JP2023041515A - 離脱防止クリップ及びピラーガーニッシュ取付構造 - Google Patents

離脱防止クリップ及びピラーガーニッシュ取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ボデーに形成されたボデー孔から取り外し可能、且つ、ボデーに対して被取付物が相対移動したときに一対の脚部がボデー孔から離脱するおそれを小さくできる離脱防止クリップ及びピラーガーニッシュ取付構造を得る。【解決手段】各脚部40、50のコントロールレバー25との第1対向面に設けられた第1突起45、46、55、56と、コントロールレバーの脚部との一対の第2対向面29、30にそれぞれ設けられ、コントロールレバーが初期位置に位置するときは、所定方向TDに対向する第1突起とそれぞれ接触して、一対の脚部を一対の係止部42、52がボデー孔82Xを通り抜けられない抜止可能位置に位置させ、コントロールレバーが挿入可能位置に位置するときは、第1突起と所定方向に接触せずに、一対の脚部を、一対の係止部がボデー孔を通り抜け可能な通り抜け可能位置に位置させる第2突起31、32、33、34と、を備える。【選択図】図16

Description

本発明は、離脱防止クリップ及びピラーガーニッシュ取付構造に関する。
下記特許文献1には、車両のピラー(ボデー)と、ピラーに装着されるピラーガーニッシュ(被取付物)と、を接続するテザークリップ(離脱防止クリップ)が開示されている。
離脱防止クリップは、ピラーに形成された孔に挿入される一対の脚部と、一対の脚部の間に位置するコントロールレバーと、を有する。一対の脚部が孔に挿入された状態でコントロールレバーが初期位置に位置するとき、各脚部に設けられた係止部が、ピラーを挟んで被取付物と反対側に位置し且つピラーに接触する。
カーテンエアバッグの展開に起因してフロントピラーガーニッシュがテザークリップに沿って移動すると、ピラーガーニッシュから離脱防止クリップに及んだ力によって、一対の脚部がピラーの孔からピラーガーニッシュ側へ移動しようとする。しかしこのときピラーに接触する一対の係止部によって、一対の脚部がピラーの孔から離脱することが規制される。
特許第6623742号公報
上記特許文献1の離脱防止クリップは、カーテンエアバッグが展開したときに一対の脚部がピラーの孔から離脱することを防止する機能に関して改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、ボデーに形成されたボデー孔から取り外し可能、且つ、ボデーに対して被取付物が相対移動したときに一対の脚部がボデー孔から離脱するおそれを小さくできる離脱防止クリップ及びピラーガーニッシュ取付構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の離脱防止クリップは、ボデーに対して相対移動可能な被取付物に対して相対移動可能に接続される接続部と、前記ボデーに形成されたボデー孔に前記被取付物側から挿入可能であり、互いに所定方向に並び且つ互いに離れる方向に付勢された一対の脚部と、一対の前記脚部が前記ボデー孔に挿入されたときに、前記ボデーを挟んで前記被取付物と反対側に位置する、一対の前記脚部にそれぞれ設けられた係止部と、一対の前記脚部の間に位置し、且つ、初期位置と挿入可能位置との間を前記所定方向に対して直交する面に沿って移動可能なコントロールレバーと、一対の前記脚部の前記コントロールレバーとの対向面である第1対向面に設けられた第1突起と、前記コントロールレバーの一対の前記脚部との対向面である一対の第2対向面にそれぞれ設けられ、前記コントロールレバーが前記初期位置に位置するときは、前記所定方向に対向する前記第1突起とそれぞれ接触して、一対の前記脚部を、一対の前記係止部が前記ボデー孔を通り抜けられない抜止可能位置に位置させ、前記コントロールレバーが前記挿入可能位置に位置するときは、前記第1突起と前記所定方向に接触せずに、一対の前記脚部を、一対の前記係止部が前記ボデー孔を通り抜け可能な通り抜け可能位置に位置させる第2突起と、を備える。
請求項1に記載の離脱防止クリップは、ボデーに形成されたボデー孔に一対の脚部が挿入された状態でコントロールレバーが挿入可能位置に位置するときは、コントロールレバーの一対の第2対向面にそれぞれ設けられた第2突起が、第1突起と所定方向に接触しない。このとき一対の脚部は、一対の係止部がボデー孔を通り抜け可能な通り抜け可能位置に位置する。従って、このとき離脱防止クリップをボデー孔から取り外しが可能である。
また請求項1に記載の離脱防止クリップは、ボデー孔に一対の脚部が挿入された状態でコントロールレバーが初期位置に位置するとき、コントロールレバーの一対の第2対向面にそれぞれ設けられた第2突起が、一対の脚部の第1突起とそれぞれ所定方向に対向しながら接触する。このとき一対の脚部は、一対の係止部がボデー孔を通り抜けられない抜止可能位置に位置する。従って、ボデーに対して被取付物が相対移動したときに一対の脚部がボデー孔から離脱することが一対の係止部によって規制される。
さらに請求項1に記載の離脱防止クリップでは、コントロールレバーが初期位置に位置するとき、コントロールレバーの一対の第2対向面にそれぞれ設けられた第2突起に対して、各脚部の第1突起が所定方向に対向しながら接触する。そのため、各脚部の第1突起がコントロールレバーの一対の第2対向面に接触する場合と比べて、請求項1の離脱防止クリップの一対の係止部同士の所定方向の距離が長くなる。即ち、ボデーに対して被取付物が相対移動したときに一対の脚部がボデー孔から離脱するおそれが、各脚部の第1突起がコントロールレバーの一対の第2対向面に接触する場合と比べて小さい。
請求項2に記載の発明に係る離脱防止クリップは、請求項1記載の発明において、前記ボデーが車両のピラーであり、前記被取付物が、折畳み状態のカーテンエアバッグを収納するピラーガーニッシュであり、前記離脱防止クリップが、前記ピラーと前記ピラーガーニッシュとを接続するテザークリップである。
