JP2022146851A - プラズマ発生装置、基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

プラズマ発生装置、基板処理装置および基板処理方法 Download PDF

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章 堀越
Akira Horikoshi
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健二 中西
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Abstract

【課題】より安価な構成でプラズマ源の温度を測定できる技術を提供する。【解決手段】プラズマ発生装置1はプラズマ源2とセンサ4と記憶部と制御部とを備える。プラズマ源2はプラズマを発生させる。センサ4はプラズマの発光強度を測定する。記憶部は、プラズマの発光強度とプラズマ源2の温度との対応関係を示す対応関係情報を記憶する。制御部は、センサ4によって測定されたプラズマの発光強度と、記憶部に記憶された対応関係情報とに基づいて、プラズマ源2の温度を求める。【選択図】図4

Description

本願は、プラズマ発生装置、基板処理装置および基板処理方法に関する。
従来から、大気圧下でプラズマを発生させるプラズマ源が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、プラズマ源は複数の第1線状導体と複数の第2線状導体と板状の隔離部材とを含んでいる。複数の第1線状導体は隔離部材の一方側において互いに平行に設けられ、複数の第2線状導体は隔離部材の他方側において互いに平行に設けられる。各第1線状導体および各第2線状導体は隔離部材の厚み方向において互いに対向しておらず、厚み方向に沿って見て、第1線状導体および第2線状導体は交互に配列される。
このようなプラズマ源において、第1線状導体と第2線状導体との間に交流電圧が印加されることにより、プラズマ源の周囲にプラズマが生成される。
特開2019-61759号公報
プラズマ源の周囲にプラズマが生成されるとプラズマ源が昇温する。このプラズマ源の温度を測定するために、サーモカメラを用いることが考えられる。しかしながら、サーモカメラは高価であるので、プラズマ発生装置の製造コストの増大を招く。
そこで、本願は、より安価な構成でプラズマ源の温度を測定できる技術を提供することを目的とする。
プラズマ発生装置の第1の態様は、プラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマの発光強度を測定するセンサと、前記プラズマの発光強度と前記プラズマ源の温度との対応関係を示す対応関係情報を記憶する記憶部と、前記センサによって測定された前記プラズマの発光強度と、前記記憶部に記憶された前記対応関係情報とに基づいて、前記プラズマ源の温度を求める制御部とを備える。
プラズマ発生装置の第2の態様は、第1の態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記プラズマ源は、平面型のプラズマ源であり、前記センサは、前記プラズマ源のプラズマ発生領域を含む撮像領域を撮像するカメラを含む。
プラズマ発生装置の第3の態様は、第1または第2の態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記制御部は、前記センサによって測定された前記プラズマの発光強度に基づいて、前記プラズマが発生しているか否かを判断する。
プラズマ発生装置の第4の態様は、第1から第3のいずれか一つの態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記センサは、互いに異なる色の光を受光して複数種類の色情報をそれぞれ出力する複数種類の受光素子を含む。
プラズマ発生装置の第5の態様は、第1から第4のいずれか一つの態様にかかるプラズマ発生装置であって、前記プラズマ源は、第1線状電極と、第2線状電極と、前記第1線状電極が挿入された第1穴、および、前記第2線状電極が挿入された第2穴を有する誘電体とを含む。
基板処理装置の態様は、第1から第5のいずれか一つの態様にかかるプラズマ発生装置と、基板を保持する基板保持部と、前記プラズマ源を、前記基板保持部によって保持された前記基板に対して相対的に移動させる移動機構とを備え、前記制御部は、前記プラズマ源が前記基板の主面から離れた第1位置に位置する状態において、前記プラズマ源に前記プラズマを発生させ、前記プラズマ源が前記プラズマを発生させた後に、前記プラズマ源への出力電力を低下させて前記プラズマ源の温度を低下させ、又は、前記プラズマ源への出力電力を上昇させて前記プラズマ源の温度を上昇させ、前記プラズマ源の温度を低下又は上昇させた後に、前記移動機構を制御して、前記プラズマ源を前記第1位置よりも前記基板の前記主面に近い第2位置に移動させる。
基板処理方法の態様は、基板保持部が基板を保持する保持工程と、プラズマ源が、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面から離れた第1位置に位置する状態で、前記プラズマ源にプラズマを発生させ始めるプラズマ点灯工程と、前記プラズマが発生した後に、前記プラズマ源の温度を低下又は上昇させる温度調整工程と、前記温度調整工程の後に、前記プラズマ源を前記第1位置よりも前記基板に近い第2位置に移動させる移動工程とを備える。
プラズマ発生装置の第1および第5の態様によれば、赤外線を測定するサーモカメラを採用する場合に比べて、安価な構成でプラズマ源の温度を測定できる。
プラズマ発生装置の第2の態様によれば、平面型のプラズマ源ではプラズマ発生領域が広いものの、カメラによって容易にプラズマ発生領域を撮像できる。カメラはプラズマ発生領域における発光強度の空間分布を測定することができるので、発光強度の空間分布に基づいてプラズマ源の温度分布を得ることができる。
プラズマ発生装置の第3の態様によれば、サーモカメラと違って、センサはプラズマの発光強度を測定するので、プラズマが発生しているか否かをより高い精度で判断することができる。
プラズマ発生装置の第4の態様によれば、より高精度でプラズマ源の温度を求めることができる。また、より簡易な処理でプラズマの発生を検出することもできる。
基板処理装置の態様および基板処理方法の態様によれば、プラズマ源がプラズマを発生させた後に、プラズマ源の温度を低下させる場合、プラズマ源は、プラズマ処理時の温度に比べてより高い温度でプラズマを発生させるので、より短時間でプラズマを発生させることができる。しかも、プラズマ源は基板からより遠い第1位置に位置するので、基板に対する熱ダメージも抑制できる。
そして、プラズマ源の温度を低下させた後に、プラズマ源を基板に近い第2位置に移動させる場合、基板への熱ダメージを抑制しつつも、プラズマによる活性種を基板に作用させることができる。
また、プラズマ源がプラズマを発生させた後に、プラズマ源の温度を上昇させ、その後に、プラズマ源を基板に近い第2位置に移動させる場合には、プラズマ源の温度をプラズマが発生する温度よりも高くしてから、プラズマによる活性種を基板に作用させることができる。
基板処理システムの構成の一例を概略的に示す平面図である。 制御部の内部構成の一例を概略的に示すブロック図である。 処理ユニット(基板処理装置)の構成の一例を概略的に示す図である。 第1の実施の形態にかかるプラズマ発生装置の構成の一例を概略的に示す側断面図である。 第1の実施の形態にかかるプラズマ源の構成の一例を概略的に示す平面図である。 画像データの一例を模式的に示す図である。 プラズマの発光強度の分光分布の一例を示すグラフである。 制御部の機能的な内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。 処理ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。 プラズマ点灯工程の動作の一例を示すフローチャートである。 液供給工程での処理ユニットの様子の一例を概略的に示す図である。 プラズマ工程での処理ユニットの様子の一例を概略的に示す図である。 第2の実施の形態にかかるプラズマ源の構成の一例を概略的に示す平面図である。 第2の実施の形態にかかるプラズマ源の構成の一例を概略的に示す側断面図である。 第2の実施の形態にかかるプラズマ源の構成の一例を概略的に示す側断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法または数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸または面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
