JP2023035834A - 出没式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】特許文献1に開示されている出没式筆記具は、摺動子は後軸前端開口部から取り外し可能であり、カム筒は摺動子の前方から取り外し可能であるため、後軸前端開口部から摺動子及びカム筒が脱落してしまう恐れがある。ひいては、出没式筆記具自体の組み立てや、筆記具本体の交換が困難になってしまうという問題があった。本発明は、出没式筆記具自体の組み立てや、筆記具本体の交換を簡単にすることができる出没式筆記具を提供することを目的とする。【解決手段】摺動子が後軸前端開口部から取り外し不可能に配置され、カム筒の貫通孔に筆記具本体及び摺動子が挿通して配置され、カム筒の貫通孔に対して、摺動子の後方からのみ挿入可能であり、カム筒は摺動子の前方から取り外し不可能である、出没式筆記具を要旨とする。【選択図】図1

Description

本発明は、軸筒内部に、前端に筆記部を有する筆記具本体が前後動可能に配置され、筆記部の、軸筒前端開口部からの突出及び没入を可能とした、所謂出没式筆記具に関するものである。以降、筆記部が突出する方向を前方、筆記部が没入する方向を後方とする。また、筆記部が軸筒前端開口部から突出して筆記可能になった状態を突出状態、筆記部が軸筒内部に没入した状態を没入状態とする。
出没式筆記具としては、出没機構の少なくとも一部に所謂カム機構が採用されているものが知られている。出没式筆記具におけるカム機構は、筆記具本体を軸筒内部で前後に異なる位置で係止させることができるよう、筆記具本体の後方に配置される摺動子に係止突起が設けられる。係止突起の係止先として軸筒内部にはカム部が設けられる。カム部は、筆記具本体及び摺動子の前後動に伴い周方向に変位することで、筆記具本体及び摺動子を前後動させるのみで連続した単一の動作で筆記部の出没を可能とするものである。斯様な出没式筆記具においては、突出状態を形成するために、係止突起がカム部より前方に位置するまで筆記具本体及び摺動子を前進させる。その後、弾発部材の付勢力などの力によって筆記具本体が後退し、係止突起がカム部に係止することで、筆記具本体の後退が止まり突出状態を形成することができる。
例えば特許文献1(実公昭54-38980号公報)には、軸筒内部に、弾発部材により後方に付勢された筆記具本体と、筆記具本体の後方に配置された摺動子の外周を回動可能なカム筒とが配置された出没式筆記具が開示されている。
実公昭54-38980号公報
特許文献1に開示されている出没式筆記具は、摺動子は後軸前端開口部から取り外し可能であり、カム筒は摺動子の前方から取り外し可能である。筆記具本体を組み立てる際に、前軸と後軸との結合を解除すると、後軸前端開口部から摺動子及びカム筒が脱落してしまう恐れがある。ひいては、出没式筆記具自体の組み立てや、筆記具本体の交換が困難になってしまうという問題があった。
本発明は、出没式筆記具自体の組み立てや、筆記具本体の交換を簡単にすることができる出没式筆記具を提供することを目的とする。
本発明は、前軸と後軸とが着脱自在に結合した軸筒の内部に、少なくとも筆記具本体と、摺動子と、カム筒とが配置された出没式筆記具であって、筆記具本体は、弾発部材による後方への付勢力と、筆記具本体の後方に着脱自在に取り付けられた摺動子を介した、軸筒外部に露出したノック部の操作による前方への力とにより前後動可能に配置され、摺動子は、少なくとも後軸前端開口部から取り外し不可能に配置され、カム筒の貫通孔に筆記具本体及び摺動子が挿通して配置され、筆記具本体及び/又は摺動子の外壁面に設けられた係止突起が、カム筒に設けられたカム部に係止及び解除することで、筆記具本体前端に設けられた筆記部を軸筒前端開口部から出没可能であり、カム筒の貫通孔に対して、摺動子の後方からのみ挿入可能であり、カム筒は摺動子の前方から取り外し不可能である、出没式筆記具を要旨とする。
本発明の出没式筆記具は、前軸と後軸との結合が解除された状態で、摺動子は後軸前端開口部からの取り外しが不可能であるため、後軸前端開口部から脱落しない。摺動子の前方からはカム筒を取り外し不可能であるため、使用者は筆記具本体以外の部品の脱落に注意を払う必要がなく、出没式筆記具自体の組み立てや、筆記具本体の交換を簡単にすることができる。
