JP4248195B2 - 中空部を有する鋳造品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外金型および砂中子を有する鋳型により形成されるキャビティ内に、金属、例えばアルミニウムの溶湯を射出するダイカストにより、中空部を有する鋳造品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空部を有する鋳造品として、例えば特許第3,118,286号公報に開示された自動二輪車の車体フレームの構成要素であるステアリングヘッドがある。このステアリングヘッドには、前輪のステアリング機構のステアリング軸が挿通されるシャフト穴と、メインパイプが溶接される取付脚とが形成されて、ステアリング軸が軸受を介してステアリングヘッドに回動可能に支持される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鋳造品としてのステアリングヘッドの中空部が砂中子を使用して形成される場合、薄肉軽量化のために、ステアリングヘッドをダイカストにより製造することが考えられる。しかしながら、ダイカストでは、外金型および砂中子により形成されるキャビティ内に注入される溶湯の、ゲートでの流速は、通常30m/s〜40m/sであるため、注入された溶湯が砂中子に接触したとき、溶湯の持つ慣性力により、砂中子が破損する虞がある。一方、溶湯による砂中子の破損を回避するために、ゲートでの溶湯の流速を、2m/s〜3m/sの低速にすると、キャビティ内での湯廻りが不良となって、ステアリングヘッドの薄肉化が困難になる。
【0004】
また、ダイカストでは、高圧の溶湯が砂中子と接触するため、鋳造品には、中子砂が比較的強い付着力で付着している。そして、ステアリングヘッドに対して回動可能なステアリング軸が挿通されるシャフト穴を形成する壁面に中子砂が付着したまま残っていると、ステアリング軸が支持されたステアリングヘッドの使用中に、該壁面から離脱した砂が、ステアリング軸の支持部である軸受に噛み込まれて、ステアリング軸の円滑な回動が妨げられる虞がある。そのため、シャフト穴の壁面に付着している砂を完全に除去する必要があり、その除去工程により、ステアリングヘッドの生産工程が多くなり、製造コストが高くなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1,2記載の発明は、鋳造品の薄肉軽量化を可能としたうえで、溶湯による砂中子の破損の発生を防止または抑制すると共に、鋳造後の中子砂の除去を容易にして、鋳造品の生産性を向上し、製造コストを削減することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、砂中子の形状の複雑化を緩和すると共に、ステアリングヘッドの生産性を向上させ、製造コストを削減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、外金型と中子とを備える鋳型により形成されるキャビティ内に、ゲートを介して溶湯を注入するダイカストにより、中空部を有する鋳造品を製造する方法において、前記中子は砂中子と金属中子とから構成され、前記中空部は、前記砂中子により形成される第1中空部と、前記金属中子により形成される第2中空部とを有し、前記ゲートの出口での溶湯の流速は、5m/s〜15m/sの範囲に設定され、前記ゲートを通過した溶湯は、前記キャビティ内で前記金属中子と接触することにより、慣性力が小さくされた後に前記砂中子に接触するように、前記ゲートは、前記ゲートを通過した直後の溶湯が前記キャビティ内で前記金属中子に接触した後、前記砂中子に接触する位置に形成される鋳造品の製造方法である。
【0007】
