JP2023095119A - 基板処理装置およびプラズマ発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より均一に基板を処理することができる技術を提供する。【解決手段】基板処理装置は、基板を保持する基板保持部と、基板保持部によって保持された基板Wと鉛直方向において対向する位置に設けられ、プラズマを発生させるプラズマリアクタ1とを備える。プラズマリアクタ1は、長手方向D1に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、配列方向D2において並ぶ複数の第1線状電極211と、長手方向D1に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、複数の第1線状電極211の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極221とを含む。第1線状電極211の先端21aおよび基端21bならびに複数の第2線状電極221の先端22aおよび基端22bは、平面視において、基板Wの周縁よりも外側に位置する。【選択図】図5

Description

本開示は、基板処理装置およびプラズマ発生装置に関する。
従来から、基板の表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1のプラズマ処理装置では、一対の櫛形電極が設けられており、各櫛形電極の歯形状の電極が同一平面内に所定の間隔で交互に並ぶように配置される。この一対の櫛形電極に交流電力が供給されることによって、歯形状の電極の周辺にプラズマが生成される。プラズマ処理装置では、一対の櫛形電極に対向するように基板が保持され、基板の表面に対してプラズマ処理が行われる。
特開2011-49570号公報
プラズマの発生により、一対の櫛形電極の温度は上昇する。よって、一対の櫛形電極を基板に近づけてプラズマを基板に作用させると、一対の櫛形電極が熱源となって基板を加熱し、基板の温度が上昇する。このとき、基板の温度分布にムラが生じると、基板に対する処理が不均一になり得る。
そこで、本開示は、より均一に基板を処理することができる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、基板処理装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記基板と鉛直方向において対向する位置に設けられ、プラズマを発生させるプラズマリアクタとを備え、前記プラズマリアクタは、長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、前記長手方向に直交する配列方向において並ぶ複数の第1線状電極と、前記長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、前記複数の第1線状電極の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極とを含み、前記複数の第1線状電極の先端および基端ならびに前記複数の第2線状電極の先端および基端は、平面視において、前記基板保持部によって保持された前記基板の周縁よりも外側に位置する。
第2の態様は、第1の態様にかかる基板処理装置であって、前記プラズマリアクタのうち周縁部よりも内側の中央部が、前記基板保持部によって保持された基板の全面と対向し、前記周縁部は、平面視において、前記複数の第1線状電極の先端部および前記複数の第2線状電極の先端部を含み、かつ、前記プラズマリアクタのうち、前記プラズマを発生させたときの温度が外側に向かうにつれて低下する一部分である。
第3の態様は、第2の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記基端ならびに前記複数の第2線状電極の前記先端および前記基端は、前記基板の周縁よりも30mm以上、外側に位置する。
第4の態様は、第1の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数の第1線状電極の先端部および前記複数の第2線状電極の先端部を含むプラズマリアクタの周縁部を加熱する加熱部をさらに備える。
第5の態様は、第4の態様にかかる基板処理装置であって、前記加熱部は、前記プラズマリアクタに対して前記基板保持部とは反対側に設けられている。
第6の態様は、第4または第5の態様にかかる基板処理装置であって、前記加熱部は、前記プラズマリアクタの前記周縁部と対向するリング状の加熱面を有する。
第7の態様は、第6の態様にかかる基板処理装置であって、前記加熱面の内周縁は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも内側に位置する。
第8の態様は、第6または第7の態様にかかる基板処理装置であって、前記加熱面の内周縁は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも30mmだけ内側の仮想円よりも外側に位置する。
第9の態様は、第4から第8のいずれか一つの態様にかかる基板処理装置であって、前記加熱部は、加熱されたガスを前記プラズマリアクタの前記周縁部に供給する。
第10の態様は、第9の態様にかかる基板処理装置であって、前記加熱部は、複数のガス吐出口を有する整流板を有し、前記複数のガス吐出口を通じて前記プラズマリアクタの前記周縁部に前記ガスを供給する。
第11の態様は、第10の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数のガス吐出口は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも内側に位置する。
第12の態様は、第10または第11の態様にかかる基板処理装置であって、前記複数のガス吐出口は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも30mmだけ内側の仮想円よりも外側に位置する。
第13の態様は、プラズマ発生装置であって、プラズマリアクタと、加熱部とを備え、前記プラズマリアクタは、長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、前記長手方向に直交する配列方向において並ぶ複数の第1線状電極と、前記長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、前記複数の第1線状電極の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極とを含み、前記加熱部は、前記複数の第1線状電極の先端部および前記複数の第2線状電極の先端部を含む前記プラズマリアクタの周縁部を加熱する。
第1の態様によれば、基板の主面の多くの部分が、プラズマリアクタのうち温度分布の均一な部分に対向するので、基板の温度分布を均一にすることができる。
第2および第3の態様によれば、プラズマリアクタの中央部の温度分布は周縁部に比べて均一であるので、プラズマリアクタが基板の全面をより均一に加熱することができる。
第4および第9の態様によれば、プラズマリアクタの周縁部を加熱することができるので、プラズマリアクタの温度分布をより広い範囲でより均一にすることができる。よって、プラズマリアクタの平面視のサイズを小さくしても、プラズマリアクタが基板をより均一に加熱することができる。
第5の態様によれば、加熱部がプラズマリアクタと基板との間に存在しないので、プラズマによる活性種の基板への作用を阻害しない。
第6の態様によれば、加熱面がリング状であるので、プラズマリアクタの周縁部をその周方向においてより均一に加熱できる。
第7および第11の態様によれば、プラズマリアクタの周縁部を適切に加熱することができる。
第8の態様によれば、プラズマリアクタの中央部の温度上昇を抑制することができるので、プラズマリアクタの中央部および周縁部の全体での温度分布をより高い精度で均一化させることができる。
