JP2023032394A - 冷却システム - Google Patents

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【課題】リア乗員の快適性確保と電池の劣化抑制の両立を図ることができる冷却システムの提供。【解決手段】制御装置60が、リア乗員がいるときには、リア空調用膨張弁43cの開度を、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eのそれぞれの開度よりも優先して決定する。そのため、リア乗員がいるときにはリア空調が最も優先され、リア乗員の快適性を確保できる。一方、制御装置60が、リア乗員がいないときには、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eのそれぞれの開度を、リア空調用膨張弁43cの開度よりも優先して決定する。そのため、リア乗員がいないときにはフロント空調と電池冷却がリア空調よりも優先され、フロント乗員の快適性が確保されるとともに電池冷却させて電池の劣化を抑制することができる。【選択図】 図6

Description

本発明は、車室内の空調と車両に搭載される電池の冷却を行う、車両の冷却システムに関する。
特開2019-182135号公報は、圧縮機、空調用熱交換器、電池冷却用熱交換器、を冷媒が流れる冷凍サイクルを備える冷却システムを開示している。該公報開示の技術では、乗員が乗車している場合は、空調用熱交換器に流れる冷媒流量が、電池冷却用熱交換器に流れる冷媒流量に対して大きくなるように制御している。また、乗員の有無にかかわらず、電池冷却水温が閾値よりも大きい場合は、空調用熱交換器に流れる冷媒の流量が、電池冷却用熱交換器に流れる冷媒の流量に対して小さくなるように制御している。
ところで、空調用熱交換器としてフロント空調装置に設けられるフロント空調用熱交換器とリア空調装置に設けられるリア空調用熱交換器とを有する冷却システムが存在する。このような冷却システムでは、リア乗員が乗車しているとき、フロント乗員の有無にかかわらず、リア乗員の快適性を最も優先させたいことがある。一方でリア乗員が乗車していない場合は、フロント乗員の快適性や電池冷却性能を優先させたい。
しかし、上記公報開示の技術では、乗員が乗車している場合、空調を電池冷却よりも優先させているが、乗員のうち、リア乗員の快適性を優先させる点については何ら開示がない。そのため、特にリア乗員を優先した乗員の快適性を確保するとともに電池冷却によって電池の劣化を抑制する点で改善の余地がある。
特開2019-182135号公報
本発明の目的は、リア乗員の快適性確保と電池の劣化抑制の両立を図ることができる、冷却システムを提供することにある。
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 圧縮機、フロント空調装置に設けられるフロント空調用熱交換器、リア空調装置に設けられるリア空調用熱交換器、電池冷却用の電池冷却用熱交換器、フロント空調用膨張弁、リア空調用膨張弁、電池冷却用膨張弁、を冷媒が流れる冷凍サイクルを有する冷却システムであって、
前記フロント空調用熱交換器と前記リア空調用熱交換器に前記冷媒が流入して前記フロント空調装置と前記リア空調装置が作動しているときであって前記電池を冷却する電池冷却要求があるときに、前記フロント空調用膨張弁、前記リア空調用膨張弁および前記電池冷却用膨張弁の開度の優先順位を決める制御装置を有しており、
前記制御装置は、リア乗員がいるときには、前記リア空調用膨張弁の開度を、前記フロント空調用膨張弁と前記電池冷却用膨張弁のそれぞれの開度よりも優先して決定し、前記リア乗員がいないときには、前記フロント空調用膨張弁と前記電池冷却用膨張弁のそれぞれの開度を、前記リア空調用膨張弁の開度よりも優先して決定する、冷却システム。
(2) 前記制御装置は、前記フロント空調装置がクールダウン中にあっては、前記フロント空調用膨張弁の開度を、前記電池冷却用膨張弁の開度よりも優先して決定し、前記フロント空調装置がクールダウン終了後にあっては、前記電池冷却用膨張弁の開度を、前記フロント空調用膨張弁の開度よりも優先して決定する、(1)記載の冷却システム。
上記(1)の冷却システムによれば、制御装置が、リア乗員がいるときには、リア空調用膨張弁の開度を、フロント空調用膨張弁と電池冷却用膨張弁のそれぞれの開度よりも優先して決定するため、リア乗員がいるときにはリア空調が最も優先され、リア乗員の快適性を確保できる。一方、制御装置が、リア乗員がいないときには、フロント空調用膨張弁と電池冷却用膨張弁のそれぞれの開度を、リア空調用膨張弁の開度よりも優先して決定するため、リア乗員がいないときにはフロント空調と電池冷却がリア空調よりも優先され、フロント乗員の快適性が確保されるとともに電池冷却させて電池の劣化を抑制することができる。
上記(2)の冷却システムによれば、制御装置が、フロント空調装置がクールダウン中は、フロント空調用膨張弁の開度を電池冷却用膨張弁の開度よりも優先して決定するため、フロント空調が電池冷却よりも優先され、フロント乗員の快適性を確保できる。一方、制御装置が、フロント空調装置のクールダウン終了後は、電池冷却用膨張弁の開度をフロント空調用膨張弁の開度よりも優先して決定するため、電池冷却がフロント空調よりも優先され、電池の劣化を抑制することができる。