<第1の実施の形態>
<基板処理システムの全体構成>
図1は、プラズマ発生装置が適用される基板処理システム100の構成の一例を概略的に示す平面図である。基板処理システム100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である。
基板Wは例えば半導体基板であり、円板形状を有する。なお、基板Wには、半導体基板の他、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板および光磁気ディスク用基板などの各種基板を適用可能である。また基板の形状も円板形状に限らず、例えば矩形の板状形状など種々の形状を採用できる。
基板処理システム100はロードポート101とインデクサロボット110と主搬送ロボット120と複数の処理ユニット130と制御部90とを含む。
複数のロードポート101は水平な一方向に沿って並んで配置される。各ロードポート101は、基板Wを基板処理システム100に搬出入するためのインターフェース部である。各ロードポート101には、基板Wを収容するキャリアCが外部から搬入される。各ロードポート101は、搬入されたキャリアCを保持する。キャリアCとしては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、または、基板Wを外気にさらすOC(Open Cassette)が採用されてもよい。
インデクサロボット110は、各ロードポート101に保持されたキャリアCと、主搬送ロボット120との間で基板Wを搬送する搬送ロボットである。インデクサロボット110はロードポート101が並ぶ方向に沿って移動可能であり、各キャリアCと対面する位置で停止可能である。インデクサロボット110は、各キャリアCから基板Wを取り出す動作と、各キャリアCに基板Wを受け渡す動作とを行うことができる。
主搬送ロボット120は、インデクサロボット110と各処理ユニット130との間で基板Wを搬送する搬送ロボットである。主搬送ロボット120はインデクサロボット110から基板Wを受け取る動作と、インデクサロボット110に基板Wを受け渡す動作とを行うことができる。また、主搬送ロボット120は各処理ユニット130に基板Wを搬入する動作と、各処理ユニット130から基板Wを搬出する動作とを行うことができる。
基板処理システム100には、例えば12個の処理ユニット130が配置される。具体的には、鉛直方向に積層された3個の処理ユニット130を含むタワーの4つが、主搬送ロボット120の周囲を取り囲むようにして設けられる。図1では、3段に重ねられた処理ユニット130の1つが概略的に示されている。なお、基板処理システム100における処理ユニット130の数は、12個に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
主搬送ロボット120は、4つのタワーによって囲まれるように設けられている。主搬送ロボット120は、インデクサロボット110から受け取る未処理の基板Wを各処理ユニット130内に搬入する。各処理ユニット130は基板Wを処理する。また、主搬送ロボット120は、各処理ユニット130から処理済みの基板Wを搬出してインデクサロボット110に渡す。
制御部90は、基板処理システム100の各構成要素の動作を制御する。図2は、制御部90の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。制御部90は電子回路であって、例えばデータ処理部91および記憶部92を有している。図2の具体例では、データ処理部91と記憶部92とはバス93を介して相互に接続されている。データ処理部91は例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置であってもよい。記憶部92は非一時的な記憶部(例えばROM(Read Only Memory)、書き換え可能なメモリ、またはハードディスク)921および一時的な記憶部(例えばRAM(Random Access Memory))922を有していてもよい。非一時的な記憶部921には、例えば制御部90が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。データ処理部91がこのプログラムを実行することにより、制御部90が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部90が実行する処理の一部または全部がハードウェアによって実行されてもよい。
なお、制御部90は主制御部と複数のローカル制御部とを有していてもよい。主制御部は基板処理システム100の全体を統括し、ローカル制御部は処理ユニット130ごとに設けられる。ローカル制御部は主制御部と通信可能に設けられ、主制御部からの指示に基づいて処理ユニット130を制御する。主制御部およびローカル制御部の各々は、例えば図2と同様に、データ処理部91および記憶部92を有している。
<基板処理装置>
図3は、処理ユニット(基板処理装置に相当)130の構成の一例を概略的に示す図である。なお、基板処理システム100に属する全ての処理ユニット130が図3に示された構成を有している必要はなく、少なくとも一つの処理ユニット130が当該構成を有していればよい。
図3に例示される処理ユニット130は、プラズマを用いた処理を基板Wに対して行う装置である。プラズマを用いた処理は特に制限される必要がないものの、例えば、有機物除去処理を含む。有機物除去処理とは、基板Wの主面に形成された有機物を除去する処理である。有機物は例えばレジストである。有機物がレジストである場合、有機物除去処理はレジスト除去処理であるともいえる。以下では、一例としてレジスト除去処理を採用して説明する。基板Wは例えば半導体基板であり、円板形状を有する。基板Wのサイズは特に制限されないものの、その直径は例えば約300mmである。
図3の例では、処理ユニット130はプラズマ発生装置1と基板保持部11とノズル12とガード13とを含んでいる。
基板保持部11は基板Wを水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。図3の例では、基板保持部11はステージ111と複数のチャックピン112とを含んでいる。ステージ111は円板形状を有し、基板Wよりも鉛直下方に設けられている。ステージ111は、その厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢で設けられる。複数のチャックピン112はステージ111の上面に立設されており、基板Wの周縁を把持する。なお、基板保持部11は必ずしもチャックピン112を有する必要はない。例えば、基板保持部11は基板Wの下面を吸引して基板Wを吸着してもよい。
図3の例では、基板保持部11は回転機構113をさらに含んでおり、回転軸線Q1のまわりで基板Wを回転させる。回転軸線Q1は基板Wの中心部を通り、かつ、鉛直方向に沿う軸である。回転機構113は例えばシャフト114およびモータ115を含む。シャフト114の上端はステージ111の下面に連結され、ステージ111の下面から回転軸線Q1に沿って延在する。モータ115はシャフト114を回転軸線Q1のまわりで回転させて、ステージ111を回転させる。これにより、複数のチャックピン112によって保持された基板Wが回転軸線Q1のまわりで回転する。このような基板保持部11はスピンチャックとも呼ばれ得る。
ノズル12は、基板Wへの処理液の供給に用いられる。ノズル12は供給管121を介して処理液供給源124に接続される。つまり、供給管121の下流端がノズル12に接続され、供給管121の上流端が処理液供給源124に接続される。処理液供給源124は、例えば、処理液を貯留するタンク(不図示)を含み、供給管121に処理液を供給する。処理液は例えば、塩酸、フッ酸、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸塩、ペルオキソ硫酸、ペルオキソ硫酸塩、過酸化水素、水酸化テトラメチルアンモニウム、アンモニアと過酸化水素水との混合液(SC1)、塩酸と過酸化水素水との混合液(SC2)または脱イオン水(DIW)などを含む液を用いることができる。本実施の形態においては、処理液として硫酸を用いる処理が説明される。
図3の例では、供給管121には、バルブ122および流量調整部123が介装されている。バルブ122が開くことにより、処理液供給源124からの処理液が供給管121を通じてノズル12に供給され、ノズル12の吐出口12aから吐出される。流量調整部123は、供給管121を流れる処理液の流量を調整する。流量調整部123は例えばマスフローコントローラである。