請求項2に記載の発明では、カーテンエアバッグが展開したときに、一対の脚部をボデー孔から離脱させる方向の力が、ピラーガーニッシュからテザークリップに掛かる。しかし一対の脚部がボデー孔から離脱するおそれが小さいので、ピラーガーニッシュがピラーから離脱するおそれは小さい。
請求項3に記載の発明に係る離脱防止クリップは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記コントロールレバーの一部に、工具によって押されたときに、前記初期位置に位置する前記コントロールレバーを前記挿入可能位置側へ移動させる被操作面が形成され、少なくとも一方の前記脚部に、前記脚部を前記所定方向に貫通し且つ前記工具が挿入可能であり、前記初期位置に位置する前記コントロールレバーを前記所定方向に見たときに前記被操作面を露出させる、前記脚部の前記ボデー孔への挿入方向に沿って延びる長孔が形成されている。
請求項3に記載の発明では、初期位置に位置するコントロールレバーを所定方向に見たときに、少なくとも一方の脚部に形成された長孔がコントロールレバーの被操作面を露出させる。そのため長孔に挿入した工具によって被操作面を押すことにより、初期位置にあるコントロールレバーを挿入可能位置側へ移動させることが可能である。従って、工具を用いることにより、離脱防止クリップをボデー孔から容易に取り外せる。
請求項4に記載の発明に係る離脱防止クリップは、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、S字形状をなし且つ前記脚部より厚みが小さい弾性変形可能な連結部の両端部が、一対の前記脚部の先端部にそれぞれ接続する。
請求項4に記載の発明では、一対の脚部の先端部同士が、S字形状をなし且つ脚部より厚みが小さい弾性変形可能な連結部の両端部によって接続される。そのため脚部の先端部が拡がることが連結部によって規制される。そのため脚部をボデー孔に挿入するとき及び脚部をボデー孔から離脱させるときに、脚部の先端部及び連結部がボデー孔の周縁部に引っ掛かり難い。そのため、脚部のボデー孔への挿入作業及び脚部のボデー孔からの離脱作業を行い易い。
請求項5に記載の発明に係る離脱防止クリップは、請求項1~4の何れか1項に記載の発明において、一対の前記脚部の前記第1対向面に、一対の前記第1突起が設けられ、前記コントロールレバーの一対の前記第2対向面に、一対の前記第2突起が設けられ、前記ボデー孔への前記脚部の挿入方向、及び、前記離脱防止クリップを前記所定方向に見たときに前記挿入方向に対して直交する直交方向に対して傾斜する方向を特定方向と定義するとき、一対の前記第1対向面に設けられた一対の前記第1突起が前記特定方向に並び、一対の第2対向面に設けられた一対の前記第2突起が前記特定方向に並ぶ。
請求項5に記載の発明では、一対の第1対向面に設けられた一対の第1突起及び一対の第2対向面に設けられた一対の第2突起が挿入方向又は直交方向に並ぶ場合と比べて、対応する第1突起と第2突起とが接触したときの各脚部の変形量が小さくなる。そのため、一対の脚部をボデー孔から離脱させる方向の力が離脱防止クリップに掛かったときに一対の脚部がボデー孔から離脱するおそれが小さくなる。
請求項6に記載の発明に係るピラーガーニッシュ取付構造は、車両の一部を構成する前記ボデーであるピラーと、折畳み状態のカーテンエアバッグを収納するガーニッシュ本体、及び、前記ガーニッシュ本体から離れたテザー収納部、を有する、前記被取付物であるピラーガーニッシュと、が請求項1~5の何れか1項に記載の離脱防止クリップによって接続されている。
以上説明したように、本発明に係る離脱防止クリップ及びピラーガーニッシュ取付構造は、ボデーに形成されたボデー孔から取り外し可能、且つ、ボデーに対して被取付物が相対移動したときに一対の脚部がボデー孔から離脱するおそれを小さくできる、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る車両のフロントピラー、ピラーガーニッシュ、及びテザークリップのピラーガーニッシュの長手方向に沿って切断した断面図である。 図1の2-2矢線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係るテザークリップの斜視図である。 テザークリップの自由状態にある留付部の斜視図である。 図4と180°ずれた方向から見たときの一対の脚部を省略して示す留付部の斜視図である。 一方の脚部側から見た座部、基板部、及びレバー部の一部を示す模式図である。 コントロールレバー側から見た一方の脚部の対向面を示す模式図である。 コントロールレバー側から見た他方の脚部の対向面を示す模式図である。 自由状態にあるテザークリップと断面視されたピラーインナーパネルを示す図である。 自由状態にあるテザークリップと断面視されたピラーインナーパネルの図9とは90°ずれた方向から見たときの図である。 一対の脚部がクリップ取付孔に挿入されたときの図9と同様の図である。 一対の脚部がクリップ取付孔に挿入されたときの図10と同様の図である。 一対の脚部がクリップ取付孔に挿入されたときのテザークリップの連結部側から見た図である。 一対の脚部がクリップ取付孔に挿入されたときのテザークリップの連結部側から見た斜視図である。 一対の脚部がクリップ取付孔に挿入されたときの一対の脚部を切断して示すテザークリップの連結部側から見た斜視図である。 留付部が仮組付位置に位置するときの図9と同様の図である。 留付部が仮組付位置に位置するときの図10と同様の図である。 留付部が仮組付位置に位置するときの図13と同様の図である。 留付部が仮組付位置に位置するときの図14と同様の図である。 留付部が仮組付位置に位置するときの脚部を切断して示すテザークリップの連結部側から見た斜視図である。 