JP2023084976A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理方法および基板処理装置を提供する。【解決手段】略水平に保持された上面を有する基板の上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理方法である。この基板処理方法は、濃硫酸を上面へ供給する第1工程と、液膜の厚さの目標値が所定値以上の場合には、第1工程と並行、若しく第1工程の完了後に、上面上の濃硫酸が上面から振り切られない程度の回転速度で基板を回転させる第2工程と、目標値が所定値未満の場合には、第1工程と並行、若しくは第1工程の完了後に、濃硫酸が上面から振り切られる程度の回転速度で基板を回転させる第3工程と、を備える。【選択図】図7

Description

本願明細書に開示される技術は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
基板上の薬液の液膜に対してプラズマを作用させることにより、基板上の薬液を強い酸化力を有するラジカルが発生した薬液に変化させる技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の装置は、電極群と誘電体とを備える。誘電体は、第1主面と、第1主面と反対側の第2主面とを有する。電極群は、誘電体によって封止され、第1主面に平行な配列面内で交互に配列された少なくとも一つの第1電極および少なくとも一つの第2電極を含み、第1電極と第2電極との間の高周波電圧の印加により生じた電界を第1主面よりも外側に作用させる。このような特許文献1に記載の装置は、小さい電圧でプラズマを発生させる。
特開2021-125283号公報
特許文献1に記載の装置は、基板の上面に薬液が液膜として存在している状態で、プラズマを発生させる。プラズマは薬液の液膜に作用する。これにより、薬液の液膜中に、強い酸化力を有するラジカルが発生する。これにより、薬液を用いた基板処理を効率的に行うことができる。
このような薬液として、硫酸が含まれることが好ましいと考えられている。硫酸が含まれる場合、硫酸へのプラズマ照射によってペルオキソ一硫酸(カロ酸)が生成されるためである。この際にはペルオキソ一硫酸の生成に通常利用される過酸化水素水は必要とされない。
しかしながら、硫酸は常温で粘度が高いため、例えば90wt%以上の濃硫酸を利用して基板の上面に均一に液膜を形成することや、液膜の厚さをコントロールすることが困難であった。一方で、強い酸化力により基板の効率的な処理ができるため、基板の上面に所望の厚さの濃硫酸の液膜を均一に形成することが望まれていた。
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような課題に鑑みてなされたものである。この技術は、基板の上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理方法および基板処理装置に関する技術である。
本願明細書に開示される基板処理方法の第1の態様は、略水平に保持された上面を有する基板の前記上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理方法において、前記濃硫酸を前記上面へ供給する第1工程と、前記液膜の厚さの目標値が所定値以上の場合には、前記第1工程と並行、若しくは前記第1工程の完了後に、前記上面上の前記濃硫酸が前記上面から振り切られない程度の回転速度で前記基板を回転させる第2工程と、前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記第1工程と並行、若しくは前記第1工程の完了後に、前記濃硫酸が前記上面から振り切られる程度の回転速度で前記基板を回転させる第3工程と、を備える。
本願明細書に開示される基板処理方法の第2の態様は、第1の態様において、前記第1工程において、前記目標値が前記所定値以上の場合には、前記目標値と前記上面の面積との積に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給し、前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記積よりも大きな値に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給する。
本願明細書に開示される基板処理方法の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記所定値は300μm~400μmの間にある。
本願明細書に開示される基板処理方法の第4の態様は、第1ないし第3のいずれか一つの態様において、前記第2工程の後、または前記第3工程の後に、前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量が大きいほど高い回転速度で前記基板を回転させる第4工程をさらに備える。
本願明細書に開示される基板処理方法の第5の態様は、第1ないし第3のいずれか一つの態様において、前記第2工程の後、または前記第3工程の後に、前記第2工程または前記第3工程によって得られた前記液膜に対してプラズマを照射する第5工程をさらに備える。
本願明細書に開示される基板処理方法の第6の態様は、第5の態様において、前記第5工程において、前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量を経時的に計測し、前記凹み量の増大に伴って増大する回転速度で前記基板を回転させる。
本願明細書に開示される基板処理装置の第1の態様は、略水平に保持された上面を有する基板の前記上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理装置において、前記上面を略水平にして前記基板を保持する保持部と、前記濃硫酸を前記上面へ供給する供給部と、前記基板を回転させる回転部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記液膜の厚さの目標値が所定値以上の場合には、前記濃硫酸を前記上面へ供給するとき、または前記濃硫酸を前記上面へ供給した後に、前記濃硫酸が前記上面から振り切られない程度の回転速度で前記基板を回転させるように前記回転部を制御し、前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記濃硫酸を前記上面へ供給するとき、または前記濃硫酸を前記上面へ供給した後に、前記濃硫酸が前記上面から振り切られる程度の回転速度で前記基板を回転させるように前記回転部を制御する。