これにより、ゲートの出口での溶湯の流速が、通常のダイカストにおける流速よりも小さく、溶湯の重量による圧力だけで鋳造する重力鋳造における流速よりも大きい値である5m/s〜15m/sの範囲に設定されるので、キャビティ内での溶湯の湯回りが良好で、しかも溶湯の慣性力による砂中子の破損の発生が防止または抑制される。ここで、ゲートの出口での溶湯の流速が5m/s未満では、キャビティ内での湯廻りが不良となることにより、溶湯がキャビティ内の途中で冷却されて固化して、中空部を有する鋳造品の薄肉軽量化が困難となり、溶湯の流速が15m/sを越えると、キャビティ内に注入された加圧された溶湯が砂中子に接触するときに、溶湯の持つ慣性力により砂中子が破損する頻度が高くなって、鋳造品の生産性が極端に低下する。
さらに、ゲートからキャビティ内に流入した溶湯は、キャビティ内で最初に金属中子と接触することで、金属中子に接触しつつ流動する間に流動抵抗を受けるので、その流速が低下して、その慣性力(勢い)が小さくなる。そして、慣性力が小さくなった溶湯が砂中子に接触する。
【0008】
この結果、請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、鋳造品をダイカストにより製造するにあたり、ゲートの出口での溶湯の流速は、5m/s〜15m/sの範囲に設定されることにより、鋳造品の薄肉軽量化が可能となる。そのうえ、ゲートの出口での溶湯の流速が5m/s〜15m/sの範囲に設定され、かつゲートは、ゲートを通過した直後の溶湯がキャビティ内で金属中子に接触した後、砂中子に接触する位置に形成されることにより、砂中子に加えられる溶湯の慣性力は、ゲートを通過した直後よりも小さくなって、キャビティ内での金属中子との接触により慣性力が小さくされた溶湯が砂中子に接触することにより、溶湯による砂中子の破損の発生が防止または抑制されて、鋳造品の生産性を向上させ、その製造コストを削減することができる。また、砂中子に加わる溶湯の慣性力が小さくなることで、破損を回避するための砂中子の強度を小さくすることができるので、鋳造後に、鋳造品からの中子砂の除去が容易になって、この点でも、鋳造品の生産性が向上し、製造コストが削減される。
【0010】
さらに、前記中空部は、前記砂中子により形成される第1中空部と、前記金属中子により形成される第2中空部とを有することにより、鋳造品において、第1中空部のみが砂中子により形成されるので、第1,第2中空部が砂中子により成形される場合に比べて砂中子の形状の複雑化が緩和される。
【0011】
この結果、鋳造品の鋳造に使用される砂中子の形状の複雑化が緩和されて、鋳造品の生産性が向上して、その製造コストが削減される。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の鋳造品の製造方法において、前記鋳造品は、自動二輪車において前輪を支持するステアリング機構のステアリング軸を回動可能に支持するステアリングヘッドであり、前記第2中空部は、前記ステアリング軸が回動可能に挿通される貫通孔であるものである。
【0013】
これにより、第1中空部と、ステアリング軸が挿通される第2中空部が形成されるステアリングヘッドにおいて、第1中空部のみが砂中子により形成されるので、第1,第2中空部が砂中子により成形される前記従来技術より砂中子の形状の複雑化が緩和される。また、第2中空部は金属中子により形成されるので、前記従来技術とは異なり、ステアリング軸が挿通される第2中空部の壁面に砂が付着することがないので、それらの除去工程が不要となる。
【0014】
この結果、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、ステアリングヘッドの中空部の一部のみが砂中子で形成されるので、ステアリングヘッドの鋳造に使用される砂中子の形状の複雑化が緩和されて、さらにステアリング軸が回動自在に挿通される第2中空部では砂等の除去工程が不要となるため、ステアリングヘッドの生産性が向上して、その製造コストが削減される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1〜図10を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の製造方法により製造された鋳造品であるステアリングヘッド3を備える自動二輪車Vの車体フレームFは、主としてステアリング機構St、内燃機関を含む動力装置Pおよび燃料タンクTを支持するメインフレーム1と、主としてシートSeを支持するシートレール2とを備える。
