JP2023041357A - 積層セラミック電子部品及び回路基板 - Google Patents

積層セラミック電子部品及び回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】半田に起因するセラミック素体のクラックを抑制することが可能な積層セラミック電子部品及び回路基板を提供する。【解決手段】積層セラミック電子部品は、セラミック素体と、一対の外部電極と、を具備する。セラミック素体は、第1主面、第1側面及び端面を接続する第1角部と、第2主面、第1側面及び端面を接続する第2角部と、第1主面、第2側面及び端面を接続する第3角部と、第2主面、第2側面及び端面を接続する第4角部と、複数の内部電極と、を有し、略直方体状に構成される。一対の外部電極は、下地層と、第1導電性樹脂層と、をそれぞれ有する。第1導電性樹脂層は、第1側面において第1角部を覆って配置され、かつ第1角部から2方向に延びるL字状の第1側面樹脂部を含み、下地層の少なくとも一部を覆う。【選択図】図4

Description

本発明は、外部電極を備えた積層セラミック電子部品及び回路基板に関する。
積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品は、自動車の電子制御化の流れによって、車載機器にも広く用いられている。例えば車載機器では、積層セラミック電子部品を搭載した回路基板が、温度変化の非常に大きな環境に配置され得る。回路基板が大きな温度変化を受けた場合、基板が熱膨張及び熱収縮することにより、積層セラミック電子部品にも撓み応力が発生し得る。例えば特許文献1には、この撓み応力に起因するクラックの発生を抑制する等の観点から、撓み強度の高い導電性樹脂層を有する外部電極を備えた積層セラミック電子部品が開示されている。
特開2017-191880号公報
積層セラミック電子部品は、一般に、半田を用いて基板に実装される。半田は溶融した状態で外部電極上を濡れ上がり、その後冷却され、凝固する。半田は、凝固する過程で収縮し、セラミック素体に応力を及ぼす。半田が一部に滞留した場合、半田による応力が滞留部分に集中し得る。半田によって大きな応力が生じた場合、外部電極に導電性樹脂を用いた場合でも応力の影響を抑制できず、セラミック素体にクラックが発生し、積層セラミック電子部品の信頼性が低下することがあった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、半田に起因するセラミック素体のクラックを抑制することが可能な積層セラミック電子部品及び回路基板を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品は、セラミック素体と、一対の外部電極と、を具備する。
前記セラミック素体は、第1軸に垂直な第1及び第2主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な第1及び第2側面と、前記第1主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第1角部と、前記第2主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第2角部と、前記第1主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第3角部と、前記第2主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第4角部と、前記第1軸方向又は前記第3軸方向に積層された複数の内部電極と、を有し、略直方体状に構成される。
前記一対の外部電極は、下地層と、第1導電性樹脂層と、をそれぞれ有する。
前記下地層は、前記端面を覆う。
前記第1導電性樹脂層は、前記第1側面において前記第1角部を覆って配置され、かつ前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第1側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う。
上記構成の積層セラミック電子部品では、外部電極が第1導電性樹脂層を有するため、外部電極の撓み強度が高い。さらに、第1導電性樹脂層が、第1側面において第1角部を覆って配置されたL字状の第1側面樹脂部を含む。これにより、実装時に溶融した半田を、第1側面樹脂部のL字状の内縁部に沿って、端面側から第1側面の中央側へ誘導することができる。これにより、半田を第1側面の広い範囲に分散させることができ、半田の凝固後に発生し得る応力を低減させることができる。したがって、上記構成により、半田に起因するセラミック素体のクラックを抑制することができる。
前記一対の外部電極は、それぞれ、
前記第1側面において前記第2角部を覆って配置され、かつ前記第2角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第2側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う第2導電性樹脂層を有していてもよい。
この場合、前記第2導電性樹脂層は、前記第1導電性樹脂層から前記第1軸方向に離間していてもよい。
このように、外部電極が、第1主面側の第1導電性樹脂層に加えて、第2主面側にも第2導電性樹脂層を有していてもよい。これにより、第1主面及び第2主面のいずれを基板側に向けて実装した場合でも、L字状の側面樹脂部による半田の応力抑制効果を得ることができる。したがって、実装時の利便性を高めることができる。
また、第1導電性樹脂層は、
前記端面において前記第1角部を覆って配置され、かつ、前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第3軸方向に延びるL字状の第1端面樹脂部を含んでいてもよい。
これにより、端面側においても、溶融した半田を、第1端面樹脂部のL字状の内縁部に沿って誘導することができる。したがって、端面側においても半田の滞留を抑制でき、半田に起因するセラミック素体のクラックをより確実に抑制することができる。
前記一対の外部電極は、それぞれ、
前記第2側面において前記第3角部を覆って配置され、かつ前記第3角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第3側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う第3導電性樹脂層をさらに有し、
前記第3導電性樹脂層は、前記第1導電性樹脂層から前記第3軸方向に離間していてもよい。
このように、外部電極が、第1側面側の第1導電性樹脂層に加えて、第2側面側にも第3導電性樹脂層を有していてもよい。
さらにこの場合、第1導電性樹脂層は、
前記端面において前記第1角部を覆って配置され、かつ、前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第3軸方向に延びるL字状の第1端面樹脂部を含み、
前記第3導電性樹脂層は、
前記端面において前記第3角部を覆って配置され、かつ、前記第3角部から前記第1軸方向及び前記第3軸方向に延びるL字状の第3端面樹脂部を含み、
前記第3端面樹脂部は、前記第1端面樹脂部から前記第3軸方向に離間していてもよい。
これにより、端面、第1及び第2側面のいずれにおいても、半田の滞留を抑制でき、半田に起因するセラミック素体のクラックをより確実に抑制することができる。
例えば、前記下地層は、
前記第1側面上に配置された側面下地部をさらに有し、
前記側面下地部の前記第2軸方向における寸法は、前記第1側面樹脂部の前記第2軸方向における寸法の50%以下であってもよい。
これにより、側面下地部の端部を、導電性樹脂層で覆うことができる。したがって、導電性樹脂層よりも撓み強度の低い下地層に起因するクラックの発生をより確実に抑制することができる。
例えば、一対の外部電極は、それぞれ、前記下地層及び前記第1導電性樹脂層を覆うメッキ層をさらに有していてもよい。
これにより、半田による実装が容易になる。
本発明の一形態に係る回路基板は、積層セラミック電子部品と、接続電極を有する実装基板と、を具備する。
前記積層セラミック電子部品は、セラミック素体と、一対の外部電極と、を有する。
