121上に移載して、当該基板9を基板処理装置1から搬出する。以上で、当該基板9に対する一連の処理が終了する。
<6.効果>
上記の実施の形態によると、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態において、基板9の上面が第1当接部材210の上端(具体的には、上端面2121)よりも高い位置にあり、かつ、第2当接部材220が基板9から離間している。したがって、この第1保持状態においては、基板9の下面に供給された処理液が、第1当接部材210を伝って基板9の上面に回り込みにくく、第2当接部材220を伝っても基板9の上面に回り込みにくい。すなわち、基板9の下面に供給された処理液が、基板9の上面に回り込むことを抑制できる。
また、上記の実施の形態によると、閾値Tより小さな回転速度で回転される基板9は、複数の第1当接部材210で保持され、閾値T以上の回転速度で回転される基板9は、複数の第2当接部材220で保持される。基板9の回転速度が小さいほど、基板9の下面に供給された処理液が遠心力で吹き飛ばされにくいために、当該処理液が基板9の上面に回り込みやすくなるところ、ここでは、基板9が比較的低速で回転される際には、複数の第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態とされるので、当該基板9の下面に供給された処理液が基板9の上面に回り込むことを抑制できる。一方で、基板9の回転速度が大きいほど、基板9が水平面内で位置ずれを起こしやすいところ、ここでは、基板9が比較的高速で回転される際には、複数の第2当接部材220が基板9を保持する第2保持状態とされるので、当該基板9が水平面内で位置ずれを起こすことを回避できる。
また、上記の実施の形態によると、第1当接部材210が、傾斜側面2120において基板9と当接する。この構成によると、第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態において、基板9の下面と傾斜側面2120との隙間空間に寄せられた液が、傾斜側面2120を伝って下方に落下しやすい。すなわち、当該隙間空間に液溜まりが形成されにくい。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板9の上面に回り込む、といった事態の発生を抑制できる。さらに、基板9の下面に供給された処理液が、傾斜側面2120を伝って下方に落ちるという処理液の流れ(すなわち、基板9の下面に供給された処理液を下方に導く処理液の流れ)、が形成されることになるので、基板9の下面に供給された処理液を、上面に回り込ませることなく、基板9から速やかに除去することができる。
特に、傾斜側面2120と水平面とがなす角度θが45°以上となっていれば、第1当接部材210が基板9を保持する第1保持状態において、基板9の下面と傾斜側面2120との隙間空間に寄せられた液が、速やかに、傾斜側面2120を伝って下方に落下する。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板9の上面に回り込む、といった事態の発生を十分に抑制できるとともに、基板9の下面に供給された処理液を、上面に回り込ませることなく、基板9から特に速やかに除去することができる。また、傾斜側面2120と水平面とがなす角度θが45°以上となっていれば、基板9と傾斜側面2120との間の接触面積が小さくなるので、毛細管現象により基板9の上面に処理液が回り込むといった事態の発生も、抑制される。
特に、第1当接部材210の表面が疎水性となっていれば、第1当接部材210に処理液が付着しづらく、基板9の下面と第1当接部材210との隙間空間に液溜まりが形成されにくい。したがって、当該隙間空間に液溜まりが生じてそれが基板の上面に回り込む、といった事態の発生を抑制できる。
また、上記の実施の形態においては、第2当接部材220が、基板9の周縁と近接離間する方向に移動されることによって、第1保持状態と第2保持状態と間の切り換えが行われる。この構成によると、第1保持状態と第2保持状態と間の切り換えを、簡易かつ速やかに行うことができる。
<7.変形例>
上記の実施の形態においては、基板9に対して、表面周縁処理および裏面処理がこの順番で行われていたが、例えば、表面周縁処理をスキップして、裏面処理が行われてもよい。この場合、基板9が回転開始されてからはじめに行われる処理での基板9の回転速度が、閾値Tよりも小さいことになるため、上述したとおり、ステップS1012の処理の後に、切換部230が、第2保持状態から第1保持状態への切り換えを行う。
また、上記の実施の形態においては、表面周縁処理(ステップS2)および裏面処理(ステップS4)の各々において、3種類の薬液(SC−1、SC−2、および、DHF)を用いた薬液処理が、リンス処理等を挟みながら、順番に行われていたが、必ずしもこれら3種類の薬液を用いた薬液処理を行う必要はない。例えば、SC−1、SC−2、DHF、BDHF(バッファードフッ酸)、HF(フッ酸)、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸もしくはアンモニアなどの水溶液、または、それらの混合溶液、等のうちから選択された1以上の薬液を用いて、表面周縁部911あるいは裏面92に対する薬液処理が行われてもよい。
また、上記の実施の形態に係る基板処理装置1において、表面周縁部911および裏面92の少なくとも一方に対して、エッチング処理、洗浄処理以外の処理(例えば、成膜処理)が行われてもよい。