本願明細書に開示される基板処理装置の第2の態様は、第1の態様において、前記制御部は、前記目標値が前記所定値以上の場合には、前記目標値と前記上面の面積との積に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給するように前記供給部を制御し、前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記積よりも大きな値に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給するように前記供給部を制御する。
本願明細書に開示される基板処理装置の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記所定値は300μm~400μmの間にある。
本願明細書に開示される基板処理装置の第4の態様は、第1ないし第3のいずれか一つの態様において、前記液膜に対してプラズマを照射するプラズマ照射部をさらに備える。
本願明細書に開示される基板処理装置の第5の態様は、第4の態様において、前記制御部は、前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量が大きいほど高い回転速度で前記基板を回転させるよう前記回転部を制御する。
本願明細書に開示される基板処理装置の第6の態様は、第1ないし第5のいずれか一つの態様において、前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量を計測する凹み計測部をさらに備える。
本願明細書に開示される第1から第6の態様の基板処理方法、および第1から第6の態様の基板処理装置によれば、基板の上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理方法および基板処理装置が提供される。
本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
基板処理システムの構成の一例を概略的に示す平面図である。 制御部の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。 処理ユニットの構成の一例を概略的に示す図である。 基板保持部のスピンベースとチャックピンとを拡大して示す正面図である。 基板の上面の凹み量を示す概略図である。 処理ユニットの動作の一例を示すフローチャートである。 液膜制御レシピ決定工程の具体的な一例を示すフローチャートである。 液膜制御レシピを作成するための実験データを示すグラフである。 液膜処理工程における処理ユニットの様子の一例を概略的に示す図である。 プラズマ処理工程の具体的な一例を示すフローチャートである。 プラズマ処理工程における処理ユニットの様子の一例を概略的に示す図である。 プラズマが照射されているときの基板の状態を示す概略図である。 液膜の厚さと時間との関係を示すグラフである。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明される。なお、図面は概略的に示され、説明の便宜のために適宜、構成の省略および構成の簡略化がなされる。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明は、重複を避けるために省略される場合がある。
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、例えばこれらの序数によって生じ得る順序に限定されるものではない。
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で変形された形状、例えば凹凸や面取りを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
<第1の実施の形態>
<基板処理システムの全体構成>
図1は、基板処理システム100の構成の一例を概略的に示す平面図である。基板処理システム100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理装置である。基板処理システム100は、円板状の半導体基板である基板Wに対して処理を行った後、乾燥処理を行う。基板Wに対する処理の一つとしてプラズマを用いた処理が含まれる。プラズマを用いた処理は特に制限される必要がないものの、より具体的な一例として、有機物除去処理を含む。有機物除去処理とは、基板Wの主面上の有機物を除去する処理であり、当該有機物としてレジストを適用できる。有機物がレジストである場合、有機物除去処理はレジスト除去処理であるともいえる。なお、ここでは、基板Wの主面にはレジストが形成されており、基板処理システム100は基板Wに対する処理としてレジストを除去する例で説明する。
なお、基板Wは必ずしも半導体基板に限られない。例えば、基板Wには、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板および光磁気ディスク用基板で例示される各種基板が適用可能である。また基板の形状も円板形状に限らず種々の形状、例えば矩形の板状形状が採用可能である。
基板処理システム100は、ロードポート101と、インデクサロボット110と、主搬送ロボット120と、複数の処理ユニット130と、制御部90とを含む。
図1に例示されるように、複数のロードポート101が並んで配置される。各ロードポート101には、キャリアCが搬入される。キャリアCとしては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、または、基板Wを外気にさらすOC(Open Cassette)が採用されてもよい。インデクサロボット110は、キャリアCと主搬送ロボット120との間で基板Wを搬送する。主搬送ロボット120は処理ユニット130に基板Wを搬送する。
