JP2023043502A - 鋳造スイングアーム、鋳造スイングアーム成形用中子及び鋳造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中空構造のスイングアームを鋳造する際に、湯流れを良好にすることを目的とする。【解決手段】鋳造スイングアーム30は、成形過程において溶湯が供給され、長手方向に貫通する貫通孔32hを有する筒形状であるピボットシャフト32と、第1内部空間を有し、ピボットシャフトからピボットシャフトに対して交差する方向に延びる第1中空フレーム40Aと、第2内部空間を有し、第1中空フレームに対して間隔を空けた並行姿勢で、ピボットシャフトから延びる第2中空フレーム40Bと、第1内部空間及び第2内部空間に繋がる連結内部空間と、第1中空フレームの長手方向に対して交差する少なくとも1つの方向に沿って見て曲面である曲板部51a、52a、56とを有し、第1中空フレームの長手方向中間部と第2中空フレームの長手方向中間部とを連結する中空連結部50とを備える。【選択図】図2
Description
この開示は、中空構造を有する鋳造スイングアーム、鋳造スイングアーム成形用中子及び鋳造装置に関する。
特許文献1は、中空構造とされたスイングアームを開示している。
複数の棒状部分が連なり、かつ、中空構造のスイングアームを鋳造する際には、湯流れ性、中空空間の製造性、鋳造用型の熱の維持といった観点から各種工夫を行うことが望まれる。
そこで、本鋳造スイングアームに係る開示は、中空構造のスイングアームを鋳造する際に、湯流れを良好にすることを目的とする。
また、鋳造スイングアーム成形用中子に係る開示は、鋳造スイングアームの中空空間を製造するのに適した中子を提供することを目的とする。
また、鋳造装置に係る開示は、鋳造スイングアームのように中空空間を有する鋳造物を製造するための鋳造用型の熱を維持するのに適した鋳造装置を提供することを目的とする。
鋳造スイングアームは、成形過程で溶湯が形成され、長手方向に貫通する貫通孔を有する筒形状であるピボットシャフトと、第1内部空間を有し、前記ピボットシャフトから前記ピボットシャフトに対して交差する方向に延びる第1中空フレームと、第2内部空間を有し、前記第1中空フレームに対して間隔を空けた並行姿勢で、前記ピボットシャフトから延びる第2中空フレームと、前記第1内部空間及び前記第2内部空間に繋がる連結内部空間と、前記第1中空フレームの長手方向に対して交差する少なくとも1つの方向に沿って見て曲面である曲板部とを有し、前記第1中空フレームの長手方向中間部と前記第2中空フレームの長手方向中間部とを連結する中空連結部と、を備える。
鋳造スイングアーム成形用中子は、棒状のピボット中子と、前記ピボット中子から前記ピボット中子に対して交差する方向に延びる第1フレーム中子と、前記第1フレーム中子に対して間隔を空けた並行姿勢で、前記ピボット中子から延びる第2フレーム中子と、前記第1フレーム中子の長手方向中間部と前記第2フレーム中子の長手方向中間部とを連結する連結中子と、前記連結中子よりも前記第1フレーム中子と前記第2フレーム中子との先端側で、前記第1フレーム中子と前記第2フレーム中子とを連結する補助連結中子と、を備える。
鋳造装置は、型面を有する鋳造用型と、前記鋳造用型に対して前記型面とは反対側に位置し、前記鋳造用型を加熱する加熱装置と、を備える。
鋳造スイングアームによると、中空構造のスイングアームを鋳造する際に、湯流れを良好にできる。
鋳造スイングアーム成形用中子によると、鋳造スイングアームの中空空間を製造するのに適した中子を提供できる。
鋳造装置によると、鋳造スイングアームのように中空空間を有する鋳造物を製造するための鋳造用型の熱を維持するのに適した鋳造装置を提供できる。
{実施形態}
以下、実施形態に係る鋳造スイングアーム、鋳造スイングアーム成形用中子及び鋳造装置について説明する。
以下、実施形態に係る鋳造スイングアーム、鋳造スイングアーム成形用中子及び鋳造装置について説明する。
<自動二輪車について>
鋳造スイングアームを備える自動二輪車の一例について説明する。図1は自動二輪車10を示す概略図である。自動二輪車10は、フレーム12と、鋳造スイングアーム30と、前輪14と、後輪16と、ハンドル装置18と、動力機関としてのエンジン20とを備える。以下、鋳造スイングアーム30は、単にスイングアーム30という。以下の説明において、上下、前後及び左右について言及する場合、各方向は、次のように定義される。まず、自動二輪車10の前輪14及び後輪16が路面に接地する側が下であり、下とは反対側が上である。また、自動二輪車10が走行する際の走行方向が前であり、前とは反対側が後ろである。さらに、運転者が自動二輪車10に搭乗した状態で、当該運転者を基準とする左右が自動二輪車10の左右である。本実施形態では左右方向を車幅方向として説明することがある。
鋳造スイングアームを備える自動二輪車の一例について説明する。図1は自動二輪車10を示す概略図である。自動二輪車10は、フレーム12と、鋳造スイングアーム30と、前輪14と、後輪16と、ハンドル装置18と、動力機関としてのエンジン20とを備える。以下、鋳造スイングアーム30は、単にスイングアーム30という。以下の説明において、上下、前後及び左右について言及する場合、各方向は、次のように定義される。まず、自動二輪車10の前輪14及び後輪16が路面に接地する側が下であり、下とは反対側が上である。また、自動二輪車10が走行する際の走行方向が前であり、前とは反対側が後ろである。さらに、運転者が自動二輪車10に搭乗した状態で、当該運転者を基準とする左右が自動二輪車10の左右である。本実施形態では左右方向を車幅方向として説明することがある。
フレーム12は、ヘッドパイプ12aと、メインフレーム12bを備える。
ヘッドパイプ12aは、フレーム12のうちの前に位置する。メインフレーム12bは、ヘッドパイプ12aから左右に分れつつ後方に延在している。
ヘッドパイプ12aには、ステアリングシャフト13aが回転可能に挿通されている。ステアリングシャフト13aには、アッパーブラケット13bとアンダーブラケット13cとが支持されている。アッパーブラケット13bとアンダーブラケット13cとによって、フロントフォーク13dが下方に向けて延在するように支持されている。フロントフォーク13dの下端に前輪14が回転可能に支持されている。
ハンドル装置18がアッパーブラケット13b又はフロントフォーク13dによって支持されている。このハンドル装置18を操作することで、ステアリングシャフト13a、アッパーブラケット13b、アンダーブラケット13c及びフロントフォーク13dが回転し、これと共に、上記前輪14も回転する。
フレーム12の下部には、エンジン20が支持されている。フレーム12の上部には、燃料タンク21、乗員が着座可能なシート22が支持されている。
エンジン20は、走行用の動力機関の一例であり、自動二輪車10を走行させるための駆動力を発生させるものである。エンジン20は、例えば、内燃機関である。動力機関は、電気モータであってもよい。エンジン20には、自己が発生した回転駆動力を、回転速度を変えて伝達する変速機24が組込まれる。変速機24の車幅方向一方側には、出力シャフト24bが突出している。
エンジン20の後側にピボットブラケット25が設けられている。このピボットブラケット25に、スイングアーム30が後下方に向けて延在するように取付けられている。スイングアーム30がピボットブラケット25から斜め後方に延在する姿勢で、スイングアーム30の前端部がピボットブラケット25に揺動可能に支持されている。このスイングアーム30の後端部に後輪16が回転可能に支持されている。
上記出力シャフト24bの回転出力が、動力伝達機構26を介して後輪16に伝達される。ここでは、動力伝達機構26は、出力シャフト24bに設けられた歯車及び後輪16に設けられた歯車に巻掛けられたチェーンである。他の例として、動力伝達機構は、歯付ベルト等の環状ベルトが用いられてもよい。また、動力伝達機構として、ドライブシャフト及びベベルギヤ等を備えるシャフトドライブ機構が用いられてもよい。
ピボットブラケット25は、リアサスペンション27の一端を支持するリアサスペンション支持部25aを有する。