図3の例では、ノズル12はノズル移動機構15によって移動可能に設けられる。ノズル移動機構15は、ノズル12を第1処理位置と第1待機位置との間で移動させる。第1処理位置とは、ノズル12が基板Wの主面(例えば上面)に向けて処理液を吐出する位置である。より具体的には、第1処理位置は、例えば、基板Wよりも鉛直上方であって、基板Wの中心部と鉛直方向において対向する位置である(後述の図11も参照)。第1待機位置とは、ノズル12が基板Wの主面に向けて処理液を吐出しない位置であり、第1処理位置よりも基板Wから離れた位置である。第1待機位置は、ノズル12が主搬送ロボット120による基板Wの搬送経路と干渉しない位置でもある。具体的な一例として、第1待機位置は、基板Wの周縁よりも径方向外側の位置である。図3では、第1待機位置で停止するノズル12が示されている。
ノズル移動機構15は、例えば、ボールねじ機構またはアーム旋回機構を有する。アーム旋回機構は、いずれも不図示のアームと支持柱とモータとを含む。アームは水平に延在する棒状形状を有し、アームの先端にはノズル12が連結され、アームの基端が支持柱に連結される。支持柱は鉛直方向に沿って延びており、その中心軸のまわりで回転可能に設けられる。モータが支持柱を回転させることにより、アームが旋回し、ノズル12が中心軸のまわりで周方向に沿って移動する。このノズル12の移動経路上に第1処理位置と第1待機位置とが位置するように、支持柱が設けられる。
ノズル12が第1処理位置に位置する状態で、基板保持部11が基板Wを回転させながら、バルブ122が開くと、ノズル12から回転中の基板Wの上面に向かって処理液が吐出される。処理液は基板Wの上面に着液し、基板Wの回転に伴って基板Wの上面を広がって、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面には処理液の液膜Fが形成される。
ガード13は、基板保持部11によって保持された基板Wを取り囲む筒状の形状を有している。基板Wの周縁から飛散した処理液はガード13の内周面にあたり、内周面に沿って鉛直下方に流れる。後述するプラズマを照射する前の基板Wの周縁から飛散した処理液は、例えば、不図示の回収配管を流れて処理液供給源124のタンクに回収される。これによれば、処理液を再利用することができる。
プラズマ発生装置1はプラズマ源2とセンサ4とを含む。プラズマ源2はプラズマを発生させる装置であり、プラズマリアクタとも呼ばれ得る。プラズマ源2は、基板保持部11によって保持された基板Wの主面(例えば上面)と鉛直方向において対向する位置に設けられる。図3の例では、プラズマ源2は基板Wの上面よりも鉛直上方に設けられる。プラズマ源2は電源8に接続されており、電源8からの電力を受けて周囲のガスをプラズマ化させる。なおここでは一例として、プラズマ源2は大気圧下でプラズマを発生させる。ここでいう大気圧とは、例えば、標準気圧の80%以上、かつ、標準気圧の120%以下である。プラズマ源2の具体的な構成の一例は後に詳述する。
図3に例示するように、プラズマ移動機構14が設けられてもよい。プラズマ移動機構14は、プラズマ源2を、基板保持部11によって保持された基板Wに対して相対的に移動させる。具体的には、プラズマ移動機構14はプラズマ源2を第2処理位置と第2待機位置との間で往復移動させる。第2処理位置とは、プラズマ源2によるプラズマを用いて基板Wを処理するときの位置である(後述する図12も参照)。第2処理位置において、プラズマ源2と基板Wの上面との間の距離は例えば数mm程度である。
第2待機位置とは、プラズマを用いた処理を基板Wに対して行わないときの位置であり、第2処理位置よりも基板Wから離れた位置である。第2待機位置は、プラズマ源2が主搬送ロボット120による基板Wの搬送経路と干渉しない位置でもある。具体的な一例として、第2待機位置は第2処理位置よりも鉛直上方の位置である。この場合、プラズマ移動機構14はプラズマ源2を鉛直方向に沿って昇降させる。図3では、第2待機位置で停止するプラズマ源2が示されている。プラズマ移動機構14は、例えば、ボールねじ機構またはエアシリンダなどの移動機構を有する。
プラズマ源2は、例えば、ノズル12が第1待機位置に退避した状態で、第2待機位置から第2処理位置へと移動することができる。例えば、第1処理位置でのノズル12からの処理液の吐出によって基板Wの上面に処理液の液膜Fが形成されると、バルブ122が閉じたうえで、ノズル移動機構15がノズル12を第1処理位置から第1待機位置に移動させる。一方、例えば、プラズマ源2は、第2待機位置に位置する状態で、電源8がプラズマ源2に電圧を出力する。これにより、第2処理位置よりも基板Wから離れた位置でプラズマ源2がプラズマを発生させる。このとき、ノズル12が第1処理位置で基板Wの上面に処理液の液膜Fを供給するのと並行して、プラズマ源2がプラズマを発生させることで、プラズマが発生するまでの待ち時間を削減することができる。その後、プラズマ移動機構14がプラズマ源2を第2待機位置から第2処理位置へと移動させる。これによれば、基板Wの直上にはノズル12が存在しないので、プラズマ源2を基板Wの上面により近づけることができる。言い換えれば、第2処理位置をより基板Wの近くに設定することができる。
また、これにより、基板Wの上面の近傍の位置でプラズマ源2が基板Wの上面の処理液に向かってプラズマを発生させる。このプラズマの発生に伴って種々の活性種が生じる。例えば、空気がプラズマ化することにより、酸素ラジカル、ヒドロキシルラジカルおよびオゾンガス等の種々の活性種が生じ得る。これらの活性種は基板Wの上面に作用する。具体的な一例として、活性種は基板Wの上面の処理液(ここでは硫酸)の液膜Fに作用する。これにより、処理液の処理性能が高まる。具体的には、活性種と硫酸との反応により、処理性能(ここでは酸化力)の高いカロ酸が生成される。カロ酸はペルオキソ一硫酸とも呼ばれる。当該カロ酸が基板Wのレジストに作用することで、レジストを酸化除去することができる。
以上のように、活性種が基板Wの主面上の処理液に作用することにより、処理液の処理性能を向上させることができる。よって、基板Wに対する処理を速やかに行うことができる。
ところで、プラズマ源2が電力を受けてプラズマを発生させると、プラズマ源2の温度が上昇する。プラズマ源2の温度が必要以上に上昇すると、種々の不具合が生じ得る。例えば、耐熱性向上に伴うプラズマ源2の製造コストの増大、処理対象である基板Wへの熱ダメージ、あるいは、基板Wの主面上の処理液の沸騰による周辺部材への汚染、等の不具合が生じ得る。
そこで、本実施の形態では、温度を監視するためのセンサ4が設けられている。センサ4は、プラズマ源2が発生させたプラズマの発光強度を測定し、その測定結果を示す電気信号を制御部90に出力する。制御部90は、後に詳述するように、センサ4の測定結果に基づいてプラズマ源2の温度を求める。
<プラズマ発生装置>
次に、プラズマ発生装置1の各構成のより詳細な一例について述べる。
<プラズマ源>
図4は、プラズマ発生装置1の構成の一例を概略的に示す側断面図であり、図5は、プラズマ源2の構成の一例を概略的に示す平面図である。図4は、図5のA-A断面を示している。図4および図5の例では、プラズマ源2は平面型のプラズマ源であって、第1電極部21と第2電極部22とを含む。
図4および図5の例では、第1電極部21は複数の第1線状電極211と第1集合電極212とを含み、第2電極部22は複数の第2線状電極221と第2集合電極222とを含む。
第1線状電極211は金属材料(例えばタングステン)等の導電性材料によって形成され、長手方向D1に沿って延在する棒状形状(例えば円柱形状)を有する。複数の第1線状電極211は、長手方向D1に直交する配列方向D2において並んで設けられており、理想的には互いに平行に設けられる。
第1集合電極212は金属材料(例えばアルミニウム)等の導電性材料によって形成され、複数の第1線状電極211の長手方向D1の一方側の端部(基端)どうしを連結する。図5の例では、第1集合電極212は、長手方向D1の一方側に膨らむ円弧状の平板形状を有している。複数の第1線状電極211は第1集合電極212から長手方向D1の他方側に向かって延在する。
第2線状電極221は金属材料(例えばタングステン)等の導電性材料によって形成され、長手方向D1に沿って延在する棒状形状(例えば円柱形状)を有する。複数の第2線状電極221は配列方向D2において並んで設けられており、理想的には互いに平行に設けられる。第2線状電極221の各々は、平面視において(つまり、長手方向D1および配列方向D2に直交する方向D3に沿って見て)、複数の第1線状電極211のうち互いに隣り合う二者の間に設けられている。図5の例では、平面視において、第1線状電極211および第2線状電極221は配列方向D2において交互に配列される。第1線状電極211の各々は第2線状電極221と方向D3において対向していない。
