JP2022151603A - 基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板処理においてプラズマの作用を適切に生じさせる。【解決手段】基板処理方法は、処理空間内で基板を水平に保持する工程と、誘電体で被覆された複数のプラズマ電極を含み当該プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置を、水平に保持された基板の上方に配置する工程と、プラズマ発生装置によって大気圧プラズマを発生させる工程と、水平に保持された基板の上面に処理液の液膜を形成する工程と、プラズマ電極を被覆する誘電体と液膜との間の距離が、0.9mm以上、かつ、2.3mm以下となる位置まで、プラズマ発生装置と基板とを相対的に移動させ、処理液に大気圧プラズマを作用させて、基板を処理する工程とを備える。【選択図】図11

Description

本願明細書に開示される技術は、基板処理に関するものである。
従来から、基板の上面に形成されたレジスト膜(被膜)を除去する技術が提案されている。たとえば、特許文献1には、基板の上面に硫酸および過酸化水素水の混合液を供給して、当該混合液中で生成されるカロ酸を用いて、基板の上面に形成されたレジスト膜を除去する技術が開示されている。
特開2020-88208号公報 特開2020-4561号公報
一方で、上記の技術よりも環境負荷が小さい代替技術として、特許文献2には、大気圧プラズマで活性種を発生させ、その活性種を基板の上面を覆う液膜に溶け込ませることでレジスト膜を剥離する技術が開示されている。当該技術によれば、過酸化水素水を用いずにレジスト膜を除去することができる。
ここで、プラズマの作用は液膜とプラズマ電極との間の距離に依存するため、上記の処理において改善の余地があった。
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を鑑みてなされたものであり、基板処理においてプラズマの作用を適切に生じさせるための技術である。
本願明細書に開示される技術の第1の態様である基板処理方法は、大気圧の処理空間内で基板を処理する基板処理方法であって、前記処理空間内で前記基板を水平に保持する工程と、誘電体で被覆された複数のプラズマ電極を含み当該プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置を、前記水平に保持された前記基板の上方に配置する工程と、前記プラズマ発生装置によって大気圧プラズマを発生させる工程と、前記水平に保持された前記基板の上面に処理液の液膜を形成する工程と、前記プラズマ電極を被覆する前記誘電体と前記液膜との間の距離が、0.9mm以上、かつ、2.3mm以下となる位置まで、前記プラズマ発生装置と前記基板とを相対的に移動させ、前記処理液に前記大気圧プラズマを作用させて、前記基板を処理する工程とを備える。
本願明細書に開示される技術の第2の態様である基板処理方法は、大気圧の処理空間内で基板を処理する基板処理方法であって、前記処理空間内で前記基板を水平に保持する工程と、複数の収容穴が形成された誘電体の前記収容穴に収容された複数のプラズマ電極を含み当該プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置を、前記水平に保持された前記基板の上方に配置する工程と、前記プラズマ発生装置によって大気圧プラズマを発生させる工程と、前記水平に保持された前記基板の上面に処理液の液膜を形成する工程と、前記誘電体の下面と前記液膜との間の距離が、2.3mm以上、かつ、3.8mm以下となる位置まで、前記プラズマ発生装置と前記基板とを相対的に移動させ、250℃以上である前記処理液に前記大気圧プラズマを作用させて、前記基板を処理する工程とを備える。
本願明細書に開示される技術の第3の態様である基板処理方法は、大気圧の処理空間内で基板を処理する基板処理方法であって、前記処理空間内で前記基板を水平に保持する工程と、複数の収容穴が形成された誘電体の前記収容穴に収容された複数のプラズマ電極を含み当該プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置を、前記水平に保持された前記基板の上方に配置する工程と、前記プラズマ発生装置によって大気圧プラズマを発生させる工程と、前記水平に保持された前記基板の上面に処理液の液膜を形成する工程と、前記誘電体の下面と前記液膜との間の距離が、2.3mm以上、かつ、2.8mm以下となる位置まで、前記プラズマ発生装置と前記基板とを相対的に移動させ、200℃以上かつ250℃未満である前記処理液に前記大気圧プラズマを作用させて、前記基板を処理する工程とを備える。
本願明細書に開示される技術の第4の態様である基板処理方法は、第1から3のうちのいずれか1つの態様である基板処理方法に関連し、前記液膜を形成する工程は、前記処理液の膜厚が0.2mmである前記液膜を形成する工程である。
本願明細書に開示される技術の第5の態様である基板処理方法は、第1から4のうちのいずれか1つの態様である基板処理方法に関連し、前記処理液は、硫酸である。
本願明細書に開示される技術の第6の態様である基板処理方法は、第1から5のうちのいずれか1つの態様である基板処理方法に関連し、前記液膜を形成する工程は、前記基板の前記上面に形成された被膜の上面に、前記液膜を形成する工程であり、前記基板を処理する工程は、前記被膜を剥離させる工程である。
本願明細書に開示される技術の少なくとも第1、2、3の態様によれば、プラズマ電極と液膜との間の距離が適切な範囲となるため、基板処理においてプラズマの作用を適切に生じさせることができる。
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
実施の形態に関する、基板処理システムの構成の例を概略的に示す平面図である。 図1に示された制御部の構成の例を概念的に示す図である。 実施の形態における、処理ユニットの構成の例を概略的に示す側面図である。 プラズマ処理装置の動作の例を示すフローチャートである。 実施の形態に関する、プラズマ処理装置の動作を説明するための図である。 実施の形態に関する、プラズマ処理装置の動作を説明するための図である。 加熱部およびその周辺構造の構成の例を具体的に示す図である。 プラズマ処理部内の領域全体にプラズマが生じるまでに要する時間を示す図である。 プラズマ処理部内の一部の領域にプラズマが生じている状態を示す平面図である。 測定部による温度の測定結果に基づいて、一部の吹き出し口を開いた場合の例を示す平面図である。 プラズマ処理部と液膜との間の距離が異なる場合における、基板の表面における被膜(レジスト膜)の剥離度合いの例を示す図である。 実施の形態における、処理ユニットの構成の例を概略的に示す側面図である。 プラズマ処理部における一部の構成の例を概略的に示す断面図である。 プラズマ処理部における一部の構成の例を概略的に示す平面図である。 プラズマ処理部と液膜との間の距離が異なる場合における、基板の表面における被膜(レジスト膜)の剥離度合いの例を示す図である。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるためにそれらすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化が図面においてなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、本願明細書に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、本願明細書に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
また、本願明細書に記載される説明において、「…軸正方向」または「…軸負方向」などの表現は、図示される…軸の矢印に沿う方向を正方向とし、図示される…軸の矢印とは反対側の方向を負方向とするものである。
また、本願明細書に記載される説明において、等しい状態であることを示す表現、たとえば、「同一」、「等しい」、「均一」または「均質」などは、特に断らない限りは、厳密に等しい状態であることを示す場合、および、公差または同程度の機能が得られる範囲において差が生じている場合を含むものとする。
