JP2023042787A - 人工肉を用いた加工食品および人工肉を用いた加工食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】人工肉の成形性が向上し、加熱時の人工肉の収縮を抑制できて、加熱後の人工肉の適度な結着感やほぐれ感が得られる、新規な人工肉を用いた加工食品およびその製造方法を提供する。【解決手段】人工肉を用いた加工食品は、植物油、水、メチルセルロースを含有し動植物由来のたんぱく質を含有しないで構成された人工肉用組成物と、粒状植物性たんぱく質素材と、を混練してなる人工肉、を含む。人工肉を用いた加工食品の製造方法は、人工肉用組成物の原材料を混合する組成物調整工程と、混合後の人工肉用組成物と少なくとも粒状植物性たんぱく質素材とを混練して人工肉を作製する人工肉作製工程と、作製された人工肉を成形する人工肉成形工程と、を含む。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 掲載アドレス:https://www.imuraya.co.jp/news/2021/details227/ 掲載日:令和3年7月20日 刊行物名 :井村屋株式会社2021秋・冬 冷凍食品パンフレット 発行者:井村屋株式会社 発行日:令和3年7月2日 刊行物名 :中部経済新聞 令和3年7月21日付朝刊,第7面 発行者:中部経済新聞社 発行日:令和3年7月21日 刊行物名 :大人のおしゃれ手帖 2021年9月号,第34頁~第35頁 発行者:株式会社宝島社 発売日:令和3年8月5日(発行日 令和3年9月7日) 刊行物名 :中部経済新聞 令和3年8月23日付朝刊,第7面 発行者:中部経済新聞社 発行日:令和3年8月23日 刊行物名 :MonoMax 2021年10月号,第33頁 発行者:株式会社宝島社 発売日:令和3年9月9日(発行日 令和3年10月9日) 取引先名・販売日・販売場所:以下の[販売実績表]に示すとおり [販売実績表]■掲載アドレス:https://www.imuraya-webshop.jp/ 掲載日:令和3年7月28日
本発明は、植物性たんぱくを主成分とするベジミート等の人工肉を用いた加工食品およびその製造方法に関する。
従来から、食肉の代替品として、大豆たんぱく等の植物性たんぱくを主成分とするベジミート等の人工肉が知られており、近年の健康志向の向上に伴って、ハンバーガーやピザ等の比較的身近な加工食品においても、人工肉を用いる試みが広がっている。そのような人工肉を用いた加工食品においては、食肉を用いた場合により近い味や食感を与えられるよう、様々な工夫が為されている。
例えば、特許文献1には、分離大豆たんぱく質素材、水、油脂を添加して作製した乳化物を、粒状大豆たんぱくを主成分とする人工肉に添加して得られたハンバーグや小龍包などの冷凍畜肉様加工食品とその製造方法が提案されている。これにより、解凍後の畜肉様加工食品にはジューシー感が付与され、より食肉に近い食感を与えることができる。
特開2018-295656号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、確かに解凍後に食肉に近いジューシー感が得られるものの、乳化物が添加された人工肉の成形性が悪いという問題を内在していた。さらに、加熱調理時や解凍時等の加熱により、乳化物に含まれるたんぱく質が変性することから、所定形状に成形された人工肉の全体の収縮が発生し易く、強い結着性により人工肉が団子状になり易い。その結果、加工食品を構成する他の食材と人工肉との間に隙間が発生して、見栄えや食感に悪影響を及ぼすおそれがあった。
そこで、人工肉の成形性が向上し、加熱時の人工肉の収縮を抑制できて、加熱後の人工肉の適度な結着感やほぐれ感が得られる、新規な人工肉を用いた加工食品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の人工肉を用いた加工食品は、植物油、水、メチルセルロースを含有し動植物由来のたんぱく質を含有しないで構成された人工肉用組成物と、粒状植物性たんぱく質素材と、を混練してなる人工肉、を含む、人工肉を用いた加工食品である。