ボールペン1の外観図 図1のA‐A’断面図 (a)(b)カム筒5の外観斜視図 没入状態におけるカム機構展開図 図4の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を前進させた図 図5の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を前進させた図 図6の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を後退させた図 突出状態におけるカム機構展開図 図8の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を前進させた図 ボールペンリフィル3及び摺動子4の結合部分近傍拡大断面図 摺動子4の外観斜視図 カム筒5の縦断面斜視図 作動突起4aがカム部5aと接触する場合を示した図 図13の状態からカム筒5を前進させた図 図14の状態からカム筒5を前進させた図 作動突起4aがカム筒5側壁の前方端面とは当椄しない場合を示した図 クリップ7の軸筒2側外観図 他の実施形態に係るクリップ7の軸筒2側外観図
本発明は、ボールペン、シャープペンシル、筆ペン、フェルトペン、マーキングペンなどの筆記具であって、ボールペンチップなどの筆記部を軸筒前端開口部から出没可能な出没式筆記具として実施することができる。以降、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る出没式筆記具であるボールペン1の外観図、図2は図1のA‐A’断面図である。ボールペン1は、中空筒状の軸筒2内部に、筆記具本体としてのボールペンリフィル3、摺動子4、カム筒5、弾発部材としてのコイルスプリング6が配置されている。
軸筒2は、前軸2aと後軸2bとが着脱自在に結合して構成されている。前軸2aの後方開口端部が後軸2bの前端開口端部から挿入される。前軸2aの後方開口端部外壁面と後軸2bの前方開口端部内壁面には、それぞれ螺子部が設けられており、前軸2aと後軸2bとが螺子螺合により結合可能となっている。当該螺子螺合を解除することで、ボールペンリフィル3を簡単に配置、交換することができる。
前軸2aは所謂2色成形品であり、前軸2aの径方向内側に位置する1次側がポリプロピレン樹脂、前軸2aの径方向外側に位置する2次側がスチレン系トリエチルホスフェート樹脂からなる部材である。前軸2aの外壁面には梨地加工が施されており、使用者が手で把持しやすくなるグリップとして機能する。
前軸2aは、本実施形態のように2色成形品以外にも、公知の方法で所望の形状を構成することができる。グリップを別部材とし、前軸2aの外壁面に被覆する構成とすることもできる。
前軸2aの材質としては、成形性や耐久性などを考慮して、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー、又は、これらの樹脂を含む複合材などを適宜選択することができる。また、成形方法も本実施形態のような2色成形に限られず、公知の様々な方法を適宜選択することができる。
後軸2bの後方側壁には、前後方向に延び、後軸2bの内部と外部とに貫通した窓孔2baが設けられている。ボールペンリフィル3の後方には、摺動子4が着脱自在に取り付けられている。摺動子4は、軸筒2外部に露出したノック部であるクリップ7と、窓穴2baを介して連結されている。クリップ7を窓穴2baに沿って後方から前方へ操作すると、連動して摺動子4及びボールペンリフィル3が軸筒2内部を前進する、所謂サイドスライド式となっている。
ノック部は、摺動子4及びボールペンリフィル3と連動してさえいればよく、後軸2bの後端から露出させて前方に押圧して突出状態を形成する、所謂後端ノック式とすることもできる。
後軸2bは、ポリカーボネート樹脂からなる部材である。後軸2bの材質としては他に、成形性や耐久性などを考慮して、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー、又は、これらの樹脂を含む複合材などを適宜選択することができる。
筆記具本体としてのボールペンリフィル3は、筆記部としてのボールペンチップ3aと、内部にインキが収納されるパイプ3bとにより構成されている。パイプ3b内部のインキがボールペンチップ3aを介して被筆記面に吐出され、文字や絵などを筆記、描画することができる。
ボールペンリフィル3の後端は摺動子4の前端開口部から有底の筒部に挿入される。ボールペンリフィル3は摺動子4の筒部内において固定されておらず、周方向に回転可能な程度に遊嵌されている。