第2集合電極222は金属材料(例えばアルミニウム)等の導電性材料によって形成され、複数の第2線状電極221の長手方向D1の他方側の端部(基端)どうしを連結する。図5の例では、第2集合電極222は、第1集合電極212とは反対側に膨らみ、かつ、第1集合電極212と略同径の円弧状の平板形状を有している。複数の第2線状電極221は第2集合電極222から長手方向D1の一方側に向かって延在する。
図4および図5の例では、各第1線状電極211は第1誘電体31によって覆われる。複数の第1誘電体31は石英またはセラミックス等の誘電体材料によって形成される。例えば、各第1誘電体31は長手方向D1に沿って延在する筒状形状を有しており、第1線状電極211が長手方向D1に沿って第1誘電体31に挿入される。第1誘電体31が第1線状電極211を覆うことにより、第1線状電極211がプラズマにスパッタされることに起因して基板Wが汚染されることを防ぐことができる。
図4および図5の例では、各第2線状電極221は第2誘電体32によって覆われる。複数の第2誘電体32は石英またはセラミックス等の誘電体材料によって形成される。例えば、各第2誘電体32は長手方向D1に沿って延在する筒状形状を有しており、第2線状電極221が長手方向D1に沿って第2誘電体32に挿入される。第2誘電体32が第2線状電極221を覆うことにより、第2線状電極221がプラズマにスパッタされることに起因して基板Wが汚染されることを防ぐことができる。
図4および図5の例では、プラズマ源2には誘電体33が設けられている。誘電体33は石英またはセラミックス等の誘電体材料によって形成される。図示の例では、誘電体33は板状形状を有している。誘電体33はその厚み方向が方向D3に沿う姿勢で設けられる。図5の例では、誘電体33の主面33aおよび主面33bは平面視において円形状を有している。誘電体33の厚み(主面33aと主面33bとの間の距離)は例えば数百μm(例えば500μm)程度に設定される。
第1電極部21および第1誘電体31は誘電体33の主面33a側に設けられており、第2電極部22および第2誘電体32は誘電体33の主面33b側に設けられている。具体的には、第1誘電体31は誘電体33の主面33a下に設けられており、第2誘電体32は誘電体33の主面33b上に設けられている。
プラズマ源2は処理ユニット130において、主面33aが処理対象(ここでは基板W)を向く姿勢で設けられる。具体的には、プラズマ源2は、方向D3が鉛直方向に沿い、かつ、主面33aが基板Wの上面を向く姿勢で設けられる。このプラズマ源2は基板Wと鉛直方向において対向する。
図4に例示されるように、プラズマ源2には保持部材34が設けられてもよい。なお図5では、図面の煩雑を避けるために、保持部材34を省略している。保持部材34は例えばフッ素系樹脂等の絶縁材料によって形成され、第1電極部21、第2電極部22、第1誘電体31、第2誘電体32および誘電体33を一体に保持する。例えば、保持部材34はリング部材341と上部材342とを有する。リング部材341は平面視において第1集合電極212および第2集合電極222と略同径のリング形状を有しており、第1集合電極212および第2集合電極222を方向D3で挟持する。上部材342はリング部材341の上面に連結されており、プラズマ源2と方向D3において向かい合うように配置される。
図4の例では、第1誘電体31の先端部が保持部材34によって保持される。具体的には、第1誘電体31の先端部が保持部材34(具体的にはリング部材341)に埋設される。よって、第1線状電極211および第1誘電体31からなる部分の両端が保持部材34によって保持される。これにより、当該部分を両端保持することができる。図4の例では、第2誘電体32の先端部も保持部材34によって保持される。よって、保持部材34は第2線状電極221および第2誘電体32からなる部分も両端保持することができる。
第1電極部21および第2電極部22はプラズマ用の電源8に電気的に接続される。より具体的には、第1電極部21の第1集合電極212が配線81を介して電源8の第1出力端8aに電気的に接続され、第2電極部22の第2集合電極222が配線82を介して電源8の第2出力端8bに電気的に接続される。電源8は例えばインバータ回路等のスイッチング電源回路を有しており、第1電極部21と第2電極部22との間にプラズマ用の電圧を出力する。より具体的な一例として、電源8はプラズマ用の電圧として高周波電圧を第1電極部21と第2電極部22との間に出力する。また、電源8は例えばパルス電源であり、複数の周期の各々におけるオン期間にて高周波電圧を第1電極部21と第2電極部22との間に出力してもよい。これにより、主としてオン期間においてプラズマが点灯する。この電源8の出力は制御部90によって制御される。よって、プラズマ源2は制御部90によって制御されるといえる。
電源8が第1電極部21と第2電極部22との間に電圧を出力することにより、第1線状電極211と第2線状電極221との間にプラズマ用の電界が生じる。当該電界に応じて、第1線状電極211および第2線状電極221の周囲のガスがプラズマ化する。逆に言えば、当該ガスがプラズマ化する程度の電圧が電源8によって第1電極部21と第2電極部22との間に印加される。電源8がパルス電源である場合、当該電圧は、例えば、十数kVかつ数十kHz程度の高周波電圧である。ここでいう周波数は、例えば、上記周期の逆数であり、以下ではパルス周波数と呼ぶ。
上述の平面型のプラズマ源2によれば、水平な長手方向D1に沿って延在する第1線状電極211および第2線状電極221が水平な配列方向D2において交互に配列される。したがって、プラズマ源2は平面視において広い範囲でプラズマを発生させることができる。
<センサ>
センサ4は、プラズマ源2が発生させたプラズマの発光強度を測定し、その測定結果を示す電気信号を制御部90に出力する。センサ4は、可視光を受光する可視光センサであり、例えば可視光カメラを含む。カメラは例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラであり、複数の受光素子(画素に相当)が2次元に配置されたイメージセンサと、イメージセンサに像を結像させる光学系とを含んでいる。可視光カメラによって受光可能な波長には、例えば350nm程度以上800nm程度以下の波長が含まれる。
センサ4がカメラである場合、センサ4はその撮像範囲内にプラズマ源2が含まれるように設けられる。図3の例では、センサ4は、第2待機位置で停止したプラズマ源2よりも鉛直下方かつ基板保持部11よりも径方向外側に設けられている。よって、図3の例では、センサ4は斜め下方向からプラズマ源2を撮像する。センサ4は、プラズマ源2を撮像して得られた画像データIM1を制御部90に出力する。
図6は、画像データIM1の一例を模式的に示す図である。図6の例では、画像データIM1には、プラズマ発生領域P1の全体が含まれている。プラズマ発生領域P1とは、プラズマ源2によってプラズマが発生する領域であり、プラズマの発光領域であるともいえる。画像データIM1においてプラズマ発生領域P1に含まれる各画素の画素値は、各画素に対応する位置でのプラズマの発光強度を示す。このセンサ4はプラズマ発生領域P1を含む撮像領域を撮像することにより、プラズマ発生領域P1内のプラズマの発光強度の空間分布を測定しているといえる。
<プラズマの発光強度とプラズマ源2の温度との関係>
次に、プラズマの発光強度とプラズマ源2の温度との関係の一例について述べる。図7は、プラズマ源2の発光強度の分光分布の一例を示すグラフである。図7は、大気をプラズマ化させたときに得られた分光分布を示している。図7には、複数のグラフG1~G3が示されている。グラフG1は、プラズマ源2の温度が218度であるときの発光強度の分光分布を示し、グラフG2は、プラズマ源2の温度が407度であるときの発光強度の分光分布を示し、グラフG3は、プラズマ源2の温度が527度であるときの発光強度の分光分布を示している。なお、温度には、サーモカメラで測定したプラズマ源2の各位置の温度のうち最も大きい値を採用した。
図7から理解できるように、プラズマ源2の温度が高いほどプラズマの発光強度は高くなる。つまり、プラズマ源2の温度はプラズマの発光強度に対して正の相関関係を有している。
<温度算出>
そこで、プラズマ源2の温度とプラズマの発光強度との対応関係を示す対応関係情報RD1を予め記憶部92(例えば記憶部921)に記憶しておく。この対応関係は、例えば実験またはシミュレーションにより得ることができる。対応関係情報RD1はルックアップテーブルを含んでいてもよく、あるいは、関数式を含んでいてもよい。
図8は、制御部90の機能的な内部構成の一例を示す機能ブロック図である。図8に示されるように、制御部90は温度算出部901を含んでいる。温度算出部901には、センサ4からの測定結果(ここでは画像データIM1)と、記憶部92からの対応関係情報RD1とが入力される。
