JP2020081693A - 中敷き - Google Patents

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Kiju Hitosugi
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【課題】靴内での足の滑りを防止することにより、楽な歩行を可能にすると共に、歩行時の安定感を高めることを可能にした中敷きを提供する。【解決手段】靴の中底に装填される中敷きにおいて、単繊維径が10nm〜1500nmであるポリエステルフィラメント糸を含む布帛からなる表面層1を備える。超極細のフィラメントに基づいて形成される微細な凹凸により表面層の摩擦力を増大し、靴内での足の滑りを効果的に防止することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、靴の中底に装填される中敷きに関し、更に詳しくは、靴内での足の滑りを防止することにより、楽な歩行を可能にすると共に、歩行時の安定感を高めること可能にした中敷きに関する。
靴の中底に装填される中敷きには、衝撃吸収、抗菌、防臭等の機能が求めれているが、それと同時に靴内での足の滑りを防止することが求められている。つまり、歩行時に中敷きの表面層と足裏との間に滑りを生じると、歩行が困難になり、しかも歩行時の安定性が悪くなるという欠点がある。また、このような靴内での足の滑りは外反母趾の原因にもなり得る。
これに対して、中敷きの表面層に凹凸溝を形成したり(例えば、特許文献1参照)、中敷きの表面層にゴムや樹脂からなる多数のドットを付着させたりすることで、グリップ性能を改善することが提案されている。しかしながら、凹凸溝やドットが付与された中敷きでは靴内での足の滑りを必ずしも効果的に防止することができないのが現状である。
特開2006−81886号公報
本発明の目的は、靴内での足の滑りを防止することにより、楽な歩行を可能にすると共に、歩行時の安定感を高めることを可能にした中敷きを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の中敷きは、靴の中底に装填される中敷きにおいて、単繊維径が10nm〜1500nmであるポリエステルフィラメント糸を含む布帛からなる表面層を備えることを特徴とするものである。
本発明では、靴の中底に装填される中敷きにおいて、単繊維径が10nm〜1500nmであるポリエステルフィラメント糸を含む布帛からなる表面層を設けることにより、超極細のフィラメントに基づいて形成される微細な凹凸により表面層の摩擦力を増大し、靴内での足の滑りを効果的に防止することができる。このように靴内での足の滑りを防止することにより、楽な歩行を可能にすると共に、歩行時の安定感を高めることができる。また、靴内での足の滑りを防止することは外反母趾の抑制にも寄与する。
本発明において、ポリエステルフィラメント糸のフィラメント数は500本以上であることが好ましい。ポリエステルフィラメント糸のフィラメント数を上記の如く規定することにより、良好な滑り止め効果を発揮することができる。
また、ポリエステルフィラメント糸を含む布帛は編物組織を有することが好ましく、特に、ポリエステルフィラメント糸を含む布帛がトリコット編物であり、その布帛の表面及び裏面にポリエステルフィラメント糸が露出していることが好ましい。ポリエステルフィラメント糸を含む布帛が編物組織を有することにより、良好な滑り止め効果を発揮することができる。
本発明の中敷きは、上述した表面層に加えて、表面層に対応する形状を有する裏面層と、前記表面層と前記裏面層との間に配置された緩衝層を備えることが好ましい。このように表面層と裏面層との間に緩衝層を挿入することにより、表面層と足裏との密着性を高めて滑り止め効果を更に高めることができる。
本発明の実施形態からなる中敷きを示す平面図である。 図1の中敷きを一部切り欠いて示す平面図である。 図1のIII−III矢視断面図である。 実施例1で用いた編組織図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3は本発明の実施形態からなる中敷きを示すものである。
図1〜図3に示すように、本実施形態の中敷きは、靴の中底に装填される中敷きであって、足裏に対応する形状を有する表面層1と、表面層1と同じ形状を有する裏面層2と、表面層1と裏面層2との間に配置された緩衝層3,4を備えている。表面層1は、単繊維径が10nm〜1500nmであるポリエステルフィラメント糸Aを含む布帛から構成されている。裏面層2の構成材料は特に限定されるものではないが、滑りを生じ難い材料を用いることが好ましい。
緩衝層3は例えばポリウレタンフォームから構成され、足裏の全域に配置されている。一方、緩衝層4は例えば低反発性のポリウレタンフォームから構成され、土踏まずに対応する領域に局所的に配置されている。緩衝層3,4は同じ材料から構成されていても良く、一体的に構成されていても良い。緩衝層3,4の構成材料は特に限定されるものではなく、例えばゴムシートを使用することも可能である。また、足裏の全域に配置される緩衝層3の厚さは0.2mm〜5.0mmであると良い。緩衝層3は歩行時における足への衝撃を緩和するだけでなく、表面層1と足裏との密着性を高めて滑り止め効果を改善する機能を有する。
上述した表面層1、裏面層2及び緩衝層3,4は一体的に積層された状態で表面層1の周縁部に沿う縫合糸5と緩衝層4の周縁部に沿う縫合糸6により縫合されている。また、必要に応じて、表面層1、裏面層2及び緩衝層3,4は接着剤により互いに接着されていても良い。