本発明の人工肉を用いた加工食品の製造方法は、本発明の加工食品における前記人工肉用組成物の原材料を混合する組成物調整工程と、混合後の前記人工肉用組成物と少なくとも粒状植物性たんぱく質素材とを混練して前記人工肉を作製する人工肉作製工程と、作製された前記人工肉を成形する人工肉成形工程と、を含む、人工肉を用いた加工食品の製造方法である。
本発明の人工肉を用いた加工食品およびその製造方法によれば、人工肉の成形性が向上し、加熱時の人工肉の収縮を抑制できて、加熱後の人工肉の適度な結着感やほぐれ感が得られる。
本発明の実施形態に係る人工肉を用いた加工食品としての包餡品(人工肉まん)の製造方法の工程図である。
本発明の実施形態について、以下に説明する。本実施形態は、本発明を実施するための一例であって、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<人工肉を用いた加工食品>
人工肉を用いた加工食品とは、所謂ベジミート等の人工肉を食材として含む加工食品であり、ハンバーグ,ミートボール,餃子,焼売,春巻き,肉まん,小龍包,ミートパイ,ラザニア,ロールキャベツ,メンチカツ,ピーマンの肉詰め等の加工食品において、挽肉の代替品として人工肉を使用した加工食品が例示できる。特に、冷凍状態で流通されるものが含まれ得る。
<人工肉用組成物>
人工肉用組成物は、植物油、水、メチルセルロースを含有し、動植物由来のたんぱく質を一切含有しないで構成された原材料を、混合して均質化したものである。人工肉用組成物は、動植物由来のたんぱく質を一切含有していないことから、特許文献1の場合に比して、人工肉の成形性の向上や、加熱時の人工肉の収縮を抑制できて、加熱後の人工肉に適度な結着感やほぐれ感を与えることができる。好ましくは、人工肉用組成物は、エマルジョン化した状態に調整される。これにより、人工肉の他の素材と混練する際に、より均質な状態に、人工肉用組成物を人工肉全体に分散させることができ、成形後の人工肉の形状保持性を向上させることができる。
植物油には、食用の植物油であれば任意のものが採用可能である。例えば、キャノーラ油、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、こめ油、落花生油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、やし油、サラダ油、カカオ脂、アマニ油、あまし油、ゴマサラダ油、シソ油、ベニバナ油、米ぬか油、エゴマ油等が採用可能であり、要求される食感や味に応じて任意に採用することができる。また、水としては、水道水、純水、軟水、硬水等が採用可能である。
メチルセルロースは、O/W型の乳化安定性があり、油に分散後、冷水を加えて攪半することで安定したエマルジョンを形成する。さらに、保水性や気泡安定性に優れている。これにより、人工肉用組成物を含む人工肉の成形性の向上を図ることができる。さらに、従来の人工肉用組成物に含まれていた動植物由来のたんぱく質のような、加熱変性による人工肉全体の収縮という問題の発生を抑制することができる。人工肉用組成物の全質量におけるメチルセルロースの配合割合は、3~10%、より好ましくは5~7%の範囲であることが望ましい。3質量%に満たないと人工肉の成形性が悪化する場合があり、10質量%を超えると人工肉の結着性が強くなりすぎるおそれがあるからである。
人工肉用組成物における植物油と水の混合比は、質量比において、水が植物油の3.5~4.5倍、より好ましくは、3.8倍から4.2倍の範囲に調整される。この範囲を外れた場合には、人工肉用組成物の良好な乳化が図られない場合があるからである。