リアサスペンション27は、ショックアブソーバーとコイルスプリングとを含んでおり、後輪16の振動や衝撃を抑制する役割を果す部材である。リアサスペンション27の一端は、ピボットブラケット25のリアサスペンション支持部25aに支持されている。リアサスペンション27の他端は、スイングアーム30に直接又はリンクを介して連結されている。そして、後輪16の振動又は衝撃によってスイングアーム30が揺動すると、当該揺動に伴ってリアサスペンション27が伸縮して、当該スイングアーム30の揺動を抑制する。
<鋳造スイングアームについて>
スイングアーム30についてより具体的に説明する。図2はスイングアーム30を示す斜視図である。図3は図2のIII-III線における断面図であり、図4は図2のIV-IV線における部分断面図である。図5はスイングアーム30及び中子60を示す斜視図である。図5において、図2のIV-IV線に沿って分断されたスイングアーム30の下半部分の斜視図が示される。
スイングアーム30についてより具体的に説明する。図2はスイングアーム30を示す斜視図である。図3は図2のIII-III線における断面図であり、図4は図2のIV-IV線における部分断面図である。図5はスイングアーム30及び中子60を示す斜視図である。図5において、図2のIV-IV線に沿って分断されたスイングアーム30の下半部分の斜視図が示される。
スイングアーム30は、ピボットシャフト32と、第1中空フレーム40Aと、第2中空フレーム40Bと、中空連結部50とを備える。ピボットシャフト32は長尺筒形状に形成されている。第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bは、中空長尺形状に形成されている。第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bは、互いの間に間隔をあけた並行姿勢で、ピボットシャフト32から当該ピボットシャフト32に対して交差する方向に沿って延びている。中空連結部50は、中空長尺形状に形成されている。中空連結部50は、第1中空フレーム40Aの長手方向中間部と第2中空フレーム40Bの長手方向中間部とを連結している。
上記ピボットシャフト32がピボットブラケット25に揺動可能に支持されることで、本スイングアーム30がエンジン20から後方に向う姿勢で揺動可能に支持される。第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの後端部に後輪16が回転可能に支持される。スイングアーム30の揺動によって後輪16が上下に変位可能に支持される。リアサスペンション27の他端が中空連結部50に直接又はリンクを介して連結される。後輪16の上下変位に伴うスイングアーム30の揺動が、中空連結部50に連結されたリアサスペンション27によって吸収される。
スイングアーム30の各部についてより具体的に説明する。
ピボットシャフト32は、長手方向に貫通する貫通孔32hを有する筒形状に形成される。上記ピボットブラケット25によって一定位置に支持された支持シャフト又は支持ピンがピボットシャフト32に挿入されることによって、ピボットシャフト32が回転可能に支持される。
ピボットシャフト32は、成形過程において溶湯が供給される部分である。例えば、ピボットシャフト32は溶湯口跡38を有している。溶湯口跡38は、ピボットシャフト32の長手方向において部分的、かつ、ピボットシャフト32の周方向において部分的に形成される突出部分である。本実施形態では、ピボットシャフト32の周方向において、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bが延在する部分とは反対側の部分に、溶湯口跡38が形成される。また、ピボットシャフト32の長手方向において、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bが延在する部分よりも中央にずれた位置に、溶湯口跡38が形成される。本実施形態では、溶湯口跡38は、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのそれぞれに対応して2つ形成される。溶湯口跡38は、1つ又は3つ以上形成されてもよい。
溶湯口跡38は、スイングアーム30を成形するための溶湯を、鋳造用型に流し込むための溶湯口の痕跡として残った部分である。すなわち、スイングアーム30が金型成形される際には、高温によって溶かされた金属(例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金)が溶湯として、鋳造用型内に供給される。溶湯は、鋳造用型に形成された溶湯口を介して鋳造用型の金型空間内に供給される。鋳造用型でスイングアーム30として固化した金属は、溶湯口で固まった金属と一体化された状態で鋳造用型から取出される。溶湯口で固まった金属は、切断されたり、切削されたりして除去される。溶湯口跡38は、ピボットシャフト32の外周面のうち溶湯口跡38の周りの部分よりも突出していたり、ピボットシャフト32の外周面のうち溶湯口跡38の周りの表面とは異なる表面形状であったりして、溶湯口の痕跡として残る部分である。溶湯口跡38は、ピボットシャフト32において、他の位置、例えば、端面に形成されていてもよい。溶湯口跡38は、仕上加工によって見分け困難な程度に又は痕跡無く除去されることも考えられる。
ピボットシャフト32内に部分的に突出するシャフト内溶湯口跡38Bが形成されてもよい。例えば、溶湯口跡38をピボットシャフト32内に向けて延長した部分にシャフト内溶湯口跡38Bが形成されてもよい(図5参照)。シャフト内溶湯口跡38Bは、例えば、ピボットシャフト32から第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bに向けて溶湯が円滑に流れるようにする部分である。シャフト内溶湯口跡38Bは、成形型による成形直後は貫通孔32h内に突出する部分として残存するが、後に切削加工等によって除去された後に痕跡として残る部分であってもよい。シャフト内溶湯口跡38Bについては、中子60の説明においてさらに説明される。
第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bは、ピボットシャフト32から当該ピボットシャフト32に対して交差する方向に延びる長尺形状に形成されている。第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bは、間に間隔を空けた並行姿勢で延びている。ここで、2つの長尺部材が並行姿勢で延びるとは、当該2つの長尺部材が幾何学的に平行な状態にある場合だけでなく、当該2つの長尺部材がピボットシャフト32から離れる方向に並んで延びる場合を含む。第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの間隔は、間に変速機24、リアサスペンション27及び後輪16を配置可能な大きさに設定される。本実施形態では、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの間隔は、ピボットシャフト32から遠ざかるに連れて徐々に広がっている。
第1中空フレーム40Aは、ピボットシャフト32の長手方向及び第1中空フレーム40Aの長手方向の両方に直交な方向、例えば、上下方向に扁平な形状に形成されている。第2中空フレーム40Bは、ピボットシャフト32の長手方向及び第2中空フレーム40Bの長手方向の両方に直交な方向、例えば、上下方向に扁平な形状に形成されている。これにより、上下方向における第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの剛性が、幅方向における剛性よりも高い。第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bが上記形状であることは必須ではなく、例えば、上下方向及び幅方向における寸法が同じ円筒状又は角筒状であってもよい。