処理ユニット130は基板Wに対して処理を行う。本実施の形態に関する基板処理システム100には、12個の処理ユニット130が配置されている。
具体的には、それぞれが鉛直方向に積層された3個の処理ユニット130を含む4つのタワーが、主搬送ロボット120の周囲を取り囲むようにして配置されている。
図1では、3段に重ねられた処理ユニット130の1つが概略的に示されている。なお、基板処理システム100における処理ユニット130の数は、12個に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
主搬送ロボット120は、処理ユニット130が積層された4個のタワーの中央に設置されている。主搬送ロボット120は、インデクサロボット110から受け取る処理対象の基板Wをそれぞれの処理ユニット130内に搬入する。また、主搬送ロボット120は、それぞれの処理ユニット130から処理済みの基板Wを搬出してインデクサロボット110に渡す。制御部90は、基板処理システム100のそれぞれの構成要素の動作を制御する。
図2は、制御部90の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。制御部90は電子回路であって、例えばデータ処理部91および記憶媒体92を有している。図2の具体例では、データ処理部91と記憶媒体92とはバス93を介して相互に接続されている。データ処理部91はCPU(Central Processor Unit)で例示される演算処理装置であってもよい。記憶媒体92は非一時的な記憶媒体(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)921および一時的な記憶媒体(例えばRAM(Random Access Memory))922を有していてもよい。非一時的な記憶媒体921には、例えば制御部90が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。データ処理部91がこのプログラムを実行することにより、制御部90が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部90が実行する処理の一部または全部がハードウェアによって実行されてもよい。図2の具体例では、インデクサロボット110、主搬送ロボット120および処理ユニット130がバス93に接続された態様が一例として概略的に示されている。
<処理ユニット>
図3は、処理ユニット130の構成の一例を概略的に示す図である。なお、基板処理システム100に属する全ての処理ユニット130が図3に示された構成を有している必要はなく、少なくとも一つの処理ユニット130が当該構成を有していればよい。
図3に例示される処理ユニット130は、プラズマを用いた処理を基板Wに対して行う装置である。基板Wは、例えば、円板形状を有する。基板Wのサイズは特に制限されないものの、その直径R1は例えば約300mmである。
処理ユニット130はプラズマリアクタ1と基板保持部3とガード7とを含んでいる。図3の例では、処理ユニット130はチャンバ80も含んでいる。チャンバ80は、基板Wを処理するための処理室を形成しており、後述の各種の構成要素を収容する。
図3の例では、基板保持部3は、基板Wの上面を略水平にして基板Wを保持する。基板保持部3は回転機構33をさらに含んでおり、回転軸線Q1のまわりで基板Wを回転させる。回転軸線Q1は基板Wの中心部を通り、かつ、鉛直方向に沿う軸である。回転機構33は例えばシャフト34およびモータ35を含む。シャフト34の上端はスピンベース31の下面に連結される。モータ35はシャフト34を回転軸線Q1のまわりで回転させて、スピンベース31を回転させる。これにより、複数のチャックピン32によって保持された基板Wが回転軸線Q1のまわりで回転する。このような基板保持部3はスピンチャックとも呼ばれ得る。以下では、回転軸線Q1についての径方向は単に径方向と呼ばれる。
図3の例では、処理ユニット130はノズル4も含んでいる。ノズル4はチャンバ80内に設けられ、基板Wの上面への処理液の供給に用いられる。ノズル4は供給管41を介して処理液供給源44に接続される。処理液供給源44は、例えば、処理液を貯留するタンク(不図示)を含む。処理液は、例えば90wt%以上の濃硫酸であり、好ましくは96wt%の濃硫酸である。供給管41にはバルブ42が介装される。バルブ42が開くことにより、処理液供給源44からの処理液が供給管41を通じてノズル4に供給され、ノズル4の吐出口4aから吐出される。基板Wの上面に供給された濃硫酸の処理液は、液膜を形成する。
図3の例では、ノズル4はノズル移動機構45によって移動可能に設けられる。ノズル移動機構45はノズル4をノズル処理位置とノズル待機位置との間で移動させる。ノズル処理位置とは、ノズル4が基板Wの上面に向けて処理液を吐出する位置である。ノズル処理位置は、例えば、基板Wよりも鉛直上方であって、基板Wの中心部と鉛直方向において対向する位置である。ノズル待機位置は、例えば、基板Wの周縁よりも径方向外側の位置である。図3では、ノズル待機位置で停止するノズル4が示されている。
ノズル移動機構45は、例えば、ボールねじ機構またはアーム旋回機構を有する。アーム旋回機構は、いずれも不図示のアームと支持柱とモータとを含む。アームは水平に延在する棒状形状を有し、アームの先端にはノズル4が連結され、アームの基端が支持柱に連結される。支持柱は鉛直方向に沿って延びており、その中心軸のまわりで回転可能に設けられる。モータが支持柱を回転させることにより、アームが旋回し、ノズル4が中心軸のまわりで周方向に沿って移動する。このノズル4の移動経路上にノズル処理位置とノズル待機位置とが位置するように、支持柱が設けられる。