前記セラミック素体は、第1軸に垂直な第1及び第2主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な第1及び第2側面と、前記第1主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第1角部と、前記第2主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第2角部と、前記第1主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第3角部と、前記第2主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第4角部と、前記第1軸方向又は前記第3軸方向に積層された複数の内部電極と、を有し、略直方体状に構成される。
前記一対の外部電極は、下地層と、第1導電性樹脂層と、をそれぞれ有する。
前記下地層は、前記端面を覆う。
前記第1導電性樹脂層は、前記第1側面において前記第1角部を覆って配置され、かつ前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第1側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う。
以上のように、本発明によれば、半田に起因するセラミック素体のクラックを抑制することが可能な積層セラミック電子部品及び回路基板を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のA-A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のB-B'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第3軸方向から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第2軸方向から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサの実装過程を示す側面図である。 上記積層セラミックコンデンサが実装された回路基板の側面図である。 上記積層セラミックコンデンサを第3軸方向から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサを第2軸方向から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 ステップS02で得られるセラミック素体の斜視図である。 ステップS32を示す図である。 ステップS32を示す図である。 ステップS32を示す図である。 ステップS32を示す図である。 ステップS32を示す図である。 ステップS32を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの図11のC-C'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第3軸方向から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサが実装された回路基板の側面図である。 第2実施形態の比較例に係る積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第3軸方向から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサが実装された回路基板の側面図である。 本発明の第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの図17のD-D'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図17のE-E'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第3軸方向(第1側面側)から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第3軸方向(第2側面側)から見た側面図である。 上記積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第2軸方向から見た側面図である。 図20に示す外部電極と、第1端面に露出する内部電極の端部との位置関係を示す、第2軸方向から見た側面図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す、第3軸方向から見た側面図である。 本発明の第3実施形態の他の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す第2軸方向から見た側面図であり、外部電極からメッキ層を取り除いた態様を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[積層セラミックコンデンサ10の基本構成]
図1~3は、本発明の第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA-A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10の図1のB-B'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11と、第1外部電極13aと、第2外部電極13bと、を備える。セラミック素体11の外面は、X軸に垂直な第1及び第2端面E1,E2と、Y軸に垂直な第1及び第2側面S1,S2と、Z軸に垂直な第1及び第2主面M1,M2と、を有する。
セラミック素体11は、略直方体状であり、8つの角部を有する。後述する図4及び図5等に示すように、第1主面M1、第1側面S1、及び第1又は第2端面E1,E2を接続する角部を、第1角部111とする。第2主面M2、第1側面S1、及び第1又は第2端面E1,E2を接続する角部を、第2角部112とする。第1主面M1、第2側面S2及び第1又は第2端面E1,E2を接続する角部を、第3角部113とする。第2主面M2、第2側面S2及び第1又は第2端面E1,E2を接続する角部を、第4角部114とする。セラミック素体11は面取りされ、各角部111~114が丸みを帯びた曲面で構成されていることが好ましい。
積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極13aがセラミック素体11の第1端面E1を覆い、第2外部電極13bがセラミック素体11の第2端面E2を覆っている。外部電極13a,13bは、セラミック素体11を挟んでX軸方向に対向し、積層セラミックコンデンサ10の端子として機能する。
外部電極13a,13bは、セラミック素体11の端面E1,E2から主面M1,M2及び側面S1,S2に沿ってX軸方向内側にそれぞれ延出している。第1外部電極13aはセラミック素体11の第1端面E1側に位置する4つの角部111~114を覆い、第2外部電極13bはセラミック素体11の第2端面E2側に位置する4つの角部111~114を覆っている。
なお、本実施形態において、積層セラミックコンデンサ10は、これをX軸方向に2等分するY-Z平面に関して、実質的に面対称に構成される。同様に、積層セラミックコンデンサ10は、これをZ軸方向に2等分するX-Y平面、及び、これをY軸方向に2等分するX-Z平面に関して、実質的に面対称に構成される。これらの対称性を、以下、「積層セラミックコンデンサ10の対称性」として説明する。
外部電極13a,13bは、高い導電性を有する材料によって形成される。具体的に、外部電極13a,13bは、例えば、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、及びSn(錫)の少なくとも1つの元素を主成分とする金属や合金等で形成することができる。外部電極13a,13bの詳細な構成については、後述する。
セラミック素体11は、誘電体セラミックスで形成されている。セラミック素体11は、誘電体セラミックスに覆われた複数の第1内部電極12a及び複数の第2内部電極12bを有する。複数の内部電極12a,12bは、いずれもX-Y平面に沿って延びるシート状であり、図2及び図3に示す例では、Z軸方向に沿って交互に配置されている。
セラミック素体11には、内部電極12a,12bがセラミック層を挟んでZ軸方向に対向する対向領域Tが形成されている。第1内部電極12aは、対向領域Tから第1端面E1に引き出され、第1外部電極13aに接続されている。第2内部電極12bは、対向領域Tから第2端面E2に引き出され、第2外部電極13bに接続されている。