本発明実施例の冷却システムの概略構成図である。 本発明実施例の冷却システムにおける制御装置のブロック図である。 本発明実施例の冷却システムにおける、フロント空調用膨張弁開度-フロントTAOの関係を示すグラフである。 本発明実施例の冷却システムにおける、リア空調用膨張弁開度-リアTAOの関係を示すグラフである。 本発明実施例の冷却システムにおける、電池冷却用膨張弁開度-(電池温度と冷媒温度の差)の関係を示すグラフである。 本発明実施例の冷却システムにおける制御装置の制御フローチャートである。 本発明実施例の冷却システムにおける、電池の温度に基づく電池冷却要求レベルとクールダウン時間(所定時間)との一例を示す表である。 本発明実施例の冷却システムにおける制御装置の制御フローチャートである。
以下に、図面を参照して、本発明実施例の冷却システム10について説明する。
冷却システム10が搭載される車両は、電動車両であり、電池を電源とするモータと内燃機関(エンジン)との両方から車両の走行駆動力を得ることができるPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)である。ただし、該車両は、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)などの電動車両であってもよい。
冷却システム10は、図1、図2に示すように、フロント空調装置20と、リア空調装置30と、冷凍サイクル40と、冷却水回路50と、制御装置60と、を有する。なお、本発明において、フロントはFr、リアはRrであってもよい。
フロント空調装置20は、フロントエアコンまたはフロント室内空調ユニット(Fr-HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning))といってもよい。フロント空調装置20は、たとえば車両のインストルメントパネルの内部等に設けられており、主に車室内の前席の領域を空調する。フロント空調装置20は、図1に示すように、フロント空調ダクト21,フロントブロワ22と、フロント空調用熱交換器(フロントエバポレータ)23と、フロントヒータコア24と、PTCヒータ25と、フロント内外気切替ドア26と、フロントエアミックスドア27と、を有する。
フロント空調ダクト21は、内部に、車室内を空調するための空調用空気が流れる通風路21aを有する。フロント空調ダクト21は、空気流れ方向上流側端部に、通風路21aに車外の空気(外気)を取り込む外気吸込口21bと、通風路21aに車室内の空気(内気)を取り込む内気吸込口21cを有する。
フロント外気吸込口21bとフロント内気吸込口21cは、フロント内外気切替ドア26にて開閉可能とされている。フロント内外気切替ドア26がフロント内気吸込口21cを閉塞する際(外気導入モード時)には、フロント外気吸込口21bが開放されてフロント外気吸込口21bから空気が通風路21aに取り込まれる。フロント内外気切替ドア26がフロント外気吸込口21bを閉塞する際(内気導入モード時)には、フロント内気吸込口21cが開放されてフロント内気吸込口21cから空気が通風路21aに取り込まれる。
フロントブロワ22は、フロント空調ダクト21内でフロント内外気切替ドア26の空気流れ方向下流側に配置されている。フロントブロワ22は、通風路21aの空気流れを発生させる。フロントブロワ22の作動量により、通風路21aを流れる空気量(風量)を調整可能である。
フロント空調用熱交換器23は、フロント空調ダクト21内でフロントブロワ22の空気流れ方向下流側に配置されている。フロント空調用熱交換器23は、その内部を流れる冷媒と通風路21aの空気との間で熱交換することによって通風路21aの空気から熱を奪う(冷却する)。フロント空調用熱交換器23には、フロント空調用熱交換器23の温度を検知可能なフロントエバフィンセンサ23aが取付けられている。
フロントヒータコア24は、フロント空調ダクト21内でフロント空調用熱交換器23の空気流れ方向下流側に配置されている。フロントヒータコア24は、その内部を流れる冷却水と通風路21aの空気との間で熱交換することによって、通風路21aの空気に熱を与える(加熱する)。
PTCヒータ25は、フロント空調ダクト21内でフロントヒータコア24の空気流れ方向下流側に配置されている。PTCヒータ25は、フロントヒータコア24を通った空気を加熱する補助加熱手段としての電気ヒータである。
フロントエアミックスドア27は、フロント空調ダクト21内でフロント空調用熱交換器23の空気流れ方向下流側でフロントヒータコア24の空気流れ方向上流側に配置されている。フロントエアミックスドア27により、フロント空調用熱交換器23を通過した空気の、フロントヒータコア24およびPTCヒータ25を流れる空気量(風量)と、フロントヒータコア24およびPTCヒータ25を迂回する空気量(風量)との割合を変更可能である。
リア空調装置30は、リアエアコンまたはリア空調ユニットといってもよい。リア空調装置30は、主に車室内の後席の領域を空調する。リア空調装置30は、リア空調ダクト31と、リアブロワ32と、リア空調用熱交換器(リアエバポレータ)33と、リアヒータコア34と、リア内外気切替ドア35と、リアエアミックスドア36と、を有する。
リア空調ダクト31は、内部に、車室内を空調するための空調用空気が流れる通風路31aを有する。リア空調ダクト31は、空気流れ方向上流側端部に、通風路31aに車外の空気(外気)を取り込む外気吸込口31bと、通風路31aに車室内の空気(内気)を取り込む内気吸込口31cを有する。