ノズル4がノズル処理位置に位置する状態でバルブ42が開くと、ノズル4から基板Wの上面に向かって処理液が吐出される。基板保持部3が基板Wを回転させることにより、処理液は遠心力により基板Wの上面を広がって、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの上面には処理液の液膜が形成される。
ノズル4は複数種類の処理液を順次に吐出してもよい。この場合、ノズル4は供給管41から分岐した供給管(不図示)を通じて他の処理液供給源(不図示)に接続されてもよい。あるいは、複数のノズル4が設けられ、各ノズル4がそれぞれ複数の処理液供給源に接続されてもよい。ノズル移動機構45は複数のノズル4を一体に移動させてもよく、個別に移動させてもよい。硫酸以外の処理液としては、例えば、純水およびイソプロピルアルコール等のリンス液が適用される。
図3の例では、処理ユニット130は膜厚計測部5も含んでいる。膜厚計測部5はチャンバ80内に設けられ、基板Wの上面に形成される液膜の厚さの計測に用いられる。膜厚計測部5には、周知技術である距離測定装置が利用される。距離測定装置としては、例えばレーザ光を利用した光波式、電波式、超音波式のものが利用される。膜厚計測部5は制御部90と接続されており、膜厚計測部5で計測された液膜の厚さは、制御部90のRAM922に記憶される。
図3の例では、膜厚計測部5は膜厚計測部移動機構51によって移動可能に設けられる。膜厚計測部移動機構51は膜厚計測部5を計測位置と待機位置との間で移動させる。計測位置は、膜厚計測部5が基板Wの上面に形成された液膜の厚さを計測する位置である。計測位置は、例えば、基板Wよりも鉛直上方であって、基板Wの中心部と鉛直方向において対向する位置である。待機位置は、プラズマリアクタ1と干渉しない位置である。待機位置は、例えば、基板Wの周縁よりも径方向外側の位置である。なお、膜厚計測部移動機構51は、周知の移動技術が利用される。
ガード7はチャンバ80内に設けられており、基板保持部3、および、基板保持部3によって保持された基板Wを取り囲む筒状形状を有する。ガード7は、基板Wの周縁から飛散した処理液を受け止める。
図3の例では、ガード7は、いずれも基板保持部3を囲む筒部71、傾斜部72および上端部73を含む。傾斜部72は鉛直上方に向かうにつれて回転軸線Q1に近づくように傾斜している。つまり、傾斜部72の内径および外径は鉛直上方に向かうにつれて小さくなる。筒部71の上端は傾斜部72の下端に連続しており、筒部71は鉛直方向に沿って延在する。図3の例では、傾斜部72の上端は上端部73の外周縁に連続している。上端部73は、水平に延在するリング状の板状形状を有する。図3の例では、上端部73の上面および下面は水平面に平行である。上端部73の内周縁はガード7の上部開口を形成する。
図3の例では、処理ユニット130は複数のガード7を含んでいる。複数のガード7は同心状に設けられており、いずれも基板保持部3を囲む。図3の例では、2つのガード7が設けられており、以下では、最外周のガード7をガード7Aと呼び、最内周のガード7をガード7Bとも呼ぶ。
ガード7はガード昇降機構75によって昇降可能に設けられている。ガード昇降機構75はガード7を上位置とガード待機位置との間で昇降させる。上位置は、ガード7が処理液を受け止める位置であり、具体的には、ガード7の内周面の上端711が基板Wの上面よりも鉛直上方となる位置である。ガード待機位置は、例えば、ガード7の上端部73の上面がスピンベース31の上面よりも鉛直下方となる位置である。図3の例では、ガード待機位置で停止するガード7が示されている。ガード昇降機構75は、例えば、ボールねじ機構と、該ボールねじ機構に駆動力を与えるモータとを含んでもよく、あるいは、エアシリンダを含んでもよい。複数のガード7が設けられる場合、ガード昇降機構75はガード7を個別に昇降させる。
ガード昇降機構75がガード7Aおよびガード7Bを上位置に上昇させた状態では、基板Wの周縁から飛散した処理液はガード7Bの内周面で受け止められ、ガード7Bの内周面に沿って流下する。ガード7Bの内周面に沿って流下した処理液はカップ76によって受け止められる。処理液は、カップ76に接続された回収配管77を通じて、例えば、同じ種類の処理液供給源のタンクに回収される。
ガード昇降機構75がガード7Bをガード待機位置に下降させ、ガード7Aを上位置に上昇させた状態では、基板Wの周縁から飛散した処理液はガード7Aの内周面で受け止められ、ガード7Aの内周面に沿って流下する。ガード7Aの内周面に沿って流下した処理液はカップ(不図示)によって受け止められる。処理液は、該カップに接続された不図示の回収配管を通じて、例えば、同じ種類の処理液供給源のタンクに回収される。
以上のように、複数のガード7が設けられることにより、処理液をその種類に応じて回収することができる。
プラズマリアクタ1はプラズマを発生させるプラズマ発生装置であり、チャンバ80内において、基板保持部3によって保持された基板Wの上面と鉛直方向において対向する位置に設けられる。プラズマリアクタ1はプラズマ用の電源16に接続されており、電源16からの電力を受けて周囲のガスをプラズマ化させる。なおここでは一例として、プラズマリアクタ1は大気圧下でプラズマを発生させる。ここでいう大気圧とは、例えば、標準気圧の80%以上、かつ、標準気圧の120%以下である。
プラズマリアクタ1は、扁平な形状を有する平型のプラズマリアクタである。プラズマリアクタ1は、平面視において、基板Wの周縁よりも径方向外側に広がっている。プラズマリアクタ1の外周縁は平面視において例えば円形状を有し、その外径R2は基板Wの直径R1よりも大きい。図3の例では、プラズマリアクタ1の外径R2はガード7の上端部73の内径(上部開口径に相当)R3よりも大きい。この構造によれば、プラズマリアクタ1のうち基板Wの周縁よりも外側の部分はガード7の上端部73と鉛直方向において対向する。プラズマリアクタ1の具体的な内部構成の一例は後に詳述する。
プラズマリアクタ1は、ノズル4がノズル待機位置に退避し、かつ、全てのガード7が例えばガード待機位置に下降した状態で、プラズマ待機位置からプラズマ処理位置へと移動することができる。プラズマリアクタ1は、例えば、基板Wの上面に処理液の液膜F1が形成された状態で、プラズマ処理位置に移動する(図11も参照)。