温度算出部901はセンサ4の測定結果と対応関係情報RD1とに基づいて、プラズマ源2の温度を求め、当該温度を示す温度情報TD1を出力する。
センサ4がカメラである場合には、既述のように、センサ4はプラズマ発生領域P1の発光強度の空間分布を測定する。よって、温度算出部901はセンサ4の測定結果に基づいてプラズマ源2の温度の空間分布を求めてもよい。具体的な一例として、まず、温度算出部901は画像データIM1からプラズマ発生領域P1内の画素を抽出する。画像データIM1内のプラズマ発生領域P1の位置および大きさは例えば予め設定されていてもよい。
次に、温度算出部901はプラズマ発生領域P1内の各画素の画素値に基づいて、各画素の輝度値を算出する。センサ4がグレースケール用のカメラである場合、画素値は輝度値を示すので、温度算出部901は画素値をそのまま輝度値として用いる。センサ4がカラー用のカメラである場合、センサ4は、互いに異なる色の光を受光して複数種類の色情報をそれぞれ出力する複数種類の受光素子を含む。この場合、画像データIM1内の各画素の画素値は、複数種類の色に対応した色情報を含む。複数種類の色情報としては、例えば、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の色情報が採用される。温度算出部901はRGB色空間からYUV色空間への変換式を用いて、複数種類の色情報に基づいて輝度値(Y)を画素ごとに算出する。
次に、温度算出部901は輝度値と対応関係情報RD1とに基づいて、プラズマ源2の温度を画素ごとに求める。この場合、記憶部92には、発光強度の輝度値とプラズマ源2の温度との対応関係を示す対応関係情報RD1が予め記憶される。対応関係情報RD1がルックアップテーブルである場合には、制御部90は補間処理(例えば線形補間処理)を行って温度を求めることができる。対応関係情報RD1が関数式である場合には、温度算出部901は当該関数式に輝度値を代入して温度を求めることができる。
以上のように、温度算出部901はプラズマ源2の温度をプラズマ発生領域P1内の画素ごとに求めることができる。つまり、温度算出部901はプラズマ源2の温度の空間分布を求めることができる。
なお、温度算出部901はプラズマ発生領域P1内の全ての位置(画素)で温度を求める必要はなく、プラズマ発生領域P1内の一部の領域の画素からプラズマ源2の温度を求めてもよい。例えば、プラズマ源2の周縁部は、中央部と比較して、極端に温度が低いことがあるので、プラズマ発生領域P1の中央部の輝度値から算出した温度をプラズマ源2の温度の代表値とすることが好ましい。また、温度算出部901はプラズマ源2の温度の代表的な値として温度の統計値(例えば平均値あるいは最大値)を求めてもよい。
以上のように、プラズマ発生装置1によれば、可視光のセンサ4を用いて、プラズマ源2の温度を測定することができる。可視光のセンサ4は、温度を測定するサーモカメラに比べて安価であるので、より安価な構成でプラズマ源2の温度を測定することができる。
また上述の例では、センサ4はカメラであり、そのプラズマ発生領域P1の全体が撮像領域に含まれるように設けられる。これによれば、プラズマ源2が平面型のプラズマ源であっても、センサ4はプラズマ発生領域P1の全体の発光強度を容易に測定することができる。ひいては、プラズマ発生領域P1の全体の温度を容易に測定することができる。
<色情報>
上述の例では、センサ4がカラー用のカメラである場合には、温度算出部901は全種類の色情報に基づいて輝度値を算出し、当該輝度値に基づいて温度を求めた。このため、センサ4がグレースケール用のカメラである場合と比較して、より多くの情報から輝度値を算出することができ、求める温度の精度を高めることができる。しかしながら、必ずしもこれに限らない。温度算出部901は複数種類の色情報の少なくとも一つを用いればよい。1種類の色情報を用いる場合、当該1種類の色情報とプラズマ源2の温度との対応関係を示す対応関係情報RD1が記憶部92に予め記憶される。温度算出部901は、センサ4によって取得された各画素の当該1種類の色情報と、記憶部92に記憶された対応関係情報RD1とに基づいて、プラズマ源2の温度を求める。これによれば、複数種類の色情報を用いる場合に比して、より簡易な処理でプラズマ源2の温度を求めることができる。
<温度制御>
制御部90は、センサ4を用いて求めたプラズマ源2の温度に基づいて、プラズマ源2の温度を制御してもよい。図8の例では、制御部90は温度制御部902をさらに含んでいる。温度制御部902には、温度算出部901から温度情報TD1が入力される。ここでは、温度算出部901はプラズマ源2の温度の代表値として温度の統計値(例えば平均値あるいは最大値など)を算出し、その算出温度を示す温度情報TD1を温度制御部902に出力する。
温度制御部902は温度情報TD1に基づいてプラズマ源2の温度を制御する。プラズマ源2の温度は例えば電源8の出力電力により制御される。電源8の出力電力が大きくなると、プラズマ源2が発生させるプラズマの密度(例えば電子密度)が大きくなるので、プラズマの発光強度が高くなり、プラズマ源2の温度が高くなる。逆に、電源8の出力電力が小さくなると、プラズマの発光強度が低くなり、プラズマ源2の温度も低くなる。
電源8の出力電力は例えば電源8の出力電圧の大きさ(振幅)によって制御される。例えば温度制御部902が電源8の出力電圧を制御して、電源8の出力電力を大きくすることができる。具体的な一例として、制御部90は出力電圧の大きさ(振幅)についての指令値(設定値)を設定し、当該指令値に基づいて電源8を制御することにより、電源8の出力電圧の大きさを制御する。
また、電源8がパルス電源である場合には、温度制御部902はデューティ比を制御することにより、出力電力を制御してもよい。ここでいうデューティ比とは、周期(=パルス周波数の逆数)に対するオン期間の比である。デューティ比が高いほど、プラズマ源2に供給される電力の時間平均は大きくなる。オン期間およびパルス周波数の少なくともいずれか一方を制御することにより、デューティ比を制御することができる。例えば温度制御部902は、オン期間を一定としてパルス周波数を高くすることにより、デューティ比を高くすることができ、電源8の出力電力を大きくすることができる。より具体的な一例として、温度制御部902はパルス周波数についての指令値(設定値)を設定し、当該指令値に基づいて電源8を制御することにより、電源8のパルス周波数を制御する。
次に、プラズマ源2の温度制御の例についてより具体的に述べる。なお、以下では上述の指令値をまとめて電圧指令値とも呼び、温度算出部901が求めた温度を算出温度とも呼ぶ。
例えば温度制御部902は、プラズマ源2の算出温度が予め設定された許容値を超えないように、電源8を制御してもよい。より具体的な一例として、温度制御部902は算出温度と許容値との差が予め設定された許容基準値以下となると、電圧指令値をより小さい値に設定する。これにより、算出温度が許容値に近づくと、電源8の出力電力を低下させることができる。よって、プラズマ源2の温度を低下させることができ、プラズマ源2の温度が許容値を超えることを抑制または回避することができる。
あるいは、温度制御部902はプラズマ源2の算出温度が目標温度に近づくように電源8を制御してもよい。より具体的な一例として、温度制御部902は、算出温度が、目標温度を含む温度範囲の上限値よりも高いときに電圧指令値をより小さい値に設定し、算出温度が温度範囲の下限値よりも低いときに電圧指令値をより大きい値に設定してもよい。あるいは、温度制御部902は算出温度と目標温度との偏差に基づいて、いわゆる比例制御、積分制御および微分制御等のフィードバック制御を行って電源8を制御してもよい。これにより、プラズマ源2の温度を目標温度に近づけることができる。
以上のように、制御部90はセンサ4の測定結果から求めたプラズマ源2の算出温度に基づいて、プラズマ源2の温度を制御することができる。これにより、より高い精度でプラズマ源2の温度を制御することができる。
<点灯判断>
ところで、電源8がプラズマ源2に電力を供給し始めると、その初期においては、局所的にプラズマが発生し得る。つまり、プラズマ発生領域P1の全体ではなく、一部のみでプラズマが発生する。これは、第1線状電極211と第2線状電極221との間のピッチのばらつき等の組立誤差、あるいは電極棒や集合電極の個体差等の諸要因に起因すると考えられる。
そして、時間の経過とともに、プラズマ源2の温度が上昇しつつ、プラズマが周囲に広がる。つまり、温度が高くなるとガスがプラズマ化しやすくなるので、プラズマ源2の温度上昇に伴ってプラズマがより広い領域で発生しやすくなる。そして、いずれ、プラズマ発生領域P1の全体でプラズマが発生する。