【0016】
図2,図3を併せて参照すると、メインフレーム1は、その前端部を構成するステアリングヘッド3と、ステアリングヘッド3の後端部に結合された左右1対の前部フレーム4と、両前部フレーム4の上部後端部にそれぞれ結合された左右1対の上部中間フレーム5と、両前部フレーム4の下部後端部にそれぞれ結合された左右1対の下部中間フレーム6と、左右の上部および下部中間フレーム5,6の後端部にそれぞれ結合された左右1対の後部フレーム7と、両前部フレーム4を連結する前クロスメンバ8と、両後部フレーム7を連結する上部後クロスメンバ9および下部後クロスメンバ10とを備える。ここで、前部および後部フレーム4,7、上部および下部中間フレーム5,6、そして3つのクロスメンバ8〜10は、いずれもアルミニウム製のパイプ状の中空部材から構成される。
【0017】
なお、この実施例において、「前後左右」は、特に断らない限り、自動二輪車Vを基準としたときの前後左右を意味する。また、「アルミニウム」は、純粋なアルミニウムおよびアルミニウム合金を意味する。
【0018】
アルミニウム製のステアリングヘッド3は、ステアリング軸11を回動可能に支持する円筒状の周壁31wを有する枢支部31からなる前部と、枢支部31から左右方向に拡開しつつ後方に延びる左右1対のパイプ状の取付部32および両取付部32の間にあってそれら取付部32を相互に連結する補強部材としての連結部33からなる後部とを備える。
【0019】
前部フレーム4の前端部は、取付部32の後述する側部中空部34aにその一部が差し込まれて嵌合した状態で側部中空部34aの開口34a1を規定する取付部32の周縁部32aに溶接される。同様に、前部フレーム4および中間フレーム5,6、中間フレーム5,6および後部フレーム7、そして後部フレーム7および両後クロスメンバ9,10も、それぞれの端部が嵌合した状態で溶接されて、相互に結合される。
【0020】
枢支部31に形成された第2中空部としての貫通孔35に挿通されたステアリング軸11は、枢支部31に設けられた支持部である1対の玉軸受12(図2参照)により回動可能に支持される。図1に示されるように、貫通孔35から上下方向に突出するステアリング軸11の上端部および下端部には、トップブリッジ13およびボトムブリッジ14が結合され、両ブリッジ13,14には、下端部で前輪17を回転可能に支持し、上端部にバーハンドル16が結合される1対のフロントフォーク15が結合される。そして、これらステアリング軸11、両ブリッジ13,14、両フロントフォーク15およびバーハンドル16により、前輪17を操向可能に支持するステアリング機構Stが構成される。
【0021】
図1を参照すると、各前部フレーム4は、各後部フレーム7の支持部7aと共同して動力装置Pを支持するハンガ部4aを有し、また各後部フレーム7の支持部7aには、後端部で後輪18を回転可能に支持する左右1対のスイングアーム19を回動可能に支持するピボット軸20が固定される。そして、両スイングアーム19は、両支持部7aおよび両スイングアーム19とを連結するリンク機構21と、該リンク機構21および両スイングアーム19を連結するダンパ22とを備えるリンク式サスペンション機構により、ピボット軸20を中心に上下方向に揺動可能である。また、前記内燃機関の動力は、変速機の出力軸23に伝達され、さらに出力軸23から無端のチェーン24を介して後輪18に伝達されて、後輪18を回転駆動する。
【0022】
図4〜図7を参照すると、後述するようにダイカストで製造されることにより、枢支部31、取付部32および連結部33が一体成形されるステアリングヘッド3は、互いに連通しない第1中空部34および貫通孔35を構成する第2中空部からなる中空部Hを有する鋳造品である。第1中空部34は、ステアリングヘッド3を薄肉構造として軽量化するために形成される一方、貫通孔35は、枢支部31にステアリング軸11を回動可能に支持すべく形成されて、ステアリング軸11の回動軸線と一致する中心軸線L1を持つ。
【0023】