外気吸込口31bと内気吸込口31cは、リア内外気切替ドア35にて開閉可能とされている。リア内外気切替ドア35が内気吸込口31cを閉塞する際(外気導入モード時)には、外気吸込口31bが開放されて外気吸込口31bから空気が通風路31aに取り込まれる。リア内外気切替ドア35が外気吸込口31bを閉塞する際(内気導入モード時)には、内気吸込口31cが開放されて内気吸込口31cから空気が通風路31aに取り込まれる。
リアブロワ32は、リア空調ダクト31内でリア内外気切替ドア35の空気流れ方向下流側に配置されている。リアブロワ32は、通風路31aの空気流れを発生させる。リアブロワ32の作動量により、通風路31aを流れる空気量(風量)を調整可能である。
リア空調用熱交換器33は、リア空調ダクト31内でリアブロワ32の空気流れ方向下流側に配置されている。リア空調用熱交換器33は、その内部を流れる冷媒と通風路31aの空気との間で熱交換することによって通風路31aの空気から熱を奪う(冷却する)。リア空調用熱交換器33の下流側には、リア空調用熱交換器33を流れてきた空気温度を検知可能なリアエバ後センサ33aが設けられている。
リアヒータコア34は、リア調ダクト31内でリア空調用熱交換器33の空気流れ方向下流側に配置されている。リアヒータコア34は、その内部を流れる冷却水と通風路31aの空気との間で熱交換することによって、通風路31aの空気に熱を与える(加熱する)。
リアエアミックスドア36は、リア空調ダクト31内でリア空調用熱交換器33の空気流れ方向下流側でリアヒータコア34の空気流れ方向上流側に配置されている。リアエアミックスドア36により、リア空調用熱交換器33を通過した空気の、リアヒータコア34を流れる空気量(風量)と、リアヒータコア34を迂回する空気量(風量)との割合を変更可能である。
フロント空調用熱交換器23とリア空調用熱交換器33は、冷凍サイクル40によってそれらの内部を流れる冷媒が循環可能となっている。冷凍サイクル40は、冷媒が流れる冷媒流路として、共通流路41と、フロント側空調流路42とリア側空調流路43を備える空調側流路44と、電池冷却側流路45と、を有する。
共通流路41には、圧縮機41aと、コンデンサ41bと、レシーバ41cと、が配置されている。圧縮機41aは、冷凍サイクル40を循環する冷媒を圧縮して吐出する。コンデンサ41bは、圧縮機41aから吐出される冷媒と車室外空気との間で熱交換して冷媒を冷却する。レシーバ41cは、コンデンサ41bの下流側に接続されており、コンデンサ41bによって凝縮された冷媒の気液を分離して液冷媒を貯留する。圧縮機41a,コンデンサ41bおよびレシーバ41cは、冷凍サイクル40にそれぞれ1つのみ設けられている。
共通流路41には、さらに、蒸発圧力調整弁41dと、二重管式内部熱交換器41eと、が配置されている。蒸発圧力調整弁41dは、圧縮機41aの上流側に配置される。二重管式内部熱交換器41eは、蒸発圧力調整弁41dの下流側かつ圧縮機41aの上流側を流れる冷媒と、コンデンサ41bおよびレシーバ41cの下流側を流れる冷媒との間で、熱交換を実行させる。
空調側流路44は、コンデンサ41bおよびレシーバ41cの下流側にある第1分岐部46aより下流側で、圧縮機41aの上流側にある第1合流部46bより上流側にある部分である。
フロント側空調流路42は、第1分岐部46aより下流側にある第2分岐部46cより下流側で、第1合流部46bより上流側にある第2合流部46dより上流側にある部分である。フロント側空調流路42に、フロント空調用熱交換器23が配置されている。
フロント側空調流路42には、さらに、フロント空調用熱交換器23の上流側に、フロントエバ前電磁弁42bとフロント空調用膨張弁42cが配置されている。フロントエバ前電磁弁42bは、共通流路41からフロント側空調流路42への冷媒流れをオンオフする。フロント空調用膨張弁42cは、フロントエバ前電磁弁42bを通った冷媒を減圧させる。また、フロント空調用膨張弁42cは、開度を調整することで、フロント空調用熱交換器23に流入する冷媒の流量を調整する。フロント空調用膨張弁42cは、電気式の膨張弁である。フロントエバ前電磁弁42bは、第1分岐部46aより下流側であれば、図示例のように第2分岐部46cより下流側に配置されていてもよく図示はしないが上流側に配置されていてもよい。
共通流路41を流れてきた冷媒は、フロントエバ前電磁弁42bを通ってフロント空調用膨張弁42cによって減圧されるとともに流量調整された後、フロント空調用熱交換器23に流れる。フロント空調用熱交換器23では、冷媒が周囲の空気から熱を奪い、フロント空調用熱交換器23の周囲の空気が冷やされる。
リア側空調流路43は、第2分岐部46cと第2合流部46dとの間でフロント側空調流路42と並列となっている。リア側空調流路43に、リア空調用熱交換器33が配置されている。
リア側空調流路43には、さらに、リア空調用熱交換器33の上流側に、リアエバ前電磁弁43bとリア空調用膨張弁43cが配置されている。リアエバ前電磁弁43bは、共通流路41からリア側空調流路43への冷媒流れをオンオフする。リア空調用膨張弁43cは、リアエバ前電磁弁43bを通った冷媒を減圧させる。また、リア空調用膨張弁43cは、開度を調整することで、リア空調用熱交換器33に流入する冷媒の流量を調整する。リア空調用膨張弁43cは、機械式の膨張弁であってもよく、電気式の膨張弁であってもよい。