センサ4は既述のようにプラズマの発光強度を測定する。そこで、図8に例示するように、制御部90は点灯判断部903を含んでいてもよい。点灯判断部903には、センサ4から測定結果(ここでは画像データIM1)が入力される。点灯判断部903はセンサ4の測定結果に基づいて、プラズマ源2がプラズマ発生領域P1の全体においてプラズマを発生させているか否かを判断する。
より具体的な一例として、まず、点灯判断部903は、画像データIM1のプラズマ発生領域P1内の各画素の輝度値が輝度基準値以上であるか否かを、画素ごとに判断する。輝度基準値は、各画素においてプラズマが発生しているか否かを判断するための基準値であり、例えば予め設定される。点灯判断部903は、輝度値が輝度基準値以上であるときに、当該画素に対応する位置においてプラズマが発生していると判断し、輝度値が輝度基準値未満であるときに、当該画素に対応する位置においてプラズマが発生していないと判断する。
次に、点灯判断部903は、プラズマが発生していると判断された画素の数と画素数基準値とを比較する。画素数基準値は、プラズマ発生領域P1の全体でプラズマが発生しているか否かを判断するための基準値であり、例えば予め設定される。画素数基準値は当然にプラズマ発生領域P1内の画素の総数以下に設定される。点灯判断部903は、画素数が画素数基準値以上であるときに、プラズマ発生領域P1の全体でプラズマが発生していると判断し、画素数が画素数基準値未満であるときに、未だプラズマ発生領域P1の全体ではプラズマが発生していないと判断する。
以上のように、制御部90は、プラズマの発光強度を測定するセンサ4の測定結果に基づいて、プラズマが発生しているか否かを判断する。したがって、より高い精度でプラズマの発生を検出することができる。
比較のために、センサ4の替わりにサーモカメラが用いられる場合を考察する。このサーモカメラはプラズマ源2の熱放射(赤外線)を測定して、画像データ(つまり、サーモグラフィーデータ)を出力する。よって、プラズマが発生していなくてもプラズマ源2の温度が高くなると、サーモグラフィーデータ内の画素値は高くなる。よって、サーモカメラを用いてプラズマの発生を検出すると、その検出精度が低くなる。
これに対して、センサ4はプラズマの発光強度を測定するので、より高い精度でプラズマの発生を検出することができる。
<色情報>
なお上述の例では、センサ4がカラー用のカメラである場合には、温度算出部901は全種類の色情報に基づいて輝度値を算出し、当該輝度値に基づいてプラズマの発生を検出している。このため、センサ4がグレースケール用のカメラである場合と比較して、より多くの情報から輝度値を算出することができ、プラズマの発生をより高い精度で検出することができる。また、上述の例では、点灯判断部903はプラズマの輝度値を用いてプラズマの発生を検出しているものの、必ずしも輝度値を用いる必要はない。点灯判断部903は、センサ4によって測定された複数種類の色情報の少なくともいずれか一つを用いればよい。例えば、具体的には、点灯判断部903は当該種類の色情報が予め設定された色基準値よりも大きいときに、その画素に対応する位置においてプラズマが発生していると判断すればよい。これによれば、より簡易な処理でプラズマの発生を検出することができる。
<処理ユニットの動作例>
次に、処理ユニット130の動作の一例について説明する。図9は、処理ユニット130の動作の一例を示すフローチャートである。まず、基板保持部11が基板Wを保持する(ステップS1:保持工程)。具体的には、主搬送ロボット120が未処理の基板Wを処理ユニット130に搬入し、基板保持部11は、搬入された基板Wを保持する。ここでは、基板Wの上面にレジストが形成されている。
次に、制御部90は、プラズマ源2が基板Wから離れた第2待機位置(第1位置に相当)に位置する状態において、プラズマ源2への出力電力を供給してプラズマ源2にプラズマを発生させ始める(ステップS2:プラズマ点灯工程)。
図10は、プラズマ点灯工程の具体的な一例を示すフローチャートである。なお以下では、温度算出部901、温度制御部902および点灯判断部903の動作の主体を、制御部90として説明する。
まず、制御部90は電源8にプラズマ用の電圧を出力させ始める(ステップS21:電力開始工程)。このステップS21では、制御部90は高い電力がプラズマ源2に供給されるように、電源8を制御する。例えば制御部90は電圧指令値をより高い値に設定する。制御部90が当該電圧指令値に基づいて電源8を制御することにより、電源8はより大きな電力をプラズマ源2に供給する。
電力が大きいと、プラズマ源2の温度上昇幅が大きくなり、プラズマ源2の温度は例えば400度程度以上となる。ガスは温度が高いほどプラズマ化しやすいので、プラズマ源2の高温により、プラズマをより短時間でプラズマ発生領域P1の全体に発生させることができる。
その一方で、プラズマ源2の温度が上昇しすぎて許容値(例えば600度程度)を超えることは望ましくない。なぜなら、プラズマ源2または保持部材34の熱劣化等の不具合を招き得るからである。そこで、プラズマ点灯工程において、温度監視が行われる。
具体的には、まず、センサ4はプラズマの発光強度を測定する(ステップS22:強度測定工程)。センサ4がカメラである場合、センサ4はプラズマ源2を撮像し、当該撮像により取得された画像データIM1を測定結果として制御部90に出力する。
次に、制御部90は、センサ4によって取得された画像データIM1と、記憶部92に記憶された対応関係情報RD1とに基づいて、上述のようにプラズマ源2の算出温度を求める(ステップS23:温度算出工程)。ここでは一例として、制御部90は、プラズマ源2の中央部の温度の平均値をプラズマ源2の算出温度として求める。
次に、制御部90は算出温度が許容値を超えないように電源8の出力電力を制御する(ステップS24:温度制限工程)。言い換えれば、制御部90はプラズマ源2の温度を許容値以下に制限する。例えば、制御部90はプラズマ源2の算出温度と許容値との差が許容基準値以下であるときに、電圧指令値をより小さい値に設定する。これにより、プラズマ源2の温度が許容値を超えることを抑制または回避できる。
次に、制御部90はプラズマ源2がプラズマ発生領域P1の全体においてプラズマを発生させているか否かを、画像データIM1に基づいて判断する(ステップS25:点灯判断工程)。具体的な一例として、制御部90は、プラズマ発生領域P1において、輝度基準値以上の輝度値を有する画素の数が画素数基準値以上であるときに、プラズマ発生領域P1の全体でプラズマが発生していると判断する。
未だプラズマ発生領域P1の全体にプラズマが発生していないときには、再びステップS22が行われる。プラズマ発生領域P1の全体にプラズマが発生しているときには、プラズマ点灯工程が完了する。
プラズマ源2がプラズマ発生領域P1の全体にプラズマを発生させた後に、制御部90はプラズマ源2の温度を低下又は上昇させる(ステップS3:温度調整工程)。より具体的な一例として、制御部90は電圧指令値をより小さい値又は大きい値に設定して電源8の出力電力を低下又は上昇させる。これにより、プラズマ源2の温度を低下又は上昇させる。
この温度調整工程においても、温度監視が行われる。例えば、制御部90はプラズマ源2の算出温度が、後述のプラズマ工程(ステップS6)に適した温度(目標温度)となるように、電源8を制御する。目標温度は例えば400度程度未満の値に設定される。この制御により、プラズマ源2の温度が時間の経過とともに低下又は上昇し、目標温度を含む温度範囲内に収束する。以後、制御部90は、プラズマ源2の温度が当該温度範囲内となる電圧指令値で、電源8を制御する。
次に、基板Wの上面に処理液(例えば硫酸)を供給する(ステップS4:液供給工程)。図11は、液供給工程における処理ユニット130の様子の一例を概略的に示す図である。
液供給工程において、まず、ノズル移動機構15がノズル12を第1待機位置から第1処理位置に移動させる。ここでは、第1処理位置は基板Wの中央部と鉛直方向において対向する位置である。そして、基板保持部11が基板Wを回転軸線Q1まわりで回転させ、バルブ122が開く。バルブ122が開くと、ノズル12から処理液が基板Wの上面の中心部に向けて吐出される。処理液は基板Wの上面の中央部に着液し、基板Wの回転に伴う遠心力を受けて基板Wの上面を広がり、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面に処理液の液膜Fが形成される。