第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのうちピボットシャフト32側の端部は、ピボットシャフト32に向けて内向き傾斜するように延在する補強部41A、41Bを有する。
第1中空フレーム40A内に、当該第1中空フレーム40Aの長手方向に沿って延びる第1内部空間40Ahが形成される。第2中空フレーム40B内に、当該第2中空フレーム40Bの長手方向に沿って延びる第2内部空間40Bhが形成される。第1内部空間40Ah及び第2内部空間40Bhのうちピボットシャフト32側の端部は、ピボットシャフト32の外周部によって閉ざされている。
上記補強部41A、41B内にシャフト連結内部空間41Ah、41Bhが形成されている。シャフト連結内部空間41Ah、41Bhの一端部はピボットシャフト32の外周部を貫通してピボットシャフト32内の貫通孔32hと連通している。シャフト連結内部空間41Ah、41Bhの他端部は、ピボットシャフト32の長手方向中央側から第1内部空間40Ah又は第2内部空間40Bhに連なる。
このため、ピボットシャフト32のうち両端部寄りの部分では、径方向に貫通する孔が形成されない筒形状部分が形成される。ピボットシャフト32のうち第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの軸方向延長上よりも長手方向中央寄りの位置で、第1内部空間40Ahと第2内部空間40Bhとが、ピボットシャフト32内の貫通孔32hに連通する。シャフト連結内部空間41Ah、41Bhの一方は省略されてもよい。
第1中空フレーム40Aのうちピボットシャフト32とは反対側の端部は後輪支持端部44Aである。第2中空フレーム40Bのうちピボットシャフト32とは反対側の端部は後輪支持端部44Bである。後輪支持端部44A、44Bは、後輪16のアクスルシャフトを支持する部分である。本実施形態では、後輪支持端部44A、44Bは、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのうち内側部分と上下部分とが延長された延長部分を有している。内側の延長部分にアクスルシャフトが挿通される支持孔が形成されている。
第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの長手方向中間部に、開口45Ah、45Bhが形成される。開口45Ah、45Bhは、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのそれぞれの対向部分であって、中空連結部50と後輪支持端部44A、44Bとの間に形成される。第1内部空間40Ah及び第2内部空間40Bhは、開口45Ah、45Bhを介して外部空間に連なる。
第1中空フレーム40Aは、ブレーキ位置決め用凸部46Bを含む。ブレーキ位置決め用凸部46Bは、第1中空フレーム40Aのうち第2中空フレーム40Bを向く面であって、開口45Ahと後輪支持端部44Aとの間に形成される。ブレーキ位置決め用凸部46Bは、後輪16用のブレーキを位置決めする役割を果す突出部分である。
中空連結部50は、第1中空フレーム40Aの長手方向中間部と第2中空フレーム40Bの長手方向中間部とを連結する部分である。つまり、中空連結部50の一端部は第1中空フレーム40Aの長手方向中間部に繋がっており、中空連結部50の他端部は第2中空フレーム40Bの長手方向中間部に繋がっている。中空連結部50は、ピボットシャフト32の長手方向と同じく方向に沿っている。
中空連結部50は、内部に連結内部空間50hを有する。連結内部空間50hの一端は第1内部空間40Ahと連なっており、連結内部空間50hの他端は第2内部空間40Bhと連なっている。
中空連結部50は、第1中空フレーム40Aの長手方向に対して交差する少なくとも1つの方向に沿って見て曲面である曲板部51a、52a、56を有する。
本実施形態では、中空連結部50は、両端部が広がる角筒状に形成されている。中空連結部50は、前板部51と、後板部52と、上板部53と、下板部54とを有している。前板部51はピボットシャフト32を向く部分であり、後板部52は前板部51とは反対を向く部分である。スイングアーム30が自動二輪車10に組込まれた状態で、上板部53が上を向く部分であり、下板部54が下を向く部分である。前板部51と後板部52と上板部53と下板部54とは、両端が広がる角筒状をなしている。
より具体的には、前板部51の長手方向中間部は、第1中空フレーム40Aと第2中空フレーム40Bとを結ぶ方向に沿って延びる板状に形成される。前板部51の長手方向両端部は、ピボットシャフト32及び第1中空フレーム40Aの両方に対して直交する方向に沿って見て、連結内部空間50h内に向けて凸となる曲面をなしている。前板部51の長手方向両端の縁は、前板部51の長手方向中間部よりもピボットシャフト32に近い。
後板部52の長手方向中間部は、第1中空フレーム40Aと第2中空フレーム40Bとを結ぶ方向に沿って延びる板状に形成される。後板部52の長手方向両端部は、ピボットシャフト32及び第1中空フレーム40Aの両方に対して直交する方向に沿って見て、連結内部空間50h内に向けて凸となる曲面をなしている。後板部52の長手方向両端の縁は、後板部52の長手方向中間部よりもピボットシャフト32から遠い。
上板部53及び下板部54の長手方向中間部は、同幅な方形状部分に形成されている。上板部53及び下板部54の長手方向両端部は、前板部51の長手方向両端部及び後板部52の長手方向両端部の湾曲形状にあわせて、第1中空フレーム40A又は第2中空フレーム40Bに向けて幅が徐々に広がる形状に形成されている。
中空連結部50のうち前板部51の両端の湾曲部分は、第1中空フレーム40Aの長手方向に対して交差する方向に沿って見て曲面である曲板部51aの一例である。ここでは、曲板部51aは、ピボットシャフト32長手方向及び第1中空フレーム40Aの長手方向の両方に対して直交する方向に沿って見て曲面である。
曲板部51aは、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのうち互いの内向き部分であって中空連結部50よりもピボットシャフト32側の部分と、中空連結部50のうち前板部51の長手方向中間部とを、滑らかな曲線で繋ぐ部分である。曲板部51aの曲げ半径は、例えば、40mm以上である。
中空連結部50のうち後板部52の両端の湾曲部分は、第1中空フレーム40Aの長手方向に対して交差する方向に沿って見て曲面である曲板部52aの一例である。ここでは、曲板部52aは、ピボットシャフト32長手方向及び第1中空フレーム40Aの長手方向の両方に対して直交する方向に沿って見て曲面である。
曲板部52aは、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのうち互いの内向き部分であって中空連結部50よりもピボットシャフト32から遠い側の部分と、中空連結部50のうち後板部52の長手方向中間部とを、滑らかな曲線で繋ぐ部分である。曲板部52aの曲げ半径は、例えば、40mm以上である。
また、中空連結部50のうち前板部51、後板部52、上板部53及び下板部54のそれぞれを連結する部分は、外側に向けて凸となる曲面をなす曲板部56に形成されている。曲板部56は、前板部51、後板部52、上板部53及び下板部54のうち隣合う部分を滑らかな曲線で繋ぐ部分である。曲板部56の曲げ半径は、例えば、10mm以上である。
上板部53のうち第1中空フレーム40A寄りの部分にサスペンション支持部53Pが突設されている。サスペンション支持部53Pにリアサスペンション27が連結される。