ボールペンリフィル3は軸筒2内部を、先述の通りクリップ7を前進させることで前進させることができる。前軸2aの内壁面前方には周方向に連なった環状の突起である段部2aaが設けられている。パイプ3abの前端面が段部2aaに当接することで、ボールペンリフィル3の前進が止まる。
パイプ3bの外壁面には、コイルスプリング6の後端と当接する2本のコイルスプリング後端用突起3baが周方向等間隔に設けられている。また、前軸2aの内壁面には、コイルスプリング6の前端と当接する6本のコイルスプリング前端用リブ2abが、周方向等間隔に設けられている(6本中2本を図示している)。コイルスプリング6は自然状態から縮んだ状態でコイルスプリング後端用突起3baとコイルスプリング前端用リブ2abとにより挟持され、ボールペンリフィル3及び摺動子4を常時後方に付勢している。
摺動子4の外壁面には、作動突起4aと係止突起4bとが設けられている。各突起が、後述するカム筒5のカム部5aに当接することで、軸筒2前端開口部からボールペンチップ3aを出没させることができる。作動突起4a及び係止突起4bはパイプ3bの外壁に設けてもよく、前後方向前方に位置する係止突起4bのみをパイプ3bに設けてもよい。
図3(a)(b)はカム筒5の外観斜視図である。図3(b)はカム筒5の外壁を透明にして、内壁面に設けられたカム部5aの一部を点線で図示している。カム筒5は、前後方向に貫通した貫通孔が設けられた筒状の部材である。当該貫通孔には摺動子4が挿通される。カム筒5の内壁面にはカム部5aが設けられている。摺動子4が前後動すると、作動突起4a及び係止突起4bがカム部5aに当接し、カム筒5が摺動子4の外周を回動することができる。カム部4は軸筒2内部において前後動が制限された部材である。
本実施形態のようにカム部5aをカム筒5の内壁面に設けることで、カム筒5の外壁面の設計の自由度が高くなる。本実施形態では、カム筒5の外壁面をカム部5aよりも前後方向に長くすることができる。換言すれば、カム部5aの前後方向両端部が、貫通孔の両開口端部から前後方向に露出せず、カム筒5の内壁面の前後方向の範囲内に収まっている。カム筒5の外壁面に、カム筒5をカム機構の一部として機能させるための他の凹凸を設ける必要がない。よって、当該外壁面と当椄する軸筒内壁面に対して、径方向のがたつきを生じさせる支点となり得る部分を設ける必要がない。ひいては、出没機構を構成するカム機構の作動音が静かにすることができ好ましい。
摺動子4及びカム筒5は、ポリアセタール樹脂からなる部材である。摺動子4及びカム筒5の材質としては他に、成形性や耐久性などを考慮して、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー、またはこれらの樹脂を含む複合材などを適宜選択することができる。
以降、図4から図9を参照しつつ、本実施形態における出没機構を構成するカム機構について説明する。図4から図9は、摺動子4とカム筒5との接触関係を視認できるよう、摺動子4とカム筒5とを周方向に展開して図示している。また、摺動子4とカム筒5との当接関係を理解しやすいよう、本来径方向に向き合う関係である両部材間を、同一平面上で図示している。具体的には、作動突起4a及び係止突起4bが図面奥側から手前側に向かって突出する視点で図示している。よってカム部5aは、カム筒5内壁面に設けられたカム部5aをカム筒5の外側から、換言すればカム部5aの根元側からの視点で図示している(視認性向上のためにカム部5aのハッチングは省略している)。以降、カム筒5の回動方向である図面右側に向かう方向を回動方向前方、回動方向前方と逆方向であり図面左側に向かう方向を回動方向後方とする。
図4は、没入状態におけるカム機構展開図である。この状態が、ボールペンリフィル3及び摺動子4が軸筒2内部において最も後退した状態である。係止突起4bとカム部5aは、それぞれ摺動子4の外壁面とカム筒5の内壁面において、周方向等間隔に4か所ずつ設けられている。没入状態において、係止突起4bはカム部5a間に互い違いに位置する。作動突起4aは、摺動子4の外壁面に周方向等間隔に2か所設けられている。