一方の脚部側から見た比較例のレバー部の一部を示す模式図である。 比較例のレバー部及び一対の脚部の模式的な断面図である。 一対の脚部をボデー孔から離脱させる方向の力がテザークリップに掛かったときのピラーインナーパネルとテザークリップとを示す図である。 脚部の長孔に工具を挿入したときの様子を示す図である。 工具がコントロールレバーの被操作面を押したときの様子を示す図である。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態に係るテザークリップ(離脱防止クリップ)10及びピラーガーニッシュ取付構造について説明する。なお、左右のテザークリップ10、左右のピラーガーニッシュ(被取付物)70及び車体の左右のフロントピラー(ボデー)80は互いに左右対称である。そのため、以下の説明では左側のテザークリップ10、ピラーガーニッシュ70及びフロントピラー80について説明する。
各図中に示された矢印80Lはフロントピラー80の長手方向を示し、矢印Wdはピラーインナーパネル82の板厚方向を示す。さらにFLは、フロントピラー80の長手方向80Lの一方側を示す。換言すると、FLは、フロントピラー80の前端部(下端部)側を示す。さらにINは、ピラーインナーパネル82の板厚方向Wdの一方側を示す。板厚方向Wdは車両幅方向と略平行である。そのため、INが示す方向は、ピラーインナーパネル82から車内空間(車室)側に向かう方向と略平行である。
図1に示されるように、テザークリップ10を備える車両の前部には左右一対のフロントピラー80が設けられている。各フロントピラー80は車体のルーフ(図示省略)の前端部から車両前下方側に向かって延びる金属製の車体骨格部材である。
フロントピラー80は、その内板を構成するピラーインナーパネル82と、外板を構成するピラーアウタパネル(図示省略)と、を備える。ピラーインナーパネル82には、クリップ取付孔(ボデー孔)82Xが貫通孔として形成されている。
樹脂製の一体成形品であるピラーガーニッシュ70は、ピラーインナーパネル82の車室内側に設けられる。ピラーガーニッシュ70の長手方向は、フロントピラー80の長手方向80Lと平行である。ピラーガーニッシュ70は、ピラーガーニッシュ本体72(以下、単に「ガーニッシュ本体72」と略す。)と、テザー収納部74と、を備える。図2に示されるように、ガーニッシュ本体72の横断面形状は略C字状である。
図1に示されるように、ガーニッシュ本体72の上端部の裏面(内面)には、中空体であるテザー収納部74が接続されている。テザー収納部74の上端部側(FLとは反対側)の端部には開口部74Aが形成されている。テザー収納部74の底壁74Bには挿通孔74Xが貫通孔として形成されている。
続いて、テザークリップ10について説明する。図1に示されたテザークリップ10は、ピラーガーニッシュ70をピラーインナーパネル82に取り付けるための部材である。
テザークリップ10は樹脂製の一体成形品である。弾性変形可能なテザークリップ10は、座部12、テザー部(接続部)14、アンカー部(接続部)15、係合保持部18、及び留付部20を有する。
テザークリップ10の長手方向(延長方向)の中間部には、略矩形平板状の座部12が設けられている。座部12の厚み方向の一方の面である第1面12Aには、一対の係合保持部18及びテザー部14の基端部が接続されている。座部12の厚み方向の他方の面である第2面12Bには留付部20が接続されている。
座部12の第1面12Aの一対の係合保持部18の間に位置する部位には、長尺形状のテザー部14の基端部が接続されている。
テザー部14の先端部にはアンカー部15が接続されている。アンカー部15は第1抜止部16及び第2抜止部17を備える。
テザークリップ10は、ピラーインナーパネル82から分離した状態のピラーガーニッシュ70に装着される。具体的には、第1抜止部16及び第2抜止部17がテザー部14の先端部に接近する方向に弾性変形させられたアンカー部15を、テザー収納部74の挿通孔74Xへフロントピラー80側から挿入する。アンカー部15が挿通孔74Xを通り抜けてテザー収納部74の内部に位置した後に、第1抜止部16及び第2抜止部17を自由状態に復帰させる。さらにテザークリップ10をテザー収納部74に対して相対移動させて、図1に示されるように一対の係合保持部18を挿通孔74Xに圧入する。さらに座部12の第1面12Aの一部をテザー収納部74の外面に接触させる。このとき、図1に示されるように、アンカー部15の大部分及びテザー部14の先端部は、開口部74Aを通り抜けてテザー収納部74の外側に位置する。このようにしてピラーインナーパネル82から分離した状態のピラーガーニッシュ70とテザークリップ10とが一体化される。
続いて、テザークリップ10の留付部20について詳細に説明する。図3~図5に示されるように留付部20は、弾性変形片21、コントロールレバー25、脚部40、脚部50及び連結部60を有する。
座部12の第2面12Bの四隅には弾性変形片21の基端部が接続されている。即ち、留付部20は4本の弾性変形片21を有する。各弾性変形片21は自由状態において図3~図5に示された形状になる。各弾性変形片21の先端部には湾曲形状の抑え部22が形成されている。