枢支部31において、貫通孔35の上部開口35aおよび下部開口35bをそれぞれ形成する上端部31aおよび下端部31bの内周壁面31c(貫通孔35を形成する壁面でもある。)には、両玉軸受12が圧入される1対の装着部31dが、鋳造後に施される機械加工により形成される(図2も参照)。
【0024】
各取付部32は、前端で全周に渡って枢支部31に連結されると共に、後端で開口34a1を規定する周縁部32aを有する周壁32wにより構成される。各周壁32wは、左右方向での中心線である車体中心線L2(図5参照)から遠い外方壁32w1と、外方壁32w1よりも車体中心線L2に近く、かつ外方壁32w1よりも後方まで延びる内方壁32w2とを有する。そして、各取付部32には、該周壁32wに囲まれて側部中空部34aが形成される。
【0025】
連結部33は、両内方壁32w2を相互に連結する上部および下部連結壁33w1,33w2から構成される。上部連結壁33w1は、上端部31a寄りから後方斜め下方に延び、下部連結壁33w2は、下端部31b寄りから、上部連結壁33w1よりも緩い傾斜で、後方斜め下方に延びて、両連結壁33w1,33w2の後端部が相互に連結される。連結部33には、枢支部31の周壁31w、両内方壁32w2および両連結壁33w1,33w2に囲まれて、ほぼ三角錐形状を呈する中央中空部34bが形成される。さらに、連結部33の、左右方向での両取付部32の間隔が大きくなる後部には、車体中心線L2を挟む位置で、両連結壁33w1,33w2を連結する1対の板状の補強リブ33a(図4,図5参照)が両連結壁33w1,33w2と一体に形成される。
【0026】
それゆえ、第1中空部34は1対の側部中空部34aと中央中空部34bとから構成される。そして、各側部中空部34aと中央中空部34bとは連通口34cを介して連通する。この連通口34cは、中央中空部34bを成形する中央中子の砂を、鋳造後に排出するための砂抜き孔となる。
【0027】
図8〜図10を参照して、ステアリングヘッド3を鋳造するための鋳型について説明する。鋳型は外金型40および中子50を有する。外金型40は、分割面D1(図6におけるVII−VII線と一致する。)により左右に分割される第1,第2金型41,42と、分割面D2,D3により第1,第2金型41,42に対して後方に分割される第3金型43とから構成される。一方、中子50は、第1中空部34および連通口34cを形成する砂中子51と、貫通孔35を形成する金属中子52とから構成される。
【0028】
砂中子51は、両側部中空部34aをそれぞれ形成する1対の側部中子51aと、中央中空部34bを形成する中央中子51bとからなる。砂中子51は、各側部中子51aに設けられた幅木(図示されず)および中央中子51bに設けられた3つの幅木51c1〜51c3(図8参照)により外金型40に対して位置決めされて固定される。
【0029】
金属中子52は、貫通孔35の中心軸線L1の方向A(以下、「中心軸線方向A」という。)で、枢支部31の上端部31a(図4,図7参照)寄り(後述するキャビティ60の下端部寄り)の位置において中心軸線L1と直交する平面を分割面D4として2分割された第1中子ピン52aと第2中子ピン52bとからなる。各中子ピン52a,52bは、抜き勾配となる円錐面を有し、貫通孔35の中心軸線L1と一致する中心軸線を有する円錐台状のピンから構成されて、外金型40を貫通して延びている。それゆえ、第1中子ピン52aは、鋳造時において、貫通孔35の中心軸線方向Aの一方である下方から外金型40に対して抜き差し可能に保持され、第2中子ピン52bは、中心軸線方向Aの他方である上方から外金型40に対して抜き差し可能に保持されるので、第1,第2中子ピン52a,52bは、中心軸線方向Aで、反対方向に引き抜くことが可能である。
【0030】
外金型40、砂中子51および金属中子52により形成されるキャビティ60は、枢支部31の上端部31aおよび下端部31b(図4,図7参照)が、それぞれキャビティ60の下端部60aおよび上端部60bに成形されるように、ステアリングヘッド3の上下を逆にした形態となっている。
【0031】