第10および第12の態様によれば、整流後のガスがプラズマリアクタの周縁部に供給されるので、周縁部をより均一に加熱できる。
第13の態様によれば、処理対象の温度分布の均一化に資する。
基板処理システムの構成の一例を概略的に示す平面図である。 制御部の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。 第1の実施の形態にかかる処理ユニットの構成の一例を概略的に示す図である。 プラズマリアクタの構成の一例を概略的に示す平面図である。 プラズマリアクタの構成の一例を概略的に示す側断面図である。 第1電極部、第2電極部および基板の一例を概略的に示す平面図である。 プラズマリアクタの温度分布の一例を概略的に示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる処理ユニットの構成の一例を概略的に示す図である。 プラズマ発生装置の構成の一例を概略的に示す側断面図である。 加熱部の構成の一例を概略的に示す平面図である。 加熱部の構成の第1変形例を概略的に示す側断面図である。 加熱部の構成の第2変形例を概略的に示す側断面図である。 整流板の一部の一例を概略的に示す平面図である。 整流板の他の一例を部分的かつ概略的に示す平面図である。 第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタの構成の一例を概略的に示す平面図である。 第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタの構成の一例を概略的に示す側断面図である。 第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタの構成の一例を概略的に示す側断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法または数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸または面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現が用いられる場合、該表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現が用いられる場合、該表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
<第1の実施の形態>
<基板処理システムの全体構成>
図1は、基板処理システム100の構成の一例を概略的に示す平面図である。基板処理システム100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である。
基板Wは例えば半導体基板であり、円板形状を有する。なお、基板Wには、半導体基板の他、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板および光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。また基板の形状も円板形状に限らず、例えば矩形の板状形状など種々の形状を採用できる。
基板処理システム100はロードポート101とインデクサロボット110と主搬送ロボット120と複数の処理ユニット130と制御部90とを含む。
複数のロードポート101は水平な一方向に沿って並んで配置される。各ロードポート101は、基板Wを基板処理システム100に搬出入するためのインターフェース部である。各ロードポート101には、基板Wを収容するキャリアCが外部から搬入される。各ロードポート101は、搬入されたキャリアCを保持する。キャリアCとしては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、または、基板Wを外気にさらすOC(Open Cassette)が採用されてもよい。
インデクサロボット110は、各ロードポート101に保持されたキャリアCと、主搬送ロボット120との間で基板Wを搬送する搬送ロボットである。インデクサロボット110はロードポート101が並ぶ方向に沿って移動可能であり、各キャリアCと対面する位置で停止可能である。インデクサロボット110は、各キャリアCから基板Wを取り出す動作と、各キャリアCに基板Wを受け渡す動作とを行うことができる。
主搬送ロボット120は、インデクサロボット110と各処理ユニット130との間で基板Wを搬送する搬送ロボットである。主搬送ロボット120はインデクサロボット110から基板Wを受け取る動作と、インデクサロボット110に基板Wを受け渡す動作とを行うことができる。また、主搬送ロボット120は各処理ユニット130に基板Wを搬入する動作と、各処理ユニット130から基板Wを搬出する動作とを行うことができる。
基板処理システム100には、例えば12個の処理ユニット130が配置される。具体的には、鉛直方向に積層された3個の処理ユニット130を含むタワーの4つが、主搬送ロボット120の周囲を取り囲むようにして設けられる。図1では、3段に重ねられた処理ユニット130の1つが概略的に示されている。なお、基板処理システム100における処理ユニット130の数は、12個に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
主搬送ロボット120は、4つのタワーによって囲まれるように設けられている。主搬送ロボット120は、インデクサロボット110から受け取る未処理の基板Wを各処理ユニット130内に搬入する。各処理ユニット130は基板Wを処理する。また、主搬送ロボット120は、各処理ユニット130から処理済みの基板Wを搬出してインデクサロボット110に渡す。
制御部90は、基板処理システム100の各構成要素の動作を制御する。図2は、制御部90の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。制御部90は電子回路であって、例えばデータ処理部91および記憶部92を有している。図2の具体例では、データ処理部91と記憶部92とはバス93を介して相互に接続されている。データ処理部91は例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置であってもよい。記憶部92は非一時的な記憶部(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)921および一時的な記憶部(例えばRAM(Random Access Memory))922を有していてもよい。非一時的な記憶部921には、例えば制御部90が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。データ処理部91がこのプログラムを実行することにより、制御部90が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部90が実行する処理の一部または全部が専用の論理回路などのハードウェアによって実行されてもよい。
<基板処理装置>
図3は、第1の実施の形態にかかる処理ユニット(基板処理装置に相当)130の構成の一例を概略的に示す図である。なお、基板処理システム100に属する処理ユニット130の全てが図3に示された構成を有している必要はなく、少なくとも一つの処理ユニット130が当該構成を有していればよい。
図3に例示される処理ユニット130は、プラズマを用いた処理を基板Wに対して行う装置である。基板Wは、例えば、半導体基板であり、円板形状を有する。基板Wのサイズは特に制限されないものの、その直径は例えば約300mmである。
プラズマを用いた処理は特に制限される必要がないものの、具体的な一例として、基板W上の有機物を除去する有機物除去処理を含む。有機物は例えばレジストを含む。レジストは、例えば、イオン注入工程が行われた後のレジストであり、高濃度の不純物(つまり、ドーパント)を含む。有機物がレジストである場合、有機物除去処理はレジスト除去処理とも呼ばれる。
図3の例では、処理ユニット130はプラズマリアクタ1と基板保持部11とノズル12とガード13とを含んでいる。