第1中空フレーム40A、第2中空フレーム40B及び中空連結部50の各部の厚みは、例えば、次のような観点から設定される。まず、スイングアーム30をなるべく軽量化できるという観点である。この観点からは、各部の厚みはなるべく小さくすることが要請される。また、後輪16、リアサスペンション27等を支持する強度を保つことができようにといった観点である。この観点からは、後輪16の支持状態において応力が加わり易い部分の厚みは、なるべく大きくすることが要請される。例えば、中空連結部50のうちリアサスペンション27による応力が加わる上板部53は、前板部51よりも厚くすることが要請される。また、第1中空フレーム40Aのうち第2中空フレームを向く部分は、リアサスペンション27による応力が加わり易く、また、リアブレーキを位置決めするため、例えば、前板部51よりも厚くすることが要請される。また、第2中空フレーム40Bのうち第1中空フレーム40Aを向く部分は、中空連結部50を支持することから、例えば、前板部51よりも厚く設定されてもよい。また、成形型による成形時に、溶湯を、スイングアーム30を構成する各部に湯流しできるようにするという観点からも各部の厚みが設定される。この観点からは、各部は、湯流しし得る最低限の厚み以上とすることが要請される。
スイングアーム30の各部の厚さが異なる結果、スイングアーム30が厚板部と、当該厚板部よりも薄い薄板部とを含む場合、曲板部は、厚板部と薄板部とを繋ぐ部分に位置する部分を含むとよい。
例えば、中空連結部50のうち前板部51の厚みt1は、上板部53の厚みt3及び下板部54の厚みt4よりも小さい。この観点から、上板部53及び下板部54は、厚板部の一例であり、前板部51は、厚板部である上板部53及び下板部54よりも薄い薄板部の一例である。前板部51と上板部53又は下板部54との間に介在する曲板部56は、厚板部と薄板部とを繋ぐ部分に位置する部分の一例である。
また、例えば、中空連結部50のうち前板部51の長手方向中間部の厚みt1は、第1中空フレーム40Aのうち第2中空フレーム40Bに向く部分であって前板部51よりもピボットシャフト32側に存在する部分の厚みt5よりも小さい。この観点から、第1中空フレーム40Aのうち第2中空フレーム40Bに向く部分であって前板部51よりもピボットシャフト32側に存在する部分は厚板部の一例である。また、前板部51のうちの長手方向中間部は、第1中空フレーム40Aのうち第2中空フレーム40Bに向く部分であって前板部51よりもピボットシャフト32側に存在する厚板部よりも薄い薄板部の一例である。曲板部51aは、厚板部と薄板部とを繋ぐ部分に位置する部分の一例である。
同様に、第2中空フレーム40Bのうち第1中空フレーム40Aに向く部分が、前板部51よりも厚い厚板部の一例とされてもよい。この場合にも、曲板部51aは、厚板部と薄板部とを繋ぐ部分に位置し得る。
厚板部と薄板部とが角をなして連なっていると、成形型において厚板部を形成する空間を流れる溶湯が当該角に対応する部分で一旦堰き止められる可能性がある。厚板部と薄板部とが曲板部51a、56を介して連なっていると、成形型において厚板部を形成する空間を流れる溶湯が勢いを保って曲板部51a、56を形成する空間を通って、薄板部を形成する空間に流れ込み易い。
上記薄板部は、湯流しし得る最低限の厚み、例えば、3.00mm以上であってもよい。厚板部は、例えば、4.00mm以上、好ましくは、4.50mm以上であってもよい。
曲板部のうち厚板部と薄板部との間に存在する曲板部56、51aの厚みは、厚板部から薄板部に向けて徐々に小さくなるように形成されてもよい。厚板部の厚みと薄板部の厚みとが急に変っていると、成形型において厚板部を形成する空間と薄板部を形成する空間との間に段差が生じることが想定される。この場合、段部によって厚板部を形成する空間を流れる溶湯の勢いが弱められる可能性がある。厚板部と薄板部とが徐々に薄くなる曲板部51a、56を介して連なっていると、成形型において厚板部を形成する空間を流れる溶湯が、曲板部51a、56を形成する空間を通って勢いを強められて又は勢いを保って薄板部を形成する空間に流れ込み易い。
<スイングアーム用中子について>
上記スイングアーム30を形成するためのスイングアーム用中子60の一例について説明する。図5に示すように、中子60は、ピボット中子62と、第1フレーム中子64Aと、第2フレーム中子64Bと、連結中子66と、補助連結中子68とを備える。中子60は、例えば、中子用の金型内で、砂を樹脂で固めることによって形成される。
上記スイングアーム30を形成するためのスイングアーム用中子60の一例について説明する。図5に示すように、中子60は、ピボット中子62と、第1フレーム中子64Aと、第2フレーム中子64Bと、連結中子66と、補助連結中子68とを備える。中子60は、例えば、中子用の金型内で、砂を樹脂で固めることによって形成される。
ピボット中子62は、棒状に形成されている。ピボット中子62によって、ピボットシャフト32の貫通孔32hが形成され得る。本実施形態では、ピボット中子62のうち溶湯口の延長上部分に、当該ピボット中子62の長手方向に交差する溝62gが形成されている。溶湯口を通じて供給される溶湯は、溝62gを通って第1中空フレーム40A及び第2中空フレームに向って円滑に流れることができる。前記溝62gを埋める溶湯によってシャフト内溶湯口跡38Bが形成される。シャフト内溶湯口跡38Bは、切削加工によって除去されてもよい。溝62gを埋めていた部分が除去された場合であっても、切削加工等された痕跡として、シャフト内溶湯口跡38Bが残ることが想定される。
第1フレーム中子64A及び第2フレーム中子64Bは、ピボット中子62から当該ピボット中子62に対して交差する方向に延びている。第1フレーム中子64Aと第2フレーム中子64Bとは、ピボット中子62の長手方向において間隔をあけて、並行姿勢で延びている。第1フレーム中子64A及び第2フレーム中子64Bは、それぞれ第1中空フレーム40Aの第1内部空間40Ah及び第2中空フレーム40Bの第2内部空間40Bhを形成する部分である。第1フレーム中子64Aのうちピボット中子62側の端部と第2フレーム中子64Bのうちピボット中子62側の端部は、ピボット中子62に向けて当該ピボット中子62の長手方向中間部に向う傾斜部64Aa、64Baを含む。傾斜部64Aa、64Baは、上記シャフト連結内部空間41Ah、41Bhを形成する部分である。第1フレーム中子64A及び第2フレーム中子64Bの本体部分は直接ピボット中子62に連結されず、傾斜部64Aa、64Baを介してピボット中子62に連結されている。
第1フレーム中子64Aは、第1フレーム中子本体64A1と、第1キャップ中子64A2とを有する。第1フレーム中子本体64A1のうちピボット中子62とは反対側の端部は、開口64A1hを有する。第1キャップ中子64A2は、開口64A1hに嵌め込まれて当該開口64A1hを閉じる。
同様に、第2フレーム中子64Bは、開口64B1hを有する第2フレーム中子本体64B1と、第2キャップ中子64B2とを有する。第2キャップ中子64B2は、開口64B1hに嵌め込まれて当該開口64B1hを閉じる。
上記開口64A1h、64B1hは、スイングアーム用中子60を中空形状に形成するために用いられ得る。すなわち、スイングアーム用中子60は、例えば、次のようにして成形される。まず、中子用の成形型内に、樹脂被覆された砂を充填する。この後、成形型内の砂を熱して樹脂を一旦溶融し、溶融した樹脂によって砂同士を接着する。成形型の形状に応じて砂が接着された状態で固まることで、スイングアーム用中子60が成形される。砂同士の接着が成形型の金型面近くで行われ、内部の砂が未接着であれば、内部の砂を除去することで、中空なスイングアーム用中子60が成形される。上記開口64A1h、64B1hは、成形後のスイングアーム用中子60の内部の砂を除去するための排出口として利用される。中空なスイングアーム用中子60を成形することができれば、中子を製造するための砂の使用材料を少なくすることができる。また、スイングアーム用中子60を製造する際において加熱される中子の体積を減少させることができる。加熱される中子の体積が少なくなれば、砂同士を接着する樹脂の燃焼ガスが減り、燃焼ガスによる鋳造品質への影響を削減することができる。
連結中子66は、第1フレーム中子64Aの長手方向中間部と第2フレーム中子64Bの長手方向中間部とを連結する部分である。連結中子66は、中空連結部50の連結内部空間50hを形成する部分である。
補助連結中子68は、連結中子66よりも第1フレーム中子64Aと第2フレーム中子64Bとの先端側で、第1フレーム中子64Aと第2フレーム中子64Bとを連結する。補助連結中子68は、第1中空フレーム40Aの開口45Ah及び第2中空フレーム40Bの開口45Bhに対応する位置に形成される。このため、補助連結中子68は、開口45Ah、45Bhを形成する部分ではあるが、スイングアームの中空空間を形成するために利用される部分ではない。