そして、前記鋳型には、溶融したアルミニウムからなる高圧の溶湯をキャビティ60内に導くための湯供給系統61が形成される。溶湯を保温しながら貯溜する保温炉(図示されず)からの溶湯が、プランジャ(図示されず)により加圧されて流通する湯供給系統61は、湯道62と、該湯道62とキャビティ60との間に位置するゲート63とを備える。第1,第2金型41,42に形成される湯道62は、その上流端で前記プランジャが摺動自在に嵌合するスリーブの中空部により構成される貯留室に連通し、その下流端でゲート63に連通する。
【0032】
第1中子ピン52aおよび第1〜第3金型41〜43により第1中子ピン52aの周囲に全周に渡って形成されるゲート63は、その外周部で湯道62に連通し、下流端でキャビティ60の下端部60aに連通する円筒状の通路からなる。そして、ゲート63の出口63aにおける溶湯の流速が、通常のダイカストにおける流速よりも小さく、重力鋳造における流速よりも大きい値である5m/s〜15m/sとなるように設定される。
【0033】
ここで、流速をこのように設定する理由は、ゲート63の出口63aでの溶湯の流速が5m/s未満では、キャビティ60内での湯廻りが不良となることにより、溶湯がキャビティ60内の途中で冷却されて固化して、ステアリングヘッド3の薄肉軽量化が困難となり、溶湯の流速が15m/sを越えると、キャビティ60内に注入された加圧された溶湯が砂中子51に接触するときに、溶湯の持つ慣性力により砂中子51が破損する頻度が高くなって、ステアリングヘッド3の生産性が極端に低下するためである。
【0034】
また、砂中子51は、ゲート63に対して第1中子ピン52aよりも上方に離れており、しかもキャビティ60においてゲート63に隣接する上端部の容積よりも大きな容積を有する部分に位置すること、および、ゲート63からの溶湯は、ゲート63の内周部が第1中子ピン52aを利用して形成されるために、第1中子ピン52aに接触しつつキャビティ60内を上方に向かって流動することから、ゲート63からキャビティ60内に注入された溶湯は、最初に第1中子ピン52aに接触し、その後キャビティ60内を流動して砂中子51に接触し、さらに砂中子51および両中子ピン52a,52bに接触しつつキャビティ60内に充填されて行く。
【0035】
それゆえ、ゲート63から注入された直後の溶湯は、先ず外金型40と第1中子ピン52aに接触しつつ流動する間に、流動抵抗を受けてその流速が低下し、流速が低下した状態で砂中子51に接触するので、砂中子51に加わる溶湯の慣性力(勢い)は、ゲート63を通過した直後の溶湯の慣性力よりも小さくなる。
【0036】
なお、図10に示されるように、ステアリングヘッド3の各内方壁33w2(図5参照)を成形するためのキャビティ60の部分には、第1,第3金型41,43、そして第2,第3金型42,43により形成される複数のガス抜き通路64が連通する。
【0037】
そして、キャビティ60内への溶湯の注入が終了して、溶融したアルミニウムが冷えて固化した後、両中子ピン52a,52bおよび外金型40が外される。砂中子51の砂が除去され、さらに鋳造直後のステアリングヘッド3の第1中空部34を形成する壁面に付着している中子砂が、ショットブラストやエアブラストやハイドロブラスト等が施される除去工程で除去される。その後、図4に示されるように、装着部31dを形成したり、枢支部31に形成された各種ボス36a〜36eに孔を形成するための機械加工が施される。
【0038】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
前記プランジャにより加圧された溶湯は、湯道62を流れてゲート63を通ってキャビティ60内に注入され、キャビティ60は枢支部31の上端部31aに対応する下端部60aから溶湯により充填される。このとき、ゲート63の出口63aでの溶湯の流速が、通常のダイカストにおける流速よりも小さく、重力鋳造における流速よりも大きくなるように、5m/s〜15m/sの範囲に設定されているので、ステアリングヘッド3の薄肉軽量化ができる。そのうえ、溶湯による砂中子51の破損の発生が防止または抑制されて、ステアリングヘッド3の生産性を向上させ、その製造コストを削減することができる。また、砂中子51に加わる溶湯の慣性力が小さくなることで、破損を回避するために砂中子51の強度を小さくすることができるので、鋳造後に、ステアリングヘッド3からの中子砂の除去が容易になって、この点でも、ステアリングヘッド3の生産性が向上し、製造コストが削減される。