図5に示されるようにコントロールレバー25は、基板部26、レバー部27、リブ28及び突起(第2突起)31、32、33、34を有する。基板部26は長手方向80Lに対して直交する板状をなす。図4及び図10に示されるように、基板部26の長手方向80LのFL側の面は被操作面26Aを構成する。基板部26の板厚方向WdのIN側と反対側の端部にレバー部27が接続されている。さらに図5に示されるように、コントロールレバー25には、基板部26及びレバー部27に跨るリブ28が形成されている。コントロールレバー25は、図5及び図6に示された基板部26の基端部(座部12との接続部)を弾性変形させることにより、当該基端部を中心とする矢印RD方向(図6参照)に回転可能である。即ち、コントロールレバー25は図1及び図3~図5及び図10に示された初期位置と、図11、図12、図14及び図15に示された挿入可能位置との間を、所定方向TDに対して直交する面に沿う矢印RD方向に回転可能である。図3~図5等に示されたように、所定方向TDは、長手方向80L及び板厚方向Wdに対して直交する。矢印UPは、所定方向TDの一方の端部側を示す。所定方向TDは車両上下方向と略平行である。そのため、矢印UPが示す方向は、ピラーインナーパネル82から上方に向かう方向と略平行である。さらにコントロールレバー25が自由状態にあるとき、コントロールレバー25は初期位置に位置する。
図4、図5、図9及び図11に示されるように、レバー部27の両面は、共に所定方向TDに対して直交する平面である対向面(第2対向面)29と対向面(第2対向面)30をそれぞれ構成する。対向面29には矢印UP側に突出する突起31、32が設けられている。対向面30には矢印UPと反対側に向かって突出する突起33、34が設けられている。各突起31、32、33、34は略直方体形状である。突起31及び突起32の先端面並びに突起33及び突起34の先端面は、所定方向TDに対して直交する平面である。ここで図6に示されるように、コントロールレバー25を所定方向TDに見たときに板厚方向Wd(挿入方向)及び長手方向80L(直交方向)に対して傾斜する2つの方向を特定方向Pd1、Pd2と定義する。コントロールレバー25を所定方向TDに見たとき、突起31と突起32は特定方向Pd1に並ぶ。換言すると、突起31と突起32は板厚方向Wd及び長手方向80Lには並ばない。コントロールレバー25を所定方向TDに見たとき、突起33と突起34は特定方向Pd2に並ぶ。換言すると、突起33と突起34は板厚方向Wd及び長手方向80Lには並ばない。さらにレバー部27の外周面の一部には円弧面からなる被押圧面35が形成されている。さらにレバー部27の外周面には、被押圧面35と連続する切欠面36が形成されている。
図4に示されるように、座部12の第2面12Bには脚部40及び脚部50の基端部が接続されている。脚部40及び脚部50は板厚方向Wdに沿って延びている。
脚部40は、第2面12Bに接続された基部40Aと、基部40Aの板厚方向Wdの先端部から延びる延長部40Bと、を有する。基部40Aの板厚方向Wdの中間部の外周面には第1係止爪41が形成されている。板厚方向Wdに見たときの第1係止爪41の形状は円弧状である。さらに第1係止爪41の横断面形状は略三角形である。即ち、第1係止爪41の板厚方向Wdの中央部には第1係止爪41の延長方向に沿って延びる最大径部41aが形成されている。基部40Aの第1係止爪41より延長部40B側に位置する部位の外周面には第2係止爪(係止部)42が形成されている。板厚方向Wdに見たときの第2係止爪42の形状は円弧状である。さらに第2係止爪42の横断面形状は略三角形である。即ち、第2係止爪42の板厚方向Wdの中央部には第2係止爪42の延長方向に沿って延びる最大径部42aが形成されている。さらに基部40Aには、基部40Aを所定方向TDに貫通する長孔43が形成されている。図10及び図12に示されるように、所定方向TDに見たときに、長孔43は板厚方向Wd(脚部40、50のクリップ取付孔82Xへの挿入方向)に沿って延びる。さらに長孔43は第1係止爪41を横断している。即ち、長孔43が第1係止爪41を2つの円弧状の部位に分割している。図4及び図9に示されるように、コントロールレバー25の基板部26の一部が脚部40の長孔43内に相対移動可能に挿入されている。
図7に示されるように、基部40Aの内面の一部は、コントロールレバー25の対向面29と所定方向TDに対向する対向面(第1対向面)44によって構成されている。さらに図7等に示されるように、対向面44には突起45、46が設けられている。突起45及び突起46は略直方体形状である。突起45及び突起46の先端面は平面である。ここで図7に示されるように、対向面44を所定方向TDに見たときに、突起45と突起46は特定方向Pd2に並ぶ。換言すると、突起45と突起46は板厚方向Wd及び長手方向80Lには並ばない。
脚部50は、突起45、46及び突起55、56を除いて、脚部40と略対称形状である。脚部50は、第2面12Bに接続された基部50Aと、基部50Aの板厚方向Wdの端部から延びる延長部50Bと、を有する。基部50Aの外周面には第1係止爪51及び第2係止爪(係止部)52が形成されている。第1係止爪51及び第2係止爪52の板厚方向Wdの中央部には第1係止爪51、第2係止爪52の延長方向に沿って延びる最大径部51a、52aがそれぞれ形成されている。さらに基部50Aに長孔53が形成されている。図4及び図9に示されるように、コントロールレバー25の基板部26の一部が脚部50の長孔53内に相対移動可能に挿入されている。
図8に示されるように、基部50Aの内面の一部は、コントロールレバー25の対向面30と所定方向TDに対向する対向面(第1対向面)54によって構成されている。さらに図4及び図8等に示されるように、対向面54には突起55、56が設けられている。突起55及び突起56は略直方体形状である。突起55及び突起56の先端面は平面である。ここで図8に示されるように、対向面54を所定方向TDに見たときに、突起55及び突起56は特定方向Pd2に並ぶ。換言すると、突起55及び突起56は板厚方向Wd及び長手方向80Lには並ばない。