共通流路41を流れてきた冷媒は、リアエバ前電磁弁43bを通ってリア空調用膨張弁43cによって減圧されるとともに流量調整された後、リア空調用熱交換器33に流れる。リア空調用熱交換器33では、冷媒が周囲の空気から熱を奪い、リア空調用熱交換器33の周囲の空気が冷やされる。
電池冷却側流路45は、電池パック80内に収容される図示略の電池の温度が上昇した際に電池を冷却するための冷媒流路である。電池には、電池温度を検知可能な電池温度センサ81(図2参照)が取付けられている。電池冷却側流路45は、第1分岐部46aと第1合流部46bとの間で空調側流路44と並列になっている。
電池冷却側流路45には、電池冷却用熱交換器45aが配置されている。電池冷却用熱交換器45aは、電池とともに電池パック80内に配置されている。電池冷却側流路45は、電池冷却側流路45に設けられる電池側分岐部46eと電池側合流部46fとの間で互いに並列となる第1、第2の電池側並列流路部45b、45cを有している。そして、電池冷却用熱交換器45aは、第1、第2の電池側並列流路部45b、45cにそれぞれ配置されている。
電池冷却側流路45には、さらに、電池冷却用熱交換器45aの上流側に、電池側電磁弁45dと電池冷却用膨張弁45eが配置されている。電池側電磁弁45dは、電池側分岐部46eの上流側に配置されており、共通流路41から電池冷却側流路45への冷媒流れをオンオフする。電池冷却用膨張弁45eは、第1、第2の電池側並列流路部45b、45cにそれぞれ配置されており、電池側電磁弁45dを通った冷媒を減圧させる。また、電池冷却用膨張弁45eは、開度を調整することで、電池冷却用熱交換器45aに流入する冷媒の流量を調整する。電池冷却用膨張弁45eは、機械式の膨張弁であってもよいが、電気式の膨張弁である。
共通流路41を流れてきた冷媒は、電池側電磁弁45dを通って電池冷却用膨張弁45eによって減圧されるとともに流量調整された後、電池冷却用熱交換器45aに流れる。電池冷却用熱交換器45aでは、冷媒が周囲の空気から熱を奪い、電池冷却用熱交換器45aの周囲の空気が冷やされる。
フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eが、それぞれ、開度を調整することで冷媒の流量を調整するため、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eのそれぞれの開度比を調整することで、フロント側空調流路42、リア側空調流路43および電池冷却側流路45のそれぞれを流れる冷媒の流量割合を調整可能である。
フロントヒータコア24とリアヒータコア34は、冷却水回路50によってそれらの内部を流れる冷却水が循環可能となっている。冷却水回路50は、ウォータポンプ51a、水加熱ヒータ51b、内燃機関(エンジン)51c、三方弁51dが配置される冷却水共通部51と、冷却水分岐部55aと冷却水合流部55bとの間で互いに並列となるフロント、リアの冷却水並列部52,53と、を有する。
ウォータポンプ51aは、冷却水回路50を流れる冷却水を圧縮して吐出する。水加熱ヒータ51bは、電池の電力により冷却水を昇温する。三方弁51dは、内燃機関51cを通過する流れと内燃機関51cを通過しない流れとに、冷却水共通部51を流れる冷却水経路を切り替える。
フロント冷却水並列部52には、フロントヒータコア24が配置されており、リア冷却水並列部53には、リアヒータコア34が配置されている。冷却水共通部51から冷却水分岐部55aを通ってフロント冷却水並列部52に流れてきた冷却水は、フロントヒータコア24に流れる。フロントヒータコア24では、冷却水と周囲の空気との間で熱交換することによって、周囲の空気に熱を与える。冷却水共通部51から冷却水分岐部55aを通ってリア冷却水並列部53に流れてきた冷却水は、リアヒータコア34に流れる。リアヒータコア34では、冷却水と周囲の空気との間で熱交換することによって、周囲の空気に熱を与える。
制御装置60は、フロント空調装置20と、リア空調装置30と、冷凍サイクル40と、冷却水回路50と、を制御可能である。
図2に示すように、制御装置60の入力側には、フロントエバフィンセンサ23a、リアエバ後センサ33a、電池温度センサ81、車室温度を検知する内気センサ70,車外温度を検知する外気センサ71,日射量を検知する日射センサ72、が接続されている。なお、内気センサ70と日射センサ72は、フロント空調装置20用とリア空調装置30用とにそれぞれ設けられている。制御装置60には、さらに、車両の乗員がフロント空調装置20およびリア空調装置30のオン/オフ、空調温度の設定等の操作を行うための操作部73、車両のリア席における着座センサ74,等が接続されている。着座センサ74は、リア乗員の有無を検知可能である。なお、着座センサ74は、該着座センサ74の代わりに、図示はしないが、車載カメラ、リア席のシートベルト装置に設けられるセンサ(たとえば、シートベルトのタングプレートがバックルに挿入されたことを検知するバックルスイッチ)等であってもよい。