基板保持部11は基板Wを水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。図3の例では、基板保持部11はステージ111と複数のチャックピン112とを含んでいる。ステージ111は円板形状を有し、基板Wよりも鉛直下方に設けられている。ステージ111は、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で設けられる。複数のチャックピン112はステージ111の上面に立設されており、基板Wの周縁を把持する。なお、基板保持部11は必ずしもチャックピン112を有する必要はない。例えば、基板保持部11は基板Wの下面を吸引して基板Wを吸着してもよい。
図3の例では、基板保持部11は回転機構113をさらに含んでおり、回転軸線Q1のまわりで基板Wを回転させる。回転軸線Q1は基板Wの中心部を通り、かつ、鉛直方向に沿う軸である。回転機構113は例えばシャフト114およびモータ115を含む。シャフト114の上端はステージ111の下面に連結され、ステージ111の下面から回転軸線Q1に沿って延在する。モータ115はシャフト114を回転軸線Q1のまわりで回転させて、ステージ111を回転させる。これにより、複数のチャックピン112によって保持された基板Wが回転軸線Q1のまわりで回転する。このような基板保持部11はスピンチャックとも呼ばれ得る。以下では、回転軸線Q1についての径方向を単に径方向とも呼ぶ。
ノズル12は、基板Wへの処理液の供給に用いられる。ノズル12は供給管121を介して処理液供給源124に接続される。つまり、供給管121の下流端がノズル12に接続され、供給管121の上流端が処理液供給源124に接続される。処理液供給源124は、例えば、処理液を貯留するタンク(不図示)を含み、供給管121に処理液を供給する。処理液は例えば、塩酸、フッ酸、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化水素、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、塩酸と過酸化水素水との混合液(SC2)または脱イオン水(DIW)などを含む液を用いることができる。本実施の形態においては、処理液として硫酸を用いる処理が説明される。
図3の例では、供給管121には、バルブ122および流量調整部123が介装されている。バルブ122が開くことにより、処理液供給源124からの処理液が供給管121を通じてノズル12に供給され、ノズル12の吐出口12aから吐出される。流量調整部123は、供給管121を流れる処理液の流量を調整する。流量調整部123は例えばマスフローコントローラである。
図3の例では、ノズル12はノズル移動機構15によって移動可能に設けられる。ノズル移動機構15は、ノズル12を第1処理位置と第1待機位置との間で移動させる。第1処理位置とは、ノズル12が基板Wの主面(例えば上面)に向けて処理液を吐出する位置である。第1処理位置は、例えば、基板Wよりも鉛直上方であって、基板Wの中心部と鉛直方向において対向する位置である。第1待機位置とは、ノズル12が基板Wの主面に向けて処理液を吐出しない位置であり、第1処理位置よりも基板Wから離れた位置である。第1待機位置は、ノズル12が主搬送ロボット120による基板Wの搬送経路と干渉しない位置でもある。具体的な一例として、第1待機位置は、基板Wの周縁よりも径方向外側の位置である。図3では、第1待機位置で停止するノズル12が示されている。
ノズル移動機構15は、例えば、ボールねじ機構またはアーム旋回機構を有する。アーム旋回機構は、いずれも不図示のアームと支持柱とモータとを含む。アームは水平に延在する棒状形状を有し、アームの先端にはノズル12が連結され、アームの基端が支持柱に連結される。支持柱は鉛直方向に沿って延びており、その中心軸のまわりで回転可能に設けられる。モータが支持柱を回転させることにより、アームが旋回し、ノズル12が中心軸のまわりで周方向に沿って移動する。支持柱は、ノズル12の移動経路上に第1処理位置と第1待機位置とが位置するように設けられる。
ノズル12が第1処理位置に位置する状態で、基板保持部11が基板Wを回転させながら、バルブ122が開くと、ノズル12から回転中の基板Wの上面に向かって処理液が吐出される。処理液は基板Wの上面に着液し、基板Wの回転に伴って基板Wの上面を広がって、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面には処理液の液膜が形成される。
ガード13は、基板保持部11によって保持された基板Wを取り囲む筒状の形状を有している。基板Wの周縁から飛散した処理液はガード13の内周面にあたり、内周面に沿って鉛直下方に流れる。処理液は、例えば、不図示の回収配管を流れて処理液供給源124のタンクに回収される。これによれば、処理液を再利用することができる。
プラズマリアクタ1はプラズマを発生させる装置であり、基板保持部11によって保持された基板Wの主面(例えば上面)と鉛直方向において対向する位置に設けられる。図3の例では、プラズマリアクタ1は基板Wの上面よりも鉛直上方に設けられる。プラズマリアクタ1は電源8に接続されており、電源8からの電力を受けて周囲のガスをプラズマ化させる。なおここでは一例として、プラズマリアクタ1は大気圧下でプラズマを発生させる。ここでいう大気圧とは、例えば、標準気圧の80%以上、かつ、標準気圧の120%以下である。プラズマリアクタ1の具体的な構成の一例は後に詳述する。
図3に例示されるように、プラズマリアクタ1はプラズマ移動機構14によって移動可能に設けられてもよい。プラズマ移動機構14は、プラズマリアクタ1を第2処理位置と第2待機位置との間で往復移動させる。第2処理位置とは、プラズマリアクタ1によるプラズマを用いて基板Wを処理するときの位置である。第2処理位置において、プラズマリアクタ1と基板Wの主面との間の距離は例えば数mm程度である。第2待機位置とは、プラズマを用いた処理を基板Wに対して行わないときの位置であり、第2処理位置よりも基板Wから離れた位置である。第2待機位置は、プラズマリアクタ1が主搬送ロボット120による基板Wの搬送経路と干渉しない位置でもある。
具体的な一例として、第2待機位置は第2処理位置よりも鉛直上方の位置である。この場合、プラズマ移動機構14はプラズマリアクタ1を鉛直方向に沿って昇降させる。図3では、第2待機位置で停止するプラズマリアクタ1が示されている。プラズマ移動機構14は、例えば、モータを含むボールねじ機構またはエアシリンダなどの移動機構を有する。
プラズマリアクタ1は、例えば、ノズル12が第1待機位置に退避した状態で、第2待機位置から第2処理位置へと移動することができる。これによれば、基板Wの直上にはノズル12が存在しないので、プラズマリアクタ1を基板Wの上面により近づけることができる。言い換えれば、第2処理位置をより基板Wの近くに設定することができる。
ここで、基板処理の流れの一例について概説する。まず、主搬送ロボット120が未処理の基板Wを処理ユニット130に搬入し、基板Wを基板保持部11に渡す。この基板Wの上面には有機物(例えばレジスト)が存在している。基板保持部11は基板Wを保持しつつ基板Wを回転軸線Q1まわりで回転させる。次に、ノズル移動機構15がノズル12を第1処理位置に移動させる。次に、バルブ122が開き、ノズル12から回転中の基板Wの上面に処理液(ここでは硫酸)が吐出される。これにより、基板Wの上面に処理液の液膜が形成される。基板Wの上面に液膜が形成されると、バルブ122が閉じつつ、基板保持部11が基板Wの回転速度を低下させる。基板保持部11は、基板Wの上面の液膜を維持できる程度の回転速度で基板Wを回転させてもよく、あるいは、基板Wの回転を停止させてもよい。