また、本願明細書に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置または方向を意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の位置または方向とは関係しないものである。
また、本願明細書に記載される説明において、「…の上面」または「…の下面」などと記載される場合、対象となる構成要素の上面自体または下面自体に加えて、対象となる構成要素の上面または下面に他の構成要素が形成された状態も含むものとする。すなわち、たとえば、「甲の上面に設けられる乙」と記載される場合、甲と乙との間に別の構成要素「丙」が介在することを妨げるものではない。
<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に関する基板処理方法について説明する。
<基板処理システムの構成について>
図1は、本実施の形態に関する基板処理システム1の構成の例を概略的に示す平面図である。基板処理システム1は、ロードポート400と、インデクサロボット402と、センターロボット406と、制御部90と、少なくとも1つの処理ユニット100(図1においては4つの処理ユニット)とを備える。
それぞれの処理ユニット100は、基板W(ウエハ)を処理するためのものであり、そのうちの少なくとも1つが、プラズマ処理装置に対応する。プラズマ処理装置は、プラズマ処理に用いることができる枚葉式の装置であり、具体的には、基板Wに付着している有機物を除去する処理、または、基板Wにおける金属エッチングなどを行う装置である。基板Wに付着している有機物は、たとえば、使用済のレジスト膜である。当該レジスト膜は、たとえば、イオン注入工程用の注入マスクとして用いられたものである。
ここで、処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのflat panel display(FPD)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、セラミック基板、電界放出ディスプレイ(field emission display、すなわち、FED)用基板、または、太陽電池用基板などが含まれる。
なお、処理ユニット100は、チャンバ80を有することができる。その場合、チャンバ80内の雰囲気を制御部90によって制御することで、処理ユニット100は、所望の雰囲気中における処理を行うことができる。
制御部90は、基板処理システム1におけるそれぞれの構成(後述のスピンチャック10のスピンモータ10D、処理液供給源29、バルブ25、気体供給源70または交流電源40など)の動作を制御することができる。キャリアCは、基板Wを収容する収容器である。また、ロードポート400は、複数のキャリアCを保持する収容器保持機構である。インデクサロボット402は、ロードポート400と基板載置部404との間で基板Wを搬送することができる。センターロボット406は、基板載置部404および処理ユニット100間で基板Wを搬送することができる。
インデクサロボット402、基板載置部404およびセンターロボット406は、それぞれの処理ユニット100とロードポート400との間で基板Wを搬送する。
未処理の基板WはキャリアCからインデクサロボット402によって取り出される。そして、未処理の基板Wは、基板載置部404を介してセンターロボット406に受け渡される。
センターロボット406は、当該未処理の基板Wを処理ユニット100に搬入する。そして、処理ユニット100は基板Wに対して処理を行う。
処理ユニット100において処理済みの基板Wは、センターロボット406によって処理ユニット100から取り出される。そして、処理済みの基板Wは、必要に応じて他の処理ユニット100を経由した後、基板載置部404を介してインデクサロボット402に受け渡される。インデクサロボット402は、処理済みの基板WをキャリアCに搬入する。以上によって、基板Wに対する処理が行われる。
図2は、図1に示された制御部90の構成の例を概念的に示す図である。制御部90は、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成されていてよい。具体的には、制御部90は、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)91、リードオンリーメモリー(read only memory、すなわち、ROM)92、ランダムアクセスメモリー(random access memory、すなわち、RAM)93、記憶装置94、入力部96、表示部97および通信部98と、これらを相互に接続するバスライン95とを備える。
ROM92は基本プログラムを格納している。RAM93は、CPU91が所定の処理を行う際の作業領域として用いられる。記憶装置94は、フラッシュメモリまたはハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって構成されている。入力部96は、各種スイッチまたはタッチパネルなどによって構成されており、オペレータから処理レシピなどの入力設定指示を受ける。表示部97は、たとえば、液晶表示装置およびランプなどによって構成されており、CPU91の制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、local area network(LAN)などを介してのデータ通信機能を有する。
記憶装置94には、図1の基板処理システム1におけるそれぞれの構成の制御についての複数のモードがあらかじめ設定されている。CPU91が処理プログラム94Pを実行することによって、上記の複数のモードのうちの1つのモードが選択され、当該モードでそれぞれの構成が制御される。なお、処理プログラム94Pは、記録媒体に記憶されていてもよい。この記録媒体を用いれば、制御部90に処理プログラム94Pをインストールすることができる。また、制御部90が実行する機能の一部または全部は、必ずしもソフトウェアによって実現される必要はなく、専用の論理回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
図3は、本実施の形態における処理ユニット100の構成の例を概略的に示す側面図である。
なお、図3に示される構成は、図1におけるチャンバ80に囲まれていてよい。また、チャンバ80内の圧力は、およそ大気圧(たとえば、0.5気圧以上、かつ、2気圧以下)である。言い換えれば、後述するプラズマ処理は、大気圧で行われる大気圧プラズマ処理である。
処理ユニット100は、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持しつつ、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線Z1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック10と、基板Wに処理液を吐出する処理液ノズル20と、処理液ノズル20に処理液を供給する処理液供給源29と、処理液供給源29から処理液ノズル20への処理液の供給および供給停止を切り替えるバルブ25と、基板Wの上方に基板W全体を覆うように配置され、かつ、大気圧下でプラズマを生じさせる大気圧プラズマ源としてのプラズマ処理部30と、プラズマ処理部30に交流電圧を印加する交流電源40と、プラズマ処理部30を加熱する加熱部50と、プラズマ処理部30および加熱部50を一体的に支持する支持部60と、基板Wの回転軸線Z1まわりにスピンチャック10を取り囲む筒状の処理カップ12とを備える。
ここで、処理液には、処理ユニット100における基板処理の用途に応じてさまざまな液を用いることができる。たとえば、エッチング液として、塩酸、フッ酸、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化水素水または水酸化テトラメチルアンモニウムなどを含む液を用いることができる。また、洗浄液として、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、または、塩酸と過酸化水素水との混合水溶液(SC2)などを含む液を用いることができる。また、洗浄液およびリンス液として脱イオン水(DIW)を用いることができる。