図5は、図4の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を前進させた図である。作動突起4a側壁の前方端面には、作動面4aaが設けられている。カム部5a側壁の後方端面であって回動方向前方には、作動面4aaと当接する前方作動面5aaが設けられている。作動面4aa及び前方作動面5aaは、回動方向前方に向かうに従って前後方向後方へ、回動方向後方に向かう従って前後方向前方へ傾斜した、互いに向かい合う平面となっている。
図6は、図5の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を前進させた図である。この状態が、ボールペンリフィル3及び摺動子4が軸筒2内部において最も前進した状態である。作動面4aaと前方作動面5aaとが当接した図4の状態から、ボールペンリフィル3及び摺動子4を更に前進させると、カム筒5は、前方作動面5aaを介して作動面4aaから周方向の力を受けて回動方向前方へ回動する。係止突起4bはカム部5aから前方に離間するため、当該回動に干渉しない。パイプ3abの前端面が段部2abに当接してボールペンリフィル3及び摺動子4の前進が止まると、カム筒5の回動も止まり、図6に示す状態となる。
図7は、図6の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を後退させた図である。係止突起4b側壁の後方端面には、係止面4baが設けられている。カム部5a側壁の前方端面であって回動方向前方には、係止面4baと当接する突出係止面5acが設けられている。係止面4ba及び突出係止面5acは、回動方向前方に向かうに従って前後方向前方へ、回動方向後方に向かうに従って前後方向後方へ傾斜した、互いに向かい合う平面となっている。
図8は、図7の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を後退させた図であり、突出状態におけるカム機構展開図である。係止面4baと突出係止面5acとが当接した図6の状態から、ボールペンリフィル3及び摺動子4を更に後退させると、カム筒5は、突出係止面5acを介して係止面面3bbaから周方向の力を受けて回動方向前方へ回動する。作動突起4aはカム部5aから後方に離間するため、当該回動に干渉しない。突出係止面4baの回動方向後方には前後方向に沿って壁となる部位があり、係止突起4b側壁の回動方向後方端面が当接することで、ボールペンリフィル3及び摺動子4の後退及びカム筒5の回動が停止し、図8に示す状態となる。
図9は、図8の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を前進させた図である。カム部5a側壁の後方端面であって回動方向後方には、作動面4aaと当接する後方作動面5abが設けられている。作動面4aa及び後方作動面5abは、回動方向前方に向かうに従って前後方向後方へ、回動方向後方に向かうに従って前後方向前方へ傾斜した、互いに向かい合う平面となっている。図8の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を前進させると、作動面4aaと後方作動面5abとが当接する。ボールペンリフィル3及び摺動子4を更に前進させると、カム筒5は、後方作動面5abを介して作動面4aaから周方向の力を受けて回動方向前方へ回動する。係止突起4bはカム部5aから前方に離間するため、当該回動に干渉しない。パイプ3abの前端面が段部2abに当接してボールペンリフィル3及び摺動子4の前進が止まると、カム筒5の回動も止まる。
図9の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を後退させると、図4に示す没入状態に戻る。カム部5a側壁の前方端面であって回動方向後方には、係止面4baと当接する没入案内面5adが設けられている。没入案内面5adは、回動方向前方に向かうに従って前後方向前方へ、回動方向後方に向かうに従って前後方向後方へ傾斜した、係止面4baと向かい合う平面となっている。図8の状態からボールペンリフィル3及び摺動子4を後退させると、係止面4baと没入案内面5adとが当接する。ボールペンリフィル3及び摺動子4を更に後退させると、カム筒5は、没入案内面5adを介して係止面4baから周方向の力を受けて回動方向前方へ回動する。カム筒5が、没入案内面5adと係止面4baとが当接しなくなるまで回動すると、係止突起4bがカム部5a間に互い違いに位置する没入状態となる。以上が、本実施形態におけるカム機構であり、没入状態から突出状態を経て没入状態へと戻る仕組みである。