制御装置60の出力側には、圧縮機41a、フロントエバ前電磁弁42b、リアエバ前電磁弁43b、電池側電磁弁45d、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43c、電池冷却用膨張弁45e、ウォータポンプ51a、水加熱ヒータ51b、フロントブロワ22,フロント内外気切替ドア26,フロントエアミックスドア27、PTCヒータ25、リアブロワ32,リア内外気切替ドア35,リアエアミックスドア36等が接続されている。
制御装置60は、フロント空調装置20および/またはリア空調装置30が作動(オン)しているとき、作動(オン)している空調装置における空調ダクト21,31から吹き出される空調空気の目標温度である目標吹出温度(TAO)を算出する。制御装置60は、下記数式(1)を用いてTAOを算出する。
TAO=Kset×Tset-Kr×Tr-Kam×Tam-Ks×Ts+C
・・・(1)
なお、Tsetは、乗員が設定した設定温度である。Trは、内気センサ70によって検出される車室温度である。Tamは、外気センサ71によって検出される外気温である。Tsは、日射センサ72によって検出される日射量である。また、Kset、Kr、Kam、Ksはゲインであり、Cは補正用の定数である。
制御装置60は、フロント空調用熱交換器23に冷媒を流してフロント空調装置20を作動させる(オンにする)ときは、圧縮機41aをオンにしフロントエバ前電磁弁42bを開にしてフロント空調用熱交換器23への冷媒流れを許容するとともに、フロントブロワ22をオンとする。制御装置60は、また、フロント空調用膨張弁42cの開度を調整することで、フロント空調用熱交換器23に流れる冷媒流量を調整する。具体的には、図3に示すように、フロント空調装置20のTAOが高くなるほど、フロント空調用膨張弁42cの開度が小となりフロント空調用熱交換器23に流れる流量が小となるようにされている。
制御装置60は、リア空調用熱交換器33に冷媒を流してリア空調装置30を作動させる(オンにする)ときは、圧縮機41aをオンにしリアエバ前電磁弁43bを開にしてリア空調用熱交換器33への冷媒流れを許容するとともに、リアブロワ32をオンとする。制御装置60は、また、リア空調用膨張弁43cの開度を調整することで、リア空調用熱交換器33に流れる冷媒流量を調整する。具体的には、図4に示すように、リア空調装置30のTAOが高くなるほど、リア空調用膨張弁43cの開度が小となりリア空調用熱交換器33に流れる流量が小となるようにされている。
制御装置60は、電池冷却用熱交換器45aに冷媒を流すときは、圧縮機41aをオンにし電池側電磁弁45dを開にして電池冷却用熱交換器45aへの冷媒流れを許容する。制御装置60は、また、電池冷却用膨張弁45eの開度を調整することで、電池冷却用熱交換器45aに流れる冷媒流量を調整する。具体的には、図5に示すように、電池温度-冷媒温度(電池温度と冷媒温度の差)が大になるほど、電池冷却用膨張弁45eの開度が小となり電池冷却用熱交換器45aに流れる流量が小となるようにされている。これは、冷媒のドライアウトの発生を抑制するためである。
ここで、電池は、高温になると劣化しやすくなる。そのため、電池温度が上昇して電池を冷却する必要が生じた際(電池冷却要求時)には、制御装置60は圧縮機41aをオンにするとともに電池側電磁弁45dを開にして電池冷却用熱交換器45aに冷媒が流れるようにしている。しかし、フロント、リアの空調用熱交換器23,33に冷媒を流入してフロント、リアの空調装置20,30が作動しているときに電池冷却要求があった場合、電池側電磁弁45dを開にして冷媒の一部を電池冷却用熱交換器45aに流すと、フロント、リアの空調用熱交換器23,33へ流れる冷媒流量が減るため、空調用熱交換器23,33における空気の冷却能力が低下し乗員の空調快適性を損なうおそれがある。また、電池側電池弁45dを開にして電池冷却用熱交換器45aに冷媒が流れて電池冷却しているときにフロント、リアの乗員による空調要求があった場合には、フロントエバ前電磁弁42b、リアエバ前電磁弁43bを開にして冷媒の一部をフロント、リアの空調用熱交換器23,33に流すと、電池冷却用熱交換器45aに流れる冷媒流量が減るため、電池冷却能力が低下するおそれがある。
また、フロント、リアの空調用熱交換器23、33および電池冷却用熱交換器45aの3つに冷媒を流すとき、冷却能力を決定する圧縮機41aとコンデンサ41bが1つずつであるため、優先順位を決定しないと、フロント、リアと電池冷却のそれぞれの冷媒流量を決定できなくなってしまう。
そこで、制御装置60は、図6に示すように、フロント空調用熱交換器23とリア空調用熱交換器33に冷媒が流入してフロント空調装置20とリア空調装置30が作動しているときであって電池冷却要求があるとき(フロント、リアの空調用熱交換器23、33および電池冷却用熱交換器45aの3つに冷媒を流すとき)、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位を決定する。
図6は、制御装置60の制御ルーチンを示すフローチャートである。図6は、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位を決定するか否かを判定するフローチャートである。図6に示す制御は、所定時間間隔で行われる。
まず、ステップS1で、電池冷却要求があるか否かを判定する。ステップS1で電池冷却要求がないと判定した場合には、何もせずそのままエンドステップに進む。一方、ステップS1で電池冷却要求があると判定した場合には、ステップS2に進む。