図4、図9、図13及び図14に示されたように、延長部40B及び延長部50Bの先端部同士は、脚部40、50よりも肉厚が小さい連結部60によって連結されている。留付部20を板厚方向Wdに見たときの連結部60の形状は略S字形である。連結部60は、直線部61と、直線部61の両端にそれぞれ接続された湾曲部62、63と、を有する。湾曲部62は、直線部61と延長部40Bの先端部とを連結する。湾曲部63は、直線部61と延長部50Bの先端部とを連結する。連結部60は、直線部61及び湾曲部62、63が位置する平面内で弾性変形可能である。連結部60の肉厚は脚部40、50の肉厚よりも小さいので、連結部60は弾性変形し易い。留付部20(連結部60)が自由状態にあるとき、留付部20は図4に示された初期形状になる。このとき連結部60によって延長部40Bと延長部50Bの先端部同士が、図3及び図4に示された距離まで離される。
図9に示されたように、ピラーインナーパネル82の円形のクリップ取付孔82Xの径は82Dである。さらに留付部20(連結部60)が自由状態にあるときの第1係止爪41の最大径部41aと第1係止爪51の最大径部51aとの間の所定方向TDの最大距離は20D1-0であり、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離は20D2-0であり、連結部60の所定方向TDの寸法は60D-0である。さらに図13に示されたように、留付部20(連結部60)が自由状態にあるか否かに拘わらず、最大径部41a、51aの長手方向80Lの最大寸法は20D1-Dであり、最大径部42a、52aの長手方向80Lの最大寸法は20D2-Dである。これらの大小関係は60D-0<20D1-D<20D2-D<82D<20D1-0<20D2-0である。
なお、本明細書において第1係止爪41の最大径部41aと第1係止爪51の最大径部51aとの間の所定方向TDの最大距離とは、最大径部41aのUP側の端部と、最大径部51aのUP側と反対側の端部と、の間の所定方向TDの距離である。同様に、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離とは、最大径部42aのUP側の端部と、最大径部52aのUP側と反対側の端部と、の間の所定方向TDの距離である。また、最大径部41a、51aの長手方向80Lの最大寸法とは、最大径部41a、51aのFL側の端部とFL側とは反対側の端部との間の長手方向80Lの寸法(距離)である。同様に、最大径部42a、52aの長手方向80Lの最大寸法とは、最大径部42a、52aのFL側の端部とFL側とは反対側の端部との間の長手方向80Lの寸法(距離)である。
さらに図10に示されたように、留付部20(連結部60)が自由状態にあるときのレバー部27の長手方向80LのFL側の端部と延長部40B及び延長部50BのFL側と反対側の端部との間の長手方向80Lの距離は27D-0である。82D<27D-0である。
脚部40、50の先端部が図9の状態から外周側に拡がることが連結部60によって規制され、且つ、距離60D-0がクリップ取付孔82Xの径82Dより小さい。そのため、図9に示されたように、クリップ取付孔82Xと同軸をなし且つピラーインナーパネル82より板厚方向WdのIN側に位置する留付部20をクリップ取付孔82Xの軸線に沿ってピラーインナーパネル82側へ移動させると、脚部40、50の先端部及び連結部60が、クリップ取付孔82Xの周縁部に引っ掛かることなく、クリップ取付孔82Xを円滑に通り抜ける。その結果、図10に示されるようにクリップ取付孔82X(仮想線参照)の周縁部がコントロールレバー25の被押圧面35に接触し、コントロールレバー25がRD方向に沿って挿入可能位置へ回転する。さらにクリップ取付孔82Xの周縁部が延長部40B及び延長部50Bの外周面に接触することにより、連結部60を弾性変形させながら延長部40Bと延長部50Bを互いに接近させる。ピラーインナーパネル82の留付部20に対する相対位置が図11及び図12に一点鎖線で示された位置となったときに、レバー部27の長手方向80LのFL側の端部と延長部40B及び延長部50BのFL側と反対側の端部との間の長手方向80Lの距離は図12に示された27D-1となる。27D-1<82Dである。そのため、レバー部27(コントロールレバー25)はクリップ取付孔82Xを板厚方向Wdへ通り抜ける。これにより、コントロールレバー25(レバー部27)が挿入可能位置に位置しながらクリップ取付孔82Xの周縁部から離れる。
さらに、このときクリップ取付孔82Xの周縁部によって押された脚部40及び脚部50が、図11~図15に示された通り抜け可能位置まで内周側に移動する。このとき図7、図8及び図15に示されるように、脚部40の突起45とコントロールレバー25の突起31が長手方向80Lに並び(接触し)、脚部40の突起46とコントロールレバー25の突起32が長手方向80Lに並び(接触し)、脚部50の突起55とコントロールレバー25の突起33が長手方向80Lに並び(接触し)、且つ脚部50の突起56とコントロールレバー25の突起34が長手方向80Lに並ぶ(接触する)。そのため、コントロールレバー25の挿入可能位置から初期位置側への回転が脚部40及び脚部50によって規制される。
図11に示されたように、このときの第1係止爪41の最大径部41aと第1係止爪51の最大径部51aとの間の所定方向TDの最大距離を20D1-1とし、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離を20D2-1とすると、82D≒20D1-1≒20D2-1である。
留付部20をピラーインナーパネル82に対してさらにIN側と反対側へ移動させると、ピラーインナーパネル82の留付部20に対する相対位置が図11及び図12に実線で示された位置となる。即ち、最大径部51a及び最大径部52aがピラーインナーパネル82より板厚方向WdのIN側と反対側に移動する。そのため脚部40及び脚部50が連結部60の付勢力によって互いに離れる方向に移動させられる。そのため、図16に示されるように、脚部40の突起45、46がコントロールレバー25の突起31、32より所定方向TDのUP側へ移動し、且つ、脚部50の突起55、56がコントロールレバー25の突起33、34より所定方向TDのUP側と反対側へ移動する。さらにこのときレバー部27(被押圧面35)がクリップ取付孔82Xの周縁部から離れているので、コントロールレバー25は初期位置へ回転復帰する。そのため留付部20は図16~図20に示された形状になる。