本実施の形態においては、主に、基板Wの上面に形成されたレジスト膜を除去するための処理が説明される。この場合には、処理液としては、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸およびペルオキソ硫酸塩のうちの少なくとも1つを含む液、または、過酸化水素を含む液などが想定される。
処理液ノズル20は、複数種の処理液が想定される場合には、それぞれの処理液に対応して複数設けられていてもよい。処理液ノズル20は、基板Wの上面に処理液の液膜が形成されるように、基板Wに処理液を供給する。
処理液ノズル20は、図示しないアーム機構によって移動可能である。具体的には、アクチュエータなどによって角度調整可能なアーム部材に処理液ノズル20が取り付けられることによって、処理液ノズル20がたとえば基板Wの半径方向に揺動可能となる。
スピンチャック10は、略水平姿勢の基板Wの下面を真空吸着する円板状のスピンベース10Aと、スピンベース10Aの中央部から下方に延びる回転軸10Cと、回転軸10Cを回転させることによって、スピンベース10Aに吸着されている基板Wを回転させるスピンモータ10Dとを備える。なお、スピンチャック10の代わりに、スピンベースの上面外周部から上方に突出する複数のチャックピンを備え、当該チャックピンによって基板Wの周縁部を挟持する挟持式のチャックが用いられてもよい。
プラズマ処理部30は、石英などの誘電体からなる板状の誘電部材30Aと、誘電部材30Aの上面において櫛形状に配置される複数の電極棒30Bと、誘電部材30Aの下面において櫛形状に配置される複数の電極棒30Cと、樹脂(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))またはセラミックスなどからなり、かつ、複数の電極棒30Bおよび複数の電極棒30Cを一端において保持する保持部30Dと、石英などの誘電体からなり、かつ、それぞれの電極棒30Bを覆う誘電管30Eと、石英などの誘電体からなり、かつ、それぞれの電極棒30Cを覆う誘電管30Fと、複数の電極棒30Bに共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Gと、複数の電極棒30Cに共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Hとを備える。集合電極30Gと集合電極30Hとは、たとえば、合わせて平面視で円形状となるように配置され、当該円内に、複数の電極棒30Bおよび複数の電極棒30Cが収容される。
電極棒30Bおよび電極棒30Cは、たとえば、タングステンなどから形成される。なお、本実施の形態では棒形状の電極部材が用いられているが、電極部材の形状は棒形状に限られるものではない。また、複数の電極棒30Bと複数の電極棒30Cとは、平面視および側面視で重ならないように互い違いに配置される。すなわち、平面視で見れば、電極棒30Bと電極棒30Cとは、交互に配列される。平面視における電極棒30Bと電極棒30Cとの間の距離(ピッチ)は、たとえば、5mmであり、複数の電極棒30B間の距離、および、複数の電極棒30C間の距離は、たとえば、10mmである。
それぞれの電極棒30Bを覆う誘電管30Eは、電極棒30Bの保持部30Dに保持されない側の端部において保持部30Dに保持される。また、それぞれの電極棒30Cを覆う誘電管30Fは、電極棒30Cの保持部30Dに保持されない側の端部において保持部30Dに保持される。
これによって、電極棒30Bは、一端が保持部30Dによって直接保持され、他端が誘電管30Eを介して保持部30Dによって保持される。同様に、電極棒30Cは、一端が保持部30Dによって直接保持され、他端が誘電管30Fを介して保持部30Dによって保持される。
交流電源40によって、集合電極30Gおよび集合電極30Hとの間に交流電圧が印加されると、集合電極30Gに接続される電極棒30Bと集合電極30Hに接続される電極棒30Cとの間で誘電体バリア放電が生じる。そして、当該放電の放電経路の周囲で気体のプラズマ化が生じて、電極棒30Bと電極棒30Cとを隔てる誘電部材30Aの表面に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される。
ここで、上記のプラズマ空間が形成される際に、プラズマ処理部30の下方の空間(すなわち、基板Wの上方の空間)に、たとえば、O(酸素)、Ne、CO、空気、不活性ガスまたはそれらの組み合わせである気体が供給されてもよい。不活性ガスは、たとえば、Nまたは希ガスである。希ガスは、たとえば、HeまたはArなどである。
加熱部50は、プラズマ処理部30の、たとえば、少なくとも一部の電極棒30Bおよび少なくとも一部の電極棒30Cを加熱する。加熱部50の詳細な構成については後述する。なお、加熱部50は、図3においてはプラズマ処理部30と一体的に支持されているが、プラズマ処理部30とは独立して設けられていてもよい。ただし、加熱部50がプラズマ処理部30と一体的に支持されれば、加熱部50がプラズマ処理部30の近傍に配置されることとなるため、加熱部50が効率的にプラズマ処理部30を加熱することができる。
支持部60は、プラズマ処理部30および加熱部50を一体的に支持しつつ、たとえば、図示しない駆動機構によって図3のZ軸方向に移動可能である。支持部60は、樹脂(たとえば、PTFE)またはセラミックスなどからなる。
なお、図3においては、処理液ノズル20とプラズマ処理部30とが別々に設けられているが、処理液ノズル20がプラズマ処理部30と一体的に設けられ、ともに、支持部60によって支持されていてもよい。
<プラズマ処理装置の動作について>
次に、プラズマ処理装置の基板処理動作について説明する。本実施の形態に関するプラズマ処理装置による処理方法は、処理ユニット100へ搬送された基板Wに対し薬液処理を行う工程と、薬液処理が行われた基板Wに対し洗浄処理を行う工程と、洗浄処理が行われた基板Wに対し乾燥処理を行う工程と、乾燥処理が行われた基板Wを処理ユニット100から搬出する工程とを備える。
以下では、プラズマ処理装置の動作に含まれる、薬液処理中または薬液処理後に基板Wに付着している有機物(たとえば、使用済みのレジスト膜)を除去する工程(すなわち、上記の工程のうちの、薬液処理を行う工程、または、洗浄処理を行う工程に属する工程)について、図4、図5および図6を参照しつつ説明する。ここで、図4は、プラズマ処理装置の動作の例を示すフローチャートである。また、図5および図6は、本実施の形態に関するプラズマ処理装置の動作を説明するための図である。
まず、スピンチャック10が基板Wを水平に保持する(図4におけるステップST01)。そして、スピンチャック10の駆動によって、基板Wが回転する。なお、スピンチャック10に保持される基板Wは、厳密に水平方向と平行でなくてもよく、誤差の範囲でずれていてもよい。
次に、図5に例が示されるように、処理液供給源29から処理液ノズル20へ処理液101が供給され、基板Wが回転している状態で、処理液ノズル20から基板Wの上面へ処理液101が吐出される(図4におけるステップST02)。この際、図示しないノズルアームなどによって処理液ノズル20の基板Wの上面における位置が調整される。なお、本実施の形態においては、基板Wが回転している状態で処理液101が吐出される場合が示されるが、基板Wは回転していなくともよい。
処理液ノズル20から処理液101が吐出されることによって、図5に例が示されるように、基板Wの上面に処理液101の液膜101Aが形成される(図4におけるステップST03)。ここで、液膜101Aの膜厚は、たとえば、0.1mm以上、かつ、2.0mm以下であり、好ましくは0.2mm程度である。