第1フレーム中子64Aと第2中空フレーム40Bとが、ピボット中子62、連結中子66及び補助連結中子68によって連結された状態に保たれるため、第1フレーム中子64Aと第2中空フレーム40Bとが一定の位置関係に保たれ易くなる。また、連結中子66は、スイングアーム30の外側に出るため、当該連結中子66を成形型で支持することができる。
<スイングアームの製造例について>
スイングアーム30の製造例について説明する。図6及び図7は、製造中におけるスイングアーム30の表面を成形するための金型面の姿勢と、湯流れの状態とを示す説明図である。図6において2点鎖線で示される金型面S1は注湯前の状態を示し、実線で示される金型面S2は注湯途中状態を示しており、図7に示される金型面S3はさらに注湯が進んだ状態を示している。
スイングアーム30の製造例について説明する。図6及び図7は、製造中におけるスイングアーム30の表面を成形するための金型面の姿勢と、湯流れの状態とを示す説明図である。図6において2点鎖線で示される金型面S1は注湯前の状態を示し、実線で示される金型面S2は注湯途中状態を示しており、図7に示される金型面S3はさらに注湯が進んだ状態を示している。
図6の2点鎖線に示すように、成形型内にスイングアーム用中子60がセットされた初期状態で、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの長手方向に応じた方向が水平姿勢となるように保たれる。溶湯を貯留した容器90が溶湯口を介して金型面S1内の空間に繋がっている。
上記状態から成形型が回転され、溶湯口が上を向くように、金型面S2が傾いた状態となる。すると、溶湯Lは、ピボットシャフト32を成形する空間から第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bを成形する空間の下部を通って第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの先端部に向う。第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの先端部が下向きに傾斜しているため、溶湯は、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの先端部に充填される。金型面S2の回転に伴って、金型面S2内における溶湯Lの量が増えていき、金型面S2内における溶湯Lの液面LSが順次ピボットシャフト32側に上がっていく。
図7に示すように、金型面S2がさらに回転し、溶湯Lの液面LSが中空連結部50に対応する位置近くに達すると、溶湯Lの流れ込み量が増え、溶湯Lは第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bを成形する部分から後板部52及び下板部54に充填される。この際、後板部52の長手方向両端が曲板部52aであるため、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの先端側から後板部52に円滑に溶湯Lが流れ込む。
後板部52及び下板部54に流れ込んだ溶湯Lは、さらに、前板部51及び上板部53にも流れ込んでいく。前板部51、後板部52、上板部53及び下板部54は、曲板部56によって繋がれているため、後板部52及び下板部54に流れ込んだ溶湯Lは、前板部51及び上板部53にも円滑に流れ込んでいく。前板部51は薄板部であるが、溶湯Lは、下板部54等から徐々に薄くなる曲板部56を介して円滑に前板部51に流れ込むことができる。
金型面S3がさらに回転し、溶湯Lの液面LSが中空連結部50に対応する位置を越えてピボットシャフト32に近づくと、溶湯Lは中空連結部50を成形する部分を越えて第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのうちのピボットシャフト32に近い上側部分にも流れ込んでいく。この際、前板部51の長手方向両端が曲板部51aであるため、溶湯Lは、前板部51から第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bのうちのピボットシャフト32に近い上側部分に円滑に流れ込む。
金型面S3内の空間に溶湯Lが充填された後、溶湯が固化冷却されることで、スイングアーム30が金型成形される。金型成形されたスイングアーム30は、適宜切削加工されてもよい。
なお、製造後には、スイングアーム用中子60が振動等によって粉々にされて排出される。砂は、例えば、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bの長手方向中間部に形成された開口45Ah、45Bhを通って排出される。また、砂は、例えば、連結内部空間50h、第1内部空間40Ah、第2内部空間40Bhを通ってピボットシャフト32の貫通孔32hを通って外部に排出される。ピボットシャフト32の貫通孔32hを砂の排出口として利用することによって、スイングアーム30に排出口を設ける数を少なくでき、スイングアーム30の強度向上が可能となる。
以上のように構成されたスイングアーム30によると、例えば、スイングアーム30を成形型によって重力鋳造する際、ピボットシャフト32に供給された溶湯は、第1中空フレーム40A及び第2中空フレーム40Bを経由して中空連結部50に流れ込む。中空連結部50は、第1中空フレーム40Aの長手方向に対して交差する少なくとも1つの方向に沿って見て曲面である曲板部51a、52a、56を有する。このため、溶湯口から型内に流れ込んだ溶湯は、曲板部56を形成するための型内空間を円滑に流れることができる。よって、中空構造のスイングアーム30を鋳造する際に、湯流れを良好にすることができる。
また、溶湯口跡は、ピボットシャフト32内に部分的に突出するシャフト内溶湯口跡38Bを含むため、溶湯が型内に流れ込む流路を大きくすることができ、溶湯が型内に円滑に流れ込むことができる。シャフト内湯口後38bは、鋳造後、そのまま残しても良いし、機械加工によって除去してもよい。
また、曲板部51a、56は、厚板部と薄板部とを繋ぐ部分に位置する部分を含むため、厚板部から後板部52に向けて曲板部51a、56を介して溶湯を円滑に流すことができる。
薄板部は、3.00mm以上の厚みを有していれば、重力鋳造等においても、当該薄板部を形成する空間に湯流しすることが容易である。また、厚板部は、中空連結部50のうち第1中空フレーム40Aと中空連結部50とに対して直交する方向において外側を向く上板部53又は下板部54と、第1中空フレーム40Aのうち第2中空フレーム40Bを向く部分と、第2中空フレーム40Bのうち第1中空フレーム40Aを向く部分とのうちの少なくとも1つの部分であれば、スイングアーム30の強度を確保することができる。このように、薄板部と厚板部とが混在することで、スイングアーム30の強度を確保しつつ、軽量化を図り、かつ、湯流しを容易にすることができる。
また、第1中空フレーム40Aは、第1内部空間40Ahのうちピボットシャフト32側の端部よりも当該ピボットシャフト32の長手方向中央側の位置で貫通孔32hに連なるシャフト連結内部空間41Ahを有するため、ピボットシャフト32の両端近くを筒形状に保ちつつ、ピボットシャフト32の貫通孔と第1中空フレーム40Aとを共通する中子60によって形成し易い。同様に、第2中空フレーム40Bがシャフト連結内部空間41Bhを有する構成とすることで、ピボットシャフト32の貫通孔と第2中空フレーム40Bとを共通する中子60によって形成し易い。また、スイングアーム用中子60を成形する際に、砂の流動方向を第1フレーム中子64A及び第2フレーム中子64Bの先端部からピボットシャフト32に向う一方向に統一することが可能となり、砂を中子成形用の型内に充填し易い。