このような構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極13aと第2外部電極13bとの間に電圧が印加されると、内部電極12a,12bの対向領域Tにおいて複数のセラミック層に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、外部電極13a,13b間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
セラミック素体11では、内部電極12a,12b間の各セラミック層の容量を大きくするため、高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。誘電体セラミックスは、例えば、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とすることができる。なお、ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3-αを含んでもよい。ペロブスカイト構造を有するセラミック材料としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含む材料が挙げられる。具体的には、例えば、Ba1-x-yCaSrTi1-zZr(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)が挙げられる。
なお、誘電体セラミックスは、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸マグネシウム(MgTiO)、ジルコン酸カルシウム(CaZrO3)、チタン酸ジルコン酸カルシウム(Ca(Zr,Ti)O)、ジルコン酸バリウム(BaZrO)、酸化チタン(TiO)などの組成系でもよい。
[外部電極13a,13bの詳細構成]
積層セラミックコンデンサ10では、外部電極13a,13bは、それぞれ、下地層14と、第1導電性樹脂層151と、を有する。さらに本実施形態において、外部電極13a,13bは、それぞれ、第2導電性樹脂層152と、メッキ層16と、を有する。なお、以下の説明では、第1端面E1側の第1外部電極13aについて説明するが、積層セラミックコンデンサ10の対称性に基づき、第2端面E2側の第2外部電極13bも同様に構成される。
下地層14は、第1端面E1を覆う。本実施形態において、下地層14は、第1端面E1から、第1及び第2主面M1,M2、並びに第1及び第2側面S1,S2に沿ってX軸方向に延出している。つまり、下地層14は、第1端面E1上に配置された端面下地部14eと、第1及び第2側面S1,S2上にそれぞれ配置された一対の側面下地部14sと、第1及び第2主面M1,M2上にそれぞれ配置された一対の主面下地部14mと、を含む。端面下地部14e、一対の側面下地部14s及び一対の主面下地部14mは、連続して形成される。
下地層14は、本実施形態において、導電性金属ペーストを焼き付けた焼結金属膜として構成される。一例として、下地層は、Ni、Cu、Pd、Agのいずれか1つを主成分することができる。
第1及び第2導電性樹脂層151,152は、下地層14の少なくとも一部を覆う。本実施形態において、第1導電性樹脂層151は、下地層14の第1主面M1側の主面下地部14mを覆い、一対の側面下地部14s及び端面下地部14eに沿ってZ軸方向上方に延出している。同様に、第2導電性樹脂層152は、下地層14の第2主面M2側の主面下地部14mを覆い、一対の側面下地部14s及び端面下地部14eに沿ってZ軸方向下方に延出している。第2導電性樹脂層152は、第1導電性樹脂層151からZ軸方向に離間している。
具体的に、第1導電性樹脂層151は、第1主面M1を覆う第1主面樹脂部151mと、第1及び第2側面S1をそれぞれ覆う一対の第1側面樹脂部151sと、第1端面E1を覆う第1端面樹脂部151eと、を含む。第1主面樹脂部151m、一対の第1側面樹脂部151s及び第1端面樹脂部151eは、連続して形成される。
同様に、第2導電性樹脂層152は、第2主面M2を覆う第2主面樹脂部152mと、第1及び第2側面S1をそれぞれ覆う一対の第2側面樹脂部152sと、第1端面E1を覆う第2端面樹脂部152eと、を含む。第2主面樹脂部152m、一対の第2側面樹脂部152s及び第2端面樹脂部152eは、連続して形成される。
導電性樹脂層151,152は、例えば、樹脂及び導電性材料を含む。樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂が挙げられる。導電性材料は、例えば、球状や扁平状の金属粉末(導電性フィラー)が用いられる。金属粉末としては、例えば、Ag粉末、Cu粉末等が挙げられる。導電性樹脂層151,152は、上記の他、有機溶剤、硬化剤等の他の成分を含んでいてもよい。
メッキ層16は、下地層14及び導電性樹脂層151,152を覆う。メッキ層16は、例えば、下地層14及び導電性樹脂層151,152上に湿式メッキ法で形成された膜である。メッキ層16は、Ni、Cu、Sn、Pd、Agのいずれか1つを主成分とする単層又は複層構造に形成することができる。
図4及び図5は、外部電極13a,13bからメッキ層16を取り除いた態様の積層セラミックコンデンサ10を示す側面図であり、図4はY軸方向から見た図、図5はX軸方向から見た図である。なお、これらの図は、それぞれ、積層セラミックコンデンサ10の第1側面S1側及び第1端面E1側から見た構成を示すが、積層セラミックコンデンサ10の対称性に基づき、第2側面S2側及び第2端面E2側から見た構成も同様となる。
これらの図に示すように、外部電極13a,13bは、実装時の半田による応力の集中を抑制する観点から、特徴的な形状の導電性樹脂層151,152を有する。
図4に示すように、第1導電性樹脂層151の第1側面樹脂部151sは、第1側面S1において第1角部111を覆って配置され、かつ第1角部111からZ軸方向及びX軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。つまり、第1側面樹脂部151sは、Y軸方向から見た平面視において第1側面S1と重なって位置する、第1角部111に沿ったL字状の内縁部N1を有する。内縁部N1は、例えば、Z軸方向に延びる第1延在部N11と、X軸方向に延びる第2延在部N12と、第1延在部N11及び第2延在部N12を接続する、曲線状の湾曲部N13と、を含む。
同様に、第2導電性樹脂層152の第2側面樹脂部152sは、第1側面S1において第2角部112を覆って配置され、かつ第2角部112からZ軸方向及びX軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。つまり、第2側面樹脂部152sは、Y軸方向から見た平面視において第1側面S1と重なって位置する、第2角部112に沿ったL字状の内縁部N2を有する。第2側面樹脂部152sは、第1側面樹脂部151sからZ軸方向に離間している。
第1及び第2側面樹脂部151s,152sの平面形状は、第1及び第2角部111,112のL字状の輪郭に沿った形状であれば、厳密には「L」の字体と異なる見た目であってもL字状であるものとする。
図5に示すように、第1導電性樹脂層151の第1端面樹脂部151eは、一対の第1側面樹脂部151sを接続する。第1端面樹脂部151eのZ軸方向中央側に位置する内縁部N3は、第1側面樹脂部151sの内縁部N1に接続される。図5に示す例では、内縁部N3は、Y軸方向に沿った略直線状に構成される。但し、内縁部N3の形状はこれに限定されず、例えばZ軸方向に凸状の曲線状であってもよい。
同様に、第2導電性樹脂層152の第2端面樹脂部152eは、一対の第2側面樹脂部152sを接続する。第2端面樹脂部152eは、第1端面樹脂部151eからZ軸方向に離間している。
なお、メッキ層16は、下地層14及び導電性樹脂層151,152を覆うように形成される。このため、メッキ層16の輪郭は、下地層14及び第1及び第2導電性樹脂層151,152を合わせた部分の輪郭に沿って形成される。また、メッキ層16は、均一な厚みで形成され、下地層14及び導電性樹脂層151,152の表面の凹凸に対応する凹凸を有する。つまり、メッキ層16では、導電性樹脂層151,152上の部分が下地層14上の部分から突出する。これにより、メッキ層16の表面には、側面樹脂部151s、152sの内縁部N1,N2の形状に起因するL字状の段差Ds、及び端面樹脂部151e,152eの内縁部N3の形状に起因する段差Deが形成される(図6A,B及び図7参照)。