一方で、集合電極30Gおよび集合電極30Hとの間に交流電源40からの所定の交流電圧が印加されることによって、プラズマ処理部30における誘電部材30Aの表面にプラズマが生じる(図4におけるステップST04)。具体的には、誘電部材30Aの表面に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される。当該プラズマ空間におけるプラズマの作用によって、当該空間近傍の気体に活性種が生じる。活性種には、電荷を有するイオン、または、電気的に中性であるラジカルなどが含まれる。たとえば、気体がOを含むものである場合は、プラズマ処理部30におけるプラズマの作用によって、活性種の一種である酸素ラジカルが生じる。
ここで、プラズマ処理部30は、上記のようにプラズマを生じさせる段階においては所定の待機位置(たとえば、図5に例が示されるような、水平に保持された基板WからZ軸正方向に十分に離間する位置)に待機しておき、誘電部材30Aの表面に適度に均一なプラズマが生じた後で、基板W近傍の処理位置(たとえば、図6に例が示されるような、水平に保持された基板WのZ軸正方向側で基板Wに十分に近接する位置)に移動することが望ましい。このような態様であれば、均一なプラズマが生じた状態で基板Wの表面における液膜101Aにプラズマを作用させることで、均一な処理を行うことができる。
なお、本実施の形態では、基板Wに対してプラズマ処理部30が移動する態様が示されるが、プラズマ処理部30と基板Wとが相対的に移動されて上記の処理位置に位置すればよい。
ここで、基板Wに十分に近接する位置(処理位置)について、図11を参照しつつ説明する。なお、図11は、プラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離が異なる場合における、基板Wの表面における被膜(レジスト膜)の剥離度合いの例を示す図である。処理時間は1.5分間(90秒間)である。
上記のプラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離とは、より具体的には、プラズマ電極である電極棒を覆う誘電管30Fと液膜101Aの液面との間の距離である。また、処理液は硫酸であるものとする。また、液膜101Aの膜厚は、0.2mmであるものとする。また、プラズマ処理部30におけるプラズマ電極である電極棒30B(または電極棒30C)の温度は、400℃であるものとする。なお、プラズマ電極である電極棒30B(または電極棒30C)の温度は、400℃以上であればよい。
図11に例が示されるように、プラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離が2.3mm以下である場合には、剥離率は十分に高いことが分かる。一方で、プラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離が2.8mm以上である場合には、剥離率は著しく低下することが分かる。
このことから、プラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離は2.3mm以下であることが望ましい。
また、プラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離が近すぎると、両者間でアーク放電が生じたり、液膜101Aの液面がプラズマ処理部30側に引きつけられたりすることによって、被膜(レジスト膜)を適切に剥離することができない場合があった。発明者らの実験では、プラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離が0.9mm未満となると、上記の不具合が生じた。
このことから、プラズマ処理部30と液膜101Aとの間の距離は0.9mm以上であることが望ましい。
そして、プラズマ処理部30が処理位置に位置する状態で、図6に例が示されるように、プラズマ処理部30におけるプラズマ102の作用で生じた活性種が、液膜101Aへと供給される(図4におけるステップST05)。
レジスト膜の上面における液膜101Aへと活性種が供給されることによって、液膜101A中で活性種が処理液101を活性化する。具体的な一例として、活性種は基板Wの上面の硫酸の液膜101Aに作用する。これによって、処理液101の処理性能が高まる。具体的には、活性種と硫酸との反応によって、処理性能(ここでは酸化力)の高いカロ酸が生成される。カロ酸はペルオキソ一硫酸とも呼ばれる。当該カロ酸が基板Wのレジスト膜に作用することで、レジスト膜を酸化除去することができる。
また、活性種が酸素ラジカルを含む場合、酸素ラジカルの酸化力によって基板W上のレジスト膜の除去が促進される。
なお、上記の説明では、処理液ノズル20の動作の後にプラズマ処理部30の動作が行われているが、動作順序はこれに限られるものではなく、たとえば、処理液ノズル20の動作とプラズマ処理部30の動作とがほぼ同時に行われてもよい。
また、本実施の形態ではプラズマ処理部30は基板Wの上面全体を覆うように配置されているが、プラズマ処理部30が基板Wの一部のみを覆うように配置される場合には、プラズマ処理部30の基板Wの上面における位置を、基板Wの回転に伴って基板Wの上面に沿って基板Wの回転方向および径方向に図示しない駆動機構によって移動させてもよい。
また、液膜101Aの形成は、基板Wの上面への処理液101の供給を開始することによって開始され、基板Wの上面への処理液101の供給を停止することによって停止されるが、処理液ノズル20からの処理液101の供給を停止した後も、基板Wが高速回転していなければ(たとえば、基板Wを低速回転させて、処理液の液膜のパドル形成を行う、または、基板Wを回転させずに処理液の液膜を形成するなど)、液膜101Aは維持され得る。活性種の液膜101Aへの供給は、処理液101の供給停止後、液膜101Aが維持された状態で行われる。また、活性種の液膜101Aへの供給は、処理液101の供給を開始した後、かつ、処理液101の供給を停止する前に行われてもよい。
なお、上記の除去処理の後、通常は、基板Wのリンス工程(洗浄工程)および乾燥工程が行われる。たとえば、リンス工程は、基板Wへ純水(DIW)を吐出することによって行われ、乾燥工程は、イソプロピルアルコール(IPA)による乾燥が行われるが、基板Wを高速回転させる振り切り乾燥または基板上面へ窒素ガスを吐出するNブローなどが行われてもよい。
<加熱部について>
次に、加熱部50について説明する。図7は、加熱部50およびその周辺構造の構成の例を具体的に示す図である。なお、図7においては、交流電源40、集合電極30Gおよび集合電極30Hは、簡単のため図示が省略されている。図7に例が示されるように、加熱部50は、気体供給源70から供給される気体(たとえば、NまたはArなどの不活性ガス、または、ドライエアー)が流れる気体流路50Aと、気体流路50Aが分岐した下流のそれぞれの端部に設けられる吹き出し口50Bとを備える。それぞれの吹き出し口50Bは、たとえば、平面視で基板Wの周方向の少なくとも一部に延びて形成される。それぞれの吹き出し口50Bは、たとえば、パンチング加工などによって形成されるパンチング孔である。
吹き出し口50Bから吹き出す気体は、プラズマ処理部30の一部の領域または全体を加熱するための高温の気体である。すなわち、吹き出し口50Bからは、温風がプラズマ処理部30(たとえば、電極棒30Bおよび電極棒30C)に向かって吹き出される。ここで、吹き出し口50Bから吹き出す気体は、気体供給源70から供給される時点で高温に保たれている気体であってもよいし、加熱部50が図示しないヒーターを備え、気体流路50Aにおいて当該ヒーターによって熱せられて高温となった気体であってもよい。
なお、図7に示される例では、気体流路50Aは加熱部50を支持する支持部60の内部に形成される気体流路60Aと連通しており、気体供給源70から供給される気体は、気体流路60Aおよび気体流路50Aを通って複数の吹き出し口50Bへ到達する。また、図7に示される例では、加熱部50は、プラズマ処理部30との境界部分に設けられた隙間である排気口50Dを備えることができる。このような構成であれば、吹き出し口50Bから吹き出してプラズマ処理部30を加熱した気体は、その後排気口50Dから排気される。