また、以上のように構成されたスイングアーム用中子60によると、当該スイングアーム用中子60を用いることによって、貫通孔32hを有するピボットシャフト32と、第1内部空間40Ahを有する第1中空フレーム40Aと、第2内部空間40Bhを有する第2中空フレーム40Bと、連結内部空間50hを有する中空連結部50とを有するスイングアーム30における各内部空間を形成することができる。また、補助連結中子68を、スイングアーム用中子60を型内において位置決めするために用いることができる。また、補助連結中子68によって、第1フレーム中子64Aと第2フレーム中子64Bとをしっかりと一定の位置関係で保持することができる。これにより、スイングアーム30における内部空間が精度よく形成される。
また、第1フレーム中子64Aは、開口64A1hを有する第1フレーム中子本体64A1と、開口64A1hを閉じる第1キャップ中子64A2とを備え、第2フレーム中子64Bは、開口64B1hを有する第2フレーム中子本体64B1と、開口64B1hを閉じる第2キャップ中子64B2とを備えるため、中空構造を有する第1フレーム中子64A及び第2フレーム中子64Bを容易に製造することができる。
本スイングアーム用中子60は、上記スイングアーム30を前提としないスイングアーム、例えば、曲板部を有さないスイングアームについても製造時に利用可能である。
<鋳造装置について>
上記スイングアーム30の鋳造時に利用可能な鋳造装置100の一例について説明する。図8は鋳造装置100を示す概略斜視図である。なお、鋳造装置100自体は、スイングアーム30ではない、一般的な鋳造物の鋳造に利用可能である。
上記スイングアーム30の鋳造時に利用可能な鋳造装置100の一例について説明する。図8は鋳造装置100を示す概略斜視図である。なお、鋳造装置100自体は、スイングアーム30ではない、一般的な鋳造物の鋳造に利用可能である。
鋳造装置100は、鋳造用型110と、加熱装置120とを備える。本実施形態では、鋳造用型110は、第1鋳造用型110Aと第2鋳造用型110Bとを備える。第1鋳造用型110Aの型面110Afと、第2鋳造用型110Bの型面とが対向した状態で、第1鋳造用型110Aと第2鋳造用型110Bとが合体することで、鋳造物を成形可能な空間が形成される。本実施形態では、鋳造物としてスイングアーム30が想定されている。
加熱装置120は、第1加熱装置120Aと、第2加熱装置120Bとを含む。第1加熱装置120Aは、第1鋳造用型110Aの型面110Afとは反対側に位置し、当該第1鋳造用型110Aを加熱する。第2加熱装置120Bと、第2鋳造用型110Bの型面とは反対側に位置し、第2鋳造用型110Bを加熱する。
第1加熱装置120Aと、第2加熱装置120Bとは、型面110Afとは反対側に配置されている。このため、鋳造開始後においても、鋳造用型110A、110Bの加熱を継続することができる。
例えば、鋳造用型110が型面110Af側からバーナーによって加熱される場合を考える。重力鋳造においては、鋳造用型110が250~500度を保つことが要請されている。しかしながら、型面110Af側からバーナーによって加熱する場合、鋳造開始後に加熱することができない。繰返して鋳造する場合を想定すると、溶湯による入熱によって鋳造用型110を一定の範囲の保つことが考えられる。
しかしながら、本実施形態で説明したスイングアーム30のような中空部材では、必要とされる強度及び湯流れ性等を考慮して厚みの最適化が検討され、結果、厚みの最適化検討前と比較して、金型で成型する表面積に対して供給される溶湯の量が少なくなっている。このため、鋳造用型110の体積及び熱容量に対する入熱が少なく、繰返して鋳造すると、鋳造用型110が冷めていくことが考えられる。鋳造用型110が冷めてしまうと、溶湯が鋳造用型110内で湯回り中に冷めてしまうため、湯回り性を維持できないことが考えられる。
本例では、第1加熱装置120A及び第2加熱装置120Bによって、型面110Afとは反対側から第1鋳造用型110A及び第2鋳造用型110Bを加熱することができる。このため、鋳造開始後においても、鋳造用型110を加熱することができ、連続的に鋳造する場合であっても、鋳造用型110の温度を鋳造に適した温度に維持し易い。これにより、各鋳造作業において温度不均一となることによる湯回り不良が抑制される。
加熱装置120は、鋳造用型110を加熱し得る構成であればよく、可燃ガス等の燃焼熱及びジュール熱等のいずれの熱を利用した加熱装置であってもよい。本実施形態では、可燃ガスを利用した加熱装置120の例が示される。
図9は加熱装置120Aの一例を示す平面図である。図10は図9のX-X線断面図である。
加熱装置120Aは、加熱装置本体122と、ノズル140と、栓142とを備える。加熱装置本体122は、第1鋳造用型110Aの大きさに応じて、1つ又は複数並べて配置される場合がある。なお、加熱装置120Bは、加熱装置120Aと同様構成であってもよい。
加熱装置本体122は、可燃ガス流路124と、複数の導出孔126とを有している。本実施形態では、複数の導出孔126は、少なくとも2次元方向に分散している。
一例として、加熱装置本体122は、金属製であり、方形板状である。加熱装置本体122に、複数の可燃ガス流路124が縦複数列、横複数列に並ぶように形成されている。各可燃ガス流路124は、加熱装置本体122の厚み方向中間部に位置している。縦方向の可燃ガス流路124と、横方向の可燃ガス流路124とは、平面視における交差箇所で互いに繋がっている。複数の可燃ガス流路124の端部は、外部に開口していてもよいし、開口していなくてもよい。複数の可燃ガス流路124の端部のうちの少なくとも1つに、可燃ガスの供給管130が連結される。複数の可燃ガス流路124の端部のうちの残りは、当初から閉じされているか、端部栓132によって閉じられる。複数の可燃ガス流路124が互いの交差箇所で連通しているため、供給管130を介して供給される可燃ガスは、全ての可燃ガス流路124に供給され得る。
加熱装置本体122の一方主面において、複数の可燃ガス流路124を通過する複数位置に、当該可燃ガス流路124から外部空間に繋がる導出孔126が形成される。本実施形態では、複数の可燃ガス流路124の複数の交差箇所のそれぞれに、導出孔126が形成される。複数の可燃ガス流路124の複数の交差箇所は、格子点状に分散して位置しているため、複数の導出孔126も、各格子点に対応する位置に縦横に分散して位置する。
ノズル140は、複数の導出孔126のうちの少なくとも1つに取付けられる。ノズル140は、可燃ガス流路124内を流れる可燃ガスを外部に導いて燃焼可能なように噴出する。例えば、ノズル140は、可燃ガス流路124及び外部に連通する燃焼ガス流路と、燃焼ガス流路の途中から外部空間に繋がる空気取入流路とを有するバーナーチップである。ノズル140は、可燃ガス流路124内を流れる可燃ガスの圧によって、可燃ガス流路124内の可燃ガスをノズル140の先端に流出させる。また、ノズル140は、可燃ガスによる負圧によって空気取入流路を介して空気を取入れ、当該空気を前記可燃ガスに混合してノズル140の先端側に流出させることができる。ノズル140の先端から空気と混合された可燃ガスが流出されることによって、ノズル140の先端で可燃ガスが良好に燃焼する。ノズル140は、例えば、導出孔126に対してねじ止等によって着脱可能に装着されるとよい。
栓142は、複数の導出孔126のうちノズル140が取付けられていない残部に取付けられて、導出孔126を閉じる。栓142は、例えば、導出孔126にねじ止等によって着脱可能に装着される。
このように、複数の導出孔126のうちの一部にノズル140が取付けられることによって、当該ノズル140が取付けられた位置では、鋳造用型110が加熱される。複数の導出孔126のうち栓142が取付けられた位置では、鋳造用型110の加熱が抑制される。