プラズマリアクタ1は、ガード7が下位置(例えばガード待機位置)に位置し、かつ、プラズマリアクタ1がプラズマ処理位置に位置する処理状態で、基板Wの上面にプラズマを照射する。プラズマリアクタ1がプラズマを発生させると、種々の活性種が生じる。例えば、空気がプラズマ化することにより、酸素ラジカル、ヒドロキシルラジカルおよびオゾンガス等の種々の活性種が生じ得る。これらの活性種は基板Wの上面に作用する。具体的な一例として、活性種は基板Wの上面の処理液(ここでは硫酸)の液膜に作用する。これにより、処理液の処理性能が高まる。具体的には、活性種と硫酸との反応により、処理性能(ここでは酸化力)の高いカロ酸が生成される。カロ酸はペルオキソ一硫酸とも呼ばれる。当該カロ酸が基板Wのレジストに作用することで、レジストが酸化除去される。
プラズマの発生に起因して、プラズマリアクタ1の周囲の温度は高くなる。例えば、温度は摂氏数百度、より具体的な一例として、摂氏200度から摂氏350度程度に至る。これにより、基板Wの上面の処理液が蒸発しやすくなり、基板Wの直上の雰囲気には処理液の揮発成分が多く含まれることとなる。このような処理液雰囲気がチャンバ80内に拡散すると、処理液の揮発成分がチャンバ80内の部材に付着して不具合を生じさせ得る。そこで、処理ユニット130には給気部(図示省略)および排気部82が設けられている。
図3の例では、排気部82は筒部材83および排気管84を含んでいる。筒部材83はチャンバ80内に設けられる。筒部材83は筒状の形状を有し、最外周のガード7よりも外周側からガード7を囲んでいる。筒部材83はチャンバ80の床面に設けられる。筒部材83の下部には排気管84の上流端が接続されており、排気管84の下流端には不図示の吸引機構に接続される。基板Wよりも上方の処理液雰囲気はガード7の内部を通じて排気管84の上流端に流入し、排気管84を通じてチャンバ80の外部に排出される。図3では、この気流の流れが模式的に破線の矢印で示される。
なお、上述の回転機構33、バルブ42、ノズル移動機構45、およびプラズマ発生装置は、制御部90により制御される。また、膜厚計測部5および膜厚計測部移動機構51も制御部90により制御される。
図4は、基板保持部3のスピンベース31とチャックピン32とを拡大して示す正面図である。図5は、基板Wの上面の凹み量tを示す概略図である。処理ユニット130は、さらに、凹み計測部36を備える。図4の例では、凹み計測部36は、チャックピン32に取り付けられる。凹み計測部36として、周知技術である距離測定装置が利用される。距離測定装置としては、例えばレーザ光を利用した光波式、電波式、超音波式のものが利用される。
凹み計測部36は、基板Wの上面の周縁を基準とした上面の中心における上面の凹み量を計測する。そして、図5に示す基板Wの上面の凹み量tが、凹み計測部36により計測される。なお、凹み計測部36も制御部90と接続されており、凹み計測部36で計測された凹み量tは、制御部90のRAM922に記憶される。
<基板処理装置の動作例>
次に、処理ユニット130の動作の一例が説明される。ここで、特に濃硫酸は常温(20℃±15℃)で粘度が高いため、液膜の厚さを制御することが容易ではない。一方で、基板Wの上面の処理液の膜厚は、基板Wのパターンの細さに影響するため、μm単位での制御が必要である。そこで、液膜の厚さ、処理液の供給量、および基板Wの回転速度が関連付けられることにより、液膜の厚さが制御可能となる。
本実施形態においては、液膜の厚さの目標値Tに依存して、液膜の形成方法が異なる。したがって、本実施形態においては、目標値Tに依存して、処理ユニット130の動作も異なる。図6は、処理ユニット130の動作の一例を示すフローチャートである。まず、基板保持部3が基板Wを保持する(ステップS1:保持工程)。具体的には、主搬送ロボット120が未処理の基板Wを基板保持部3に渡し、基板保持部3が該基板Wを保持する。このとき、基板保持部3は、基板Wの上面を略水平にして基板Wの周縁部を保持する。
処理液の供給量と基板Wの回転速度とは、制御部90により制御される。具体的には、処理液の液膜の厚さを制御するための液膜制御レシピが決定される(ステップS2:液膜制御レシピ決定工程)。図7は液膜制御レシピ決定工程の具体的な一例を示すフローチャートである。まず目標値Tが制御部90に入力される(ステップS11:目標値入力工程)。ステップS11で入力された目標値Tが所定値以上か否かが、制御部90において判定される(ステップS12)。なお、所定値は、例えば300μm~400μmの間にある。
ステップS12において、目標値Tが所定値以上と判断された場合には、処理液の供給量が目標値Tと基板Wの上面の面積との積に相当する量に決定される(ステップS13)。例えば、目標値Tが400μm、基板Wの直径が300mm、である場合には、400μm×(150mm×150mm×π)≒28.3mlが処理液の供給量として決定される。その後、回転速度が、基板Wの上面上の処理液が基板Wの上面から振り切られない程度に決定される(ステップS14)。このとき、膜厚計測部5により液膜の厚さが計測されていてもよい。処理液が基板Wの上面から振り切られない程度の回転速度は、予め実験によって関係が求められている。なお、回転速度は、処理液が遠心力により広がる程度であることも必要である。したがって、回転速度は、処理液が振り切られない程度であって、かつ、遠心力により広がる程度であることが好ましい。
一方で、ステップS12において、目標値Tが所定値未満であると判断された場合には、処理液の供給量が目標値Tと基板Wの上面の面積との積よりも大きな値に相当する量に決定される(ステップS15)。例えば、目標値Tが200μm、基板Wの直径が300mm、である場合には、200μm×(150mm×150mm×π)≒14.3mlよりも大きな値に、処理液の供給量が決定される。ステップS15において、処理液の供給量が決定された後、回転速度が基板Wの上面上の処理液が基板Wの上面から振り切られる程度に決定される(ステップS16)。ステップS14と同様に、膜厚計測部5により液膜の厚さが計測されてもよい。処理液が基板Wの上面から振り切られる程度の回転速度は、予め実験によって関係が求められている。