ステップS2では、フロント空調用熱交換器23に冷媒を流入してフロント空調装置20が作動しているか否かを判定する。ステップS2でフロント空調用熱交換器23に冷媒を流入してフロント空調装置20が作動していないと判定した場合には、ステップS5に進む。ステップS5では、電池冷却要求はあるがフロント空調用熱交換器23に冷媒を流入してフロント空調装置20が作動していないため、リア空調用熱交換器33に冷媒を流入してリア空調装置30が作動している場合には、リア空調用膨張弁43cと電池冷却用膨張弁45eの開度についてそれぞれ独立して図4、図5に示す制御が実行され、リア空調用熱交換器33に冷媒を流入してリア空調装置30が作動していない場合には、電池冷却用膨張弁45eの開度について独立して図5に示す制御が実行される。すなわち、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位を決定する制御が実行されない。そして、エンドステップに進む。一方、ステップS2でフロント空調用熱交換器23に冷媒を流入してフロント空調装置20が作動していると判定した場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、リア空調用熱交換器33に冷媒を流入してリア空調装置30が作動しているか否かを判定する。ステップS3でリア空調用熱交換器33に冷媒を流入してリア空調装置30が作動していないと判定した場合には、ステップS5に進む。ステップS5では、電池冷却要求がありフロント空調用熱交換器23に冷媒を流入してフロント空調装置20が作動してはいるが、リア空調用熱交換器33に冷媒を流入してリア空調装置30が作動していないため、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eの開度についてそれぞれ独立して図3、図5に示す制御が実行される。すなわち、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位を決定する制御が実行されない。そして、エンドステップに進む。一方、ステップS3でリア空調用熱交換器33に冷媒を流入してリア空調装置30が作動していると判定した場合には、ステップS4に進む。
ステップS4では、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位を決定する制御が実行される。そして、エンドステップに進む。
ステップS4では、制御装置60は、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁(本発明図示例では電池冷却用膨張弁45eが2つ設けられているが各々の電池冷却用膨張弁)45eの開度優先順位を、
(i)リア乗員がいるか否か、
(ii)フロント空調装置20がクールダウン中であるか否か、
に基づいて決定する。
なお、クールダウン中であるか否かは、空調装置20,30のそれぞれで、TAOから決定される目標吹出温度と実際の環境下で使われる吹出温度に乖離があるか否か、または、空調装置20,30が両方ONされるとともに電池冷却要求されてから所定時間経過する前か否かで判断する。
「実際の環境下で使われる吹出温度」は、冷房運転中にあっては空調装置20,30における空調用熱交換器23,33の温度または空調用熱交換器23,33の下流側の温度と略等しいため、フロント空調装置20にあってはフロントエバフィンセンサ23aで検知し、リア空調装置30にあってはリアエバ後センサ33aで検知する。
また、「所定時間」は、図7に示すように、電池の温度に基づく電池冷却要求レベルに応じて決定される。なお、図7は、所定時間の一例を示しており、電池の温度40℃以上を、レベル1~レベル6の電池冷却要求レベルに分類し、電池冷却要求レベルが大になる程(電池温度が高くなる程)、所定時間が短くされている。なお、目標吹出温度TAOが変化したとき、所定時間が再設定されるようになっている。
・上記(i)について
(i-1)リア乗員がいる場合、フロント空調装置20およびリア空調装置30がクールダウン中であるか否かにかかわらず、リア空調用膨張弁43cの開度を、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eよりも優先して、図4に従って(リアのTAOに応じて)決定する。これにより、リア乗員がいる場合には、リア空調用熱交換器33への冷媒流量がフロント空調用熱交換器23や電池冷却用熱交換器45aに比べて確保され、リア空調装置30による空調が、フロント空調装置20による空調や電池冷却よりも優先される。
(i-2)一方、リア乗員がいない場合、フロント空調装置20およびリア空調装置30がクールダウン中であるか否かにかかわらず、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eの開度を、リア空調用膨張弁43cの開度よりも優先して、図3、図5に従って(フロントのTAOに応じて、電池温度と冷媒温度の差に応じて)決定する。これにより、リア乗員がいない場合には、フロント空調用熱交換器23と電池冷却用熱交換器45aへの冷媒流量がリア空調用熱交換器33に比べて確保され、フロント空調装置20による空調と電池冷却が、リア空調装置30による空調よりも優先される。
・上記(ii)について