人工肉用組成物は、植物油、水、メチルセルロースの他に、増粘多糖類やその他の食品素材などの他の成分を含んで混合されてもよい。増粘多糖類により成形性の更なる向上を図ることができ、エマルジョンにおける分散性や気泡安定化の更なる向上も図ることができるからである。その結果、挽肉に近い食感である適度な結着感とほぐれ感を人工肉により安定して付与することができる。増粘多糖類としては、アルギン酸ナトリウム、発酵セルロース、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、タラガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、アラビアガム,酢酸でんぷん等の加工でんぷん等を使用することができる。特に、成形性の向上と気泡安定性による人工肉の適度は結着感とほぐれ感を有利に得るためには、グァーガム、ローカストビーンガム、アラビアガムや加工でんぷんを使用することが望ましい。
<人工肉>
上述の人工肉用組成物を、粒状植物性たんぱく質素材と混練することで、人工肉が得られる。粒状植物性たんぱく質素材としては、大豆、エンドウ、緑豆、ヒヨコ豆、落花生、ルビナス、キマメ、ナタ豆、ツル豆、インゲン豆、小豆、ササゲ、レンズ豆、ソラ豆、イナゴ豆、オーツ麦、大麦、小麦、ライ麦、米、トウモロコシ、馬鈴薯、サツマイモ、チア、キヌア、アルファルファ、麻(ヘンプ)、アーモンド、カシューナッツ、クルミ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、ピスタチオ、パンプキンシード、ココナッツ、グレープシード、金時豆、黒豆等の植物性たんぱくを粒状にしたものが挙げられる。特に粒状大豆たんぱくが有利に用いられ得る。これらの粒状植物性たんぱく質素材は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
人工肉には、上記の人工肉用組成物と粒状植物性たんぱく質素材の他、目的とする加工食品に応じて、任意の食品素材や添加物が含まれ得る。例えば、たけのこや玉ねぎ等の食品素材や、野菜ブイヨン,調味料,食物繊維等の添加物などが挙げられる。ここで、人工肉の全質量における粒状植物性たんぱく質素材の配合割合は、目的とする加工食品に応じて、適宜調整され得る。例えば、加工食品が肉饅頭の場合には、粒状植物性たんぱく質素材として、粒状大豆たんぱくが用いられ、加水された粒状大豆たんぱくの人工肉の全質量に対する配合割合は、15~30質量%であることが望ましい。15質量%に満たないと、挽肉様の食感が得られ難く、30質量%を超えると人工肉の結着感が高くなり、適度なほぐれ感が得難くなるからである。
人工肉の全質量における人工肉組成物の配合割合は、8~12%であることが望ましい。8質量%に満たないと人工肉の成形性が劣り、12質量%を超えると人工肉の結着性が強くなりすぎるからである。特に、人工肉を含む加工食品が人工肉まんの場合には、人工肉の全質量における人工肉組成物の配合割合を、8~12質量%、の範囲に調整することで、皮材の内部に団子状に包まれた人工肉に要求される適度な結着感とほぐれ感を有利に付与することができる。
人工肉には、さらに、食物繊維が混合されていてもよい。人工肉の全質量における食物繊維の配合割合は、目的とする加工食品に応じて、適宜調整され得る。例えば、加工食品が人工肉まんの場合には、食物繊維の人工肉の全質量に対する配合割合は、1.0~4.0質量%であることが望ましい。1.0質量%に満たないと、人工肉の適度なほぐれ感が得られ難く、4.0質量%を超えると人工肉がパサパサとした食感になり保形性が悪化するからである。
<皮材>
人工肉を用いた加工食品は、さらに薄力粉や強力粉等の小麦粉を主成分とする皮材を有しており、人工肉が皮材に保持または包囲されているとして、有利に提供することができ、例えば、ピザ、餃子、肉まんなどが挙げられる。皮材は、さらに、重曹やベーキングパウダー等の膨張剤、砂糖、酵母、卵、バター、牛乳、水、ココアパウダーや抹茶粉末等の適宜選択された原材料を含んでもよい。小麦粉とともに適宜選択された原材料は、手作業でまたは公知の混練装置に投入されて、十分に混練されて混練物は生地として調製される。そして、生地は、加工食材に併せた形状に成形されて、発酵工程,蒸し工程や焼成工程等を経て、最終的な皮材に成形される。
<人工肉を含む加工食品の製造方法>
