JP2023035847A - 着脱自在な中敷き - Google Patents
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Abstract
Description
靴を長時間使用すると、着用者の足の汗などのために、インソールが次第に汚れてくる。この汚れはクリーナーで拭いても落ち難いものであるが、インソールが接着剤などにより靴に固定されていること、および靴を着用している状態では外から見えないので、インソールが汚れてもそのままにしていることがほとんどである。
また、実用新案登録第3069827号公報(特許文献3)には、上層、中層、底層の3つの層を備えた靴の中敷きにおいて、前記上層には内部にトルマリン鉱石の微粒子を封入した合成高分子繊維の不織布で形成され、前記中層は内部にトルマリン鉱石の微粒子と活性炭の微粒子と通電性素材とを封入した天然高分子繊維の不織布で形成され、前記底層はクッション材で形成された構成である靴の中敷きが提案されている。この靴の中敷きは、上層の厚さが1mm以下で、中層の厚さが1~2mmで、底層の厚さは3mm程度であり、これら3つの層を縫い合わせて一体としており、洗濯が可能である。
特許文献3の中敷きも開示されているように、少なくとも5mm程度の厚みを有するものとなる。
特許文献2および特許文献3に開示されている中敷きは、靴に固定の既存のインソールに替えて、使用するものである。すなわち、特許文献2および特許文献3に開示されている中敷きは、厚さが厚いので、手持ちの靴に固定されているインソール上に装着すると、靴の内部が狭くなり、窮屈で、靴を履くことができなくなる。そのため、特許文献2および特許文献3に開示されている中敷きを使用する場合は、市販されている靴から靴固定のインソールを除去して、開示されている中敷きに敷き換えて使用することになる。
すなわち、本発明の目的は、靴に固定のインソール上に着脱自在に装着でき、靴の履き心地を向上させ、洗濯可能とすることにより清潔性を維持できる着脱自在の中敷きを提供することである。
更に、本発明は、歩行時に靴の中で足裏が移動しないように、長さ方向にも幅方向にも足裏が滑り難いような中敷きを提供することである。
前記表編み目により形成される凸部が市松状またはヘリンボーン柄状に配置されていることが好ましい。
また、編地の素材が吸水性を有する繊維を有していることが好ましい。
また、本発明の中敷きは靴に対して着脱自在であるので、本発明の中敷きを取り外して、洗濯することにより、清潔を保つことができる。しかも編地と熱可塑性エラストマーは融着により一体化されているので、中敷きの周縁部を縫製しなくとも、編地がほつれたりすることがない。従って、ほつれの心配なく、繰り返し洗濯することができる。
本発明の着脱自在な中敷きにおいては、同一コース上および同一ウェール上に表編み目と裏編み目が必ず存在するシングルニット組織の編地であり、1目または2目以上の連続する表編み目が凸部を形成し、1目または2目以上の連続する裏編み目が凹部を形成し、1コースにつき2.54cm当たり少なくとも2つの凸部が形成されている編地を用いているので、編地の縦方向(すなわち、中敷きの長さ方向)にも、横方向(すなわち、中敷きの幅方向)にも滑り難い。
特に、同一コース上および同一ウェール上において、連続する表編み目および裏編み目の数はそれぞれ8目以下であり、表編み目により形成される凸部が市松状またはヘリンボーン柄状のように細かく凹凸部が配置されていると、編地が一方向に縮んだりすることがなく、編地の伸縮が抑制されるとともに、凹凸部によりクッション性もよくなり、着用者の足裏との接触も軽減し、べとつき感が生じ難い。
さらに、熱可塑性エラストマーは靴固定のインソールに対して摩擦力が強く、靴着用者の歩行時や靴の着脱時に、本発明の中敷きが足の動きに追従して移動することがない。
本発明に係る中敷きは、平面的には図1に示すように通常のインソールの形状であるが、靴固定の既存のインソールを取り外すことなく、既存のインソール上に着脱自在に装着することが可能である。
本発明の中敷きにおける編地1の編組織を詳細に説明する。同一コース上および同一ウェール上において、連続する表編み目および裏編み目の数がそれぞれ8目以下であることが好ましい。
滑り難さの観点から凸部が市松状またはヘリンボーン柄状に配置されていることが好ましい。
図5~図7は市松状に表編み目と裏編み目が配置されたものを表し、白い升目は表編み目で、黒い升目は裏編み目を示す。
図5に示した編組織においては、コース方向に表編み目と裏編み目が1つずつ交互に配置され、ウェール方向にも表編み目と裏編み目が1つずつ交互に配置されて、表編み目からなる凸部が市松状に配置されている。
図6に示した編組織においては、コース方向に表編み目が2目連続し、裏編み目も2目連続し、連続した2目の表編み目と連続した2目の裏編み目が交互に配置されている。ウェール方向にも同様に連続した2目の表編み目と連続した2目の裏編み目が交互に配置されている。コース方向およびウェール方向に2目ずつ連続した4つの表編み目により凸部が形成され、市松状に配置されている。