(ii-1)フロント空調装置20がクールダウン中である場合、フロント空調用膨張弁42cの開度を、電池冷却用膨張弁45eの開度よりも優先して、図3に従って(フロントのTAOに応じて)決定する。これにより、フロント空調用熱交換器23への冷媒流量が電池冷却用熱交換器45aに比べて確保され、フロント空調装置20による空調が電池冷却よりも優先される。
(ii-2)一方、フロント空調装置20がクールダウン中でない場合、すなわち、フロント空調装置20がクールダウン終了後の室内温度安定時である場合、電池冷却用膨張弁45eの開度を、フロント空調用膨張弁42cの開度よりも優先して、図5に従って(電池温度と冷媒温度の差に応じて)決定する。これにより、電池冷却用熱交換器45aへの冷媒流量がフロント空調用熱交換器23に比べて確保され、電池冷却がフロント空調装置20による空調よりも優先される。
上記(i)と(ii)により、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位は、つぎのようになる。
(a)リア乗員が有で、フロント空調装置20がクールダウン中
リア空調用膨張弁43c>フロント空調用膨張弁42c>電池冷却用膨張弁45eの優先順位となる。
詳しく説明する。まず、優先順位1番のリア空調用膨張弁43cの開度を、図4に従って(リアのTAOに応じて)決定する。そして、優先順位2番のフロント空調用膨張弁42cの開度を、図3に従って(フロントのTAOに応じて)決定する。その際、フロント空調用膨張弁42cの開度は、リア空調用熱交換器33への冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で決定される。そして、優先順位3番の電池冷却用膨張弁45eの開度を、図5に従って(電池温度と冷媒温度の差に応じて)決定する。その際、電池冷却用膨張弁45eの開度は、リア空調用熱交換器33とフロント空調用熱交換器23への冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で(できる限りで)決定される。
(b)リア乗員が有で、フロント空調装置20がクールダウン中ではないとき
リア空調用膨張弁43c>電池冷却用膨張弁45e>フロント空調用膨張弁42cの優先順位となる。
詳しく説明する。まず、優先順位1番のリア空調用膨張弁43cの開度を、図4に従って(リアのTAOに応じて)決定する。そして、優先順位2番の電池冷却用膨張弁45eの開度を、図5に従って(電池温度と冷媒温度の差に応じて)決定する。その際、電池冷却用膨張弁45eの開度は、リア空調用熱交換器33への冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で決定される。そして、優先順位3番のフロント空調用膨張弁42cの開度を、図3に従って(フロントのTAOに応じて)決定する。その際、フロント空調用膨張弁42cの開度は、リア空調用熱交換器33と電池冷却用熱交換器45aへの冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で(できる限りで)決定される。
(c)リア乗員が無で、フロント空調装置20がクールダウン中
フロント空調用膨張弁42c>電池冷却用膨張弁45e>リア空調用膨張弁43cの優先順位となる。
詳しく説明する。まず、優先順位1番のフロント空調用膨張弁42cの開度を、図3に従って(フロントのTAOに応じて)決定する。そして、優先順位2番の電池冷却用膨張弁45eの開度を、図5に従って(電池温度と冷媒温度の差に応じて)決定する。その際、電池冷却用膨張弁45eの開度は、フロント空調用熱交換器23への冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で決定される。そして、優先順位3番のリア空調用膨張弁43cの開度を、図4に従って(リアのTAOに応じて)決定する。その際、リア空調用膨張弁43cの開度は、フロント空調用熱交換器23と電池冷却用熱交換器45aへの冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で(できる限りで)決定される。
(d)リア乗員が無で、フロント空調装置20がクールダウン中ではないとき
電池冷却用膨張弁45e>フロント空調用膨張弁42c>リア空調用膨張弁43cの優先順位となる。
詳しく説明する。まず、優先順位1番の電池用膨張弁45eの開度を、図5に従って(電池温度と冷媒温度の差に応じて)決定する。そして、優先順位2番のフロント空調用膨張弁42cの開度を、図3に従って(フロントのTAOに応じて)決定する。その際、フロント空調用膨張弁42cの開度は、電池冷却用熱交換器45aへの冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で決定される。そして、優先順位3番のリア空調用膨張弁43cの開度を、図4に従って(リアのTAOに応じて)決定する。その際、リア空調用膨張弁43cの開度は、フロント空調用熱交換器23と電池冷却用熱交換器45aへの冷媒供給量を確保した上で、残った冷媒量の範囲内で(できる限りで)決定される。
なお、フロント、リアの空調用熱交換器23、33に冷媒を流してフロント、リアの空調装置20、30が作動しているときに、電池冷却要求があり電池冷却用熱交換器23に冷媒を流すと、フロント、リアの空調装置20,30の吹出温度が変動(上昇)するが、リア乗員が有る場合には、リア空調を最優先させるために、リア空調装置30の吹出温度を変更させないように各膨張弁42c、43c、45eの開度が決定されることが望ましい。