このとき図19及び図20に示されるように、脚部40の突起45がコントロールレバー25の突起31に接触し且つ脚部40の突起46がコントロールレバー25の突起32に接触する。さらに脚部50の突起55がコントロールレバー25の突起33に接触し且つ脚部50の突起56がコントロールレバー25の突起34に接触する。そのため脚部40及び脚部50はコントロールレバー25によって図16~図20に示された抜止可能位置に保持される。図16に示されるように、このときの第1係止爪41の最大径部41aと第1係止爪51の最大径部51aとの間の所定方向TDの最大距離を20D1-2とし、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離を20D2-2とすると、82D<20D1-2<20D2-2である。そのため、留付部20の第2係止爪42及び第2係止爪52はクリップ取付孔82Xを板厚方向Wdへ通り抜けられない。なお、留付部20の図16及び図17に実線で示されたフロントピラー80に対する相対位置が仮組付位置である。
仮組付位置に位置する留付部20をさらに板厚方向WdのIN側と反対側へ移動させると、ピラーインナーパネル82の留付部20に対する相対位置が図16及び図17に仮想線で示された位置になる。即ち、クリップ取付孔82Xの周縁部が第1係止爪41及び第1係止爪51を内周側に押圧しながら第1係止爪41、51の最大径部41a、51aをIN側へ乗り越える。さらにクリップ取付孔82Xの周縁部が、最大径部41a、51aより板厚方向WdのIN側の部分を内周側に押圧する。さらにピラーインナーパネル82の板厚方向WdのIN側の面に4本の弾性変形片21の抑え部22が弾性変形しながら接触する(弾性変形片21の弾性変形状態の図示は省略)。即ち、ピラーインナーパネル82が第1係止爪41及び第1係止爪51と弾性変形片21とによって板厚方向Wdに挟まれる。なお、このとき第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離は実質的に20D2-2と同じである。そのため、留付部20の第2係止爪42及び第2係止爪52はクリップ取付孔82Xを板厚方向Wdの内側へ通り抜けられない。なお、留付部20の図16及び図17に仮想線で示されたフロントピラー80に対する相対位置が正規組付位置である。
これにより、ピラーガーニッシュ70がテザークリップ10を介してフロントピラー80に取り付けられる。なお、ガーニッシュ本体72の長手方向の中間部は、テザークリップ10とは別のクリップ(図示省略)によってピラーインナーパネル82に留め付けられる。また、ガーニッシュ本体72の下端部は、インストルメントパネル(図示省略)に形成された差込み孔に差し込まれる。
図2に示されるように、ピラーガーニッシュ70の前部とピラーインナーパネル82との間に形成された前側スペースS1には、ワイヤハーネスやドレインホース等の配索物76が配索されている。また、ピラーガーニッシュ70の後部とピラーインナーパネル82との間に形成された後側スペースS2には、折り畳まれた状態のカーテンエアバッグ78が収納されている。カーテンエアバッグ78の展開方向は車両後下方側かつ車室内側である。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
次に、テザークリップ10を用いてピラーガーニッシュ70が車両のフロントピラー80に取り付けられた場合の作用及び効果について説明する。
側面衝突時又はロールオーバー時にカーテンエアバッグ78が展開されると、カーテンエアバッグ78の展開圧によってピラーガーニッシュ70がフロントピラー80から離れる方向に移動しようとする。そしてピラーガーニッシュ70の挿通孔74Xがテザークリップ10の係合保持部18から離脱し、ピラーガーニッシュ70がフロントピラー80から離れる方向に移動する。さらに、ピラーガーニッシュ70の挿通孔74Xに対してテザー部14が相対移動し、アンカー部15がテザー収納部74の内面と係合する。これによりピラーガーニッシュ70(テザー収納部74)からアンカー部15に力が及び、この力によって留付部20がピラーインナーパネル82のクリップ取付孔82Xから板厚方向WdのIN側へ移動しようとする。
ここで留付部20が正規組付位置においてフロントピラー80に取り付けられた場合を想定する。この場合は、アンカー部15から留付部20に及ぶ力の大きさが所定値以上のときに、第1係止爪41及び第1係止爪51が弾性変形しながらクリップ取付孔82Xを板厚方向WdのIN側へ通り抜けることがある。しかしこの場合は、フロントピラー80の留付部20に対す相対位置が図16及び図17の実線の位置になったときに、脚部40の第2係止爪42及び脚部50の第2係止爪52が、ピラーインナーパネル82の板厚方向WdのIN側と反対側の面と係合する。
上述のように、このとき図20に示されるように、脚部40の突起45がコントロールレバー25の突起31に接触し且つ脚部40の突起46がコントロールレバー25の突起32に接触する。さらに脚部50の突起55がコントロールレバー25の突起33に接触し且つ脚部50の突起56がコントロールレバー25の突起34に接触する。そのため、このときの第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離である20D2-2は、脚部40の突起45及び突起46がレバー部27の対向面29に接触し且つ脚部50の突起55及び突起56がコントロールレバー25の対向面30に接触する場合と比べて大きい。換言すると、このときの距離20D2-2は、コントロールレバー25が突起31、32、33、34を具備しない場合と比べて大きい。従って、この場合に留付部20(脚部40及び脚部50)がクリップ取付孔82Xから板厚方向WdのIN側へ離脱するおそれは、コントロールレバー25が突起31、32、33、34を具備しない場合と比べて小さい。