これにより、鋳造用型110において加熱が望まれる位置に応じて、複数の導出孔のうちの少なくとも1つにノズルを取付けて、加熱することができる。例えば、上記スイングアーム30を前提とすると、鋳造用型110のうちピボットシャフト32寄りの部分では、型面110Afの形成領域が広いため、比較的広い領域を加熱するこのが要請される可能性がある。この場合、例えば、ピボットシャフト32及び中空連結部50を含む領域では、全ての導出孔126にノズル140を取付けて加熱することが考えられる。これに対して、鋳造用型110のうちピボットシャフト32とは反対側の部分では、第1中空フレーム40Aの先端部と第2フレーム中子64Bの先端部を形成する型面110Afが存在し、当該型面110Afの間の領域については鋳造に適した高温を維持しなくてもよい。そこで、加熱装置本体122のうち第1中空フレーム40Aの先端部と第2フレーム中子64Bの先端部に対応する領域における導出孔126にはノズル140を装着し、各フレーム中子64A、64Bの間の導出孔126には栓142を装着することが考えられる。これにより、鋳造物に応じた箇所を適切に加熱することができ、可燃ガスの無駄な燃焼、過剰加熱等が抑制される。
この鋳造装置100がスイングアーム30を製造する装置であることを想定すると、型面110Afが中空空間を有する中空鋳造物であるスイングアーム30の外面の少なくとも一部を形成し、鋳造用型110は、中空空間を形成するスイングアーム用中子60を支持する支持部112を有している。支持部112は、例えば、補助連結中子68を支持する部分である。
このように、中空鋳造物を鋳造する場合、注入される溶湯の量が少ないため、鋳造用型110の体積等に応じた熱容量に対する入熱が少ない。このため、繰返し鋳造を行っても、型の温度が、湯回り性を良好にするのに不十分な温度となる可能性がある。上記のように、ノズル140で加熱することによって、鋳造用型110の温度を、鋳造するのに良好な温度に保つことができる。
鋳造物の形状が変り、鋳造用型110が交換されると、鋳造物の形状に応じて、複数の導出孔126に対するノズル140及び栓142の取付位置は適宜変更されるとよい。
{変形例}
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
なお、本明細書及び図面は下記各態様を開示する。
第1の態様は、成形過程で溶湯が形成され、長手方向に貫通する貫通孔を有する筒形状であるピボットシャフトと、第1内部空間を有し、前記ピボットシャフトから前記ピボットシャフトに対して交差する方向に延びる第1中空フレームと、第2内部空間を有し、前記第1中空フレームに対して間隔を空けた並行姿勢で、前記ピボットシャフトから延びる第2中空フレームと、前記第1内部空間及び前記第2内部空間に繋がる連結内部空間と、前記第1中空フレームの長手方向に対して交差する少なくとも1つの方向に沿って見て曲面である曲板部とを有し、前記第1中空フレームの長手方向中間部と前記第2中空フレームの長手方向中間部とを連結する中空連結部と、を備える鋳造スイングアームである。
この鋳造スイングアームによると、ピボットシャフトに供給された溶湯は、第1中空フレームと第2中空フレームとを経由して中空連結部に流れ込む。中空連結部は、第1中空シャフトの長手方向に対して交差する少なくとも1つの方向に沿って見て曲面である曲板部を有する。このため、溶湯口から型内に流れ込んだ溶湯は、曲板部を形成する型内空間を円滑に流れることができる。よって、中空構造のスイングアームを鋳造する際に、湯流れを良好にすることができる。
第2の態様は、第1の態様に係る鋳造スイングアームであって、前記ピボットシャフトに、成形過程で前記ピボットシャフト内に部分的に突出するシャフト内溶湯口が形成される。この場合、成形過程において、シャフト内溶湯口によって、溶湯が型内に流れ込む流路を大きくすることができ、溶湯が型内に円滑に流れ込むことができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る鋳造スイングアームであって、厚板部と、前記厚板部よりも薄い薄板部とを含み、前記曲板部は、前記厚板部と前記薄板部とを繋ぐ部分に位置する部分を含む。この場合、厚板部から薄板部に向けて曲板部を介して溶湯を円滑に流すことができる。
この場合において、前記薄板部は、3.00mm以上の厚みを有し、前記中空連結部のうち前記ピボットシャフトを向く部分であり、前記厚板部は、前記中空連結部のうち前記第1中空フレームと前記中空連結部とに対して直交する方向において外側を向く部分と、前記第1中空フレームのうち前記第2中空フレームを向く部分と、前記第2中空フレームのうち前記第1中空フレームを向く部分とのうちの少なくとも1つの部分であってもよい。この場合、薄板部は、3.00mm以上の厚みを有するため、重力鋳造等においても、湯流しすることが容易である。厚板部は、薄板部よりも厚いので強度確保するのに適する。薄板部と厚板部とが混在することで、強度を確保しつつ、軽量化を図り、かつ、湯流しを容易にすることができる。
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る鋳造スイングアームであって、前記第1中空フレームは、前記第1内部空間のうち前記ピボットシャフト側の端部よりも前記ピボットシャフトの長手方向中央側の位置で前記貫通孔内に連なるシャフト連結内部空間を有する。これにより、ピボットシャフトの両端近くを筒形状に保ちつつ、ピボットシャフトの貫通孔と第1中空フレームの内部空間とを共通する中子によって形成し易い。
第5の態様は、棒状のピボット中子と、前記ピボット中子から前記ピボット中子に対して交差する方向に延びる第1フレーム中子と、前記第1フレーム中子に対して間隔を空けた並行姿勢で、前記ピボット中子から延びる第2フレーム中子と、前記第1フレーム中子の長手方向中間部と前記第2フレーム中子の長手方向中間部とを連結する連結中子と、前記連結中子よりも前記第1フレーム中子と前記第2フレーム中子との先端側で、前記第1フレーム中子と前記第2フレーム中子とを連結する補助連結中子と、を備える鋳造スイングアーム成形用中子である。
この鋳造スイングアーム成形用中子を用いることによって、貫通孔を有するピボットシャフトと、第1内部空間を有し、前記ピボットシャフトから前記ピボットシャフトに対して交差する方向に延びる第1中空フレームと、第2内部空間を有し、前記第1フレームに対して間隔を空けた並行姿勢で、前記ピボットシャフトから延びる第2中空フレームと、前記第1内部空間及び前記第2内部空間に繋がる連結内部空間を有し、前記第1フレームの長手方向中間部と前記第2フレームの長手方向中間部とを連結する中空連結部と、を備える鋳造スイングアームにおける、各内部空間を形成することができる。補助連結中子は、鋳造スイングアーム成形用中子を型内において位置決めするために用いることができる。補助連結中子は、第1フレーム中子と第2フレーム中子とをしっかりと保持する役割を果すこともできる。これにより、鋳造スイングアームにおける内部空間が精度よく形成される。
第6の態様は、第5の態様に係る鋳造スイングアーム成形用中子であって、前記第1フレーム中子は、開口を含む中空空間を有する第1フレーム中子本体と、前記第1フレーム中子本体の前記開口を閉じる第1キャップ中子とを備え、前記第2フレーム中子は、開口を含む中空空間を有する第2フレーム中子本体と、前記第2フレーム中子本体の前記開口を閉じる第2キャップ中子とを備える。これにより、中空構造を有する第1フレーム中子及び第2フレーム中子を容易に製造することができる。
第7の態様に係る鋳造装置は、型面を有する鋳造用型と、前記鋳造用型に対して前記型面とは反対側に位置し、前記鋳造用型を加熱する加熱装置と、を備える鋳造装置である。
この鋳造装置によると、加熱装置によって、型面とは反対側から鋳造用型を加熱することができる。このため、鋳造開始後においても、鋳造用型を加熱することができる。このため、連続的に鋳造する場合においても、鋳造用型の温度を鋳造に適した温度に維持し易い。よって、温度不均一による湯回り不良も抑制できる。
第8の態様は、第7の態様に係る鋳造装置であって、前記加熱装置は、可燃ガス流路と、前記可燃ガス流路を外部に連通させる複数の導出孔とを有する加熱装置本体と、前記複数の導出孔のうちの少なくとも1つに取付けられ、前記可燃ガス流路内を流れる可燃ガスを外部に導いて燃焼可能なように噴出するノズルと、前記複数の導出孔のうちの残部に取付けられて、前記導出孔を閉じる栓と、を含む。これにより、鋳造用型において加熱が望まれる位置に応じて、複数の導出孔のうちの少なくとも1つにノズルを取付けて、加熱することができる。