このように構成される中敷きでは、単繊維径が10nm〜1500nmであるポリエステルフィラメント糸Aを含む布帛からなる表面層1を備えているので、超極細のフィラメントに基づいて形成される微細な凹凸により表面層1の摩擦力を増大し、靴内での足の滑りを効果的に防止することができる。そのため、歩行が楽になると共に、歩行時の安定感が改善される。また、外反母趾の抑制も可能である。
ここで、ポリエステルフィラメント糸Aにおいて、その単繊維径(単繊維の直径)が10〜1500nm(好ましくは100〜800nm、特に好ましくは510〜800nm)の範囲内であることが肝要である。かかる単繊維径を単繊維繊度に換算すると、例えば1000nmは0.01dtexに相当する。該単繊維径が10nmよりも小さい場合は繊維強度が低下するため実用上好ましくない。逆に、該単繊維径が1500nmよりも大きい場合は、十分なグリップ力が得られない恐れがある。ここで、単繊維の横断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には、外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
ポリエステルフィラメント糸Aにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、高いグリップ力を得る上で500本以上(より好ましくは2000〜20000本)であることが好ましい。また、フィラメント糸Aの総繊度(単繊維繊度とフィラメント数との積)としては、5〜300dtexの範囲内であることが好ましい。
ポリエステルフィラメント糸Aの繊維形態は特に限定されないが、長繊維(マルチフィラメント糸)であることが好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状でよい。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていても差し支えない。
ポリエステルフィラメント糸Aを形成するポリマーの種類としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであっても良い。更には、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでも良い。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていても良い。
本発明において布帛がポリエステルフィラメント糸Aのみで構成されていても良いが、布帛に他の繊維が含まれていても良い。例えば、布帛に更に単繊維繊度が2dtex以上のポリエステルフィラメント糸Bが含まれると布帛の剛性が向上し好ましい。
ポリエステルフィラメント糸Bにおいて、フィラメント数は特に限定されないが、1〜300本の範囲内であることが好ましい。また、かかるポリエステルフィラメント糸Bの繊維形態は特に限定されず紡績糸でも良いが、長繊維(マルチフィラメント糸)が好ましい。単繊維の断面形状も特に限定されず、丸、三角、扁平、中空など公知の断面形状で良い。また、通常の空気加工、仮撚捲縮加工が施されていても差し支えない。
ポリエステルフィラメント糸Bを形成するポリマーの種類としては、ポリエステルフィラメント糸Aと同様でよい。すなわち、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであっても良い。更には、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでも良い。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていても良い。
中敷きの表面層1を構成する布帛は、例えば以下の製造方法により製造することができる。先ず、海成分と、ポリエステルからなりその径が10〜1500nmである島成分とで形成される海島型複合繊維(ポリエステルフィラメント糸A用繊維)を用意する。かかる海島型複合繊維としては、特開2007−2364号公報に開示された海島型複合繊維(島数100〜1500)が好ましく用いられる。
即ち、海成分ポリマーとしては、繊維形成性の良好なポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンなどが好ましい。例えば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングルコール系化合物共重合ポリエステル、ポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホン酸イソフタル酸の共重合ポリエステルが好適である。中でも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングルコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。
一方、島成分ポリマーは、繊維形成性のポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどのポリエステルが好ましい。該ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
上記の海成分ポリマーと島成分ポリマーからなる海島型複合繊維は、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。また、島成分の径は、10〜1500nmの範囲とする必要がある。その際、島成分の形状が真円でない場合は外接円の直径を求める。前記の海島型複合繊維において、その海島複合重量比率(海:島)は、40:60〜5:95の範囲が好ましく、特に30:70〜10:90の範囲が好ましい。