図7に示した編組織においては、コース方向に表編み目が4目連続し、裏編み目も4目連続し、連続した4目の表編み目と連続した4目の裏編み目が交互に配置されている。ウェール方向にも同様に連続した4目の表編み目と連続した4目の裏編み目が交互に配置されている。コース方向およびウェール方向に4目ずつ連続して四角に配置された16個の表編み目により凸部が形成され、凸部が市松状に配置されている。
図8および図9はヘリンボーン柄に表編み目と裏編み目が配置された編組織を示した。
図8に示したものは、ウェール方向に2目連続した表編み目がコース毎にずれてジグザグに配置されて、ヘリンボーン柄を描いている。
図9に示したものは、ウェール方向に3目連続した表編み目がコース毎にずれてジグザグに配置されて、ヘリンボーン柄を描いている。
また、本発明の中敷きにおける編地は表編み目と裏編み目により凸部と凹部が形成され、特に頭部が市松状またはヘリンボーン状に配置されているとクッション性も高い。
また、着用者の足裏に接する編地1の素材としてはウーリーナイロンのような柔らかい素材が好ましい。
更に、編地が吸水性を有する繊維を有していることも好ましい。例えば、編み糸として天然繊維からなる糸、綿繊維を混紡した糸などを使用することが好ましい。編地1に吸水性の繊維が含まれていると、足裏の汗を吸い取ることができるので、本発明の中敷きは靴着用時のべたつき感を軽減することができる。
例えば、編糸として表糸に綿糸、裏糸にウーリーナイロン糸を使用して、プレーティング編みとしてもよい。糸使いは例えば30番手の綿糸(1~3本)、70~100デニールのウーリーナイロン(2本)などである。
また、編地1を樹脂層2に融着する前に、編地1に抗菌加工や防臭加工を施しておくことも好ましい。
本発明の中敷きを装着した場合、靴を履いている状態では足裏は編地1に接しているが、樹脂層2は靴固定の既存のインソールに密着しており、歩行時にも滑り移動することが無い。また、靴を脱ぐ際にも、編地1が足裏に付着したままとならず、樹脂層2が靴固定の既存のインソールに密着しているので、本発明の着脱自在の中敷きが靴固定のインソールに対して、はがれて、靴から脱出したりしない。
樹脂層2の熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーであることが好ましい。特に、スチレン系熱可塑性エラストマーは柔らかく、ゴムに近い性質を有しており、着用感を良好とし、靴固定のインソールとの摩擦力が高い。
更に、本発明の中敷きは編地1と樹脂層2とが一体化したシートを足型に合わせて裁断して制作するが、編地1に樹脂層2が全面的に融着しているので、裁断しても、編地1がほつれてくることがない。融着された樹脂層2により編地1の糸が固定されているので、洗濯をしても、編地1がほつれてこない。
また、本発明の中敷きは薄くて、柔軟性があるので、靴固定のインソールの凹凸の効果を損なうことがない。
2 樹脂層
Claims (8)
- 靴固定のインソール上に着脱自在に装着される中敷きであって、該着脱自在の中敷きは編地と該編地に融着された樹脂層から構成され、該樹脂層がシート状の熱可塑性エラストマーからなり、前記編地は同一コース上および同一ウェール上に表編み目と裏編み目が必ず存在するシングルニット組織の編地であり、1目または2目以上の連続する表編み目が凸部を形成し、1目または2目以上の連続する裏編み目が凹部を形成し、1コースにつき2.54cm当たり少なくとも2つの凸部が形成されていることを特徴とする着脱自在な中敷き。
- 同一コース上および同一ウェール上において、連続する表編み目および裏編み目の数がそれぞれ8目以下であることを特徴とする請求項1に記載の着脱自在な中敷き。
- 前記表編み目により形成される凸部が市松状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の着脱自在な中敷き。
- 前記表編み目により形成される凸部がヘリンボーン柄状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の着脱自在な中敷き。
- 前記熱可塑性エラストマーがメッシュ状シートであることを特徴とする請求項2に記載の着脱自在な中敷き。
- 前記熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の着脱自在な中敷き。
- 前記編地の素材が吸水性を有する繊維を有していることを特徴とする請求項1に記載の着脱自在な中敷き。
- 前記着脱自在な靴用中敷きの厚みが2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の着脱自在な中敷き。
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