次に、ノズル移動機構15がノズル12を第2待機位置に移動させた後、プラズマ移動機構14がプラズマリアクタ1を第2処理位置に移動させる。プラズマリアクタ1は基板Wの上面に向かってプラズマを発生させる。このプラズマの発生に伴って種々の活性種が生じる。例えば、空気がプラズマ化することにより、酸素ラジカル、ヒドロキシルラジカルおよびオゾンガス等の種々の活性種が生じ得る。これらの活性種は基板Wの上面に作用する。具体的な一例として、活性種は基板Wの上面の処理液(ここでは硫酸)の液膜に作用する。これにより、処理液の処理性能が高まる。具体的には、活性種と硫酸との反応により、処理性能(ここでは酸化力)の高いカロ酸が生成される。カロ酸はペルオキソ一硫酸とも呼ばれる。当該カロ酸が基板Wの有機物(ここではレジスト)に作用することで、有機物を酸化除去することができる。
以上のように、活性種が基板Wの主面上の処理液に作用することにより、処理液の処理性能を向上させることができる。よって、処理ユニット130は基板Wに対する処理を速やかに行うことができる。
<プラズマリアクタ>
次に、プラズマリアクタ1の具体的な構成の一例について述べる。図4は、プラズマリアクタ1の構成の一例を概略的に示す平面図であり、図5は、プラズマリアクタ1の構成の一例を概略的に示す側断面図である。図5は、図4のA-A断面を示している。プラズマリアクタ1は、プラズマを発生させる装置であり、プラズマ源とも呼ばれ得る。
プラズマリアクタ1は平型のプラズマリアクタであり、第1電極部21と第2電極部22と誘電部30とを含んでいる。誘電部30は第1誘電体31と第2誘電体32とを含む。
図4に例示されるように、第1電極部21は複数の第1線状電極211と第1集合電極212とを含み、第2電極部22は複数の第2線状電極221と第2集合電極222とを含む。
第1線状電極211は金属材料等の導電性材料によって形成され、長手方向D1に沿って延在する棒状形状(例えば円柱形状)を有する。複数の第1線状電極211は、長手方向D1に直交する配列方向D2において並んで設けられており、理想的には互いに平行に設けられる。第1線状電極211の直径は例えば数mm程度(具体的には1mm程度)である。
第1集合電極212は金属材料等の導電性材料によって形成され、複数の第1線状電極211の長手方向D1の一方側の端部(基端21b)どうしを連結する。図4の例では、第1集合電極212は、長手方向D1の一方側に膨らむ円弧状の平板形状を有している。複数の第1線状電極211は第1集合電極212から長手方向D1の他方側に向かって延在する。
第2線状電極221は金属材料等の導電性材料によって形成され、長手方向D1に沿って延在する棒状形状(例えば円柱形状)を有する。複数の第2線状電極221は配列方向D2において並んで設けられており、理想的には互いに平行に設けられる。第2線状電極221の各々は、平面視において(つまり、長手方向D1および配列方向D2に直交する方向D3に沿って見て)、複数の第1線状電極211のうち互いに隣り合う二者の間に設けられている。図4の例では、平面視において、第1線状電極211および第2線状電極221は配列方向D2において交互に配列される。第2線状電極221の直径は例えば数mm程度(具体的には1mm程度)である。
第2集合電極222は金属材料等の導電性材料によって形成され、複数の第2線状電極221の長手方向D1の他方側の端部(基端22b)どうしを連結する。図4の例では、第2集合電極222は、第1集合電極212とは反対側に膨らみ、かつ、第1集合電極212と略同径の円弧状の平板形状を有している。複数の第2線状電極221は第2集合電極222から長手方向D1の一方側に向かって延在する。
各第1線状電極211は第1誘電体31によって覆われる。複数の第1誘電体31は石英およびセラミックス等の誘電体材料によって形成される。例えば、各第1誘電体31は長手方向D1に沿って延在する筒状形状を有しており、第1線状電極211が長手方向D1に沿って第1誘電体31に挿入される。図4および図5に例示されるように、第1誘電体31は有底の筒状形状を有してもよい。つまり、第1誘電体31は、その内部空間において、第1線状電極211の先端21aと長手方向D1において対向する底面を有していてもよい。
各第2線状電極221は第2誘電体32によって覆われる。複数の第2誘電体32は石英またはセラミックス等の誘電体材料によって形成される。例えば、各第2誘電体32は長手方向D1に沿って延在する筒状形状を有しており、第2線状電極221が長手方向D1に沿って第2誘電体32に挿入される。図4および図5に例示されるように、第2誘電体32は有底の筒状形状を有してもよい。つまり、第2誘電体32は、その内部空間において、第2線状電極221の先端22aと長手方向D1において対向する底面を有していてもよい。
図4および図5の例では、プラズマリアクタ1には仕切部材33が設けられている。仕切部材33は石英またはセラミックス等の誘電体材料によって形成される。図の例では、仕切部材33は板状形状を有している。以下では、仕切部材33の一方側の主面を主面33aと呼び、他方側の主面を主面33bと呼ぶ。主面33aおよび主面33bは仕切部材33の厚み方向において互いに対向する面である。仕切部材33はその厚み方向が方向D3に沿う姿勢で設けられる。図4の例では、仕切部材33は円板形状を有しているので、主面33aおよび主面33bは平面視において円形状を有している。仕切部材33の厚み(主面33a,33bの間の距離)は例えば数百μm(例えば300μm)程度に設定される。
第1電極部21および第1誘電体31は仕切部材33の主面33a側に設けられており、第2電極部22および第2誘電体32は仕切部材33の主面33b側に設けられている。具体的には、第1誘電体31は仕切部材33の主面33aに設けられており、第2誘電体32は仕切部材33の主面33bに設けられている。
図5に例示されるように、プラズマリアクタ1には保持部材7が設けられてもよい。なお図4では、図面の煩雑を避けるために、保持部材7を省略している。保持部材7はフッ素系樹脂等の絶縁材料によって形成され、第1電極部21、第2電極部22、第1誘電体31、第2誘電体32および仕切部材33を一体に保持する。例えば、保持部材7は平面視において第1集合電極212および第2集合電極222と略同径のリング形状を有しており、第1集合電極212および第2集合電極222を方向D3で挟持する。
このようなプラズマリアクタ1は、処理ユニット130内において、例えば、長手方向D1および配列方向D2が水平方向に沿い、かつ、第1電極部21が基板Wを向く姿勢で設けられる。
第1電極部21および第2電極部22はプラズマ用の電源8に電気的に接続される。より具体的には、第1電極部21の第1集合電極212が配線81を介して電源8の第1出力端8aに電気的に接続され、第2電極部22の第2集合電極222が配線82を介して電源8の第2出力端8bに電気的に接続される。電源8は例えば不図示のスイッチング電源回路を有しており、第1電極部21と第2電極部22との間にプラズマ用の電圧を出力する。より具体的な一例として、電源8は交流電源であって、プラズマ用の電圧として高周波電圧を第1電極部21および第2電極部22の間に出力する。なお、電源8はパルス電源であってもよい。
電源8が第1電極部21と第2電極部22との間に電圧を出力することにより、第1線状電極211と第2線状電極221との間にプラズマ用の電界が生じる。当該電界に応じて、第1線状電極211および第2線状電極221の周囲のガスがプラズマ化する。具体的には、誘電体バリア放電により、第1誘電体31の外周面と第2誘電体32の外周面との間のガスがプラズマ化する。逆に言えば、ガスがプラズマ化する程度の電圧が電源8によって第1電極部21と第2電極部22との間に印加される。当該電圧は、例えば、数十kVかつ数十kHz程度の高周波電圧である。
本実施の形態によれば、第1線状電極211および第2線状電極221は平面視において交互に配置されるので、プラズマリアクタ1は平面視において2次元的に広い範囲でプラズマを発生させることができる。
<プラズマリアクタ1のサイズ>
図6は、プラズマリアクタ1と基板Wとのサイズ関係を示すための図であり、第1電極部21、第2電極部22および基板Wの一例を概略的に示す平面図である。なお、図5および図6では、基板保持部11によって保持された基板Wが仮想線で示されている。