また、上記の実施の形態において、基板9は、半導体ウェハであるとしたが、基板9は、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、太陽電池用基板、等であってもよい。
以上のとおり、本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての態様において例示であって限定的ではない。したがって、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100 基板処理システム
130 制御部
200 切換部
1 基板処理装置
2 スピンチャック
21 スピンベース
25 保持部
210 第1当接部材
211 基体部分
212 先端部分
2120 傾斜側面
220 第2当接部材
2220 傾斜面
2230 鉛直側面
230 切換部
231 基台
232 回動軸部
233 駆動部
234 切換制御部
3 飛散防止部
31 カップ
32 カップ駆動機構
4 表面保護部
41 カバーガスノズル
45 カバーガス供給部
5 周縁処理部
51 周縁部用吐出ヘッド
55 周縁部用流体供給部
6 液跳ね抑制部
60 ガード部材
7 加熱処理部
71 スチームノズル
72 スチーム供給部
8 下面処理部
81 供給管
82 下面側吐出口
83 裏面用処理液供給部
9 基板
90 デバイス領域
91 基板の表面
911 基板の表面周縁部
92 基板の裏面
93 基板の端面

Claims (8)

  1. 回転軸を中心に水平面内で回転されるスピンベースと、
    前記スピンベースの上方に基板を保持する保持部と、
    前記保持部に保持される前記基板の下面に向けて、処理液を吐出する下面処理部と、
    を備え、
    前記保持部が、
    基板の斜め下から前記基板に当接して、前記基板を、前記スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する、複数の第1当接部材と、
    基板の側方から前記基板に当接して、前記基板を、前記スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する、複数の第2当接部材と、
    前記複数の第1当接部材が基板を保持する第1保持状態と、前記複数の第2当接部材が基板を保持する第2保持状態と、を切り換える切換部と、
    を備え、
    前記第2保持状態において、前記第1当接部材が基板から離間しており、
    前記第1保持状態において、基板の上面が前記第1当接部材の上端よりも高い位置にあり、かつ、前記第2当接部材が前記基板から離間している、
    基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    基板の回転速度が定められた閾値より小さい場合に、前記複数の第1当接部材が前記基板を保持し、
    基板の回転速度が前記閾値以上の場合に、前記複数の第2当接部材が前記基板を保持する、
    基板処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置であって、
    前記第1当接部材が、
    円錐体の上部を底面と平行に切り落とした形状部分、
    を備え、
    前記第1当接部材が、前記円錐体の傾斜した側面において、前記基板と当接する、
    基板処理装置。
  4. 請求項3に記載の基板処理装置であって、
    前記円錐体の傾斜した側面が水平面となす角度が、45°以上である、
    基板処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記第1当接部材の表面が、疎水性である、
    基板処理装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記切換部が、前記複数の第2当接部材の各々を、前記スピンベース上の基板の周縁と近接離間する方向に移動させることによって、前記第1保持状態と前記第2保持状態と間の切り換えが行われる、
    基板処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記基板処理装置に対する基板の搬出入を行う搬送ロボットから前記スピンベース上に移載された基板が、まずは、前記複数の第1当接部材に保持される、
    基板処理装置。
  8. a)複数の第1当接部材を基板の斜め下から前記基板に当接させるとともに、複数の第2当接部材を前記基板から離間させて、前記基板を、スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する工程と、
    b)前記複数の第1当接部材に保持される前記基板を、第1回転速度で回転しつつ、前記基板の下面に処理液を供給する工程と、
    c)前記b)工程の後、複数の第2当接部材を前記基板の側方から前記基板に当接させるとともに、前記複数の第1当接部材を前記基板から離間させて、前記基板を、前記スピンベースの上面から離間した位置に水平姿勢で保持する工程と、
    d)前記複数の第2当接部材に保持される前記基板を、第1回転速度よりも大きな第2回転速度で回転させる工程と、
    を備え、
    前記複数の第1当接部材に保持される基板の上面が、前記第1当接部材の上端よりも高い位置にある、
    基板処理方法。
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