基板W上に液膜Fが形成されると、バルブ122が閉じて、処理液の供給が停止する。そして、ノズル移動機構15がノズル12を第1処理位置から第1待機位置へと移動させる。液膜Fの形成後には、基板保持部11は基板Wの回転を停止させてもよく、あるいは、基板Wの回転を継続してもよい。基板Wの回転を継続する場合、基板保持部11は液供給工程における回転速度より低い回転速度で基板Wを回転させるとよい。これにより、基板Wの周縁から流れ落ちる処理液の量を低減させることができ、液膜Fをより確実に維持することができる。言い換えれば、基板保持部11は液膜Fを維持できる程度の回転速度で基板Wを回転させればよい。より具体的な一例として、基板保持部11は基板Wの周縁から処理液が流れ落ちない程度の回転速度で基板Wを回転させる。このように処理液の供給を停止しつつ基板Wの上面に液膜Fを維持する処理は、パドル処理とも呼ばれる。
なお、液供給工程(ステップS4)は、プラズマ点灯工程(ステップS2)および温度調整工程(ステップS3)の少なくともいずれか一方と並行して実行されてもよい。これにより、処理のスループットを向上させることができる。
プラズマ点灯工程、温度調整工程および液供給工程の実行後に、制御部90はプラズマ移動機構14を制御して、プラズマ源2を基板Wにより近い第2処理位置(第2位置に相当)に移動させる(ステップS5:移動工程)。
プラズマ源2が第2処理位置に位置する状態においては、プラズマ源2の直下で発生した活性種は基板Wの上面の液膜Fに供給される(ステップS6:プラズマ工程)。図12は、プラズマ工程における処理ユニット130の様子の一例を概略的に示す図である。
プラズマ源2が第2処理位置に位置する状態でプラズマ源2が周囲のガスをプラズマ化させることにより、活性種が基板Wの上面の液膜Fに作用する。具体的には、プラズマ源6と基板Wとの間で生じた活性種が液膜Fに作用する。これにより、処理液の処理性能が高まる。具体的な一例として、活性種と硫酸との反応により、処理性能(ここでは酸化力)の高いカロ酸が生成される。当該カロ酸が基板Wのレジストに作用することで、レジストを速やかに酸化除去することができる。
上述の例では、プラズマ源2は平面視において広い範囲でプラズマを発生させることができるので、基板Wの上面に対して広い範囲で活性種を供給することができる。したがって、基板Wの上面のレジストをより均一に除去することができる。プラズマ源2は平面視において、基板Wの上面と同程度、もしくは、基板Wの上面よりも広い範囲でプラズマを発生させる程度のサイズを有しているとよい。
基板Wの上面のレジストが十分に除去されると、プラズマ移動機構14はプラズマ源2を第2処理位置から第2待機位置に移動させ、また、電源8がプラズマ源2への電力供給を停止する。
次に、処理ユニット130は基板Wの上面に対するリンス処理を行う(ステップS7:リンス工程)。具体的には、処理ユニット130はリンス液を基板Wの上面に供給し、基板Wの上面の処理液をリンス液に置換する。
次に、処理ユニット130は基板Wに対する乾燥処理を行う(ステップS8:乾燥工程)。例えば基板保持部11が液供給工程よりも高い回転速度で基板Wを回転させることにより、基板Wを乾燥させる(いわゆるスピンドライ)。次に、主搬送ロボット120が処理済みの基板Wを処理ユニット130から搬出する。
<処理ユニットの効果>
以上のように、処理ユニット130によれば、プラズマ点灯工程(ステップS2)および温度調整工程(ステップS3)において、可視光のセンサ4を用いた温度監視が行われる。これにより、両工程において、プラズマ源2の温度を適切に制御することができる。
また上述の例では、プラズマ点灯工程において、プラズマ源2が基板Wからより遠い第2待機位置(第1位置に相当)に位置した状態で、プラズマ源2の温度をより高く制御する。これにより、より短時間でプラズマ発生領域P1の全体にプラズマを発生させることができる。また、プラズマ源2から基板Wへの熱伝達を抑制でき、基板Wへの熱ダメージおよび処理液の沸騰による周辺部材への汚染を抑制することもできる。
また上述の例では、温度調整工程(ステップS3)および移動工程(ステップS5)の後にプラズマ工程(ステップS6)が行われる。例えば、温度調整工程によってプラズマ源2の温度が低くなると、プラズマ工程において、プラズマ源2が基板Wに近い第2処理位置(第2位置に相当)に位置していても、基板Wへの熱ダメージおよび処理液の沸騰による周辺部材への汚染を抑制することができる。また、例えば、温度調整工程によって、基板Wを処理するときのプロセス温度に適した温度までプラズマ源2の温度が高くすることもでき、よって、プラズマ工程において、より適切に基板Wに対する処理を行うことができる。
また上述の例では、制御部90はプラズマ点灯工程においてプラズマが発生したか否かの判断を、プラズマの発光強度を測定するセンサ4の測定結果を用いて行っている。これによれば、より確実にプラズマの発生を検出することができる。よって、プラズマ点灯工程を適切なタイミングで終了させることができる。
<異常検出>
制御部90は、センサ4によって取得された画像データIM1に基づいて、各種の状態を検出してもよい。例えば、制御部90は、プラズマ発生領域P1における発光強度の不均一を検出することができる。具体的には、例えば、プラズマ源2の接点不良または線状電極を覆う誘電体の破損によって発生したアーキングに起因する局所的な異常発熱を検出することができる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態にかかるプラズマ発生装置1は、プラズマ源2の構成という点で、第1の実施の形態にかかるプラズマ発生装置1と相違する。以下では、第2の実施の形態にかかるプラズマ源2をプラズマ源2Aと呼ぶ。
図13は、プラズマ源2Aの構成の一例を概略的に示す平面図であり、図14および図15は、プラズマ源2Aの構成の一例を概略的に示す断面図である。図14は、図13のC-C断面を示しており、図15は、図13のD-D断面を示している。図13から図15に示されるように、プラズマ源2Aは第1電極部21と第2電極部22と誘電体35とを含む。
誘電体35は、プラズマ源2の誘電体33と同様に冷却空間と処理空間とを仕切るものの、誘電体33とは異なって、各第1線状電極211および各第2線状電極221の両方を覆っている。言い換えれば、第1線状電極211および第2線状電極221の大部分は誘電体35の内部に配置されている。
誘電体35は例えば石英およびセラミックス等の誘電体材料によって形成される。図示の例では、誘電体35は板状形状を有しており、その厚み方向が方向D3に沿う姿勢で配置される。誘電体35は第1主面35a、第2主面35bおよび側面35cを有する。第1主面35aおよび第2主面35bは、方向D3において互いに向かい合う面であり、例えば、方向D3に直交する平坦面である。側面35cは第1主面35aの周縁および第2主面35bの周縁を繋ぐ面である。図13の例では、誘電体35は円板形状を有しているので、第1主面35aおよび第2主面35bは円状の平面であり、側面35cは円筒面である。誘電体35の厚みは例えば5mm程度である。
誘電体35には複数の第1穴36および複数の第2穴37が形成される。各第1穴36は長手方向D1に沿って延在しており、その一方側の端が誘電体35の側面35cにおいて開口する。各第1線状電極211は長手方向D1に沿って第1穴36に挿入される。このように誘電体35が各第1線状電極211を覆うので、各第1線状電極211がプラズマにスパッタされることに起因して基板Wが汚染されることを防ぐことができる。
各第2穴37は長手方向D1に沿って延在しており、その他方側の端が誘電体35の側面35cにおいて開口する。各第2線状電極221は長手方向D1に沿って第2穴37に挿入される。このように誘電体35が各第2線状電極221を覆うので、各第2線状電極221がプラズマにスパッタされることに起因して基板Wが汚染されることを防ぐことができる。
図12の例では、複数の第1線状電極211および複数の第2線状電極221は同一平面上に設けられている。よって、複数の第1穴36および複数の第2穴37も同一平面上に形成されている。
プラズマ発生装置1は、第1主面35aが処理対象(ここでは基板W)を向く姿勢で配置される。第1主面35a近傍のガスは後述のようにプラズマ発生装置1によってプラズマ化し、該プラズマによる活性種が処理対象に作用する。
図13の例では、第1集合電極212および第2集合電極222は誘電体35よりも外側に設けられている。よって、第1線状電極211の基端部は誘電体35の側面35cから外側に突出して第1集合電極212に接続され、第2線状電極221の基端部は誘電体35の側面35cから外側に突出して第2集合電極222に接続される。つまり、図示の例では、誘電体35は各第1線状電極211のうち基端部以外の部分および各第2線状電極221のうち基端部以外の部分を覆う。
第1集合電極212および第2集合電極222はプラズマ用の電源8に接続されており、この電源8の電圧出力により、第1線状電極211と第2線状電極221との間にプラズマ用の電界が生じる。上述の例では、第1線状電極211と第1主面35aとの間隔および第2線状電極221と第1主面35aとの間隔は狭いので、電界は第1主面35a近傍のガスに作用しやすく、該ガスを容易にプラズマ化させることができる。