さらにコントロールレバー25の対向面29、30、脚部40及び脚部50にそれぞれ2個の突起(突起31、32、33、34、45、46、55、56)が設けられ、対向する突起同士が互いに所定方向TDに接触することにより、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離を20D2-2に維持する。そのため、本実施形態のテザークリップ10は、コントロールレバー25の対向面29、30、脚部40及び脚部50にそれぞれ突起が1個のみ設けられた場合と比べて、第2係止爪42及び第2係止爪52がピラーインナーパネル82の板厚方向WdのIN側と反対側の面と係合した場合に、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離が20D2-2に維持され易い。
さらにコントロールレバー25の対向面29、30、脚部40及び脚部50にそれぞれ設けられた2個の突起(突起31、32、33、34、45、46、55、56)が特定方向Pd1、Pd2に並ぶ。換言すると、コントロールレバー25の対向面29、30、脚部40及び脚部50にそれぞれ設けられた2個の突起は板厚方向Wd及び長手方向80Lに並ばない。そのため第2係止爪42及び第2係止爪52がピラーインナーパネル82と係合した場合の脚部40及び脚部50の変形量が小さいので、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離が20D2-2に維持され易い。即ち、脚部40及び脚部50をフロントピラー80のクリップ取付孔82Xから離脱させる方向の力がテザークリップ10に掛かったときに、脚部40及び脚部50がクリップ取付孔82Xから離脱するおそれが小さい。
図21(説明の便宜上、突起33、34、45、46、55、56が大きめに描かれている)及び図22(図22ではハッチングが省略されている)は本発明の比較例を示す。この比較例では、コントロールレバー25の対向面29に設けられた突起31及び突起32並びに脚部40に設けられた突起45及び突起46(仮想線参照)が板厚方向Wdに並ぶ。コントロールレバー25の対向面30に設けられた突起33及び突起34(破線参照)並びに脚部50に設けられた突起55及び突起56(仮想線参照)が板厚方向Wdに並ぶ。この比較例のテザークリップ10Aに脚部40及び脚部50をフロントピラー80のクリップ取付孔82Xから離脱させる方向の力が掛かると、ピラーインナーパネル82から第2係止爪42及び第2係止爪52に及ぶ力によって、図22に仮想線で示されるように、脚部40及び脚部50の一部同士が互いに接近する。そのため、第2係止爪42の最大径部42aと第2係止爪52の最大径部52aとの間の所定方向TDの最大距離が20D2-2より小さくなり易い。そのため、脚部40及び脚部50をフロントピラー80のクリップ取付孔82Xから離脱させる方向の力がテザークリップ10Aに掛かったときに、本実施形態と比べてテザークリップ10Aの脚部40及び脚部50はクリップ取付孔82Xから離脱するおそれが大きい。
さらにカーテンエアバッグ78の展開圧によって留付部20がピラーインナーパネル82から板厚方向WdのIN側へ移動しようとしたとき、図23に示されるように、ピラーインナーパネル82の留付部20に対する相対位置が実線の位置から仮想線の位置へ変化することがある。即ち、レバー部27がピラーインナーパネル82へ接近することがある。しかしレバー部27には切欠面36が形成されている。そのためこのときのピラーインナーパネル82とレバー部27との距離Labは、レバー部27に切欠面36が形成されていない場合と比べて長い。そのため、この場合にレバー部27がピラーインナーパネル82に接触することによりレバー部27が初期位置から挿入可能位置に移動するおそれは小さい。即ち、レバー部27が挿入可能位置へ移動することにより、抜止可能位置に位置していた脚部40及び脚部50が通り抜け可能位置へ移動し、留付部20がクリップ取付孔82Xから離脱するおそれは小さい。
さらに図24に示されるように、フロントピラー80に対して仮組付位置に位置する留付部20を所定方向TDに見たときに、脚部40に形成された長孔43が初期位置にあるコントロールレバー25の被操作面26Aを露出させる。そのため長孔43の長手方向80LのFL側の端面と被操作面26Aとの間に工具90(例えばドライバー)を挿入し、工具90によって被操作面26AをFL側と反対側へ押すと、図25に示されるようにコントロールレバー25が挿入可能位置へ回転する。この状態で工具90によって長孔43の板厚方向WdのIN側の端面をIN側へ押すと、留付部20全体がIN側へ移動する。その結果、脚部40及び脚部50の外周面がクリップ取付孔82Xの周縁部によって内周側に押されることにより脚部40及び脚部50が通り抜け可能位置へ移動し、留付部20が図11に示された形状になる。従って、工具90によって留付部20全体をさらにIN側へ押すと、留付部20がピラーインナーパネル82よりIN側へ移動し、且つ、留付部20が図3及び図4に示された自由状態に復帰する。このように工具90を用いることにより、テザークリップ10を容易にピラーインナーパネル82のクリップ取付孔82Xから取り外せる。
さらにテザークリップ10が、一対の脚部40、50と、一対の脚部40、50の間に配置されたコントロールレバー25と、一対の脚部40、50の先端部同士を接続する連結部60と、を有する。そのためテザークリップ10を、留付部20の中心を通り抜ける留付部20の中心軸線20AX(図9参照)に直交する方向に可動の複数の成形型を用いて成形可能である。即ち、該直交方向に可能の成形型に加えて、中心軸線20AXの方向に可動の成形型を用いる必要がないので、本実施形態のテザークリップ10は成形が容易である。