それぞれの吹き出し口50Bにはシャッター部材50Cを取り付け可能である。シャッター部材50Cは、加熱部50の下面においてスライドすることによって、互いに独立に対応する吹き出し口50Bを開閉可能である。具体的には、シャッター部材50Cは、平面視で吹き出し口50Bと重なる位置である閉位置と、平面視で吹き出し口50Bと重ならない位置である開位置との間で移動可能であり、閉位置で対応する吹き出し口50Bを塞ぎ、開位置で対応する吹き出し口50Bを開放することができる。当該動作は、たとえば、ボールねじ機構またはエアシリンダーなどの駆動機構によって実現される。
それぞれのシャッター部材50Cの開閉動作は、たとえば、制御部90によって制御される。当該制御によって、プラズマ処理部30内の任意の領域に対して、選択的に開かれた吹き出し口50Bから温風を吹き付けることができる。なお、それぞれの吹き出し口50Bを開閉可能な構成であれば、他の形態の開閉機構が設けられてもよい。
また、処理ユニット100には、プラズマ処理部30における電極棒30Bおよび電極棒30Cの温度を測定するための測定部72が設けられていてもよい。測定部72は、たとえば、放射温度計である。図7においては、測定部72はプラズマ処理部30、加熱部50および支持部60とは独立して設けられているが、プラズマ処理部30、加熱部50または支持部60と一体的に設けられてもよい。また、測定部72が設けられる位置は、図7に示される位置に限られるものではない。
<加熱方法について>
次に、加熱部50によるプラズマ処理部30の加熱方法について説明する。プラズマ処理部30内のそれぞれの領域におけるプラズマが生じるまで(プラズマ空間が形成されるまで)に要する時間は、当該領域に配置される電極棒の個体差、集合電極の個体差、または、プラズマ処理部30の組立誤差などによってばらつきがある。特に、プラズマ処理部30におけるプラズマ空間を形成する面積が大きい場合には当該ばらつきも大きくなり、プラズマ処理部30内の領域全体で均一なプラズマを生じさせるまでに要する時間が長くなる。
ここで、発明者らは、大気圧プラズマなどのプラズマを生じさせる場合に、100℃などの高温の気体をプラズマ処理部30へ吹き付けることで、プラズマが生じるまでに要する時間を短縮させることができるということを見出した。図8は、プラズマ処理部30内の領域全体にプラズマが生じるまでに要する時間を示す図である。図8において、縦軸は温度(値は相対値)、横軸は時間(値は相対値)をそれぞれ示す。また、図8において、丸印は加熱されない状態(常温の状態)で電圧が印加された場合のプラズマ処理部30の温度の推移を示し、三角印は100℃に加熱された状態で電圧が印加された場合のプラズマ処理部30の温度の推移を示し、四角印は150℃に加熱された状態で電圧が印加された場合のプラズマ処理部30の温度の推移を示す。また、図8における縦軸の温度[50]は、温度上昇が鈍化するしきい温度であり、当該しきい温度を、プラズマ処理部30内の領域全体にプラズマが生じた温度とする。
図8に例が示されるように、加熱されない状態(常温の状態)で電圧が印加されたプラズマ処理部30は、しきい温度に到達するまでに時間[5]を要するのに対し、100℃または150℃に加熱された状態で電圧が印加されたプラズマ処理部30は、時間[5]の半分程度の時間でしきい温度に到達することができる(図8における砂地部分を参照)。
すなわち、プラズマを生じさせる前にプラズマ処理部30をたとえば100℃以上に加熱することによって、プラズマ処理部30内の領域全体で均一なプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。
本実施の形態では、加熱部50は、プラズマ処理部30においてプラズマを生じさせる前にプラズマ処理部30の一部または全体を加熱する。具体的には、吹き出し口50Bから高温の気体がプラズマ処理部30(たとえば、電極棒30Bおよび電極棒30C)に向かって吹き出されることによって、プラズマ処理部30が加熱される。
そうすることによって、プラズマ処理部30およびその近傍の気体が加熱された状態でプラズマを発生させることとなるため、プラズマ処理部30内の領域全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。そして、プラズマを生じさせるまでに要する時間が短縮されることによって、それぞれの領域における当該時間のばらつきも小さくなり、領域全体で均一なプラズマを生じさせることが可能となる。
なお、プラズマ処理部30においてプラズマが生じるまでには時間を要するため、プラズマ処理を行う前の工程、たとえば、基板Wの上面に液膜101Aを形成する工程の間に、プラズマ処理部30が待機位置に位置している状態で当該加熱が開始されていることが望ましい。
また、測定部72を用いてプラズマ処理部30内の複数の領域の温度を測定し、当該測定結果に基づいて、加熱部50を用いて加熱する領域を特定してもよい。
図9は、プラズマ処理部30内の一部の領域にプラズマが生じている状態を示す平面図である。図9に例が示されるように、プラズマ処理部30における複数の電極棒30Bおよび複数の電極棒30Cに同様に電圧を印加した場合であってもプラズマ102が生じるまでに要する時間にばらつきが生じるため、プラズマ処理部30内の領域全体にプラズマが生じるまでに要する時間が長くなる。
一方で、プラズマが生じるまでに要する時間が長くなる一因として、プラズマが生じる当該領域の温度が相対的に上昇しにくい箇所が存在することが考えられる。よって、まず、測定部72を用いてプラズマが生じるまでのプラズマ処理部30内のそれぞれの領域の温度を測定し、相対的に温度が低い領域をあらかじめ特定する。そして、当該領域に対応する吹き出し口50Bを開いて当該領域(具体的には、当該領域に位置する電極棒30Bおよび電極棒30C)に温風を吹き付けることによって、プラズマ処理部30内の一部の領域に対応する当該領域を選択的に加熱する。そうすることで、プラズマ処理部30内の領域間でのプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきを減少させ、プラズマ処理部30内の領域全体で均一なプラズマが生じるまでに要する時間を効果的に短縮することができる。
図10は、測定部72による温度の測定結果に基づいて、一部の吹き出し口50Bを開いた場合の例を示す平面図である。図10に示される場合では、測定部72による温度の測定によってある領域(図10の右上部分)の温度が相対的に低いと判定され、当該領域を覆うように配置されている吹き出し口50Bが開かれている。このようにすれば、開かれた吹き出し口50Bに対応する領域の電極棒30Bおよび電極棒30Cを効果的に加熱して、プラズマ処理部30内の領域間でのプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきを減少させることができる。
なお、図9と図10とでは、プラズマ102が生じていない領域と吹き出し口50Bが開かれている領域とは一致おり、測定部72によって測定される温度が相対的に低い領域と、プラズマ102が所定の時間内に生じない領域とが概ね一致している。
また、図10においては、開かれている吹き出し口50Bは1つだが、互いに離間する複数の吹き出し口50Bが開かれてもよい。このような加熱方法であれば、複数の領域において同時に加熱を行うことができるため、多様な温度分布を有するプラズマ処理部30であっても効果的に加熱することができる。
<第2の実施の形態>
図12は、本実施の形態における処理ユニット100Aの構成の例を概略的に示す側面図である。図12においては、便宜上一部の構成が透過した状態で図示されている。
なお、図12に示される構成は、図1におけるチャンバ80に囲まれていてよい。また、チャンバ80内の圧力は、およそ大気圧(たとえば、0.5気圧以上、かつ、2気圧以下)である。言い換えれば、後述するプラズマ処理は、大気圧で行われる大気圧プラズマ処理である。
処理ユニット100Aは、スピンチャック10と、処理カップ12と、処理液ノズル20と、処理液供給源29と、バルブ25と、基板Wの上方に基板W全体を覆うように配置され、かつ、大気圧下でプラズマを生じさせる大気圧プラズマ源としてのプラズマ処理部130と、プラズマ処理部130に交流電圧を印加する交流電源40と、プラズマ処理部130を加熱する加熱部50と、プラズマ処理部130および加熱部50を一体的に支持する支持部60とを備える。