図6に示されるように、第1線状電極211の先端21aおよび基端21bは、平面視において、基板保持部11によって保持された基板Wの周縁よりも径方向外側に位置している。同様に、第2線状電極221の先端22aおよび基端22bも、平面視において、基板Wの周縁よりも径方向外側に位置している。
これによれば、プラズマリアクタ1は基板Wの上面よりも広い範囲でプラズマを発生させることができる。したがって、基板Wの上面により均一にプラズマによる活性種を作用させることができる。
しかも、図6の例では、第1線状電極211の先端21aおよび基端21bは仮想円C1よりも径方向外側に位置する。仮想円C1の中心は基板Wの中心と同じであり、仮想円C1の半径は基板Wの半径よりも30mm大きい。図6の例では、第2線状電極221の先端22aおよび基端22bも平面視において仮想円C1よりも径方向外側に位置している。
ところで、プラズマリアクタ1がプラズマを発生させている状態では、第1電極部21および第2電極部22のジュール熱ならびにプラズマによる熱に起因して、プラズマリアクタ1の温度が高くなる。図7は、プラズマリアクタ1の温度分布の一例を概略的に示すグラフである。図7の例では、回転軸線Q1を中心とした径方向の位置を横軸とし、その原点(中心)を回転軸線Q1に設定した。ここでは、プラズマリアクタ1から3.5mmだけ鉛直下方の位置における温度分布を測定したが、プラズマリアクタ1の温度も同様の温度分布をとる。図7の例では、原点の温度で規格化した温度を白丸で示している。
プラズマリアクタ1の温度は、回転軸線Q1からの距離がおおよそ120mm以下の中央部R2においてほぼ一定となる。つまり、プラズマリアクタ1の中央部R2において、径方向の位置変化に対する温度の変化幅は小さい。一方で、該距離が120mm以上の周縁部R1においては、プラズマリアクタ1の温度は、回転軸線Q1からの距離が長くなるにつれて低下する。
なお上述の説明から理解できるように、周縁部R1とは、プラズマリアクタ1のうち、その温度が径方向外側に向かうにつれて低下する部分に該当し、中央部R2とは、プラズマリアクタ1のうち、周縁部R1の内周縁よりも内側の部分に該当する。
図7では、第1線状電極211の先端21aは、回転軸線Q1からの距離が150mmとなる位置に位置している。温度は、距離が120mmとなる位置から径方向外側に向かうにしたがって低下するので、プラズマリアクタ1の周縁部R1は第1線状電極211の先端21aを含む。同様に、プラズマリアクタ1の周縁部R1は第2線状電極221の先端22aも含む。また、周縁部R1の内周縁は、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aよりも30mmだけ径方向内側に位置する。つまり、周縁部R1の内周縁は、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aを通る仮想円の半径を30mmだけ小さくした仮想円に沿う形状を有する。
以上のように、プラズマリアクタ1の温度分布は、中央部R2の温度が比較的に均一となり、かつ、周縁部R1の温度が径方向外側に向かうにつれて低下する、皿状形状を有する。
プラズマリアクタ1が第2処理位置に位置する状態では、プラズマリアクタ1と基板Wの上面との間隔はおおよそ数mmである。よって、プラズマリアクタ1が熱源として機能して基板Wを加熱する。このため、プラズマリアクタ1の温度分布は基板Wの温度分布に影響する。
図7の例では、第1線状電極211の先端21aの位置と基板Wの周縁の位置が一致している場合の基板Wを仮想線で示している。この場合、温度が低いプラズマリアクタ1の周縁部R1が基板Wの周縁部と鉛直方向において対向し、温度が高く均一なプラズマリアクタ1の中央部R2が基板Wの中央部と鉛直方向において対向する。このため、基板Wの周縁部の温度は基板Wの中央部の温度よりも低くなる。つまり、基板Wの温度分布は、図7に例示された皿状形状を有する。
基板Wの温度が低くなると、有機物の除去率(ここではレジストの剥離率)が低下するので、基板Wの周縁部において有機物の除去が不十分になり得る。図7の例では、レジストの剥離率が黒丸で示されている。図7から理解できるように、基板Wの周縁部では、レジストの除去が不十分になり得る。
これに対して、図5の例では、プラズマリアクタ1の中央部R2が鉛直方向において基板Wの全面と対向する。言い換えれば、中央部R2の周縁(つまり周縁部R1の内周縁)は、平面視において、基板Wの周縁よりも径方向外側に位置する。この構造は、例えば、第1線状電極211の先端21aおよび基端21bならびに第2線状電極221の先端22aおよび基端22bが、仮想円C1よりも径方向外側に位置することにより、実現される(図6も参照)。仮想円C1は、基板Wの半径よりも例えば30mmだけ大きい半径を有する仮想円である。
この構造によれば、プラズマリアクタ1は主として中央部R2を熱源として基板Wの全体を加熱する。このため、基板Wはより均一に加熱され、基板Wの温度分布はより均一となる。図7では、基板Wの全面がプラズマリアクタ1の中央部R2と対向するときの基板Wが実線で示されている。図7から理解できるように、基板Wの温度分布はより均一となり、レジストの剥離率も基板Wの全面において均一となる。つまり、処理ユニット130はより均一に基板Wの有機物を除去することができる。
<第2の実施の形態>
図8は、第2の実施の形態にかかる処理ユニット130の構成の一例を概略的に示す図である。第2の実施の形態にかかる処理ユニット130は、第1の実施の形態に比べて、加熱部4をさらに含んでいる。
加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1を加熱する。加熱部4の具体的な一例については後に詳述する。
図8の例では、加熱部4はプラズマリアクタ1に対して基板保持部11とは反対側に位置している。より具体的には、加熱部4はプラズマリアクタ1よりも鉛直上方に位置しており、プラズマリアクタ1と鉛直方向において対向する。加熱部4は不図示の連結部材を介してプラズマリアクタ1と連結されていてもよい。この場合、加熱部4はプラズマリアクタ1と一体的に昇降する。
以下では、プラズマリアクタ1および加熱部4からなる構成をプラズマ発生装置と呼ぶことがある。
図9は、プラズマ発生装置の構成の一例を概略的に示す側断面図であり、図10は、加熱部4の構成の一例を概略的に示す平面図である。図9および図10の例では、加熱部4は、回転軸線Q1を中心としたリング状の加熱面4aを有している。このリング状の加熱面4aはプラズマリアクタ1のリング状の周縁部R1と鉛直方向において対向している。加熱面4aは高温となる面であり、例えば、熱源の表面であってもよく、あるいは、熱源を内蔵するリング状の熱伝達部材(例えば金属部材)の下面であってもよい。熱伝達部材が金属部材である場合は、金属部材の下面を耐薬品性(例えば石英、セラミックスなど)の材料で覆うことで、金属部材が処理液のミスト等により腐食されることを防止できる。なお、金属部材の周囲の雰囲気がシール部材等でシールされることにより、基板Wの周囲に発生する処理液のミストから完全に分離される場合は、金属部材の下面が露出していてもよい。加熱面4aは、例えば方向D3に直交する平坦面である。
なお、ここでいうプラズマリアクタ1の周縁部R1とは、第1の実施の形態の周縁部R1と同様である。つまり、周縁部R1は、加熱部4が加熱動作を行っていない状態において、温度が径方向外側に向かうにつれて低下するプラズマリアクタ1の一部分である。周縁部R1の内周縁は、例えば、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aから30mmだけ径方向内側の位置を通る仮想円に沿う。
さて、プラズマリアクタ1の周縁部R1は平面視において、第1線状電極211の先端部および第2線状電極221の先端部を含む。図9の例では、加熱面4aの内周縁4abは、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aよりも径方向内側に位置している。つまり、加熱面4aは第1線状電極211の先端部および第2線状電極221の先端部と鉛直方向において対向する。このため、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1を適切に加熱することができる。