図8は、図6におけるステップS4における制御(フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位を決定する制御)が実行された後における、制御装置60の制御ルーチンを示すフローチャートである。図8に示す制御は、図6におけるステップS4における制御が実行されているときに所定時間間隔で行われる。
まず、ステップS101で、乗員によるリア空調の操作があるか否かを判定する。ステップS101でリア空調の操作がないと判定した場合には、図6におけるステップS4における制御をそのまま実行させて、エンドステップに進む。一方、ステップS101でリア空調の操作があると判定した場合には、ステップS102に進む。
ステップS102では、リア空調の操作があったときにはリア空調装置30がクールダウン中となるため、リア空調装置30がクールダウン終了して室内温度安定時になるまで、リア乗員の有無にかかわらず、リア空調用膨張弁43cの開度を、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eの開度よりも優先させる(上記(a)または(b)と同様にする)。そして、エンドステップに進む。
つぎに、本発明実施例の作用、効果を説明する。
(A)制御装置60が、リア乗員がいるときには、リア空調用膨張弁43cの開度を、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eのそれぞれの開度よりも優先して決定するため、リア乗員がいるときにはリア空調が最も優先され、リア乗員の快適性を確保できる。一方、制御装置60が、リア乗員がいないときには、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eのそれぞれの開度を、リア空調用膨張弁43cの開度よりも優先して決定するため、リア乗員がいないときにはフロント空調と電池冷却がリア空調よりも優先され、フロント乗員の快適性が確保されるとともに電池冷却させて電池の劣化を抑制することができる。
(B)制御装置60が、フロント空調装置20がクールダウン中は、フロント空調用膨張弁42cの開度を電池冷却用膨張弁45eの開度よりも優先して決定するため、フロント空調が電池冷却よりも優先され、フロント乗員の快適性を確保できる。一方、制御装置60が、フロント空調装置20のクールダウン終了後は、電池冷却用膨張弁45eの開度をフロント空調用膨張弁42cの開度よりも優先して決定するため、電池冷却がフロント空調よりも優先され、電池の劣化を抑制することができる。
(C)制御装置60が、フロント空調用膨張弁42c、リア空調用膨張弁43cおよび電池冷却用膨張弁45eの開度の優先順位を決定する制御(図6のステップS4における制御)が実行された後であっても、リア空調の操作があったときには、リア空調用膨張弁43cの開度を、フロント空調用膨張弁42cと電池冷却用膨張弁45eの開度よりも優先させる制御(図8のステップS102における制御)を実行するため、リア空調の操作があった際には、リア空調をフロント空調および電池冷却よりも優先できる。
10 車両用空調装置
20 フロント空調装置
21 フロント空調ダクト
22 フロントブロワ
23 フロント空調用熱交換器
30 リア空調装置
31 リア空調ダクト
32 リアブロワ
33 リア空調用熱交換器
40 冷凍サイクル
41 共通流路
42 フロント側空調流路
42b フロントエバ前電磁弁
42c フロント空調用膨張弁
43 リア側空調流路
43b リアエバ前電磁弁
43c リア空調用膨張弁
44 空調側流路
45 電池冷却側流路
45a 電池冷却用熱交換器
45d 電池側電磁弁
45e 電池冷却用膨張弁
50 冷却水回路
60 制御装置
74 着座センサ
80 電池パック

Claims (2)

  1. 圧縮機、フロント空調装置に設けられるフロント空調用熱交換器、リア空調装置に設けられるリア空調用熱交換器、電池冷却用の電池冷却用熱交換器、フロント空調用膨張弁、リア空調用膨張弁、電池冷却用膨張弁、を冷媒が流れる冷凍サイクルを有する冷却システムであって、
    前記フロント空調用熱交換器と前記リア空調用熱交換器に前記冷媒が流入して前記フロント空調装置と前記リア空調装置が作動しているときであって前記電池を冷却する電池冷却要求があるときに、前記フロント空調用膨張弁、前記リア空調用膨張弁および前記電池冷却用膨張弁の開度の優先順位を決める制御装置を有しており、
    前記制御装置は、リア乗員がいるときには、前記リア空調用膨張弁の開度を、前記フロント空調用膨張弁と前記電池冷却用膨張弁のそれぞれの開度よりも優先して決定し、前記リア乗員がいないときには、前記フロント空調用膨張弁と前記電池冷却用膨張弁のそれぞれの開度を、前記リア空調用膨張弁の開度よりも優先して決定する、冷却システム。
  2. 前記制御装置は、前記フロント空調装置がクールダウン中にあっては、前記フロント空調用膨張弁の開度を、前記電池冷却用膨張弁の開度よりも優先して決定し、前記フロント空調装置がクールダウン終了後にあっては、前記電池冷却用膨張弁の開度を、前記フロント空調用膨張弁の開度よりも優先して決定する、請求項1記載の冷却システム。
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