【0039】
さらに、ゲート63からキャビティ60内に流入した溶湯は、砂中子51と金属中子52のうち、最初に第1中子ピン52aと接触することで、第1中子ピン52aに接触しつつ流動する間に、流動抵抗を受けてその流速が低下し、流速が低下した状態で砂中子51に接触するので、砂中子51に加えられる溶湯の慣性力(勢い)は、ゲート63を通過した直後の溶湯の慣性力よりも小さくなるので、溶湯による砂中子51の破損の発生が防止または一層抑制され、さらに砂中子51の強度もさらに小さくすることができる。
【0040】
また、ゲート63の出口63aでの溶湯の流速が、通常のダイカストにおける流速よりも小さい値である5m/s〜15m/sの範囲に設定されていること、そしてゲート63は、その内周部が第1中子ピン52aにより規定される円筒状を呈し、しかも第1中子ピン52aの全周に渡って形成されて、溶湯が両中子ピン52a,52bに沿って整流されつつキャビティ60内を流れることにより、キャビティ60内で溶湯の流れの乱れが抑制されて、ガスを巻き込むことが抑制されるので、取付部32の溶接部でもある開口縁32aにブローホールが発生することが防止される。
【0041】
しかも、貫通孔35を形成する中子を利用してゲート63を形成しているにも拘わらず、該中子が金属中子52で構成されることから、ゲート63に隣接する第1中子ピン52aでの高圧の溶湯の接触による中子の破損、例えば砂中子であれば発生し得る剥がれなどの中子の破損は、皆無である。
【0042】
ステアリングヘッド3を薄肉軽量化するための第1中空部34と、ステアリング軸11が挿通される貫通孔35とが形成されるステアリングヘッド3において、第1中空部34のみが砂中子51により形成されるので、ステアリングヘッドの中空部全体が砂中子のみにより成形される前記従来技術よりも砂中子51の形状の複雑化が抑制される。また、貫通孔35は金属中子52により形成されることにより、ステアリング軸11が挿通される貫通孔35の壁面に砂が付着することがないので、それらの除去工程が不要となり、ステアリングヘッド3の生産性が向上して、その製造コストが削減される。
【0043】
また、ステアリングヘッド3の第1中空部34と貫通孔35とは相互に連通しないので、枢支部31の剛性を大きくすることができ、この点でもステアリングヘッド3の薄肉軽量化に寄与できる。
【0044】
貫通孔35を形成する金属中子52は、第2中空部の軸線方向で互いに反対の向きに型抜き可能な第1中子ピン52aおよび第2中子ピン52bからなるので、鋳造後の各中子ピン52a,52bの引き抜きが容易になるうえ、抜き勾配による貫通孔35の両開口35a,35bでの面積の差異を小さくすることができるので、枢支部31が大径化することが防止されて、ステアリングヘッド3が小型軽量化される。
【0045】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
砂中子51には、1層または多層の耐火物の細粒子を含む離刑剤からなるコーティング剤を施してもよい。また、砂中子51には、鋳造後の砂中子51の崩壊性を高めるために、樹脂バインダ、例えばアクリルアミド、フェノール樹脂を使用することもできる。さらに、砂中子51を外金型40に対して位置決めするために、幅木51c1〜51c3の代わりに、第3金型43からキャビティ60内に突出するピンが、砂中子51に形成された有底の孔に挿入されてもよい。
【0046】
鋳造品は、前記実施例ではステアリングヘッド3であったが、内燃機関におけるクローズドデッキ型のシリンダであってもよく、その場合には、砂中子により形成される第1中空部は冷却水ジャケットとして使用され、金属中子により形成される第2中空部は、ピストンが摺動自在に嵌合するシリンダボアとして使用される。さらに、鋳造品は、ステアリングヘッド3およびシリンダ以外の部品であってもよく、その場合には、第2中空部は、必ずしも貫通孔である必要はない。さらに、中空部Hは、相互に連通しない3以上の中空部から構成されてもよい。