図8は、液膜制御レシピを作成するための実験データを示すグラフである。図8においては、縦軸に膜厚計測部5により計測された液膜F1の厚さm(μm)、横軸に時間(sec)が示されている。膜厚計測部5は、基板Wの中心と対向する位置と基板Wのエッジ(周縁)と対向する位置との間を交互に移動し続けている。このような移動に起因して、横軸の時間は周期的に、基板Wの中心とエッジとの間の位置を示す。約45秒かけて基板Wの中心とエッジとの間を一往復する場合が例示されており、基板Wの中心と対向する位置と基板Wのエッジと対向する位置とを矢印で示している。
図8において、処理液の供給量を30mlとし、回転速度を0rpmから70rpmへ1秒間で加速し、その後70rpmを2秒間維持し、さらに70rpmから0rpmへ1秒間で減速した条件(以下、「条件A」という。)で、厚さmを130秒まで計測した結果を実線で示している。また、処理液の供給量を30mlとし、回転速度を0rpmから70rpmへ1秒間で加速し、その後70rpmを3秒間維持し、さらに70rpmから0rpmへ1秒間で減速した条件(以下、「条件B」という。)で、厚さmを130秒までを計測した結果が点線で示される。また、処理液の供給量を50mlとし、回転速度を0rpmから70rpmへ1秒間で加速し、その後70rpmを2秒間維持し、さらに70rpmから0rpmへ1秒間で減速した条件(以下、「条件C」という。)で、厚さm130秒まで計測した結果が一点鎖線で示される。また、処理液の供給量を50mlとし、回転速度を0rpmから70rpmへ1秒間で加速し、その後70rpmを3秒間維持し、さらに70rpmから0rpmへ1秒間で減速した条件(以下、「条件D」という。)で、厚さmを130秒まで計測した結果が二点鎖線で示される。
図8に示すように、供給量が互いに異なる条件Aと条件Cのいずれにおいても、130秒に至るまで、厚さmは200μm前後を維持している。一方で、供給量が互いに異なる条件Bと条件Dのいずれにおいても、130秒に至るまで、厚さmは250μm前後を維持している。これらの結果から、目標値Tが所定値未満の場合では、厚さmは供給量よりも所定の回転速度が維持される時間に影響されることがわかる。高い(厚い)目標値Tには所定の回転速度を維持する時間を長く、低い(薄い)にする目標値Tには所定の回転速度を維持する時間を短くする制御が採用される。具体的には、例えば所定の回転速度を70rpmとして、目標値Tが200μmの場合は、70rpmを3秒間維持して基板Wを回転させる液膜制御レシピが決定される。また、目標値Tが250μmの場合は、70rpmを2秒間維持して基板Wを回転させる液膜制御レシピが決定される。
以上のように、目標値Tが所定値未満となるような比較的薄い液膜を形成する場合には、処理液を基板Wの上面から振り切る程度の比較的多めの処理液を供給する。特に、硫酸は粘度が高い液体であることから、硫酸濃度の高い液体を利用する場合に液膜の厚さを制御することが困難とされてきたが、液膜の厚さmは上述の様に制御される。目標値Tが所定値以上の場合と比較して回転速度を高めることで、基板Wの周縁部にまで略均一の厚さmの液膜を実現することができる。つまり、目標値Tが所定値以上の場合は、処理液が振り切られない程度の比較的低い回転速度で基板Wを回転させるのに対し、目標値Tが所定値未満の場合は、処理液が振り切られる程度の比較的高い回転速度で基板Wを回転させる。また、その回転速度を維持する時間を調整することにより、液膜F1の厚さmが制御される。
次に、処理ユニット130は基板Wの上面に処理液の液膜を形成する(ステップS3:液膜形成工程)。図9は、液膜処理工程における処理ユニット130の様子の一例を概略的に示す図である。図9に例示されるように、ノズル移動機構45はノズル4をノズル処理位置に移動させ、ガード昇降機構75はガード7を上位置に上昇させる。図9の例では、ガード7Aおよびガード7Bの両方が上位置に位置している。そして、基板保持部3が基板Wを回転軸線Q1のまわりで回転させ、バルブ42が開く。これにより、処理液がノズル4の吐出口4aから回転中の基板Wの上面に向かって供給される。ここでは、処理液として濃硫酸が供給される。基板Wの回転速度はステップS2の液膜制御レシピ決定工程で決定された回転数であり、処理液の供給量はステップS2の液膜制御レシピ決定工程で決定された量である。
基板Wの上面に着液した処理液は基板Wの上面で広がる。これにより、基板Wの上面に処理液の液膜F1が形成される。なお、決定された量の処理液が供給されると、バルブ42が閉じて処理液の供給が停止し、ノズル移動機構45はノズル4をノズル待機位置に移動させる。
次に、処理ユニット130は基板Wに対するプラズマ処理を行う(ステップS4:プラズマ処理工程)。図10は、プラズマ処理工程の具体的な一例を示すフローチャートであり、図11は、プラズマ処理工程における処理ユニット130の様子の一例を概略的に示す図である。
図10の例では、まず、ガード昇降機構75がガード7を下位置に下降させる(ステップS21:ガード移動工程)。ここでいう下位置とは、最外周のガード7Aの内周面の上端711が、基板保持部3によって保持された基板Wの上面よりも鉛直下方となる位置である。下位置の具体的な一例として、ガード7Aの上端711が基板Wの下面よりも鉛直下方となる位置を採用してもよいし、ガード7Aの上端711がスピンベース31の上面よりも下方となる位置を採用してもよいし、あるいは、ガード待機位置を採用してもよい。ここでは下位置としてガード待機位置が採用される。つまり、ガード昇降機構75はガード7Aおよびガード7Bがガード待機位置に下降される。
次に、電源16がプラズマリアクタ1にプラズマ用の電圧を出力する(ステップS22:点灯工程)。これにより、プラズマリアクタ1の周囲にプラズマが生成される。なお、点灯工程はガード移動工程の前に実行されてもよい。
次に、プラズマ昇降機構15はプラズマリアクタ1をプラズマ待機位置からプラズマ処理位置に下降させる(ステップS23:プラズマ移動工程)。プラズマリアクタ1がプラズマ処理位置に位置する状態では、プラズマリアクタ1は基板Wにプラズマを照射することができる(ステップS24:プラズマ照射工程)。言い換えれば、プラズマ処理位置は、基板Wにプラズマを照射可能な程度に基板Wに近接した位置である。