かかる海島型複合繊維は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。即ち、前述の海成分ポリマーと島成分ポリマーとを用いて溶融紡糸する。溶融紡糸に用いられる紡糸口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。吐出された海島型断面複合繊維は、冷却風によって固化され、好ましくは400〜6000m/分で溶融紡糸された後に巻き取られる。得られた未延伸糸は、別途延伸工程を通して所望の強度・伸度・熱収縮特性を有する複合繊維とするか、或いは、一旦巻き取ることなく一定速度でローラーに引き取り、引き続いて延伸工程を通した後に巻き取る方法のいずれでも構わない。かかる海島型複合繊維において、単繊維繊度、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれ単繊維繊度0.5〜10.0dtex、フィラメント数5〜75本、総繊度30〜170dtexの範囲内であることが好ましい。また、かかる海島型複合繊維の沸水収縮率としては5〜30%の範囲内であることが好ましい。
一方、必要に応じて単繊維径が1μmより大のポリエステルフィラメント糸Bを用意する。かかるポリエステルフィラメント糸Bにおいて、フィラメント数、総繊度としてはそれぞれフィラメント数1〜300本、総繊度10〜800dtexの範囲内であることが好ましい。また、単繊維繊度が2dtex以上であることが好ましい。また、ポリエステルフィラメント糸Bとしては、沸水収縮率10%以上(より好ましくは20〜40%)の範囲内の高収縮ポリエステルか、弾性糸(ポリウレタン弾性糸またはポリエーテルエステル弾性糸)であることが好ましい。なお、前記のような高い沸水収縮率を得るには、共重合ポリエステルを用いて常法により紡糸、延伸すると良い。その際、共重合ポリエステルとしては、共重合ポリエステルの主構成モノマーがテレフタル酸およびエチレングリコールであり、この主構成モノマーに共重合する第三成分が、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、およびビスフェノールスルフォンからなる群より選択されるいずれかであることが好ましい。特に、前記の共重合ポリエステルが、酸成分がモル比(テレフタル酸/イソフタル酸)90/5〜85/15のテレフタル酸およびイソフタル酸からなり、グリコール成分がエチレングリコールからなる共重合ポリエステルであることが好ましい。このような共重合ポリエステルを用いることにより高い沸水収縮率が得られる。
次いで、海島型複合繊維(ポリエステルフィラメント糸A用繊維)とポリエステルフィラメント糸Bとを用いて、海島型複合繊維が生地の表面および/または裏面に露出するよう織編物を常法により織編成する。その際、海島型複合繊維とポリエステルフィラメント糸Bとが混繊糸として織編物中に含まれていても良いが、海島型複合繊維とポリエステルフィラメントBとを交編または交織することにより編物または織物を織編成することが好ましい。
ここで、織物組織および編物組織は特に限定されず、よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等などが例示され、織物組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示されるがこれらに限定されない。層数も単層でも良いし、2層以上の多層でも良い。中でも布帛が編物(特に、トリコット編物であり、布帛の表面及び裏面にポリエステルフィラメント糸が露出しているもの)であると、良好なグリップ力を呈する。
次いで、該織編物(生地)にアルカリ水溶液処理を施し、海島型複合繊維の海成分をアルカリ水溶液で溶解除去することにより、海島型複合繊維を単繊維径が10〜1500nmのポリエステルフィラメント糸Aとすることにより、中敷きの表面層を構成する布帛が得られる。その際、アルカリ水溶液処理の条件としては、濃度3〜4%のNaOH水溶液を使用し55〜65℃の温度で処理すると良い。
また、アルカリ水溶液による溶解除去の前および/または後に生地に染色加工を施しても良い。カレンダー加工(加熱加圧加工)やエンボス加工やプリント加工を施しても良い。さらに、常法の起毛加工、撥水加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用しても良い。
上述した実施形態では、好ましい例として、超極細のフィラメントを含むポリエステルフィラメント糸Aの布帛からなる表面層と、その表面層に対応する形状を有する裏面層と、これら表面層と裏面層との間に配置された緩衝層との積層構造を有する中敷きについて説明したが、本発明の中敷きは少なくとも上述のような表面層を備えるものであれば他の積層構造を採用することが可能である。
本発明の中敷きは、靴の中底に装填された状態で使用されるが、靴の中底に対して接着されていても良く、或いは、靴の中底に単に配置された状態であっても良い。特に、中敷きを中底に対して着脱自在とした場合、必要に応じて中敷きを洗浄することが可能になる。洗浄後においても、超極細のフィラメントを含むポリエステルフィラメント糸の布帛はグリップ力を良好に維持することができる。
靴の中底に装填される中敷きにおいて、ポリエステルフィラメント糸の編物からなる表面層と、表面層に対応する形状を有する裏面層と、表面層と裏面層との間に配置された緩衝層を備え、表面層に使用される布帛を以下のようにして得た実施例1、比較例1及び従来例の中敷きを作製した。裏面層としては、超極細繊維(ナイロン60%、ポリウレタン60%)からなる人工皮革を使用し、緩衝層としては、ポリウレタン100%のシート状のフォーム材とポリウレタン100%のアーチ用のフォーム材を使用した。なお、各測定項目は下記の方法で測定した。