図6Aは、積層セラミックコンデンサ10を用いた回路基板100の製造過程を示す側面図である。回路基板100は、半田Hを介して積層セラミックコンデンサ10が実装される実装基板110を有する。実装基板110は、X-Y平面に沿って延びる基材101と、基材101上に設けられた接続電極102と、を有する。2つの接続電極102は、積層セラミックコンデンサ10の外部電極13a,13bにそれぞれ対応して配置される。
回路基板100の製造過程においては、まず、実装基板110の各接続電極102上にそれぞれ半田Hが配置される。積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11の第1主面M1を実装基板110と対向させ、外部電極13a,13bの位置を接続電極102上の位置に合わせた状態で、実装基板110上に載置される。
積層セラミックコンデンサ10が載置された実装基板110をリフロー炉などで加熱することで、接続電極102上の半田Hを溶融させる。これにより、溶融状態の半田Hは、実装基板110の接続電極102、及び積層セラミックコンデンサ10の外部電極13a,13bの表面に沿って濡れ広がる。
具体的に、半田Hは、接続電極102と外部電極13a,13bとの間に濡れ広がり、更に外部電極13a,13bをZ軸方向上方に濡れ上がる。そして、半田Hを室温に戻して凝固させることで、図6Bに示すように、積層セラミックコンデンサ10が実装基板110に半田Hを介して接続された回路基板100が得られる。
半田Hが凝固する際は、半田Hが収縮することによって、外部電極13a,13bを介してセラミック素体11に応力が生じ得る。半田Hが偏在した場合には、その部分に応力が集中し、セラミック素体11のクラックの原因となり得る。
一方で、導電性樹脂層151,152を含む外部電極13a,13bを備えた積層セラミックコンデンサ10は、温度変化によって実装基板110が繰り返し撓み変形するような、厳しい環境下での使用も想定される。この場合、実装基板110の撓み変形に加えて、半田Hによっても大きな応力が生じた場合、変形性の高い導電性樹脂層151,152によっても当該応力を吸収できず、セラミック素体11にクラックが入りやすくなる。このため、半田Hによる応力の集中をより確実に抑制できる構成の積層セラミックコンデンサ10が求められる。
そこで、本実施形態では、第1導電性樹脂層151が、L字状の平面形状を有する第1側面樹脂部151sを有する。これにより、図7Aに示すように、外部電極13a,13bの表面に、L字状の段差Dsが形成される。
まず、溶融した半田Hは、電極面積の大きい外部電極13a,13bの端面E1,E2側をZ軸方向に濡れ上がり、続いて外部電極13a,13bの端面E1,E2側から側面S1,S2側に濡れ広がりやすい。本実施形態では、側面S1,S2側に到達した半田Hが、図7Aの矢印に示すように、L字状の段差Dsに沿って、端面E1,E2側からX軸方向中央側に向かって濡れ広がりやすくなる。つまり、半田Hが外部電極13a,13bの端面E1,E2側に滞留することなく、側面S1,S2の広範囲に濡れ広がる。
また、第1側面樹脂部151sの内縁部N1をL字状とすることにより、半田Hの誘導部となり得る段差Dsの長さを十分に確保することができる。加えて、内縁部N1がZ軸方向に延びる第1延在部N11を含むことから、側面S1,S2側に到達した半田Hが第1延在部N11を伝ってZ軸方向下方へ誘導され得る。これにより、半田Hが端面E1,E2側に戻りにくくなり、X軸方向中央側に誘導されやすくなる。さらに、本実施形態では、内縁部N1の湾曲部N13が丸みを帯びており、角ばっていない。これにより、角ばった部分に半田Hが滞留することを抑制できる。これらにより、溶融した半田Hを、円滑かつ確実にX軸方向中央側に誘導することができる。
したがって、上記構成では、半田Hの量が多い場合でも、半田Hが一部に留まることなく、第1導電性樹脂層151のX軸方向中央側の端部近傍まで、広範囲に分散させることができる。これにより、半田Hが凝固した際に、半田Hに起因する応力が分散され、セラミック素体11のクラックが抑制される。この結果、セラミック素体11が十分な撓み強度を維持できるとともに、耐湿信頼性を維持することができる。
また本実施形態では、第1導電性樹脂層151が、第1側面樹脂部151sから連続して形成された第1端面樹脂部151eを有する。第1端面樹脂部151eの内縁部N3と下地層14の間には、段差が形成される。つまり、図7Bに示すように、これらの段差に起因して、外部電極13a,13bの端面E1,E2側の表面にも、半田Hの誘導部となり得る段差Deが形成される。この段差Deは、側面S1,S2側の段差Dsに接続される。
これにより、外部電極13a,13bの端面E1,E2側をZ軸方向に濡れ上がった半田Hが、図7Bの矢印に示すように、段差Deを伝ってY軸方向両端部までY軸方向に濡れ広がりやすくなる。さらに、段差DeのY軸方向両端部に到達した半田Hは、連続して段差Dsを伝い、外部電極13a,13bの側面S1,S2側を濡れ広がることができる。このように、上記構成により、半田Hを、外部電極13a,13bの端面E1,E2側から側面S1,S2側に、より円滑に誘導することができ、半田Hの濡れ広がりを促進することができる。したがって、半田Hに起因する応力の集中を、より効果的に抑制することができる。
さらに、第1主面M1側及び第2主面M2側の双方に、第1及び第2導電性樹脂層151,152を設けることで、実装時に、第1主面M1を実装基板110に対向させる態様、及び第2主面M2を実装基板110に対向させる態様の双方を採り得る。これにより、実装時における積層セラミックコンデンサ10の姿勢の自由度を高めることができ、実装時の利便性を高めることができる。
また、図4に示すように、側面下地部14sのX軸方向における寸法d1は、第1側面樹脂部151sのX軸方向における寸法d2よりも小さくてもよい。これにより、下地層14のX軸方向内側の端部14a(図2参照)とセラミック素体11との境界部が、第1導電性樹脂層151によって覆われる。端部14aは、回路基板100が撓み変形した場合などに応力が集中しやすいところ、変形性の比較的高い第1側面樹脂部151sが端部14aを覆うことで、応力を緩和させることができる。したがって、セラミック素体11のクラックの発生をより確実に抑制することができる。
[積層セラミックコンデンサ10の製造方法]
図8は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10の製造方法の一例を示すフローチャートである。図9~10Fは、積層セラミックコンデンサ10の製造過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造方法について、図8に沿って、図9~10Fを適宜参照しながら説明する。
(ステップS01:セラミック素体作製)
ステップS01では、未焼成のセラミック素体11を作製する。未焼成のセラミック素体11は、複数のセラミックシートをZ軸方向に積層して熱圧着することにより得られる。セラミックシートに予め所定のパターンの導電性金属ペーストを印刷しておくことにより、内部電極12a,12bを配置することができる。
セラミックシートは、セラミックスラリーをシート状に成形した未焼成の誘電体グリーンシートである。セラミックシートは、例えば、ロールコーターやドクターブレードなどを用いてシート状に成形される。セラミックスラリーの成分は、所定の組成のセラミック素体11が得られるように調整される。
(ステップS02:焼成)
ステップS02では、ステップS01で得られた未焼成のセラミック素体11を焼成する。これにより、セラミック素体11が焼結し、図9に示すセラミック素体11が得られる。セラミック素体11の焼成は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。セラミック素体11の焼成条件は、適宜決定可能である。
(ステップS03:外部電極形成)
ステップS03では、ステップS02で得られたセラミック素体11に外部電極13a,13bを形成する。これにより、図1~3に示す積層セラミックコンデンサ10が完成する。ステップS03には、ステップS31、ステップS32、ステップS33、及びステップS34の4つの工程が含まれる。