図11は、プラズマ照射工程における処理ユニット130の様子を示している。図11の例では、プラズマリアクタ1はプラズマ処理位置に位置しており、基板Wの上面の液膜F1にプラズマを照射して、液膜F1に活性種を供給する。これにより、処理液の処理性能が向上し、高い処理性能で処理液が基板Wに対して作用する。より具体的には、酸素ラジカルが硫酸と反応してカロ酸を生成し、カロ酸が基板Wのレジストを除去する。
このプラズマ照射工程において、基板保持部3は基板Wを回転させる(ステップS25:回転工程)。図12は、プラズマPが照射されているときの基板Wの状態を示す概略図である。プラズマPが照射されることによって、基板Wの温度が上昇する。これにより、基板Wに上方に向かった凹みが生じることがある。図12で示すように、基板Wに凹みが生じると、一旦は面内で均一に形成された液膜F1が、重力により凹みの方へ移動する。その結果、液膜F1の厚さは基板Wのエッジよりも中央部で厚くなり、面内で不均一になる。
基板Wを回転させることは、液膜F1の厚さmの均一化に資する。図13は、液膜F1の厚さmと時間との関係を示すグラフである。図13においては、縦軸に液膜F1の厚さm(μm)、横軸に時間(sec)が示されている。また、図8と同様に、膜厚計測部5は、基板Wの中心と対向する位置と基板Wのエッジ(周縁)と対向する位置との間を交互に移動し続けている。図13においても、約45秒かけて基板Wの中心とエッジとの間を一往復する場合が例示されており、基板Wの中心と対向する位置と基板Wのエッジと対向する位置とを矢印で示している。
図13においては、図5における凹み量tが1.3μmの場合を示している。また、図13において、それぞれ液膜F1を面内で均一にした後に異なる回転速度を維持した条件で厚さmを130秒まで計測した結果が示されている。回転速度を0rpmで維持した条件(以下、「条件1」という。)で計測した結果が実線で、回転速度を6rpmで維持した条件(以下、「条件2」という。)で計測した結果が点線で、回転速度を9rpmに維持した条件(以下、「条件3」という。)で計測した結果が一点鎖線で、回転速度を10rpmに維持した条件(以下、「条件4」という。)で計測した結果が二点鎖線で、回転速度を11rpmに維持した条件(以下、「条件5」という。)で計測した結果が太実線で、回転速度を12rpmに維持した条件(以下、「条件6」という。)で計測した結果が太点線で示されている。
図13に示すとおり、条件1の場合には、100秒以降において、中央部の液膜F1の厚さmが450μmにもなっているのに対し、エッジ部(周縁部)の液膜F1の厚さmは100μm以下である。また、条件2の場合には、100秒以降において、中央部の液膜F1の厚さmが300μmになっているのに対し、エッジ部(周縁部)の液膜F1の厚さmは150μm程度である。また、条件3の場合には、100秒以降において、中央部の液膜F1の厚さmが230μmになっているのに対し、エッジ部(周縁部)の液膜F1の厚さmが150μm程度である。以上から、条件1ないし条件3の場合は、時間の経過とともに、液膜F1の厚さmが面内で不均一になることがわかる。一方で、条件4ないし条件5の場合には、いずれも100秒以降においても、液膜F1の厚さmが面内で略均一に維持されている。しかし、条件6の場合には、中央部の液膜F1の厚さが時間経過で約200μm程度から175μm程度と低下している。そして、回転数が大きくなったことによる遠心力増加の影響を受け、中心部の液膜が徐々にエッジ部(周辺部)へと寄っていることがわかる。以上から、液膜厚を面内均一に維持するために適切な回転数が存在することがわかる。
基板保持部3が液膜F1の厚さmを均一に維持するように基板Wを回転させる場合には、活性種が基板Wに対してより均一に作用する。このため、基板Wに対する処理の均一性を向上させることができる。なお、凹み量tと基板Wの回転速度との相関関係は、制御部90に予め格納されていても良い。凹み計測部36は、凹み量tを経時的に計測し、上述の相関関係に基づいて、凹み量tの増大に伴って増大する回転速度で基板Wを回転させても良い。また、上述の相関関係に基づいて、凹み量tが大きいほど高い回転速度で基板Wを回転させても良い。
そして、基板Wのレジストが除去されると、プラズマ昇降機構15はプラズマリアクタ1をプラズマ待機位置に上昇させ、電源16が電圧の出力を停止する(ステップS26)。また、ステップS26に前後して、基板保持部3が基板Wの回転を停止する(ステップS27)。
次に、処理ユニット130は基板Wの上面に対するリンス処理を行う(ステップS5:リンス工程)。具体的には、処理ユニット130は回転中の基板Wの上面にノズル4からリンス液を供給し、基板Wの上面の処理液をリンス液に置換する。
次に、処理ユニット130は基板Wに対する乾燥処理を行う(ステップS6:乾燥工程)。例えば基板保持部3がプラズマ処理工程よりも高い回転速度で基板Wを回転させることにより、基板Wを乾燥させる(いわゆるスピンドライ)。次に、主搬送ロボット120が処理済みの基板Wを処理ユニット130から搬出する。
<その他>
上述した実施形態においては、基板Wの直径が300mmの場合について説明しているが、基板Wの直径が300mmの場合に限定されない。他のサイズの基板Wが採用されてもよい。
また、上述した実施形態においては、プラズマ処理工程において凹み量tと回転速度との相関関係に基づいて基板Wが回転しているが、この構成に限定されない。近年の基板Wの可撓性が向上していることから、基板保持部3が基板Wの周縁を保持する場合には、基板Wの自重によっても中央部が凹むことがある。このような場合には、プラズマ処理工程の前であっても、凹み量tと回転速度との相関関係に基づいて基板保持部3が基板Wを回転させる。これにより、液膜F1の厚さmが面内で略均一に維持される。
また、上述した実施形態においては、ステップS3の液膜形成工程で、基板Wの回転と並行して、処理液が供給されているが、これに限定されない。処理液が供給された後に、基板Wが回転されても良い。