プラズマ処理部130は、石英などの誘電体からなる板状の誘電部材32Aと、誘電部材32A内に収容されて櫛形状に配置される複数の電極棒30Jと、誘電部材32A内に収容されて櫛形状に配置される複数の電極棒30Kと、樹脂(たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))またはセラミックスなどからなり、かつ、複数の電極棒30Jおよび複数の電極棒30Kをそれぞれ一端において保持する保持部30Lと、複数の電極棒30Jに共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Mと、複数の電極棒30Kに共通して接続される、アルミニウムなどからなる集合電極30Nとを備える。集合電極30Mと集合電極30Nとは、たとえば、合わせて平面視で円形状となるように配置され、当該円内に、複数の電極棒30Jおよび複数の電極棒30Kが収容される。電極棒30Jまたは電極棒30Kを収容する誘電部材32A内の穴(後述の収容穴32B)の下面と誘電部材32Aの下面との間の距離(すなわち、収容穴32B下方の厚み)は、たとえば、0.3mmである。
電極棒30Jおよび電極棒30Kは、たとえば、タングステンなどから形成される棒形状である。なお、電極棒30Jおよび電極棒30Kの形状は棒形状に限られるものではない。また、複数の電極棒30Jと複数の電極棒30Kとは、平面視で重ならないように互い違いに配置される。すなわち、平面視で見れば、電極棒30Jと電極棒30Kとは、交互に配列される。平面視における電極棒30Jと電極棒30Kとの間の距離(ピッチ)は、たとえば、6mmであり、複数の電極棒30J間の距離、および、複数の電極棒30K間の距離は、たとえば、12mmである。
一方で、図12に示される側面視においては、複数の電極棒30Jと複数の電極棒30Kとは、互いに重なって配置される。なお、図12に示される側面視において、複数の電極棒30Jと複数の電極棒30Kとは、互いに重なっていなくてもよく、たとえば、図12のZ軸方向にずれて配置されていてもよい。
誘電部材32Aは、上面および下面が凹凸のない平面形状である。そのため、プラズマ処理の際などに生じる誘電部材32Aの下面の付着物の洗浄が容易となる。
図13は、プラズマ処理部130における一部の構成の例を概略的に示す断面図である。図13は、図12におけるA-A’断面に対応する。なお、電極棒30Jおよび電極棒30Kの数は、図13に示される数に限られるものではない。
図13に例が示されるように、誘電部材32Aには板形状の側面からX軸方向に延びる収容穴32Bが複数形成されており、電極棒30Jおよび電極棒30Kは、それぞれ対応する収容穴32Bに収容される。収容穴32Bは、X軸正方向およびX軸負方向の誘電部材32Aの端部(側面)から内部へ交互に延びて形成されているため、電極棒30JはX軸正方向側の端部から、電極棒30KはX軸負方向側の端部からそれぞれ挿入される。このようにして、それぞれの電極棒30Jおよび電極棒30Kは、誘電体である誘電部材32Aに周囲を囲まれて配置される。また、図12に示されるように、収容穴32Bは、誘電部材32Aの下面に近い位置に形成されている。
交流電源40によって、集合電極30Mおよび集合電極30Nとの間に交流電圧が印加されると、集合電極30Mに接続される各電極棒30Jと集合電極30Nに接続される各電極棒30Kとの間に交流電圧が印加される。その結果、電極棒30Jと電極棒30Kとの間で誘電体バリア放電が生じる。そして、当該放電の放電経路の周囲で気体のプラズマ化が生じて、電極棒30Jと電極棒30Kとを隔てる誘電部材32Aの表面(収容穴32Bの内部を含む)に沿って2次元的に広がるプラズマ空間が形成される。ここで、収容穴32Bが誘電部材32Aの下面に近い位置に形成されているため、プラズマ102は主に誘電部材32Aの下面に形成される。
ここで、上記のプラズマ空間が形成される際に、プラズマ処理部130の下方の空間(すなわち、基板Wの上方の空間)に、たとえば、O(酸素)、Ne、CO、空気、不活性ガスまたはそれらの組み合わせである気体が供給されてもよい。不活性ガスは、たとえば、Nまたは希ガスである。希ガスは、たとえば、HeまたはArなどである。
プラズマ102の作用によって、当該空間近傍の気体に活性種が生じる。活性種には、電荷を有するイオン、または、電気的に中性であるラジカルなどが含まれる。たとえば、気体がOを含むものである場合は、プラズマ処理部130におけるプラズマの作用によって、活性種の一種である酸素ラジカルが生じる。
上記の構成の処理ユニット100Aを使って、第1の実施の形態に示された場合と同様の基板処理動作(図4におけるステップST01からステップST05)を行うことができる。
ここで、プラズマ処理部130は、上記のようにプラズマ102を生じさせる段階においては所定の待機位置に待機しておき、誘電部材32Aの下面に適度に均一なプラズマ102が生じた後で、基板W近傍の処理位置に移動することが望ましい。このような態様であれば、均一なプラズマ102が生じた状態で基板Wの表面における液膜にプラズマ102を作用させることで、均一な処理を行うことができる。
なお、本実施の形態ではプラズマ処理部130は基板Wの上面全体を覆うように配置されているが、プラズマ処理部130が基板Wの一部のみを覆うように配置される場合には、プラズマ処理部130の基板Wの上面における位置を、基板Wの回転に伴って基板Wの上面に沿って基板Wの回転方向および径方向に図示しない駆動機構によって移動させてもよい。
ここで、基板Wに十分に近接する位置(処理位置)について、図15を参照しつつ説明する。なお、図15は、プラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離が異なる場合における、基板Wの表面における被膜(レジスト膜)の剥離度合いの例を示す図である。
図15においては、異なる温度設定として、誘電部材32Aの温度が200℃である場合と、誘電部材32Aの温度が250℃である場合とが例示されている。それぞれの温度条件下で、処理時間は1.5分間(90秒間)である。なお、誘電部材32Aの温度とは、誘電部材32A全体の温度が均一に保たれた状態での、誘電部材32Aの上面の温度である。
また、上記のプラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離とは、より具体的には、プラズマ電極である電極棒を収容する誘電部材32Aの下面と液膜101Aの液面との間の距離である。また、処理液は硫酸であるものとする。また、液膜101Aの膜厚は、0.2mmであるものとする。
また、図15における丸印は、当該条件下での被膜(レジスト膜)の剥離率が十分に高い(たとえば、100%)ことを示す。一方で、図15における×印は、当該条件下での被膜(レジスト膜)の剥離率が十分でない(たとえば、100%未満)ことを示す。
図15に例が示されるように、誘電部材32Aの温度が200℃である場合には、プラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離が2.3mm以上、かつ、2.8mm以下である場合には、被膜(レジスト膜)の剥離率は十分に高い(たとえば、100%である)ことが分かる。
一方で、プラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離が1.8mm以下である場合には当該距離が近すぎるため、両者間でアーク放電が生じたり、液膜101Aの液面がプラズマ処理部130側に引きつけられたりすることによって、被膜(レジスト膜)を適切に剥離することができない場合がある。また、プラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離が3.8mm以上である場合には被膜(レジスト膜)の剥離率が徐々に低下する(たとえば、当該距離が3.8mmである場合、剥離率は60%である)。そのため、これらの距離範囲は、被膜(レジスト膜)の剥離率が十分ではないことが分かる。