また図9の例では、加熱面4aの内周縁4abは、プラズマリアクタ1の周縁部R1の内周縁(つまり、中央部R2の周縁)よりも径方向外側に位置している。この場合、加熱面4aはプラズマリアクタ1の中央部R2とは鉛直方向において対向しない。このため、加熱部4は主としてプラズマリアクタ1の周縁部R1を加熱し、中央部R2をあまり加熱しない。つまり、加熱部4は、プラズマリアクタ1の動作によって比較的に温度が高くなる中央部R2をあまり加熱せず、プラズマリアクタ1の動作による温度上昇が比較的に小さい周縁部R1の温度を加熱する。これにより、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1の温度を中央部R2の温度に近づけることができる。
図9の例では、加熱面4aの外周縁は、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aよりも径方向内側に位置するものの、先端21aおよび先端22aよりも径方向外側に位置していてもよい。
以上のように、第2の実施の形態によれば、加熱部4がプラズマリアクタ1の周縁部R1を加熱する。このため、プラズマリアクタ1の周縁部R1における温度を中央部R2における温度に近づけることができる。つまり、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1および中央部R2の全体の温度分布をより均一にすることができる。よって、基板Wの周縁部がプラズマリアクタ1の周縁部R1と鉛直方向に対向する程度に、プラズマリアクタ1の平面視におけるサイズを小型化させても、プラズマリアクタ1は基板Wの全面を均一に加熱することができる。したがって、処理ユニット130はより均一に基板Wの有機物を除去することができる。
しかも上述の例では、加熱部4はプラズマリアクタ1に対して基板保持部11とは反対側に設けられている。つまり、加熱部4は、プラズマリアクタ1と基板保持部11との間には設けられない。このため、加熱部4は、プラズマによる活性種の基板Wへの作用を阻害しない。
また上述の例では、加熱部4は、プラズマリアクタ1の周縁部R1と鉛直方向において対向するリング状の加熱面4aを有している。よって、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1をその周方向においてより均一に加熱できる。
また上述の例では、加熱面4aの内周縁4abが第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aよりも径方向内側に位置している。このため、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1を適切に加熱できる。
また上述の例では、加熱面4aの内周縁4abがプラズマリアクタ1の周縁部R1の内周縁よりも径方向外側に位置している。このため、加熱面4aからプラズマリアクタ1の中央部R2の周縁部分へ与えられる熱量を低減させることができ、中央部R2の周縁部分の温度上昇を抑制することができる。したがって、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1および中央部R2の全体での温度分布をより高い精度で均一化させることができる。
<加熱動作のタイミング>
加熱部4は、少なくともプラズマリアクタ1が第2処理位置に位置する状態で、加熱動作を行えばよいものの、例えば、第2待機位置に位置する状態で加熱動作を開始し、プラズマリアクタ1が第2処理位置に位置する状態において加熱動作を継続してもよい。
<第1線状電極および第2線状電極>
第1の実施の形態では、温度分布が均一であるプラズマリアクタ1の中央部R2の周縁は、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aよりも径方向内側に位置する(図7参照)。よって、全面が中央部R2と対向する基板Wの周縁も、当然に先端21aおよび先端22aよりも径方向内側に位置する。逆に言えば、先端21aおよび先端22aは基板Wの周縁よりも径方向外側に位置する。
一方で、第2の実施の形態では、加熱部4がプラズマリアクタ1の周縁部R1を加熱するので、温度分布が均一な範囲は広く、基板Wの周縁部はプラズマリアクタ1の周縁部R1と対向してもよい。この場合でも、基板Wは、温度分布が均一なプラズマリアクタ1の部分と対向することができ、プラズマリアクタ1は基板Wの温度分布を均一化することができる。
よって、第2の実施の形態では、プラズマによる活性種が基板Wの全面に作用できる限りにおいて、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aが基板Wの周縁よりも径方向内側に位置してもよい。
<加熱部の第1変形例>
図11は、加熱部4の構成の第1変形例を概略的に示す側断面図である。図11の例では、加熱部4は、加熱機構41と、板部材42とを含む。板部材42は回転軸線Q1を中心とした円板形状を有する。板部材42の周縁部の下面には、加熱機構41が取り付けられる。加熱機構41は、回転軸線Q1を中心としたリング状の加熱面4aを有する。加熱面4aは、例えば熱源の表面であってもよく、該熱源を内蔵するリング状の熱伝達部材(例えば金属部材)の下面であってもよい。熱伝達部材が金属部材である場合は、金属部材の下面を耐薬品性(例えば石英、セラミックスなど)の材料で覆うことで、金属部材が処理液のミスト等により腐食されることを防止できる。なお、金属部材の周囲の雰囲気がシール部材等でシールされることにより、基板Wの周囲に発生する処理液のミストから完全に分離される場合は、金属部材の下面が露出していてもよい。加熱面4aはプラズマリアクタ1の周縁部R1と鉛直方向において対向する。
第1変形例にかかる加熱部4もプラズマリアクタ1の周縁部R1を加熱することができるので、プラズマリアクタ1の温度分布をより広い範囲で均一化させることができる。
<加熱部の第2変形例>
図12は、加熱部4の構成の第2変形例を概略的に示す側断面図である。図12の例では、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1に高温のガスを供給して、周縁部R1を加熱する。図12の例では、加熱部4は、プラズマリアクタ1の周縁部R1と鉛直方向において対向するガス吐出口4bを有する。図12の例では、加熱部4は整流板43を含み、ガス吐出口4bは整流板43に形成されている。
図13は、整流板43の一部の一例を概略的に示す平面図である。図12および図13の例では、整流板43は、回転軸線Q1を中心としたリング状の板状形状を有しており、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で設けられている。また、整流板43はプラズマリアクタ1に対して基板保持部11とは反対側に設けられる。より具体的には、整流板43はプラズマリアクタ1よりも鉛直上方に設けられており、プラズマリアクタ1の周縁部R1と鉛直方向において対向する。
整流板43には複数のガス吐出口4bが形成されている。ガス吐出口4bは整流板43をその厚み方向に貫通する。複数のガス吐出口4bは平面視において2次元的に分散して配置される。図12の例では、複数のガス吐出口4bは第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aよりも径方向内側に位置している。また図12の例では、複数のガス吐出口4bの全ては、プラズマリアクタ1の周縁部R1の内周縁よりも径方向外側に位置している。この場合、プラズマリアクタ1の中央部R2はガス吐出口4bとは鉛直方向において対向しない。
後に詳述するように、複数のガス吐出口4bからはプラズマリアクタ1に向かって高温のガスが吐出される。ガスはプラズマリアクタ1の周縁部R1に供給されて、主として周縁部R1を加熱する。