図10は、ボールペンリフィル3a及び摺動子4の結合部分近傍拡大断面図である。先述の通り、カム筒5は軸筒2内部において前後動が制限された部材であり、本実施形態においては前後動不可能に配置されている。後軸2bの内壁面には、前後方向に延びるリブ2bbが設けられている。リブ2bbは周方向等間隔に4本設けられている。各リブ2bbの前端面と前軸2aの後端面とが、軸筒2を組み立てた状態において、カム筒5の前後方向両端面と当接し、カム筒5が挟持される段部として機能する。これにより、カム筒5は軸筒2内部において前後動不可能に配置される。なお、前後動不可能とは、カム筒5が軸筒2内部において前後方向に全く動かない状態のみならず、成形上の公差や使用に伴う僅かな摩耗などによって生じた隙間分だけは前後動してしまう状態も含意するものとする。
カム筒5が軸筒2内部において前後動不可能に配置されることで、カム機構の作動音である係止面4baと突出係止面5acとの衝突音以外に出没機構の作動音が生じにくくなり、より静かな出没機構のボールペン1とすることができ好ましい。詳細には、カム筒5はボールペンリフィル3及び摺動子4の前後動に伴い回動するところ、カム筒5は前後動しないため、軸筒2内壁面のいずれかと衝突せず、摺動子4とのみ衝突することとなる。ボールペンリフィル3及び摺動子4の前後動は、コイルスプリング6による後方への付勢力と、当該付勢力に抗した使用者によるクリップ7の操作によってのみ行われる。ボールペンリフィル3が前進した状態で、使用者がクリップ7から手、特に指を離すか、クリップ7に指を掛けたまま前方への力を、コイルスプリング6による後方への付勢力より弱めることで、ボールペンリフィル3及び摺動子4は後退する。ボールペンリフィル3及び摺動子4をいずれの方法で後退させても、出没機構を静かに作動させることができ好ましい。
図11は、摺動子4の外観斜視図である。摺動子4の外壁面には、前後方向に延びる摺動溝4cが設けられている。摺動溝4cは、周方向等間隔に2本設けられている。また、後軸2bの内壁面に設けられた4本のリブ2bbのうち、周方向に向かい合う2本であって、摺動溝4cに対応した位置におけるリブ2bbは、前後方向中腹から後方に向かって、前端面より径方向内側に突出した摺動リブ2bbaが延設されている。摺動リブ2bbaは摺動溝4cに挿入される。摺動リブ2bbaの前端面が、摺動溝4cの前端面に当接することで、ボールペンリフィル3及び摺動子4の後退が止まる。また、摺動リブ2bbaが摺動溝4cに沿って摺動することで、摺動子4は軸筒2内部において回動不可能に配置される。ひいては、ボールペンリフィル3及び摺動子4は軸筒2内部において回動不可能に配置されることとなる。なお、回動不可能とは、摺動子4が軸筒2内部において周方向に全く動かない状態のみならず、成形上の公差や使用に伴う僅かな摩耗などによって生じた隙間分だけは周方向に回動してしまう状態も含意するものとする。
摺動子4が軸筒2内部において回動不可能に配置されることで、カム機構の作動の際に、摺動子4がカム筒5を回動させる力のロスを防ぐことができる。カム筒5は、摺動子4の前後方向の運動を回動方向へ変換して回動するものであり、逆に摺動子4がカム筒5から少なからず反力を受ける。この反力によって摺動子4が回動方向後方へ回動してしまうと、カム筒5を回動させるための力がロスしてしまい、さらに大きな力でボールペンリフィル3及び摺動子4を前後動させる必要が生じてしまう。斯様な力のロスを防ぐことで、使用者はノック部を過剰な力で操作する必要がなくなり、より静かな出没機構のボールペン1とすることができ好ましい。
摺動子4の外壁面前端には環状突起4dが設けられている。環状突起4dの後方は係止突起4bの前方と連なっている。環状突起4dは径方向外側向かって鍔状に突出している。内壁面にカム部5aが設けられたカム筒5の貫通孔前方から摺動子4の後方を挿入していくと、径方向内側に突出したカム部5a側壁前方端面が最終的に環状突起4d側壁の後方端面に当接する。そのため、摺動子4の前方からカム筒5が取り外し不可能となる。
摺動子4は、後軸2b内部において後軸2b内部に配置される。摺動子4は窓穴2baを介してクリップ7と連結されている。当該連結部分が窓孔2baを形成する縁部の前方と交差するため、クリップ7の前方移動が制限される。よって、摺動子4も軸筒2内部において前方移動に制限があり、後軸2bの前端開口部からは取り外し不可能となる。