図1には、本発明の人工肉を含む加工食品の製造方法の一実施形態である、包餡食品(人工肉まん)の製造方法が示されている。図1に示す包餡食品の製造方法では、上述の皮材の材料を混練して生地を調整するS10の生地調整工程において、皮材の生地が準備される。皮材の生地に包まれる餡具材である人工肉は、以下の工程で準備される。先ず、S12の組成物調整工程において、人工肉用組成物の原材料である、植物油、水、メチルセルロース(その他、必要に応じて増粘多糖類やその他の食品素材などを含む)を混合する。S12の組成物調整工程は、例えば、室温にて植物油にメチルセルロース(ある場合には、その他の添加材)を投入して分散させた後、カッターミキサー等により冷水を加えて約1分間攪半することでエマルジョン化することができる。攪半速度は、1800rmpである。攪半後の人工肉用組成物のエマルジョンの温度は、20℃以下になるように調整される。これにより、後述するS16の人工肉作製工程において、他の材料との均一な混練状態が有利に実現される。
S12の組成物調整工程で得られた人工肉用組成物のエマルジョンは、S14の冷却工程で12時間以上、10℃以下で保管される。続く、S16の人工肉作製工程では、粒状植物性たんぱく質素材である粒状大豆たんぱくと水、たけのこや玉ねぎ等の食品素材や、野菜ブイヨン,調味料,食物繊維等の添加物などの人工肉の原材料と、S14の冷却工程で冷却された人工肉組成物を10℃以下に維持した人工肉用組成物のエマルジョンとを混練して、ペースト状に調整された目的とする人工肉を作製する。好ましくは、人口肉用組成物と食物繊維を除く、その他の人工肉の原材料を混練した後、食物繊維を混練し、最後に、人口肉用組成物を投入して混ぜ合わせてペースト状に調整することが、望ましい。これにより、人口肉の保形性の向上や加熱後の人口肉にパサパサとした食感が生じることを抑制できる。なお、食物繊維の配合割合は、目的とする人工肉の味、食感等に応じて任意に調整が可能である。
次に、S18の包餡工程において、S10の生地調整工程で準備された生地の内部に、S16の人工肉作製工程で準備された人工肉が餡部材として注入されて成形された、包餡品が成形される。すなわち、生地の内部への人工肉の注入により、人工肉が所定の形状に成形される人工肉成形工程が実行される。本実施形態では、S16の人工肉作製工程で準備された人工肉を構成する原材料が、S12の組成物調整工程で得られた動植物由来のたんぱく質一切含まない人工肉用組成物のエマルジョンを含んで混練されていることから、動植物由来のたんぱく質を含む人工肉組成物を含んで混練された場合に比して、S18の包餡工程における餡部材(人工肉)の成形性が向上されている。その結果、S18の包餡工程の作業性の効率を向上させることができる。しかも、S12の組成物調整工程で得られた人工肉組成物はエマルジョン化されていることから、S16の人工肉作製工程で準備された人工肉において、人工肉の原材料と人工肉用組成物とが均質に混練されており、人工肉の成形性や材料の優れた分散性が実現される。
続くS20の発酵工程において、S18の包餡工程で得られた包餡品の生地が発酵される。生地の発酵には、公知のオーブンや発酵装置等を用いることができる。これらの装置内において、生地が乾燥しない程度の湿度を保持しながら、所定の温度および時間で、生地の発酵が実行される。例えば、生地の発酵は、25℃に~50℃の温度範囲内において、5~80分間で実行されることが好ましい。S20の発酵工程の温度が25℃未満の場合や時間が5分に満たない場合には、生地の発酵が不十分となり生地が膨らまないおそれがあり、S20の発酵工程の温度が50℃を越える場合や、時間が80分を越える場合には、生地が過発酵となり皮材の食感や風味が損なわれるおそれがあるからである。