また、図15に例が示されるように、誘電部材32Aの温度が250℃である場合には、プラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離が2.3mm以上、かつ、3.8mm以下である場合には、被膜(レジスト膜)の剥離率は十分に高い(たとえば、100%である)ことが分かる。
一方で、プラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離が1.8mm以下である場合には当該距離が近すぎるため、両者間でアーク放電が生じたり、液膜101Aの液面がプラズマ処理部130側に引きつけられたりすることによって、被膜(レジスト膜)を適切に剥離することができない場合がある。また、プラズマ処理部130と液膜101Aとの間の距離が4.3mm以上である場合には被膜(レジスト膜)の剥離率が徐々に低下する(たとえば、当該距離が4.3mmである場合、剥離率は85%である)。そのため、これらの距離範囲は、被膜(レジスト膜)の剥離率が十分ではないことが分かる。
<加熱方法について>
次に、加熱部50によるプラズマ処理部130の加熱方法について説明する。プラズマ処理部130内のそれぞれの領域におけるプラズマが生じるまで(プラズマ空間が形成されるまで)に要する時間は、当該領域に配置される電極棒の個体差、集合電極の個体差、または、当該領域における熱容量の大きさなどによってばらつきがある。特に、プラズマ処理部130におけるプラズマ空間を形成する面積が大きい場合には当該ばらつきも大きくなり、プラズマ処理部130内の領域全体で均一なプラズマを生じさせるまでに要する時間が長くなる。
上記のように発明者らは、大気圧プラズマなどのプラズマを生じさせる場合に、100℃などの高温の気体をプラズマ処理部130へ吹き付けることで、プラズマが生じるまでに要する時間を短縮させることができるということを見出した。
本実施の形態では、加熱部50は、プラズマ処理部130においてプラズマを生じさせる前にプラズマ処理部130の一部または全体を加熱する。具体的には、図7に示された吹き出し口50Bから高温の気体がプラズマ処理部130(たとえば、誘電部材32Aの上面)に向かって吹き出されることによって、プラズマ処理部130が加熱される。
そうすることによって、プラズマ処理部130およびその近傍の気体が加熱された状態でプラズマを発生させることとなるため、プラズマ処理部130内の領域全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。そして、プラズマを生じさせるまでに要する時間が短縮されることによって、それぞれの領域における当該時間のばらつきも小さくなり、領域全体で均一なプラズマを生じさせることが可能となる。
なお、プラズマ処理部130においてプラズマが生じるまでには時間を要するため、プラズマ処理を行う前の工程、たとえば、基板Wの上面に液膜101A(図5を参照)を形成する工程の間に、プラズマ処理部130が待機位置に位置している状態で当該加熱が開始されていることが望ましい。
また、図7の測定部72を用いてプラズマ処理部130内の複数の領域の温度を測定し、当該測定結果に基づいて、加熱部50を用いて加熱する領域を特定してもよい。
図14は、プラズマ処理部130における一部の構成の例を概略的に示す平面図である。図14においては、便宜上一部の構成が透過した状態で図示されている。図14に示されるプラズマ処理部130において、複数の電極棒30Jおよび複数の電極棒30Kに同様に電圧を印加した場合であってもプラズマが生じるまでに要する時間にばらつきが生じるため、プラズマ処理部130内の領域全体にプラズマが生じるまでに要する時間が長くなる。
一方で、プラズマが生じるまでに要する時間が長くなる一因として、プラズマが生じる当該領域の温度が相対的に上昇しにくい箇所が存在することが考えられる。よって、まず、図7の測定部72を用いてプラズマが生じるまでのプラズマ処理部130内のそれぞれの領域の温度を測定し、相対的に温度が低い領域をあらかじめ特定する。そして、当該領域に対応する図7に示された吹き出し口50Bを開いて当該領域(具体的には、当該領域に位置する誘電部材32Aの上面)に温風を吹き付けることによって、プラズマ処理部130内の一部の領域に対応する当該領域を選択的に加熱する。そうすることで、プラズマ処理部130内の領域間でのプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきを減少させ、プラズマ処理部130内の領域全体で均一なプラズマが生じるまでに要する時間を効果的に短縮することができる。
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。すなわち、以下では便宜上、対応づけられる具体的な構成のうちのいずれか1つのみが代表して記載される場合があるが、代表して記載された具体的な構成が対応づけられる他の具体的な構成に置き換えられてもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理装置は、プラズマ処理部30と、加熱部50とを備える。プラズマ処理部30は、プラズマを発生させて基板Wに対して処理を行う。加熱部50は、プラズマ処理部30を加熱する。ここで、加熱部50は、プラズマ処理部30においてプラズマを発生させる前に、プラズマ処理部30を加熱する。
このような構成によれば、プラズマ処理部30およびその近傍の気体が加熱された状態でプラズマを発生させることとなるため、プラズマ処理部30内の領域全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。そして、プラズマを生じさせるまでに要する時間が短縮されることによって、それぞれの領域における当該時間のばらつきも小さくなり、領域全体で均一なプラズマを生じさせることが可能となる。
なお、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理部30は、電圧が印加される複数の電極部材を備える。ここで、電極部材は、たとえば、電極棒30Bまたは電極棒30Cなどに対応するものである。加熱部50は、複数の電極部材のうちの一部の電極部材を加熱する。このような構成によれば、複数の電極棒のうちの一部が選択的に加熱された状態でプラズマを発生させることとなるため、プラズマ処理部30内の領域間でのプラズマを生じさせるまでに要する時間のばらつきを減少させることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、加熱部50は、プラズマ処理部30の近傍に配置される。このような構成によれば、加熱部50が効率的にプラズマ処理部30を加熱することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、加熱部50は、気体流路50Aと、複数の吹き出し口50Bとを備える。気体流路50Aには、気体を供給するための気体供給源70から供給される気体が流れる。吹き出し口50Bは、気体流路50Aの端部に設けられる。また、吹き出し口50Bは、開閉可能である。そして、加熱部50は、複数の吹き出し口50Bのうちの少なくとも一部を選択的に開くことによって、プラズマ処理部30に気体を吹き付ける。このような構成によれば、それぞれの吹き出し口50Bから選択的に気体を吹き付けることによって、プラズマ処理部30内の任意の領域を加熱することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、加熱部50は、互いに離間する複数の吹き出し口50Bを開くことによって、プラズマ処理部30に気体を吹き付ける。このような構成によれば、複数の領域において同時に加熱を行うことができるため、多様な温度分布を有するプラズマ処理部30であっても効果的に加熱し、プラズマ処理部30内の領域全体で均一なプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理装置は、測定部72を備える。測定部72は、プラズマ処理部30内の領域ごとに温度を測定する。そして、加熱部50は、測定部72によって測定された温度が相対的に低い領域を加熱する。このような構成によれば、温度が低いためにプラズマが生じるまでに要する時間が長くなっている領域を選択的に加熱することによって、プラズマ処理部30内の領域間でのプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきを減少させ、プラズマ処理部30内の領域全体で均一なプラズマが生じるまでに要する時間を効果的に短縮することができる。