斯様な構成であるため、使用者がインキの消費やインキ色の変更などに伴いボールペンリフィル3aを交換する際、前軸2aと後軸2bとの螺子螺合を解除しても、摺動子4及びカム筒5が後軸2bの前端開口部から不意に脱落してしまうことがなく、使用者は簡単にボールペンリフィル3aを交換することができ、好ましい。
図12はカム筒5の縦断面斜視図である。カム筒5の前後方向の断面図であって、カム筒5後方を図面奥側、カム筒5前方を図面手前側に傾斜した構図で示している。カム部5aの突出係止面5acと没入案内面5adとでは径方向の高さが異なっており、没入案内面5adの方が突出係止面5acより低くなっている。突出係止面5acの回動方向後方からは、前端面に没入案内面5adが設けられた突起が、前後方向前方へ延設された形状となっている。当該突起自体が前後方向に亘って突出係止面5acより径方向に低くなっており、当該突起の根元部分から径方向外側には、突出係止面5acと連続した後方作動突起案内面5aeが設けられている。後方作動突起案内面5aeも突出係止面5ac同様、回動方向前方に向かうに従って前後方向前方へ、回動方向後方に向かうに従って前後方向後方へ傾斜した平面となっている。
図13から図16を参照しつつ、カム筒5の貫通孔に摺動子4が挿通される様子について詳述する。図13から図16は図4から図9同様、摺動子4とカム筒5との接触関係を視認できるよう、摺動子4とカム筒5とを周方向に展開して図示している。
カム筒5の貫通孔前方から摺動子4の後方を挿入していくと、カム筒5と摺動子4との周方向の位置関係によっては、作動突起4aがカム部5aと接触する場合と、作動突起4aがカム部5aと接触せず、そのまま周方向に隣り合うカム部5a間に入っていく場合とがある。
図13は、作動突起4aがカム部5aと接触する場合を示した図である。作動突起4a側壁の後方は、回動方向前方の前方案内面4abと、回動方向後方の後方案内面4acとの2つの傾斜面によって構成されている。前方案内面4abは、回動方向前方に向かうに従って前後方向前方へ、回動方向後方に向かうに従って前後方向後方へ傾斜しており、突出係止面5ac及び後方作動突起案内面5aeと互いに向かい合う平面となっている。
図14は、図13の状態からカム筒5を前進させた図である。前方案内面4abは、突出係止面5acから後方作動突起案内面5aeに亘るいずれかの面と当接する。前方案内面4abが突出係止面5acと当接した場合、カム筒5の前進に伴い互いの面に沿ってカム筒5が回動方向前方へ回動していく。ここで、作動突起4a側壁の後方における径方向の高さは、前端面に没入案内面5adが設けられた突起の径方向の高さより、低くなっている。換言すれば、作動突起4a側壁の後方における径方向の天面と、前方端面に没入案内面5adが設けられた突起の径方向の天面とが、互いに接触しない寸法となっている。これにより、カム筒5の前進及び回動方向前方への回動が進んでも、作動突起4aの後方と、前方端面に没入案内面5adが設けられた突起の回動方向前方とが衝突することがない。更にカム筒5の前進及び回動方向前方への回動が進んでも、前方案内面4abがスムーズに後方作動突起案内面5aeと当接することができる。カム筒5は、前方案内面4abを介して突出係止面5ac及び後方作動突起案内面5aeから周方向の力を受けて回動方向前方へ回動する。
ここで、作動突起4a側壁の径方向の高さは、作動面4aaが設けられた前方側と、前方案内面4ab及び後方案内面4acが設けられた後方側とでも異なっており、前方側の方が高くなっている。これにより、作動子3をカム筒5の貫通孔に挿通させる際には、作動突起4a側壁の後方側がカム部4の前方側に引っかかることなく、スムーズに挿通を進めることができつつ、先述の通り作動面4aaはカム部4と当椄可能でありカム機構として機能させることができ好ましい。
図15は、図14の状態からカム筒5を前進させた図である。図14の状態からカム筒5を前進させると、図14の状態の時点で作動突起4aが当接していたカム部5aとの当接が解除される。当該作動突起4aは、当該カム部5aと、当該カム部5aより回動方向後方に位置するカム部5aとの間に案内される。更にカム筒5を前進させると、図3に示す状態となり、カム筒5の貫通孔への摺動子4の挿通が完了する。