次に、S22の蒸し工程において、発酵後の生地に人工肉が包まれた包餡品が蒸し上げられる。S22の蒸し工程は、例えば蒸気で満たされた公知の蒸し器内に包餡品を載置したり、蒸気が噴出するトンネル状通路内を包餡品が通過すること等により実行される。蒸し工程の時間は、皮材や人工肉の種類,装置の性能等により適宜に設定されるものであるが、例えば、蒸し時間が3分~30分の範囲内であることが好ましい。S22の蒸し工程の時間が3分未満の場合には、生地の膨らみが不十分となるおそれがあり、S22の蒸し工程の時間が30分を越える場合には、得られる皮材の食感や風味が損なわれるおそれがあるからである。本実施形態では、皮材に包まれた人工肉内に、メチルセルロースを含んでエマルジョン化された人工肉用組成物が均質に分散されていることから、動植物由来のたんぱく質を含む人工肉組成物で混練された従来の人工肉に比して、蒸し工程における加熱による人工肉の収縮が低減されている。その結果、蒸し工程の段階で、皮材と人工肉の間に隙間が発生する不具合を防止または低減できる。しかも、人工肉内に分散されたメチルセルロースにより保水性が向上されていることから、蒸し工程における加熱により人工肉から水分が滲出することが抑制され、皮材に肉汁が滲み出してしまうことを有利に抑制できる。
続くS24の冷凍工程では、S22の蒸し工程で蒸し上げられた包餡品が冷凍される。S24の冷凍工程では、蒸し工程による余熱が冷めた後の包餡品が、急速冷凍装置等の冷凍装置内に搬入されて急速冷凍される。S24の冷凍工程により、蒸し工程を経た包餡品を長期間に亘って鮮度を保持したまま流通・保管することが可能となる。
続くS26の包装工程では、S24の冷凍工程で急速冷凍された包餡品が、種々の販路に応じた個数および形態により包装されて、X線等を用いた検品を行った後、販売に供される最終商品として完成することとなる。
上述の製造工程に従い製造された本実施形態の人工肉を用いた加工食品である包餡食品(人工肉まん)によれば、人工肉に含まれる人工肉用組成物が、動植物由来のたんぱく質を含むことなく、植物油、水、メチルセルロースを含んで構成されていることから、動植物由来のたんぱく質を含む人工肉組成物で混練された従来の人工肉に比して、蒸し工程や解凍時における加熱による人工肉の収縮が低減されている。その結果、蒸し工程の段階で、皮材と人工肉の間に隙間が発生する不具合を防止または低減できる。また、人工肉内に分散されたメチルセルロースにより、人工肉の成形性が向上されており、S18の包餡工程の作業性を向上することができる。しかも、人工肉内に分散されたメチルセルロースにより保水性が向上されていることから、蒸し工程における加熱により人工肉から水分が滲出することが抑制され、皮材に肉汁が滲み出してしまうことを有利に抑制できる。
特に、人工肉用組成物において、植物油、水、メチルセルロースの他、増粘多糖類が含まれている場合には、S16の人工肉作製工程で得られる人工肉の成形性をさらに向上させることができる。加えて、S16の人工肉作製工程で得られる人工肉の全質量における人工肉組成物の配合割合を、8~12質量%、より好ましくは10質量%程度に設定することで、人工肉まんにおける人工肉に要求される適度な結着感とほぐれ感を有利に付与することができる。さらに、S16の人工肉作製工程で得られる人工肉には、食物繊維が含まれていることから、人工肉の更なる成形性や保形性の向上や、適度なほぐれ感を有利に実現でき、加熱による人工肉の収縮をさらに抑制して、人工肉まんの皮材と人工肉の間に隙間が生じる不具合を防止または抑制できる。
以下に、本発明の実施例および比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
表1に示す配合割合に従い、人工肉用組成物の原材料を準備した。人工肉の原材料として、粒状大豆たんぱくと水の混合物100重量部に対して、たけのこ70重量部,玉ねぎ130重量部,ブラックペッパー,砂糖,調味料(アミノ酸等),野菜ブイヨン,食物繊維,植物油脂等を各適量準備した。皮材の原材料は、小麦粉100重量部に対して、砂糖10重量部、ラード10重量部、水40重量部の配合割合で準備した。その後、図1の製造方法に示すS10の生地調整工程により生地を準備した。さらに、S12の組成物調整工程に従って人工肉用組成物の原材料を混合して、人工肉用組成物のエマルジョンを得た。S14の冷却工程にて人工肉用組成物のエマルジョンを冷却した後、S16の人工肉作製工程に従って人工肉の原材料と人工肉用組成物のエマルジョンを混練して、目的とする人工肉を得た。なお、S16の人工肉作製工程で得られた人工肉の全質量における人工肉組成物の配合割合は、10%であり、人工肉の全体量における食物繊維の配合割合は、2.5%である。