一方で、上述の例では、第1線状電極211と第2主面35bとの間隔および第2線状電極221と第2主面35bとの間隔は広いので、電界は第2主面35b近傍のガスには作用しにくい。よって、基板Wの処理に寄与しない不要なプラズマの発生も抑制することができる。しかも、誘電体35の第2主面35bと第1主面35aとの間の厚みを大きくすることもできるので、誘電体35の強度および剛性を向上させることができる。
また上述の例では、単一の誘電体35が第1線状電極211および第2線状電極221の両方を覆う。よって、プラズマ源2Aの構造は、第1線状電極211および第2線状電極221をそれぞれ覆う第1誘電体31および第2誘電体32を含むプラズマ源2に比して簡易である。特に上述の例では、誘電体35の第1主面35aは平坦であるので、第1誘電体31と誘電体33とで段差形状を形成するプラズマ源2に比して、その形状がより簡易である。よって、処理対象である基板W上の処理液が揮発してプラズマ源2A(例えば第1主面35a)に付着しても、プラズマ源2Aを洗浄して該処理液を除去することが容易である。
このようなプラズマ源2Aの温度も、プラズマの発光強度に対して正の相関関係を有する。そこで、第2の実施の形態においても、プラズマ源2Aの温度とプラズマの発光強度との対応関係を示す対応関係情報を予め記憶部92(例えば記憶部921)に記憶しておく。この対応関係は、例えば実験またはシミュレーションにより得ることができる。
第2の実施の形態にかかるセンサ4および制御部90は、第1の実施の形態と同様である。例えば制御部90は、安価な可視光のセンサ4によって測定されたプラズマの発光強度と、記憶部92の対応関係情報とに基づいて、プラズマ源2の温度を算出する。
以上のように、プラズマ発生装置1、処理ユニット(基板処理装置)130および基板処理方法は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、このプラズマ発生装置1、処理ユニット130および基板処理方法がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
例えばセンサ4はカメラに限らず、ラインセンサ等の可視光センサであってもよい。
また上述の例では、プラズマ点灯工程(ステップS2)においてプラズマ源2は第2待機位置に位置している。しかしながら、プラズマ点灯工程において、プラズマ源2は第2処理位置と第2待機位置との間の位置(第1位置に相当)に位置していてもよい。
また上述の例では、プラズマ工程(ステップS6)において温度監視を行っていないが、必ずしもこれに限らない。センサ4がプラズマ工程においてもプラズマの発光強度を測定可能であれば、プラズマ工程でも温度監視を行ってもよい。例えば、センサ4がプラズマ源2よりも鉛直上方に設けられ、かつ、保持部材34の上部材342が透光性を有している場合には、プラズマ工程においても、センサ4がプラズマ源2によるプラズマの発光強度を測定することができる。
また上述の例ではセンサ4は可視光センサである。しかしながら、次に説明する技術において、センサ4はサーモカメラまたは放射温度計であってもよい。すなわち、プラズマ源2が基板Wからより遠い第1位置に位置するプラズマ点灯工程において、プラズマ源2の温度をより高く制御し、かつ、プラズマ源2が第1位置よりも基板Wに近い第2位置に位置するプラズマ工程において、プラズマ源2の温度をより低く制御する技術において、センサ4はサーモカメラまたは放射温度計であってもよい。この技術では、プラズマ点灯工程に要する時間を短縮できるとともに基板Wへの熱ダメージおよび処理液の沸騰による周辺部材への汚染を抑制できるという効果を招来するところ、この効果はセンサ4がサーモカメラまたは放射温度計であっても招来することができるからである。
また上述の例では、プラズマ源2には誘電体33が設けられているものの、誘電体33は設けられていなくてもよく、また第1電極部21および第2電極部22は同一平面に設けられてもよい。さらに、第1電極部21および第2電極部22の少なくとも一方が、誘電体33の内部に設けられてもよい。
また、例えば、プラズマ源2Aにおいて、第1電極部21および第2電極部22は方向D3において互いに異なる位置に設けられてもよい。具体的には、第1線状電極211および第2線状電極221は方向D3において互いに異なる位置に設けられてもよい。
また、基板Wに対する処理は必ずしもレジスト除去処理に限らない。例えば、金属膜の除去等、活性種により処理液の処理能力を向上させることができる全ての処理に適用可能である。
また、必ずしも基板Wに処理液を供給する必要もない。例えば、プラズマを用いた処理として、基板Wの上面に対して直接にプラズマもしくは活性種を作用させてもよい。このような処理の一例として、基板Wの表面改質処理を挙げることができる。
また、プラズマ発生装置1は必ずしも基板Wの処理に用いられる必要はなく、他の処理対象に用いられてもよい。
1 プラズマ発生装置
2,2A プラズマ源
211 第1線状電極
221 第2線状電極
35 誘電体
36 第1穴
37 第2穴
4 センサ
90 制御部
92 記憶部
S1 保持工程(ステップ)
S2 プラズマ点灯工程(ステップ)
S3 温度調整工程(ステップ)
S5 移動工程(ステップ)

Claims (7)

  1. プラズマを発生させるプラズマ源と、
    前記プラズマの発光強度を測定するセンサと、
    前記プラズマの発光強度と前記プラズマ源の温度との対応関係を示す対応関係情報を記憶する記憶部と、
    前記センサによって測定された前記プラズマの発光強度と、前記記憶部に記憶された前記対応関係情報とに基づいて、前記プラズマ源の温度を求める制御部と
    を備える、プラズマ発生装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ発生装置であって、
    前記プラズマ源は、平面型のプラズマ源であり、
    前記センサは、前記プラズマ源のプラズマ発生領域を含む撮像領域を撮像するカメラを含む、プラズマ発生装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプラズマ発生装置であって、
    前記制御部は、前記センサによって測定された前記プラズマの発光強度に基づいて、前記プラズマが発生しているか否かを判断する、プラズマ発生装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のプラズマ発生装置であって、
    前記センサは、互いに異なる色の光を受光して複数種類の色情報をそれぞれ出力する複数種類の受光素子を含む、プラズマ発生装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のプラズマ発生装置であって、
    前記プラズマ源は、
    第1線状電極と、
    第2線状電極と、
    前記第1線状電極が挿入された第1穴、および、前記第2線状電極が挿入された第2穴を有する誘電体と
    を含む、プラズマ発生装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のプラズマ発生装置と、
    基板を保持する基板保持部と、
    前記プラズマ源を、前記基板保持部によって保持された前記基板に対して相対的に移動させる移動機構と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記プラズマ源が前記基板の主面から離れた第1位置に位置する状態において、前記プラズマ源に前記プラズマを発生させ、
    前記プラズマ源が前記プラズマを発生させた後に、前記プラズマ源への出力電力を低下させて前記プラズマ源の温度を低下させ、又は、前記プラズマ源への出力電力を上昇させて前記プラズマ源の温度を上昇させ、
    前記プラズマ源の温度を低下又は上昇させた後に、前記移動機構を制御して、前記プラズマ源を前記第1位置よりも前記基板の前記主面に近い第2位置に移動させる、基板処理装置。
  7. 基板保持部が基板を保持する保持工程と、
    プラズマ源が、前記基板保持部によって保持された前記基板の主面から離れた第1位置に位置する状態で、前記プラズマ源にプラズマを発生させ始めるプラズマ点灯工程と、
    前記プラズマが発生した後に、前記プラズマ源の温度を低下又は上昇させる温度調整工程と、
    前記温度調整工程の後に、前記プラズマ源を前記第1位置よりも前記基板に近い第2位置に移動させる移動工程と
    を備える、基板処理方法。
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