第9の態様は、第8の態様に係る鋳造装置であって、前記複数の導出孔は、少なくとも2次元方向に分散しているものである。これにより、鋳造用型において加熱が望まれる位置に応じて、2次元的に様々な態様で加熱することができる。
第10の態様は、第7から第9のいずれか1つの態様に係る鋳造装置であって、前記型面は、中空空間を有する中空鋳造物の外面の少なくとも一部を形成し、前記鋳造用型は、前記中空空間を形成する中子を支持する支持部を有するものである。中空鋳造物を鋳造する場合、注入される溶湯の量が少ないため、型の体積等に応じた熱容量に対する入熱が少ない。このため、繰返し鋳造を行っても、型の温度が、湯回り性を良好にするのに不十分な温度となる可能性がある。第11の態様のように、加熱装置で加熱することによって、型の温度を、鋳造するのに良好な温度に保つことができる。
30 スイングアーム
32 ピボットシャフト
32h 貫通孔
38 溶湯口跡
38B シャフト内溶湯口跡
40A 第1中空フレーム
40Ah 第1内部空間
40B 第2中空フレーム
40Bh 第2内部空間
41Ah、41Bh シャフト連結内部空間
50 中空連結部
50h 連結内部空間
51 前板部
51a、52a、56 曲板部
53 上板部
54 下板部
60 スイングアーム用中子
62 ピボット中子
64A 第1フレーム中子
64A1 第1フレーム中子本体
64A1h 開口
64A2 第1キャップ中子
64B 第2フレーム中子
64B1 第2フレーム中子本体
64B1h 開口
64B2 第2キャップ中子
66 連結中子
68 補助連結中子
100 鋳造装置
110 鋳造用型
110A 第1鋳造用型
110Af 型面
110B 第2鋳造用型
112 支持部
120 加熱装置
120A 第1加熱装置
120B 第2加熱装置
122 加熱装置本体
124 可燃ガス流路
126 導出孔
130 供給管
140 ノズル
142 栓
32 ピボットシャフト
32h 貫通孔
38 溶湯口跡
38B シャフト内溶湯口跡
40A 第1中空フレーム
40Ah 第1内部空間
40B 第2中空フレーム
40Bh 第2内部空間
41Ah、41Bh シャフト連結内部空間
50 中空連結部
50h 連結内部空間
51 前板部
51a、52a、56 曲板部
53 上板部
54 下板部
60 スイングアーム用中子
62 ピボット中子
64A 第1フレーム中子
64A1 第1フレーム中子本体
64A1h 開口
64A2 第1キャップ中子
64B 第2フレーム中子
64B1 第2フレーム中子本体
64B1h 開口
64B2 第2キャップ中子
66 連結中子
68 補助連結中子
100 鋳造装置
110 鋳造用型
110A 第1鋳造用型
110Af 型面
110B 第2鋳造用型
112 支持部
120 加熱装置
120A 第1加熱装置
120B 第2加熱装置
122 加熱装置本体
124 可燃ガス流路
126 導出孔
130 供給管
140 ノズル
142 栓
Claims (10)
- 成形過程で溶湯が形成され、長手方向に貫通する貫通孔を有する筒形状であるピボットシャフトと、
第1内部空間を有し、前記ピボットシャフトから前記ピボットシャフトに対して交差する方向に延びる第1中空フレームと、
第2内部空間を有し、前記第1中空フレームに対して間隔を空けた並行姿勢で、前記ピボットシャフトから延びる第2中空フレームと、
前記第1内部空間及び前記第2内部空間に繋がる連結内部空間と、前記第1中空フレームの長手方向に対して交差する少なくとも1つの方向に沿って見て曲面である曲板部とを有し、前記第1中空フレームの長手方向中間部と前記第2中空フレームの長手方向中間部とを連結する中空連結部と、
を備える鋳造スイングアーム。 - 請求項1に記載の鋳造スイングアームであって、
前記ピボットシャフトに、成形過程で前記ピボットシャフト内に部分的に突出するシャフト内溶湯口が形成される、鋳造スイングアーム。 - 請求項1又は請求項2に記載の鋳造スイングアームであって、
厚板部と、前記厚板部よりも薄い薄板部とを含み、
前記曲板部は、前記厚板部と前記薄板部とを繋ぐ部分に位置する部分を含む、鋳造スイングアーム。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の鋳造スイングアームであって、
前記第1中空フレームは、前記第1内部空間のうち前記ピボットシャフト側の端部よりも前記ピボットシャフトの長手方向中央側の位置で前記貫通孔内に連なるシャフト連結内部空間を有する、鋳造スイングアーム。 - 棒状のピボット中子と、
前記ピボット中子から前記ピボット中子に対して交差する方向に延びる第1フレーム中子と、
前記第1フレーム中子に対して間隔を空けた並行姿勢で、前記ピボット中子から延びる第2フレーム中子と、
前記第1フレーム中子の長手方向中間部と前記第2フレーム中子の長手方向中間部とを連結する連結中子と、
前記連結中子よりも前記第1フレーム中子と前記第2フレーム中子との先端側で、前記第1フレーム中子と前記第2フレーム中子とを連結する補助連結中子と、
を備える鋳造スイングアーム成形用中子。 - 請求項5に記載の鋳造スイングアーム成形用中子であって、
前記第1フレーム中子は、開口を含む中空空間を有する第1フレーム中子本体と、前記第1フレーム中子本体の前記開口を閉じる第1キャップ中子とを備え、
前記第2フレーム中子は、開口を含む中空空間を有する第2フレーム中子本体と、前記第2フレーム中子本体の前記開口を閉じる第2キャップ中子とを備える、鋳造スイングアーム成形用中子。 - 型面を有する鋳造用型と、
前記鋳造用型に対して前記型面とは反対側に位置し、前記鋳造用型を加熱する加熱装置と、
を備える鋳造装置。 - 請求項7に記載の鋳造装置であって、
前記加熱装置は、
可燃ガス流路と、前記可燃ガス流路を外部に連通させる複数の導出孔とを有する加熱装置本体と、
前記複数の導出孔のうちの少なくとも1つに取付けられ、前記可燃ガス流路内を流れる可燃ガスを外部に導いて燃焼可能なように噴出するノズルと、
前記複数の導出孔のうちの残部に取付けられて、前記導出孔を閉じる栓と、
を含む、鋳造装置。 - 請求項8に記載の鋳造装置であって、
前記複数の導出孔は、少なくとも2次元方向に分散している、鋳造装置。 - 請求項7から請求項9のいずれか1つに記載の鋳造装置であって、
前記型面は、中空空間を有する中空鋳造物の外面の少なくとも一部を形成し、
前記鋳造用型は、前記中空空間を形成する中子を支持する支持部を有する、鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021151171A JP2023043502A (ja) | 2021-09-16 | 2021-09-16 | 鋳造スイングアーム、鋳造スイングアーム成形用中子及び鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021151171A JP2023043502A (ja) | 2021-09-16 | 2021-09-16 | 鋳造スイングアーム、鋳造スイングアーム成形用中子及び鋳造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023043502A true JP2023043502A (ja) | 2023-03-29 |
Family
ID=85725302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021151171A Pending JP2023043502A (ja) | 2021-09-16 | 2021-09-16 | 鋳造スイングアーム、鋳造スイングアーム成形用中子及び鋳造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023043502A (ja) |
-
2021
- 2021-09-16 JP JP2021151171A patent/JP2023043502A/ja active Pending
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