図12に例示されるように、加熱部4は流路部材44をさらに含んでもよい。流路部材44は、高温のガスを整流板43へ向けて流すための流路を形成する。図12の例では、流路部材44は、整流板43の内周縁に立設されたリング状の内壁と、整流板43の外周縁に立設されたリング状の外壁と、内壁の上端および外壁の上端を連結する天井部とを含む。天井部には、複数のガス導入口4cが形成されている。複数のガス導入口4cは例えば回転軸線Q1を中心とした周方向において間隔を空けて形成される。
整流板43および流路部材44は不図示の連結部材によってプラズマリアクタ1に連結されていてもよい。この場合、整流板43および流路部材44はプラズマリアクタ1と一体的に昇降する。
各ガス導入口4cには、供給管45の下流端が接続される。供給管45の上流端はガス供給源49に接続される。ガス供給源49は、プラズマリアクタ1を加熱するための加熱用のガスを供給管45に供給する。加熱用のガスは例えば不活性ガスを含む。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガスなどの希ガスおよび窒素ガスの少なくともいずれか一つを採用することができる。
供給管45には、バルブ46および流量調整部47が介装されている。バルブ46が開くことにより、ガス供給源49からのガスが供給管45を通じてガス導入口4cに供給される。流量調整部47は、供給管45を流れるガスの流量を調整する。流量調整部47は例えばマスフローコントローラである。
供給管45には、ヒータ48が設けられている。ヒータ48は、例えば熱源を含み、供給管45を流れるガスを加熱する。ヒータ48は、例えば、ガスの温度がプラズマリアクタ1の周縁部R1の温度よりも高くなるように、ガスを加熱する。
ヒータ48によって加熱された高温のガスは、ガス導入口4cから流路部材44の内部および整流板43の複数のガス吐出口4bをこの順で通過する。高温のガスは複数のガス吐出口4bからプラズマリアクタ1の周縁部R1に向かって流れ、主として周縁部R1を加熱する。
第2変形例にかかる加熱部4もプラズマリアクタ1の周縁部R1を加熱することができるので、プラズマリアクタ1の温度分布をより広い範囲で均一化させることができる。
しかも上述の例では、複数のガス吐出口4bは、第1線状電極211の先端21aおよび第2線状電極221の先端22aよりも径方向内側に位置している。このため、加熱部4は、プラズマリアクタ1の周縁部R1を適切に加熱することができる。
また上述の例では、複数のガス吐出口4bの全ては、プラズマリアクタ1の周縁部R1の内周縁よりも径方向外側に位置している。このため、高温のガスはプラズマリアクタ1の中央部R2の周縁部分へ供給されにくく、中央部R2の周縁部分の温度上昇を抑制することができる。したがって、加熱部4はプラズマリアクタ1の温度分布をより高い精度で均一化させることができる。
また上述の例では、高温のガスが整流板43の複数のガス吐出口4bを通過する。このため、整流されたガスがプラズマリアクタ1の周縁部R1に供給される。したがって、加熱部4はプラズマリアクタ1の周縁部R1をより均一に加熱することができる。
なお、流路部材44は必ずしも必要ではなく、供給管45の下流口が整流板43の上面と鉛直方向において対向する位置に設けられていてもよい。
また、整流板43は必ずしもリング状の板状形状を有する必要はない。図14は、整流板43の他の一例を部分的かつ概略的に示す平面図である。図14の例では、整流板43は、回転軸線Q1を中心とした円板形状を有している。図14の例でも、複数のガス吐出口4bは、整流板43のうち、プラズマリアクタ1の周縁部R1と鉛直方向において対向する位置に形成され、プラズマリアクタ1の中央部R2と鉛直方向において対向する領域内には形成されない。
これによっても、複数のガス吐出口4bからの高温のガスはプラズマリアクタ1の周縁部R1を加熱することができる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態にかかる処理ユニット130の構成の一例は第1または第2の実施の形態と同様である。ただし、第3の実施の形態では、プラズマリアクタ1の具体的な構成が第1および第2の実施の形態と相違する。
図15は、第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタ1の構成の一例を概略的に示す平面図であり、図16および図17は、第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタ1の構成の一例を概略的に示す側断面図である。図16は、図15のC-C断面を示し、図17は、図15のD-D断面を示す。
第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタ1は、第1電極部21および第2電極部22の位置関係、ならびに、誘電部30の具体的な構成という点で、第1または第2の実施の形態にかかるプラズマリアクタ1と相違している。図示の例では、第1電極部21および第2電極部22は同一平面上に配置され、また、誘電部30は第1誘電体31および第2誘電体32の替わりに、単一の誘電体34を含んでいる。
誘電体34は例えば石英およびセラミックス等の誘電体材料によって形成され、第1線状電極211および第2線状電極221の両方を覆う。図示の例では、誘電体34は板状形状を有しており、その厚み方向が方向D3に沿う姿勢で配置される。誘電体34は主面34a、主面34bおよび側面34cを有する。主面34aおよび主面34bは方向D3において互いに向かい合う面であり、例えば、方向D3に直交する平坦面である。側面34cは主面34aの周縁および主面34bの周縁を繋ぐ面である。図15の例では、誘電体34は円板形状を有しているので、主面34aおよび主面34bは円状の平面であり、側面34cは円筒面である。誘電体34の厚みは例えば5mm程度である。
誘電体34には、各第1線状電極211が挿入される第1穴35と、各第2線状電極221が挿入される第2穴36が形成されている。
各第1穴35は長手方向D1に沿って延在しており、その一方側の端が誘電体34の側面34cにおいて開口する。第1線状電極211は、その先端21aから第1穴35に挿入される。図15に例示されるように、各第1穴35は有底の穴であってもよい。つまり、誘電体34は、各第1穴35の長手方向D1の他方側の端部を塞ぐ底面を有していてもよい。当該底面は第1線状電極211の先端21aと長手方向D1において対向する。
各第2穴36は長手方向D1に沿って延在しており、その他方側の端が誘電体34の側面34cにおいて開口する。各第2線状電極221は、その先端22aから第2穴36に挿入される。図15に例示されるように、各第2穴36は有底の穴であってもよい。つまり、誘電体34は、各第2穴36の長手方向D1の一方側の端部を塞ぐ底面を有していてもよい。当該底面は第2線状電極221の先端22aと長手方向D1において対向する。
図17の例では、複数の第1線状電極211および複数の第2線状電極221は同一平面上に設けられている。よって、複数の第1穴35および複数の第2穴36も同一平面上に形成されている。
図17の例では、第1線状電極211と誘電体34の主面34aとの間隔は、第1線状電極211と誘電体34の主面34bとの間隔よりも狭い。同様に、第2線状電極221と誘電体34の主面34aとの間隔は、第2線状電極221と誘電体34の主面34bとの間隔よりも狭い。つまり、第1線状電極211および第2線状電極221は主面34bよりも主面34aに近い位置に設けられている。よって、第1穴35および第2穴36も主面34bより主面34aに近い位置に形成される。
第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタ1は、主面34aが処理対象(ここでは基板W)を向く姿勢で配置される。主面34a近傍のガスは後述のようにプラズマリアクタ1によってプラズマ化し、該プラズマによる活性種が処理対象に作用する。