以上、実施形態に係るテザークリップ10及びピラーガーニッシュ取付構造について説明したが、テザークリップ10及びピラーガーニッシュ取付構造は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
例えば、コントロールレバー25の対向面29、30、脚部40及び脚部50に設けられる突起の数は、1つ又は3つ以上の複数であってもよい。
各突起31、32、33、34、45、46、55、56の形状は直方体でなくてもよい。例えば、各突起31、32、33、34、45、46、55、56の形状は円柱形であってもよい。
脚部40と脚部50の一方にのみ長孔43、53が形成されてもよい。
コントロールレバー25が、切欠面36が形成されない形状であってもよい。
上記実施形態のピラーガーニッシュ70はフロントピラーガーニッシュである。しかし本発明はフロントピラー以外のピラー及びこれに装着されるピラーガーニッシュに適用されてもよい。例えばリアピラー及びリアピラーガーニッシュに本発明が適用されてもよい。
さらにテザークリップ10は、カーテンエアバッグを車両ボデーに取り付けるためのクリップやバンパーカバーを車両ボデーに取り付けるためのクリップとして利用されてもよい。この場合、車両の衝突時にカーテンエアバッグやバンパーカバーが車両ボデーから離脱するおそれは小さく、且つ、カーテンエアバッグ及びバンパーカバーを工具90を用いて車両ボデーから取り外すことが可能である。
10 テザークリップ(離脱防止クリップ)
14 テザー部(接続部)
15 アンカー部(接続部)
25 コントロールレバー
26A 被操作面
29 30 対向面(第2対向面)
31 32 33 34 突起(第2突起)
40 脚部
42 第2係止爪(係止部)
43 長孔
44 対向面(第1対向面)
45 46 突起(第1突起)
50 脚部
52 第2係止爪(係止部)
53 長孔
54 対向面(第1対向面)
55 56 突起(第1突起)
60 連結部
70 ピラーガーニッシュ(被取付物)
78 カーテンエアバッグ
80 フロントピラー(ピラー)(ボデー)
80L 長手方向(直交方向)
82X クリップ取付孔(ボデー孔)
90 工具
Pd1 Pd2 特定方向
TD 所定方向
Wd 板厚方向(挿入方向)

Claims (6)

  1. ボデーに対して相対移動可能な被取付物に対して相対移動可能に接続される接続部と、
    前記ボデーに形成されたボデー孔に前記被取付物側から挿入可能であり、互いに所定方向に並び且つ互いに離れる方向に付勢された一対の脚部と、
    一対の前記脚部が前記ボデー孔に挿入されたときに、前記ボデーを挟んで前記被取付物と反対側に位置する、一対の前記脚部にそれぞれ設けられた係止部と、
    一対の前記脚部の間に位置し、且つ、初期位置と挿入可能位置との間を前記所定方向に対して直交する面に沿って移動可能なコントロールレバーと、
    一対の前記脚部の前記コントロールレバーとの対向面である第1対向面に設けられた第1突起と、
    前記コントロールレバーの一対の前記脚部との対向面である一対の第2対向面にそれぞれ設けられ、前記コントロールレバーが前記初期位置に位置するときは、前記所定方向に対向する前記第1突起とそれぞれ接触して、一対の前記脚部を、一対の前記係止部が前記ボデー孔を通り抜けられない抜止可能位置に位置させ、前記コントロールレバーが前記挿入可能位置に位置するときは、前記第1突起と前記所定方向に接触せずに、一対の前記脚部を、一対の前記係止部が前記ボデー孔を通り抜け可能な通り抜け可能位置に位置させる第2突起と、
    を備える離脱防止クリップ。
  2. 前記ボデーが車両のピラーであり、
    前記被取付物が、折畳み状態のカーテンエアバッグを収納するピラーガーニッシュであり、
    前記離脱防止クリップが、前記ピラーと前記ピラーガーニッシュとを接続するテザークリップである請求項1に記載の離脱防止クリップ。
  3. 前記コントロールレバーの一部に、工具によって押されたときに、前記初期位置に位置する前記コントロールレバーを前記挿入可能位置側へ移動させる被操作面が形成され、
    少なくとも一方の前記脚部に、前記脚部を前記所定方向に貫通し且つ前記工具が挿入可能であり、前記初期位置に位置する前記コントロールレバーを前記所定方向に見たときに前記被操作面を露出させる、前記脚部の前記ボデー孔への挿入方向に沿って延びる長孔が形成された請求項1又は請求項2に記載の離脱防止クリップ。
  4. S字形状をなし且つ前記脚部より厚みが小さい弾性変形可能な連結部の両端部が、一対の前記脚部の先端部にそれぞれ接続する請求項1~3の何れか一項に記載の離脱防止クリップ。
  5. 一対の前記脚部の前記第1対向面に、一対の前記第1突起が設けられ、
    前記コントロールレバーの一対の前記第2対向面に、一対の前記第2突起が設けられ、
    前記ボデー孔への前記脚部の挿入方向、及び、前記離脱防止クリップを前記所定方向に見たときに前記挿入方向に対して直交する直交方向、に対して傾斜する方向を特定方向と定義するとき、
    一対の前記第1対向面に設けられた一対の前記第1突起が前記特定方向に並び、
    一対の前記第2対向面に設けられた一対の前記第2突起が前記特定方向に並ぶ請求項1~4の何れか一項に記載の離脱防止クリップ。
  6. 車両の一部を構成する前記ボデーであるピラーと、
    折畳み状態のカーテンエアバッグを収納するガーニッシュ本体、及び、前記ガーニッシュ本体から離れたテザー収納部、を有する、前記被取付物であるピラーガーニッシュと、
    が請求項1~5の何れか1項に記載の離脱防止クリップによって接続されたピラーガーニッシュ取付構造。
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