Figure 2023042787000002
続いて、S18の包餡工程に従い、生地内に人工肉を注入し、直径10cm、重量200gの包餡品を作製した。その後、S20の発酵工程に従い、発酵温度45℃および発酵時間40分にて、包餡品の発酵を行った。次に、S22の蒸し工程に従い、蒸し器内に包餡品を載置して、温度99℃で15分間、包餡品の蒸し上げを行い、実施例1の包餡品(人工肉まん)を得た。
<実施例2>
実施例1の人工肉の原材料において、食物繊維を含まないものを準備した。その他については、実施例1と同様であり、同様の製造工程を経て、実施例2の包餡品(人工肉まん)を得た。
<実施例3>
実施例1の人工肉の原材料において、食物繊維を含まないものを準備し、さらに、人工肉の全体量に対する人工肉用組成物の配合割合を20%とした人工肉を準備した。その他については、実施例1と同様であり、同様の製造工程を経て、実施例3の包餡品(人工肉まん)を得た。
<比較例A>
実施例1の人工肉の原材料において、食物繊維を含まないものを準備し、さらに、人工肉の全体量に対する人工肉用組成物の配合割合を0%とした人工肉を準備した。その他については、実施例1と同様であり、同様の製造工程を経て、比較例Aの包餡品(人工肉まん)を得た。
これらの実施例1~3の人工肉まんおよび比較例Aの人工肉まんについて、包餡工程における人工肉の成形性および加熱後の人工肉の収縮状態について、評価した。評価方法については、人工肉の成形性については、包餡工程において、生地の内部に注入された人工肉が団子状にまとまり、生地が半円状に維持された場合を○、人工肉が団子状に纏まらず生地が扁平にひろがってしまった場合を×として評価した。人工肉の収縮状態の評価については、加熱後の肉まんの断面において、皮材と人工肉との間に2cm以上の隙間が発生した場合が×、断面において、皮材と人工肉の間に1cm以上2cm未満の隙間が発生した場合が○、皮材と人工肉の間に1cm以上2cm未満の隙間が発生した場合が◎として評価した。評価結果を、表2に示す。
Figure 2023042787000003
表2に示すように、実施例1~3のいずれにおいても、大豆油、水、メチルセルロースを用いた人工肉用組成物が人工肉に混練されていることから、成形性や加熱による人工肉の収縮状態については、問題はなかった。特に、実施例2では、人工肉の全体量に対する人工肉用組成物の配合割合が10%であるから、20%とされた実施例3に比べて人工肉の収縮が抑えられて皮材と人工肉の間の隙間が小さくされている。さらに、実施例1では、人工肉に食物繊維が含まれていることから、実施例2に比べてもさらに皮材と人工肉の間の隙間が小さくされており、人工肉まんとしてより優れた食感を与えることができる。一方、比較例Aにおいては、人工肉が団子状に纏まらず生地が扁平にひろがってしまい成形性に劣り、人工肉まんに求められるふっくらとした外形が実現できなかった。
<比較例1~11>
実施例2の人工肉の原材料に対して、実施例2の人工肉用組成物に代えて、澱粉を用いた比較例1,粉末状大豆蛋白を用いた比較例2,増粘安定剤「ガードラン」を用いた比較例3,ウルトラマンナンを用いた比較例4,小麦グルテンを用いた比較例5,えんどう蛋白を用いた比較例6,α化小麦粉を用いた比較例7,増粘安定剤(カードラン、カラギナン)を用いた比較例8,増粘多糖類を用いた比較例9,リン酸塩を用いた比較例10,焼成カルシウムを用いた比較例11をそれぞれ添加し、その他については、実施例2と同様に作製して、比較例1~11の包餡品(人工肉まん)を得た。実施例2の本発明に係る人工肉まんと、比較例1~11の人工肉まんについて、人工肉の結着性を評価した。評価方法については、人工肉が団子状にまとまっているものの、口の中では小さな塊に容易にほぐれる適度な結着感やほぐれ感がある場合を「良好」と評価し、結着性が弱い又は無く人工肉がばらばらな状態になってしまう場合を「不十分」と評価し、結着性が強すぎて人工肉が固くなってしまう場合を「固すぎる」と評価した。評価結果を、表3に示す。なお、表3において( )内には、人工肉の全質量に対する各材料の配合割合(%)が示されている。