図16の例では、第1集合電極212および第2集合電極222は誘電体34よりも外側に設けられている。よって、第1線状電極211の基端21bは誘電体34の側面34cよりも外側に位置して第1集合電極212に接続され、第2線状電極221の基端22bは誘電体34の側面34cよりも外側に位置して第2集合電極222に接続される。第1集合電極212および第2集合電極222はプラズマ用の電源8に接続されており(図15を参照)、この電源8の電圧出力により、第1線状電極211と第2線状電極221との間にプラズマ用の電界が生じる。上述の例では、第1線状電極211と主面34aとの間隔および第2線状電極221と主面34aとの間隔は狭いので、電界が誘電体34の主面34a近傍のガスに作用しやすく、該ガスを容易にプラズマ化させることができる。
一方で、上述の例では、第1線状電極211と主面34bとの間隔および第2線状電極221と主面34bとの間隔は広いので、電界は主面34b近傍のガスには作用しにくい。よって、基板Wの処理に寄与しない不要なプラズマの発生も抑制することができる。しかも、誘電体34の主面34aと主面34bとの間の厚みを大きくすることもできるので、誘電体34の強度および剛性を向上させることができる。
しかも、単一の誘電体34が第1線状電極211および第2線状電極221を覆うので、第3の実施の形態にかかるプラズマリアクタ1の形状は、第1および第2の実施の形態で例示されたプラズマリアクタ1の具体例に比べて簡易である。特に上述の例では、誘電体34の主面34aは平坦であるので、第1誘電体31と仕切部材33とで段差形状を形成する構造に比して、その形状がより簡易である。よって、処理対象である基板W上の処理液が揮発してプラズマリアクタ1(例えば主面34a)に付着しても、プラズマリアクタ1を洗浄して該処理液を除去することが容易である。
以上のように、処理ユニット(基板処理装置)130およびプラズマ発生装置は詳細に説明されたが、上記の説明は、全ての局面において、例示であって、この処理ユニット130およびプラズマ発生装置がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
例えば、基板Wに対する処理は必ずしもレジスト除去処理に限らない。例えば、金属膜の除去の他、活性種により処理液の処理能力を向上させることができる全ての処理に適用可能である。
また、必ずしも基板Wに処理液を供給する必要もない。例えば、プラズマを用いた処理として、基板Wの上面に対して直接にプラズマもしくは活性種を作用させてもよい。このような処理の一例として、基板Wの表面改質処理を挙げることができる。
また、プラズマ発生装置は必ずしも基板Wの処理に用いられる必要はなく、他の処理対象に用いられてもよい。
1 プラズマリアクタ
11 基板保持部
130 基板処理装置(処理ユニット)
21 第1電極部
211 第1線状電極
212 第1集合電極
21a 先端
21b 基端
22 第2電極部
221 第2線状電極
222 第2集合電極
22a 先端
22b 基端
4 加熱部
43 整流板
4a 加熱面
4ab 加熱面の内周縁
4b ガス吐出口
D1 長手方向
D2 配列方向
W 基板

Claims (13)

  1. 基板処理装置であって、
    基板を保持する基板保持部と、
    前記基板保持部によって保持された前記基板と鉛直方向において対向する位置に設けられ、プラズマを発生させるプラズマリアクタと
    を備え、
    前記プラズマリアクタは、
    長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、前記長手方向に直交する配列方向において並ぶ複数の第1線状電極と、
    前記長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、前記複数の第1線状電極の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極と
    を含み、
    前記複数の第1線状電極の先端および基端ならびに前記複数の第2線状電極の先端および基端は、平面視において、前記基板保持部によって保持された前記基板の周縁よりも外側に位置する、基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記プラズマリアクタのうち周縁部よりも内側の中央部が、前記基板保持部によって保持された基板の全面と対向し、
    前記周縁部は、平面視において、前記複数の第1線状電極の先端部および前記複数の第2線状電極の先端部を含み、かつ、前記プラズマリアクタのうち、前記プラズマを発生させたときの温度が外側に向かうにつれて低下する一部分である、基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の第1線状電極の前記先端および前記基端ならびに前記複数の第2線状電極の前記先端および前記基端は、前記基板の周縁よりも30mm以上、外側に位置する、基板処理装置。
  4. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の第1線状電極の先端部および前記複数の第2線状電極の先端部を含むプラズマリアクタの周縁部を加熱する加熱部をさらに備える、基板処理装置。
  5. 請求項4に記載の基板処理装置であって、
    前記加熱部は、前記プラズマリアクタに対して前記基板保持部とは反対側に設けられている、基板処理装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の基板処理装置であって、
    前記加熱部は、前記プラズマリアクタの前記周縁部と対向するリング状の加熱面を有する、基板処理装置。
  7. 請求項6に記載の基板処理装置であって、
    前記加熱面の内周縁は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも内側に位置する、基板処理装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の基板処理装置であって、
    前記加熱面の内周縁は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも30mmだけ内側の仮想円よりも外側に位置する、基板処理装置。
  9. 請求項4から請求項8のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
    前記加熱部は、加熱されたガスを前記プラズマリアクタの前記周縁部に供給する、基板処理装置。
  10. 請求項9に記載の基板処理装置であって、
    前記加熱部は、複数のガス吐出口を有する整流板を有し、前記複数のガス吐出口を通じて前記プラズマリアクタの前記周縁部に前記ガスを供給する、基板処理装置。
  11. 請求項10に記載の基板処理装置であって、
    前記複数のガス吐出口は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも内側に位置する、基板処理装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の基板処理装置であって、
    前記複数のガス吐出口は、平面視において、前記複数の第1線状電極の前記先端および前記複数の第2線状電極の前記先端よりも30mmだけ内側の仮想円よりも外側に位置する、基板処理装置。
  13. プラズマ発生装置であって、
    プラズマリアクタと、
    加熱部と
    を備え、
    前記プラズマリアクタは、
    長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、前記長手方向に直交する配列方向において並ぶ複数の第1線状電極と、
    前記長手方向に沿って延在する棒状形状を有し、かつ、平面視において、前記複数の第1線状電極の相互間にそれぞれ設けられる複数の第2線状電極と
    を含み、
    前記加熱部は、前記複数の第1線状電極の先端部および前記複数の第2線状電極の先端部を含む前記プラズマリアクタの周縁部を加熱する、プラズマ発生装置。
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