以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理方法において、プラズマを発生させて処理を行うためのプラズマ処理部30を加熱する工程と、加熱されたプラズマ処理部30を用いてプラズマを発生させる工程とを備える。
このような構成によれば、プラズマ処理部30およびその近傍の気体が加熱された状態でプラズマを発生させることとなるため、プラズマ処理部30内の領域全体でプラズマを生じさせるまでに要する時間を短縮することができる。そして、プラズマを生じさせるまでに要する時間が短縮されることによって、それぞれの領域における当該時間のばらつきも小さくなり、領域全体で均一なプラズマを生じさせることが可能となる。
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
また、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、プラズマ処理方法において、プラズマ処理部30内の領域ごとに温度を測定する工程を備える。そして、プラズマ処理部30を加熱する工程は、測定された温度が相対的に低い領域を加熱する工程である。このような構成によれば、温度が低いためにプラズマが生じるまでに要する時間が長くなっている領域を選択的に加熱することによって、プラズマ処理部30内の領域間でのプラズマが生じるまでに要する時間のばらつきを減少させ、プラズマ処理部30内の領域全体で均一なプラズマが生じるまでに要する時間を効果的に短縮することができる。
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
本実施の形態では、加熱部がプラズマ処理部30全体を平面視で覆うように設けられているが、加熱部がプラズマ処理部30一部のみを平面視で覆うように設けられていてもよい。その場合には、測定部72による温度の測定によって相対的に温度が低い領域をあらかじめ特定しておき、当該領域の近傍に加熱部が設けられることが望ましい。また、加熱部がプラズマ処理部30に対して着脱可能に設けられれば、相対的に温度が低い領域が異なる場合にも対応可能である。
また、本実施の形態では、加熱部は温風を吹き付けることによってプラズマ処理部30を加熱していたが、加熱方法はこのような方法に限られるものではなく、たとえば、電熱式ヒーターまたは発熱ランプのみを備える加熱部によってプラズマ処理部30が加熱されてもよい。
また、本実施の形態では、プラズマ処理部30におけるプラズマの作用で生じた活性種が液膜101Aに供給される場合が示されたが、当該活性種が、液膜101Aが形成されていない基板Wの上面に直接作用する場合であってもよい。
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、限定的なものではないものとする。
したがって、例が示されていない無数の変形例、および、均等物が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
1 基板処理システム
10 スピンチャック
10A スピンベース
10C 回転軸
10D スピンモータ
12 処理カップ
20 処理液ノズル
25 バルブ
29 処理液供給源
30 プラズマ処理部
30A 誘電部材
30B,30C 電極棒
30D 保持部
30E,30F 誘電管
30G,30H 集合電極
40 交流電源
50 加熱部
50A,60A 気体流路
50B 吹き出し口
50C シャッター部材
50D 排気口
60 支持部
70 気体供給源
72 測定部
80 チャンバ
90 制御部
91 CPU
92 ROM
93 RAM
94 記憶装置
94P 処理プログラム
95 バスライン
96 入力部
97 表示部
98 通信部
100 処理ユニット
101 処理液
101A 液膜
102 プラズマ
400 ロードポート
402 インデクサロボット
404 基板載置部
406 センターロボット

Claims (6)

  1. 大気圧の処理空間内で基板を処理する基板処理方法であって、
    前記処理空間内で前記基板を水平に保持する工程と、
    誘電体で被覆された複数のプラズマ電極を含み当該プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置を、前記水平に保持された前記基板の上方に配置する工程と、
    前記プラズマ発生装置によって大気圧プラズマを発生させる工程と、
    前記水平に保持された前記基板の上面に処理液の液膜を形成する工程と、
    前記プラズマ電極を被覆する前記誘電体と前記液膜との間の距離が、0.9mm以上、かつ、2.3mm以下となる位置まで、前記プラズマ発生装置と前記基板とを相対的に移動させ、前記処理液に前記大気圧プラズマを作用させて、前記基板を処理する工程とを備える、
    基板処理方法。
  2. 大気圧の処理空間内で基板を処理する基板処理方法であって、
    前記処理空間内で前記基板を水平に保持する工程と、
    複数の収容穴が形成された誘電体の前記収容穴に収容された複数のプラズマ電極を含み当該プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置を、前記水平に保持された前記基板の上方に配置する工程と、
    前記プラズマ発生装置によって大気圧プラズマを発生させる工程と、
    前記水平に保持された前記基板の上面に処理液の液膜を形成する工程と、
    前記誘電体の下面と前記液膜との間の距離が、2.3mm以上、かつ、3.8mm以下となる位置まで、前記プラズマ発生装置と前記基板とを相対的に移動させ、250℃以上である前記処理液に前記大気圧プラズマを作用させて、前記基板を処理する工程とを備える、
    基板処理方法。
  3. 大気圧の処理空間内で基板を処理する基板処理方法であって、
    前記処理空間内で前記基板を水平に保持する工程と、
    複数の収容穴が形成された誘電体の前記収容穴に収容された複数のプラズマ電極を含み当該プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させるプラズマ発生装置を、前記水平に保持された前記基板の上方に配置する工程と、
    前記プラズマ発生装置によって大気圧プラズマを発生させる工程と、
    前記水平に保持された前記基板の上面に処理液の液膜を形成する工程と、
    前記誘電体の下面と前記液膜との間の距離が、2.3mm以上、かつ、2.8mm以下となる位置まで、前記プラズマ発生装置と前記基板とを相対的に移動させ、200℃以上かつ250℃未満である前記処理液に前記大気圧プラズマを作用させて、前記基板を処理する工程とを備える、
    基板処理方法。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1つに記載の基板処理方法であり、
    前記液膜を形成する工程は、前記処理液の膜厚が0.2mmである前記液膜を形成する工程である、
    基板処理方法。
  5. 請求項1から4のうちのいずれか1つに記載の基板処理方法であり、
    前記処理液は、硫酸である、
    基板処理方法。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか1つに記載の基板処理方法であり、
    前記液膜を形成する工程は、前記基板の前記上面に形成された被膜の上面に、前記液膜を形成する工程であり、
    前記基板を処理する工程は、前記被膜を剥離させる工程である、
    基板処理方法。
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