今回開示された実施の形態は例示であって、上述の内容のみに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 プラズマリアクタ
3 基板保持部
4 ノズル
4a 吐出口
5 膜厚計測部
7 ガード
15 プラズマ昇降機構
16 電源
31 スピンベース
32 チャックピン
33 回転機構
34 シャフト
35 モータ
36 凹み計測部
41 供給管
42 バルブ
44 処理液供給源
45 ノズル移動機構
51 膜厚計測部移動機構
71 筒部
72 傾斜部
73 上端部
75 ガード昇降機構
76 カップ
77 回収配管
80 チャンバ
82 排気部
83 筒部材
84 排気管
90 制御部
91 データ処理部
92 記憶媒体
93 バス
100 基板処理システム
101 ロードポート
110 インデクサロボット
120 主搬送ロボット
130 処理ユニット
711 上端
F1 液膜
T 目標値
W 基板
m 厚さ
t 凹み量
P プラズマ

Claims (12)

  1. 略水平に保持された上面を有する基板の前記上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理方法において、
    前記濃硫酸を前記上面へ供給する第1工程と、
    前記液膜の厚さの目標値が所定値以上の場合には、前記第1工程と並行、若しくは前記第1工程の完了後に、前記上面上の前記濃硫酸が前記上面から振り切られない程度の回転速度で前記基板を回転させる第2工程と、
    前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記第1工程と並行、若しくは前記第1工程の完了後に、前記濃硫酸が前記上面から振り切られる程度の回転速度で前記基板を回転させる第3工程と、
    を備える基板処理方法。
  2. 前記第1工程において、
    前記目標値が前記所定値以上の場合には、前記目標値と前記上面の面積との積に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給し、
    前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記積よりも大きな値に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給する、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記所定値は300μm~400μmの間にある、請求項1または請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記第2工程の後、または前記第3工程の後に、前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量が大きいほど高い回転速度で前記基板を回転させる第4工程
    をさらに備える、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  5. 前記第2工程の後、または前記第3工程の後に、前記第2工程または前記第3工程によって得られた前記液膜に対してプラズマを照射する第5工程
    をさらに備える、請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  6. 前記第5工程において、
    前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量を経時的に計測し、
    前記凹み量の増大に伴って増大する回転速度で前記基板を回転させる、請求項5に記載の基板処理方法。
  7. 略水平に保持された上面を有する基板の前記上面に90wt%以上の濃硫酸の液膜を形成する基板処理装置において、
    前記上面を略水平にして前記基板を保持する保持部と、
    前記濃硫酸を前記上面へ供給する供給部と、
    前記基板を回転させる回転部と、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記液膜の厚さの目標値が所定値以上の場合には、前記濃硫酸を前記上面へ供給するとき、または前記濃硫酸を前記上面へ供給した後に、前記濃硫酸が前記上面から振り切られない程度の回転速度で前記基板を回転させるように前記回転部を制御し、
    前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記濃硫酸を前記上面へ供給するとき、または前記濃硫酸を前記上面へ供給した後に、前記濃硫酸が前記上面から振り切られる程度の回転速度で前記基板を回転させるように前記回転部を制御する、基板処理装置。
  8. 前記制御部は、前記目標値が前記所定値以上の場合には、前記目標値と前記上面の面積との積に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給するように前記供給部を制御し、
    前記目標値が前記所定値未満の場合には、前記積よりも大きな値に相当する量の前記濃硫酸を前記上面へ供給するように前記供給部を制御する、請求項7に記載の基板処理装置。
  9. 前記所定値は300μm~400μmの間にある、請求項7または請求項8に記載の基板処理装置。
  10. 前記液膜に対してプラズマを照射するプラズマ照射部をさらに備える、請求項7ないし請求項9のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  11. 前記制御部は、前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量が大きいほど高い回転速度で前記基板を回転させるよう前記回転部を制御する、請求項10に記載の基板処理装置。
  12. 前記上面の周縁を基準とした前記上面の中心における前記上面の凹み量を計測する凹み計測部
    をさらに備える、請求項7ないし請求項11のいずれか一つに記載の基板処理装置。
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