(ステップS31:下地層形成)
ステップS31では、セラミック素体11に、外部電極13a,13bの下地層14を形成する。下地層14は、例えば、導電性金属ペーストを端面E1,E2側に塗布し、焼き付けることで形成される。
塗布方法は特に限定されないが、例えば、導電性金属ペーストにセラミック素体11の端面E1,E2側をX軸方向に浸漬させるディップ法を用いることができる。これにより、端面E1から主面M1,M2及び側面S1,S2に回り込む形状の下地層14を容易に形成することができる。また、この方法では、下地層14(側面下地部14s)のX軸方向における寸法を、セラミック素体11を浸漬させた際のX軸方向における導電性金属ペーストの深さによって調整することができる。
また、ステップS02の前に下地層14の導電性金属ペーストの塗布を行うことで、ステップS02でのセラミック素体11の焼成とステップS31の下地層14の焼き付けとを1回の加熱処理で行うこともできる。
(ステップS32:未硬化樹脂層形成)
ステップS32では、下地層14が形成されたセラミック素体11に、外部電極13a,13bの第1及び第2導電性樹脂層151,152を構成する未硬化樹脂層Lを形成する。未硬化樹脂層Lの形成には、導電性材料を含む未硬化樹脂ペーストPを用いる。
図10A~図10Fは、ステップS32においてセラミック素体11に未硬化樹脂層Lを形成する過程を示している。まず、図10Aに示すように、間隔をあけて2ヶ所に配置した未硬化樹脂ペーストPに、セラミック素体11の第1主面M1を浸漬させる。これにより、セラミック素体11の第1主面M1に未硬化樹脂ペーストPが付着することで、図10Bに示すように、未硬化樹脂層Lの一部としての中間体膜Laが形成される。
このとき、未硬化樹脂ペーストPのY軸方向における長さを、第1主面M1のY軸方向における長さよりも大きくすることで、中間体膜Laを、第1主面M1の第1側面S1側から第2側面S2側まで連続して形成することができる。
そして、同様に、図10Cに示すように、セラミック素体11の第2主面M2を未硬化樹脂ペーストPに浸漬することで、セラミック素体11の第2主面M2にも第2未硬化樹脂層L2の一部としての中間体膜Laが形成される。これにより、セラミック素体11の表面における4ヶ所に中間体膜Laが形成される。
次に、図10Dに示すように、間隔をあけて2ヶ所に配置した未硬化樹脂ペーストPに、下地層14の第1端面E1側の一部を浸漬させる。これにより、下地層14の第1端面E1側に未硬化樹脂ペーストPが付着するとともに、中間体膜Laを構成する未硬化樹脂ペーストPと一体となって、図10Eに示すように、L字状の未硬化樹脂層Lが形成される。
このときも、未硬化樹脂ペーストPのY軸方向における長さを、第1端面E1のY軸方向における長さよりも大きくすることで、未硬化樹脂層Lを、第1端面E1の第1側面S1側から第2側面S2側まで連続して形成することができる。
そして、同様に、図10Fに示すように、セラミック素体11の第2端面E2を未硬化樹脂ペーストPに浸漬することで、第2端面E2側においてもL字状の未硬化樹脂層Lが形成される。これにより、セラミック素体11の表面における4ヶ所に未硬化樹脂層Lが形成される。
(ステップS33:熱硬化処理)
ステップS33では、形成された未硬化樹脂層Lを熱処理によって硬化させる。熱処理の温度は、例えば100~500℃とすることができる。この熱処理は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。これにより、未硬化樹脂層Lが熱硬化して、第1及び第2導電性樹脂層151,152が形成される。
(ステップS34:メッキ層形成)
ステップS34では、セラミック素体11に形成された下地層14及び導電性樹脂層151,152上に湿式メッキ処理によってメッキ層16を形成する。これにより、外部電極13a,13bが完成する。湿式メッキ処理によって均一な厚みのメッキ層16が形成されるため、外部電極13a,13bには上記のような導電性樹脂層151,152の形状に起因する段差Ds,Deが形成される。
(変形例)
上述した製造方法は、本実施形態の積層セラミックコンデンサ10の構成が得られる限りにおいて様々に変更可能である。例えば、外部電極13a,13bの形成方法は、下地層14及び導電性樹脂層151,152を形成可能であれば、上記の手法に限定されない。
図10A~Cで示した中間体膜Laを形成する未硬化樹脂ペーストPは、図10D~Fに示す未硬化樹脂ペーストPよりも、金属粉末の量を低減したものとすることができる。これにより、導電性樹脂層151,152(側面樹脂部151s、152s及び主面樹脂部151m、152m)のX軸方向に延びる部分の金属量を低下させることができる。したがって、耐湿性試験において、導電性樹脂層151,152の金属粉末がセラミック素体11上を拡散して、X軸方向に対向する外部電極13a,13b同士が導通してしまう不良を低減することができる。
<第2実施形態>
第1及び第2外部電極は、上述の第1実施形態で説明した構成に限定されず、例えば下地層の形状を変更することも可能である。
図11~図13は、本発明の第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサ20を示す図である。図11は、積層セラミックコンデンサ20の斜視図である。図12は、積層セラミックコンデンサ20の図11のC-C'線に沿った断面図である。図13は、後述する外部電極23a,23bからメッキ層26を取り除いた態様を示す、Y軸方向から見た側面図である。
上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ20は、第1実施形態と同様のセラミック素体11を備えるが、第1実施形態とは異なる構成の第1及び第2外部電極23a,23bを備える。
具体的には、外部電極23a,23bは、第1実施形態と同様の第1及び第2導電性樹脂層151,152を有するが、第1実施形態とは異なる構成の下地層24をそれぞれ有する。これに伴い、メッキ層26の構成も、第1実施形態のメッキ層16と異なる。
なお、本実施形態の積層セラミックコンデンサ20も、第1実施形態と同様のX軸、Y軸及びZ軸に関する対称性を有する。
下地層24は、第1実施形態と同様に、第1端面E1上に配置された端面下地部24eと、第1及び第2側面S1,S2上にそれぞれ配置された側面下地部24sと、第1及び第2主面M1,M2上にそれぞれ配置された主面下地部24mと、を含む。
一方で、図13に示すように、側面下地部24sのX軸方向における寸法d1は、第1側面樹脂部151sのX軸方向における寸法d2の50%以下でもよく、さらに30%以下でもよく、さらに20%以下でもよい。なお、積層セラミックコンデンサ20のX軸に関する対称性により、下地層24の上記寸法d1は、第2側面樹脂部352sのX軸方向における寸法の50%以下でもよく、さらに30%以下でもよく、さらに20%以下でもよい。
上記構成により、第1及び第2導電性樹脂層151,152よりも撓み強度が低い下地層24のX軸方向における長さを十分に短くすることができる。これにより、下地層24のX軸方向における端部24aを、撓み強度の高い第1及び第2導電性樹脂層151,152によって覆えることに加えて、端部24aを、内部電極12a,12bの対向領域T(図12参照)よりもX軸方向外側(端面E1,E2側)に配置することができる。
対向領域Tは、内部電極12a,12bがセラミック層を挟んでZ軸方向に対向する領域であり、容量形成に寄与する領域である。セラミック素体11のクラックが対向領域Tに達した場合、ショート等の電気的な不具合が発生し、積層セラミックコンデンサ10が故障し得る。上記構成では、下地層24の端部24aとセラミック素体11の境界部からのクラックを抑制できることに加えて、下地層24から内部電極12a,12bの対向領域Tまでクラックが延びることをより確実に抑制できる。したがって、耐湿性の低下及びショート等の不具合をより効果的に抑制することができる。
また、メッキ層16は、下地層24及び導電性樹脂層151,152を覆うように形成される。このため、メッキ層16の輪郭は、下地層24及び導電性樹脂層151,152を合わせた部分の輪郭に沿って形成される。これにより、メッキ層16の側面S1,S2を覆う部分の輪郭は、第1及び第2側面樹脂部151s,152sの形状に沿ったL字状の形状を有する。