Figure 2023042787000004
表3に示すように、実施例2においては、人工肉が団子状にまとまっているものの、口の中では小さな塊に容易にほぐれる適度な結着感やほぐれ感があり、良好な結着性が確認できた。比較例1~11の人工肉まんの人工肉では、いずれも結着性が無いか弱く人工肉がばらばらな状態であったり、結着性が強すぎて人工肉が固すぎる結果となり、いずれも人工肉まんに求められる良好な結着性が確認できなかった。

Claims (11)

  1. 植物油、水、メチルセルロースを含有し動植物由来のたんぱく質を含有しないで構成された人工肉用組成物と、粒状植物性たんぱく質素材と、を混練してなる人工肉、を含むことを特徴とする、人工肉を用いた加工食品。
  2. 前記人工肉組成物が、エマルジョンである、請求項1に記載の人工肉を用いた加工食品。
  3. 前記人工肉組成物が、増粘多糖類をさらに含む、請求項2に記載の人工肉を用いた加工食品。
  4. 前記人工肉における前記人工肉組成物の配合割合が、8~12%である、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の人工肉を用いた加工食品。
  5. 前記人工肉が、さらに食物繊維を含む、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の人工肉を用いた加工食品。
  6. 前記人工肉における前記食物繊維の配合割合が、1~4%である、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の人工肉を用いた加工食品。
  7. 小麦粉を主成分とする皮材を有し、前記人工肉が前記皮材に保持または包囲されている、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の人工肉を用いた加工食品。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の人工肉を用いた加工食品の製造方法であって、
    前記人工肉用組成物の原材料を混合する組成物調整工程と、
    混合後の前記人工肉用組成物と少なくとも前記粒状植物性たんぱく質素材とを混練して、前記人工肉を作製する人工肉作製工程と、
    作製された前記人工肉を成形する人工肉成形工程と、
    を含む、人工肉を用いた加工食品の製造方法。
  9. 前記組成物調整工程が、前記人工肉用組成物をエマルジョンとして得る工程を含む、請求項8に記載の人工肉を用いた加工食品の製造方法。
  10. 前記組成物調整工程が、工程完了時の前記人工肉用組成物の温度を、20℃以下に調整する工程を含む、請求項8または請求項9に記載の人工肉を用いた加工食品の製造方法。
  11. 前記人工肉作製工程が、前記人工肉用組成物と食物繊維を除く、その他の前記人工肉の原材料を混練した後、食物繊維を混練し、最後に前記人工肉用組成物を混練してペースト状の前記人工肉を得るものである、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の人工肉を用いた加工食品の製造方法。
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JP7362960B1 (ja) 2023-05-01 2023-10-17 株式会社ヤヨイサンフーズ 繊維のほぐれを感じさせる肉様食品およびその製造方法

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