図16は、図13とは異なり、作動突起4aがカム筒5側壁の前方端面とは当椄しない場合を示した図である。図16の状態で作動突起4aが当接するカム部5aの側壁であって、カム部5aのうち最も回動方向前方に延びた突起の前方には、前方作動突起案内面5afが設けられている。前方作動突起案内面5afの前後方向後方には前方作動面5aaが設けられている。後方案内面4ac及び前方作動突起案内面5afは、回動方向後方に向かうに従って前後方向前方へ、回動方向前方に向かうに従って前後方向後方へ傾斜した、互いに向かい合う平面となっている。
後方案内面4acと前方作動突起案内面5afとが当接すると、カム筒5は、前方作動突起案内面5afを介して後方案内面4acから周方向の力を受けて回動方向後方へ回動する。そして、作動突起4aは、当該カム部5aと、当該カム部5aより回動方向前方に位置するカム部5aとの間に案内され、図15と同様の状態になる。更にカム筒5を前進させると、図3に示す状態となり、カム筒5の貫通孔への摺動子4の挿通が完了する。
図17は、クリップ7の軸筒2側外観図である。ポリカーボネート樹脂の成形品であるクリップ7の側壁には、成形時のゲート位置7aが設けられている。クリップ7の軸筒2側外壁面には、三又に分かれたリブ7bが設けられている。リブ7bの三又のうち2本のリブの端部でゲート位置7aを前後方向に挟み、残りの1本のリブが前後方向に対して直交する方向に延び、その延長線上にゲート位置7aが位置している。リブ7bが梁の役割をすることでクリップ7の強度が向上し、湾曲しても割れや折れに強くなり好ましい。
図18は、他の実施形態に係るクリップ7の軸筒2側外観図である。図17同様、クリップ7はポリカーボネート樹脂の成形品である。クリップ7の側壁には、成形時のゲート位置7aが設けられている。クリップ7の軸筒2側外壁面には、四又に分かれたリブ7bが設けられている。リブ7bの四又のうち1本のリブが、前後方向に太く形成されており、当該前後方向範囲内に、ゲート位置7aが収まるよう設計されている。斯様な構成により、ゲート位置7a近傍の厚みが大きくなり、特にゲート位置7a近傍を起点とする割れや折れに強くなり好ましい。一般的に樹脂成形品は厚みが大きくなる程、成形品の表面に意図せず凹凸が生じる、いわゆるヒケが生じやすくなる。本実施形態においては、クリップ7の厚みが大きくなる箇所に、樹脂が金型に流れ込むゲート位置7aが配置されているため、当該箇所に十分な量の樹脂が充填され、ヒケが生じにくくなり好ましい。また本実施形態は、図17のリブ7bよりも、前後方向に対して直交する方向に延びるリブが1本多いため、クリップ7のねじれ方向への強度が向上し好ましい。
1 ボールペン
2 軸筒
2a 前軸
2aa 段部
2ab コイルスプリング前端用リブ
2b 後軸
2ba 窓孔
2bb リブ
2bba 摺動リブ
3 ボールペンリフィル
3a ボールペンチップ
3b パイプ
3ba コイルスプリング後端用突起
4 摺動子
4a 作動突起
4aa 作動面
4ab 前方案内面
4ac 後方案内面
4b 係止突起
4ba 係止面
4c 摺動溝
4d 環状突起
5 カム筒
5a カム部
5aa 前方作動面
5ab 後方作動面
5ac 突出係止面
5ad 没入案内面
5ae 後方作動突起案内面
5af 前方作動突起案内面
6 コイルスプリング
7 クリップ
7a ゲート位置
7b リブ

Claims (2)

  1. 前軸と後軸とが着脱自在に結合した軸筒の内部に、少なくとも筆記具本体と、摺動子と、カム筒とが配置された出没式筆記具であって、筆記具本体は、弾発部材による後方への付勢力と、筆記具本体の後方に着脱自在に取り付けられた摺動子を介した、軸筒外部に露出したノック部の操作による前方への力とにより前後動可能に配置され、摺動子は、少なくとも後軸前端開口部から取り外し不可能に配置され、カム筒の貫通孔に筆記具本体及び摺動子が挿通して配置され、筆記具本体及び/又は摺動子の外壁面に設けられた係止突起が、カム筒に設けられたカム部に係止及び解除することで、筆記具本体前端に設けられた筆記部を軸筒前端開口部から出没可能であり、カム筒の貫通孔に対して、摺動子の後方からのみ挿入可能であり、カム筒は摺動子の前方から取り外し不可能である、出没式筆記具。
  2. 前記係止突起の後端面と、前記カム部の前端面とが、前後方向に対して傾斜し、互いに向かい合う面である、請求項1に記載の出没式筆記具。
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