図14は、積層セラミックコンデンサ20を用いた回路基板200を示す側面図である。回路基板200では、第1実施形態と同様に、積層セラミックコンデンサ20が半田Hを介して実装基板110の接続電極102に接続される。
上述のように、実装時に溶融された半田Hは、メッキ層26の表面に沿って濡れ上がる。本実施形態では、第1導電性樹脂層151の第1側面樹脂部151s及びそれを覆うメッキ層26がL字状に構成されるため、そのL字状の形状に沿って、側面S1,S2側に到達した半田HがX軸方向中央側に濡れ広がる。これにより、第1導電性樹脂層151のX軸方向中央側の端部近傍まで、半田Hを十分に分散させることができる。したがって、半田Hが凝固した際に、半田Hに起因する応力が分散され、セラミック素体11のクラックが抑制される。
また、側面S1,S2を覆う半田Hも、第1側面樹脂部151sの内縁部N1に沿った略L字状の半田内縁部Hnを有することなる。つまり、半田内縁部Hnは、Z軸方向上方の第1端部Hn1、X軸方向中央側の第2端部Hn2、及びこれらの間のL字状に湾曲した中間部Hn3を含む。
これにより、以下の比較例を用いて示すように、側面S1,S2を覆う半田Hによる応力をより効果的に分散させ、クラックの発生をより確実に抑制することができる。
図15Aは、本実施形態の比較例に係る積層セラミックコンデンサ20'のY軸方向から見た側面図であり、外部電極23'a,23'bからメッキ層を取り除いた態様を示す図である。
外部電極23'a,23'bは、それぞれ、本実施形態と同様の下地層14と、第1及び第2導電性樹脂層151',152'と、を含む。導電性樹脂層151',152'は、第1及び第2側面樹脂部151's,152'sを含むが、この側面樹脂部151's,152'sは、角部111,112とは反対方向に凸状に湾曲する内縁部N'を含む。
図15Bは、積層セラミックコンデンサ20'を用いた回路基板200'を示す側面図である。
図15Bに示すように、側面S1,S2を覆う半田H'は、凸状の内縁部N'に沿った形状の半田内縁部H'nを有する。半田内縁部H'nは、Z軸方向上方の第1端部H'n1、X軸方向中央側の第2端部H'n2、及びこれらの間の中間部H'n3を含む。
半田H'が凝固する際には、半田内縁部H'nと、半田H'の表面及び/又は半田H'と接続電極102との境界部と、の間で応力が発生し得る。半田H'の表面及び半田H'と接続電極102との境界部を、「半田H'の周縁部H'a」とも称する。
半田H'の収縮によって、外部電極23'a,23'bには、半田H'の周縁部H'aに向かう方向の応力(同図の矢印参照)が生じ得る。例えば、半田内縁部H'nの第1端部H'n1には、半田H'の表面に向かうX軸方向に沿った応力が生じる。半田内縁部H'nの第2端部H'n2には、接続電極102に向かうZ軸方向に沿った応力が生じる。半田内縁部H'nの中間部H'n3には、半田H'の表面及び接続電極102に向かう、Z軸方向斜め下方に沿った応力が生じる。
図15Bに示すように、上記比較例の中間部H'n3では、第1及び第2端部H'n1,H'n2と比較して、半田H'の周縁部H'aまでの距離が大きくなり、中間部H'n3と周縁部H'aとの間の半田H'の収縮量が多くなる。これにより、中間部H'n3に応力が集中しやすくなり、この応力に起因してセラミック素体11にクラックが発生し得る。
一方、図14に示すように、本実施形態の回路基板200において、側面S1,S2を覆う半田Hの半田内縁部Hnは、L字状に湾曲している。これにより、中間部Hn3と半田Hの周縁部Haまでの距離が規制され、中間部Hn3と周縁部Haとの間の半田Hの収縮量が抑制される。したがって、同図の矢印に示すように、第1端部Hn1、第2端部Hn2及び中間部Hn3に生じる応力の大きさの差が小さくなり、半田内縁部Hn起点とする応力が効果的に分散される。この結果、セラミック素体11において、半田Hに起因するクラックの発生がより確実に抑制される。
さらに、本実施形態においても、第1側面樹脂部151sの内縁部N1の湾曲部N13が丸みを帯びており、角ばっていない。これにより、角ばった部分に半田Hが過剰に滞留して応力が集中することが抑制され、半田内縁部Hnを起点とする応力をより確実に分散させることができる。
<第3実施形態>
以上の実施形態では、各外部電極が、2つの導電性樹脂層を有する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、以下の第3実施形態で説明するように、各外部電極が、4つの導電性樹脂層を有していてもよい。
図16~図20は、本発明の第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサ30を示す図である。図16は、積層セラミックコンデンサ30の斜視図である。図17は、積層セラミックコンデンサ30の図16のD-D'線に沿った断面図である。図18は、積層セラミックコンデンサ30の図16のE-E'線に沿った断面図である。図19Aは、外部電極33a,33bからメッキ層36を取り除いた態様を示す、Y軸方向(第1側面S1側)から見た側面図である。図19Bは、図19Aと同様の態様を示す、Y軸方向(第2側面S2側)から見た側面図である。図20は、後述する外部電極33a,33bからメッキ層36を取り除いた態様を示す、X軸方向から見た側面図である。
以下において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
また、本実施形態の積層セラミックコンデンサ30も、第1実施形態と同様のX軸、Y軸及びZ軸に関する対称性を有する。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ30は、第1実施形態と同様のセラミック素体11を備えるが、第1実施形態とは異なる構成の第1及び第2外部電極33a,33bを備える。
具体的には、外部電極33a,33bは、第1実施形態と同様の構成の下地層14と、第1実施形態とは異なる構成の導電性樹脂層と、これらを覆うメッキ層36と、をそれぞれ有する。外部電極33a,33bは、第1及び第2導電性樹脂層351,352に加え、第3導電性樹脂層353と、第4導電性樹脂層354と、を有する。つまり、外部電極33a,33bは、それぞれ、4つの角部111~114を覆う4つの導電性樹脂層351,352,353,354を有する。
第1~第4導電性樹脂層351~354は、下地層14の少なくとも一部を覆う。
本実施形態において、第1導電性樹脂層351は、第1角部111を覆い、第1角部111からX軸、Y軸及びZ軸方向に沿って延びるように形成される。
第2導電性樹脂層352は、第2角部112を覆い、第2角部112からX軸、Y軸及びZ軸方向に沿って延びるように形成される。第2導電性樹脂層352は、第1導電性樹脂層351からZ軸方向に離間している。
第3導電性樹脂層353は、第3角部113を覆い、第3角部113からX軸、Y軸及びZ軸方向に沿って延びるように形成される。第3導電性樹脂層353は、第1導電性樹脂層351からY軸方向に離間している。
第4導電性樹脂層353は、第4角部114を覆い、第4角部114からX軸、Y軸及びZ軸方向に沿って延びるように形成される。第4導電性樹脂層354は、第3導電性樹脂層353からZ軸方向に離間しており、第2導電性樹脂層352からY軸方向に離間している。
なお、以下の説明では、第1外部電極33aの構成について主に説明するが、積層セラミックコンデンサ30の対称性に基づき、第2外部電極33bも同様に構成される。
図19Aに示すように、第1導電性樹脂層351の第1側面樹脂部351sは、第1側面S1において第1角部111を覆って配置され、かつ第1角部111からZ軸方向及びX軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。つまり、第1側面樹脂部351sは、第1実施形態の第1側面樹脂部151sと同様に構成される。
一方、図20に示すように、第1導電性樹脂層351の第1端面樹脂部351eも、第1端面E1において第1角部111を覆って配置され、かつ第1角部111からZ軸方向及びY軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。第1端面樹脂部351eは、第2側面S2まで達していない。
なお、第1導電性樹脂層351の第1主面樹脂部351mでは、X軸方向における寸法が第1側面樹脂部351sとほぼ同一であり、Y軸方向における寸法が第1端面樹脂部351eとほぼ同一である。つまり、第1主面樹脂部351mは、略長方形状の平面形状を有する。