【0047】
前記実施例では、ステアリングヘッド3には、相互に連通しない第1中空部34と貫通孔35とが形成されたが、貫通孔35が金属中子52により形成されることを条件として、第1中空部34と貫通孔35が部分的に連通していてもよい。
【0048】
ゲート63は、前記実施例では、第1中子ピン52aによりその内周部が形成されて、第1中子ピン52aの周囲に全周に渡って形成されたが、第1中子ピン52aの周囲の一部に形成されてもよい。さらに、ゲート63は、第1中子ピン52aから離れた位置であって、ゲート63からキャビティ60内に注入された溶湯が、最初に第1中子ピン52aに接触し、溶湯の持つ慣性力がやや弱まった後に、砂中子51に接触するような位置に形成されてもよい。また、金属中子52は単一の中子ピンから構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例により製造された鋳造品であるステアリングヘッドを備える自動二輪車の概略の左側面図である。
【図2】図1のステアリングヘッド近傍の要部拡大図である。
【図3】図2のIII矢視図である。
【図4】図1のステアリングヘッドの左側面図である。
【図5】図4のV矢視図である。
【図6】図4のVI矢視図であり、ステアリングヘッドの要部を示す。
【図7】図6のVII−VII線での断面図である。
【図8】図1のステアリングヘッドを鋳造するための鋳型の、図10のVIII−VIII線での断面および第1金型については分割面を示す図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】図8のX−X線断面図である。
【符号の説明】
1…メインフレーム、2…シートレール、3…ステアリングヘッド、4…前部フレーム、5,6…中間フレーム、7…後部フレーム、8,9,10…クロスメンバ、11…ステアリング軸、12…玉軸受、13…トップブリッジ、14…ボトムブリッジ、15…フロントフォーク、16…バーハンドル、17…前輪、18…後輪、19…スイングアーム、20…ピボット軸、21…リンク機構、22…ダンパ、23…主力軸、24…チェーン、
31…枢支部、32…取付部、33…連結部、34…第1中空部、35…貫通孔、36a〜36e…ボス、
40…外金型、41〜43…金型、
50…中子、51…砂中子、52…金属中子、52a,52b…中子ピン、
60…キャビティ、61…湯供給系統、62…湯道、63…ゲート、64…ガス抜き通路、
V…自動二輪車、F…車体フレーム、St…ステアリング機構、P…動力装置、T…燃料タンク、Se…シート、H…中空部、L1…中心軸線、L2…車体中心線、D1〜D4…分割面、A…中心軸線方向。
Claims (2)
- 外金型と中子とを備える鋳型により形成されるキャビティ内に、ゲートを介して溶湯を注入するダイカストにより、中空部を有する鋳造品を製造する方法において、
前記中子は砂中子と金属中子とから構成され、
前記中空部は、前記砂中子により形成される第1中空部と、前記金属中子により形成される第2中空部とを有し、
前記ゲートの出口での溶湯の流速は、5m/s〜15m/sの範囲に設定され、
前記ゲートを通過した溶湯は、前記キャビティ内で前記金属中子と接触することにより、慣性力が小さくされた後に前記砂中子に接触するように、前記ゲートは、前記ゲートを通過した直後の溶湯が前記キャビティ内で前記金属中子に接触した後、前記砂中子に接触する位置に形成されることを特徴とする鋳造品の製造方法。 - 前記鋳造品は、自動二輪車において前輪を支持するステアリング機構のステアリング軸を回動可能に支持するステアリングヘッドであり、前記第2中空部は、前記ステアリング軸が回動可能に挿通される貫通孔であることを特徴とする請求項1記載の鋳造品の製造方法。
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