<溶融粘度>
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒-1の時の溶融粘度を見る。
<溶解速度>
海・島成分の各々0.3φ−0.6L×24Hの口金にて1000〜2000m/分の紡糸速度で糸を巻き取り、さらに残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、総繊度84dtex/24filのマルチフィラメントを作製する。これを各溶剤にて溶解しようとする温度で浴比100にて溶解時間と溶解量から、減量速度を算出した。
[実施例1]
島成分としてポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1200ポイズ、艶消し剤の含有量:0重量%)、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%と数平均分子量4000のポリエチレングリコール6重量%を共重合したポリエチレンテレフタレート(280℃における溶融粘度が1750ポイズ)を用い(溶解速度比(海/島)=230)、海:島=30:70、島数=836の海島型複合未延伸繊維を、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分で溶融紡糸して一旦巻き取った。
得られた未延伸糸を、延伸温度80℃、延伸倍率2.5倍でローラー延伸し、次いで150℃で熱セットして巻き取った。得られた海島型複合繊維(ポリエステルフィラメント糸A用繊維、延伸糸)は総繊度56dtex/10filであり、透過型電子顕微鏡TEMによる繊維横断面を観察したところ、島の形状は丸形状でかつ島の径は710nmであった。
他方、ポリエステルフィラメント糸Bとして、ポリエチレンテレフタレートフィラメント(総繊度33dtex/12fil、帝人フロンティア(株)製)を用意した。
次いで、36ゲージのトリコット機を使用して、ポリエステルフィラメント糸Bが編地の中間層に、一方、前記海島型複合繊維が編地の表面側および裏面側に位置するように給糸して、サテン編地を編成した。用いた編組織図を図4に示す。また糸構成としては、L1にポリエステルフィラメント糸Bを配し、L2に海島型複合繊維を配した。
次いで、海島型複合繊維の海成分を除去するために編地を3.5%NaOH水溶液で、70℃にて30%アルカリ減量した。その後、130℃かつ30分間の高圧染色を行い、両面を起毛するためバフ加工を行い、最終セットとして170℃の乾熱セットを行った。得られた布帛において、ポリエステルフィラメント糸Aの単繊維径は710nmであり、ポリエステルフィラメント糸Bの単繊維径は25μmであった。
[比較例1]
実施例1において、海島複合繊維の代わりにポリエチレンテレフタレートフィラメント(56dtex/72fil、ポリエステルフィラメント糸C)を用い、これ以外は実施例1と同様にした。得られた布帛において、ポリエステルフィラメント糸Cの単繊維径は8.5μmであった。
[従来例]
実施例1において、海島複合繊維の代わりにポリエチレンテレフタレートフィラメント(33dtex/12fil、ポリエステルフィラメント糸B)を用い、これ以外は実施例1と同様にした。得られた布帛において、ポリエステルフィラメント糸Bの単繊維径は25μmであった。更に、布帛の表面にゴム製の多数のドットを付与した。
これら中敷きについて、以下の評価方法により、滑り止め効果を評価した。即ち、各中敷きを靴の中底に装填し、10人のテスターが中敷き入りの靴を履いて歩行試験を実施し、中敷きによる滑り止め効果を10段階の評価値にて評価した。評価結果は、10人のテスターによる評価値の合計を求め、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど靴内での足の滑りが少なく滑り止め効果が高いことを意味する。
その結果、実施例1の中敷きは、滑り止め防止効果(指数値)が140であり、従来例との対比において、良好な滑り止め効果を呈していた。一方、比較例1の中敷きは、滑り止め防止効果(指数値)が110であり、滑り止め効果が必ずしも十分ではなかった。
1 表面層
2 裏面層
3,4 緩衝層
5,6 縫合糸

Claims (5)

  1. 靴の中底に装填される中敷きにおいて、単繊維径が10nm〜1500nmであるポリエステルフィラメント糸を含む布帛からなる表面層を備えることを特徴とする中敷き。
  2. 前記ポリエステルフィラメント糸のフィラメント数が500本以上であることを特徴とする請求項1に記載の中敷き。
  3. 前記ポリエステルフィラメント糸を含む布帛が編物組織を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の中敷き。
  4. 前記ポリエステルフィラメント糸を含む布帛がトリコット編物であり、前記布帛の表面及び裏面に前記ポリエステルフィラメント糸が露出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の中敷き。
  5. 前記表面層に対応する形状を有する裏面層と、前記表面層と前記裏面層との間に配置された緩衝層を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中敷き。
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