第2導電性樹脂層352は、第1導電性樹脂層351とZ軸方向に関して対称的な構成を有する。すなわち、図19Aに示すように、第2側面樹脂部352sは、第1側面S1において第2角部112を覆って配置され、かつ第2角部112からZ軸方向及びX軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。図20に示すように、第2端面樹脂部352eも、第1端面E1において第2角部112を覆って配置され、かつ第2角部112からZ軸方向及びY軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。第2主面樹脂部352mは、第1主面樹脂部351mと同様に、略長方形状の平面形状を有する。
第3導電性樹脂層353は、第1導電性樹脂層351とY軸方向に関して対称的な構成を有する。すなわち、図19Bに示すように、第3導電性樹脂層353の第3側面樹脂部353sは、第2側面S2において第3角部113を覆って配置され、かつ第3角部113からZ軸方向及びX軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。図20に示すように、第3導電性樹脂層353の第3端面樹脂部353eは、第1端面E1において第3角部113を覆って配置され、かつ第3角部113からZ軸方向及びY軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。第3導電性樹脂層353の第3主面樹脂部353mは、第1主面樹脂部351mと同様に、略長方形状の平面形状を有する。
第4導電性樹脂層354は、第3導電性樹脂層353とZ軸方向に関して対称的な構成を有する。すなわち、図19Bに示すように、第4導電性樹脂層354の第4側面樹脂部354sは、第2側面S2において第4角部114を覆って配置され、かつ第4角部114からZ軸方向及びX軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。図20に示すように、第4導電性樹脂層354の第4端面樹脂部354eは、第1端面E1において第4角部114を覆って配置され、かつ第4角部114からZ軸方向及びY軸方向に延びる、L字状の平面形状を有する。第4導電性樹脂層354の第4主面樹脂部354mは、第1主面樹脂部351mと同様に、略長方形状の平面形状を有する。
本実施形態の第1~第4導電性樹脂層351~354は、第1実施形態の第1及び第2導電性樹脂層351,352と同様に、未硬化樹脂ペーストPを塗布して硬化させることで形成される。
例えば、ステップS32の図10A~Cにおいて、未硬化樹脂ペーストPを、Y軸方向手前側の一対に加えて、Y軸方向奥側にも一対配置し、計4箇所配置する。各未硬化樹脂ペーストPのY軸方向における配置は、第1~第4主面樹脂部351m~354mのY軸方向における長さを考慮して調整される。これにより、図10A~Cで説明した手法を用いて、第1主面M1側及び第2主面M2側の計8箇所に中間体膜Laが形成される。
また、図10D~Fにおいても、未硬化樹脂ペーストPをY軸方向手前側の一対に加えて、Y軸方向奥側にも一対配置し、計4箇所配置する。未硬化樹脂ペーストPのY軸方向における配置は、第1~第4端面樹脂部351e~354eのY軸方向における短い部分の長さを考慮して調整される。これにより、図10D~Fで説明した手法を用いて、第1端面E1側及び第2端面E2側の計8箇所にL字状の未硬化樹脂層Lが形成される。
この未硬化樹脂層LをステップS33と同様に硬化させることで、第1~第4導電性樹脂層351~354が形成される。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ30も、図6Bに示す回路基板100と同様に、半田Hを介して実装基板110に実装される。
上記構成の積層セラミックコンデンサ30では、外部電極33a,33bが、それぞれ第1~第4導電性樹脂層351~354を有し、各導電性樹脂層351~354が、L字状の平面形状を有する側面樹脂部351s~354s及びL字状の平面形状を有する端面樹脂部351e~354eを含む。これにより、半田Hを介して実装基板110に実装される際、溶融した半田Hが、端面樹脂部351e~354e及び側面樹脂部351s~354sのL字状の内縁部に沿って濡れ広がる。
特に、本実施形態では、端面樹脂部351e~354eもL字状に形成されることから、端面E1,E2における半田Hの誘導部の長さを長くすることができる。これにより、半田Hの量が多い場合でも、半田Hの端面E1,E2側における偏在をより確実に抑制することができ、セラミック素体11のクラックをより確実に抑制することができる。
さらに、上記構成の積層セラミックコンデンサ30では、一般的な金属材料よりも抵抗値が高くなりやすい導電性樹脂を用いているにも関わらず、以下に説明するように、ESRの上昇を抑制することができる。
図21は、図20に示す第1端面E1側から見た第1外部電極33aと、第1端面E1に露出する内部電極12aのX軸方向における端部12eとの位置関係を示す、X軸方向から見た模式的な側面図である。
同図に示すように、第1端面E1は、内部電極12a,12bの端部12eが露出する引出領域Rを含む。引出領域Rは、各端面E1,E2から露出する全ての端部12eの外縁を囲った領域とし、端部12e間にセラミック層を含むものとする。
なお、積層セラミックコンデンサ30のX軸に関する対称性により、第2端面E2側においても同様に、内部電極12bのX軸方向における端部12eが露出する引出領域Rを含むものとする。
本実施形態では、X軸方向から見た平面視において、第1端面樹脂部351eと引出領域Rとの重なりが非常に小さくなる。特に、図21に示すように、当該平面視において、第1端面樹脂部351eが引出領域Rと重なっていないことが好ましい。同様に、X軸方向から見た平面視において、第2~第4端面樹脂部352e~354eと引出領域Rとの重なりが非常に小さく、第2~第4端面樹脂部352e~354eが引出領域Rと重なっていないことが好ましい。具体的に、X軸方向から見た平面視における第1端面樹脂部351eと引出領域Rの重なり部の面積は、当該平面視における第1端面樹脂部351eの面積の10%以下であることが好ましい。
これにより、半田Hによる実装後において、実装基板110と内部電極12a,12bとの間に、導電性樹脂層351~354を通らない電流の経路を広く設けることができる。したがって、電流が導電性樹脂層351~354を通ることによるESRの上昇を抑制することができる。
[変形例1]
図22に示すように、本実施形態の下地層14を、第2実施形態と同様の下地層24に変更してもよい。
図22及び23は、本実施形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサ40を示す図である。図22は、積層セラミックコンデンサ40の斜視図である。図23は、外部電極43a,43bからメッキ層を取り除いた態様を示す、Y軸方向から見た側面図である。
本変形例の外部電極43a,43bは、第2実施形態と同様の下地層24と、第3実施形態と同様の第1~第4導電性樹脂層351~354と、これらを覆うメッキ層(図示せず)と、を有する。
図23に示すように、本変形例においても、下地層24の側面下地部24sのX軸方向における寸法d1は、第1側面樹脂部351sのX軸方向における寸法d2の50%以下でもよく、さらに30%以下でもよく、さらに20%以下でもよい。なお、積層セラミックコンデンサ40のX軸に関する対称性により、下地層24の上記寸法d1は、第2~第4側面樹脂部352s~354sのX軸方向における寸法の50%以下でもよく、さらに30%以下でもよく、さらに20%以下でもよい。
これにより、第3実施形態で説明した、半田Hの偏在の抑制とESRの上昇の抑制の作用効果に加えて、第2実施形態で説明した、内部電極12a,12bの対向領域Tまでクラックが延びることの抑制効果と、L字状の半田Hによる応力の分散効果と、が発揮される。したがって、積層セラミックコンデンサ40の信頼性をより一層高めることができる。
[変形例2]
内部電極12a,12bは、Y軸方向に沿って交互に積層されていてもよい。これによっても、上述の作用効果を得ることができる。
図24は、第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサ30の内部電極12a,12bの積層方向をY軸方向に変更した場合の、外部電極33a,33bからメッキ層36を取り除いた態様を示す、X軸方向から見た側面図である。同図では、説明のため、第1端面E1からは露出しない第2内部電極12bの配置についても、細い破線で示している。
同図に示すように、この構成においても、第1~4端面樹脂部351e~354eと引出領域Rとの重なりを非常に小さく、又は無くすことで、上述のESRの上昇を抑制する効果を得ることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、第1実施形態において、外部電極13a,13bは、少なくとも第1導電性樹脂層151を有していればよく、第2主面M2側の第2導電性樹脂層152を有していなくてもよい。
また、第3実施形態では、第1~第4端面樹脂部351e~354eがL字状に構成される例を示したが、第1~第4端面樹脂部351e~354eはこの構成に限定されず、例えば略長方形状でもよい。
あるいは、第3実施形態において、さらに第1~第4主面樹脂部351m~354mが、第1~第4角部111~114を覆うL字状に構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサは、2端子型に限定されず、3端子型に構成することもできる。
更に、本発明は、積層セラミックコンデンサのみならず、外部電極を有する積層セラミック電子部品全般に適用可能である。本発明を適用可能な積層セラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサ以外に、例えば、チップバリスタ、チップサーミスタ、積層インダクタなどが挙げられる。
10,20,30,40…積層セラミックコンデンサ(積層セラミック電子部品)
11…セラミック素体
111…第1角部、112…第2角部、113…第3角部、114…第4角部
12a,12b…内部電極
13a,13b,23a,23b,33a,33b,43a,43b…外部電極
14,24…下地層
151,351…第1導電性樹脂層
152,352…第2導電性樹脂層
353…第3導電性樹脂層
354…第4導電性樹脂層
151s,351s…第1側面樹脂部
152s,352s…第2側面樹脂部
353s…第3側面樹脂部
354s…第4側面樹脂部
151e,351e…第1端面樹脂部
152e,352e…第2端面樹脂部
353e…第3端面樹脂部
354e…第4端面樹脂部
16,26,36…メッキ層
100,200…回路基板
110…実装基板
102…接続電極

Claims (8)

  1. 第1軸に垂直な第1及び第2主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な第1及び第2側面と、前記第1主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第1角部と、前記第2主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第2角部と、前記第1主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第3角部と、前記第2主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第4角部と、前記第1軸方向又は前記第3軸方向に積層された複数の内部電極と、を有する、略直方体状のセラミック素体と、
    前記端面を覆う下地層と、
    前記第1側面において前記第1角部を覆って配置され、かつ前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第1側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う第1導電性樹脂層と、をそれぞれ有する一対の外部電極と、
    を具備する積層セラミック電子部品。
  2. 請求項1に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記一対の外部電極は、それぞれ、
    前記第1側面において前記第2角部を覆って配置され、かつ前記第2角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第2側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う第2導電性樹脂層を有し、
    前記第2導電性樹脂層は、前記第1導電性樹脂層から前記第1軸方向に離間している
    積層セラミック電子部品。
  3. 請求項1又は2に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記第1導電性樹脂層は、
    前記端面において前記第1角部を覆って配置され、かつ、前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第3軸方向に延びるL字状の第1端面樹脂部を含む
    積層セラミック電子部品。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記一対の外部電極は、それぞれ、
    前記第2側面において前記第3角部を覆って配置され、かつ前記第3角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第3側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う第3導電性樹脂層をさらに有し、
    前記第3導電性樹脂層は、前記第1導電性樹脂層から前記第3軸方向に離間している
    積層セラミック電子部品。
  5. 請求項4に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記第1導電性樹脂層は、
    前記端面において前記第1角部を覆って配置され、かつ、前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第3軸方向に延びるL字状の第1端面樹脂部を含み、
    前記第3導電性樹脂層は、
    前記端面において前記第3角部を覆って配置され、かつ、前記第3角部から前記第1軸方向及び前記第3軸方向に延びるL字状の第3端面樹脂部を含み、
    前記第3端面樹脂部は、前記第1端面樹脂部から前記第3軸方向に離間している
    積層セラミック電子部品。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記下地層は、
    前記第1側面上に配置された側面下地部をさらに有し、
    前記側面下地部の前記第2軸方向における寸法は、前記第1側面樹脂部の前記第2軸方向における寸法の50%以下である
    積層セラミック電子部品。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記一対の外部電極は、それぞれ、
    前記下地層及び前記第1導電性樹脂層を覆うメッキ層をさらに有する
    積層セラミック電子部品。
  8. 積層セラミック電子部品と、接続電極を有する実装基板と、を具備し、
    前記積層セラミック電子部品は、
    第1軸に垂直な第1及び第2主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な第1及び第2側面と、前記第1主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第1角部と、前記第2主面、前記第1側面及び前記端面を接続する第2角部と、前記第1主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第3角部と、前記第2主面、前記第2側面及び前記端面を接続する第4角部と、前記第1軸方向又は前記第3軸方向に積層された複数の内部電極と、を有する、略直方体状のセラミック素体と、
    前記端面を覆う下地層と、
    前記第1側面において前記第1角部を覆って配置され、かつ前記第1角部から前記第1軸方向及び前記第2軸方向に延びるL字状の第1側面樹脂部を含み、前記下地層の少なくとも一部を覆う第1導電性樹脂層と、をそれぞれ有する一対の外部電極と、
    を有する
    回路基板。
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